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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023020085
(43)【公開日】2023-02-09
(54)【発明の名称】ドアハンドル座
(51)【国際特許分類】
   E05B 3/06 20060101AFI20230202BHJP
【FI】
E05B3/06 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021125264
(22)【出願日】2021-07-30
(71)【出願人】
【識別番号】000138613
【氏名又は名称】株式会社ユニオン
(74)【代理人】
【識別番号】100119725
【弁理士】
【氏名又は名称】辻本 希世士
(74)【代理人】
【識別番号】100168790
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 英之
(72)【発明者】
【氏名】田河 寿一
(57)【要約】
【課題】カバーを十分な強度で座板に固定しながら、素手だけの作業でも座板から取外しできるように、カバーの取外しを容易とすることができるドアハンドル座を提供する。
【解決手段】ドアハンドル座は、略円形の座板10と、カバー20と、係合突部30と、被係合凹部40とを具備する。カバー20は、周板部21、及び略円形の天板部22を有し、座板10を覆う。係合突部30は、周板部21の内周面部21aに形成され、座板10の被係合凹部40と係合し、カバー20を座板10に固定する。被係合凹部40の第1縁部41は、外周面部12において、ドア3に向かうドア方向X1と反対方向X2に位置する。一対の第2縁部42は、座板10の周方向X3において対向する。そして、被係合凹部40は、外周面部12を基準とする第1縁部41の高さが一対の第2縁部42の高さより高くされる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアハンドル(1)と一体的に回転するハンドル軸(2)が挿通される第1挿通孔(11)、及び外周面部(12)を有し、ドア(3)に固定される略円形の座板(10)と、
前記座板(10)の前記外周面部(12)と対向配置される周板部(21)、及び前記ハンドル軸(2)が挿通される第2挿通孔(22a)が形成され、前記周板部(21)における軸方向の一端部に連設される略円形の天板部(22)を有し、前記座板(10)を覆うカバー(20)と、
前記カバー(20)における前記周板部(21)の内周面部(21a)、及び前記座板(10)の前記外周面部(12)の一方(21a)に形成され、前記内周面部(21a)、及び前記外周面部(12)の他方(12)と係合し、前記カバー(20)を前記座板(10)に固定する係合突部(30)と、
前記内周面部(21a)、及び前記外周面部(12)の前記他方(12)に形成され、前記ドア(3)に向かうドア方向(X1)と反対方向(X2)の第1縁部(41)、及び前記座板(10)又は前記カバー(20)の周方向(X3)において対向する一対の第2縁部(42)を有し、前記内周面部(21a)、及び前記外周面部(12)の前記他方(12)を基準とする前記第1縁部(41)の高さが前記一対の第2縁部(42)の高さより高くされ、前記係合突部(30)と係合される被係合凹部(40)
とを具備する、ドアハンドル座。
【請求項2】
前記第1縁部(41)と隣接する位置において前記第1縁部(41)に沿って延びるように、前記内周面部(21a)、及び前記外周面部(12)の前記他方(12)に形成され、前記係合突部(30)が、前記内周面部(21a)、及び前記外周面部(12)の前記一方(21a)から突出する最大高さ(H1)より小さい所定距離(H2)だけ前記周板部(21)が前記外周面部(12)から離間するように、前記内周面部(21a)、及び前記外周面部(12)の前記一方(21a)を押圧する押圧突起(50)を更に具備する、請求項1に記載のドアハンドル座。
【請求項3】
前記座板(10)は、前記係合突部(30)が前記被係合凹部(40)と係合している状態において前記天板部(22)と当接し、前記カバー(20)の前記ドア方向(X2)への移動を阻止するストッパ部(16a)を有する、請求項1又は請求項2に記載のドアハンドル座。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドアハンドルをドアに取付けるドアハンドル座に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ドアハンドルをドアに取付けるドアハンドル座として、特許文献1には、円形の座板と、カバーとを具備するドアハンドル座が記載されている。特許文献1に記載のドアハンドル座においては、座板は、止めネジによってドアに固定される。カバーは、平坦なキャップ状であり、円形の天板と、天板の周縁部に連設され、ドア面に対し垂直な周板とを有し、止めネジを隠すように座板を覆う。カバーの天板は、中央にハンドル軸の挿通孔を有し、周板は、内周面が座板の外周面と当接する。
【0003】
特許文献1に記載のドアハンドル座においては、カバーを座板に固定する固定機構として、周板の内周面に突設される係合爪と、座板の外周面に形成される被係合凹部とを有する固定機構が考えられる。係合爪と被係合凹部とを有する固定機構であれば、係合爪を被係合凹部と係合するだけでカバーを座板に固定でき、座の取付けを容易とすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-111941号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のドアハンドル座に、係合爪と被係合凹部とを有するカバーの固定機構を適用する場合には、例えばドアが乱暴に開閉されたときの衝撃によってもカバーが座板から外れないように、周板の内周面と、座板の外周面とが隙間なく接するようにして、カバーは、座板に取付けられる。
【0006】
従って、例えばドアハンドルに不具合が生じ、ドアハンドル座をドアから取外す際には、通常、素手だけの作業ではカバーを座板から取外しできず、マイナスのねじ回しをカバーと座板との隙間にこじ入れるような作業が必要となり、ドアに傷をつけてしまうこともあり得る。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、カバーを十分な強度で座板に固定しながら、素手だけの作業でも座板から取外しできるように、カバーの取外しを容易とすることができるドアハンドル座を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願に開示するドアハンドル座は、略円形の座板(10)と、カバー(20)と、係合突部(30)と、被係合凹部(40)とを具備する。前記座板(10)は、第1挿通孔(11)、及び外周面部(12)を有し、ドア(3)に固定される。前記第1挿通孔(11)は、ハンドル軸(2)が挿通される。前記ハンドル軸(2)は、ドアハンドル(1)と一体的に回転する。前記カバー(20)は、周板部(21)、及び略円形の天板部(22)を有し、前記座板(10)を覆う。前記周板部(21)は、前記座板(10)の前記外周面部(12)と対向配置される。前記天板部(22)は、前記ハンドル軸(2)が挿通される第2挿通孔(22a)が形成されており、前記周板部(21)における軸方向の一端部に連設される。前記係合突部(30)は、前記周板部(21)の内周面部(21a)、及び前記座板(10)の前記外周面部(12)の一方(21a)に形成され、前記内周面部(21a)、及び前記外周面部(12)の他方(12)と係合し、前記カバー(20)を前記座板(10)に固定する。前記被係合凹部(40)は、前記内周面部(21a)、及び前記外周面部(12)の前記他方(12)に形成され、第1縁部(41)、及び一対の第2縁部(42)を有し、前記係合突部(30)と係合される。前記第1縁部(41)は、前記ドア(3)に向かうドア方向(X1)と反対方向(X2)に位置する。前記一対の第2縁部(42)は、前記座板(10)又は前記カバー(20)の周方向(X3)において対向する。そして、前記被係合凹部(40)は、前記内周面部(21a)、及び前記外周面部(12)の前記他方(12)を基準とする前記第1縁部(41)の高さが前記一対の第2縁部(42)の高さより高くされる。
【0009】
本願に開示するドアハンドル座は、押圧突起(50)を更に具備する。前記押圧突起(50)は、前記第1縁部(41)と隣接する位置において前記第1縁部(41)に沿って延びるように、前記内周面部(21a)、及び前記外周面部(12)の前記他方(12)に形成される。そして、前記押圧突起(50)は、所定距離(H2)だけ前記周板部(21)が前記外周面部(12)から離間するように、前記内周面部(21a)、及び前記外周面部(12)の前記一方(21a)を押圧する。前記所定距離(H2)は、前記係合突部(30)が前記内周面部(21a)、及び前記外周面部(12)の前記一方(21a)から突出する最大高さ(H1)より小さい距離である。
【0010】
また、本願に開示するドアハンドル座において、前記座板(10)は、ストッパ部(16a)を有する。前記ストッパ部(16a)は、前記係合突部(30)が前記被係合凹部(40)と係合している状態において前記天板部(22)と当接し、前記カバー(20)の前記ドア方向(X2)への移動を阻止する。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るドアハンドル座によれば、カバーを十分な強度で座板に固定しながら、素手だけの作業でも座板から取外しできるように、カバーの取外しを容易とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態に係るドアハンドル座の分解斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係る座板の上面斜視図である。
図3図2の座板の下面斜視図である。
図4】(a)本発明の実施形態に係る座板の上面図である。(b)図4(a)のA-A線断面図である。(c)図4(a)の座板の下面図である。
図5】(a)本発明の実施形態に係るカバーの上面図である。(b)図5(a)のB-B線断面図である。(c)図5(a)のカバーの下面図である。
図6】(a)本発明の実施形態に係るドアハンドル座の上面図である。(b)図6(a)のC-C線断面図である。(c)図6(a)のドアハンドル座の下面図である。
図7】カバーを座板から取外す準備段階におけるドアハンドル座を示す下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態に係るドアハンドル座を図面に基づいて詳しく説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を実施するのに好ましい具体例であるから、技術的に種々の限定がなされているが、本発明は、以下の説明において特に発明を限定する旨が明記されていない限り、この実施形態に限定されるものではない。
【0014】
〈実施形態〉
以下に、図1から図4を参照して、本発明の実施形態に係るドアハンドル座を説明する。図1は、実施形態に係るドアハンドル座の分解斜視図である。図2は、実施形態に係る座板の上面斜視図である。図3は、図2の座板の下面斜視図である。図4(a)は、実施形態に係る座板の上面図である。図4(b)は、図4(a)のA-A線断面図である。図4(c)は、図4(a)の座板の下面図である。
【0015】
図1図2に示すように、実施形態に係るドアハンドル座は、略円形の座板10と、カバー20と、係合突部30と、被係合凹部40と、押圧突起50とを具備する。略円形とは、円形と認識される真円に近い形状である。
【0016】
図1に示すように、座板10は、第1挿通孔としての軸挿通孔11、及び外周面部12を有し、ドア3に取付けられる。軸挿通孔11には、ハンドル軸2が挿通される。ハンドル軸2は、ドアハンドル1と一体的に回転する。実施形態においては、座板10は、樹脂製である。
【0017】
また、実施形態においては、ドアハンドル1はレバーハンドルであり、ドア3の両面に取付けられる。ドア3の両面の2つのドアハンドル1は、ハンドル軸2によって一体的に回動するように連結される。ドア3は、開き戸であり、ラッチボルト4によって閉状態に係止される。ラッチボルト4は、ドアハンドル1と連動し、ドアハンドル1が回動されるとドア3の内部に退き、ドア3の係止状態が解除される。
【0018】
また、図2図3に示すように、座板10は、底面部13、天面部14、ネジ挿通孔15を有する。底面部13は、肉盗み13aを有し、ドア3の表面と当接する。ドアハンドル1がドア3の両面に取付けられることと対応し、2つの座板10が、ドア3の両面に取付けられる。2つの座板10は、ドア3の両面において、図1に示すように、止めネジ5aによってネジ筒5と連結され、ネジ筒5を介し、ドア3の両面において一体的に結合される。
【0019】
図2図4に示すように、座板10の天面部14は、平坦面となっており、軸挿通孔11の周囲に円筒状の突出部16を有する。突出部16は、ドア3に向かうドア方向X1と反対方向X2に、天面部14から突出しており、ストッパ部16a、及びガイド部16bを有する。
【0020】
ストッパ部16aは、円環状の平坦面であり、突出部16の先端部に形成され、図5等を参照し、後で説明するカバー20の天板部22と当接し、カバー20のドア方向X2への移動を阻止する。
【0021】
図2に示すように、ガイド部16bは、円筒状であり、ストッパ部16aから更に反対方向X2に突出するように、ストッパ部16aの内周縁に連設されている。ガイド部16bは、カバー20を座板10に装着する際に、カバー20の軸心線が座板10の軸心線に対し傾かないように、カバー20を案内する。
【0022】
次に、図5図6を参照して、実施形態のカバー20を説明する。図5(a)は、実施形態に係るカバーの上面図である。図5(b)は、図5(a)のB-B線断面図である。図5(c)は、図5(a)のカバーの下面図である。図6(a)は、実施形態に係るドアハンドル座の上面図である。図6(b)は、図6(a)のC-C線断面図である。図6(c)は、図6(a)のドアハンドル座の下面図である。
【0023】
図5図6に示すように、カバー20は、平坦なキャップ状であり、周板部21、及び略円形の天板部22を有し、座板10を覆う。カバー20は、耐久性、及びデザイン性を考慮すると、金属から形成されることが好ましい。
【0024】
周板部21は、短い円筒状であり、天板部22の周縁部に連設され、座板10の外周面部12と対向配置される。
【0025】
天板部22は、周板部21における軸方向の一端部に連設され、ハンドル軸2が挿通される第2挿通孔としてのセンター孔22aを有する。センター孔22aは、カバー20が座板10に装着される際に、座板10のガイド部16bと摺接する。センター孔22aがガイド部16bと摺接することによって、カバー20の軸心線が座板10の軸心線に対し傾かないように、カバー20が座板10に装着される。
【0026】
図5図6に示すように、係合突部30は、実施形態においては、周板部21の内周面部21aに形成され、座板10の外周面部12と係合し、カバー20を座板10に固定する。また、実施形態においては、2つの係合突部30が、内周面部21aにおける180度の対向位置に、周板部21の外周面からのプレス加工によって形成されている。
【0027】
図3に示すように、被係合凹部40は、実施形態においては、座板10の外周面部12に形成される方形状の凹部であり、第1縁部41、及び一対の第2縁部42を有し、係合突部30と係合される。第1縁部41は、外周面部12において反対方向X2に位置する直線状の縁部である。一対の第2縁部42は、座板10の周方向X3において対向するように形成される直線状の縁部である。なお、被係合凹部40のドア方向X1には縁部はなく、被係合凹部40はドア方向X1に開放されている。また、実施形態においては、4つの被係合凹部40が、外周面部12における90度毎の位置に形成されている。
【0028】
第1縁部41は、外周面部12を基準とする高さが、一対の第2縁部42の高さより高くされる。なお、座板10の外周面部12を基準とする高さは、座板10の径方向外方に向かうほど高くなる高さとして定義される。反対に、カバー20の内周面部21aを基準とする高さは、カバー20の径方向内方に向かうほど高くなる高さとして定義される。
【0029】
図3に示すように、押圧突起50は、第1縁部41と隣接する位置において第1縁部41に沿って延びるように外周面部12に形成される。実施形態においては、座板10が押圧突起50を有することによって、外周面部12を基準とする第1縁部41の高さが第2縁部42の高さより高くなっている。押圧突起50を設けずに第1縁部41の高さを第2縁部42の高さより高くする他の手段としては、第1縁部41の高さを周囲の外周面部12の高さと等しくしたまま、第2縁部42の高さを周囲の外周面部12の高さより低くすることが考えられる。
【0030】
また、実施形態においては、押圧突起50の長さは、第1縁部41の全長と略等しく、第1縁部41の全長に亘って押圧突起50が隣接配置される。しかしながら、押圧突起50の長さは、第1縁部41の全長より短くてもよく、第1縁部41の全長よりも長く、図7を参照して後で説明するカバー20の取外しの障害とならない範囲で第1縁部41の左右にはみ出してもよい。
【0031】
そして、押圧突起50は、図6に示すように、所定距離H2だけ周板部21が外周面部12から離間するように、周板部21の内周面部21aを押圧する。所定距離H2は、図5に示すように、係合突部30が内周面部21aから突出する最大高さH1より小さい距離である。
【0032】
また、実施形態においては、図2図3に示すように、押圧突起50の先端部51は、ドア方向X1に向かうほど外周面部12を基準とする高さが高くなる斜面に形成されている。
【0033】
以上、図1から図7を参照して説明したように、実施形態のドアハンドル座によれば、外周面部12を基準とする第1縁部41の高さが、一対の第2縁部42の高さより高くされる。従って、係合突部30が第1縁部41を乗り超えて被係合凹部40から外れ難くなり、ドア3を開閉する際の振動等によってカバー20が座板10から外れてしまうことを防止でき、カバー20を十分な強度で座板10に固定できる。なお、ドア3を開閉する際の振動は、ドア面に対し垂直方向の振動であるため、第1縁部41の高さが比較的に高いことによって、カバー20を十分な強度で座板10に固定できる。
【0034】
また、一対の第2縁部42の高さが比較的に低いことによって、係合突部30は、第2縁部42を乗り越えやすくなっている。従って、例えばカバー20を手で掴み、ハンドル軸2の軸心を中心としてカバー20を回すように力を加えることによって、図7に示すように、被係合凹部40と係合しない位置に係合突部30を移動できる。
【0035】
図7に示す状態でカバー20を反対方向X2に引っ張ることによって、カバー20を座板10から取外すことができ、素手だけの作業でも取外しできるように、カバーの取外しを容易とすることができる。
【0036】
また、図3を参照して説明したように、実施形態のドアハンドル座によれば、押圧突起50が第1縁部41と隣接する位置において第1縁部41に沿って延びるように外周面部12に形成され、外周面部12を基準とする第1縁部41の高さが第2縁部42の高さより高くされる。従って、例えば座板10を樹脂成形品とするとき、カバー20を十分な強度で座板10に固定でき、且つ、素手だけの作業でもカバー20を取外しできるように、第1縁部41と第2縁部42との間に、精密な高低差を設けることが容易となり、ドアハンドル座の製造を容易とすることができる。
【0037】
また、押圧突起50を設けることによって、図6(c)に示すように、所定距離H2の空隙を周板部21と外周面部12との間に作ることができ、素手でもカバー20を回せるように、周板部21と外周面部12との間の摩擦を小さくできる。
【0038】
なお、発明者達が本発明の試作品を作製した実施例においては、係合突部30の最大高さH1が約0.5mmであるのに対し、押圧突起50の外周面部12を基準とする高さは、0.1mm以下であり、実際の押圧突起50は、肉眼では存在に気が付かない程度の小さな突起である。
【0039】
そのように、ごく小さな押圧突起50を外周面部12の特定位置に形成することによって、従来は、カバー20を手で掴んで回そうとしても、通常の握力では回らなかったものが、大人の一般的な男性がカバー20を手で掴み、ある程度の力を込めれば、カバー20を手で回し、係合突部30と被係合凹部40との係合状態を解除し、カバー20を取り外すことが可能となり、素手だけの作業でも取外しできるように、カバーの取外しを容易とすることができた。
【0040】
また、図2を参照して説明したように、実施形態のドアハンドル座によれば、押圧突起50の先端部51が、ドア方向X1に向かうほど外周面部12を基準とする高さが高くなる斜面に形成されている。従って、カバー20を座板10に取り付ける際に、係合突部30が押圧突起50を乗り越え易くなり、カバー20を座板10に取付けることが容易となる。
【0041】
また、図2を参照して説明したように、実施形態のドアハンドル座によれば、係合突部30と被係合凹部40とが係合している状態において、ストッパ部16aがカバー20の天板部22と当接し、カバー20のドア方向X2への移動を阻止する。従って、係合突部30と被係合凹部40とが係合している状態よりも更にカバー20がドア方向X2に移動することを防止でき、カバー20の取付け、取外し、又は、ドア3の開閉操作の際に、カバー20における周板部21の縁部がドア3の表面と当接し、ドア3が傷付くことを防止でき、カバー20の座板10への取付け、取外しを容易にできるとともに、ドア3の外観を長期間に亘って良好な状態に維持することができる。
【0042】
以上、図面(図1から図7)を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である(例えば、下記(1))。
【0043】
(1)上記実施形態においては、座板10に被係合凹部40が設けられ、カバー20に係合突部30が設けられているが、これに限られず、座板10の外周面部12に係合突部30が設けられ、カバー20の内周面部21aに被係合凹部40が設けられてもよい。カバー20に被係合凹部40が設けられるとき、周方向X3は、カバー20の周方向であり、内周面部21aを基準とする第1縁部41の高さが一対の第2縁部42の高さより高くされる。また、カバー20に被係合凹部40が設けられるとき、押圧突起50は、内周面部21aに形成され、係合突部30の最大高さH1は、係合突部30が外周面部12から突出する最大高さとなる。
【符号の説明】
【0044】
H1…最大高さ
X1…ドア方向
X2…反対方向
X3…周方向
1…ドアハンドル
2…ハンドル軸
3…ドア
10…座板
11…軸挿通孔(第1挿通孔)
12…外周面部
16a…ストッパ部
20…カバー
21…周板部
21a…内周面部
22…天板部
22a…センター孔(第2挿通孔)
30…係合突部
40…被係合凹部
41…第1縁部
42…第2縁部
50…押圧突起
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7