(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023020429
(43)【公開日】2023-02-09
(54)【発明の名称】輸送方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/123 20060101AFI20230202BHJP
G16Y 10/40 20200101ALI20230202BHJP
G16Y 20/20 20200101ALI20230202BHJP
G16Y 40/30 20200101ALI20230202BHJP
【FI】
G08G1/123 A
G16Y10/40
G16Y20/20
G16Y40/30
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021125788
(22)【出願日】2021-07-30
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-11-24
(71)【出願人】
【識別番号】518177652
【氏名又は名称】渡邊 功
(71)【出願人】
【識別番号】591200759
【氏名又は名称】川口 豊
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 功
(72)【発明者】
【氏名】川口 豊
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA15
5H181BB04
5H181BB05
5H181BB08
5H181BB20
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC11
5H181CC12
5H181CC14
5H181FF04
5H181FF10
5H181FF13
5H181FF27
5H181LL09
5H181MA42
5H181MA45
(57)【要約】
【課題】運転手不足の解決を図ることができる輸送方法を提供する。
【解決手段】運転手Dが乗った第1車両5aが有人で一般道路1を手動運転走行して被輸送物Wを中継地3まで輸送し、かつ、第2車両5bが無人で高速道路2を自動運転走行して被輸送物Wを中継地3まで輸送する。次いで、中継地3において、運転手Dが第1車両5aから第2車両5bに乗り換える。次いで、運転手Dが乗った第2車両5bが有人で一般道路1を手動運転走行して被輸送物Wを輸送し、かつ、第1車両5aが無人で高速道路2を自動運転走行して被輸送物Wを輸送する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定区域内での完全自動運転機能を有するものであって有人及び無人のいずれでも走行可能な少なくとも第1車両及び第2車両を含む複数の車両を用いて行う輸送方法であって、
運転手が乗った前記第1車両が有人で特定区域外の一般道路を手動運転走行することにより被輸送物を中継地まで輸送し、かつ、前記第2車両が無人で特定区域内の高速道路を自動運転走行することにより被輸送物を前記中継地まで輸送する工程と、
前記中継地において、前記運転手が前記第1車両から前記第2車両に乗り換える工程と、
前記運転手が乗った前記第2車両が有人で特定区域外の一般道路を手動運転走行することにより被輸送物を輸送し、かつ、前記第1車両が無人で特定区域内の高速道路を自動運転走行することにより被輸送物を輸送する工程と
を備えることを特徴とする輸送方法。
【請求項2】
中継地は、
運転手が乗り換えを行うための乗り換え部と、
前記乗り換え部の一方側に設けられ、第1車両が有人で手動運転走行してきて停止する第1停止部と、
前記乗り換え部の他方側に設けられ、第2車両が無人で自動運転走行してきて停止する第2停止部とを有し、
前記中継地において、運転手は、前記第1停止部に停止した前記第1車両から前記乗り換え部に降りた後、前記第2停止部に停止した前記第2車両に前記乗り換え部から乗り込む
ことを特徴とする請求項1記載の輸送方法。
【請求項3】
第1車両及び第2車両の各々は、特定区域外での手動運転走行が可能な手動運転状態と特定区域内での自動運転走行が可能な自動運転状態とに切換可能となっており、
中継地において、運転手が前記第1車両から降りた場合に、当該第1車両が前記手動運転状態から前記自動運転状態に自動的に切り換わって自動運転走行を開始する
ことを特徴とする請求項1又は2記載の輸送方法。
【請求項4】
中継地において、第2車両が無人で自動運転走行してきて所定位置を通過した場合に、当該第2車両に乗り込む予定の運転手の通信端末に通知を行う
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載の輸送方法。
【請求項5】
複数の運転手が中継地で待機していた場合において、当該複数の運転手のなかで、当該中継地から目的地までの一般道路における予定走行経路を過去に走行した経験のある運転手が存在したときには、当該経験のある運転手の通信端末に通知を行う
ことを特徴とする請求項4記載の輸送方法。
【請求項6】
運転手の通信端末には、少なくとも次に乗り込むべき第2車両に関する情報を通知する
ことを特徴とする請求項4又は5記載の輸送方法。
【請求項7】
中継地には、無人で特定区域内の高速道路を自動運転走行中の進入対象の第2車両のみが前記高速道路から進入する
ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一記載の輸送方法。
【請求項8】
第1車両及び第2車両の各々は、ネットワークを介して管理装置と接続して当該管理装置との間で情報の交信を行うものであり、
前記情報には、車両に関する車両情報と、被輸送物に関する被輸送物情報と、走行中の車両の周囲環境に関する周囲環境情報と、運転手に関する運転手情報とが含まれる
ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一記載の輸送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転手不足の解決を図ることができる輸送方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、下記の特許文献1に記載された輸送方法が知られている。そして、その輸送方法は、自動運転走行が可能な無人トラックを用いて行う輸送方法であって、前記無人トラックが高速道路を自動運転走行することにより被輸送物を輸送する工程と、前記高速道路に接続されかつ当該高速道路から進入対象の前記無人トラックのみが進入する専用中継ターミナル(被輸送物積替施設)において、前記無人トラックから被輸送物を降ろした後、当該無人トラックに次の被輸送物を積む工程とを備え、前記無人トラックは、前記専用中継ターミナルが接続された前記高速道路を繰り返して自動運転走行することにより被輸送物を輸送する方法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、例えばトラック等の車両を用いて被輸送物の輸送を行う輸送業界では、長距離輸送による長時間労働等の過酷な労働環境に加えて、近年のインターネット通販の拡大等に伴う輸送量の増大により、運転手不足が深刻化している。
【0005】
また一方、近年では運転手が操作することなくトラック等の車両を無人で自動運転走行させる、いわゆる自動運転技術が実現しつつあるが、この自動運転技術は運転操作の一部をシステムが実行する運転補助システムと全ての操作をシステムが実行する完全自動運転が混同しており、既に社会実装されているのは運転補助システムのみである。つまり、現時点において特定区域内(高速道路内など)で全ての運転操作をシステムが実行する技術、すなわち国際基準(SAE基準)で定義される「レベル4」は技術的には完成済であるが社会実装がされていない。
【0006】
そして、上記特許文献1に記載された輸送方法は、前記「レベル4」の完全自動運転車両を社会実装するための具体的方策のひとつではあるが、より現実的で早期に実現可能な方法が強く求められている。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、運転手不足の解決を図ることができる輸送方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る輸送方法は、特定区域内での完全自動運転機能を有するものであって有人及び無人のいずれでも走行可能な少なくとも第1車両及び第2車両を含む複数の車両を用いて行う輸送方法であって、運転手が乗った前記第1車両が有人で特定区域外の一般道路を手動運転走行することにより被輸送物を中継地まで輸送し、かつ、前記第2車両が無人で特定区域内の高速道路を自動運転走行することにより被輸送物を前記中継地まで輸送する工程と、前記中継地において、前記運転手が前記第1車両から前記第2車両に乗り換える工程と、前記運転手が乗った前記第2車両が有人で特定区域外の一般道路を手動運転走行することにより被輸送物を輸送し、かつ、前記第1車両が無人で特定区域内の高速道路を自動運転走行することにより被輸送物を輸送する工程とを備えるものである。
【発明の効果】
【0009】
実施形態に係る輸送方法は、現在国際基準で定義されるところの「レベル4」の完全自動運転車両を社会実装するための具体的方策として、高速道路外の走行を運転手による有人とし、これにより高速道路内をレベル4の完全自動運転(無人化)にすることができる。よって、当該輸送方法によれば、そのレベル4の完全自動運転車両の社会実装を可能とし、運転手不足の解決を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施の形態に係る輸送方法を説明するための概略図である。
【
図2】同上輸送方法に係る中継地(中継拠点)を説明するための概略図である。
【
図3】同上輸送方法を実施するための輸送システムを示す概略図である。
【
図5】同上輸送方法における出発地及び目的地の例を示す図である。
【
図6】同上輸送方法に係る中継地の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の一実施の形態に係る輸送方法について図面を参照して説明する。
【0012】
図1及び
図2において、1は一般道路で、2は高速道路で、3は両道路1,2に接続された中継地(中継基地)である。中継地3は、例えば高速道路2の途中の複数箇所(1箇所のみでもよい)にそれぞれ接続されて設けられている。つまり、中継地3の数は任意であるが、例えば主要産業集積地(浜松など)に1箇所又は2箇所ずつ設けることが好ましい。
【0013】
そして、両道路1,2を走行して被輸送物Wを輸送する輸送用の複数の車両(トラック等の貨物車両)5は、少なくとも2台の第1車両及び第2車両を含むものである。
【0014】
つまり、本実施形態に係る輸送方法は、例えば有人及び無人のいずれでも走行可能(有人の手動運転走行及び無人の自動運転走行の両方が可能)な少なくとも2台の第1車両5(以下では第2車両と区別するために符号を「5a」とする場合がある)及び第2車両5(以下では第1車両と区別するために符号を「5b」とする場合がある)を用いて行う方法である。
【0015】
なお、当該方法に用いる複数の車両5の台数は、2台には限定されず、それ以上でもよく、また、例えば高速道路2では複数台(例えば3台ないし5台)が走行方向に並んで車両群(先頭車両を含めてすべてが無人の車両群)を形成して無人隊列走行するようにしてもよい。
【0016】
ここで、各車両5(5a,5b)は、有人でも無人でも走行可能なものであり、特定区域外において有人走行である手動運転走行が可能な手動運転状態と特定区域内において無人走行である自動運転走行が可能な自動運転状態とに選択的に切換可能となっている。その運転状態の切換は、車内における運転手(ドライバ)Dの有無(運転席に運転手がいるか否かを検知する検知手段からの情報)に基づく自動切換が好ましいが、例えば運転手Dによる操作スイッチ等の操作部の操作に基づく手動切換であってもよい。
【0017】
具体的には、図示した複数の車両5は、いずれも基本的な構成が同じで、自動運転技術の国際基準(SAE基準)で定義される「レベル4」の完全自動運転機能、すなわち予め設定された設定区域である特定区域内での完全自動運転機能を有するものであって、例えば燃料電池車(FCV)又は電気自動車(EV)等からなるものである。つまり、各車両5は、自動運転状態では、特定区域内の高速道路2内において、レベル4の完全自動運転による無人走行が可能である。
【0018】
ここで、特定区域とは、自動車の完全自動運転操作に必要な高精度3次元ディジタルマップが社会インフラとして完成している区域を意味する。現時点で全国の高速道路については当該高精度3次元ディジタルマップが完成しており、これにより、特定区域である高速道路内では、レベル4の完全自動運転による無人走行が可能なのである。
【0019】
なお、自動運転状態の車両5は、例えば車載カメラ、レーダー、ライダー、超音波センサー及びGPS等で周囲の環境を認識しながら同じ路線を繰り返して自動運転走行するもので、当該走行により得た情報を含む所定情報をビッグデータとして記憶部に記憶してAI(人口知能)がディープラーニングすることで有人運転よりも確実に安全な走行が可能なものである。そして、当該車両5は、例えば季節変化、時間帯変化等によりその時々、場所により交通事情は大きく異なるが、年間を通じて学習することでAIが運転精度だけでなく熟練運転手同等の自律判断できる。
【0020】
そこで、本実施形態に係る輸送方法を導入する際には、例えば出発地から目的地までの予定走行経路(高速道路を含む)を運転手の操作で車両5を有人走行させてその運転手の操作データ等を含む必要なデータを繰り返し取得して当該車両5のAIに学習させる。仮に1日50台のトラック(車両5)が予定走行経路を走行すると、10日で500回、20日で1000回のデータがビックデータ化される。それゆえ、新たな中継地3の整備で柔軟な導入プロセスが可能になり、実用輸送を実行中にAIの学習速度に合わせて自動化度合いを調整することができる。
【0021】
また、車両5で輸送される被輸送物Wは、例えば海上コンテナ等のコンテナであり、複数個のコンテナが車両5の荷台に載置される。なお、被輸送物(貨物)Wは、図示した大型のコンテナには限定されず、形状や大きさ等を含めて任意であり、例えば複数の小物(商品)を収納した段ボール等のケースでもよい。
【0022】
中継地3は、後述する「BTA」(Border Transit Area)であって、高速道路2の途中箇所に接続されて当該高速道路2からは無人走行中の進入対象の車両(例えば無人トラック等の第2車両)5のみが進入する専用中継ターミナル(運転手乗換施設)である。
【0023】
そして、中継地3は、
図2に示すように、高速道路側入口道路11と、高速道路側出口道路12と、一般道路側入口道路13と、一般道路側出口道路14と、これら道路11~14に接続された中継基地本体15と有している。
【0024】
高速道路側入口道路11の入口部(中継地の入口部)16には、高速道路2内を無人で自動運転走行中(レベル4)の車両5に応じて入口部16を自動で開閉する開閉装置21が設けられている。
【0025】
開閉装置21は、一方向への回動により開状態となって入口部16を開口させ、他方向への回動により閉状態となって入口部16を閉鎖する開閉体22と、この開閉体22を回動させて開状態及び閉状態にする駆動部23と、進入対象の車両5からの情報(後述する管理装置からの情報でもよい)に基づいて駆動部23を制御する制御部24とを有している。
【0026】
そして、制御部24の制御に基づいて、高速道路2を無人走行中の複数の車両5のうち、例えば進入対象の第2車両5aが走行してきた場合にのみ、開閉体22が開状態となり、当該進入対象の第2車両5aの中継地3への進入を許容する。他方、その他の場合においては、開閉体22は閉状態を維持して進入対象以外の走行車両(一般普通車や進入対象外の無人トラック等)が高速道路2から中継地3に進入するのを禁止する。
【0027】
また、運転手乗換施設である中継地3は、中継基地本体15内に設置され、運転手Dが乗り換えを行うための長手状の乗り換え部であるプラットホーム30と、この乗換用のプラットホーム30の一方側に隣接して設けられ、第1車両5aが一般道路側から有人で手動運転走行してきて一時的に停止する第1停止部(第1停止領域である1番線)31と、プラットホーム30の他方側に隣接して設けられ、第2車両5bが高速道路側から無人で自動運転走行してきて一時的に停止する第2停止部(第2停止領域である2番線)32とを有している。
【0028】
なお、停止部31,32での停車数は、貨物量(被輸送物Wの量)によって決まる。プラットホーム30の数も1本には限定されず、複数本設けてもよい。また、乗り換え対象の両車両5は、中継地3へ同時刻(略同時刻を含む)に到着することが好ましいが、例えば第1車両が中継地に先に到着して第1停止部に停止していた場合において、第2車両がプラットホームを介して当該停止中の第1車両と対向する第2停止部の対向位置に自動停止するようにしてもよい。
【0029】
さらに、中継地3内における所定位置には、例えば図示しないが、高速道路側から無人で自動運転走行してきた第2車両5bが通過する通過部であるゲートが設けられている。このゲートは第2車両5bの通過を検知する検知部を有し、この検知部の検知情報が管理装置41に向けて送信される。
【0030】
ここで、
図3に示すように、本実施形態に係る輸送方法を実施(運用)するための輸送システム40は、被輸送物Wの輸送を行う複数の車両5(5a,5b)と、各車両5による輸送業務に関する情報を管理する管理装置41と、手動運転状態の車両5を手動運転する各運転手Dが所持する通信端末(スマートフォンや携帯電話等)42とを備えている。その管理装置41は、例えば全国に1つのデータセンターに設置されている。なお、全国に1つの管制センターや全国に複数ある管理センター(各ローカルエリアごとの管理センター)等に管理装置41を設置してもよく、当該管理装置41の設置場所は任意である。
【0031】
そして、車両5、管理装置41及び通信端末42は、互いに情報の交信(情報のやりとり)ができるように、インターネット等のネットワーク(5G又は6Gの高速通信網)43を介して接続可能となっている。
【0032】
管理装置41は、一般的なコンピュータ等からなるもので、例えば車両5等から常時送信されてくる情報を含む所定情報を記憶する記憶部と、この記憶部に記憶された所定情報に基づいて車両5等を制御する制御部とを有している。
【0033】
当該管理装置41の記憶部で記憶(管理)される所定情報は、例えば車両5自体に関する車両情報と、被輸送物Wに関する被輸送物情報(貨物情報)と、走行中の車両5の周囲環境に関する周囲環境情報(周囲のインフラ情報等を含む)と、車両5に乗る運転手に関する運転手情報(高速道路外での運転手乗務履歴情報等を含む)と、中継地3に関する中継地情報と、運転手に対応する通信端末42に関する通信端末情報とを含むものである。
【0034】
そして、車両情報には、例えば車両5の管理情報(走行履歴、メンテナンス履歴、燃料残量、ソフトウエアのバージョン情報、ナンバープレート等の識別情報)や、車両5の運行管理情報(現在位置、走行速度等の現在走行状況、出発地、目的地、予定走行経路、載置貨物内容、到着予定時刻等の運行全般情報)等が含まれる。被輸送物情報(貨物情報)には、例えば貨物重量、出荷元、荷主、貨物内容等のタイムタグ付き情報、貨物の輸送履歴情報等が含まれる。周囲環境情報には、例えば気象情報、災害情報、事故情報、工事情報等が含まれる。
【0035】
また、中継地情報には中継地内のゲートの検知部からの検知情報等が含まれ、運転手情報には一般道路での過去の走行履歴情報(乗務ログ)、氏名や住所等が含まれ、通信端末情報には運転手の携帯メールアドレス等の通知先の情報等が含まれる。
【0036】
さらに、複数の各車両5は、コンピュータ等の管理装置41とネットワーク43を介して接続して無線通信する通信部(図示せず)を有している。つまり、各車両5はネットワークを介して常時高速通信網でネット接続して管理装置41との間で情報の交信(データ交信)を行うものであり、当該交信する情報には、少なくとも、車両5自体に関する車両情報と、被輸送物Wに関する被輸送物情報と、走行中の車両5の周囲環境に関する周囲環境情報と、運転手に関する運転手情報とが含まれる。
【0037】
次に、
図4は上記システム40によって実施される本実施形態に係る輸送方法のフローチャートであり、この
図4を参照しつつ当該輸送方法を説明する。
【0038】
図4に示すように、まず、例えば運転手Dが乗った第1車両(手動運転状態の有人車)5aが有人で特定区域外の一般道路1を手動運転走行することにより被輸送物Wを出発地(例えば中継地から一定距離内の工場)から中継地3まで輸送し、かつ、運転手Dが乗っていない第2車両(自動運転状態の無人車)5bが無人で特定区域内の高速道路2を自動運転走行(レベル4の完全自動運転による無人走行)することにより被輸送物Wを出発地(例えばコンテナ埠頭)から同じ中継地3まで輸送する(ステップ1)。
【0039】
なお、第2車両5bの出発地がコンテナ埠頭である場合、そのコンテナ埠頭は高速道路に接続されている必要があるが、直接接続されている場合のほか、例えば自動運転許容区域とされた許容道路(レベル4の特定区域に含まれる)を介して間接的に接続されていてもよい。また、第1車両5aの出発地は、中継地3から一定距離(例えば50km)内にある製造業者の工場(工場以外に輸送業者の営業所等の施設でもよい)が好ましい。
【0040】
次いで、これら第1車両5a及び第2車両5bが到着した中継地3において、運転手Dが第1車両5aから第2車両5bに乗り換える(ステップ2)。
【0041】
つまり、運転手乗換施設である中継地3において、第1車両5aに乗っていた運転手Dは、
図2の2点鎖線で示すように、第1停止部31に停止した第1車両5aからプラットホーム30に一旦降りた後、第2停止部32に停止した第2車両5bに当該プラットホーム30から乗り込む。要するに、運転手Dは、中継地3内のプラットホーム30を利用して、第1車両5aからこれと対向した第2車両5bへと車両5の乗り換えを行う。
【0042】
ここで、中継地3において、運転手Dが手動運転状態の第1車両5aからプラットホーム30に降りた場合には、当該第1車両5aが手動運転状態から自動運転状態に自動的に切り換わって、高速道路2に向けて自動運転走行(レベル4の完全自動運転による無人走行)を開始する。つまり、運転手Dが第1車両5a内から出ると、その第1車両5aは、直ぐに自動運転状態に切り換わって無人走行を開始する。
【0043】
また、中継地3において、自動運転状態の第2車両5bが無人で自動運転走行してきて所定位置、すなわち例えば中継地3内の所定のゲート位置を通過した場合には、当該第2車両5bに乗り込む予定の運転手Dの通信端末42にその旨の通知(搭乗予定の第2車両が中継地に到着したことを運転手に知らせるための通知)を行う。
【0044】
すなわち例えば、無人走行中の第2車両5bが中継地3内のゲートを通過すると、管理装置41の制御部は、そのゲートの検知部からの検知情報に基づいて、当該通過した第2車両5bに乗り込む予定の運転手Dが所持する通信端末42に向けて、その運転手が次に乗り込むべき当該第2車両5bに関する搭乗車両情報(ゲート位置を通過した情報、その通過した車両のナンバープレート等の識別情報等)及び必要な情報(目的地、予定走行経路等)をタイムタグとともに通知する。
【0045】
その結果、運転手Dは、通信端末42を用いて、例えば搭乗車両、目的地、予定走行経路等を簡単に把握できる。なお、例えば通信端末がナビゲーション機能を備えたものであれば、当該通信端末が管理装置からの情報に基づいて表示部に中継地の地図を表示しつつ搭乗車両位置までのナビ案内を行うようにしてよい。また、例えば運転手が通信端末を用いて無人走行中の搭乗車両の現在位置(高速道路上の現在走行位置等)を常時確認できるようにしてもよい。
【0046】
さらに、中継地3において、例えば複数の運転手Dが中継地3内の所定の待機場所で待機していた場合において、当該複数の運転手Dのなかで、当該中継地3から目的地までの一般道路1における予定走行経路を過去に走行した経験のある運転手Dが存在したときには、当該経験のある運転手Dの通信端末42に上記の通知を行う。これにより、経験のある運転手Dが一般道路1の予定走行経路を手動運転することとなり、安全性の確保等を図れる。
【0047】
次いで、ステップ2の運転手乗り換え後、運転手Dが乗った第2車両(手動運転状態の有人車)5bが有人で特定区域外の一般道路1を手動運転走行することにより被輸送物Wを中継地3から目的地(例えば中継地から一定距離内の工場)まで輸送し、かつ、運転手Dが乗っていない第1車両(自動運転状態の無人車)5aが無人で特定区域内の高速道路2を自動運転走行(レベル4の完全自動運転による無人走行)することにより被輸送物Wを同じ中継地3から目的地(例えばコンテナ埠頭)まで輸送する(ステップ3)。
【0048】
上記した例は、
図5の如く、被輸送物(「a」及び「b」)Wに関する第1車両の出発地と被輸送物(「c」及び「d」)Wに関する第2車両の目的地とが同じ場所(中継地から一定距離内の工場)で、かつ、被輸送物(「c」及び「d」)Wに関する第2車両の出発地と被輸送物(「a」及び「b」)Wに関する第1車両の目的地とが同じ場所(中継地から遠いコンテナ埠頭)であるが、これには限定されず、異なる場所であってもよい。
【0049】
ただし、運転手の手動運転に基づく被輸送物Wの輸送(有人の配送)は、中継地から一定距離内のローカルエリア(中継地周辺エリア)に限られる。すなわち例えば
図5の例では、運転手は、中継地(運転手乗降施設)とそこから近い工場(最終仕分け先)との間を往復運転すればよく、遠くの「コンテナ埠頭」まで行く必要がない。それゆえ、運転手の手動運転は、中継地周辺エリア内における一般道路の数時間の運転に限定される。もっとも、中継地周辺エリア内の工場(事業所等)であっても、その設置場所によっては、運転手は、一般道路に加えて高速道路を手動運転するようなこともあり得る。つまり、運転手が乗った車両が有人で一般道路のみではなく一般道路及び高速道路の両道路(一部高速道路を介して)を手動運転走行することにより被輸送物Wを中継地又は目的地まで輸送する場合もある。
【0050】
なお、現在において日本の都市間、ブロック間の物流実態はトン・km単位では海上コンテナ(被輸送物)が大半を占める。そして、長距離トラック輸送の生産性を向上させるには、海上コンテナの物流を自動運転化させる必要がある。例えば主力となる東京港、横浜本牧埠頭では膨大な量の海上コンテナが積み上げられ、それらを搬入搬出するトラックが列をなしているのが現状である。これら東京港、横浜本牧埠頭は高速道路に近接して、周囲はコンテナターミナルとして他の社会インフラとは隔離されている。こうした状況は名古屋港等、他の全国主要コンテナ埠頭も同様の状態である。
【0051】
そして、現在のコンテナターミナル内は、レベル4の完全自動運転の社会実装には最適条件が整っている。それゆえ、コンテナターミナル内を高速道路内と見なせる限定的施設整備(コンテナターミナルと高速道路を直接接続するか、中間の一般道路を法的に自動運転許容区域とする措置を講じる等)により現在積降しの為に待機している運転手は解放される。コンテナターミナル内の運用も含めて特定区域内でのトラックの完全自動運転化により運転手がここでは不要になる。
【0052】
例えば海上コンテナの搬入先を浜松地域の工場とした場合(
図5参照)、例えば東京港のコンテナ埠頭(大井コンテナ埠頭等)から浜松地域の中継地、すなわち換言すると運転手乗換施設である運転手乗降施設(Border Transit Area、以下では略して「BTA」という場合がある)まではレベル4の完全自動運転(無人走行)で運用され、BTAに到着するとそこで運転手が乗り込み、有人走行で工場に搬入される。運転手は、浜松地域のBTAから近くの工場までの数時間の運転に限定され、輸送の大半は無人化される。逆も同様で、浜松地域の工場から近くのBTAまでの手動運転で後はレベル4の完全自動運転でコンテナ埠頭に無人化で搬入される。それゆえ、日本における主要産業集積地(浜松など)に設ければ、海上コンテナ輸送は、BTA付近の配送部分を除いてほぼ全国的にレベル4の完全自動運転トラックで無人化できるのである。つまり、BTAを利用する輸送方法は大型の海上コンテナ(20ft、40ft)の国内陸送に最適な方法である。
【0053】
そして、上述した本実施形態に係る輸送方法によれば、高速道路2の途中箇所に接続された中継地(BTA)3において運転手Dの乗り換えを行うことで、中継地周辺エリア内の一般道路1では運転手Dが車両5に乗って手動運転して被輸送物Wを輸送する一方、それとは異なる閉じたエリア(レベル4の特定区域)である高速道路2内においては、無人の車両5によるレベル4の完全自動運転走行により被輸送物Wを輸送することができるため、レベル4の完全自動運転車両の社会実装を可能とし、輸送業界における運転手不足の解決を図ることができる。
【0054】
要するに、特定区域の境界線内外での運用切り替えの手段を供することにより、当該特定区域内での完全自動(無人)運転輸送を実用化でき、これにより、長距離トラックの運転手不足という社会問題を解決しつつ、レベル4による完全自動運転化の恩恵を最大限享受することができる。
【0055】
また、手動運転状態の車両5を運転する運転手Dの手動運転は、例えば自分が住む中継地周辺エリア内における一般道路1の数時間の運転(短時間・短距離の運転)に限定されるため、車中泊等を必要とするような長距離輸送による長時間労働から解放される。つまり、高速道路上の長距離輸送はすべて「レベル4」の完全自動運転化し、残りのローカルエリア内の配送部分に運転手を集中させることで長時間労働をなくすことができ、よって労働環境の改善を適切に図ることができ、運転手不足の問題を確実に解決できる。
【0056】
しかも、現在も続くコロナ渦で差別問題ともなっているトラック運転手による県境を跨いだ移動(特にコロナ感染者が多い東京都等の都心部から少ない地方への移動)をなくすことができ、トラック運転手を所定のローカルエリア内の配送部分(ラストワンマイル)に集中させて労働環境の改善を確実に図ることができる。
【0057】
また、高速道路内の長距離トラック輸送をレベル4の自動運転化(無人化)する効用は、運転手不足の解決の他、運転手が乗ることで必要となる仮眠、トイレ、食事等々の理由で高速道路各地一般車両用のパーキング・エリア(一般の家族連れ老人子供が歩行横断する場所)の利用が皆無となる。現在でも繁忙期は満車状態で駐車不能ケースも発生しており、特に大型の長距離トラックだと乗用車数台分のスペースを比較的長時間の間占有するので、これが無くなる効果はとても大きい。
【0058】
さらに、当該輸送に用いる車両5は、燃料電池車(FCV)又は電気自動車(EV)であるから、二酸化炭素等の大気汚染の原因となる有害物質を排出せず、環境負荷の軽減を図ることができる。なお、例えば中継地3内の所定位置に水素供給ステーション(水素充填設備)を設けて、運転手乗り換え後の車両5が所定位置に到着すると、水素供給ステーションが当該車両5に搭載された水素タンクに水素を自動供給するようにしてもよい。
【0059】
また、中継地3の入口部16に設置した開閉装置21を用いることで、進入対象以外の車両、すなわち例えば一般普通車、一般貨物車、進入対象外の無人車両等が高速道路2から中継地3に誤って進入することを適切に防止(抑制)できる。
【0060】
ここで、上記実施形態に係る輸送方法は、上述の如く国際基準で定義される「レベル4」(特定区域内での完全自動運転)を高速道路内で実用化するための具体的方策のひとつである。「レベル5」が適用出来ない以上、完全自動運転走行(無人走行)は高速道路内に制限される。したがって、高速道路外での運用方法を確立する必要があり、それには次の2通りの方法が考えられる。
【0061】
すなわち、1つがレベル4の自動運転車両が高速道路を出ることなく貨物積み替え施設(被輸送物積替施設)で貨物を積み替えて高速道路内を循環走行する方法(特許第許第6788760号)であり、もう1つが上記実施形態であってレベル4の自動運転車両が高速道路(特定区域境界線)を出る地点で運転手が乗り込み運転して運転手乗換施設(BTA)で運転手が乗り換えを行う方法である。要するに、前者は「被輸送物積替施設」を整備する方法であり、後者は「運転手乗換施設」を整備する方法である。
【0062】
そして、「レベル4」の完全自動運転車両の運用(高速道路内での完全無人運転のトラック輸送)を現実に社会実装するためには、特定区域境界線内外の運用切り替えが必須で、上記2通りの方法のいずれか、或いは、その組み合わせしかないのである。
【0063】
そこで、上記実施形態では、運転手が乗り換えを行うための「運転手乗換施設」(中継地)のみを利用する場合について説明したが、例えば特許第6788760号公報に記載された被輸送物の積み替えを行うための「被輸送物積替施設」(中継地)を一緒に利用してもよい。つまり、運転手乗換施設(運転手乗降施設)と被輸送物積替施設(貨物積替施設)とを適宜組み合わせて運用してもよい。
【0064】
具体的には、例えば
図6に示す中継地3は、両施設の機能を兼ね備えたもので、この中継地3内には、運転手が乗り換えを行うための運転手乗換部3aと、被輸送物の積み替えを行うための被輸送物積替部3bとが設けられている。運転手乗換部3aは、上述したプラットホーム(乗り換え部)、第1停止部、第2停止部等を有している。被輸送物積替部3bは、特許第6788760号公報記載の無人クレーン、無人トラックレーン、有人トラックレーン、コンテナ置き場等を有している(無人台車等を有するものでもよい)。
【0065】
そして、運転手乗換部3aにおいては、上述した如く運転手が第1車両から第2車両に乗り換える。また、被輸送物積替部3bにおいては、無人クレーンの自動積替装置が第1車両から第2車両に被輸送物を積み替えるとともに第2車両から第1車両に被輸送物を積み替える。こうして両施設の機能を利用した輸送方法を実施できる。
【0066】
なお、例えば図示しないが、高速道路に接続された複数の中継地(専用中継ターミナル)のうち、一の中継地には運転手乗換部のみを設け、他の中継地には被輸送物積替部のみを設けるようにしてもよい。
【0067】
また、例えば高速道路上では、無人走行する複数台の車両が近くに存在した場合には、車両群を形成して隊列走行(レベル4)するのが好ましいが、それぞれ単数で個別に無人走行してもよい。
【0068】
さらに、例えば中継地のプラットホームに表示装置を設けて、運転手が次に乗り込むべき車両に関する搭乗車両情報等を当該表示装置が表示するようにしてもよい。また、当該表示装置が搭乗車両位置までのナビ案内等を行うようにしてもよい。
【0069】
また、例えば管理装置の制御部は、乗り換え対象の両車両(マッチング完了の両車両)が同時刻に中継地に到着するように、高速道路をレベル4で走行中の無人車両の走行速度を制御してもよい。さらに、当該制御部は、両車両のマッチングに際し、運転手が過去に搭乗した経験のある車両(搭乗回数が多い車両)を優先して選択決定するようにしてもよい。
【0070】
さらに、中継地で運転手が乗り換えを行うための乗り換え部は、プラットホーム方式には限定されず、例えばレベル4の自動運転での到着車停車スペース(運転手乗り込み場所)とレベル4の自動運転走行起点となる運転手運転車両到着スペース(運転手が降りる場所)とを運用効率よく配置した平面構造等でもよい。運用効率は、貨物量や交通量等の相異で変化するのでレベル4運用を可能にする目的(高速道路内の完全自動運転走行、即ち無人走行)を果たす機能を有する限り形態、形状には拘らない。
【0071】
また、レベル4の特定区域内の完全自動運転走行は、管制部の情報管制下で管理及び運用されることが好ましい。当該管制部は、例えば中継地毎に整備されるものとそれをネットワーク化した全国レベルの管制センターとに分れ、管制センターとそのデータ管理を行うデータセンターはバックアップを含め地理的に隔離した複数の施設を整備する。さらに、管制センターで処理されるデータは全てクラウド経由してデータセンターで収集及び記録される。自動運転に関するデータは各車両の記憶部にも記録されて一定期間あるいは走行区間ごと等で収集され、このデータ集積が自動運転能力向上のためのビッグデータとして利用される。また、ビッグデータ収集の累積効果を得られるように複数又は多数の車両、自動運転機能の共通化を図ることが好ましい。
【符号の説明】
【0072】
1 一般道路
2 高速道路
3 中継地
5a 第1車両
5b 第2車両
30 乗り換え部であるプラットホーム
31 第1停止部
32 第2停止部
41 管理装置
42 通信端末
D 運転手
W 被輸送物
【手続補正書】
【提出日】2021-10-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定区域内での完全自動運転機能を有するものであって有人及び無人のいずれでも走行可能な少なくとも第1車両及び第2車両を含む複数の車両を用いて行う輸送方法であって、
運転手が乗った前記第1車両が有人で特定区域外の一般道路を手動運転走行することにより被輸送物を中継地まで輸送し、かつ、前記第2車両が無人で特定区域内の高速道路を自動運転走行することにより被輸送物を前記中継地まで輸送する工程と、
前記中継地において、前記運転手が前記第1車両から前記第2車両に乗り換える工程と、
前記運転手が乗った前記第2車両が有人で特定区域外の一般道路を手動運転走行することにより被輸送物を輸送し、かつ、前記第1車両が無人で特定区域内の高速道路を自動運転走行することにより被輸送物を輸送する工程とを備え、
前記中継地は、特定区域内の高速道路に接続されて当該高速道路からは無人で自動運転走行中の進入対象の前記第2車両のみが進入する専用中継ターミナルであり、
前記専用中継ターミナルは、
前記運転手が乗り換えを行うための乗り換え部と、
前記乗り換え部の一方側に設けられ、前記第1車両が有人で手動運転走行してきて停止する第1停止部と、
前記乗り換え部の他方側に設けられ、前記第2車両が無人で自動運転走行してきて停止する第2停止部とを有し、
前記専用中継ターミナルにおいて、前記運転手は、前記第1停止部に停止した前記第1車両から前記乗り換え部に降りた後、前記乗り換え部を介して前記第1車両と対向する前記第2停止部の対向位置に停止した前記第2車両に前記乗り換え部から乗り込み、
前記第1車両及び前記第2車両の各々は、ネットワークを介して管理装置と接続して当該管理装置との間で情報の交信を行うものであり、
前記情報には、車両に関する車両情報と、被輸送物に関する被輸送物情報と、走行中の車両の周囲環境に関する周囲環境情報と、運転手に関する運転手情報とが含まれ、
前記管理装置は、前記情報を記憶する記憶部と、この記憶部に記憶された情報に基づいて車両を制御する制御部とを有する
ことを特徴とする輸送方法。
【請求項2】
第1車両及び第2車両の各々は、特定区域外での手動運転走行が可能な手動運転状態と特定区域内での自動運転走行が可能な自動運転状態とに切換可能となっており、
中継地において、運転手が前記第1車両から降りた場合に、当該第1車両が前記手動運転状態から前記自動運転状態に自動的に切り換わって自動運転走行を開始する
ことを特徴とする請求項1記載の輸送方法。
【請求項3】
中継地において、第2車両が無人で自動運転走行してきて所定位置を通過した場合に、当該第2車両に乗り込む予定の運転手の通信端末に通知を行う
ことを特徴とする請求項1又は2記載の輸送方法。
【請求項4】
複数の運転手が中継地で待機していた場合において、当該複数の運転手のなかで、当該中継地から目的地までの一般道路における予定走行経路を過去に走行した経験のある運転手が存在したときには、当該経験のある運転手の通信端末に通知を行う
ことを特徴とする請求項3記載の輸送方法。
【請求項5】
運転手の通信端末には、少なくとも次に乗り込むべき第2車両に関する情報を通知する
ことを特徴とする請求項3又は4記載の輸送方法。