(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023019918
(43)【公開日】2023-02-09
(54)【発明の名称】情報提供システム及び端末装置
(51)【国際特許分類】
G01C 21/26 20060101AFI20230202BHJP
G08G 1/005 20060101ALI20230202BHJP
【FI】
G01C21/26 P
G08G1/005
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021124990
(22)【出願日】2021-07-30
(71)【出願人】
【識別番号】512264127
【氏名又は名称】金子 和夫
(74)【代理人】
【識別番号】100154357
【弁理士】
【氏名又は名称】山▲崎▼ 晃弘
(72)【発明者】
【氏名】金子 和夫
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA02
2F129BB03
2F129CC15
2F129DD13
2F129DD39
2F129DD53
2F129EE02
2F129EE43
2F129EE95
2F129FF02
2F129FF11
2F129FF57
2F129FF62
2F129FF72
2F129HH02
2F129HH12
5H181AA23
5H181BB04
5H181CC12
5H181FF05
5H181FF10
5H181FF13
5H181FF22
5H181FF32
5H181FF40
5H181LL07
5H181LL08
5H181MB11
(57)【要約】
【課題】
ある場所に先に至った者が注目した情報を、その後に、そのある場所に至った他の人に好適に伝えることを可能にする構成を提供する。
【解決手段】
本開示の一実施形態に係る情報提供システムSは、入力部100cが入力された入力情報と所定の位置情報とを関連付けて送信する第1端末装置と、前記第1端末装置からの前記入力情報及び前記所定の位置情報を取得する情報処理装置であって、前記入力情報を前記所定の位置情報に基づいて検索可能に記憶部に記憶する、情報処理装置と、前記記憶部に記憶されていて前記所定の位置情報と関連付けられた前記入力情報を取得できる第2端末装置であって、その出力部は、位置情報受信部による前記第2端末装置の位置情報に基づいて抽出した該第2端末装置の位置情報と所定の関係を有する前記所定の位置情報の前記入力情報を出力する、第2端末装置とを備えている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力部を備えた第1端末装置であって、該入力部は、入力された入力情報と所定の位置情報とを関連付けて送信する、第1端末装置と、
前記第1端末装置からの前記入力情報及び前記所定の位置情報を取得する情報処理装置であって、前記入力情報を前記所定の位置情報に基づいて検索可能に記憶部に記憶する、情報処理装置と、
前記記憶部に記憶されていて前記所定の位置情報と関連付けられた前記入力情報を取得できる第2端末装置であって、位置情報受信部と出力部とを備え、該出力部は、前記位置情報受信部による前記第2端末装置の位置情報に基づいて抽出した該第2端末装置の位置情報と所定の関係を有する前記所定の位置情報の前記入力情報を出力する、第2端末装置と
を備えた、情報提供システム。
【請求項2】
前記第1端末装置は、位置情報受信部を備えていて、
前記所定の位置情報は、前記第1端末装置における前記入力情報の入力時の位置情報である、
請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項3】
前記入力情報は、視覚障害者向けのハザード情報、宣伝広告情報、伝言情報、及び、不特定多数の人との共有を目的とした共有情報のうちの少なくとも1つを含む、
請求項1又は2に記載の情報提供システム。
【請求項4】
前記第1端末装置の前記入力部は、前記入力情報の属性と関連付けて前記入力情報を前記情報処理装置に送信し、
前記情報処理装置は、前記入力情報を前記属性に基づいて検索可能に前記記憶部に記憶し、
前記第2端末装置の前記出力部は、前記属性で抽出した前記入力情報を出力する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報提供システム。
【請求項5】
端末装置であって、
前記端末装置の位置情報を取得するための位置情報受信部と、
入力情報を入力するための入力部であって、前記入力情報と所定の位置情報とを関連付けて情報処理装置に送信する、入力部と、
前記情報処理装置側において前記所定の位置情報で検索可能に記憶された前記入力情報を出力する出力部であって、前記位置情報受信部による前記端末装置の位置情報に基づいて抽出した該端末装置の位置情報と所定の関係を有する前記所定の位置情報の前記入力情報を出力する、出力部と
を備えた、端末装置。
【請求項6】
前記入力部は、前記入力情報の属性と関連付けて前記入力情報を前記情報処理装置に送信し、
前記出力部は、前記属性で抽出した前記入力情報を出力する、
請求項5に記載の端末装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、歩行者又は移動体の乗員に情報を提供するための、特に身体障害者、視覚障害者、車椅子利用者などの歩行者の歩行を支援するための情報を提供する情報提供システム、及び、そのための端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
交差点、公共機関などで、歩行者に対して、交通情報などを自動で音声案内するシステムがある。これらは、歩行者全員に共通の情報を提供するものである。
【0003】
そのような中、歩行者に個別に情報の提供を行うシステムが提案されている。例えば特許文献1の歩行者案内システムでは、タグ付きの視覚障害者用杖などを持った視覚障害者が通行路の段差に接近すると、その段差の手前に埋められている磁気センサはそれを感知し、その視覚障害者の接近を、微弱無線通信機能を有するベースステーションを使用した情報案内装置に通知する。その情報案内装置は視覚障害者が所持する携帯端末の属性情報を自動的に検出し、案内経路情報が設定された視覚障害者の携帯端末に対して「段差あります」等のメッセージを通知する。携帯端末では、その端末の報知装置により音声でそのメッセージを視覚障害者に通知する。なお、ベースステーションの情報の書き換えは、ネットワークを介して支援センターから行うことができる。
【0004】
他方で、ユーザ端末に観光の案内情報を提供する構成が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001-349745号公報
【特許文献2】特開2020-135709号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
歩行者が歩行する通行路の状況又はその周囲の状況は変化するときがあり、概して、それらの状況はその場に至った者しか正確には知り得ない。特許文献1のシステムでは、ベースステーションの情報の書き換えは、ネットワークを介して支援センターから行うことができるが、これはベースステーションのメモリの記憶情報の変更、破損又は消滅を確認したときに行われるものであり、そのようにその場に至った者しか知り得ない情報の書き換えには向けられていない。
【0007】
また、観光の案内においても、観光施設に赴いた人だけが注目する情報があり、そのような情報は、その場に至った者しか正確には知り得ない。
【0008】
本開示は、ある場所に先に至った者が注目した情報を、その後に、そのある場所に至った他の人に好適に伝えることを可能にする構成を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の第1態様は、
入力部を備えた第1端末装置であって、該入力部は、入力された入力情報と所定の位置情報とを関連付けて送信する、第1端末装置と、
前記第1端末装置からの前記入力情報及び前記所定の位置情報を取得する情報処理装置であって、前記入力情報を前記所定の位置情報に基づいて検索可能に記憶部に記憶する、情報処理装置と、
前記記憶部に記憶されていて前記所定の位置情報と関連付けられた前記入力情報を取得できる第2端末装置であって、位置情報受信部と出力部とを備え、該出力部は、前記位置情報受信部による前記第2端末装置の位置情報に基づいて抽出した該第2端末装置の位置情報と所定の関係を有する前記所定の位置情報の前記入力情報を出力する、第2端末装置と
を備えた、情報提供システムを提供する。
【0010】
好ましくは、前記第1端末装置は、位置情報受信部を備えていて、前記所定の位置情報は、前記第1端末装置における前記入力情報の入力時の位置情報である。
【0011】
好ましくは、前記入力情報は、視覚障害者向けのハザード情報、宣伝広告情報、伝言情報、及び、不特定多数の人との共有を目的とした共有情報のうちの少なくとも1つを含む。
【0012】
好ましくは、前記第1端末装置の前記入力部は、前記入力情報の属性と関連付けて前記入力情報を前記情報処理装置に送信し、前記情報処理装置は、前記入力情報を前記属性に基づいて検索可能に前記記憶部に記憶し、前記第2端末装置の前記出力部は、前記属性で抽出した前記入力情報を出力する。
【0013】
本開示の第2態様は、
端末装置であって、
前記端末装置の位置情報を取得するための位置情報受信部と、
入力情報を入力するための入力部であって、前記入力情報と所定の位置情報とを関連付けて情報処理装置に送信する、入力部と、
前記情報処理装置側において前記所定の位置情報で検索可能に記憶された前記入力情報を出力する出力部であって、前記位置情報受信部による前記端末装置の位置情報に基づいて抽出した該端末装置の位置情報と所定の関係を有する前記所定の位置情報の前記入力情報を出力する、出力部と
を備えた、端末装置を提供する。
【0014】
好ましくは、上記端末装置において、前記入力部は、前記入力情報の属性と関連付けて前記入力情報を前記情報処理装置に送信し、前記出力部は、前記属性で抽出した前記入力情報を出力するとよい。
【発明の効果】
【0015】
本開示の上記第1態様及び第2態様によれば、上記構成を備えるので、端末装置は入力情報を所定の位置情報と関連付けて情報処理装置に送信することができ、前述の端末装置又は別の端末装置はその端末装置の位置情報と所定の関係を有する所定の位置情報の入力情報を出力することができ、よって、例えばある場所に先に至った者が注目した情報を、その後に、そのある場所に至った他の人に好適に伝えることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本開示の一実施形態に係る情報提供システムの概略構成図である。
【
図2】
図1の情報提供システムにおける、端末装置とサーバ装置のそれぞれの制御構成を示すブロック図である。
【
図4】端末装置での情報の入力のフローチャートである。
【
図5】サーバ装置での情報の記憶のフローチャートである。
【
図7】端末装置での情報の出力のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る実施形態を添付図に基づいて説明する。同一の部品(又は構成)には同一の符号を付してあり、それらの名称及び機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0018】
図1は、本実施の形態に係る、端末装置10及びサーバ装置20を含む情報提供システム(以下、単に「システム」と称する場合がある。)Sの概略構成を示す図である。
図2は、システムSにおける、端末装置10と、サーバ装置20のそれぞれの制御構成を示すブロック図である。なお、システムSは、ここでは身体障障害者、視覚障害者、車椅子利用者などを含む歩行者に情報を提供するための、特にそれらの歩行を支援するための情報を提供するように用いられ得るので、歩行支援システムと称されてもよい。ただし、本開示は、システムSが、自動車等の移動体の乗員が端末装置10を所持して利用されることを排除するものではない。
【0019】
システムSでは、ネットワークNを介して、複数の端末装置10のそれぞれがサーバ装置20と通信可能であり、それらの間で種々の情報の授受が可能である。
図1では2台の端末装置10を示し、
図2ではそれら端末装置10のうちの一方の端末装置10を示す。これら端末装置10は以下に説明する構成を同じく有するが、これらはシステムSにおける端末装置10の数を制限するものではなく、端末装置10の数は複数、特に3つ以上であるとよい。また、複数の端末装置10は同じ構成を備えることに限定されず、異なる構成を備えてもよい。さらに、
図1及び
図2では、1台のサーバ装置20を示すが、これもシステムSにおけるサーバ装置20の数を制限するものではなく、複数のサーバ装置20が独立して設けられても、相互連携可能に設けられてもよい。なお、
図1に示す2台の端末装置10のうちの一方は、例えば第1端末装置に相当し、他方は例えば第2端末装置に相当する。
【0020】
端末装置10は、所謂コンピュータを備え、システムSの一部として機能することができる。端末装置10は、通信部104を有し、ネットワークNを介してサーバ装置20に接続されている。端末装置10は、位置情報受信部12を含む。端末装置10は、モニタ14、スピーカ16、マイク18を更に備えている。なお、モニタ14は表示装置の一例であり、またモニタ14は所謂タッチパネルでもあり、表示装置と位置入力装置とを組み合わせたものであり、つまり出力装置であるとともに入力装置でもある。スピーカ16は出力装置の一例であり、マイク18は入力装置の一例である。
【0021】
端末装置10は、制御部100を備える。制御部100は、ネットワークNを介して取得した情報、又は、位置情報受信部12、モニタ14及び/又はマイク18を介して取得した情報に基づいて、端末装置10の制御を行うコンピュータである。制御部100は、端末装置10の作動などを制御する制御手段の一例である。
【0022】
制御部100は、CPUと、主記憶部とを有し、プログラムにより情報処理を実行する。CPUはプロセッサともいう。ただし、CPUは、単一のプロセッサに限定される訳ではなく、マルチプロセッサ構成であってもよい。また、単一のソケットで接続される単一のCPUがマルチコア構成を有していてもよい。上記各部の少なくとも一部の処理は、CPU以外のプロセッサ、例えば、Digital Signal Processor(DSP)、Graphics Processing Unit(GPU)等の専用プロセッサで行われてもよい。また、上記各部の少なくとも一部の処理は、集積回路(IC)、その他のディジタル回路であってもよい。また、上記各部の少なくとも一部にアナログ回路が含まれてもよい。制御部100の主記憶部は主記憶装置の一例である。制御部100におけるCPUは、その主記憶部に実行可能に展開されたコンピュータプログラムを実行し、各種機能を提供する。制御部100における主記憶部は、CPUが実行するコンピュータプログラム及び/又はデータ等を記憶する。制御部100における主記憶部は、Dynamic Random Access Memory(DRAM)、Static Random Access Memory(SRAM)、Read Only Memory(ROM)等である。
【0023】
制御部100は、記憶部102と接続されている。記憶部102は、所謂外部記憶部であり、制御部100の主記憶部を補助する記憶領域として使用され、制御部100のCPUが実行するコンピュータプログラム及び/又はデータ等を記憶する。記憶部102は、ハードディスクドライブ、Solid State drive(SSD)等である。
【0024】
位置情報受信部12は、ここではGlobal Positioning System(GPS)受信部として構成されている。位置情報受信部12は、制御部100の機能モジュールであるナビゲーション部100aと協働して、ナビゲーション装置を構成する。ナビゲーション装置つまりナビゲーション部100aは、位置情報受信部12から取得した位置情報に基づいて既知の予測技術でルートを検索して、検索したルートを端末装置10を所持する歩行者等(自動車などの移動体の乗員であってもよい。)に案内する。この案内は、モニタ14への表示出力及び/又はスピーカ16からの音声出力により行われ得る。ナビゲーション装置のナビゲーション部100aは、通信部104を介して、外部の装置等と通信可能であり、地図情報、交通情報などを取得することができる。
【0025】
位置情報受信部12であるGPS受信部は、地球の周囲を周回する複数の人工衛星であるGPS衛星からの信号を受信する。制御部100は、位置情報受信部12が受信した信号に基づいて端末装置10の位置情報を取得する。なお、衛星測位システムつまりNavigation Satellite System(NSS)はGPSに限られない。種々の衛星測位システムからの信号に基づいて、位置情報が検出されてもよい。NSSは、全地球航法衛星システムに限定されず、準天頂衛星システム(Quasi-Zenith Satellite System)を含み得、例えば、欧州の「ガリレオ」や、GPSと一体運用される日本国の「みちびき」を含み得る。
【0026】
制御部100は、機能モジュールとして、前述のナビゲーション部100a、切替部100b、入力部100c、出力部100d、及び、情報記憶部100kを含む。入力部100cは、それぞれ機能モジュールである、入力取得部100eと、送信部100fを含む。出力部100dは、それぞれ機能モジュールである、情報抽出部100g、属性判定部100h、表示出力部100i、音声出力部100jを含む。各機能モジュールは、例えば、主記憶部及び/又は記憶部102に記憶されたプログラムを制御部100つまりそのうちのCPUによって実行することで実現される。ただし、機能モジュールの一部は、他のプロセッサ、ディジタル回路、又はアナログ回路等のハードウェアであってもよい。各機能モジュールは、部、機能部又は手段と言い換えることができる。
【0027】
切替部100bは、入力部100cの作動と出力部100dの作動とを切り替える部分であり、歩行者であり得るユーザによる端末装置10の操作、例えばモニタ14からの切換入力に応じて作動する。例えば、切替部100bは、
図3に示す入力部100cの作動画面つまり入力画面と、
図6に示す出力部100dの作動画面つまり出力画面とを切り替える。
【0028】
入力部100cは、入力取得部100eと、送信部100fとを含む。入力部100cは、例えば、他のユーザである他の端末装置10を所持し得る他の歩行者等に提供するべき情報(入力情報)を入力するように機能する。この入力された情報は、サーバ装置20に送信されて提供される。
【0029】
入力取得部100eは、
図3に示す入力画面からの入力、及び/又は、マイク18からの音声入力を取得する。マイク18からの入力は、図示しない音声文字変換部により、テキスト変換されて、文字情報として取得される。音声情報そのものも取得されてもよい。入力取得部100eは、取得した情報つまり入力情報を、所定の位置情報と関連付けることも行う。所定の位置情報は、原則、位置情報受信部12から取得した位置情報であるが、端末装置10のユーザ等の操作者が例えばモニタ14上で指定した場所の位置情報であってもよい。例えば、所定の位置情報は緯度及び経度を含む情報である。
【0030】
送信部100fは、入力取得部100eが取得した情報を、所定の位置情報と関連付けた状態で、サーバ装置20に送信する。送信部100fは、一定期間或いは削除要請が無い限り、この情報を記憶部102に記憶するとよい。なお、記憶部102には、システムSの利用のために利用者を識別するための登録情報RIが記憶されている。送信部100fは、情報をサーバ装置20に送信するとき、登録情報RIのうちの識別情報、例えば端末ID又はユーザIDなどのID情報も情報に付して送信するとよい。この場合、サーバ装置20では、その情報を情報データベースDB1に記憶するとき、ユーザIDによっても情報を検索できるようにその情報を記憶するとよい。
【0031】
入力部100cが取得してサーバ装置20に送信する情報は、種々の情報であり得るが、ここでは身体障害者、視覚障害者、車椅子利用者などの歩行者の歩行を支援する情報つまり支援情報を含む。支援情報は、歩行者に危険を知らせる情報である危険情報つまりハザード情報を特に含むとよい。このような入力情報の種別を判別するために、属性が用いられる。「属性」は、この支援情報における属性を含み、例えばハザード情報における「ハザード」、娯楽情報における「娯楽」などであり得、入力取得部100eにより取得され、入力情報に関連付けられるとよい。
【0032】
出力部100dは、情報抽出部100g、属性判定部100h、表示出力部100i、音声出力部100jを含む。出力部100dは、例えば、他のユーザである他の端末装置10を所持し得る他の歩行者等からサーバ装置20に提供された情報つまり入力情報を出力するように機能する。なお、出力部100dは、その出力部100dの端末装置10そのものからの入力情報を出力することもできる。
【0033】
情報抽出部100gは、位置情報受信部12から取得した端末装置10の位置情報が所定の関係を有する所定の位置情報の入力情報を抽出する。具体的には、情報抽出部100gは、端末装置10が、サーバ装置20に送信されてここでは記憶されている支援情報等の入力情報の所定の位置情報の位置の所定距離内に至ったとき、その情報を抽出することを行う。特に、ここでは、サーバ装置20から例えば定期的に又は不定期に提供される情報データベースDB1の一部又は全部が端末装置10の記憶部102に記憶されているので、その記憶部102に記憶されている情報データベースDB1を、情報抽出部100gは検索して、そのような情報を抽出する。なお、サーバ装置20又はそれに関連する装置(他の情報処理装置)に直接的にリアルタイムでアクセスして、端末装置10の情報抽出部100gは、例えばサーバ装置20の記憶部202に記憶されているそのような情報を抽出してもよい。所定距離は、0mであってもよく、5m以上10m以下の距離であってもよいが、ここでは端末装置10のモニタ14に
図6に示すように表示される地図に応じた距離である。しかし所定距離はこれに限定されず、任意に設定されるとよい。
【0034】
属性判定部100hは、情報抽出部100gが抽出した情報つまり入力情報に属性が付されているとき、その属性が端末装置10を所持するユーザの望みの属性であるか否かを判定する。また、その属性は、情報を提供した側で指定された識別情報であってもよい。この場合、情報抽出部100gが抽出した情報には、情報を提供される側が指定されていて、例えば端末ID等のID情報が属性として付されていて、そのID情報と属性判定部100hを有する端末装置10のID情報が一致するか否かを、属性判定部100hは判定することができる。
【0035】
表示出力部100iは、情報抽出部100gが抽出した情報のうち属性判定部100hが属性一致と判定した又は属性無しの情報をモニタ14に出力する。
【0036】
音声出力部100jは、情報抽出部100gが抽出した情報のうち属性判定部100hが属性一致と判定した又は属性無しの情報をスピーカ16から出力する。ここでは、音声出力を望む場合のみ、音声出力部100jによる音声出力が実行されるが、全ての場合に音声出力が行われてもよい。なお、音声出力を行うとき、上記音声文字変換部により文字情報が音声情報に変換されるとよい。音声情報そのものが記憶されている場合、それがそのまま出力されてもよい。
【0037】
なお、情報記憶部100kは、後述するサーバ装置20から提供される情報データベースDB1の一部又は全部を取得し、記憶部102にそれを記憶し、例えば記憶部102の情報データベースDB1を更新する。
【0038】
サーバ装置20は、情報処理装置であり、所謂コンピュータを備え、システムSの一部として機能することができる。サーバ装置20は、端末装置10と同様に、制御部200、記憶部202、通信部204を有し、ネットワークNを介して複数の端末装置10の各々が接続される。サーバ装置20は、モニタ22、入力部24を更に備えている。なお、モニタ22は表示装置の一例であり、またモニタ22は所謂タッチパネルでもあり、出力装置であるとともに入力装置でもある。入力部24は、例えばキーボード、マウスである。
【0039】
サーバ装置20の制御部200は、ネットワークNを介して取得した情報、又は、モニタ22及び/又は入力部24を介して取得した情報に基づいて、サーバ装置20の制御を行うコンピュータである。制御部200は、サーバ装置20の作動などを制御する制御手段の一例である。
【0040】
制御部200は、CPUと、主記憶部とを有し、プログラムにより情報処理を実行する。CPUはプロセッサともいう。ただし、CPUは、単一のプロセッサに限定される訳ではなく、マルチプロセッサ構成であってもよい。また、単一のソケットで接続される単一のCPUがマルチコア構成を有していてもよい。上記各部の少なくとも一部の処理は、CPU以外のプロセッサ、例えば、Digital Signal Processor(DSP)、Graphics Processing Unit(GPU)等の専用プロセッサで行われてもよい。また、上記各部の少なくとも一部の処理は、集積回路(IC)、その他のディジタル回路であってもよい。また、上記各部の少なくとも一部にアナログ回路が含まれてもよい。制御部200の主記憶部は主記憶装置の一例である。制御部200におけるCPUは、その主記憶部に実行可能に展開されたコンピュータプログラムを実行し、各種機能を提供する。制御部200における主記憶部は、CPUが実行するコンピュータプログラム及び/又はデータ等を記憶する。制御部200における主記憶部は、Dynamic Random Access Memory(DRAM)、Static Random Access Memory(SRAM)、Read Only Memory(ROM)等である。
【0041】
制御部200は、記憶部202と接続されている。記憶部202は、所謂外部記憶部であり、制御部200の主記憶部を補助する記憶領域として使用され、制御部200のCPUが実行するコンピュータプログラム及び/又はデータ等を記憶する。記憶部202は、ハードディスクドライブ、Solid State drive(SSD)等である。
【0042】
制御部200は、機能モジュールとして、情報取得部200a、属性判定部200b、記憶実行部200c、及び、情報提供部200dの各機能モジュールを含む。各機能モジュールは、例えば、主記憶部及び/又は記憶部202に記憶されたプログラムを制御部200つまりそのうちのCPUによって実行することで実現される。ただし、機能モジュールの一部は、他のプロセッサ、ディジタル回路、又はアナログ回路等のハードウェアであってもよい。各機能モジュールは、部、機能部又は手段と言い換えることができる。
【0043】
情報取得部200aは、端末装置10から送信されて提供された情報を取得する。そして、情報取得部200aは、その情報を、属性判定部200bに送る。なお、この情報は、上記支援情報などの入力情報であり、端末装置10などの位置情報などの所定の位置情報と関連付けられている、つまり、紐づけられている。
【0044】
属性判定部200bは、情報取得部200aから送られてきた情報の属性を判定する。この判定では、記憶部202に記憶されている属性データベースDB2のデータが用いられ、例えば上記「ハザード」などの属性に属するか否かが判定され、好適な属性が1つ又は複数選択されて、その情報に更に関連付けられる。なお、属性は端末装置10側で入力情報に付与されるとよい。この場合、属性判定部200bで更に属性が判定されることを必ずしも要しない。
【0045】
記憶実行部200cは、情報取得部200aにより取得された情報、及び、属性判定部200bにより判定された属性(識別情報を含み得る。)を、記憶部202の情報データベースDB1に記憶する。この記憶は、その入力情報を、関連付けられている所定の位置情報で検索可能なように記憶するように実行される。更には、この記憶は、その入力情報を、関連付けられている属性で検索可能なように記憶するように実行される。これにより、情報データベースDB1の情報は、位置情報及び属性の少なくともいずれか一方で検索可能である。なお、情報データベースDB1は更新可能である。
【0046】
情報提供部200dは、記憶部202に記憶されている情報つまり情報データベースDB1の一部又は全部を定期的に又は不定期に読み込み、端末装置10に提供する。なお、この提供されるつまり送信される情報は、端末装置10の現在位置に関する所定範囲の情報のみなど、所定の情報に限定されてもよい。また、サーバ装置20からのこのような情報の提供は端末装置10から要求されたときのみ実行されてもよい。
【0047】
図3は、端末装置10のモニタ14の一例を示す図である。
図3では、モニタ14に入力部100cが作動状態にあるときの入力画面が表示されていて、第1領域14aはタグ付け画面であり、第2領域14bは情報入力画面であり、第3領域14cは属性選択領域であり、第4領域14dは送信ボタンである。第1領域14aには、ナビゲーション部100aによるナビゲーション画面又は地図情報が表示される。原則、第1領域14aには、端末装置10の位置情報を含む所定範囲の地図情報が表示されるが、ユーザ等による操作によりその表示領域を任意に変えることができる。
【0048】
端末装置10のモニタ14の第1領域14aにおいては、原則、現在位置を示すタグMTが表示される。タグMTは端末装置10の位置そのものである場合もあるが、ユーザ等の操作によりその地図上の位置を変えることができる。なお、タグMTは、バーチャルタグ又はストリートタグ、或いは、バーチャルストリートタグなどと称されてもよい。ただし、第1領域14aにおいて、タグMTの表示と、現在位置の表示とは当初から独立していてもよい。
【0049】
第2領域14bでは、モニタ14の文字入力機能により、他の端末装置10のユーザ等であり得る歩行者等に伝えたい情報を入力することができる。例えば、歩行者の通行路に、大きな凹みがあるとき、これは、身体障害者、視覚障害者、車椅子利用者などの歩行者には危険である。そのような情報をそのような歩行者に伝えたいとき、その情報が第2領域14bに入力される。これにより、その入力された情報つまり入力情報と、その情報に関連がある位置情報として、第1領域14aにおけるタグMTの位置情報を関連付けることが行われる。
【0050】
第3領域14cでは、第2領域14bで入力される情報の属性を入力することができる。ここでは、複数の属性の中から少なくとも1つの属性を選択することが行われる。
図3では、属性として「ハザード」が選択されているところを示す。属性は、「ハザード」の他、「宣伝広告」、「伝言」、「共有」を例えば挙げることができる。属性「宣伝広告」は、小売店舗、レストラン等がバーチャルに出す看板等の情報(宣伝広告情報)に付されることができる。宣伝広告情報例としては、ビーチでの「ビール広告」を挙げることができる。属性「伝言」は、特定の相手に、特にその特定の相手にだけ伝えることを目的とした情報(伝言情報)に付されることができ、例えば「待ち合わせ時間に来ないから、私は帰る。」などの入力情報に付され得る。特定の相手にだけ伝えることを目的とした伝言情報においては、特定の相手のIDつまり特定の相手の端末装置10のIDなどを更に第3領域14cなどで入力することができる。なお、システムSでは、各端末装置10で当該システムSのサービスを利用するためには、利用者登録及びログインすることが必要であり、このときのID情報が用いられるとよい。また、利用者登録時に性別、年齢等を登録させ、例えばこの「性別」、「年齢」も属性として利用されてもよい。属性「共有」は、任意のユーザと共有する情報に付され得、好ましくは「ハザード」情報以外の情報であるとよいが、ハザード情報にも併せて付されてもよい。
【0051】
なお、前述のように、情報の提供を受ける側を指定するとき、属性として、その情報の提供を受ける端末又はユーザのID情報が第3領域14cで入力されることもできる。この場合、このID情報が、入力情報の属性とされるとよい。
【0052】
第4領域14dの送信ボタンを押すことで、第2領域14bに入力された情報が第1領域14aのタグMTの位置情報に関連付けられて、サーバ装置20に送信される。このとき、第3領域14cで選択された属性もその情報に付されて送信される。このとき、送信ボタンを押した日時など時間情報も一緒に、サーバ装置20に送られるとよい。なお、所定の位置情報はタグMTの位置情報であるが、送信ボタンを押したとき、つまり入力情報の入力時の端末装置10の現在の位置情報そのものとされてもよい。
【0053】
この情報の入力の順序について、
図4のフローチャートに基づいて説明する。
【0054】
ステップS401では、タグMTの位置を指定することが行われる。つまり、タグMTの位置を端末装置10のモニタ14の第1領域14aにおいて指定することで、そのタグMTの位置情報がナビゲーション部100aとの連携により入力取得部100eは取得できるようになる。
【0055】
ステップS403では、端末装置10のモニタ14の第2領域14bにおいて、支援情報などの情報を入力することが行われる。そして、ステップS405では、端末装置10のモニタ14の第3領域14cにおいて、属性を入力することが行われる。なお、ステップS401からステップS405の順番はこの順番に限定されず、異なる順番であってもよく、それらは複数回繰り返されたりしてもよい。ステップS401からステップS405とを行うことで、タグMTの位置が指定されてたった1つの位置情報が指定され、支援情報などの情報及びその属性が入力される。これにより、入力取得部100eは、第1領域14aのタグMTの位置情報と、第2領域14bの入力情報と、第3領域14cの属性情報とを取得し、関連付けることを行う。なお、第2領域14b及び/又は第3領域14cからの入力に代えてマイク18からの音声入力された情報が用いられてもよい。
【0056】
そして、ステップS407では、送信ボタンが押される。これにより、送信部100fは、所定の位置情報と属性が関連付けられた入力情報をサーバ装置20に送信する。この送信される情報には、登録情報RIのうちの識別情報、例えば端末ID又はユーザIDなどのID情報も付されてもよい。なお、このとき、送信部100fは、その送信した情報を例えば所定期間、記憶部102に記憶してもよい。
【0057】
端末装置10から送信された情報はサーバ装置20で受信されて取得される。
【0058】
サーバ装置20での情報の受信から記憶までの流れを、
図5のフローチャートに基づいて説明する。
【0059】
端末装置10から送信された情報がサーバ装置で受信されて、その情報取得部200aにより取得されると、ステップS501で肯定判定される。なお、ステップS501は、情報を取得したか否かの判定ステップであり、肯定判定されるまで繰り返される。
【0060】
次のステップS503では、取得した情報の属性が選択される。つまり、属性判定部200bにより、属性データベースDB2に基づいて、情報の属性が判定される。属性データベースDB2は用語と属性との関係を定めたデータベースであり、例えば取得した情報に用語「レストラン」が含まれる場合、「娯楽」属性が選択される。また、例えば取得した情報に用語「危険」などが含まれているとき、属性「ハザード」が選択される。これにより、ハザード情報が視覚障害者などの歩行者が所持する端末装置10により好適に提供され得るようになる。なお、端末装置10において、そのような情報の属性が既に付されている場合には、その属性がそのまま用いられるとよい。
【0061】
そして、ステップS505では、記憶実行部200cは、取得した入力情報を、位置情報つまり所定の位置情報の位置情報で検索可能に記憶部202の情報データベースDB1に記憶する。また、このとき、ここでは、記憶実行部200cは、取得した情報を、属性で検索可能に記憶部202の情報データベースDB1に記憶する。なお、本開示は、情報の記憶の際、属性が関連付けられないことを排除するものではない。また、送信された情報に識別情報が付されていた場合には、その識別情報も、記憶されるその情報に関連付けられて記憶されるとよい。
【0062】
一方、こうして記憶された情報を用いた歩行者の支援等について、
図6及び
図7に基づいて説明する。
【0063】
図6は、端末装置10のモニタ14の一例を示す図である。
図6では、モニタ14に出力部100dが作動状態にあるときの出力画面が表示されていて、A領域14eは、タグMT、端末装置10の現在位置CPが併せて表示される画面であり、B領域14fは情報出力画面であり、C領域14gはユーザが望む情報の属性の入力画面であり、D領域14hは音声出力を望むときにOFF状態からON状態にされる画面である。
【0064】
A領域14eは、上記第1領域14aに対応し、地図情報を表示するとともに、情報データベースDB1において入力情報に関連付けられている所定の位置情報をその位置の位置情報とするタグMTが重ねて表示される。また、そのタグMTに関連付けられている情報はB領域14fに表示される。このタグMTの表示と入力情報の表示は、情報抽出部100gによる入力情報の抽出と、その情報に対するC領域14gの属性での属性判定部100hによる属性判定と、表示出力部100jによる出力とにより実行される。
【0065】
D領域14hで音声出力がON状態にあるとき、音声出力部100jは、所定の時期に、B領域14fに出力される情報を、スピーカ16から音声出力する。所定の時期は、A領域14eにおいてタグMTに向かって現在位置CPが移動しているときであって、タグMTの位置(所定の位置情報の位置)と現在位置CPとの距離が所定距離又はそれ以下になったときを含むとよい。
【0066】
この情報の出力の順序について、
図7のフローチャートに基づいて説明する。
【0067】
ステップS701では、端末装置10の現在位置の位置情報が取得される。ここでは、位置情報受信部12による位置情報が取得される。
【0068】
ステップS703では、ステップS701で取得された端末装置10の現在位置の位置情報と所定の関係を有する情報があるか否かが判定される。具体的には、端末装置10の現在位置から所定範囲内の位置を定める所定の位置情報を有する入力情報が情報データベースDB1にあるか否かが判定される。入力情報があるとき肯定判定され、入力情報がないとき否定判定されてステップS701に戻る。ステップS701及びステップS703は、情報抽出部100gにより行われる。
【0069】
情報があるとき(ステップS703で肯定判定)、ステップS705で、その情報の属性が判定される。この属性の判定は、C領域14gの属性に基づいて属性判定部100hにより行われる。そして、情報の属性がC領域14gの属性と一致したとき、ステップS705で肯定判定される。なお、属性が一致しないとき(ステップS705で否定判定)、ステップS701に戻る。なお、属性「共有」の入力情報については、属性の一致にかかわらず、ステップS705で肯定判定されてもよい。また、属性「ハザード」の入力情報については、属性の一致にかかわらず、ステップS705で肯定判定されてもよい。歩行者等であり得るユーザの安全に寄与するためである。
【0070】
そして、ステップS705で肯定判定されたとき、A領域14e及びB領域14fにその抽出した情報、例えばタグMTの表示及び支援情報が出力される。この出力は、表示出力部100iにより行われる。
【0071】
更に、ステップS709では、D領域14hで音声出力を望む音声出力ボタンがON状態であるか否かが判定される。そして、ステップS709で肯定判定されると、ステップS711で、音声出力部100jにより、所定の時期に、現在位置CPから所定距離内のタグMTに関連付けられている入力情報が音声出力される。
【0072】
なお、音声出力が望まれていないとき(ステップS709で否定判定)、又は、ステップS711を経ると、当該ルーチンは終了し、次のルーチンのステップS701に戻る。
【0073】
上記構成のシステムSによれば、まず第1に、実際にその場に至った者であるユーザ、例えば歩行者がその所持する端末装置10で入力情報を入力し、サーバ装置20等の情報データベースDB1に記憶させることができる。そして、第2に、そのような他のユーザが記憶した情報あるいは自分自身が過去に記憶させた情報を、特にハザード情報を、その情報が必要なときに、端末装置10を所持するユーザ、例えば歩行者は、より好適に取得することができる。よって、例えば歩行者が歩行する通行路の状況などをその歩行者により好適に伝えることが可能になる。このように、システムSによれば、ある場所に先に至った者が注目した情報を、その後に、そのある場所に至った他の人に好適に伝えることが可能になる。
【0074】
なお、端末装置10は、歩行者が手で持つタイプの機器であることに限定されず、歩行者の顔又はその顔の周囲に着脱可能に設けられる機器であってもよい。端末装置10は、例えばスピーカとマイクを備えてユーザである歩行者の首にかけることができる端末装置であってもよい。この場合にも、その端末装置は、端末装置10と同様の構成を備えるとよく、特に音声出力を行う音声出力部100jを備えて構成されるとよい。
【0075】
上記実施形態に係るシステムSは、歩行者の歩行支援、特に視覚障害者などの障害者の歩行の支援に主に向けられていたが、他のシーンにおいて利用されてもよい。例えば、小売店舗、レストラン等がバーチャルに看板を出し、その看板を所定の場所(例えば店舗の所定範囲内)に至った者に見てもらいたいときに、システムSを用いることができる。情報例としては、「この角を曲がった先にイタリアンレストランxxxがあります。ランチメニューはxxx円でお得です!」がある。このとき、情報の入力は店舗側の端末装置で行われ、情報の出力は客側の端末装置で行われるとよい。また、例えば、特定の相手に、特にその特定の相手にだけ情報を伝えたいときに、システムSが用いられてもよい。例えば「待ち合わせ時間に来ないから、私は帰る。」などの入力情報を端末装置10から入力することができ、待ち合わせ時間に遅れてきた人は自身の端末装置10でその情報を受け取って知ることができる。この場合、情報を受ける側の端末装置10のC領域14gに入力されている属性にかかわらず、属性判定部100hは、例えば入力情報に関連付けられているID情報がその端末のID情報と一致するか否かを判定する(ステップS705)。さらに、例えば、任意のユーザと共有することが望まれる情報についても、システムSは利用可能である。例えば、「ここからの景色は何時ごろに見るとよい。」、「道端に花が咲いているから踏まないようにしようね。」などの情報をこれにより共有することができる。
【0076】
なお、前述のように、入力される情報、出力される情報のいずれにおいても、種々の属性が用いられてもよい。例えば、前述のように、利用者登録するときの性別、年齢等も属性として利用可能である。更に、情報の有効期限を分、時間、日、月などで指定できるようにしてもよい。これにより、工事情報の入力、出力(提供)も例えば属性「ハザード」の情報の入力、出力として行うことができる。更に、情報の通知形態は、文字及び/又は音声に限定されず、音声、文字、画像、等の少なくともいずれか2つの組み合わせであってもよい。
【0077】
以上、本発明に係る実施形態及びその変形例について説明したが、本発明はそれらに限定されない。本願の特許請求の範囲によって定義される本発明の精神及び範囲から逸脱しない限り、種々の置換、変更が可能である。
【符号の説明】
【0078】
10 端末装置
20 サーバ装置
S 情報提供システム
N ネットワーク