(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023020847
(43)【公開日】2023-02-09
(54)【発明の名称】燃料電池付電気自動車
(51)【国際特許分類】
B60L 58/40 20190101AFI20230202BHJP
B60L 58/18 20190101ALI20230202BHJP
【FI】
B60L58/40
B60L58/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2022016815
(22)【出願日】2022-02-07
(71)【出願人】
【識別番号】596111944
【氏名又は名称】今枝 滋洋
(72)【発明者】
【氏名】今枝 滋洋
【テーマコード(参考)】
5H125
【Fターム(参考)】
5H125AA01
5H125AC07
5H125AC12
5H125AC24
5H125BD01
5H125EE27
5H125EE49
(57)【要約】 (修正有)
【課題】普段の近場の近距離圏内では電気自動車として、長距離移動では燃料電池を使って発電しながら走る燃料電池付電気自動車を提供する。
【解決手段】駆動モーター(1)と、二次蓄電池(3)と、給電口(8)と、を有してなる電気自動車であって、二次蓄電池(3)が低容量であり、二次蓄電池(3)を充電する一定出力で低出力の小型燃料電池(6)と、小型燃料電池(6)が発電して二次蓄電池(3)を充電しながら走行停車する燃料電池オンモードと、小型燃料電池(6)が発電せず二次蓄電池(3)を充電せずに走行停車する燃料電池オフモードと、を有し燃料電池オンモードと燃料電池オフモードを切り替えるための切替操作手段(5)と、小型燃料電池(6)の燃料を貯蔵する燃料貯蔵装置(7)と、燃料貯蔵装置(7)に燃料を充填するための充填口(9)と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動モーターと、
二次蓄電池と、
給電口と、
を有してなる電気自動車であって、
前記二次蓄電池が低容量であり、
前記二次蓄電池を充電する一定出力で低出力の小型燃料電池と、
前記小型燃料電池が発電して前記二次蓄電池を充電しながら走行停車する燃料電池オンモードと、前記小型燃料電池が発電せず前記二次蓄電池を充電せずに走行停車する燃料電池オフモードと、を有し前記燃料電池オンモードと前記燃料電池オフモードを切り替えるための切替操作手段と、
前記小型燃料電池の燃料を貯蔵する燃料貯蔵装置と、
前記燃料貯蔵装置に燃料を充填するための充填口と、
を有する事を特徴とする燃料電池付電気自動車。
【請求項2】
前記二次蓄電池が複数のモジュールからなり、
前記モジュールの数を増減する事により前記二次蓄電池の容量を増減させることができる事を特徴とする請求項1に記載の燃料電池付電気自動車。
【請求項3】
前記二次蓄電池の充電率がa%以下の場合に前記切替操作手段が前記燃料電池オンモードとなり前記小型燃料電池が発電して前記二次蓄電池を充電し、
前記二次蓄電池の充電率がb%以上の場合に前記切替操作手段が前記燃料電池オフモードとなり前記小型燃料電池が発電を停止し前記二次蓄電池への充電を停止する
ことを特長とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の燃料電池付電気自動車。
(ここで、a<b)
【請求項4】
請求項3に記載の燃料電池付電気自動車であって、
前記充電率b%がb≦30であることを特長とする燃料電池付電気自動車。
【請求項5】
請求項4に記載の燃料電池付電気自動車であって、
前記充電率a%がa=5であり、
前記充電率b%がb=10である
ことを特長とする燃料電池付電気自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
電気自動車、燃料電池車が、走行時二酸化炭素を排出しないクリーンエネルギー自動車として、今後、発展していくが、そのクリーンエネルギー自動車の一形態として、電気自動車の二次蓄電池に充電する為の、小型、低出力、低価格、の燃料電池を取り付けた燃料電池付電気自動車に関する。
【背景技術】
【0002】
大気中の二酸化炭素による温暖化現象の影響と思われる、気温上昇、異常気象が見られている現在、二酸化炭素の排出につながる化石燃料エンジンによる自動車が、2030年に禁止されることになり、走行時に二酸化炭素を排出しない電気自動車、燃料電池車、への置き換えが始まっている。電気自動車は、順調に販売台数を伸ばしているが、充電時間が長い、航続距離が短い、などの問題点もある。燃料電池車は、燃料の充填に時間はかからず、航続距離も十分ある。将来の水素社会の実現のために、水素燃料電池車が販売されているが、あまり販売台数が伸びていない。その原因は、車両価格が高価である事、水素ステーションの数が少ない、などのためである。車両価格が高価になるのは、燃料電池に触媒としてプラチナが使用されているからである。このプラチナの使用量を減らしたり、プラチナの代替の触媒も、研究されている。水素ステーションの数が少ないのは、水素ステーションの建築コストが高価であること、水素の需要が少ないこと、が挙げられる。水素ステーションを増やすためにも、水素燃料電池車が売れなければならないが、近くに水素ステーションが無く不便な場合、消費者は水素燃料電池車を購入しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【非特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
(イ)本願発明の燃料電池付電気自動車を販売し、水素の需要を増やし、水素ステーションに利益があがるようにする事。
(ロ)普段の近場の近距離圏内では電気自動車として、長距離移動では燃料電池を使って発電しながら走る燃料電池付電気自動車を提供する。
(ハ)二次蓄電池の車載容量を近距離圏内の普段の走行距離に合わせて選択変更できるようにする。
(二)電気自動車の問題点である充電時間が長い、航続距離が短いのを解決した燃料電池付電気自動車を提供する。
(ホ)燃料電池車の燃料電池より小型低出力低価格の燃料電池を用いた燃料電池付電気自動車を提供する。
(へ)電気自動車の二次蓄電池より容量の小さい二次蓄電池の燃料電池付電気自動車を提供する。
(ト)環境にやさしい車を低価格で提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の発明の燃料電池付電気自動車は、
駆動モーター(1)と、
二次蓄電池(3)と、
給電口(8)と、
を有してなる電気自動車であって、
前記二次蓄電池(3)が低容量であり、
前記二次蓄電池(3)を充電する一定出力で低出力の小型燃料電池(6)と、
前記小型燃料電池(6)が発電して前記二次蓄電池(3)を充電しながら走行停車する燃料電池オンモードと、前記小型燃料電池(6)が発電せず前記二次蓄電池(3)を充電せずに走行停車する燃料電池オフモードと、を有し前記燃料電池オンモードと前記燃料電池オフモードを切り替えるための切替操作手段(5)と、
前記小型燃料電池(6)の燃料を貯蔵する燃料貯蔵装置(7)と、
前記燃料貯蔵装置(7)に燃料を充填するための充填口(9)と、
を有する事を特長とする燃料電池付電気自動車である。
【0007】
また、本発明の第2の発明の燃料電池付電気自動車は、
駆動モーター(1)と、
二次蓄電池(3)と、
給電口(8)と、
を有してなる電気自動車であって、
前記二次蓄電池(3)が低容量であり、
前記二次蓄電池(3)を充電する一定出力で低出力の小型燃料電池(6)と、
前記小型燃料電池(6)が発電して前記二次蓄電池(3)を充電しながら走行停車する燃料電池オンモードと、前記小型燃料電池(6)が発電せず前記二次蓄電池(3)を充電せずに走行停車する燃料電池オフモードと、を有し前記燃料電池オンモードと前記燃料電池オフモードを切り替えるための切替操作手段(5)と、
前記小型燃料電池(6)の燃料を貯蔵する燃料貯蔵装置(7)と、
前記燃料貯蔵装置(7)に燃料を充填するための充填口(9)と、
を有し、
前記二次蓄電池(3)が複数のモジュールからなり、
前記モジュールの数を増減する事により前記二次蓄電池(3)の容量を増減させることができる事を特長とする燃料電池付電気自動車である。
【0008】
また、本発明の第3の発明の燃料電池付電気自動車は、
駆動モーター(1)と、
二次蓄電池(3)と、
給電口(8)と、
を有してなる電気自動車であって、
前記二次蓄電池(3)が低容量であり、
前記二次蓄電池(3)を充電する一定出力で低出力の小型燃料電池(6)と、
前記小型燃料電池(6)が発電して前記二次蓄電池(3)を充電しながら走行停車する燃料電池オンモードと、前記小型燃料電池(6)が発電せず前記二次蓄電池(3)を充電せずに走行停車する燃料電池オフモードと、を有し前記燃料電池オンモードと前記燃料電池オフモードを切り替えるための切替操作手段(5)と、
前記小型燃料電池(6)の燃料を貯蔵する燃料貯蔵装置(7)と、
前記燃料貯蔵装置(7)に燃料を充填するための充填口(9)と、
を有し、
前記二次蓄電池(3)の充電率がa%以下の場合に前記切替操作手段(5)が前記燃料電池オンモードとなり前記小型燃料電池(6)が発電して前記二次蓄電池(3)を充電し、
前記二次蓄電池(3)の充電率がb%以上の場合に前記切替操作手段(5)が前記燃料電池オフモードとなり前記小型燃料電池(6)が発電を停止し前記二次蓄電池(3)への充電を停止する
ことを特長とする燃料電池付電気自動車
(ここで、a<b)
または、
駆動モーター(1)と、
二次蓄電池(3)と、
給電口(8)と、
を有してなる電気自動車であって、
前記二次蓄電池(3)が低容量であり、
前記二次蓄電池(3)を充電する一定出力で低出力の小型燃料電池(6)と、
前記小型燃料電池(6)が発電して前記二次蓄電池(3)を充電しながら走行停車する燃料電池オンモードと、前記小型燃料電池(6)が発電せず前記二次蓄電池(3)を充電せずに走行停車する燃料電池オフモードと、を有し前記燃料電池オンモードと前記燃料電池オフモードを切り替えるための切替操作手段(5)と、
前記小型燃料電池(6)の燃料を貯蔵する燃料貯蔵装置(7)と、
前記燃料貯蔵装置(7)に燃料を充填するための充填口(9)と、
を有し、
前記二次蓄電池(3)が複数のモジュールからなり、
前記モジュールの数を増減する事により前記二次蓄電池(3)の容量を増減させることができ、
前記二次蓄電池(3)の充電率がa%以下の場合に前記切替操作手段(5)が前記燃料電池オンモードとなり前記小型燃料電池(6)が発電して前記二次蓄電池(3)を充電し、
前記二次蓄電池(3)の充電率がb%以上の場合に前記切替操作手段(5)が前記燃料電池オフモードとなり前記小型燃料電池(6)が発電を停止し前記二次蓄電池(3)への充電を停止する
ことを特長とする燃料電池付電気自動車である。
(ここで、a<b)
【0009】
また、本発明の第4の発明の燃料電池付電気自動車は、
本発明の第3の発明の燃料電池付電気自動車の
前記充電率b%がb≦30であることを特長とする燃料電池付電気自動車である。
【0010】
また、本発明の第5の発明の燃料電池付電気自動車は、
本発明の第4の発明の燃料電池付電気自動車の
前記充電率a%がa=5であり、
前記充電率b%がb=10である
ことを特長とする燃料電池付電気自動車である。
【発明の効果】
【0011】
(イ)本願発明の燃料電池付電気自動車は、使用する二次蓄電池の容量が小さく、使用する燃料電池の出力も小さいので、省資源で低価格であり、大量に販売でき、水素の需要を増やし、水素ステーションで利益があがるようになる。
(ロ)普段の近場の近距離圏内では電気自動車として、長距離移動では燃料電池を使って発電しながら走る燃料電池付電気自動車を提供できるので、近距離の普段使いは燃費が良く、長距離移動の時には水素で走り、航続距離も500km以上あり途中での水素充填時間も10分であり快適である。
(ハ)二次蓄電池をモジュールに分けたため、二次蓄電池の車載容量を近距離圏内の普段の走行距離に合わせて選択変更できるようになり、安いエネルギーである電気を有効活用でき、燃費が良い。
(二)二次蓄電池は低容量にして、航続距離は燃料電池により確保したので、電気自動車の問題点である充電時間が長い、航続距離が短いのを解決した燃料電池付電気自動車を提供できる。
(ホ)モーターの最大出力までの電池の出力は、燃料電池に求めず、二次蓄電池により実現したので、燃料電池車の燃料電池より小型低出力低価格で一定出力の燃料電池を用いて燃料電池付電気自動車を提供できる。
(へ)航続距離を延ばすために二次蓄電池を用いず燃料電池を用いたため、電気自動車の二次蓄電池より容量の小さい二次蓄電池の燃料電池付電気自動車を提供できる。
(ト)電気と水素をエネルギー源とし、水しか排出せず、環境にやさしい車を、電気自動車や燃料電池車より低価格で提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図2】電気自動車と燃料電池車と燃料電池付電気自動車の比較図
【
図4】請求項5の発明の燃料電池付電気自動車のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施をするための形態について
図1の燃料電池付電気自動車のブロック図に基いて説明する。
本発明の第1の発明の実施形態は、
自動車を走らせるために車輪を回転させるための駆動モーター(1)と、駆動モーター(1)に電気エネルギーをアクセルによる出力調節しながら供給するコントローラー(2)が電気的に接続されており、コントローラー(2)は二次蓄電池(3)と電気的に接続され電力を二次蓄電池(3)から受け取り駆動モーター(1)に供給する。給電口(8)はコントローラー(4)に電気的に接続され、二次蓄電池(3)とコントローラー(4)も電気的に接続され、外部からの電力を給電口(8)から取り入れ、コントローラー(4)を介して二次蓄電池(3)を充電できるようになっている。
ここまでは、電気自動車である。
二次蓄電池(3)に航続距離をのばす役割は求めないので二次蓄電池(3)は普通の電気自動車より低容量でよく、近場で一日に使う距離が走れるだけの容量があれば充分である。80kmぐらい走れれば良いであろう。普通の電気自動車の航続距離が400kmぐらいだから5分の1の容量でよいことになる。
二次蓄電池(3)をコントローラ(4)を介して充電する一定出力で低出力の小型燃料電池(6)もコントローラ(4)と電気的に接続されている。ここで低出力とは、普通の燃料電池車で走行するときに平均的に必要とされる出力以上の出力であり、およそ15~20kwである。駆動モーター(1)の最高出力は二次蓄電池(3)の出力によって賄うので、小型燃料電池(6)は、駆動モーター(1)の最高出力に対応する必要はなく、走行時の駆動モーター(1)の平均出力以上程の一定出力でよい。普通の燃料電池車の燃料電池の最高出力は114kw程であり出力をアクセルに伴って可変にする必要があるが、本発明の小型燃料電池(6)は一定出力で15~20kwの出力でよいので、仕組みが簡単であり小型になる。
小型燃料電池(6)が発電して二次蓄電池(3)を充電しながら走行停車する燃料電池オンモードと、小型燃料電池(6)が発電せず二次蓄電池(3)を充電せずに走行停車する燃料電池オフモードと、を有し燃料電池オンモードと燃料電池オフモードを切り替えるための切替操作手段(5)は、コントローラ(4)と接続されていて、燃料電池オンモードの場合はコントローラー(4)は小型燃料電池(6)の発電した電力を二次蓄電池(3)に渡して充電し、燃料電池オフモードの場合はコントローラー(4)は小型燃料電池(6)と二次蓄電池を電気的に遮断する。また、切替操作手段(5)は、小型燃料電池(6)とも接続されていて、燃料電池オンモードの場合は小型燃料電池(6)を作動させ小型燃料電池(6)は発電を行い、燃料電池オフモードの場合は小型燃料電池(6)を停止し、小型燃料電池(6)は発電を行わない。
小型燃料電池(6)の燃料を貯蔵する燃料貯蔵装置(7)は、小型燃料電池(6)に燃料を供給できるように接続されている。
燃料貯蔵装置(7)に燃料を充填するための充填口(9)は燃料貯蔵装置(7)に燃料を供給できるように接続されている。
本発明の第1の発明は、以上のような構造をしている燃料電池付電気自動車である。
【0014】
本発明の第2の発明の実施形態は、
本発明の第1の発明の実施形態の燃料電池付電気自動車において、
二次蓄電池(3)が複数のモジュールからなり、
モジュールの数を増減する事により二次蓄電池(3)の容量を増減させることができる。
本発明の第2の発明は、以上のような構造をしている燃料電池付電気自動車である。
【0015】
本発明の第3の発明の実施形態は、
本発明の第1の発明の実施形態もしくは第2の発明の実施形態の燃料電池付電気自動車において、
二次蓄電池(3)の充電率がa%以下の場合に切替操作手段(5)が燃料電池オンモードとなり小型燃料電池(6)が発電して二次蓄電池(3)を充電し、
二次蓄電池(3)の充電率がb%以上の場合に切替操作手段(5)が燃料電池オフモードとなり小型燃料電池(6)が発電を停止し二次蓄電池(3)への充電を停止する。
本発明の第3発明は、以上のような構造をしている燃料電池付電気自動車である。
(ここで、a<b)
【0016】
本発明の第4の発明の実施形態は、
本発明の第3の発明の実施形態の燃料電池付電気自動車において、
充電率b%がb≦30でることを特長とする燃料電池付電気自動車である。
【0017】
本発明の第5の発明の実施形態は、
本発明の第4の発明の実施形態の燃料電池付電気自動車において、
充電率a%がa=5であり、
充電率b%がb=10である
ことを特長とする燃料電池付電気自動車である。
本発明は、以上のような構造である。
【実施例0018】
実施例1
実施例1は、本発明の第1の発明の実施例である。
本発明の第1の発明において、
駆動モーター(1)は、交流同期電動機であり、最大出力114kwである。
コントローラー(2)は、主にインバーターよりなる。
二次蓄電池(3)は、リチウムイオン電池もしくは全個体電池であり、容量は8kwhである。
コントローラー(4)は、スイッチ回路などよりなる。
切替操作手段(5)は、手動スイッチにより、燃料電池オフモードと燃料電池オンモードを選択切替できるようになっている。
小型燃料電池(6)は、固体高分子形であり、水素を燃料とし、一定出力15kwである。
燃料貯蔵装置(7)は、圧縮水素を入れる高圧タンクであり、この容量により航続距離が決まる。とりあえず500km走れるだけの容量にする。
まず、近所で普段使いに乗る場合は、切替操作手段(5)は燃料電池オフモードにして、家庭で前日の夜から二次蓄電池(3)を充電しておく。8kwhの充電でおよそ80km走ることができる。一日の走行距離が80km以下であれば、そのまま帰宅後に家庭で充電すればよい。もし、充電容量が減少してなくなりそうだったら、切替操作手段(5)を燃料電池オンモードに切り替え、小型燃料電池(7)で発電充電しながら走行する。帰宅後、切替操作手段(5)を燃料電池オフモードに切り替え、二次蓄電池(3)を充電し、次の日に備える。
次に、遠距離走る場合は、切替操作手段(5)を燃料電池オンモードに切り替え、小型燃料電池(6)が発電充電しながら走行する。水素がなくなりそうな場合は水素ステーションで水素を充填する。10分もあれば充填できる。航続距離は500kmである。
近所での普段使いには燃費の安い電気自動車として走り、遠距離走行では燃料電池車として水素で走る。
また、常に燃料電池車として利用するのもよい。
水素ステーションが近くにない家庭でも、電気自動車として使えるので、水素ステーションが少ないときから便利に使える車であり、水素ステーションが少ない時期から普及が見込まれる車である。また、この燃料電池付電気自動車が普及することにより水素ステーションの水素の需要が増え水素ステーションに利益をもたらす為、水素ステーションの普及にもつながる。燃料電池付電気自動車は水素社会の発展の牽引役になる車である。
普通の電気自動車は航続距離をのばす為に二次蓄電池を沢山積み容量を増やす。航続距離400kmの電気自動車の二次蓄電池容量は40kwhであり、本発明の二次蓄電池容量の8kwhの5倍も二次蓄電池を積んでいる。体積も5倍、重量も5倍、価格も5倍、必要な資源も5倍である。
普通の燃料電池車は最高出力114kwに対応するため、燃料電池の最高出力も114kw必要であるが、本発明の燃料電池付電気自動車は15kwほどの一定出力の小型燃料電池(6)でよい。車の最高出力には小型燃料電池(6)では対応せず、二次蓄電池(3)により対応する。本発明の燃料電池付電気自動車では燃料電池は、体積も重量も小さく、一定出力のため仕組みが簡単で、必要とする資源も少なく価格も安くなる。
よって、本発明の燃料電池付電気自動車は低価格で提供できる。
【0019】
実施例2
実施例2は、本発明の第2の発明の実施例である。
実施例1の発明において、
二次蓄電池(3)が複数のモジュールからなり、
モジュールの数を増減する事により二次蓄電池(3)の容量を増減させることができる。
二次蓄電池(3)を6kwhと4つの1kwhのモジュールからなるとすると、
二次蓄電池(3)の容量を6kwh、6kwh+1kwh=7kwh、6kwh+1kwh+1kwh=8kwh、6kwh+1kwh+1kwh+1kwh=9kwh、6kwh+1kwh+1kwh+1kwh+1kwh=10kwh、に選択することができる。距離は60km、70km、80km、90km、100kmのうちから選択できる。普段使いの近場での利用の距離に応じて二次蓄電池(3)の容量を選択できる。
【0020】
実施例3
実施例3は、本発明の第3の発明の実施例である。
本発明の実施例1もしくは実施例2の燃料電池付電気自動車において、
二次蓄電池(3)の充電率がa%以下の場合に切替操作手段(5)が燃料電池オンモードとなり小型燃料電池(6)が発電して二次蓄電池(3)を充電し、
二次蓄電池(3)の充電率がb%以上の場合に切替操作手段(5)が燃料電池オフモードとなり小型燃料電池(6)が発電を停止し二次蓄電池(3)への充電を停止する。
本発明の実施例1もしくは実施例2の燃料電池付電気自動車では、切替操作手段(5)は手動で切り替えていたが、本発明の第3の発明では、電子制御で自動的に燃料電池オンモードと燃料電池オフモードを切り替えるようにした。
(ここで、a<b)
【0021】
実施例4
実施例4は、本発明の第4の発明の実施例である。
実施例3の発明において、
充電率b%がb≦30である燃料電池付電気自動車であり、
a=20
b=30
とすると、二次蓄電池(3)の充電率が20%以下になると切替操作手段(5)が燃料電池オンモードになり小型燃料電池(6)が発電をはじめ二次蓄電池(3)は充電される。二次蓄電池(3)の充電率が30%以上になると切替操作手段(5)が燃料電池オフモードになり小型燃料電池(6)が発電を停止する。二次蓄電池(3)の充電率は30%より大きくはならず二次蓄電池(3)の容量の70%は家庭での充電により充電することになる。
【0022】
実施例5
実施例5は、本発明の第5の発明の実施例である。
実施例4において、
充電率a%がa=5であり、
充電率b%がb=10である
ことを特長とする燃料電池付電気自動車である。
二次蓄電池(3)の充電率が5%以下になると切替操作手段(5)が燃料電池オンモードになり小型燃料電池(6)が発電をはじめ二次蓄電池(3)は充電される。二次蓄電池(3)の充電率が10%以上になると切替操作手段(5)が燃料電池オフモードになり小型燃料電池(6)が発電を停止する。二次蓄電池(3)の充電率は10%より大きくはならず二次蓄電池(3)の容量の90%は家庭での充電により充電することになる。
図4に請求項5の発明の燃料電池付電気自動車のフローチャートが載せてある。
低価格の水素燃料自動車である燃料電池付電気自動車は、近場での利用は電気を充電する電気自動車として利用できるため、水素ステーションが普及する前から、利用しやすく普及しやすい水素燃料自動車である。まずこの燃料電池付電気自動車が普及し、水素需要が増大して、水素ステーションが求められて普及する。本願発明の燃料電池付電気自動車は、今後来るであろう水素社会を発展させてゆくために必要となる自動車である。