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特開2023-20774サービングロボットを制御するための方法、システムおよび非一過性のコンピュータ読み取り可能な記録媒体
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  • 特開-サービングロボットを制御するための方法、システムおよび非一過性のコンピュータ読み取り可能な記録媒体 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023020774
(43)【公開日】2023-02-09
(54)【発明の名称】サービングロボットを制御するための方法、システムおよび非一過性のコンピュータ読み取り可能な記録媒体
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/12 20120101AFI20230202BHJP
   G06Q 10/06 20230101ALI20230202BHJP
   B25J 13/00 20060101ALI20230202BHJP
【FI】
G06Q50/12
G06Q10/06
B25J13/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021131450
(22)【出願日】2021-08-11
(31)【優先権主張番号】17/386,978
(32)【優先日】2021-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
2.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】520513451
【氏名又は名称】ベアー ロボティックス,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】弁理士法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】ハ,ジョンウ ジョン
【テーマコード(参考)】
3C707
5L049
【Fターム(参考)】
3C707AS34
3C707CS08
3C707WA16
3C707WL05
3C707WL14
5L049AA07
5L049CC24
(57)【要約】      (修正有)
【課題】顧客に関して獲得される状況情報(注文状況、食事状況、サービス提供状況など)に基づいて、サービングロボットによって該当顧客に適切なサービスが適切なときに提供されるようにする方法、システム及び記録媒体を提供する。
【解決手段】サービングロボットを制御するための方法であって、少なくとも一つの顧客に関する状況情報を獲得する段階、サービング場所で提供され得るサービスに関するワークフロー(workflow)を決定するためのワークフロー決定モデルを利用して、少なくとも一つの顧客に関する状況情報に基づいて少なくとも一つの顧客に対するワークフローを動的に決定する段階及び決定されるワークフローに基づいて少なくとも一つの顧客にターゲットサービスが提供されるようにする段階を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サービングロボットを制御するための方法であって、
少なくとも一つの顧客に関する状況情報を獲得する段階と、
サービング場所で提供され得るサービスに関するワークフロー(workflow)を決定するためのワークフロー決定モデルを利用して、前記少なくとも一つの顧客に関する状況情報に基づいて前記少なくとも一つの顧客に対するワークフローを動的に決定する段階と、
前記決定されるワークフローに基づいて前記少なくとも一つの顧客にターゲットサービスが提供されるようにする段階と、を含む、方法。
【請求項2】
前記少なくとも一つの顧客に関する状況情報には前記少なくとも一つの顧客に関する識別情報、前記少なくとも一つの顧客の注文状況、前記少なくとも一つの顧客の食事状況および前記少なくとも一つの顧客に対するサービス提供状況のうち少なくとも一つが含まれる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記決定段階で、前記サービング場所の種類に基づいて前記少なくとも一つの顧客に対するワークフローを決定する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ワークフロー決定モデルは、使用者によってカスタマイジング(customizing)され得る、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ワークフロー決定モデルは、前記少なくとも一つの顧客に関する状況情報および前記少なくとも一つの顧客に対するワークフローに基づいて学習される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記提供段階で、少なくとも一つのサービングロボットの作業状況に関する情報に基づいて、前記少なくとも一つのサービングロボットのうち前記ターゲットサービスを提供するサービングロボットを決定する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記提供段階で、前記ターゲットサービスが従業員によって提供されるべきサービスである場合、少なくとも一つのサービングロボットの作業状況に関する情報に基づいて少なくとも一つの従業員に前記ターゲットサービスに関する情報を提供する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記提供段階で、前記ターゲットサービスが提供される状況をモニタリングし、前記モニタリングの結果に基づいて前記サービング場所で使われるのに適合なサービングロボットの数を導き出す、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
請求項1に記載された方法を実行するためのコンピュータプログラムを記録した、非一過性のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項10】
サービングロボットを制御するためのシステムであって、
少なくとも一つの顧客に関する状況情報を獲得する状況情報獲得部、
サービング場所で提供され得るサービスに関するワークフローを決定するためのワークフロー決定モデルを利用して、前記少なくとも一つの顧客に関する状況情報に基づいて前記少なくとも一つの顧客に対するワークフローを動的に決定するワークフロー管理部、および
前記決定されるワークフローに基づいて前記少なくとも一つの顧客にターゲットサービスが提供されるようにするターゲットサービス管理部を含む、システム。
【請求項11】
前記少なくとも一つの顧客に関する状況情報には前記少なくとも一つの顧客に関する識別情報、前記少なくとも一つの顧客の注文状況、前記少なくとも一つの顧客の食事状況および前記少なくとも一つの顧客に対するサービス提供状況のうち少なくとも一つが含まれる、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記ワークフロー管理部は、前記サービング場所の種類に基づいて前記少なくとも一つの顧客に対するワークフローを決定する、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記ワークフロー決定モデルは、使用者によってカスタマイジングされ得る、請求項10に記載のシステム。
【請求項14】
前記ワークフロー決定モデルは、前記少なくとも一つの顧客に関する状況情報および前記少なくとも一つの顧客に対するワークフローに基づいて学習される、請求項10に記載のシステム。
【請求項15】
前記ターゲットサービス管理部は、少なくとも一つのサービングロボットの作業状況に関する情報に基づいて、前記少なくとも一つのサービングロボットのうち前記ターゲットサービスを提供するサービングロボットを決定する、請求項10に記載のシステム。
【請求項16】
前記ターゲットサービス管理部は、前記ターゲットサービスが従業員によって提供されるべきサービスである場合、少なくとも一つのサービングロボットの作業状況に関する情報に基づいて少なくとも一つの従業員に前記ターゲットサービスに関する情報を提供する、請求項10に記載のシステム。
【請求項17】
前記ターゲットサービス管理部は、前記ターゲットサービスが提供される状況をモニタリングし、前記モニタリングの結果に基づいて前記サービング場所で使われるのに適合なサービングロボットの数を導き出す、請求項10に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はサービングロボットを制御するための方法、システムおよび非一過性のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
サービングとは、食堂などの場所で顧客に飲料や飲食などの客体を提供することを意味し、最近ロボットなどが開発されてウェイターやウェイトレスの代わりにまたはこれらを助けてサービングに利用されている。このようなロボットは大体飲食の注文を受けたり注文によるサービングを遂行する機能を有し、テーブルの位置情報などを利用して自律走行をしたりもする。このようなロボットは移動手段(障害物を回避するためのセンサを含む)、メニューの出力または注文の入力のためのディスプレイ手段などを含んで構成され得る。また、ロボットは飲食や飲食容器の配置や運搬のための手段を含むことができる。
【0003】
これに関する従来技術の一例として、韓国登録特許公報第10-1083700号に開示された技術が挙げられるが、これによると、食堂内で注文を受けて注文された飲食物が置かれたトレイを移送する飲食店のサービングのためのロボットシステムであって、同期駆動される一対の多関節ロボットアームと、前記多関節ロボットアームの下段に回動可能であるように結合されて前記トレイを固定するトレイ把持部を含む上段部;メイン車輪と一つ以上の補助車輪を含むロボット移動部が下部に設けられた下段部;前記下段部に固定され前記上段部が回転可能に連結された中間部;および前記一対の多関節ロボットアーム、前記トレイ把持部および前記ロボット移動部の作動を制御する制御部を含むものの、前記トレイ把持部は前記多関節ロボットアームの端部に回動可能に結合されたハンド;前記ハンドに上下移動可能に備えられた固定部;前記トレイの下部に位置し前記固定部に結合されたグリッパー;前記トレイの上部に位置し前記グリッパーと対向するように前記固定部に結合されたストッパー;前記多関節ロボットアームの端部が下方に駆動されるとともに、前記トレイにストッパーが押圧されて上方に移動する固定部で押圧されるスイッチ;前記固定部が上方に移動時に収縮するスプリング;および前記グリッパーの角度を感知するグリッパー角度感知部を含むことを特徴とするロボットシステムが紹介されたことがある。
【0004】
一方、食堂などのサービング場所で顧客満足度を高めるためには飲食の味がおいしいだけでなく、顧客がサービング場所に到着した時から食事および決済を終えてサービング場所を離れるまで適切なサービスが適切なときに提供されなければならない必要がある。例えば、食堂に到着した顧客に応対、席への案内、水などの提供、注文受付、飲食のサービング、水などの補充や空いた容器の収去(すなわち、バッシング(bussing))のような食事中に必要なサービスの提供やそれに関する質問、決済要請などのサービスが適切なときに提供されないと該当顧客の満足度を高めることができない。しかし、前記のような従来技術をはじめとして、これまで紹介された技術は顧客に関して獲得される状況情報(例えば、注文状況、食事状況、サービス提供状況など)に基づいて、サービングロボットによって該当顧客に適切なサービスが適切なときに提供されるようにすることに関しては提案されていない。
【0005】
そこで、本発明者(ら)は、顧客に関する状況情報に基づいて該当顧客に対するワークフロー(workflow)を決定し、その決定されるワークフローに基づいて該当顧客に適切なサービスが適切なときに提供されるようにする技術を提案するところである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国登録特許第10-1083700号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は前述した従来技術の問題点をすべて解決することをその目的とする。
【0008】
また、本発明は、少なくとも一つの顧客に関する状況情報を獲得し、サービング場所で提供され得るサービスに関するワークフロー(workflow)を決定するためのワークフロー決定モデルを利用して、前記少なくとも一つの顧客に関する状況情報に基づいて前記少なくとも一つの顧客に対するワークフローを動的に決定し、その決定されるワークフローに基づいて前記少なくとも一つの顧客にターゲットサービスが提供されるようにすることを他の目的とする。
【0009】
また、本発明は、顧客に関する状況情報に基づいて該当顧客に対するワークフローを決定し、その決定されるワークフローに基づいて該当顧客に適切なサービスが適切なときに提供されるようにすることをさらに他の目的とする。
【0010】
また、本発明は、少なくとも一つの顧客にターゲットサービスが提供される状況をモニタリングし、そのモニタリングの結果に基づいてサービング場所で使われるのに適合なサービングロボットの数を導き出すことをさらに他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するための本発明の代表的な構成は次の通りである。
【0012】
本発明の一態様によると、サービングロボットを制御するための方法であって、少なくとも一つの顧客に関する状況情報を獲得する段階、サービング場所で提供され得るサービスに関するワークフロー(workflow)を決定するためのワークフロー決定モデルを利用して、前記少なくとも一つの顧客に関する状況情報に基づいて前記少なくとも一つの顧客に対するワークフローを動的に決定する段階、および前記決定されるワークフローに基づいて前記少なくとも一つの顧客にターゲットサービスが提供されるようにする段階を含む方法が提供される。
【0013】
本発明の他の態様によると、サービングロボットを制御するためのシステムであって、少なくとも一つの顧客に関する状況情報を獲得する状況情報獲得部、サービング場所で提供され得るサービスに関するワークフローを決定するためのワークフロー決定モデルを利用して、前記少なくとも一つの顧客に関する状況情報に基づいて前記少なくとも一つの顧客に対するワークフローを動的に決定するワークフロー管理部、および前記決定されるワークフローに基づいて前記少なくとも一つの顧客にターゲットサービスが提供されるようにするターゲットサービス管理部を含むシステムが提供される。
【0014】
この他にも、本発明を具現するための他の方法、他のシステムおよび前記方法を実行するためのコンピュータプログラムを記録した非一過性のコンピュータ読み取り可能な記録媒体がさらに提供される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によると、少なくとも一つの顧客に関する状況情報を獲得し、サービング場所で提供され得るサービスに関するワークフロー(workflow)を決定するためのワークフロー決定モデルを利用して、前記少なくとも一つの顧客に関する状況情報に基づいて前記少なくとも一つの顧客に対するワークフローを動的に決定し、その決定されるワークフローに基づいて前記少なくとも一つの顧客にターゲットサービスが提供されるようにすることができる。
【0016】
また、本発明によると、顧客に関する状況情報に基づいて該当顧客に対するワークフローを決定し、その決定されるワークフローに基づいて該当顧客に適切なサービスが適切なときに提供されるようにすることができる。
【0017】
また、本発明によると、少なくとも一つの顧客にターゲットサービスが提供される状況をモニタリングし、そのモニタリングの結果に基づいてサービング場所で使われるのに適合なサービングロボットの数を導き出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態によりサービングロボットを制御するための全体システムの概略的な構成を示す図面である。
図2】本発明の一実施形態に係るロボット制御システムの内部構成を詳細に図示する図面である。
図3】本発明の一実施形態に係るサービングロボットの構造を例示的に示す図面である。
図4】本発明の一実施形態に係るサービングロボットの構造を例示的に示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
後述する本発明に対する詳細な説明は、本発明が実施され得る特定の実施形態を例示として図示する添付図面を参照する。このような実施形態は当業者が本発明を充分に実施できるように詳細に説明される。本発明の多様な実施形態は互いに異なるが互いに排他的である必要はないことが理解されるべきである。例えば、本明細書に記載されている特定の形状、構造および特性は本発明の精神と範囲を逸脱することなく一実施形態から他の実施形態に変更されて具現され得る。また、それぞれの実施形態内の個別構成要素の位置または配置も本発明の精神と範囲を逸脱することなく変更され得ることが理解されるべきである。したがって、後述する詳細な説明は限定的な意味として行われるものではなく、本発明の範囲は特許請求の範囲の請求項が請求する範囲およびそれと均等なすべての範囲を包括するものと理解されるべきである。図面で類似する参照符号は多様な側面に亘って同一または類似する構成要素を示す。
【0020】
以下では、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が本発明を容易に実施できるようにするために、本発明の多様な好ましい実施形態に関して添付された図面を参照して詳細に説明することにする。
【0021】
全体システムの構成
【0022】
図1は、本発明の一実施形態によりサービングロボットを制御するための全体システムの概略的な構成を示す図面である。
【0023】
図1に図示された通り、本発明の一実施形態に係る全体システムは通信網100、ロボット制御システム200およびサービングロボット300を含むことができる。
【0024】
まず、本発明の一実施形態に係る通信網100は有線通信や無線通信のような通信の様態にかかわらず構成され得、近距離通信網(LAN;Local Area Network)、都市圏通信網(MAN;Metropolitan Area Network)、広域通信網(WAN;Wide Area Network)等の多様な通信網で構成され得る。好ましくは、本明細書における通信網100は公知のインターネットまたはワールドワイドウェブ(WWW;World Wide Web)であり得る。しかし、通信網100はこれに限定されず、公知の有線/無線データ通信網、公知の電話網または公知の有線/無線テレビ通信網をその少なくとも一部において含んでもよい。
【0025】
例えば、通信網100は無線データ通信網であって、ワイファイ(WiFi)通信、ワイファイダイレクト(WiFi-Direct)通信、ロングタームエボリューション(LTE;Long Term Evolution)通信、5G通信、ブルートゥース通信(低電力ブルートゥース(BLE;Bluetooth Low Energy)通信を含む)、赤外線通信、超音波通信などのような従来の通信方法を少なくともその一部分において具現するものであり得る。他の例として、通信網100は光通信網であって、ライファイ(LiFi;Light Fidelity)などのような従来の通信方法を少なくともその一部分において具現するものであり得る。
【0026】
次に、本発明の一実施形態に係るロボット制御システム200は、少なくとも一つの顧客に関する状況情報を獲得し、サービング場所で提供され得るサービスに関するワークフロー(workflow)を決定するためのワークフロー決定モデルを利用して、前記少なくとも一つの顧客に関する状況情報に基づいて前記少なくとも一つの顧客に対するワークフローを動的に決定し、その決定されるワークフローに基づいて前記少なくとも一つの顧客にターゲットサービスが提供されるようにする機能を遂行することができる。
【0027】
本発明に係るロボット制御システム200の構成と機能に関しては、以下の詳細な説明を通じて詳察することにする。
【0028】
次に、本発明の一実施形態に係るサービングロボット300は通信網100を通じてロボット制御システム200と通信することができ、使用者(例えば、従業員、顧客等)による操作がなくても所定の機能や付与された作業(例えば、飲食のサービング、容器の回収など)を自律的に遂行できる機器であって、少なくとも一つの客体を支持するように構成される支持台を含むことができる。また、本発明の一実施形態に係るサービングロボット300は客体(例えば、飲食トレイ)のローディングおよびアンローディングのためのモジュール(例えば、グラブ、ロボットアームモジュールなど)、周辺の映像を獲得するための映像獲得モジュール(例えば、可視光線カメラ、赤外線カメラなど)、障害物情報を獲得するためのスキャナモジュール(例えば、ライダー(LIDAR)センサなど)、周辺の音声を獲得するための音声獲得モジュール(例えば、マイクなど)、映像および音声を提供するためのディスプレイおよびスピーカーモジュール、およびサービングロボット300の移動のための駆動モジュール(例えば、モータなど)のうち少なくとも一つのモジュールを含むことができる。
【0029】
例えば、このようなサービングロボット300は案内ロボット、運搬ロボット、掃除ロボット、医療ロボット、エンターテインメントロボット、ペットロボットおよび無人飛行ロボットのうち少なくとも一つと類似する特性や機能を有するロボットであり得る。一方、本明細書で客体を支持するとは、飲食のような客体を入れる容器、その容器を載置できる手段(例えば、トレイなど)等を支持することを含む意味で解釈されるべきである。
【0030】
一方、本発明の一実施形態によると、サービングロボット300には本発明によりサービングロボット300を制御するためのアプリケーション(図示されず)が含まれ得る。このようなアプリケーションはロボット制御システム200または外部のアプリケーション配布サーバー(図示されず)からダウンロードされたものであり得る。本発明の一実施形態によると、このようなアプリケーションの性格は、後述するようなロボット制御システム200の状況情報獲得部210、ワークフロー管理部220、ターゲットサービス管理部230、 通信部240および制御部250と全般的に類似し得る。ここで、アプリケーションはその少なくとも一部が必要に応じてそれと実質的に同一であるか均等な機能を遂行できるハードウェア装置やファームウェア装置で置換されてもよい。
【0031】
図3および図4は、本発明の一実施形態に係るサービングロボット300の構造を例示的に示す図面である。
【0032】
図3を参照すると、サービングロボット300は本体310、駆動部320aおよびプロセッサ330を含んで構成され得る。
【0033】
まず、本発明の一実施形態に係る本体310には少なくとも一つの客体を支持するように構成される支持台320b、320cおよび320dが結合され得る。本発明の一実施形態によると、このような支持台320b、320cおよび320dは洗浄、取り替えなどのために着脱可能に結合されたものであり得る。また、それぞれの支持台320b、320cおよび320dにはそのそれぞれの支持台320b、320cおよび320dによって支持される重さを感知するための重さセンサ(図示されず)が含まれ得る。本発明の一実施形態によると、重さセンサは一つ以上のひずみ計(strain gauge)(例えば、3個のひずみ計、4個のひずみ計など)を使って具現され得る。そして、本発明の一実施形態によると、このような重さセンサはプロセッサ330に結合されたものであり得る。
【0034】
また、本発明の一実施形態に係る本体310には、重さセンサの代わりにまたはそれに加えて、それぞれの支持台320b、320cおよび320d上の空間領域を撮影するように構成される撮影モジュール(図示されず)が含まれ得る。一方、本発明の一実施形態によると、それぞれの支持台320b、320cおよび320d上の空間領域を撮影するように構成される撮影モジュールは必ずしも本体310に含まれなければならないものではなく、少なくとも一部の撮影モジュールはサービング場所の構造物に設置されたものであってもよい。
【0035】
一方、本発明の一実施形態に係る本体310には客体を積載するための少なくとも一つの積載空間が含まれ得る。そして、本発明の一実施形態によると、このような積載空間には支持台320b、320cおよび320dが含まれ得る。本発明の一実施形態に係る客体はサービングロボット300によって移動され得るすべての類型物を総称する概念であり、事物、動物などを含む概念であり得る。例えば、本発明の一実施形態に係る客体には飲食などのサービング客体および該当飲食が入っている容器などのバッシング客体が含まれ得る。
【0036】
図4を参照すると、本発明の一実施形態に係るサービングロボット300は、サービング客体の提供(すなわち、サービング)およびバッシング客体の回収(すなわち、バッシング)のための第1空間410および第2空間420を含むことができる。また、サービングロボット300は着脱式柱を通じて提供される拡張空間である第3空間430をさらに含むことができ、必要に応じて拡張空間をさらに追加することによってより多くの積載空間を具備することができる。また、サービングロボット300はサービング客体またはバッシング客体専用のトレイ440をさらに含んでもよい。例えば、トレイ440は上から見た時、その上面に複数個の円形溝が形成された構成を有することができる。それぞれの円形溝は飲料が入っているカップの下部が置かれて容易にある程度固定されるように形成されていてもよい。このような円形溝の大きさは多様であり得る。また、サービングロボット300の第1空間410の下部にはサービングロボット300の側面を通じて取り出され得る第4空間450がさらに含まれ得る。本発明の一実施形態に係る第4空間450はその内部に空いた空間が形成されており、側面は閉塞しており、上面は開放されており、下面は閉まっている、籠に類似する形態を有することができる。ただし、本発明の一実施形態に係るサービングロボット300の積載空間は前記列挙された内容に限定されて具現されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲内で他の形態の積載空間等で多様に具現され得る。
【0037】
次に、再び図3を参照すると、本発明の一実施形態に係る駆動部320aは本体310を他の地点に移動させるためのモジュールで構成され得る。例えば、駆動部320aは、本体310を他の地点に移動させるためのモジュールとして、電気式、機械式、または油圧式で駆動される車輪、プロペラなどに関するモジュールなどを含むことができる。
【0038】
次に、本発明の一実施形態に係るプロセッサ330は駆動部320aと電気的に連結されて駆動部320aを制御する機能を遂行することができ(外部システムとの通信のための通信モジュールをさらに含んでもよい)、例えばプログラム内に含まれたコードまたは命令で表現された機能を遂行するために物理的に構造化された回路を有する、ハードウェアに内蔵されたデータ処理装置を意味し得る。例えば、このようにハードウェアに内蔵されたデータ処理装置は、マイクロプロセッサ(microprocessor)、中央処理装置(central processing unit)、プロセッサコア(processor core)、マルチプロセッサ(multiprocessor)、ASIC(application-specific integrated circuit)、FPGA(field programmable gate array)等の処理装置を含むことができる。
【0039】
また、プロセッサ330は本発明に係るロボット制御システム200の状況情報獲得部210、ワークフロー管理部220およびターゲットサービス管理部230のうち少なくとも一つの機能を遂行することができ(例えば、該当機能がモジュール化されてプロセッサ330に含まれ得る)、状況情報獲得部210、ワークフロー管理部220およびターゲットサービス管理部230のうち少なくとも一つの機能を遂行する外部システム(図示されず)との通信を通じて駆動部320aを制御する機能を遂行してもよい。
【0040】
具体的には、プロセッサ330は少なくとも一つの顧客に関する状況情報を獲得し、サービング場所で提供され得るサービスに関するワークフローを決定するためのワークフロー決定モデルを利用して、前記少なくとも一つの顧客に関する状況情報に基づいて前記少なくとも一つの顧客に対するワークフローを動的に決定し、その決定されるワークフローに基づいて前記少なくとも一つの顧客にターゲットサービスが提供されるようにする機能を遂行することができる。
【0041】
ロボット制御システムの構成
【0042】
以下では、本発明の具現のために重要な機能を遂行するロボット制御システム200の内部構成と各構成要素の機能について詳察することにする。
【0043】
図2は、本発明の一実施形態に係るロボット制御システム200の内部構成を詳細に図示する図面である。
【0044】
図2に図示された通り、本発明の一実施形態に係るロボット制御システム200は、状況情報獲得部210、ワークフロー管理部220、ターゲットサービス管理部230、通信部240および制御部250を含んで構成され得る。本発明の一実施形態によると、状況情報獲得部210、ワークフロー管理部220、ターゲットサービス管理部230、通信部240および制御部250は、そのうち少なくとも一部が外部のシステム(図示されず)と通信するプログラムモジュールであり得る。このようなプログラムモジュールは運営システム、アプリケーションモジュール、またはその他のプログラムモジュールの形態でロボット制御システム200に含まれ得、物理的には多様な公知の記憶装置に保存され得る。また、このようなプログラムモジュールはロボット制御システム200と通信可能な遠隔記憶装置に保存されてもよい。一方、このようなプログラムモジュールは本発明により後述する特定の業務を遂行したり特定の抽象データ類型を実行するルーチン、サブルーチン、プログラム、客体、コンポーネント、データ構造などを包括するが、これに制限されはしない。
【0045】
一方、ロボット制御システム200について前記のように説明されたが、このような説明は例示的なものであり、ロボット制御システム200の構成要素または機能のうち少なくとも一部が必要に応じてサービングロボット300または外部システム(図示されず)内で具現されたり、サービングロボット300または外部システム(図示されず)内に含まれてもよいことは当業者に自明である。また、場合によっては、ロボット制御システム200のすべての機能と構成要素がサービングロボット300内ですべて具現されたりサービングロボット300内にすべて含まれてもよい。
【0046】
まず、本発明の一実施形態に係る状況情報獲得部210は少なくとも一つの顧客に関する状況情報を獲得する機能を遂行することができる。
【0047】
具体的には、本発明の一実施形態によると、顧客に関する状況情報は、該当顧客が食堂などのサービング場所に到着した時から食事および決済を終えてそのサービング場所を離れる時まで該当顧客に関して獲得できる情報のうち、該当顧客に適切なサービスを適切なときに提供するために必要なすべての情報を意味し得る。本発明の一実施形態によると、このような顧客に関する状況情報には該当顧客に関する識別情報、該当顧客の注文状況、該当顧客の食事状況および該当顧客に対するサービス提供状況のうち少なくとも一つが含まれ得る。一方、本明細書で顧客という用語は特定の人を指称してもよいが、その特定の人が含まれたグループ(すなわち、その特定の人とその一行)を指称してもよいものと理解されるべきである。
【0048】
例えば、本発明の一実施形態によると、顧客に関する識別情報には該当顧客の性別、人数、年齢などの該当顧客の構成に関する情報、該当顧客の身元を具体的に認識できるのであればそれに関する情報などが含まれ得、顧客の注文状況には該当顧客が注文した飲食、追加注文があるのであればそれに関する情報、注文した飲料があるのであればそれに関する情報などが含まれ得る。そして、本発明の一実施形態によると、顧客の食事状況には該当顧客が食事をした程度(すなわち、注文した飲食をどれくらい食べたのか)、該当顧客のコップ(または瓶)に飲料が入っている程度、該当顧客が注文した飲食が提供された時から経過した時間などが含まれ得、顧客に対するサービス提供状況には該当顧客にどのようなサービスがいつ提供されたかなどに関する情報が含まれ得る。
【0049】
ただし、本発明の一実施形態に係る顧客に関する状況情報は前記列挙された内容に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲内で多様に変更され得る。
【0050】
一方、本発明の一実施形態に係る状況情報獲得部210は、周辺の映像を獲得するための映像獲得モジュール(例えば、可視光線カメラ、赤外線カメラなど)、周辺の音声を獲得するための音声獲得モジュール(例えば、マイクなど)等を利用して少なくとも一つの顧客に関する状況情報を獲得することができるが、このようなモジュールはサービングロボット300に含まれるか、サービング場所の構造物に設置されたものであり得る。また、本発明の一実施形態によると、少なくとも一つの顧客に関する状況情報のうち、一部は使用者によって入力されてもよい。例えば、本発明の一実施形態に係る状況情報獲得部210は、特定の顧客に特定のサービスが提供されたことを示す情報が従業員によって入力される場合、該当情報をその特定の顧客に関する状況情報(具体的には、その特定の顧客に対するサービス提供状況)として獲得することができる。
【0051】
次に、本発明の一実施形態に係るワークフロー管理部220は、本発明の一実施形態に係る状況情報獲得部210によって獲得される少なくとも一つの顧客に関する状況情報に基づいて、その少なくとも一つの顧客に対するワークフローを動的に決定する機能を遂行することができる。
【0052】
具体的には、本発明の一実施形態によると、少なくとも一つの顧客に対するワークフローは、現在(すなわち、本発明の一実施形態に係るワークフロー管理部220が前記少なくとも一つの顧客に対するワークフローを決定する時点)から前記少なくとも一つの顧客が食事および決済を終えてサービング場所を離れる時まで、前記少なくとも一つの顧客に提供され得る(または提供されるべき)一連の順次的なサービスを列挙する一種のリストを意味し得る。例えば、本発明の一実施形態によると、前記サービスには、応対、席への案内、水などの提供、注文受付、飲食のサービング、水などの補充やバッシングのような食事中に必要なサービスの提供やそれに関する質問、決済要請などが含まれ得る。
【0053】
より具体的には、本発明の一実施形態によると、前記少なくとも一つの顧客に対するワークフローには、どの顧客に(またはどのテーブルに)どのようなサービスがいつ提供されるべきかに関する情報が含まれ得る。このために、前記少なくとも一つの顧客に対するワークフローには、その少なくとも一つの顧客に提供され得る(または提供されるべき)少なくとも一つのサービスとともに、そのサービスそれぞれの優先順位がそのそれぞれのサービスが提供されるべき順序および/または時点の形式で含まれ得る。本発明の一実施形態に係るワークフロー管理部220は、このような少なくとも一つの顧客に対するワークフローを優先度付きキュー(priority queue)の性質を有する資料構造などを利用して管理することができるが、これに制限されるものではない。
【0054】
例えば、本発明の一実施形態に係るワークフロー管理部220はある顧客がサービング場所に到着すると、該当顧客に関する状況情報のうち該当顧客に関する識別情報(例えば、該当顧客の性別、人数、年齢などの該当顧客の構成に関する情報、該当顧客の身元を具体的に認識できるのであればそれに関する情報など)に基づいて該当顧客に対するワークフローを決定することができる。この時、例えば該当顧客が注文した飲食によって該当顧客に対するワークフローが異なるように決定され得る場合であれば、本発明の一実施形態に係るワークフロー管理部220は該当顧客に飲食の注文を受けるまでのワークフローをのみまず決定し、その後のワークフローは飲食の注文を受けた後に決定してもよい。
【0055】
他の例として、本発明の一実施形態に係るワークフロー管理部220は、顧客に関する状況情報のうち該当顧客の注文状況(例えば、該当顧客が注文した飲食、追加注文があるのであればそれに関する情報、注文した飲料があるのであればそれに関する情報など)に基づいて該当顧客に対するワークフローを動的に決定することができる。例えば、本発明の一実施形態に係るワークフロー管理部220は、顧客が注文した飲食に関連する特定のワークフローがあるか、該当顧客が追加メニューを注文するなどの場合に予め決定されたワークフローを適切に変更することができる。また、本発明の一実施形態に係るワークフロー管理部220は、顧客が飲料を注文した場合に該当顧客に対する水補充サービスの優先順位を低くする方向(すなわち、水補充サービスが提供される順序や時点を遅らせる方向)に該当顧客に対するワークフローを決定することができる。
【0056】
さらに他の例として、本発明の一実施形態に係るワークフロー管理部220は、顧客に関する状況情報のうち該当顧客の食事状況(例えば、該当顧客が食事をした程度、該当顧客のコップ(または瓶)に飲料が入っている程度、該当顧客が注文した飲食が提供された時から経過した時間など)に基づいて、該当顧客に対するワークフローを動的に決定することができる。例えば、本発明の一実施形態に係るワークフロー管理部220は、顧客が位置したテーブルの上に空いた容器が多いほどおよび/または該当顧客が注文した飲食が提供された時から経過した時間が長いほど、該当顧客に対するバッシングサービスの優先順位を高くする方向に該当顧客に対するワークフローを決定することができる。また、本発明の一実施形態に係るワークフロー管理部220は、顧客のコップ(または瓶)に入っている飲料の量が少ないほど、該当顧客に対する飲料補充サービス(該当飲料のリフィル、該当飲料の追加注文の意思を確認するための質問などのサービスを含む)の優先順位を高くする方向に該当顧客に対するワークフローを決定することができる。
【0057】
さらに他の例として、本発明の一実施形態に係るワークフロー管理部220は、顧客に関する状況情報のうち該当顧客に対するサービス提供状況(例えば、該当顧客にどのようなサービスがいつ提供されたかなどに関する情報)に基づいて該当顧客に対するワークフローを動的に決定することができる。例えば、本発明の一実施形態に係るワークフロー管理部220は、顧客に対するワークフローにかかわらず該当顧客の要請によって従業員やサービングロボット300が該当顧客に特定のサービスを提供したか、該当顧客に対するワークフローにかかわらず従業員が自主的に該当顧客に特定のサービスを提供したなどの場合に、その提供された特定のサービスの優先順位を低くする方向に該当顧客に対するワークフローを決定することができる。
【0058】
すなわち、本発明の一実施形態に係るワークフロー管理部220は、顧客に関する状況情報に基づいて該当顧客に対するワークフローに適切なサービスを含ませたり、該当顧客に対するワークフローで特定のサービスを除外させたり、該当顧客に対するワークフローで特定のサービスの優先順位を変更するなどの方式で、該当顧客に対するワークフローを動的に決定することができる。
【0059】
また、本発明の一実施形態に係るワークフロー管理部220は、サービング場所の種類に基づいて少なくとも一つの顧客に対するワークフローを決定することができる。
【0060】
例えば、本発明の一実施形態に係るワークフロー管理部220は、サービング場所が無制限リフィル食堂(例えば、All-You-Can-Eat食堂)、ファーストフード店、一般のレストランなどの種類のうちどのようなものに該当するかによって、少なくとも一つの顧客に対するワークフローを異なるように決定することができる。一方、本発明の一実施形態によると、サービング場所が無制限リフィル食堂である場合には、少なくとも一つの顧客に対するワークフローにリフィル飲食サービングサービスが含まれ得る。このような場合、本発明の一実施形態に係るワークフロー管理部220は、顧客に関する状況情報(例えば、該当顧客の人数、性別、年齢、食堂に到着した時点から経過した時間、食事をした程度、最後の飲食サービングから経過した時間など)に基づいて、適切な間隔で飲食がリフィルされ得るように該当顧客に提供するリフィル飲食サービングサービスの優先順位を調整することによって、該当顧客に対するワークフローを動的に決定することができる。
【0061】
一方、本発明の一実施形態に係るワークフロー管理部220は、前記のように少なくとも一つの顧客に対するワークフローを決定するにおいて、サービング場所で提供され得るサービスに関するワークフローを決定するためのワークフロー決定モデルを利用することができる。
【0062】
具体的には、本発明の一実施形態に係る状況情報獲得部210によって少なくとも一つの顧客に関する状況情報が獲得されると、本発明の一実施形態に係るワークフロー管理部220は前記少なくとも一つの顧客に関する状況情報を前記ワークフロー決定モデルに入力することによって、前記少なくとも一つの顧客に対するワークフローを動的に決定することができる。
【0063】
本発明の一実施形態によると、前記ワークフロー決定モデルは、使用者(例えば、従業員、顧客等)によってカスタマイジング(customizing)され得る。例えば、本発明の一実施形態に係るワークフロー管理部220は、ワークフロー決定モデルを利用して決定された少なくとも一つの顧客に対するワークフローおよび/またはこのようなワークフローの決定に必要な設定情報(例えば、サービング場所で提供され得るサービスそれぞれが提供される時点や順序に関する情報、そのサービスそれぞれを提供するか(または提供を受けるか)否かに関する情報など)を使用者に提供することによって、前記ワークフロー決定モデルが該当使用者によってカスタマイジングされるように支援することができる。
【0064】
また、本発明の一実施形態によると、前記ワークフロー決定モデルは、本発明の一実施形態に係る状況情報獲得部210によって獲得される少なくとも一つの顧客に関する状況情報および本発明の一実施形態に係るワークフロー管理部220によって決定される前記少なくとも一つの顧客に対するワークフローに基づいて学習され得る。
【0065】
具体的には、本発明の一実施形態に係るワークフロー管理部220は、多様なマシンラーニング基盤のアルゴリズムを利用して、少なくとも一つの顧客に対するワークフローとその少なくとも一つの顧客に実際に提供されたサービス間の差(例えば、サービスの提供順序、提供時点、種類などの差)が少なくなる方向に前記ワークフロー決定モデルを学習させることによって、その少なくとも一つの顧客にさらに適切な時点でさらに適切な種類のサービスが提供されるようにすることができる。
【0066】
次に、本発明の一実施形態に係るターゲットサービス管理部230は、本発明の一実施形態に係るワークフロー管理部220によって決定される少なくとも一つの顧客に対するワークフローに基づいて、その少なくとも一つの顧客にターゲットサービスが提供されるようにする機能を遂行することができる。
【0067】
具体的には、本発明の一実施形態に係るワークフロー管理部220によって少なくとも一つの顧客に対するワークフローが決定されると、本発明の一実施形態に係るターゲットサービス管理部230は前記少なくとも一つの顧客に対するワークフローに含まれるサービスの中で、前記少なくとも一つの顧客に最優先的に提供されるべきサービス、すなわちターゲットサービスがサービングロボット300や従業員によって提供されるようにすることができる。
【0068】
より具体的には、本発明の一実施形態に係るターゲットサービス管理部230は、少なくとも一つのサービングロボット300の作業状況に関する情報に基づいて、前記少なくとも一つのサービングロボット300のうち、前記少なくとも一つの顧客にターゲットサービスを提供するサービングロボット300を決定することができる。本発明の一実施形態によると、サービングロボット300の作業状況に関する情報には、該当サービングロボット300の位置、該当サービングロボット300に付与されたワークフロー(すなわち、該当サービングロボット300がどの顧客にどのようなサービスをいつ提供することになっているかに関する情報)等が含まれ得る。ただし、本発明の一実施形態に係るサービングロボット300の作業状況に関する情報は前記列挙されたものに限定されず、本発明の目的を達成できる範囲内で多様に変更され得る。
【0069】
例えば、本発明の一実施形態に係るターゲットサービス管理部230は、ターゲットサービスの提供を受ける顧客と最も近い位置のサービングロボット300を該当顧客にターゲットサービスを提供するサービングロボット300として決定することができる。
【0070】
他の例として、本発明の一実施形態に係るターゲットサービス管理部230は、少なくとも一つのサービングロボット300に付与されたワークフローを参照して、ターゲットサービスの提供が可能なサービングロボット300またはワークフロー上最も暇なサービングロボット300を顧客にターゲットサービスを提供するサービングロボット300として決定することができる。
【0071】
また、本発明の一実施形態に係るターゲットサービス管理部230は、ターゲットサービスが従業員によって提供されるべきサービスである場合、少なくとも一つのサービングロボット300の作業状況に関する情報に基づいて少なくとも一つの従業員にターゲットサービスに関する情報を提供することによって、顧客に前記少なくとも一つの従業員によってターゲットサービスが提供されるようにすることができる。本発明の一実施形態によると、ターゲットサービスが従業員によって提供されるべきサービスであるか否かはターゲットサービスの性質によって決定され得て、使用者(例えば、従業員、顧客等)のカスタマイジングによって決定されてもよい。
【0072】
例えば、本発明の一実施形態に係るターゲットサービス管理部230は、ターゲットサービスの提供を受ける顧客と最も近い位置のサービングロボット300が、光、音声などの信号を利用して周辺の少なくとも一つの従業員にターゲットサービスに関する情報(例えば、どの顧客にどのようなサービスがいつ提供されるべきであるかなどに関する情報)を提供するようにすることによって、その少なくとも一つの従業員によって前記顧客にターゲットサービスが提供されるようにすることができる。
【0073】
一方、本発明の一実施形態に係るターゲットサービス管理部230は、ターゲットサービスが少なくとも一つの顧客に提供される状況をモニタリングし、そのモニタリングの結果に基づいてサービング場所で使われるのに適合なサービングロボット300の数を導き出すことができる。また、本発明の一実施形態に係るターゲットサービス管理部230は、季節、曜日、時間などを基準としてサービング場所で使われるのに適合なサービングロボット300の数を導き出すこともできる。
【0074】
例えば、本発明の一実施形態に係るターゲットサービス管理部230は、少なくとも一つの顧客に実際にターゲットサービスが提供された時点が、その少なくとも一つの顧客に対するワークフロー上そのターゲットサービスが提供されるべきであった時点に比べてどれだけ遅れたかをモニタリングすることができ、その遅れた程度が所定水準以上である場合、その遅れた程度に基づいてサービング場所にさらに必要なサービングロボット300の数(例えば、遅れる程度が所定水準未満となるようにするためにさらに必要なサービングロボット300の数)を算出することによって、そのサービング場所で使われるのに適合なサービングロボット300の数を導き出すことができる。
【0075】
他の例として、本発明の一実施形態に係るターゲットサービス管理部230は、少なくとも一つのサービングロボット300が少なくとも一つの顧客にターゲットサービスを提供するために待機する時間が所定水準以上である場合には、その待機時間に基づいてサービング場所で減らすサービングロボット300の数(例えば、待機時間が所定水準未満となるようにするために減らさなければならないサービングロボット300の数)を算出することによって、そのサービング場所で使われるのに適合なサービングロボット300の数を導き出すことができる。
【0076】
次に、本発明の一実施形態に係る通信部240は、状況情報獲得部210、ワークフロー管理部220およびターゲットサービス管理部230からの/へのデータの送受信を可能にする機能を遂行することができる。
【0077】
最後に、本発明の一実施形態に係る制御部250は状況情報獲得部210、ワークフロー管理部220、ターゲットサービス管理部230および通信部240間のデータの流れを制御する機能を遂行することができる。すなわち、本発明の一実施形態に係る制御部250は、ロボット制御システム200の外部からの/へのデータの流れまたはロボット制御システム200の各構成要素間のデータの流れを制御することによって、状況情報獲得部210、ワークフロー管理部220、ターゲットサービス管理部230および通信部240でそれぞれ固有の機能を遂行するように制御することができる。
【0078】
以上で説明された本発明に係る実施形態は、多様なコンピュータ構成要素を通じて実行され得るプログラム命令語の形態で具現されてコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録され得る。前記コンピュータ読み取り可能な記録媒体はプログラム命令語、データファイル、データ構造などを単独でまたは組み合わせて含むことができる。前記コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されるプログラム命令語は、本発明のために特別に設計されて構成されたものであるか、コンピュータソフトウェア分野の当業者に公知となっている使用可能なものであり得る。コンピュータ読み取り可能な記録媒体の例には、ハードディスク、フロッピーディスクおよび磁気テープのような磁気媒体、CD-ROMおよびDVDのような光気録媒体、フロプティカルディスク(floptical disk)のような磁気-光媒体(magneto-optical medium)、およびROM、RAM、フラッシュメモリなどのような、プログラム命令語を保存し実行するように特別に構成されたハードウェア装置が含まれる。プログラム命令語の例には、コンパイラによって作られるような機械語コードだけでなくインタープリタなどを使ってコンピュータによって実行され得る高級言語コードも含まれる。ハードウェア装置は本発明に係る処理を遂行するために一つ以上のソフトウェアモジュールに変更され得、その逆も同じである。
【0079】
以上、本発明が具体的な構成要素などのような特定の事項と限定された実施形態および図面によって説明されたが、これは本発明のより全般的な理解を助けるために提供されたものに過ぎず、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者であればこのような記載から多様な修正と変更を試みることができる。
【0080】
したがって、本発明の思想は前記説明された実施形態に限定されて定められてはならず、後述する特許請求の範囲だけでなくこの特許請求の範囲と均等なまたはこれから等価的に変更されたすべての範囲は本発明の思想の範疇に属するものと言える。
【符号の説明】
【0081】
100:通信網
200:ロボット制御システム
210:状況情報獲得部
220:ワークフロー管理部
230:ターゲットサービス管理部
240:通信部
250:制御部
300:サービングロボット
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2023-01-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サービングロボットを制御するためのシステムに実装される方法であって、
前記システムは、状況情報獲得部、ワークフロー管理部、及びターゲットサービス管理部を備え、
前記状況情報獲得部による、少なくとも一人の顧客に関する状況情報を獲得する段階と、
前記ワークフロー管理部による、サービング場所で提供され得るサービスに関するワークフロー(workflow)を決定するためのワークフロー決定モデルを利用して、前記少なくとも一人の顧客に関する状況情報に基づいて前記少なくとも一人の顧客に対するワークフローを動的に決定する段階と、
前記ワークフロー決定モデルは、前記少なくとも一人の顧客に関する状況情報および前記少なくとも一人の顧客に対するワークフローに基づいて学習され、
前記ターゲットサービス管理部による、前記決定されるワークフローに基づいて前記少なくとも一人の顧客にターゲットサービスが提供される段階と、を含
前記ターゲットサービスは、前記決定されたワークフローに含まれるサービスのうち前記少なくとも一人の顧客に最も優先的に提供されるべきサービスである、方法。
【請求項2】
前記少なくとも一人の顧客に関する状況情報には前記少なくとも一人の顧客に関する識別情報、前記少なくとも一人の顧客の注文状況、前記少なくとも一人の顧客の食事状況および前記少なくとも一人の顧客に対するサービス提供状況のうち少なくとも一つが含まれる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記決定する段階で、前記サービング場所の種類に基づいて前記少なくとも一人の顧客に対するワークフローを決定する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ワークフロー決定モデルは、使用者によってカスタマイジング(customizing)され得る、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記提供される段階で、少なくとも一つのサービングロボットの作業状況に関する情報に基づいて、前記少なくとも一つのサービングロボットのうち前記ターゲットサービスを提供するサービングロボットを決定する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記提供される段階で、前記ターゲットサービスが従業員によって提供されるべきサービスである場合、少なくとも一つのサービングロボットの作業状況に関する情報に基づいて少なくとも一人の従業員に前記ターゲットサービスに関する情報を提供する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記提供される段階で、前記ターゲットサービスが提供される状況をモニタリングし、前記モニタリングの結果に基づいて前記サービング場所で使われるのに適合なサービングロボットの数を導き出す、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
請求項1に記載された方法を実行するためのコンピュータプログラムを記録した、非一過性のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項9】
サービングロボットを制御するためのシステムであって、
少なくとも一人の顧客に関する状況情報を獲得する状況情報獲得部、
サービング場所で提供され得るサービスに関するワークフローを決定するためのワークフロー決定モデルを利用して、前記少なくとも一人の顧客に関する状況情報に基づいて前記少なくとも一人の顧客に対するワークフローを動的に決定するワークフロー管理部、
前記ワークフロー決定モデルは、前記少なくとも一人の顧客に関する状況情報および前記少なくとも一人の顧客に対するワークフローに基づいて学習され、および
前記決定されるワークフローに基づいて前記少なくとも一人の顧客にターゲットサービスが提供されるようにするターゲットサービス管理部を含み、
前記ターゲットサービスは、前記決定されたワークフローに含まれるサービスのうち前記少なくとも一人の顧客に最も優先的に提供されるべきサービスである、システム。
【請求項10】
前記少なくとも一人の顧客に関する状況情報には前記少なくとも一人の顧客に関する識別情報、前記少なくとも一人の顧客の注文状況、前記少なくとも一人の顧客の食事状況および前記少なくとも一人の顧客に対するサービス提供状況のうち少なくとも一つが含まれる、請求項に記載のシステム。
【請求項11】
前記ワークフロー管理部は、前記サービング場所の種類に基づいて前記少なくとも一人の顧客に対するワークフローを決定する、請求項に記載のシステム。
【請求項12】
前記ワークフロー決定モデルは、使用者によってカスタマイジングされ得る、請求項に記載のシステム。
【請求項13】
前記ターゲットサービス管理部は、少なくとも一つのサービングロボットの作業状況に関する情報に基づいて、前記少なくとも一つのサービングロボットのうち前記ターゲットサービスを提供するサービングロボットを決定する、請求項に記載のシステム。
【請求項14】
前記ターゲットサービス管理部は、前記ターゲットサービスが従業員によって提供されるべきサービスである場合、少なくとも一つのサービングロボットの作業状況に関する情報に基づいて少なくとも一人の従業員に前記ターゲットサービスに関する情報を提供する、請求項に記載のシステム。
【請求項15】
前記ターゲットサービス管理部は、前記ターゲットサービスが提供される状況をモニタリングし、前記モニタリングの結果に基づいて前記サービング場所で使われるのに適合なサービングロボットの数を導き出す、請求項に記載のシステム。