(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023020212
(43)【公開日】2023-02-09
(54)【発明の名称】物品供給装置
(51)【国際特許分類】
G01G 19/387 20060101AFI20230202BHJP
【FI】
G01G19/387 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021125467
(22)【出願日】2021-07-30
(71)【出願人】
【識別番号】000208444
【氏名又は名称】大和製衡株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086737
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 和秀
(72)【発明者】
【氏名】上田 裕也
(72)【発明者】
【氏名】末道 亮
(57)【要約】
【課題】簡単かつ安価な構成で、的確に貯留ホッパにおける物品残量を認識できるようにする。
【解決手段】物品供給位置にある貯留ホッパ13の開口部の上方に、貯留ホッパ13の内部下方を、貯留ホッパ13の外部の前記開口部より下方位置から視認できるように反射板50を配置している。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下端部に開閉可能なシャッタを備えると共に、上端に開口部が形成された貯留ホッパを、物品搬送径路の始端部上方の物品供給位置と、該物品供給位置より低位の物品補給位置とに亘って昇降移動させて、前記物品供給位置では前記シャッタを開放すると共に、前記物品補給位置ではシャッタを閉止する物品供給装置であって、
前記物品供給位置にある前記貯留ホッパの内部下方を、該貯留ホッパの外部の前記開口部より下方位置から視認できるように配置された反射体を備える、
ことを特徴とする物品供給装置。
【請求項2】
前記反射体が、前記貯留ホッパの前記開口部の上方に、該貯留ホッパに対向するように配置される、
請求項1に記載の物品供給装置。
【請求項3】
前記貯留ホッパは、前記下端部に前記シャッタによって開閉される供給口を有し、
前記物品供給位置では、前記シャッタを開放して、前記貯留ホッパに貯留した物品を、前記供給口から前記物品搬送径路の前記始端部へ供給するものであり、
前記シャッタを開放した状態では、前記貯留ホッパの前記供給口から離間して物品を流下案内する傾斜姿勢の前記シャッタの一部が、前記供給口の下方に位置する、
請求項1または2に記載の物品供給装置。
【請求項4】
前記シャッタの上面を、前記物品の色合いと異なる色合いにしてある、
請求項3に記載の物品供給装置。
【請求項5】
前記シャッタの上面に、弾性素材からなる表層材を設けると共に、この表層材の表面を、前記物品の色合いと異なる色合いにしてある、
請求項4に記載の物品供給装置。
【請求項6】
前記反射体が、下面が鏡面仕上げされた金属板材からなる、
請求項1ないし5のいずれか一項に記載の物品供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多品種の物品を混合計量する組合せ計量装置などへの物品の供給に好適な物品供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多品種の物品を混合計量する組合せ計量装置としては、例えば、特許文献1に示されているように、供給ホッパ、計量ホッパ、及び、メモリホッパからなる計量ユニットの多数連を横一列に並列配備すると共に、各計量ユニットの供給ホッパへ物品を供給する直進フィーダの始端部上方に貯留ホッパを配備し、作業時間の経過に応じて残量が少なくなった貯留ホッパへの物品の補給を人手によって行う、いわゆるバッチ式の物品供給装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
バッチ式の物品供給装置では、貯留ホッパを、直進フィーダによる物品搬送径路の始端に臨む高位の物品供給位置と、物品搬送径路の始端から後方に外れた低位の物品補給位置に亘って昇降移動可能に支持し、低位置まで下降させた貯留ホッパに作業者が楽な態勢で物品補給作業を行えるようにしている。
【0005】
物品補給に際しては、貯留ホッパの残量を認識する必要があり、例えば、貯留ホッパの下部に監視窓を設けてホッパ内の残量を透視したり、赤外線式あるいは超音波式のセンサを用いてホッパ内に堆積する物品の嵩を検知したり、あるいは、監視カメラを利用することなどが考えられる。
【0006】
しかしながら、貯留ホッパの下部に監視窓を設ける場合、監視窓の位置は、貯留ホッパの下端の物品の供給口よりも上方位置となり、また、物品搬送径路の始端に臨む高位の物品供給位置にセットされた貯留ホッパの下端の前記供給口と、物品搬送径路の上面との間には、若干の物品の存在を許容するための高低差がある。このため、高位の物品供給位置にセットされている貯留ホッパの下端よりも上方位置に設けられている監視窓を通して、貯留ホッパの下端の供給口より下方の物品搬送径路の始端部における物品の残量を的確に把握するのは困難である。特に、物品の種類によっては、物品から遊離した粉や欠片等が監視窓の内面に付着して、貯留ホッパの内部を明瞭に透視することができなくなり、物品の残量の的確な把握は、一層困難となる。
【0007】
また、センサや監視カメラを用いれば的確に物品残量を認識することができるが、その反面、高価な部品装置を使用するのみならず、洗浄に対応して電気系統を確実な防水構造にしておく必要があり、製作コストが高くつくのみならず、機能の維持管理に手間がかかるものとなる。
【0008】
本発明は、このような実情に着目してなされたものであって、簡単かつ安価な構成であって、的確に貯留ホッパにおける物品残量を認識できる物品供給装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明では次のように構成している。
【0010】
(1)本発明は、下端部に開閉可能なシャッタを備えると共に、上端に開口部が形成された貯留ホッパを、物品搬送径路の始端部上方の物品供給位置と、該物品供給位置より低位の物品補給位置とに亘って昇降移動させて、前記物品供給位置では前記シャッタを開放すると共に、前記物品補給位置ではシャッタを閉止する物品供給装置であって、
前記物品供給位置にある前記貯留ホッパの内部下方を、該貯留ホッパの外部の前記開口部より下方位置から視認できるように配置された反射体を備える。
【0011】
本発明によると、反射体を用いた簡単かつ安価な構成で、貯留ホッパの外部の、開口部より下方位置から、作業者が貯留ホッパの内部下方における物品の残り具合を、反射体を介して的確に視認することができ、物品補給の要否を的確に判断することができる。
【0012】
(2)本発明の好ましい実施態様では、前記反射体が、前記貯留ホッパの前記開口部の上方に、該貯留ホッパに対向するように配置される。
【0013】
この実施態様によると、貯留ホッパの上端の開口部の上方に、該貯留ホッパに対向するように配置された反射体を介して、貯留ホッパの内部下方を、貯留ホッパの外部下方から視認することができる。また、反射体を、貯留ホッパの上端の開口部を上方から覆う防塵カバーとして機能させることができる。
【0014】
(3)本発明の他の実施態様では、前記貯留ホッパは、前記下端部に前記シャッタによって開閉される供給口を有し、前記物品供給位置では、前記シャッタを開放して、前記貯留ホッパに貯留した物品を、前記供給口から前記物品搬送径路の前記始端部へ供給するものであり、前記シャッタを開放した状態では、前記貯留ホッパの前記供給口から離間して物品を流下案内する傾斜姿勢の前記シャッタの一部が、前記供給口の下方に位置する。
【0015】
この実施態様によると、物品供給位置では、貯留ホッパの下端部の供給口の下方に、該供給口から離間して物品を流下案内する傾斜姿勢のシャッタの一部が位置する、すなわち、供給口の上方から該供給口を通してシャッタの一部を視認できる位置にあるので、そのシャッタの一部における物品の残り具合を、反射体を介して貯留ホッパの外部下方から視認することができる。つまり、シャッタの前記一部が物品で隠されて視認できなければ、貯留ホッパの供給口に物品がまだ残留堆積しており、シャッタの前記一部が視認できれば、物品が殆んど残っていないことを認識できることになり、物品補給の要否を的確に判断することが容易となる。
【0016】
(4)本発明の更に他の実施態様では、前記シャッタの上面を、前記物品の色合いと異なる色合いにしてある。
【0017】
この実施態様による、シャッタの前記一部における物品の残り具合を、色合いの相違によって容易に視認することが可能となり、物品補給要否の判断を一層的確に行うことができる。
【0018】
(5)本発明の一実施態様では、前記シャッタの上面に、弾性素材からなる表層材を設けると共に、この表層材の表面を、前記物品の色合いと異なる色合いにしてある。
【0019】
この実施態様によると、物品の残り具合を色合いの相違によって容易に視認するための表層材を、シャッタが閉止されている物品補給位置で、上端の開口部から当該貯留ホッパへ物品を補給する際に、補給される物品の衝撃を緩衝する緩衝材としても利用することができる。
【0020】
(6)本発明の他の実施態様では、前記反射体が、下面が鏡面仕上げされた金属板材からなる。
【0021】
この実施態様によると、例えば、ステンレス製の板材を、バフ研磨して容易に反射体を得ることができる。
【発明の効果】
【0022】
このように、本発明によれば、簡単かつ安価な構成で、的確に貯留ホッパにおける物品残量を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は本発明の一実施形態の物品供給装置を備える組合せ計量装置の全体側面図である。
【
図5】
図5は貯留ホッパが物品供給位置にある時の物品供給装置の側面図である。
【
図6】
図6は貯留ホッパが物品供給位置から移動開始した直後における物品供給装置の側面図である。
【
図7】
図7は貯留ホッパが物品供給位置から大きく離れた状態における物品供給装置の側面図である。
【
図8】
図8は貯留ホッパが物品補給位置にある時の物品供給装置の側面図である。
【
図9】
図9はシャッタ開放状態におけるシャッタ開閉部位の縦断側面図である。
【
図10】
図10はシャッタ閉止状態におけるシャッタ開閉部位の縦断側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0025】
図1は本発明の一実施形態に係る物品供給装置を備えた組合せ計量装置の全体の概略側面図、
図2はその概略平面図であり、また、
図3は計量装置の概略側面図、
図4は計量装置の概略正面図である。
【0026】
この実施形態の組合せ計量装置は、各種の食品や菓子等の多品種の物品を所定重量ずつ組合せ計量して、全体として所定重量範囲となるように混合計量するものであって、床面Fに設置され、組合せ計量された物品は、階下に設置した図示されていない包装機に投入して袋詰めされる。
【0027】
なお、構造を理解し易くするために、以下の説明では、
図1~
図3における横方向、及び、
図4における紙面表裏方向を前後方向と呼称し、また、
図1、
図3における紙面表裏方向、
図2における上下方向、及び、
図4における横方向を左右方向と呼称することとする。
【0028】
図1に示すように、この組合せ計量装置は、作業者が左右に歩行移動可能な中央通路Rを挟んで、前後2台の計量装置1が向い合せに配置された構造となっている。各計量装置1は、基本的には同仕様に構成されており、以下、一方の計量装置1について、その基本的な構成を
図3及び
図4等を参照して説明する。
【0029】
計量装置1における内側(中央通路R側)には、床面Fに設置した台枠2に上に、横長箱状に形成された2台の基体3が左右に並べて設置されている。各基体3の外側(中央通路Rと反対側)には、
図4に示すように、複数連(この例では、7連)の計量ユニット4が左右一列状に装備されている。従って、この例では、1台の計量装置1にそれぞれ一列14連の計量ユニット4が装備され、前後の計量装置1によって、計28連の計量ユニット4で、多品種(例えば8種)の物品の混合組合せ計量を行うようになっている。
【0030】
また、各計量装置1における計量ユニット4群の更に外側には、
図3に示すように、多品種の物品を各計量ユニット4の上部に供給する供給ユニット5が配備されている。
【0031】
計量ユニット4自体は周知構造のものと同様であり、供給ユニット5から搬送されてきた物品を受け取って一旦貯留して排出する開閉自在なゲートを有する供給ホッパ6と、供給ホッパ6から排出された物品を貯留してその重量を測定して排出する開閉自在なゲートを有する計量ホッパ7と、計量ホッパ7で計量され排出された物品を受け取って一時貯留して排出する開閉自在なゲートを有するメモリホッパ8とを、上下縦列状に配置した構造となっている。
【0032】
計量ホッパ7には、
図3に示すように、中央通路Rから遠い側の外ゲート7aと、中央通路R側の内ゲート7bがそれぞれ独立して開閉作動可能に備えられており、外ゲート7aのみを揺動開放させることで、計量した物品が直接下方に送出され、内ゲート7bのみを揺動開放させることで、計量した物品がメモリホッパ8へ送り込まれて一時貯留されるようになっている。
【0033】
各計量ユニット4には、メモリホッパ8が備えられているので、組合せ演算に参加できるホッパの数を増やすことができる。
【0034】
図4に示すように、計量ホッパ7とメモリホッパ8の下方には、所定の重量となるように組合せ選択された複数の計量ホッパ7、あるいは、メモリホッパ8から排出された物品を集める4台の第1集合シュート9が左右一列状に配備されると共に、隣接する2台ずつの第1集合シュート9の下方に、第1集合シュート9で集められた物品を一時的に受け止め貯留する2台の第1集合ホッパ10が配備されている。また、第1集合ホッパ10の下方には、各第1集合ホッパ10から排出された物品を滑落案内して集める第2集合シュート11と、14連の計量ユニット4を用いて計量されて集められた物品を一箇所に集めて一時貯留する第2集合ホッパ12が配置されている。
【0035】
供給ユニット5には、
図3に示すように、物品を収容する貯留ホッパ13と、各貯留ホッパ13の下端に連通するよう供給部フレーム16に支持された固定ホッパ14とが備えられている。また、供給ユニット5には、固定ホッパ14から繰り出された物品を各計量ユニット4に向けて直線的に振動搬送する14台の直進フィーダ15が、供給部フレーム16の上部に左右に並列して配備されている。
【0036】
直進フィーダ15は、物品を樋状のトラフに載置して振動搬送する上段フィーダ15aと下段フィーダ15bとを、搬送方向に向けて先下がり階段状に縦列配置して構成されている。
【0037】
直進フィーダ15の上方には、下段フィーダ15bの始端側及び終端側における物品の堆積高さを検知する物品検知センサ17a,17bが配備されており、その検知情報に基づいて上段フィーダ15a及び下段フィーダ15bの駆動が制御され、直進フィーダ15毎での均一な物品搬送が行われるようになっている。
【0038】
供給ユニット5の供給部フレーム16には、計量ホッパ6に適量範囲を超える過量の物品が供給されたときに、その過量の物品を排出するためのリジェクト機構20が備えられている。このリジェクト機構20には、前後水平に進退移動可能なリジェクトシュート21と、リジェクトシュート21に導入した物品を回収する回収シュート22と回収容器23とが装備されている。
【0039】
リジェクトシュート21は、計量ホッパ7から第1集合シュート9への送出径路に外側から対向して配備されており、エアーシリンダなどのアクチュエータ24によって進退駆動されるようになっている。通常時は、
図3中の実線で示すように、リジェクトシュート21は外側に退避しており、計量ホッパ7における外ゲート7aの開放に伴う物品の第1集合シュート9への排出を妨げることがない。そして、計量ホッパ7で計量された重量値が過量である場合には、
図3中の仮想線で示すように、リジェクトシュート21が進出するリジェクト状態となる。この状態で、外ゲート7aが開放作動されることで、計量ホッパ7内の物品がリジェクトシュート21に排出され、過量の物品が回収シュート22を介して回収容器23に流下案内されて回収される。また、回収が完了するとリジェクトシュート21は元の退避位置に後退移動され、計量ホッパ7の外ゲート7aが閉じられて次の計量に備えられる。
【0040】
各貯留ホッパ13は、後述のホッパ昇降機構を介して昇降可能に支持されており、物品が繰出し消費されて貯留残量が少なくなると、人手によって貯留ホッパ13を外側低位の物品補給位置まで下降させ、楽な姿勢で物品を貯留ホッパ13に補給した後、固定ホッパ14に連通される元の物品供給位置にまで上昇操作するようになっている。
【0041】
なお、供給部フレーム16の上部支持枠16aは、計量ユニット4及び供給ユニット5の上部をとり囲むよう立設されており、この上部支持枠16aの傾斜前面、左右側面、及び、上面に取り付けた透明防塵カバー52で、計量ユニット4の上部と物品搬送径路を覆って、これらへの塵埃や異物の降りかかりが防止されるようになっている。
【0042】
各貯留ホッパ13には、その昇降作動に連動して下端の供給口を開閉するシャッタ開閉機構が備えられている。
【0043】
以下、ホッパ昇降機構及びシャッタ開閉機構の詳細を、
図5~
図8を参照しながら説明する。
【0044】
図5に示すように、ホッパ昇降機構30は、四連リンク構造に構成されており、供給部フレーム16の背部に備えたブラケット31に、上下の支点a、b周りにそれぞれ上下揺動可能に支持された上部昇降リンク32と下部昇降リンク33、及び、これら上下昇降リンク32、33の遊端部に支点c、dを介して連結されたホッパ昇降フレーム34とを備えている。そして、このホッパ昇降フレーム34に、貯留ホッパ13が脱着可能に連結支持されている。
【0045】
ホッパ昇降機構30の四連リンク構造は、上部昇降リンク32の支点間寸法が、下部昇降リンク33の支点間寸法より少し大きい不等辺四連リンク構造となっており、ホッパ昇降機構30が起立して、貯留ホッパ13が高位の物品供給位置にある時には、貯留ホッパ13は水平姿勢にあり、ホッパ昇降機構30が後方(外方)に倒されて、貯留ホッパ13が低位の物品補給位置にある時には、貯留ホッパ13は少し外下がりの傾斜姿勢となる。
【0046】
ホッパ昇降フレーム34の外側面には、支点e周りに前後に揺動する前リンク35と、支点f周りに上下に揺動する後リンク36が支持され、これら前後リンク35、36の遊端部にシャッタ37が前後向きに吊り下げ支持されている。
【0047】
従って、揺動方向が異なる前後リンク35、36に支持されたシャッタ37は、その前部が前後方向に揺動変位するのに対して、シャッタ後部が上下方向に揺動変位することになり、シャッタ37は、全体として貯留ホッパ13の下端の供給口に対して前後に掬うように移動する。
【0048】
また、ホッパ昇降フレーム34の外側面には、支点g周りに回動可能にカム板38が支持されるとともに、このカム板38と前リンク35の上方延長部とが連係リンク39で連結されており、カム板38の回動に伴って前リンク35が揺動操作され、もって、シャッタ37が前後に揺動移動されるようになっている。
【0049】
シャッタ開閉機構29は、ホッパ昇降フレーム34に揺動可能に支持された前リンク35及び後リンク36と、ホッパ昇降フレーム34に回動可能に支持されたカム板38と、このカム板38と前リンク35とを連結する連係リンク39とを備えている。
【0050】
カム板38には、屈曲カム溝40が形成されるとともに、上部昇降リンク32の遊端側に、取り付け位置が調節可能な支持部材41を介して操作ローラ42が備えられ、この操作ローラ42が、屈曲カム溝40に沿って案内移動可能に係合されている。
【0051】
従って、上部昇降リンク32がホッパ昇降フレーム34に対して支点c周りに相対的に回動することで、操作ローラ42がカム板38に対して変位し、その結果、操作ローラ42と屈曲カム溝40とのカム作用によってカム板38が支点g周りに回動されて、シャッタ37が開閉操作されることになる。
【0052】
ホッパ昇降機構30及びシャッタ開閉機構29は、以上のように構成されており、以下その作動について説明する。
【0053】
図5に示すように、貯留ホッパ13が固定ホッパ14に連通接続する物品供給位置にセットされている状態では、ホッパ昇降機構30は起立姿勢にあり、この時、前リンク35は略鉛直姿勢にあり、シャッタ40は貯留ホッパ13の下端の供給口を開放した位置に後退している。この場合、開放位置のシャッタ37は、前下がり傾斜姿勢(
図9参照)で下端の供給口の後半部において露出しており、ホッパ内の物品がシャッタ37で前方下方に案内されて固定ホッパ14に導かれる。このシャッタ37の開放状態では、貯留ホッパ13の供給口から離間した傾斜姿勢のシャッタ37の一部である先端部が、供給口の下方に位置しており、貯留ホッパ13の供給口の上方からシャッタ37の先端部を視認できる位置にある。
【0054】
なお、貯留ホッパ13が物品供給位置にある時、下部昇降リンク33の前方への揺動が、ブラケット31に備えたストッパボルト43によって当接阻止され、貯留ホッパ13の前後方向での位置決めがなされる。
【0055】
また、上部昇降リンク32の上部には、支点h周りに前後揺動可能にロックアーム44が装備されており、貯留ホッパ13が物品供給位置に上昇されている状態では、ホッパ昇降フレーム34の外側面に突設したロックピン45にロックアーム44が後方より係合されて、上部昇降リンク32の後方への揺動が不能となる。つまり、ホッパ昇降機構30の下降方向への作動が不能な下降ロック状態となり、貯留ホッパ13が物品供給位置に固定保持される。
【0056】
貯留ホッパ13への物品補給を行う場合には、先ず、ロックアーム44を後方に揺動操作して下降ロックを解除した後、ホッパ昇降フレーム34の背部に備えた取っ手34aを把持してホッパ昇降機構30全体を後方に引き倒してゆく。
【0057】
図6に示すように、ホッパ昇降機構30の後方への初期移動に伴って、上部昇降リンク32がホッパ昇降フレーム34に対して相対的に時計方向に回動し、支点cを中心とする円弧軌跡で後方へ移動する操作ローラ42が屈曲カム溝42の前部に作用し、カム板38が急速に上方へ回動される。これによって前リンク35が支点e周りに時計方向に回動して、シャッタ37が一気に前方上方へ移動操作され、貯留ホッパ13における下端の供給口の全体が閉止される(
図10参照)。この際、シャッタ37の先端部が貯留ホッパ13における下端の供給口の前壁部より若干突出され、後に補給される物品のこぼれ出しが確実に阻止される。
【0058】
尚もホッパ昇降機構30を後方へ倒して貯留ホッパ13を下降させてゆくと、
図7に示すように、上部昇降リンク32がホッパ昇降フレーム34に対して更に時計方向に相対回動して、操作ローラ42が支点cを中心として円弧軌跡に沿って後方に移動する。この際、屈曲カム溝40の後半部が、支点cを中心とする円弧状に形成されているため、操作ローラ42の後方移動に対しても、カム板38は回動することなく一定の姿勢に保持され、これによってシャッタ37の閉止状態が維持される。
【0059】
更にホッパ昇降機構30を後方に倒してゆくと、
図8に示すように、上部昇降リンク32が所定の後ろ下がり傾斜した姿勢になった状態で、ブラケット31に備えた下限ストッパボルト46に上部昇降リンク32が受止められて、それ以上の下方揺動が阻止され、貯留ホッパ13が所定の物品補給位置に下降保持される。
【0060】
なお、ホッパ昇降機構30における上部昇降リンク32とブラケット31とに亘って伸長付勢されたガスダンパ47が架設されて、物品を貯留した貯留ホッパ13の重量に均衡する上昇付勢力がホッパ昇降機構30に付与されており、物品補給位置まで下降されたホッパ昇降機構30がガスダンパ47による上昇付勢力によって不用意に持ち上がらないように、ロックアーム44をロックピン45に係合させて上昇ロックをかけ、貯留ホッパ13を低位の物品補給位置に安定保持させた状態で、上端の全面開放された開口部から当該貯留ホッパ13内に物品を投入して物品の補給を行う。
【0061】
物品補給作業が完了すると、ロックアーム44を後方に揺動操作して上昇ロックを解除した後、上記下降操作と逆の手順でホッパ昇降機構30を前方上方に起立させてゆく。
【0062】
以上のような物品補給作業を行うに際し、物品の繰出し消費速度が異なる複数の貯留ホッパ13での残量を確認して、補給の要否を判断する必要があり、本実施形態では、ホッパ内の残量を以下のような構造で目視確認するようにしている。
【0063】
すなわち、供給ユニット5における供給部フレーム16に立設された上部支持枠16aの上辺部分が、
図3、
図5に示すように、物品供給位置にある貯留ホッパ13の上端の開口部よりも上方に位置し、かつ、上部支持枠16aの後端が、貯留ホッパの前後中間に位置するよう設置されている。つまり、上部支持枠16aの後端よりも貯留ホッパ13の後半部が後方に突出するようになっている。そして、この上部支持枠16aの後端部に、支点部材49を介して反射体としての反射板50が、後ろ向き片持ち状に取り付けられている。
【0064】
反射板50は、下面が鏡面に加工されたステンレス鋼板で形成されており、基端部での支点i周りでの上下回動調節によって任意の傾斜角度にして、締込み固定できるようになっている。また、この実施形態では、反射板50は、並列配備された貯留ホッパ13毎に、鏡面が下向きにそれぞれ配備され、上部支持枠16aの後端から後方突出するホッパ後半部の上端の開口部を上方から覆い隠す大きさの矩形に形成されている。
【0065】
従って、物品供給位置にある貯留ホッパ13の前半部の上端の開口部の上方は、上部支持枠16aの上辺部に装備された透明防塵カバー52で覆われるとともに、貯留ホッパ13の後半部上方は反射板50で覆われ、これによって、上端の開口部から貯留ホッパ13内への塵埃や異物の降りかかりが防止されている。
【0066】
図1に示すように、反射板50は、床面Fに立つ作業者Wが、物品供給位置にある貯留ホッパ13に貯留された物品の残量を視認するためのものであり、ホッパ上端と反射面とが、反射光路を確保できる上下間隔をもって配備される。このように反射板50は、貯留ホッパ13の内部下方を、貯留ホッパ13の外部の下方位置から作業者Wが視認できるように設けられている。
【0067】
この反射板50は、その傾斜角度が、貯留ホッパ13の内部下方の供給口付近を、外部下方から視認できるように予め調節されている。
【0068】
この場合、貯留ホッパ13の下端の供給口の下方には、開放位置にある傾斜姿勢のシャッタ37の先端部が位置しているので、反射板50を介しての反射によって外部から作業者Wが視認できる領域には、シャッタ37の一部である先端部が入っており、このシャッタ37の先端部が見えなければ、物品が未だ多く残っている状態であり、シャッタ37の先端部が見えるようであれば、残量がほとんど無い状態であり、また、シャッタ37の先端部の全部が見えるようであれば残量が完全に無い状態であると判断することができる。
【0069】
ここで、
図9に示すように、シャッタ37の上面には、ウレタンゴムなどの適度な弾性と滑性を備えた弾性材からなる表層材51が貼り付け装備されている。この表層材51が、
図8に示される物品補給位置で、上端の開口部から貯留ホッパ13へ物品を補給する際に、補給される物品の衝撃を緩衝する緩衝材として機能する。
【0070】
また、表層材51は、貯留する物品の色合いと異なる色合いのものであり、シャッタ37上面での物品の残留具合を容易に視認することができる。
【0071】
上記のように本実施形態によれば、反射板50を用いた簡単かつ安価な構成であって、貯留ホッパ13の上端の開口部より下方から作業者が、貯留ホッパ50の内部下方における物品の残り具合を、反射板50を介して的確に視認することができ、物品補給の要否を的確に判断することができる。
【0072】
[他の実施形態]
本発明は、以下のような形態で実施することもできる。
【0073】
(1)反射板50を、金属製あるいは樹脂製の板材の下面に鏡面アルミ箔を貼り付けて構成することもできる。
【0074】
(2)シャッタ37の素材にカラーステンレス鋼板を用いることで、シャッタ上面を物品の色合いと異なった色合いにすることもできる。これによると、緩衝材としての機能はないが、損耗に伴う表層材の貼り替えが不要になるとともに、洗浄が容易なものになる。
【符号の説明】
【0075】
4 計量ユニット
13 貯留ホッパ
37 シャッタ
50 反射板
51 表層材
52 透明防塵カバー