(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023020172
(43)【公開日】2023-02-09
(54)【発明の名称】トランス
(51)【国際特許分類】
H01F 17/04 20060101AFI20230202BHJP
H01F 30/10 20060101ALI20230202BHJP
H01F 27/36 20060101ALI20230202BHJP
H01F 27/28 20060101ALI20230202BHJP
H05K 9/00 20060101ALI20230202BHJP
【FI】
H01F17/04 F
H01F30/10 A
H01F27/36 101
H01F27/28 180
H05K9/00 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021125405
(22)【出願日】2021-07-30
(71)【出願人】
【識別番号】000006220
【氏名又は名称】ミツミ電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】西山 睦夫
(72)【発明者】
【氏名】大休寺 新
【テーマコード(参考)】
5E044
5E070
5E321
【Fターム(参考)】
5E044DA03
5E070AA11
5E070BA08
5E070DA17
5E321AA01
5E321CC16
5E321CC22
5E321GG07
(57)【要約】
【課題】トランスのインダクタンスの安定性を高める。
【解決手段】芯部11は、前後方向に延びる中空部11aを有している。導電線12は、芯部11に巻き回されている。第一コアと第二コアは、磁性体を含む材料により形成されている。第一コアは、芯部11の前後方向における一端部から中空部11a内に延びる第一内側部分131aと、少なくとも上方向と左右方向から導電線12に対向する第一外側部分131bとを有している。第二コアは、芯部11の前後方向における他端部から中空部11a内に延びる第二内側部分132aと、少なくとも上方向と左右方向から導電線12に対向する第二外側部分132bとを有している。第一内側部分131aの先端と第二内側部分132aの先端は、前後方向に対向している。第一内側部分131aの先端の直径と第二内側部分132aの先端の直径は、相違している。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一方向に延びる中空部を有する芯部と、
前記芯部に巻き回されている導電線と、
前記芯部の前記第一方向における一端部から前記中空部内に延びる第一内側部分と、少なくとも前記第一方向と直交する第二方向、および前記第一方向と前記第二方向と直交する第三方向から前記導電線に対向する第一外側部分とを有しており、磁性体を含む材料により形成されている第一コアと、
前記芯部の前記第一方向における他端部から前記中空部内に延びる第二内側部分と、前記第二方向および前記第三方向から前記導電線に対向する第二外側部分とを有しており、磁性体を含む材料により形成されている第二コアと、
を備えており、
前記第一内側部分の先端と前記第二内側部分の先端は、前記第一方向に対向しており、
前記第一内側部分の先端の最大寸法と前記第二内側部分の先端の最大寸法とは、前記第二方向と前記第三方向の少なくとも一方について相違している、
トランス。
【請求項2】
前記第一方向、前記第二方向、および前記第三方向から前記第一コアと前記第二コアを包囲するスリットレスの箱型形状を有しており、導電性を有する材料により形成されているシールドケースを備えている、
請求項1に記載のトランス。
【請求項3】
前記シールドケースは、絞り加工により形成されている、
請求項2に記載のトランス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トランスに関連する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、芯部、導電線、第一コア、第二コア、およびシールド部材を備えたトランスを開示している。芯部は、第一方向に延びる中空部を有している。導電線は、芯部に巻き回されている。第一コアと第二コアの各々は、磁性体を含む材料により形成されている。第一コアは、芯部の第一方向における一端部から中空部内に延びる第一内側部分と、第一方向に直交する第二方向から導電線に対向する第一外側部分とを有している。第二コアは、芯部の第一方向における他端部から中空部内に延びる第二内側部分と、第二方向から導電線に対向する第二外側部分とを有している。シールド部材は、導電性を有する板材を折り曲げ加工することにより形成されている。シールド部材は、第二方向から導電線に対向する部分と、第一方向および第二方向と直交する第三方向から導電線に対向する部分とを有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、トランスのインダクタンスの安定性を高めることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために提供されうる本発明の一態様は、トランスであって、
第一方向に延びる中空部を有する芯部と、
前記芯部に巻き回されている導電線と、
前記芯部の前記第一方向における一端部から前記中空部内に延びる第一内側部分と、少なくとも前記第一方向と直交する第二方向、および前記第一方向と前記第二方向と直交する第三方向から前記導電線に対向する第一外側部分とを有しており、磁性体を含む材料により形成されている第一コアと、
前記芯部の前記第一方向における他端部から前記中空部内に延びる第二内側部分と、前記第二方向および前記第三方向から前記導電線に対向する第二外側部分とを有しており、磁性体を含む材料により形成されている第二コアと、
を備えており、
前記第一内側部分の先端と前記第二内側部分の先端は、前記第一方向に対向しており、
前記第一内側部分の先端の最大寸法と前記第二内側部分の先端の最大寸法とは、前記第二方向と前記第三方向の少なくとも一方について相違している。
【0006】
第一方向に対向する第一内側部分の先端の最大寸法と第二内側部分の先端の最大寸法とを、第二方向と第三方向の少なくとも一方について敢えて相違させることにより、第一コアと第二コアが所望の位置関係からずれた場合においても、第一方向に磁束が通過可能な領域の断面積の変化を抑制できる。したがって、様々な位置ずれ要因に対するトランスのインダクタンスの安定性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】一実施形態に係るトランスの外観を例示する分解斜視図である。
【
図2】一実施形態に係るトランスの外観を例示している。
【
図3】
図1のトランスを下方から見た外観を例示している。
【
図4】
図3における線IV-IVに沿って矢印方向から見たトランスの断面を例示している。
【
図5】
図3における線V-Vに沿って矢印方向から見たトランスの断面を例示している。
【
図6】比較例に係るトランスにおけるコアの位置ずれの影響を説明する図である。
【
図7】
図1のトランスにおけるコアの位置ずれの影響を説明する図である。
【
図8】コアの位置ずれによるインダクタンスの変化率を示す図である。
【
図10】一実施形態に係るトランスの意匠を例示する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
添付の図面を参照しつつ、実施形態の例について以下詳細に説明する。添付の図面において、矢印Fは、図示された構造の前方向を示している。矢印Bは、図示された構造の後方向を示している。矢印Uは、図示された構造の上方向を示している。矢印Dは、図示された構造の下方向を示している。矢印Rは、図示された構造の右方向を示している。矢印Lは、図示された構造の左方向を示している。これらの方向に係る表現は、説明の便宜のために用いるものであり、図示された構造の実際の使用状態における姿勢や方向を限定するものではない。
【0009】
本明細書で用いられる「前後方向」という語は、上記の前方向と後方向に沿う方向を意味している。本明細書で用いられる「上下方向」という語は、上記の上方向と下方向に沿う方向を意味している。本明細書で用いられる「左右方向」という語は、上記の左方向と右方向に沿う方向を意味している。
【0010】
本明細書で用いられる「前後方向に延びる」という表現は、前後方向に対して傾いて延びることを含み、上下方向および左右方向と比較して前後方向に近い傾きで伸びることを意味する。
【0011】
本明細書で用いられる「上下方向に延びる」という表現は、上下方向に対して傾いて延びることを含み、前後方向および左右方向と比較して上下方向に近い傾きで伸びることを意味する。
【0012】
本明細書で用いられる「左右方向に延びる」という表現は、左右方向に対して傾いて延びることを含み、前後方向および上下方向と比較して左右方向に近い傾きで伸びることを意味する。
【0013】
図1は、一実施形態に係るトランス10の外観を例示する分解斜視図である。
図2は、トランス10を上右前方向から見た外観を例示している。
図3は、トランス10を下方から見た外観を例示している。
図4は、
図3における線IV-IVに沿って矢印方向から見たトランス10の断面を例示している。
図5は、
図3における線V-Vに沿って矢印方向から見たトランス10の断面を例示している。
【0014】
図1、
図4、および
図5に例示されるように、トランス10は、芯部11と導電線12を備えている。芯部11は、前後方向に延びる中空部11aを有している。導電線12は、芯部11に巻き回されてコイルを形成している。前後方向は、第一方向の一例である。
【0015】
トランス10は、第一コア131を備えている。第一コア131は、磁性体を含む材料により形成されている。当該材料の例としては、フェライトが挙げられる。
【0016】
第一コア131は、第一内側部分131aと第一外側部分131bを有している。第一内側部分131aは、芯部11の前端部から中空部11a内に延びている。第一外側部分131bは、上方向と左右方向から導電線12に対向している。前端部は、芯部11の第一方向における一端部の一例である。上方向は、第二方向の一例である。左右方向は、第三方向の一例である。
【0017】
トランス10は、第二コア132を備えている。第二コア132は、磁性体を含む材料により形成されている。当該材料の例としては、フェライトが挙げられる。
【0018】
第二コア132は、第二内側部分132aと第二外側部分132bを有している。第二内側部分132aは、芯部11の後端部から中空部11a内に延びている。第二外側部分132bは、上方向と左右方向から導電線12に対向している。後端部は、芯部11の第一方向における他端部の一例である。
【0019】
図1と
図5から明らかなように、第一コア131の第一内側部分131aと第二コア132の第二内側部分132aの各々は、円柱形状を有している。
図4に例示されるように、第一内側部分131aの先端と第二内側部分132aの先端は、前後方向に対向している。第一内側部分131aの先端の直径と第二内側部分132aの先端の直径は、相違している。直径は、第二方向と第三方向の各々における最大寸法の一例である。
【0020】
図6から
図8を参照しつつ、このような構成により得られる効果について説明する。
図6は、比較例に係る第一コアの第一内側部分131a’と第二コアの第二内側部分132a’を示している。第一内側部分131a’の先端の直径と第二内側部分132a’の先端の直径は一致している。
【0021】
このような構成において第一コアと第二コアが所望の位置関係からずれた場合、磁束が通過可能な領域の断面積Aが、所定の値から変化する。したがって、インダクタンスの値もまた変化する。
【0022】
他方、
図7に例示されるように、前後方向に対向する第一内側部分131aの先端の直径と第二内側部分132aの先端の直径を敢えて相違させることにより、第一コア131と第二コア132が所望の位置関係からずれた場合においても、前後方向に磁束が通過可能な領域の断面積Aの変化を抑制できる。したがって、様々な位置ずれ要因に対するトランス10のインダクタンスの安定性を高めることができる。
【0023】
図8において、破線で接続された複数の黒丸の各々は、比較例に係るトランスにおいて第一内側部分131a’と第二内側部分132a’の所定の位置関係からの径方向へのずれ量と、ずれがない場合からのインダクタンスの変化率との関係の実測値を示している。なお、第一内側部分131a’の直径と、第二内側部分132a’の直径は、ともに1.8mmである。
【0024】
同図において、実線で接続された複数の白丸の各々は、本実施形態に係るトランス10において第一内側部分131aと第二内側部分132aの所定の位置関係からの径方向へのずれ量と、ずれがない場合からのインダクタンスの変化率との関係の実測値を示している。なお、第一内側部分131aの直径は1.8mmであり、第二内側部分132aの直径は1.6mmである。
【0025】
この比較結果より、第一コア131と第二コア132の位置ずれ要因に対するトランス10のインダクタンスの安定性が向上していることがわかる。
【0026】
図1から
図5に例示されるように、トランス10は、シールドケース14を備えている。シールドケース14は、導電性を有する材料により形成されている。
図2と
図6に例示されるように、シールドケース14は、スリットレスの箱型形状を有している。
図4と
図5に例示されるように、シールドケース14は、前後方向、上方向、および左右方向から第一コア131と第二コア132を包囲している。
【0027】
シールドケース14は、トランス10の外部から到来するノイズとしての磁場によって導電線12に生じうる起電力を抑制するために設けられている。トランスの耐ノイズ性能を高めるためには、より厚いシールドケースを用意するという対策がとられることが一般的である。
【0028】
本願の発明者は、外部磁場によりシールドケースの表面に流れる渦電流の挙動に着目した。渦電流は、反磁場を生じ、外部磁場の影響を軽減する効果を奏する。したがって、渦電流の流れを阻害しにくい構造を提供できれば、シールドケースの厚みを増さずとも外部磁場の影響を効率的に軽減できるとの着想を得た。そして、渦電流の流れの阻害は、板金を折り曲げ加工して形成されることが一般的であるシールドケースにおいて不可避的に形成されるスリットにおいて生じていることを見出した。
【0029】
前述のように、本実施形態に係るシールドケース14は、スリットレスの箱型形状を有していることにより、上方向、前後方向、および左右方向に面する連続的な導電面が形成されている。これにより、外部磁場により生じる渦電流は、当該導電面上を円滑に流れることができる。したがって、シールドケースの厚み増に伴うトランスの大型化を抑制しつつも、耐ノイズ性能を高めることができる。
【0030】
本実施形態に係るシールドケース14は、板材を絞り加工することによって形成されたワンピース部品でありうる。本明細書で用いられる「ワンピース部品」という語は、モノリシックな構造を有する部品を意味している。「ワンピース部品」という語は、各種の手法により複数の部品が結合されることによって一体化されている部品と区別する意味で用いられる。各種の手法の例としては、接着、接合、溶着、溶接、係合、嵌合、螺合などが挙げられる。
【0031】
この場合、折り曲げに係る工程を省略できるだけでなく、シールドケース14から継目をなくすことができる。継目のような非連続性を伴う構造は、渦電流の流れを阻害する一因となりうる。すなわち、絞り加工により形成されたシールドケース14は、渦電流の円滑な流れを促進しうる。
【0032】
図4に例示されるように、トランス10は、基台15と複数の端子16を備えている。基台15は、電気的に絶縁性を有する材料により形成されている。複数の端子16の各々は、導電性を有する材料により形成されている。
【0033】
複数の端子16の各々は、基台15と一体に成形されている。複数の端子16の各々は、コイル用端子161と実装用端子162を有している。芯部11に巻き回された導電線12の端部(不図示)は、コイル用端子161と電気的に接続される。実装用端子162は、トランス10が回路基板に実装される際に、当該回路基板に形成された回路要素と電気的に接続される。これにより、導電線12と回路基板上の回路要素とが電気的に接続される。
【0034】
図1に例示されるように、トランス10は、規制部材17を備えている。規制部材17は、導電性を有する材料により形成されている。好ましくは、規制部材17は、シールドケース14と同じ材料により形成されている。
【0035】
図4に例示されるように、規制部材17は、第一部分17aを有している。第一部分17aは、下方向から導電線12に対向するように配置されており、左右方向に延びている。下方向は、第四方向の一例である。トランス10が回路基板に実装されると、第一部分17aは、導電線12と回路基板の間に配置される。
【0036】
図5に例示されるように、規制部材17は、第二部分17bと第三部分17cを有している。第二部分17bは、第一部分17aの左端から連続して延びており、シールドケース14の左壁14aと結合されている。第三部分17cは、第一部分17aの右端から連続して延びており、シールドケース14の右壁14bと結合されている。シールドケース14との結合は、接着、接合、溶着、溶接、係合、嵌合、螺合などの各種の手法を通じてなされうる。これにより、シールドケース14は、基台15に対する上方向への変位を規制されている。
【0037】
図9に例示されるように、シールドケース14は、下方向に開口する箱型形状を有している。したがって、シールドケース14は、導電線12を下方向から覆うことができない。しかしながら、上記のような構成によれば、基台15に対するシールドケース14の位置規制を行なう規制部材17に下方向からのノイズに対するシールド性も高める役割を担わせることができる。
【0038】
図4に例示されるように、シールドケース14は、前壁14cと後壁14dを有している。前壁14cと後壁14dは、前後方向から第一コア131と第二コア132に対向している。前壁14cと後壁14dの各々は、基台15に接している。前壁14cと後壁14dの各々は、第一壁部の一例である。
【0039】
シールドケース14は、上壁14eを有している。上壁14eは、上方向から間隙を介して第一コア131と第二コア132に対向している。上壁14eは、第二壁部の一例である。
【0040】
上記のような構成によれば、前壁14cおよび後壁14dの基台15に対する接触により、上下方向におけるシールドケース14の基台15に対する位置決めがなされる。換言すると、上壁14eが第一コア131および第二コア132に先に接触してしまうことによってシールドケース14の下端と基台15の間に隙間が生じることを防止できる。したがって、下方からの外部ノイズの侵入を抑制できる。
【0041】
図4と
図5に例示されるように、第一コア131の第一外側部分131bは、シールドケース14の内壁面に対向する丸角部131cを有している。同様に、第二コア132の第二外側部分132bは、シールドケース14の内壁面に対向する丸角部132cを有している。
【0042】
このような構成によれば、第一コア131および第二コア132の各々の角部とシールドケース14の内壁面との干渉を回避しやすくなる。したがって、干渉に起因してシールドケース14が所定の位置からずれることにより耐ノイズ性能が低下する事態の発生を抑制できる。加えて、干渉を避けるためにシールドケース14の寸法を大きくする必要性が低下し、トランス10の大型化を抑制できる。特にシールドケース14が絞り加工により形成される場合は、上壁14eと各側壁との角部が湾曲形状を呈するので、当該効果がより顕著となる。
【0043】
第一コア131の第一外側部分131bは、芯部11に対向する丸角部131dを有している。換言すると、丸角部131dは、芯部11との間に生じる隙間を最小限とするように形成されている。同様に、第二コア132の第二外側部分132bは、芯部11に対向する丸角部132dを有している。換言すると、丸角部132dは、芯部11との間に生じる隙間を最小限とするように形成されている。
【0044】
このような構成によれば、丸角部131cの形成に伴う第一コア131の肉厚減少を抑制できる。これにより、丸角部131cの形成に伴う第一コア131のインダクタンスの低下と剛性の低下を抑制できる。同様に、丸角部132cの形成に伴う第二コア132の肉厚減少を抑制できる。これにより、丸角部132cの形成に伴う第二コア132のインダクタンスの低下と剛性の低下を抑制できる。
【0045】
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするための例示にすぎない。上記の実施形態に係る構成は、本発明の趣旨を逸脱しなければ、適宜に変更・改良されうる。
【0046】
上記の実施形態においては、第一コア131の第一内側部分131aと第二コア132の第二内側部分132aの各々は、円形の断面形状を有している。しかしながら、第一内側部分131aと第二内側部分132aの各々の断面形状は、適宜に定められうる。その場合、第一内側部分131aと第二内側部分132aは、上下方向と左右方向の少なくとも一方について最大寸法が相違していればよい。
【0047】
スリットレスな箱型形状を有するシールドケース14を提供できるのであれば、絞り加工以外の製法も採用されうる。例えば、板材を折り曲げ加工して端面同士を接合することによってシールドケース14が形成されてもよい。
【0048】
【符号の説明】
【0049】
10:トランス、11:芯部、11a:中空部、12:導電線、131:第一コア、131a:第一内側部分、131b:第一外側部分、132:第二コア、132a:第二内側部分、132b:第二外側部分、14:シールドケース