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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023020525
(43)【公開日】2023-02-09
(54)【発明の名称】内副管継手
(51)【国際特許分類】
   E03F 5/02 20060101AFI20230202BHJP
   E02D 29/12 20060101ALI20230202BHJP
【FI】
E03F5/02
E02D29/12 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021125926
(22)【出願日】2021-07-30
(71)【出願人】
【識別番号】000201582
【氏名又は名称】前澤化成工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098729
【弁理士】
【氏名又は名称】重信 和男
(74)【代理人】
【識別番号】100204467
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 好文
(74)【代理人】
【識別番号】100148161
【弁理士】
【氏名又は名称】秋庭 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100206911
【弁理士】
【氏名又は名称】大久保 岳彦
(72)【発明者】
【氏名】庭野 資士
(72)【発明者】
【氏名】堺谷 竜男
【テーマコード(参考)】
2D063
2D147
【Fターム(参考)】
2D063DA06
2D063DA07
2D063DA24
2D147BA28
(57)【要約】
【課題】マンホール内の作業スペースをより確保することができる内副管継手を提供すること。
【解決手段】内副管継手1が、その前面側に上下方向に延びる筒状の縦管部11を有しており、縦管部11の上部の幅寸法が奥行寸法よりも長寸に形成されることで、排水管3から排水が流入する縦管部11内の容積が十分に確保されるとともに、縦管部11の下部の幅寸法が下方の排水流出口13aに向けて漸次幅狭に形成されることで幅方向にも奥行方向にも短寸の排水流出口13aが形成されるため、縦管部11よりも小径の管をマンホール2の内壁寄りの位置に設置可能であり、マンホール2内の作業スペースをより確保することができる。また、縦管部11の下部の幅寸法が排水流入口19の最下端以下の位置から排水流出口13aに向けて漸次幅狭に形成され、縦管部11の上下方向の容積も十分に確保することができる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マンホールの内壁に設置される内副管継手であって、
流入管からの排水が流入する流入口と、
前記流入口から流入した排水を下方の流出口から流出させる縦管部と、
を備え、
前記縦管部の上部は、前記マンホールの内壁の周方向に沿う幅寸法が前記マンホールの内壁の内側に延びる奥行寸法よりも長寸に形成され、
前記縦管部の下部は、前記幅寸法が前記流入口の最下端以下の位置から前記流出口に向けて漸次幅狭に形成されている
ことを特徴とする内副管継手。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マンホール内に設置される内副管継手に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、排水が流入するマンホールにおいては、流入側の流入管からマンホールの底部への排水の落差が大きい場合に、マンホールの内壁に内副管を設置することがある。内副管は、排水の流下方向を下方へ変更する内副管継手と、この内副管継手に接続され排水を下方へ誘導する副管とからなり、排水をマンホールの底部付近から排出させることで、マンホール内に流入する排水の飛散やマンホールの底部の侵食、騒音などを防止するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-30162号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のような内副管は、マンホールの内側に突出して設置されるため、マンホール内の作業スペースが狭くなってしまう。一方、流入管から内副管に流入する排水の流入量は、一時的に多くなることはあってもそのような状態は継続することはなく、内副管継手がこの流入量を考慮したある程度の容量を有するものであれば、副管の径が流入管よりも小径であっても十分に排水可能である。そのため、副管を流入管よりも小径とすることでマンホール内の作業スペースを確保することができる。
【0005】
しかしながら、特許文献1のように断面形状が円形状の内副管継手では、流入管から流入する排水の排水量を考慮しつつ、内副管継手の流出口に接続される副管の管径にあわせて縮径すると、副管が小径となる分、マンホール内の作業スペースは確保できるものの、副管とマンホールの内壁との間に生じた空間が無駄となってしまい、副管が小径となることにより生じた空間を十分に活用することができない。
【0006】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、マンホール内の作業スペースをより確保することができる内副管継手を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明の請求項1の内副管継手は、
マンホールの内壁に設置される内副管継手であって、
流入管からの排水が流入する流入口と、
前記流入口から流入した排水を下方の流出口から流出させる縦管部と、
を備え、
前記縦管部の上部は、前記マンホールの内壁の周方向に沿う幅寸法が前記マンホールの内壁の内側に延びる奥行寸法よりも長寸に形成され、
前記縦管部の下部は、前記幅寸法が前記流入口の最下端以下の位置から前記流出口に向けて漸次幅狭に形成されている
ことを特徴としている。
この特徴によれば、縦管部の上部が、マンホールの内壁の周方向に沿う幅寸法がマンホールの内側に延びる奥行寸法よりも長寸に形成されることで、流入管から排水が流入する縦管部内の容積が十分に確保されるとともに、縦管部の下部の幅寸法が下方の流出口に向けて漸次幅狭に形成されることで幅方向にも奥行方向にも短寸の流出口が形成されるため、縦管部よりも小径の管をマンホールの内壁寄りの位置に設置可能であり、マンホール内の作業スペースをより確保することができる。また、縦管部の下部の幅寸法が流入口の最下端以下の位置から流出口に向けて漸次幅狭に形成され、縦管部の上下方向の容積も十分に確保することができるため、流入口に流入する排水量が一時的に増加しても余裕を持って流出口に排出させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明が適用された実施例の内副管継手を設置したマンホールの破断斜視図である。
図2】本実施例の内副管継手の外観斜視図である。
図3】本実施例の内副管継手の分解斜視図である。
図4】(a)~(e)は、それぞれ継手本体の正面図、側面図、上面図、背面図、下面図である。
図5図4(b)のA-A断面図である。
図6】(a)は、継手本体の一部破断斜視図であり、(b)は、図4(d)のB-B断面図である。
図7】(a)~(f)は、それぞれスペーサの正面図、側面図、(a)のC-C断面図、上面図、背面図、下面図である。
図8】(a)~(d)は、マンホールの内壁へ設置した状態の内副管継手の上面図である。
図9】(a)(b)は、マンホールの内壁に取り付けられる可撓継手により接続された排水管に対する内副管継手の取付状況を示す図である。
図10】マンホールの外壁に取り付けられる可撓継手により接続された排水管に対する内副管継手の取付状況を示す図である。
図11】(a)(b)は、内副管継手をマンホールに設置した状態を示す断面図である。
図12】(a)~(c)は、変形例1における内副管継手を示す図である。
図13】(a)(b)は、変形例2における内副管継手を示す図である。
図14】(a)~(c)は、変形例3における内副管継手を示す図である。
図15】(a)(b)は、変形例4における内副管継手を示す図である。
図16】(a)は、凹欠部を示す図であり、(b)は、凹欠部の変形例を示す図である。
図17】(a)~(c)は、スペーサの変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[形態1]
従来、排水が流入するマンホールにおいては、流入側の流入管からマンホールの底部への排水の落差が大きい場合に、マンホールの内壁に内副管を設置することがある。内副管は、排水の流下方向を下方へ変更する内副管継手と、この内副管継手に接続され排水を下方へ誘導する副管とからなり、排水をマンホールの底部付近から排出させることで、マンホール内に流入する排水の飛散やマンホールの底部の侵食、騒音などを防止するようにしたものがある(例えば、特開2005-30162号公報)。
【0010】
このような内副管は、マンホールの内側に突出して設置されるため、マンホール内の作業スペースが狭くなってしまう。一方、流入管から内副管に流入する排水の流入量は、一時的に多くなることはあってもそのような状態は継続することはなく、内副管継手がこの流入量を考慮したある程度の容量を有するものであれば、副管の径が流入管よりも小径であっても十分に排水可能である。そのため、副管を流入管よりも小径とすることでマンホール内の作業スペースを確保することができる。
【0011】
しかしながら、特開2005-30162号公報のように断面形状が円形状の内副管継手では、流入管から流入する排水の排水量を考慮しつつ、内副管継手の流出口に接続される副管の管径にあわせて縮径すると、福管が小径となる分、マンホール内の作業スペースは確保できるものの、副管とマンホールの内壁との間に生じた空間が無駄となってしまい、副管が小径となることにより生じた空間を十分に活用することができない。
【0012】
これに対し、形態1の内副管継手は、
マンホールの内壁に設置される内副管継手であって、
流入管からの排水が流入する流入口と、
前記流入口から流入した排水を下方の流出口から流出させる縦管部と、
を備え、
前記縦管部の上部は、前記マンホールの内壁の周方向に沿う幅寸法が前記マンホールの内壁の内側に延びる奥行寸法よりも長寸に形成され、
前記縦管部の下部は、前記幅寸法が前記流出口に向けて漸次幅狭に形成されている
ことを特徴としている。
この特徴によれば、縦管部の上部が、マンホールの内壁の周方向に沿う幅寸法がマンホールの内側に延びる奥行寸法よりも長寸に形成されることで、流入管から排水が流入する縦管部内の容積が十分に確保されるとともに、縦管部の下部の幅寸法が下方の流出口に向けて漸次幅狭に形成されることで幅方向にも奥行方向にも短寸の流出口が形成されるため、縦管部よりも小径の管をマンホールの内壁寄りの位置に設置可能であり、マンホール内の作業スペースをより確保することができる。
【0013】
[形態2]
形態2の内副管継手は、形態1に記載の内副管継手であって、
前記縦管部の下部は、前記奥行寸法が前記流出口に向けて変化しない
ことを特徴としている
この特徴によれば、縦管部の下部は、幅寸法が流出口に向けて漸次幅狭に形成される一方、奥行寸法は流出口に向けて変化しないため、縦管部の下部形状が複雑とならない。
【0014】
[形態3]
形態3の内副管継手は、形態1または2に記載の内副管継手であって、
前記縦管部の下部は、前記幅寸法が前記奥行寸法よりも大きい断面略楕円形状から前記幅寸法と前記奥行寸法が略同寸の断面略円形状の流出口に向けて前記幅寸法が漸次幅狭に形成されている
ことを特徴としている
この特徴によれば、縦管部の下部は、断面略楕円形状から断面略円形状の流出口に向けて幅寸法が漸次幅狭となるため、排水の流れがスムーズとなる。
【0015】
[形態4]
形態4の内副管継手は、形態1~3のいずれかに記載の内副管継手であって、
前記縦管部の下部は、前記幅寸法が前記流入口の最下端以下の位置から前記流出口に向けて漸次幅狭に形成されている
ことを特徴としている。
この特徴によれば、縦管部の下部の幅寸法が流入口の最下端以下の位置から流出口に向けて漸次幅狭に形成され、縦管部の上下方向の容積も十分に確保することができるため、流入口に流入する排水量が一時的に増加しても余裕を持って流出口に排出させることができる。
【0016】
[形態5]
形態5の内副管継手は、形態1~4のいずれかに記載の内副管継手であって、
前記縦管部の上面に上部点検口が形成されており、
前記上部点検口は、前記幅寸法が前記奥行寸法よりも長寸に形成されている
ことを特徴としている。
この特徴によれば、上部点検口は、縦管部の上部と同じく幅寸法が奥行寸法よりも長寸に形成されているため、上部点検口からの縦管部内の死角を極力なくすことができる。
【0017】
[形態6]
形態6の内副管継手は、形態1~5のいずれかに記載の内副管継手であって、
前記縦管部は、
前記縦管部の上部を構成する第1縦管部と、
前記縦管部の下部を構成し、前記第1縦管部の下方に接続される第2縦管部と、
を備える
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第1縦管部の下方に第2縦管部を接続し、第1縦管部の幅寸法よりも短寸の管に接続することも、第2縦管部を接続せず、第1縦管部の下方に第1縦管部の幅寸法と同寸の管に接続することもできる。
【0018】
[形態7]
従来、排水が流入するマンホールにおいては、流入側の流入管からマンホールの底部への排水の落差が大きい場合に、マンホールの内壁に内副管を設置することがある。内副管は、排水の流下方向を下方へ変更する内副管継手と、この内副管継手に接続され排水を下方へ誘導する副管とからなり、排水をマンホールの底部付近から排出させることで、マンホール内に流入する排水の飛散やマンホールの底部の侵食、騒音などを防止するようにしたものがある(例えば、特開2005-30162号公報)。
【0019】
このような内副管を構成する内副管継手は、側面視L字状に屈曲し、側方から流入する排水の向きを下方に変更して流下させるものであるため、屈曲した管路に排水が滞留することがあり、滞留した排水に含まれる夾雑物や搬送物よって排水性能に影響を及ぼす虞がある。
【0020】
これに対し、形態7の内副管継手は、
マンホールの内壁に設置される内副管継手であって、
流入管からの排水が流入する流入口と、
前記流入口から流入した排水を下方の流出口から流出させる縦管部と、
前記縦管部から前記流入口に延びる延出管部と、
を備え、
前記延出管部の内周底面に、前記縦管部内に延びる凹欠部が形成されている
ことを特徴としている。
この特徴によれば、縦管部から流入口に延びる延出管部の内周底面に、縦管部内に延びる凹欠部が形成されているため、延出管部内に流入した排水を凹欠部を通じて縦管部に流出させることで、延出管部内に排水が滞留することを防止できるため、滞留した排水に含まれる夾雑物や搬送物による排水性能への影響を抑制できる。
【0021】
[形態8]
形態8の内副管継手は、形態7に記載の内副管継手であって、
前記凹欠部は、底面が前記延出管部から前記縦管部内に向けて漸次傾斜が急になる
ことを特徴としている。
この特徴によれば、凹欠部内に流入した排水をスムーズに排出させることができる。
【0022】
[形態9]
形態9の内副管継手は、形態1~8のいずれかに記載の内副管継手であって、
前記縦管部には、前記流入口と対向する位置に点検口が形成されており、
前記点検口は、前記流入管の内径よりも大きい
ことを特徴としている。
この特徴によれば、点検口が流入管の内径よりも大きいため、点検口から流入管内部を広く見渡すことができる。
【0023】
[形態10]
形態10の内副管継手は、形態1~9のいずれかに記載の内副管継手であって、
前記内副管継手を把持することが可能な把持部を備える
ことを特徴としている。
この特徴によれば、内副管継手の把持部を把持することで、安定した状態でマンホール内に内副管継手を配置することができる。
【0024】
[形態11]
形態11の内副管継手は、形態1~10のいずれかに記載の内副管継手であって、
前記流出口に、前記下方から挿入された管の抜け止め機構を備えた受口が形成されている
ことを特徴としている。
この特徴によれば、流出口に対して管を容易に接続することができる。
【0025】
[形態12]
形態12の内副管継手は、形態1~11のいずれかに記載の内副管継手であって、
前記縦管部を前記マンホールの内壁に取り付けるための取付部を備え、
前記取付部には、取付部材を挿通可能な取付孔と、前記マンホールの内壁に仮止めするための仮止め孔と、が形成されている
ことを特徴としている。
この特徴によれば、内副管継手を仮止め孔を利用して仮止めすることで位置決めした後、取付部材により取付部をマンホールの内壁に取り付けることができる。
【0026】
[形態13]
形態13の内副管継手は、形態1~12のいずれかに記載の内副管継手であって、
前記縦管部を前記マンホールの内壁に取り付けるための取付部を備え、
前記取付部には、前記流入口の中心位置を示す指標部が形成されている
ことを特徴としている。
この特徴によれば、マンホールの内壁への設置時に作業者側からは見えない流入口の中心位置を確認しながら作業を行うことができる。
【0027】
[形態14]
形態14の内副管継手は、形態1~13のいずれかに記載の内副管継手であって、
前記縦管部を前記マンホールの内壁に取り付けるための取付部を備え、
前記取付部に、前記マンホールの内壁形状に対応したスペーサを取り付けることが可能である
ことを特徴としている。
この特徴によれば、マンホールの内壁形状に対応したスペーサを取付部に取り付けることで、共通の内副管継手を内壁形状の異なるマンホールに設置することが可能となる。
【0028】
[形態15]
形態15の内副管継手は、形態14に記載の内副管継手であって、
前記スペーサは、前記取付部を係止する係止部を備え、
前記スペーサは、前記係止部により前記取付部が係止され、前記取付部と一体化した状態で前記マンホールの内壁に設置可能である
ことを特徴としている。
この特徴によれば、スペーサと取付部を一体化した状態でマンホールの内壁に設置可能となるため、内副管継手の設置を効率良く行うことができる。
【0029】
[形態16]
形態16の内副管継手は、形態14または15に記載の内副管継手であって、
前記スペーサは、分割可能である
ことを特徴としている。
この特徴によれば、マンホールの入り口が狭い場合でも、スペーサを分割することで簡単に内部に持ち込むことができる。
【0030】
[形態17]
形態17の内副管継手は、形態14~16のいずれかに記載の内副管継手であって、
前記スペーサは、可撓性を有する材質で形成される
ことを特徴としている。
この特徴によれば、マンホールの入り口が狭い場合でも、スペーサを撓ませることで簡単に内部に持ち込むことができる。
【0031】
[形態18]
形態18の内副管継手は、形態14~17のいずれかに記載の内副管継手であって、
前記取付部には、前記マンホールの内壁に仮止めするための仮止め孔が形成され、
前記スペーサには、前記取付部の前記仮止め孔に対応する位置に仮止め孔が形成されている
ことを特徴としている。
この特徴によれば、スペーサを介して内副管継手を取り付ける場合でも、内副管継手を仮止め孔を利用して仮止めすることができる。
【0032】
[形態19]
形態19の内副管継手は、形態14~18のいずれかに記載の内副管継手であって、
前記スペーサの前記マンホールの内壁に設置される面には、環状の第1凹部と、前記第1凹部の外側に位置する環状の第2凹部と、が形成されており、
前記マンホールの内壁に設置する際に前記第1凹部または前記第2凹部の一方に軟質材が配置される
ことを特徴としている。
この特徴によれば、一方の凹部には軟質材が配置されることでシールされるとともに、シールに用いられない凹部を備えることでスペーサを軽量化することができる。
【0033】
[形態20]
形態20の内副管継手は、形態14~19のいずれかに記載の内副管継手であって、
前記スペーサには、前記流入管を前記マンホールの内壁に接続させる可撓継手の一部を嵌合させることが可能な嵌合部が形成されている
ことを特徴としている。
この特徴によれば、可撓継手の一部をスペーサの嵌合部に嵌合させることで、可撓継手の厚みを嵌合部内に逃がした状態でスペーサを設置することができる。
【0034】
以下に、本発明に係る内副管継手の実施形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例0035】
図1は、本実施例の内副管継手を設置したマンホールの破断斜視図である。図1に示すように、本実施例の内副管継手1は、下水道の中継施設として地表面下に埋設されたマンホール2内に設置されるものであり、マンホール2の上部側方に接続された排水管3より流入した排水の流下方向を下方に変換し、内副管継手1の下方に接続されたストレート管4及び/または曲管5を介してマンホール2の底部に形成された後述のインバート部9に誘導することで、排水の飛散や浸食、騒音などを防止するものである。尚、上記した内副管継手1と、ストレート管4及び/または曲管5とにより、内副管が構成されている。
【0036】
[マンホールについて]
マンホール2は、コンクリート製の躯体であり、図1に示すように、細円筒状の本体が鉛直方向に地中に埋設されている。マンホール2の本体上部は、上方に向かって縮径させる円錐面状(図示略)に形成されており、その上端部には開口6が設けられる。開口6には、開口6を開閉可能にする円盤状の蓋体7が取り外し可能に取り付けられており、蓋体7は、上側面を地表面に沿わせた状態で、開口6に嵌合されている。マンホール2の内底部には、マンホール2の下部側方に接続された排水管8に向かって傾斜する断面略半円状のインバート部9が形成されている。
【0037】
[内副管継手について]
図2は、本実施例の内副管継手の外観斜視図であり、図3は、本実施例の内副管継手の分解斜視図である。図2及び図3に示すように、内副管継手1は、継手本体10と、スペーサ30と、から構成される。
【0038】
[継手本体について]
図4(a)~(e)は、それぞれ継手本体10の正面図、側面図、上面図、背面図、下面図であり、図5は、図4(b)のA-A断面図であり、図6(a)は、継手本体の一部破断斜視図であり、図6(b)は、図4(d)のB-B断面図である。
【0039】
継手本体10は、塩化ビニル等の合成樹脂にて一体に成形される。継手本体10の一端側(以下では、内副管継手1をマンホール2に設置した際にマンホール2の中心に向く側を一端側とし、内副管継手1をマンホール2に設置した際にマンホール2の外壁に向く側を他端側として説明する。)には、図2図6に示すように、上下方向に延びる筒状の縦管部11が形成されている。縦管部11の上部11a(図4図6参照)は、幅寸法(マンホール2の内壁の周方向に沿う寸法)が奥行寸法(マンホール2の内径側に延びる寸法)よりも大きく、上端から下端にわたり幅寸法及び奥行寸法が変化しない断面略楕円形状に形成され、その上端が開口し、上部点検口12が形成される。また、縦管部11の上部11aの幅寸法は、排水管3の外径よりも大きく、奥行寸法は排水管3の外径よりも小さい。上部点検口12の形状は、縦管部11の上部11aの断面形状と同形であり、幅寸法が奥行寸法よりも大きい略楕円形状である。
【0040】
縦管部11の下部11b(図4図6参照)は、図2図6に示すように、その上端が縦管部11の上部11aの断面形状と同形、すなわち幅寸法が奥行寸法よりも大きい略楕円形状であり、後述する排水流入口19の下端部19Uよりも下方の位置から幅寸法が下方に向かって漸次幅狭となるテーパ状に形成される一方、奥行寸法が同寸のまま下方に向かって変化せず、縦管部11の下部11bの下端の幅寸法及び奥行寸法が排水管3の外径よりも小さい断面円形状に縮径される。
【0041】
縦管部11の下方には、図2図6に示すように、縦管部11の下部11bに連続して副管接続部13が形成される。副管接続部13は、図5及び図6(b)に示すように、その下端にストレート管4または曲管5の挿口の外径と略同寸の排水流出口13aが開口し、副管接続部13の内面には、ゴム等の軟質材からなる止水リング13bが嵌合する環状の溝部13cが形成される。止水リング13bには、上向き且つ内向きに突出する環状の凸条13dが形成されており、凸条13dにより副管接続部13に下方から挿入されたストレート管4または曲管5の下方への抜出しが抑制される。また、副管接続部13は、溝部13cより上方に拡径、すなわち副管接続部13の開口(排水流出口13a)とは逆向きにテーパ状に拡径する拡径部13eが形成されており、ストレート管4または曲管5の挿口を副管接続部13に挿入した後も、拡径部13eの内径の範囲でストレート管4または曲管5の挿入角度を調整可能となる。
【0042】
継手本体10には、図3に示すように、縦管部11の一端側に開口し、一端側に向かって延設される点検口部14が形成され、点検口部14の端部に点検口14aが開口する。点検口14aの内径は、図9(b)に示すように、内副管継手1に接続される排水管3の内径よりも大きい径の形状である。点検口14aは、点検口蓋15により閉塞可能である。
【0043】
点検口蓋15は、塩化ビニル等の合成樹脂にて成形され、図3に示すように、一端側には点検口14aよりも大径のフランジ部15aが形成され、他端側には、点検口部14に嵌合して点検口14aを閉塞する突出部15bが形成されており、突出部15bの周囲には環状の凹部(図示略)が形成され、ゴム等の軟質材からなる止水リング15cが取り付けられる。
【0044】
点検口蓋15には、図2及び図3に示すように、上下方向に係止溝15dが形成されているとともに、点検口部14の上下位置には、それぞれ、外方に突出し、上下方向に貫通する係止孔16aを有する係止部16、16が形成されており、点検口蓋15により点検口14aを閉塞した状態で係止ピン17を上方から係止部16、16それぞれの係止孔16aに挿通させることで、係止溝15dに係止された係止ピン17によって、点検口蓋15の開放が規制される。
【0045】
継手本体10には、図2図4及び図6に示すように、縦管部11の他端側に開口し、他端側に向かって延設されるとともに、後述する取付部21の内側に排水流入口19を開口した短管状の延設管部18が形成される。延設管部18の内周面は、その全周にわたり一端側の縦管部11から他端側の排水流入口19に向ってやや拡径されている。また、延設管部18の内周底面、すなわち延設管部18の内周面における下半分以下の領域のうち中央付近の一部の領域には、図5及び図6(a)(b)に示すように、縦管部11の内周面11cに向かって下方に傾斜して延びるように切り欠かれた形状の凹欠部20が形成されている。凹欠部20の底面は、図6(b)に示すように、その底面の傾斜角度θが延設管部18から縦管部11の内周面11cに向けて漸次急になる略円弧形状に形成されている。
【0046】
継手本体10の他端側には、図2~6に示すように、内側に排水流入口19が開口する略四角形状の取付部21が形成されている。取付部21には、図4(c)(e)に示すように、1号マンホールa2(図8(a)参照)の内周面に沿った曲率の湾曲面形状の取付面21aが形成されている。また、取付部21には、固定用のボルトBなどの取付部材用の前後方向に貫通する挿通孔22が四隅に形成されている。挿通孔22は、取付部21の中央から外縁四隅に向かって延びる長孔形状である。また、取付部21の上辺には上方に突出する仮止め部23が形成されており、仮止め部23には、前後方向に貫通する仮止め孔23aが形成されている。また、図5に示すように、取付部21の左右両端には、排水流入口19の横方向の中心線C1が通る位置に指標凸部24a、24aが形成されており、仮止め部23の上端には、排水流入口19の縦方向の中心線C2が通る位置に指標凸部24bが形成されている。
【0047】
取付部21の取付面21aには、図4(a)及び図6(a)(b)に示すように、排水流入口19の周囲に環状に切り欠かれた形状の切欠部21bが形成されている。切欠部21bは、マンホール2に排水管3を接続する後述の可撓継手40のフランジ部40bを嵌合させることが可能な内径を有する。また、取付面21aには、切欠部21bの外側に環状の溝部21cが形成され、さらに溝部21cの外側に環状の溝部21dが形成されている。溝部21dには、環状の止水パッキンP(図9(b)参照)が取り付けられる。尚、スペーサ30を用いてマンホール2に取り付ける場合には、止水パッキンPは取り付けられない。溝部21cは、継手本体10の軽量化及び材料の少量化を図るためのものである。また、これらの溝部21c、溝部21dを画成する部分がリブとして取付部21の構造強度を高め、その形状を安定させている。
【0048】
継手本体10の両側部には、図2図4に示すように、取付部21から縦管部11の側面にわたり一端側に向かって斜め上方向に傾斜した把持部25、25が形成されており、継手本体10を両側から把持することが可能である。
【0049】
[スペーサについて]
図7(a)~(f)は、それぞれスペーサ30の正面図、側面図、(a)のC-C断面図、上面図、背面図、下面図であり、図8(a)~(d)は、マンホール2の内壁へ設置した状態の内副管継手1の上面図である。
【0050】
スペーサ30は、塩化ビニル等の合成樹脂にて一体に成形される。スペーサ30は、図7(a)(e)に示すように、その外周形状が継手本体10の取付部21の外周形状と略同形状であり、内側に、継手本体10の排水流入口19と同径の排水流入口31が形成されている。また、スペーサ30には、継手本体10の取付部21に形成された挿通孔22とそれぞれ対応する位置に挿通孔32が形成されているとともに、仮止め孔23aと対応する位置に仮止め孔33が形成されている。
【0051】
スペーサ30の外周形状は、図2及び図3に示すように、取付部21の外周形状よりも若干大径であり、スペーサ30の非取付面30aには、外縁に継手本体10側に突出する環状の受け部34が形成され、継手本体10をスペーサ30に取り付けると、継手本体10の取付部21が受け部34の内側に嵌合する。
【0052】
スペーサ30の左右両側略中央部には、図2図3及び図7に示すように、先端に内向きに突出する係止爪35aを有し、外向きに弾性変形可能な2対の係止片35、35が継手本体10側に向かって形成されており、図2に示すように、継手本体10をスペーサ30に嵌入すると、それぞれの係止片35が外側に変形し、その後、係止片35の変形が戻ることで係止爪35aにより継手本体10の取付部21の両側が係止され、継手本体10とスペーサ30とが一体に組み付けられる。
【0053】
スペーサ30の非取付面30aは、図7(d)(f)に示すように、取付部21の取付面21aに沿った曲率の湾曲面形状であり、スペーサ30の非取付面30aにおける排水流入口31の周囲には、図7(a)(c)に示すように、取付面21aに形成された切欠部21b、溝部21c、溝部21dに対応する位置に、継手本体10側に突出する環状の凸条部36a、36b、36cが形成されており、継手本体10をスペーサ30に取り付けると、取付面21aに形成された切欠部21b、溝部21c、溝部21d内に、凸条部36a、36b、36cがそれぞれ嵌合する。
【0054】
スペーサ30の取付面30bは、図8(b)~(d)に示すように、1号マンホール2a以外のマンホール2b~2dの内周面に沿った曲率の湾曲面形状または平面形状である。スペーサ30としては、その取付面30bの形状が、図8(b)に示すように、1号マンホール2aよりも内壁の曲率が大きいマンホール2b(例えば、0号マンホール)の内周面に沿った湾曲面形状のもの、図8(c)に示すように、1号マンホール2aよりも内壁の曲率が小さいマンホール2c(例えば2号、3号マンホール)の内周面に沿った湾曲面形状のもの、図8(d)に示すように、内壁が平面のマンホール2dの内周面に沿った平面形状のものがあり、設置されるマンホールに合わせて適宜のスペーサ30を選択することで、内壁の形状の異なるマンホールに対して内副管継手1を取り付けることが可能となる。尚、取付部21の取付面21aは、1号マンホール2aの内周面に沿った湾曲面形状であるため、1号マンホール2aに取り付ける場合は、図8(a)に示すように、スペーサ30を用いずに直接継手本体10を取り付ければ良い。
【0055】
スペーサ30の取付面30bには、図7(a)(c)に示すように、排水流入口31の周囲に環状に切り欠かれた形状の切欠部37aが形成されている。切欠部37aは、マンホール2に排水管3を接続する後述の可撓継手40のフランジ部40bを嵌合させることが可能な内径を有する。また、スペーサ30の取付面30bには、切欠部37aの外側に環状の溝部37bが形成され、さらに溝部37bの外側に環状の溝部37cが形成されている。溝部37cには、環状の止水パッキンP(図9(b)参照)が取り付けられる。溝部37bは、スペーサ30の軽量化及び材料の少量化を図るためのものである。また、これらの溝部37b、溝部37cを画成する部分がリブとしてスペーサ30の構造強度を高め、その形状を安定させている。
【0056】
[内副管継手のマンホールへの取付状況について]
次に、内副管継手1のマンホール2への取付状況について説明する。
【0057】
図9は、マンホール2の内壁に取り付けられる可撓継手40により接続された排水管3に対する内副管継手1の取付状況を示す図である。可撓継手40は、ゴム等の軟質材にて成形され、図9(a)(b)に示すように、排水管3の一端が圧入される筒状部40aと、筒状部40aの一端から外側に広がる環状のフランジ部40bと、からなる。フランジ部40bの外径は、継手本体10の取付部21における取付面21aに形成された切欠部21b及びスペーサ30の取付面30bに形成された切欠部37aの内径と略同形であり、継手本体10またはスペーサ30を取り付けた際に、切欠部21bまたは切欠部37a内にフランジ部40bの外周を嵌合させることが可能である。
【0058】
マンホール2の内壁に取り付けられる可撓継手40により接続された排水管3に対して内副管継手1を取り付ける場合には、図9(a)に示すように、排水管3の位置に合わせてマンホール2に穿孔された排水流入孔2hに、マンホール2の内側から可撓継手40の筒状部40aを挿通し、フランジ部40bを接着剤などでマンホール2の内壁に固定し、その後、筒状部40a内に排水管3の一端を圧入し、マンホール2の内側にその一端を臨ませる。
【0059】
次いで、図9(b)に示すように、継手本体10と一体化したスペーサ30の切欠部37aをフランジ部40bに嵌合させ、取付面30bをマンホール2の内壁に当接させた後、仮止め孔23a、33に挿通した仮止めボルトKBによりマンホール2の内壁に対して仮止めする。これにより、排水管3の一端が、排水流入口19、31に臨む状態となる。この際、継手本体10には、両側に把持部25が設けられているため、継手本体10にストレート管4や曲管5が取り付けられ、相応の重量を有する場合でも、両側から把持部25を把持することで、比較的容易に位置合わせを行うことが可能となる。また、切欠部37a内にフランジ部40bが嵌合し、かつ切欠部37a内にフランジ部40bが収容されるため、フランジ部40bに厚みがあっても取付面30bをマンホール2の内壁に当接させることが可能となる。
【0060】
この状態で、4箇所の挿通孔22、32に挿通したボルトBなどの取付手段でスペーサ30及び取付部21をマンホール2の内壁に固定した後、スペーサ30の外周をコーキング材によりコーキングすることで、内副管継手1がマンホール2の内壁に取り付けられる。挿通孔22、32は、中央から放射状に延びる長孔形状であるため、ボルトBなどの取付手段の固定位置が多少ずれても調整して最適な位置に内副管継手1を取り付けることが可能である。
【0061】
尚、1号マンホール2aに取り付ける場合には、スペーサ30を用いず、継手本体10の取付部21の切欠部21bをフランジ部40bに嵌合させ、取付面21aをマンホール2の内壁に当接させた後、仮止め孔23aに挿通した仮止めボルトKBによりマンホール2の内壁に対して仮止めし、4箇所の挿通孔22に挿通したボルトBなどの取付手段で取付部21をマンホール2aの内壁に固定すれば良い。
【0062】
また、上記では、仮止めボルトKBによりマンホール2の内壁に対して仮止めする構成であるが、切欠部37aや切欠部21bに対するフランジ部40bの嵌合強度が高い場合には、仮止めボルトKBを用いずに、切欠部37aや切欠部21bに対するフランジ部40bの嵌合のみで仮止めするようにしても良い。
【0063】
図10は、マンホール2の外壁に取り付けられる可撓継手50により接続された排水管3に対する内副管継手1の取付状況を示す図である。可撓継手50は、ゴム等の軟質材にて成形され、図10に示すように、排水管3の一端が圧入される筒状部50aと、筒状部50aの一端から外側に広がる環状のフランジ部50bと、からなる。
【0064】
マンホール2の外壁に取り付けられる可撓継手50により接続された排水管3に対して内副管継手1を取り付ける場合には、図10に示すように、排水管3の位置に合わせてマンホール2に穿孔された排水流入孔2hに合わせて、可撓継手50のフランジ部50bを、接着剤などでマンホール2の外壁に固定し、その後、筒状部50a内に排水管3の一端を圧入し、マンホール2の内側にその一端を臨ませる。
【0065】
次いで、図10に示すように、継手本体10と一体化したスペーサ30の取付面30bをマンホール2の内壁に当接させ、位置合わせした後、仮止め孔23a、33に挿通した仮止めボルトKBによりマンホール2の内壁に対して仮止めする。これにより、排水管3の一端が、排水流入口19、31に臨む状態となる。
【0066】
この状態で、4箇所の挿通孔22、32に挿通したボルトBなどの取付手段でスペーサ30及び取付部21をマンホール2の内壁に固定した後、スペーサ30の外周をコーキング材によりコーキングすることで、内副管継手1がマンホール2の内壁に取り付けられる。
【0067】
尚、1号マンホール2aに取り付ける場合には、スペーサ30を用いず、継手本体10の取付部21における取付面21aをマンホール2aの内壁に当接させるとともに、仮止め孔23aに挿通した仮止めボルト(図示略)によりマンホール2aの内壁に対して仮止めし、4箇所の挿通孔22に挿通したボルトBなどの取付手段で取付部21をマンホール2aの内壁に固定すれば良い。
【0068】
図11(a)に示すように、排水管3が臨む位置がマンホール2の底部から高い位置となる場合には、排水管3の高さ位置に合わせて切断した双方の端部が挿口となるストレート管4の一端側の挿口を、内副管継手1の副管接続部13に嵌入して接続するとともに、他端側の挿口を、一方側に受口5aを有し他方側に挿口5bを有する曲管5の受口5aに嵌入して接続し、内副管継手1の下方から排出された排水を、ストレート管4及び曲管5を経てマンホール2のインバート部9に排出させるようにすれば良い。
【0069】
また、図11(b)に示すように、排水管3が臨む位置が、マンホール2の底部から低い位置となる場合には、曲管5の挿口5bを、内副管継手1の副管接続部13に嵌入して接続し、内副管継手1の下方から排出された排水を、曲管5を経てマンホール2のインバート部9に排出させるようにすれば良い。
【0070】
この際、一端側が挿口で他端側に受口5aを有する曲管5を用いることで、内副管継手1にストレート管4を介して曲管5を接続する場合でも、内副管継手1に直接曲管5を接続する場合でも、共通の曲管5を用いることができる。
【0071】
[作用効果について]
本実施例では、内副管継手1が、その一端側に上下方向に延びる筒状の縦管部11を有しており、縦管部11の上部11aの幅寸法が奥行寸法よりも長寸に形成されることで、排水管3から排水が流入する縦管部11内の容積が十分に確保されるとともに、縦管部11の下部11bの幅寸法が下方の排水流出口13aに向けて漸次幅狭に形成されることで幅方向にも奥行方向にも短寸の排水流出口13aが形成されるため、縦管部11よりも小径の副管(例えば、ストレート管4、曲管5等)をマンホール2の内壁寄りの位置に設置可能であり、マンホール2内の作業スペースをより確保することができる。
【0072】
尚、本実施例では、縦管部11の上部11aは、幅寸法が奥行寸法よりも大きく、上端から下端にわたり幅寸法及び奥行寸法が変化しない断面略楕円形状であり、縦管部11の下部11bが、排水流入口19の下端部よりも下方の位置から幅寸法が下方に向かって漸次幅狭となるテーパ状に形成される一方、奥行寸法が同寸のまま下方に向かって変化せず、幅寸法及び奥行寸法が排水管3の外径よりも小さい断面円形状に縮径される形状であるが、少なくとも縦管部11の上部11aの幅寸法が奥行寸法よりも長寸に形成され、縦管部11の下部11bの幅寸法が下方の排水流出口13aに向けて漸次幅狭に形成される形状であれば、上記の効果を奏するものであり、必ずしも縦管部11の上部11aが断面略楕円形状である必要はなく、また、縦管部11の下部11bが下方に向かって断面略楕円形状から断面円形状に縮径される必要はなく、例えば、縮径前の形状は、断面略楕円形状以外の形状であっても良いし、縮径後の形状は、断面略円形状以外の形状であっても良い。また、縦管部11の下部11bの奥行寸法が下方に向かって漸次幅狭となる形状としても良い。また、縦管部11の下部11bが、排水流入口19の下端部よりも上方の位置から幅寸法が下方に向かって漸次幅狭となる形状でも良い。また、縦管部11の下部11bの幅寸法が下方の排水流出口13aに向けて漸次幅狭に形成される形状としては、一定の傾斜で幅狭となる形状、下方に向かうほど傾斜が急になる形状、下方に向かうほど傾斜がゆるくなる形状のいずれであっても良い。
【0073】
また、本実施例では、縦管部11の下部11bの幅寸法が排水流出口13aに向けて漸次幅狭に形成される一方、奥行寸法は排水流出口13aに向けて変化しないため、縦管部11の下部11bの形状が複雑とならない。
【0074】
また、本実施例では、縦管部11の下部11bは、断面略楕円形状から断面略円形状の排水流出口13aに向けて幅寸法が漸次幅狭となるため、排水の流れがスムーズとなる。
【0075】
また、本実施例では、縦管部11の下部11bの幅寸法が排水流入口19の最下端以下の位置から排水流出口13aに向けて漸次幅狭に形成されていることにより、縦管部11の上下方向の容積も十分に確保することができるため、排水流入口19に流入する排水量が一時的に増加しても余裕を持って排水流出口13aに排出させることができる。
【0076】
本実施例では、縦管部11の上面に上部点検口12が形成されており、上部点検口12は、縦管部11の上部11aと同じく幅寸法が奥行寸法よりも長寸に形成されているため、上部点検口12からの縦管部11内の死角を極力なくすことができる。尚、本実施例では、上部点検口12の形状が、縦管部11の上部11aの内周形状と同形であるが、必ずしも同形である必要はなく、少なくとも縦管部11の上部11aと同じく幅寸法が奥行寸法よりも長寸に形成されていれば、上記と同様の効果を奏するものである。
【0077】
本実施例では、内副管継手1が、その一端側に上下方向に延びる筒状の縦管部11と、縦管部11から排水流入口19に延びる延設管部18と、を有しており、延設管部18の内周底面に、縦管部11の内周面11cに向かって下方に傾斜して延びる凹欠部20が形成されているため、延設管部18内に流入した排水を凹欠部20を通じて縦管部11に流出させることで、延設管部18内に排水が滞留すすることを防止できるため、滞留した排水に含まれる夾雑物や搬送物による排水性能への影響を抑制できる。
【0078】
特に、本実施例では、射出成形時に金型からの成形品の取り外しを容易にするため、延設管部18の内周面は、その全周にわたり一端側の縦管部11から他端側の排水流入口19に向ってやや拡径されており、その関係で延設管部18内に排水が滞留しやすい構造となるが、延設管部18の内周底面に、縦管部11の内周面11cに向かって下方に傾斜して延びる凹欠部20が形成されることで、延設管部18の内周底面が排水流入口19に向ってやや拡径される構造であっても、延設管部18内に排水が滞留することを防止できる。
【0079】
尚、本実施例では、延設管部18の内周面は、その全周にわたり一端側の縦管部11から他端側の排水流入口19に向ってやや拡径される形状であるが、延設管部18の内周面が一端側の縦管部11から他端側の排水流入口19に向って同径となる形状であっても良いし、延設管部18の内周面が他端側の排水流入口19から一端側の縦管部11に向って拡径される形状であっても良い。
【0080】
また、本実施例では、凹欠部20の底面が延設管部18から縦管部11の内周面11cに向けて漸次傾斜角度が急になるため、凹欠部20内に流入した排水をスムーズに排出させることができる。
【0081】
また、本実施例では、延設管部18の内周底面、すなわち延設管部18の内周面における下半分以下の領域のうち中央付近の一部の領域に凹欠部20が形成されており、排水が凹欠部20に集まりやすいため、排水の流量が少ない状態でも凹欠部20内に流入した排水をスムーズに排出させることができる。
【0082】
尚、本実施例では、縦管部11の上部11aの幅寸法が奥行寸法よりも長寸に形成され、縦管部11の下部11bの幅寸法が下方の排水流出口13aに向けて漸次幅狭に形成される構成であるが、少なくとも上下方向に延びる筒状の縦管部11と、縦管部11から排水流入口19に延びる延設管部18と、を有しており、延設管部18の内周底面に、縦管部11の内周面11cに向かって下方に傾斜して延びる凹欠部20が形成される構成であれば上記の効果を奏するものであり、必ずしも縦管部11の上部11aの幅寸法が奥行寸法よりも長寸に形成される必要はなく、また、縦管部11の下部11bの幅寸法が下方の排水流出口13aに向けて漸次幅狭に形成される必要はない。このため、縦管部11が断面略円形の筒状に形成されていても良い。また、縦管部11の下部11bが排水流出口13aに向かって縮径されない構成であっても良い。
【0083】
本実施例では、縦管部11の排水流入口19と対向する位置に点検口14aが形成されており、点検口14aの内径は、排水流入口19の内径よりも大きいため、点検口14aから排水流入口19内部を広く見渡すことができる。
【0084】
本実施例では、内副管継手1を把持することが可能な把持部25を継手本体10の両側に備えるため、内副管継手1の把持部25を把持することで、安定した状態でマンホール2内に内副管継手1を配置することができる。尚、本実施例では、継手本体10の両側に把持部25を備える構成であるが、把持部を1箇所設ける構成としても良い。また、縦管部11の上部左右、または上部一端側に手を差し込むことが可能な孔部を設け、把持部としても良い。
【0085】
本実施例では、排水流出口13aを有する副管接続部13に止水リング13bが取り付けられるとともに、止水リング13bには、上向きに突出する環状の凸条13dが形成され、下方から挿入された管の抜け止め機構として機能するため、排水流出口13aに対して管を容易に接続することができる。
【0086】
また、本実施例では、副管接続部13は、上方に向かってテーパ状に拡径する拡径部13eが形成されており、ストレート管4または曲管5の挿口を副管接続部13に挿入した後も、拡径部13eの内径の範囲でストレート管4または曲管5の挿入角度を調整可能となる。尚、副管接続部13は、拡径部13eを有しない構成でも良い。また、副管接続部13に止水リング13bを設けないようにした、単なる受口でもあっても良い。この場合、副管を受口に挿入し接着剤で固定すれば良い。
【0087】
本実施例では、継手本体10にマンホール2の内壁に内副管継手1を取り付けるための取付部21が形成されており、取付部21には、ボルトB等の取付部材を挿通可能な挿通孔22と、マンホール2の内壁に仮止めするための仮止め孔23aと、が形成されており、内副管継手1を仮止め孔23aを利用して仮止めすることで位置決めした後、取付部材により取付部21をマンホール2の内壁に取り付けることができる。
【0088】
また、本実施例では、取付部21に排水流入口19の中心位置を示す指標凸部24a、24bが形成されており、マンホール2の内壁への設置時に作業者側からは見えない排水流入口19の中心位置を確認しながら作業を行うことができる。尚、本実施例では、取付部21に凸部を形成することで排水流入口19の中心位置を示す指標としているが、溝を形成することで排水流入口19の中心位置を示す指標としても良い。また、指標の位置は、取付部21の側面であっても良い。
【0089】
本実施例では、取付部21に、マンホール2の内壁形状に対応したスペーサ30を取り付けることが可能であり、共通の内副管継手1を内壁形状の異なるマンホール2に設置することが可能となる。
【0090】
また、本実施例では、スペーサ30に、継手本体10の取付部21に係止する係止片35が形成されており、係止片35により取付部21が係止され、取付部21と一体化した状態でマンホール2の内壁に設置可能となるため、内副管継手1の設置を効率良く行うことができる。
【0091】
尚、本実施例では、スペーサ30の左右両側略中央部に2対の係止片35、35が設けられ、継手本体10の取付部21に係止される構成であるが、スペーサ30を継手本体10の取付部21に係止可能なものであれば、係止片の数や形状、位置は種々に変更可能であり、同様の効果を奏する。また、スペーサ30とは別体の係止金具をスペーサ30の溝部などに取り付け、係止金具を介してスペーサ30を継手本体10の取付部21に係止させるようにしても良い。また、係止片や係止金具を用いずに、取付面21aに形成された切欠部21b、溝部21c、溝部21d内に、凸条部36a、36b、36cがそれぞれ嵌合し、凸条部36a、36b、36cが挟持される力により、スペーサ30が取付部21と一体化するようにしても良い。また、係止片や係止金具を用いずに、スペーサ30に形成された受け部34に、取付部21が嵌合し、受け部34に挟持される力により、スペーサ30が取付部21と一体化するようにしたり、受け部34内に抜け止め用のゴム輪等の弾性材を取り付け、その弾性力により受け部34に嵌合した取付部21が挟持されることで、スペーサ30が取付部21と一体化するようにしても良い。また、受け部34に内向きのリブを複数設け、受け部34に嵌合した取付部21が複数のリブに挟持される力により、スペーサ30が取付部21と一体化するようにしても良い。
【0092】
また、係止片等のスペーサ30と取付部21とを一体化する構造を備えず、スペーサ30と継手本体10とをそれぞれ別個に取り付けるようにしても良い。この場合には、例えば、マンホール2の内径に適合するスペーサ30を仮止めボルトや接着剤等でマンホール2の内壁に仮止めし、その後、仮止めされたスペーサ30に対し、継手本体10を適当な位置に配置し、ボルト等の取付部材によりスペーサ30とともにマンホール2の内壁に固定すれば良い。
【0093】
また、本実施例では、スペーサ30に、取付部21に形成された仮止め孔23aに対応する位置に仮止め孔33が形成されており、スペーサ30を介して内副管継手1を取り付ける場合でも、内副管継手1を仮止め孔23aを利用して仮止めすることができる。
【0094】
また、スペーサ30の外形形状を、仮止め部23の形状も含め、取付部21の外径と略同形とすることで、スペーサ30を介して内副管継手1をマンホール2の内壁に取り付ける際のコーキングの作業がしやすくなる。
【0095】
本実施例では、取付部21の取付面21aに、環状の溝部21c、21dが二重に形成されており、マンホール2の内壁に設置する際に溝部21dに止水パッキンPが配置されることでシールされるとともに、シールに用いられない溝部21cを備えることで継手本体10を軽量化することができる。尚、溝部21c、21dの双方をシールする構成としても良い。
【0096】
また、本実施例では、取付部21の取付面21aに、排水管3をマンホール2の内壁に接続させる可撓継手40のフランジ部40bを嵌合させることが可能な環状の切欠部21bが形成されており、可撓継手40のフランジ部40bを取付部21の切欠部21bに嵌合させることで、可撓継手40のフランジ部40bの厚みを切欠部21b内に逃がした状態で取付部21をマンホールの内壁に設置することができる。
【0097】
本実施例では、スペーサ30のマンホール2の内壁に設置される取付面30bに、環状の溝部37b、37cが二重に形成されており、マンホール2の内壁に設置する際に溝部37cに止水パッキンPが配置されることでシールされるとともに、シールに用いられない溝部37bを備えることでスペーサ30を軽量化することができる。尚、溝部37b、37cの双方をシールする構成としても良い。
【0098】
また、本実施例では、スペーサ30のマンホール2の内壁に設置される取付面30bに、排水管3をマンホール2の内壁に接続させる可撓継手40のフランジ部40bを嵌合させることが可能な環状の切欠部37aが形成されており、可撓継手40のフランジ部40bをスペーサ30の切欠部37aに嵌合させることで、可撓継手40のフランジ部40bの厚みを切欠部37a内に逃がした状態でスペーサ30をマンホールの内壁に設置することができる。
【0099】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0100】
[変形例1について]
本実施例の内副管継手1では、縦管部11が一体に成形されたものであったが、変形例1の内副管継手101では、図12(a)に示すように、縦管部111の形状は、縦管部11の形状とほぼ同じであるが、継手本体110と一体に成形されるとともに、幅寸法及び奥行寸法が変化しない上部縦管部111aと、この上部縦管部111aと別体に成形されるとともに、奥行寸法は変化しないが幅寸法が漸次幅狭となる下部縦管部111bと、からなる2ピース構造である。尚、縦管部111以外の構造は、内副管継手1と同一である。
【0101】
下部縦管部111bは、その上端に上部縦管部111aの下端を嵌入可能な受口111cが形成されており、受口111cに上部縦管部111aの下端を嵌入して一体に接続可能となっている。
【0102】
これにより、図12(b)に示すように、上部縦管部111aの下端を下部縦管部111bに接続することで、下部縦管部111bの下端に一体に形成された副管接続部13に、ストレート管4や曲管5の挿口を接続することができる一方、図12(c)に示すように、下部縦管部111bを用いず、断面形状が上部縦管部111aと同形状であり、一端に上部縦管部111aの下端を嵌入可能な受口 104a、105aが形成された楕円形状のストレート管104、楕円形状の曲管105の受口104a、105aを直接接続することもできる。
【0103】
また、特に図示しないが、受口111cに、副管接続部13と同様に抜け止め機構として機能する止水リングを設けることが好ましく、このような構成とすることで、受口111cに対し、上部縦管部111aの下端を容易に接続することができる。また、受口111cは、副管接続部13と同様、受口111cの開口と逆向きにテーパ状に拡径する拡径部が形成されることが好ましく、このような構成とすることで、上部縦管部111aの下端を受口111cに挿入した後も、拡径部の内径の範囲で上部縦管部111aの下端の挿入角度を調整可能となる。尚、受口111cは、止水リングを設けないようにした、単なる受口でもあっても良く、この場合、上部縦管部111aの下端を受口111cに挿入し接着剤で固定すれば良い。
【0104】
また、内副管継手101は、下部縦管部111bの上端に受口111cが形成されているが、下部縦管部111bの上端に受口111cが形成されず、上部縦管部111aの下端に、下部縦管部111bの上端を嵌入可能な受口(図示略)が形成され、この受口に下部縦管部111bの上端(挿口)を嵌入して一体に接続可能としても良く、このような構成とすることで、断面形状が上部縦管部111aと同形状のストレート管104、曲管105の挿口を直接接続することができる。
【0105】
また、このような構成において、上部縦管部111aの下端に形成された受口に、副管接続部13と同様に抜け止め機構として機能する止水リングを設けることが好ましく、このような構成とすることで、上部縦管部111aの下端に形成された受口に対し、下部縦管部111bの上端を容易に接続することができる。また、上部縦管部111aの下端に形成された受口は、副管接続部13と同様、受口の開口とは逆向きにテーパ状に拡径する拡径部が形成されることが好ましく、このような構成とすることで、下部縦管部111bの上端やストレート管104、曲管105の挿口を受口に挿入した後も、拡径部の内径の範囲で下部縦管部111bの上端やストレート管104、曲管105の挿入角度を調整可能となる。尚、上部縦管部111aの下端に形成された受口は、止水リングを設けないようにした、単なる受口でもあっても良く、この場合、ストレート管104、曲管105を受口に挿入し接着剤で固定すれば良い。
【0106】
[変形例2について]
変形例2の内副管継手201では、図13(a)(b)に示すように、縦管部211は、幅寸法が奥行寸法よりも大きく、上端から下端にわたり幅寸法及び奥行寸法が変化しない断面略楕円形状に形成され、その上端が開口し、上部点検口212が形成されるとともに、下端も開口し、下部流出口213が形成される。縦管部211の断面形状は、内副管継手1の縦管部11の上部11aの断面形状と同形である。尚、縦管部111以外の構造は、内副管継手1と同一である。
【0107】
縦管部211の下端には、内副管継手1の縦管部11の上端及び内副管継手201の上端を嵌入可能な受口214が形成されており、受口214に内副管継手1の縦管部11の上端または内副管継手201の上端を嵌入し、内副管継手1の縦管部11の上端または内副管継手201の縦管部211の上端に接続することが可能である。
【0108】
これにより、図13(a)(b)に示すように、マンホール2の内壁に縦方向に上下の位置に接続された複数の排水管3、3に対して、単数または複数の内副管継手201と内副管継手1とを上下に接続して設置することが可能となる。このようにすることで、複数の排水管3、3から排出される排水を集約することができる。
【0109】
また、特に図示しないが、受口214に、副管接続部13と同様に抜け止め機構として機能する止水リングを設けることが好ましく、このような構成とすることで、受口214に対し、内副管継手1の縦管部11の上端を容易に接続することができる。また、受口214は、副管接続部13と同様、受口214の開口とは逆向きにテーパ状に拡径する拡径部が形成されることが好ましく、このような構成とすることで、内副管継手1の縦管部11の上端を受口214に挿入した後も、拡径部の内径の範囲で縦管部11の上端の挿入角度を調整可能となる。
【0110】
[変形例3について]
変形例3の内副管継手301では、図14(a)~(c)((b)(c)は(a)のD-D断面図)に示すように、内副管継手1の取付部21に形成されていた挿通孔22に替えて、取付部321の四隅に、大径の円孔とこの円孔から上方に延びる小径の長孔とからなる挿通孔302が形成されている。大径の円孔は、ボルトBの頭部を挿通可能なサイズであり、長孔の左右幅は、ボルトBの頭部よりも幅狭であり、かつボルトBの軸を挿通可能なサイズである。また、スペーサ330の挿通孔302に対応する位置にも、挿通孔302と同形状の挿通孔303がそれぞれ形成されている。
【0111】
変形例3の内副管継手301をマンホール2に設置する場合には、継手本体310と一体化したスペーサ330の取付面330bをマンホール2の内壁に当接させ、位置合わせすることでボルトBの位置を決定する。この際、仮止め孔23a、33に挿通した仮止めボルト(図示略)によりマンホール2の内壁に対して仮止めするようにしても良い。
【0112】
そして、マンホール2の内壁において決定された位置に予めボルトBを打ち込み、その後、図14(b)に示すように、挿通孔302、303の円孔にボルトBの頭部を挿通させて継手本体310と一体化したスペーサ330の取付面330bをマンホール2の内壁に当接させ、図14(c)に示すように、内副管継手301全体を下方にスライドさせることで、取付部321における挿通孔302の長孔の周辺にボルトBの頭部が支持され、内副管継手301がマンホール2の内壁に取り付けられる。尚、1号マンホール2aに取り付ける場合には、スペーサ330を用いず、継手本体310の取付部321における取付面321aをマンホール2aの内壁に当接させ、位置合わせすることでボルトBの位置を決定し、マンホール2aの内壁において決定された位置に予めボルトBを打ち込み、その後、挿通孔302の円孔にボルトBの頭部を挿通させて継手本体310の取付部321における取付面321aをマンホール2aの内壁に当接させ、内副管継手301全体を下方にスライドさせれば良い。
【0113】
これにより、内副管継手301をマンホール2の内壁から一度離した状態で、ボルトBを打ち込む作業を行うことが可能となる。
【0114】
[変形例4について]
変形例4の内副管継手401では、図15(a)(b)((b)は(a)のE-E断面図)に示すように、縦管部411の側壁が取付部421に接続され、取付部421の一部が縦管部411の排水流入口419側の壁を構成する断面略半楕円形状に形成されている。また、縦管部411は、内副管継手1の継手本体10のように延設管部18を備えず、縦管部411に直接、排水流入口419が形成される。縦管部411の下部11bは、内副管継手1の縦管部11と同様に、排水流入口419の下端部よりも下方の位置から幅寸法が下方に向かって漸次幅狭となるテーパ状に形成される一方、奥行寸法が略同寸のまま下方に向かって変化せず、幅寸法及び奥行寸法が排水管3の外径よりも小さい断面円形状に縮径され、その下方に副管接続部413が形成される。
【0115】
このような構成とすることで、取付部421の一部が縦管部411の排水流入口419側の壁を構成することから、取付部421と繋がる延設管部を必要とせず、材料の少量化を図れるうえに、継手本体410の奥行幅が小さくなり、内副管継手401が設置されたマンホール2内の作業スペースを確保することができる。
【0116】
[変形例5について]
本実施例の内副管継手1では、図16(a)に示すように、継手本体10における延設管部18の内周底面の一部に縦管部11の内周面に向かって延びるように切り欠かれた形状の凹欠部20が形成される構成であるが、図16(b)に示すように、継手本体10における延設管部18の内周底面の全体にわたり縦管部11の内周面に向かって延びるように切り欠かれた形状の凹欠部20’が形成されていても良い。
【0117】
[変形例6について]
本実施例のスペーサ30は一体に成形される構成であるが、変形例6のスペーサ630は、図17に示すように、上下に分離する2ピース構造である。スペーサ630は、図17(a)(b)に示すように、上部スペーサ部材631と、下部スペーサ部材632と、から構成される。
【0118】
上部スペーサ部材631は、下部取付面側に切欠631aが形成されており、切欠631aの下端部には、継手本体10とは反対側に突出する凸部631bが形成される。一方、下部スペーサ部材632は、上部非取付面側に切欠631aと略同形状の切欠632aが形成されており、切欠532aの下端部には、凸部631bと略同形状の凹部632bが形成される。また、下部スペーサ部材632には、左右両側に、スペーサ30と同形状の2対の係止片635、635が継手本体10側に向かって形成されている。
【0119】
そして、図17(c)に示すように、上部スペーサ部材631の切欠631aを下部スペーサ部材632の切欠632aに組み付けることで、凸部631bが凹部632bに嵌合し、一体のスペーサ630となる。
【0120】
また、係止片635は、上部非取付面側に切欠632aが形成された下部スペーサ部材632に設けられているため、スペーサ630を継手本体10の取付部21に組み付け、取付部21の両側が係止爪35aにより係止されることで、上部スペーサ部材631の下部が下部スペーサ部材632の上部非取付面側と取付部21によって挟持されるとともに、凸部631bが凹部632bに嵌合しており、上下方向への分離も規制されるため、上部スペーサ部材631と、下部スペーサ部材632と、継手本体10と、が一体に組み付けられ、上部スペーサ部材631と、下部スペーサ部材632と、が分離してしまうことがない。
【0121】
このような構成とすることで、スペーサ630は、上下に分離可能な2ピース構造であるため、マンホール2の開口6が狭い場合でも、スペーサ630を分割することで簡単に内部に持ち込むことができる。尚、変形例6では、スペーサ630が上下に分離可能な2ピース構造であるが、左右に分離可能な2ピース構造としても良いし、3ピース以上に分割可能な構成としても良く、このような構成においても、スペーサ630を分割することで簡単にマンホール2の内部に持ち込むことができる。
【0122】
[変形例7について]
本実施例のスペーサ30は合成樹脂製であるが、ゴム等の可撓性を有する材質の部材にて形成しても良く、このような構成とすることで、マンホール2の開口6が狭い場合でも、スペーサ630を分割することで簡単に内部に持ち込むことができる。
【符号の説明】
【0123】
1 内副管継手
2 マンホール
3 排水管(流入管)
10 継手本体
11 縦管部
13 副管接続部
13a 排水流出口(流出口)
14 点検口部
14a 点検口
15 点検口蓋
18 延設管部
19 排水流入口(流入口)
20 凹欠部
21 取付部
30 スペーサ
図1
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