(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023020003
(43)【公開日】2023-02-09
(54)【発明の名称】特典付与装置、特典付与システム、特典付与方法および特典付与プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0207 20230101AFI20230202BHJP
G06Q 20/24 20120101ALI20230202BHJP
【FI】
G06Q30/02 320
G06Q20/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021125106
(22)【出願日】2021-07-30
(71)【出願人】
【識別番号】504159431
【氏名又は名称】GMOメディア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103872
【弁理士】
【氏名又は名称】粕川 敏夫
(74)【代理人】
【識別番号】100088856
【弁理士】
【氏名又は名称】石橋 佳之夫
(74)【代理人】
【識別番号】100149456
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 喜幹
(74)【代理人】
【識別番号】100194238
【弁理士】
【氏名又は名称】狩生 咲
(74)【代理人】
【識別番号】100205648
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 真一
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 真
【テーマコード(参考)】
5L049
5L055
【Fターム(参考)】
5L049BB07
5L055AA52
(57)【要約】
【課題】 ユーザの支払い態様に応じて特典を柔軟に付与する。
【解決手段】 ユーザ端末30および決済端末40とネットワークNWを通じて接続される特典付与装置10であって、ユーザ端末からの決済情報を受け付ける受付部11と、決済情報に含まれる判別情報と、特典の有無と、を対応付けて記憶する特典情報DB21を参照し、ユーザ端末に付与される特典を判別情報に基づいて判別する判別部12と、決済情報を送信したユーザ端末と、判別部により判別される特典とを対応付けて記録する記録部13と、決済情報を決済端末に送信する決済情報送信部14と、決済端末から決済が完了した旨の情報を受信する決済状況受信部15と、決済が完了した決済情報に対応する特典を、ユーザ端末に付与する特典付与部16と、を備える、特典付与装置。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末および決済端末とネットワークを通じて接続される特典付与装置であって、
前記ユーザ端末からの決済情報を受け付ける受付部と、
前記決済情報に含まれる判別情報と、特典の有無と、を対応付けて記憶する特典情報DBを参照し、前記ユーザ端末に付与される前記特典を前記判別情報に基づいて判別する判別部と、
前記決済情報を送信した前記ユーザ端末と、前記判別部により判別される前記特典とを対応付けて記録する記録部と、
前記決済情報を前記決済端末に送信する決済情報送信部と、
前記決済端末から決済が完了した旨の情報を受信する決済状況受信部と、
前記決済が完了した前記決済情報に対応する特典を、前記ユーザ端末に付与する特典付与部と、
を備える、
特典付与装置。
【請求項2】
前記判別情報は、前記ユーザ端末を介して行われる決済に用いられるクレジットカード番号の少なくとも一部である、
請求項1記載の特典付与装置。
【請求項3】
前記判別情報は、前記決済情報を送信する前記決済端末を特定可能な情報であり、前記決済情報送信部は、前記判別情報に応じて異なる前記決済端末に前記決済情報を送信する、
請求項1又は2記載の特典付与装置。
【請求項4】
前記特典情報DBは、前記判別情報と前記特典の種別とを対応付けて記憶し、前記判別部は、前記判別情報に基づいて、前記ユーザ端末に付与される前記特典の種別を判別する、
請求項1乃至3のいずれかに記載の特典付与装置。
【請求項5】
決済端末と特典付与装置とがネットワークを通じて接続される特典付与システムであって、
前記特典付与システムは、ユーザ端末と接続され、
前記特典付与装置は、
前記ユーザ端末からの決済情報を受け付ける受付部と、
前記決済情報に含まれる判別情報と、特典の有無と、を対応付けて記憶する特典情報DBを参照し、前記ユーザ端末に付与される前記特典を前記判別情報に基づいて判別する判別部と、
前記決済情報を送信した前記ユーザ端末と、前記判別部により判別される前記特典とを対応付けて記録する記録部と、
前記決済情報を前記決済端末に送信する決済情報送信部と、
前記決済端末から決済が完了した旨の情報を受信する決済状況受信部と、
前記決済が完了した前記決済情報に対応する特典を、前記ユーザ端末に付与する特典付与部と、
を備え、
決済端末は、
前記特典付与装置から決済情報を受信する決済情報受信部と、
前記決済情報に基づいて決済可否を判定し、決済可能である場合に決済を実行する決済部と、
前記決済部により決済が実行された場合に、決済完了情報を送信する決済可否送信部と、
を備える、
特典付与システム。
【請求項6】
ユーザ端末および決済端末とネットワークを通じて接続される特典付与装置における特典付与方法であって、
前記ユーザ端末からの決済情報を受け付ける受付処理と、
前記決済情報に含まれる判別情報と、特典の有無と、を対応付けて記憶する特典情報DBを参照し、前記ユーザ端末に付与される前記特典を前記判別情報に基づいて判別する判別処理と、
前記決済情報を送信した前記ユーザ端末と、前記判別処理により判別される前記特典とを対応付けて記録する記録処理と、
前記決済情報を前記決済端末に送信する決済情報送信処理と、
前記決済端末から決済が完了した旨の情報を受信する決済状況受信処理と、
前記決済が完了した前記決済情報に対応する特典を、前記ユーザ端末に付与する特典付与処理と、
を含む、
特典付与方法。
【請求項7】
ユーザ端末および決済端末とネットワークを通じて接続される特典付与装置において動作する特典付与プログラムであって、
前記ユーザ端末からの決済情報を受け付ける受付処理と、
前記決済情報に含まれる判別情報と、特典の有無と、を対応付けて記憶する特典情報DBを参照し、前記ユーザ端末に付与される前記特典を前記判別情報に基づいて判別する判別処理と、
前記決済情報を送信した前記ユーザ端末と、前記判別処理により判別される前記特典とを対応付けて記録する記録処理と、
前記決済情報を前記決済端末に送信する決済情報送信処理と、
前記決済端末から決済が完了した旨の情報を受信する決済状況受信処理と、
前記決済が完了した前記決済情報に対応する特典を、前記ユーザ端末に付与する特典付与処理と、
をコンピュータに実行させる、特典付与プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特典付与装置、特典付与システム、特典付与方法および特典付与プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザがウェブサイト上で購入を行った場合に、所定の特典がユーザに付与されるサービスが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、ユーザが購入する第1売上金の少なくとも一部が第1商品に対する複数回払いの債務の清算に用いられた場合、情報処理装置により提供される決済サービスでの決済で利用可能な特典をユーザに付与する処理を実行する情報処理方法が開示されている。
【0005】
しかしながら、特許文献1記載の方法は、複数回払いであることに基づいて一律の特典を付与するものであり、クレジットカードの発行会社がそれぞれ独自に特典を用意することはできず、利便性に乏しかった。
【0006】
そこで、本発明は、ユーザの支払い態様に応じて特典を柔軟に授与できる特典付与装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の一の観点に係る特典付与装置は、ユーザ端末および決済端末とネットワークを通じて接続される特典付与装置であって、前記ユーザ端末からの決済情報を受け付ける受付部と、前記決済情報に含まれる判別情報と、特典の有無と、を対応付けて記憶する特典情報DBを参照し、前記ユーザ端末に付与される前記特典を前記判別情報に基づいて判別する判別部と、前記決済情報を送信した前記ユーザ端末と、前記判別部により判別される前記特典とを対応付けて記録する記録部と、前記決済情報を前記決済端末に送信する決済情報送信部と、前記決済端末から決済が完了した旨の情報を受信する決済状況受信部と、前記決済が完了した前記決済情報に対応する特典を、前記ユーザ端末に付与する特典付与部と、を備える。
【0008】
前記判別情報は、前記ユーザ端末を介して行われる決済に用いられるクレジットカード番号の一部であるものとしてもよい。
【0009】
前記判別情報は、前記決済情報を送信する前記決済端末を特定可能な情報であり、前記決済情報送信部は、前記判別情報に応じて異なる前記決済端末に前記決済情報を送信するものとしてもよい。
【0010】
前記特典情報DBは、前記判別情報と前記特典の種別とを対応付けて記憶し、前記判別部は、前記判別情報に基づいて、前記ユーザ端末に付与される前記特典の種別を判別するものとしてもよい。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の別の観点に係る特典付与システムは、決済端末と特典付与装置とがネットワークを通じて接続される特典付与システムであって、前記特典付与システムは、ユーザ端末と接続され、前記特典付与装置は、前記ユーザ端末からの決済情報を受け付ける受付部と、前記決済情報に含まれる判別情報と、特典の有無と、を対応付けて記憶する特典情報DBを参照し、前記ユーザ端末に付与される前記特典を前記判別情報に基づいて判別する判別部と、前記決済情報を送信した前記ユーザ端末と、前記判別部により判別される前記特典とを対応付けて記録する記録部と、前記決済情報を前記決済端末に送信する決済情報送信部と、前記決済端末から決済が完了した旨の情報を受信する決済状況受信部と、前記決済が完了した前記決済情報に対応する特典を、前記ユーザ端末に付与する特典付与部と、を備え、決済端末は、前記特典付与装置から決済情報を受信する決済情報受信部と、前記決済情報に基づいて決済可否を判定し、決済可能である場合に決済を実行する決済部と、前記決済部により決済が実行された場合に、決済完了情報を送信する決済可否送信部と、を備える。
【0012】
上記目的を達成するため、本発明のさらに別の観点に係る特典付与方法は、ユーザ端末および決済端末とネットワークを通じて接続される特典付与装置における特典付与方法であって、前記ユーザ端末からの決済情報を受け付ける受付処理と、前記決済情報に含まれる判別情報と、特典の有無と、を対応付けて記憶する特典情報DBを参照し、前記ユーザ端末に付与される前記特典を前記判別情報に基づいて判別する判別処理と、前記決済情報を送信した前記ユーザ端末と、前記判別処理により判別される前記特典とを対応付けて記録する記録処理と、前記決済情報を前記決済端末に送信する決済情報送信処理と、前記決済端末から決済が完了した旨の情報を受信する決済状況受信処理と、前記決済が完了した前記決済情報に対応する特典を、前記ユーザ端末に付与する特典付与処理と、を含む。
【0013】
上記目的を達成するため、本発明のさらに別の観点に係る特典付与プログラムは、ユーザ端末および決済端末とネットワークを通じて接続される特典付与装置において動作する特典付与プログラムであって、前記ユーザ端末からの決済情報を受け付ける受付処理と、前記決済情報に含まれる判別情報と、特典の有無と、を対応付けて記憶する特典情報DBを参照し、前記ユーザ端末に付与される前記特典を前記判別情報に基づいて判別する判別処理と、前記決済情報を送信した前記ユーザ端末と、前記判別処理により判別される前記特典とを対応付けて記録する記録処理と、前記決済情報を前記決済端末に送信する決済情報送信処理と、前記決済端末から決済が完了した旨の情報を受信する決済状況受信処理と、前記決済が完了した前記決済情報に対応する特典を、前記ユーザ端末に付与する特典付与処理と、をコンピュータに実行させる。
なお、コンピュータプログラムは、各種のデータ読取可能な記録媒体に格納して提供したり、インターネット等のネットワークを介してダウンロード可能に提供したりすることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ユーザの支払い態様に応じて特典を柔軟に付与できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の第1実施形態にかかる特典付与装置、およびネットワークを通じて接続される各構成が備える機能を示す機能ブロック図である。
【
図2】上記特典付与装置が有する特典情報DBに記憶されるテーブルの1例を示す図である。
【
図3】上記特典付与装置により実行される処理の流れを示したシーケンス図である。
【
図4】本発明の第2実施形態にかかる特典付与装置、およびネットワークを通じて接続される各構成が備える機能を示す機能ブロック図である。
【
図5】上記特典付与装置により実行される処理の流れを示したシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明にかかる特典付与装置の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0017】
●特典付与装置(1)●
図1に、本発明の実施形態に係る特典付与装置10の構成を示す。特典付与装置10は、ユーザがクレジットカードにより購入を行った場合に、クレジットカードの種別に基づいて、ユーザにポイントを付与する装置である。
【0018】
図1に示すように、特典付与装置10は、ユーザが利用するユーザ端末30、およびクレジットカードの決済を行う決済端末40と、ネットワークNWを介して通信可能に構成されている。特典付与装置10は、ハードウェア装置により構成されてもよいし、一部又は全部の機能がクラウドコンピュータにより実現されていてもよい。また、特典付与装置10の各構成は、API(Application Programming Interface、アプリケーション・プログラミング・インタフェース)により実現されていてもよい。
特典付与装置10、ユーザ端末30、および決済端末40相互の通信は、本実施形態においては無線であるが、一部または全部の接続が有線であってもよい。
また、特典付与装置10および決済端末40は、特典付与システムを構成してもよい。
さらに、特典付与装置10は、複数のハードウェア構成により構成されていてもよい。この場合に、当該複数のハードウェア構成は有線又は無線により接続され、互いに情報の送受信が行われてよい。
【0019】
●ユーザ端末30
ユーザ端末30は、インターネット上において商品を購入するユーザが操作する端末であり、例えばスマートホンやタブレット端末、パーソナルコンピュータである。商品の購入は、例えばウェブサイト上でゲーム等の実行に必要なサイト内コインの購入を含む概念であるが、これに限らず、物品又はサービスの享受や賃貸借契約、定期購入等、ユーザからの支払いが発生する種々の契約であってよい。また、この支払は、単回の支払の他、分割支払や、定期的な支払であってもよい。
【0020】
ユーザ端末30は、CPU(Central Processing Unit)、CPUが実行するコンピュータプログラム、コンピュータプログラムや所定のデータを記憶するRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などにより、主として、表示部31、入力部32、通信処理部33からなる機能ブロックを構成する。
【0021】
表示部31は、データを出力するためのディスプレイ等によって実現される。
【0022】
入力部32は、データを入力するためのタッチパネル、キーボード、マウス、又はマイク等によって実現される。入力部32は、商品購入の必要事項、および商品にかかる決済命令が入力可能である。
【0023】
通信処理部33は、インターネット等のネットワークNWを介し、特典付与装置10と所定のプロトコルに従ったデータの送受信処理を実行可能とする処理部であって、アプリまたは、Webブラウザ等により実現される。
【0024】
●決済端末40
決済端末40は、クレジットカードの決済処理を行う端末である。決済端末40は、少なくともクレジットカードの発行会社ごとに異なる端末を有している。決済端末40は、例えばサーバであり、構成の一部又は全部がクラウドコンピュータにより実現されていてもよい。決済端末40は、CPU(Central Processing Unit)、CPUが実行するコンピュータプログラム、コンピュータプログラムや所定のデータを記憶するRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などにより、主として、決済情報受信部41、決済部42、決済可否送信部43および通信処理部44からなる機能ブロックを構成する。
【0025】
決済情報受信部41は、特典付与装置10から決済情報を受信する機能部である。
【0026】
決済部42は、決済情報に基づいてユーザの購入に係る決済を行う機能部である。決済部42は、ユーザのクレジットカードの与信枠を参照して決済可否を判定し、決済可能である場合にのみ決済を実行する。
【0027】
決済可否送信部43は、決済部42による決済の可否を特典付与装置10に送信する機能部である。決済可否送信部43は、決済部42により決済が実行された場合に、その旨の情報、すなわち決済完了情報を特典付与装置10に送信する。決済可否送信部43は、決済部42により決済が不可能と判定された場合には、決済が不能であった旨の情報、すなわち決済不能情報を送信してもよい。
【0028】
通信処理部44は、インターネット等のネットワークNWを介し、特典付与装置10と所定のプロトコルに従ったデータの送受信処理を実行可能とする処理部であって、アプリまたは、Webブラウザ等により実現される。
なお、
図1では、ユーザ端末30および決済端末40は1個ずつ描画されているが、それぞれ複数あってよい。また、各端末は、使用者がログイン処理をすることで各端末の機能を実現すればよく、ハードウェア構成にその機能が固定されるものではない。
【0029】
●特典付与装置10
ここで、
図1を用いて、特典付与装置10の構成を説明する。
図1に示すように、特典付与装置10は、主として、受付部11、判別部12、記録部13、決済情報送信部14、決済状況受信部15、特典付与部16、通信処理部20、特典情報DB21および判別情報DB22からなる各機能ブロックを構成する。
【0030】
受付部11は、ユーザ端末30から購入に関する情報を受け付ける機能部である。購入に関する情報は、例えば、ユーザ端末30を使用するユーザの識別情報、商品の購入内容にかかる情報、および支払いに関する情報を含む。また、支払いに関する情報は、支払い方法がクレジットカードによる支払いの場合には、クレジットカード番号を含む。なお、支払いに関する方法は、支払い方法が銀行振込やコード決済等の場合には支払口座を識別可能な口座番号等が含まれていてもよい。
【0031】
判別部12は、決済情報に含まれる判別情報と、特典の有無と、を対応付けて記憶する特典情報DB21を参照し、ユーザ端末30に付与される特典を決済情報に基づいて判別する機能部である。判別情報は、購入に関する情報に含まれる情報の少なくとも一部であり、例えば、ユーザ端末30を介して行われる決済に用いられるクレジットカード番号の一部である。この場合、判別部12は、支払い方法がクレジットカードでないときには、特典はないものと判別する。
【0032】
判別情報は、より具体的には、クレジットカード番号の行頭から6桁の数値である。この数値は、BIN(Bank Identification Number、銀行識別番号)又はIIN(Issuer Identification Number、発行者識別番号)となっており、送信する決済端末40を識別する情報となっている。
【0033】
図2は、判別部12が参照する、特典情報DB21に格納されるテーブルT1の例である。テーブルT1には、判別情報としてのBIN又はIINと、決済端末40の識別情報と、特典の有無および種別が、互いに関連付けられて記憶されている。ここで、異なる判別情報に対して同一の決済端末40が関連付けられていてもよい。例えば、同じ発行会社から一般カードとプレミアムカードが発行されている場合があるためである。また、テーブルT1では、判別情報に応じて関連付ける特典が異なっている。
【0034】
図1に示す記録部13は、決済情報を送信したユーザ端末30と、ユーザ端末30に付与される特典とを対応付けて、判別情報DB22に記録する機能部である。
【0035】
決済情報送信部14は、通信処理部20を介して、決済情報を決済端末40に送信する。決済情報送信部14は、特典情報DB21に基づいて、判別情報に応じて異なる決済端末40に決済情報を送信する。
【0036】
決済状況受信部15は、通信処理部20を介して、決済端末40から決済完了情報を受信する機能部である。また、決済状況受信部15は、通信処理部20を介して、決済端末40から決済不能情報を受信してもよい。
【0037】
特典付与部16は、決済完了情報に基づいて、判別情報DB22を参照し、決済が完了した決済情報に対応する特典を、ユーザ端末30に付与する機能部である。特典付与部16は、購入額に基づいて特典を決定してもよい。
【0038】
この構成によれば、決済端末40の管理者、すなわちクレジットカードの発行会社ごとに独自のキャンペーンを実行している場合にも、特典付与装置10により一元管理を行い、ユーザに特典を付与することができる。また、特典付与装置10は、判別情報に基づいて特典の種別を判別するため、同じクレジットカード発行会社における異なる種類のクレジットカードについて、異なる特典を付与することもできる。このように、特典付与装置10はクレジットカードの発行会社の判別をクレジットカード番号に基づいて行い、特典付与が可能であるため、決済端末40ひいてはクレジットカード発行会社の負担が軽減され、簡便に特典を付与できる。
【0039】
特典付与部16は、適宜のタイミングにおいて、所定期間内に行われた決済完了情報を参照し、各ユーザ端末30に対して特典を付与してもよい。従来、クレジットカードの発行会社主導で行われるキャンペーンにおいては、決済端末側で特典の該当有無を判別した上で、利用額の引き落とし時に特典が付与されるため、特典の対象となる購入の行為から特典の受領までに1ヶ月程度のタイムラグがあった。さらに、付与タイミングは、クレジットカード発行会社ごとに異なっていた。これに対し、特典付与装置10が決済情報と特典の有無又は種別を管理し、決済完了の情報に基づいて特典を付与する構成によれば、異なるクレジットカード発行会社が行うキャンペーンを一括して管理し、クレジットカード発行会社の引き落としスタンスに関わらず、任意のタイミングで特典を付与することができる。
【0040】
また、特典付与部16は、ユーザ端末30に特典を付与した場合に、ユーザ端末30において当該特典を即時に使用可能としてもよい。当該特典がポイントである場合には、ユーザ端末30のポイント残高に加算される。また、この場合、特典付与部16は、ポイントが加算された時点でユーザ端末30の表示部31にその旨を表示する。従来のクレジットカード発行会社主導のキャンペーンにおいて、引き落とし時に特典がまとめて付与される構成では、どの購入に対しどのような特典が付与されたか、ユーザに伝わりにくかった。一方、本願発明の構成によれば、購入の直後に特典が即時付与されるので、どの購入に対しどのような特典が付与されたかがユーザにとって明確であり、キャンペーンの効果が向上する。
【0041】
特典付与部16は、決済不能情報を受信した場合、又は一定期間以上に渡って決済完了情報が受信できない場合には、特典を付与せず、その旨をユーザ端末30に通知してもよい。
【0042】
特典付与部16は、ユーザ端末30に付与する特典の内容および量を抽選により決定してもよい。特典付与部16は、特典が付与される購入である場合には、決済が完了した旨の通知の後に、この抽選の様子を表示する抽選画面をユーザ端末30に表示してもよい。抽選画面は、例えば、ルーレットが回転したり、紙のくじが開かれたりといったアニメーションを伴っていてもよい。このような構成によれば、遊戯の興趣を一層向上させることができる。また、ウェブサイト上のゲームで使用されるサイト内コインを購入したことで特典が付与される場合には、ゲームを楽しむ雰囲気を維持しながら、コインの購入を促進できる。なお、このようなサイト内コインを購入する場合には、ユーザがプレイしたゲームのプレイ履歴に基づいて、抽選画面の態様を変化させてもよく、例えばユーザに多くプレイされたゲーム又は直近でプレイされたゲームの画面に関連する態様の抽選画面を表示させてもよい。
【0043】
通信処理部20は、インターネット等のネットワークNWを介し、ユーザ端末30および決済端末40と所定のプロトコルに従ったデータの送受信処理を実行可能とする処理部である。通信処理部20は、ユーザ端末30から決済情報を受信する。また、通信処理部20は、決済情報を決済端末40に送信する。さらに、通信処理部20は、決済端末40から、決済が完了した旨の情報を受信する。
【0044】
このように、本願発明にかかる特典付与装置10によれば、決済完了の時点で特典をユーザ端末30に付与することができる。ひいては、ユーザは特典および特典による高揚感を購入後すぐ即時に得ることができ、高い満足感を得られる。また、ユーザによるクレジットカードの使用により利益を得る決済端末40の管理者にとっては、自社で発行するクレジットカードの使用を促進することができる。
【0045】
●ユーザにギフトが付与される処理フロー
図3に示すように、まず、ユーザ端末30は、購入に関する情報を入力し(ステップS101)、これを特典付与装置10に送信する(ステップS102)。特典付与装置10は、ステップS101で受領した決済情報のうち、判別情報に基づいて、特典の有無又は種別を判別する(ステップS103)。次いで、判別情報に基づいて選択した決済端末40に、決済情報を送信する(ステップS104)。決済端末40は、決済可否を確認し、決済が可能な場合には決済を実行するとともに決済完了情報を特典付与装置10に送信する(ステップS105)。決済の実行と決済完了情報の送信は、順不同であり、同時に行われてもよい。次いで、特典付与装置10は、当該ユーザが購入した商品(例えばサイト内コイン)をユーザ端末30に授与するとともに、決済が完了した決済情報に対応する特典を、ユーザ端末30に付与する(ステップS106)。
【0046】
上述の通り、本発明に係る特典付与装置によれば、ユーザの支払い態様に応じて特典を柔軟に付与できる。
【0047】
●特典付与装置(2)●
図4に、本発明の第2実施形態に係る特典付与装置10cの構成を示す。特典付与装置10cは、第1装置10aおよび第2装置10bが互いにネットワークを介して接続されている点で、第1実施形態とは異なる。なお、以下の説明において、第1実施形態と同様の構成については、同じ符号を付し、適宜説明を省略した。
【0048】
図4に示すように、第1装置10aは、主として、受付部11、判別結果取得部12a、記録部13、決済状況受信部15、特典付与部16、通信処理部20、および特典情報DB21を有する。第2装置10bは、主として、判別部12、決済情報送信部14および判別情報DB22を有する。判別結果取得部12aは、第2装置10bの判別部12から、ユーザ端末30に付与される特典を取得する機能部である。
【0049】
すなわち、本実施形態においては、商品購入および特典付与に関する処理を行う第1装置10aと、クレジットカードの情報を受領する第2装置10bとが独立して構成されている。第1装置10aと第2装置10bとは、異なる管理主体により管理されていてもよい。このような構成によれば、例えば、第1装置10aをコンテンツ提供を行う企業が管理し、第2装置10bをクレジットカード決済サービスの提供を行う企業が管理することもでき、利便性が高い。また、クレジットカードの情報を第2装置10bに集約できるので、情報保護の観点からも有益である。
なお、第1装置10aおよび第2装置10bの構成はあくまで例示であって、特典付与装置10の構成をどのように分散して構成するかは任意であり、複数のハードウェア構成、サーバおよびクラウドコンピュータにより実現されるあらゆる特典付与装置が本特許の技術的範囲に含まれる。
【0050】
図5は、第2実施形態においてユーザにギフトが付与される処理フローの例である。まず、ユーザ端末30は、商品の購入内容にかかる情報とユーザの識別情報を紐づけて第1装置10aに送信する(ステップS201)。また、ユーザ端末30は、支払いに関する情報とユーザの識別情報を紐づけて第2装置10bに送信する(ステップS202)。次いで、第2装置10bは、特典の判別を行い(S103)、第1装置10aに判別結果を送信するとともに、判別情報に基づいて選択した決済端末40に、決済情報を送信する(ステップS104)。
【0051】
決済端末40は、決済可否を確認し、決済が可能な場合には決済を実行するとともに決済完了情報を第2装置10bに送信する(ステップS105)。第2装置10bは、決済が完了した旨の情報を第1装置10aに送信する(ステップS203)。第1装置10aは、決済が完了した支払いに関する情報に紐づくユーザの識別情報に基づいて、当該ユーザが購入した商品(例えばサイト内コイン)をユーザ端末30に授与するとともに、特典を付与する(ステップS106)。
【符号の説明】
【0052】
10 特典付与装置
11 受付部
12 判別部
13 決済状況受信部
14 突合部
15 特典付与部
20 通信処理部
21 特典情報DB
30 ユーザ端末
40 決済端末