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  • 特開-試料採取装置 図1
  • 特開-試料採取装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023020538
(43)【公開日】2023-02-09
(54)【発明の名称】試料採取装置
(51)【国際特許分類】
   E02D 1/02 20060101AFI20230202BHJP
【FI】
E02D1/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021125949
(22)【出願日】2021-07-30
(71)【出願人】
【識別番号】521335786
【氏名又は名称】株式会社アリックス
(74)【代理人】
【識別番号】100167184
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 真一郎
(72)【発明者】
【氏名】三田 義徳
【テーマコード(参考)】
2D043
【Fターム(参考)】
2D043AA01
2D043AC01
2D043BA08
2D043BB09
(57)【要約】
【課題】より堅い地層にも使用できること。
【解決手段】開口211を有し締めることにより開口211を塞ぐネジが配置されるヘッド部2と、ヘッド部2に連続して設けられる外管4と、外管4内に収容され、内部に試料が蓄えられる内管3と、外管4のヘッド部2と反対側に配置され、内管3を外管4内に支持するシュー部5と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を有し、締めることにより前記開口を塞ぐネジが配置されるヘッド部と、
前記ヘッド部に連続して設けられる外管と、
前記外管内に収容され、内部に試料が蓄えられる内管と、
前記外管の前記ヘッド部と反対側に配置され、前記内管を前記外管内に支持するシュー部と、
を有することを特徴とする試料採取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は試料採取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
建築物の構造設計に使用する目的等のため、地面から試料を採取して室内土質試験をすることが知られている。
【0003】
試料を採取するサンプラーとしては、例えばアウターヘッドと、アウターヘッドの先端側に第一軸受を介して回転自在に結合したスライドユニットと、スライドユニットの先端側に結合したインナーヘッドと、アウターヘッドの先端側に結合した外管と、インナーヘッド30の先端側に結合した内管と、を備え、スライドユニットは、シャフトガイドと、スライドシャフトと、スプリングと、を有し、内管のアウターヘッドに対する供回り防止機能及び伸縮機能を、第一軸受及びスライドユニットに分担させたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-14707号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
埋土や礫混じり土でサンプラーを使用すると、現状のサンプラーでは採取が不可能であったりライナーが変形して試料の採取が困難な地層も多くあった。
1つの側面では、本発明は、今までのサンプラーでは採取が困難であった礫混り土・埋土・盛土や堅い地層にも使用できることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、開示の試料採取装置が提供される。この試料採取装置は、開口と、締めることにより開口を塞ぐネジとを有するヘッド部と、ヘッド部に連続して設けられる外管と、外管内に収容され、内部に試料が蓄えられる内管と、外管のヘッド部と反対側に配置され、内管を外管内に支持するシュー部と、を有している。
【発明の効果】
【0007】
1態様では、より堅い地層にも使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態の試料採取装置を示す図である。
図2】実施の形態の試料採取装置の分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態の試料採取装置を、図面を参照して詳細に説明する。
【0010】
以下の図面等において示す各構成の位置、大きさ、形状、範囲などは、発明の理解を容易にするため、実際の位置、大きさ、形状、範囲などを表していない場合がある。このため、本発明は、必ずしも、図面等に開示された位置、大きさ、形状、範囲等に限定されない。
実施の形態において単数形で表される要素は、文面で明らかに示されている場合を除き、複数形を含むものとする。
<実施の形態>
図1は、実施の形態の試料採取装置を示す図である。図2は、実施の形態の試料採取装置の分解図である。
実施の形態の試料採取装置1は、ロッド部22と、ヘッド部2と、外管3と、内管4と、シュー部5とを有している。
【0011】
ロッド部22は、外管3と図示しない打撃装置を接続する。ロッド部22の長手方向の長さは例えば50cm程度であり、複数の水抜き・エアー抜き穴221が形成されている。
【0012】
ヘッド部2は、1つまたは複数の水抜き・エアー抜き穴211を有している。ヘッド部2内には、ネジ212が配置されている。ネジ212を締めることにより水抜き・エアー抜き穴211が閉塞する。ネジ212は、ロッド部22を時計回りに回転させることにより締めることができる(全て締めると真空になる)。
外管3は、ヘッド部2に連続して設けられている。外管3の構成材料としては例えば鉄材が挙げられる。
【0013】
内管4は、外管3内に収容される。内管4の構成材料としては例えば特注塩化ビニール管やステンレスライナーと同等の外径・内径長さも同じものが挙げられる。なお、内管4の端部は外管3から外部にはみ出す長さであり、約1mである。
【0014】
シュー部5は、外管4のヘッド部2と反対側に配置されている。シュー部5の径は、外管4の径と同じで、約89.6mmである。シュー部5の内径は、内管3の内径と同じ基本75mmだが地層によって内径φ74mm・φ73mmなどを使い分ける。
シュー部5は、内管3を外管4内に支持する。シュー部5と外管4との接続方法はネジ式である。
【0015】
次に、試料採取装置1の使用方法の一例を説明する。なお、以下の説明にて説明していない部分については、JIS A 1219に記載の方法を参照することができる。
(1)ボーリング調査用の機械を用い、試料(埋土や礫混じり土等)のサンプリング予定深度まで地盤を掘削する。
【0016】
(2)試料採取装置1を採取予定の深度まで下ろす。油圧式のボーリングマシンであれば油圧を用いて試料採取装置1を圧入する。圧入が困難な地層の場合、打撃を用いて挿入する。このとき基端部のネジ212は緩めておく。これにより、内管3内に試料が入る。
【0017】
(3)予定深度の試料の採取が終了すると、パイプレンチ等(図示せず)を用いてロッド部22を時計回りに回転させてネジを締める。これにより開口211が閉塞され内管4内が真空になる。ゆっくりと試料採取装置1を引き上げる。
【0018】
以上述べたように、実施の形態の試料採取装置1によれば、開口211を有し締めることにより開口211を塞ぐネジ212が配置されるヘッド部2と、ヘッド部2に連続して設けられる外管4と、外管4内に収容され、内部に試料が蓄えられる内管3と、外管4のヘッド部2と反対側に配置され、内管3を外管4内に支持するシュー部5と、を有する。従って、強度が増し外管4の変形を抑制し、今まで採取が困難であった地層でも試料を採取することができる。
【0019】
以上、本発明の試料採取装置を、図示の実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物や工程が付加されていてもよい。
また、本発明は、前述した各実施の形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【符号の説明】
【0020】
1 試料採取装置
2 ヘッド部
3 内管
4 外管
5 シュー部
22 ロッド部
211 水抜き・エアー抜き穴
212 ネジ部
図1
図2