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特開2023-19934メール処理装置およびメール処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023019934
(43)【公開日】2023-02-09
(54)【発明の名称】メール処理装置およびメール処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/00 20060101AFI20230202BHJP
【FI】
G06F13/00 625
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021125019
(22)【出願日】2021-07-30
(71)【出願人】
【識別番号】304020498
【氏名又は名称】サクサ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 徹也
(72)【発明者】
【氏名】八谷 文也
(72)【発明者】
【氏名】小熊 敦剛
【テーマコード(参考)】
5B084
【Fターム(参考)】
5B084AA01
5B084AA15
5B084AB03
5B084AB31
5B084BA09
5B084BB01
5B084CC07
5B084CC17
5B084CD08
5B084CD26
5B084DB01
5B084DC02
5B084DC03
(57)【要約】
【課題】返信メールに添付された添付ファイルを元の送信メールと対応するフォルダに保存する。
【解決手段】メール処理装置10は、ユーザ端末20からの送信メールから抽出して当該送信メールを識別するための第1のメッセージIDを登録し、ユーザ端末20への返信メールに添付ファイルが添付されている場合、当該返信メールから、元の送信メールを識別するための第2のメッセージIDを抽出し、当該第2のメッセージIDが登録されている第1のメッセージIDと一致した場合、当該送信メールと対応するフォルダに、当該返信メールの添付ファイルを保存する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メールを識別するためメッセージIDを記憶するように構成された記憶部と、
ユーザ端末の送受信メールから取得した添付ファイルを保存するように構成された制御部とを備え、
前記制御部は、前記ユーザ端末からの送信メールから抽出した当該送信メールを識別するための第1のメッセージIDを前記記憶部に登録し、前記ユーザ端末への返信メールに添付ファイルが添付されている場合に、当該返信メールから元の送信メールを識別するための第2のメッセージIDを抽出し、当該第2のメッセージIDが前記記憶部に登録されている第1のメッセージIDと一致した場合、当該送信メールと対応するフォルダに、当該返信メールの添付ファイルを保存するように構成されている
ことを特徴とするメール処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載のメール処理装置において、
前記制御部は、前記ユーザ端末からの送信メールのうち、保存対象として指定された送信メールを識別するための第1のメッセージIDを前記記憶部に登録するように構成されている
ことを特徴とするメール処理装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のメール処理装置において、
前記第1のメッセージIDは、前記送信メールのメールヘッダのMessage-IDフィールドに記載されたメッセージIDからなり、
前記第2のメッセージIDは、前記返信メールのメールヘッダのIn-Reply-ToフィールドまたはReferencesフィールドに記載されたメッセージIDからなる
ことを特徴とするメール処理装置。
【請求項4】
コンピュータを、メールを識別するためメッセージIDを記憶するように構成された記憶部と、ユーザ端末の送受信メールから取得した添付ファイルを保存するように構成された制御部とを備えたメール処理装置として機能させるためのプログラムであって、
前記制御部に、
ユーザ端末からの送信メールから抽出した当該送信メールを識別するための第1のメッセージIDを記憶部に登録するステップと、
前記ユーザ端末への返信メールに添付ファイルが添付されている場合に、当該返信メールから元の送信メールを識別するための第2のメッセージIDを抽出するステップと、
当該第2のメッセージIDが前記記憶部に登録されている第1のメッセージIDと一致した場合、当該送信メールと対応するフォルダに、当該返信メールの添付ファイルを保存するステップと
を実行させるメール処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子メールに添付されている添付ファイルを仕分けして自動保存するためのメール処理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電子メール(以下、メールという)には、画像や文書などのファイルを添付してやり取りする機能がある。ユーザ端末で送受信するメールを処理するメール処理装置には、このような添付ファイルをメール本文から取得してファイル保存装置に自動保存する機能を有するものがあり、これにより、ユーザが必要に応じて添付ファイルを利用することができる。
従来、このようなメール処理装置では、メールの添付ファイルを保存する場合、ファイル保存装置のうち、当該メールに関する識別情報をフォルダ名称としたフォルダに添付ファイルを仕分けして、自動保存する方法が提案されている(例えば、特許文献1など参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-205273号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
メールを識別するための識別情報は、他のメールの識別情報と重複しないよう、例えばドメイン名とメール生成時のタイムスタンプを組み合わせなど、ユニークな情報から生成されたメッセージIDが用いられ、メールヘッダのMessage-IDフィールドに保存される。すなわち、元の送信メールと当該送信メールへの返信メールとでは、メッセージIDすなわち識別情報が異なる。
【0005】
前述した従来技術によれば、メールに関する識別情報をフォルダ名称としたフォルダに添付ファイルが保存されるため、返信メールの添付ファイルは、元の送信メールの識別情報とは異なる返信メールの識別情報をフォルダ名とするフォルダに保存されることになる。
【0006】
このため、元の送信メールと当該送信メールへの返信メールとは、極めて高い関連性を有しているにも関わらず、返信メールの添付ファイルは元の送信メールと対応するフォルダには保存されないことになる。この際、元の送信メールに添付ファイルが添付されていた場合、元の送信メールと返信メールの添付ファイルは、それぞれ異なるフォルダに保存されることになる。
【0007】
さらに、元の送信メールに対する複数の返信メールのそれぞれに添付ファイルが添付されていた場合には、個々の返信メールと対応するフォルダにそれぞれの添付ファイルが保存されることになる。このため、ユーザがこれら添付ファイルへアクセスする際に要する作業負担が増大するという問題点があった。
【0008】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、返信メールに添付された添付ファイルを元の送信メールと対応するフォルダに保存できるメール処理技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような目的を達成するために、本発明にかかるメール処理装置は、メールを識別するためメッセージIDを記憶するように構成された記憶部と、ユーザ端末の送受信メールから取得した添付ファイルを保存するように構成された制御部とを備え、前記制御部は、前記ユーザ端末からの送信メールから抽出した当該送信メールを識別するための第1のメッセージIDを前記記憶部に登録し、前記ユーザ端末への返信メールに添付ファイルが添付されている場合に、当該返信メールから元の送信メールを識別するための第2のメッセージIDを抽出し、当該第2のメッセージIDが前記記憶部に登録されている第1のメッセージIDと一致した場合、当該送信メールと対応するフォルダに、当該返信メールの添付ファイルを保存するように構成されている。
【0010】
また、本発明にかかる上記メール処理装置の一構成例は、前記制御部が、前記ユーザ端末からの送信メールのうち、保存対象として指定された送信メールのみ、当該送信メールを識別するための第1のメッセージIDを前記記憶部に登録するように構成されている。
【0011】
また、本発明にかかる上記メール処理装置の一構成例は、前記第1のメッセージIDは、前記送信メールのメールヘッダのMessage-IDフィールドに記載されたメッセージIDからなり、前記第2のメッセージIDは、前記返信メールのメールヘッダのIn-Reply-ToフィールドまたはReferencesフィールドに記載されたメッセージIDからなるものである。
【0012】
また、本発明にかかるメール処理プログラムは、コンピュータを、メールを識別するためメッセージIDを記憶するように構成された記憶部と、ユーザ端末の送受信メールから取得した添付ファイルを保存するように構成された制御部とを備えたメール処理装置として機能させるためのプログラムであって、前記制御部に、ユーザ端末からの送信メールから抽出した当該送信メールを識別するための第1のメッセージIDを記憶部に登録するステップと、前記ユーザ端末への返信メールに添付ファイルが添付されている場合に、当該返信メールから元の送信メールを識別するための第2のメッセージIDを抽出するステップと、当該第2のメッセージIDが前記記憶部に登録されている第1のメッセージIDと一致した場合、当該送信メールと対応するフォルダに、当該返信メールの添付ファイルを保存するステップとを実行させる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、返信メールに添付された添付ファイルを元の送信メールと対応するフォルダに保存することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、メール処理装置の構成を示すブロック図である。
図2図2は、メッセージIDリストの構成例を示す説明図である。
図3図3は、送信メールのメールヘッダの腰部を示す説明図である。
図4図4は、返信メールのメールヘッダの腰部を示す説明図である。
図5図5は、メール処理装置の動作の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
[メール処理装置]
まず、図1を参照して、本実施の形態にかかるメール処理装置10について説明する。図1は、メール処理装置の構成を示すブロック図である。
このメール処理装置10は、配下のローカルエリアネットワークLAN(以下、LANという)に接続されたPCやスマートフォンなどのユーザ端末20が、通信網NWのメールサーバ40とやり取りする送受信メールを監視して処理するように構成されている。
【0016】
LANには、添付ファイルを保存するためのファイル保存装置30が接続されており、メール処理装置10は、ユーザ端末20が通信網NWのメールサーバ40とやり取りする送受信メールから取得した添付ファイルを仕分けして、ファイル保存装置30へ自動保存するように構成されている。
【0017】
本実施の形態では、返信メールのメールヘッダに元の送信メールを識別するためのメッセージIDが含まれていることに着目し、返信メールに含まれている第2のメッセージIDと送信メールを識別するための第1メッセージIDとの比較結果に基づいて、ファイル保存装置30における送信メールに対応するフォルダに、返信メールの添付ファイルを保存するように構成したものである。
【0018】
[メール処理装置の構成]
次に、図1を参照して、本実施の形態にかかるメール処理装置10の構成について説明する。メール処理装置10は、配下のLANに接続されたユーザ端末20を、インターネットなどの通信網NWに中継接続する経路上に接続されている。
【0019】
メール処理装置10は、UTM(Unified Threat Management)装置やゲートウェイなどのネットワーク制御装置と別個に構成してもよく、これらネットワーク制御装置内に実装してもよい。メール処理装置10は、主な部構成として、網側I/F11、LAN側I/F12、記憶部13、および制御部14を備えている。
【0020】
[網側I/F]
網側I/F11は、通信回線Lを介して通信網NWとデータ通信を行うように構成されている。
[LAN側I/F]
LAN側I/F12は、LANを介してユーザ端末20およびファイル保存装置30とデータ通信を行うように構成されている。
【0021】
[記憶部]
記憶部13は、全体として半導体メモリなどの記憶部からなり、制御部14で実行するメール処理に用いる各種の処理情報とプログラム13Pを記憶するように構成されている。
【0022】
プログラム13Pは、制御部14のCPUと協働することにより、制御部14のメール処理を実行するための各種処理部を実現し、コンピュータをメール処理装置として機能させるためのメール処理プログラムである。プログラム13Pは、通信回線LやLANを介してメール処理装置10に接続された外部装置や記録媒体(ともに図示せず)から、予め記憶部13に保存される。
【0023】
[メッセージIDリスト]
記憶部13で記憶する主な処理情報として、メッセージIDリスト13Aがある。メッセージIDリスト13Aは、ユーザ端末20から送信された送信メールのうち添付ファイルの保存対象である送信メールを識別するための第1のメッセージIDが登録されたリストデータである。
【0024】
図2は、メッセージIDリストの構成例を示す説明図である。図2の例では、第1のメッセージIDごとに、ファイル保存装置30のうち添付ファイルの保存先を示すフォルダ名が登録されている。フォルダ名は、第1のメッセージIDごとにユニークな名称を用いて生成される。図2の例では、送信メッセージの件名(Subjectフィールド)がフォルダ名として用いられている。
【0025】
添付ファイルを保存する対象である送信メールの指定は、例えば、送信メールの件名(Subjectフィールド)や、他のフィールドに保存対象である旨を記載することにより指定することができる。送信メールの一覧を表示し、管理者が送信メールの一覧から添付ファイルを保存する対象である送信メールを選択するようにしてもよい。
【0026】
[制御部]
制御部14は、CPUとその周辺部を有するコンピュータにより実現できる。制御部14は、CPUと記憶部13のプログラム13Pとを協働させることにより、メール処理装置の各種処理を実行する処理部を実現するように構成されている。
【0027】
制御部14は、ユーザ端末20から受信した送信メールから、保存対象として指定された送信メールを識別するための第1のメッセージIDを抽出し、当該第1のメッセージIDにユニークなフォルダ名を有するフォルダを作成して、ファイル保存装置30に保存するように構成されている。第1のメッセージIDとフォルダ名とを組として、記憶部13のメッセージIDリスト13Aに登録される。
【0028】
制御部14は、メールサーバ40から受信したユーザ端末20への返信メールに添付ファイルが添付されている場合、当該返信メールから元の送信メールを識別するための第2のメッセージIDを抽出し、当該第2のメッセージIDが記憶部13のメッセージIDリスト13Aに登録されている第1のメッセージIDのいずれかと一致した場合、ファイル保存装置30の当該送信メールと対応するフォルダ名のフォルダに、当該返信メールの添付ファイルを保存するように構成されている。
【0029】
また、制御部14は、保存対象として指定された送信メールに添付ファイルが添付されている場合、ファイル保存装置30の当該送信メールに対応するフォルダ名のフォルダに、送信メールの添付ファイルを保存するように構成してもよい。これにより、送信メールおよび返信メールのそれぞれに添付された添付ファイルを、送信メールと対応するフォルダに、一元的に保存することが可能となる。
【0030】
また、制御部14は、第1のメッセージIDとして、送信メールのメールヘッダのMessage-IDフィールドに記載されたメッセージIDを用い、第2のメッセージIDとして、返信メールのメールヘッダのIn-Reply-ToフィールドまたはReferencesフィールドに記載されたメッセージIDを用いてもよい。これにより、比較的簡素な処理で、第1および第2のメッセージIDを正確に特定することができる。
【0031】
[メールヘッダとメッセージIDについて]
図3は、送信メールのメールヘッダの要部を示す説明図である。送信メールのメールヘッダには、いくつかのフィールドが設けられており、図3の例では、メールの送信先が記載されるToフィールド、メールの送信元が記載されるFromフィールド、メールの件名が記載されるSubjectフィールド、メールを識別するためのメッセージIDが記載されるMessage-IDフィールド、メールの送信タイムスタンプを示すDateフィールド、添付ファイルの関連情報が記載されるContent-Typeフィールドが示されている。
【0032】
図3の例では、Subjectフィールドに、「プロジェクトXについて(保存対象)」と記載されており、当該送信メールが添付ファイルを保存する対象であることが明記されている。Message-IDフィールドには、メールを識別するためのメッセージIDとして「<20210630102030aaa@saxa.jp>」が記載されている。
【0033】
図4は、返信メールのメールヘッダの要部を示す説明図である。返信メールのメールヘッダには、送信メールと同様のフィールドに加えて、元の送信メールのメッセージIDが記載されるIn-Reply-Toフィールドが設けられている。図4の例では、図3の送信メールに対する返信メールのメールヘッダが示されており、In-Reply-Toフィールドには、図3の送信メールのメッセージID「<20210630102030aaa@saxa.jp>」が記載されている。
【0034】
本送信メールは、ユーザ端末20から最初に送信されたオリジナルなメールであり、いずれかのメールに対する返信メールや転送メールではない。したがって、送信メールを識別するための第1のメッセージIDはユニークであり、返信メールには、必ず元の送信メールの第1のメッセージIDと等しい第2のメッセージIDが含まれている。したがって、第1のメッセージIDと一致する第2のメッセージIDを含む返信メールの添付ファイルは、全て元の送信メールと対応するフォルダに一元的に保存されることになる。
【0035】
返信メールが複数回やり取りされた場合、当該返信メールと関連する各メールのメッセージIDがReferencesフィールドに記載される。この場合、第2のメッセージIDが複数記載されることになるが、これらをメッセージIDリスト13Aで参照すれば、第1のメッセージIDを容易に特定できる。また、転送メールには、元のメールのフィールドが全て含まれているため、同様にして第1のメッセージID及び対応する保存先のフォルダを容易に特定できる。
【0036】
[保存対象であるメールの指定について]
制御部14は、ユーザ端末20からの送信メールのうち、保存対象として指定された送信メールのみ、当該送信メールを識別するための第1のメッセージIDを記憶部13のメッセージIDリスト13Aに登録するように構成されている。保存対象を指定することにより、添付ファイルを保存する必要がない送信メールを除外でき、ファイル保存装置30のリソースを効率よく使用できる。
【0037】
添付ファイルを保存する対象である送信メールの指定は、図3に例示したように、送信メールの件名(Subjectフィールド)や、他のフィールドに保存対象である旨を記載することにより指定してもよいし、送信者が送信メールの一覧から添付ファイルを保存する対象である送信メールを選択するようにしてもよい。
【0038】
例えば、制御部14は、ユーザ端末20から送信された送信メールを、その検出から一定の保持期間だけ記憶部13で送信メールを保持しておき、送信者のユーザ端末20からの確認要求に応じて、保持中である当該ユーザ端末20からの送信メールを記憶部13から取得して、ユーザ端末20で一覧表示する。
【0039】
その後、制御部14は、ユーザ端末20からの保存対象の指定要求に応じて、指定された送信メールを保存対象として指定し、当該送信メールの第1のメッセージIDおよび対応するフォルダ名を、メッセージIDリスト13Aに登録するとともに、当該フォルダ名を有するフォルダを作成して、ファイル保存装置30に保存すればよい。
【0040】
[ファイルの保存について]
制御部14は、添付ファイルを保存する際、保存する添付ファイルと当該フォルダに保存されている既存ファイルとに関する、ファイル名およびファイル内容の比較結果に基づき、添付ファイルの保存要否を決定するように構成してもよい。これにより、重複したファイルの保存を回避でき、ファイル保存装置30のリソースを有効利用することができる。
【0041】
例えば、添付ファイルのファイル名および内容が、両方とも既存ファイルと異なる場合、添付ファイルを保存し、両方とも既存ファイルと同一である場合、添付フィルは保存しない。内容のみが異なる場合には、ファイル名を変更して添付ファイルを保存し、ファイル名のみが異なる場合には、当該ファイル名を用いた添付ファイルへのリンクファイルを生成して保存する。
【0042】
また、フォルダに対してアクセス権を設定し、送信メールに記載された送信元のユーザにのみアクセス許可を付与するようにしてもよい。この際、送信メールに記載された送信先のユーザや、CCやBCCフィールドに記載された配信先のユーザに対しても、アクセス許可を付与するようにしてもよい。
【0043】
また、返信メールの添付ファイルを当該フォルダに保存する際、当該返信メールに記載された送信先や配信先のユーザに対して、アクセス許可を付与するようにしてもよい。これにより、第三者による添付ファイルへのアクセスを制限でき、高いセキュリティ性を得ることができる。
【0044】
また、添付ファイルを保存する際、ウィルスチェックにより安全性を確認した上で保存するようにしてもよい。これにより、セキュリティ性を維持しつつ、添付ファイルを保存することができる。
【0045】
また、添付ファイルが暗号化されていた場合、その後、関連メールで通知された解凍パスワードを用いて、添付ファイルを解凍してウィルスチェックを行えばよい。これにより、添付ファイルが暗号化されている場合でも、同様にしてファイル保存処理を行うことができる。
【0046】
[本実施の形態の動作]
次に、図5を参照して、本実施の形態にかかるメール処理装置10の動作について説明する。図5は、メール処理装置の動作の一例を示すシーケンス図である。
【0047】
ここでは、ユーザ端末20から相手端末50に対して、添付ファイルAを添付した送信メールを送信し、この送信メールに対して、添付ファイルBを添付した返信メールが、相手端末50からユーザ端末20に対して返信された場合を例として説明する。
【0048】
図5に示すように、まず、メール処理装置10の制御部14は、LANおよびLAN側I/F12を介して、ユーザ端末20から送信された送信メールを検出した場合(ステップ100)、網側I/F11から通信回線Lおよび通信網NWを介してメールサーバ40へ、当該送信メールを転送する(ステップ101)。この送信メールは、メールサーバ40に一時蓄積され、相手端末50に対して受信メールとして転送される(ステップ102)。
【0049】
制御部14は、送信メールが保存対象であるかを判定し(ステップ103)、保存対象の送信メールから第1のメッセージIDを抽出して(ステップ104)、対応するファイル名を生成する(ステップ105)。
【0050】
制御部14は、第1のメッセージIDと対応するファイル名を記憶部13のメッセージIDリスト13Aに登録するとともに(ステップ106)、当該フォルダ名を有するフォルダを作成して、ファイル保存装置30に保存する(ステップ107)。
【0051】
この時、送信メールに添付ファイルAが添付されていることから、制御部14は、この添付ファイルAを、LAN側I/F12およびLANを介してファイル保存装置30へ転送し、送信メールと対応するフォルダに保存する(ステップ108)。
【0052】
相手端末50から添付ファイルBを添付した返信メールが返信された場合(ステップ110)、この返信メールは、メールサーバ40に一時蓄積された後、通信網NWおよび通信回線Lを介してメール処理装置10に転送される(ステップ111)。制御部14は、網側I/F11を介して返信メールを検出した場合、LAN側I/F12およびLANを介して返信先のユーザ端末20へ転送する(ステップ112)。
【0053】
制御部14は、返信メールに添付ファイルBが添付されていることから、当該返信メールから第2のメッセージIDを抽出して(ステップ115)、記憶部13のメッセージIDリスト13Aを参照して、登録されている第1のメッセージIDと比較する(ステップ116)。ここで、第2のメッセージIDと一致する第1のメッセージIDが登録されている場合、制御部14は、この添付ファイルBを、LAN側I/F12およびLANを介してファイル保存装置30へ転送し、送信メールと対応するフォルダに保存する(ステップ117)。
【0054】
これにより、返信メールの添付ファイルBが、送信メールと対応するフォルダに保存されることになる。このフォルダには、送信メールの添付ファイルAも保存されている。したがって、ユーザがユーザ端末20からLANを介してファイル保存装置30にアクセスして、送信メールと対応するフォルダを参照するだけで(ステップ118)、添付ファイルAと添付ファイルBを閲覧することができる。このため、添付ファイルA,Bがそれぞれ異なるフォルダに保存される場合と比較して、これら添付ファイルA,Bにアクセスする際に要する作業負担を大幅に削減することが可能となる。
【0055】
[本実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、メール処理装置10の制御部14が、ユーザ端末20からの送信メールから当該送信メールを識別するための第1のメッセージIDを抽出して記憶部13に登録し、ユーザ端末20への返信メールに添付ファイルが添付されている場合、元の送信メールを識別するための第2のメッセージIDを当該返信メールから抽出し、当該第2のメッセージIDが記憶部13に登録されている第1のメッセージIDと一致した場合、ファイル保存装置30のうち当該送信メールと対応するフォルダに、当該返信メールの添付ファイルを保存するように構成されている。
【0056】
これにより、返信メールに添付された添付ファイルBを、元の送信メールと対応するフォルダに保存することができる。したがって、ユーザがユーザ端末20からLANを介してファイル保存装置30にアクセスして、送信メールと対応するフォルダを参照するだけで、添付ファイルBを閲覧することができる。このため、添付ファイルBが送信メールとは関係のない異なるフォルダに保存される場合と比較して、添付ファイルBにアクセスする際に要する作業負担を大幅に削減することが可能となる。
【0057】
[実施の形態の拡張]
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0058】
10…メール処理装置、11…網側I/F、12…LAN側I/F、13…記憶部、13A…メッセージIDリスト、13P…プログラム、14…制御部、20…ユーザ端末、30…ファイル保存装置、40…メールサーバ、50…相手端末、L…通信回線、LAN…ローカルエリアネットワーク、NW…通信網。
図1
図2
図3
図4
図5