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特開2023-20045保持部材、取付部品、通信端末及び位置推定システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023020045
(43)【公開日】2023-02-09
(54)【発明の名称】保持部材、取付部品、通信端末及び位置推定システム
(51)【国際特許分類】
   H05K 5/02 20060101AFI20230202BHJP
   H04B 1/034 20060101ALI20230202BHJP
   G01S 5/02 20100101ALI20230202BHJP
【FI】
H05K5/02 D
H04B1/034 Z
G01S5/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021125193
(22)【出願日】2021-07-30
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹内 勝俊
(72)【発明者】
【氏名】中野 賢寛
(72)【発明者】
【氏名】水町 俊朗
(72)【発明者】
【氏名】今西 宏行
(72)【発明者】
【氏名】桶 隆太郎
(72)【発明者】
【氏名】高橋 英夫
(72)【発明者】
【氏名】酒井 祐二郎
【テーマコード(参考)】
4E360
5J062
5K060
【Fターム(参考)】
4E360AB02
4E360AB12
4E360AD06
4E360AD13
4E360BB22
4E360CA02
4E360EA12
4E360EA23
4E360EA24
4E360ED04
4E360ED30
4E360FA04
4E360FA12
4E360GB26
4E360GB99
4E360GC08
5J062BB05
5J062CC15
5K060AA03
(57)【要約】
【課題】取付対象に取り付けやすい保持部材を提供する。
【解決手段】保持部材1は、本体部2と、取付部6と、を備える。本体部2は、通信装置を保持する。取付部6は、本体部2に接続され、本体部2との間に紐状又は帯状の部材である取付対象を通すことが可能な空隙Sp0を形成する。取付部6は、本体部2に対して回転可能に接続されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信装置を保持する本体部と、
前記本体部に接続され、前記本体部との間に紐状又は帯状の部材である取付対象を通すことが可能な空隙を形成する取付部と、
を備え、
前記取付部は、前記本体部に対して回転可能に接続されている、
保持部材。
【請求項2】
前記本体部は、一対の主面と、前記一対の主面の間に設けられている側面部と、を有する板状の筐体であり、
前記取付部は、前記一対の主面の一方と平行な回転軸を中心として前記本体部に対して回転可能に接続されており、
前記回転軸は、前記一対の主面の前記一方を見る平面視において、前記空隙を通った状態の前記取付対象と交差する、
請求項1に記載の保持部材。
【請求項3】
前記取付部は、少なくとも第1位置から第2位置まで回転可能であり、前記第1位置において前記本体部における前記側面部との間に前記空隙を形成し、前記第2位置において前記本体部における前記一対の主面の前記一方との間に前記空隙を形成する、
請求項2に記載の保持部材。
【請求項4】
前記空隙は、前記取付部と前記本体部との間に紐状の部材を通すための紐用空隙と、前記取付部と前記本体部との間に帯状の部材を通すための帯用空隙と、を含んでいる、
請求項1から3のいずれか1項に記載の保持部材。
【請求項5】
前記紐用空隙の少なくとも一部と、前記帯用空隙の少なくとも一部と、は共通である、
請求項4に記載の保持部材。
【請求項6】
前記取付部は、弾性を有している、
請求項1から5のいずれか1項に記載の保持部材。
【請求項7】
前記取付部は、前記本体部に対して着脱可能である、
請求項1から6のいずれか1項に記載の保持部材。
【請求項8】
前記本体部は、
一対の主面と、前記一対の主面の間に設けられている側面部と、を有する板状の筐体であり、
前記一対の主面を挟むように前記側面部に形成されている一対の第1接続部を有し、
前記取付部は、前記一対の第1接続部と接続される一対の第2接続部を有しており、
前記一対の第1接続部と前記一対の第2接続部とが接続されることにより、前記取付部が前記本体部に対して回転可能に接続されている、
請求項1から7のいずれか1項に記載の保持部材。
【請求項9】
前記取付部は第1取付部であり、
前記第1取付部とは別の第2取付部を更に備え、
前記第1取付部は、前記本体部との間の前記空隙である第1空隙を形成し、
前記第2取付部は、前記本体部に接続され、前記本体部との間に前記取付対象を通すことが可能な第2空隙を形成している、
請求項1から8のいずれか1項に記載の保持部材。
【請求項10】
前記第2取付部は、前記本体部に対して回転可能に接続されている、
請求項9に記載の保持部材。
【請求項11】
前記本体部は、一対の主面と、前記一対の主面の間に設けられている側面部と、を有する板状の筐体であり、
前記第1取付部及び前記第2取付部は、前記取付対象が前記第1空隙及び前記第2空隙に通されたときに前記第1空隙と前記第2空隙との間において前記取付対象が前記一対の主面の一方と対向するように、配置されている、
請求項9又は10に記載の保持部材。
【請求項12】
前記通信装置は、通信回路と前記通信回路が実装された基板とを有し、
前記本体部は、第1本体部と第2本体部とを有しており、
前記第1本体部は、前記基板を囲うリブを有しており、
前記第1本体部のリブが前記第2本体部に対して溶着されることにより、前記第1本体部と前記第2本体部とで前記基板を収容している、
請求項1から11のいずれか1項に記載の保持部材。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか1項に記載の保持部材における前記取付部として用いられる、
取付部品。
【請求項14】
請求項1から12のいずれか1項に記載の保持部材と、
前記通信装置と、
を備える、
通信端末。
【請求項15】
請求項14に記載の通信端末と、
前記通信端末との通信情報に基づいて前記通信端末の位置を推定する推定部と、
を備える位置推定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に保持部材、取付部品、通信端末及び位置推定システムに関し、より詳細には、本開示は、通信装置を保持する保持部材、取付部品、通信端末及び位置推定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数のビーコン端末と1以上のビーコン信号収集端末と管理サーバとから構成される監視対象物管理システムが記載されている。特許文献1に記載された監視対象物管理システムは、複数のビーコンを監視対象物に保持させ、ビーコン端末が発信するビーコン信号を1以上のビーコン信号収集端末で収集し、管理用サーバで監視対象物の存在状況を管理する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-56798号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたビーコン端末は、例えば、IDカードを首掛けする際に使用するネックストラップに取り付けて従業者に携帯させることが可能である。
【0005】
本開示は上記事由に鑑みてなされており、ネックストラップ及びベルト等のような紐状又は帯状の部材である取付対象に取り付けやすい保持部材、取付部品、通信端末及び位置推定システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る保持部材は、本体部と、取付部と、を備える。前記本体部は、通信装置を保持する。前記取付部は、前記本体部に接続され、前記本体部との間に紐状又は帯状の部材である取付対象を通すことが可能な空隙を形成する。前記取付部は、前記本体部に対して回転可能に接続されている。
【0007】
本開示の一態様に係る取付部品は、前記保持部材における前記取付部として用いられる。
【0008】
本開示の一態様に係る通信端末は、前記保持部材と、前記通信装置と、を備える。
【0009】
本開示の一態様に係る位置推定システムは、前記通信端末と、推定部と、を備える。前記推定部は、前記通信端末との通信情報に基づいて前記通信端末の位置を推定する。
【発明の効果】
【0010】
本開示の上記態様に係る保持部材、取付部品、通信端末及び位置推定システムによれば、保持部材を取付対象に取り付けやすい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、一実施形態に係る位置推定システムの概略図である。
図2図2は、同上に係る通信端末の斜視図である。
図3図3は、同上に係る通信端末を別角度から見た斜視図である。
図4図4は、同上に係る通信端末の分解斜視図である。
図5図5は、図2のA-A線における断面図である。
図6図6は、同上に係る保持部材の要部の断面図である。
図7図7は、同上に係る保持部材の要部の別角度の断面図である。
図8図8は、同上に係る保持部材の要部における別の状態の断面図である。
図9図9は、同上に係る保持部材の要部の正面図である。
図10図10は、変形例に係る保持部材の要部の正面図である。
図11図11は、別の変形例に係る保持部材の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態において互いに共通する要素には同一符号を付しており、共通する要素についての重複する説明は省略する。以下の実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。本開示において説明する各図は、模式的な図であり、各図中の各構成要素の大きさ及び厚さのそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
【0013】
(1)概要
まず、本実施形態に係る位置推定システム100の概要について、図1図2及び図5を参照しつつ説明する。
【0014】
本実施形態に係る位置推定システム100は、例えば施設等に設置されている1以上の受信器8と通信端末10との通信情報に基づいて、施設等における通信端末10の位置を測定(推定)する測位システム(LPS:Local Positioning System)である。
【0015】
図1に示すように、位置推定システム100は、通信端末10と、複数の受信器8と、サーバ9とを備えている。サーバ9は、推定部91を備えている。推定部91は、通信端末10と1以上の受信器8との通信情報に基づいて通信端末10の位置を推定する。
【0016】
通信端末10は、例えばビーコン信号を発信する発信器であり、例えば施設の従業者等に携帯される。通信端末10は、受信器8と通信を行うための通信装置5と、通信装置5を保持するための保持部材1(図2参照)とを備えている。
【0017】
図2に示すように、保持部材1は、通信装置5を保持する本体部2と、複数(図示例では、2つ)の取付部品7と、を備えている。複数の取付部品7は、第1取付部61と、第2取付部62と、を含んでいる。すなわち、取付部品7は、第1取付部61又は第2取付部62として、保持部材1に用いられる。
【0018】
本実施形態の第1取付部61及び第2取付部62は、構成が互いに共通である。以下の説明において、第1取付部61及び第2取付部62の各々を区別しないとき、第1取付部61及び第2取付部62の各々を「取付部6」ということがある。
【0019】
取付部6は、本体部2との間にネックストラップ及びベルト等のような紐状又は帯状の部材である取付対象T1(図5参照)を通すことが可能な空隙Sp0を形成している。取付部6は、回転軸Ax1を中心として、本体部2に対して回転可能に接続されている。なお、本開示でいう「紐状」は、「厚みに対する幅の比率が0.5倍を超え、かつ、厚みに対する幅の比率が1.5倍未満であるもの」を含み得る。なお、上述の「紐状」を定義する比率は一例であって、「紐状」を定義する比率は他の値であってもよい。例えば、「紐状」は、「厚みに対する幅の比率が0.6倍を超え、かつ、厚みに対する幅の比率が1.4倍未満であるもの」を含み得る。また、本開示でいう「帯状」は、「厚みに対する幅の比率が0.5倍未満のもの」及び「厚みに対する幅の比率が1.5倍を超えているもの」を含み得る。なお、上述の「帯状」を定義する比率は一例であって、「帯状」を定義する比率は他の値であってもよい。例えば、「帯状」は、「厚みに対する幅の比率が0.6倍未満のもの」及び「厚みに対する幅の比率が1.4倍を超えているもの」を含み得る。
【0020】
本実施形態の保持部材1によれば、取付部6が本体部2に対して回転可能であるため、例えば従業者は自身の社員証等を首からぶらさげるためのネックストラップ等を空隙Sp0に通しやすい。すなわち、本実施形態の保持部材1は、紐状又は帯状の部材に取り付けやすいという利点がある。
【0021】
(2)詳細な構成
以下、本実施形態に係る位置推定システム100の詳細な構成について、図1図9を参照して説明する。
【0022】
なお、以下では一例として、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸の3軸を設定し、特に、回転軸Ax1に沿った軸を「X軸」とし、後述する第1主面311及び第2主面411が対向する方向に沿った軸を「Y軸」とする。「Z軸」は、X軸及びY軸と直交する。さらに、第1主面311から見た第2主面411側を、Y軸の正の向きと規定する。後述する第1取付部61から見た後述する第2取付部62側を、Z軸の正の向きと規定する。ここで、Y軸の正の向きを「後方」とし、Y軸の負の向きを「前方」とする。Z軸の正の向きを「上方」とし、Z軸の負の向きを「下方」とする。X軸は「右方」及び「左方」に沿っている。X軸、Y軸、及びZ軸は、いずれも仮想的な軸であり、図面中の「X」、「Y」、「Z」を示す矢印は、説明のために表記しているに過ぎず、いずれも実体を伴わない。また、これらの方向は通信端末10の使用時の方向を限定する趣旨ではない。
【0023】
(2.1)位置推定システムの構成
図1に示すように、本実施形態に係る位置推定システム100は、通信端末10と、複数の受信器8と、サーバ9とを備えている。なお、以下の説明において、複数の受信器8の各々のことを「受信器8」ということがある。
【0024】
複数の受信器8は、上述のように例えば施設等に設置されている。本開示でいう「施設」は、例えば、オフィスビル、工場、複合商業施設、美術館、博物館、遊戯施設、テーマパーク、空港、鉄道駅、ドーム球場、ホテル、住宅等であって、敷地とその敷地に建てられた建物とを含む。その他、「施設」は、例えば、船舶、鉄道車両等の移動体であってもよい。本開示では、施設がオフィスビルであり、オフィスビルで働く従業者が通信端末10を携帯している場合を想定する。
【0025】
受信器8は、通信端末10から発信されるビーコン信号を受信する。ビーコン信号は、通信端末10から定期的に発信される無線信号である。ビーコン信号には、例えば通信端末10の識別子(Identification)等、通信端末10に固有の情報である固有情報の一部が含まれている。
【0026】
また、受信器8は、例えば施設内の通信ネットワークNT1等を介して、サーバ9と通信を行うことが可能である。受信器8は、通信端末10からビーコン信号を受信すると、通信端末10との通信情報をサーバ9に送信する。通信情報は、ビーコン信号に含まれている固有情報と、ビーコン信号の受信信号強度(RSSI:Received Signal Strength Indication)に関する情報とを含んでいる。
【0027】
サーバ9は、通信ネットワークNT1を介して複数の受信器8と通信を行うことが可能である。サーバ9は、推定部91を備えている。
【0028】
推定部91は、複数の受信器8から受信した通信情報に基づいて、通信端末10の位置を推定(測定)する。推定部91が通信端末10の位置を推定することが可能であるため、従業者の使用者等は、通信端末10を携帯する従業者の位置を把握することができる。
【0029】
(2.2)通信端末の構成
次に、本実施形態に係る通信端末10の詳細な構成について、図1図9を参照して説明する。
【0030】
通信端末10は、例えば施設で働く従業者、施設を利用する利用者等によって携帯される携帯端末である。上述のように、本実施形態では、通信端末10が施設で働く従業者によって携帯される場合を想定する。
【0031】
図4に示すように、通信端末10は、通信装置5と、通信装置5を保持するための保持部材1とを備えている。
【0032】
(2.3)通信装置の構成
通信装置5は、所定の通信方式でビーコン信号を送信する。所定の通信方式は、例えば、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)の通信方式である。なお、所定の通信方式はBLEに限定されず、所定の通信方式はWiFi(登録商標)等の通信方式でもよい。通信装置5は、所定の時間間隔及び所定の送信電力でビーコン信号を送信する。上述のように、通信装置5が送信するビーコン信号は、通信端末10に固有の固有情報の一部を含んでいる。
【0033】
図4に示すように、通信装置5は、基板51と、通信回路52と、LED(Light Emitting Diode)53と、押ボタン54と、バッテリー55と、USB(Universal Serial Bus)端子56と、スイッチ素子57(図5参照)と、防水シート58と、を有している。
【0034】
基板51は、矩形状の平板であり、Y軸に沿った厚みを有している。基板51の前面には、通信回路52と、LED53と、スイッチ素子57と、が実装されている。また、基板51の後面には、バッテリー55と、USB端子56とが実装されている。
【0035】
通信回路52は、ビーコン信号を送信するための回路である。LED53は、通信装置5の電源がオン状態のときに発光する。なお、LED53は、通信装置5の電源がオフ状態のときには発光しない。スイッチ素子57は、押ボタン54が操作されることにより、通信装置5のオン/オフ状態を切り替える。押ボタン54は、スイッチ素子57の前方に配置されている。押ボタン54は、従業者等によって操作されることにより、スイッチ素子57の状態を切り替える。
【0036】
USB端子56は、バッテリー55を充電するための充電ケーブル及びUSBプラグ等が接続可能なメス側のコネクタである。バッテリー55は、通信回路52及びLED53等を動作させるための電源である。防水シート58は、通信回路52及びスイッチ素子57の前方において、保持部材1の後述する第1本体部3に密着するように配置されている。防水シート58は、第1本体部3の後述する孔34,35から通信端末10の内部に水及び埃等が入ることを抑制する。
【0037】
(2.4)保持部材の構成
保持部材1は、本体部2と、第1取付部61と、第2取付部62とを備えている。
【0038】
(2.5)本体部の構成
本体部2は、通信装置5を保持する。本体部2は、後述する第1主面311及び第2主面411(一対の主面)と、第1主面311及び第2主面411の間に設けられている側面部と、を有している。本体部2は、板状(直方体状)の筐体である。本体部2は、第1本体部3と、第2本体部4とを有している。
【0039】
(2.6)第1本体部の構成
第1本体部3は、後面が開放である矩形状の箱である。第1本体部3は、ポリカーボネート及びABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)等の合成樹脂材料で形成されている。図4に示すように、第1本体部3は、基部31と、一対の第1側面部32と、一対の第2側面部33と、リブ36とを有している。
【0040】
基部31は、矩形状の平板である。基部31には、孔34及び孔35が形成されている。孔34は、円形状の孔であり、通信装置5のLED53を本体部2の外側に露出させるための孔である。孔35は、矩形状の孔であり、通信装置5の押ボタン54を本体部2の外側に露出させるための孔である。基部31の表面(Y軸と直交する面であって第2本体部4の後述する基部41と対向しない側の面)は、第1主面311である。第1主面311は、本体部2が有する一対の主面に含まれる。第1主面311の縁は、X軸に沿った一対の横辺と、Z軸に沿った一対の縦辺とで形成されている。言い換えると、一対の横辺は上下における第1主面311の端部であり、一対の縦辺は左右における第1主面311の端部である。
【0041】
一対の第1側面部32は、第1主面311の一対の縦辺から後方に突出している。一対の第1側面部32は、第1主面311と、第2本体部4における第2主面411との間に設けられている側面部の一部である。なお、以下の説明において、一対の第1側面部32の各々を区別しないとき、一対の第1側面部32の各々を「第1側面部32」ということがある。
【0042】
一対の第2側面部33は、第1主面311の一対の横辺から後方に突出している。より具体的には、一対の第2側面部33の各々は、後端に近づくにつれて互いに離れるようにして、第1主面311の一対の横辺から後方に突出している。また、一対の第2側面部33のうち上方に位置する第2側面部33は、一対の第1側面部32の上部と連結している。一対の第2側面部33のうち下方に位置する第2側面部33は、一対の第1側面部32の下部と連結している。一対の第2側面部33は、第1主面311と、第2本体部4における第2主面411と、の間に設けられている側面部の一部である。なお、以下の説明において、一対の第2側面部33の各々を区別しないとき、一対の第2側面部33の各々を「第2側面部33」ということがある。
【0043】
リブ36は、一対の第1側面部32及び一対の第2側面部33の後端(Y軸の正の向き側の端部)から後方に突出している。本実施形態のリブ36は、矩形枠状であり、後方に突出するにつれて先細りになる形状をしている(図5参照)。リブ36は、Y軸に沿った平面視において、通信装置5(基板51)を囲うように形成されている。図5に示すように、リブ36は、第2本体部4に対して溶着されている。リブ36が第2本体部4に溶着されることにより、第1本体部3と第2本体部4とで基板51を収容している。第1本体部3のリブ36と第2本体部4とが溶着されているため、リブ36に囲まれている空間は防塵性及び防水性を有している。
【0044】
(2.7)第2本体部の構成
第2本体部4は、第1本体部3の後方に配置されている。第2本体部4は、前面が開放である矩形状の箱である。第2本体部4は、ポリカーボネート及びABS等の合成樹脂材料で形成されている。
【0045】
第2本体部4は、基部41と、一対の第1側面部42と、一対の第2側面部43と、2組の一対の第1接続部46とを有している。なお、以下の説明において、2組の一対の第1接続部46における各々の組を区別しないときは、2組の一対の第1接続部46における各々の組を「一対の第1接続部46」ということがある。また、一対の第1接続部46の各々を区別しないときは、一対の第1接続部46の各々を「第1接続部46」ということがある。
【0046】
図3に示すように、基部41は、矩形状の平板である。基部41の表面(Y軸と直交する面であって第1本体部3の基部31と対向しない側の面)は、第2主面411である。第2主面411は、本体部2が有する一対の主面に含まれる。第2主面411の縁は、X軸に沿った一対の横辺と、Z軸に沿った一対の縦辺とで形成されている。言い換えると、一対の横辺は上下における第2主面411の端部であり、一対の縦辺は左右における第2主面411の端部である。
【0047】
第2主面411は、貼付面47を有している。貼付面47は、例えば通信端末10を携帯する従業者の名前等が記載されたシールを貼り付けるための面である。貼付面47は、Y軸に沿った凹凸が少ない平坦な面であることが好ましい。
【0048】
また、基部41から、一対の第2側面部43のうち上方に位置する第2側面部43(以下、「上方の第2側面部43」ということがある。)にかけて、ストラップ孔48が形成されている。ストラップ孔48は、X軸に沿った平面視においてL字状の孔であり、基部41から上方の第2側面部43までを貫通している。従業者等は、通信端末10を携帯するためのストラップ等をストラップ孔48に通して、ストラップを軸481に結びつけることで、通信端末10を携帯するためのストラップを通信端末10に取り付けることができる。
【0049】
図4に示すように、基部41は、複数(図4の例では4つ)の台座44を有している。複数の台座44は、基部41から前方に突出している。複数の台座44は、基板51の後方に位置している。複数の台座44は、通信装置5の基板51のY軸上の位置を決めている。
【0050】
一対の第1側面部42は、第2主面411の一対の縦辺から前方に突出している。一対の第1側面部42は、第2主面411と、第1本体部3における第1主面311との間に設けられている側面部の一部である。なお、以下の説明において、一対の第1側面部42の各々を区別しないとき、一対の第1側面部42の各々を「第1側面部42」ということがある。
【0051】
一対の第2側面部43は、第2主面411の一対の横辺から前方に突出している。より具体的には、一対の第2側面部43の各々は、前端に近づくにつれて互いに離れるようにして、第2主面411の一対の横辺から前方に突出している。また、一対の第2側面部43のうち上方に位置する第2側面部43は、一対の第1側面部42の上部と連結している。一対の第2側面部43のうち下方に位置する第2側面部43(以下、「下方の第2側面部43」ということがある。)は、一対の第1側面部42の下部と連結している。一対の第2側面部43は、第2主面411と、第1本体部3における第1主面311との間に設けられている側面部の一部である。なお、以下の説明において、一対の第2側面部43の各々を区別しないとき、一対の第2側面部43の各々を「第2側面部43」ということがある。
【0052】
下方に位置する第2側面部43には、孔45が形成されている。孔45は矩形状の孔である。孔45は、通信装置5のUSB端子56を、本体部2の外側に露出させるための孔である。
【0053】
(2.8)第1接続部の構成
2組の一対の第1接続部46は、一対の第1側面部42に形成されている。言い換えると、2組の一対の第1接続部46は、Y軸に沿った平面視において第2主面411を挟むようにして、側面部の上方及び下方にそれぞれ形成されている。また2組の一対の第1接続部46のうちの上方に位置する一対の第1接続部46(以下、「上方の一対の第1接続部46」ということがある)と、下方に位置する一対の第1接続部46(以下、「下方の一対の第1接続部46」ということがある)とは、互いに上下反転した構成となっている。一対の第1接続部46には、取付部6が接続される。
【0054】
図6は、下方の一対の第1接続部46に含まれる第1接続部46、及び、第1取付部61の断面図である。第1接続部46は、Z軸に沿って並ぶ一対の突出部461,462を有している。一対の突出部461,462は、空隙Sp3を介して互いに対向している。一対の突出部461,462は弾性を有している。
【0055】
突出部461は突出部462の上方に位置している。突出部461は、上方が弧状の半円柱状であり(図7参照)、X軸に沿って第1側面部42から突出している。突出部461の先端には、上方に凸形状の凸部464が形成されている。なお、上方の一対の第1接続部46に含まれる第1接続部46の場合、突出部461は突出部462の下方に位置し、突出部461は下方が弧状の半円柱状である(図4参照)。そして、上方の一対の第1接続部46に含まれる第1接続部46の場合、突出部461の先端には、下方に凸形状の凸部464が形成されている(図4参照)。
【0056】
突出部462は突出部461の下方に位置している。突出部462は、下方が弧状の半円柱状であり(図7参照)、X軸に沿って第1側面部42から突出している。突出部462の先端には、下方に凸形状の凸部465が形成されている。なお、上方の一対の第1接続部46に含まれる第1接続部46の場合、突出部462は突出部461の上方に位置し、突出部462は上方が弧状の半円柱状である(図4参照)。そして、上方の一対の第1接続部46に含まれる第1接続部46の場合、突出部462の先端には、上方に凸形状の凸部465が形成されている(図4参照)。
【0057】
また、突出部462は、規制部463を有している。規制部463は、Y軸に沿って、突出部462の根本から凸部465の手前にかけて形成されている。図7に示すように、Y軸に沿った平面視において、規制部463は矩形状であり突出部462の下端から下方に突出している。なお、上方の一対の第1接続部46に含まれる第1接続部46の場合、規制部463は突出部462の上端から上方に突出している(図4参照)。
【0058】
第1接続部46の一対の突出部461,462が取付部6の後述する第2接続部65の第1孔651及び第2孔652に挿入されることで、第1接続部46と第2接続部65とが接続されて本体部2(第2本体部4)と取付部6とが接続される。ここで、本体部2が一対の突出部461,462を含む第1接続部46を有し、取付部6が第1孔651及び第2孔652を含む第2接続部65を有することで、防水機能を有する本体部2をコンパクトにできるという利点を有する。
【0059】
(2.9)取付部の構成
図2に示すように、第1取付部61及び第2取付部62は、本体部2に対して回転可能に接続されている。第1取付部61は、本体部2との間に第1空隙Sp1を形成している。第2取付部62は、本体部2との間に第2空隙Sp2を形成している。第1空隙Sp1及び第2空隙Sp2は、紐状又は帯状の部材である取付対象T1(図5参照)を通すことが可能な空隙である。保持部材1が第1取付部61と第2取付部62とを備えることで、保持部材が取付部6を1つだけ備える場合と比べて、保持部材1をより強固に取付対象T1に取り付けることができるという利点がある。また、第1取付部61が本体部2に対して回転可能であるため、第1空隙Sp1に取付対象T1を取り付けやすいという利点がある。さらに、第2取付部62も本体部2に対して回転可能であるため、第2空隙Sp2に取付対象T1を通しやすいという利点がある。したがって、本実施形態の保持部材1は、取付対象T1に取り付けやすいという利点がある。
【0060】
また、図5に示すように、第1取付部61及び第2取付部62は、取付対象T1が第1空隙Sp1及び第2空隙に通されたときに第1空隙Sp1と第2空隙Sp2との間において取付対象T1が第1本体部3の第1主面311又は第2本体部4の第2主面411と対向するように配置されている。なお、図5の例では、X軸に沿った平面視において、取付対象T1はZ軸に沿うようにして第2本体部4の第2主面411と密着している。取付対象T1が第2本体部4の第2主面411に対して密着して対向する状態になるように、取付対象T1を第1空隙Sp1及び第2空隙Sp2に通すことで、保持部材1をより強固に取付対象T1に取り付けることができるという利点がある。なお、以下の説明において、第1空隙Sp1及び第2空隙Sp2の各々を区別しないとき、第1空隙Sp1及び第2空隙Sp2の各々を「空隙Sp0」ということがある。
【0061】
なお、図5の例とは異なり、取付対象T1が第1本体部3の第1主面311と対向するように、第1空隙Sp1及び第2空隙Sp2に通されてもよい。取付対象T1が第1本体部3の第1主面311と対向する場合、例えば取付対象T1が押ボタン54の少なくとも一部を覆うことにより、押ボタン54が誤操作される機会を低減できるという利点がある。
【0062】
取付部6は、ナイロン(登録商標)及びポリアセタール(POM)等の樹脂で形成されている。取付部6は弾性(可撓性)を有している。取付部6が弾性を有することで、空隙Sp0に取付対象T1を通しやすいうえに、取付部6が割れにくくなるという利点がある。
【0063】
図4に示すように、取付部6は、基部63と、一対のアーム64と、一対の第2接続部65と、を有している。以下、取付部6の基部63と第2本体部4の第2側面部43とが対向している状態を基準として、取付部6の構成を説明する。Y軸に沿った平面視において取付部6はC字状(コ字状)である。
【0064】
本実施形態の基部63は、Y軸に沿った平面視においてのこぎり歯状の板である。図9に示すように、基部63は、3つの山部631,632,633と、2つの谷部634,635とを有している。3つの山部631,632,633と、2つの谷部634,635とは、山部と谷部とが交互に連続するように、X軸に沿って配置されている。
【0065】
3つの山部631,632,633は、上方又は下方に突出している。例えば、第1取付部61における3つの山部631,632,633は、下方に突出している。また、第2取付部62(図4参照)における3つの山部631,632,633は、上方に突出している。
【0066】
2つの谷部634,635は、3つの山部631,632,633が突出する向きとは逆向きに突出している。すなわち、第1取付部61における2つの谷部634,635は上方に突出している。また、第2取付部62(図4参照)における2つの谷部634,635は下方に突出している。
【0067】
取付部6が本体部2に接続された状態において、基部63は、本体部2との間に空隙Sp0を形成する。図9の例では、基部63は、第2本体部4の第2側面部43(本体部2の側面部)との間に空隙Sp0を形成している。本実施形態の空隙Sp0は、帯用空隙Sp11(図9中の一点鎖線で囲まれた領域)と、複数(図9の例では3つ)の紐用空隙Sp12(図9中の点線で囲まれた領域)と、を含んでいる。なお、以下の説明において、3つの紐用空隙Sp12の各々を区別しないとき、3つの紐用空隙Sp12の各々を「紐用空隙Sp12」ということがある。
【0068】
帯用空隙Sp11は、一対のアーム64の間であって、第2本体部4の第2側面部43(本体部2の側面部)と2つの谷部634,635との間に形成された空隙である。帯用空隙Sp11の左右の寸法は、帯用空隙Sp11の上下の寸法より大きい。帯用空隙Sp11は、帯状の部材(取付対象T1)を通すのに適した空隙である。言い換えると、帯用空隙Sp11は、帯状の部材(取付対象T1)を通すための空隙である。
【0069】
3つの紐用空隙Sp12は、第2本体部4の第2側面部43(本体部2の側面部)と、3つの山部631,632,633との間に形成されている。3つの紐用空隙Sp12の各々は、互いに独立した空隙である。紐用空隙Sp12の左右の寸法は、帯用空隙Sp11の左右の寸法より小さい。また、紐用空隙Sp12の上下の寸法は、帯用空隙Sp11の上下の寸法より大きい。紐用空隙Sp12は、紐状の部材(取付対象T1)を通すのに適した空隙である。言い換えると、紐用空隙Sp12は、紐状の部材(取付対象T1)を通すための空隙である。
【0070】
なお、本体部2の側面(第1本体部3の第2側面部33及び第2本体部4の第2側面部43)がY軸に沿った見た平面視においてのこぎり歯状に形成されていてもよい。このとき、取付部6の基部63がX軸に沿って延びる板状に形成されていてもよい。これにより、帯用空隙Sp11及び複数の紐用空隙Sp12が、本体部2の側面と取付部6との間に形成される。
【0071】
本実施形態の空隙Sp0は、帯用空隙Sp11及び紐用空隙Sp12の2種類の空隙を含んでいることで、帯状の部材及び紐状の部材のどちらの部材であっても空隙Sp0を通しやすい。すなわち、空隙Sp0が帯用空隙Sp11及び紐用空隙Sp12の2種類の空隙を含んでいることで、帯状の部材及び紐状の部材のどちらの部材に対しても保持部材1が取り付けやすくなるという利点がある。すなわち、保持部材1の利便性が高まるという利点がある。
【0072】
また、図9に示すように、紐用空隙Sp12の少なくとも一部と、帯用空隙Sp11の少なくとも一部とは共通である。紐用空隙Sp12の少なくとも一部と、帯用空隙Sp11の少なくとも一部とは共通であることで、余分な空隙を低減できるという利点がある。
【0073】
一対のアーム64は、基部63の両端からZ軸に沿って突出している。一対のアーム64は、3つの山部631,632,633が突出する向きとは逆向きに突出している。すなわち、第1取付部61における一対のアーム64は上方に突出している。また、第2取付部62(図4参照)における一対のアーム64は下方に突出している。一対のアーム64は、X軸に沿った厚みを有する矩形状の平板である。なお、以下の説明において、一対のアーム64の各々を区別しないときは、一対のアーム64の各々を「アーム64」という。
【0074】
図4に示すように、一対の第2接続部65は、一対のアーム64に形成されている。一対の第2接続部65は、第2本体部4の一対の第1接続部46と接続される。第2本体部4の一対の第1接続部46と取付部6の一対の第2接続部65とが接続されることにより、一対の第2接続部65が本体部2の一対の主面(第1主面311及び第2主面411)を左右から挟むようにして取付部6が本体部2に接続される。取付部6は本体部2に対して回転可能に接続される。本体部2の一対の主面を挟むように設けられている一対の第1接続部46と、一対の第2接続部65とが接続されることで取付部6が本体部2に接続されるため、取付部6と本体部2とを強固に接続することができるという利点がある。なお、以下の説明において、一対の第2接続部65の各々を区別しないときは、一対の第2接続部65の各々を「第2接続部65」という。第2接続部65は、アーム64のうちの第1接続部46と対向する部分に形成されている。
【0075】
図6に示すように、第2接続部65は、第1孔651と、第2孔652と、規制溝653と、を有している。
【0076】
X軸に沿った平面視において、第1孔651の形状は円形状である。第2孔652は、X軸に沿って第1孔651と連続する孔であり、第1孔651よりも本体部2側に位置する孔である。X軸に沿った平面視において、第2孔652の形状は円形状の孔である(図7参照)。第2孔652は、テーパ部654を有しており、X軸に沿って本体部2側に近付くにつれて第2孔652の径が大きくなる。第2孔652のテーパ部654と第1孔651との境目には段差655が形成されている。
【0077】
規制溝653はZ軸に沿って第2孔652と連続する溝であり、第2孔652よりも基部63側に位置する溝である(図7参照)。X軸に沿った平面視において、規制溝653の形状は扇状である(図7参照)。
【0078】
第2接続部65の第1孔651及び第2孔652には、第1接続部46の一対の突出部461,462が挿入される。一対の突出部461,462が第1孔651及び第2孔652に挿入される際に、第2孔652のテーパ部654がガイドの役割を果たす。突出部461の凸部464が段差655に引っかかることにより、第2接続部65から第1接続部46が抜けにくくなる。
【0079】
第2接続部65の第1孔651及び第2孔652に、第1接続部46の一対の突出部461,462が挿入されることで、取付部6は本体部2に対して回転可能に接続される。より具体的には、第1取付部61は、下方の一対の第1接続部46を回転軸Ax1として、回転軸Ax1を中心として本体部2に対して回転可能に接続されている。また、第2取付部62は、上方の一対の第1接続部46を回転軸Ax2として、回転軸Ax2を中心として本体部2に対して回転可能に接続されている(図4参照)。本実施形態の第1接続部46(回転軸Ax1)及び第2接続部(回転軸Ax2)は、X軸に沿っている。すなわち、回転軸Ax1及び回転軸Ax2は、第1主面311の一対の横辺、及び、第2主面411の一対の横辺と平行である。言い換えると、回転軸Ax1及び回転軸Ax2は、一対の主面(第1主面311及び第2主面411)と平行である。後方から第2主面411を見たとき(Y軸に沿った平面視において)、回転軸Ax1(回転軸Ax2)は、第1空隙Sp1及び第2空隙Sp2を通った状態の取付対象T1と交差する。取付部6の回転軸Ax1(回転軸Ax2)と空隙Sp0を通った状態の取付対象T1とが交差する構造であるため、空隙Sp0に取付対象T1をより通しやすいという利点がある。
【0080】
本実施形態の取付部6は、例えば、従業者等が一対のアーム64をX軸に沿って本体部2から離れる向きに引っ張ることで、本体部2に対して着脱可能である。取付部6を本体部2に対して着脱可能であるため、壊れた取付部6を交換すること、及び、用途に応じて取付部6を取り外すことができるという利点がある。
【0081】
また、第2接続部65の規制溝653には、第1接続部46の規制部463が挿入される。規制部463が、規制溝653の端にあたることにより、本体部2に対する取付部6の回転が規制される。
【0082】
図7に示すように、取付部6の基部63が本体部2の側面部(第2本体部4の第2側面部43)と対向する取付部6の位置を、第1位置という。第1位置において、取付部6は本体部2の側面部との間に空隙Sp0を形成している。図8に示すように、取付部6の基部63が本体部2の一対の主面の一方(第2本体部4の第2主面411)と対向する取付部6の位置を、第2位置という。取付部6は、少なくとも第1位置から第2位置まで回転可能である。第2位置において、取付部6は本体部2の第2主面411との間に空隙Sp0を形成している。取付部6が本体部2の側面部との間に空隙Sp0を形成する第1位置から、取付部6が本体部2における一対の主面の一方との間に空隙Sp0を形成する第2位置まで回転可能であるため、空隙Sp0に取付対象T1をより通しやすいという利点がある。
【0083】
なお、第2位置において、第1接続部46の規制部463が第2接続部65の規制溝653の端にあたることにより、取付部6の回転が規制されている。言い換えると、第1接続部46の規制部463及び第2接続部65の規制溝653は、取付部6が第2位置を超えて回転しないように取付部6の回転を規制している。ここで、図5の例では、第1取付部61及び第2取付部62は、第1位置にある。取付対象T1が第1取付部61と本体部2の側面部との間の第1空隙Sp1、及び、第2取付部62と本体部2の側面部との第2空隙Sp2を通ることで、X軸に沿った平面視において取付対象T1が4か所で屈曲している。X軸の沿った平面視において取付対象T1が屈曲するように第1空隙Sp1及び第2空隙Sp2を通ることにより、保持部材1が取付対象T1に対してZ軸に沿ってずれることが抑制される。
【0084】
第1取付部61及び第2取付部62が第2位置(図8参照)にある場合でも、X軸の沿った平面視において取付対象T1が屈曲するように第1空隙Sp1及び第2空隙Sp2を通ることになる。すなわち、第1取付部61及び第2取付部62が第2位置にある場合でも、X軸の沿った平面視において取付対象T1が屈曲するように第1空隙Sp1及び第2空隙Sp2を通ることにより、保持部材1が取付対象T1に対してZ軸に沿ってずれることが抑制される。したがって、取付部6が第2位置を超えて回転しないように規制部463及び規制溝653が取付部6の回転を規制することで、保持部材1が取付対象T1に対してZ軸に沿ってずれることを抑制できるという利点がある。
【0085】
(3)変形例
上記実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0086】
以下、上記実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0087】
取付部6は、第1本体部3の第1主面311側に回転可能であってもよい。つまり、取付部6は、第1位置及び第2位置とは異なる第3位置において第1主面311と対向するように回転可能であってもよい。
【0088】
また、取付部6が回転可能な範囲(回転角度の大きさ)は、取付部6が第1主面311と対向する側と、取付部6が第2主面411と対向する側とで異なっていてもよい。つまり、第1位置と第2位置との角度差と、第1位置と第3位置との角度差とは異なっていてもよい。さらに、第1主面311と第2主面411とのうちで、取付対象T1と対向すべき面が決まっている場合、取付部6が対向すべき面側により大きく回転可能であってもよい。例えば、第1主面311が取付対象T1と対向すべき面である場合、第1位置と第3位置との角度差を、第1位置と第2位置との角度差より大きくしてもよい。取付部6が対向すべき面側により大きく回転可能とすることで、保持部材1を取付対象T1により取り付けやすくなるという利点がある。なお、突出部462から規制部463が突出する方向、規制部463の大きさ、規制溝653の端の位置等を適宜設定することで、取付部6が回転可能な範囲(回転角度の大きさ)を調整可能である。
【0089】
第1本体部3が第1接続部46を有していてもよい。また、取付部6が第1接続部46に相当する構成を有し、本体部2(第1本体部3又は第2本体部4)が第2接続部65に相当する構成を有していてもよい。つまり、X軸に沿って本体部2側に突出する突出部を取付部6が有し、突出部が挿入される孔を本体部2が有していてもよい。
【0090】
LED53は、通信装置5の電源がオン状態のときに緑色に発光し、通信装置5の電源がオフ状態のときに赤色に発光してもよい。
【0091】
図10に示すように、保持部材1は取付部6の代わりに取付部6aを備えていてもよい。以下、保持部材1が第1取付部61の代わりに取付部6a(第1取付部61a)を備えている場合を想定して説明する。第1取付部61aは、基部63aと一対のアーム64aとを有する。基部63aが1つの山部636を有している点で、基部63(図9参照)とは異なる。すなわち、取付部6aと本体部2との間には、帯用空隙Sp11及び1つの紐用空隙Sp12が形成されている。なお、本体部2の側面(第1本体部3の第2側面部33及び第2本体部4の第2側面部43)に谷部が形成されていてもよい。本外部2の側面に谷部が形成される場合、取付部6a(6)の基部63a(63)がX軸に沿って延びる板状に形成されていてもよい。これにより、帯用空隙Sp11及び1つの紐用空隙Sp12が、本体部2の側面と取付部6a(6)との間に形成される。
【0092】
また、図11に示すように、保持部材1は、第1接続部46の規制部463及び第2接続部65の規制溝653の代わりに、規制部39及び規制部49を備えていてもよい。規制部39は、第1本体部3の第1側面部32に形成されており、第1側面部32から、X軸に沿って取付部6側に突出している。また、規制部49は、第2本体部4の第1側面部42に形成されており、第1側面部42から、X軸に沿って取付部6側に突出している。Y軸に沿った平面視において、規制部39及び規制部49と、取付部6とは重なっている。図11に示すように、取付部6が第2位置に位置するとき、取付部6が規制部49にあたることにより、上記実施形態と同様に本体部2に対する取付部6の回転が規制される。すなわち、取付部6が第2位置を超えて回転しないように規制部49が取付部6の回転を規制することで、保持部材1が取付対象T1に対してZ軸に沿ってずれることを抑制できるという利点がある。なお、取付部6が図11に示す場合とは逆方向に回転したとき、取付部6は第3位置に相当する位置で規制部39にあたることにより、本体部2に対する取付部6の回転が規制される。
【0093】
規制部39及び規制部49の位置、大きさ等を適宜設定することで、取付部6が回転可能な範囲(回転角度の大きさ)を調整可能である。例えば、第1主面311が取付対象T1と対向すべき面である場合、規制部39を図11の例より上方に配置することで、取付部6の第1主面311側への回転範囲をより大きくしてもよい。取付部6が対向すべき面側により大きく回転可能とすることで、保持部材1を取付対象T1により取り付けやすくなるという利点がある。
【0094】
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様に係る保持部材(1)は、本体部(2)と、取付部(6)と、を備える。本体部(2)は、通信装置(5)を保持する。取付部(6)は、本体部(2)に接続され、本体部(2)との間に紐状又は帯状の部材である取付対象(T1)を通すことが可能な空隙(Sp0)を形成する。取付部(6)は、本体部(2)に対して回転可能に接続されている。
【0095】
この態様によれば、取付部(6)が本体部(2)に対して回転可能であるため、本体部(2)と取付部(6)との間の空隙(Sp0)に紐状又は帯状の部材(取付対象(T1))を通しやすい。すなわち、本態様の保持部材(1)は、紐状又は帯状の部材に取り付けやすい。
【0096】
第2の態様に係る保持部材(1)では、第1の態様において、本体部(2)は、一対の主面(第1主面311,第2主面411)と、一対の主面の間に設けられている側面部(第1側面部42;第2側面部43)と、を有する板状の筐体である。取付部(6)は、一対の主面の一方と平行な回転軸(Ax1)を中心として本体部(2)に対して回転可能に接続されている。回転軸(Ax1)は、一対の主面の一方を見る平面視において、空隙(Sp0)を通った状態の取付対象(T1)と交差する。
【0097】
この態様によれば、取付部(6)の回転軸(Ax1)と空隙(Sp0)を通った状態の取付対象(T1)とが交差する構造であるため、空隙(Sp0)に取付対象(T1)をより通しやすい。
【0098】
第3の態様に係る保持部材(1)では、第2の態様において、取付部(6)は、少なくとも第1位置から第2位置まで回転可能である。取付部(6)は、第1位置において本体部(2)における側面部(第2側面部43)との間に空隙(Sp0)を形成し、第2位置において本体部(2)における一対の主面(第1主面311,第2主面411)の一方との間に空隙(Sp0)を形成する。
【0099】
この態様によれば、取付部(6)が第1位置から第2位置まで回転可能であるため、空隙(Sp0)に取付対象(T1)をより通しやすい。
【0100】
第4の態様に係る保持部材(1)では、第1から第3のいずれかの態様において、空隙(Sp0)は、紐用空隙(Sp12)と、帯用空隙(Sp11)と、を含んでいる。紐用空隙(Sp12)は、取付部(6)と本体部(2)との間に紐状の部材を通すための空隙(Sp0)である。帯用空隙(Sp11)は、取付部(6)と本体部(2)との間に帯状の部材を通すための空隙(Sp0)である。
【0101】
この態様によれば、空隙(Sp0)に紐用空隙(Sp12)と帯用空隙(Sp11)とが含まれることにより、空隙(Sp0)に取付対象(T1)をより通しやすい。
【0102】
第5の態様に係る保持部材(1)では、第4の態様において、紐用空隙(Sp12)の少なくとも一部と、帯用空隙(Sp11)の少なくとも一部と、は共通である。
【0103】
この態様によれば、紐用空隙(Sp12)と帯用空隙(Sp11)とに共通部分があることで、余分な空隙(Sp0)を減らすことができる。
【0104】
第6の態様に係る保持部材(1)では、第1から第5のいずれかの態様において、取付部(6)は、弾性を有している。
【0105】
この態様によれば、取付部(6)が弾性を有することで、空隙(Sp0)に取付対象(T1)を通しやすいうえに、取付部(6)を割れにくくすることができる。
【0106】
第7の態様に係る保持部材(1)では、第1から第6のいずれかの態様において、取付部(6)は、本体部(2)に対して着脱可能である。
【0107】
この態様によれば、取付部(6)を本体部(2)に対して着脱可能であるため、取付部(6)を交換したり、用途に応じて取付部(6)を取り外したりできる。
【0108】
第8の態様に係る保持部材(1)では、第1から第7のいずれかの態様において、本体部(2)は、一対の主面(第1主面311,第2主面411)と、一対の主面の間に設けられている側面部(第1側面部42;第2側面部43)と、を有する板状の筐体である。本体部(2)は、一対の第1接続部(46)を有する。一対の第1接続部(46)は、一対の主面を挟むように側面部(第1側面部42)に形成されている。取付部(6)は、一対の第2接続部(65)を有している。一対の第2接続部(65)は、一対の第1接続部(46)と接続される。取付部(6)は、一対の第1接続部(46)と一対の第2接続部(65)とが接続されることにより、本体部(2)に対して回転可能に接続されている。
【0109】
この態様によれば、本体部(2)の一対の主面(第1主面311,第2主面411)を挟むように設けられている一対の第1接続部(46)と、一対の第2接続部(65)と、が接続することで、取付部(6)と本体部(2)とを強固に接続することができる。
【0110】
第9の態様に係る保持部材(1)では、第1から第8のいずれかの態様において、取付部(6)は、第1取付部(61)である。保持部材(1)は、第1取付部(61)とは別の第2取付部(62)を更に備える。第1取付部(61)は、本体部(2)との間の空隙(Sp0)である第1空隙(Sp1)を形成する。第2取付部(62)は、本体部(2)に接続され、本体部(2)との間に取付対象(T1)を通すことが可能な第2空隙(Sp2)を形成している。
【0111】
この態様によれば、第1取付部(61)及び第2取付部(62)を備えることで、保持部材(1)をより強固に取付対象(T1)に取り付けることが可能である。
【0112】
第10の態様に係る保持部材(1)では、第9の態様において、第2取付部(62)は、本体部(2)に対して回転可能に接続されている。
【0113】
この態様によれば、第2取付部(62)も本体部(2)に対して回転可能であるため、第2空隙(Sp2)に取付対象(T1)を通しやすい。すなわち、本態様の保持部材(1)は、取付対象(T1)に取り付けやすい。
【0114】
第11の態様に係る保持部材(1)では、第9又は第10の態様において、本体部(2)は、一対の主面(第1主面311,第2主面411)と、一対の主面の間に設けられている側面部(第1側面部42;第2側面部43)と、を有する板状の筐体である。第1取付部(61)及び第2取付部(62)は、取付対象(T1)が第1空隙(Sp1)及び第2空隙(Sp2)に通されたときに第1空隙(Sp1)と第2空隙(Sp2)との間において取付対象(T1)が一対の主面の一方と対向するように、配置されている。
【0115】
この態様によれば、例えば取付対象(T1)が一対の主面(第1主面311,第2主面411)の一方に対して密着して対向する状態になるように取付対象(T1)を第1空隙(Sp1)及び第2空隙(Sp2)に通すことで、保持部材(1)をより強固に取付対象(T1)に取り付けることができる。
【0116】
第12の態様に係る保持部材(1)では、第1から第11のいずれかの態様において、通信装置(5)は、通信回路(52)と基板(51)とを有する。基板(51)には、通信回路(52)が実装されている。本体部(2)は、第1本体部(3)と第2本体部(4)とを有している。第1本体部(3)は、基板(51)を囲うリブ(36)を有している。第1本体部(3)のリブ(36)が第2本体部(4)に対して溶着されることにより、第1本体部(3)と第2本体部(4)とで基板(51)を収容している。
【0117】
この態様によれば、第1本体部(3)のリブ(36)が第2本体部(4)に対して溶着されることで基板(51)を収容するため、本体部(2)の防水性能を向上させることができる。
【0118】
第1の態様以外の構成については、保持部材(1)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【0119】
第13の態様に係る取付部品(7)は、第1から第12のいずれかの態様の保持部材(1)における取付部(6)として用いられる。
【0120】
この態様によれば、取付部品(7)を例えば壊れた取付部(6)と交換すること、及び、取付部(6)を備えていない保持部材に取付部品(7)を取り付けることができ、取付部品(7)を取付部(6)として用いることができる。
【0121】
第14の態様に係る通信端末(10)は、第1から第12のいずれかの態様の保持部材(1)と、通信装置(5)と、を備える。
【0122】
この態様によれば、保持部材(1)において、取付部(6)が本体部(2)に対して回転可能であるため、本体部(2)と取付部(6)との間の空隙(Sp0)に紐状又は帯状の部材(取付対象(T1))を通しやすい。すなわち、本態様の保持部材(1)は、紐状又は帯状の部材に取り付けやすい。
【0123】
第15の態様に係る位置推定システム(100)は、第14の態様の通信端末(10)と、推定部(91)と、を備える。推定部(91)は、通信端末(10)との通信情報に基づいて通信端末(10)の位置を推定する。
【符号の説明】
【0124】
1 保持部材
10 通信端末
100 位置推定システム
2 本体部
3 第1本体部
311 第1主面(一対の主面)
36 リブ
4 第2本体部
411 第2主面(一対の主面の一方)
42 第1側面部(側面部)
43 第2側面部(側面部)
46 第1接続部
5 通信装置
51 基板
52 通信回路
6 取付部
65 第2接続部
7 取付部品
91 推定部
Ax1 回転軸
Sp0 空隙
Sp1 第1空隙
Sp11 帯用空隙
Sp12 紐用空隙
Sp2 第2空隙
T1 取付対象
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11