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特開2023-20098コンベヤ装置、仕分補助装置、並びに搬送補助装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023020098
(43)【公開日】2023-02-09
(54)【発明の名称】コンベヤ装置、仕分補助装置、並びに搬送補助装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/68 20060101AFI20230202BHJP
   B65G 13/10 20060101ALI20230202BHJP
   B65G 47/24 20060101ALI20230202BHJP
【FI】
B65G47/68 D
B65G13/10
B65G47/24 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021125288
(22)【出願日】2021-07-30
(71)【出願人】
【識別番号】592026819
【氏名又は名称】伊東電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100480
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 隆
(72)【発明者】
【氏名】伊東 一夫
(72)【発明者】
【氏名】中村 竜彦
(72)【発明者】
【氏名】高橋 幸治
【テーマコード(参考)】
3F033
3F070
3F081
【Fターム(参考)】
3F033BC02
3F033EA05
3F033EA06
3F070AA06
3F070BD01
3F070EA21
3F070EC02
3F070EC12
3F081AA01
3F081BA01
3F081BD22
3F081BF01
3F081CC12
3F081DA02
3F081DA12
(57)【要約】
【課題】コンベヤ装置において、搬送面上に広い領域を必要とせずに搬送物を正しい方向に搬送し、搬送物の破損を防止する技術を提供する。
【解決手段】主搬送路と、前記主搬送路と交差する方向に延びる副搬送路を有するコンベヤ装置であって、主搬送路と副搬送路の分岐部に仕分補助装置40を設ける。仕分補助装置40は、動力によって縦軸回りに自動回転する回転体45を有し、回転体45は、少なくとも一部が常時搬送面の上側に位置しており、側面の一部が主搬送路側を向き、側面の他部が副搬送路側を向いた状態で配する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主搬送路と、前記主搬送路と交差する方向に延びる副搬送路を有するコンベヤ装置であって、
前記主搬送路と前記副搬送路の分岐部に仕分補助装置が設けられ、
仕分補助装置は、動力によって縦軸回りに自動回転する回転体を有し、前記回転体は、少なくとも一部が常時搬送面の上側に位置しており、側面の一部が前記主搬送路側を向き、側面の他部が前記副搬送路側を向いた状態で配されていることを特徴とするコンベヤ装置。
【請求項2】
搬送物を前記主搬送路で搬送する主搬送動作と、搬送物を前記副搬送路で搬送する副搬送動作の切り替えが可能であり、
前記主搬送動作と前記副搬送動作の切り替えに応じて、前記回転体の回転方向が切り替わるものであり、前記主搬送動作の実行時における前記回転体の回転方向と、前記副搬送動作の実行時における前記回転体の回転方向が逆方向となることを特徴とする請求項1に記載のコンベヤ装置。
【請求項3】
上側板部と、下側板部を有し、
上下方向で前記上側板部と前記下側板部の間となる位置に前記回転体が配され、
前記上側板部は、前記主搬送路の搬送方向に沿って延びる主搬送側フレームと、前記副搬送路の搬送方向に沿って延びる副搬送側フレームの双方に対して固定しており、
前記下側板部は、前記主搬送路の搬送方向に沿って延びるコンベヤフレームと一体に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のコンベヤ装置。
【請求項4】
前記仕分補助装置は、動力部と、動力伝達部を有し、
前記動力部は、水平方向に延びる出力軸を有し、前記出力軸から出力される回転力が前記動力伝達部によって縦軸である前記回転体の回転軸に伝達されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のコンベヤ装置。
【請求項5】
主搬送路と、前記主搬送路と交差する方向に延びる副搬送路を有するコンベヤ装置において、前記主搬送路と前記副搬送路の分岐部に取り付けられる仕分補助装置であって、
動力によって縦軸回りに自動回転する回転体を有し、前記回転体は、少なくとも一部が常時搬送面の上側に位置するものであり、側面の一部が前記主搬送路側を向き、側面の他部が前記副搬送路側を向いた状態で取り付けられることを特徴とする仕分補助装置。
【請求項6】
コンベヤ装置に取り付けられる搬送補助装置であり、
動力によって縦軸回りに自動回転する回転体を有し、前記回転体は、少なくとも一部が常時搬送面の上側に位置するものであり、側面の一部が前記コンベヤ装置の搬送路側を向いた状態で取り付けられ、
上側板部を有し、
上側板部は、前記回転体の上側に配され、前記コンベヤ装置のフレーム部材に対して固定されていることを特徴とする搬送補助装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンベヤ装置に関するものであり、特に、搬送路が分岐するコンベヤ装置に関する。また、そのようなコンベヤ装置で使用される仕分補助装置に関する。さらにまた、コンベヤ装置で使用される搬送補助装置に関する。
【背景技術】
【0002】
配送場、集荷場、倉庫等の様々な場所でコンベヤ装置が広く使用されている。例えば、配送場では、搬送物を配送先ごとに仕分ける必要がある。このため、配送場に設置されるコンベヤ装置は、搬送路が多数に分岐されているものが多い。例えば、搬送路の下流側が2方向に分岐し、分岐したそれぞれの搬送路が再び分岐するといった具合である。
【0003】
このように、搬送路が分岐する分岐コンベヤ装置として、例えば、特許文献1に開示されたものがある。特許文献1の分岐コンベヤ装置は、主コンベヤ装置と、副コンベヤ装置と、搬送物仕分け装置を有している。そして、搬送物仕分け装置を稼働させることで、主コンベヤ装置で搬送物を直線的に搬送する状態と、主コンベヤ装置から分岐した副コンベヤ装置に搬送物を導入して搬送する状態を切り替えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-163547号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の分岐コンベヤ装置では、仕分け装置を搬送面上の広い範囲に亘って配置することなく、搬送物を正しい方向に搬送するという観点から改良の余地があった。また、分岐部分での搬送物の破損を防止するという観点からも改良の余地があった。
すなわち、従来のコンベヤ装置では、搬送面上に広い領域を必要とせずに搬送物を正しい方向に搬送し、搬送物の破損を防止するという点において改良の余地があった。
【0006】
そこで本発明は、コンベヤ装置において、搬送面上に広い領域を必要とせずに搬送物を正しい方向に搬送し、搬送物の破損を防止する技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本発明の一つの様相は、主搬送路と、前記主搬送路と交差する方向に延びる副搬送路を有するコンベヤ装置であって、前記主搬送路と前記副搬送路の分岐部に仕分補助装置が設けられ、仕分補助装置は、動力によって縦軸回りに自動回転する回転体を有し、前記回転体は、少なくとも一部が常時搬送面の上側に位置しており、側面の一部が前記主搬送路側を向き、側面の他部が前記副搬送路側を向いた状態で配されていることを特徴とするコンベヤ装置である。
【0008】
本様相によると、回転体の少なくとも一部を常時搬送面の上側に位置させ、側面の一部が前記主搬送路側を向き、側面の他部が前記副搬送路側を向いた状態とすればよく、搬送面上に設置のための広い領域を必要としない。また、搬送物が想定とは異なる方向に搬送されても、搬送物の側面が回転体に当接することで、正しい方向に搬送される。そして、想定とは異なる方向に搬送された搬送物が回転体に当接することで、搬送物がフレームや、ガード部材等に強く当たって破損してしまうという問題の発生を防止できる。
【0009】
上記した様相は、搬送物を前記主搬送路で搬送する主搬送動作と、搬送物を前記副搬送路で搬送する副搬送動作の切り替えが可能であり、前記主搬送動作と前記副搬送動作の切り替えに応じて、前記回転体の回転方向が切り替わるものであり、前記主搬送動作の実行時における前記回転体の回転方向と、前記副搬送動作の実行時における前記回転体の回転方向が逆方向となることが好ましい。
【0010】
かかる様相によると、主搬送動作と、副搬送動作のそれぞれにおいて、搬送物が想定とは異なる方向に搬送されても、搬送物を搬送すべき方向に搬送することが可能となる。
【0011】
上記した様相は、上側板部と、下側板部を有し、上下方向で前記上側板部と前記下側板部の間となる位置に前記回転体が配され、前記上側板部は、前記主搬送路の搬送方向に沿って延びる主搬送側フレームと、前記副搬送路の搬送方向に沿って延びる副搬送側フレームの双方に対して固定しており、前記下側板部は、前記主搬送路の搬送方向に沿って延びるコンベヤフレームと一体に形成されていることが好ましい。
【0012】
かかる様相によると、回転体を大きく目立たせることなく配置することが可能となる。
【0013】
上記した様相は、前記仕分補助装置は、動力部と、動力伝達部を有し、前記動力部は、水平方向に延びる出力軸を有し、前記出力軸から出力される回転力が前記動力伝達部によって縦軸である前記回転体の回転軸に伝達されることが好ましい。
【0014】
かかる様相によると、コンベヤ装置の狭い場所に仕分補助装置の設置が可能となる。
【0015】
本発明の他の様相は、主搬送路と、前記主搬送路と交差する方向に延びる副搬送路を有するコンベヤ装置において、前記主搬送路と前記副搬送路の分岐部に取り付けられる仕分補助装置であって、動力によって縦軸回りに自動回転する回転体を有し、前記回転体は、少なくとも一部が常時搬送面の上側に位置するものであり、側面の一部が前記主搬送路側を向き、側面の他部が前記副搬送路側を向いた状態で取り付けられることを特徴とする仕分補助装置である。
【0016】
本様相においても、回転体の少なくとも一部を常時搬送面の上側に位置させ、側面の一部が前記主搬送路側を向き、側面の他部が前記副搬送路側を向いた状態とすればよく、搬送面上に設置のための広い領域を必要としない。また、搬送物が想定とは異なる方向に搬送されても、搬送物の側面が回転体に当接することで、正しい方向に搬送される。そして、想定とは異なる方向に搬送された搬送物が回転体に当接することで、搬送物がフレームや、ガード部材等に強く当たって破損してしまうという問題の発生を防止できる。
【0017】
本発明のさらに他の様相は、コンベヤ装置に取り付けられる搬送補助装置であり、動力によって縦軸回りに自動回転する回転体を有し、前記回転体は、少なくとも一部が常時搬送面の上側に位置するものであり、側面の一部が前記コンベヤ装置の搬送路側を向いた状態で取り付けられ、上側板部を有し、上側板部は、前記回転体の上側に配され、前記コンベヤ装置のフレーム部材に対して固定されていることを特徴とする搬送補助装置である。
【0018】
本様相においても、回転体の少なくとも一部を常時搬送面の上側に位置させ、側面の一部が前記コンベヤ装置の搬送路側を向いた状態で取り付ければよく、搬送面上に設置のための広い領域を必要としない。また、搬送物が想定とは異なる方向に搬送されても、搬送物の側面が回転体に当接することで、その搬送方向が変更される。そして、想定とは異なる方向に搬送された搬送物が回転体に当接することで、搬送物がフレームや、ガード部材等に強く当たって破損してしまうという問題の発生を防止できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によると、コンベヤ装置において、搬送面上に広い領域を必要とせずに搬送物を正しい方向に搬送し、搬送物の破損を防止する技術を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施形態に係るコンベヤ装置を示す平面図である。
図2図1の分岐部を拡大して示す斜視図である。
図3】(a)は、図1の分岐部を拡大して示す説明図であり、(b)は、(a)のローラ部材の周辺をさらに拡大して示す説明図である。
図4図1の仕分補助装置を一部破断して模式的に示す説明図である。
図5図1のコンベヤ装置で副搬送動作を実行したとき、搬送物が想定とは異なる経路で搬送されてしまった様子を示す説明図である。
図6図1とは異なるコンベヤ装置に対し、図1の仕分補助装置を分岐部とは異なる部分に取り付けて搬送補助装置として使用する例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態に係るコンベヤ装置1について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0022】
本実施形態のコンベヤ装置1は、図1で示されるように、主コンベヤライン(主搬送路)を形成する主コンベヤ装置2と、副コンベヤライン(副搬送路)を形成する副コンベヤ装置3と、図示しない制御装置を有する。
制御装置は、例えば、外部のコンピュータやコンベヤ装置1の各部(各領域)に設けられたゾーンコントローラによって構築してもよい。本実施形態のコンベヤ装置1は、この制御装置によって各種動作が制御される。例えば、詳しくは後述するが、搬送物の搬送方向を変更する仕分け動作や、ローラ部材45(回転体)の回転方向を変更する動作が制御される。
【0023】
主コンベヤ装置2は、上流側コンベヤ装置10と、移載装置11と、下流側コンベヤ装置12から構成されている。
上流側コンベヤ装置10、下流側コンベヤ装置12は、所謂ローラコンベヤである。すなわち、コンベヤフレーム15に対し、複数の搬送ローラ16(駆動体)を取り付けて形成している。なお、作図の都合上、一部の搬送ローラ16のみに符号を付し、他への符号を省略する。また、他の部材も同様に、必要に応じて一部のみに符号を付し、他への符号を省略する。
【0024】
コンベヤフレーム15は、互いに平行に延びる一対の第一フレーム部材17と、第二フレーム部材18(主搬送側フレーム、コンベヤフレーム)を有している。
【0025】
第一フレーム部材17は、詳細な図示は省略するが、C型鋼のような形状であり、平板状の天板部と、立板状の側壁部と、平板状の下板部が略コ字状に連続した部材である。
【0026】
第二フレーム部材18は、2つの二つのフレーム部材のうち、副コンベヤ装置3側に配される部材であり、上流部18a、連結部18b、下流部18cを有する。
上流部18a、下流部18cは、上記した第一フレーム部材17と略同形となる部分である。連結部18bは、上流部18aと下流部18cの間に位置し、副コンベヤ装置3の上流端と隣接する部分である。
この連結部18bは、詳細な図示は省略するが、上流部18a、下流部18cと比べて、天板部と側壁部の一部が欠落した形状としており、上端部分が上流部18aの上端部分や下流部18cの上端部分よりも低位置となる。
【0027】
連結部18bは、側壁部の上端部分から副コンベヤ装置3側に片持ち状に延びる平板状部19(下側板部)を有する(図1図2参照)。この平板状部19は、主コンベヤ装置2の搬送面よりも低位置に配されている。そして、平板状部19は、平面視形状が略長方形状であって、主コンベヤ装置2の搬送方向に延びた部分となっている。
【0028】
なお、特に限定されるものではないが、本実施形態では、平板状部19の上流側に導入補助ローラ20が配されている。導入補助ローラ20は、動力源を持たない空転ローラであり、搬送ローラ16と同様に、ローラ本体と、ローラ本体の長手方向両端に位置する軸部を有する。この導入補助ローラ20は、長手方向(全体及び軸部の長手方向)が主コンベヤラインの搬送方向と同方向となるように、取付用部材を介して連結部18bの側壁部に取り付けられている。
【0029】
この上流側コンベヤ装置10、下流側コンベヤ装置12では、複数の搬送ローラ16の上部によって搬送面が形成される。なお、「搬送面」とは、主コンベヤ装置2で搬送物を搬送するとき、搬送物が載置される部分である。
【0030】
移載装置11は、様々な方向に搬送方向の変更が可能な搬送方向切替装置である。本実施形態では、小型の小搬送装置25を面状に多数配列した形式のものを採用している。また、本実施形態では、上記した第一フレーム部材17と、第二フレーム部材18の間に移載装置11を配している。
【0031】
小搬送装置25は、それぞれがローラ部26(回転体)とその受け部材を備えており、ローラ部26が受け部材に軸支されている。そして、受け部材が旋回可能となっており、受け部材が旋回することで、ローラ部26が受け部材と共に回転軸ごと旋回する。
すなわち、この移載装置11では、切替用モータが駆動することで、複数の小搬送装置25の受け部材が旋回する。そして、複数のローラ部26がその受け部材ごと旋回して姿勢変更し、それぞれのローラ部26の向きが一斉に変更される。また、搬送用モータが駆動することで、複数の小搬送装置25のローラ部26がそれぞれの回転軸を中心に同期的に回転する。
【0032】
このように、複数のローラ部26が回転軸ごと旋回することで、搬送物の搬送方向が変更される。また、複数のローラ部26が同期的に回転することで、移載装置11上の搬送物を付勢して移動させることが可能となる。つまり、移載装置11では、ローラ部26によって搬送面が形成される。そして、移載装置11に搬送物が導入された後、移載装置11の搬送面全体の上で搬送物を大きく旋回させるように移動させたり、細かく搬送方向を変更しつつ移動させたりすることで、搬送物の姿勢の変更や、搬送位置の変更が可能となる。
【0033】
副コンベヤ装置3は、所謂ローラコンベヤであり、複数の搬送ローラ16が並べられて形成されている。この副コンベヤ装置3は、分岐側第一フレーム部材30と、上流側取付用部材31と、分岐側第二フレーム部材32(副搬送側フレーム)を有している。
副コンベヤ装置3の上流側部分では、搬送ローラ16の一方の軸が分岐側第一フレーム部材30に固定され、他方の軸が上流側取付用部材31に固定される。対して、下流側部分では、搬送ローラ16の一方の軸が分岐側第一フレーム部材30に固定され、他方の軸が分岐側第二フレーム部材32に固定される。
つまり、分岐側第一フレーム部材30の一部である下流側部分と、分岐側第二フレーム部材32とは、互いに平行に延びる一対のフレーム部材となる。なお、この分岐側第一フレーム部材30、分岐側第二フレーム部材32は、詳細な図示は省略するが、第一フレーム部材17と同様の形状である。
【0034】
本実施形態のコンベヤ装置1では、第一フレーム部材17と、第二フレーム部材18の上流部18a及び下流部18cと、分岐側第一フレーム部材30、分岐側第二フレーム部材32において、各部の上端部分が搬送面よりも上方に位置する。その一方で、連結部18bの上端部分は、搬送面よりも下方に位置する。そして、上記した連結部18bの上側に位置する部分が、副コンベヤ装置3に搬送物が導入する際の導入部33となる。
【0035】
すなわち、本実施形態のコンベヤ装置1は、搬送物を主コンベヤラインで搬送する主搬送動作と、搬送物を副コンベヤラインで搬送する副搬送動作の切り替えが可能となっている。
主搬送動作では、搬送物が主コンベヤ装置2で直線的に搬送される。すなわち、上流側コンベヤ装置10、移載装置11、下流側コンベヤ装置12の順に搬送物がそれぞれの搬送面上で搬送されていく。
対して、副搬送動作では、直線的に搬送されていた搬送物が移載装置11でその搬送方向を変更され、所定の分岐角度で副コンベヤ装置3に導入され、副コンベヤ装置3で搬送される。すなわち、上流側コンベヤ装置10、移載装置11、副コンベヤ装置3の順に搬送物がそれぞれの搬送面上で搬送されていく。このとき、搬送物は、平面視で曲線状の軌跡を描くように搬送される。
【0036】
したがって、主コンベヤ装置2の搬送方向における中途部分が搬送物を搬送する際に搬送方向が分岐する分岐部となる。具体的には、導入部33よりもやや上流側の部分(移載装置11の上流端が位置する部分)から、導入部33よりもやや下流側までの部分が分岐部となる。すなわち、分岐部は、導入部33と、導入部33の上流端に隣接する部分及びその近傍、導入部33の下流端に隣接する部分及びその近傍を含む。
【0037】
また、本実施形態では、図2図3(a)で示されるように、導入部33の下流端に隣接する部分に仕分補助装置40(図4参照)のローラ部材45が配されている。
【0038】
仕分補助装置40は、図4で示されるように、ギヤードモータ41(動力部)と、動力伝達機構42(動力伝達部)と、筐体部43と、シャフト部材44(回転軸)と、ローラ部材45と、上板部材46(上側板部)を有する。
【0039】
ギヤードモータ41は、筐体内にモータと減速機が内蔵されて形成され、モータの回転力が減速機で減速されて出力軸41aから出力されるものである。本実施形態では、ギヤードモータ41は、出力軸41aが水平方向(主搬送方向)に延びた状態となる姿勢で、第二フレーム部材18の側壁部に取り付けられる。
【0040】
動力伝達機構42は、ギヤードモータ41の出力軸41aに固定される第一歯車部材42aと、シャフト部材44に固定される第二歯車部材42bによって構成されている。本実施形態では、第一歯車部材42a、第二歯車部材42bは、いずれもかさ歯車を採用しており、互いに噛合している。すなわち、動力伝達機構42は、横軸である出力軸41aの回転を縦軸であるシャフト部材44に伝達する機構である。
【0041】
筐体部43は、内部に空間を有する略直方体状の箱状部材であり、一時締結要素を介して平板状部19に固定されている。
なお、ここでいう一時締結要素は、ねじ、ボルトナットの組み合わせ等の上位概念であり、原則的に破壊せずに締結及びその解除が可能な締結要素である。
この筐体部43の内部には、出力軸41aの先端側部分と、シャフト部材44の下側部分と、動力伝達機構42が収容されている。
【0042】
この筐体部43は、上下方向で離れた位置に、第一軸受部43aと、第二軸受部43bを有している。これら第一軸受部43a、第二軸受部43bには、それぞれ軸受部材が取り付けられている。
【0043】
シャフト部材44は、鉛直方向に長さを有する金属製の棒状部材である。
【0044】
ローラ部材45は、概形が略円筒状となる樹脂製(発泡樹脂製)の部材である。特に限定されるものではないが、本実施形態では、ウレタンローラを採用している。すなわち、ローラ部材45は、中心部分にシャフト部材44を挿通するためのシャフト挿通孔45aを有する。また、ローラ部材45の上部には、上板側軸受部材50(詳しくは後述する)の大部分を収容する軸受収容凹部45bが形成されている。軸受収容凹部45bは、上側部分に開口を有する窪み部分である。
【0045】
このローラ部材45は、シャフト部材44と連結手段を介して一体に連結されている。連結手段は、本実施形態では、平行キー(図示しない)と、スナップリングを採用している。スナップリングは、シャフト部材44のうち、シャフト挿通孔45aの上側開口の上方に隣接する位置と、下側開口の下方に隣接する位置の二か所に取り付けられている。
【0046】
上板部材46は、図2で示されるように、平板部46aと、平板部46aから垂下される立板状の側壁形成部46bを有する。側壁形成部46bは、フレーム部材(第二フレーム部材18、分岐側第二フレーム部材32)の側壁部分と共に、搬送面と隣接する位置で立壁状の部分を形成する。すなわち、これらの側壁部分と厚さ方向が同方向となるように配される。
【0047】
平板部46aは、図2図3(a)で示されるように、上流側の部分が、略半円板状の部分を含んで形成されている。すなわち、上流側の縁端が丸みを帯びた形状であり、ローラ部材45の上部に位置している。ここで、この上流側の部分は、ローラ部材45の上部であり、ローラ部材45の外周面よりも内側(ローラ部材45の径方向で内側)となる位置に配される。
また、下流側の部分が二つに分かれて延びる部分となっており、一方が第二フレーム部材18の天板部の上方に重なり、他方が分岐側第二フレーム部材32の天板部の上方に重なっている。そして、二つに分かれたそれぞれの部分は、それぞれの下方の天板部と一時締結要素を介して固定されている。すなわち、上板部材46は、第二フレーム部材18、分岐側第二フレーム部材32に一体に固定され、連結された状態となっている。
【0048】
平板部46aには、図4で示されるように、上板側軸受部材50が一時締結要素(図示しない)を介して取り付けられている。すなわち、上板側軸受部材50は、平板部46aの下面の下側に固定される。
この上板側軸受部材50は、取付用部材であるフランジユニットと、軸受部材(ベアリング)が一体となって形成されたものである。そして、この軸受部材にシャフト部材44の上側部分が挿通され、シャフト部材44の上側部分と軸受部材の内輪とが一体に固定されている。
【0049】
本実施形態では、仕分補助装置40を取り付ける際、平板状部19の下側となる位置にギヤードモータ41と筐体部43を配した状態とし、それぞれを第二フレーム部材18の側壁部と平板状部19に取り付ける。そして、平板状部19を挟んだ両側に筐体部43、ローラ部材45が配された状態とし、ローラ部材45の上側に上板側軸受部材50を固定した平板部46aを配する。
このとき、シャフト部材44は、筐体部43の内部から上方に延び、平板状部19に形成された貫通孔と、シャフト挿通孔45aのそれぞれに挿通され、上端側部分が上板側軸受部材50に挿通された状態となる。
【0050】
このとき、シャフト部材44は、図4で示されるように、下端側部分が第一軸受部43aの軸受部材に挿通され、長手方向の中途部分が第二軸受部43bの軸受部材に挿通され、上端側部分が上板側軸受部材50に挿通されている。つまり、シャフト部材44は、上下方向で離れた複数個所(3カ所)で回転可能に支持されている。このことから、ローラ部材45に側方から力が加わってもシャフト部材44がずれたりせず、シャフト部材44の姿勢を強固に維持できる。
なお、シャフト部材44は、第二軸受部43bを設けず、上下方向で離れた2カ所で支持することも考えられる。
【0051】
ローラ部材45は、上板部材46(平板部46a)と平板状部19の間となる位置であり、上板部材46の下面よりも下方であって、平板状部19の上面よりも上方に配されている。このとき、ローラ部材45は、図2図3で示されるように、上流側の一部が外部に露出して視認可能であり、下流側の他の部分が奥まった狭い空間に位置した状態となるように配される。なお、ここでいう「奥まった狭い空間」は、上板部材46、平板状部19、第二フレーム部材18、分岐側第二フレーム部材32に囲まれた空間である。
【0052】
このとき、ローラ部材45の側面のうち、外部に露出する部分は、一部が導入部33側を向き、他の一部が主コンベヤライン側を向き、さらに他の一部が副コンベヤライン側を向いた状態となる。
【0053】
すなわち、ローラ部材45は、図1で示されるように、第二フレーム部材18の下流部18cの上流端と隣接する位置であり、分岐側第二フレーム部材32の上流端と隣接する位置に配されている。つまり、第二フレーム部材18の下流部18cと、分岐側第二フレーム部材32は、長手方向が互いに交差する方向であり、平面視でV字状となるように並べられた状態となっている。換言すると、下流部18cと分岐側第二フレーム部材32は、上流側から下流側に向かうにつれて、互いに離れていくように配されている。そして、これらの上流側で角部分となる位置にローラ部材45が配されている。
このため、ローラ部材45は、図3(a)で示されるように、主コンベヤ装置2の搬送面と、副コンベヤ装置3の搬送面と、導入部33のそれぞれと隣接する位置に配される。したがって、ローラ部材45の側面(回転軸回りの外周面)の一部は、主コンベヤ装置2側から導入部33側を経て副コンベヤ装置3側までの間で延びた状態となる。
【0054】
より詳細には、ローラ部材45のうち、主コンベヤライン側を向く部分(図3(b)のAで示す領域に位置する部分)では、外側側面が、下流部18cの側壁部を含んで形成される立壁状の部分よりも主コンベヤ装置2の搬送面側に位置する。
また、ローラ部材45の側面のうち、副コンベヤライン側を向く部分(図3(b)のBで示す領域に位置する部分)は、外側側面が、分岐側第二フレーム部材32の側壁部を含んで形成される立壁状の部分よりも副コンベヤ装置3側に位置する。
そして、主コンベヤライン側を向く部分(以下、主搬送側部分とも称す)と、副コンベヤライン側を向く部分(以下、副搬送側部分とも称す)の間に、導入部33側を向く部分が位置する。
【0055】
ここで、ローラ部材45は、平面視で時計回りに回転する主搬送時回転動作と、反時計回りに回転する副搬送時回転動作が可能となる。
詳説すると、上記したギヤードモータ41を正回転、逆回転させることより、シャフト部材44の回転方向が切り替えられ、ローラ部材45の回転方向が切り替えられる(図4参照)。つまり、ローラ部材45は、所定の一方向とその逆方向への回転が可能である。
【0056】
本実施形態のコンベヤ装置1では、主搬送動作と副搬送動作の切り替えに伴って、ローラ部材45の回転方向を変更している。具体的には、主搬送動作の実行時に、ローラ部材45が主搬送時回転動作を実行し、副搬送動作の実行時に、ローラ部材45が副搬送時回転動作を実行する。
【0057】
ここで、主搬送時回転動作を実行し、ローラ部材45が平面視で時計回りに回転すると、ローラ部材45の側面(外周面)は、主コンベヤ装置2側を向いた部分が主コンベヤラインの搬送方向に移動する。すなわち、主搬送側部分(図3(b)のAで示す領域に位置する部分)が、主コンベヤラインの搬送方向で上流側から下流側(図3(b)の左側から右側)に向かって移動する。
【0058】
同様に、副搬送時回転動作を実行し、ローラ部材45が平面視で反時計回りに回転すると、ローラ部材45の側面(外周面)は、副コンベヤ装置3側を向いた部分が副コンベヤラインの搬送方向に移動する。すなわち、副搬送側部分(図3(b)のBで示す領域に位置する部分)が、副コンベヤラインの搬送方向で上流側から下流側(図3(b)の左上側から右下側)に向かって移動する。
【0059】
以上のことから、主搬送動作と副搬送動作のそれぞれにおいて、搬送物が規定とは異なる軌跡を描くように搬送されてしまったとき、搬送物の破損を防止し、搬送物を正しい方向に仕分けして搬送することができる。
【0060】
例えば、図5で示されるように、副搬送動作を実行した際、搬送物を導入部33より上流側の部分から副コンベヤ装置3に導入させるべきところ、何等かの理由により、搬送物が導入部33の下流端側に向かって搬送されてしまったとする。
このとき、仮に仕分補助装置40を設けていない場合、搬送物が角部分にぶつかって破損してしまうおそれがある。また、搬送物が角部分に引っ掛かる等することで、正しい方向に搬送されなくなってしまうおそれがある。
【0061】
これに対し、本実施形態では、搬送物がこのような搬送されてしまっても、搬送物の側面(又は搬送方向における前面)がローラ部材45と接触する。つまり、搬送物がフレームによって形成される角部分にぶつかってしまうことがなく、搬送物の破損を防止できる。このとき、ローラ部材45は、副搬送時回転動作を実行している。したがって、ローラ部材45の導入部33側を向く部分に搬送物が側方から当接すると、搬送物は、副コンベヤ装置3側(分岐側第一フレーム部材30側であり、主コンベヤ装置2から離れる方向)に付勢される。なお、ローラ部材45の副搬送側部分に搬送物が側方から当接した場合、搬送物が副コンベヤ装置3の下流側に付勢される。
以上のことから、搬送物が正しい方向に搬送される。
【0062】
主搬送動作の実行時に搬送物が導入部33の下流端側に近づいてしまった場合(具体的な図示を省略する)もまた、フレームによって形成される角部分にぶつかることに起因する搬送物の破損を防止できる。そして、ローラ部材45が、主搬送時回転動作を実行しているため、ローラ部材45の導入部33側を向く部分に搬送物が側方から当接すると、搬送物は、主コンベヤ装置2側(第一フレーム部材17側であり、副コンベヤ装置3から離れる方向)に付勢される。なお、ローラ部材45の主搬送側部分に搬送物が側方から当接した場合、搬送物が主コンベヤ装置2の下流側に付勢される。
以上のことから、搬送物が正しい方向に搬送される。
【0063】
上記した実施形態では、ギヤードモータ41を出力軸41aが水平方向に延びた状態(横軸となる状態)となる姿勢で取り付けたが、本発明はこれに限るものではない。例えば、ギヤードモータ41は、出力軸41aが鉛直方向に延びた状態(縦軸となる状態)となる姿勢で取り付けてもよい。このとき、連結部材等を介して出力軸41aとシャフト部材を一体に固定(連結)してもよい。また、出力軸をより長く形成し、シャフト部材を設けず、出力軸をそのままローラ部材45の回転軸としてもよい。
【0064】
上記した実施形態では、導入部33の下流端と隣接する位置(下流端の近傍)にローラ部材45が位置するように、仕分補助装置40が取り付けた例を示した。しかしながら、本発明はこれに限るものではない。
例えば、導入部33の上流端と隣接する位置(上流端の近傍)にローラ部材45が位置するように、仕分補助装置40が取り付けてもよい。すなわち、ローラ部材45は、第二フレーム部材18の上流部18aの下流端と、分岐側第一フレーム部材30の上流端の境界で角部分となる位置に配されていてもよい。
【0065】
この場合、主搬送動作の実行時には、ローラ部材45が上記した主搬送時回転動作を実行し、副搬送動作の実行時には、ローラ部材45が自動回転を実行しない(ギヤードモータ41をオフにして出力を供給しない)構成としてもよい。
すなわち、本発明は、主搬送動作と副搬送動作の切り替えに応じて、ローラ部材45の回転方向を変更する構成としなくてもよい。主搬送動作と副搬送動作の切り替えに応じて、ローラ部材45の所定方向への自動回転の実行と、自動回転の実行停止を切り替える構成としてもよい。
【0066】
上記した実施形態の仕分補助装置40は、コンベヤ装置のうち、分岐部とは異なる部分に取り付けることが考えられる。すなわち、搬送物の仕分けを補助する装置としてではなく、搬送物の搬送を補助する搬送補助装置としての使用が考えられる。
【0067】
例えば、図6で示されるように、曲路部101を有するコンベア装置100(コーナーコンベヤ)において、曲路部101に搬送補助装置102を取り付けてもよい。
本実施形態の搬送補助装置102は、上記した仕分補助装置40と略同様の構成であるが、搬送物の搬送時にローラ部材45が所定方向(所定の一方向)にのみ回転し、逆方向の回転をさせない点が上記した仕分補助装置40とは異なる。
また、上板部材146(上側板部)の概形が、上記した上板部材46とは異なる形状となっている。本実施形態の上板部材146は、上側の平板状部分と、平板状部分から下方に延びる取付片部を有する。
【0068】
曲路部101は、外側フレーム部110(フレーム部材)と、内側フレーム部111を有しており、これらの間に搬送ローラ112が並べられて形成されている。
外側フレーム部110、内側フレーム部111は、軽量C型鋼や溝型鋼によって構成されたものであり、これらが、180度の円弧状に曲げられて形成されている。詳細には、内側フレーム部111の曲率半径が、外側フレーム部110の曲率半径よりも小さくなっている。また、搬送ローラ112は、外形形状が円錐形となるローラである。
【0069】
本実施形態では、曲路部101における搬送路の外周となる外側フレーム部110の近傍にローラ部材45が配されるように、搬送補助装置102を取り付けている。本実施形態の上板部材146は、外側フレーム部110に固定されている。詳細には、円弧状に延びる搬送路の搬送方向で離れた複数個所(3箇所)に搬送補助装置102を取り付けている。なお、搬送補助装置102は、搬送路の内周となる内側フレーム部111の近傍にローラ部材45が配されるように取り付けてもよい。
【符号の説明】
【0070】
1,100 コンベヤ装置
18 第二フレーム部材(主搬送側フレーム、コンベヤフレーム)
19 平板状部(下側板部)
32 分岐側第二フレーム部材(副搬送側フレーム)
40 仕分補助装置
41a 出力軸
41 ギヤードモータ(動力部)
42 動力伝達機構(動力伝達部)
44 シャフト部材(回転軸)
45 ローラ部材(回転体)
46,146 上板部材(上側板部)
102 搬送補助装置
110 外側フレーム部(フレーム部材)
図1
図2
図3
図4
図5
図6