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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023020399
(43)【公開日】2023-02-09
(54)【発明の名称】ペットハウス
(51)【国際特許分類】
   A01K 1/02 20060101AFI20230202BHJP
【FI】
A01K1/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021125736
(22)【出願日】2021-07-30
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 1.ウェブサイトの掲載日 :2020年12月14日 ウェブサイトのアドレス : https://www.cainz.com/shop/ ウェブサイトのアドレス : https://www.cainz.com/shop/g/g4549509701712/ ウェブサイトのアドレス : https://www.cainz.com/shop/g/g4549509701736/ ウェブサイトのアドレス : https://www.cainz.com/shop/g/g4549509701743/ ウェブサイトのアドレス : https://www.cainz.com/shop/g/g4549509701774/ 2.販売日 :2020年12月14日 販売場所 :株式会社カインズが運営する店舗 (カインズ及びスタイルファクトリー)(別紙2参照)
(71)【出願人】
【識別番号】500367067
【氏名又は名称】株式会社カインズ
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(72)【発明者】
【氏名】山沢 渚
(72)【発明者】
【氏名】永田 誠
【テーマコード(参考)】
2B101
【Fターム(参考)】
2B101AA13
2B101AA20
(57)【要約】
【課題】簡単な構成で異なるデザインを可能なペットハウスを提供可能とする。
【解決手段】前面を塞ぐとともに一部が開口された開口部を有する前板11と、前板と前後方向に離間するとともに前板と平行に位置し後面を塞ぐ後板12と、前後方向に延在して前板と後板との間に互いに平行に架け渡された複数本の支柱13と、前後方向における前板と後板との間の間隔と等しい幅寸法を有し前板および後板の輪郭全周に沿って複数本の支柱にわたって巻回されるカバー14と、を有し、カバーの支柱に沿った両端部には、着脱自在とする着脱部15が設けられるペットハウス10。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面を塞ぐとともに一部が開口された開口部を有する前板と、
前記前板と前後方向に離間するとともに前記前板と平行に位置し後面を塞ぐ後板と、
前記前後方向に延在して前記前板と前記後板との間に互いに平行に架け渡された複数本の支柱と、
前記前後方向における前記前板と前記後板との間の間隔と等しい幅寸法を有し前記前板および前記後板の輪郭全周に沿って複数本の前記支柱にわたって巻回されるカバーと、
を有し、
前記カバーの前記支柱に沿った両端部には、着脱自在とする着脱部が設けられる
ことを特徴とするペットハウス。
【請求項2】
前記着脱部が面ファスナーとされ、前記カバーの幅方向の全長に設けられる、
ことを特徴とする請求項1記載のペットハウス。
【請求項3】
一組の前記前板および前記後板が同じ輪郭形状を有するとともに、異なる組の前記前板および前記後板に対して、同じ前記カバーが巻回可能とされる
ことを特徴とする請求項1または2記載のペットハウス。
【請求項4】
前記前板および前記後板の下端が直線状に形成され、前記カバーが前記前板および前記後板の前記下端に沿って延在する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか記載のペットハウス。
【請求項5】
前記カバーが前記前板および前記後板の前記下端に沿って延在し、床面を形成する、
ことを特徴とする請求項4記載のペットハウス。
【請求項6】
前記前板および前記後板の輪郭形状が、多角形状とされ、その頂部付近に前記支柱が取り付けられる
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか記載のペットハウス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はペットハウスに関する。
【背景技術】
【0002】
組み立て式のペットハウスとして、例えば、特許文献1,2に記載されるように、骨組みにカバーを被せるものが知られている。ここで、特許文献1には、防水性可撓シートを屋根板として被せて使用するものが記載されている。また、特許文献2には、骨組み構造に合わせて形成された家型のカバーを骨組みに被せている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭58-135252号公報
【特許文献2】特許第3274443号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の特許文献1に記載された構成では、屋根となるシートと枠体と底面板とが必要であり、さらに、部品点数を削減したいという要求があった。
また、特許文献2に記載された構成では、カバーが骨組構造に合わせて形成されているため、単一の骨組み構造にしか対応して使用できない。このため、ペットハウス自体の形状多様性に対応したいという要求があった。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、部品点数を削減でき、簡単な構成で、異なるデザインのペットハウスに対応して、同じサイズの替えカバーを取り付け可能なペットハウスを提供するという目的を達成しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載した発明は、
前面を塞ぐとともに一部が開口された開口部を有する前板と、
前記前板と前後方向に離間するとともに前記前板と平行に位置し後面を塞ぐ後板と、
前記前後方向に延在して前記前板と前記後板との間に互いに平行に架け渡された複数本の支柱と、
前記前後方向における前記前板と前記後板との間の間隔と等しい幅寸法を有し前記前板および前記後板の輪郭全周に沿って複数本の前記支柱にわたって巻回されるカバーと、
を有し、
前記カバーの前記支柱に沿った両端部には、着脱自在とする着脱部が設けられることにより上記課題を解決した。
請求項2に記載した発明は、請求項1記載のペットハウスであって、
前記着脱部が面ファスナーとされ、前記カバーの幅方向の全長に設けられる。
請求項3に記載した発明は、請求項1または2記載のペットハウスであって、
一組の前記前板および前記後板が同じ輪郭形状を有するとともに、異なる組の前記前板および前記後板に対して、同じ前記カバーが巻回可能とされる。
請求項4に記載された発明は、請求項1から3のいずれか記載のペットハウスであって、
前記前板および前記後板の下端が直線状に形成され、前記カバーが前記前板および前記後板の前記下端に沿って延在する。
請求項5に記載された発明は、請求項4記載のペットハウスであって、
前記カバーが前記前板および前記後板の前記下端に沿って延在し、床面を形成する。
請求項6に記載された発明は、請求項1から5のいずれか記載のペットハウスであって、
前記前板および前記後板の輪郭形状が、多角形状とされ、その頂部付近に前記支柱が取り付けられる。
【0007】
請求項1に記載した発明によれば、前板と後板との間に支柱を架け渡してカバーを巻回して着脱部を止めるだけで、ペットハウスを組み立てることができる。しかも、カバーが前板および後板の輪郭全周に沿って巻回されていることで、前板および後板に直交する方向ではカバーがその全ての方向でペットハウスの壁面、床面、屋根面を形成することができる。したがって、例えば室内でペットハウスを使用する際に、室内の床に直接ペットが触れない状態で使用することが可能となる。
さらに、異なる輪郭形状を有する前板と後板との組みに対して、カバーを付け替えて使用することが可能となる。
なお、開口部は前板のみでなく後板にも形成されることができる。さらに、開口部は、前板の例えば下端となる輪郭線まで到達して、切欠状に形成されることもできる。また、開口部は、ペットの出入り口となる部分に加えて窓部分あるいは、給水装置等の任意の装備を取り付けるために用いられる取り付け部分などが設けられることができる。
請求項2に記載した発明によれば、
支柱に巻回したカバーにおいて面ファスナーとされる着脱部を互いに貼り着けるか剥がすことで、前板および後板の間の壁面、床面、屋根面を形成または取り外しすることが容易に可能となる。
請求項3に記載した発明によれば、前面視して異なる輪郭形状を有するペットハウスどうしで、カバーを互いに取り替えて、交換することが容易に可能となる。
なお、カバーを交換するペットハウスは、前板および後板の輪郭となる周囲長さが互いにほぼ等しいものとされる。なお、カバーの巻回方向において、着脱部の幅寸法を大きくするか、カバーの巻回方向において、複数の着脱部を形成することで、前板および後板の輪郭となる周囲長さが互いに異なるペットハウスどうしでも、カバーを交換することが可能となる。
請求項4に記載した発明によれば、例えば室内でペットハウスを使用する際に、直線状に形成された前板および後板における下端が、その全長で室内の床に接触する。これにより、室内の床と前板および後板の下端との間に隙間が形成されないようにすることができ、例えばこの部分からの隙間風などの心配をなくすことができる。さらに、ペットハウスの重量および床面となるカバーを介して支持するペットハウス内のペットの重量を前板および後板における下端の全長で支持することができる。
なお、ここで、前板、後板の下端とは、たとえば、開口部として下端が連続していなくても、その断続的な前板、後板の輪郭を延長して床と接触する仮想的な直線に対応するものとする。
請求項5に記載した発明によれば、床面としてのカバーがあることで、例えば室内でペットハウスを使用する際に、ペットハウス内のペット、あるいは、他の物品が直接、室内の床に接触しない状態を維持できる。また、ペットハウス内のペットの行動によって発生する可能性がある事象として、ペットハウスそのものが室内の床に対して滑って移動するという可能性を防止することができる。
請求項6に記載した発明によれば、正面視して多角形状とされるペットハウスにおいて、その一辺が下端となり、ペットハウスを載置する面と接触するとともに、多角形の頂点となる位置の支柱に巻回されたカバーによってペットハウスの内部を外部から区画することが可能となる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、簡単な構成で容易に組み立てでき、床面を有するペットハウスを提供でき、カバーを容易に交換することが可能なペットハウスを提供できるという効果を奏することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係るペットハウスの第1実施形態を示す斜視図である。
図2】本発明に係るペットハウスの第1実施形態における枠を示す斜視図である。
図3】本発明に係るペットハウスの第1実施形態におけるカバーを示す展開図である。
図4】本発明に係るペットハウスの第2実施形態における枠を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係るペットハウスの第1実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態におけるペットハウスを示す斜視図である。図2は、本実施形態におけるペットハウスの枠を示す斜視図である。図3は、本実施形態におけるペットハウスのカバーを示す展開図である。図において、符号10は、ペットハウスである。
本実施形態におけるペットハウス10は、例えば室内の床に設置して、ペットが出入り自由な状態で用いることができる。
【0011】
本実施形態におけるペットハウス10は、図1図3に示すように、前板11と、後板12と、複数本の支柱13と、支柱13に巻回されるカバー14と、を備える。
【0012】
前板11は、多角形状の輪郭を有する平板状に形成される。前板11は、全域で同じ厚さとされる。前板11は、ペットハウス10の全前面を覆って塞ぐように位置されている。
ここで、多角形状とは、複数の頂点を持ついわゆる多角形に対して、これらの頂点を結ぶ各辺が直線状、あるいは曲線状に結ばれた形状も含むものとする。さらに、頂点に対応する位置にある角部分の輪郭が丸められていてもよい。
【0013】
前板11には、ペットの出入り口となる開口部11aが形成されている。開口部11aは、ペットの出入りが可能な大きさに前板11の一部が貫通されていれば、その輪郭形状は特に限定されない。開口部11aは、多角形状の前板11において、周縁部分に接していなくてもよく、また、周縁部分に接していてもよい。開口部11aが前板11の周縁部分に接している場合には、開口部11aは前板11の輪郭形状における輪郭線の切欠として形成されることもできる。この場合、開口部11a以外の前板11の多角形状におけるいずれかの辺は、切欠のない場合の形状を維持する。
【0014】
前板11の下端11bは、直線状に形成される。前板11の下端11bは、前板11の多角形状の輪郭の一辺とされる。前板11の下端11bは、切欠状の開口部11aを除いた全長で、ペットハウス10の設置される床面に接触することができる。前板11の下端11bは、ペットハウス10の重量を支持する。
【0015】
前板11には、1つの開口部11aが形成されていることができ、あるいは、前板11には、複数の開口部11aが形成されていてもよい。
前板11には、開口部11a以外にも、別開口部11dが形成されてもよい。別開口部11dは、ペットハウス10の窓、通気口、あるいは、給水装置等の設備を取り付ける取り付け穴として用いることができる。別開口部11dは、用途に応じて、様々な形状・大きさとして形成されることができる。別開口部11dは、複数形成されることもできる。
【0016】
後板12は、前後方向視して、前板11と同じ輪郭形状を有する。つまり、後板12は、多角形状の輪郭を有する平板状に形成される。後板12は、全域で同じ厚さとされる。後板12は、前板11と同様に、ペットハウス10の全背面を覆って塞ぐように位置されている。
後板12には、前板11と異なり、開口部を形成しなくてもよい。あるいは、後板12に開口部11aと同じような開口部を形成して後面の出入り口とすることもできる。また、後板12には、前板11の別開口部11dと同様に、別開口部が形成されてもよい。
【0017】
後板12の下端12bは、直線状に形成される。後板12の下端12bは、後板12の多角形状の輪郭の一辺とされる。後板12の下端12bは、その全長で、ペットハウス10の設置される床面に接触することができる。後板12の下端12bは、ペットハウス10の重量を支持する。
【0018】
本実施形態におけるペットハウス10においては、前板11と後板12とが一組とされる。前板11と後板12とは、いずれも、五角形の輪郭形状を有する。本実施形態における前板11と後板12とは、いずれも、五角形の直線状の一辺が下端11b,12bとして室内の床と平行に立設される。
前板11と後板12とは、互いに平行に対向して立設される。前板11の下端11bと後板12の下端12bとは、互いに平行に対向している。前板11の下端11bと後板12の下端12bとは、室内の床と平行に設置されることが好ましい。前板11の下端11bと後板12の下端12bとによって、ペットハウス10の重量を支持する。前板11と後板12との間には、複数の支柱13が架け渡される。
【0019】
複数の支柱13は、互いに平行に前後方向に延在する円柱状として形成される。複数の支柱13は、いずれも同じ径寸法、同じ長さ寸法とされることができる。それぞれの支柱13は、一端が、多角形状とされる前板11の頂点位置に接続され、他端が、多角形状とされる後板12の頂点位置に接続される。1本の支柱は、前板11と後板12との対応する多角形状の頂点どうしを連結する。
【0020】
支柱13の一端は、前板11の内側面(後面)11gに接続され、前板11の外側面11fから前板11を貫通する木ネジ等の貫通部材13aによって取り付けられる。支柱13の他端は、後板12の内側面(前面)12fに接続され、後板12の外側面11gから後板12を貫通する木ネジ等の貫通部材13aによって取り付けられる。
なお、一組の前板11と後板12とは、リバーシブルとされており、前後を裏返して、それぞれ上述した面とは逆側に支柱13を接続することができる。この場合、前板11の内側面(後面)11gを外側に露出するとともに、後板12の内側面(前面)12fを外側に露出することができる。さらにリバース状態のペットハウス10を組み立てる場合、支柱13の一端は、リバースした前板11の前面11fに接続されるとともに、支柱13の一端は、リバースした後板12の後面11gに接続されることができる。なお、前板11の内側面11gと外側面11f、および後板12の外側面12gと内側面12fとは、色違いとして、それぞれ組み立てたペットハウス10の外側が同系統の色合いを有し、リバースして色合いを変更することも可能である。
【0021】
複数の支柱13は、いずれも多角形状の前板11および後板12における頂部の輪郭外縁と、支柱13の外周面とが一致する部分を有するか、または前板11および後板12における頂部の輪郭外縁よりも支柱13の外周面が、前板11および後板12の輪郭内側に離間した位置に接続される。
【0022】
特に、支柱13は、前板11の下端11bおよび後板12の下端12bと、支柱13の外周面とが一致する部分を有することができる。あるいは、支柱13は、前板11の下端11bおよび後板12の下端12bと、支柱13の外周面とが、後述するカバー14の厚さに対応する距離だけ、前板11および後板12の輪郭内側に離間した位置に接続されてもよい。
【0023】
さらに、支柱13は、前板11の下端11bおよび後板12の下端12bと、支柱13の外周面とが、後述するカバー14の厚さに対応する距離よりも大きな離間距離で、前板11および後板12の輪郭内側に離間した位置に接続されてもよい。
支柱13は、前板11の下端11bおよび後板12の下端12bにおける左右方向の両端位置に取り付けられる。また、支柱13は、前板11の下端11bおよび後板12の下端12bにおける左右方向の両端位置からそれぞれ上方となる位置で前板11および後板12の上端となる頂部付近の位置に取り付けられる。さらに、支柱13は、前板11および後板12の最上端となる位置に取り付けられる。
前板11,後板12,支柱13は、図2に示すように組み立てられて、ペットハウス10の枠を構成する。
【0024】
各支柱13には、前板11および後板12の輪郭形状に沿って、カバー14が巻回可能とされる。
カバー14は、矩形状とされ、例えば、布製、樹脂製等の可撓部材からなる。カバー14は、その周縁部が折り返された補強部を有していることができる。カバー14の短手方向の幅寸法は、カバー14の長手方向に沿って均一に設定される。カバー14の短手方向の幅寸法は、支柱13の軸方向の長さ寸法と等しく設定される。カバー14の短手方向の幅寸法は、前後方向における前板11と後板12との間隔と等しく設定される。
【0025】
カバー14の長手方向寸法は、前板11および後板12の輪郭線の周囲長さよりも大きく設定される。具体的には、前板11および後板12の輪郭線の周囲長さに加えて、カバー14を巻回して、カバー14の長手方向端部を互いに着脱するに足る寸法を備える。具体的には、輪郭線の周囲長さに加えて、カバー14の長手方向端部を互いに重ねて着脱する着脱部15を形成するための寸法を有し、さらに、取り回しに必要な端部の寸法を加えてもよい。
【0026】
着脱部15は、枠に対してカバー14を着脱自在とする。着脱部15は、カバー14の短手方向である幅方向の全長に設けられる。着脱部15は、面ファスナーとされる。面ファスナーは、一方にフック状等の係合部を植設した雄部15aと、他方のループ状の被係合部を植設した雌部15bと、から構成される。着脱部15としては、雄部15aと雌部15bとのうち、一方はカバー14の表面端部位置に形成され、他方はカバー14の裏面端部位置に形成される。着脱部15の雄部15aと雌部15bとのうち一方は、カバー14の短手方向において、その全長で連続して形成される。着脱部15の雄部15aと雌部15bとのうち一方は、カバー14の短手方向において、その全長で断続的に形成されてもよい。
【0027】
なお、着脱部15は、面ファスナー以外の構成とすることも可能である。例えば、カバー14の端部に設けたフックと、対応するリング、あるいは、カバー14の表面に取り付けたボタンと対応するボタン穴、スライドファスナーやスナップボタン等の構成を採用することもできる。
【0028】
着脱部15は、カバー14の長手方向において、所定の幅寸法を有する。着脱部15の雄部15aと雌部15bとのうち一方は、カバー14の長手方向の幅寸法が、短手方向の全長で等しく設定される。着脱部15の雄部15aと雌部15bとのうち一方は、カバー14の長手方向において、その全長で連続して形成される。着脱部15の雄部15aと雌部15bとのうち一方は、カバー14の長手方向において、その全長で断続的に形成されてもよい。
【0029】
着脱部15の雄部15aと雌部15bとのうち一方におけるカバー14の長手方向の幅寸法は、カバー14をペットハウス10の枠に巻回した後に、カバー14が外れない幅とされる。着脱部15の雄部15aと雌部15bとのうち他方方におけるカバー14の長手方向の幅寸法は、雄部15aと雌部15bとが互いに着脱可能として設定されていればよい。
カバー14の長手方向における着脱部15の幅寸法は、例えば、ペットハウス10の屋根面となっているカバー14に、10kg程度の物体を30cm程度の高さから落としたときに、着脱部15が外れない程度の結着力を有する。具体的には、カバー14の長手方向における着脱部15の幅寸法は、1cm~10cmの範囲、より好ましくは、2.5cm~5cmの範囲に設定される。
【0030】
ペットハウス10の枠に巻回されたカバー14は、前板11の下端11bおよび後板12の下端12bに沿った部分が、ペットハウス10の床面を形成する。ペットハウス10の枠に巻回されたカバー14は、前板11の下端11bおよび後板12の下端12bから上方に立ち上がった部分が、ペットハウス10の壁面を形成する。ペットハウス10の枠に巻回されたカバー14は、前板11のおよび後板12の上端に沿った部分が、ペットハウス10の屋根面を形成する。
【0031】
本実施形態におけるペットハウス10は、前板11および後板12の輪郭全周に沿って、カバー14を巻回するだけで、床面、壁面、屋根面を形成することができる。
したがって、カバー14を交換するだけで、色・外見等を容易に変化させることができる。しかも、カバー14によって、床面が形成されているため、直接ペットが室内の床に接触することがない。さらに、ペットハウス10の内部に設置する装備等が室内の床に直接接触することがない。
【0032】
これにより、ペットがペットハウス10の内部にいた状態でペットハウス10が室内の床の上で滑った場合などでも、床面であるカバー14と一緒にペットも移動することができるため、ペットの安全性を向上することができる。同様に、ペットハウス10が室内の床の上で滑った場合などでも、床面であるカバー14と一緒に内部に設置する装備等も移動することができるため、ペットの安全性を向上することができる。
また、前板11とカバー14から形成される床面との間、後板12とカバー14から形成される床面との間が、隙間の内向性とすることができるので、床面付近からの隙間風等の進入を防止することができる。
【0033】
さらに、本実施形態においては、前板11および後板12の輪郭全周に沿ってカバーを巻回することで保温性を向上することができるという効果を奏することができる。
【0034】
以下、本発明に係るペットハウスの第2実施形態を、図面に基づいて説明する。
図4は、本実施形態におけるペットハウスの枠を示す斜視図である。本実施形態において、上述した第1実施形態と異なるのは、前板と後板との輪郭に関する点であり、これ以外の上述した第1実施形態と対応する構成には同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施形態におけるペットハウス20も、例えば室内の床に設置して、ペットが出入り自由な状態で用いることができる。
【0035】
本実施形態におけるペットハウス20は、図4に示すように、前板21と、後板2と、複数本の支柱23と、支柱23に巻回されるカバー14と、を備える。
【0036】
前板21は、多角形状の輪郭を有する平板状に形成される。前板21は、全域で同じ厚さとされる。前板21は、ペットハウス20の全前面を覆って塞ぐように位置されている。
本実施形態におけるここで、多角形状の前板21は、4つの頂点を持つ四角形いわゆる矩形とされる。
【0037】
前板21には、ペットの出入り口となる開口部21aが形成されている。本実施形態の開口部21aは、略円形でペットの出入りが可能な大きさとされる。開口部21aは、矩形輪郭の前板21において、周縁部分に接していない。
前板21の下端21bは、直線状に形成される。前板21の下端21bは、矩形の前板21の多角形状の一辺とされる。前板21の下端21bは、その全長がペットハウス20の設置される床面に接触することができる。前板21の下端21bは、ペットハウス20の重量を支持する。
【0038】
前板21には、1つの開口部11aが形成されている。前板21には、開口部21a以外にも、別開口部21dが形成されてもよい。別開口部21dは、ペットハウス20の窓、通気口、あるいは、給水装置等の設備を取り付ける取り付け穴として用いることができる。別開口部21dは、用途に応じて、様々な形状・大きさとして形成されることができる。別開口部21dは、複数形成されることもできる。
【0039】
後板22は、前後方向視して、前板21と同じ輪郭形状を有する。つまり、後板22は、矩形輪郭を有する平板状に形成される。後板22は、全域で同じ厚さとされる。後板22は、前板21と同様に、ペットハウス20の全背面を覆って塞ぐように位置されている。
後板22には、前板21と異なり、開口部を形成しなくてもよい。あるいは、後板22に開口部21aと同じような開口部を形成することもできる。また、後板22には、前板21の別開口部21dと同様に、別開口部が形成されてもよい。
後板22の下端22bは、直線状に形成される。後板22の下端22bは、後板22の矩形輪郭の一辺とされる。後板22の下端22bは、その全長で、ペットハウス20の設置される床面に接触することができる。後板22の下端22bは、ペットハウス20の重量を支持する。
【0040】
本実施形態におけるペットハウス20においては、前板21と後板22とが一組とされる。前板21と後板22とは、いずれも、四角形の輪郭形状を有する。本実施形態における前板21と後板22とは、いずれも、四角形の直線状の一辺が下端21b,22bとして室内の床と平行に立設される。
【0041】
前板21と後板22とは、互いに平行に対向して立設される。前板21の下端21bと後板22の下端22bとは、互いに平行に対向している。前板21の下端21bと後板22の下端22bとは、室内の床と平行に設置されることが好ましい。前板21の下端21bと後板22の下端22bとによって、ペットハウス20の重量を支持する。前板21と後板22との間には、複数の支柱23が架け渡される。
前板21と後板22とは、リバーシブルに使用可能である。つまり、前板21の内側面(後面)21gと後板22の内側面(前面)22fとを支柱23で接続する状態と、前板21の前面21fと後板22の後面22gとを支柱23で接続する状態と、を切り替えることが可能である。この場合、前板21と後板22とにおいて、内側面21gと外側面21f、内側面22gと外側面22fを、対になるそれぞれが異なる色でカラーリングすることが可能である。
【0042】
複数の支柱23は、互いに平行に前後方向に延在する円柱状として形成される。複数の支柱23は、いずれも同じ径寸法、同じ長さ寸法とされることができる。それぞれの支柱23は、一端が、四角形状とされる前板21の頂点位置に接続され、他端が、多角形状とされる後板22の頂点位置に接続される。1本の支柱は、前板21と後板22との対応する多角形状の頂点どうしを連結する。
【0043】
支柱23の一端は、前板21の内側面に接続され、前板21の外側面から前板21を貫通する木ネジ等の貫通部材23aによって取り付けられる。支柱23の他端は、後板22の内側面に接続され、後板12の外側面から後板12を貫通する木ネジ等の貫通部材23aによって取り付けられる。
【0044】
複数の支柱13は、いずれも四角形状の前板21および後板22における頂部の輪郭外縁と、支柱23の外周面とが一致する部分を有するか、または前板21および後板22における頂部の輪郭外縁よりも支柱23の外周面が、前板21および後板22の輪郭内側に離間した位置に接続される。
【0045】
特に、支柱23は、前板21の下端21bおよび後板22の下端22bと、支柱23の外周面とが一致する部分を有することができる。あるいは、支柱23は、前板21の下端21bおよび後板22の下端22bと、支柱23の外周面とが、カバー14の厚さに対応する距離だけ、前板21および後板22の輪郭内側に離間した位置に接続されてもよい。
さらに、支柱23は、前板21の下端21bおよび後板22の下端22bと、支柱23の外周面とが、カバー14の厚さに対応する距離よりも大きな離間距離で、前板21および後板22の輪郭内側に離間した位置に接続されてもよい。
【0046】
支柱23は、前板21の下端21bおよび後板22の下端22bにおける左右方向の両端位置に取り付けられる。また、支柱23は、前板21の下端21bおよび後板22の下端22bにおける左右方向の両端位置からそれぞれ上方となる位置で前板21および後板22の上端となる位置に取り付けられる。
前板21,後板22,支柱23は、図4に示すように組み立てられて、ペットハウス20の枠を構成する。
【0047】
各支柱23には、前板21および後板22の輪郭形状に沿って、第1実施形態で示したカバー14が巻回される。
【0048】
本実施形態のペットハウス20においては、前板21と後板22との輪郭線の周囲長さが、第1実施形態のペットハウス10における前板11および後板12の輪郭線の周囲長さと、ほぼ等しく設定される。
したがって、第1実施形態のカバー14をペットハウス20の枠に巻回して着脱部15によりカバー14の長手方向両端部を止めて装着することができる。
【0049】
なお、ペットハウス20における前板21と後板22との輪郭線の周囲長さと、第1実施形態のペットハウス10における前板11および後板12の輪郭線の周囲長さとは、所定の範囲で異なることができる。この場合、着脱部15におけるカバー14の長手方向寸法あるいは長手方向の取り付け位置を調節することにより、周囲長さの差に対応して、同じカバー14を用いて装着することができる。
【0050】
本発明においては、異なるデザインのペットハウス10,20に同じサイズの替えカバー14を取り付けることができる。
【0051】
本実施形態においては、上述した実施形態と同等の効果を奏することができるとともに、さらに、カバー14を巻回した天井部分の外側がハンモックとなるように使用することもできるという効果を奏することができる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明の活用例として、犬・猫用のペットハウス以外にも、フェレット等の小型動物用のペットハウスを挙げることができる。
【符号の説明】
【0053】
10,20…ペットハウス
11,21…前板
11a,21a…開口部
11b,21b…下端
11d,21d…別開口部
12,22…後板
12b,22b…下端
13,23…支柱
13a,23a…貫通部材
14…カバー
15…着脱部
図1
図2
図3
図4