(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023020626
(43)【公開日】2023-02-09
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
F25D 29/00 20060101AFI20230202BHJP
F25D 23/00 20060101ALI20230202BHJP
F25D 27/00 20060101ALI20230202BHJP
F25D 11/00 20060101ALI20230202BHJP
【FI】
F25D29/00 Z
F25D23/00 301K
F25D23/00 307
F25D23/00 305G
F25D27/00
F25D11/00 101A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021126104
(22)【出願日】2021-07-30
(71)【出願人】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100180644
【弁理士】
【氏名又は名称】▲崎▼山 博教
(72)【発明者】
【氏名】淡路 雄一
(72)【発明者】
【氏名】小野 恭裕
【テーマコード(参考)】
3L045
3L345
【Fターム(参考)】
3L045AA02
3L045AA05
3L045BA01
3L045LA15
3L045LA16
3L045LA18
3L045NA10
3L045PA01
3L045PA02
3L045PA03
3L045PA04
3L345AA02
3L345AA21
3L345AA24
3L345AA26
3L345DD58
3L345HH13
3L345JJ02
3L345JJ14
3L345KK01
3L345KK02
3L345KK03
3L345KK04
(57)【要約】
【課題】庫内照明の配置に制限を加えることなく物品収容部の内部を撮影した画像に暗く見えづらい箇所が形成されるのを抑制可能でありつつ、動作制御を行いやすい冷蔵庫の提供を目的とする。
【解決手段】冷蔵庫10は、物品を収容可能な冷蔵室26、及び冷蔵室26を開閉するための扉32を備えた冷蔵庫本体20と、冷蔵室26の内部を撮影する撮影ユニット60と、を有する。また、撮影ユニット60は、冷蔵室26の内部を撮影する撮影部62と、撮影対象に対して光を供給する発光部66とを備えている。冷蔵庫10は、発光部66が撮影部62の周囲に配されたものとされているいるため、十分な光量で冷蔵庫本体20の内部を照明した状態で撮影を行うことができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を収容可能な物品収容部、及び前記物品収容部を開閉するための扉を備えた冷蔵庫本体と、
前記物品収容部の内部を撮影する撮影ユニットと、
を有し、
前記撮影ユニットが、
前記物品収容部の内部を撮影する撮影部と、
撮影対象に対して光を供給する発光部と、
を備え、
前記発光部が、前記撮影部の周囲に配されていること、を特徴とする冷蔵庫。
【請求項2】
前記発光部が、
前記撮影部の周囲に設けられる複数の発光体と、
光を透過しつつ拡散可能な拡散部と、
を有し、
前記拡散部が、前記発光体から発せられる光の進行方向に前記発光体に対して隣接する位置に配置されていること、を特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記扉において前記物品収納部側に向く面に、物品を収納可能な収納棚が設けられており、
前記撮影ユニットが、前記収納棚の下方側に配置されていること、を特徴とする請求項1又は2に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記撮影ユニットが、
前記撮影部が実装される撮影部基板と、
複数の前記発光部が実装される発光部基板と、
を有し、
前記発光部基板が、複数の前記発光部によって囲まれた挿通部を有し、
前記撮影部が、前記挿通部に挿通されていること、を特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記扉において前記物品収納部側に向く面に前記撮影ユニットが設けられるとともに、当該撮影ユニットよりも下方側に、物品を収納可能な下方側収納棚が設けられており、
前記撮影部が、斜め下方に向けて配置されていること、を特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項6】
前記撮影ユニットの少なくとも一部を収容する撮影ユニット収容部を有し、
前記撮影ユニット収容部が、前記扉において前記物品収納部側に向く面から突出するように設けられていること、を特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項7】
前記撮影ユニットに対して電気的に接続された配線と、
前記扉を前記物品収容部に対して開閉自在に連結する連結部と、
を有し、
前記配線が、前記物品収容部側から前記連結部を経て、前記扉の内部を通る経路で前記撮影ユニットに対して接続されていること、を特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、下記特許文献1に開示されているように、貯蔵庫内を照らす庫内照明と、貯蔵庫内を撮影するカメラと、を備えた冷蔵庫が提供されている。この冷蔵庫において、庫内照明は、カメラより貯蔵庫の奥側に設けられるとともに、庫内照明からの直接光が入射しないように配置されている。またカメラは、庫内照明が点灯した状態で貯蔵庫の内部の撮影を行うものとされている。特許文献1の冷蔵庫は、扉が閉じられたことに基づき、庫内照明の照度を低下したうえで撮影を実行するものとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上述した特許文献1に係る冷蔵庫は、貯蔵庫内を撮影する際に、庫内照明を利用する必要があるため、庫内照明の配置が制限されるという問題があった。また、特許文献1の冷蔵庫は、カメラと庫内照明が離れた位置にあるため、冷蔵庫内を撮影したときに影が写り込み、冷蔵庫内部の画像に暗く見えづらい箇所ができるという問題があった。さらに、特許文献1の冷蔵庫は、扉の開閉に連動して作動する庫内照明のオンオフのタイミングに連動させてカメラを作動させる必要があり、制御が複雑になるという問題があった。
【0005】
そこで本発明は、庫内照明の配置に制限を加えることなく物品収容部の内部を撮影した画像に暗く見えづらい箇所が形成されるのを抑制可能でありつつ、動作制御を行いやすい冷蔵庫の提供を目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)上述した課題を解決すべく提供される本発明の冷蔵庫は、物品を収容可能な物品収容部、及び前記物品収容部を開閉するための扉を備えた冷蔵庫本体と、前記物品収容部の内部を撮影する撮影ユニットと、を有し、前記撮影ユニットが、前記物品収容部の内部を撮影する撮影部と、撮影対象に対して光を供給する発光部と、を備え、前記発光部が、前記撮影部の周囲に配されていること、を特徴とするものである。
【0007】
本発明の冷蔵庫は、物品収容部の内部を撮影する撮影部と、撮影対象に対して光を供給する発光部とを備えた撮影ユニットを備えている。そのため、本発明の冷蔵庫は、例えば冷蔵庫本体の内部(庫内)を照明するために別途設けられる庫内照明の配置に制限を加える等することなく、撮影ユニット単独で冷蔵庫本体の内部を照明して影が写りにくい状態で撮影できる。また、本発明の冷蔵庫は、発光部が、撮影部の周囲に配されたものとされている。そのため、本発明の冷蔵庫は、十分な光量で冷蔵庫本体の内部を照明した状態で撮影を行うことができ、物品収容部の内部を撮影した画像に暗く見えづらい箇所が形成されるのを抑制できる。
【0008】
さらに、本発明の冷蔵庫は、冷蔵庫本体の内部(庫内)を照明するの庫内照明等によらず、撮影ユニットが備えている発光部によって照明した状態で撮影部による撮影を行える。そのため、本発明の冷蔵庫は、撮影ユニットの動作制御を行えば最適な光量で物品を照明した状態で撮影できる。従って、本発明の冷蔵庫は、従来技術のように庫内照明等の動作に連動するように撮影部の制御を行わなくても良い分だけ、従来技術の冷蔵庫に比べて動作制御を行いやすい。
【0009】
(2)本発明の冷蔵庫は、前記発光部が、前記撮影部の周囲に設けられる複数の発光体と、光を透過しつつ拡散可能な拡散部と、を有し、前記拡散部が、前記発光体から発せられる光の進行方向に隣接する位置に配置されていること、を特徴とするものであると良い。
【0010】
本発明の冷蔵庫は、発光部が撮影部の周囲に設けられる複数の発光体を備えたものとされている。そのため、本発明の冷蔵庫は、十分な光量を確保した状態で冷蔵庫本体の内部を撮影できる。また、本発明の冷蔵庫は、光を透過しつつ拡散可能な拡散部を備えるとともに、当該拡散部を発光体から発せられる光の進行方向に隣接する位置に配置したものとされている。そのため、本発明の冷蔵庫は、拡散部を通じて発せられる拡散光によって冷蔵庫本体の内部に十分に光を行き渡らせた状態で鮮明に撮影することができる。
【0011】
(3)本発明の冷蔵庫は、前記扉において前記物品収納部側に向く面に、物品を収納可能な収納棚が設けられており、前記撮影ユニットが、前記収納棚の下方側に配置されていること、を特徴とするものであると良い。
【0012】
本発明の冷蔵庫は、かかる構成とされているため、撮影ユニットが物品収容部側に突出するのを抑制できる。これにより、本発明の冷蔵庫は、冷蔵庫本体の内部を撮影可能としつつ、冷蔵庫本体の内部スペースを有効活用できる。
【0013】
(4)本発明の冷蔵庫は、前記撮影ユニットが、前記撮影部が実装される撮影部基板と、複数の前記発光部が実装される発光部基板と、を有し、前記発光部基板が、複数の前記発光部によって囲まれた挿通部を有し、前記撮影部が、前記挿通部に挿通されていること、を特徴とするものであると良い。
【0014】
本発明の冷蔵庫において、撮影ユニットは、撮影部基板及び発光部基板が個別に設けられたものとされている。これにより、本発明の冷蔵庫は、撮影ユニットに設けられる基板の大型化や、これに伴う撮影ユニットの大型化を抑制できる。また、本発明の冷蔵庫において、撮影ユニットは、発光部基板に設けられた挿通部に撮影部を挿通したものとされている。これにより、本発明の冷蔵庫は、撮影ユニットをコンパクトなものとすることができる。さらに、本発明の冷蔵庫においては、発光部基板に設けられた挿通部の周りに複数の発光部が配されると共に、挿通部に撮影部が挿通されている。これにより、本発明の冷蔵庫は、撮影部における撮影のために十分な光量を確保することができる。
【0015】
(5)本発明の冷蔵庫は、前記扉において前記物品収納部側に向く面に前記撮影ユニットが設けられるとともに、当該撮影ユニットよりも下方側に、物品を収納可能な下方側収納棚が設けられており、前記撮影部が、斜め下方に向けて配置されていること、を特徴とするものであると良い。
【0016】
本発明の冷蔵庫は、かかる構成とすることにより、物品収容部の内部に加え、下方側収納棚の内部についても撮影ユニットによる画角の範囲内に納めることができる。これにより、本発明の冷蔵庫は、物品収容部及び下方側収納棚に収容されている物品を撮影することができる。
【0017】
(6)本発明の冷蔵庫は、前記撮影ユニットの少なくとも一部を収容する撮影ユニット収容部を有し、前記撮影ユニット収容部が、前記扉において前記物品収納部側に向く面から突出するように設けられていること、を特徴とするものであると良い。
【0018】
本発明の冷蔵庫は、かかる構成とされているため、扉の内部に撮影ユニット全体を内蔵させる必要がない。これにより、本発明の冷蔵庫は、扉の断熱性能の低下を抑制しつつ、撮影ユニットを設けることができる。
【0019】
(7)本発明の冷蔵庫は、前記撮影ユニットに対して電気的に接続された配線と、前記扉を前記物品収容部に対して開閉自在に連結する連結部と、を有し、前記配線が、前記物品収容部側から前記連結部を経て、前記扉の内部を通る経路で前記撮影ユニットに対して接続されていること、を特徴とするものであると良い。
【0020】
本発明の冷蔵庫は、かかる構成とされているため、撮影ユニットに対して接続される配線が露出するのを抑制できる。
【0021】
ここで、本発明の冷蔵庫において、扉の開操作や閉操作が行われると、物品収容部に対して物品の出し入れがなされる可能性がある。そのため、扉の開操作や閉操作が行われることを条件として物品収容部の内部を撮影すれば、物品収容部における物品の収容状態を適確に把握できる。また、本発明の冷蔵庫において、撮影ユニットに常時電力を供給して撮影を行うと、消費電力の増大や、冷却性能の低下等の問題が生じかねない。そのため、本発明の冷蔵庫は、扉の開閉操作に連動して所定のタイミングで撮影ユニットへの電力供給を開始し、その後適切なタイミングにおいて撮影ユニットへの電力供給を停止するものであると良い。
【0022】
(8)かかる知見に基づけば、本発明の冷蔵庫は、前記撮影ユニットに給電する給電部を有し、前記撮影ユニットが、前記給電部による給電を受けて動作するものであり、前記給電部が、前記扉の開操作あるいは閉操作が行われることを条件として前記撮影ユニットへの電力供給を開始し、電力供給開始から一定時間経過後に電力供給を停止すること、を特徴とするものであると良い。
【0023】
本発明の冷蔵庫は、扉の開操作及び閉操作のいずれか一方又は双方が行われることを条件として、給電部から撮影ユニットへの給電を行うこととしている。これにより、扉の開操作や閉操作が行われた後の状態を撮影できる。また、本発明の冷蔵庫は、扉の開閉を行わない限り給電されることがないため、撮影ユニットに常時通電する構成に比べて撮影ユニットの発熱が少ない。これにより、本発明の冷蔵庫は、撮影ユニットの動作に伴う消費電力の増大や冷却性能の低下を最小限に抑制できる。
【0024】
ここで、高齢者の一人暮らしが増えるなどして、離れて暮らす家族の安否を見守りたいという要望がある。かかる要望に応えるべく、従来技術においては、例えば登実3159195号公報に開示されている高齢者見守りシステムのような様々な装置やサービスが提供されている。しかしながら、このような装置やシステムにより見守りを行うためには、当該装置等を別途導入したり、当該装置等の操作をわざわざ行わねばならないという問題があった。
【0025】
かかる課題を解決すべく本発明者らが鋭意検討したところ、冷蔵庫は生活者が日常的に使用するものであるため、冷蔵庫の使用状況を把握することにより、特別な装置を設置したり、特別な操作を行ったりしなくても、生活者に異常が生じていないかを把握できるのではないかとの知見に至った。
【0026】
(9)かかる知見に基づいて提供される本発明の冷蔵庫は、前記扉の開閉操作に連動して撮影を行うように前記撮影ユニットの動作を制御する撮影制御部と、前記撮影ユニットによる撮影履歴に基づいて前記扉の開閉操作履歴を記憶する履歴記憶部と、前記履歴記憶部に記憶されている過去における前記扉の開閉操作履歴に基づいて前記扉の開閉パターンを予測開閉パターンとして導出する開閉予測部と、前記扉の前記開閉操作に係る実際の開閉パターンである実開閉パターン、及び前記予測開閉パターンの差異に基づいて、生活者の異常判定を行う異常判定部と、を有することを特徴とするものであると良い。
【0027】
本発明の冷蔵庫は、かかる構成とされているため、実際の扉の開閉パターン(実開閉パターン)と、扉の開閉操作の履歴に基づいて予測される扉の開閉パターン(予測開閉パターン)との差異に基づき、異常判定部によって生活者の異常判定を行うことができる。これにより、本発明の冷蔵庫は、特別な装置を設置したり、特別な操作を行ったりしなくても、生活者に異常が生じていないかを把握するために活用できる。
【0028】
ここで、上述した従来技術の冷蔵庫は、扉が閉じられたときに撮影を実行するものとされている。しかしながら、例えば買い物前や食事の準備前等、適宜のタイミングにおいて撮影できるようにすれば、利便性が向上するものと考えられる。
【0029】
(10)かかる知見に基づけば、本発明の冷蔵庫は、前記扉の開閉操作の有無によらず前記撮影ユニットによる撮影を行うための予約を受け付ける撮影予約設定部を有し、前記撮影予約設定部に設定された予約に基づいて前記撮影ユニットによる撮影が行われること、を特徴とするものであると良い。
【0030】
本発明の冷蔵庫は、かかる構成とされているため、撮影予約設定部において設定された予約に基づいて撮影ユニットによる撮影を行うことができる。これにより、例えば買い物前や食事の準備前等の撮影を予約したタイミングにおける物品の在庫状況を確認でき、利便性が向上する。
【0031】
ここで、上述した従来技術の冷蔵庫は、庫内を撮影することができるものの、庫内にある物品の在庫情報まで把握できるものではない。しかしながら、庫内にある物品の在庫情報を取得できれば、より一層利便性が向上するものと期待できる。
【0032】
(11)かかる知見に基づけば、本発明の冷蔵庫は、前記撮影ユニットにより撮影された画像の解析により、前記冷蔵庫本体内に収容されている物品の在庫情報を取得可能な在庫情報取得部を有すること、を特徴とするものであると良い。
【0033】
本発明の冷蔵庫は、かかる構成とされているため、撮影ユニットによって撮影された画像を活用して冷蔵庫本体内に収容されている物品の在庫情報を取得することができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、庫内照明の配置に制限を加えることなく物品収容部の内部を撮影した画像に暗く見えづらい箇所が形成されるのを抑制可能でありつつ、動作制御を行いやすい冷蔵庫を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】本発明の一実施形態に係る冷蔵庫を示す斜視図である。
【
図2】
図1の冷蔵庫の扉を開いた状態を示す斜視図である。
【
図4】
図1の冷蔵庫が備える扉及び撮影ユニットを示した斜視図である。
【
図5】
図1の冷蔵庫が備える扉に設置された撮影ユニット収容部に対して撮影ユニットを取り付ける前の状態を示した斜視図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係る冷蔵庫において撮影ユニットによって撮影される画像の一例を示した図である。
【
図10】本発明の一実施形態に係る冷蔵庫の構成を示したブロック図である。
【
図11】本発明の一実施形態に係る冷蔵庫にいて庫内の画像を撮影する際の動作の流れを示したタイミングチャートである。
【
図12】第一変形例に係る冷蔵庫の構成を示したブロック図である。
【
図13】第一変形例に係る冷蔵庫の動作を示したフローチャートである。
【
図14】第二変形例に係る冷蔵庫の構成を示したブロック図である。
【
図15】第二変形例に係る冷蔵庫の動作を示したフローチャートである。
【
図16】第三変形例に係る冷蔵庫の構成を示したブロック図である。
【
図17】第三変形例に係る冷蔵庫の動作を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の一実施形態に係る冷蔵庫10、及び当該冷蔵庫10を活用して構築される冷蔵庫システム100について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明においては、先ず冷蔵庫10の構成について概略を説明した後、冷蔵庫10の特徴部分、及び冷蔵庫システム100について詳細に説明する。なお、以下の説明において、上下左右や正面、背面等の位置関係は、特に断りのない限り、冷蔵庫10を通常に設置した状態を基準にして説明する。
【0037】
≪冷蔵庫10の概略構成について≫
図1~
図3に示すように、冷蔵庫10は、冷蔵庫本体20、冷却装置40、本体制御装置50等に加え、撮影ユニット60や、給電部80を備えている。冷蔵庫本体20は、筐体22に設けた仕切部24により庫内を仕切ることにより、食品等の物品を収容する物品収容部として形成された冷蔵室26及び冷凍室28からなる二つの貯蔵室を有する。冷蔵庫10は、後に詳述する冷却装置40により冷蔵庫本体20の内部温度(庫内温度)を所定の低温状態に調整し、冷蔵庫本体20内に収容された食品等の収容対象物を低温雰囲気下において保管できる。
【0038】
筐体22は、前方に向けて開口するように形成された筐体本体30と、筐体本体30の前方側に設けられた扉32とを有する。筐体本体30は、外装部34及び内箱(内装部)36の間に断熱材38を充填した構成とされている。
【0039】
外装部34は、筐体本体30の外装を構成し、前方に開口するように設けられた箱状の部材である。外装部34は、例えば鉄板等の金属により形成されている。また、内箱36は、筐体本体30の内装を構成するものであり、外装部34の内部に配されている。内箱36は、例えばABS等の樹脂により形成されている。
【0040】
内箱36は、単一であっても良いが、庫内に形成される貯蔵室の数に応じて複数設けることも可能である。本実施形態では、内箱36として、冷蔵室26を構成するための冷蔵室内箱36a、及び冷凍室28を構成するための冷凍室内箱36bの二つが設けられている。冷蔵室内箱36a、及び冷凍室内箱36bは、それぞれ外装部34の外周面から所定の間隔だけ離れた位置に配置されている。また、冷蔵室内箱36a、及び冷凍室内箱36bは、上下方向に所定の間隔だけ離れた位置に配置されている。
【0041】
断熱材38は、外装部34と内箱36との間における伝熱を抑制すべく、両者の間に充填された断熱性を有する部材である。断熱材38は、例えば硬質ウレタン等の発泡性樹脂等とすることができる。断熱材38は、外装部34と内箱36との間に充填されている。具体的には、断熱材38は、外装部34と冷蔵室内箱36aとの間、外装部34と冷凍室内箱36bとの間、及び冷蔵室内箱36aと冷凍室内箱36bとの間等に充填されている。
【0042】
仕切部24(
図3参照)は、筐体本体30の内部に形成される複数の貯蔵室を仕切るためのものである。本実施形態では、上下に配置された冷蔵室26及び冷凍室28の間に仕切部24が設けられている。仕切部24は、冷蔵室26を構成する冷蔵室内箱36aの壁面(本実施形態では底面)、及び冷凍室28を構成する冷凍室内箱36bの壁面(本実施形態では天面)と、両者の間に充填された断熱材38とによって構成されている。
【0043】
冷蔵室26は、上述した冷蔵室内箱36a、及び後述の扉32(扉32a)によって形成される貯蔵室である。冷蔵室26は、例えば食品等の収容対象物を収容するための空間である。冷蔵室26は、後に詳述する冷却装置40を作動させることにより、庫内温度を冷蔵に適した所定の低温雰囲気となるように調整可能とされている。
【0044】
冷凍室28は、上述した冷凍室内箱36b、及び後述の扉32(扉32a)によって形成される貯蔵室である。冷凍室28は、例えば食品等の収容対象物を、上述した冷蔵室26よりも低温雰囲気下において収容するための空間である。冷凍室28は、後に詳述する冷却装置40を作動させることにより、庫内温度を冷凍に適した所定の低温雰囲気となるように調整可能とされている。すなわち、冷凍室28は、冷却装置40を作動させることにより、摂氏0度以下の低温雰囲気になるように調整可能とされている。
【0045】
扉32は、筐体本体30の正面側に設けられた開口部分を閉塞し、貯蔵室(本実施形態では冷蔵室26及び冷凍室28)を開閉するためのものである。本実施形態では、冷蔵室26及び冷凍室28からなる二つの貯蔵室(物品収容部)が設けられているのに対応して、二つの扉32a,32bが設けられている。扉32は、例えば、筐体本体30の幅方向一方側に設けられたヒンジ等により開閉可能とされた片開き状のもの、幅方向両側に設けられた連結部により開閉可能とされた観音開き状のもの、レール等を介して開閉可能とされたスライド式のもの等、適宜のものとすることができる。本実施形態では、扉32は、筐体本体30の幅方向一方側に設けられたヒンジ等により構成された連結部33を介して開閉可能とされた片開き状のものとされている。
【0046】
冷蔵室26や冷凍室28、扉32には、例えば引き出し式やポケット式の収容容器、棚板等の部材を配置することが可能である。本実施形態においては、
図3に示すように、冷凍室28内に引き出し式の収容容器28a,28bが設けられている。また、冷蔵室26を開閉するための扉32aにおいて、冷蔵室26の内側を向く面には、ポケット式の収納棚37が設けられている。扉32aに設けられた収納棚37は、例えば、調味料や飲料等を収容可能なものとされている。また、本実施形態では、収納棚37として、上方側収納棚37a、及び下方側収納棚37bが設けられている。上方側収納棚37aは、後に詳述する撮影ユニット60よりも上方側において物品を収納可能な棚として設けられている。また、下方側収納棚37bは、撮影ユニット60よりも下方側において物品を収納可能な棚として設けられている。
【0047】
また、
図3に示すように、扉32には、扉開閉検知装置35を構成する被検知体35aが設けられている。具体的には、扉開閉検知装置35は、扉32の開閉を検知する検知装置である。扉開閉検知装置35は、一般的なマグネット方式のスイッチによって構成されている。具体的には、扉開閉検知装置35は、例えば、磁石を被検知体35aとし、磁石の近接を検知可能なリードスイッチを検知体35bとして備えたものとすることができる。本実施形態では、被検知体35aとして機能する磁石を扉32に設けると共に、筐体本体30において扉32が閉状態となったときに被検知体35aに対応する位置に検知体35bとして機能するリードスイッチを設けた構成とされている。
【0048】
冷却装置40は、冷蔵庫本体20に設けられた貯蔵室の温度(庫内温度)を所定の低温状態にするためのものである。冷却装置40は、例えば冷蔵庫本体20の背面側や天面側、底面側等、適宜の場所に配置することができる。本実施形態では、
図3に示すように、冷蔵庫本体20の背面側であって、冷凍室28の背後に設けられた空間内に冷却装置40が配置されている。冷却装置40は、従来公知のものと同様に、圧縮機、コンデンサと、放熱パイプと、キャピラリーチューブと、冷却器とを順次環状に接続したものに冷媒を封入した冷凍サイクルを備えている。冷却装置40は、冷蔵室26及び冷凍室28との間で気流を循環可能なように接続されている。また、冷却装置40は、送風ファンを備えている。そのため、冷却装置40は、冷却器において生成された冷気を冷蔵室26や冷凍室28等の貯蔵室に供給することにより、各貯蔵室を所定の低温雰囲気に調整可能とされている。
【0049】
冷却装置40は、冷蔵庫本体20に設けられた本体制御装置50により動作制御される。本体制御装置50は、冷蔵室26及び冷凍室28の庫内温度に応じて冷凍サイクルをなす各部材や送風ファンを作動させることにより、冷蔵室26及び冷凍室28を所定の設定温度になるように制御することができる。
【0050】
本体制御装置50は、冷蔵庫10を構成する冷却装置40等の各部についての動作制御を行うものである。
図10に示すように、本体制御装置50は、冷蔵庫10を構成する各部に対して通信可能なように接続されている。具体的には、本体制御装置50は、上述したように冷却装置40の動作制御を行うことにより、冷蔵室26や冷凍室28の温度調整を行う。また、本体制御装置50は、扉32が開状態のまま所定の開許容時間を越えて放置された場合に、ユーザに対して扉32を閉じるように警告を行うことができる。さらに詳細には、本体制御装置50は、扉開閉検知装置35による検知信号に基づき、扉32が開状態であるのか閉状態であるのかを把握することができる。また、本体制御装置50は、冷蔵庫本体20に設けられた警報装置52(
図10参照)に対して電気的に接続されている。警報装置52は、例えばブザー等によって構成されている。本体制御装置50は、扉開閉検知装置35の検知信号に基づき、扉32の開操作が行われた後、開許容時間が経過しても扉32の閉操作が行われないことを条件として、警報装置52を作動させ、ユーザに対して扉32が開状態である旨の警告を行う。また、本体制御装置50は、これらの動作制御に加え、冷蔵庫10の各部の動作の制御も行う。例えば、本体制御装置50は、扉開閉検知装置35による検知信号に基づき、扉32aが開状態であるときに冷蔵室26の内側を照明するための庫内照明26aを点等させ、扉32aが開状態であるときに消灯させる制御等を行う。
【0051】
冷蔵庫10は、上述した冷蔵庫本体20、冷却装置40、本体制御装置50等の構成に加え、撮影ユニット60や給電部80を備えている。撮影ユニット60は、冷蔵庫本体20において食品等の物品を収容する物品収容部として設けられた冷蔵室26の内部の撮影に必要な機器類がユニット化されたものである。また、給電部80は、撮影ユニット60の動作に必要な電力を供給するためのものである。これらの構成について、以下さらに詳細に説明する。
【0052】
≪撮影ユニット60について≫
撮影ユニット60は、上述した冷蔵室内箱36a及び扉32aによって形成された冷蔵室26の内部を撮影して庫内撮影データを生成し、送信するためのものである。
図7や
図8に示すように、撮影ユニット60は、撮影部62、発光部66を備えている。また、
図10に示すように、撮影ユニット60は、入出力部64、受電部68、撮影制御装置70(撮影制御部)等を備えている。撮影ユニット60は、撮影部62、入出力部64、及び発光部66等の構成が連携して動作可能なものとされている。本実施形態では、
図7や
図8に示すように、撮影部62や発光部66等の部材を撮影ユニット筐体60aに組み込んでユニット化することにより、撮影ユニット60が構成されている。また、
図4~
図6に示すように、撮影ユニット60を収容する撮影ユニット収容部72が扉32aに対して取り付けられている。撮影ユニット収容部72の正面側において下方に向けて傾斜した傾斜面72aには、撮影ユニット60を組み込むための開口72bが設けられている。撮影ユニット60は、撮影ユニット筐体60aを開口72bを介して嵌め込むことにより、撮影部62や発光部66が、傾斜面72aと同様に下方に向けて傾斜した状態で設置されている。
【0053】
図3や
図4に示すように、撮影ユニット60は、冷蔵庫10において冷蔵室26の内部を撮影可能な位置に設けられている。具体的には、撮影ユニット60は、扉32aに設けられた収納棚37のうち、上方側収納棚37aの下方側であって、下方側収納棚37bよりも上方側の位置に撮影ユニット収容部72を取り付けることにより配置されている。撮影ユニット収容部72は、扉32aの内面から庫内(冷蔵室26内)に向けて突出するように設けられている。
【0054】
撮影部62は、電力の供給を受けて撮影を行い、撮影データを生成して出力可能なカメラによって構成されている。撮影部62は、扉32a側から冷蔵室内箱36a側に向けて撮影可能なように配置されている。具体的には、撮影部62は、上述した撮影ユニット収容部72内に収容された撮影部基板62aに対して実装されている。撮影部62は、上方側収納棚37aの下方側において、斜め下方に向けて配置されている。また、撮影部62は、給電部80に対して配線を介して電気的に接続されている。配線は、物品収容部として形成された冷蔵室26側から連結部33を経て、扉32の内部を通る経路で撮影ユニット60に接続されている。
【0055】
撮影部62は、電力を供給することにより作動し、冷蔵室26の内側を撮影した撮影データ(庫内撮影データ)を生成して出力可能とされている。また、撮影部62は、例えば、冷蔵室内箱36aによって構成された空間(庫内)の略全体、あるいは冷蔵室内箱36aによって構成された空間のうち特に撮影したい領域等、撮影を行いたい領域が画角に収まるように配置されている。本実施形態では、扉32aに設けられた収納棚37のうち、上方側収納棚37aの下方側であって、下方側収納棚37bよりも上方側の位置に撮影ユニット収容部72を取り付けることにより、撮影部62は、冷蔵室26の内部だけでなく、下方側収納棚37bについても画角に収まるように配置されている。さらに具体的には、撮影部62は、上下方向に約180度の範囲を画角に収めることができると共に、左右方向に冷蔵室26の幅全体が画角に収めることができるものが採用されている。これにより、冷蔵室26の内部を上下左右方向に亘って全体的に画角に納めるとと共に、下方側の領域に撮影部62の下方側にある下方側収納棚37bを上方から見た状態が写った画像を取得可能とされている。また、このような構成とすることにより、例えば
図9に示すような冷蔵室26の内部を撮影した縦長の画像として取得することができる。これにより、例えばスマートフォン等のような上下方向に長いディスプレイを備えた端末において違和感なく確認できる画像を取得できる。
【0056】
撮影部62は、静止画及び動画のいずれか一方又は双方を撮影可能なものとすることができる。撮影部62は、例えばMOTION JPG等の形式からなるストリーミング画像を庫内撮影データとして生成して出力可能なものとされている。
【0057】
入出力部64は、撮影部62に対して電気的に接続されている。また、入出力部64は、撮影部62において生成された庫内撮影データを取得(入力)し、これを冷蔵庫10の外部に設けられた外部機器120に向けて出力可能なものとされている。入出力部64は、有線あるいは無線のいずれかにより撮影部62に対して接続されたものとすることができる。本実施形態では、入出力部64は、冷蔵庫10の外部に設けられた任意の無線アクセスポイント120aを外部機器120として選択して設定することにより、当該無線アクセスポイント120aに向けて庫内撮影データを送信可能とされている。
【0058】
発光部66は、撮影対象に対して光を供給するためのものである。発光部66は、少なくとも撮影部62による撮影期間中に亘って作動することにより、撮影部62による撮影を補助する。発光部66は、通電により発光する発光体66a、発光部基板66b、及び拡散部66cを備えている。発光体66aは、従来公知の電球やLED等を用いることができる。本実施形態では、発光部66の作動に伴う発熱、及びこれに伴う庫内温度の上昇、エネルギー効率の低下等を抑制することを考慮し、発光体66aとしてLEDの発光素子が採用されている。発光部66は、撮影部62による撮影を補助するために適切な色で発光するものを選択すると良い。本実施形態では、発光部66として、白色に発光するものが選択されている。
【0059】
また、発光部66は、冷蔵室26の内側を照明可能であって、撮影部62による撮影に悪影響を及ぼさないように光軸の向きや配置等が調整されている。本実施形態では、発光部66は、複数の発光体66aが撮影部62の周囲を取り囲むように配された状態で発光部基板66bに実装されたものとされている。具体的には、発光部基板66bは、環状の形状とされている。これにより、発光部基板66bは、挿通部66dを有するものとされている。複数の発光体66aは、挿通部66dを取り囲むように配置され、発光部基板66bに実装されている。また、挿通部66dには、上述した撮影部62が挿通されている。これにより、発光部66は、撮影部62の周囲を複数(本実施形態では3個)の発光体66aによって取り囲むとともに、撮影部62の画角の範囲内にある撮影対象物を照明可能なように各発光体66aの向きを調整した状態で実装されている。
【0060】
拡散部66cは、光を透過しつつ拡散可能なものである。拡散部66cは、半透明で板状のものとされている。拡散部66cは、発光体66aから発せられる光の進行方向に向けて、発光体66aに対して隣接する位置に配置されている。
【0061】
受電部68は、給電部80から電力供給を受ける部分である。受電部68には、上述した撮影部62、入出力部64、発光部66、及び撮影制御装置70が電気的に接続されている。これにより、外部から供給された電力を、撮影部62、入出力部64、発光部66、及び撮影制御装置70に供給可能とされている。受電部68は、後に詳述する給電部80に対して電気的に接続可能な受電接続部68aを有する。本実施形態では、受電接続部68aは、USB(Universal Serial Bus)形式の端子によって形成されている。
【0062】
撮影制御装置70は、撮影部62、入出力部64、及び発光部66の動作制御を行うものである。撮影制御装置70は、撮影部62、入出力部64、及び発光部66が連携して動作するように制御することができる。具体的には、撮影制御装置70は、撮影部62及び発光部66を連係動作させることにより、撮影の開始及び終了に連動して発光部66を所定のタイミングでオンオフさせたり、撮影部62及び入出力部64を連携動作させることにより、撮影完了後に庫内撮影データを外部に送信する処理を行ったりすることができる。
【0063】
また、撮影制御装置70は、受電部68において受電した電力を、上述した撮影部62、入出力部64、発光部66に供給するための制御(給電制御)を行うことができる。具体的には、扉32aの開操作及び閉操作のいずれか一方又は双方が行われたタイミングを基準として規定される所定のタイミングに到達するすることを条件として、撮影部62、入出力部64、及び発光部66の動作が開始し、その後所定のタイミングに到達することを条件として、撮影部62、入出力部64、及び発光部66の動作が終了するように給電制御を行う。具体的には、本実施形態の冷蔵庫10においては、扉32aの開操作が行われた後、所定の開許容時間内に扉32aの閉操作が行われないことを条件として警告を発するものとされている。そこで、撮影制御装置70は、扉32aの開操作が行われた後、開許容時間よりも長い所定の待機時間が経過することを条件として、発光部66によって照明を行った状態において撮影部62による撮影を行うと共に、撮影により生成された庫内撮影データを入出力部64によって外部機器120に向けて送信する処理を行うように各部の動作制御を行う。
【0064】
≪給電部80について≫
給電部80は、上述した撮影ユニット60に対して電力を供給するためのものである。給電部80は、冷蔵庫10の主電源に対して電気的に接続されている。給電部80は、給電接続部80a(
図10参照)を備えている。給電接続部80aは、上述した撮影ユニット60の受電接続部68aに対応して、USB(Universal Serial Bus)形式の端子によって形成されている。そのため、給電接続部80aに対して受電接続部68aを接続することにより、給電部80から撮影ユニット60に電力を供給できる。
【0065】
≪冷蔵庫システム100について≫
続いて、本実施形態の冷蔵庫システム100について説明する。冷蔵庫システム100は、冷蔵庫10が撮影ユニット60を備えており、扉32aを開けることなく冷蔵室26の内部を確認できるようにしたものであることを活用して、通信網を介してリモートで冷蔵庫10の内部状況を確認できるようにしたシステムである。冷蔵庫システム100は、冷蔵庫10から送信された庫内撮影データをサーバ110に送り、庫内撮影データを無加工の状態あるいは加工した状態で、送信元の冷蔵庫と関連付けた撮影記録データとしてサーバ110に記録可能としたものである。また、冷蔵庫システム100は、サーバ110への接続が許可されたクライアント端末130からのアクセスに応じ、サーバ110に記録された撮影記録データのうち、アクセス権限を有するものを取得あるいは閲覧可能としたものである。クライアント端末130には、例えばユーザが所有しているスマートフォンや携帯電話、PDA、コンピュータ等を用いることができる。
【0066】
本実施形態の冷蔵庫システム100においては、撮影ユニット60において撮影部62によって生成されたストリーミング画像が、庫内撮影データとして出力される。庫内撮影データは、無加工のまま、入出力部64によって外部機器120(無線アクセスポイント120a)、及びこれに接続されたインターネット網を介してサーバ110に向けて送信される。ここで、サーバ110には、プログラムをインストールすることにより、庫内撮影データを加工する画像加工部112や、画像データを記録する記録部114、データ通信に係る情報処理を行う通信部116等の機能的構成が構築されている。サーバ110は、インターネット網を介して受信した庫内撮影データを画像加工部112において加工し、静止画の画像データを生成する。具体的には、画像加工部112は、ストリーミング画像(庫内撮影データ)を構成する複数の画像のうちの一枚についての画像データを、サーバ110に記録するための画像データ(記録用画像データ)として選択する。サーバ110は、記録用画像データを、送信元である冷蔵庫10と関連付けた撮影記録データを生成し、記録部114に記録する。また、冷蔵庫システム100は、サーバ110への接続が許可されたクライアント端末からのアクセスに応じ、記録部114に記録された撮影記録データのうち、接続されたクライアント端末130においてアクセス権限を有するものを取得あるいは閲覧可能なように出力する。これにより、ユーザは、クライアント端末130を介して冷蔵庫10における冷蔵室26の内部がどのような状態であるのかを確認できる。
【0067】
≪冷蔵庫システム100の動作について≫
以下、上述した冷蔵庫10を活用して構築される冷蔵庫システム100の動作について、
図11のタイミングチャートを参照しつつ、詳細に説明する。
【0068】
図11に示すように、冷蔵庫システム100においては、冷蔵庫10の扉32aが開かれると、それをトリガとして撮影ユニット60への給電が開始される。冷蔵庫10は、扉32aが開状態となった後、所定の開許容時間(本実施形態では3分)が経過すると、本体制御装置50が警報装置52を作動させ、ユーザに対して扉32が開状態である旨の警告を行う。そのため、扉32aが開状態となった後は、扉32aが閉状態になっている蓋然性が高い。また、扉32aが閉状態とされた後、ある程度の時間が経過すれば、撮影ユニット60の撮影部62が、結露等の影響を受けることなく撮影可能な状態になると想定される。そこで、冷蔵庫システム100においては、扉32aが開状態となった後、開許容時間よりも長く設定された所定時間(待機時間)が経過すると、撮影ユニット60による撮影及び通信を行うための動作を開始する。
【0069】
具体的には、本実施形態では、待機時間が8分に設定されている。そのため、冷蔵庫システム100においては、扉32aが開状態となった後、給電部80から撮影ユニット60への電力供給が開始される。電力供給が開始されることで、入出力部64から外部機器120である無線アクセスポイント120aへの通信要求を出力する。これにより、入出力部64と無線アクセスポイント120aとの通信を確立させる。なお、
図11においては、扉32aが開状態とされた後、閉状態になるまでの間に入出力部64と無線アクセスポイント120aとの通信が確立する例を代表例として示しているが、当然のことながら、扉32aが閉状態とされるタイミング次第で、扉32aが閉状態になった後に入出力部64と無線アクセスポイント120aとの通信が確立する場合もある。その後、扉32aが開状態となってから所定の待機時間(8分)が経過した時点で、撮影ユニット60の撮影制御装置70は、撮影部62及び発光部66を起動させ、照明しつつ撮影を開始させる。撮影部62による撮影を行っている間、撮影により生成された庫内撮影データ(ストリーミング画像データ)を入出力部64により無線アクセスポイント120aに向けて送信する。無線アクセスポイント120aは、入出力部64から受信した庫内撮影データ(ストリーミング画像データ)を、インターネット網を介して逐次、サーバ110に送信する。
【0070】
冷蔵庫システム100は、扉32aが閉状態になったことが確認されてから所定時間(以下、「撮影ユニット動作時間」とも称す)が経過すると、撮影制御装置70は、撮影部62及び発光部66を停止させると共に、入出力部64による通信も終了させる。これにより、撮影ユニット60は停止状態になる。給電部80から撮影ユニット60への電力供給は、開始から所定時間後に停止されるが、この所定時間は、無線アクセスポイント120aとの通信確立、撮影、撮影データの送信、撮影部62及び発光部66の停止、入出力部64による通信の停止までに要すると想定される時間よりも長く設定されている。
【0071】
上述したようにして撮影部62及び発光部66が停止し、入出力部64による通信が終了すると、所定のタイミング(本実施形態では扉32aが開状態とされてから10分経過後)にて撮影ユニット60への給電が停止される。その一方で、サーバ110においては、撮影ユニット60の駆動中に送られてきた庫内撮影データ(ストリーミング画像データ)の加工が行われる。具体的には、サーバ110の画像加工部112は、庫内撮影データを構成する複数の画像のうちの一枚についての画像データを、サーバ110に記録するための記録用画像データとして選択する。サーバ110は、記録用画像データを、送信元である冷蔵庫10と関連付けた撮影記録データを生成し、記録部114に記録する。例えば、サーバ110は、送信元である冷蔵庫10の製造番号等、冷蔵庫10を特定するための情報と、記録用画像データとを関連付けて撮影記録データを生成し、記録部114に記録する。
【0072】
上述したようにしてサーバ110の記録部114に撮影記録データが記録されると、スマートフォン等のクライアント端末130からのアクセスに応じ、クライアント端末130において撮影記録データを取得(例えばダウンロード)、あるいは閲覧可能なように出力する。これにより、ユーザは、クライアント端末130を介して冷蔵庫10における冷蔵室26の内部がどのような状態であるのかを確認できる。
【0073】
上述した本実施形態の冷蔵庫10は、以下の(a)~(h)に示すように、特徴的な構成を有し、これにより独特の効果を奏することができる。
【0074】
(a)本実施形態の冷蔵庫10は、物品を収容可能な冷蔵室26(物品収容部)、及び冷蔵室26を開閉するための扉32を備えた冷蔵庫本体20と、冷蔵室26の内部を撮影する撮影ユニット60と、を有し、撮影ユニット60が、冷蔵室26の内部を撮影する撮影部62と、撮影対象に対して光を供給する発光部66と、を備え、発光部66が、撮影部62の周囲に配されたものとされている。これにより、冷蔵庫10は、例えば冷蔵庫本体20の内部(庫内)を照明するために別途設けられる庫内照明26aの配置に制限を加える等することなく、撮影ユニット60単独で冷蔵庫本体20の内部を照明して影が写りにくい状態で撮影できる。また、冷蔵庫10は、前述のように発光部66が撮影部62の周囲に配されたものとされているため、十分な光量で冷蔵庫本体20の内部を照明した状態で撮影を行うことができる。これにより、冷蔵庫10においては、冷蔵室26の内部を撮影した画像に暗く見えづらい箇所が形成されるのを抑制できる。
【0075】
さらに、冷蔵庫10は、上述したような構成とされているため、冷蔵庫本体20の内部(庫内)を照明するの庫内照明26a等によらず、撮影ユニット60が備えている発光部66によって照明した状態で撮影部62による撮影を行える。そのため、冷蔵庫10は、撮影ユニット60の動作制御を行えば最適な光量で物品を照明した状態で撮影できる。従って、冷蔵庫10は、例えば庫内灯26a等の動作に連動するように撮影部62の制御を行うといった従来技術において採用されているような制御を行わなくても良い分だけ動作制御を行いやすい。
【0076】
(b)本実施形態の冷蔵庫10は、発光部66が、撮影部62の周囲に設けられる複数の発光体66aと、光を透過しつつ拡散可能な拡散部66cと、を有し、拡散部66cが、発光体66aから発せられる光の進行方向に隣接する位置に配置されたものである。これにより、十分な光量を確保した状態で冷蔵庫本体20の内部を撮影できる。また、冷蔵庫10は、拡散部66cを通じて発せられる拡散光によって冷蔵庫本体20の内部に十分に光を行き渡らせつた状態で鮮明に撮影することができる。
【0077】
(c)本実施形態の冷蔵庫10は、扉32において冷蔵室26側に向く面に、物品を収納可能な収納棚37が設けられており、撮影ユニット60が、収納棚37の下方側に配置されたものとされている。これにより、冷蔵庫10は、撮影ユニット60が冷蔵室26側に突出するのを抑制し、冷蔵庫本体20の内部スペースを有効活用できる。なお、収納棚37が上下方向に3段以上設けられている場合には、最下段のものを除くそれぞれの収納棚37の下方に撮影ユニット60を配置しても良い。例えば上下方向に3段の収納棚37が設けられている場合には、上段、中段の下方側に2つの撮影ユニット60を配置してもよい。
【0078】
(d)本実施形態の冷蔵庫10は、撮影ユニット60が、撮影部62が実装される撮影部基板62aと、複数の発光部66が実装される発光部基板66bと、を有し、発光部基板66bが、複数の発光部66によって囲まれた挿通部66dを有し、撮影部62が、挿通部66dに挿通されたものとされている。これにより、冷蔵庫10は、撮影ユニット60に設けられる基板の大型化や、これに伴う撮影ユニット60の大型化を抑制しつつ、撮影部62における撮影のために十分な光量を確保することができる。
【0079】
(e)本実施形態の冷蔵庫10は、扉32において冷蔵室26側に向く面に撮影ユニット60が設けられるとともに、撮影ユニット60よりも下方側に、物品を収納可能な下方側収納棚37bが設けられており、撮影部62が、斜め下方に向けて配置されたものとされている。これにより、冷蔵庫10は、冷蔵室26の内部に加え、下方側収納棚37bの内部についても撮影ユニット60による画角の範囲内に納めることができる。従って、冷蔵庫10は、冷蔵室26及び下方側収納棚37bに収容されている物品を撮影することができる。
【0080】
(f)本実施形態の冷蔵庫10は、撮影ユニット60の少なくとも一部を収容する撮影ユニット収容部72を有し、撮影ユニット収容部72が、扉32において冷蔵室26側に向く面から突出するように設けられたものとされている。これにより、冷蔵庫10においては、扉32の内部に撮影ユニット60全体を内蔵させる必要がない。従って、冷蔵庫10は、扉32の断熱性能の低下を抑制しつつ、撮影ユニット60を設けることができる。
【0081】
(g)本実施形態の冷蔵庫10は、撮影ユニット60に対して電気的に接続された配線と、扉32を冷蔵室26に対して開閉自在に連結する連結部33と、を有し、配線が、冷蔵室26側から連結部33を経て、扉32の内部を通る経路で撮影ユニット60に対して接続されたものとされている。これにより、冷蔵庫10は、撮影ユニット60に対して接続される配線が露出するのを抑制できる。
【0082】
(h)本実施形態の冷蔵庫10は、撮影ユニット60に給電する給電部80を有し、撮影ユニット60が、給電部80による給電を受けて動作するものであり、給電部80が、扉32の開操作あるいは閉操作が行われることを条件として撮影ユニット60への電力供給を開始し、電力供給開始から一定時間経過後に電力供給を停止するものとされている。これにより、冷蔵庫10は、扉32の開操作や閉操作が行われた後の状態を撮影できる。また、前述のような構成とすることにより、冷蔵庫10は、扉32の開閉を行わない限り給電されるのを抑制し、撮影ユニット60に常時通電する構成に比べて撮影ユニット60の発熱を抑制できる。これにより、冷蔵庫10は、撮影ユニット60の動作に伴う消費電力の増大や冷却性能の低下を最小限に抑制できる。
【0083】
なお、冷蔵庫10は、必ずしも上記(b)~(h)のような構成である必要はない。具体的には、冷蔵庫10は、上記(b)のように発光部66が発光体66aに加えて拡散部66cとを備えたものとするのは必須ではなく、例えば拡散部66cを設けないものとすることも可能である。また、冷蔵庫10は、複数の発光体66aを撮影部62の周囲に複数設けるのではなく、例えば発光体66aに代えて、あるいは加えて環状の形状の発光体を撮影部62の周囲に配したものとすることも可能である。
【0084】
また、冷蔵庫10は、必ずしも上記(c)のような構成である必要はなく、例えば撮影ユニット60を収納棚37の下方側とは異なる位置に配置したものとすることも可能である。これにより、収納棚37の下方よりも撮影ユニット60を配するのに適した場所がある場合等において、撮影ユニット60のレイアウトの自由度が向上する。
【0085】
また、冷蔵庫10は、必ずしも上記(d)のような構成である必要はなく、例えば発光部基板66bが挿通部66dを備えておらず、撮影部62を発光部基板66bに挿通できないものとすることも可能である。
【0086】
さらに、本実施形態の冷蔵庫10は、必ずしも上記(e)のような構成である必要はない。具体的には、冷蔵庫10は、撮影ユニット60よりも下方側に物品を収納可能な下方側収納棚37bを設けた構成として撮影ユニット60による画角の範囲内に下方側収納棚37b納めた構成とする代わりに、冷蔵室26の内部を撮影するためのものとして撮影ユニット60を設けつつ、上方側収納棚37aや下方側収納棚37b等を撮影するためのものとして撮影ユニット60と同様のもの、あるいは撮影ユニット60とは異なる形態のものを設けた構成としたり、収納棚37を画角に納める撮影装置を設けない構成としたりしても良い。
【0087】
また、本実施形態の冷蔵庫10は、必ずしも上記(f)のような構成である必要はない。具体的には、冷蔵庫10は、例えば撮影ユニット収容部72を扉32に埋設したものとしても良い。これにより、扉32の内面や冷蔵室26側に突出した部分が形成されるのを抑制し、すっきりとした構成とすることができる。なお、撮影ユニット収容部72を扉32に埋設した構成とする場合、冷蔵庫10は、このような構成とすることによる扉32の断熱性能の低下を最小限に抑制すべく、断熱構造の最適化を図る等の方策を講じることが好ましい。
【0088】
本実施形態の冷蔵庫10は、必ずしも上記(g)のような構成である必要はない。具体的には、冷蔵庫10は、配線が扉32などにおいて露出した構成としても良い。これにより、配線の配策や撮影ユニット60に対する配線の接続等が容易になる。その結果、例えば配線を外して撮影ユニット60をメンテナンスする等の作業がしやすくなる。なお、配線を露出させる場合には、冷蔵庫10を構成する部材や、冷蔵庫10に収容される物品との干渉を最小限に抑制できるように、配線のレイアウトの最適化を図る等の方策を講じることが望ましい。
【0089】
また、本実施形態の冷蔵庫10は、必ずしも上記(h)のような構成である必要はない。具体的には、冷蔵庫10は、給電部80が、扉32の開操作あるいは閉操作が行われるのとは別の条件を開始条件として撮影ユニット60への電力供給を開始するようにしても良い。また、冷蔵庫10は、撮影ユニット60への電力供給開始から一定時間経過することとは異なる条件を終了条件として、撮影ユニット60への電力供給を終了するようにしても良い。
【0090】
≪第一変形例≫
上記実施形態に係る冷蔵庫10は、本発明の一実施形態を示したものに過ぎず、種々の変形例が考えられる。以下、第一変形例に係る冷蔵庫200について説明する。なお、以下の説明において、上記実施形態において説明したものと同一の構成については同一の符号を付し、詳細の説明は省略する。
【0091】
第一変形例の冷蔵庫200は、生活者の異常判定を行うための異常判定機能を備えたものである。
図12に示すように、冷蔵庫200は、上述した構成に加えて、履歴記憶部210、開閉予測部220、及び異常判定部230を備えている。
【0092】
履歴記憶部210は、扉32の開閉に連動して撮影ユニット60によって行われる撮影の履歴(撮影履歴)に基づいて、扉32の開閉操作履歴を記憶するものである。履歴記憶部210により記憶される開閉操作履歴は、例えば扉32の開閉が行われた時間帯や回数等の情報等とすることができる。
【0093】
開閉予測部220は、履歴記憶部210に記憶されている過去における扉32の開閉操作履歴に基づいて、扉32の開閉パターンを予測開閉パターンとして導出するものである。開閉予測部220は、例えば、扉32の開閉操作履歴を深層学習(ディープラーニング)等の手法によって機械学習して予測開閉パターンを導出するもの等とすると良い。
【0094】
異常判定部230は、実際に行われる扉32の開閉パターン(実開閉パターン)、及び開閉予測部220によって導出された予測開閉パターンの差異に基づいて、生活者の異常判定を行うものである。異常判定部230による異常判定の方法は適宜の方法とすることができるが、例えば、実開閉パターンと予測開閉パターンとの乖離度を示す指標を規定し、当該指標が所定の閾値を超えることを条件として異常であると判定するもの等とすることができる。
【0095】
続いて、第一変形例の冷蔵庫200が異常判定機能を実行するための制御フローについて、
図13を参照しつつ詳細に説明する。
【0096】
(ステップ1-1)
異常判定機能の実行に際し、冷蔵庫200は、先ずステップ1-1において、扉32の開閉を契機として撮影ユニット60により撮影を行う。その後、制御フローは、ステップ1-2に進められる。
【0097】
(ステップ1-2)
ステップ1-2において、冷蔵庫200は、ステップ1-1において行われた扉32の開閉及び撮影ユニット60による撮影が行われた時間帯、及び回数を履歴記憶部210に記憶させる処理を行う。その後、制御フローはステップ1-3に進められる。
【0098】
(ステップ1-3)
ステップ1-3において、開閉予測部220は、履歴記憶部210に記憶されている情報に基づき、所定のアルゴリズムによって冷蔵庫200を利用している生活者による扉32の開閉パターンを予測する処理を行う。扉32の開閉パターンは、生活者の生活パターンを反映したものであると推認される。そのため、扉32の開閉パターンを把握することにより、生活者の生活パターンを把握することができる。また、ステップ1-3において行われる予測処理は、直近の所定期間において行われた扉32の開閉操作だけでなく、履歴記憶部210に記憶されている長期的な情報に基づいて行われる。そのため、ステップ1-3における予測処理の結果は、仮にイレギュラーな扉32の開閉操作が行われたことがあったとしても平準化され、その影響を最小限に抑制したものとなると考えられる。ステップ1-3において扉32の開閉パターンの予測が完了すると、制御フローはステップ1-4に進められる。
【0099】
(ステップ1-4)
ステップ1-4において、異常判定部230は、ステップ1-3において導出された扉32の開閉パターン(予測開閉パターン)と、直近の所定期間(例えば、数時間~24時間の範囲の所定期間)における扉32の開閉パターン(実開閉パターン)とを比較し、予測開閉パターンの差異に基づいて、生活者の異常判定を行う。その結果、異常であるとの判定がなされた場合は、制御フローがステップ1-5に進められる。一方、異常がないとの判定がなされた場合は、制御フローがステップ1-1に戻される。
【0100】
(ステップ1-5)
制御フローがステップ1-5に進んだ場合には、生活異常が発生している旨を報知するための報知処理が行われる。報知処理は、例えば、冷蔵庫200が備えているブザーやモニタ等の報知装置によって報知するものとすることができる。また、冷蔵庫システム100において、冷蔵庫10に代えて冷蔵庫200を採用した場合には、冷蔵庫200が接続された通信網を介して、報知先となるユーザが所有しているスマートフォンなどのクライアント端末130において報知するものとすることができる。
【0101】
上述した本実施形態の冷蔵庫200は、以下の(i)に示すように、特徴的な構成を有するため、これにより独特の効果を奏することができる。
【0102】
(i)本変形例の冷蔵庫200は、扉32の開閉操作に連動して撮影を行うように撮影ユニット60の動作を制御する撮影制御装置70と、撮影ユニット60による撮影履歴に基づいて扉32の開閉操作履歴を記憶する履歴記憶部210と、履歴記憶部210に記憶されている過去における扉32の開閉操作履歴に基づいて扉32の開閉パターンを予測開閉パターンとして導出する開閉予測部220と、扉32の開閉操作に係る実際の開閉パターンである実開閉パターン、及び予測開閉パターンの差異に基づいて、生活者の異常判定を行う異常判定部230と、を有するものである。これにより、冷蔵庫200は、実開閉パターンと予測開閉パターンとの差異に基づき、異常判定部230によって生活者の異常判定を行うことができる。従って、本変形例の冷蔵庫200は、生活異常の発見のための特別な装置を設置したり、特別な操作を行ったりしなくても、生活者に異常が生じていないかを把握するために活用できる。
【0103】
≪第二変形例≫
上記実施形態に係る冷蔵庫10や冷蔵庫200は、本発明の一実施形態を示したものに過ぎず、種々の変形例が考えられる。以下、第二変形例に係る冷蔵庫300について説明する。なお、以下の説明において、上記実施形態において説明したものと同一の構成については同一の符号を付し、詳細の説明は省略する。
【0104】
図14に示すように、第二変形例の冷蔵庫300は、上述した冷蔵庫10の構成に加えて、撮影予約設定部310を備えている。撮影予約設定部310は、扉32の開閉操作の有無によらず撮影ユニット60による撮影を行うための予約を受け付けるものである。冷蔵庫300は、撮影予約設定部310に設定された予約に基づいて撮影ユニット60による撮影を行う処理(予約撮影処理)を実行できる。以下、冷蔵庫300において実行される予約撮影処理の流れについて、
図15に係る制御フローに則って説明する。
【0105】
(ステップ2-1)
ステップ2-1において、冷蔵庫300は、撮影予約設定部310に対して、撮影ユニット60により庫内の撮影を行うための予約が設定された状態であるか否かを確認する。ここで、予約が設定されていない状態であったり、予約が解除された場合には、ステップ2-1において予約設定状態であるか否かの確認を継続する、一方、ステップ2-1において予約が設定された状態であることが確認された場合には、制御フローがステップ2-2に進められる。
【0106】
(ステップ2-2)
ステップ2-2において、冷蔵庫300は、ステップ2-1において設定された撮影タイミングに達したか否かを確認する。ステップ2-2において、予約された撮影タイミングに達していない場合には、制御フローがステップ2-1に戻される。一方、予約された撮影タイミングに達したことが確認された場合には、制御フローがステップ2-3に進められる。
【0107】
(ステップ2-3)
ステップ2-3において、冷蔵庫300は、撮影制御装置70による制御の下、撮影ユニット60により庫内を撮影するための処理を行う。ここで行われる撮影ユニット60による撮影処理は、例えば上記実施形態において例示した冷蔵庫10において行われた処理(
図4参照)等によって行うことができる。ステップ2-3において撮影ユニット60による撮影が行われると、制御フローがステップ2-1に戻される。
【0108】
上述した本実施形態の冷蔵庫300は、以下の(j)に示すように、特徴的な構成を有するため、これにより独特の効果を奏することができる。
【0109】
(j)本変形例の冷蔵庫300は、扉32の開閉操作の有無によらず撮影ユニット60による撮影を行うための予約を受け付ける撮影予約設定部310を有し、撮影予約設定部310に設定された予約に基づいて撮影ユニット60による撮影が行われるものとされている。これにより、例えば買い物前や食事の準備前等の撮影を予約したタイミングにおける物品の在庫状況を冷蔵庫300の利用者が確認可能となり、利用者の利便性が向上する。
【0110】
≪第三変形例≫
上記実施形態や変形例に係る冷蔵庫10,200,300は、本発明の一実施形態を示したものに過ぎず、種々の変形例が考えられる。以下、第三変形例に係る冷蔵庫400について説明する。なお、以下の説明において、上記実施形態において説明したものと同一の構成については同一の符号を付し、詳細の説明は省略する。
【0111】
図16に示すように、第三変形例の冷蔵庫400は、上述した冷蔵庫10の構成に加えて、在庫情報取得部410を備えている。在庫情報取得部410は、撮影ユニット60により撮影された画像の解析により、冷蔵庫本体20の内部に収容されている物品の在庫情報を取得する処理(在庫情報取得処理)を実行可能とされている。冷蔵庫400において実行される在庫情報取得処理の流れについて、
図17に係る制御フローに則って説明する。
【0112】
(ステップ3-1)
ステップ3-1において、冷蔵庫400の扉32が開閉されると、撮影ユニット60により庫内の撮影を行う。これにより、庫内に収容されている物品が映り込んだ画像を取得する。その後、制御フローは、ステップ3-2に進められる。
【0113】
(ステップ3-2)
ステップ3-2において、在庫情報取得部410は、ステップ3-1において取得した撮影画像に基づいて画像解析によって、庫内にある物品の識別するための処理(物品識別処理)を行う。物品識別処理は、例えば撮影ユニット60により撮影された食品等の物品の画像から、当該物品が何であるのかを画像マッチング等の手法で特定したり、当該物品に付されているバーコード等の識別情報を読み取って商品を特定したりして、庫内に収容されている物品を識別することにより行われる。ステップ3-2において物品識別処理が完了すると、制御フローがステップ3-3に進められる。
【0114】
(ステップ3-3)
ステップ3-3において、在庫情報取得部410は、ステップ3-2において行われた物品識別処理の結果に基づき、庫内に収容されている物品をリスト化する処理を行う。これにより、一連の制御フローが完了する。
【0115】
上述した本実施形態の冷蔵庫400は、以下の(k)に示すように、特徴的な構成を有するため、これにより独特の効果を奏することができる。
【0116】
(k)本変形例の冷蔵庫400は、撮影ユニット60により撮影された画像の解析により、冷蔵庫本体20内に収容されている物品の在庫情報を取得可能な在庫情報取得部を有すること、を特徴とするものである。これにより、冷蔵庫400は、撮影ユニット60によって撮影された画像を活用して冷蔵庫本体20内に収容されている物品の在庫情報を取得することができる。このようにして得られた在庫情報は、例えば賞味期限の管理を行ったり、在庫量が少なくなっている物品の自動発注を行ったり、別途設定された献立と連動して購入すべき物品を報知したりする等の用途で活用できる。また、賞味期限の管理を主たる目的として在庫情報を取得する場合には、例えば、特定の部位にその物品を収容することにより対象物品を強調して表示できる構成等とすると良い。
【0117】
本願発明は、上述した実施の形態に記載の構成に限定されることなく、本願発明の技術的思想の範囲を逸脱しない範囲において適宜設計変更等することが可能である。上述した各実施の形態や変形例の構成要素は任意に選択して組み合わせて構成するとよい。また各実施の形態や変形例の任意の構成要素と、発明を解決するための手段、発明を実施するための形態等に記載の任意の構成要素または発明を解決するための手段、発明を実施するための形態等に記載の任意の構成要素を具体化した構成要素とは任意に組み合わせて構成するとよい。これらについても、本願または本願に基づく分割出願等において権利取得する意思を有する。
【産業上の利用可能性】
【0118】
本発明は、冷蔵庫全般において好適に利用できる。
【符号の説明】
【0119】
10 :冷蔵庫
20 :冷蔵庫本体(物品収容部)
26 :冷蔵室
32 :扉
33 :連結部
37 :収納棚
37a :上方側収納棚
37b :下方側収納棚
60 :撮影ユニット
62 :撮影部
62a :撮影部基板
66 :発光部
66a :発光体
66b :発光部基板
66c :拡散部
66d :挿通部
70 :撮影制御装置(撮影制御部)
72 :撮影ユニット収容部
80 :給電部
100 :冷蔵庫システム
130 :クライアント端末
200 :冷蔵庫
210 :履歴記憶部
220 :開閉予測部
230 :異常判定部
300 :冷蔵庫
310 :撮影予約設定部
400 :冷蔵庫
410 :在庫情報取得部