(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023020211
(43)【公開日】2023-02-09
(54)【発明の名称】物品供給装置
(51)【国際特許分類】
G01G 19/387 20060101AFI20230202BHJP
【FI】
G01G19/387 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021125466
(22)【出願日】2021-07-30
(71)【出願人】
【識別番号】000208444
【氏名又は名称】大和製衡株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086737
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 和秀
(72)【発明者】
【氏名】上田 裕也
(72)【発明者】
【氏名】末道 亮
(57)【要約】
【課題】物品が搬送径路外へ零れるのを抑制して、貯留ホッパを物品供給位置から物品補給位置へ下降移動させることができるようにする。
【解決手段】シャッタ40を備えた貯留ホッパ13を、物品供給位置と物品補給位置とに亘って昇降移動可能に支持するホッパ昇降機構30と、物品供給位置ではシャッタ40を開放すると共に、物品補給位置ではシャッタ40を閉じるように、貯留ホッパ13の昇降に連動してシャッタ40を開閉作動させるシャッタ開閉機構29とを備え、シャッタ開閉機構29は、シャッタ40を、直線的に移動させて、貯留ホッパ13における下端開口部を開閉する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下端部に開閉可能なシャッタを備えた貯留ホッパを、物品搬送径路の始端部上方に臨む高位の物品供給位置と、前記物品搬送径路の外方下方に外れた低位の物品補給位置とに亘って昇降移動可能に支持するホッパ昇降機構と、前記物品供給位置では前記シャッタを開放すると共に、前記物品補給位置ではシャッタを閉止するように、貯留ホッパの昇降に連動してシャッタを開閉作動させるシャッタ開閉機構とを備え、
前記シャッタ開閉機構は、前記シャッタを、直線的に移動させて、前記貯留ホッパにおける下端開口部を開閉する、
ことを特徴とする物品供給装置。
【請求項2】
前記貯留ホッパにおける前記シャッタの閉止方向側の下端部に、前記シャッタの先端から離間する方向に後退変位可能な可動ゲートを備える、
請求項1に記載の物品供給装置。
【請求項3】
前記可動ゲートを、上端部を支点にして前記シャッタ側に向けて揺動付勢してある、
請求項2に記載の物品供給装置。
【請求項4】
前記可動ゲートを前記シャッタ側に向けて自重で揺動付勢してある、
請求項3に記載の物品供給装置。
【請求項5】
前記シャッタ開閉機構は、直線状の案内レールと、前記シャッタを支持して、前記案内レールに沿ってスライド移動可能なスライド部材とを備える、
請求項1ないし4のいずれか一項に記載の物品供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多品種の物品を混合計量する組合せ計量装置などへの物品の供給に好適な物品供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多品種の物品を混合計量する組合せ計量装置としては、例えば、特許文献1に示されているように、供給ホッパ、計量ホッパ、及び、メモリホッパからなる計量ユニットの多数連を横一列に並列配備すると共に、各計量ユニットの供給ホッパへ物品を供給する直進フィーダの始端部上方に貯留ホッパを配備し、作業時間の経過に応じて残量が少なくなった貯留ホッパへの物品の補給を人手によって行う、いわゆるバッチ式の物品供給装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
バッチ式の物品供給装置では、貯留ホッパを、直進フィーダによる物品搬送径路の始端に臨む高位の物品供給位置と、物品搬送径路の始端から後方に外れた低位の物品補給位置に亘って昇降移動可能に支持し、低位置まで下降させた貯留ホッパに作業者が楽な態勢で物品補給作業を行えるようにしている。
【0005】
異なった品種の物品を貯留した複数の貯留ホッパにおける物品の繰出し消費速度は必ずしも一様ではなく、貯留ホッパ毎に必要な補給タイミングが異なることが多い。ここで、補給が必要になった貯留ホッパ毎に補給作業を行うと、補給作業の頻度が高くなって物品補給作業が煩雑で作業効率の低いものとなる。
【0006】
そこで、一般的には、補給が必要になった貯留ホッパへの補給作業の際に、未だ物品が残っており必ずしも直ちに補給が必要ではない貯留ホッパへの補給を併せて行うことで、補充の頻度を少なくして作業の煩雑さを軽減している。
【0007】
物品が残っている貯留ホッパへの補給のため、貯留ホッパを物品供給位置から物品補給位置へ下降移動させる際、残っている物品が貯留ホッパから洩れ落ちないようにしておくことが望まれ、貯留ホッパの下端開口部を、例えば、揺動して開閉するシャッタを装備することが考えられる。
【0008】
この場合、物品が残っている貯留ホッパを物品供給位置から物品補給位置へ下降移動させる初期に、シャッタを揺動させて下端開口部を閉止することになるが、貯留ホッパの下端開口部において、閉止方向へ揺動するシャッタの先端部で、残っている物品が掬い上げられて、搬送径路外へ零れ易い。
【0009】
本発明は、このような実情に着目してなされたものであって、物品が搬送径路外へ零れるのを抑制して、貯留ホッパを物品供給位置から物品補給位置へ下降移動させることができる物品供給装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明では次のように構成している。
【0011】
(1)本発明に係る物品供給装置は、下端部に開閉可能なシャッタを備えた貯留ホッパを、物品搬送径路の始端部上方に臨む高位の物品供給位置と、前記物品搬送径路の外方下方に外れた低位の物品補給位置とに亘って昇降移動可能に支持するホッパ昇降機構と、前記物品供給位置では前記シャッタを開放すると共に、前記物品補給位置ではシャッタを閉止するように、貯留ホッパの昇降に連動してシャッタを開閉作動させるシャッタ開閉機構とを備え、前記シャッタ開閉機構は、前記シャッタを、直線的に移動させて、前記貯留ホッパにおける下端開口部を開閉する。
【0012】
本発明に係る物品供給装置によると、貯留ホッパが物品供給位置から物品補給位置へ向けて移動されるのに連動して、シャッタが貯留ホッパの下端開口部を直線的に移動して閉止するので、シャッタを揺動させて閉止する場合のように、揺動するシャッタの先端部で、物品搬送径路の始端部に残っている物品を掬い上げることがなく、物品が搬送径路外へ零れるのを防止することができる。
【0013】
(2)本発明の一実施態様では、前記貯留ホッパにおける前記シャッタの閉止方向側の下端部に、前記シャッタの先端から離間する方向に後退変位可能な可動ゲートを備える。
【0014】
シャッタが貯留ホッパの下端開口部を直線的に移動して閉止する際に、貯留ホッパの下部に物品が残っていたり、物品搬送径路の始端部に物品が盛り上がって堆積していると、閉止方向へ進出移動するシャッタの閉止方向先端部とホッパ下端開口部の壁面との間に物品が噛み込まれるおそれが生じる。この実施態様によると、シャッタの閉止方向側に可動ゲートがあるために、この可動ゲートとシャッタ先端部との間に挟み込まれた物品に押されて可動ゲートが後退変位し、物品を噛み込み損傷することなく貯留ホッパの下端開口部がシャッタで閉止される。
【0015】
なお、可動ゲートを押しのけた物品は、その後、貯留ホッパの姿勢変化に伴って、ホッパ側に移動するか、物品搬送径路の始端部に落下する。
【0016】
(3)本発明の好ましい実施態様では、前記可動ゲートを、上端部を支点にして前記シャッタ側に向けて揺動付勢してある。
【0017】
この実施態様によると、可動ゲートは噛み込んだ物品に押されて円滑に揺動後退すると共に、噛み込んだ物品が噛み込み箇所から離脱すると、シャッタ先端部に近接対向する姿勢に復帰する。
【0018】
(4)本発明の他の実施態様では、前記可動ゲートを前記シャッタ側に向けて自重で揺動付勢してある。
【0019】
この実施態様によると、可動ゲートとシャッタ先端部との間に挟み込まれた物品は、可動ゲートの自重による荷重で挟持されることになるが、可動ゲートを、適度の重量に設定しておくことで、物品を損傷することがない。
【0020】
(5)本発明の更に他の実施態様では、前記シャッタ開閉機構は、直線状の案内レールと、前記シャッタを支持して、前記案内レールに沿ってスライド移動可能なスライド部材とを備える。
【0021】
この実施態様によると、シャッタを支持したスライド部材を、案内レールに沿って直線的にスライドさせて、貯留ホッパにおける下端開口部を開閉することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、貯留ホッパが物品供給位置から物品補給位置へ向けて移動されるのに連動して、シャッタを直線的に移動させて、貯留ホッパの下端開口部を閉止するので、シャッタを揺動させて閉止する場合のように、揺動するシャッタの先端部で、物品搬送径路の始端部に残っている物品を掬い上げることがなく、物品が搬送径路外へ零れるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は本発明の一実施形態の物品供給装置を備える組合せ計量装置の全体側面図である。
【
図6】
図6は物品供給装置の前方から見た正面図である。
【
図7】
図7はシャッタ開閉機構の一部を示す斜視図である。
【
図8】
図8はシャッタ全開時におけるシャッタ開閉機構の一部の縦断側面図である。
【
図9】
図9は貯留ホッパが物品供給位置にある時の物品供給装置の側面図である。
【
図10】
図10は貯留ホッパが物品供給位置から少し離れた状態における物品供給装置の側面図である。
【
図11】
図11は貯留ホッパが物品供給位置から大きく離れた状態における物品供給装置の側面図である。
【
図12】
図12は貯留ホッパが物品補給位置にある時の物品供給装置の側面図である。
【
図13】
図13は貯留ホッパが物品供給位置から物品補給位置に向けて移動し始めた初期状態におけるシャッタ開閉機構の一部の縦断側面図である。
【
図14】
図14は貯留ホッパが物品供給位置から少し離れた状態におけるシャッタ開閉機構の一部の縦断側面図である。
【
図15】
図15は貯留ホッパが物品供給位置から更に離れた状態におけるシャッタ開閉機構の一部の縦断側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0025】
図1は本発明の一実施形態に係る物品供給装置を備えた組合せ計量装置の全体の概略側面図、
図2はその概略平面図であり、また、
図3は計量装置の概略側面図、
図4は計量装置の概略正面図である。
【0026】
この実施形態の組合せ計量装置は、各種の食品や菓子、等の多品種の物品を所定重量ずつ組合せ計量して、全体として所定重量範囲となるように混合計量するものであって、床面Fに搭載設置され、組合せ計量された物品は、階下に設置した図示されていない包装機に投入して袋詰めされる。
【0027】
なお、構造を理解し易くするために、以下の説明では、
図1~
図3における横方向、及び、
図4における紙面表裏方向を前後方向と呼称し、また、
図1、
図3における紙面表裏方向、
図2における上下方向、及び、
図4における横方向を左右方向と呼称することとする。
【0028】
図1に示すように、この組合せ計量装置は、作業者が左右に歩行移動可能な中央通路Rを挟んで、前後2台の計量装置1が向い合せに配置された構造となっている。各計量装置1は、基本的には同仕様に構成されており、以下、一方の計量装置1について、その基本的な構成を
図3及び
図4等を参照して説明する。
【0029】
計量装置1における内側(中央通路R側)には、床面Fに設置した台枠2に上に、横長箱状に形成された2台の基体3が左右に並べて設置されている。各基体3の外側(中央通路Rと反対側)には、
図4に示すように、複数連(この例では、7連)の計量ユニット4が左右一列状に装備されている。従って、この例では、1台の計量装置1にそれぞれ一列14連の計量ユニット4が装備され、前後の計量装置1によって、計28連の計量ユニット4で、多品種(例えば8種)の物品の混合組合せ計量を行うようになっている。
【0030】
また、各計量装置1における計量ユニット4群の更に外側には、
図3に示すように、多品種の物品を各計量ユニット4の上部に供給する供給ユニット5が配備されている。
【0031】
計量ユニット4自体は周知構造のものと同様であり、供給ユニット5から搬送されてきた物品を受け取って一旦貯留して排出する開閉自在なゲートを有する供給ホッパ6と、供給ホッパ6から排出された物品を貯留してその重量を測定して排出する開閉自在なゲートを有する計量ホッパ7と、計量ホッパ7で計量され排出された物品を受け取って一時貯留して排出する開閉自在なゲートを有するメモリホッパ8とを、上下縦列状に配置した構造となっている。
【0032】
計量ホッパ7には、
図3に示すように、中央通路Rから遠い側の外ゲート7aと、中央通路R側の内ゲート7bがそれぞれ独立して開閉作動可能に備えられており、外ゲート7aのみを揺動開放させることで、計量した物品が直接下方に送出され、内ゲート7bのみを揺動開放させることで、計量した物品がメモリホッパ8へ送り込まれて一時貯留されるようになっている。
【0033】
各計量ユニット4には、メモリホッパ8が備えられているので、組合せ演算に参加できるホッパの数を増やすことができる。
【0034】
図4に示すように、計量ホッパ7とメモリホッパ8の下方には、所定の重量となるように組合せ選択された複数の計量ホッパ7、あるいは、メモリホッパ8から排出された物品を集める4台の第1集合シュート9が左右一列状に配備されると共に、隣接する2台ずつの第1集合シュート9の下方に、第1集合シュート9で集められた物品を一時的に受け止め貯留する2台の第1集合ホッパ10が配備されている。また、第1集合ホッパ10の下方には、各第1集合ホッパ10から排出された物品を滑落案内して集める第2集合シュート11と、14連の計量ユニット4を用いて計量されて集められた物品を一箇所に集めて一時貯留する第2集合ホッパ12が配置されている。
【0035】
供給ユニット5には、
図3に示すように、物品を収容する貯留ホッパ13と、各貯留ホッパ13の下端に連通するよう供給部フレーム16に支持された固定ホッパ14とが備えられている。また、供給ユニット5には、固定ホッパ14から繰り出された物品を各計量ユニット4に向けて直線的に振動搬送する14台の直進フィーダ15が、供給部フレーム16の上部に左右に並列して配備されている。
【0036】
直進フィーダ15は、物品を樋状のトラフに載置して振動搬送する上段フィーダ15aと下段フィーダ15bとを、搬送方向に向けて先下がり階段状に縦列配置して構成されている。
【0037】
直進フィーダ15の上方には、下段フィーダ15bの始端側及び終端側における物品の堆積高さを検知する物品検知センサ17a,17bが配備されており、その検知情報に基づいて上段フィーダ15a及び下段フィーダ15bの駆動が制御され、直進フィーダ15毎での均一な物品搬送が行われるようになっている。
【0038】
供給ユニット5の供給部フレーム16には、計量ホッパ6に適量範囲を超える過量の物品が供給されたときに、その過量の物品を排出するためのリジェクト機構20が備えられている。このリジェクト機構20には、前後水平に進退移動可能なリジェクトシュート21と、リジェクトシュート21に導入した物品を回収する回収シュート22と回収容器23とが装備されている。
【0039】
リジェクトシュート21は、計量ホッパ7から第1集合シュート9への送出径路に外側から対向して配備されており、エアーシリンダなどのアクチュエータ24によって進退駆動されるようになっている。通常時は、
図3中の実線で示すように、リジェクトシュート21は外側に退避しており、計量ホッパ7における外ゲート7aの開放に伴う物品の第1集合シュート9への排出を妨げることがない。そして、計量ホッパ7で計量された重量値が過量である場合には、
図3中の仮想線で示すように、リジェクトシュート21が進出するリジェクト状態となる。この状態で、外ゲート7aが開放作動されることで、計量ホッパ7内の物品がリジェクトシュート21に排出され、過量の物品が回収シュート22を介して回収容器23に流下案内されて回収される。また、回収が完了するとリジェクトシュート21は元の退避位置に後退移動され、計量ホッパ7の外ゲート7aが閉じられて次の計量に備えられる。
【0040】
次に、供給ユニット5に装備されている物品供給装置について説明する。
図5は、物品供給装置の側面図であり、
図6は、物品供給装置の前方から見た正面図である。
【0041】
この実施形態の物品供給装置は、貯留ホッパ13を昇降可能に支持するホッパ昇降機構30を備えており、貯留ホッパ13の物品が繰出し消費されて貯留残量が少なくなると、人手によって貯留ホッパ13を低い物品補給位置まで下降させ、楽な姿勢で物品を貯留ホッパ13に補給した後、固定ホッパ14に連通される元の物品供給位置にまで上昇操作するようになっている。
【0042】
貯留ホッパ13には、その昇降作動に連動してホッパ下端開口部を開閉するシャッタ開閉機構29が備えられている。
図7は、シャッタ開閉機構29の一部を示す斜視図であり、
図8は、シャッタ全開時におけるシャッタ開閉機構29の一部の縦断側面図である。
【0043】
以下、ホッパ昇降機構30及びシャッタ開閉機構29の詳細を、
図5~
図8を参照しながら説明する。
【0044】
図5に示すように、ホッパ昇降機構30は、供給部フレーム16の背部にブラケット31を介して支点q周りに上下揺動可能に支持された左右一対の昇降アーム32と、昇降アーム32の遊端側に連結固定された枠状の昇降フレーム33と、ブラケット31に支点s周りに上下揺動可能に支持されると共に、長孔34とローラ35を介して昇降フレーム33に支持された左右一対の昇降リンク36とを備えている。そして、昇降アーム32に支持されて揺動昇降する昇降フレーム33に、貯留ホッパ13が脱着可能に支持されている。貯留ホッパ13の上部前半には、下降させた物品補給位置において、当該貯留ホッパ13への物品補給を行うための開口部13aが形成されている。
【0045】
昇降フレーム33における左右の側板下端辺に沿ってそれぞれ案内レール37が対向して固着され、各案内レール37にそれぞれスライド部材38が直線移動可能に抱き込み嵌合されている。また、左右のスライド部材38に亘ってステー39が左右水平に架橋連結されると共に、このステー39に、左右端辺を起立屈折した平板状のシャッタ40が脱着可能にボルト締め支持されている。
【0046】
昇降フレーム33における側板内側には、支点t周りに回動可能にカム板41が支持されると共に、このカム板41に形成された屈曲カム溝42に、昇降リンク36の上端部に備えた操作ローラ43が係合されており、昇降フレーム33に対して昇降リンク36の相対姿勢が変化して操作ローラ43が移動することで、カム板41が回動操作されるようになっている。
【0047】
また、昇降フレーム33の上部には、支点u周りに前後揺動可能に操作リンク44が支持されており、この操作リンク44の下端とスライド部材38の前部とが連係リンク45で連合連結されると共に、操作リンク44の上部とカム板41とが連動リンク46で連動連結されている。
【0048】
シャッタ開閉機構29は、案内レール37に沿って直線移動するスライド部材38に、ステー39を介して支持されたシャッタ40を備えると共に、昇降フレーム33にそれぞれ支持されたカム板41及び操作リンク44と、この操作リンク44とスライド部材38とを連結する連係リンク45と、操作リンク44とカム板41とを連結する連動リンク46とを備えている。
【0049】
この実施形態では、昇降フレーム33に対して昇降リンク36の位置姿勢が相対的に変化して操作ローラ43が位置移動することで、カム板41が支点t周りに回動操作されると共に、このカム板41の回動に連動して操作リンク44が前後に揺動され、これに伴ってシャッタ40が前後にスライド操作されるのである。
【0050】
貯留ホッパ13は、上面と前面に取っ手48を備えた角形の漏斗状に形成されている。この貯留ホッパ13を昇降フレーム33の内部に挿入して前後左右に位置決め装着した後、貯留ホッパ13における左右外側面の上部に備えたフック49に、昇降フレーム33の左右外側面に備えた死点越え操作型の締め金具50を係止して締め上げることで、貯留ホッパ13を昇降フレーム33に連結固定することができる。また、逆に、締め金具50をフック49から外すことで、貯留ホッパ13を昇降フレーム33から抜き外し、任意の箇所で貯留ホッパ13の洗浄等を行うことができるようになっている。
【0051】
また、貯留ホッパ13における下端開口部の前壁下端には、ヒンジ51を介して支点v周りに前後に自由揺動可能に可動ゲート52が装備されている。貯留ホッパ13が物品供給位置にセットされている状態では、可動ゲート52は、閉止位置にあるシャッタ40の前端に近接対向するよう自重垂下されている。
【0052】
ホッパ昇降機構30及びシャッタ開閉機構29は、以上のように構成されており、以下その作動について説明する。
【0053】
図9に示すように、貯留ホッパ13が固定ホッパ14に連通する物品供給位置にセットされている状態では、昇降リンク36は略鉛直姿勢にあって、カム板41は後方に回動している。これに伴って操作リンク44が後方に揺動されてシャッタ40は、貯留ホッパ13の下向きの下端開口部から後退した開放位置に保持されている。
【0054】
なお、貯留ホッパ13が物品供給位置に上昇されている状態では、昇降リンク36の前方への揺動が、ブラケット31に備えたストッパボルト53によって当接阻止されており、貯留ホッパ13の前後方向での位置決めがなされる。
【0055】
また、昇降フレーム33における左右の側面上部に、支点x周りに前後揺動可能にロックアーム54が支持されており、貯留ホッパ13が物品供給位置に上昇されている状態では、昇降リンク36の上端部に突設したロックピン55にロックアーム54が後方より係合される。これによって、昇降フレーム33に対する昇降リンク36の後方への揺動が不能となる。つまり、ホッパ昇降機構30の下降方向への作動が不能な下降ロック状態となり、貯留ホッパ13が物品供給位置に固定保持される。なお、左右のロックアーム54は、その下端において持ち手バー54aで架橋連結されており、持ち手バー54aを把持して左右のロックアーム54を一体に揺動操作できるようになっている。
【0056】
貯留ホッパ13への物品補給を行う場合には、
図10に示すように、先ず、ロックアーム54を後方に揺動操作して下降ロックを解除した後、昇降フレーム33の背部に備えた取っ手33aを把持して貯留ホッパ13を後方に引き倒してゆく。
【0057】
貯留ホッパ13の後方への初期移動に伴って、昇降リンク36が昇降フレーム33に対して上方に移動し、移動する操作ローラ43と屈曲カム溝42の下半部とによるカム作用によってカム板41が急速に前方回動し、シャッタ40が一気に前方スライド操作され、貯留ホッパ13の下端開口部が、直線的に横断するシャッ40によって閉止される。
【0058】
この際、
図13、
図14に示すように、貯留ホッパ13、あるいは、固定ホッパ14に残留している物品wが、シャッタ40の先端部と貯留ホッパ13の前壁下端部との間に噛み込まれかけても、貯留ホッパ13の前壁下端部は、自重で揺動付勢された可動ゲート52で構成されているので、噛み込まれかけた物品wは、可動ゲート52をその自重付勢力に抗して前方に押しのけ揺動させ、物品wにシャッタ40が強く噛み込んで損傷することが回避される。
【0059】
更に貯留ホッパ13を下降させてゆくと、
図11に示すように、昇降リンク36が昇降フレーム33に対して更に上方に移動するが、移動する操作ローラ43と屈曲カム溝42の上半部とによるカム作用によってカム板41は前方回動姿勢に安定保持され、これによってシャッタ40の閉止状態が維持される。
【0060】
この場合、
図15に示すように、貯留ホッパ13が後方に回倒されるのに伴って、可動ゲート52の自重付勢力が、シャッタ40の先端部と可動ゲート52の間に挟まれた物品wを後方へ押し戻すよう作用し、物品wはシャッタ40に沿って流下して回倒姿勢の貯留ホッパ13の下部に集められる。
【0061】
更に貯留ホッパ13を後方に倒してゆくと、
図12に示すように、昇降アーム32が略水平姿勢になった状態で、ブラケット31に備えたストッパボルト56に受止められてそれ以上の下方揺動が阻止され、貯留ホッパ13が所定の物品補給位置に下降保持される。この物品補給位置では、貯留ホッパ13の下端開口部は、前後向きとなる。
【0062】
なお、ホッパ昇降機構30における昇降アーム32とブラケット31とに亘って伸長付勢されたガスダンパ57が架設されて、物品を貯留した貯留ホッパ13の重量に均衡する上昇付勢力がホッパ昇降機構30に付与されている。物品補給位置まで下降された貯留ホッパ13がガスダンパ57による上昇付勢力によって不用意に持ち上がらないように、ロックアーム54を昇降リンク36のロックピン55に係合させて上昇ロックをかけ、貯留ホッパ13を低位の物品補給位置に安定保持させた状態で、上記の開口部13aから物品補給作業を行う。
【0063】
物品補給作業が完了すると、先ず、ロックアーム54を後方に揺動操作して上昇ロックを解除した後、貯留ホッパ13を前方上方に起立させてゆく。貯留ホッパ13が固定ホッパ14に掛かる状態(
図10の状態)まではシャッタ40は閉止され、その後の上昇(前方)移動に伴って、シャッタ40は急速に開放され、
図8に示すように、元の物品供給位置では、貯留ホッパ13の下端開口部が完全開放されて固定ホッパ14に連通した状態に復帰する。
【0064】
この実施形態では、貯留ホッパ13を物品供給位置から物品補給位置に向けて少し移動させるとシャッタ40が閉止し、以降のホッパ下降移動時にはシャッタ40の閉止状態が保持されることになる。また、逆に、貯留ホッパ13を物品補給位置から物品供給位置に向けて上昇移動させる際、物品補給位置近くまではシャッタ40の閉止状態が維持されることになり、貯留ホッパ13の昇降作動中に不用意に物品が洩れ落ちることが防止される。
【0065】
更に、貯留ホッパ13を物品供給位置から物品補給位置に向けて移動させると、貯留ホッパ13の下端開口部が、直線的にスライド移動するシャッ40によって閉止されるので、シャッタを揺動させて閉止する場合のように、揺動するシャッタの先端部で、固定ホッパ14に残っている物品を掬い上げて零すといったことがない。
【0066】
また、本実施形態によれば、複数の貯留ホッパ13への物品補給をバッチ式に行うにあたり、未だ物品が残っていて、必ずしも直ちに補給が必要ではない貯留ホッパ13への補給を、他の貯留ホッパ13の物品補給に合わせて同時に行うことができ、物品補給作業の頻度を下げて作業能率を高めることができる。
【0067】
[他の実施形態]
本発明は、以下のような形態で実施することもできる。
【0068】
(1)自重揺動する可動ゲート52にウエイトを装着して自重付勢するようにしてもよい。この場合、ウエイトの重量を調節可能にして、物品の性状に応じた自重付勢力を設定するとよい。
【0069】
(2)可動ゲート52をバネでシャッタ側へ軽く付勢してもよい。
【0070】
(3)上記実施形態では、高位の物品供給位置と低位の物品補給位置との間で貯留ホッパ13の姿勢が大きく(略90度)回倒変化する場合を例示しているが、ホッパ昇降機構30に四連リンク機構を用いることで、貯留ホッパ13の姿勢を一定あるいは略一定にして昇降させることも可能である。
【符号の説明】
【0071】
4 計量ユニット
5 供給ユニット
13 貯留ホッパ
29 シャッタ開閉機構
30 ホッパ昇降機構
32 昇降アーム
33 昇降フレーム
36 昇降リンク
37 案内レール
38 スライド部材
40 シャッタ
41 カム板
43 操作ローラ
44 操作リンク
52 可動ゲート