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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023020785
(43)【公開日】2023-02-09
(54)【発明の名称】アウトドア等の備品収納携行箱
(51)【国際特許分類】
   A47B 37/04 20060101AFI20230202BHJP
   A47B 57/08 20060101ALI20230202BHJP
   A47B 3/10 20060101ALI20230202BHJP
   A47B 85/06 20060101ALI20230202BHJP
   A47B 81/00 20060101ALI20230202BHJP
   A45C 9/00 20060101ALI20230202BHJP
【FI】
A47B37/04
A47B57/08
A47B3/10 Z
A47B85/06
A47B81/00 F
A45C9/00 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021143560
(22)【出願日】2021-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】521387626
【氏名又は名称】晴家 光博
(72)【発明者】
【氏名】晴家 光博
【テーマコード(参考)】
3B045
3B053
3B260
【Fターム(参考)】
3B045BA00
3B045CB05
3B045CE07
3B045CE10
3B045FA01
3B045FC09
3B053KA01
3B260AA00
3B260AB02
(57)【要約】
【課題】構造が簡単で軽量化が可能となり、携行に便利で組立やテーブルとしての現地での使用が簡単に行えるアウトドア等の備品収納携行箱を提供する。
【解決手段】 内部にアウトドア等の備品を収納する携行箱1は角形箱体に形成され、その前板6が起伏できて蓋板7が開閉と取り外しが可能となり、蓋板7の内面と底板2の下面に、それぞれ脚部材9と20が折り畳みと開脚が可能となるよう取り付けられ、底板2脚部材9を開脚して半箱体1aを地面に設置し、倒した前板6が底板2の延長となり、取り外した蓋板7は脚部材20を開脚してテーブルとなり、このテーブルと底板2及び前板6の上面が同一高さ面になるよう、前記両脚部材9と20の長さが設定されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが矩形状である、底板、両側の側板、後板、前板、蓋板とで形成される六面体の角形箱体からなり、
前記角形箱体は、
底板の両側縁に側板と後縁に後板を起立状に固定し、
前板を底板の前縁に、起立時に両側板間を閉鎖し、伏倒時に底板の前方へ延長状態に伏倒する起伏自在に取り付け、
蓋板を、両側板と後板及び起立する前板で囲まれた四周壁の上面開口を閉鎖できる大きさとすることによって形成され、
前記蓋板は、前記四周壁に対して固定と取り外しが可能となり、
前記底板の裏面及び蓋板の裏面のそれぞれに、折り畳み式の脚部材が取り付けられているアウトドア等の備品収納携行箱。
【請求項2】
上記底板の裏面に設けた脚部材と、上記蓋板の裏面に設けた脚部材の長さは、
底板の裏面に設けた脚部材を下方への開脚位置にして上記角形箱体を支持し、この角形箱体の上記前板を前方へ水平に伏倒させて底板の延長状態にした状態で、
前記角形箱体から外した蓋板の脚部材を開脚位置にしてテーブルにしたとき、
前記前板の上面と蓋板の上面が同じ高さレベルになるように設定されている請求項1に記載のアウトドア等の備品収納携行箱。
【請求項3】
上記両側の側板と後板における内面の所望する位置に、備品を載せるための棚板や籠を取り付けるための横溝が形成されている請求項1又は2に記載のアウトドア等の備品収納携行箱。
【請求項4】
上記角形箱体は、この箱体内に出し入れ可能に収納される備品収納ラックを別体に具有し、この備品収納ラックは、提げ手部分と備品収納ポケット部分を備えた自立可能に形成されている請求項1乃至3の何れかに記載のアウトドア等の備品収納携行箱。
【請求項5】
上記備品収納ラックは、一対のラック単体の組み合わせからなり、前記ラック単体は、上部に提げ手部分を有する背板の一面側にポケット部分を設け、このポケット部分の両端を閉じる端板に、背板に対してポケット部分と反対側に伸びる延長部を設けて形成され、
両ボックス単体を背板が重なるように両者の端板の前記延長部を嵌め合わせ、この延長部の下部を互いに枢止することにより、背板間が閉じた状態と、背板間が開いて備品収納空所を形成した開位置とが選択できるように形成されている請求項4に記載のアウトドア等の備品収納携行箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、キャンプ等を行う場合に必要となる各種の小物備品を、一つの箱体内に収納できるようにすることで、小物備品を忘れたり紛失することなく携行でき、小物備品の携行における煩わしさを解消できると共に、キャンプ地ではすぐに寛いだり飲食等を快適に楽しむことができるアウトドア等の備品収納携行箱に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、キャンプを行う場合、テントのような大型の露営備品とは別に、料理を作ったり飲食を楽しむために、調理器具や食器類、調理を行うための火器や燃料、夜間時の光源となる照明具、飲食物を並べるテーブル等のような比較的小物の備品を携行する必要がある。
【0003】
一般的にキャンプを楽しむ場合、上記のような比較的小物の備品は、キャンプ地までの携行が負担にならないように、できるだけ小型で軽量なものを選部ことが好ましいが、参加人員が多い場合は勿論、少人数の場合でも現地でより快適に過ごせるようにするためには、必然的に携行する備品の種類や数は多くなる。
【0004】
このような種類や数の多い備品を個々にばらばらの状態のものを携行するのでは、確認作業が繁雑となって忘れたり紛失することが生じやすく、このため、備品は必要なものを一つにまとめた状態で携行できるようにするのが好ましい。
【0005】
キャンプで使用する備品をまとめて携行する携行手段としては、例えば、折り畳み式のテーブルを備えた収納箱を用い、この収納箱内に備品を一まとめに収納して携行するのが便利であり、このような従来の収納箱としては、特許文献1に示されているように、複数の収納部を備えた箱体の両側に、テーブル板を水平と垂下の間で回転可能となるよう枢着し、各テーブル板の裏面側に折り畳み式の脚部材を取り付けた構造を有し、前記箱体の収納部に備品を収納して携行するときは、テーブル板を箱体の側面に重なるように垂下させた折り畳み状態とし、現地でテーブルとして使用するときは、テーブル板を箱体の天板と同一面となる水平位置にして脚部材で支持するようになっている。
【0006】
また、特許文献2の収納箱は、角形の箱体を形成する六面の板を互いに分離と結合が自在となるよう、各板に箱体の組立を行うための抜き差し式の脚部材を設けた構造を有し、六面の板を組立て形成した箱体は、その内部に備品を収納して携行すると共に、現地に到着すると箱体を分解し、分解した各板をそれぞれに設けた脚部材で支持することにより、単独のテーブルとして使用するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平10-272014号公報
【特許文献2】特開2001-197947号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、特許文献1の収納箱は、箱体とテーブル板が分離不可であるため、テーブルとして使用したときに長大なものとなり、設置場所に制約を受けるため、その自由度が劣ると共に、箱体に別のテーブル板が取り付けられているため、全体の重量が重くなり、現地への携行に不便であるという問題がある。
【0009】
また、特許文献2の収納箱は、各板に設けた脚部材を抜き差しすることで、箱体の組立と分解によりテーブルへの使用を行うようになっているため、箱体の組立や解体に手間と時間がかかり、脚部材が二重構造になるので、製作コストが高くなると共に、その分全体の重量が重くなり、現地への携行に不便であるという問題がある。
【0010】
そこで、この発明の課題は、構造が簡単で軽量化が可能となり、携行に便利で組立やテーブルとしての現地での使用が簡単に行えるアウトドア等の備品収納携行箱を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記のような課題を解決するため、請求項1の発明は、
それぞれが矩形状である、底板、両側の側板、後板、前板、蓋板とで形成される六面体の角形箱体からなり、
前記角形箱体は、
底板の両側縁に側板と後縁に後板を起立状に固定し、
前板を底板の前縁に、起立時に両側板間を閉鎖し、伏倒時に底板の前方へ延長状態に伏倒する起伏自在に取り付け、
蓋板を、両側板と後板及び起立する前板で囲まれた四周壁の上面開口を閉鎖できる大きさとすることによって形成され、
前記蓋板は、前記四周壁に対して固定と取り外しが可能となり、
前記底板の裏面及び蓋板の裏面のそれぞれに、折り畳み式の脚部材が取り付けられているようにしたものである。
【0012】
請求項2の発明は、上記底板の裏面に設けた脚部材と、上記蓋板の裏面に設けた脚部材の長さは、
底板の裏面に設けた脚部材を下方への開脚位置にして上記角形箱体を支持し、この角形箱体の上記前板を前方へ水平に伏倒させて底板の延長状態にした状態で、
前記角形箱体から外した蓋板の脚部材を開脚位置にしてテーブルにしたとき、
前記前板の上面と蓋板の上面が同じ高さレベルになるように設定されているようにしたものである。
【0013】
請求項3の発明は、上記両側の側板と後板における内面の所望する位置に、備品を載せるための棚板や籠を取り付けるための横溝が形成されているようにしたものである。
【0014】
請求項4の発明は、上記角形箱体は、この角形箱体内に出し入れ可能に収納される備品収納ラックを別体に具有し、この備品収納ラックは、提げ手部分と備品収納ポケット部分を備えた自立可能に形成されているようにしたものである。
【0015】
請求項5の発明は、上記備品収納ラックは、一対のラック単体の組み合わせからなり、前記ラック単体は、上部に提げ手部分を有する背板の一面側にポケット部分を設け、このポケット部分の両端を閉じる端板に、背板に対してポケット部分と反対側に伸びる延長部を設けて形成され、
両ボックス単体を背板が重なるように両者の端板の前記延長部を嵌め合わせ、この延長部の下部を互いに枢止することにより、背板間が閉じた状態と、背板間が開いて備品収納空所を形成した開位置とが選択できるように形成されているようにしたものである。
【0016】
ここで、上記底板は、横長の矩形状に形成され、両側の側板と後板は前記底板に下部を固定することにより底板上に起立すると共に、側板の後縁と後板の側縁も互いに固定化され、これにより、底板と両側板及び後板で、前面と上面が開放した剛性のある半箱体が形成され、両側板の外面で上部の位置に固定した握り手を用い、角形箱体を携行できるようにしている。
【0017】
上記前板は、両側板と同じ高さと両側板間の前面開放面を閉鎖することのできる幅を有する矩形状に形成され、その下縁を床板の前縁に蝶番を用いて取り付け、伏倒時は床板と同一面で前方に伸び、その両側と両側板間に取り付けた屈伸金具の伸張で伏倒姿勢が保持され、また、屈伸金具を二つ折りにして起立させたときの保持は、この前板の両側に取り付けた係止金具を両側の側板に係止することで行われる。
【0018】
上記蓋板は、両側板と後板及び起立した前板で形成される上部開放面を閉鎖できる大きさに形成され、その後縁を後板の上縁に、分離可能な蝶番金具を用いて取り付け、後板に対して起伏動させるための取り付けと取り外しが可能になっており、前記上部開放面を閉鎖した伏倒状態は、前板の外面と蓋板の前縁に設けた係止金具を係合させることにより保持される。
【発明の効果】
【0019】
この発明によると、携行箱を、底板、両側の側板、後板、前板、蓋板とで六面体の角形箱体に形成することにより、構造が簡素でデザイン性に優れ、コストアウトドア等で用いる備品をその内部に収納して容易に携行することができ、現地において前板を倒すことで備品の広い載置面積を確保することができる。
【0020】
また、蓋板は取外して脚部材を起こすことでテーブルとして使用でき、底板の裏面にも脚部材を取り付けてあるので、設置場所場所の条件に広範に対応することができると共に、前板と蓋板を並べることで、飲食のための広い面積のテーブルを形成することができることになる。
【0021】
更に、角形箱体に対し、この角形箱体内に出し入れ可能となる別体の備品収納ラックを組み合わせるようにすると、角形箱体内への備品収納時に、例えば、用途に関連性のある備品だけを選択して備品収納ラックに収納しておくことで、他の用途の備品との仕分けが簡単に行え、現地における必要備品の選択が速やかに行えると言う利便性がある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】この発明に係る携行箱の組み立てた状態の全体形状を示す斜視図
図2】この発明に係る携行箱の分解状態を示す斜視図
図3】この発明に係る携行箱の組立状態を示す縦断面図
図4】この発明に係る携行箱と組み合わせ使用する備品収納ラックの一部切り欠き正面図
図5】備品収納ラックの平面図
図6図4の矢印a-aでの縦断面図
図7】(a)は備品収納ラックの開放前の状態を示す縦断面図、(b)は解放後の状態を示す縦断面図
図8】携行箱における蓋板を取り外して下から見た状態の斜視図
図9】携行箱の前板を開いて蓋板を外した半箱体の内部に備品である棚板を取り付けた状態示す斜視図
図10】携行箱の下部に設けた脚部材の折り畳んだ収納状態を示す下から見た斜視図
図11】携行箱の下部に設けた脚部材と補助脚を起立させた収納状態を示す下から見た斜視図
図12】携行箱の展開した使用状態を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0024】
図1図2のように、携行箱1は、例えば、木材等を材料に用い、それぞれか矩形状となる、底板2と両側の側板3、4、後板5、前板6、蓋板7とで六面体の角形箱体に形成されている。なお、携行箱(角形箱体)1は、1人又は複数人で持てると共に、自動車等に積んで運ぶことのできる範囲内でその大きさが設定されている。
【0025】
上記底板2は、必要とする平面的な大きさを有する横長の矩形状に形成され、両側の側板3、4は、前記底板2の奥行きに等しい幅と所定の高さを有し、後板5は、前記底板2の横幅に等しい幅と両側板3、4と等しい高さを有し、前記両側の側板3、4と後板5は前記底板2に下部を固定することによりこの底板2の周縁上に起立すると共に、側板3、4の後縁と後板5の側縁も互いに固定化され、これにより、底板2と両側板3、4及び後板5で、前面と上面が開放した半箱体1aを形成していると共に、両側板3、4の外面で上部の位置に、携行箱1を携行するための握り手8が固定されている。
【0026】
上記底板2の裏面には、その両側に一対となる折り畳み式の脚部材9、9(第1の脚部材)が蝶番10で取り付けられており、この脚部材9、9は、底板2の裏面に重なる折り畳み姿勢と、底板2の裏面にから下方に突出する開脚姿勢を選択操作することができ、携行箱1の携行時は前記折り畳み姿勢を一対の磁石11、11で保持し、現地で携行箱1を設置するときは、図11のように前記開脚姿勢にセットし、底板2を地面から浮かすことができるようになっている。
【0027】
上記脚部材9、9には、一方の側面に補助脚12(延長脚)が取り付けられており、この脚部材9、9は、二つ折り金具13で、脚部材9の下端接地面に同一面となって側方に伸びる開位置と、脚部材9の側面に重なって納まる閉位置とを選択でき、脚部材9、9を開脚位置にして半箱体1aを地面に設置したとき、補助脚12を開位置にすることで、接地部分が増大し、設置状態の安定化を図ることができることになる。
【0028】
上記前板6は、両側板3、4と同じ高さと両側板3、4間の前面開放面を閉鎖することのできる幅を有する矩形状に形成され、その下縁を底板2の前縁に蝶番14を用いて取り付けることにより、前記半箱体1aの前面で起伏動可能となり、伏倒時は底板2と同一面で前方へ延長状に伸び、起立時は両側板3、4間の前面開放面を閉鎖することができるようになっている。
【0029】
上記前板6は、その両側が両側板3、4とそれぞれ二つ折り金具15で連結され、前板6の伏倒姿勢は二つ折り金具15の伸張で保持され、また、前板6を起立させるときは二つ折り金具15を二つ折りにすることによって行い、前板6を起立させて半箱体1aの前面を閉鎖した姿勢は、この前板6の起立時に内面となる面の両側に取り付けた係止金具16を、それぞれ両側の側板3、4に設けた凹部や受け金具に係止することによって保持されるようになっている。
【0030】
上記蓋板7は、両側板3、4と後板5及び起立する前板6で囲まれた四周壁の上面開口を上から覆うことで閉鎖できる大きさを有し、その内面側後部の両側が、後板5の内面側上部とに亘って設けた蝶番金具17で、後板5に対して着脱自在となるよう取り付けられ、後板5に取り付けたときは蝶番金具17を支点にして起伏動自在となり、携行箱1の上面開口を開閉できると共に、蝶番金具17を分離することにより、携行箱1から取り外すことができるようになっている。
【0031】
この蓋板7の前縁における両側の外面と、前板6の上縁における両側の外面のそれぞれには、図1のように、掛け外し自在となる一対の固定金具18が取り付けられ、蓋板7を伏倒させて携行箱1の上面を閉鎖した状態で固定金具18を結合することで、前記蓋板7を固定化することができると共に、固定金具18の結合を解くことで、蓋板7を開位置に引き起こして携行箱1の上面開口を開放することが可能になる。
【0032】
上記蓋板7の前縁には、該蓋板7を開閉操作するための取手金具19が固定されていると共に、この蓋板7の内面には、上記底板2の場合と同様に、その両側に一対となる折り畳み式の脚部材20、20(第2の脚部材)が取り付けられており、この脚部材20、20は、蓋板7の裏面に重なる折り畳み姿勢と、蓋板7の裏面にから下方に起こして突出する開脚姿勢を選択操作することができるようになっており、蓋板7で携行箱1の上部開口を閉鎖する時は前記折り畳み姿勢とし、これを一対の磁石や適宜係止手段で保持し、現地で蓋板7を携行箱1から取り外したときは前記開脚姿勢にセットし、蓋板7をテーブルとして使用することができるようにしている。
【0033】
上記蓋板7に設けた一対の脚部材20、20は、蓋板7で携行箱1の開口を閉鎖したとき、両側板3、4と後板5及び前板6で囲まれた枠内に収まるようになっていると共に、前記底板2に設けた脚部材9、9を起立位置にして携行箱1を地面に設置し、かつ、蓋板7の脚部材20、20を起立位置にして蓋板7をテーブルとして使用するとき、底板2の上面と蓋板7の上面が同じ高さレベルになるように、両者における脚部材9、9と20、20の長さが設定されている。
【0034】
なお、前板6は、その伏倒時に上面が底板2の上面と同一面になるので、テーブルとして使用する蓋板7は、伏倒させた前板6の周辺へ延長状態で配置して使用することができる。
【0035】
上記携行箱1において、両側板3、4と後板5及び前板6内面には、水平の横溝21が上下に間隔をおいて複数設けられ、この横溝21への差し込み部分を設けた棚板や籠類の備品aを、前記横溝21の所望する位置に着脱可能に取り付けることができるようにしている。
【0036】
図4乃至図7は、上記携行箱1内に収納する別体の備品収納ラック31を示し、一対のラック単体32、32を背中合わせの配置で組み合わせることによって形成され、前記ラック単体32、32は、上部に提げ手部分33を有する横長矩形状の背板34と、この背板34の一面側下部に設けた箱形のポケット部分35からなり、前記ポケット部分35は、背板34の下部から一面側に突出する下板35aと、この下板35aの前縁で起立する外板35bと、前記背板34と外板35b及び下板35aの両端を閉じる一対の端板35c、35cとて、上部が開放した箱形になっている。
【0037】
上記一対のラック単体32、32は、背板34を背中合わせにして互いに重ね合わせた状態で、両者の下板35aを蝶番36で互いに結合することにより、両ラック単体32、32が、背板34の重なる閉状態から蝶番36を支点に背板34が末広がりに離反する開状態の間を回動できるようにし、図7(b)のように、離反した背板34間に備品aの収納空所37を形成するようになっており、一方下板35aの下面で連結側の部分に、両ラック単体32、32の開き角度を一定に規制するストッパー38固定され、且つ、両ポケット部分35における下板35a下部には設置脚39が固定され、図6のように、備品収納ラック31は、背板34が重なる閉じた状態と、図7(b)のように、背板34間を広げて開いた状態の何れでも、安定した自立状態が得られるようになっている。
【0038】
また、両ラック単体32、32の閉じた状態と開いた状態を保持するため、両ラック単体32、32のポケット部分35における相反する両端板35c、35cに、相手ポケット部分35側に伸びると共に、相手ポケット部分35の端板35cに重なる延長部40がそれぞれ設けられ、この延長部40と重なる前記相手ポケット部35分における端板35cの内面側にそれぞれ係止金具41が固定され、両ラック単体32、32の閉じた状態のときは、一方の延長部40に形成した係止孔42に一方の係止金具41のピンを係合させ、また、両ラック単体32、32の開いた状態のときは、他方の延長部40に形成した係止孔に他方の係止金具41のピンを係合させるようになっている。
【0039】
なお、備品収納ラック31は、携行箱1内に納まる条件で、手で提げて携行でき、かつ、携行箱1の内部に十分な備品収納空間を残すことのできる大きさに形成されている。
【0040】
この発明の携行箱1は、上記のような構成であり、キャンプ等に出かける場合に、この携行箱1内に備品収納ラック31と各種備品a等を収納し、これを、例えば、キャンピングカーのような自動車等に乗せることで現地に携行する。
【0041】
上記備品収納ラック31は、例えば、図2のように、両ラック単体32、32を閉じた状態にし、両ポケット部分35、35に燃料の着火用備品を収納し、また、携行箱1は、前板6を起立させて前面を閉じ、その内部に備品収納ラック31及び各種備品a等を納めた後、図1のように蓋板7を被せて固定する。
【0042】
現地に運び込んだ携行箱1は、蓋板7を開くか取り外して内部の備品収納ラック31と各種備品a等を取り出し、次に、底板2の下面に取り付けてある脚体9、9を下方に起こして自立させ、底板2が水平になるよう携行箱1を地面上に安定よく設置する。
【0043】
この後、前板6を底板2の前に延長状となるよう前方へ水平に倒し、また、取り外した蓋板7は内面側に取り付けた脚体20、20を引き起こした状態で上下を逆にし、脚体20、20を接地させて前記前板6の近くに配置することでテーブルを形成する。
【0044】
図12のように、携行箱1の底板2や前板6の上には、ランプ、バーナー、食器、飲料等の備品aを並べ、両側板3、4や後板5の内面には、横溝21を利用して、調理器具や調味料等を乗せる棚板や籠等の備品aを取り付け、さらに、テーブルを食事等の食卓として利用する。
【0045】
また、備品収納ラック31は、両ラック単体32、32を開状態にし、両ラック単体32、32間に形成された収納空所37に、例えば薪を収納した状態で、火を使う場所の近くに配置しておく。
【0046】
次に、キャンプ場から撤収する場合は、備品収納ラック31と各備品aを半箱体1a内に収納した状態で前板6を引き起こして固定し、脚部材20、20を折り畳んだ蓋板7を被せて固定し、携行箱1を組み立てて底板の脚部材9、9を折り畳み、これを持ち帰ればよい。
【符号の説明】
【0047】
携行箱(角形箱体)
1a 半箱体
2 底板
3、4 側板
5 後板
6 前板
7 蓋板
8 握り手
9 脚部材
10 蝶番
11 磁石
12 補助脚
13 二つ折り金具
14 蝶番
15 二つ折り金具
16 係止金具
17 蝶番金具
18 固定金具
19 取手金具
20 脚部材
21 横溝
31 備品収納ラック
32 ラック単体
33 提げ手部分
34 背板
35 ポケット部分
36 蝶番
37 収納空所
38 ストッパー
39 設置脚
40 延長部
41 係止金具
42 係止孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12