(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023020097
(43)【公開日】2023-02-09
(54)【発明の名称】コンベヤ装置、並びに、ローラ取付部材
(51)【国際特許分類】
B65G 39/12 20060101AFI20230202BHJP
B65G 21/20 20060101ALI20230202BHJP
【FI】
B65G39/12
B65G21/20 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021125287
(22)【出願日】2021-07-30
(71)【出願人】
【識別番号】592026819
【氏名又は名称】伊東電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100480
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 隆
(72)【発明者】
【氏名】長澤 拓也
【テーマコード(参考)】
3F025
3F033
【Fターム(参考)】
3F025BA02
3F025BB04
3F025BC01
3F025BC10
3F033GA09
3F033GB01
3F033GE04
3F033KA01
(57)【要約】
【課題】簡単な構造で安価に製造可能であり、ローラの設置位置の調整作業を容易化可能なコンベヤ装置、並びに、ローラ取付部材を提供する。
【解決手段】コンベヤ装置において、フレーム部材11に、ローラ部材31の軸部31bを挿入可能なローラ取付孔38を設け、ローラ取付孔38は、長手方向の一端部に接触部40aを有するものとする。ローラ取付部材45をさらに有するものとする。ローラ取付部材45は、第一ローラ取付孔が形成された第一片部を有し、第一ローラ取付孔とローラ取付孔38の一部とが連通する第一姿勢でフレーム部材に固定可能であり、ローラ取付部材45を第一姿勢でフレーム部材11に固定し、ローラ取付部材45が軸部31bを第一ローラ取付孔の内側と接触させた状態で支持することで、軸部31bを接触部40aに接触させた状態とは異なる位置で軸部31bが支持されるものとする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーム部材にローラ部材が取り付けられるコンベヤ装置であって、
前記フレーム部材には、前記ローラ部材の軸部を挿入可能な長孔であるローラ取付孔が設けられ、前記ローラ取付孔は、長手方向の一端部に接触部を有し、
ローラ取付部材をさらに有し、
前記ローラ取付部材は、第一ローラ取付孔が形成された第一片部を有し、前記第一ローラ取付孔と前記ローラ取付孔の一部とが連通する第一姿勢で前記フレーム部材に固定可能であり、
前記ローラ取付部材を前記第一姿勢で前記フレーム部材に固定し、前記ローラ取付部材が前記軸部を前記第一ローラ取付孔の内側と接触させた状態で支持することで、前記軸部を前記接触部に接触させた状態とは異なる位置で前記軸部が支持されることを特徴とするコンベヤ装置。
【請求項2】
前記ローラ取付部材は、第二ローラ取付孔が形成された第二片部をさらに有し、
前記ローラ取付部材は、前記第一姿勢と、前記第二ローラ取付孔と前記ローラ取付孔の一部とが連通する第二姿勢から選択される一つの姿勢で前記フレーム部材に固定可能であり、
前記ローラ取付部材を前記第一姿勢又は前記第二姿勢のいずれかで前記フレーム部材に固定し、前記ローラ取付部材が前記軸部を前記第一ローラ取付孔又は前記第二ローラ取付孔の内側と接触させた状態で支持するものであり、
前記ローラ取付部材が前記第一姿勢で固定された状態と、前記第二姿勢で固定された状態では、前記軸部が支持される位置が異なることを特徴とする請求項1に記載のコンベヤ装置。
【請求項3】
前記第一片部と前記第二片部は、屈曲又は湾曲した部分である境界部を介して連続していることを特徴とする請求項2に記載のコンベヤ装置。
【請求項4】
前記第一ローラ取付孔と前記第二ローラ取付孔は、それぞれ長さが異なる長孔であり、前記境界部で連続することを特徴とする請求項3に記載のコンベヤ装置。
【請求項5】
前記第一片部と前記第二片部の少なくとも一方には、識別部が設けられ、
前記識別部は、前記第一姿勢をとる前記ローラ取付部材が前記軸部を支持した状態と、前記第二姿勢をとる前記ローラ取付部材が前記軸部を支持した状態での前記軸部が支持される位置の違いを示すことを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載のコンベヤ装置。
【請求項6】
フレーム部材にローラ部材が取り付けられるコンベヤ装置において、前記フレーム部材に対して前記ローラ部材を取り付けるローラ取付部材であって、
前記フレーム部材には、前記ローラ部材の軸部を挿入可能な長孔であるローラ取付孔が設けられ、前記ローラ取付孔は、長手方向の一端部に接触部を有しており、
第一ローラ取付孔が形成された第一片部を有し、前記第一ローラ取付孔と前記ローラ取付孔の一部とが連通する第一姿勢で前記フレーム部材に固定可能であり、
前記第一姿勢で前記フレーム部材に固定し、前記軸部を前記第一ローラ取付孔の内側と接触させた状態で支持することで、前記軸部を前記接触部に接触させた状態とは異なる位置で前記軸部が支持されることを特徴とするローラ取付部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレーム部材にローラ部材を取り付けて形成されるコンベヤ装置に関する。また、そのようなコンベヤ装置で使用するローラ取付部材に関する。
【背景技術】
【0002】
配送場、集荷場、倉庫等の様々な場所でコンベヤ装置が広く使用されている。このようなコンベヤ装置として、複数のローラ部材を並べて形成されるローラコンベヤがある。ローラコンベヤでは、それぞれのローラ部材がフレーム部材に取り付けられ、回転可能に軸支されている。このようなローラコンベヤ等で、ローラの支軸をコンベヤフレームに固定する際に使用する支軸の固定装置が特許文献1に開示されている。
【0003】
特許文献1に開示された支軸の固定装置は、取付板であり、フレームの表面に引っ掛かる爪部と、支軸を挿通する挿通孔を有している。そして、支軸を固定する際には、フレームの側壁部に取付板を押し当て、取付板の爪部を側壁部に押し付ける。この状態で、側壁部に形成された貫通孔と取付板の挿通孔とを重ねた状態とし、これらに支軸を挿通する。そして、支軸の先端にナットを取り付けることで、支軸がフレームに固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、実際に倉庫等でローラコンベヤ等のコンベヤ装置を運用するとき、複数のコンベヤ装置を並べて配置し、大規模なコンベヤ装置を構築することがある。ここで、本願の発明者は、このようなコンベヤ装置において、隣り合う一のコンベヤ装置と、他のコンベヤ装置の境界となる部分にローラ部材を配し、一のコンベヤ装置から他のコンベヤ装置への搬送物の移動を円滑化することを考えた。
【0006】
ところが、このような大規模なコンベヤ装置では、一のコンベヤ装置と他のコンベヤ装置とで搬送面の高さが異なる状態となってしまう場合があった。すなわち、隣り合うコンベヤ装置の搬送面にずれが生じてしまう場合である。このような場合、境界に位置するローラ部材の設置高さを調整することが好ましいが、コンベヤ装置を分解してそれぞれ移動させたりする必要があり、調整作業が煩雑であった。
【0007】
本発明は、簡単な構造で安価に製造可能であり、ローラの設置位置の調整作業を容易化可能なコンベヤ装置、並びに、ローラ取付部材を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための本発明の一つの様相は、フレーム部材にローラ部材が取り付けられるコンベヤ装置であって、前記フレーム部材には、前記ローラ部材の軸部を挿入可能な長孔であるローラ取付孔が設けられ、前記ローラ取付孔は、長手方向の一端部に接触部を有し、ローラ取付部材をさらに有し、前記ローラ取付部材は、第一ローラ取付孔が形成された第一片部を有し、前記第一ローラ取付孔と前記ローラ取付孔の一部とが連通する第一姿勢で前記フレーム部材に固定可能であり、前記ローラ取付部材を前記第一姿勢で前記フレーム部材に固定し、前記ローラ取付部材が前記軸部を前記第一ローラ取付孔の内側と接触させた状態で支持することで、前記軸部を前記接触部に接触させた状態とは異なる位置で前記軸部が支持されることを特徴とするコンベヤ装置である。
【0009】
本様相では、ローラ部材をフレーム部材から取り外し、フレーム部材にローラ取付部材を固定し、そのままローラ部材を取り付けるだけで、ローラ部材を異なる位置で支持させることができる。このことから、ローラの設置位置の調整作業を容易化できる。また、ローラ取付部材は、第一片部に第一ローラ取付孔を形成しただけの簡単な構造とすることができる。
【0010】
上記した様相は、前記ローラ取付部材は、第二ローラ取付孔が形成された第二片部をさらに有し、前記ローラ取付部材は、前記第一姿勢と、前記第二ローラ取付孔と前記ローラ取付孔の一部とが連通する第二姿勢から選択される一つの姿勢で前記フレーム部材に固定可能であり、前記ローラ取付部材を前記第一姿勢又は前記第二姿勢のいずれかで前記フレーム部材に固定し、前記ローラ取付部材が前記軸部を前記第一ローラ取付孔又は前記第二ローラ取付孔の内側と接触させた状態で支持するものであり、前記ローラ取付部材が前記第一姿勢で固定された状態と、前記第二姿勢で固定された状態では、前記軸部が支持される位置が異なることが好ましい。
【0011】
かかる様相によると、フレーム部材にローラ取付部材を固定するとき、ローラ取付部材の姿勢を変更して固定することで、ローラ部材が支持される位置を異なる位置とすることができる。すなわち、簡単にローラ部材を様々な位置で支持させることが可能となり、ローラ部材が支持される位置の多様化を図ることができる。
【0012】
上記した好ましい様相は、前記第一片部と前記第二片部は、屈曲又は湾曲した部分である境界部を介して連続していることがより好ましい。
【0013】
かかる様相によると、ローラ取付部材を取り付ける際の位置合わせを容易化できる。
【0014】
上記のより好ましい様相は、前記第一ローラ取付孔と前記第二ローラ取付孔は、それぞれ長さが異なる長孔であり、前記境界部で連続することがさらに好ましい。
【0015】
かかる様相によると、第一ローラ取付孔の内側に軸部を挿通する場合と、第二ローラ取付孔の内側に軸部を挿通する場合のいずれにおいても、軸部を挿通させる作業が容易となる。
【0016】
上記した好ましい様相は、前記第一片部と前記第二片部の少なくとも一方には、識別部が設けられ、前記識別部は、前記第一姿勢をとる前記ローラ取付部材が前記軸部を支持した状態と、前記第二姿勢をとる前記ローラ取付部材が前記軸部を支持した状態での前記軸部が支持される位置の違いを示すことがより好ましい。
【0017】
かかる様相によると、作業者がフレーム部材にローラ取付部材を固定するとき、ローラ取付部材の姿勢を間違えてしまうといった問題の発生を抑制できる。
【0018】
本発明の他の一つの様相は、フレーム部材にローラ部材が取り付けられるコンベヤ装置において、前記フレーム部材に対して前記ローラ部材を取り付けるローラ取付部材であって、前記フレーム部材には、前記ローラ部材の軸部を挿入可能な長孔であるローラ取付孔が設けられ、前記ローラ取付孔は、長手方向の一端部に接触部を有しており、第一ローラ取付孔が形成された第一片部を有し、前記第一ローラ取付孔と前記ローラ取付孔の一部とが連通する第一姿勢で前記フレーム部材に固定可能であり、前記第一姿勢で前記フレーム部材に固定し、前記軸部を前記第一ローラ取付孔の内側と接触させた状態で支持することで、前記軸部を前記接触部に接触させた状態とは異なる位置で前記軸部が支持されることを特徴とするローラ取付部材である。
【0019】
かかる様相においても、ローラの設置位置の調整作業を容易化可能である。また、ローラ取付部材は、簡単な構造とすることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によると、簡単な構造で安価に製造可能であり、ローラの設置位置の調整作業を容易化可能なコンベヤ装置、並びに、ローラ取付部材を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の実施形態に係るコンベヤ装置を示す斜視図である。
【
図2】
図1のコンベヤ装置の一部を拡大し、装置間ローラを取り外した様子を示す説明図である。
【
図4】(a)は、
図2の取付補助部材を第一姿勢で外側フレーム部材に取り付ける様子を示す斜視図であり、(b)は、
図2の取付補助部材を第二姿勢で外側フレーム部材に取り付ける様子を示す斜視図である。
【
図5】(a)は、第一姿勢とした取付補助部材を介して装置間ローラを取り付けた様子を模式的に示す説明図であり、(b)は、第二姿勢とした取付補助部材を介して装置間ローラを取り付けた様子を模式的に示す説明図である。
【
図6】
図1とは異なるコンベヤ装置において、取付補助部材を介して装置間ローラを取り付けている様子を示す斜視図である。
【
図7】
図1、
図6とは異なるコンベヤ装置において、取付補助部材を介して装置間ローラを取り付けている様子を模式的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態に係るコンベヤ装置1について、図面を参照しつつ詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0023】
本実施形態のコンベヤ装置1は、
図1で示されるように、第一搬送装置2と、第二搬送装置3からなる2つの搬送装置を並べ、これらを連結して形成されている。
第一搬送装置2、第二搬送装置3は同様の装置であり、第一搬送装置2を詳細に説明し、第二搬送装置3の重複する詳細な説明を省略する。
【0024】
第一搬送装置2は、搬送装置本体10と、外側フレーム部材11(フレーム部材)を有している。
搬送装置本体10は、所謂移載装置であり、複数方向のいずれか(複数方向から選択される一つの方向)に搬送物を搬送させることが可能な装置である。本実施形態の搬送装置本体10は、主搬送コンベヤ部20と、副搬送コンベヤ部21と、昇降機構(図示しない)を有する。
なお、昇降機構は、主搬送コンベヤ部20と副搬送コンベヤ部21の少なくとも一方を昇降させる機構であり、特に限定されるものではないが、本実施形態では、主搬送コンベヤ部20と副搬送コンベヤ部21の双方を昇降させる機構としている。すなわち、昇降機構は、主搬送コンベヤ部20と副搬送コンベヤ部21の一方を上昇させると共に他方を下降させ、一方を下降させると共に他方を上昇させる機構である。
【0025】
主搬送コンベヤ部20は、複数のユニット体20aを有する。それぞれのユニット体20aは、複数のコロ部材(ローラ部材)を備えており、このコロ部材が搬送物の搬送方向(主搬送方向)で所定間隔を空けて並べられている。
この主搬送コンベヤ部20では、複数のコロ部材の上部によって搬送面が形成される。なお、「搬送面」とは、主搬送コンベヤ部20で搬送物を搬送するとき、搬送物が載置される部分である。
【0026】
副搬送コンベヤ部21は、ローラコンベヤであり、互いに平行に延びる2つのコンベヤフレーム21a(フレーム部材)と、複数の搬送ローラ21b(駆動体)を有する。なお、作図の都合上、搬送ローラ21bの一部にのみ符号を付し、他への符号を省略する。また、他の部材も同様に、必要に応じて一部にのみ符号を付し、他への符号を省略する。
【0027】
複数の搬送ローラ21bは、それぞれが2つのコンベヤフレーム21aに回転可能に軸支されており、搬送物の搬送方向(副搬送方向)で所定間隔を空けて並べられている。
この副搬送コンベヤ部21では、複数の搬送ローラ21bの上部によって搬送面が形成される。なお、「搬送面」とは、副搬送コンベヤ部21で搬送物を搬送するとき、搬送物が載置される部分である。
また、上記した主搬送コンベヤ部20のユニット体20aは、平面視において、隣接する2つの搬送ローラ21bの間となる位置に配される。
【0028】
第一搬送装置2では、上記したように、昇降機構によって主搬送コンベヤ部20、副搬送コンベヤ部21が昇降する。このことにより、主搬送コンベヤ部20の搬送面が副搬送コンベヤ部21の搬送面よりも高位置となる状態と、主搬送コンベヤ部20の搬送面が副搬送コンベヤ部21の搬送面よりも低位置とする状態が切り替わる。主搬送コンベヤ部20の搬送面が高位置であるとき、導入された搬送物は主搬送方向に搬送される。対して、主搬送コンベヤ部20の搬送面が低位置であるとき、導入された搬送物は副搬送方向に搬送される。なお、本実施形態では、主搬送方向と副搬送方向は平面視で互いに直交する方向であり、主搬送方向は、平面視でコンベヤフレーム21aの長手方向と直交する方向である。
【0029】
本実施形態の第一搬送装置2では、2つの外側フレーム部材11が所定方向で離れた位置にそれぞれ配され、互いに平行に延びている。そして、2つの外側フレーム部材11の間に搬送装置本体10が配されている。詳細には、2つの外側フレーム部材11は、水平方向のうち一方向であり、間に位置する搬送装置本体10の搬送方向(主搬送方向)で離れた位置にそれぞれ配されている。
【0030】
すなわち、一方の外側フレーム部材11は、一方のコンベヤフレーム21aの外側に隣接する位置に配されている。同様に、他方の外側フレーム部材11は、もう一方のコンベヤフレーム21aの外側に隣接する位置に配されている。そして、それぞれの外側フレーム部材11は、コンベヤフレーム21aと同方向に延設されている。
【0031】
外側フレーム部材11は、
図2で示されるように、天板部25、下板部26、側壁部27を有しており、これらが略コ字状に連続して形成されている。
天板部25と下板部26は、いずれも平板状の部分であり、上下方向で離間対向するように配置されている。
側壁部27は、縦板状の部分であって、上端側部分が天板部25と連続し、下端側部分が下板部26と連続している。ここで、本実施形態の外側フレーム部材11は、側壁部27が内側に近接するコンベヤフレーム21a側に位置した状態で配される。つまり、外側フレーム部材11は、天板部25と下板部26のコンベヤフレーム21a側の端部同士の間に側壁部27が配されており、天板部25と下板部26の間の空間は外側(搬送装置本体10側とは逆側)が開放された空間となる。
【0032】
本実施形態の外側フレーム部材11には、
図1で示されるように、長手方向で離れた複数個所にローラ取付部30が設けられている。このローラ取付部30は、装置間ローラ31(ローラ部材)の取り付けが可能な部分である。
なお、外側フレーム部材11は、
図1等で示されるように、平面視において、2つの搬送装置(搬送装置本体10)の間に位置する。言い換えると、2つの搬送装置のうち、一方の搬送装置の搬送面と、他方の搬送装置の搬送面の間に位置する。したがって、外側フレーム部材11は、2つの搬送装置の間(境界となる位置)に配されるフレーム部材であり、この外側フレーム部材11に取り付けられる装置間ローラ31は、2つの搬送装置の間に取り付けられるローラである。
【0033】
装置間ローラ31は、
図2で示されるように、概形が略円筒状となるローラ本体31aと、軸部31bを有する。軸部31bは、ローラ本体31aの長手方向における両端部のそれぞれから外側に突出している。本実施形態の軸部31bは、特に限定されるものではないが、断面形状が略六角形状で延びる棒状の部材としている。
【0034】
ローラ取付部30では、天板部25と側壁部27の一部が欠落している。さらに、ローラ取付部30では、2つの取付板部35が外側フレーム部材11の長手方向で離れた位置にそれぞれ配され、離間対向している。なお、特に限定されるものではないが、本実施形態では、2つの取付板部35が縦板状の連結板部を介して連結されている。
【0035】
取付板部35は、縦板状の部分であり、その厚さ方向が、外側フレーム部材11の長手方向と同方向となる。
本実施形態では、天板部25と取付板部35が、L字状(略L字状)をなすように配され、互いに連結(結合)されている。
すなわち、取付板部35が天板部25の下側に配され、取付板部35の上面が天板部25の下面と接触した状態となっている。また、天板部25と取付板部35は、天板部25の欠落部分側を向く端面と、取付板部35の一主面とが同一平面状(又は略同一平面状)に位置するように配されている。そして、天板部25の上面(天面)と、天板部25の端面及び取付板部35の一主面との境界となる部分に角部30aが形成されている。
【0036】
本実施形態では、取付板部35と天板部25を跨ぐようにローラ取付孔38が形成されている。このローラ取付孔38は、上下方向(又は略上下方向)に延びる長孔部分(切欠部分)である縦孔部40と、水平方向(又は略水平方向)に延びる長孔部分(切欠部分)である横孔部41を有する。
つまり、ローラ取付孔38は、取付板部35に設けられた縦孔部40と、天板部25に設けられて外側フレーム部材11の長手方向に延びる横孔部41とが一体となって形成されている。そして、縦孔部40の上側に、横孔部41の一部が位置している。また、縦孔部40、横孔部41は、取付板部35、天板部25を厚さ方向に貫通している。
【0037】
この縦孔部40は、装置間ローラ31の軸部31bを上方又は側方から挿入可能となっている。ここで、縦孔部40の幅方向の長さは、挿入された装置間ローラ31の軸部31bが略丁度嵌る大きさとしている。つまり、装置間ローラ31の軸部31bは、縦孔部40に挿入されたまま、縦孔部40の長手方向に沿ってスライド移動可能となっている。
【0038】
縦孔部40は、その下端側部分に、装置間ローラ31の軸部31bを載置可能なフレーム側載置部40a(接触部、フレーム側接触部)を有する。フレーム側載置部40aは、軸部31bの一部が略丁度嵌まり込む形状であり、軸部31bを載置したとき、載置した軸部31bが軸回りに回転しない形状となっている。
つまり、フレーム側載置部40aは、軸部31bを接触(載置)させることで、軸部31bの一部と互いに係合した係合状態となり、係合状態では、軸部31bが軸回りに回転しない状態となる。
具体的には、本実施形態のフレーム側載置部40aは、縦孔部40の幅方向の片側と他方側にそれぞれ傾斜面部分を有している。そして、この2つの傾斜面部分は、いずれも縦孔部40の幅方向の中心側に向かうにつれて下り勾配となっている。
【0039】
本実施形態のローラ取付部30では、外側フレーム部材11の長手方向で離れた位置にそれぞれローラ取付孔38が配される。そして、装置間ローラ31を外側フレーム部材11に取り付けるとき、装置間ローラ31の片側の軸部31bと、他方側の軸部31bをそれぞれ異なるローラ取付孔38に挿入し、それぞれ異なるフレーム側載置部40aに載置して取り付けることが可能である。
この他、本実施形態のコンベヤ装置1では、装置間ローラ31を外側フレーム部材11に取り付けるとき、
図2で示されるように、取付補助部材45(ローラ取付部材)を介して取り付けることも可能である。
【0040】
つまり、コンベヤ装置1は、装置間ローラ31を固定対象物となる外側フレーム部材11に取り付けるとき、2つの取付補助部材45を使用せずに取り付ける直接取り付けと、2つの取付補助部材45を使用して取り付ける部材介在取り付けが可能である。そして、直接取り付けでは、装置間ローラ31の軸部31bを外側フレーム部材11に載置(接触)させ、部材介在取り付けでは、装置間ローラ31の軸部31bを取付補助部材45に載置(接触)させる(詳しくは後述する)。
【0041】
取付補助部材45は、本実施形態の特徴的な部材であり、装置間ローラ31(軸部31b)の設置高さを調整する高さ調整部材である(詳しくは後述する)。この取付補助部材45は、
図3で示されるように、外形が略L字板状となる金属製の部材である。
すなわち、取付補助部材45は、いずれも板状の第一板部50(第一片部)と第二板部51(第二片部)を有しており、第一板部50と第二板部51とが境界部52で屈曲又は湾曲しつつ連続する。
【0042】
第一板部50は、第一ローラ軸取付部60(第一ローラ取付孔)と、第一識別部61(識別部)と、第一固定用孔62を有している。
【0043】
第一ローラ軸取付部60は、第一板部50を厚さ方向に貫通する長孔部分(切欠部分)であり、長手方向の一端部が境界部52に位置している。すなわち、第一ローラ軸取付部60は、境界部52から離れる方向に延びている。つまり、第一ローラ軸取付部60は、第一板部50のうち、境界部52側とは逆側の端部に向かって直線状に延設されている。
【0044】
第一ローラ軸取付部60の幅方向の長さは、上記した縦孔部40(
図2参照)の幅方向の長さと同一又は略同一としている。すなわち、装置間ローラ31の軸部31bが略丁度嵌る大きさとしている。そして、この第一ローラ軸取付部60は、上記した縦孔部40よりも長手方向の長さが短くなっている。
【0045】
また、第一ローラ軸取付部60のうち、長手方向の他端部には、第一載置部60a(第一取付部材側接触部)が形成されている。この第一載置部60aは、上記したフレーム側載置部40a(
図2参照)と同様の形状としている。すなわち、軸部31bを載置したとき、軸部31bの一部と互いに係合する形状であり、係合状態で軸部31bが軸回りに回転しない形状である。
【0046】
第一識別部61は、文字等を示すように刻印された刻印部分、又は、周囲よりも隆起するように形成された隆起部分であり、本実施形態では、「高」という文字を示している。
なお、ここでいう「文字等」とは、文字、数字、記号、図形、絵柄、又はその他の符号から選択される一つ又は複数の組み合わせとし、以下も同様とする。
つまり、第一識別部61は、使用者に所定の情報を示す(識別させる)部分である。本実施形態の第一識別部61は、取付補助部材45を第一姿勢として介在させた際の装置間ローラ31の設置高さを示す(詳しくは後述する)。
【0047】
第一固定用孔62は、第一板部50を厚さ方向に貫通する貫通孔であり、ねじ等の一時締結要素を挿通可能な孔である。なお、「一時締結要素」とは、ねじ、ボルトナットの組み合わせ等の上位概念である締結要素の一種であり、原則的に破壊せずに締結及びその解除が可能な締結要素である。
本実施形態では、第一ローラ軸取付部60の少なくとも一部と直線状に並んだ位置であり、第一ローラ軸取付部60の第一載置部60aよりも境界部52から離れた位置(境界部52とは逆側の端部に近い位置)に第一固定用孔62を形成している。
【0048】
第二板部51は、第二ローラ軸取付部65(第二ローラ取付孔)と、第二識別部66(識別部)と、第二固定用孔67を有している。
【0049】
第二ローラ軸取付部65は、第二板部51を厚さ方向に貫通する長孔部分(切欠部分)であり、長手方向の一端部が境界部52に位置している。すなわち、第二ローラ軸取付部65は、境界部52から離れる方向に延びている。つまり、第二ローラ軸取付部65は、第二板部51のうち、境界部52側とは逆側の端部に向かって直線状に延設されている。
【0050】
第二ローラ軸取付部65の幅方向の長さは、上記した縦孔部40(
図2参照)や、上記した第一ローラ軸取付部60の幅方向の長さと同一又は略同一としている。すなわち、装置間ローラ31の軸部31bが略丁度嵌る大きさである。そして、この第二ローラ軸取付部65は、上記した縦孔部40よりも長手方向の長さが短く、第一ローラ軸取付部60よりも長手方向の長さが長くなっている。
【0051】
また、第二ローラ軸取付部65のうち、長手方向の他端部には、第二載置部65a(第二取付部材側接触部)が形成されている。この第二載置部65aは、上記したフレーム側載置部40a(
図2参照)や、第二載置部65aと同様の形状としている。すなわち、軸部31bを載置したとき、軸部31bの一部と互いに係合する形状であり、係合状態で軸部31bが軸回りに回転しない形状である。
【0052】
ここで、第一ローラ軸取付部60と第二ローラ軸取付部65は、境界部52で連続する一連の孔を形成している。つまり、第一ローラ軸取付部60、第二ローラ軸取付部65は一つの長孔の異なる部分となる。
なお、第一ローラ軸取付部60と第二ローラ軸取付部65は、それぞれの幅方向の片側端部において、内側面同士が一連の面を形成している。なお、幅方向の他方側端部においても、内側面同士が一連の面を形成している。
【0053】
第二識別部66は、文字等を示すように刻印された刻印部分、又は、周囲よりも隆起するように形成された隆起部分であり、本実施形態では、「中」という文字を示している。この第二識別部66もまた、使用者に所定の情報を示す(識別させる)部分である。本実施形態の第二識別部66は、取付補助部材45を第二姿勢として介在させた際の装置間ローラ31の設置高さを示している(詳しくは後述する)。
【0054】
第二固定用孔67は、第二板部51を厚さ方向に貫通する貫通孔であり、一時締結要素を挿通可能な孔である。本実施形態では、第二ローラ軸取付部65の少なくとも一部と直線状に並んだ位置であり、第二ローラ軸取付部65の第二載置部65aよりも境界部52から離れた位置(境界部52とは逆側の端部に近い位置)に第二固定用孔67を形成している。
【0055】
本実施形態の取付補助部材45は、
図4で示されるように、外側フレーム部材11のローラ取付部30のうち、ローラ取付孔38が形成される角部30a周辺に取り付けが可能である。このとき、取付補助部材45は、外側フレーム部材11に対して異なる姿勢で取り付けることが可能である。詳細には、第一板部50を立てた姿勢とする第一姿勢(
図4(a)参照)と、第二板部51を立てた姿勢とする第二姿勢(
図4(b)参照)のいずれかを選択して取り付けが可能となっている。
【0056】
第一姿勢は、
図4(a)で示されるように、第一板部50が縦板状となり、第二板部51が平板状となる姿勢である。
取付補助部材45を第一姿勢として外側フレーム部材11に取り付ける際には、取付補助部材45の角部分(境界部52)を、外側フレーム部材11の角部30aに外側からあてがう。このことにより、第一板部50が取付板部35に添え当てられた状態となり、第二板部51が天板部25に載置された状態となる。
【0057】
そして、取付補助部材45の角部分をあてがったまま、必要に応じて取付補助部材45をスライド移動させて、取付補助部材45の第二固定用孔67と、外側フレーム部材11の取付用孔の位置を合わせ、これらに一時締結要素を挿通する。このことにより、取付補助部材45が外側フレーム部材11に固定される。本実施形態では、このようにスライド移動させつつ位置合わせが可能であるので、位置合わせ作業が容易である。
【0058】
取付補助部材45が第一姿勢で取り付けられた(固定された)状態では、
図5(a)で示されるように、第一板部50と取付板部35の厚さ方向が同方向(又は略同じ方向)となる。詳細には、第一板部50と取付板部35が互いに面接触した状態で、第一板部50と取付板部35が水平方向で重なる。
また、第二板部51と天板部25の厚さ方向が同方向(又は略同じ方向)となる。詳細には、第二板部51の下面と天板部25の上面が面接触した状態で、第二板部51と天板部25とが上下方向で重なる。
そして、第一ローラ軸取付部60と縦孔部40が水平方向で重なって連通孔を形成し、第二ローラ軸取付部65と横孔部41とが上下方向で重なって連通孔を形成する。
【0059】
このように、第二ローラ軸取付部65と横孔部41が重なると、装置間ローラ31の軸部31bを第一ローラ軸取付部60に挿入させる際、この部分が軸部31bを通過させる空間として機能するので、軸部31bを上方から挿入させることが可能となる。すなわち、軸部31bを第一ローラ軸取付部60に挿入させる作業を容易化できる。
【0060】
また、取付補助部材45を第一姿勢で固定すると、第一ローラ軸取付部60の下端部分(第一載置部60a)が、縦孔部40の下端部分(フレーム側載置部40a)よりも高位置となる。そして、
図5(a)で示されるように、外側フレーム部材11に2つの取付補助部材45をいずれも第一姿勢で取り付けることで、装置間ローラ31の両端の軸部31bをそれぞれ異なる第一載置部60aに載置させた状態とすることができる。つまり、このように装置間ローラ31が第一姿勢をとる2つの取付補助部材45に支持された状態で、装置間ローラ31を外側フレーム部材11に取り付けることができる。
この2つの取付補助部材45を第一姿勢とした装置間ローラ31の取り付け(以下、第一の取り付けとも称す)では、上記した直接取り付け(軸部31bのそれぞれをフレーム側載置部40aに載置させた場合)と比べ、装置間ローラ31を高位置で支持できる。
【0061】
第二姿勢は、
図4(b)で示されるように、第一板部50が平板状となり、第二板部51が縦状となる姿勢である。取付補助部材45を第二姿勢で取り付ける(固定する)手順の詳細については、第一姿勢で取り付ける(固定する場合)と略同様であるので、詳細な説明を省略する。
【0062】
取付補助部材45を第二姿勢で固定すると、
図5(b)で示されるように、第二板部51と取付板部35の厚さ方向が同方向(又は略同じ方向)となる。詳細には、第二板部51と取付板部35が面接触した状態で、第二板部51と取付板部35が水平方向で重なる。また、第一板部50と天板部25の厚さ方向が同方向(又は略同じ方向)となる。詳細には、第一板部50の下面と天板部25の上面が面接触で、第一板部50と天板部25が上下方向で重なる。そして、第二ローラ軸取付部65と縦孔部40が水平方向で重なって連通孔を形成し、第一ローラ軸取付部60と横孔部41とが上下方向で重なって連通孔を形成する。
この第二姿勢においても、第一ローラ軸取付部60と横孔部41が重なることで、軸部31bを第二ローラ軸取付部65に挿入させる作業を容易化できる。
【0063】
このように、取付補助部材45を第二姿勢で固定すると、第二ローラ軸取付部65の下端部分(第二載置部65a)が、縦孔部40の下端部分(フレーム側載置部40a)よりも高位置となる。なお、この際の第二載置部65aの位置は、取付補助部材45を第一姿勢で取り付けた際の第一載置部60aの位置(
図5(b)参照)よりも低位置となる。
そして、
図5(b)で示されるように、外側フレーム部材11に2つの取付補助部材45をいずれも第二姿勢で取り付けることで、装置間ローラ31の両端の軸部31bをそれぞれ異なる第二載置部65aに載置させた状態とすることができる。つまり、このように装置間ローラ31が第二姿勢をとる2つの取付補助部材45に支持された状態で、装置間ローラ31を外側フレーム部材11に取り付けることができる。
この2つの取付補助部材45を第二姿勢とした装置間ローラ31の取り付け(以下、第二の取り付けとも称す)では、装置間ローラ31の支持高さ(取り付け高さ)を上記した直接取り付けよりも高位置であり、上記した第一の取り付けよりも低位置にできる。
【0064】
以上のことから、本実施形態のコンベヤ装置1では、装置間ローラ31を取り付けるとき、直接取り付け、第一の取り付け、第二の取り付けからいずれかを選択して取り付けることで、装置間ローラ31を異なる高さに取り付けることができる。つまり、本実施形態のコンベヤ装置1では、装置間ローラ31の支持高さ(取り付け高さであり、設置高さ)を変更(調整)できる。
【0065】
なお、本実施形態の取付補助部材45は、上記したように、第一識別部61、第二識別部66を有している(
図3参照)。このため、取付補助部材45を外側フレーム部材11に取り付けるとき、使用者が識別部を視認することで、取付板部35に添え当てた部分が第一板部50、第二板部51のいずれであるのかを確認できる。つまり、取付補助部材45を取り付ける際に、使用者が取付補助部材45の姿勢を誤って取り付けてしまうといった問題の発生を防止できる。
【0066】
付言すると、第一識別部61は、上記したように「高」という文字を示している。すなわち、第一板部50を取付板部35に添え当てる(第一姿勢として縦孔部40と第一ローラ軸取付部60を重ねる)ことで、装置間ローラ31が高位置に取り付けられることを示す。
また、第一識別部61は、上記したように「中」という文字を示している。すなわち、第二板部51を取付板部35に添え当てる(第二姿勢として縦孔部40と第二ローラ軸取付部65を重ねる)ことで、装置間ローラ31が中位置に取り付けられることを示す。なお、中位置とは、低位置となる上記した直接取り付けよりも高い位置であり、高位置となる上記した第一の取り付けよりも低い位置である。
【0067】
上記した実施形態では、第一搬送装置2、第二搬送装置3の搬送装置本体10を移載装置とした例について説明したが、本発明はこれに限るものではない。搬送装置本体は、通常のベルトコンベヤ、ローラコンベヤのような搬送方向が位置方向となる搬送装置としてもよい。
【0068】
上記した実施形態では、取付補助部材45を介在させた部材介在取り付けにより、装置間ローラ31を取り付ける例を示したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、ローラコンベヤにおいて、コンベヤローラ(ローラ部材)をコンベヤフレーム(フレーム部材)に取り付ける(軸支させる)とき、上記した直接取り付けと、部材介在取り付けを選択可能な構造としてもよい。
【0069】
上記した実施形態では、第一板部50と第二板部51の双方に識別部(第一識別部61、第二識別部66)設けた例を示したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、一方にのみ識別部を設けてもよい。例えば、第一板部50にのみ識別部を設け、第二板部51に識別部を設けない構造とする。この場合、識別部のある第一板部50に形成された孔がローラ部材を高位置で支持するための孔であり、識別部のない第二板部51に形成された孔がローラ部材を中位置で支持するための孔であることが解る。このとき、第一識別部61は、例えば「〇」のような記号であってもよい。
【0070】
上記した実施形態では、第一ローラ軸取付部60、第二ローラ軸取付部65の幅方向の長さを、縦孔部40の幅方向の長さと同一又は略同一とした例を示したが、本発明はこれに限るものではない。これらの幅方向の長さは、縦孔部40の幅方向の長さよりも十分に長くてもよい。
【0071】
上記した実施形態のコンベヤ装置1では、複数(2つ)の装置間ローラ31を間隔を空けて一列に並べた状態で取り付けた例を示したが、本発明はこれに限るものではない。
例えば、
図6で示されるように、装置間ローラ31を行列状に取り付けてもよい。つまり、複数(2つ)の装置間ローラ31から構成される装置間ローラ31の列を複数列(2列)設けてもよい。
また、装置間ローラ31は、必ずしも列状に配さなくてもよい。例えば、平面視で斜め方向に離れた2箇所、すなわち、2つの外側フレーム部111の並列方向(
図6のX方向)と、2つの外側フレーム部111の長手方向(
図6のY方向)の双方で離れた2箇所にそれぞれ装置間ローラ31を取り付けてもよい。
2つの搬送装置(搬送装置本体10)の間に配する装置間ローラ31の数、位置は適宜変更してもよい。
【0072】
上記した実施形態の取付補助部材45は、
図7で示されるような、分岐部を有するコンベヤ装置200でローラ部材を取り付ける際にも使用できる。
本実施形態のコンベヤ装置200は、上流側コンベヤ201と、搬送方向の切り替えが可能な移載装置202と、下流側コンベヤ203と、副搬送コンベヤ204を有している。
上流側コンベヤ201、下流側コンベヤ203、副搬送コンベヤ204は、本実施形態ではローラコンベヤであり、互いに平行に延びる一対のコンベヤフレームと、このコンベヤフレームに取り付けられる複数の搬送ローラを有する。
【0073】
このコンベヤ装置200は、上流側コンベヤ201、移載装置202、下流側コンベヤ203から構成される主搬送路での搬送物の搬送と、副搬送コンベヤ204によって構成される副搬送路での搬送物の搬送が可能である。すなわち、コンベヤ装置200の分岐部に移載装置202が配されており、上流側から搬送された搬送物の下流側コンベヤ203への搬送と、副搬送コンベヤ204への搬送が可能である。
【0074】
本実施形態のコンベヤ装置200では、移載装置202と副搬送コンベヤ204の間に装置間フレーム部材211を設けている。装置間フレーム部材211は、上記したローラ取付部30を有しており、装置間ローラ31が取付補助部材45を介して取り付けている。本実施形態の装置間フレーム部材211は、装置間フレーム部材211の長手方向(主搬送路の搬送方向)で離れた位置に2つのローラ取付部30がそれぞれ設けられている。そして、2つのローラ取付部30のそれぞれに対して装置間ローラ31が取付補助部材45を介して取り付けられている。
【0075】
装置間フレーム部材211は、上流側コンベヤ201と移載装置202の間となる位置や、下流側コンベヤ203の間となる位置に設けてもよい。すなわち、適宜の2つの搬送装置の間に設けてもよい。
また、装置間ローラ31は、例えば、副搬送コンベヤ204に属する一対のコンベヤフレームをそれぞれ延設し、このコンベヤフレームに対して取り付けてもよい。2つの搬送装置を並べたとき、上流側の搬送装置の搬送面の下流側に隣接する位置(又は下流側にやや離れた位置)に装置間ローラ31が取り付けられればよい。同様に、上流側コンベヤ201や下流側コンベヤ203のコンベヤフレームを延設し、このコンベヤフレームに対して装置間ローラ31を取り付けてもよい。当然のことながら、これらの装置間ローラ31の取り付けは、必要に応じて取付補助部材45を介して取り付ける。
【符号の説明】
【0076】
1,200 コンベヤ装置
11,111 外側フレーム部材(フレーム部材)
31 装置間ローラ(ローラ部材)
31b 軸部
38 ローラ取付孔
40a フレーム側載置部(接触部)
45 取付補助部材(ローラ取付部材)
50 第一板部(第一片部)
51 第二板部(第二片部)
52 境界部
60 第一ローラ軸取付部(第一ローラ取付孔)
61 第一識別部(識別部)
65 第二ローラ軸取付部(第二ローラ取付孔)
66 第二識別部(識別部)
211 装置間フレーム部材(フレーム部材)