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特開2023-20821介護に関する計画書の作成を支援する装置、方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023020821
(43)【公開日】2023-02-09
(54)【発明の名称】介護に関する計画書の作成を支援する装置、方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/00 20180101AFI20230202BHJP
【FI】
G16H20/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021197711
(22)【出願日】2021-12-06
(62)【分割の表示】P 2021123704の分割
【原出願日】2021-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】300058880
【氏名又は名称】株式会社ロジック
(74)【代理人】
【識別番号】100108006
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】和田森 久志
(72)【発明者】
【氏名】宮川 晃暢
(72)【発明者】
【氏名】二俣 和人
(72)【発明者】
【氏名】岩村 修
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】機械学習等の手法を用いて介護に関する計画書を効率よく作成できるように支援する装置、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】計画書は、介護サービスに関する所定の複数の介護項目から選択された1以上の介護項目を含む。複数の介護項目のペアには、それぞれ関連度が与えられている。端末装置は、各介護項目のペアについて与えられた関連度を表す介護項目関連図であって、関連度がしきい値より大きい介護項目のペアを表した介護項目関連図を表示する工程と、入力される指示に応じてしきい値が変更された場合、変更されたしきい値に応じて介護項目関連図を更新する工程とを有する処理を実行する。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
介護に関する計画書の作成を支援する装置であって、
処理部と、
前記処理部が実行可能な命令を格納する記憶部とを有し、
前記計画書は、介護サービスに関する所定の複数の介護項目から選択された1以上の前記介護項目を含み、
各前記介護項目は、1つの介護項目情報に対応付けられており、
各前記介護項目情報は、対応する前記介護項目に関連した少なくとも1つの語を含み、
複数の前記介護項目のペアには、それぞれ関連度が与えられており、
1つの前記介護項目のペアについて与えられた1つの前記関連度は、当該1つの前記介護項目のペアが同じ前記計画書に記載される頻度、及び/又は、当該1つの前記介護項目のペアに対応する2つの前記介護項目情報それぞれの少なくとも一部が同じ前記計画書に記載される頻度に応じた値であり、
前記記憶部の前記命令に応じて前記処理部が実行する処理は、
各前記介護項目のペアについて与えられた前記関連度を表す介護項目関連図であって、前記関連度がしきい値より大きい前記介護項目のペアを表した前記介護項目関連図を表示する工程と、
入力される指示に応じて前記しきい値が変更された場合、変更された前記しきい値に応じて前記介護項目関連図を更新する工程とを含む、
装置。
【請求項2】
コンピュータが介護に関する計画書の作成を支援する方法であって、
前記計画書は、介護サービスに関する所定の複数の介護項目から選択された1以上の前記介護項目を含み、
各前記介護項目は、1つの介護項目情報に対応付けられており、
各前記介護項目情報は、対応する前記介護項目に関連した少なくとも1つの語を含み、
複数の前記介護項目のペアには、それぞれ関連度が与えられており、
1つの前記介護項目のペアについて与えられた1つの前記関連度は、当該1つの前記介護項目のペアが同じ前記計画書に記載される頻度、及び/又は、当該1つの前記介護項目のペアに対応する2つの前記介護項目情報それぞれの少なくとも一部が同じ前記計画書に記載される頻度に応じた値であり、
各前記介護項目のペアについて与えられた前記関連度を表す介護項目関連図であって、前記関連度がしきい値より大きい前記介護項目のペアを表した前記介護項目関連図を表示する工程と、
入力される指示に応じて前記しきい値が変更された場合、変更された前記しきい値に応じて前記介護項目関連図を更新する工程と
を有する方法。
【請求項3】
介護に関する計画書の作成を支援する処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記計画書は、介護サービスに関する所定の複数の介護項目から選択された1以上の前記介護項目を含み、
各前記介護項目は、1つの介護項目情報に対応付けられており、
各前記介護項目情報は、対応する前記介護項目に関連した少なくとも1つの語を含み、
複数の前記介護項目のペアには、それぞれ関連度が与えられており、
1つの前記介護項目のペアについて与えられた1つの前記関連度は、当該1つの前記介護項目のペアが同じ前記計画書に記載される頻度、及び/又は、当該1つの前記介護項目のペアに対応する2つの前記介護項目情報それぞれの少なくとも一部が同じ前記計画書に記載される頻度に応じた値であり、
前記プログラムが前記コンピュータに実行させる処理は、
各前記介護項目のペアについて与えられた前記関連度を表す介護項目関連図であって、前記関連度がしきい値より大きい前記介護項目のペアを表した前記介護項目関連図を表示する工程と、
入力される指示に応じて前記しきい値が変更された場合、変更された前記しきい値に応じて前記介護項目関連図を更新する工程とを含む、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、介護に関する計画書の作成を支援する装置、方法及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
介護サービスを提供する事業者は、そのサービスの提供にあたって、介護に関する計画書(介護計画書)を作成することとなっている。しかしながら、介護に関する計画書の作成業務は、介護サービスに関する一定の知識や経験を要するため、経験の浅い担当者にとって負担の大きい業務となっている。
【0003】
このような問題に対して、下記の特許文献には、利用者本人や家族の意向に沿った介護計画書の作成を支援する装置が記載されている。この装置では、介護に関する介護サービス利用者の意向を表す文章及び単語の少なくとも一方を含んだテキストデータが入力され、入力されたテキストデータに基づいて介護に関するキーワードが取得される。そして、複数の既存の計画書の中から、取得されたキーワードを含んだ計画書が抽出され、抽出された既存の計画書に基づいて、計画書の記入内容の案(長期目標、短期目標の案など)が表示される。従って、計画書を作成する担当者は、過去に作成された既存の計画書の記入内容に基づく案を参考にしながら、介護サービス利用者の意向に沿った適切な計画書を効率良く作成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6842789号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、一般的な介護計画書には、トイレ介助、清掃、健康チェックなどの介護サービスに関する項目(以下、「介護項目」と記す場合がある。)を記載する欄と、具体的な介護手順を記載する欄が設けられている。
【0006】
必要とされる介護サービスの内容は利用者ごとに様々であり、適切な介護項目の組み合わせと介護手順の内容も利用者ごとに異なっている。そのため、既存の介護計画書におけるこれらの欄の記載をそのまま他の利用者の介護計画書に流用しても、その利用者にとって適切な記載にはならない。特に、適切な介護項目を過不足なく選択することは、介護サービスに関する経験と知識がないとできないため、経験の浅い担当者にとって困難な業務となっている。比較的経験の長い担当者にとっても、介護項目の選択に漏れやミスを生じることがあり、利用者ごとに適切な介護項目が選択された介護計画書を効率的に作成することが課題となっている。
【0007】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、介護に関する計画書を効率よく作成できるように計画書の作成を支援する装置、方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の観点は、介護に関する計画書の作成を支援する装置であって、処理部と、前記処理部が実行可能な命令を格納する記憶部とを有し、前記計画書は、介護サービスに関する所定の複数の介護項目から選択された1以上の前記介護項目を含み、各前記介護項目は、1つの介護項目情報に対応付けられており、各前記介護項目情報は、対応する前記介護項目に関連した少なくとも1つの語を含み、複数の前記介護項目のペアには、それぞれ関連度が与えられており、1つの前記介護項目のペアについて与えられた1つの前記関連度は、当該1つの前記介護項目のペアが同じ前記計画書に記載される頻度、及び/又は、当該1つの前記介護項目のペアに対応する2つの前記介護項目情報それぞれの少なくとも一部が同じ前記計画書に記載される頻度に応じた値であり、前記記憶部の前記命令に応じて前記処理部が実行する処理は、各前記介護項目のペアについて与えられた前記関連度を表す介護項目関連図であって、前記関連度がしきい値より大きい前記介護項目のペアを表した前記介護項目関連図を表示する工程と、入力される指示に応じて前記しきい値が変更された場合、変更された前記しきい値に応じて前記介護項目関連図を更新する工程とを含む。
【0009】
本発明の第2の観点は、コンピュータが介護に関する計画書の作成を支援する方法であって、前記計画書は、介護サービスに関する所定の複数の介護項目から選択された1以上の前記介護項目を含み、各前記介護項目は、1つの介護項目情報に対応付けられており、各前記介護項目情報は、対応する前記介護項目に関連した少なくとも1つの語を含み、複数の前記介護項目のペアには、それぞれ関連度が与えられており、1つの前記介護項目のペアについて与えられた1つの前記関連度は、当該1つの前記介護項目のペアが同じ前記計画書に記載される頻度、及び/又は、当該1つの前記介護項目のペアに対応する2つの前記介護項目情報それぞれの少なくとも一部が同じ前記計画書に記載される頻度に応じた値であり、各前記介護項目のペアについて与えられた前記関連度を表す介護項目関連図であって、前記関連度がしきい値より大きい前記介護項目のペアを表した前記介護項目関連図を表示する工程と、入力される指示に応じて前記しきい値が変更された場合、変更された前記しきい値に応じて前記介護項目関連図を更新する工程とを有する。
【0010】
本発明の第3の観点は、介護に関する計画書の作成を支援する処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、前記計画書は、介護サービスに関する所定の複数の介護項目から選択された1以上の前記介護項目を含み、各前記介護項目は、1つの介護項目情報に対応付けられており、各前記介護項目情報は、対応する前記介護項目に関連した少なくとも1つの語を含み、複数の前記介護項目のペアには、それぞれ関連度が与えられており、1つの前記介護項目のペアについて与えられた1つの前記関連度は、当該1つの前記介護項目のペアが同じ前記計画書に記載される頻度、及び/又は、当該1つの前記介護項目のペアに対応する2つの前記介護項目情報それぞれの少なくとも一部が同じ前記計画書に記載される頻度に応じた値であり、前記プログラムが前記コンピュータに実行させる処理は、各前記介護項目のペアについて与えられた前記関連度を表す介護項目関連図であって、前記関連度がしきい値より大きい前記介護項目のペアを表した前記介護項目関連図を表示する工程と、入力される指示に応じて前記しきい値が変更された場合、変更された前記しきい値に応じて前記介護項目関連図を更新する工程とを含む。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、介護に関する計画書を効率よく作成できるように計画書の作成を支援する装置、方法及びプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本実施形態に係る端末装置とサーバを含んだシステムの構成の一例を示す図である。
図2図2は、本実施形態に係る計画書作成支援方法を説明するための第1のフローチャートである。
図3図3は、本実施形態に係る計画書作成支援方法を説明するための第2のフローチャートである。
図4図4Aは、介護サービス利用者の意向を表す文章等を入力する画面の一例を示す図である。図4Bは、介護サービス利用者の意向を表す文章の入力を支援する画面の一例を示す図である。
図5図5は、長期目標及び短期目標の文章を選択する画面の一例を示す図である。
図6図6は、介護手順に関する文章を選択する画面の一例を示す図である。
図7図7は、介護手順の案に基づく介護項目の候補から、計画書に記載する介護項目を選択する画面の一例を示す図である。
図8図8は、介護項目に関連する介護手順の文章例を用いて介護手順の案を更新する画面の一例を示す図である。
図9図9は、介護手順の案における文章の順番を変更する操作を説明するための図である。
図10図10は、計画書に記載する介護項目を選択する画面の一例を示す図であり、介護項目関連図を含んだ画面例を示す。
図11図11は、介護項目関連図の更新に関わる処理の一例を説明するための第1のフローチャートである。
図12図12は、介護項目関連図の更新に関わる処理の一例を説明するための第2のフローチャートである。
図13図13は、介護項目関連図の更新に関わる処理の一例を説明するための第3のフローチャートである。
図14図14A及び図14Bは、しきい値を変更させた場合における介護項目関連図の変化の例を示す図である。
図15図15A及び図15Bは、特定の介護項目に対する他の介護項目の関連度を表すように介護項目関連図を更新する例を示す図である。
図16図16A及び図16Bは、結合図形で結合されたマークのみを表示するように介護項目関連図を更新する例を示す図である。
図17図17A及び図17Bは、異なる関連度集合に基づいて作成された2つの介護項目関連図の例を示す図である。
図18図18は、作成した計画書を表示する画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本実施形態に係る端末装置1とサーバ2を含んだシステムの構成の一例を示す図である。図1に示すシステムは、インターネットなどの通信ネットワーク9を介して互いに通信可能な端末装置1とサーバ2を有する。端末装置1は、本実施形態における計画書の作成を支援する装置の一例である。
【0014】
端末装置1は、訪問介護や通所介護などの介護に関する計画書(以下、単に「計画書」と記す場合がある。)を作成する利用者(計画書の作成に携わる担当者)によって操作される。端末装置1は、例えばデスクトップ型PC、ノート型PC、タブレットPC、スマートフォン、携帯電話機などの情報機器であり、図1の例において、通信ネットワーク9を介した通信機能を備える。サーバ2は、通信ネットワーク9を介してアクセスする端末装置1の要求に応じて、端末装置1による計画書の作成の支援に関連する処理を行う。
【0015】
[端末装置1]
端末装置1は、図1の例において、通信部11と、入力部12と、表示部13と、記憶部14と、処理部15を有する。
【0016】
通信部11は、通信ネットワーク9を介して他の装置(サーバ2など)と通信を行うための装置であり、例えば所定の通信規格(無線LAN、イーサネット(登録商標)など)に準拠して通信を行う通信機器(ネットワークインターフェースカードなど)を含む。
【0017】
入力部12は、利用者の操作に応じた指示やその他の情報を処理部15に入力する。例えば、入力部12は、キーボード、マウス、タッチパッド、タッチパネル、ボタン、スイッチ、マイク、カメラなどの入力機能を備えた機器を少なくとも1つ含む。
【0018】
表示部13は、処理部15において生成される映像信号に応じた映像を表示する装置であり、例えば液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プロジェクタなどの表示機器を含む。
【0019】
記憶部14は、処理部15において実行されるプログラムPG1の命令や、処理部15による処理の過程で一時的に保存されるデータ、処理部15の処理に利用されるデータ、処理部15の処理の結果として得られたデータなどを記憶する。記憶部14は、例えば、主記憶装置(ROM、RAMなど)と補助記憶装置(フラッシュメモリ、SSD、ハードディスク、メモリカード、光ディスクなど)を含んでよい。記憶部14は、1つの記憶装置から構成されてもよいし、複数の記憶装置から構成されてもよい。記憶部14を構成する各記憶装置は、コンピュータのバスや他の任意の情報伝送手段を介して処理部15と接続される。
【0020】
プログラムPG1は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体(USBメモリ、メモリカード、光ディスク、その他の非一時的な有形の媒体)に記録されたものを図示しない読み取り装置から入力して記憶部14に記憶させてもよいし、通信部11において他の装置から受信したものを記憶部14に記憶させてもよい。
【0021】
処理部15は、端末装置1の全体的な動作を統括的に司り、所定の情報処理を実行する。処理部15は、例えば、記憶部14に格納された1以上のプログラムPG1の命令に従って処理を実行する1以上のプロセッサ(CPU、MPU、DSPなど)を含む。処理部15は、記憶部14に格納されたプログラムPG1の命令を1以上のプロセッサが実行することにより、コンピュータとして動作する。
【0022】
処理部15は、特定の機能を実現するように構成された1以上の専用のハードウェア(ASIC、FPGAなど)を含んでもよい。この場合、処理部15は、全ての処理をコンピュータにおいて実行してもよいし、少なくとも一部の処理を専用のハードウェアにおいて実行してもよい。
【0023】
[サーバ2]
サーバ2は、図1の例において、通信部21と、記憶部24と、処理部25と、データベース部3を有する。
【0024】
通信部21は、通信ネットワーク9を介して他の装置(端末装置1など)と通信を行うための装置であり、例えば所定の通信規格(無線LAN、イーサネット(登録商標)など)に準拠して通信を行う通信機器(ネットワークインターフェースカードなど)を含む。
【0025】
記憶部24は、処理部25において実行されるプログラムPG2の命令や、処理部25による処理の過程で一時的に保存されるデータ、処理部25の処理に利用されるデータ、処理部25の処理の結果として得られたデータなどを記憶する。記憶部24は、例えば、主記憶装置(ROM、RAMなど)と補助記憶装置(フラッシュメモリ、SSD、ハードディスク、メモリカード、光ディスクなど)を含んでよい。記憶部24は、1つの記憶装置から構成されてもよいし、複数の記憶装置から構成されてもよい。記憶部24を構成する各記憶装置は、コンピュータのバスや他の任意の情報伝送手段を介して処理部25と接続される。
【0026】
プログラムPG2は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体(USBメモリ、メモリカード、光ディスク、その他の非一時的な有形の媒体)に記録されたものを図示しない読み取り装置から入力して記憶部24に記憶させてもよいし、通信部21において他の装置から受信したものを記憶部24に記憶させてもよい。
【0027】
処理部25は、端末装置1の全体的な動作を統括的に司り、所定の情報処理を実行する。処理部25は、例えば、記憶部24に格納された1以上のプログラムPG2の命令に従って処理を実行する1以上のプロセッサ(CPU、MPU、DSPなど)を含む。処理部25は、記憶部24に格納されたプログラムPG2の命令を1以上のプロセッサが実行することにより、コンピュータとして動作する。サーバ2は、このようなコンピュータを複数含んでいてもよく、複数のコンピュータが任意の通信ネットワークを介して通信を行うことにより連携して処理を実行してもよい。
【0028】
処理部25は、特定の機能を実現するように構成された1以上の専用のハードウェア(ASIC、FPGAなど)を含んでもよい。この場合、処理部25は、全ての処理をコンピュータにおいて実行してもよいし、少なくとも一部の処理を専用のハードウェアにおいて実行してもよい。
【0029】
データベース部3は、端末装置1による計画書の作成の支援に関連する処理など、処理部25が実行する処理において用いられる情報を検索可能に記憶する。データベース部3は、例えばハードディスクやSSD、光ディスクなどの記憶装置を含んで構成される。図1の例において、データベース部3は、複数のデータベース(以下、「DB」と記す場合がある。)を含む。すなわち、データベース部3は、ユーザDB31と、介護項目情報DB32と、介護手順文章例DB33と、関連度DB34と、キーワード情報DB35と、既存計画書DB36を含む。
【0030】
ユーザDB31は、端末装置1を操作するユーザに関する情報(ユーザの識別情報、ユーザの氏名、連絡先、所属する介護事業所など)や、本人認証用の情報(パスワードなど)を検索可能に記憶する。
【0031】
介護項目情報DB32は、所定の複数の介護項目それぞれに対応する介護項目情報を検索可能に記憶する。計画書は、介護サービスに関する所定の複数の介護項目(例えばトイレ介助、清掃、健康チェックなど)から選択された1以上の介護項目を含んでおり、介護項目情報DB32は、介護項目ごとに1つの介護項目情報を記憶する。
【0032】
1つの介護項目情報は、対応する1つの介護項目に関連した少なくとも1つの語を含む。例えば、1つの介護項目情報は、対応する1つの介護項目を直接的若しくは間接的に表す言葉や文、当該1つの介護項目を説明する文、当該1つの介護項目に関連する介護の手順を説明する文などを含んでよい。
【0033】
介護手順文章例DB33は、所定の複数の介護項目それぞれに対応する介護手順の文章例を検索可能に記憶する。介護手順文章例DB33は、介護項目ごとに1以上の文章例を記憶する。1つの文章例は、対応する1つの介護項目に関連した介護手順の文章である。
【0034】
なお、各介護項目に対応する1以上の文章例(介護手順の文章)が、上述した介護項目情報であってもよい。この場合、介護項目情報DB32は省略可能である。
【0035】
関連度DB34は、介護項目同士の関連性の度合いを示す関連度Rを検索可能に記憶する。1つの介護項目と他の1つの介護項目との組み合わせを「介護項目のペア」と呼ぶものとすると、関連度DB34は、所定の複数の介護項目における複数の介護項目のペアそれぞれについて1つの関連度Rを記憶する。
【0036】
仮に、1つの介護項目のペアにおける一方の介護項目を「P1」、他方の介護項目を「P2」と呼び、介護項目P1に対応する介護項目情報を「S1」、介護項目P2に対応する介護項目情報を「S2」と呼ぶ。この場合、1つの介護項目のペア(P1、P2)について与えられた1つの関連度Rは、例えば、次の(1)~(3)のいずれかに相当する値を持つ。
(1) 介護項目P1及びP2が同じ計画書に記載される頻度Q1に応じた値
(2) 介護項目情報S1及びS2のそれぞれ少なくとも一部が同じ計画書に記載される頻度Q2に応じた値
(3) 上記(1)及び(2)の2種類の頻度Q1及びQ2に応じた値(例えば2種類の頻度Q1及びQ2の和に応じた値)
【0037】
1つの介護項目のペアについて与えられた関連度Rが高いほど、当該1つの介護項目のペア(あるいは、2つの介護項目に関連する言葉や文)が同じ計画書に使用され易い傾向がある。介護項目のペア毎に与えられる関連度Rは、例えば、既存計画書DB36に記憶された多数の既存計画書(過去に作成された計画書)に基づいて取得される。
【0038】
また、関連度DB34は、介護項目のペア毎に、次に述べる第1関連度R1及び第2関連度R2を記憶してもよい。
【0039】
1つの介護項目のペア(P1,P2)について与えられた第1関連度R1は、例えば、次の(4)~(6)のいずれかに相当する値を持つ。
(4) 同じ計画書において、介護項目P1が介護項目P2より前に記載される頻度Q3に応じた値
(5) 同じ計画書において、介護項目情報S1の少なくとも一部が介護項目情報S2の少なくとも一部より前に記載される頻度Q4に応じた値
(6) 上記(4)及び(5)の2種類の頻度Q3及びQ4に応じた値(例えば2種類の頻度Q3及びQ4の和に応じた値)
【0040】
他方、1つの介護項目のペア(P1,P2)について与えられた第2関連度R2は、例えば、次の(7)~(9)のいずれかに相当する値を持つ。
(7) 同じ計画書において、介護項目P1が介護項目P2より後に記載される頻度Q5に応じた値
(8) 同じ計画書において、介護項目情報S1の少なくとも一部が介護項目情報S2の少なくとも一部より後に記載される頻度Q6に応じた値
(9) 上記(7)及び(8)の2種類の頻度Q5及びQ6に応じた値(例えば2種類の頻度Q5及びQ6の和に応じた値)
【0041】
1つの介護項目のペア(P1,P2)について与えられた第1関連度R1が高いほど、同じ計画書の中で介護項目P1が介護項目P2より前に記載され易い傾向(あるいは、介護項目P1に関連する言葉や文が介護項目P2に関連する言葉や文より前に記載され易い傾向)がある。また、1つの介護項目のペア(P1,P2)について与えられた第2関連度R2が高いほど、同じ計画書の中で介護項目P1が介護項目P2より後に記載され易い傾向(あるいは、介護項目P1に関連する言葉や文が介護項目P2に関連する言葉や文より後に記載され易い傾向)がある。介護項目のペア毎に与えられる第1関連度R1及び第2関連度R2も、例えば、既存計画書DB36に記憶された多数の既存計画書に基づいて算出される。
【0042】
なお、上記(1)~(3)のいずれかに相当する値を持つ総合的な関連度Rは、第1関連度R1と第2関連度R2とに応じた値(例えば、第1関連度R1と第2関連度R2との和に応じた値)を持っていてもよい。この場合、総合的な関連度Rは、第1関連度R1と第2関連度R2とに基づいて算出することができる。
【0043】
また、関連度DB34は、それぞれ異なる事業者集合が作成に関与した既存計画書に基づく複数の関連度集合を記憶してもよい。この関連度集合は、所定の複数の介護項目において規定された複数の介護項目のペアそれぞれの関連度(R、若しくは、R1及びR2)の集まりを意味する。また、事業者集合は、計画書の作成に関与する1以上の介護事業者の集合を意味する。関連度DB34が複数の関連度集合を記憶することで、例えば、後述する介護項目関連図を作成する場合、その作成に用いる関連度集合をユーザの指示に応じて切り替えることができる。これにより、関連度集合が異なる介護項目関連図を比較して、事業者集合の違いによる関連度の違いを把握することが可能となる。
【0044】
キーワード情報DB35は、介護に関連するキーワードを検索可能に記憶する。このキーワードは、過去に作成された多数の既存計画書から収集された使用頻度の高い単語やフレーズであり、例えば機械学習の手法などによって収集される。
【0045】
また、キーワード情報DB35は、個々のキーワード(例えば「おむつ」)に対して、これと同一又は類似の意味を持ったキーワードである類似キーワード(例えば「オムツ」)を対応付けて記憶してもよい。これにより、1つのキーワードを検索した場合に、これと同一又は類似の意味を持つ類似キーワードも合わせて検索することが可能となる。
【0046】
更に、キーワード情報DB35は、介護分野で用いられる特定のキーワードである介護キーワード(例えば「口腔ケア」)と、介護キーワード以外でこれに関連性を有する通常のキーワード(例えば「義歯」)とを対応付けて記憶してもよい。これにより、介護サービスの利用者本人や家族の意向を表す文章に含まれた通常のキーワードを検索した場合に、これに関連性を有する介護キーワードも合わせて検索することが可能となる。
【0047】
また、キーワード情報DB35は、介護に関する要望と、これに関連性を有するキーワードとを対応付けて記憶してもよい。介護に関する要望は、例えば、健康管理に関連する「家事」「トイレ」「服薬」、重度化予防に関連する「健康」「リハビリ」「自立」、家事や生活管理に関連する「洗濯」「掃除」「買物」、認知症症状の緩和に関連する「物忘れ」「認知症」「声掛け」、社会交流に関連する「やりがい」「外出」、介護者支援に関連する「ストレス」「相談」などが挙げられる。これにより、介護に関する要望が与えられた場合に、これに関連性を有するキーワードを検索することが可能となる。
【0048】
既存計画書DB36は、過去に作成された計画書である既存計画書を検索可能に記憶する。例えば、既存計画書DB36は、既存計画書における各欄の記載内容を記憶しており、与えられたキーワードを含んだ既存計画書の欄の記載内容を読み出すことができる。また、既存計画書DB36は、各計画書の各欄の記載内容から予め抽出されたキーワードを記憶してもよい。これにより、キーワードが含まれた計画書とその欄を高速に特定することが可能となる。
【0049】
次に、本実施形態に係る計画書作成支援方法の一例について図2及び図3のフローチャートを参照して説明する。
【0050】
ST105:
端末装置1の処理部15は、ユーザの認証情報(識別情報、パスワードなど)に基づいて、サーバ2へのログインを要求する。サーバ2の処理部25は、端末装置1から受信した認証情報を、ユーザDB31に登録される情報と照合し、これらの情報が一致する場合、ログインの要求を許可する。ログイン状態となった端末装置1の処理部15は、サーバ2から提供される図4Aに示す画面Aを表示部13に表示する。画面Aは、介護サービスの利用者に関する情報(氏名、性別、生年月日、要介護度のランクとその認定期間)を表示する領域A1と、利用者本人及び家族の意向をテキストデータとして入力する領域A2と、利用者本人及び家族の介護に関する要望を入力するチェックボックスを備えた領域A4を含む。
【0051】
端末装置1の処理部15は、領域A2への文字入力操作に応じて、介護に関する介護サービス利用者の意向を表す文章及び単語の少なくとも一方を含んだテキストデータを入力する。また処理部15は、領域A4のチェックボックスに対する入力操作に応じて、利用者本人及び家族の介護に関する要望の情報を入力する。
【0052】
図4Aの例では、介護に関する要望が6つのカテゴリ(健康管理、重度化予防、家事・生活管理、認知症症状の緩和、社会交流・意欲、介護者支援)に分類されており、個々の要望の入力・非入力をチェックボックスの操作によって選択できるようになっている。
【0053】
画面AにおいてボタンA3が押下されると、端末装置1の処理部15は、図4Bに示す画面B(例えば画面Aに重ねて表示されるポップアップウィンドウ)を表示部13に表示する。画面Bは、利用者本人及び家族の意向を表す文章の入力を支援するための画面である。画面Bは、利用者本人及び家族の意向に関する4つのカテゴリ(健康管理、生活支援、介護者支援、社会交流)の1つを選択するためのボタンB1~B4と、選択したカテゴリにおける複数の文章例を表示する領域B5を含む。領域B5に表示された文章例の1つがカーソルCRなどによって選択されると、端末装置1の処理部15は、選択された文章例を意向のテキストデータとして入力するとともに、画面Aの領域A2に表示する。ボタンB6が押下されると、端末装置1の処理部15は画面Bを閉じて、画面Aの表示に戻る。
【0054】
画面AにおいてボタンA5が押下されると、端末装置1の処理部15は次のステップST110に移行する。
【0055】
ST110:
端末装置1の処理部15は、ステップST110において入力した意向のテキストデータ(利用者本人及び家族の意向を表す文章や単語)と、介護に関する要望の情報とに基づいて、既存計画書DB36に格納された既存計画書における1以上の援助目標の文章(長期目標、短期目標など)を取得し、取得した援助目標の文章を表示部13に表示する。
【0056】
例えば端末装置1の処理部15は、ステップST110において入力したデータ等(意向のテキストデータ、介護に関する要望の情報)をサーバ2に送信して、これらのデータ等に応じた援助目標の文章をサーバ2に要求し、この要求に応答したサーバ2から1以上の援助目標の文章を取得する。
【0057】
サーバ2の処理部25は、端末装置1から受信した意向のテキストデータ(利用者本人及び家族の意向を表す文章や単語)に基づいて、介護に関するキーワードを取得する。例えばサーバ2の処理部25は、意向のテキストデータに含まれる文章を形態素解析処理によって形態素に分割し、分割した個々の形態素(あるいは一連の形態素)とキーワード情報DB35のキーワードとを照合することにより、テキストデータの文章中のキーワードを取得する。
【0058】
なお、サーバ2は、既存計画書から収集されたキーワードのリストに基づいて、文章や単語からキーワードを取得するように生成された機械学習のモデルを記憶部24などに格納していてもよい。この場合、サーバ2の処理部25は、テキストデータ中の文章や単語、文章を解析して得られた形態素の列などを学習済みのモデルに対して適用することにより、テキストデータ中のキーワードを取得する。学習済モデルの生成に使用する機械学習のアルゴリズムは任意であり、例えば線形回帰、ロジスティック回帰、サポートベクターマシン、決定木、ランダムフォレスト、勾配ブースティング、ニューラルネットワークなどの公知のアルゴリズムを用いることができる。
【0059】
また、サーバ2の処理部25は、キーワード情報DB35において互いに対応付けられた複数のキーワード(類似キーワード、介護キーワード、その他のキーワード)のいずれか1つをテキストデータから取得した場合、これに対応付けられた他のキーワードも合せて取得する。これにより、テキストデータに含まれるキーワード(以下、「入力キーワード」と記す場合がある。)だけでなく、入力キーワードに類似した意味を持つキーワードや、介護分野において入力キーワードから連想されるキーワードも取得される。そのため、この後に述べる既存計画書の抽出処理において、テキストデータが表す利用者本人等の意向に関連した内容を含む既存計画書が網羅的に抽出され易くなる。
【0060】
更に、サーバ2の処理部25は、端末装置1から受信した介護に関する要望の情報(領域A4のチェックボックスにより入力された情報)に基づいて、要望の情報に含まれる個々の要望に対応付けられた1以上のキーワードをキーワード情報DB35から取得する。
【0061】
サーバ2の処理部25は、意向のテキストデータ及び要望の情報に基づいてキーワードを取得すると、既存計画書DB36に登録された複数の既存計画書の中から、取得したキーワードを含む少なくとも一部の既存計画書を抽出する。例えば処理部25は、介護サービスの援助目標の欄や、介護項目の欄、介護手順の欄などにおいて、キーワード取得部42が取得したキーワードを検索し、検索によりキーワードが見つかった既存計画書を抽出する。
【0062】
サーバ2の処理部25は、取得したキーワードを含む既存計画書を全て抽出してもよいし、所定の条件に従ってその一部を抽出してもよい。例えば処理部25は、取得したN個のキーワードのうち既存計画書に含まれるキーワードの割合(以下、「キーワード一致度」と記す場合がある。)を、既存計画書DB36に登録された複数の既存計画書の各々について取得し、複数の既存計画書の中からキーワード一致度が相対的に大きい一部の既存計画書を抽出する。この場合、既存計画書抽出部43は、キーワード一致度が大きい順に上位から所定数の既存計画書を抽出してもよいし、キーワード一致度が所定のしきい値より大きい既存計画書を抽出してもよい。キーワード一致度が相対的に大きい既存計画書を抽出することにより、介護サービス利用者の意向を表す適切なキーワードをより多く含んだ既存計画書が抽出され易くなる。
【0063】
また、サーバ2の処理部25は、キーワード一致度などに基づく上述した方法とは別の方法で既存計画書を抽出してもよい。例えば処理部25は、既存計画書DB36に登録された複数の既存計画書の各々について、次に述べるカテゴリ一致数を取得する。カテゴリ一致数は、取得したN個のキーワードの中で既存計画書に含まれるキーワードの数をカテゴリ毎に集計した数である。カテゴリは、例えば図4Aの領域A4に記載された6つのカテゴリのように、介護に関連するカテゴリであり、キーワード情報DB35に記憶される各キーワードは複数のカテゴリのいずれかに分類されている。ここで、カテゴリの数がL個であり、取得したN個のキーワードがL個のカテゴリに分類されるものとすると、処理部25は、L個のカテゴリの各々について、1つの既存計画書に含まれるキーワードの数を集計することにより、当該1つの既存計画書に関するL個のカテゴリ一致数を取得する。処理部25は、複数の既存計画書の各々について取得したL個のカテゴリ一致数に基づいて、既存計画書DB36に登録された複数の既存計画書をM個のクラスターに分類する。このクラスタリング処理には、例えばk平均法などの公知の機械学習の手法を用いてよい。処理部25は、M個のクラスターの各々から、各既存計画書について取得した各カテゴリのカテゴリ一致数に基づいて、少なくとも1つの既存計画書を抽出する。例えば、個々の既存計画書をL個のカテゴリ一致数で表されるベクトルと見なした場合に、既存計画書抽出部43は、各クラスター内でベクトル間の距離の平均値が最も小さくなる既存計画書を、各クラスターを代表する既存計画書として抽出してもよい。
このように、キーワード取得部42が取得したN個のキーワードの一致傾向が異なるM個のクラスターの各々から既存計画書を抽出することにより、キーワード一致度のみを基準として既存計画書を抽出する場合に比べて、多様な内容の既存計画書を抽出することができる。
【0064】
サーバ2の処理部25は、上述したキーワード一致度に基づく既存計画書の抽出方式と、クラスターを利用した既存計画書の抽出方式とを、端末装置1のユーザの指示に応じて選択する。すなわち処理部25は、図4Aの画面Aにおける2つのボタンA6及びA7のうち、ボタンA6が押下された場合は、キーワード一致度に基づく抽出方式により既存計画書を抽出し、ボタンA7が押下された場合は、クラスターを利用した抽出方式により既存計画書を抽出する。
【0065】
更に、サーバ2の処理部25は、介護サービスを受ける利用者(被介護者)の要介護度に応じて既存計画書を抽出する。すなわち処理部25は、図4Aの画面Aにおける2つのボタンA8及びA9のうち、ボタンA8が押下された場合は、要介護度の認定の有無に限定されない全ての利用者の既存計画書を抽出対象に設定し、ボタンA9が押下された場合は、要介護度の認定がされた利用者の既存計画書のみを抽出対象に設定する。これにより、被介護者と介護の状況が比較的類似した既存計画書を抽出し易くなるため、被介護者の介護の状況に合った適切な計画書を作成し易くなる。
【0066】
サーバ2の処理部25は、上記のようにして既存計画書を抽出すると、抽出した既存計画書の少なくとも一部における援助目標(長期目標、短期目標)の記載から援助目標の文章を取得して、端末装置1に送信する。端末装置1の処理部15は、サーバ2から取得した援助目標の文章を表示部13に表示する。
【0067】
図5は、援助目標の文章を表示する画面の一例を示す。図5に示す画面Cは、長期目標に関する文章の領域C1と、短期目標に関する文章の領域C2を含む。領域C1及びC2のそれぞれに示された複数の文章は、サーバ2から所得した援助目標の文章である。各文章の横には、後述するステップST115において端末装置1のユーザに操作されるチェックボックスが配置される。
【0068】
ST115:
端末装置1の処理部15は、表示部13に表示した1以上の援助目標(長期目標、短期目標)の文章から、入力される指示に応じて、計画書に記載する援助目標の案を取得する。例えば、図5の領域C1及びC2のチェックボックスにより特定の文章が選択され、その状態でボタンC3が押下されると、端末装置1の処理部15は、領域C1で選択された文章を長期目標の案として取得し、領域C2で選択された文章を短期目標の案として取得する。端末装置1の処理部15は、取得した長期目標及び短期目標の案を、それぞれサーバ2に送信してもよい。この場合、サーバ2の処理部25は、端末装置1から取得したこれらの案を、作成途中の計画書における長期目標及び短期目標の案として記憶部24に保存してよい。
【0069】
ST120:
端末装置1の処理部15は、取得した援助目標(長期目標、短期目標)の案に基づいて、既存計画書DB36に記憶された1以上の既存計画書における1以上の介護手順に関する文章を取得し、取得した1以上の介護手順に関する文章を表示する。
【0070】
例えば、端末装置1の処理部15は、図5に示す画面CのボタンC3が押下されると、
ステップST115において取得した1以上の短期目標の案をサーバ2に送信して、短期目標の案に応じた介護手順に関する文章をサーバ2に要求し、この要求に応答したサーバ2から1以上の介護手順に関する文章を取得する。
【0071】
サーバ2の処理部25は、端末装置1から短期目標の案を受信すると、受信した短期目標の案と、既存計画書における介護手順に関する記載(例えば具体的な支援方法の欄における記載など)との類似度を、既存計画書DB36の各既存計画書について算出する。文章の類似度の計算は、例えば、文章をベクトルに置き換えてコサイン類似度を計算する方法など、公知の方法を用いることができる。処理部25は、既存計画書DB36の各既存計画書について類似度を算出すると、算出した類似度が相対的に高い1以上の既存計画書(例えば、類似度の順位の上位から所定数の既存計画書)における介護手順に関する記載を、介護手順に関する文章として既存計画書DB36から取得する。複数の短期目標の案を端末装置1から受信した場合、処理部25は、複数の短期目標の案それぞれについて類似度が相対的に高い1以上の既存計画書における介護手順に関する記載を、既存計画書DB36から取得する。サーバ2の処理部25は、取得した介護手順に関する文章を端末装置1に送信する。端末装置1の処理部15は、サーバ2から受信した介護手順に関する文章を表示部13に表示する。
【0072】
図6は、介護手順に関する文章を表示する画面の一例を示す。図6に示す画面Dは、2つの短期目標の案を示す2つの領域D1及びD2と、領域D1の短期目標の案についてサーバ2から取得した複数の介護手順に関する文章を表示する領域D3と、領域D2の短期目標の案についてサーバ2から取得した複数の介護手順に関する文章を表示する領域D3とを含む。領域D3及びD4における各文章(介護手順に関する文章)の横には、後述するステップST125において端末装置1のユーザに操作されるチェックボックスが配置される。
【0073】
ST125:
端末装置1の処理部15は、表示部13に表示した1以上の介護手順に関する文章から、入力される指示に応じて、計画書に記載する介護手順の案を取得する。例えば、図6の領域D3及びD4のチェックボックスによって特定の文章が選択されると、端末装置1の処理部15は、選択されたそれぞれの文章を含むよう構成された介護手順の案を取得して、画面Dの領域D5に表示する。
【0074】
ST130:
端末装置1の処理部15は、ステップST125で取得した介護手順の案に関連する1以上の介護項目を、計画書に記載する介護項目の候補として表示する。介護手順の案に関連する介護項目の候補は、介護手順に基づく介護項目の候補とも呼ばれる。
【0075】
例えば端末装置1の処理部15は、所定の複数の介護項目において、介護手順の案に対する評価値が相対的に高い1以上の介護項目(例えば、評価値の順位の上位から所定数の介護項目)を、介護手順に基づく介護項目の候補として表示する。
【0076】
個々の介護項目は、介護手順の案に対して評価値を持つ。1つの介護項目が介護手順の案に対して持つ評価値は、その1つの介護項目が介護手順の案に関連している度合いを表す数値であり、その1つの介護項目に関連する所定の複数の語それぞれが介護手順の案に含まれる数に応じた値である。
【0077】
例えば、既存計画書DB36に記憶された多数の既存計画書に基づいて、介護に関連する複数の語が予め抽出される。この介護に関連する複数の語は、キーワード情報DB35に記憶されるキーワードと同じものでもよい。そして、抽出された複数の語それぞれについて、介護項目との関連性の度合いを表す点数が予め付与される。この点数は、関連性の度合いが高いほど大きな値を持ち、例えば、関連性がある場合に「1」、関連性がない場合に「0」が付与される。これにより、所定の複数の介護項目それぞれに対して、介護に関連する複数の語それぞれについての点数(関連性の度合いを表す数値)が付与される。1つの介護項目が介護手順の案に対して持つ評価値は、その1つの介護項目に関連する所定の複数の語それぞれが介護手順の案に含まれる数と、その1つの介護項目に対する所定の複数の語それぞれの点数とに応じた数値である。
【0078】
例えば、予め定められたS個の介護項目K(1)~K(S)の1つを「K(i)」と記す。「i」は、1からSまでの任意の整数を示す。また、予め抽出された介護に関連するT個の語W(1)~W(T)の1つを「W(j)」と記す。「j」は、1からTまでの任意の整数を示す。また、介護項目K(i)に対して語W(j)に付与された点数(関連性の度合いを表す数値)を、「X(i,j)」と記す。点数X(i,j)は、介護項目K(i)に対する語W(j)の関連性が高いほど大きな値を持つ。更に、語W(j)が介護手順の案に含まれか否かを示す数値を「Y(j)」と記す。「Y(j)」は、語W(j)が介護手順の案に含まれる場合に「1」、含まれない場合に「0」の値を持つ。この場合、介護手順の案に対する介護項目K(i)の評価値VL(i)は、次の式で表される。
VL(i)=Z(1)+Z(2)+・・・+Z(T-1)+Z(T) …(1)
式(1)における「Z(j)」は、次の式で表される。
Z(j)=X(i,j)×Y(j) …(2)
式(1)及び式(2)で表される評価値VL(i)は、介護項目K(i)に対する点数の大きい(関連性の高い)語W(j)が介護手順の案に多く含まれているほど、大きな値となる。
【0079】
端末装置1の処理部15は、例えば図6に示す画面DにおいてボタンD6が押下されると、ステップST125で取得した介護手順の案(領域D5に表示した介護手順の案)をサーバ2に送信する。サーバ2の処理部25は、端末装置1から受信した介護手順の案に対して、所定の複数の介護項目それぞれの評価値を算出し、算出した評価値が相対的に高い1以上の介護項目を特定する。サーバ2は、この特定した1以上の介護項目を、介護手順に基づく介護項目の候補として端末装置1に通知する。端末装置1の処理部15は、サーバ2から通知された介護項目の候補を表示部13に表示する。
【0080】
図7は、介護手順の案に基づく介護項目の候補を表示する画面の一例を示す。図7に示す画面Eは、サーバ2から通知された介護項目の候補(介護手順に基づく候補)をそれぞれ表示する複数の領域E1と、複数の領域E1に対応して設けられた複数の棒グラフE2とを含む。棒グラフE2は、対応する領域E1の介護項目と介護手順の案(図6の領域D5)との信頼度を表す。信頼度は、0から10までの数値に正規化された評価値に相当する。介護項目の候補を表示する複数の領域E1の横には、後述するステップST135において端末装置1のユーザに操作されるチェックボックスE3が配置される。
【0081】
ST135:
端末装置1の処理部15は、入力される指示に応じて、計画書に記載する介護項目を選択する。例えば処理部15は、図7の画面Eにおける複数の領域E1の横に配置されたチェックボックスE3に対する入力操作に応じて、複数の介護項目の候補から計画書に記載する介護項目を選択する。
【0082】
図7の画面EにおいてボタンE5が押下されると、端末装置1の処理部15は、後述するステップST160に移行して、計画書の作成や印刷等を行う。他方、画面EにおいてボタンE4が押下されると、端末装置1の処理部15は、次のステップST140に移行する。
【0083】
ST140:
端末装置1の処理部15は、ステップST140に移行すると、ステップST125で取得した介護手順の案を更新して内容を強化するための画面を表示部13に表示する。図8は、その画面の一例を示す。
【0084】
図8に示す画面Fは、介護項目を指定するための指示が入力される領域F3と、領域F3で指定された介護項目に対応する介護手順の文章例を表示する領域F4を含む。端末装置1の処理部15は、画面Fの2つのボタンF1及びF2の操作に応じて、領域F3に表示する介護項目を変更する。すなわち、処理部15は、画面FのボタンF1が押下された場合、ステップST135において選択された介護項目のみを表示し、画面FのボタンF2が押下された場合は、全ての介護項目を複数のカテゴリに分けて表示する。
【0085】
端末装置1の処理部15は、入力される指示に応じて領域F3の介護項目の1つが指定されると、指定された介護項目に対応する介護手順の文章例を領域F4に表示する。すなわち処理部15は、領域F3に配置された複数のラジオボタンに対する入力操作に応じて複数の介護項目の1つが指定されると、指定された介護項目に対応する介護手順の文章例をサーバ2に要求する。この要求を受信したサーバ2の処理部25は、指定された介護項目に対応する介護手順の文章例を介護手順文章例DB33から読み出して端末装置1に送信する。端末装置1の処理部15は、サーバ2から受信した介護手順の文章例を領域F4に表示する。
【0086】
端末装置1の処理部15は、領域F4の文章例を編集する入力操作に応じて、領域F4の文章例を変更する。画面FのボタンF5が押下された場合、処理部15は、変更された領域F4の文章例をユーザ独自の文章例として端末装置1の記憶部14又はサーバ2の記憶部24に保存する。これにより、介護項目に対応する介護手順の文章例をユーザ毎にカスタマイズすることが可能となる。なお、端末装置1やサーバ2に保存した文章例は、複数のユーザによって共有できるようにしてもよい。領域F4の文章例が変更された後で画面FのボタンF6が押下された場合、端末装置1の処理部15は、領域F4の変更された文章例を元の文章例(介護手順文章例DB33に記憶された文章例)に戻す。
【0087】
また、図8に示す画面Fは、領域F3においてユーザが指定した介護項目とともに同じ計画書の中で記載され易い傾向がある他の介護項目を表示するための領域F12及びF13を含む。領域F12は、ユーザが指定した介護項目の前に記載され易い他の介護項目を表示し、領域F13は、ユーザが指定した介護項目の後に記載され易い他の介護項目を表示する。
【0088】
端末装置1の処理部15は、入力される指示に応じて領域F3の1つの介護項目が指定されると、指定された1つの介護項目より前に記載される頻度に応じた第1関連度R1が相対的に高い1以上の介護項目を、当該指定された1つの介護項目より前に記載され易い介護項目の候補として領域F12に表示する。またこの場合、端末装置1の処理部15は、領域F3で指定された1つの介護項目より後に記載される頻度に応じた第2関連度R2が相対的に高い1以上の介護項目を、当該指定された1つの介護項目より後に記載され易い介護項目の候補として領域F13に表示する。
具体的には、端末装置1の処理部15は、領域F3で1つの介護項目が指定された場合、当該1つの介護項目の情報をサーバ2に送信して、当該1つの介護項目との第1関連度R1が相対的に高い他の介護項目の情報をサーバ2に要求するとともに、当該1つの介護項目との第2関連度R2が相対的に高い他の介護項目の情報をサーバ2に要求する。サーバ2の処理部25は、端末装置1からの要求に応じて、端末装置1から通知された介護項目との第1関連度R1が相対的に高い他の1以上の介護項目、並びに、端末装置1から通知された介護項目との第2関連度R2が相対的に高い他の1以上の介護項目を関連度DB34において検索する。サーバ2の処理部25は、検索により抽出した情報(第1関連度R1が相対的に高い1以上の介護項目の情報、及び、第2関連度R2が相対的に高い1以上の介護項目の情報)を端末装置1に送信する。端末装置1の処理部15は、サーバ2から受信した情報に基づいて、第1関連度R1が相対的に高い1以上の介護項目を領域F12に表示し、第2関連度R2が相対的に高い1以上の介護項目を領域F13に表示する。
【0089】
領域F12、F13に表示される各介護項目には、それぞれラジオボタンが設けられている。ラジオボタンへの入力操作に応じて領域F12、F13の介護項目の1つが指定されると、端末装置1の処理部15は、指定された介護項目に対応する介護手順の文章例を領域F4に表示する。
【0090】
なお、端末装置1の処理部15は、領域F3で指定された介護項目との第1関連度R1が所定のしきい値(第2しきい値)より小さい介護項目を、領域F12において表示しないようにしてもよい。すなわち、処理部15は、入力される指示に応じて指定された1つの介護項目より前に記載される頻度に応じた第1関連度R1が第2しきい値より小さい介護項目を、当該指定された1つの介護項目より前に記載され易い介護項目として領域F12に表示しないようにしてもよい。
同様に、端末装置1の処理部15は、領域F3で指定された介護項目との第2関連度R2が所定のしきい値より小さい介護項目を、領域F13において表示しないようにしてもよい。すなわち、処理部15は、入力される指示に応じて指定された1つの介護項目より後に記載される頻度に応じた第2関連度R2が所定のしきい値より小さい介護項目を、当該指定された1つの介護項目より後に記載され易い介護項目として領域F13に表示しないようにしてもよい。
これにより、領域F3で指定された介護項目との関連度(第1関連度R1、第2関連度R2)が所定のしきい値より小さい介護項目が領域F12、F13に表示されなくなる。そのため、関連度の高い介護項目の中から、文章例の表示用に指定する適切な介護項目を選び易くなる。
【0091】
ST145:
端末装置1の処理部15は、画面FのボタンF7が押下されると、領域F4に表示した介護手順の文章例を含むように介護手順の案を更新し、更新した介護手順の案を画面Fの領域F8に表示する。図8の例では、ボタンF7が押下されたときの領域F4の文章例をコピーしたテキストボックスF9が新たに生成されて、領域F8に配置される。例えば図9に示すように、領域F4の文章例をコピーした複数のテキストボックスF9、F10が領域F8に配置された場合、端末装置1の処理部15は、領域F8におけるテキストボックスF9、F10の配置をユーザの入力操作に応じて入れ替える。すなわち、端末装置1の処理部15は、入力されるユーザの指示に応じて、介護手順の案に含まれる文章例の順番を変更する。介護手順の案における文章の順番は、ユーザの操作によって任意に変更することができる。
【0092】
このように、図8に示す画面Fでは、指定した介護項目に対応する介護手順の文章例に基づいて、介護手順の案を更新して内容を強化することができる。
【0093】
なお、画面FのボタンF11が押下された場合、端末装置1の処理部15は、領域F8における介護手順の案を消去する。これにより、介護手順の案を新たに作り直すことも可能である。
【0094】
図8の画面FにおいてボタンF14が押下されると、端末装置1の処理部15は、後述するステップST160に移行して、計画書の作成や印刷等を行う。他方、画面FにおいてボタンF15が押下されると、端末装置1の処理部15は、次のステップST150に移行する。
【0095】
ST150:
端末装置1の処理部15は、ステップST150に移行すると、ステップST135(図7のチェックボックスE3)で選択した介護項目(計画書に記載する介護項目)の変更や追加を行うための画面を表示部13に表示する。図10は、その画面の一例を示す。
【0096】
図10に示す画面Gは、所定の複数の介護項目が表示された領域G1~G3を含む。領域G1には「身体介護」のサービス区分に属する介護項目が表示され、領域G2には「生活支援」のサービス区分に属する介護項目が表示され、領域G3には「その他」のサービス区分に属する介護項目が表示される。
【0097】
領域G1~G3の各介護項目には、チェックボックスが付随して設けられている。端末装置1の処理部15は、ステップST135(図7のチェックボックスE3)で既に選択された介護項目のチェックボックスをチェック状態に設定し、計画書に記載する介護項目として既に選択済であることを表す。
【0098】
また、領域G1~G3において介護項目を囲む点線は、画面F(図8)において更新された介護手順の案に基づく介護項目の候補(介護手順の案に関連する介護項目)であることを示す。端末装置1の処理部15は、領域G1~G3において、介護手順に基づく介護項目の候補と、そうでない介護項目とを区別して表示する。この区別の仕方は、図10において示すような点線の枠による区別に限らず、例えば介護項目の文字の色による区別でもよいし、文字の背景色による区別でもよい。
【0099】
端末装置1の処理部15は、ステップST145において更新された介護手順の案(図8の領域F8)に関連する介護項目を、介護手順に基づく介護項目の候補として他の介護項目と区別して領域G1~G3に表示する。
例えば端末装置1の処理部15は、ステップST145で更新された介護手順の案(領域F8に表示した介護手順の案)をサーバ2に送信する。サーバ2の処理部25は、端末装置1から受信した介護手順の案に対して、所定の複数の介護項目それぞれの評価値を算出し、算出した評価値が相対的に高い1以上の介護項目(例えば、評価値の順位の上位から所定数の介護項目)を特定する。サーバ2は、この特定した1以上の介護項目を、介護手順に基づく介護項目の候補として端末装置1に通知する。端末装置1の処理部15は、サーバ2から通知された介護項目を、介護手順に基づく介護項目の候補として他の介護項目と区別して領域G1~G3に表示する。
【0100】
このようにして、端末装置1の処理部15は、領域G1~G3における所定の複数の介護項目それぞれについて、介護手順に基づく介護項目の候補であるか否か、及び、計画書に記載する介護項目として選択済であるか否かを表示する。従って、領域G1~G3における各介護項目の表示態様から、各介護項目についての情報(介護手順の案との関連性、計画書に記載する選択の状況)を簡単に把握できる。
【0101】
また、端末装置1の処理部15は、例えば図10に示すように、画面Gにおいて介護項目関連図G5を表示する。介護項目関連図G5は、各介護項目のペアについて与えられた関連度Rを表しており、関連度Rがしきい値より大きい介護項目のペアと、関連度Rがしきい値より小さい介護項目のペアとを区別して表す。
【0102】
図10に示す介護項目関連図G5は、複数の介護項目に対応する複数のマークG6と、複数のマークG6に付随した複数の文字G7と、複数の介護項目のペアに対応する複数の結合図形G8とを含む。
【0103】
1つのマークG6は、対応する1つの介護項目を表す。図10の例において、マークG6は円形の図形である。マークG6の大きさは、既存計画書DB36に記憶された既存計画書において、マークG6に対応する介護項目を含んだ既存計画書の数の多さを表す。マークG6が大きいほど、対応する介護項目を含んだ既存計画書の数が多いことを示す。
【0104】
1つの文字G7は、付随するマークG6に対応した介護項目を表す。文字G7を囲む点線の枠は、計画書に記載するものとして選択済みの介護項目(領域G1~G3においてチェック状態の介護項目)を表す。なお、選択済みの介護項目の文字G7と、それ以外の介護項目の文字G7とを区別する仕方は、図10に示すような点線の枠による区別に限らず、例えば介護項目の文字G7の色による区別でもよい。すなわち、端末装置1の処理部15は、計画書に記載するものとして選択された介護項目に付随する文字G7を、他の文字G7から区別可能な表示態様に設定すればよく、その表示態様は任意でよい。
【0105】
1つの結合図形G8は、対応する1つの介護項目のペアについて与えられた関連度Rがしきい値より大きい場合に、当該1つの介護項目のペアを表す2つのマークG6を結合する図形である。図10の例において、結合図形G8は、直線的に伸びた棒状の図形である。結合図形G8の太さは、この結合図形G8によって結合される2つのマークG6に対応した介護項目のペアの関連度Rを表しており、太さが大きいほど関連度Rも大きい。
【0106】
端末装置1の処理部15は、入力される指示に応じて関連度Rのしきい値が変更された場合、変更されたしきい値に応じて介護項目関連図G5を更新する。図10の例において、介護項目関連図G5は、関連度Rのしきい値を調節するためのスライダーバーG9を含む。端末装置1の処理部15は、スライダーバーG9への入力操作に応じて関連度Rのしきい値が変更された場合、変更されたしきい値に応じて介護項目関連図G5を更新する。
【0107】
例えば端末装置1の処理部15は、スライダーバーG9への入力操作に応じてしきい値が変更されたことにより、1つの介護項目のペアについて与えられた関連度Rとしきい値との大小関係が変化した場合、当該1つの介護項目のペアに対応する1つの結合図形G8の表示と非表示とを切り替える。すなわち、着目した介護項目につながる結合図形G8の表示と非表示とを、関連度Rのしきい値の調節によって切り替えることができる。そのため、着目した介護項目に対する他の介護項目の関連度Rを、しきい値の調節によって視覚的に把握し易くすることができる。
【0108】
ST155:
端末装置1の処理部15は、画面Gの領域G1~G3において1つの介護項目が指定されると、指定された1つの介護項目との関連度Rが相対的に高い1以上の介護項目を、当該指定された1つの介護項目に基づく介護項目の候補として領域G11に表示する。
すなわち、端末装置1の処理部15は、領域G1~G3において1つの介護項目が指定された場合、当該1つの介護項目の情報をサーバ2に送信して、当該1つの介護項目との関連度Rが相対的に高い他の介護項目の情報をサーバ2に要求する。サーバ2の処理部25は、端末装置1からの要求に応じて、端末装置1から通知された介護項目との関連度Rが相対的に高い他の1以上の介護項目を関連度DB34において検索する。サーバ2の処理部25は、検索により抽出した情報(関連度Rが相対的に高い1以上の介護項目の情報)を端末装置1に送信する。端末装置1の処理部15は、サーバ2から受信した情報に基づいて、関連度Rが相対的に高い1以上の介護項目を領域G11に表示する。
【0109】
図10の例では、領域G1の介護項目「整容」がカーソルCRによって指定されており、端末装置1の処理部15は、この「整容」との関連度Rが相対的に高い3つの介護項目「洗面」、「口腔ケア」、「洗髪」を領域G11に表示している。
【0110】
なお、端末装置1の処理部15は、領域G11に表示する介護項目を、介護項目関連図G5のしきい値に応じて制限してもよい。
例えば、処理部15は、画面Gの領域G1~G3において1つの介護項目がカーソルCRなどにより指定された場合、指定された介護項目との関連度Rが介護項目関連図G5のスライダーバーG9のしきい値より大きい介護項目のみ、当該1つの介護項目に関連する介護項目として領域G11に表示してもよい。
あるいは、処理部15は、画面Gの領域G1~G3において1つの介護項目がカーソルCRなどにより指定された場合、介護項目関連図G5において当該1つの介護項目のマークG6と結合図形G8により結合された1つ以上のマークG6の介護項目を、当該1つの介護項目に関連する介護項目として表示してもよい。
これにより、領域G11において表示する介護項目の範囲をスライダーバーG9のしきい値によって変えることが可能になるため、介護項目同士の関連性を把握し易くなる。
【0111】
また、端末装置1の処理部15は、領域G1~G3や領域G11において1つの介護項目がカーソルCRなどにより指定された場合、指定された1つの介護項目に対応する1つの文章例(介護手順の文章例)を画面Gの領域G4に表示する。すなわち端末装置1の処理部15は、指定された介護項目に対応する介護手順の文章例をサーバ2に要求する。この要求を受信したサーバ2の処理部25は、指定された介護項目に対応する介護手順の文章例を介護手順文章例DB33から読み出して端末装置1に送信する。端末装置1の処理部15は、サーバ2から受信した介護手順の文章例を領域G4に表示する。
【0112】
このように、各介護項目に対応する介護手順の文章と、各介護項目の関連度を表す介護項目関連図G5とを両方参照できるため、適切な介護項目を選択し易くなる。
【0113】
なお、領域G11の各介護項目には、領域G1~G3と同様に、チェックボックスが付随して設けられている。端末装置1の処理部15は、介護項目に付随したチェックボックスがチェック状態に設定された場合、このチェックボックスに対応する介護項目を、計画書に記載する介護項目として選択する。
【0114】
図10の画面GにおいてボタンG12が押下されると、端末装置1の処理部15は、既に説明したステップST140に戻り、介護手順の案を更新して内容を強化するための画面F(図8)を表示部13に表示する。他方、画面GにおいてボタンG13が押下された場合、端末装置1の処理部15は次に述べるステップST160に移行する。
【0115】
ST160:
端末装置1の処理部15は、ステップST160に移行すると、それまでの処理で入力された情報に基づいて計画書を作成し、表示部13に表示する。図18はその画面の一例を示す。図18に示す画面Hは、介護サービスの利用者に関する情報(氏名、性別、生年月日、要介護度のランクとその認定期間)を表示する領域H1と、利用者本人及び家族の意向を表示する領域H2と、長期目標を表示する領域H3と、短期目標及び具体的な支援方法を表示する領域H4と、介護手順を表示する領域H5と、介護項目を表示する領域H6を含む。なお、画面Hの各領域の少なくとも一部(例えば文章が記載された領域)は、ユーザの編集が可能であってもよい。すなわち、端末装置1の処理部15は、記載内容を編集する入力操作に応じて、これらの領域内の文章等を変更してもよい。
【0116】
画面HのボタンH7が押下されると、端末装置1の処理部15は、作成した計画書をCSV形式のファイルに変換して記憶装置等に出力する。また処理部15は、画面HのボタンH8が押下されると、作成した計画書をプリンタに出力して印刷する。更に、処理部15は、画面HのボタンH9が押下されると、計画書の管理等を行う所定のシステムへ作成した計画書を登録する。
【0117】
このように、本実施形態に係る端末装置1では、入力される利用者の指示に応じて、計画書に記載する介護手順の案がサーバ2から取得されて表示され、その介護手順の案に関連する介護項目の候補が更にサーバ2から取得されて表示される。また、介護項目の候補を含む複数の介護項目の中から、利用者の指示に応じて1つの介護項目が指定されると、指定された介護項目に対応付けられた介護手順の文章例がサーバ2から取得されて表示される。そして、入力される利用者の指示に応じて、表示された介護手順の文章例を含むように介護手順の案が更新され、更新された介護手順の案が表示される。これにより、端末装置1を操作するユーザは、介護手順の案に関連する介護項目の候補を参照しながら、計画書に記載する介護項目を選択することが可能になるため、介護手順に対応する適切な介護項目を効率的に選択できる。また、介護項目に対応付けられた介護手順の文章例を用いて介護手順の案を更新できるため、介護項目に対応する適切な介護手順の案を効率的に作成できる。
【0118】
また、本実施形態に係る端末装置1では、介護手順の文章例を用いて介護手順の案が更新された場合、この更新された介護手順の案に関連する介護項目が、介護手順に基づく介護項目の候補として表示される。これにより、介護手順の文章例を用いて介護手順の案の更新することと、更新された介護手順の案に関連する介護項目を参照することとを交互に繰り返すことが可能になる。従って、介護手順に対応する適切な介護項目の選択と、介護項目に対応する適切な介護手順の作成を効率的に行うことができる。また、介護に関する経験や知識が少ない場合でも、介護手順の案の更新と介護項目の選択を繰り返し行うことによって、質の高い計画書を作成することができる。
【0119】
次に、上述したステップST155における介護項目関連図G5図10)の更新に関わる処理について、図11図13のフローチャートを参照して説明する。
【0120】
ST205、ST215:
ステップST205において、端末装置1の処理部15は、介護項目関連図G5の関連度Rのしきい値が変更されたか否かを判定する。処理部15は、介護項目関連図G5のスライダーバーG9が操作された場合に、関連度Rのしきい値が変更されたと判定する。
【0121】
端末装置1の処理部15は、介護項目関連図G5のスライダーバーG9に対する入力操作に応じて関連度Rのしきい値が変更された場合(ST205のYes)、変更されたしきい値に応じて介護項目関連図G5を更新する。すなわち、端末装置1の処理部15は、関連度Rのしきい値が変更されたことにより、1つの介護項目のペアについて与えられた関連度Rとしきい値との大小関係が変化した場合、当該1つの介護項目のペアに対応する1つの結合図形G8の表示と非表示とを切り替える(ST215の(a))。
【0122】
また、端末装置1の処理部15は、関連度Rのしきい値の変更によって結合図形G8の表示と非表示とを切り替えた場合、少なくとも1つの結合図形G8につながったマークG6(以下、「結合マークG6」と記す場合がある。)と、結合図形G8とのつながりを持たないマークG6(以下、「非結合マークG6」と記す場合がある。)との距離が所定の離間距離を超えるように、各マークG6の位置を設定する(ST215の(b))。
【0123】
例えば、ある結合図形G8が表示状態から非表示状態に切り替わったことによって、結合マークG6と非結合マークG6とが所定の離間距離以内に近づいた状態になった場合、処理部15は、両者の距離が所定の離間距離を超えるように、結合マークG6及び非結合マークG6の少なくとも一方を移動させる。
【0124】
図14A及び図14Bは、関連度Rのしきい値を変更させた場合における介護項目関連図G5の変化の例を示す図である。図14Aに示す介護項目関連図G5は、図10と同じであり、図14Bに示す介護項目関連図G5は、図14Aに比べてしきい値が大きくなるようにスライダーバーG9が調節されている。図14Aにおいて結合マークG6の「口腔ケア」「洗面」「配下膳」「情報収集」は、しきい値を大きくした図14Bにおいてそれぞれ非結合マークG6に変化している。そのため、図14Bにおいて非結合マークG6となった「口腔ケア」「洗面」「配下膳」「情報収集」は、中央付近に位置する一群の結合マークG6から所定の離間距離以上離れるように、中央付近から外側へ移動している。
このように、介護項目関連図G5において非結合マークG6が結合マークG6から離れるため、結合図形G8による結合マークG6間の結合状態を把握し易くなる。
【0125】
なお、端末装置1の処理部15は、介護項目関連図G5において特定のマークG6を移動させる指示(例えば特定のマークG6をドラッグ操作によって移動させる指示)が入力された場合、指示に従って特定のマークG6を移動させる。この場合、処理部15は、結合マークG6と非結合マークG6との距離が所定の離間距離を超えるように、他のマークG6も移動させる。これにより、一群の結合マークG6を介護項目関連図G5の見やすい位置に移動させることができる。
【0126】
ST220、ST225:
ステップST220において、端末装置1の処理部15は、所定の複数の介護項目から1つの介護項目が指定されたか否かを判定する。処理部15は、画面Gの領域G1~G3において1つの介護項目がカーソルCRなどにより指定された場合、この介護項目がユーザによって指定されたと判定する。
【0127】
端末装置1の処理部15は、画面Gの領域G1~G3において1つの介護項目が指定された場合(ST220のYes)、介護項目関連図G5において当該1つの介護項目のマークG6と結合図形G8により結合された1つ以上のマークG6の介護項目を、当該1つの介護項目に関連する介護項目として領域G11に表示する(ST225の(a))。これにより、着目した介護項目との関連性が高い他の介護項目を容易に把握することができる。
【0128】
また、端末装置1の処理部15は、画面Gの領域G1~G3において1つの介護項目が指定された場合(ST220のYes)、指定された当該1つの介護項目のマークG6につながる1以上の結合図形G8を、他の結合図形G8から区別可能な表示態様に設定する(ST225の(b))。図10の例では、領域G1で指定された介護項目「整容」のマークG6につながる3本の結合図形G8の濃度が、他の結合図形G8に比べて濃くなっている。処理部15は、濃度に限らず、色、明るさ、形状などによって結合図形G8の表示態様を異ならせてもよい。これにより、着目した介護項目に関わる結合図形G8と他の結合図形G8とを見分け易くなるため、着目した介護項目と他の介護項目との関連性を介護項目関連図G5上で把握し易くなる。
【0129】
更に、端末装置1の処理部15は、画面Gの領域G1~G3において1つの介護項目が指定された場合(ST220のYes)、指定された当該1つの介護項目のマークG6に付随する1つの文字G7を、他の文字G7から区別可能な表示態様に設定する(ST225(c))。図10の例では、領域G1で指定された介護項目「整容」の文字G7が、他の文字G7に比べて大きくなっている。処理部15は、大きさに限らず、フォント、色、濃淡、明るさ、形状などによって文字G7の表示態様を異ならせてもよい。これにより、現在指定している介護項目を明瞭に把握することができる。
【0130】
また、端末装置1の処理部15は、画面Gの領域G1~G3において1つの介護項目が指定された場合(ST220のYes)、指定した当該1つの介護項目に対応する介護手順の文章例を領域G4に表示する(ST225の(d))。この場合、端末装置1の処理部15は、指定された介護項目に対応する介護手順の文章例をサーバ2に要求し、この要求に応答したサーバ2から、介護手順文章例DB33に登録される介護手順の文章例を受信し、受信した文章例を領域G4に表示する。これにより、着目した介護項目と他の介護項目との関連性を介護項目関連図G5において確認しながら、更に、この着目した介護項目に対応する介護手順の文章例を確認できる。従って、介護項目同士の関連性と介護手順の内容とを確認しながら、適切な介護項目を選択し易くなる。
【0131】
ST230、ST235、ST240:
ステップST230において、端末装置1の処理部15は、計画書に記載する介護項目がユーザの指示によって選択されたか否かを判定する。処理部15は、領域G1~G3のチェックボックスがチェック状態に設定された場合、このチェックボックスに対応する介護項目が選択されたと判定する。
【0132】
端末装置1の処理部15は、領域G1~G3のチェックボックスの操作によって計画書に記載する1つの介護項目が新たに選択された場合(ST230のYes)、新たに選択された当該1つの介護項目を、選択済の介護項目のリストに追加する(ST235)。計画書に記載するものとして選択済みの介護項目のリストは、端末装置1の記憶部14に記憶してもよいし、サーバ2の記憶部24に記憶してもよい。端末装置1の処理部15は、このリストにおいて選択済の各介護項目のマークG6に付随する文字G7を、他の文字G7から区別可能な表示態様に設定する(ST240の(a))。図10の例では、選択済の各介護項目の文字G7が点線の枠で囲まれている。処理部15は、点線の枠に限らず、フォント、色、濃淡、明るさ、形状などによって文字G7の表示態様を異ならせてもよい。これにより、計画書に記載するものとしてユーザが選択済みの介護項目を明瞭に把握することができる。
【0133】
また、端末装置1の処理部15は、領域G1~G3のチェックボックスの操作によって計画書に記載する1つの介護項目が新たに選択された場合(ST230のYes)、領域G1~G3の介護項目がカーソルCRなどで指定された場合のステップST225と同様な処理を行う(ST240の(b)~(e))。
すなわち、端末装置1の処理部15は、新たに選択された1つの介護項目のマークG6と結合図形G8により結合された1つ以上のマークG6の介護項目を、当該1つの介護項目に関連する介護項目として領域G11に表示する(ST240の(b))。
また、端末装置1の処理部15は、新たに選択された当該1つの介護項目のマークG6につながる1以上の結合図形G8を、他の結合図形G8から区別可能な表示態様に設定する(ST240の(c))。
更に、端末装置1の処理部15は、新たに選択された当該1つの介護項目のマークG6に付随する1つの文字G7を、他の文字G7から区別可能な表示態様に設定する(ST240の(d))。
また、端末装置1の処理部15は、新たに選択された当該1つの介護項目に対応する介護手順の文章例を領域G4に表示する(ST240の(e))。
【0134】
ST245、ST250:
端末装置1の処理部15は、介護項目関連図G5の1つのマークG6がカーソルCRなどで指定された場合(ST245のYes)、指定された当該1つのマークG6、及び、結合図形G8を介して当該1つのマークG6に結合される各マークG6を表示するとともに、他のマークG6を非表示にする(ST250)。
【0135】
図15A及び図15Bは、介護項目関連図G5のマークG6を指定することによって特定の介護項目に対する他の介護項目の関連度Rを表すように介護項目関連図G5を更新する例を示す図である。図15Aに示す介護項目関連図G5において「調理」のマークG6をカーソルCRにより指定すると、図15Bに示すように、「調理」のマークG6と結合された「掃除」、「買物」、「配下膳」のマークG6が表示される一方、他のマークG6が非表示になっている。また、結合図形G8は、表示状態のマークG6につながるもの以外が非表示となっている。
このように、指定したマークG6と結合図形G8により結合されたマークG6のみが表示されるため、特定の介護項目に対する関連度Rが高い介護項目を明瞭に把握することができる。
【0136】
ST255、ST260:
端末装置1の処理部15は、画面GにおけるボタンG10が押下されると(ST255のYes)、結合図形G8により結合された各マークG6(結合マークG6)を表示するとともに、他のマークG6(非結合マークG6)を非表示にする(ST260)。
【0137】
図16A及び図16Bは、結合図形G8で結合されたマークG6のみを表示するように介護項目関連図G5を更新する例を示す図である。図16Aに示す介護項目関連図G5に対してボタンG10(図10)が押下されると、図16Bに示すように、結合図形G8で結合されたマークG6(結合マークG6)のみが表示された状態となり、他のマークG6(非結合マークG6)は非表示となる。
このように、結合マークG6のみを表示させることによって、介護項目同士の関連性を把握し易くなる。
【0138】
ST265、ST270:
端末装置1の処理部15は、関連度集合を変更するユーザの指示が入力されると(ST265のYes)、各結合図形G8の表示と非表示とを切り替えるために参照される関連度集合を別の関連度集合に変更し、変更後の関連度集合に応じて介護項目関連図G5を更新する(ST270)。ユーザの指示に応じて変更可能な複数の関連度集合は、それぞれ異なる事業者集合が作成に関与した計画書に基づいて得られた集合である。例えば端末装置1の処理部15は、サーバ2から提供される複数の関連度集合の1つに基づいて介護項目関連図G5を構成しているときに、関連度集合を変更する指示が入力されると、使用中の関連度集合をユーザの指示に応じた別の関連度集合に切り替えて、介護項目関連図G5を構成する。
【0139】
図17A及び図17Bは、異なる関連度集合に基づいて作成された2つの介護項目関連図G5の例を示す図である。スライダーバーG9によるしきい値の設定を同じにしても、異なる関連度集合に基づいて構成された介護項目関連図G5では介護項目同士の関連度が異なるため、図17A及び図17Bに示すように、マークG6同士の結合関係が異なっている。
このように、異なる事業者集合により得られた異なる関連度集合に基づく介護項目関連図G5を表示させることができるため、事業者集合の違いによる関連度の違いを把握することが可能となる。例えば、ユーザが所属する特定の介護事業者で得られた関連度集合に基づく介護項目関連図G5と、多数の介護事業者で得られた関連度集合に基づく介護項目関連図G5とを比較すれば、特定の介護事業者における計画書の特徴を分析することができる。
【0140】
ST275、ST280:
端末装置1の処理部15は、複数の介護項目関連図G5を表示するユーザの指示が入力されると(ST275のYes)、それぞれ異なる関連度集合に基づいて構成された複数の前記介護項目関連図を比較可能に表示する(ST280)。例えば、端末装置1の処理部15は、図17A及び図17Bに示すような複数の介護項目関連図G5を1つの画面上に並べて表示する。これにより、事業者集合の違いによる関連度Rの違いを更に明確に把握することが可能となる。
【0141】
ST285:
端末装置1の処理部15は、ステップST155において図10に示す介護項目関連図G5を表示している間(ステップST285のNo)、上述したステップST205~ST280の処理を繰り返す。
【0142】
以上説明したように、本実施形態によれば、所定の複数の介護項目における各介護項目のペアについて与えられた関連度Rが、介護項目関連図G5によって図解される。また、入力される指示に応じて関連度Rのしきい値が変更されると、変更されたしきい値に応じて介護項目関連図G5が更新される。これにより、介護項目同士の関連性を介護項目関連図G5で確認しながら、計画書に記載するべき介護項目を選択できるため、計画書の作成を効率的に進めることができる。
【0143】
なお、本発明は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、種々のバリエーションを含んでいる。
【0144】
例えば、上述した実施形態では、図10に示す画面Gの領域G11に表示する介護項目を、介護項目関連図G5のしきい値に応じて制限する例を挙げたが、本実施形態の他の例では、領域G11に表示する介護項目を所定のしきい値(第1しきい値)によって制限してもよい。例えば、端末装置1の処理部15は、画面Gの領域G1~G3において1つの介護項目がカーソルCRなどにより指定された場合、指定された1つの介護項目との関連度Rが所定のしきい値より小さい介護項目を、当該指定された1つの介護項目に基づく介護項目の候補として領域G11に表示しないようにしてもよい。これにより、明らかに関連度Rの小さい介護項目が領域G11に表示されなくなるため、介護項目同士の関連性を正確に把握して、適切な介護項目を選択し易くなる。
【0145】
上述した実施形態においてサーバ2が実行している処理の少なくとも一部は、端末装置1におい実行してもよい。また、上述した実施形態において端末装置1が実行している処理の一部は、サーバ2において実行してもよい。
【0146】
以下、本願の原出願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
介護に関する計画書の作成を支援する装置であって、
処理部と、
前記処理部が実行可能な命令を格納する記憶部とを有し、
前記計画書は、介護サービスに関する所定の複数の介護項目から選択された1以上の前記介護項目を含み、
各前記介護項目は、1つの介護項目情報に対応付けられており、
各前記介護項目情報は、対応する前記介護項目に関連した少なくとも1つの語を含み、
複数の前記介護項目のペアには、それぞれ関連度が与えられており、
1つの前記介護項目のペアについて与えられた1つの前記関連度は、当該1つの前記介護項目のペアが同じ前記計画書に記載される頻度、及び/又は、当該1つの前記介護項目のペアに対応する2つの前記介護項目情報それぞれの少なくとも一部が同じ前記計画書に記載される頻度に応じた値であり、
前記記憶部の前記命令に応じて前記処理部が実行する処理は、
各前記介護項目のペアについて与えられた前記関連度を表す介護項目関連図であって、前記関連度がしきい値より大きい前記介護項目のペアを表した前記介護項目関連図を表示する工程と、
入力される指示に応じて前記しきい値が変更された場合、変更された前記しきい値に応じて前記介護項目関連図を更新する工程とを含む、
装置。
[2]
前記介護項目関連図は、
複数の前記介護項目に対応する複数のマークと、
複数の前記介護項目のペアに対応する複数の結合図形と
を含むことが可能であり、
1つの前記マークは、対応する1つの前記介護項目を表し、
1つの前記結合図形は、対応する1つの前記介護項目のペアについて与えられた前記関連度が前記しきい値より大きい場合に、当該1つの前記介護項目のペアを表す2つの前記マークを結合する図形であり、
前記介護項目関連図を更新する工程は、前記しきい値が変更されたことにより、1つの前記介護項目のペアについて与えられた前記関連度と前記しきい値との大小関係が変化した場合に、当該1つの前記介護項目のペアに対応する1つの前記結合図形の表示と非表示とを切り替えることを含む、
[1]に記載の装置。
[3]
前記記憶部の前記命令に応じて前記処理部が実行する処理は、入力される指示に応じて1つの前記介護項目が指定されると、前記介護項目関連図において当該1つの前記介護項目の前記マークと前記結合図形により結合された1つ以上の前記マークの前記介護項目を、当該1つの前記介護項目に関連する前記介護項目として表示する工程を含む、
[2]に記載の装置。
[4]
前記記憶部の前記命令に応じて前記処理部が実行する処理は、入力される指示に応じて1つの前記介護項目が指定されると、当該1つの前記介護項目の前記マークにつながる1以上の前記結合図形を、他の前記結合図形から区別可能な表示態様に設定する工程を含む、
[2]又は[3]に記載の装置。
[5]
前記介護項目関連図は、複数の前記マークに付随する複数の文字であって、それぞれ前記マークに対応した前記介護項目を表す複数の前記文字を含み、
前記記憶部の前記命令に応じて前記処理部が実行する処理は、入力される指示に応じて1つの前記介護項目が指定されると、当該1つの前記介護項目の前記マークに付随する1つの前記文字を、他の前記文字から区別可能な表示態様に設定する工程を含む、
[2]~[4]のいずれか一項に記載の装置。
[6]
前記介護項目関連図は、複数の前記マークに付随する複数の文字であって、それぞれ前記マークに対応した前記介護項目を表す複数の前記文字を含み、
前記記憶部の前記命令に応じて前記処理部が実行する処理は、
入力される指示に応じて、前記計画書に記載する前記介護項目を選択する工程と、
前記計画書に記載するものとして選択された1以上の前記介護項目の前記マークに付随する1以上の前記文字を、他の前記文字から区別可能な表示態様に設定する工程とを含む、
[2]~[5]のいずれか一項に記載の装置。
[7]
前記記憶部の前記命令に応じて前記処理部が実行する処理は、入力される指示に応じて1つの前記マークが指定された場合、当該1つの前記マーク、及び、前記結合図形を介して当該1つの前記マークに結合される各前記マークを表示するとともに、他の前記マークを非表示にする工程を含む、
2~6のいずれか一項に記載の装置。
[8]
前記記憶部の前記命令に応じて前記処理部が実行する処理は、入力される指示に応じて、前記結合図形により結合された各前記マークを表示するとともに、他の前記マークを非表示にする工程を含む、
[2]~[7]のいずれか一項に記載の装置。
[9]
前記介護項目関連図を更新する工程は、少なくとも1つの前記結合図形につながった前記マークと、前記結合図形とのつながりを持たない前記マークとの距離が所定の離間距離を超えるように各前記マークの位置を設定することを含む、
[2]~[8]のいずれか一項に記載の装置。
[10]
前記計画書の作成に関与する1以上の介護事業者の集合を事業者集合と呼び、
所定の複数の前記介護項目において規定された複数の前記介護項目のペアそれぞれの関連度の集まりを関連度集合と呼び、
それぞれ異なる前記事業者集合が作成に関与した前記計画書に基づく複数の前記関連度集合が与えられており、
前記記憶部の前記命令に応じて前記処理部が実行する処理は、入力される指示に応じて、各前記結合図形の表示と非表示とを切り替えるために参照される前記関連度集合を別の前記関連度集合に変更する工程を含む、
[1]~[9]のいずれか一項に記載の装置。
[11]
前記記憶部の前記命令に応じて前記処理部が実行する処理は、入力される指示に応じて、それぞれ異なる前記関連度集合に基づいて構成された複数の前記介護項目関連図を比較可能に表示する工程を含む、
[10]に記載の装置。
[12]
前記計画書は、前記介護項目に関連する介護手順を含み、
各前記介護項目は、1以上の文章例に対応付けられており、
各前記文章例は、対応する前記介護項目に関連する介護手順の文章であり、
前記記憶部の前記命令に応じて前記処理部が実行する処理は、入力される指示に応じて1つの介護項目が指定されると、当該1つの介護項目に対応する前記文章例を表示する工程を含む、
[1]~[11]のいずれか一項に記載の装置。
[13]
コンピュータが介護に関する計画書の作成を支援する方法であって、
前記計画書は、介護サービスに関する所定の複数の介護項目から選択された1以上の前記介護項目を含み、
各前記介護項目は、1つの介護項目情報に対応付けられており、
各前記介護項目情報は、対応する前記介護項目に関連した少なくとも1つの語を含み、
複数の前記介護項目のペアには、それぞれ関連度が与えられており、
1つの前記介護項目のペアについて与えられた1つの前記関連度は、当該1つの前記介護項目のペアが同じ前記計画書に記載される頻度、及び/又は、当該1つの前記介護項目のペアに対応する2つの前記介護項目情報それぞれの少なくとも一部が同じ前記計画書に記載される頻度に応じた値であり、
各前記介護項目のペアについて与えられた前記関連度を表す介護項目関連図であって、前記関連度がしきい値より大きい前記介護項目のペアを表した前記介護項目関連図を表示する工程と、
入力される指示に応じて前記しきい値が変更された場合、変更された前記しきい値に応じて前記介護項目関連図を更新する工程と
を有する方法。
[14]
介護に関する計画書の作成を支援する処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記計画書は、介護サービスに関する所定の複数の介護項目から選択された1以上の前記介護項目を含み、
各前記介護項目は、1つの介護項目情報に対応付けられており、
各前記介護項目情報は、対応する前記介護項目に関連した少なくとも1つの語を含み、
複数の前記介護項目のペアには、それぞれ関連度が与えられており、
1つの前記介護項目のペアについて与えられた1つの前記関連度は、当該1つの前記介護項目のペアが同じ前記計画書に記載される頻度、及び/又は、当該1つの前記介護項目のペアに対応する2つの前記介護項目情報それぞれの少なくとも一部が同じ前記計画書に記載される頻度に応じた値であり、
前記プログラムが前記コンピュータに実行させる処理は、
各前記介護項目のペアについて与えられた前記関連度を表す介護項目関連図であって、前記関連度がしきい値より大きい前記介護項目のペアを表した前記介護項目関連図を表示する工程と、
入力される指示に応じて前記しきい値が変更された場合、変更された前記しきい値に応じて前記介護項目関連図を更新する工程とを含む、
プログラム。
【符号の説明】
【0147】
1…端末装置、11…通信部、12…入力部、13…表示部、14…記憶部、15…処理部、2…サーバ、21…通信部、24…記憶部、25…処理部、3…データベース部、31…ユーザデータベース、32…介護項目情報データベース、33…介護手順文章例データベース、34…関連度データベース、35…キーワード情報データベース、36…既存計画書データベース、9…通信ネットワーク
図1
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