(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023020044
(43)【公開日】2023-02-09
(54)【発明の名称】情報出力システム、認証システム、端末システム、情報出力方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04M 9/00 20060101AFI20230202BHJP
【FI】
H04M9/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021125191
(22)【出願日】2021-07-30
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中元 栄次
(72)【発明者】
【氏名】池田 光治
(72)【発明者】
【氏名】藤田 智彦
【テーマコード(参考)】
5K038
【Fターム(参考)】
5K038AA06
5K038CC12
5K038DD12
5K038DD16
5K038EE05
5K038GG06
(57)【要約】
【課題】セキュリティ性を維持しつつ利便性の低下を抑制する。
【解決手段】情報出力システム3は、第1取得部311と、第2取得部312と、出力部313と、を備える。第1取得部311は、集合施設7の共用部分である第1領域71に設けられた入力部15に入力された第1情報を取得する。第2取得部312は、第1領域71の少なくとも一部を撮像範囲に含む撮像部13により撮像された画像に関する第2情報を取得する。出力部313は、第1情報に対応付けられた認証情報に対する第2情報の認証結果に基づく第3情報を出力する。第1情報は、集合施設7の専有部分である第2領域72を特定するための情報を含む。第2情報は、集合施設7への来訪者の画像情報を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集合施設の共用部分である第1領域に設けられた入力部に入力された第1情報を取得する第1取得部と、
前記第1領域の少なくとも一部を撮像範囲に含む撮像部により撮像された画像に関する第2情報を取得する第2取得部と、
前記第1情報に対応付けられた認証情報に対する前記第2情報の認証結果に基づく第3情報を出力する出力部と、を備え、
前記第1情報は、前記集合施設の専有部分である第2領域を特定するための情報を含み、
前記第2情報は、前記集合施設への来訪者の画像情報を含む、
情報出力システム。
【請求項2】
前記入力部は、前記来訪者の操作を受け付ける操作部を含み、
前記第1情報は、前記操作部に対する前記来訪者の操作により入力された情報を含む、
請求項1に記載の情報出力システム。
【請求項3】
前記入力部は、無線通信部を含み、
前記第1情報は、前記来訪者が所持する情報端末から前記無線通信部が受信した情報を含む、
請求項1又は2に記載の情報出力システム。
【請求項4】
前記撮像部が前記画像を撮像してから第1期間内に前記入力部に前記第1情報が入力された場合、又は前記撮像部が前記画像を撮像してから第2期間内に前記第1取得部が前記第1情報を取得した場合に、前記認証情報に対する前記第2情報の認証が実行され、前記出力部が前記第3情報を出力する、
請求項1~3のいずれか1項に記載の情報出力システム。
【請求項5】
前記入力部に前記第1情報が入力された後に、前記第1情報を確定するための特定入力が前記入力部に入力された場合に、前記第1取得部が前記第1情報を取得し、又は、前記認証情報に対する前記第2情報の認証が実行され、前記出力部が前記第3情報を出力する、
請求項1~4のいずれか1項に記載の情報出力システム。
【請求項6】
前記特定入力は、前記第2領域に存在する人を呼び出すための入力とは異なる、
請求項5に記載の情報出力システム。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の情報出力システムと、
前記認証情報に対する前記第2情報の認証を実行する認証部と、を備える、
認証システム。
【請求項8】
集合施設の共用部分である第1領域に設けられた端末システムであって、
前記集合施設の専有部分である第2領域を特定するための特定情報の入力を受け付ける入力部と、
来訪者を含む特定画像を撮像する撮像部と、
前記特定画像に基づく認証に用いられる認証情報を出力する出力部と、を備え、
前記入力部が前記特定情報の入力を受け付けた場合に、前記撮像部が前記特定画像を撮像する撮像処理、及び前記出力部が前記認証情報を出力する出力処理の少なくとも一方が実行される、
端末システム。
【請求項9】
集合施設の共用部分である第1領域に設けられた端末システムであって、
前記集合施設の専有部分である第2領域を特定するための特定情報の入力を受け付ける入力部と、
来訪者を含む特定画像を撮像する撮像部と、
前記入力部が前記特定情報の入力を受け付けた場合に、前記撮像部が前記特定画像を撮像する旨、及び、前記特定画像に基づいて前記来訪者の認証を行う旨の少なくとも一方を報知する報知部と、を備える、
端末システム。
【請求項10】
請求項8又は9に記載の端末システムと、
前記特定画像に基づいて前記来訪者の認証を実行する認証部と、を備える、
認証システム。
【請求項11】
集合施設の共用部分である第1領域に設けられた入力部に入力された第1情報を取得する第1取得ステップと、
前記第1領域の少なくとも一部を撮像範囲に含む撮像部により撮像された画像に関する第2情報を取得する第2取得ステップと、
前記第1情報に対応付けられた認証情報に対する前記第2情報の認証結果に基づく第3情報を出力する出力ステップと、を有し、
前記第1情報は、前記集合施設の専有部分である第2領域を特定するための情報を含み、
前記第2情報は、前記集合施設への来訪者の画像情報を含む、
情報出力方法。
【請求項12】
請求項11に記載の情報出力方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に情報出力システム、認証システム、端末システム、情報出力方法及びプログラムに関し、より詳細には、集合施設に適用される情報出力システム、認証システム、端末システム、情報出力方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、セキュリティ性の向上を目的とする集合住宅インターホンシステムが記載されている。特許文献1に記載の集合住宅インターホンシステムでは、部屋番号を入力して居室の呼び出しを行う際に、上記部屋番号に対応付けて登録された顔画像を用いて顔認証を実行することでセキュリティ性を向上させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の集合住宅インターホンシステムでは、不正な呼び出しを何度も行う空き巣対策を前提としており、部屋番号を入力してから呼出応答後に顔認証が実行される。そのため、セキュリティ性は向上する一方、利便性が低下するという問題があった。
【0005】
本開示の目的は、セキュリティ性を維持しつつ利便性の低下を抑制することが可能な情報出力システム、認証システム、端末システム、情報出力方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る情報出力システムは、第1取得部と、第2取得部と、出力部と、を備える。前記第1取得部は、集合施設の共用部分である第1領域に設けられた入力部に入力された第1情報を取得する。前記第2取得部は、前記第1領域の少なくとも一部を撮像範囲に含む撮像部により撮像された画像に関する第2情報を取得する。前記出力部は、前記第1情報に対応付けられた認証情報に対する前記第2情報の認証結果に基づく第3情報を出力する。前記第1情報は、前記集合施設の専有部分である第2領域を特定するための情報を含む。前記第2情報は、前記集合施設への来訪者の画像情報を含む。
【0007】
本開示の一態様に係る認証システムは、前記情報出力システムと、認証部と、を備える。前記認証部は、前記認証情報に対する前記第2情報の認証を実行する。
【0008】
本開示の一態様に係る端末システムは、集合施設の共用部分である第1領域に設けられた端末システムである。前記端末システムは、入力部と、撮像部と、出力部と、を備える。前記入力部は、前記集合施設の専有部分である第2領域を特定するための特定情報の入力を受け付ける。前記撮像部は、来訪者を含む特定画像を撮像する。前記出力部は、前記特定画像に基づく認証に用いられる認証情報を出力する。前記端末システムでは、前記入力部が前記特定情報の入力を受け付けた場合に、前記撮像部が前記特定画像を撮像する撮像処理、及び前記出力部が前記認証情報を出力する出力処理の少なくとも一方が実行される。
【0009】
本開示の一態様に係る端末システムは、集合施設の共用部分である第1領域に設けられた端末システムである。前記端末システムは、入力部と、撮像部と、報知部と、を備える。前記入力部は、前記集合施設の専有部分である第2領域を特定するための特定情報の入力を受け付ける。前記撮像部は、来訪者を含む特定画像を撮像する。前記報知部は、前記入力部が前記特定情報の入力を受け付けた場合に、前記撮像部が前記特定画像を撮像する旨、及び、前記特定画像に基づいて前記来訪者の認証を行う旨の少なくとも一方を報知する。
【0010】
本開示の一態様に係る認証システムは、前記端末システムと、認証部と、を備える。前記認証部は、前記特定画像に基づいて前記来訪者の認証を実行する。
【0011】
本開示の一態様に係る情報出力方法は、第1取得ステップと、第2取得ステップと、出力ステップと、を有する。前記第1取得ステップでは、集合施設の共用部分である第1領域に設けられた入力部に入力された第1情報を取得する。前記第2取得ステップでは、前記第1領域の少なくとも一部を撮像範囲に含む撮像部により撮像された画像に関する第2情報を取得する。前記出力ステップでは、前記第1情報に対応付けられた認証情報に対する前記第2情報の認証結果に基づく第3情報を出力する。前記第1情報は、前記集合施設の専有部分である第2領域を特定するための情報を含む。前記第2情報は、前記集合施設への来訪者の画像情報を含む。
【0012】
本開示の一態様に係るプログラムは、前記情報出力方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0013】
本開示の一態様に係る情報出力システム、認証システム、端末システム、情報出力方法及びプログラムによれば、セキュリティ性を維持しつつ利便性の低下を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、実施形態1に係る情報出力システム、認証システム及び端末システムを含むインターホンシステムの構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、同上の情報出力システム及び端末システムの動作を説明するシーケンス図である。
【
図3】
図3は、実施形態2に係る情報出力システム、認証システム及び端末システムを含むインターホンシステムの構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、同上の情報出力システム及び端末システムの動作を説明するシーケンス図である。
【
図5】
図5は、実施形態3に係る情報出力システム、認証システム及び端末システムを含むインターホンシステムの構成を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、同上の情報出力システム及び端末システムの動作を説明するシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、実施形態1~3に係る情報出力システム、認証システム、端末システム、情報出力方法及びプログラムについて、図面を参照して説明する。下記の実施形態1~3等において参照する
図1~
図6は、いずれも模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさや厚さそれぞれの比は、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
【0016】
(実施形態1)
(1)概要
まず、実施形態1に係る情報出力システム3、認証システム9、端末システム1、情報出力方法及びプログラムの概要について、
図1を参照して説明する。
【0017】
実施形態1に係る情報出力システム3及び端末システム1は、
図1に示すように、複数(図示例では2つ)のインターホン親機2と共に、インターホンシステム10に用いられる。すなわち、実施形態1に係るインターホンシステム10は、端末システム1と、複数のインターホン親機2と、情報出力システム3と、を備える。
【0018】
上述の特許文献1に記載の集合住宅インターホンシステムでは、セキュリティ性の向上を目的として、部屋番号を入力して居室の呼び出しを行う際に、上記部屋番号に対応付けて登録された顔画像を用いて顔認証を実行している。しかしながら、特許文献1に記載の集合住宅インターホンシステムでは、不正な呼び出しを何度も行う空き巣対策を前提としており、部屋番号を入力してから呼出応答後に顔認証が実行される。そのため、セキュリティ性は向上する一方、利便性が低下するという問題があった。
【0019】
そこで、実施形態1に係る情報出力システム3及び端末システム1は、以下の構成を採用することにより、インターホンシステム10のセキュリティ性を維持しつつ利便性の低下を抑制可能である。
【0020】
すなわち、実施形態1に係る情報出力システム3は、第1取得部311と、第2取得部312と、出力部313と、を備える。第1取得部311は、集合施設7の共用部分である第1領域71に設けられた入力部15に入力された第1情報を取得する。第2取得部312は、第1領域71の少なくとも一部を撮像範囲に含む撮像部13により撮像された画像に関する第2情報を取得する。出力部313は、第1情報に対応付けられた認証情報に対する第2情報の認証結果に基づく第3情報を出力する。第1情報は、集合施設7の専有部分である第2領域72を特定するための情報を含む。第2情報は、集合施設7への来訪者の画像情報を含む。
【0021】
また、実施形態1に係る端末システム1は、集合施設7の共用部分である第1領域71に設けられた端末システムである。端末システム1は、入力部15と、撮像部13と、出力部111と、を備える。入力部15は、集合施設7の専有部分である第2領域72を特定するための特定情報の入力を受け付ける。撮像部13は、来訪者を含む特定画像を撮像する。出力部111は、特定画像に基づく認証に用いられる認証情報を出力する。端末システム1では、入力部15が特定情報の入力を受け付けた場合に、撮像部13が特定画像を撮像する撮像処理、及び出力部111が認証情報を出力する出力処理の少なくとも一方が実行される。
【0022】
また、実施形態1に係る端末システム1は、集合施設7の共用部分である第1領域71に設けられた端末システムである。端末システム1は、入力部15と、撮像部13と、報知部112と、を備える。入力部15は、集合施設7の専有部分である第2領域72を特定するための特定情報の入力を受け付ける。撮像部13は、来訪者を含む特定画像を撮像する。報知部112は、入力部15が特定情報の入力を受け付けた場合に、撮像部13が特定画像を撮像する旨、及び特定画像に基づいて来訪者の認証を行う旨の少なくとも一方を報知する。
【0023】
上記構成によれば、入力部15に入力された第1情報(特定情報)に対応付けられた認証情報を用いて第2情報の認証を行っている。これにより、すべての認証情報を用いて第2情報の認証を行う場合に比べて、セキュリティ性の向上を図ることが可能となる。また、入力部15に対して第2領域72を特定するための情報(特定情報)を入力するだけで、第2情報の認証を実行することができるので、利便性の低下を抑制することも可能となる。すなわち、実施形態1に係る情報出力システム3及び端末システム1によれば、セキュリティ性を維持しつつ利便性の低下を抑制することが可能となる。さらに、第1情報に対応付けられた認証情報と第2情報とを比較するだけでよいので、第2情報の認証に要する時間を短縮することも可能となる。
【0024】
また、実施形態1に係る情報出力システム3は、認証部314と共に、認証システム9を構成する。すなわち、実施形態1に係る認証システム9は、情報出力システム3と、認証部314と、を備える。認証部314は、認証情報に対する第2情報の認証を実行する。このような認証システム9によれば、セキュリティ性を維持しつつ利便性の低下を抑制することが可能となる。
【0025】
また、実施形態1に係る情報出力システム3は、実施形態1に係る情報出力方法を具現化する一態様である。すなわち、実施形態1に係る情報出力方法は、第1取得ステップと、第2取得ステップと、出力ステップと、を有する。第1取得ステップでは、集合施設7の共用部分である第1領域71に設けられた入力部15に入力された第1情報を取得する。第2取得ステップでは、第1領域71の少なくとも一部を撮像範囲に含む撮像部13により撮像された画像に関する第2情報を取得する。出力ステップでは、第1情報に対応付けられた認証情報に対する第2情報の認証結果に基づく第3情報を出力する。第1情報は、集合施設7の専有部分である第2領域72を特定するための情報を含む。第2情報は、集合施設7への来訪者の画像情報を含む。このような情報出力方法によれば、セキュリティ性を維持しつつ利便性の低下を抑制することが可能となる。
【0026】
また、実施形態1に係る情報出力方法は、プログラムによって具現化可能である。すなわち、実施形態1に係るプログラムは、実施形態1に係る情報出力方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。このようなプログラムによれば、セキュリティ性を維持しつつ利便性の低下を抑制することが可能となる。
【0027】
本開示でいう「集合施設」は、複数の施設の集合体であって、1つの建物内に複数の施設が含まれているような建造物を意味する。本開示でいう「施設」は、居住用途で用いられる住宅施設、並びに店舗(テナント)、オフィス、福祉施設、教育施設、病院及び工場等の非住宅施設を含む。非住宅施設には、飲食店、遊技場、ホテル、旅館、幼稚園、保育所及び公民館等も含まれる。つまり、集合施設7は、マンション等の集合住宅であってもよいし、オフィスビル等の非住宅の施設であってもよい。さらに、集合施設7は、例えば、低層階が店舗で高層階が住戸のような、住宅施設と非住宅施設とが混在する態様の施設も含む。本実施形態では一例として、集合施設7が、複数の住戸を含む集合住宅(マンション等)である場合を想定する。
【0028】
(2)詳細
次に、実施形態1に係る端末システム1及び情報出力システム3を含むインターホンシステム10の構成の詳細について、
図1を参照して説明する。
【0029】
インターホンシステム10は、
図1に示すように、端末システム1と、複数(図示例では2つ)のインターホン親機2と、情報出力システム3と、を備える。また、インターホンシステム10は、玄関扉6を更に備える。インターホンシステム10は、集合施設7に設置される。集合施設7は、例えば、マンション等の集合住宅である。
【0030】
集合施設7は、第1領域71と、複数(図示例では2つ)の第2領域72と、第3領域73と、を含む。第1領域71は、集合施設7の共用部分であって、例えば、集合施設7としての集合住宅のロビーである。複数の第2領域72の各々は、集合施設7の占有部分であって、例えば、集合施設7としての集合住宅の各住戸である。第3領域73は、集合施設7の共用部分であって、例えば、集合施設7としての集合住宅の管理人室である。
【0031】
(2.1)端末システム
端末システム1は、例えば、集合施設7の第1領域71に設置されているロビーインターホン(インターホン子機)である。すなわち、端末システム1は、集合施設7の共用部分である第1領域71に設けられた端末システムである。端末システム1は、第1伝送路41を介して情報出力システム3に接続されている。第1伝送路41は、例えば、ツイストペア線であるが、
図1では1本の線で表している。なお、後述の
図3及び
図5についても同様である。
【0032】
端末システム1は、制御部11と、表示部12と、撮像部13と、通話部14と、入力部15と、通信部16と、記憶部17と、を備える。
【0033】
制御部11は、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するコンピュータシステムを主構成とする。端末システム1では、1以上のプロセッサがメモリに記録されているプログラムを実行することにより、制御部11(後述の出力部111及び報知部112を含む)の機能が実現される。プログラムは、メモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。制御部11は、表示部12、撮像部13、通話部14及び通信部16を各別に制御するように構成されている。
【0034】
制御部11は、
図1に示すように、出力部111と、報知部112と、を有する。
【0035】
出力部111は、認証情報を出力する。認証情報は、特定画像に基づく認証に用いられる情報であって、例えば、顔画像から抽出された特徴量を含む。特定画像は、撮像部13により撮像される画像であって、集合施設7への来訪者等(来訪者又は住人)を含む画像である。出力部111は、後述の入力部15が特定情報を受け付けた場合に、上記認証情報を出力する出力処理を実行する。
【0036】
報知部112は、後述の入力部15が特定情報の入力を受け付けた場合に、第1報知処理と第2報知処理との少なくとも一方を実行する。第1報知処理は、撮像部13が特定画像を撮像する旨を報知する処理である。第2報知処理は、後述の情報出力システム3の認証部314が特定画像に基づいて来訪者の認証を行う旨を報知する処理である。本実施形態では、報知部112は、入力部15が特定情報を受け付けた場合に、第1報知処理と第2報知処理との両方を実行するが、例えば、報知部112は、第1報知処理のみを実行してもよいし、第2報知処理のみを実行してもよい。
【0037】
また、制御部11は、撮像部13により撮像された特定画像から来訪者の顔の特徴量を抽出する抽出処理を実行する。そして、制御部11は、来訪者の顔の特徴量を含む第2情報を作成する。すなわち、第2情報は、撮像部13により撮像された画像(特定画像)に関する情報であって、集合施設7への来訪者の画像情報(特徴量)を含む。さらに、制御部11は、後述の操作部151を介して入力された第1情報(特定情報)に基づいて、対応する認証情報を記憶部17から読み出す。そして、制御部11は、第1情報、第2情報及び認証情報を含む通信信号を作成し、作成した通信信号を通信部16から情報出力システム3に送信させる。
【0038】
表示部12は、例えば、液晶ディスプレイ又は有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイのような表示デバイスを含む。表示部12は、例えば、撮像部13で撮像された来訪者等の映像を表示する。また、表示部12は、来訪者等に対してメッセージを表示する。なお、端末システム1がタッチパネルディスプレイを備えている場合には、タッチパネルディスプレイが表示部12と入力部15とを兼ねてもよい。
【0039】
撮像部13は、特定画像を撮像するように構成されている。特定画像は、端末システム1の前方に位置している来訪者等を含む画像である。すなわち、撮像部13の撮像範囲は、第1領域71の少なくとも一部を含むように設定されている。撮像部13は、固体撮像素子と、レンズと、を備える。固体撮像素子は、例えば、CCD(Charge Coupled Devices)イメージセンサ、又はCMOS(ComplementaryMetal-Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の二次元イメージセンサである。撮像部13は、固体撮像素子の出力信号を映像信号として制御部11に出力する。撮像部13は、後述の入力部15に特定情報が入力された場合に、特定画像を撮像する撮像処理を実行する。
【0040】
通話部14は、スピーカ及びマイクロホンを含む。通話部14は、複数のインターホン親機2の各々の通話部23との間で通話可能に構成されている。
【0041】
入力部15は、特定情報(第1情報)の入力を受け付ける。特定情報は、集合施設7の専有部分である第2領域72を特定するための情報を含み、例えば、第2領域72としての住戸に割り当てられた部屋番号を含む。入力部15は、操作部151を含む。操作部151は、来訪者等の操作を受け付けるように構成されている。操作部151は、例えば、複数の押ボタンスイッチ、及びタッチパネル等を有する入力インタフェースである。本実施形態では、操作部151は、複数の押ボタンスイッチとして、呼出ボタンと、確定ボタンと、を有する。呼出ボタンは、特定情報を入力した後に、特定情報に対応付けられた第2領域72を呼び出す際に操作されるボタンである。確定ボタンは、特定情報を入力した後に、入力した特定情報を確定(登録)する際に操作されるボタンである。来訪者は、操作部151に対して所定の操作を行うことにより特定情報(第1情報)を入力する。すなわち、第1情報は、操作部151に対する来訪者の操作により入力された情報(部屋番号)を含む。
【0042】
通信部16は、複数のインターホン親機2の各々の通信部25と通信するための通信インタフェースを含む。通信部16は、第1伝送路41を介して情報出力システム3の伝送処理部32に接続されている。通信部16は、情報出力システム3を介して、各インターホン親機2に対して音声信号及び映像信号等の通信信号を送信する。さらに、通信部16は、情報出力システム3を介して、各インターホン親機2から音声信号及び制御信号等の通信信号を受信する。ここで、端末システム1からの通信信号には、インターホン親機2を特定するための情報(例えば、アドレス情報等)が含まれている。そのため、この通信信号に含まれるアドレス情報と一致するアドレス情報が割り当てられたインターホン親機2のみが通信信号を受信することが可能である。
【0043】
記憶部17は、例えば、フラッシュメモリのような読み書き可能なメモリで構成されている。記憶部17は、例えば、撮像部13で撮像された映像(画像)の映像データを記憶する。また、記憶部17は、上述の認証情報(顔画像の特徴量)と第1情報とを対応付けて記憶する。なお、記憶部17は、制御部11の内蔵メモリであってもよい。
【0044】
(2.2)インターホン親機
複数のインターホン親機2の各々は、例えば、集合施設7における複数の第2領域72のうち対応する第2領域72に設置されている。複数のインターホン親機2の各々は、第2伝送路42を介して情報出力システム3に接続されている。第2伝送路42は、幹線421と、複数(図示例では2本)の分岐線422とで構成される。幹線421は、情報出力システム3に接続されている。複数の分岐線422の各々は、複数のインターホン親機2のうち対応するインターホン親機2に接続されている。複数の分岐線422の各々は、幹線421から分岐している。複数の分岐線422の各々の分岐点には、分岐器5が設けられている。第2伝送路42は、例えば、ツイストペア線であるが、
図1では1本の線で表している。なお、後述の
図3及び
図5についても同様である。
【0045】
複数のインターホン親機2の各々は、制御部21と、表示部22と、通話部23と、操作部24と、通信部25と、記憶部26と、を備える。
【0046】
制御部21は、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するコンピュータシステムを主構成とする。各インターホン親機2では、1以上のプロセッサがメモリに記録されているプログラムを実行することにより、制御部21の機能が実現される。プログラムは、メモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。制御部21は、表示部22、通話部23及び通信部25を各別に制御するように構成されている。
【0047】
表示部22は、例えば、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示デバイスを含む。表示部22は、例えば、撮像部13で撮像された来訪者等の映像を表示する。より詳細には、表示部22は、インターホン親機2が端末システム1と通話(通信)可能な状態である場合に、通信対象である端末システム1の撮像部13で撮像された来訪者等の映像を表示する。なお、各インターホン親機2がタッチパネルディスプレイを備えている場合には、タッチパネルディスプレイが表示部22と操作部24とを兼ねてもよい。
【0048】
通話部23は、スピーカ及びマイクロホンを含む。通話部23は、端末システム1の通話部14との間で通話可能に構成されている。
【0049】
操作部24は、各住戸の住人等の操作を受け付けるように構成されている。操作部24は、少なくとも通話ボタンを有する。通話ボタンは、端末システム1からの呼び出しに対して、端末システム1との通信(来訪者との通話)を開始するためのボタンである。つまり、通信部25が住人を呼び出すための呼出信号を受信している状態で通話ボタンが押されると、端末システム1と各インターホン親機2との間で音声通話が可能になる。
【0050】
通信部25は、端末システム1の通信部16と通信するための通信インタフェースを含む。通信部25は、幹線421、分岐線422及び分岐器5を介して情報出力システム3に接続されている。通信部25は、情報出力システム3を介して、端末システム1に対して音声信号及び制御信号等の通信信号を送信する。さらに、通信部25は、情報出力システム3を介して、端末システム1から音声信号及び映像信号等の通信信号を受信する。
【0051】
記憶部26は、例えば、フラッシュメモリのような読み書き可能なメモリで構成されている。記憶部26は、例えば、撮像部13で撮像された映像(画像)の映像データを記憶する。また、記憶部26は、対応するインターホン親機2に割り当てられた識別情報(例えば、アドレス情報)を記憶する。なお、記憶部26は、制御部21の内蔵メモリであってもよい。
【0052】
(2.3)情報出力システム
情報出力システム3は、例えば、集合施設7の第3領域73に設置されている制御装置である。情報出力システム3は、制御部31と、伝送処理部32と、記憶部33と、を備える。
【0053】
制御部31は、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するコンピュータシステムを主構成とする。情報出力システム3では、1以上のプロセッサがメモリに記録されているプログラムを実行することにより、制御部31(後述の第1取得部311、第2取得部312、出力部313及び認証部314を含む)の機能が実現される。プログラムは、メモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。制御部31は、伝送処理部32を制御するように構成されている。
【0054】
制御部31は、
図1に示すように、第1取得部311と、第2取得部312と、出力部313と、認証部314と、を有する。
【0055】
第1取得部311は、端末システム1の入力部15に入力された第1情報(特定情報)を取得する。端末システム1は、上述したように、集合施設7の共用部分である第1領域71に設けられている。すなわち、第1取得部311は、集合施設7の共用部分である第1領域71に設けられた入力部15に入力された第1情報を取得する。第1情報は、入力部15の操作部151に対する来訪者の操作により入力された情報を含み、例えば、第2領域72としての住戸の部屋番号を含む。
【0056】
第2取得部312は、第2情報を取得する。第2情報は、撮像部13により撮像された画像に関する情報であって、例えば、集合施設7への来訪者の画像情報を含む。より詳細には、第2情報は、撮像部13により撮像された画像(特定画像)から抽出された来訪者の顔の特徴量を含む。第2情報は、後述の認証部314において来訪者の認証に用いられる。
【0057】
出力部313は、第3情報を出力する。第3情報は、認証情報に対する第2情報の認証結果に基づく情報である。より詳細には、第3情報は、第2情報を用いた来訪者の認証に成功したか否かを示す結果情報を含む。認証情報は、上述したように、第2情報に含まれている来訪者の顔の特徴量と比較するための情報であって、第1情報に対応付けられている。
【0058】
認証部314は、認証情報に対する第2情報の認証を実行する。より詳細には、認証部314は、認証情報に含まれている顔画像の特徴量と、第2情報に含まれている来訪者の顔の特徴量とを比較することにより、来訪者が登録されているか否かを判定する。ここで、本実施形態では、上述したように、認証情報と第1情報とが対応付けられている。したがって、認証部314は、第1情報に対応付けられている認証情報のみを用いて第2情報の認証を行うことになる。そのため、端末システム1の記憶部17に記憶されているすべての認証情報と第2情報とを比較する場合に比べて、認証精度を向上させることが可能であると共に、認証時間を短縮することが可能となる。本実施形態では、上述したように、情報出力システム3が認証部314を備えており、情報出力システム3により認証システム9が構成されている。すなわち、認証システム9は、情報出力システム3と、認証情報に対する第2情報の認証を実行する認証部314と、を備える。
【0059】
伝送処理部32は、第1伝送路41を介して、端末システム1の通信部16に接続されている。また、伝送処理部32は、第2伝送路42を介して、複数のインターホン親機2の通信部25に接続されている。伝送処理部32は、通信部16から送信される通信信号を受信する。そして、伝送処理部32は、受信した通信信号に含まれるアドレスに対応する住戸(第2領域72)のインターホン親機2に向けて、当該通信信号を送信する。また、伝送処理部32は、通信部25から送信される通信信号を受信し、受信した通信信号を端末システム1に向けて送信する。つまり、情報出力システム3は、来訪者に呼び出された住戸のインターホン親機2と端末システム1とを接続し、両者間での通信(通話)を中継する中継システムである。
【0060】
記憶部33は、例えば、フラッシュメモリのような読み書き可能なメモリで構成されている。記憶部33は、例えば、各住戸(第2領域72)に割り当てられた部屋番号と、各インターホン親機2に割り当てられたアドレス情報とを対応付けて記憶する。なお、記憶部33は、制御部31の内蔵メモリであってもよい。
【0061】
(2.4)玄関扉
玄関扉6は、集合施設7内において第1領域71と複数の第2領域72との間に設けられている。すなわち、玄関扉6は、第1領域71としてロビーと第2領域72としての各住戸とを隔てる扉である。玄関扉6は、
図1に示すように、電気錠61を有する。電気錠61は、情報出力システム(ロビーインターホン)3と電気的に接続されている。これにより、情報出力システム3にて、玄関扉6の施解錠を制御することが可能となる。すなわち、玄関扉6が自動扉である場合には、情報出力システム3は、デフォルトで閉じた状態にある玄関扉6を開放するように玄関扉6を制御することができる。
【0062】
(3)情報出力方法
次に、実施形態1に係る情報出力方法の詳細について、
図2を参照して説明する。実施形態1に係る情報出力方法は、情報出力システム3にて具現化されるので、以下では、情報出力システム3の動作をもって、情報出力方法を説明する。
図2は、実施形態1に係る情報出力システム3の基本動作(情報出力方法)の一例を示すシーケンス図である。
【0063】
集合施設7を訪れた来訪者は、端末システム1の入力部15の操作部151を用いて第1情報(訪問先の住戸の部屋番号)を入力する(入力ステップS111)。端末システム1では、入力部15が第1情報の入力を受け付けると、制御部11は、来訪者を含む特定画像を撮像部13に撮像させる(撮像ステップS112)。この場合において、撮像部13による撮像処理を実行する前に、報知部112に第1報知処理を実行させることが好ましい。また、制御部11は、入力部15に入力された第1情報に基づいて、当該第1情報に対応付けられた認証情報を記憶部17から読み出す。また、制御部11は、撮像部13が撮像した特定画像から来訪者の顔の特徴量を含む第2情報を作成する。そして、制御部11は、第1情報、第2情報及び認証情報を含む通信信号を作成し、作成した通信信号を通信部16から情報出力システム3に送信させる(出力ステップS113)。
【0064】
情報出力システム3では、制御部31は、端末システム1からの通信信号に含まれている第1情報、第2情報及び認証情報を取得する(取得ステップS114)。より詳細には、第1取得部311が第1情報及び認証情報を取得し、第2取得部312が第2情報を取得する。なお、認証情報については、第2取得部312が取得してもよい。本実施形態では、取得ステップS114が、情報出力方法における第1取得ステップ及び第2取得ステップである。
【0065】
次に、情報出力システム3では、制御部31の認証部314が、認証情報と第2情報とを用いて来訪者の認証を実行する(認証ステップS115)。より詳細には、認証部314は、認証情報に含まれている1以上の顔画像の特徴量と第2情報に含まれている来訪者の顔の特徴量とを比較し、来訪者の顔の特徴量と一致する特徴量が認証情報に含まれている場合、来訪者の認証に成功したと判定する。また、認証部314は、来訪者の顔の特徴量と一致する特徴量が認証情報に含まれていない場合、来訪者の認証に失敗したと判定する。この場合において、認証部314による認証処理を実行する前に、報知部112に第2報知処理を実行させることが好ましい。そして、制御部31は、認証部314の認証結果(第3情報)を含む通信信号を作成し、作成した通信信号を伝送処理部32から端末システム1に送信させる(出力ステップS116)。また、制御部31は、来訪者の認証に成功している場合には、玄関扉6に対して解錠信号を送信する(送信ステップS117)。そして、玄関扉6では、情報出力システム3からの解錠信号に従って電気錠61が解錠される(解錠ステップS118)。本実施形態では、出力ステップS116が、情報出力方法における出力ステップである。
【0066】
ここで、
図2では、入力ステップS111の後に撮像ステップS112を実行しているが、撮像ステップS112の後に入力ステップS111を実行してもよい。また、
図2では、出力ステップS116の後に送信ステップS117を実行しているが、送信ステップS117の後に出力ステップS116を実行してもよい。
【0067】
(4)効果
実施形態1に係る情報出力システム3及び端末システム1では、入力部15に入力された第1情報(特定情報)に対応付けられた認証情報を用いて第2情報の認証を行っている。これにより、すべての認証情報を用いて第2情報の認証を行う場合に比べて、セキュリティ性の向上を図ることが可能となる。また、実施形態1に係る情報出力システム3及び端末システム1では、入力部15に対して第2領域72を特定するための情報(特定情報)を入力するだけで、第2情報の認証を実行することができるので、利便性の低下を抑制することも可能となる。すなわち、実施形態1に係る情報出力システム3及び端末システム1によれば、セキュリティ性を維持しつつ利便性の低下を抑制することが可能となる。
【0068】
また、実施形態1に係る情報出力システム3及び端末システム1では、第1情報に対応付けられている認証情報と第2情報とを比較するだけでよいので、第2情報の認証に要する時間を短縮することが可能となる。
【0069】
また、実施形態1に係る端末システム1では、入力部15に特定情報(第1情報)が入力された場合に、報知部112が第1報知処理及び第2報知処理を実行している。これにより、撮像部13による撮像処理又は認証部314による認証処理が実行される前に、その旨を来訪者に知らせることが可能となる。
【0070】
(5)変形例
実施形態1は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態1は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。実施形態1に係る情報出力システム3と同様の機能は、情報出力方法、(コンピュータ)プログラム、又はプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。また、実施形態1に係る端末システム1と同様の機能は、端末システム1の制御方法、(コンピュータ)プログラム、又はプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。
【0071】
一態様に係る端末システム1の制御方法は、集合施設7の共用部分である第1領域71に設けられた端末システム1の制御方法である。端末システム1の制御方法は、入力ステップS111と、撮像ステップS112と、出力ステップS113と、を有する。入力ステップS111では、集合施設7の専有部分である第2領域72を特定するための特定情報(第1情報)の入力を受け付ける。撮像ステップS112では、来訪者を含む特定画像を撮像する。出力ステップS113では、特定画像に基づく認証に用いられる認証情報を出力する。端末システム1の制御方法では、入力ステップS111で特定情報の入力を受け付けた場合に、特定画像を撮像する撮像ステップS112、及び認証情報を出力する出力ステップS113の少なくとも一方が実行される。このような端末システム1の制御方法によれば、セキュリティ性を維持しつつ利便性の低下を抑制することが可能となる。
【0072】
また、一態様に係る端末システム1の制御方法は、集合施設7の共用部分である第1領域71に設けられた端末システム1の制御方法である。端末システム1の制御方法は、入力ステップS111と、撮像ステップS112と、報知ステップと、を有する。入力ステップS111では、集合施設7の専有部分である第2領域72を特定するための特定情報(第1情報)の入力を受け付ける。撮像ステップS112では、来訪者を含む特定画像を撮像する。報知ステップでは、入力ステップS111で特定情報の入力を受け付けた場合に、撮像ステップS112で特定画像を撮像する旨、及び、特定画像に基づいて来訪者の認証を行う旨の少なくとも一方を報知する。このような端末システム1の制御方法によれば、セキュリティ性を維持しつつ利便性の低下を抑制することが可能となる。
【0073】
また、一態様に係るプログラムは、上記端末システム1の制御方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。このようなプログラムによれば、セキュリティ性を維持しつつ利便性の低下を抑制することが可能となる。
【0074】
以下、実施形態1の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0075】
本開示における端末システム1、インターホン親機2及び情報出力システム3(認証システム9)は、例えば、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における端末システム1、インターホン親機2又は情報出力システム3(認証システム9)としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
【0076】
また、端末システム1、インターホン親機2又は情報出力システム3(認証システム9)における複数の機能が、1つの筐体内に集約されていることは必須の構成ではない。端末システム1、インターホン親機2又は情報出力システム3(認証システム9)の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。さらに、端末システム1、インターホン親機2又は情報出力システム3(認証システム9)の少なくとも一部の機能は、クラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
【0077】
反対に、実施形態1において、複数の装置に分散されている端末システム1、インターホン親機2又は情報出力システム3(認証システム9)の少なくとも一部の機能が、1つの筐体内に集約されていてもよい。例えば、端末システム1と情報出力システム3(認証システム9)とに分散されている一部の機能が、端末システム1に集約されてもよい。
【0078】
実施形態1では、入力部15に第1情報が入力されたことをもって第1取得部311が第1情報を取得しているが、例えば、入力部15に第1情報が入力された後に入力部15に特定入力が入力されたことをもって第1取得部311が第1情報を取得してもよい。特定入力は、入力部15に入力された第1情報を確定するための入力である。この場合において、特定入力は、第2領域72に存在する人を呼び出すための入力とは異なることが好ましい。すなわち、入力部15の操作部151は、上述したように、第2領域72に存在する人を呼び出すための呼出ボタンに加えて、第1情報の入力を確定するための確定ボタンを有していることが好ましい。この場合、入力部15に第1情報が入力された後に確定ボタンが押されることをもって、入力部15に入力された第1情報が端末システム1から情報出力システム3に送信されて、第1取得部311が第1情報を取得する。この構成によれば、第2領域72としての住戸の呼び出しを行うことなく、第1取得部311に第1情報を取得させることが可能となる。
【0079】
また、入力部15に第1情報が入力された後に入力部15に特定入力が入力された場合において、第1取得部311が第1情報を取得する代わりに、認証部314が認証を実行し、出力部313が認証部314の認証結果を含む第3情報を出力してもよい。この場合、第1取得部311は、入力部15に第1情報が入力されてから特定入力が入力されるまでの間に第1情報を取得することになる。この構成によれば、第2領域72としての住戸の呼び出しを行うことなく、認証部314に認証を実行させることが可能となる。
【0080】
実施形態1では、報知部112が第1報知処理を実行した後に撮像部13が撮像処理を実行し、かつ、報知部112が第2報知処理を実行した後に認証部314が認証処理を実行している。これに対して、報知部112が第1報知処理を実行することなく撮像部13が撮像処理を実行してもよいし、報知部112が第2報知処理を実行することなく認証部314が認証処理を実行してもよい。すなわち、端末システム1において、入力部15が特定情報の入力を受け付けた場合に、撮像部13が特定画像を撮像する撮像処理、及び出力部111が認証情報を出力する出力処理の少なくとも一方を実行してもよい。この場合、報知部112を省略することが可能となる。
【0081】
実施形態1では、端末システム1が撮像部13を備えており、撮像部13で撮像した画像を来訪者の認証に用いているが、来訪者の認証に用いられる画像は外部から端末システム1に入力されるように構成されていてもよい。この場合、撮像部13を省略することが可能となる。
【0082】
実施形態1では、情報出力システム3が認証部314を備えており、情報出力システム3が認証システム9を構成しているが、例えば、端末システム1が認証部を備えており、端末システム1が認証システム9を構成していてもよい。すなわち、認証システム9は、上述の端末システム1と、撮像部13で撮像された特定画像に基づいて来訪者の認証を実行する認証部と、を備えていてもよい。この場合においても、セキュリティ性を維持しつつ利便性の低下を抑制することが可能となる。
【0083】
実施形態1では、認証情報は顔画像から抽出された特徴量であるが、認証情報は特徴量に限定されず、顔画像であってもよい。
【0084】
実施形態1では、呼出ボタン及び確定ボタンが複数の押ボタンスイッチに含まれているが、呼出ボタン及び確定ボタンの少なくとも一方は、タッチパネルに含まれていてもよい。
【0085】
実施形態1では、集合施設7の第3領域73に設置されている制御装置が情報出力システム3として機能しているが、例えば、情報出力システム3の第1取得部311、第2取得部312及び出力部313の少なくとも1つは、ロビーインターホンとして機能する端末システム1に設けられていてもよい。さらに、情報出力システム3の第1取得部311、第2取得部312及び出力部313の少なくとも1つは、インターホン親機2に設けられていてもよい。すなわち、情報出力システムは、制御装置とロビーインターホンとインターホン親機2とで構成されていてもよい。
【0086】
(実施形態2)
実施形態2に係る端末システム1では、
図3に示すように、入力部15が、操作部151に加えて、無線通信部152を含む点で、実施形態1に係る端末システム1と相違する。以下、実施形態1と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
【0087】
(1)構成
実施形態2に係る端末システム1は、
図3に示すように、制御部11と、表示部12と、撮像部13と、通話部14と、入力部15と、通信部16と、記憶部17と、を備える。
【0088】
入力部15は、操作部151と、無線通信部152と、を含む。操作部151は、上述したように、例えば、複数の押ボタンスイッチ、及びタッチパネル等を有する入力インタフェースである。
【0089】
無線通信部152は、情報端末8と通信するように構成されている。無線通信部152は、無線信号を用いて情報端末8と通信する。情報端末8は、例えば、来訪者が所持するスマートフォンである。来訪者は、集合施設7の第1領域71において、情報端末8に第1情報を入力する。第1情報は、上述したように、集合施設7の専有部分である第2領域72を特定するための情報であって、例えば、いずれかの住戸の部屋番号である。そして、来訪者が情報端末8に対して所定の操作(送信操作)を行うと、情報端末8に入力された第1情報が無線通信部152を介して入力部15に入力(送信)される。すなわち、第1情報は、来訪者が所持する情報端末8から無線通信部152が受信した情報を含む。
【0090】
記憶部17は、上述したように、例えば、フラッシュメモリのような読み書き可能なメモリで構成されている。記憶部17は、例えば、撮像部13で撮像された映像(画像)の映像データを記憶する。また、記憶部17は、上述の認証情報(顔画像の特徴量)と第1情報とを対応付けて記憶する。また、記憶部17は、情報端末8から送信された第1情報を、第1情報を受け付けた時刻と共に記憶する。なお、記憶部17は、制御部11の内蔵メモリであってもよい。
【0091】
(2)動作
次に、端末システム1及び情報出力システム3の動作について、
図4を参照して説明する。
【0092】
集合施設7を訪れた来訪者が端末システム1の前方に来ると、制御部11は、来訪者を含む特定画像を撮像部13に撮像させる(撮像ステップS211)。来訪者は、端末システム1の前方に位置している状態で、情報端末8に第1情報を入力する。その後、来訪者が情報端末8に対して所定の操作を行うと、情報端末8に入力された第1情報が無線通信部152を介して入力部15に入力される(入力ステップS212)。
【0093】
端末システム1では、制御部11は、入力部15に入力された第1情報を、第1情報を受け付けた時刻と共に記憶部17に記憶させる(記憶ステップS213)。そして、制御部11は、撮像部13が特定画像を撮像してからの第1期間内に入力部15に第1情報が入力された場合(判定ステップS214)、入力部15に入力された第1情報に基づいて、当該第1情報に対応付けられた認証情報を記憶部17から読み出す。また、制御部11は、撮像部13が撮像した特定画像から来訪者の顔の特徴量を含む第2情報を作成する。そして、制御部11は、第1情報、第2情報及び認証情報を含む通信信号を作成し、作成した通信信号を通信部16から情報出力システム3に送信させる(出力ステップS215)。
【0094】
情報出力システム3では、制御部31は、端末システム1からの通信信号に含まれている第1情報、第2情報及び認証情報を取得する(取得ステップS216)。より詳細には、第1取得部311が第1情報及び認証情報を取得し、第2取得部312が第2情報を取得する。なお、認証情報については、第2取得部312が取得してもよい。本実施形態では、取得ステップS216が、情報出力方法における第1取得ステップ及び第2取得ステップである。
【0095】
次に、情報出力システム3では、制御部31の認証部314が、認証情報と第2情報とを用いて来訪者の認証を実行する(認証ステップS217)。より詳細には、認証部314は、認証情報に含まれている1以上の顔画像の特徴量と第2情報に含まれている来訪者の顔の特徴量とを比較し、来訪者の顔の特徴量と一致する特徴量が認証情報に含まれている場合、来訪者の認証に成功したと判定する。また、認証部314は、来訪者の顔の特徴量と一致する特徴量が認証情報に含まれていない場合、来訪者の認証に失敗したと判定する。そして、制御部31は、認証部314の認証結果(第3情報)を含む通信信号を作成し、作成した通信信号を伝送処理部32から端末システム1に送信させる(出力ステップS218)。また、制御部31は、来訪者の認証に成功している場合には、玄関扉6に対して解錠信号を送信する(送信ステップS219)。そして、玄関扉6では、情報出力システム3からの解錠信号に従って電気錠61が解錠される(解錠ステップS220)。本実施形態では、出力ステップS218が、情報出力方法における出力ステップである。
【0096】
ここで、
図4では、撮像ステップS211の後に入力ステップS212を実行しているが、入力ステップS212の後に撮像ステップS211を実行してもよい。この場合、入力部15に第1情報が入力されてから所定時間内に撮像部13が特定画像を撮像した場合に、認証部314が認証処理を実行するように構成されていることが好ましい。また、この場合において、第1取得部311が第1情報を取得してから所定時間内に撮像部13が特定画像を撮像した場合に、認証部314が認証処理を実行するように構成されていてもよい。また、
図4では、出力ステップS218の後に送信ステップS219を実行しているが、送信ステップS219の後に出力ステップS218を実行してもよい。
【0097】
実施形態2に係る情報出力システム3及び端末システム1では、入力部15に入力された第1情報(特定情報)に対応付けられた認証情報を用いて第2情報の認証を行っている。これにより、すべての認証情報を用いて第2情報の認証を行う場合に比べて、セキュリティ性の向上を図ることが可能となる。また、実施形態2に係る情報出力システム3及び端末システム1では、入力部15に対して第2領域72を特定するための情報(特定情報)を入力するだけで、第2情報の認証を実行することができるので、利便性の低下を抑制することも可能となる。すなわち、実施形態2に係る情報出力システム3及び端末システム1によれば、セキュリティ性を維持しつつ利便性の低下を抑制することが可能となる。
【0098】
また、実施形態2に係る情報出力システム3では、撮像部13が特定画像を撮像してから第1期間内において入力部15に第1情報が入力された場合にのみ、来訪者の認証を実行することが可能となる。一方、撮像部13が特定画像を撮像してから第1期間内において入力部15に第1情報が入力されない場合には、例えば、報知部112がその旨(例えば、「第1情報の入力が確認できません」、「認証できません」等)を報知するように構成されていればよい。
【0099】
実施形態2では、情報端末8がスマートフォンである場合を例に説明したが、情報端末8はスマートフォンに限定されず、例えば、タブレット端末であってもよいし、PDA(Personal Digital Assistant)であってもよい。
【0100】
実施形態2では、撮像部13が特定画像を撮像してから第1期間内に入力部15に第1情報が入力された場合に、来訪者の認証を実行しているが、例えば、撮像部13が特定画像を撮像してから第2期間内に第1取得部311が第1情報を取得した場合に、来訪者の認証を実行してもよい。すなわち、情報出力システム3では、第1期間内に入力部15に第1情報が入力された場合、又は第2期間内に第1取得部311が第1情報を取得した場合に、認証情報に対する第2情報の認証が実行され、出力部313が第3情報を出力する。第1期間は、撮像部13が特定画像を撮像してから入力部15に第1情報が入力されるまでの期間である。第2期間は、撮像部13が特定画像を撮像してから第1取得部311が第1情報を取得するまでの期間である。
【0101】
実施形態2で説明した種々の構成(変形例を含む)は、実施形態1で説明した種々の構成(変形例を含む)と適宜組み合わせて採用可能である。
【0102】
(実施形態3)
実施形態3に係る端末システム1は、
図5に示すように、検知部18を備える点で、実施形態2に係る端末システム1と相違する。以下、実施形態2と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
【0103】
(1)構成
実施形態3に係る端末システム1は、
図5に示すように、制御部11と、表示部12と、撮像部13と、通話部14と、入力部15と、通信部16と、記憶部17と、検知部18と、を備える。
【0104】
検知部18は、情報端末8を検知するように構成されている。検知部18は、例えば、一定時間ごとにビーコン信号を発信し、このビーコン信号に対する情報端末8からの応答信号の電波強度に基づいて情報端末8を検知する。より詳細には、検知部18は、ビーコン信号に対する情報端末8からの応答信号の電波強度が所定の閾値以上である場合に、情報端末8が所定範囲内に入っていることを検知する。
【0105】
(2)動作
次に、端末システム1及び情報出力システム3の動作について、
図6を参照して説明する。
【0106】
集合施設7を訪れた来訪者が端末システム1の前方に来ると、制御部11は、来訪者を含む特定画像を撮像部13に撮像させる(撮像ステップS311)。来訪者は、端末システム1の前方に位置している状態で、情報端末8に第1情報を入力する。その後、来訪者が情報端末8に対して所定の操作を行うと、情報端末8に入力された第1情報が無線通信部152を介して入力部15に入力される(入力ステップS312)。
【0107】
端末システム1では、制御部11は、入力部15に入力された第1情報を、第1情報を送信してきた情報端末8の端末情報(例えば、アドレス情報)、及び第1情報を受け付けた時刻と共に記憶部17に記憶させる(記憶ステップS313)。次に、制御部11は、撮像部13が特定画像を撮像してから第1期間内に入力部15に第1情報が入力された場合(第1判定ステップS314)、検知部18により検知された情報端末8と第1情報を送信してきた情報端末8とが一致するか否かを判定する(第2判定ステップS315)。そして、制御部11は、検知部18により検知された情報端末8と第1情報を送信してきた情報端末8とが一致する場合、入力部15に入力された第1情報に基づいて、当該第1情報に対応付けられた認証情報を記憶部17から読み出す。また、制御部11は、撮像部13が撮像した特定画像から来訪者の顔の特徴量を含む第2情報を作成する。そして、制御部11は、第1情報、第2情報及び認証情報を含む通信信号を作成し、作成した通信信号を通信部16から情報出力システム3に送信させる(出力ステップS316)。
【0108】
情報出力システム3では、制御部31は、端末システム1からの通信信号に含まれている第1情報、第2情報及び認証情報を取得する(取得ステップS317)。より詳細には、第1取得部311が第1情報及び認証情報を取得し、第2取得部312が第2情報を取得する。なお、認証情報については、第2取得部312が取得してもよい。本実施形態では、取得ステップS317が、情報出力方法における第1取得ステップ及び第2取得ステップである。
【0109】
次に、情報出力システム3では、制御部31の認証部314が、認証情報と第2情報とを用いて来訪者の認証を実行する(認証ステップS318)。より詳細には、認証部314は、認証情報に含まれている1以上の顔画像の特徴量と第2情報に含まれている来訪者の顔の特徴量とを比較し、来訪者の顔の特徴量と一致する特徴量が認証情報に含まれている場合、来訪者の認証に成功したと判定する。また、認証部314は、来訪者の顔の特徴量と一致する特徴量が認証情報に含まれていない場合、来訪者の認証に失敗したと判定する。そして、制御部31は、認証部314の認証結果(第3情報)を含む通信信号を作成し、作成した通信信号を伝送処理部32から端末システム1に送信させる(出力ステップS319)。また、制御部31は、来訪者の認証に成功している場合には、玄関扉6に対して解錠信号を送信する(送信ステップS320)。そして、玄関扉6では、情報出力システム3からの解錠信号に従って電気錠61が解錠される(解錠ステップS321)。本実施形態では、出力ステップS319が、情報出力方法における出力ステップである。
【0110】
ここで、
図6では、撮像ステップS311の後に入力ステップS312を実行しているが、入力ステップS312の後に撮像ステップS311を実行してもよい。この場合、入力部15に第1情報が入力されてから所定時間内に撮像部13が特定画像を撮像した場合に、認証部314が認証処理を実行するように構成されていることが好ましい。また、この場合において、第1取得部311が第1情報を取得してから所定時間内に撮像部13が特定画像を撮像した場合に、認証部314が認証処理を実行するように構成されていてもよい。また、
図6では、出力ステップS319の後に送信ステップS320を実行しているが、送信ステップS320の後に出力ステップS319を実行してもよい。
【0111】
実施形態3に係る情報出力システム3及び端末システム1では、入力部15に入力された第1情報(特定情報)に対応付けられた認証情報を用いて第2情報の認証を行っている。これにより、すべての認証情報を用いて第2情報の認証を行う場合に比べて、セキュリティ性の向上を図ることが可能となる。また、実施形態3に係る情報出力システム3及び端末システム1では、入力部15に対して第2領域72を特定するための情報(特定情報)を入力するだけで、第2情報の認証を実行することができるので、利便性の低下を抑制することも可能となる。すなわち、実施形態3に係る情報出力システム3及び端末システム1によれば、セキュリティ性を維持しつつ利便性の低下を抑制することが可能となる。
【0112】
また、実施形態3に係る情報出力システム3では、検知部18により検知された情報端末8と第1情報を送信してきた情報端末8とが一致する場合にのみ、来訪者の認証を実行することが可能となる。一方、検知部18により検知された情報端末8と第1情報を送信してきた情報端末8とが一致しない場合には、例えば、報知部112がその旨(例えば、「情報端末が一致しません」、「認証できません」等)を報知するように構成されていればよい。
【0113】
実施形態3で説明した種々の構成(変形例を含む)は、実施形態1、2で説明した種々の構成(変形例を含む)と適宜組み合わせて採用可能である。
【0114】
(態様)
本明細書には、以下の態様が開示されている。
【0115】
第1の態様に係る情報出力システム(3)は、第1取得部(311)と、第2取得部(312)と、出力部(313)と、を備える。第1取得部(311)は、集合施設(7)の共用部分である第1領域(71)に設けられた入力部(15)に入力された第1情報を取得する。第2取得部(312)は、第1領域(71)の少なくとも一部を撮像範囲に含む撮像部(13)により撮像された画像に関する第2情報を取得する。出力部(313)は、第1情報に対応付けられた認証情報に対する第2情報の認証結果に基づく第3情報を出力する。第1情報は、集合施設(7)の専有部分である第2領域(72)を特定するための情報を含む。第2情報は、集合施設(7)への来訪者の画像情報を含む。
【0116】
この態様によれば、セキュリティ性を維持しつつ利便性の低下を抑制することが可能となる。
【0117】
第2の態様に係る情報出力システム(3)では、第1の態様において、入力部(15)は、来訪者の操作を受け付ける操作部(151)を含む。第1情報は、操作部(151)に対する来訪者の操作により入力された情報を含む。
【0118】
この態様によれば、来訪者が操作部(151)に対して所定の操作を行うだけで来訪者の認証を実行することが可能となる。
【0119】
第3の態様に係る情報出力システム(3)では、第1又は第2の態様において、入力部(15)は、無線通信部(152)を含む。第1情報は、来訪者が所持する情報端末(8)から無線通信部(152)が受信した情報を含む。
【0120】
この態様によれば、無線通信部(152)が情報端末(8)からの情報を受信することで来訪者の認証を実行することが可能となる。
【0121】
第4の態様に係る情報出力システム(3)では、第1~第3の態様のいずれか1つにおいて、第1期間内に入力部(15)に第1情報が入力された場合、又は第2期間内に第1取得部(311)が第1情報を取得した場合に、認証情報に対する第2情報の認証が実行され、出力部(313)が第3情報を出力する。第1期間は、撮像部(13)が上記画像を撮像してから入力部(15)に第1情報が入力されるまでの期間である。第2期間は、撮像部(13)が上記画像を撮像してから第1取得部(311)が第1情報を取得するまでの期間である。
【0122】
この態様によれば、第1期間内に入力部(15)に第1情報が入力された場合、又は第2期間内に第1取得部(311)が第1情報を取得した場合にのみ、来訪者の認証を実行することが可能となる。
【0123】
第5の態様に係る情報出力システム(3)では、第1~第4の態様のいずれか1つにおいて、入力部(15)に第1情報が入力された後に、第1情報を確定するための特定入力が入力部(15)に入力された場合に、第1取得部(311)が第1情報を取得する。または、入力部(15)に第1情報が入力された後に、第1情報を確定するための特定入力が入力部(15)に入力された場合に、認証情報に対する第2情報の認証が実行され、出力部(313)が第3情報を出力する。
【0124】
この態様によれば、入力部(15)に特定入力が入力されたことをもって、第1取得部(311)が第1情報を取得したり、出力部(313)が第3情報を出力したりすることが可能となる。
【0125】
第6の態様に係る情報出力システム(3)では、第5の態様において、特定入力は、第2領域(72)に存在する人を呼び出すための入力とは異なる。
【0126】
この態様によれば、第2領域(72)に存在する人を呼び出すことなく、来訪者の認証を実行することが可能となる。
【0127】
第7の態様に係る認証システム(9)は、第1~第6の態様のいずれか1つの情報出力システム(3)と、認証部(314)と、を備える。認証部(314)は、認証情報に対する第2情報の認証を実行する。
【0128】
この態様によれば、セキュリティ性を維持しつつ利便性の低下を抑制することが可能となる。
【0129】
第8の態様に係る端末システム(1)は、集合施設(7)の共用部分である第1領域(71)に設けられている端末システム(1)である。端末システム(1)は、入力部(15)と、撮像部(13)と、出力部(111)と、を備える。入力部(15)は、集合施設(7)の専有部分である第2領域(72)を特定するための特定情報の入力を受け付ける。撮像部(13)は、来訪者を含む特定画像を撮像する。出力部(111)は、特定画像に基づいて来訪者を認証するための認証情報を出力する。端末システム(1)では、入力部(15)が特定情報の入力を受け付けた場合に、撮像部(13)が特定画像を撮像する撮像処理、及び出力部(111)が認証情報を出力する出力処理の少なくとも一方が実行される。
【0130】
この態様によれば、セキュリティ性を維持しつつ利便性の低下を抑制することが可能となる。
【0131】
第9の態様に係る端末システム(1)は、集合施設(7)の共用部分である第1領域(71)に設けられている端末システム(1)である。端末システム(1)は、入力部(15)と、撮像部(13)と、報知部(112)と、を備える。入力部(15)は、集合施設(7)の専有部分である第2領域(72)を特定するための特定情報の入力を受け付ける。撮像部(13)は、来訪者を含む特定画像を撮像する。報知部(112)は、入力部(15)が特定情報の入力を受け付けた場合に、撮像部(13)が特定画像を撮像する旨、及び特定画像に基づいて来訪者の認証を行う旨の少なくとも一方を報知する。
【0132】
この態様によれば、セキュリティ性を維持しつつ利便性の低下を抑制することが可能となる。
【0133】
第10の態様に係る認証システム(9)は、第8又は第9の態様の端末システム(1)と、認証部(314)と、を備える。認証部(314)は、特定画像に基づいて来訪者の認証を行う。
【0134】
この態様によれば、セキュリティ性を維持しつつ利便性の低下を抑制することが可能となる。
【0135】
第11の態様に係る情報出力方法は、第1取得ステップ(S114,S216,S317)と、第2取得ステップ(S114,S216,S317)と、出力ステップ(S116,S218,S319)と、を有する。第1取得ステップ(S114,S216,S317)では、集合施設(7)の共用部分である第1領域(71)に設けられた入力部(15)に入力された第1情報を取得する。第2取得ステップ(S114,S216,S317)では、第1領域(71)の少なくとも一部を撮像範囲に含む撮像部(13)により撮像された画像に関する第2情報を取得する。出力ステップ(S116,S218,S319)では、第1情報に対応付けられた認証情報に対する第2情報の認証結果に基づく第3情報を出力する。第1情報は、集合施設(7)の専有部分である第2領域(72)を特定するための情報を含む。第2情報は、集合施設(7)への来訪者の画像情報を含む。
【0136】
この態様によれば、セキュリティ性を維持しつつ利便性の低下を抑制することが可能となる。
【0137】
第12の態様に係るプログラムは、第11の態様の情報出力方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
【0138】
この態様によれば、セキュリティ性を維持しつつ利便性の低下を抑制することが可能となる。
【0139】
第2~第6の態様に係る構成については、情報出力システム(3)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0140】
1 端末システム
3 情報出力システム
7 集合施設
8 情報端末
9 認証システム
13 撮像部
15 入力部
71 第1領域
72 第2領域
111 出力部
112 報知部
151 操作部
152 無線通信部
311 第1取得部
312 第2取得部
313 出力部
314 認証部
S114,S216,S317 取得ステップ(第1取得ステップ、第2取得ステップ)
S116,S218,S319 出力ステップ