(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023019902
(43)【公開日】2023-02-09
(54)【発明の名称】紙折り装置
(51)【国際特許分類】
B65H 45/16 20060101AFI20230202BHJP
【FI】
B65H45/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021124969
(22)【出願日】2021-07-30
(71)【出願人】
【識別番号】592146520
【氏名又は名称】株式会社磯村
(71)【出願人】
【識別番号】304039191
【氏名又は名称】株式会社 コー・プランニング
(74)【代理人】
【識別番号】100092842
【弁理士】
【氏名又は名称】島野 美伊智
(74)【代理人】
【識別番号】100166578
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥居 芳光
(72)【発明者】
【氏名】河島 弘紀
(72)【発明者】
【氏名】下位 直弘
【テーマコード(参考)】
3F108
【Fターム(参考)】
3F108AA01
3F108AB01
3F108AC10
3F108BA02
3F108BA03
3F108BA08
3F108BB02
3F108CA02
3F108CC03
3F108CC04
3F108CC05
(57)【要約】
【課題】 1/4円形状のろ紙を簡単な構成で素早く製造すること可能にする紙折り装置を提供すること。
【解決手段】 原紙投入口と製品排出口を備えた筐体と、上記筐体に設けられ上記原紙投入口を介して上記筐体内に導入された原紙を二つ折りにして半製品とする原紙二つ折り手段と、上記筐体に設けられ上記原紙二つ折り手段によって二つ折りにされた半製品をさらに二つ折りにして上記原紙を四つ折りにした製品として上記製品排出口を介して上記筐体の外に排出する半製品二つ折り手段と、を具備したもの。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原紙投入口と製品排出口を備えた筐体と、
上記筐体に設けられ上記原紙投入口を介して上記筐体内に導入された原紙を二つ折りにして半製品とする原紙二つ折り手段と、
上記筐体に設けられ上記原紙二つ折り手段によって二つ折りにされた半製品をさらに二つ折りにして上記原紙を四つ折りにした製品として上記製品排出口を介して上記筐体の外に排出する半製品二つ折り手段と、
を具備したことを特徴とする紙折り装置。
【請求項2】
請求項1記載の紙折り機において、
上記原紙二つ折り手段によって二つ折りされた半製品を上記半製品二つ折り手段まで搬送する半製品搬送手段が設けられていることを特徴とする紙折り装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の紙折り装置において、
上記原紙二つ折り手段は一対の原紙搬送ローラと、上記一対の原紙搬送ローラにより導入された原紙の先端を規制してその後の原紙搬送方向を変更する原紙ガイド手段と、上記原紙ガイド手段によって搬送方向を変更された原紙を上記一対の原紙搬送ローラの一方の原紙搬送ローラとの協働によって二つ折りにして半製品とする原紙二つ折りローラと、から構成されていることを特徴とする紙折り装置。
【請求項4】
請求項3記載の紙折り装置において、
上記原紙ガイド手段はスペーサを介して所定の間隔を存した状態で組み立てられた一対のガイド部材から構成されていることを特徴とする紙折り装置。
【請求項5】
請求項4記載の紙折り装置において、
上記スペーサは上記一対のガイド部材間に挿入される上記原紙の先端が当接してそれ以上の挿入を規制するストッパとして機能するものであることを特徴とする紙折り装置。
【請求項6】
請求項1~請求項5の何れかに記載の紙折り機において、
上記半製品二つ折り手段は、上記原紙二つ折り手段によって二つ折りされた半製品を搬送する一対の半製品搬送ローラと、上記一対の半製品搬送ローラにより搬送された半製品の先端を規制してその後の半製品搬送方向を変更する半製品ガイド手段と、上記半製品ガイド手段によって搬送方向を変更された半製品を上記一対の半製品搬送ローラの一方の半製品搬送ローラとの協働によって二つ折りにして製品とする半製品二つ折りローラと、から構成されていることを特徴とする紙折り機。
【請求項7】
請求項6記載の紙折り装置において、
上記半製品ガイド手段はスペーサを介して所定の間隔を存した状態で組み立てられた一対のガイド部材から構成されていることを特徴とする紙折り装置。
【請求項8】
請求項7記載の紙折り装置において、
上記スペーサは上記一対のガイド部材間に挿入される上記半製品の先端が当接してそれ以上の挿入を規制するストッパとして機能するものであることを特徴とする紙折り装置。
【請求項9】
請求項8記載の紙折り装置において、
上記一対のガイド部材間には別のスペーサが介挿されていて、上記スペーサにより挿入される上記半製品を所定量上向きにするようにしたことを特徴とする紙折り装置。
【請求項10】
請求項2記載の紙折り装置において、
上記半製品搬送手段の入口側には上記原紙二つ折り手段から上記半製品搬送手段への半製品の排出を促進するとともに搬送時の姿勢を矯正する半製品排出促進手段が設けられていることを特徴とする紙折り装置。
【請求項11】
請求項1~請求項10の何れかに記載の紙折り装置において、
上記製品排出口の外側には製品排出トレイが設置されていて、排出される製品を重ねた状態で受け入れて保持することを特徴とする紙折り装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙折り装置に係り、特に、円形の紙を二折りして半円形にしてその半円形の半製品をさらに二つ折りして四つ折り状態の製品とするものにおいて、簡単な構成で素早く所望の四つ折り状態の製品を得ることができるように工夫したものに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、各種試験場、実験場等において四つ折りのろ紙が使用される。すなわち、円形の原紙を二つ折りにして半円形の半製品とし、それをさらに二つ折りして四つ折り状態の製品とし、それを広げて漏斗状のろ紙とする。それを各種実験、試験に使用する。
【0003】
この種のろ紙は手作業で折る、或いはいわゆる紙折り装置によって折る。この種の紙折り装置の構成を開示するものとして、例えば、特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の構成によると次のような問題があった。
すなわち、従来の紙折り装置では1/4円形状のろ紙を正確に製造することはできなかった。
【0006】
本発明はこのような点に基づいてなされたものでその目的とするところは、1/4円形状のろ紙を簡単な構成で素早く製造すること可能にする紙折り装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するべく本願発明の請求項1による紙折り装置は、原紙投入口と製品排出口を備えた筐体と、上記筐体に設けられ上記原紙投入口を介して上記筐体内に導入された原紙を二つ折りにして半製品とする原紙二つ折り手段と、上記筐体に設けられ上記原紙二つ折り手段によって二つ折りにされた半製品をさらに二つ折りにして上記原紙を四つ折りにした製品として上記製品排出口を介して上記筐体の外に排出する半製品二つ折り手段と、を具備したことを特徴とするものである。
又、請求項2による紙折り装置は、請求項1記載の紙折り機において、上記原紙二つ折り手段によって二つ折りされた半製品を上記半製品二つ折り手段まで搬送する半製品搬送手段が設けられていることを特徴とするものである。
又、請求項3による紙折り装置は、請求項1又は請求項2記載の紙折り装置において、上記原紙二つ折り手段は一対の原紙搬送ローラと、上記一対の原紙搬送ローラにより導入された原紙の先端を規制してその後の原紙搬送方向を変更する原紙ガイド手段と、上記原紙ガイド手段によって搬送方向を変更された原紙を上記一対の原紙搬送ローラの一方の原紙搬送ローラとの協働によって二つ折りにして半製品とする原紙二つ折りローラと、から構成されていることを特徴とするものである。
又、請求項4による紙折り装置は、請求項3記載の紙折り装置において、上記原紙ガイド手段はスペーサを介して所定の間隔を存した状態で組み立てられた一対のガイド部材から構成されていることを特徴とするものである。
又、請求項5による紙折り装置は、請求項4記載の紙折り装置において、上記スペーサは上記一対のガイド部材間に挿入される上記原紙の先端が当接してそれ以上の挿入を規制するストッパとして機能するものであることを特徴とするものである。
又、請求項6による紙折り装置は、請求項1~請求項5の何れかに記載の紙折り機において、上記半製品二つ折り手段は、上記原紙二つ折り手段によって二つ折りされた半製品を搬送する一対の半製品搬送ローラと、上記一対の半製品搬送ローラにより搬送された半製品の先端を規制してその後の半製品搬送方向を変更する半製品ガイド手段と、上記半製品ガイド手段によって搬送方向を変更された半製品を上記一対の半製品搬送ローラの一方の半製品搬送ローラとの協働によって二つ折りにして製品とする半製品二つ折りローラと、から構成されていることを特徴とするものである。
又、請求項7による紙折り装置は、請求項6記載の紙折り装置において、上記半製品ガイド手段はスペーサを介して所定の間隔を存した状態で組み立てられた一対のガイド部材から構成されていることを特徴とするものである。
又、請求項8による紙折り装置は、請求項7記載の紙折り装置において、上記スペーサは上記一対のガイド部材間に挿入される上記半製品の先端が当接してそれ以上の挿入を規制するストッパとして機能するものであることを特徴とするものである。
又、請求項9による紙折り装置は、請求項8記載の紙折り装置において、上記一対のガイド部材間には別のスペーサが介挿されていて、上記スペーサにより挿入される上記半製品を所定量上向きにするようにしたことを特徴とするものである。
又、請求項10による紙折り装置は、請求項2記載の紙折り装置において、上記半製品搬送手段の入口側には上記原紙二つ折り手段から上記半製品搬送手段への半製品の排出を促進するとともに搬送時の姿勢を矯正する半製品排出促進手段が設けられていることを特徴とするものである。
又、請求項11による紙折り装置は、請求項1~請求項10の何れかに記載の紙折り装置において、上記製品排出口の外側には製品排出トレイが設置されていて、排出される製品を重ねた状態で受け入れて保持することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
以上述べたように本願発明の請求項1による紙折り装置によると、原紙投入口と製品排出口を備えた筐体と、上記筐体に設けられ上記原紙投入口を介して上記筐体内に導入された原紙を二つ折りにして半製品とする原紙二つ折り手段と、上記筐体に設けられ上記原紙二つ折り手段によって二つ折りにされた半製品をさらに二つ折りにして上記原紙を四つ折りにした製品として上記製品排出口を介して上記筐体の外に排出する半製品二つ折り手段と、を具備した構成になっているので、原紙紙を二つ折りして半製品としてその半製品をさらに二つ折りして四つ折り状態の製品とするものにおいて、簡単な構成で所望の四つ折り状態の製品を得ることができる。
又、請求項2による紙折り装置によると、請求項1記載の紙折り機において、上記原紙二つ折り手段によって二つ折りされた半製品を上記半製品二つ折り手段まで搬送する半製品搬送手段が設けられているので、半製品を半製品二つ折り手段に確実に搬送することができる。
又、請求項3による紙折り装置によると、請求項1又は請求項2記載の紙折り装置において、上記原紙二つ折り手段は一対の原紙搬送ローラと、上記一対の原紙搬送ローラにより導入された原紙の先端を規制してその後の原紙搬送方向を変更する原紙ガイド手段と、上記原紙ガイド手段によって搬送方向を変更された原紙を上記一対の原紙搬送ローラの一方の原紙搬送ローラとの協働によって二つ折りにして半製品とする原紙二つ折りローラと、から構成されているので、簡単な構成により原紙を二つ折りにすることができる。。
又、請求項4による紙折り装置によると、請求項3記載の紙折り装置において、上記原紙ガイド手段はスペーサを介して所定の間隔を存した状態で組み立てられた一対のガイド部材から構成されているので、簡単な構成により所望の原紙ガイド手段を得ることができる。
又、請求項5による紙折り装置によると、請求項4記載の紙折り装置において、上記スペーサは上記一対のガイド部材間に挿入される上記原紙の先端が当接してそれ以上の挿入を規制するストッパとして機能するので、簡単な構成により所望の原紙ガイド手段を得ることができる。
又、請求項6による紙折り装置によると、請求項1~請求項5の何れかに記載の紙折り機において、上記半製品二つ折り手段は、上記原紙二つ折り手段によって二つ折りされた半製品を搬送する一対の半製品搬送ローラと、上記一対の半製品搬送ローラにより搬送された半製品の先端を規制してその後の半製品搬送方向を変更する半製品ガイド手段と、上記半製品ガイド手段によって搬送方向を変更された半製品を上記一対の半製品搬送ローラの一方の半製品搬送ローラとの協働によって二つ折りにして製品とする半製品二つ折りローラと、から構成されているので、簡単な構成により半製品を二つ折りにすることができる。
又、請求項7による紙折り装置によると、請求項6記載の紙折り装置において、上記半製品ガイド手段はスペーサを介して所定の間隔を存した状態で組み立てられた一対のガイド部材から構成されているので、簡単な構成により半製品ガイド手段を得ることができる。
又、請求項8による紙折り装置によると、請求項7記載の紙折り装置において、上記スペーサは上記一対のガイド部材間に挿入される上記半製品の先端が当接してそれ以上の挿入を規制するストッパとして機能するものであるので、簡単な構成により所望の半製品ガイド手段を得ることができる。
又、請求項9による紙折り装置によると、請求項8記載の紙折り装置において、上記一対のガイド部材間には別のスペーサが介挿されていて、上記スペーサにより挿入される上記半製品を所定量上向きにするようにしたので、製品の品質を高めることができる。
又、請求項10による紙折り装置によると、請求項2記載の紙折り装置において、上記半製品搬送手段の入口側には上記原紙二つ折り手段から上記半製品搬送手段への半製品の排出を促進するとともに搬送時の姿勢を矯正する半製品排出促進手段が設けられているので、半製品の排出を確実なものとすることができる。
又、請求項11による紙折り装置によると、請求項1~請求項10の何れかに記載の紙折り装置において、上記製品排出口の外側には製品排出トレイが設置されていて、排出される製品を重ねた状態で受け入れて保持するようにしているので、複数の製品を整然と排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施の形態を示す図で、紙折り装置の正面図である。
【
図2】本発明の一実施の形態を示す図で、紙折り装置の背面図である。
【
図3】本発明の一実施の形態を示す図で、紙折り装置の平面図である。
【
図4】本発明の一実施の形態を示す図で、紙折り装置の側面図である。
【
図5】本発明の一実施の形態を示す図で、紙折り装置の内部構成を示す平面図である。
【
図6】本発明の一実施の形態を示す図で、紙折り装置の内部構成を示す背面図である。
【
図7】本発明の一実施の形態を示す図で、
図6のVII-VII矢視図である。
【
図8】本発明の一実施の形態を示す図で、
図6のVIII-VIII矢視図である。
【
図9】本発明の一実施の形態を示す図で、
図9(a)は原紙ガイド手段の一方のガイド部材の正面図、
図9(b)は同上の側面図である。
【
図10】本発明の一実施の形態を示す図で、
図10(a)は原紙ガイド手段の他方のガイド部材の正面図、
図10(b)は同上の側面図である。
【
図11】本発明の一実施の形態を示す図で、
図11(a)は半製品ガイド手段の一方のガイド部材の正面図、
図11(b)は同上の側面図である。
【
図12】本発明の一実施の形態を示す図で、
図12(a)は半製品ガイド手段の他方のガイド部材の正面図、
図12(b)は同上の側面図である。
【
図13】本発明の一実施の形態を示す図で、
図13(a)は製品排出トレイの平面図、
図13(b)は製品排出トレイの側面図、
図13(c)は製品排出トレイの正面図である。
【
図14】本発明の一実施の形態を示す図で、原紙二つ折り手段の作用を説明するための図である。
【
図15】本発明の一実施の形態を示す図で、半製品二つ折り手段の作用を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、
図1乃至
図15を参照して本発明の一実施の形態を説明する。本実施の形態による紙折り装置1には筐体3がある。この筐体3は、4本の支柱5、5、5、5と、これら4本の支柱5、5、5、5の上端に設置された上蓋7と、上記4本の支柱5、5、5、5の下端に設置された底蓋9と、上記4本の支柱5、5、5、5の4個の側面に設置された正面板11、背面板13、側面板15、17とから構成されている。上記上蓋7は4本のボルト19によって上記4本の支柱5、5、5、5に固定されている。上記底蓋9は4本のボルト21によって上記4本の支柱5、5、5、5に固定されている。上記底蓋9には4個の足23が取り付けられている。
【0011】
上記正面板11には原紙投入口31が形成されている。上記背面板13には差込プラグ33、スイッチ35、37、39が設けられているとともに製品排出口41が設けられている。
【0012】
上記筐体3内であって上記正面板11側には、
図7に示すように、給紙手段51が設置されている。まず、給紙ローラ53があり、この給紙ローラ53の下側には給紙ガイド板55が設置されている。上記給紙ローラ53は図示しない駆動モータによって回転される。上記給紙手段51内に投入された円形の原紙61a(
図14(a)に示す)は筐体3内に搬送されて原紙二つ折り手段71側に導入される。
【0013】
上記原紙二つ折り手段71は、
図7に示すように、一対の原紙搬送ローラ73、75を備えている。上記原紙搬送ローラ73は駆動モータ77によって回転駆動される。すなわち、
図6に示すように、上記駆動モータ77の出力軸79にはプーリ81が固着されていて、一方、上記原紙搬送ローラ73の回転軸83にはプーリ85が固着されている。上記プーリ81、85にはベルト87が巻回されている。上記駆動モータ77が起動することにより上記プーリ81、ベルト87、プーリ85を介して上記原紙搬送ローラ73が回転する。
【0014】
図6に示すように、上記原紙搬送ローラ73の回転軸83の反対側にはギヤ91が固着されている。一方、上記原紙搬送ローラ75の回転軸92にはギヤ93が固着されていて、このギヤ93は上記ギヤ91に噛合している。上記原紙搬送ローラ73が回転することにより上記ギヤ91、93を介して上記原紙搬送ローラ75が回転する。
【0015】
上記一対の原紙搬送ローラ73、75の出口側には原紙ガイド手段101が設置されている。上記原紙搬送ローラ75の背面側には原紙二つ折りローラ103が設置されている。
【0016】
図6に示すように、シャフト111が設置されていて、このシャフト111の
図6中左端には幅広プーリ113が固着されている。一方、上記原紙搬送ローラ73の
図6中左端にはプーリ115が固着されている。このプーリ115と上記幅広プーリ113にはベルト117が巻回されている。又、上記二つ折りローラ103の
図6中左端にはプーリ119が固着されている。このプーリ119と上記幅広プーリ113との間にはベルト121が巻回されている。上記原紙搬送ローラ73が回転すると、プーリ115、ベルト117、幅広プーリ113、ベルト121、プーリ119を介して、上記原紙二つ折りローラ103が回転する。
【0017】
図7に示すように、上記原紙二つ折りローラ103は回動アーム131に取り付けられている。上記回動アーム131は上記シャフト111に回動可能に取り付けられていて、弾性部材132によって常時は
図7中反時計方向、すなわち、原紙搬送ローラ75方向に付勢されている。例えば、原紙61aが詰また場合には、手作業により上記回動アーム131を弾性部材132の付勢力に抗した方向に回動させ、原紙二つ折りローラ103を原紙搬送ローラ75から離間させて詰まった原紙61を取り出す。
【0018】
上記原紙ガイド手段101は、ガイド部材141とガイド部材143とから構成されている。上記ガイド部材141は
図9に示すような形状をなしていて、上記ガイド部材143は
図10に示すような形状をなしている。上記ガイド部材141の先端所定位置には3箇所に雌ねじ部145、145、145が形成されている。上記先端所定位置にはスペーサ147が3本の図示しない固定ねじを上記雌ねじ部145、145、145に螺合することによって固定されている。上記スペーサ147の厚みは原紙61の厚みに応じた所定の寸法に設定されている。上記ガイド部材141の原紙受入れ口側端には、
図9(b)に示すように、傾斜部142が形成されており、これによって、上記原紙受入れ口が拡開されている。
【0019】
図9に示すように、上記ガイド部材141の左右両側には2個ずつの雌ねじ部149、149が形成されている。上記ガイド部材141は図示しない左右2本ずつの固定ねじを図示しない本体フレーム越しに上記左右2個ずつの雌ねじ部149、149に螺合することにより上記本体フレームに固定されている。
【0020】
図10に示すように、上記ガイド部材143の左右両側には折返片151、151が設けられていて、これら折返片151、151には2個ずつの貫通孔153、153が形成されている。上記ガイド部材143は上記貫通孔153、153に図示しない固定ねじを通して上記回動アーム143に螺合することにより回動アーム143に取り付けられている。又、上記ガイド部材143の先端所定位置には3箇所にわたって貫通孔155、155、155が穿孔されていて、上記スペーサ147を上記ガイド部材141に固定している3本の固定ねじの頭部と干渉しないように構成されている。
【0021】
上記一対の原紙搬送ローラ73、75によって搬送された原紙61aは上記ガイド部材141とガイド部材143の間に挿入され、その先端が上記スペーサ147に当接されそれ以上の同方向への搬送が規制される。その状態で原紙61の中間位置が上記原紙搬送ローラ75と原紙二つ折りローラ103の間に位置し、原紙61aの搬送動作は継続されているので、原紙61aはそこから二つ折りの状態で上記原紙搬送ローラ75と原紙二つ折りローラ103の間に巻き込まれていく。それによって、原紙61aは二つ折りされて半円形の半製品61b(
図14(e)、(f)に示す)となる。上記半製品61bは、
図7に示すように、ガイドホッパ163を介して半製品搬送手段171上に落下する。
【0022】
上記半製品搬送手段171には、
図6に示すように、駆動モータ173が設置されていて、この駆動モータ173の回転軸にはプーリ175が固着されている。上記プーリ175には別のプーリ177が離間・配置されていて、これらプーリ175、177にはベルト179が巻回されている。上記半製品61bはこのベルト179上に落下する。ベルト179上に落下した半製品61bは
図6中左方向に搬送され、半製品二つ折り手段181に導入される。
【0023】
上記半製品二つ折り手段181は、
図5に示すように、一対の半製品搬送ローラ183、185を備えている。又、
図6に示すように、駆動モータ184が設置されていて、この駆動モータ184の出力軸には図示しないプーリが固着されている。一方、
図6に示すように、半製品搬送ローラ183の軸187にはプーリ189が固着されていて、このプーリ189と上記プーリには図示しないベルトが巻回されている。上記駆動モータ184が起動することにより、上記プーリ、ベルト、プーリ189を介して、上記半製品搬送ローラ183が回転する。
【0024】
上記半製品搬送ローラ183の上記プーリ189の反対側にはギヤ191が固着されいて、一方、半製品搬送ローラ185にはギヤ193が固着されている。上記ギヤ191は上記ギヤ193に噛合している。上記半製品搬送ローラ183が回転することにより上記ギヤ191、193を介して上記半製品搬送ローラ185が回転する。
【0025】
上記半製品搬送ローラ183の上記プーリ189の反対側には、
図6に示すように、プーリ195が固着されている。又、シャフト197が設置されていて、このシャフト197には幅広プーリ199が固着されている。これらプーリ195、幅広プーリ199にはベルト201が巻回されている。又、半製品二つ折りローラ203が設置されいて、この半製品二つ折りローラ203は回動アーム204に取り付けられている。この回動アーム204は上記シャフト197に回動可能に取り付けられていて、弾性部材206によって
図5中反時計方向に付勢されている。上記半製品二つ折りローラ203にはプーリ205が固着されている。上記幅広プーリ199とプーリ205にはベルト207が巻回されている。上記半製品搬送ローラ183が回転することにより、プーリ195、べルト201を介して幅広プーリ199が回転する。この幅広プーリ199が回転することにより、ベルト207、プーリ205を介して半製品二つ折りローラ203が回転する。
【0026】
上記一対の半製品搬送ローラ183、185の出口側には、
図5に示すように、半製品ガイド手段211が設置されている。上記半製品ガイド手段211は、ガイド部材213とガイド部材215とから構成されている。上記ガイド部材213は
図11に示すような形状をなしていて、上記ガイド部材215は
図12に示すような形状をなしている。
【0027】
図11に示すように、上記ガイド部材213の先端所定位置には3箇所に雌ねじ部217、217、217が形成されていて、スペーサ219が図示しない3本の固定ねじによって固定される。又、別の2箇所の所定位置にも雌ねじ部221、221が形成されていて、スペーサ223が図示しない2本の固定ねじによって固定される。上記ガイド部材213の左右両側面には2個の雌ねじ部225、225がそれぞれ形成されている。上記ガイド部材123は図示しない左右2本ずつの固定ねじを本体フレーム越しに上記雌ねじ部221、221に螺合することにより本体フレームに固定される。
【0028】
図12に示すように、上記ガイド部材215には左右に折返片231、231が折り返されている。上記折返片231、231には2個の貫通孔233、233がそれぞれ穿孔されている。上記ガイド部材215は、図示しない2本の固定ねじを上記貫通孔233、233を通して回動アーム204に螺合することによりその回動アーム204に固定される。上記回動アーム204は常時は弾性部材206により上記ガイド部材213側に付勢されていて、上記ガイド部材215も上記ガイド部材213側に付勢されている。紙詰まりが発生した場合には手作業によって上記回動アーム204を弾性部材206の付勢力に抗して回動させ、上記ガイド部材215をガイド部材213から離間させ、詰まった半製品61bを取り除く。
【0029】
上記ガイド部材215の所定位置には5個の貫通孔235が穿孔されている。上記ガイド部材215が上記ガイド部材213側に付勢されたとき、上記2枚のスペーサをガイド部材213に固定している固定ねじの頭部と干渉しないようにするためである。上記ガイド部材213の半製品受入れ口側端には、
図11(b)に示すように、傾斜部212が形成されていて、これによって、上記半製品受入れ口が拡開されている。
【0030】
上記一対の半製品搬送ローラ183、185によって搬送された半製品61bは上記ガイド部材213とガイド部材215との間に挿入され、その先端がスペーサ219に当接されそれ以上の同方向への搬送が規制される。その状態で半製品61bの中間位置が上記半製品搬送ローラ185と半製品二つ折りローラ203の間に位置し、半製品61bの搬送動作は継続されているので、半製品61bはそこから半製品を二つ折りした状態で上記半製品搬送ローラ185と半製品二つ折りローラ203の間に巻き込まれていく。それによって、半製品61bは二つ折りされて1/4円形の製品61c(
図10(g)に示す)となる。上記製品61cは製品排出口41を介して排出される。又、上記半製品61bは上記スペーサ223に沿って上記ガイド部材213とガイド部材215との間に挿入されるので、先端に向かって上向きの状態で挿入される。それによって、その後の半製品二つ折り作用がより円滑なものとなる。
【0031】
上記半製品搬送手段171の入口側には、
図6に示すように、半製品61bを強制的に落下させるとともに、上記半製品搬送手段171のベルト179上に載って搬送される際の姿勢を安定化させるための半製品排出促進手段251が設置されている。この半製品排出促進手段251はステッピングモータ253とこのステッピングモータ253の出力軸に直接又は間接的に取り付けられた半製品落下強制ピン255とから構成されている。上記ステッピングモータ253を適宜のタイミンクでオン/オフさせることにより、上記半製品落下強制ピン255を上記落下する半製品61b側に往復動させ、その際、半製品落下強制ピン255の先端部を二つ折り状態の半製品61bの間に挿し込んでこれを強制的に落下させるとともに、上記半製品搬送手段171のベルト179上に載って搬送される際の半製品61bの姿勢を安定化させる
【0032】
上記半製品61bが自重により落下する様子を検出する半製品検出手段256が設置されている。上記ステッピングモータ253はその半製品検出手段256からの検出信号を受信することにより起動する。
【0033】
前記製品排出口41には
図13に示す製品排出ストッカ261が設置されている。この製品排出ストッカ261は、横断面形状がU字形状をなすストッカ本体263と、このストッカ本体263の基端側(
図13(a)中左端)に取り付けられた幅狭受入部265とから構成されている。上記製品排出ストッカ261は上記幅狭受入部265を介して上記製品排出口41に取り付けられている。この製品排出ストッカ261内に上記幅狭受入部265を介して四つ折り状態の製品61cが排出されていき、重なった状態で収容されていく。上記幅狭受入部265は排出方向に向かって徐々に拡開されるように構成されていて、それによって、排出される製品61cの姿勢、向きを矯正している。
【0034】
以上の構成を基に
図14、
図15をも参照してその作用を説明する。
図14は原紙二つ折り手段71によって原紙61aが二つ折りされて半製品61bとなって排出される作用を模式的に示す図であり、
図15は半製品二つ折り手段181によって半製品61bが二つ折りされて製品61cとなって排出される作用を模式的に示す図である。
【0035】
まず、
図14(a)に示すように、原紙投入口31を介して円形の原紙61aを差し込む。差し込まれた原紙61aは給紙手段51によって原紙二つ折り手段71内に導入される。導入された原紙61aは一対の原紙搬送ローラ73、75によって搬送される。原紙61aは上記原紙1ガイド手段101のガイド部材141とガイド部材143の間に挿入され(
図14(b))、その先端がスペーサ147に当接されそれ以上の同方向への搬送が規制される(
図14(c))。その状態で原紙61aの中間位置が上記原紙搬送ローラ75と原紙二つ折りローラ103の間に位置し、原紙61aの搬送動作は継続されているので、原紙61aはそこから上記原紙搬送ローラ75と原紙二つ折りローラ81の間に巻き込まれていく(
図14(d))。それによって、原紙61aは二つ折りされて半円形の半製品61b(
図14(e)、(f))となる。
【0036】
上記半製品61bはガイドホッパ163を介して半製品搬送手段171のベルト179上に落下する。その際、半製品排出促進手段251によってその落下が強制されるとともに上記ベルト179上における姿勢が矯正される。すなわち、ステッピングモータ253を適宜のタイミンクでオン/オフさせることにより半製品落下強制ピン255が排出される半製品61b方向に往復動する。その際、半製品落下強制ピン255の先端部が半製品61bの間に挿し込まれ、それによって、上記半製品61bは上記ベルト179上に強制的に落下されるとともにその姿勢が矯正される。ベルト179上に落下した半製品121は
図6中左方向に搬送され、半製品二つ折り手段181に導入される。
【0037】
導入された半製品61bは、上記半製品二つ折り手段181の一対の半製品搬送ローラ183、185によって上記半製品ガイド手段211のガイド部材231とガイド部材215の間に挿入され(
図15(a)、(b)、
(c))、その先端がスペーサ219に当接されそれ以上の同方向への搬送が規制される(
図15(d))。又、
図15では図示を省略しているが、上記半製品61bはスペーサ223の作用により先端に向かって上向きの状態で挿入される。その状態で半製品61bの中間位置が上記半製品搬送ローラ185と半製品二つ折りローラ203の間に位置し、半製品61bの搬送動作は継続されているので、半製品61bはそこから上記半製品搬送ローラ185と半製品二つ折りローラ203の間に巻き込まれていく(
図15(e)、(f))。それによって、半製品61bは二つ折りされて1/4円形の製品61c(
図15(g)に示す)となる(
図15(g))。上記製品61cは製品排出口41を介して製品排出ストッカ261内に排出される。
【0038】
以上本実施の形態によると次のような効果を奏することができる。
まず、円形の原紙61aを二つ折りして半円形の半製品61bとし、それをさらに二つ折りして1/4円形の製品61cとする一連の作業を、自動で、且つ、迅速に行うことができる。これは、原紙二つ折り手段71の原紙ガイド手段101、半製品二つ折り手段181の半製品ガイド手段211による良好なガイド機能による。
特に、原紙ガイド手段101のスペーサ71によって、導入される原紙61aを適切な場所で停止させ、搬送方向を切り替えるとともに、原紙61aの丁度中間位置を原紙搬送ローラ75と原紙二つ折りローラ103との間に位置させることができるからである。
同様に、半製品ガイド手段211のスペーサ219によって、導入される半製品61bを適切な場所で停止させ、搬送方向を切り替えるとともに、半製品61bの丁度中間位置を半製品搬送ローラ185と半製品二つ折りローラ203との間に位置させることができるからである。
又、半製品ガイド手段211のスペーサ223によって、導入される半製品61bを上向きの状態とすることができ、それによって、半製品61bをさらに二つ折りして1/4にする時の品質を向上させることができる。
又、半製品搬送手段171の入り口側には半製品排出促進手段251が設けられているので、半製品61bを半製品搬送手段171上に確実に落下させることができるとともに、ベルト179上における姿勢を矯正することができる。
又、製品排出口41の外側には製品排出ストッカ261が取り付けられているので、排出される製品61cを整然と排出することができる。
【0039】
尚、本発明は前記一実施の形態に限定されるものではない。
まず、原紙ガイド手段、半製品ガイド手段の構成は図示したものに限定されず、様々な形状のものが想定される。
又、前記一実施の形態の場合には円形の原紙を例に挙げて説明したが、それに限定されるものではなく、様々な形状が想定される。
製品の用途としてもろ紙以外に様々なものが想定される。
その他、図示した構成はあくまで一例である。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、紙折り装置に係り、特に、円形の紙を二折りして半円形にしてその半円形の半製品をさらに二つ折りして四つ折り状態の製品とするものにおいて、簡単な構成で素早く所望の四つ折り状態の製品を得ることができるように工夫したものに関し、例えば、ろ過時に使用するロ紙の製造に好適である。
【符号の説明】
【0041】
1 筐体
61a 原紙
61b 半製品
61c 製品
71 原紙二つ折り手段
73 原紙搬送ローラ
75 原紙搬送ローラ
101 原紙ガイド手段
103 原紙二つ折りローラ
141 ガイド部材
143 ガイド部材
181 半製品二つ折り手段
183 半製品搬送ローラ
185 半製品搬送ローラ
203 半製品二つ折りローラ
211 半製品ガイド手段
213 ガイド部材
215 ガイド部材
251 半製品排出促進手段
261 製品排出ストッカ