(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023019883
(43)【公開日】2023-02-09
(54)【発明の名称】人力駆動車用のドライブユニット、および、人力駆動車用のスピンドルユニット
(51)【国際特許分類】
B62M 6/55 20100101AFI20230202BHJP
B62M 15/00 20060101ALI20230202BHJP
【FI】
B62M6/55
B62M15/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021124942
(22)【出願日】2021-07-30
(71)【出願人】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】野田 慎一朗
(72)【発明者】
【氏名】星野 創一郎
(57)【要約】
【課題】利便性を向上できる人力駆動車用のドライブユニット、および、人力駆動車用のスピンドルユニットを提供する。
【解決手段】フレームに連結するように構成される少なくとも1つの連結部と、第1貫通孔が形成される第1側壁部と第2貫通孔が形成され第1側壁部から間隔をあけて配置される第2側壁部とを含むハウジングと、ハウジングに設けられ駆動力を出力するように構成されるモータと、入力回転軸と入力回転軸に同軸に配置されて入力回転軸に連結される出力回転軸とを含むスピンドルユニットが第1貫通孔および第2貫通孔のそれぞれからハウジングの外部に突出するように配置される配置状態においてスピンドルユニットを回転可能に支持するように構成される支持機構とを備え、支持機構は、ハウジングに設けられ第1貫通孔および第2貫通孔の少なくとも1つを介してスピンドルユニットを着脱可能に構成される。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人力駆動車用のドライブユニットであって、
前記人力駆動車のフレームに連結するように構成される少なくとも1つの連結部と、第1貫通孔が形成される第1側壁部と、第2貫通孔が形成され、前記第1側壁部から間隔をあけて配置される第2側壁部と、を含むハウジングと、
前記ハウジングに設けられ、駆動力を出力するように構成されるモータと、
入力回転軸と、前記入力回転軸に同軸に配置されて前記入力回転軸に連結される出力回転軸と、を含む人力駆動車用のスピンドルユニットが、前記第1貫通孔および前記第2貫通孔のそれぞれから前記ハウジングの外部に突出するように配置される配置状態において、前記スピンドルユニットを回転可能に支持するように構成される支持機構と、を備え、
前記支持機構は、前記ハウジングに設けられ、前記第1貫通孔および前記第2貫通孔の少なくとも1つを介して、前記スピンドルユニットを着脱可能に構成される、ドライブユニット。
【請求項2】
前記支持機構は、
前記配置状態において、前記入力回転軸の外周面に接触するように形成される第1内周面を有し、前記第1側壁部に設けられる第1軸受と、
前記配置状態において、前記出力回転軸の外周面に接触するように形成される第2内周面を有し、前記第2側壁部に設けられる第2軸受と、を含む、請求項1に記載のドライブユニット。
【請求項3】
前記第1内周面の第1最小内径は、前記配置状態における前記スピンドルユニットのうち、前記第1軸受から前記第2軸受に向かう方向において、前記第1軸受よりも上流側に配置される第1部分の第1最大外径以上であり、
前記第2内周面の第2最小内径は、前記第1内周面の第1最小内径以上であり、かつ、前記配置状態における前記スピンドルユニットのうち、前記第1軸受と前記第2軸受との間に配置される第2部分の第2最大外径以上である、請求項2に記載のドライブユニット。
【請求項4】
前記第1内周面の前記第1最小内径は、前記スピンドルユニットの前記第2部分における前記第2最大外径未満である、請求項3に記載のドライブユニット。
【請求項5】
前記ハウジングに設けられ、前記配置状態において前記モータの駆動力を前記出力回転軸に伝達するように構成される伝達機構をさらに備える、請求項1から4のいずれか一項に記載のドライブユニット。
【請求項6】
前記伝達機構は、減速機と、ワンウェイクラッチの少なくとも一部と、を含み、
前記ワンウェイクラッチは、前記配置状態において、前記入力回転軸の回転軸線まわりの第1方向に前記入力回転軸が回転する場合に、前記入力回転軸に入力される回転力の前記モータへの伝達を抑制するように構成される、請求項5に記載のドライブユニット。
【請求項7】
前記減速機は、第1歯車を含み、
前記第1歯車は、環状に形成され、内周部と、複数の歯が形成される外周部と、を有し、
前記ワンウェイクラッチの前記少なくとも一部は、前記配置状態において、前記第1歯車の前記内周部と、前記出力回転軸との間に配置される、請求項6に記載のドライブユニット。
【請求項8】
前記ワンウェイクラッチの前記少なくとも一部は、前記第1歯車の内周部に配置される複数のローラと、前記複数のローラを支持するキャリアと、を含み、
前記配置状態において、前記複数のローラは、前記出力回転軸の外周面に接触するように構成される、請求項7に記載のドライブユニット。
【請求項9】
前記スピンドルユニットをさらに備える、請求項1から8のいずれか一項に記載のドライブユニット。
【請求項10】
前記スピンドルユニットと、
前記スピンドルユニットの前記第1部分を外囲するように設けられる円筒部材と、をさらに備え、
前記スピンドルユニットの前記第1部分は、クランクアームが連結されるように構成される第1クランクアーム連結部を含み、
前記円筒部材は、前記第1クランクアーム連結部に連結されるクランクアームと、前記第1軸受との間に配置され、
前記円筒部材の第3最大外径は、前記第1内周面の第1最大内径よりも大きい、請求項3または4に記載のドライブユニット。
【請求項11】
前記出力回転軸は、前記入力回転軸の前記回転軸線まわりに前記入力回転軸と相対回転不能に、前記入力回転軸に連結され、かつ、前記入力回転軸の前記回転軸線方向において第1端部および第2端部を含み、
前記第1端部は、前記入力回転軸に連結され、
前記第2端部は、回転体を連結するように構成される回転体連結部を含み、かつ、前記配置状態において、前記第2貫通孔から前記ハウジングの外部に突出するように構成される、請求項6から8のいずれか一項に記載のドライブユニット。
【請求項12】
前記少なくとも1つの連結部は、前記第1側壁部に設けられる第1連結部と、前記第2側壁部に設けられる第2連結部と、を含み、
前記配置状態において、前記第1連結部および前記第2連結部の少なくとも1つは、前記スピンドルユニットの回転軸線まわりに前記スピンドルユニットを囲むように配置される、請求項1から11のいずれか一項に記載のドライブユニット。
【請求項13】
前記第1連結部は、前記第1貫通孔の少なくとも一部を定義する第1雌ねじ部を含み、
前記第2連結部は、前記第2貫通孔の少なくとも一部を定義する第2雌ねじ部を含む、請求項12に記載のドライブユニット。
【請求項14】
人力駆動車用のスピンドルユニットであって、
入力回転軸と、
前記入力回転軸に接続され、かつ、前記入力回転軸を外囲して前記入力回転軸と同軸に配置され、かつ、前記入力回転軸の回転軸線方向における一方の端部が、前記入力回転軸に連結され、かつ、前記入力回転軸の前記回転軸線方向における他方の端部が、回転体を連結するように構成される出力回転軸を含み、
前記入力回転軸は、第1軸受に回転可能および着脱可能に支持される第1被支持部を含み、
前記出力回転軸は、第2軸受に回転可能および着脱可能に支持される第2被支持部を含み、
前記スピンドルユニットのうち、前記第1被支持部と、前記第2被支持部との間における部分の第4最大外径は、前記第2被支持部の第5最大外径以下である、スピンドルユニット。
【請求項15】
前記入力回転軸のうち、前記第1被支持部から前記第2被支持部に向かう方向の前記第1被支持部よりも上流側に配置される第1部分の第1最大外径は、前記第1被支持部の第6最大外径以下であり、
前記入力回転軸のうち、前記第1被支持部と前記第2被支持部との間の部分における第7最大外径と、前記出力回転軸のうち前記第1被支持部と前記第2被支持部との間の部分における第8最大外径とは、前記第2被支持部の第5最大外径以下である、請求項14に記載のスピンドルユニット。
【請求項16】
前記出力回転軸の外周面は、ワンウェイクラッチの内輪を構成するワンウェイクラッチ構成部を含む、請求項14または15に記載のスピンドルユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、人力駆動車用のドライブユニット、および、人力駆動車用のスピンドルユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に開示される人力駆動車用のドライブユニットは、ハウジング、および、スピンドルユニットを備える。スピンドルユニットの一部は、ハウジングから露出するように構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の目的の1つは、利便性を向上できる人力駆動車用のドライブユニット、および、人力駆動車用のスピンドルユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1側面に従うドライブユニットは、人力駆動車用のドライブユニットであって、前記人力駆動車のフレームに連結するように構成される少なくとも1つの連結部と、第1貫通孔が形成される第1側壁部と、第2貫通孔が形成され、前記第1側壁部から間隔をあけて配置される第2側壁部と、を含むハウジングと、前記ハウジングに設けられ、駆動力を出力するように構成されるモータと、入力回転軸と、前記入力回転軸に同軸に配置されて前記入力回転軸に連結される出力回転軸と、を含む人力駆動車用のスピンドルユニットが、前記第1貫通孔および前記第2貫通孔のそれぞれから前記ハウジングの外部に突出するように配置される配置状態において、前記スピンドルユニットを回転可能に支持するように構成される支持機構と、を備え、前記支持機構は、前記ハウジングに設けられ、前記第1貫通孔および前記第2貫通孔の少なくとも1つを介して、前記スピンドルユニットを着脱可能に構成される。
第1側面のドライブユニットによれば、ハウジングを分解しなくても、第1貫通孔および第2貫通孔の少なくとも1つを介してスピンドルユニットを支持機構に装着したり、取り外したりできるので、ドライブユニットの利便性が向上する。第1側面のドライブユニットによれば、例えば、ドライブユニットをフレームに連結した後で、スピンドルユニットをドライブユニットに取り付けできるので、人力駆動車のフレームの設計の自由度が向上される。第1側面のドライブユニットによれば、スピンドルユニットを交換しやすい。
【0006】
本開示の第1側面に従う第2側面のドライブユニットにおいて、前記支持機構は、前記配置状態において、前記入力回転軸の外周面に接触するように形成される第1内周面を有し、前記第1側壁部に設けられる第1軸受と、前記配置状態において、前記出力回転軸の外周面に接触するように形成される第2内周面を有し、前記第2側壁部に設けられる第2軸受と、を含む。
第2側面のドライブユニットによれば、支持機構に含まれる第1軸受および第2軸受によって、スピンドルユニットが好適に支持される。
【0007】
本開示の第2側面に従う第3側面のドライブユニットにおいて、前記第1内周面の第1最小内径は、前記配置状態における前記スピンドルユニットのうち、前記第1軸受から前記第2軸受に向かう方向において、前記第1軸受よりも上流側に配置される第1部分の第1最大外径以上であり、前記第2内周面の第2最小内径は、前記第1内周面の第1最小内径以上であり、かつ、前記配置状態における前記スピンドルユニットのうち、前記第1軸受と前記第2軸受との間に配置される第2部分の第2最大外径以上である。
第3側面のドライブユニットによれば、スピンドルユニットの第1部分をハウジングの外部から第2軸受に挿入させ、かつ、第2軸受から第1軸受に向かう方向に、スピンドルユニットを移動させて、スピンドルユニットの第1部分を第1軸受に挿入することによって、ドライブユニットにスピンドルユニットを取り付けできる。
【0008】
本開示の第3側面に従う第4側面のドライブユニットにおいて、前記第1内周面の前記第1最小内径は、前記スピンドルユニットの前記第2部分における前記第2最大外径未満である。
第4側面のドライブユニットによれば、第1軸受とスピンドルユニットの第2部分とが接触することによって、第2軸受から第1軸受に向かう方向へのスピンドルユニットの移動が抑制される。
【0009】
本開示の第1から4側面のいずれか1つに従う第5側面のドライブユニットにおいて、前記ハウジングに設けられ、前記配置状態において前記モータの駆動力を前記出力回転軸に伝達するように構成される伝達機構をさらに備える。
第5側面のドライブユニットによれば、伝達機構によってモータの駆動力を出力回転軸に好適に伝達できる。
【0010】
本開示の第5側面に従う第6側面のドライブユニットにおいて、前記伝達機構は、減速機と、ワンウェイクラッチの少なくとも一部と、を含み、前記ワンウェイクラッチは、前記配置状態において、前記入力回転軸の回転軸線まわりの第1方向に前記入力回転軸が回転する場合に、前記入力回転軸に入力される回転力の前記モータへの伝達を抑制するように構成される。
第6側面のドライブユニットによれば、入力回転軸の回転軸線まわりの第1方向に入力回転軸を回転させる場合、ワンウェイクラッチによって、入力回転軸に入力される駆動力のモータへの伝達が抑制されるため、モータが停止している状態におけるライダの負荷を低減できる。
【0011】
本開示の第6側面に従う第7側面のドライブユニットにおいて、前記減速機は、第1歯車を含み、前記第1歯車は、環状に形成され、内周部と、複数の歯が形成される外周部と、を有し、前記ワンウェイクラッチの前記少なくとも一部は、前記配置状態において、前記第1歯車の前記内周部と、前記出力回転軸との間に配置される。
第7側面のドライブユニットによれば、出力回転軸の近くにワンウェイクラッチが配置されるので、モータが停止している状態におけるライダの負荷をさらに低減できる。
【0012】
本開示の第7側面に従う第8側面のドライブユニットにおいて、前記ワンウェイクラッチの前記少なくとも一部は、前記第1歯車の内周部に配置される複数のローラと、前記複数のローラを支持するキャリアと、を含み、前記配置状態において、前記複数のローラは、前記出力回転軸の外周面に接触するように構成される。
第8側面のドライブユニットによれば、出力回転軸の外周部が、ワンウェイクラッチの内輪を形成するので、部品点数を削減できる。
【0013】
本開示の第1から8側面のいずれか1つに従う第9側面のドライブユニットにおいて、前記スピンドルユニットをさらに備える。
第9側面のドライブユニットによれば、ドライブユニットは、ドライブユニットに着脱できるスピンドルユニットを備えるため、利便性が向上する。
【0014】
本開示の第3または4側面に従う第10側面のドライブユニットにおいて、前記スピンドルユニットと、前記スピンドルユニットの前記第1部分を外囲するように設けられる円筒部材と、をさらに備え、前記スピンドルユニットの前記第1部分は、クランクアームが連結されるように構成される第1クランクアーム連結部を含み、前記円筒部材は、前記第1クランクアーム連結部に連結されるクランクアームと、前記第1軸受との間に配置され、前記円筒部材の第3最大外径は、前記第1内周面の第1最大内径よりも大きい。
第10側面のドライブユニットによれば、第1クランクアーム連結部にクランクアームが取り付けられると、入力回転軸の軸方向への円筒部材の移動がクランクアームと第1軸受とによって抑制され、かつ、第1軸受から第2軸受に向かう方向へのスピンドルユニットの移動が抑制される。
【0015】
本開示の第6から8側面のいずれか1つに従う第11側面のドライブユニットにおいて、前記出力回転軸は、前記入力回転軸の前記回転軸線まわりに前記入力回転軸と相対回転不能に、前記入力回転軸に連結され、かつ、前記入力回転軸の前記回転軸線方向において第1端部および第2端部を含み、前記第1端部は、前記入力回転軸に連結され、前記第2端部は、回転体を連結するように構成される回転体連結部を含み、かつ、前記配置状態において、前記第2貫通孔から前記ハウジングの外部に突出するように構成される。
第11側面のドライブユニットによれば、入力回転軸と出力回転軸とを一体に回転させることができる。第11側面のドライブユニットによれば、配置状態において、回転体連結部を含む出力回転軸の第2端部が、第2貫通孔からハウジングの外部に突出するので、回転体連結部に回転体を連結しやすい。
【0016】
本開示の第1から11側面のいずれか1つに従う第12側面のドライブユニットにおいて、前記少なくとも1つの連結部は、前記第1側壁部に設けられる第1連結部と、前記第2側壁部に設けられる第2連結部と、を含み、前記配置状態において、前記第1連結部および前記第2連結部の少なくとも1つは、前記スピンドルユニットの回転軸線まわりに前記スピンドルユニットを囲むように配置される。
第12側面のドライブユニットによれば、第1連結部および第2連結部によって、ドライブユニットを人力駆動車のフレームに好適に連結できる。
【0017】
本開示の第12側面に従う第13側面のドライブユニットにおいて、前記第1連結部は、前記第1貫通孔の少なくとも一部を定義する第1雌ねじ部を含み、前記第2連結部は、前記第2貫通孔の少なくとも一部を定義する第2雌ねじ部を含む。
第13側面のドライブユニットによれば、第1雌ねじ部および第2雌ねじ部は、配置状態におけるスピンドルユニットを囲むように配置されるので、第1雌ねじ部および第2雌ねじ部をフレームに連結することによって、ドライブユニットを人力駆動車のフレームに安定して連結できる。
【0018】
本開示の第14側面のスピンドルユニットは、人力駆動車用のスピンドルユニットであって、入力回転軸と、前記入力回転軸に接続され、かつ、前記入力回転軸を外囲して前記入力回転軸と同軸に配置され、かつ、前記入力回転軸の回転軸線方向における一方の端部が、前記入力回転軸に連結され、かつ、前記入力回転軸の前記回転軸線方向における他方の端部が、回転体を連結するように構成される出力回転軸を含み、前記入力回転軸は、第1軸受に回転可能および着脱可能に支持される第1被支持部を含み、前記出力回転軸は、第2軸受に回転可能および着脱可能に支持される第2被支持部を含み、前記スピンドルユニットのうち、前記第1被支持部と、前記第2被支持部との間における部分の第4最大外径は、前記第2被支持部の第5最大外径以下である。
第14側面のスピンドルユニットによれば、スピンドルユニットは、ドライブユニットに好適に着脱できるので、スピンドルユニットの利便性が向上する。
【0019】
本開示の第14側面に従う第15側面のスピンドルユニットにおいて、前記入力回転軸のうち、前記第1被支持部から前記第2被支持部に向かう方向の前記第1被支持部よりも上流側に配置される第1部分の第1最大外径は、前記第1被支持部の第6最大外径以下であり、前記入力回転軸のうち、前記第1被支持部と前記第2被支持部との間の部分における第7最大外径と、前記出力回転軸のうち前記第1被支持部と前記第2被支持部との間の部分における第8最大外径とは、前記第2被支持部の第5最大外径以下である。
第15側面のスピンドルユニットによれば、スピンドルユニットは、ドライブユニットに好適に着脱できる。
【0020】
本開示の第14または15側面に従う第16側面のスピンドルユニットにおいて、前記出力回転軸の外周面は、ワンウェイクラッチの内輪を構成するワンウェイクラッチ構成部を含む。
第16側面のスピンドルユニットによれば、出力回転軸の外周部が、ワンウェイクラッチの内輪を形成するので、部品点数を削減できる。
【発明の効果】
【0021】
本開示の人力駆動車用のドライブユニット、および、人力駆動車用のスピンドルユニットは、利便性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】人力駆動車用のスピンドルユニット、人力駆動車用のドライブユニット、人力駆動車用のドライブユニットが連結される人力駆動車のフレームの一部、第1連結部材、第2連結部材、および、規制部の分解斜視図。
【
図2】人力駆動車用のスピンドルユニットを備える人力駆動車用のドライブユニットの平面図。
【
図3】人力駆動車用のスピンドルユニットを備える人力駆動車用のドライブユニットの第1側面図。
【
図4】人力駆動車用のスピンドルユニットを備える人力駆動車用のドライブユニットの第2側面図。
【
図5】人力駆動車用のスピンドルユニットを備える人力駆動車用のドライブユニットについて、
図3のD5-D5線に沿う断面図。
図5には、人力駆動車用のスピンドルユニットを備える人力駆動車用のドライブユニットを、フレームに取り付けた状態が示される。
【
図6】
図5の人力駆動車用のスピンドルユニットの周辺を拡大して示す断面図。
【
図7】人力駆動車用のスピンドルユニットが取り外された状態の人力駆動車用のドライブユニットの断面図。
【
図8】人力駆動車用のスピンドルユニットの平面図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1から
図8を参照して、人力駆動車用のドライブユニット40、および、人力駆動車用のスピンドルユニット90が説明される。人力駆動車10は、少なくとも1つの車輪を有し、少なくとも人力駆動力によって駆動できる乗り物である。人力駆動車10は、例えばマウンテンバイク、ロードバイク、シティバイク、カーゴバイク、および、ハンドバイク、リカンベントなど種々の種類の自転車を含む。人力駆動車10が有する車輪の数は限定されない。人力駆動車10は、2輪車だけではなく、例えば1輪車および3輪以上の車輪を有する乗り物も含む。人力駆動車10は、人力駆動力のみによって駆動できる乗り物に限定されない。人力駆動車10は、人力駆動力だけではなく、電気モータの駆動力を推進に利用するイーバイク(E-bike)を含む。イーバイクは、電気モータによって推進が補助される電動アシスト自転車を含む。以下、実施形態において、人力駆動車10を、電動アシスト自転車として説明し、電動アシスト自転車の一例をマウンテンバイクとして説明する。
【0024】
人力駆動車10は、少なくとも1つの車輪と、車体12と、を備える。少なくとも1つの車輪は、後輪と、前輪と、を含む。車体12は、フレーム14を含む。フレーム14は、ダウンチューブ16と、シートチューブ18と、ダウンチューブ16およびシートチューブ18を接続する接続部分19と、を含む。フレーム14には、ドライブユニット40が設けられる。ドライブユニット40は、フレーム14に取り付け可能に構成される。ドライブユニット40は、ダウンチューブ16、シートチューブ18、および、接続部分19の少なくとも1つに取り付け可能に構成される。ドライブユニット40は、スピンドルユニット90をさらに備える。スピンドルユニット90は、フレーム14にドライブユニット40に取り付けられた状態において、フレーム14に対して回転可能である。
【0025】
例えば、人力駆動車10は、ドライブユニット40に電力を供給するバッテリをさらに含む。バッテリは、1または複数のバッテリ素子を含む。バッテリ素子は、充電池を含む。バッテリは、ドライブユニット40に電力を供給するように構成される。ドライブユニット40は、制御装置76を含んでいてもよい。バッテリは、制御装置76と電気ケーブルまたは無線通信装置を介して通信可能に接続される。バッテリは、例えば電力線通信(PLC;Power Line Communication)、CAN(Controller Area Network)、または、UART(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)によって制御装置76と通信可能である。
【0026】
フレーム14には、ドライブユニット配置部14Aが設けられる。ドライブユニット配置部14Aは、例えば、接続部分19に設けられる。ドライブユニット配置部14Aは、接続部分19に限らず、フレーム14の形状に応じて、適切な場所に設けられる。
【0027】
ドライブユニット配置部14Aは、スピンドルユニット90の少なくとも一部、および、ドライブユニット40の少なくとも一部が配置される配置空間Pを形成する。ドライブユニット配置部14Aには、第1開口部14Bが設けられる。第1開口部14Bは、人力駆動車10の車輪を水平面に垂直に接地させた状態において、ドライブユニット配置部14Aの下端部に設けられる。第1開口部14Bには、配置空間Pに繋がる開口が形成される。ドライブユニット配置部14Aには、第2開口部14Cがさらに設けられてもよい。
【0028】
第2開口部14Cは、人力駆動車10の車輪を水平面に垂直に接地させた状態において、人力駆動車10の前後方向および上下方向にそれぞれ垂直な左右方向に開口する。第2開口部14Cには、配置空間Pに繋がる開口が形成される。第2開口部14Cの開口は、第1開口部14Bの開口と、繋がる。第1開口部14Bおよび第2開口部14Cは、ドライブユニット40の少なくとも一部が配置空間Pの外部から配置空間Pに移動可能な形状を有する。例えば、ドライブユニット40は、第1開口部14Bの開口から配置空間Pに配置される。例えば、ドライブユニット40が配置空間Pに配置される状態において、ドライブユニット40の一部は、第1開口部14Bおよび第2開口部14Cから露出してもよい。第2開口部14Cは、省略されてもよい。ドライブユニット配置部14Aは、配置空間Pにドライブユニット40を配置可能な形状であれば、どのような形状であってもよい。
【0029】
ドライブユニット配置部14Aには、第1孔14Dおよび第2孔14Eが形成される。第1孔14Dは、フレーム14のうちの人力駆動車10の左右方向における一方に開口する。第2孔14Eは、フレーム14のうちの人力駆動車10の左右方向における他方に開口する。第1孔14Dは、ドライブユニット40が通過不能、かつ、スピンドルユニット90が通過可能な寸法に形成される。第2孔14Eは、ドライブユニット40が通過不能、かつ、スピンドルユニット90の少なくとも一部が通過可能な寸法に形成される。第1孔14Dおよび第2孔14Eは、フレーム14を貫通し、配置空間Pに繋がる。第1孔14Dおよび第2孔14Eは、人力駆動車10の左右方向から見て、円形状を有し、かつ、同軸に形成される。
【0030】
例えば、人力駆動車10は、フレーム14に対する第1孔14Dおよび第2孔14Eの中心軸線まわりの回転を規制する少なくとも1つの規制部28をさらに備える。規制部28は、ドライブユニット40のフレーム14に対する第1孔14Dおよび第2孔14Eの中心軸線まわりの回転を抑制できれば、どのような構成であってもよい。
【0031】
例えば、規制部28は、ボルトを含む。フレーム14には、規制部28が挿入される孔14Fが形成される。孔14Fは、配置空間Pに繋がる。孔14Fは、例えば、フレーム14のうちの左右方向と交差する方向に開口する。例えば、ハウジング42には、ボルトと係合する雌ねじ部43が設けられる。ハウジング42に雌ねじ部43が設けられる場合、ボルトが孔14Fに挿入され、かつ、ハウジング42の雌ねじ部43に結合されることによって、ドライブユニット40のフレーム14に対する第1孔14Dおよび第2孔14Eの中心軸線まわりの回転が規制される。
【0032】
ハウジング42に雌ねじ部43を設けずに、孔14Fを規定するフレーム14の内周面に雌ねじが形成されてもよい。孔14Fを規定するフレーム14の内周面に雌ねじが形成される場合、ボルトが孔14Fの雌ねじ部に結合され、ボルトの端部がハウジング42に接触することによって、ドライブユニット40のフレーム14に対する第1孔14Dおよび第2孔14Eの中心軸線まわりの回転が規制される。
【0033】
規制部28は、ドライブユニット配置部14Aに設けられる凸部を含んでいてもよい。例えば、凸部は、フレーム14の内部に設けられる。例えば、凸部は、配置空間Pに向かって突出する。規制部28が凸部を含む場合、凸部の端部がドライブユニット40のハウジング42に接触することによって、ドライブユニット40のフレーム14に対する第1孔14Dおよび第2孔14Eの中心軸線まわりの回転が規制される。規制部28は、ドライブユニット配置部14Aに設けられる凹部を含んでいてもよい。
【0034】
ドライブユニット40は、ハウジング42と、モータ44と、支持機構46と、を含む。ハウジング42は、少なくとも1つの連結部48と、第1側壁部50と、第2側壁部52と、を含む。第2側壁部52は、第1側壁部50から間隔をあけて配置される。第1側壁部50には、第1貫通孔54が形成される。第2側壁部52には、第2貫通孔56が形成される。ハウジング42の内部には、スピンドルユニット配置空間42Bが形成される。第1貫通孔54と第2貫通孔56とは、ハウジング42の内部に形成されるスピンドルユニット配置空間42Bに繋がる。
【0035】
スピンドルユニット配置空間42Bは、スピンドルユニット90の少なくとも一部が配置可能に形成される。支持機構46は、配置状態において、スピンドルユニット90を回転可能に支持するように構成される。配置状態は、人力駆動車用のスピンドルユニット90が、第1貫通孔54および第2貫通孔56のそれぞれからハウジング42の外部に突出するように配置される状態である。
【0036】
好ましくは、ハウジング42は、第1ハウジング58および第2ハウジング60を含む。第1ハウジング58は、第1側壁部50を含む。第2ハウジング60は、第2側壁部52を含む。第1ハウジング58および第2ハウジング60は、例えば、ボルト等によって互いに取り付けられる。第1ハウジング58および第2ハウジング60は、収容空間42Aを形成する。スピンドルユニット配置空間42Bは、収容空間42Aに設けられる。スピンドルユニット配置空間42Bは、収容空間42Aのうちのスピンドルユニット90が配置される空間である。例えば、第1ハウジング58および第2ハウジング60は、金属によって形成される。第1ハウジング58および第2ハウジング60を形成する金属は、例えば、アルミニウム合金、または、マグネシウム合金を含む。第1ハウジング58および第2ハウジング60は、合成樹脂によって形成されてもよい。
【0037】
少なくとも1つの連結部48は、人力駆動車10のフレーム14に連結するように構成される。ドライブユニット40は、少なくとも1つの連結部48を介してフレーム14に連結される。例えば、少なくとも1つの連結部48は、第1側壁部50に設けられる第1連結部62と、第2側壁部52に設けられる第2連結部64と、を含む。例えば、第1連結部62は、第1貫通孔54の少なくとも一部を定義する第1雌ねじ部62Aを含む。例えば、第2連結部64は、第2貫通孔56の少なくとも一部を定義する第2雌ねじ部64Aを含む。
【0038】
少なくとも1つの連結部48は、第1雌ねじ部62Aおよび第2雌ねじ部64Aの一方のみを含んでいてもよい。少なくとも1つの連結部48が、第1雌ねじ部62Aおよび第2雌ねじ部64Aの一方のみを含む場合、少なくとも1つの連結部48は、第1雌ねじ部62Aおよび第2雌ねじ部64Aの一方の他に、ハウジング42の外周部に設けられる連結部をさらに含んでいてもよい。ハウジング42の外周部に設けられる連結部は、例えば、ハウジング42の外周部から突出する凸部に設けられる。凸部には、雌ねじ部が形成される。雌ねじ部に、フレーム14の外部から挿入されるボルトがフレーム14に形成される貫通孔を介して結合されることによって、ハウジング42がフレーム14に連結される。
【0039】
例えば、第1連結部62は、第1取付部材22を介してフレーム14に連結される。第1取付部材22は、第1雌ねじ部62Aと結合する雄ねじ部22Aを有する。第1取付部材22は、例えば、ロックリングである。第1取付部材22は、第1取付部材22とドライブユニット40との間にフレーム14を挟み込む。ドライブユニット40がドライブユニット配置部14Aに配置された状態において、第1取付部材22が第1孔14Dに挿入され、かつ、第1連結部62の第1雌ねじ部62Aにねじ込まれることによって、ハウジング42がフレーム14に連結される。
【0040】
例えば、第2連結部64は、第2取付部材24を介してフレーム14に連結される。第2取付部材24は、第1雌ねじ部62Aと結合する雄ねじ部24Aを有する。第2取付部材24は、例えば、ロックリングである。第2取付部材24は、第2取付部材24とドライブユニット40との間にフレーム14を挟み込む。ドライブユニット40がドライブユニット配置部14Aに配置された状態において、第2取付部材24が第2孔14Eに挿入され、かつ、第2連結部64の第2雌ねじ部64Aにねじ込まれることによって、ハウジング42がフレーム14に連結される。
【0041】
モータ44は、ハウジング42に設けられ、駆動力を出力するように構成される。モータ44は、1または複数の電気モータを含む。電気モータは、例えば、ブラシレスモータである。本実施形態では、モータ44は、スピンドルユニット90の出力回転軸94に駆動力を伝達するように構成される。モータ44は、出力軸66と、ロータ44Aと、ステータ44Bとを有する。出力軸66は、予め定める方向Aに延び、予め定める方向Aの第1端部66Aにフリーエンドを有する。例えば、予め定める方向Aは、スピンドルユニット90の出力回転軸94の回転軸線方向CYと平行する。予め定める方向Aは、出力回転軸94の回転軸線方向CYと交差してもよい。予め定める方向Aが、出力回転軸94の回転軸線方向CYと交差する場合、出力軸66から出力回転軸94までのモータ44の駆動力の伝達経路において、伝達部材の回転方向を変換する変換部が設けられる。変換部は、例えば、傘歯車を含む。出力軸66は、ロータ44Aと一体回転するようにロータ44Aに設けられる。
【0042】
出力軸66は、予め定める方向Aにおいて、出力軸66の第1端部66Aと、出力軸66の第1端部66Aとは反対側の出力軸66の第2端部66Bとを備える。ステータ44Bは、ロータ44Aに対向するように配置される。例えば、モータ44は、ラジアルギャップ型のモータである。例えば、モータ44は、インナロータ型のモータである。モータ44は、アウタロータ型のモータであってもよい。モータ44は、アキシャルギャップ型のモータであってもよい。
【0043】
モータ44は、少なくとも1つのモータ軸受68をさらに含む。少なくとも1つのモータ軸受68は、第1モータ軸受68Aと、第2モータ軸受68Bとを含む。第1モータ軸受68Aは、出力軸66のうちの予め定める方向Aにおける第1端部66Aと第2端部66Bとの間の中間部を回転可能に支持する。第2モータ軸受68Bは、出力軸66の第2端部66Bを回転可能に支持する。例えば、第1モータ軸受68Aは、ラジアルベアリングを含む。例えば、第2モータ軸受68Bは、ラジアルベアリングを含む。
【0044】
第1モータ軸受68Aは、内輪と、外輪と、内輪および外輪の間に配置される複数の転動体とを含む。第2モータ軸受68Bは、内輪と、外輪と、内輪および外輪の間に配置される複数の転動体とを含む。第1モータ軸受68Aの内輪の内径は、第2モータ軸受68Bの内輪の内径よりも大きい。第1モータ軸受68Aの外輪の外径は、第2モータ軸受68Bの外輪の外径よりも大きい。第2モータ軸受68Bは、第1ハウジング58の側壁に形成される凹部58Aに支持される。
【0045】
例えば、ドライブユニット40は、ハウジング42に設けられる伝達機構70をさらに備える。伝達機構70は、配置状態においてモータ44の駆動力をスピンドルユニット90の出力回転軸94に伝達するように構成される。例えば、伝達機構70は、減速機72と、ワンウェイクラッチ74の少なくとも一部と、を含む。伝達機構70は、ハウジング42の収容空間42Aに配置される。減速機72は、配置状態において、モータ44の駆動力をスピンドルユニット90の出力回転軸94に伝達するように構成される。
【0046】
例えば、減速機72は、少なくとも2つの歯車を含む。例えば、減速機72は、1段階以上にわたって出力軸66の回転速度を減速する。本実施形態では、2段階にわたって出力軸66の回転速度を減速する。減速機72は、複数の歯車を含んでいてもよく、プーリを含んでいてもよい。本実施形態では、減速機72は、複数の歯車を含む。
【0047】
例えば、減速機72は、第1歯車72Aを含む。第1歯車72Aは、環状に形成される。第1歯車72Aは、内周部72Xと、複数の歯が形成される外周部72Yと、を有する。減速機72は、第2歯車72B、第3歯車72C、第4歯車72D、および、減速軸72Eをさらに備える。例えば、減速軸72Eは、出力軸66と平行するように収容空間42Aに配置される。例えば、第2歯車72Bおよび第3歯車72Cは、減速軸72Eの外周部に設けられる。例えば、第4歯車72Dは、出力軸66の外周部に設けられる。第1歯車72Aは、第2歯車72Bに噛み合う。第3歯車72Cは、第4歯車72Dに噛み合う。第1歯車72Aの歯数は、第2歯車72Bの歯数よりも少ない。第2歯車72Bの歯数は、第3歯車72Cの歯数よりも多い。第3歯車72Cの歯数は、第4歯車72Dの歯数よりも少ない。
【0048】
ワンウェイクラッチ74は、配置状態において、入力回転軸92の回転軸線CAまわりの第1方向B1に入力回転軸92が回転する場合に、入力回転軸92に入力される回転力のモータ44への伝達を抑制するように構成される。本実施形態では、ワンウェイクラッチ74は、ローラクラッチを含む。ワンウェイクラッチ74の少なくとも一部は、第1歯車72Aの内周部72Xに配置される複数のローラ74Aと、複数のローラ74Aを支持するキャリア74Bと、を含む。第1歯車72Aの内周部72Xは、ワンウェイクラッチ74の外輪を構成する。ワンウェイクラッチ74の内輪は、スピンドルユニット90に設けられる。例えば、ワンウェイクラッチ74の外輪の内周部には、複数のローラ74Aが配置される溝が形成され、ワンウェイクラッチ74の内輪の外周面は、円筒状に形成される。例えば、ワンウェイクラッチ74の内輪の外周面は、凹部および凸部を含まないように形成される。ワンウェイクラッチ74は、爪式クラッチ、または、スプラグクラッチを含んでいてもよい。
【0049】
例えば、ドライブユニット40は、制御装置76を含む。制御装置76は、制御部76Aを備える。制御部76Aは、予め定める制御プログラムを実行する演算処理装置を含む。制御部76Aに含まれる演算処理装置は、例えばCPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)を含む。制御部76Aに含まれる演算処理装置は、相互に離れた複数の場所に設けられてもよい。制御部76Aは、1または複数のマイクロコンピュータを含んでいてもよい。好ましくは、制御装置76は、記憶部をさらに含む。記憶部には、予め定める制御プログラムおよび制御処理に用いられる情報が記憶される。記憶部は、例えば不揮発性メモリおよび揮発性メモリを含む。不揮発性メモリは、例えば、ROM(Read-Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、および、フラッシュメモリの少なくとも1つを含む。揮発性メモリは、例えば、RAM(Random Access Memory)を含む。
【0050】
制御装置76は、収容空間42Aに配置される。例えば、制御装置76は、モータ44の駆動回路をさらに備える。駆動回路は、インバータ回路を含む。駆動回路は、バッテリからモータ44に供給される電力を制御する。駆動回路は、制御部76Aと、導電線、電気ケーブルまたは無線通信装置などを介して接続される。駆動回路は、制御部76Aからの制御信号に応じてモータ44を駆動させる。ステータ44Bは、複数のコイルが電気的に接続される複数の接続端子を含む。複数の接続端子は、予め定める方向Aに沿って延び、制御装置76に電気的に接続される。
【0051】
スピンドルユニット90は、入力回転軸92と、出力回転軸94と、を含む。出力回転軸94は、入力回転軸92に同軸に配置されて入力回転軸92に連結される。本実施形態では、入力回転軸92は、クランク軸である。入力回転軸92は、第1端部92Aおよび第2端部92Bを含む。第1端部92Aは、第1貫通孔54からハウジング42の外部に突出するように構成される。第2端部92Bは、第2貫通孔56からハウジング42の外部に突出するように構成される。
【0052】
入力回転軸92は、入力回転軸92の回転軸線CAまわりの第1方向B1に回転できるように構成される。入力回転軸92は、入力回転軸92の回転軸線CAまわりの第1方向B1とは異なる第2方向B2に回転できるように構成される。入力回転軸92は、配置状態において、入力回転軸92の回転軸線CAまわりの第2方向B2に回転する場合、出力回転軸94に人力駆動力を伝達するように、出力回転軸94に接続される。入力回転軸92は、好ましくは、金属によって形成される。本実施形態では、入力回転軸92は、中空軸によって形成される。入力回転軸92は、中実軸によって形成されてもよい。
【0053】
出力回転軸94は、実質的に円筒形状を有する。例えば、出力回転軸94は、金属によって形成される。例えば、出力回転軸94は、入力回転軸92の回転軸線CAまわりに入力回転軸92と相対回転不能に、入力回転軸92に連結される。例えば、出力回転軸94は、入力回転軸92の回転軸線方向CXにおいて入力回転軸92に対して移動しないように入力回転軸92に連結される。例えば、出力回転軸94は、入力回転軸92を外囲する。例えば、出力回転軸94は、入力回転軸92の回転軸線方向CXにおいて第1端部94Aおよび第2端部94Bを含む。
【0054】
例えば、出力回転軸94は、入力回転軸92の回転軸線方向CXにおける一方の端部が、入力回転軸92に連結され、かつ、入力回転軸92の回転軸線方向CXにおける他方の端部が、回転体20を連結するように構成される。
【0055】
本実施形態では、入力回転軸92の回転軸線方向CXにおける一方の端部は、第1端部94Aである。第1端部94Aは、入力回転軸92に連結される。例えば、第1端部94Aの内周部は、入力回転軸92の外周部に設けられる複数の凸部と結合する複数の凹部を有する。例えば、第1端部94Aの内周部および入力回転軸92の外周部は、スプライン溝を有する。
【0056】
本実施形態では、入力回転軸92の回転軸線方向CXにおける他方の端部は、第2端部94Bである。例えば、回転体20は、フロントスプロケットを含む。回転体20は、プーリまたはベベルギアを含んでいてもよい。
【0057】
例えば、第2端部94Bは、回転体20を連結するように構成される回転体連結部94Cを含む。回転体連結部94Cは、例えば、スプライン溝を有する。例えば、第2端部94Bの内周部には、第3雌ねじ部94Dが形成される。第3雌ねじ部94Dは、第2端部94Bに回転体20が接続される状態において、回転軸線方向CXへの回転体20の移動を規制する第3取付部材26が結合するように構成される。第3取付部材26は、例えば、ロックリングである。
【0058】
例えば、スピンドルユニット90は、入力回転軸92の外周部と出力回転軸94の内周部との間に設けられる支持部材90Xを備える。支持部材90Xは、スリーブであってもよく、ニードル軸受であってもよい。
【0059】
出力回転軸94は、配置状態において、第2貫通孔56からハウジング42の外部に突出するように構成される。好ましくは、出力回転軸94の第2端部94Bは、ハウジング42に形成される第2貫通孔56を通過して、ハウジング42の収容空間42Aから外部に突出する。好ましくは、回転体連結部94Cは、ハウジング42の外部に配置される。
【0060】
好ましくは、配置状態において、第1連結部62および第2連結部64の少なくとも1つは、スピンドルユニット90の回転軸線CAまわりにスピンドルユニット90を囲むように配置される。
【0061】
ワンウェイクラッチ74の少なくとも一部は、配置状態において、第1歯車72Aの内周部72Xと、出力回転軸94との間に配置される。配置状態において、複数のローラ74Aは、出力回転軸94の外周面94Eに接触するように構成される。好ましくは、出力回転軸94の外周面94Eは、ワンウェイクラッチ74の内輪を構成するワンウェイクラッチ構成部94Fを含む。
【0062】
支持機構46は、ハウジング42に設けられ、第1貫通孔54および第2貫通孔56の少なくとも1つを介して、スピンドルユニット90を着脱可能に構成される。例えば、ドライブユニット40のうち、配置状態においてスピンドルユニット90と接触する部分の内周面の最小内径は、第2貫通孔56から第1貫通孔54に向かうにつれて減少する。例えば、スピンドルユニット90は、ハウジング42への取り付け時、および、ハウジング42からの取り外し時に、支持機構46によってハウジング42への取り付け、および、ハウジング42からの取り外しが阻害されない形状を有する。例えば、スピンドルユニット90のうち、配置状態においてドライブユニット40と接触する部分の外周面の最大外径は、配置状態において、第2貫通孔56から第1貫通孔54に向かうにつれて増加する。本実施形態では、支持機構46がスピンドルユニット90を着脱可能に構成されるため、ドライブユニット40およびスピンドルユニット90は、コンパクトに輸送できる。
【0063】
例えば、支持機構46は、第1側壁部50に設けられる第1軸受78と、第2側壁部52に設けられる第2軸受80とを、含む。第1軸受78および第2軸受80は、スピンドルユニット90を回転可能に支持する。
【0064】
例えば、第1軸受78は、第1貫通孔54の付近に設けられる。例えば、第1軸受78は、入力回転軸92を回転可能に支持する。第1軸受78は、配置状態において、入力回転軸92の外周面92Cに接触するように形成される第1内周面78Aを有する。本実施形態では、第1軸受78は、ボールベアリングを含む。第1軸受78は、円筒ころ軸受、スリーブ、および、滑り軸受を含んでいてもよい。例えば、第1軸受78は、第1内輪78B、第1外輪78C、および、第1転動体78Dを含む。第1外輪78Cは、ハウジング42に回転不能に取り付けられる。第1外輪78Cは、例えば、ハウジング42に圧入される。第1内周面78Aは、第1内輪78Bの内周面に設けられる。例えば、第1内周面78Aは、滑らかな面である。例えば、第1内輪78Bは、入力回転軸92の外周面92Cに隙間嵌めされる。
【0065】
好ましくは、入力回転軸92の回転軸線CAに沿う方向においてスピンドルユニット90は、第1内輪78Bの第2軸受80側の端部78Eと接触する。スピンドルユニット90には、端部78Eと接触する接触部90Aが設けられる。例えば、接触部90Aは、入力回転軸92の外周部に形成される段差部である。接触部90Aは、出力回転軸94に設けられてもよい。端部78Eと入力回転軸92とが接触することによって、第1軸受78に対するスピンドルユニット90の第2軸受80から第1軸受78に向かう方向AX2への移動が規制される。
【0066】
例えば、第2軸受80は、第2貫通孔56の付近に設けられる。例えば、第2軸受80は、出力回転軸94を回転可能に支持する。第2軸受80は、配置状態において、出力回転軸94の外周面94Eに接触するように形成される第2内周面80Aを有する。本実施形態では、第2軸受80は、ボールベアリングを含む。第2軸受80は、円筒ころ軸受、スリーブ、および、滑り軸受を含んでいてもよい。例えば、第2軸受80は、第2内輪80B、第2外輪80C、および、第2転動体80Dを含む。第2外輪80Cは、ハウジング42に回転不能に取り付けられる。第2外輪80Cは、例えば、ハウジング42に圧入される。第2内周面80Aは、第2内輪80Bの内周面に設けられる。例えば、第2内周面80Aは、滑らかな面である。例えば、第2内輪80Bは、出力回転軸94の外周面94Eに隙間嵌めされる。
【0067】
支持部材90Xは、回転軸線方向CXにおいて、出力回転軸94の第1端部94Aと第2端部94Bとの間の部分に設けられる。支持部材90Xの少なくとも一部は、第2軸受80の径方向内側に配置される。好ましくは、支持部材90Xの回転軸線方向CXにおける寸法は、第2軸受80の回転軸線方向CXにおける寸法よりも大きい。好ましくは、第1軸受78から第2軸受80に向かう方向AX1における支持部材90Xの端面は、第1軸受78から第2軸受80に向かう方向AX1における第2軸受80の端面よりも第1軸受78から第2軸受80に向かう方向AX1の下流側に配置される。
【0068】
好ましくは、第1軸受78から第2軸受80に向かう方向AX1の下流側の支持部材90Xの端面は、第1軸受78から第2軸受80に向かう方向AX1の下流側の第2軸受80の端面よりも第1軸受78から第2軸受80に向かう方向AX1の下流側に配置される。第1軸受78から第2軸受80に向かう方向AX1の上流側の支持部材90Xの端面は、第1軸受78から第2軸受80に向かう方向AX1の上流側の第2軸受80の端面よりも第1軸受78から第2軸受80に向かう方向AX1の上流側に配置される。入力回転軸92の外周部と出力回転軸94の内周部との間には、支持部材90Xに隣接して、シール部材が配置される。シール部材は、弾性を有する。シール部材は、例えば、ゴムによって形成される。
【0069】
配置状態においてスピンドルユニット90と接触する部分は、第1軸受78、第2軸受80、および、ワンウェイクラッチ74を含む。
【0070】
例えば、ドライブユニット40の第1内周面78Aの第1最小内径X1は、第1部分96の第1最大外径Y1以上である。第1部分96は、配置状態におけるスピンドルユニット90のうち、第1軸受78から第2軸受80に向かう方向AX1において、第1軸受78よりも上流側に配置される部分である。第2内周面80Aの第2最小内径X2は、第1内周面78Aの第1最小内径X1以上である。配置状態におけるスピンドルユニット90のうち、第1軸受78と第2軸受80との間に配置される第2部分98の第2最大外径Y2以上である。例えば、第1内周面78Aの第1最小内径X1は、スピンドルユニット90の第2部分98における第2最大外径Y2未満である。
【0071】
例えば、入力回転軸92は、第1軸受78に回転可能および着脱可能に支持される第1被支持部92Xをさらに含む。出力回転軸94は、第2軸受80に回転可能および着脱可能に支持される第2被支持部94Xをさらに含む。スピンドルユニット90のうち、第1被支持部92Xと、第2被支持部94Xとの間における部分の第4最大外径Y4は、第2被支持部94Xの第5最大外径Y5以下である。第4最大外径Y4は、例えば、ワンウェイクラッチ構成部94Fの最大外径である。
【0072】
例えば、入力回転軸92のうち、第1部分96の第1最大外径Y1は、第1被支持部92Xの第6最大外径Y6以下である。第1部分96は、第1被支持部92Xから第2被支持部94Xに向かう方向AY1の第1被支持部92Xよりも上流側に配置される部分である。入力回転軸92のうち、第1被支持部92Xと第2被支持部94Xとの間の部分における第7最大外径Y7と、出力回転軸94のうち第1被支持部92Xと第2被支持部94Xとの間の部分における第8最大外径Y8とは、第2被支持部94Xの第5最大外径Y5以下である。
【0073】
例えば、ドライブユニット40は、検出部82をさらに含む。検出部82は、例えば、回転速度センサ、および、トルクセンサの少なくとも1つを含む。検出部82は、配置状態において、スピンドルユニット90の少なくとも一部を囲むように収容空間42Aに配置される。検出部82は、制御部76Aに電気的に接続される。検出部82が回転速度センサを含む場合、例えば、検出部82は、スピンドルユニット90に設けられる磁石の磁気に応じた信号を出力する。例えば、磁石は、出力回転軸94の外周面94Eまたは入力回転軸92の外周面92Cに設けられる。
【0074】
検出部82がトルクセンサを含む場合、例えば、検出部82は、磁歪センサを含み、スピンドルユニット90に設けられる磁歪部の磁歪に応じた信号を出力する。磁歪部は、例えば、出力回転軸94の第1端部94Aに設けられる。検出部82がトルクセンサを含む場合、歪みゲージの歪みに関する情報を取得するセンサからの情報を受信する受信部を含んでいてもよい。検出部82が歪みゲージの歪みに関する情報を取得するセンサを含む場合、歪みゲージおよびセンサは出力回転軸94の外周面94Eまたは入力回転軸92の外周面92Cに取り付けられる。受信部は、無線通信によってセンサから送信される情報を受信する。
【0075】
人力駆動車10はクランクアーム30をさらに備える。クランクアーム30は第1クランクアーム30A、および、第2クランクアーム30Bを含む。第1クランクアーム30Aは、入力回転軸92の第1端部92Aに取り付けられる。第2クランクアーム30Bは、入力回転軸92の第2端部92Bに取り付けられる。
【0076】
ドライブユニット40は、円筒部材84をさらに備える。円筒部材84は、スピンドルユニット90の第1部分96を外囲するように設けられる。スピンドルユニット90の第1部分96は、クランクアーム30が連結されるように構成される第1クランクアーム連結部96Aを含む。例えば、第1クランクアーム連結部96Aは、第1端部92Aに設けられる。例えば、第1クランクアーム30Aは第1クランクアーム連結部96Aに連結される。第1クランクアーム30Aは、例えば、アクセルボルトによって第1クランクアーム連結部96Aに取り付けられる。
【0077】
円筒部材84は、第1クランクアーム連結部96Aに連結されるクランクアーム30と、第1軸受78との間に配置される。円筒部材84の第3最大外径Y3は、第1内周面78Aの第1最大内径XM1よりも大きい。本実施形態では、第1内周面78Aの第1最大内径XM1、および、第1内周面78Aの第1最小内径X1は、等しい。好ましくは、円筒部材84は、第1クランクアーム連結部96Aに連結されるクランクアーム30と、第1軸受78の第1内輪78Bとにそれぞれ接触する。円筒部材84は、スペーサとして機能する。円筒部材84によって、第1クランクアーム連結部96Aにクランクアーム30が連結される状態において、第1軸受78に対するスピンドルユニット90の第1軸受78から第2軸受80に向かう方向AX1への移動が抑制される。
【0078】
入力回転軸92の第2端部92Bは、クランクアーム30が連結されるように構成される第2クランクアーム連結部92Dを含む。例えば、第2クランクアーム30Bは第2クランクアーム連結部92Dに連結される。第2クランクアーム30Bは、例えば、アクセルボルトによって第2クランクアーム連結部92Dに取り付けられる。
【0079】
第1クランクアーム30Aが第1クランクアーム連結部96Aに連結されることによって、スピンドルユニット90は、第2軸受80から第1軸受78に向かう方向AX2への移動が抑制される。第2クランクアーム30Bが第2クランクアーム連結部92Dに連結されることによって、スピンドルユニット90は、第1軸受78から第2軸受80に向かう方向AX1への移動が抑制される。円筒部材84は、出力回転軸94の第1端部94Aと第1クランクアーム30Aとの間に配置される。円筒部材84は、第1クランクアーム30Aおよび出力回転軸94と接触することによって、スピンドルユニット90の第2軸受80から第1軸受78に向かう方向AX2への移動を規制する。
【0080】
ドライブユニット40およびスピンドルユニット90は、第1工程、第2工程、第3工程、第4工程、第5工程、第6工程、第7工程、および、第8工程によって人力駆動車10のフレーム14に取り付けられる。第1工程は、ドライブユニット40がフレーム14のドライブユニット配置部14Aに配置される工程を含む。第1工程において、ドライブユニット40は、第1開口部14Bの下方からドライブユニット配置部14Aに挿入される。
【0081】
第2工程は、第1ハウジング58が第1連結部62を介して、第1取付部材22によってフレーム14に結合される工程を含む。第3工程は、第2ハウジング60が第2連結部64を介して、第2取付部材24によってフレーム14に結合される工程を含む。第4工程は、規制部28が孔14Fに挿入されて、ドライブユニット40の第1孔14Dおよび第2孔14Eまわりの回転が規制される工程を含む。
【0082】
第5工程は、スピンドルユニット90が第2軸受80から第1軸受78に向かう方向AX2に向かって挿入される工程を含む。第6工程は、円筒部材84が、スピンドルユニット90の第1部分96を外囲するように、第1部分96に取り付けられる工程を含む。第7工程は、出力回転軸94の回転体連結部94Cに、第3取付部材26によって回転体20が取り付けられる工程を含む。
【0083】
第8工程は、第1クランクアーム30Aが第1クランクアーム連結部96Aに取り付けられる工程を含む。第9工程は、第2クランクアーム30Bが第2クランクアーム連結部92Dに取り付けられる工程を含む。
【0084】
第2工程および第3工程は、どちらの工程が先に行われてもよい。第6工程から第9工程は、第6工程の後に第8工程を行い、第7工程の後に第9工程を行う順であれば、順番が入れ替わってもよい。例えば、第7工程、第9工程、第6工程、および、第8工程の順に行われてもよいし、第7工程、第6工程、第9工程、および、第8工程の順に行われてもよい。
【0085】
<変形例>
実施形態に関する説明は、本開示に従う人力駆動車用のドライブユニット、および、人力駆動車用のスピンドルユニットが取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本開示に従う人力駆動車用のドライブユニット、および、人力駆動車用のスピンドルユニットは、例えば以下に示される実施形態の変形例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変形例が組み合わせられた形態を取り得る。以下の変形例において、実施形態の形態と共通する部分については、実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0086】
・支持機構46は、第1軸受78および第2軸受80の少なくとも1つに代えてまたは加えて、少なくとも1つの支持部を備えていてもよい。少なくとも1つの支持部は、配置状態において、スピンドルユニット90の外周面と接触可能に構成される。
・フレーム14は、第1開口部14Bを閉鎖するカバーを備えていてもよい。
【0087】
・フレーム14は、第1孔14D、および、第2孔14Eが、第1開口部14Bと連通するように構成されていてもよい。この場合、第1取付部材22は、第1開口部14Bとは別の部分に設けられる孔に挿入されるボルトを含む。
【0088】
・第1軸受78は、スピンドルユニット90に設けられてもよい。この場合、第1内輪78Bが入力回転軸92に回転不能に取り付けられ、第1外輪78Cがハウジング42に隙間嵌めされる。この場合、スピンドルユニット90のうちの第1軸受78が設けられる部分の最大外径を、スピンドルユニット90のうちの第1軸受78および第2軸受80の間の部分の最大外径よりも小さくすることによって、スピンドルユニット90をドライブユニット40に着脱可能に構成できる。
【0089】
・第2軸受80は、スピンドルユニット90に設けられてもよい。この場合、第2内輪80Bが出力回転軸94に回転不能に取り付けられ、第2外輪80Cがハウジング42に隙間嵌めされる。この場合、スピンドルユニット90のうちの第1軸受78および第2軸受80の間の部分の最大外径を、スピンドルユニット90のうちの第2軸受80が設けられる部分の最大外径よりも小さくすることによって、スピンドルユニット90をドライブユニット40に着脱可能に構成できる。
【0090】
・出力回転軸94は、入力回転軸92と相対回転可能に入力回転軸92に取り付けられてもよい。この場合、出力回転軸94は、ワンウェイクラッチを介して入力回転軸92に取り付けられてもよい。
【0091】
・出力回転軸94は、チェーンに駆動力を与えるように構成されてもよい。この場合、例えば、スピンドルユニット90の出力回転軸94には、チェーンと係合可能な連結部材が設けられる。この場合、例えば、スピンドルユニット90の入力回転軸92は、クランク軸とは別体に設けられる。
【0092】
本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」または「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」または「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
【符号の説明】
【0093】
10…人力駆動車、14…フレーム、20…回転体、30…クランクアーム、40…ドライブユニット、42…ハウジング、44…モータ、46…支持機構、48…連結部、50…第1側壁部、52…第2側壁部、54…第1貫通孔、56…第2貫通孔、62…第1連結部、62A…第1雌ねじ部、64…第2連結部、64A…第2雌ねじ部、70…伝達機構、72…減速機、72A…第1歯車、72X…内周部、72Y…外周部、74…ワンウェイクラッチ、74A…ローラ、74B…キャリア、78…第1軸受、78A…第1内周面、80…第2軸受、80A…第2内周面、84…円筒部材、90…スピンドルユニット、92…入力回転軸、92C…外周面、92X…第1被支持部、94…出力回転軸、94A…第1端部、94B…第2端部、94C…回転体連結部、94E…外周面、94F…ワンウェイクラッチ構成部、94X…第2被支持部、96…第1部分、96A…第1クランクアーム連結部。