(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023019998
(43)【公開日】2023-02-09
(54)【発明の名称】情報処理装置及び表示方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/06 20230101AFI20230202BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20230202BHJP
【FI】
G06Q10/06
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021125100
(22)【出願日】2021-07-30
(71)【出願人】
【識別番号】000227892
【氏名又は名称】日本アンテナ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】瀧澤 功一
(72)【発明者】
【氏名】大橋 賢治
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA06
5L049CC20
(57)【要約】
【課題】複数の管理対象の関係性を容易に把握することができる情報処理装置及び表示方法を提供する。
【解決手段】情報処理装置は、複数の管理対象の行動、ステータス及びスケジュールのうち少なくとも1つに係る情報を含む管理対象情報を取得する情報取得手段と、管理対象情報に基づいて、複数の管理対象の関係性を特定する関係性特定手段と、関係性特定手段により特定された関係性を表す関係性画面を表示部に表示させる表示制御手段と、を備え、表示制御手段は、関係性画面において、複数の管理対象を表す複数の管理対象標識と、複数の管理対象標識のうち2つの管理対象標識同士を関連付ける少なくとも1つの関連標識と、を表示させる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の管理対象の行動、ステータス及びスケジュールのうち少なくとも1つに係る情報を含む管理対象情報を取得する情報取得手段と、
前記管理対象情報に基づいて、前記複数の管理対象の関係性を特定する関係性特定手段と、
前記関係性特定手段により特定された前記関係性を表す関係性画面を表示部に表示させる表示制御手段と、
を備え、
前記表示制御手段は、前記関係性画面において、前記複数の管理対象を表す複数の管理対象標識と、前記複数の管理対象標識のうち2つの管理対象標識同士を関連付ける少なくとも1つの関連標識と、を表示させることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記関連標識を、前記2つの管理対象標識に対応する管理対象同士の関係性に応じた表示態様で表示させることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記関連標識は、前記2つの管理対象標識を繋ぐラインであることを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記管理対象情報に基づいて特定された前記関係性に応じて、前記ラインの色、太さ、長さ及び線種のうち少なくとも1つを異ならせることを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記管理対象情報は、前記複数の管理対象のステータスに係る情報を含み、
前記表示制御手段は、前記管理対象標識を、当該管理対象標識に対応する管理対象の前記ステータスに応じた表示態様で表示させることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記複数の管理対象標識のうちいずれか1つを選択するユーザ操作に応じて、選択された前記管理対象標識に対応する一の管理対象と、前記複数の管理対象のうち前記一の管理対象を除いた管理対象との関係性を表す前記関係性画面を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記表示制御手段は、前記複数の管理対象のうち任意の管理対象の組み合わせの関係性を表す前記関係性画面を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記管理対象情報は、前記複数の管理対象の前記行動の履歴、前記ステータスの履歴、及び前記スケジュールの履歴のうち少なくともいずれかに係る情報を含み、
前記関係性特定手段は、過去の時点又は期間を指定するユーザ操作に応じて、前記管理対象情報に基づいて前記過去の時点又は期間における前記複数の管理対象の関係性を特定し、
前記表示制御手段は、前記関係性を表す前記関係性画面を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記管理対象情報は、前記スケジュールに係る情報として、前記複数の管理対象のうち2人以上の管理対象による打ち合わせに係る情報を含み、
前記関係性特定手段は、前記打ち合わせの回数及び頻度の少なくとも一方に基づいて前記関係性を特定することを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記管理対象情報は、前記スケジュールに係る情報として、前記複数の管理対象のうち2人以上の管理対象による打ち合わせに係る情報を含み、かつ、前記ステータスに係る情報を含み、
前記関係性特定手段は、前記打ち合わせの前後における前記ステータスの変化に基づいて前記関係性を特定することを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記管理対象情報は、前記行動に係る情報として、前記複数の管理対象のうち2人以上の管理対象による会話の音声の音量に係る情報を含み、
前記関係性特定手段は、前記音声の音量に基づいて前記関係性を特定することを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記管理対象情報は、前記行動に係る情報として、前記複数の管理対象の間で送受信されたメッセージに係る情報を含み、
前記関係性特定手段は、前記メッセージの内容、回数及び頻度のうち少なくとも1つに基づいて前記関係性を特定することを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記管理対象情報は、前記行動に係る情報として、前記複数の管理対象の少なくともいずれかを撮影した画像に係る情報を含み、
前記関係性特定手段は、前記画像における前記管理対象の表情及び動作のうち少なくとも一方に基づいて前記関係性を特定することを特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記複数の管理対象の各々は、個人又は組織であることを特徴とする、請求項1~13のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項15】
情報処理装置に設けられたコンピュータにより実行される表示方法であって、
複数の管理対象の行動、ステータス及びスケジュールのうち少なくとも1つに係る情報を含む管理対象情報を取得する情報取得ステップと、
前記管理対象情報に基づいて、前記複数の管理対象の関係性を特定する関係性特定ステップと、
前記関係性特定ステップにおいて特定された前記関係性を表す関係性画面を表示部に表示させる表示ステップと、
を含み、
前記表示ステップでは、前記関係性画面において、前記複数の管理対象を表す複数の管理対象標識と、前記複数の管理対象標識のうち2つの管理対象標識同士を関連付ける少なくとも1つの関連標識と、を表示させることを特徴とする表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報技術の進展により、多くの企業で在宅勤務等のテレワークが採用されており、この動きはウイルスの感染拡大を防止する目的等によりさらに加速している。また、このようなテレワークの広がりにより、従来の対面形式の会議(オフラインミーティング)に代わって、テレビ会議システムを用いたオンラインミーティングが主流となりつつある。
【0003】
このようなオンライン化の広がりは、移動時間の短縮等の効率化をもたらす半面、以下のような負の側面があることも指摘されている。すなわち、オフラインで業務を行っていたときに直接感じ取ることができていた同僚及び部下等の様子(行動、表情及び感情等)を把握しにくくなるため、オフライン時と比較して従業員同士の関係性を把握することが困難になる、というものである。この負の側面により、従業員を適切に管理することが困難となるため、業務効率や業績の低下にも繋がる。
【0004】
これに対し、従来、従業員等の管理対象の行動履歴を分析して、管理対象同士の関係性を定量化する技術が知られている。例えば、特許文献1には、従業員の間で行われたチャットのデータに基づいて、従業員同士の繋がりの強さを特定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、管理対象の数が多くなると、管理対象同士の組み合わせが著しく増大するため、単に複数の管理対象の関係性を定量化する分析方法では、分析結果から関係性を適切に把握するのが容易でないという課題がある。
【0007】
この発明の目的は、複数の管理対象の関係性を容易に把握することができる情報処理装置及び表示方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の情報処理装置の発明は、
複数の管理対象の行動、ステータス及びスケジュールのうち少なくとも1つに係る情報を含む管理対象情報を取得する情報取得手段と、
前記管理対象情報に基づいて、前記複数の管理対象の関係性を特定する関係性特定手段と、
前記関係性特定手段により特定された前記関係性を表す関係性画面を表示部に表示させる表示制御手段と、
を備え、
前記表示制御手段は、前記関係性画面において、前記複数の管理対象を表す複数の管理対象標識と、前記複数の管理対象標識のうち2つの管理対象標識同士を関連付ける少なくとも1つの関連標識と、を表示させることを特徴としている。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の情報処理装置において、
前記表示制御手段は、前記関連標識を、前記2つの管理対象標識に対応する管理対象同士の関係性に応じた表示態様で表示させることを特徴としている。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の情報処理装置において、
前記関連標識は、前記2つの管理対象標識を繋ぐラインであることを特徴としている。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の情報処理装置において、
前記表示制御手段は、前記管理対象情報に基づいて特定された前記関係性に応じて、前記ラインの色、太さ、長さ及び線種のうち少なくとも1つを異ならせることを特徴としている。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1~4のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記管理対象情報は、前記複数の管理対象のステータスに係る情報を含み、
前記表示制御手段は、前記管理対象標識を、当該管理対象標識に対応する管理対象の前記ステータスに応じた表示態様で表示させることを特徴としている。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項1~5のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記表示制御手段は、前記複数の管理対象標識のうちいずれか1つを選択するユーザ操作に応じて、選択された前記管理対象標識に対応する一の管理対象と、前記複数の管理対象のうち前記一の管理対象を除いた管理対象との関係性を表す前記関係性画面を前記表示部に表示させることを特徴としている。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項1~5のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記表示制御手段は、前記複数の管理対象のうち任意の管理対象の組み合わせの関係性を表す前記関係性画面を前記表示部に表示させることを特徴としている。
【0015】
請求項8に記載の発明は、請求項1~7のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記管理対象情報は、前記複数の管理対象の前記行動の履歴、前記ステータスの履歴、及び前記スケジュールの履歴のうち少なくともいずれかに係る情報を含み、
前記関係性特定手段は、過去の時点又は期間を指定するユーザ操作に応じて、前記管理対象情報に基づいて前記過去の時点又は期間における前記複数の管理対象の関係性を特定し、
前記表示制御手段は、前記関係性を表す前記関係性画面を前記表示部に表示させることを特徴としている。
【0016】
請求項9に記載の発明は、請求項1~8のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記管理対象情報は、前記スケジュールに係る情報として、前記複数の管理対象のうち2人以上の管理対象による打ち合わせに係る情報を含み、
前記関係性特定手段は、前記打ち合わせの回数及び頻度の少なくとも一方に基づいて前記関係性を特定することを特徴としている。
【0017】
請求項10に記載の発明は、請求項1~9のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記管理対象情報は、前記スケジュールに係る情報として、前記複数の管理対象のうち2人以上の管理対象による打ち合わせに係る情報を含み、かつ、前記ステータスに係る情報を含み、
前記関係性特定手段は、前記打ち合わせの前後における前記ステータスの変化に基づいて前記関係性を特定することを特徴としている。
【0018】
請求項11に記載の発明は、請求項1~10のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記管理対象情報は、前記行動に係る情報として、前記複数の管理対象のうち2人以上の管理対象による会話の音声の音量に係る情報を含み、
前記関係性特定手段は、前記音声の音量に基づいて前記関係性を特定することを特徴としている。
【0019】
請求項12に記載の発明は、請求項1~11のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記管理対象情報は、前記行動に係る情報として、前記複数の管理対象の間で送受信されたメッセージに係る情報を含み、
前記関係性特定手段は、前記メッセージの内容、回数及び頻度のうち少なくとも1つに基づいて前記関係性を特定することを特徴としている。
【0020】
請求項13に記載の発明は、請求項1~12のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記管理対象情報は、前記行動に係る情報として、前記複数の管理対象の少なくともいずれかを撮影した画像に係る情報を含み、
前記関係性特定手段は、前記画像における前記管理対象の表情及び動作のうち少なくとも一方に基づいて前記関係性を特定することを特徴としている。
【0021】
請求項14に記載の発明は、請求項1~13のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記複数の管理対象の各々は、個人又は組織であることを特徴としている。
【0022】
また、上記目的を達成するため、請求項15に記載の表示方法の発明は、
情報処理装置に設けられたコンピュータにより実行される表示方法であって、
複数の管理対象の行動、ステータス及びスケジュールのうち少なくとも1つに係る情報を含む管理対象情報を取得する情報取得ステップと、
前記管理対象情報に基づいて、前記複数の管理対象の関係性を特定する関係性特定ステップと、
前記関係性特定ステップにおいて特定された前記関係性を表す関係性画面を表示部に表示させる表示ステップと、
を含み、
前記表示ステップでは、前記関係性画面において、前記複数の管理対象を表す複数の管理対象標識と、前記複数の管理対象標識のうち2つの管理対象標識同士を関連付ける少なくとも1つの関連標識と、を表示させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、複数の管理対象の関係性を容易に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】情報処理システムの概略構成を示す図である。
【
図2】情報処理サーバの主要な機能構成を示すブロック図である。
【
図3】端末装置の主要な機能構成を示すブロック図である。
【
図4】端末装置の表示部に表示された関係性画面を示す図である。
【
図6】複数の関係性カテゴリにおいて関係性ラインが表す内容例を示す図である。
【
図7】複数のステータスカテゴリにおいてユーザマークが表す内容例を示す図である。
【
図8】過去の特定の時点を指定した場合の関係性画面を示す図である。
【
図9】過去の特定の期間を指定した場合の関係性画面を示す図である。
【
図10】ポップアップウィンドウが表示された関係性画面を示す図である。
【
図11】基準ユーザを変更した場合の関係性画面を示す図である。
【
図12】基準ユーザを設定しない場合の関係性画面の例を示す図である。
【
図13】基準ユーザを設定しない場合の関係性画面の他の例を示す図である。
【
図14】関係性画面表示処理の制御手順を示すフローチャートである。
【
図15】変形例1に係る関係性画面を示す図である。
【
図16】変形例1に係る関係性画面を示す図である。
【
図17】変形例2に係るユーザマーク及びラインを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の情報処理装置及び表示方法に係る実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0026】
<情報処理システムの概要>
図1は、情報処理システム1の概略構成を示す図である。
情報処理システム1は、情報処理サーバ10(情報処理装置)、及び複数の端末装置20を備える。情報処理サーバ10及び端末装置20は、通信ネットワーク40を介して通信接続されている。通信ネットワーク40は、例えばインターネットであるが、これに限られない。また、情報処理サーバ10及び端末装置20の相互の通信経路の一部は、無線通信により実現されていていてもよい。
【0027】
複数の端末装置20の各々は、情報処理システム1における管理対象のユーザ(例えば、企業における従業員や、各種団体における構成員等。以下、「管理対象ユーザ」と記す)が使用する端末である。端末装置20は、例えばノートPC、デスクトップPC、スマートフォン又はタブレット端末などである。複数の管理対象ユーザが、「複数の管理対象」に相当する。本実施形態の端末装置20は、企業の従業員である管理対象ユーザが、テレワーク(例えば、在宅勤務)のために使用する端末であるものとする。また、管理対象ユーザは、通信ネットワーク40を介して業務上必要なデータを送受信し、また、主にオンラインミーティングやメッセージの送受信により他の管理対象ユーザとコミュニケーションをとるものとする。
【0028】
情報処理サーバ10は、各端末装置20から管理対象ユーザの行動、ステータス及びスケジュールに係る情報を取得し、取得した情報を解析して複数の管理対象ユーザの関係性を特定する。また、端末装置20からの要求に応じて、複数の管理対象ユーザの関係性を特定する。また、特定した関係性を表す関係性画面30(
図4参照)を端末装置20の表示部24に表示させる。
【0029】
本実施形態のように、従業員(管理対象ユーザ)がテレワークを行う場合には、オフラインで業務を行っていたときに直接感じ取ることができていた他の従業員の様子(行動、表情及び感情等)を把握しにくくなり、オフライン時と比較して従業員同士の関係性を把握することが困難になる。そこで、本実施形態の情報処理システム1では、管理対象ユーザ同士の関係性を関係性画面30において現すことで、オンライン化によって感じ取ることができなくなったことの少なくとも一部を視覚的に知得できるようにしている。さらに、オフラインで直接対面していても感じ取ることのできなかった情報も知得が可能となる。
以下では、このような情報処理システム1の構成及び動作について説明する。
【0030】
<情報処理サーバの構成>
図2は、情報処理サーバ10の主要な機能構成を示すブロック図である。
情報処理サーバ10は、制御部11と、記憶部12と、操作部13と、表示部14と、通信部15などを備え、これらの各部はバス16により接続されている。
【0031】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)等を有し、情報処理サーバ10の各部の動作を統括制御するプロセッサー(コンピューター)である。このうちCPUは、記憶部12に記憶されているプログラム121を読み出してRAMに展開し、当該プログラム121を実行することで各種処理を行う。制御部11は、CPUがプログラム121を実行することで、情報取得部111(情報取得手段)、関係性特定部112(関係性特定手段)及び表示制御部113(表示制御手段)などとして機能する。
【0032】
情報取得部111は、複数の端末装置20から、複数の管理対象ユーザの行動、ステータス及びスケジュールのうち少なくとも1つに係る情報を含む管理対象情報を取得する。当該管理対象情報は、ユーザデータ122として記憶部12に記憶される。関係性特定部112は、管理対象情報としてのユーザデータ122に基づいて、複数の管理対象ユーザの関係性を特定する。表示制御部113は、関係性特定部112により特定された関係性を表す関係性画面30を端末装置20の表示部24に表示させる。関係性画面30の詳細については後述する。
【0033】
記憶部12は、HDD(Hard Disk Drive)や不揮発性の半導体メモリ等を備え、プログラム121、ユーザデータ122及び関係性データ123を始めとする各種データ等を記憶している。
【0034】
ユーザデータ122は、ステータスデータ1221、スケジュールデータ1222、音声データ1223、画像データ1224、メッセージデータ1225、ファイルデータ1226、及びセンサ検出データ1227を含む。
【0035】
ステータスデータ1221は、端末装置20を操作する管理対象ユーザの現在及び過去のステータス(ステータスの履歴)に係る情報を含む。ここで、管理対象ユーザのステータスは、状況に係るステータス、感情に係るステータス、及び行動に係るステータスなどを含む。状況に係るステータスは、例えば、連絡又は応答が可能な状況であるか否か、一時退席中であるか否か、及び業務時間外であるか否か、などを表す。感情に係るステータスは、充実している、不安である、イライラしている、といった喜怒哀楽の状態を表す。行動に係るステータスは、デスクワーク中である、会議中である、外出中である、又は休憩中である、といった種々の行動状態を表す。このように、ステータスデータ1221は、管理対象ユーザの行動(及び行動の履歴)に係る情報を含んでいてもよい。
【0036】
スケジュールデータ1222は、端末装置20を操作する管理対象ユーザの現在及び過去のスケジュール(スケジュールの履歴)に係る情報を含む。スケジュールデータ1222は、例えば端末装置20においてスケジュール管理アプリに入力された予定の情報を含む。
【0037】
音声データ1223は、端末装置20のマイク27により録音された管理対象ユーザの音声の内容及び音量等に係る情報を含む。音声データ1223は、例えばオンラインミーティングの音声、及び管理対象ユーザ同士の通話の音声のデータを含んでいてもよい。音声データ1223は、管理対象ユーザの行動に係る情報の一態様である。
【0038】
画像データ1224は、端末装置20のカメラ26により撮影された静止画及び/又は動画のデータである。画像データ1224は、例えばオンラインミーティング時の管理対象ユーザの表情や動作が撮影されたものを含んでいてもよい。また、オンラインミーティング時以外に管理対象ユーザを撮影した画像を含んでいてもよい。画像データ1224は、管理対象ユーザの行動に係る情報の一態様である。
【0039】
メッセージデータ1225は、端末装置20を用いて他の管理対象ユーザとの間で送受信されたメッセージに係る情報を含む。メッセージデータ1225は、例えば、電子メールのデータ、及びチャット等のメッセージ送信アプリによる送受信データであるが、これらに限られない。メッセージデータ1225は、管理対象ユーザの行動に係る情報の一態様である。
【0040】
ファイルデータ1226は、端末装置20において管理対象ユーザにより編集されたファイルのデータ、又は当該ファイルから抽出されたデータを含む。ファイルデータ1226は、管理対象ユーザによるファイルに対する操作の履歴を表すものであり、管理対象ユーザの行動に係る情報の一態様である。
【0041】
センサ検出データ1227は、端末装置20のセンサ28により検出されたデータである。センサ検出データ1227は、例えば、照度、温度及び湿度などの環境に係るデータを含んでいてもよい。また、センサ検出データ1227は、端末装置20の前に管理対象ユーザが着席しているか否かを検出したデータを含んでいてもよい。
【0042】
関係性データ123は、制御部11の関係性特定部112がユーザデータ122に基づいて特定した複数の管理対象ユーザの関係性を表すデータである。関係性データ123の内容例については、後述する。
【0043】
操作部13は、オペレータからの操作入力を受け付け、当該操作に応じた操作信号を制御部11に出力する。例えば、操作部13は、キーボード及びマウス等の入力装置を備える。
【0044】
表示部14は、液晶ディスプレイ等の表示装置を備え、制御部11による制御下で各種情報画面などを表示する。
【0045】
通信部15は、通信インターフェース等により構成され、所定の通信プロトコルを用いて、通信ネットワーク40を介して端末装置20との間でデータの送受信を行う。
【0046】
<端末装置の構成>
図3は、端末装置20の主要な機能構成を示すブロック図である。
端末装置20は、制御部21と、記憶部22と、操作部23と、表示部24と、通信部25と、カメラ26と、マイク27と、センサ28などを備え、これらの各部はバス29により接続されている。
【0047】
制御部21は、CPU、ROM及びRAM等を有し、端末装置20の各部の動作を統括制御するプロセッサー(コンピューター)である。このうちCPUは、記憶部22に記憶されているプログラム221を読み出してRAMに展開し、当該プログラムを実行することで各種処理を行う。
【0048】
記憶部22は、不揮発性の半導体メモリ等を備え、プログラム221、及びユーザデータ222等の各種データを記憶している。
【0049】
ユーザデータ222は、当該端末装置20を操作する1人の管理対象ユーザのステータスの履歴に係る情報、スケジュールの履歴に係る情報、マイク27により録音された管理対象ユーザの音声に係る情報、カメラ26により撮影された静止画及び/又は動画、他の端末装置20の管理対象ユーザとの間で送受信されたメッセージに係る情報、端末装置20において管理対象ユーザにより編集されたファイルのデータ(又は当該ファイルから抽出されたデータ)、及びセンサ28により検出されたデータを含む。すなわち、ユーザデータ222は、上述したユーザデータ122のステータスデータ1221、スケジュールデータ1222、音声データ1223、画像データ1224、メッセージデータ1225、ファイルデータ1226、及びセンサ検出データ1227のうち、当該端末装置20を操作する1人の管理対象ユーザに係る一部に相当する。言い換えると、情報処理サーバ10のユーザデータ122は、各端末装置20から取得したユーザデータ222を制御部11が統合して記憶部12に記憶させたものである。ユーザデータ222のうちステータスデータ1221に相当するデータは、管理対象ユーザによるステータスの自己申告に応じて記録されてもよいし、端末装置20に対する操作の状況に基づいて制御部21がステータスを判定することで自動的に記録されてもよい。
【0050】
操作部23は、管理対象ユーザからの操作入力を受け付け、当該操作に応じた操作信号を制御部21に出力する。例えば、操作部23は、キーボード及びマウス等の入力装置を備える。
【0051】
表示部24は、液晶ディスプレイ等の表示装置を備え、制御部21による制御下で各種情報画面などを表示する。
【0052】
通信部25は、通信インターフェース等により構成され、所定の通信プロトコルを用いて、通信ネットワーク40を介して情報処理サーバ10及び他の端末装置20との間でデータの送受信を行う。
【0053】
カメラ26は、その向きに応じた撮影範囲の静止画及び/又は動画を撮影して撮影データを制御部21に出力する。カメラ26は、端末装置20に内蔵されたものに限られず、ケーブル等を介して端末装置20に接続されている外付け機器であってもよい。
【0054】
マイク27は、集音した音声を電気信号に変換して制御部21に出力する。マイク27は、端末装置20に内蔵されたものに限られず、ケーブル等を介して端末装置20に接続されている外付け機器であってもよい。
【0055】
センサ28は、当該センサ28の種類に応じた検出データを制御部21に出力する。センサ28の種類は、特には限られないが、例えば、照度、温度及び湿度などの環境に係る検出データを出力するものであってもよく、また、端末装置20の前に管理対象ユーザが着席しているか否かを示す検出データを出力するものであってもよい。
【0056】
<情報処理システムの動作>
次に、情報処理システム1の動作について説明する。
【0057】
情報処理システム1では、端末装置20において、定期的に、又は管理対象ユーザによる操作の状況に応じて、管理対象ユーザの行動、状況及びスケジュールに係る情報及びデータが収集され、ユーザデータ222として蓄積されていく。情報処理サーバ10の制御部11(情報取得部111)は、所定のタイミングで各端末装置20からユーザデータ222を取得し、ユーザデータ122に記憶させる。これにより、情報処理サーバ10のユーザデータ122には、複数の管理対象ユーザの行動、ステータス及びスケジュールに係る情報が蓄積されていく。
【0058】
いずれかの端末装置20から情報処理サーバ10に対し、関係性画面30の表示要求が送信されると、情報処理サーバ10は、その時点におけるユーザデータ122に基づいて、複数の管理対象ユーザの関係性を特定する。また、特定した関係性に基づいて関係性画面30のデータを生成し、端末装置20に送信する。当該データを受信した端末装置20は、表示部24において関係性画面30を表示させる。関係性画面30の表示要求の送信、及び関係性画面30の表示は、全ての端末装置20において実行可能とされていてもよいし、特定の端末装置20のみが実行可能となるように制限されていてもよい。例えば、所定の管理者権限を有するユーザが使用する端末装置20のみが、関係性画面30の表示要求の送信、及び関係性画面30の表示を行えるようになっていてもよい。上記の管理者権限を有するユーザは、例えば、複数の管理対象ユーザが属する組織の上司であってもよい。
【0059】
図4は、端末装置20の表示部24に表示された関係性画面30を示す図である。
関係性画面30には、複数のユーザマーク31(管理対象標識)と、複数のライン32(関連標識)と、ドロップダウンリスト33~35と、テキストボックス36、37などが表示されている。
【0060】
ユーザマーク31は、1人の管理対象ユーザを表す標識である。ここでは、管理対象ユーザA~Iの9人の管理対象ユーザに対応する9個のユーザマーク31が表示されている。
図4では、管理対象ユーザAのユーザマーク31が中心に配置され、他の管理対象ユーザB~Iのユーザマーク31がその周囲に配置されている。これにより、管理対象ユーザAと、他の管理対象ユーザB~Iとの関係性が表示されている。以下では、中心に配置されたユーザマーク31に対応する管理対象ユーザを、「基準ユーザ」とも記す。
【0061】
各ユーザマーク31は、ユーザマーク31に対応する管理対象ユーザのステータスに応じた表示態様で表示される。管理対象ユーザのステータスは、ユーザデータ122のステータスデータ1221から取得される。
【0062】
ライン32は、複数の管理対象ユーザのうち2つのユーザマーク31同士を繋ぐことで、当該ユーザマーク31同士を関連付けている標識である。ライン32は、当該ライン32が繋ぐ2つのユーザマーク31に対応する管理対象ユーザの関係性に応じた表示態様で表示される。
図4では、管理対象ユーザ同士の繋がりの頻度に応じて、ライン32の太さ及び線種が異なっている。具体的には、繋がりの頻度が高い方から順に、太いライン321、二重線のライン322、実線のライン323、及び破線のライン324が用いられている。
図4の例では、管理対象ユーザAのユーザマーク31と、管理対象ユーザB、Cのユーザマーク31とが太いライン321で繋がれており、繋がりの頻度が最も頻繁であることが表されている。また、管理対象ユーザAのユーザマーク31と、管理対象ユーザH、Iのユーザマーク31とが二重線のライン322で繋がれており、繋がりの頻度が次に高いことが表されている。また、管理対象ユーザAのユーザマーク31と、管理対象ユーザD、E、Fのユーザマーク31とが実線のライン323で繋がれており、繋がりの頻度が中位であることが表されている。また、管理対象ユーザAのユーザマーク31と、管理対象ユーザGのユーザマーク31とが破線のライン324で繋がれており、繋がりの頻度が低位であることが表されている。ここでは、ライン32の太さ及び線種により繋がりの頻度を表す例を示したが、ライン32の表示態様はこれに限られず、管理対象ユーザ同士の関係性に応じて、ライン32の色や長さなどを異ならせてもよい。
【0063】
ライン32の表示態様は、関係性データ123に基づいて決定される。
図5は、関係性データ123の内容例を示す図である。関係性データ123では、管理対象ユーザA~Iを含む複数の管理対象ユーザの可能な組み合わせのそれぞれについて、繋がりの頻度の高さを表す数値が対応付けられている。ここでは、0~4の5段階の数値により繋がりの頻度の高さが表されている。数値が大きいほど、繋がりの頻度が高いことを表す。管理対象ユーザの組み合わせの数値が4である場合には、関係性画面30においてユーザマーク31が太いライン321により接続される。管理対象ユーザの組み合わせの数値が3である場合には、関係性画面30においてユーザマーク31が二重線のライン322により接続される。管理対象ユーザの組み合わせの数値が2である場合には、関係性画面30においてユーザマーク31が実線のライン322により接続される。管理対象ユーザの組み合わせの数値が1である場合には、関係性画面30においてユーザマーク31が破線のライン322により接続される。管理対象ユーザの組み合わせの数値が0である場合には、例えば、関係性画面30においてユーザマーク31同士がライン32により接続されない。
【0064】
図5では、複数の管理対象ユーザの繋がりの頻度を表す関係性データ123を例示したが、関係性データ123には、これに加えて、又はこれに代えて、複数の管理対象ユーザの他の関係性を表すデータが含まれていてもよい。例えば、関係性データ123には、複数の管理対象ユーザのうち同一のミーティングに参加しているユーザ同士を特定するデータや、複数の管理対象ユーザの人事関係(上司/部下、同僚、他部門、及び社外等)を表すデータなどが含まれていてもよい。すなわち、
図5に示すマトリクスデータが、複数の管理対象ユーザの関係性のカテゴリごとに生成されていてもよく、後述するドロップダウンリスト34により選択される関係性カテゴリに応じて、参照するマトリクスデータが選択されるようになっていてもよい。また、関係性データ123のデータ形式は、
図5に示すマトリクスデータに限られず、複数の管理対象ユーザの関係性を表すことが可能であれば任意のデータ形式とすることができる。
【0065】
関係性データ123は、ユーザデータ122に基づいて制御部11(関係性特定部112)により生成される。関係性データ123を生成する処理は、複数の管理対象ユーザの関係性を特定する処理に相当する。関係性データ123における数値の決定方法は、特には限られないが、例えば以下の複数の関係性推定ロジックのうち少なくとも1つを用いる方法とすることができる。
【0066】
例えば、ユーザデータ122のスケジュールデータ1222に、複数の管理対象ユーザのうち2人以上の管理対象ユーザによる打ち合わせに係る情報が含まれている場合に、打ち合わせの回数及び頻度の少なくとも一方に基づいて関係性を特定することができる。例えば、打ち合わせの回数又は頻度が多いほど、繋がりの頻度が高いと推定することができる。
【0067】
また、ユーザデータ122のスケジュールデータ1222に、複数の管理対象ユーザのうち2人以上の管理対象ユーザによる打ち合わせに係る情報が含まれており、かつ、ユーザデータ122にステータスデータ1221が含まれている場合に、打ち合わせの前後におけるステータスの変化に基づいて関係性を特定することができる。例えば、打ち合わせの前後で感情に係るステータスが変化する頻度が高い場合に、会議の出席者は、お互いに影響を与え合う関係であって関係性が近いと推定することができる。
【0068】
また、ユーザデータ122の音声データ1223に、複数の管理対象ユーザのうち2人以上の管理対象ユーザによる会話の音声に係る情報が含まれている場合に、音声の音量に基づいて関係性を特定することができる。ここで、会話の音声は、例えばオンラインミーティングや通話における音声であってもよい。例えば、音声の音量が大きかったり、音量の変化幅が大きかったりする場合に、重要な会話や真剣な会話が行われる関係であって関係性が近いと推定することができる。
【0069】
また、ユーザデータ122にメッセージデータ1225が含まれる場合に、メッセージの内容、回数及び頻度のうち少なくとも1つに基づいて関係性を特定することができる。例えば、メッセージの回数又は頻度が多いほど、繋がりの頻度が高いと推定することができる。また、メッセージにおける所定のキーワードの使用頻度に基づいて、関係性の遠近を推定してもよい。
【0070】
また、ユーザデータ122に画像データ1224が含まれる場合に、画像データ1224の静止画又は動画における管理対象ユーザの表情及び動作のうち少なくとも一方に基づいて関係性を特定することができる。例えば、オンラインミーティングにおいて積極的、肯定的な表情が検出された場合に、オンラインミーティングの出席者との関係性が良好であると推定することができる。
【0071】
なお、関係性データ123は、上記のような所定の関係性推定ロジックを用いるものに限られず、例えば、複数の管理対象ユーザの行動、状況及びスケジュールに係るデータと、当該複数の管理対象ユーザの関係性との対応関係を表す教師データを用いて構築される機械学習アルゴリズムにより関係性を推定する方法を用いてもよい。
【0072】
図4の関係性画面30に表示されているドロップダウンリスト33は、関係性画面30において関係性を表示する範囲(例えば、部署やグループ)を選択するために用いられる。ドロップダウンリスト33を操作すると、選択可能な部署やグループのリストが表示され、いずれかの部署又はグループを選択することで、選択した部署又はグループに属する管理対象ユーザの関係性が関係性画面30に表示される。
図4では、ドロップダウンリスト33において「営業部」が選択されているため、営業部に属する管理対象ユーザA~Iの関係性が表示されている。
【0073】
ドロップダウンリスト34は、関係性画面30において表示させる関係性のカテゴリを選択するために用いられる。ドロップダウンリスト34を操作すると、選択可能な関係性カテゴリのリストが表示され、いずれかの関係性カテゴリを選択することで、選択した関係性カテゴリの観点で複数の管理対象ユーザの関係性が関係性画面30に表示される。
図4では、ドロップダウンリスト34において「繋がり頻度」が選択されているため、管理対象ユーザA~Iの繋がりの頻度を表すようにライン32の表示態様が設定されている。
【0074】
図6は、複数の関係性カテゴリにおいて関係性ラインが表す内容例を示す図である。
図6に示すように、関係性カテゴリとしては、「繋がり頻度」の他に、「ミーティング中」、及び「人事関係」などがある。「ミーティング中」の関係性カテゴリは、管理対象ユーザが他の管理対象ユーザとミーティング中であるか否か、及びどのようなミーティングを行っているか(例えば、オンラインミーティング、オフラインミーティング、通話、及びチャット等)についての関係性を表す。「人事関係」の関係性カテゴリは、管理対象ユーザ同士の人事上の関係性(例えば、上司/部下、同僚、他部門、及び社外等)を表す。なお、これらは例示であり、関係性カテゴリはこれらに限られない。
【0075】
また、太いライン321、二重線のライン322、実線のライン323、及び破線のライン324は、それぞれ、選択された関係性カテゴリにおける管理対象ユーザ同士の特定の関係性を表す。言い換えると、関係性カテゴリを切り替えることで、各ライン32が表す関係性の内容が切り替えられる。
【0076】
例えば、
図6の例では、「ミーティング中」の関係性カテゴリが選択されている場合には、太いライン321は、管理対象ユーザ同士がオンラインミーティング中であることを表し、二重線のライン322は、管理対象ユーザ同士がオフラインミーティング中であることを表し、実線のライン323は、管理対象ユーザ同士が通話中であることを表し、破線のライン324は、管理対象ユーザ同士がチャット中であることを表す。
【0077】
また、「人事関係」の関係性カテゴリが選択されている場合には、太いライン321は、管理対象ユーザ同士が上司/部下の関係にあることを表し、二重線のライン322は、管理対象ユーザ同士が同僚の関係にあることを表し、実線のライン323は、管理対象ユーザ同士が異なる部門に属していることを表し、破線のライン324は、管理対象ユーザ同士が異なる会社に属していることを表す。
【0078】
なお、ドロップダウンリスト34によって関係性カテゴリを切り替える態様に代えて、ライン32の複数の特徴によってそれぞれ異なる関係性カテゴリの関係性を表すようにしてもよい。例えば、ライン32の太さによって「繋がり頻度」の関係性カテゴリの関係性のいずれかを表し、ライン32の線種によって「ミーティング中」の関係性カテゴリの関係性のいずれかを表し、ライン32の長さによって「人事関係」の関係性カテゴリの関係性のいずれかを表す、といったことも可能である。これによれば、1つのライン32によって、複数の観点で管理対象ユーザの関係性を表現することができる。
【0079】
図4の関係性画面30に表示されているドロップダウンリスト35は、管理対象ユーザのステータスに係るステータスカテゴリを選択するために用いられる。ドロップダウンリスト35を操作すると、選択可能なステータスカテゴリのリストが表示され、いずれかのステータスカテゴリを選択することで、選択したステータスカテゴリの観点で複数のユーザマーク31の表示態様が設定されて表示される。
【0080】
図7は、複数のステータスカテゴリにおいてユーザマーク31が表す内容例を示す図である。
図7に示すように、ステータスカテゴリとしては、「状況」、「感情」及び「行動」などがある。「状況」のステータスカテゴリは、管理対象ユーザの応答可否に係る業務上の状況(例えば、連絡可能、応答不可、一時退席中、及び業務時間外等)についてのステータスを表す。「感情」のステータスカテゴリは、管理対象ユーザの感情の状態(例えば、通常、イライラ、不安、及び充実等)についてのステータスを表す。「行動」のステータスカテゴリは、管理対象ユーザの行動(例えば、デスクワーク、会議中、移動中、及び思考中等)についてのステータスを表す。なお、これらは例示であり、ステータスカテゴリはこれらに限られない。
【0081】
また、
図7に示すNo.1~No.4の各ユーザマーク31は、それぞれ、選択されたステータスカテゴリにおける管理対象ユーザの特定のステータスを表す。言い換えると、ステータスカテゴリを切り替えることで、各ユーザマーク31が表すステータスの内容が切り替えられる。
【0082】
例えば、
図7の例では、「状況」のステータスカテゴリが選択されている場合には、No.1のユーザマーク31は、管理対象ユーザが連絡可能な状況であることを表し、No.2のユーザマーク31、管理対象ユーザが応答不可の状況であることを表し、No.3のユーザマーク31は、管理対象ユーザが一時退席中であることを表し、No.4のユーザマーク31は、管理対象ユーザが業務時間外であることを表す。
【0083】
また、「状況」のステータスカテゴリが選択されている場合には、No.1のユーザマーク31は、管理対象ユーザの感情が通常の状態であることを表し、No.2のユーザマーク31、管理対象ユーザがイライラしている状態であることを表し、No.3のユーザマーク31は、管理対象ユーザが不安な状態であることを表し、No.4のユーザマーク31は、管理対象ユーザが充実した状態であることを表す。
【0084】
また、「行動」のステータスカテゴリが選択されている場合には、No.1のユーザマーク31は、管理対象ユーザがデスクワーク中であることを表し、No.2のユーザマーク31、管理対象ユーザが会議中であることを表し、No.3のユーザマーク31は、管理対象ユーザが移動中であることを表し、No.4のユーザマーク31は、管理対象ユーザが思考中であることを表す。
【0085】
なお、ドロップダウンリスト35によってステータスカテゴリを切り替える態様に代えて、ユーザマーク31の複数の特徴によってそれぞれ異なるステータスカテゴリのステータスを表すようにしてもよい。例えば、ユーザマーク31の色によって「状況」のステータスカテゴリのステータスのいずれかを表し、ユーザマーク31の枠線の太さによって「感情」のステータスカテゴリのステータスのいずれかを表し、ユーザマーク31の形状によって「行動」のステータスカテゴリのステータスのいずれかを表す、といったことも可能である。これによれば、1つのユーザマーク31によって、複数の観点で管理対象ユーザのステータスを表現することができる。
【0086】
図4の関係性画面30に表示されているテキストボックス36、37は、過去の特定の時点又は期間を指定して、当該時点又は期間における管理対象ユーザの関係性を表示させるために用いられる。
【0087】
図8は、過去の特定の時点を指定した場合の関係性画面30を示す図である。
図8では、テキストボックス36、37に入力された日時及び時刻である、2020年10月20日の午前10時における管理対象ユーザの関係性が特定されて表示されている。この場合には、情報処理サーバ10の制御部11は、ユーザデータ122のうち、指定された時点より前のデータに基づいて管理対象ユーザの関係性を特定し、当該関係性を表す関係性画面30を端末装置20の表示部24に表示させる。
【0088】
図9は、過去の特定の期間を指定した場合の関係性画面30を示す図である。
図9では、テキストボックス36に入力された期間である、2020年10月20日から2020年10月30日までの期間における管理対象ユーザの関係性が特定されて表示されている。この場合には、情報処理サーバ10の制御部11は、ユーザデータ122のうち、指定された期間のデータに基づいて管理対象ユーザの関係性を特定し、当該関係性を表す関係性画面30を端末装置20の表示部24に表示させる。
【0089】
関係性画面30において、いずれかのユーザマーク31を選択するユーザ操作(例えば、シングルタップ、ダブルタップ、又は長押し等)が行われると、
図10に示すように、選択されたユーザマーク31に対応する管理対象ユーザに係る情報を表すポップアップウィンドウ38が表示される。これにより、ユーザマーク31を選択する直感的かつ簡易な操作で、管理対象ユーザの状況や予定を確認することができる。
【0090】
関係性画面30において、中心に配置する基準ユーザのユーザマーク31は、任意に変更することができる。例えば、関係性画面30において、基準ユーザ以外の管理対象ユーザのユーザマーク31を選択する操作に応じて、当該選択した管理対象ユーザを基準ユーザに切り替えることができる。一例を挙げると、
図4に示す関係性画面30において、管理対象ユーザIのユーザマーク31iを選択するユーザ操作(例えば、シングルタップ、ダブルタップ、又は長押し等)を行うことで、
図11に示すように、選択したユーザマーク31iと、基準ユーザとなっていた管理対象ユーザAのユーザマーク31aとの位置を入れ替えて、ユーザマーク31iを中心に配置させることができる。これにより、関係性画面30は、基準ユーザである管理対象ユーザIと、他の管理対象ユーザA~Hとの関係性を示す表示(すなわち、管理対象ユーザIを基準ユーザとする表示)に切り替わる。
【0091】
上記では、特定の1人の管理対象ユーザを基準ユーザとし、当該基準ユーザと他の管理対象ユーザとの関係性を表示する例を用いて説明したが、基準ユーザを設定せずに、複数の管理対象ユーザのうち任意の管理対象ユーザの組み合わせの関係性を表すこともできる。
【0092】
図12は、基準ユーザを設定しない場合の関係性画面30の例を示す図である。
図12に示す関係性画面30では、ドロップダウンリスト33により「事業本部」が選択されており、事業本部に属する管理対象ユーザA~Rの18人のユーザマーク31が表示されている。また、ドロップダウンリスト34により関係性カテゴリとして「繋がり頻度(高)」が選択されており、繋がり頻度が特に高いユーザマーク31同士(例えば、
図5に示す関係性データ123において値が「4」となっている組み合わせ)がライン32により接続されている。ここでは、特定の管理対象ユーザを中心とした関係性ではなく、任意の管理対象ユーザの組み合わせについてライン32により関係性が表示されている。
【0093】
図13は、基準ユーザを設定しない場合の関係性画面30の他の例を示す図である。
図13に示す関係性画面30では、ドロップダウンリスト34により関係性カテゴリとして「ミーティング中」が選択されており、ミーティング中である管理対象ユーザのユーザマーク31同士がライン32により接続されている。ここでは、管理対象ユーザE、J、K、Lがオンラインミーティングを行っており、管理対象ユーザG、I、N、Oが別のオンラインミーティングを行っており、管理対象ユーザP、Qが通話中であることが示されている。
図12、13のように、任意の管理対象ユーザの組み合わせの関係性を表示させることで、対象範囲に属する管理対象ユーザの全体の関係性を俯瞰することができる。
【0094】
次に、上述した関係性画面を表示させるために情報処理サーバ10の制御部11が実行する関係性画面表示処理について説明する。
【0095】
図14は、関係性画面表示処理の制御部11による制御手順を示すフローチャートである。
関係性画面表示処理は、関係性画面30の表示の開始又は更新を要求する信号が端末装置20からから送信された場合に開始される。ここでは、関係性画面30の表示を更新する場合を例に挙げて説明する。ここで、関係性画面30の表示の更新を要求する信号は、例えば、関係性画面30において、ユーザマーク31を選択する操作、ドロップダウンリスト33~35の選択項目を変更する操作、及びテキストボックス36、37に日時を入力する操作がなされた場合に、都度送信される。
【0096】
関係性画面表示処理が開始されると、制御部11は、日時(過去のある時点)又は期間の指定がなされているか否かを判別する(ステップS101)。ここでは、制御部11は、テキストボックス36、37に対する日付及び/又は時刻の入力がなされている場合に、日時又は期間の指定がなされていると判別する。
【0097】
日時又は期間の指定がなされていると判別された場合には(ステップS101で“YES”)、制御部11は、ユーザデータ122のうち指定された日時又は期間に応じた部分のデータ(日時が指定されている場合は、当該日時より前のデータ、期間が指定されている場合は、当該期間内のデータ)に基づいて関係性データ123を生成する(ステップS102)。詳しくは、ドロップダウンリスト33において選択されている部署又はグループに属する管理対象ユーザについて、ドロップダウンリスト34により選択されている関係性カテゴリに係る関係性を特定し、関係性データ123を生成する。また、制御部11は、ユーザデータ122のステータスデータ1221のうち、指定された日時又は期間に応じた部分のデータに基づいて、ドロップダウンリスト35により選択されているステータスカテゴリに係る各管理対象ユーザのステータスを特定し、各管理対象ユーザのユーザマーク31の表示態様を決定する(ステップS103)。
【0098】
一方、日時及び期間の指定がなされていないと判別された場合には(ステップS101で“NO”)、制御部11は、ユーザデータ122の全体に基づいて関係性データ123を生成する(ステップS104)。詳しくは、ドロップダウンリスト33において選択されている部署又はグループに属する管理対象ユーザについて、ドロップダウンリスト34により選択されている関係性カテゴリに係る関係性を特定し、関係性データ123を生成する。また、制御部11は、ステータスデータ1221の全体に基づいて、ドロップダウンリスト35により選択されているステータスカテゴリに係る各管理対象ユーザのステータスを特定し、各管理対象ユーザのユーザマーク31の表示態様を決定する(ステップS105)。
【0099】
ステップS103又はS105が終了すると、制御部11は、基準ユーザの指定がなされているか否かを判別する(ステップS106)。基準ユーザの指定がなされていると判別された場合には(ステップS106で“YES”)、制御部11は、ステップS102又はS104で生成した関係性データ123に基づいて、基準ユーザと他の管理対象ユーザとの関係性を特定し、基準ユーザのユーザマーク31と、他のユーザのユーザマーク31とが、特定した関係性に応じた表示態様のライン32で接続されている関係性画面30を表示させる(ステップS107)。
【0100】
一方、ステップS106において、基準ユーザの指定がなされていないと判別された場合には(ステップS106で“NO”)、制御部11は、ステップS102又はS104で生成した関係性データ123に基づいて複数の管理対象ユーザの関係性を特定し、各管理対象ユーザのユーザマーク31同士が、特定した関係性に応じた表示態様のライン32で接続されている関係性画面30を表示させる(ステップS108)。
【0101】
ステップS107又はS108が終了すると、制御部11は、いずれかのユーザマーク31を選択する操作がなされているか否かを判別する(ステップS109)。いずれかのユーザマーク31を選択する操作がなされていると判別された場合には(ステップS109で“YES”)、制御部11は、選択されたユーザマーク31に対応する管理対象ユーザのステータスを含むポップアップウィンドウ38を関係性画面30に表示させる(ステップS110)。
【0102】
ステップS110が終了した場合、又はステップS109においてユーザマーク31を選択する操作がなされていないと判別された場合には(ステップS109で“NO”)、制御部11は、関係性画面表示処理を終了させる。
【0103】
<変形例1>
次に、上記実施形態の変形例1について説明する。上記実施形態は、関係性画面30において、管理対象としての管理対象ユーザの関係性を表示したが、管理対象は個人に限られず、組織(企業及び団体等)であってもよい。変形例1は、管理対象の一部が組織である点で上記実施形態と異なる。以下では、上記実施形態との相違点について説明し、共通する点については説明を省略する。
【0104】
図15は、変形例1に係る関係性画面30を示す図である。
図15に示す関係性画面30では、基準ユーザである管理対象ユーザAと、a社~h社の8つの企業とが管理対象とされている。関係性画面30には、a社~h社を表す8個の企業マーク39(管理対象標識)が表示されている。また、管理対象ユーザAのユーザマーク31と、各企業マーク39とが、ライン32により接続されている。本変形例においても、ライン32は、当該ライン32が繋ぐ管理対象同士の関係性に応じた表示態様で表示される。すなわち、
図15では、管理対象ユーザAと、a社~h社との繋がりの頻度に応じて、各ライン32の太さ及び線種が設定されている。管理対象が組織である場合には、ステータスデータ1221には、当該組織の行動、ステータス及びスケジュールのうち少なくとも1つに係る情報が記憶される。管理対象が組織である場合における関係性の特定は、ユーザデータ122のうち、主にステータスデータ1221、スケジュールデータ1222、及びメッセージデータ1225に基づいて特定される。ただし、これに限られず、音声データ1223、画像データ1224、ファイルデータ1226及びセンサ検出データ1227などが取得可能であれば、これらのデータをさらに参照して関係性を特定してもよい。
【0105】
また、
図16に示すように、企業マーク39の内部に、当該企業に属する管理対象ユーザを表すユーザマーク31を表示し、ユーザマーク31同士をライン32により接続してもよい。
【0106】
<変形例2>
次に、上記実施形態の変形例2について説明する。本変形例は、変形例1に組み合わせてもよい。
【0107】
ユーザマーク31の表示態様は、上記実施形態に例示したものに限られず、管理対象ユーザのステータスに応じた種々の表示態様とすることができる。例えば、
図17のユーザマーク31b、31iのように、ユーザマーク31の形状は円形に限られず、多角形などの他の形状であってもよい。また、ユーザマーク31cに示すように、一部のユーザマーク31の大きさを、他のユーザマーク31の大きさと異ならせてもよい。また、ユーザマーク31dに示すように、一部のユーザマーク31の外形線の太さや色を、他のユーザマーク31の外形線の太さや色と異ならせてもよい。また、ユーザマーク31gに示すように、ユーザマーク31に記号や付帯標識50などを付してもよい。
【0108】
ライン32の表示態様は、上記実施形態に例示したものに限られず、管理対象ユーザ同士の関係性に応じた種々の表示態様とすることができる。例えば、
図17のライン32e、32gに示すように、一部のライン32の長さを、他のライン32の長さと異ならせてもよい。
また、関連標識は、ライン32に限られず、ユーザマーク31同士が関連していることを示すことが可能なものであれば、任意の標識とすることができる。例えば、関連標識は、
図17においてユーザマーク31a、31hを包含する範囲に表示された長円形の標識325などであってもよい。このような標識325によっても、ユーザマーク31a、31hが関連することを示すことができる。
【0109】
<効果>
以上のように、本実施形態に係る情報処理装置としての情報処理サーバ10は、制御部11を備える。制御部11(情報取得部111)は、複数の管理対象ユーザの行動、ステータス及びスケジュールのうち少なくとも1つに係る情報を含むユーザデータ122を取得する。制御部11(関係性特定部112)は、ユーザデータ122に基づいて、複数の管理対象ユーザの関係性を特定する。制御部11(表示制御部113)は、関係性特定部112が特定した関係性を表す関係性画面30を表示部24に表示させる。制御部11(表示制御部113)は、関係性画面30において、複数の管理対象ユーザを表す複数のユーザマーク31と、複数のユーザマーク31のうち2つのユーザマーク31同士を関連付ける少なくとも1つのライン32と、を表示させる。これによれば、ライン32により関連付けられたユーザマーク31によって、複数の管理対象ユーザの関係性を、視覚的に、かつ直感的に、容易に把握することができる。よって、例えば管理対象ユーザの増大に伴って管理対象ユーザ同士の組み合わせが増大しても、管理対象ユーザの関係性を適切に把握することができる。
【0110】
また、制御部11(表示制御部113)は、ライン32を、2つのユーザマーク31に対応する管理対象ユーザ同士の関係性に応じた表示態様で表示させる。これにより、ライン32の表示態様から、管理対象ユーザ同士がどのような関係性であるかを、視覚的かつ直感的に把握することができる。
【0111】
また、関連標識として、2つのユーザマーク31を繋ぐライン32を用いることで、ユーザマーク31同士の関係性を、簡潔に、かつ分かりやすく示すことができる。
【0112】
また、制御部11(表示制御部113)は、ユーザデータ122に基づいて特定された関係性に応じて、ラインの色、太さ、長さ及び線種のうち少なくとも1つを異ならせる。これにより、ライン32の表示態様から、管理対象ユーザ同士がどのような関係性であるかを、視覚的かつ直感的に把握することができる。また、複数の表示態様を組み合わせることで、1つのライン32により、複数の観点で管理対象ユーザの関係性を表現することができる。
【0113】
また、ユーザデータ122は、複数の管理対象ユーザのステータスに係るステータスデータ1221を含み、制御部11(表示制御部113)は、ユーザマーク31を、当該ユーザマーク31に対応する管理対象ユーザのステータスに応じた表示態様で表示させる。これにより、管理対象ユーザのステータスを、視覚的に、かつ直感的に、容易に把握することができる。
【0114】
また、制御部11(表示制御部113)は、複数のユーザマーク31のうちいずれか1つを選択するユーザ操作に応じて、選択されたユーザマーク31に対応する一の管理対象ユーザ(基準ユーザ)と、複数の管理対象ユーザのうち基準ユーザを除いた管理対象ユーザとの関係性を表す関係性画面30を表示部24に表示させる。これにより、所望の管理対象ユーザと、他の管理対象ユーザとの関係性を容易に把握することができる。
【0115】
また、制御部11(表示制御部113)は、複数の管理対象ユーザのうち任意の管理対象ユーザの組み合わせの関係性を表す関係性画面30を表示部24に表示させる。これにより、管理対象ユーザの全体の関係性を容易に俯瞰することができる。
【0116】
また、ユーザデータ122は、複数の管理対象ユーザの行動の履歴、ステータスの履歴、及びスケジュールの履歴のうち少なくともいずれかに係る情報を含み、制御部11(関係性特定部112)は、過去の時点又は期間を指定するユーザ操作に応じて、ユーザデータ122に基づいて過去の時点又は期間における複数の管理対象ユーザの関係性を特定する。また、制御部11(表示制御部113)は、当該関係性を表す関係性画面30を表示部24に表示させる。これにより、過去の所望の時点又は期間における複数の管理対象ユーザの関係性を容易に把握することができる。
【0117】
また、ユーザデータ122は、スケジュールに係る情報として、複数の管理対象ユーザのうち2人以上の管理対象ユーザによる打ち合わせに係る情報(スケジュールデータ1222)を含み、制御部11(関係性特定部112)は、打ち合わせの回数及び頻度の少なくとも一方に基づいて関係性を特定する。これにより、打ち合わせの回数及び頻度を用いる簡易な処理で、管理対象ユーザの繋がりの頻度を適切に評価して関係性を推定することができる。
【0118】
また、ユーザデータ122は、スケジュールに係る情報として、複数の管理対象ユーザのうち2人以上の管理対象ユーザによる打ち合わせに係る情報(スケジュールデータ1222)を含み、かつ、ステータスに係るステータスデータ1221を含み、制御部11(関係性特定部112)は、打ち合わせの前後におけるステータスの変化に基づいて関係性を特定する。これにより、スケジュールとステータスとを組み合わせた、より精度の高い関係性の推定が可能となる。従来のオフラインでの業務において、このような観点で関係性を推定することは容易でなく、上記方法によれば、従来のオフラインでの関係性の把握よりも正確に関係性を把握することができる。
【0119】
また、ユーザデータ122は、行動に係る情報として、複数の管理対象ユーザのうち2人以上の管理対象ユーザによる会話の音声の音量に係る情報(音声データ1223)を含み、制御部11(関係性特定部112)は、音声の音量に基づいて関係性を特定する。音声の音量には管理対象ユーザの感情が現れるため、上記方法によれば、管理対象ユーザの感情を加味した関係性の推定が可能となる。よって、オフラインで感じ取ることのできた感情を加味した関係性の把握を、オンラインにおいても行うことができる。
【0120】
また、ユーザデータ122は、行動に係る情報として、複数の管理対象ユーザの間で送受信されたメッセージに係る情報(メッセージデータ1225)を含み、制御部11(関係性特定部112)は、メッセージの内容、回数及び頻度のうち少なくとも1つに基づいて関係性を特定する。メッセージは、管理対象ユーザ同士の関係性を直接表す要素であるため、メッセージを解析することで、管理対象ユーザの関係性を高い精度で推定することができる。従来のオフラインでの業務において、このような観点で関係性を推定することは容易でなく、上記方法によれば、従来のオフラインでの関係性の把握よりも正確に関係性を把握することができる。
【0121】
また、ユーザデータ122は、行動に係る情報として、複数の管理対象ユーザの少なくともいずれかを撮影した画像に係る情報(画像データ1224)を含み、制御部11(関係性特定部112)は、画像における管理対象ユーザの表情及び動作のうち少なくとも一方に基づいて関係性を特定する。撮影された表情及び動作には管理対象ユーザの感情が現れるため、上記方法によれば、管理対象ユーザの感情を加味した関係性の推定が可能となる。よって、従来、オフラインで感じ取ることのできた感情を加味した関係性の把握を、オンラインにおいても行うことができる。
【0122】
また、複数の管理対象ユーザの各々は、個人又は組織である。これにより、個人の管理対象ユーザに加え、企業や団体等の組織を対象として関係性を把握することができる。
【0123】
また、本実施形態に係る表示方法は、複数の管理対象ユーザの行動、ステータス及びスケジュールのうち少なくとも1つに係る情報を含むユーザデータ122を取得する情報取得ステップと、ユーザデータ122に基づいて、複数の管理対象ユーザの関係性を特定する関係性特定ステップと、当該関係性を表す関係性画面30を表示部24に表示させる表示ステップと、を含み、表示ステップでは、関係性画面30において、複数の管理対象ユーザを表す複数のユーザマーク31と、複数のユーザマーク31のうち2つのユーザマーク31同士を関連付ける少なくとも1つのライン32と、を表示させる。これによれば、ライン32により関連付けられたユーザマーク31によって、複数の管理対象ユーザの関係性を、視覚的に、かつ直感的に、容易に把握することができる。
【0124】
<その他>
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、情報処理サーバ10の機能の一部は、一又は二以上の別個のサーバにより実現されていてもよい。
【0125】
また、情報処理サーバ10の機能は、いずれかの端末装置20により実現されてもよい。この場合には、端末装置20が「情報処理装置」に相当する。
【0126】
また、上記実施形態では、管理対象ユーザが操作するいずれかの端末装置20において関係性画面30を表示させる例を用いて説明したが、これに限られず、管理対象ユーザ以外の操作者が操作する外部装置において関係性画面30が表示されてもよい。
【0127】
また、上記実施形態で説明したユーザデータ122の内容は、管理対象情報の一例を示したものであり、管理対象情報の内容はこれに限られない。
【0128】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
【符号の説明】
【0129】
1 情報処理システム
10 情報処理サーバ(情報処理装置)
11 制御部
111 情報取得部(情報取得手段)
112 関係性特定部(関係性特定手段)
113 表示制御部(表示制御手段)
12 記憶部
121 プログラム
122 ユーザデータ(管理対象情報)
1221 ステータスデータ
1222 スケジュールデータ
1223 音声データ
1224 画像データ
1225 メッセージデータ
1226 ファイルデータ
1227 センサ検出データ
123 関係性データ
13 操作部
14 表示部
15 通信部
16 バス
20 端末装置
21 制御部
22 記憶部
221 プログラム
222 ユーザデータ
23 操作部
24 表示部
25 通信部
26 カメラ
27 マイク
28 センサ
29 バス
30 関係性画面
31 ユーザマーク(管理対象標識)
32、321~324 ライン(関連標識)
325 標識(関連標識)
33~35 ドロップダウンリスト
36、37 テキストボックス
38 ポップアップウィンドウ
39 企業マーク(管理対象標識)
40 通信ネットワーク
50 付帯標識
A~R 管理対象ユーザ(管理対象)