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特開2023-20901電動弁及びこれを用いた冷凍サイクルシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023020901
(43)【公開日】2023-02-09
(54)【発明の名称】電動弁及びこれを用いた冷凍サイクルシステム
(51)【国際特許分類】
   F16K 31/04 20060101AFI20230202BHJP
   F25B 41/35 20210101ALI20230202BHJP
   F25B 41/40 20210101ALI20230202BHJP
【FI】
F16K31/04 Z
F25B41/35
F25B41/40 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022096494
(22)【出願日】2022-06-15
(31)【優先権主張番号】P 2021125882
(32)【優先日】2021-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000143949
【氏名又は名称】株式会社鷺宮製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 一也
【テーマコード(参考)】
3H062
【Fターム(参考)】
3H062AA02
3H062AA15
3H062BB33
3H062CC02
3H062DD01
3H062EE01
3H062EE06
3H062GG01
3H062HH04
3H062HH08
3H062HH09
(57)【要約】
【課題】低作動音性を実現することができる駆動軸の径方向移動抑制手段を備える電動弁及びこれを用いた冷凍サイクルシステムを提供することである。
【解決手段】電動弁100aであって、雄ねじ部31aと雌ねじ部23aが螺合し、回転運動を直線運動に変換するねじ送り機構部により軸線L方向に移動する駆動軸30と、駆動軸30のガイド部32と係合し、駆動軸30を軸線L方向に案内する軸受け部24と、を有する支持部材20と、駆動軸30のガイド部32に接続され、弁ポート11aの弁座との開度を調整する弁体42と、雄ねじ部31a及び雌ねじ部23aの一方を軸線Lの直交方向に付勢させ、雄ねじ部31a及び雌ねじ部23aの相対的な半径方向の移動を抑制させる径方向移動抑制手段70aと、を備える。これにより、ねじ送り機構部における衝突という問題を解消し、低作動音性を実現することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
雄ねじ部と雌ねじ部が螺合し回転運動を直線運動に変換するねじ送り機構部により軸線方向に移動する駆動軸と、前記駆動軸のガイド部と係合し、前記駆動軸を軸線方向に案内する軸受け部と、を有する支持部材と、
前記駆動軸の前記ガイド部に接続され、弁ポートの弁座との開度を調整する弁体と、
前記雄ねじ部及び前記雌ねじ部の一方を軸線の直交方向に付勢させ、前記雄ねじ部及び前記雌ねじ部の相対的な半径方向の移動を抑制させる径方向移動抑制手段と、
を備えることを特徴とする電動弁。
【請求項2】
前記径方向移動抑制手段は、前記軸受け部と前記ガイド部との間に設けられることを特徴とする請求項1に記載の電動弁。
【請求項3】
前記径方向移動抑制手段は、前記駆動軸に接触する当接部材を有し、前記当接部材を介して、前記雄ねじ部及び前記雌ねじ部の一方を軸線の直交方向に付勢することを特徴とする請求項2に記載の電動弁。
【請求項4】
前記径方向移動抑制手段の前記駆動軸と前記当接部材との接触状態は、前記駆動軸の軸線方向に延在する少なくとも1つの線接触であることを特徴とする請求項3に記載の電動弁。
【請求項5】
前記径方向移動抑制手段の前記駆動軸と前記当接部材との接触状態は、少なくとも1つの点接触であることを特徴とする請求項3に記載の電動弁。
【請求項6】
前記当接部材は、前記駆動軸の外周面と対向して配置され、
前記径方向移動抑制手段は、前記当接部材に付勢力を作用させる付勢部材をさらに有することを特徴とする請求項3に記載の電動弁。
【請求項7】
前記当接部材は、略L字形状からなり、前記駆動軸に当接する当接部と、前記当接部の軸心から離間するように、前記支持部材の外周面に沿って延在するとともに、前記付勢部材に当接する付勢部と、を有することを特徴とする請求項6に記載の電動弁。
【請求項8】
前記付勢部は、前記支持部材の外周面の軸線方向に沿って延在することを特徴とする請求項7に記載の電動弁。
【請求項9】
前記付勢部材は、切り欠き部を有するC字形状からなり、前記付勢部材の一対の端部には、前記支持部材に直接的又は間接的に保持される、回転止め係合部が設けられていることを特徴とする請求項6に記載の電動弁。
【請求項10】
前記当接部材の径方向外側には、回転止め部が設けられ、前記回転止め部に、前記付勢部材の前記回転止め係合部が係合されることにより、前記付勢部材が前記当接部材を介して、前記支持部材に保持されることを特徴とする請求項9に記載の電動弁。
【請求項11】
前記支持部材の外周面に周方向取り付け溝が形成され、前記周方向取り付け溝が、周方向に不連続となるように、前記支持部材に、回転止め部が設けられ、前記回転止め部に前記付勢部材の前記回転止め係合部が係合され、前記付勢部材が前記支持部材に保持されることを特徴とする請求項9に記載の電動弁。
【請求項12】
前記支持部材の外周面に連続する周方向取り付け溝が形成され、前記周方向取り付け溝に対して、径方向内側又は軸線方向に連続的に接続される回転止め部が設けられ、前記回転止め部に前記付勢部材の前記回転止め係合部が係合され、前記付勢部材が前記支持部材に保持されることを特徴とする請求項9に記載の電動弁。
【請求項13】
前記径方向移動抑制手段は、前記当接部材との間に、前記付勢部材を挟持する保持部材をさらに有することを特徴とする請求項6に記載の電動弁。
【請求項14】
前記当接部材は、環形状の弾性部材からなり、軸線の直交方向へと変形した状態で、前記駆動軸との間に、前記当接部材を挟持する保持部材をさらに有することを特徴とする請求項3に記載の電動弁。
【請求項15】
前記当接部材は、環形状の弾性部材からなり、軸線の直交方向へと変形した状態で、前記駆動軸の周溝内に配置されることを特徴とする請求項3に記載の電動弁。
【請求項16】
前記弁体は、前記駆動軸に対し、径方向に相対変位可能に接続され、
前記径方向移動抑制手段は、前記駆動軸を付勢することを特徴とする請求項1に記載の電動弁。
【請求項17】
圧縮機と、凝縮器と、膨張弁と、蒸発器と、を含む冷凍サイクルシステムであって、請求項1~16のいずれか一項に記載の電動弁が、前記膨張弁として用いられていることを特徴とする冷凍サイクルシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動軸の径方向移動抑制手段を備える電動弁及びこれを用いた冷凍サイクルシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電動弁1500は、図15(a)に示すように、弁本体1510の側面に弁室1512に連通する第1継手管1501が取り付けられ、弁本体1510の下端部に第2継手管1502と弁座部材1511が取り付けられ、この弁座部材1511には軸線Lを中心とする弁ポート1511aが形成されている。また、弁本体1510の上部には支持部材1520が取り付けられ、支持部材1520には雌ねじ部1523aが形成されている。また、雌ねじ部1523a内には、ステッピングモータ1560のマグネットロータ1562に連結された駆動軸1530が、雄ねじ部1531aを螺合させて配設されている。さらに、駆動軸1530の下部には、弁体部1540が取り付けられている。そして、弁体部1540は、駆動軸1530の回転による雄ねじ部1531aと雌ねじ部1523aとのねじ送り機構部により、駆動軸1530と共に軸線L方向に移動し、弁ポート1511aを開閉する。
【0003】
このねじ送り機構部は、その構造上、雌ねじ部1523aと雄ねじ部1531aとの間の軸線L方向及び半径方向(図15(b)参照)に、僅かなクリアランス(以下、「ねじガタ」という)を持たせている。よって、弁ポート1511aの開度調整時には、マグネットロータ1562に固定された駆動軸1530の雄ねじ部1531aは、ステッピングモータ1560の特性上、雌ねじ部1523aに対して、軸心がずれて回転揺動しながら軸線L方向に移動するという複雑な螺旋運動をしている。この螺旋運動をする際に、雄ねじ部1531aには、常時、半径方向成分力である遠心力が働いているため、雄ねじ部1531aと雌ねじ部1523aのフランク同士が、比較的強い力で半径方向に付勢されている。しかしながら、この遠心力は非定常性を有するため、雄ねじ部1531aが、雌ねじ部1523aに対して、半径方向への移動を頻繁に繰り返している。この際、ねじ送り機構部のフランク(雄ねじ部及び雌ねじ部の傾斜面)における接触面積は絶えず変化するため、雄ねじ部1531aには、フランクを介して、非定常性を有する半径方向成分力に加え、非定常性を有する軸線方向成分力が同時に働いている。この結果、ねじ送り機構部のフランク同士には、半径方向及び軸線方向に瞬間的な離接、つまり、衝突が生じるという問題(以下、「従来の問題点(ねじ送り機構部における衝突)」という)が生じており、これに起因した振動及び衝突等が作動音として外部へ伝搬していた。
【0004】
また、この電動弁は、空気調和機の室内機内等に配置されるため、低作動音性が要望されている。加えて、近年の空気調和機においては、冷媒の変化やオイルセパレータの能力向上により、電動弁まで戻ってくる冷凍機油などの潤滑材が少なくなっている場合がある。このため、電動弁には、仮にドライ(油切れの)状態であったとしても、低作動音性が要望されている。
【0005】
これに対し、特許文献1には、電動弁であって、雌ねじ部と雄ねじ部との間の軸線方向の僅かなクリアランスに対して、コイルばねにより、駆動軸を軸線方向に常時押圧することにより、雌ねじ部と雄ねじ部とを軸線方向に常時当接させるものが記載されている。
【0006】
しかしながら、特許文献1では、駆動軸をコイルばねで軸線方向に押圧するため、軸線方向のスペースが必要となり、軸線方向に大型化する上に、雄ねじ部は、依然として、雌ねじ部に対して、複雑な螺旋運動をしており、従来の問題点(ねじ送り機構部における衝突)を解消することができなかった。
【0007】
また、特許文献2には、制御弁であって、駆動軸の下端部に連結された弁体部の横揺れ防止機構として、支持部材に形成された貫通孔に鋼球が移動可能に挿入され、支持部材に形成された周溝に付勢部材を係合装着して、付勢部材が鋼球を軸線の直交方向に付勢しているものが記載されている。
【0008】
しかしながら、特許文献2における、駆動軸と弁体部との詳細な連結構造については、特許文献3を参照しているように、弁体部は、駆動軸に対して、半径方向に遊びを有し、移動可能な状態で連結されている。よって、特許文献2においても、弁体部への付勢力は、駆動軸に作用するものではないため、雄ねじ部は、依然として、雌ねじ部に対して、複雑な螺旋運動をしており、従来の問題点(ねじ送り機構部における衝突)を解消することができなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2017-145923号公報
【特許文献2】特開2000-120883号公報
【特許文献3】特開平10-2450号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、低作動音性を実現することができる駆動軸の径方向移動抑制手段を備える電動弁及びこれを用いた冷凍サイクルシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、雄ねじ部と雌ねじ部が螺合し回転運動を直線運動に変換するねじ送り機構部により軸線方向に移動する駆動軸と、前記駆動軸のガイド部と係合し、前記駆動軸を軸線方向に案内する軸受け部と、を有する支持部材と、前記駆動軸の前記ガイド部に接続され、弁ポートの弁座との開度を調整する弁体と、前記雄ねじ部及び前記雌ねじ部の一方を軸線の直交方向に付勢させ、前記雄ねじ部及び前記雌ねじ部の相対的な半径方向の移動を抑制させる径方向移動抑制手段と、を備える電動弁である。
【0012】
また、上記電動弁であって、前記径方向移動抑制手段は、前記軸受け部と前記ガイド部との間に設けられるものとしてもよい。
【0013】
また、上記電動弁であって、前記径方向移動抑制手段は、前記駆動軸に接触する当接部材を有し、前記当接部材を介して、前記雄ねじ部及び前記雌ねじ部の一方を軸線の直交方向に付勢するものとしてもよい。
【0014】
また、上記電動弁であって、前記径方向移動抑制手段の前記駆動軸と前記当接部材との接触状態は、前記駆動軸の軸線方向に延在する少なくとも1つの線接触であるものとしてもよい。
【0015】
また、上記電動弁であって、前記径方向移動抑制手段の前記駆動軸と前記当接部材との接触状態は、少なくとも1つの点接触であるものとしてもよい。
【0016】
また、上記電動弁であって、前記当接部材は、前記駆動軸の外周面と対向して配置され、前記径方向移動抑制手段は、前記当接部材に付勢力を作用させる付勢部材をさらに有するものとしてもよい。
【0017】
また、上記電動弁であって、前記当接部材は、略L字形状からなり、前記駆動軸に当接する当接部と、前記当接部の軸心から離間するように、前記支持部材の外周面に沿って延在するとともに、前記付勢部材に当接する付勢部と、を有するものとしてもよい。
【0018】
また、上記電動弁であって、前記付勢部は、前記支持部材の外周面の軸線方向に沿って延在するものとしてもよい。
【0019】
また、上記電動弁であって、前記付勢部材は、切り欠き部を有するC字形状からなり、前記付勢部材の一対の端部には、前記支持部材に直接的又は間接的に保持される、回転止め係合部が設けられているものとしてもよい。
【0020】
また、上記電動弁であって、前記当接部材の径方向外側には、回転止め部が設けられ、前記回転止め部に、前記付勢部材の前記回転止め係合部が係合されることにより、前記付勢部材が前記当接部材を介して、前記支持部材に保持されるものとしてもよい。
【0021】
また、上記電動弁であって、前記支持部材の外周面に周方向取り付け溝が形成され、前記周方向取り付け溝が、周方向に不連続となるように、前記支持部材に、回転止め部が設けられ、前記回転止め部に前記付勢部材の前記回転止め係合部が係合され、前記付勢部材が前記支持部材に保持されるものとしてもよい。
【0022】
また、上記電動弁であって、前記支持部材の外周面に連続する周方向取り付け溝が形成され、前記周方向取り付け溝に対して、径方向内側又は軸線方向に連続的に接続される回転止め部が設けられ、前記回転止め部に前記付勢部材の前記回転止め係合部が係合され、前記付勢部材が前記支持部材に保持されるものとしてもよい。
【0023】
また、上記電動弁であって、前記径方向移動抑制手段は、前記当接部材との間に、前記付勢部材を挟持する保持部材をさらに有するとしてもよい。
【0024】
また、上記電動弁であって、前記当接部材は、環形状の弾性部材からなり、軸線の直交方向へと変形した状態で、前記駆動軸との間に、前記当接部材を挟持する保持部材をさらに有するものとしてもよい。
【0025】
また、上記電動弁であって、前記当接部材は、環形状の弾性部材からなり、軸線の直交方向へと変形した状態で、前記駆動軸の周溝内に配置されるものとしてもよい。
【0026】
また、上記電動弁であって、前記弁体は、前記駆動軸に対し、径方向に相対変位可能に接続され、前記径方向移動抑制手段は、前記駆動軸を付勢するものとしてもよい。
【0027】
また、冷凍サイクルシステムであって、圧縮機と、凝縮器と、膨張弁と、蒸発器と、を含み、上記電動弁が、前記膨張弁として用いられているものとしてもよい。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、低作動音性を実現することができる駆動軸の径方向移動抑制手段を備える電動弁及びこれを用いた冷凍サイクルシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の第1の実施形態に係る電動弁を示す断面図であり、(a)は、電動弁の縦断面図、(b)は、(a)のIb-Ib断面拡大図を、(c)は、(b)における付勢部材を取り外した状態の断面拡大図を、(d)は、(a)のId-Id断面拡大図を用いた回転軸線運動の説明図を、それぞれ表す。
図2】本発明の第1の実施形態の変形例1-1に係る径方向移動抑制手段(当接部材により付勢部材の回転止めを行う形態)を示す断面拡大図であり、(a)は、変形例1-1(1)(当接部材の突起部による形態)、(b)は、変形例1-1(2)(当接部材の窪み部による形態)、(c)は、変形例1-1(3)(当接部材のストレート部による形態)を、それぞれ表す。
図3】本発明の第1の実施形態の変形例1-2に係る径方向移動抑制手段(ホルダにより付勢部材の回転止めを行う形態)を示す拡大図であり、(a),(c),(e),(g)は、断面拡大図を表し、(b),(d),(f),(h)は、側面拡大図を表すとともに、(a)-(b)は、変形例1-2(1)(ホルダの凸部による形態)、(c)-(d)は、変形例1-2(2)(ホルダに係合されるストッパピンによる形態)、(e)-(f)は、変形例1-2(3)(ホルダの径方向溝による形態)、(g)-(h)は、変形例1-2(4)(ホルダの軸線方向溝による形態)を、それぞれ表す。
図4】本発明の第1の実施形態の変形例2-1に係る径方向移動抑制手段(当接部材の接触部により安定した支持を行う形態)を示す拡大図であり、(a),(c)は、当接部材及びガイド部の接触状態を表し、(b),(d)は、当接部材の接触領域を表すとともに、(a)-(b)は、変形例2-1(1)(逆円弧形状の接触部)、(c)-(d)は、変形例2-1(2)(テーパ形状の接触部)を、それぞれ表す。
図5図4(c)における円柱形状のガイド部とテーパ形状の接触部との接触状態の模式図を表す。
図6】本発明の第1の実施形態の変形例2-2に係る径方向移動抑制手段(当接部材の接触部により摺動抵抗を減少させる形態)を示す拡大図であり、(a),(c)は、当接部材及びガイド部の接触状態を表し、(b),(d)は、当接部材の接触領域を表すとともに、(a)-(b)は、変形例2-2(1)(球形状の接触部)、(c)-(d)は、変形例2-2(2)(複数の球形状かなる接触部)を、それぞれ表す。
図7】本発明の第1の実施形態の変形例3-1に係る径方向移動抑制手段(当接部の周方向のガタを抑制する形態)を示す断面拡大図である。
図8】本発明の第1の実施形態の変形例3-2に係る径方向移動抑制手段(当接部の軸線方向のガタを抑制する形態)を備える電動弁を示す断面図であり、(a)は、電動弁の縦断面図、(b)は、(a)のVIIIb破線領域の拡大図、(c)は、(a)のVIIIc-VIIIc断面拡大図を、それぞれ表す。
図9図8の支持部材及び当接部材を示す上方斜視図であり、(a)は、付勢部材の回転止め部側からみた支持部材、(b)は、付勢部材の当接部材側からみた支持部材、(c)は、当接部側からみた当接部材を、それぞれ表す。
図10】第2の実施形態に係る電動弁を示す断面図であり、(a)は、電動弁の縦断面図、(b)は、(a)のXb-Xb断面拡大図を、それぞれ表す。
図11】第3の実施形態に係る電動弁を示す断面図であり、(a)は、電動弁の縦断面図、(b)は、(a)のXIb-XIb断面拡大図を、それぞれ表す。
図12】第4の実施形態に係る電動弁を示す断面図であり、(a)は、電動弁の縦断面図、(b)は、(a)のXIIb-XIIb断面拡大図を、それぞれ表す。
図13】第5の実施形態に係る電動弁を示す断面図であり、(a)は、電動弁の縦断面図、(b)は、(a)のXIIIb-XIIIb断面拡大図を、それぞれ表す。
図14】本発明の冷凍サイクルシステムを示す図である。
図15】従来技術に係る電動弁を示す断面図であり、(a)は、電動弁の縦断面図、(b)は、(a)のXVb-XVb断面拡大図を用いた螺旋運動の説明図を、それぞれ表す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の実施形態について、図1から図14を参照しながら詳細に説明する。なお、以下では電動弁について説明するが、本発明の径方向移動抑制手段は、電動弁に限らず、例えば、リニアアクチュエータなどの他の装置やシステムなどに適用することもできる。
【0031】
<用語について>
本明細書および特許請求の範囲の記載において、「線接触」及び「点接触」とは、微視的にみた際の表面の凹凸などを考慮するものではなく、巨視的にみた(幾何学的に扱った)際の接触状態をそれぞれ示す。
【0032】
(第1の実施形態)
<電動弁の構成について>
図1を用いて、本発明の第1の実施形態に係る電動弁100aについて説明する。電動弁100aは、弁本体10、支持部材20、駆動軸30、弁体部40、コイル部材50、ステッピングモータ60、径方向移動抑制手段70aから主に構成される。以下、電動弁100aのそれぞれの構成を順に説明する。ここで、詳細は後述するが、本実施形態の電動弁100aは、駆動軸30の径方向移動抑制手段70aを採用するものである。この径方向移動抑制手段70aは、雄ねじ部31aを軸線Lの直交方向に付勢することにより、雄ねじ部(ねじ送り機構部)31aの雌ねじ部(ねじ送り機構部)23aに対する半径方向の移動を抑制させ、従来の問題点(ねじ送り機構部における衝突)を解消し、低作動音性を実現することができる。
【0033】
弁本体10は、例えば、ステンレスなどの金属を材料として円筒形状に形成されている。弁本体10には、下方の端部を塞ぐように弁本体10と別体に形成された弁座部材11が設けられている。弁座部材11の中央には、弁ポート11aが開口されている。弁本体10は、内側に弁室12を形成している。
【0034】
弁本体10には、外周片側に冷媒などの流体の流路としての第1継手管1が接続され、この第1継手管1は弁室12に連通されている。また、弁本体10の底面側には弁座部材11に当接された第2継手管2が接続され、この第2継手管2は弁ポート11aを介して弁室12に連通される。第1継手管1及び第2継手管2は、例えば、銅やステンレスなどを材料として構成されており、弁本体10にろう付け等により固着されている。
【0035】
支持部材20は、例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)などの樹脂系材料からなる略円柱状のホルダ部21と、このホルダ部21の弁本体10寄りの端部にインサート成形により一体に設けられたステンレス製の固定部22と、を備える。支持部材20は、固定部22によって、弁本体10に溶接固定されている。
【0036】
ホルダ部21は、その軸線が弁ポート11aの軸を通る軸線Lに重なるように配置されている。ホルダ部21の中心には、ホルダ部21を貫通するように軸線L方向に並ぶ、ねじ孔23と、軸受け孔(軸受け部)24と、スライド孔25と、が同心円上に形成されている。ねじ孔23の内周面には、雌ねじ部23aが形成されており、後述する駆動軸30の雄ねじ部31aが螺合される。軸受け孔24の内周面には、後述する駆動軸30のガイド部32が摺動移動可能に係合される。スライド孔25は、弁ポート11a寄りに配置され、軸受け孔24より大径に形成されている。スライド孔25には、後述する弁体部40が摺動移動可能に係合される。
【0037】
ホルダ部21の外周面には、螺旋状の突条からなるガイドレール26が一体に形成されている。ガイドレール26は、互いに隣接する巻回部分が間隔をあけて配置されている。ガイドレール26は、その軸線が軸線Lと重なるように配置され、後述するコイル部材50のコイル部51が螺合され、コイル部材50が周方向に回転可能となるように、コイル部51の各巻回部分を片側又は両側からガイドする。
【0038】
駆動軸30は、例えば、ステンレスなどの金属を材料として円柱棒状に形成されている。駆動軸30には、軸線L方向に並ぶ、ねじ部31と、ガイド部32と、ガイド部32の弁ポート11a寄りの端部に配されるフランジ部33と、が形成されている。ねじ部31には、雄ねじ部31aが形成されており、この雄ねじ部31aが、ホルダ部21の雌ねじ部23aに螺合されることにより、駆動軸30の回転運動が直線運動に変換される。ガイド部32は、軸受け孔24の内周面と摺動移動可能に係合されることにより、駆動軸30の軸線L方向への移動をガイドする。詳細は後述するが、駆動軸30は、軸受け孔24に設けられる径方向移動抑制手段70aにより、軸線Lの直交方向へのオフセット位置O1(図1(d)参照)に配置されるとともに、回転によるねじ送り作用によって軸線L方向に移動される。フランジ部33は、後述する弁体部40を、回転可能に掛止する。本実施形態において、雌ねじ部23aと雄ねじ部31aは右ねじである。
【0039】
弁体部40は、弁ホルダ41と、弁体42と、ワッシャ43と、バネ受け44と、圧縮コイルバネ45と、を備える。
【0040】
弁ホルダ41は、ホルダ部21のスライド孔25の内径と略同一の外径となる円筒形状に形成されている。弁ホルダ41は、スライド孔25に沿って、軸線L方向に摺動移動可能に係合されている。
【0041】
弁体42は、ニードル形状にされており、このニードル形状の先端が弁ポート11aと対向するように弁ホルダ41における弁ポート11a側の下端部41aに固着されている。弁体42は、弁ポート11aの弁座との開度を弁の最大開度から弁の最小開度(あるいは全閉状態)の間で加減されることによって流量の調節を行う。
【0042】
弁ホルダ41における弁ポート11a側と反対側の上端部41bには、駆動軸30のフランジ部33が回転可能に掛止されている。具体的には、駆動軸30のフランジ部33が、弁ホルダ41の上端部41bとの間にワッシャ43を挟み込み、このフランジ部33により駆動軸30が弁ホルダ41の上端部41bで回転可能に引っ掛かっている。この掛かり合いにより、駆動軸30によって弁ホルダ41が軸線L方向に移動可能でかつ軸線Lを中心として回転可能に支持されている。なお、弁ホルダ41の上端部41bには、駆動軸30の半径方向の移動可能範囲よりも大きな開口部が形成される。また、弁ホルダ41内には、バネ受け44が軸線L方向に移動可能に設けられている。このバネ受け44と弁体42との間には圧縮コイルバネ45が所定の荷重を与えられた圧縮状態で取り付けられている。これにより、バネ受け44は、駆動軸30側に押しつけられ、駆動軸30のフランジ部33に当接している。
【0043】
本実施形態において、弁体部40は、駆動軸30に対し、径方向に相対変位可能に接続されているため、詳細は後述するが、径方向移動抑制手段70aが、雄ねじ部31aを軸線Lの直交方向に付勢させる際に、この影響が弁体部40へと伝達されることを確実に低減させることができる。
【0044】
コイル部材50は、コイルばね状のコイル部51と、コイル部51の一端から半径方向外向きに突出する爪部52と、を一体に備える。コイル部51は、ホルダ部21のガイドレール26に周方向に回転可能に螺合されている。爪部52は、後述するマグネットロータ62の突条67と当接可能であり、マグネットロータ62の回転により、爪部52を介して、コイル部材50を周方向に押し回す。これにより、コイル部材50が上限ストッパ(不図示)又は下限ストッパ(不図示)に突き当たり、コイル部材50の回転が規制されるとともに、マグネットロータ62の回転も規制される。よって、弁体部40が最大開度となる位置又は最小開度(あるいは弁閉状態)となる位置を超えて移動されることが規制される。このコイル部材50は、ステンレス等の金属線材を成形させることにより簡易に製造できる。
【0045】
ステッピングモータ60は、ケース61と、マグネットロータ62と、ステータコイル(不図示)と、を備える。
【0046】
ケース61は、例えば、ステンレスなどの金属を材料として、上方の端部が塞がれた略円筒形状に形成されている。ケース61の下方の開口側の端部は、弁本体10の上端部に溶接等によって気密に固定されている。
【0047】
マグネットロータ62は、外周部を多極に着磁された円筒状のマグネット部64と、その一端を塞ぐ円盤部65と、を一体に備える。マグネットロータ62は、円盤部65の中央に一体成形された金具66を介して駆動軸30に固着されている。これにより、マグネットロータ62は、ケース61内に駆動軸30の軸線Lを中心に回転可能に設けられている。駆動軸30は、マグネットロータ62の回転軸である。
【0048】
ステータコイルは、ケース61の外周面に配設されており、ステータコイルにパルス信号が与えられることにより、そのパルス数に応じてマグネットロータ62が回転される。ステータコイルは、ステッピングモータ60部に相当する。
【0049】
マグネットロータ62が回転されると、このマグネットロータ62とともに駆動軸30が回転され、雄ねじ部31a及び雌ねじ部23a(ねじ送り機構部)によるねじ送り作用により、駆動軸30が軸線L方向に移動して弁体部40が弁ポート11aに対して進退する。これにより、弁ポート11aの弁座との開度を変化させ、第1継手管1から第2継手管2へ(又は第2継手管2から第1継手管1へ)流れる流体の流量が制御される。
【0050】
<径方向移動抑制手段について>
径方向移動抑制手段70aは、図1(b)に示すように、滑り性が高い樹脂系材料からなる当接部材71aと、Cリング(C字形状)からなる付勢部材72aと、ホルダ部21の内周面と外周面とを段部を介して軸線Lの直交方向に連通する取り付け孔75aと、ホルダ部21の外周面に連続して形成される周方向取り付け溝76aと、を備える。この当接部材71aは、軸線L方向からみて、平板状のマッシュルーム形状を有している。本実施形態において、当接部材71aは、フッ素等を含有したポリフェニレンサルファイド(PPS)などの樹脂系材料とすることが好ましい。本実施形態における当接部材71aは、平板状のマッシュルーム形状を有しているが、これに限らず、段部を有する取り付け孔75aに適合する形状であればよい。
【0051】
<径方向移動抑制手段の組付けについて>
図1(c)に示すように、当接部材71aが取り付け孔75aに収容された際に、ガイド部32と軸受け孔24との隙間A1(例えば、片側で約0.03から0.10mm)に対して、当接部材71aの周方向取り付け溝76aへの飛び出し量Bの方が大きくなるように設定されている。よって、当接部材71aを取り付け孔75aに収容した状態で、周方向取り付け溝76aに付勢部材72aを装着することにより、当接部材71aを介して、ガイド部32に軸線Lの直交方向の付勢力F1を生じさせ、駆動軸30とガイド部32との隙間A分だけ移動させることができる。この付勢力F1は、ステッピングモータ60のマグネット吸引力より大きく設定されているため、駆動軸30がマグネット吸引力により回転揺動されることはない。また、ねじ送り機構部のねじガタC(図1(d)のC1+C2参照)は、ガイド部32と軸受け孔24との隙間A(図1(c)の2×A1参照)よりも大きい。したがって、この径方向移動抑制手段70aは、図1(d)に示すように、ガイド部32を介して、雄ねじ部31aを軸線Lの直交方向に付勢したとき、雄ねじ部31aを雌ねじ部23aに対して、回転揺動させずに、半径方向に常時僅かな隙間C1を維持することができる。この際、ねじ送り機構部のフランク同士は、接触面積が変化しないように接触されている。よって、ねじ送り機構部に定常性を有する半径方向成分力である遠心力に加え、定常性を有する軸線方向成分力が同時に働くことにより、ねじ送り機構部のフランク同士が衝突することを抑制することができる。したがって、駆動軸30は、従来技術のような、軸心がずれて回転揺動しながら軸線L方向に移動する複雑な螺旋運動から、回転しながら軸線L方向に移動する回転軸線運動へと矯正される。なお、本実施形態における当接部材71aは、軸線L方向からみて、平面形状の接触部を有し、当接部材71aとガイド部32との接触状態を、線接触とするものであるが、これに限らず、例えば、半円柱形状の接触部を有し、当接部材71aとガイド部32との接触状態を、線接触としてもよい。このように、本実施形態において、当接部材71aとガイド部32との接触状態を線接触とすることにより、この軸線L方向に延在する線接触を介して、当接部材71aの全高により、ガイド部32を水平に安定した状態で押圧することができる。
【0052】
本実施形態の電動弁100aは、径方向移動抑制手段70aにより、ねじ送り機構部における半径方向に常時僅かな隙間C1を維持し、従来の問題点(ねじ送り機構部における衝突)を解消するため、ドライ(油切れの)状態においても、低作動音性を実現することができる。また、本実施形態における径方向移動抑制手段70aは、駆動軸30が、任意のリフト位置にあっても、雄ねじ部31aを雌ねじ部23aに対して、常時半径方向に付勢することができる。また、本実施形態における径方向移動抑制手段70aは、軸受け孔24とガイド部32との間に設けられるため、当接部材71aと雄ねじ部31aが重なることがなく、駆動軸30の軸線L方向への移動に影響を及ぼさない。また、本実施形態における径方向移動抑制手段70aは、駆動軸30に接触する当接部材71aを介して、雄ねじ部31aを軸線Lの直交方向に付勢するため、省スペースで簡素な構成とすることができる。さらに、本実施形態における径方向移動抑制手段70aは、当接部材71aをガイド部32の外周面に対向配置させ、付勢部材72aにより、当接部材71aに付勢力を作用させているため、従来の電動弁に対して、大きな変更を行わずに導入することができる。加えて、本実施形態において、当接部材71a及び付勢部材72aは、円周方向に沿う比較的に長い接触領域を有していることから、付勢部材72aの付勢力を当接部材71aへと確実に伝達させることができる。
【0053】
(第1の実施形態の変形例1)
ここで、図2及び図3を用いて、第1の実施形態の変形例1に係る径方向移動抑制手段70a1~70a7について説明する。この第1の実施形態の変形例1における径方向移動抑制手段70a1~70a7は、付勢部材72a1~72a7の回転止めをそれぞれに設けている点で、第1の実施形態における径方向移動抑制手段70aと相違するが、その他の基本構成は第1の実施形態と同一である。ここで、同一部材には同一符号を付して、重複する説明は省略する。なお、本実施形態におけるホルダ部21には、樹脂成型時のヒケを安定化させ、所望の形状や寸法を得るために、軸線Lに対して、取り付け孔75aと反対側に、径方向溝21aが形成されている。
【0054】
図1(b)に示すように、第1の実施形態における径方向移動抑制手段70aは、当接部材71aを取り付け孔75aに収容した状態で、ホルダ部21の外周面に連続して形成される周方向取り付け溝76a(図1(c)参照)に、Cリングからなる付勢部材72aを装着するものである。よって、付勢部材72aは、周方向への移動の規制がない状態で、周方向取り付け溝76a内に保持されていることから、電動弁100aの駆動状態に生じる振動などにより、付勢部材72aが周方向に回転するおそれがあった。
【0055】
ここで、当接部材71aに対するCリングからなる付勢部材72aの付勢力は、Cリングの切り欠き部が、軸線Lを挟んで、当接部材71aと反対位置(図1(a)参照)にあるときに、最大となる一方、Cリングの切り欠き部が、当接部材71aと対向位置にあるときに、最小となる。したがって、運転状態に生じる振動などにより、付勢部材72aが、当接部材71aに対して周方向に回転、つまり、切り欠き部の周方向位置が変化することにより、当接部材71aに対する付勢部材72aの付勢力が変化し、軸受け孔24に対するガイド部32の押圧力が安定しないおそれがあった。
【0056】
これに対し、第1の実施形態の変形例1における径方向移動抑制手段70a1~70a7は、付勢部材72a1~72a7の回転止めをそれぞれに設けるものである。なお、詳細は後述するが、第1の実施形態の変形例1に係る径方向移動抑制手段70a1~70a7は、付勢部材72a1~72a3の回転止めの形態により、第1の実施形態の変形例1-1に係る径方向移動抑制手段70a1~70a3(当接部材71a1~71a3に設ける形態)と、第1の実施形態の変形例1-2に係る径方向移動抑制手段70a4~70a7(ホルダ部21に設ける形態)とに大別される。以下、第1の実施形態の変形例1について、第1の実施形態の変形例1-1、第1の実施形態の変形例1-2の順で説明する。
【0057】
(第1の実施形態の変形例1-1)
図2(a)~(c)に示すように、第1の実施形態の変形例1-1における径方向移動抑制手段70a1~70a3は、付勢部材72a1~72a3の回転止めを、当接部材71a1~71a3にそれぞれ設けることにより、付勢部材72a1~72a3は、当接部材71a1~71a3を介して、ホルダ部21に間接的に保持されるものであり、変形例1-1(1)から変形例1-1(3)までの3つの形態からなる。
【0058】
(変形例1-1(1))
図2(a)に示すように、第1の実施形態の変形例1-1(1)における径方向移動抑制手段70a1は、径方向外側の中央部分に、外径方向に突出する突起部(回転止め部)71a1pを有する当接部材71a1と、周方向に延在する一対の切り欠き端部(回転止め係合部)(一対の端部)72a1nを有する付勢部材72a1と、を備える。この径方向移動抑制手段70a1の組付けは、当接部材71a1を取り付け孔75aに収容した状態で、ホルダ部21の外周面に連続して形成される周方向取り付け溝76aに付勢部材72a1を装着する。この際、当接部材71a1の突起部71a1pは、付勢部材72a1の一対の切り欠き端部72a1nの間に位置するように配置される。なお、本実施形態における、一対の切り欠き端部72a1nと突起部71a1pとの間には、少なくとも一方に、若干の隙間が設けられるように係合させる。これは、仮に、一対の切り欠き端部72a1nと突起部71a1pとの間に、隙間を設けずに当接させると、一対の切り欠き端部72a1nが相互に離間する方向に開くため、付勢部材72a1の径方向への付勢力が弱くなってしまうためである。
【0059】
以上より、本実施形態の径方向移動抑制手段70a1においては、運転状態に生じる振動などにより、付勢部材72a1が、周方向取り付け溝76a内を周方向に回転しようとしても、一対の切り欠き端部72a1nが、突起部71a1pと干渉し、一対の切り欠き端部72a1nの周方向位置が保持される。これにより、当接部材71a1に対する付勢部材72a1の付勢力が維持され、軸受け孔24に対するガイド部32の押圧力を安定したものとすることができる。また、本実施形態においては、当接部材71a1及び付勢部材72a1の形状のみを変更することにより、比較的簡単に、付勢部材72a1の回転止めを行うことができる。さらに、本実施形態は当接部材71a1の外周半径に対し、付勢部材72a1の内周半径が大きくなっているので、一対の切り欠き端部72a1nは、当接部材71a1の外周面に対して、2か所で点接触しているため、安定した状態で付勢することができる。なお、当接部材71a1の外周半径と付勢部材72a1の内周半径は同一としてもよく、この場合には2か所の周方向の線接触となる。また本実施形態では、付勢部材72a1を丸線材により形成したので、2か所の点接触となっているが、付勢部材72a1は角線材で形成してもよく、この場合には2か所の軸線L方向の線接触となる。
【0060】
(変形例1-1(2))
図2(b)に示すように、第1の実施形態の変形例1-1(2)における径方向移動抑制手段70a2は、外周面の中央部分に、内径方向に凹む窪み部(回転止め部)71a2dを有する当接部材71a2と、内径方向に折り返される一対の径方向折り返し端部(回転止め係合部)(一対の端部)72a2fを有する付勢部材72a2と、を備える。この径方向移動抑制手段70a2の組付けは、当接部材71a2を取り付け孔75aに収容した状態で、ホルダ部21の外周面に連続して形成される周方向取り付け溝76aに付勢部材72a2を装着する。この際、付勢部材72a2の一対の径方向折り返し端部72a2fは、当接部材71a1の窪み部71a2dに係合されるように配置される。
【0061】
よって、本実施形態の径方向移動抑制手段70a2においては、運転状態に生じる振動などにより、付勢部材72a2が、周方向取り付け溝76a内を周方向に回転しようとしても、一対の径方向折り返し端部72a2fが、窪み部71a2dと干渉し、一対の径方向折り返し端部72a2fの周方向位置が保持される。これにより、当接部材71a2に対する付勢部材72a2の付勢力が維持され、軸受け孔24に対するガイド部32の押圧力を安定したものとすることができる。また、本実施形態においては、変形例1-1(1)と同様に、当接部材71a2及び付勢部材72a2の形状のみを変更することにより、比較的簡単に、付勢部材72a2の回転止めを行うことができる。さらに、本実施形態は当接部材71a2の外周半径に対し、付勢部材72a2の内周半径が大きくなっているので、付勢部材72a2は、当接部材71a2の外周面に対して、2か所で点接触するとともに、一対の径方向折り返し端部72a2fが窪み部71a2dに係合しているため、より安定した状態で付勢することができる。なお、当接部材71a2の外周半径と付勢部材72a2の内周半径は同一としてもよく、この場合には2か所の周方向の線接触となる。また本実施形態では、付勢部材72a2を丸線材により形成したので、2か所の点接触となっているが、付勢部材72a2は角線材で形成してもよく、この場合には2か所の軸線L方向の線接触となる。
【0062】
(変形例1-1(3))
図2(c)に示すように、第1の実施形態の変形例1-1(3)における径方向移動抑制手段70a3は、外周面に、ストレート部(回転止め部)71a3sを有する当接部材71a3と、直線形状に折り曲げられる一対の直線折り曲げ端部(回転止め係合部)(一対の端部)72a3bを有する付勢部材72a3と、を備える。この径方向移動抑制手段70a3の組付けは、当接部材71a3を取り付け孔75aに収容した状態で、ホルダ部21の外周面に連続して形成される周方向取り付け溝76aに付勢部材72a3を装着する。この際、付勢部材72a3の一対の直線折り曲げ端部72a3bは、当接部材71a3のストレート部71a3sに係合されるように配置される。
【0063】
よって、本実施形態の径方向移動抑制手段70a3においては、運転状態に生じる振動などにより、付勢部材72a3が、周方向取り付け溝76a内を周方向に回転しようとしても、一対の直線折り曲げ端部72a3bが、ストレート部71a3sと干渉し、一対の直線折り曲げ端部72a3bの周方向位置が保持される。これにより、当接部材71a3に対する付勢部材72a3の付勢力が維持され、軸受け孔24に対するガイド部32の押圧力を安定したものとすることができる。また、本実施形態においては、変形例1-1(2)と同様に、当接部材71a3及び付勢部材72a3の形状のみを変更することにより、比較的簡単に、付勢部材72a2の回転止めを行うことができる。さらに、本実施形態の付勢部材72a3は、一対の直線折り曲げ端部72a3bが、2か所でストレート部71a3sに線接触するとともに、軸線L方向に向かう同一方向に係合しているため、より安定した状態で付勢することができる。加えて、本実施形態の当接部材71a3は、変形例1-1(2)の当接部材71a2と比べ、小型化及び軽量化を図ることができる。また本実施形態では、付勢部材72a3を丸線材により形成したので、2か所の線接触となっているが、付勢部材72a3は角線材で形成してもよく、この場合には2か所の軸線L方向に幅を有した面接触となる。
【0064】
(第1の実施形態の変形例1-2)
図3(a)~(h)に示すように、第1の実施形態の変形例1-2における径方向移動抑制手段70a4~70a7は、付勢部材72a4~72a7の回転止めを、ホルダ部21にそれぞれ設けることにより、付勢部材72a4~72a7は、ホルダ部21に直接的に保持されものであり、変形例1-2(1)から変形例1-2(4)までの4つの形態からなる。なお、第1の実施形態の変形例1-2における当接部材71aは、第1の実施形態の当接部材71a(図1(b)参照)と同一である。
【0065】
(変形例1-2(1))
図3(a)~(b)に示すように、第1の実施形態の変形例1-2(1)における径方向移動抑制手段70a4は、ホルダ部21の外周面に形成される凸部(回転止め部)21bと、この凸部21bにより、ホルダ部21の外周面に不連続に形成される周方向取り付け溝76a4と、周方向に延在する一対の切り欠き端部(回転止め係合部)(一対の端部)72a4nを有する付勢部材72a4と、を備える。この径方向移動抑制手段70a4の組付けは、当接部材71aを取り付け孔75aに収容した状態で、ホルダ部21の外周面に不連続に形成される周方向取り付け溝76a4に付勢部材72a4を装着する。この際、ホルダ部21の凸部21bは、付勢部材72a4の一対の切り欠き端部72a4nの間に位置するように配置される。なお、本実施形態においては、前述した変形例1-1(1)と同じ理由により、一対の切り欠き端部72a4nと凸部21bとの間には、少なくとも一方に、若干の隙間が設けられるように係合させる。本実施形態におけるホルダ部21の凸部21bは、取り付け孔75aに対して、周方向に略90°ずれた位置に設けられているが、これに限らず、例えば、取り付け孔75a及び径方向溝21aから、離間した周方向位置であればどこであってもよい。
【0066】
よって、本実施形態の径方向移動抑制手段70a4においては、運転状態に生じる振動などにより、付勢部材72a4が、周方向取り付け溝76a4内を周方向に回転しようとしても、一対の切り欠き端部72a4nが凸部21bと干渉し、一対の切り欠き端部72a4nの周方向位置が保持される。これにより、当接部材71aに対する付勢部材72a4の付勢力が維持され、軸受け孔24に対するガイド部32の押圧力を安定したものとすることができる。また、本実施形態においては、ホルダ部21及び付勢部材72a4の形状のみを変更することにより、比較的簡単に、付勢部材72a4の回転止めを行うことができる。さらに、本実施形態の付勢部材72a4は、一対の切り欠き端部72a4nが当接部材71aと対向位置にないので、既に説明したように、比較的大きな付勢力で当接部材71aを付勢することができる。なお、本実施形態においては、変形例1-1(1)と同様に付勢部材72a4が当接部材71aの外周頂部に点接触させているが、これに限らず、当接部材71aの外周半径と付勢部材72a4の内周半径とを同一として、付勢部材72a4を当接部材71aの全ての外周面に対して、線接触させてもよい。このようにすることにより、安定した状態で付勢することができる。
【0067】
(変形例1-2(2))
図3(c)~(d)に示すように、第1の実施形態の変形例1-2(2)における径方向移動抑制手段70a5は、ホルダ部21の外周面に連続して形成される周方向取り付け溝76aと、この周方向取り付け溝76aを軸線L方向に横切るとともに、上方に開口するピン穴21cと、このピン穴21cに圧入されるストッパピン(回転止め部)21dと、周方向に延在する一対の切り欠き端部(回転止め係合部)(一対の端部)72a5nを有する付勢部材72a5と、を備える。この径方向移動抑制手段70a5の組付けは、当接部材71aを取り付け孔75aに収容した状態で、ホルダ部21の外周面に連続して形成される周方向取り付け溝76aに付勢部材72a5を装着する。この際、付勢部材72a5の周方向の位置決めは、軸線L方向からみて、一対の切り欠き端部72a5nの隙間が、ピン穴21cに重なるように配置した後、ストッパピン21dを、ピン穴21cに圧入することにより行う。この付勢部材72a5の周方向の位置決めにより、ホルダ部21の外周面に形成される周方向取り付け溝76aは、周方向に不連続となる。なお、本実施形態においては、前述した変形例1-1(1)と同じ理由により、一対の切り欠き端部72a5nとストッパピン21dとの間には、少なくとも一方に、若干の隙間が設けられるように係合させる。本実施形態におけるストッパピン21dは、取り付け孔75aに対して、周方向に略90°ずれた位置に設けられているが、これに限らず、例えば、取り付け孔75a及び径方向溝21aから、離間した周方向位置であればどこであってもよい。また、本実施形態におけるストッパピン21dは、ピン穴21cに圧入されるものであるが、これに限らず、例えば、ピン穴21cに挿入されるものであってもよい。
【0068】
よって、本実施形態の径方向移動抑制手段70a5においては、運転状態に生じる振動などにより、付勢部材72a5が、周方向取り付け溝76a内を周方向に回転しようとしても、一対の切り欠き端部72a5nがストッパピン21dと干渉し、一対の切り欠き端部72a5nの周方向位置が保持される。これにより、当接部材71aに対する付勢部材72a5の付勢力が維持され、軸受け孔24に対するガイド部32の押圧力を安定したものとすることができる。また、本実施形態においては、変形例1-2(1)と同様に、ホルダ部21及び付勢部材72a5の形状のみを変更することにより、比較的簡単に、付勢部材72a5の回転止めを行うことができるとともに、付勢部材72a5は、一対の切り欠き端部72a5nが当接部材71aと対向位置にないので、比較的大きな付勢力で当接部材71aを付勢することができる。なお、本実施形態においては、変形例1-1(1)と同様に付勢部材72a5が当接部材71aの外周頂部に点接触させているが、これに限らず、当接部材71aの外周半径と付勢部材72a5の内周半径とを同一として、付勢部材72a5を当接部材71aの全ての外周面に対して、線接触させてもよい。このようにすることにより、安定した状態で付勢することができる。
【0069】
(変形例1-2(3))
図3(e)~(f)に示すように、第1の実施形態の変形例1-2(3)における径方向移動抑制手段70a6は、ホルダ部21に形成される径方向溝(回転止め部)21aと、内径方向に折り返される一対の径方向折り返し端部(回転止め係合部)(一対の端部)72a6fを有する付勢部材72a6と、を備える。この径方向溝21aは、周方向取り付け溝76aに対して、径方向内側に連続的に接続される。ここで、径方向移動抑制手段70a6の組付けは、当接部材71aを取り付け孔75aに収容した状態で、ホルダ部21の外周面に連続して形成される周方向取り付け溝76aに付勢部材72a6を装着する。この際、付勢部材72a6の一対の径方向折り返し端部72a6fは、ホルダ部21の径方向溝21aに係合されるように配置される。
【0070】
よって、本実施形態の径方向移動抑制手段70a6においては、運転状態に生じる振動などにより、付勢部材72a6が、周方向取り付け溝76a内を周方向に回転しようとしても、一対の径方向折り返し端部72a6fが、径方向溝21aと干渉し、一対の径方向折り返し端部72a6fの周方向位置が保持される。これにより、当接部材71aに対する付勢部材72a6の付勢力が維持され、軸受け孔24に対するガイド部32の押圧力を安定したものとすることができる。また、本実施形態においては、付勢部材72a2の形状のみを変更するとともに、ヒケ対策用の径方向溝21aを利用することにより、比較的簡単に、付勢部材72a6の回転止めを行うことができる。さらに、本実施形態の付勢部材72a6は、変形例1-2(1)と同様に、一対の径方向折り返し端部72a6fが当接部材71aと対向位置にないので、比較的大きな付勢力で当接部材71aを付勢することができる。なお、本実施形態においては、変形例1-1(1)と同様に付勢部材72a6が当接部材71aの外周頂部に点接触させているが、これに限らず、当接部材71aの外周半径と付勢部材72a6の内周半径とを同一として、付勢部材72a6を当接部材71aの全ての外周面に対して、線接触させてもよい。このようにすることにより、安定した状態で付勢することができる。
【0071】
(変形例1-2(4))
図3(g)~(h)に示すように、第1の実施形態の変形例1-2(4)における径方向移動抑制手段70a7は、ホルダ部21の外周面に連続して形成される周方向取り付け溝76aと、この周方向取り付け溝76aを軸線L方向に横切るように、ホルダ部21の外周面に形成される軸線方向溝(回転止め部)21eと、軸線L方向に直線形状に折り曲げられる一対の軸線方向折り曲げ端部(回転止め係合部)(一対の端部)72a7bを有する付勢部材72a7と、を備える。この軸線方向溝21eは、周方向取り付け溝76aに対して、軸線L方向に連続的に接続される。ここで、径方向移動抑制手段70a7の組付けは、当接部材71aを取り付け孔75aに収容した状態で、ホルダ部21の外周面に連続して形成される周方向取り付け溝76aに付勢部材72a7を装着する。この際、付勢部材72a7の一対の軸線方向折り曲げ端部72a7bは、ホルダ部21の軸線方向溝21eに係合されるように配置される。なお、本実施形態における一対の軸線方向折り曲げ端部72a7bは、共に、下方に折り曲げられるもの(図3(h)の実線参照)としたが、これに限らず、例えば、一対の軸線方向折り曲げ端部72a7bのそれぞれが、上方(図3(h)の破線参照)又は下方のいずれか一方に折り曲げられるものであればよい。また、本実施形態における軸線方向溝21eは、取り付け孔75aに対して、周方向に略90°ずれた位置に設けられているが、これに限らず、例えば、取り付け孔75a及び径方向溝21aから、離間した周方向位置であればどこであってもよい。
【0072】
よって、本実施形態の径方向移動抑制手段70a7においては、運転状態に生じる振動などにより、付勢部材72a7が、周方向取り付け溝76a内を周方向に回転しようとしても、一対の軸線方向折り曲げ端部72a7bが、軸線方向溝21eと干渉し、一対の軸線方向折り曲げ端部72a7bの周方向位置が保持される。これにより、当接部材71aに対する付勢部材72a7の付勢力が維持され、軸受け孔24に対するガイド部32の押圧力を安定したものとすることができる。また、本実施形態においては、変形例1-2(1)と同様に、ホルダ部21及び付勢部材72a7の形状のみを変更することにより、比較的簡単に、付勢部材72a7の回転止めを行うことができるとともに、付勢部材72a7は、一対の軸線方向折り曲げ端部72a7bが当接部材71aと対向位置にないので、比較的大きな付勢力で当接部材71aを付勢することができる。なお、本実施形態においては、変形例1-1(1)と同様に付勢部材72a7が当接部材71aの外周頂部に点接触させているが、これに限らず、当接部材71aの外周半径と付勢部材72a5の内周半径とを同一として、付勢部材72a7を当接部材71aの全ての外周面に対して、線接触させてもよい。このようにすることにより、安定した状態で付勢することができる。
【0073】
(第1の実施形態の変形例2)
ここで、図4から図6を用いて、第1の実施形態の変形例2に係る径方向移動抑制手段70a1-1~70a1-4について説明する。この第1の実施形態の変形例2における径方向移動抑制手段70a1-1~70a1-4は、ガイド部32に対する当接部材71a1-1~71a1-4の接触部の形状を変更している点で、第1の実施形態の変形例1-1(1)における径方向移動抑制手段70a1(図2(a)参照)と相違するが、その他の基本構成は第1の実施形態の変形例1-1(1)と同一である。ここで、同一部材には同一符号を付して、重複する説明は省略する。この第1の実施形態の変形例2は、説明のために、第1の実施形態の変形例1-1(1)(図2(a)参照)に採用するものとしたが、これに限らず、例えば、第1の実施形態の他の変形例1-1(2),(3)(図2(b)及び図2(c)参照)、及び、変形例1-2(1)~(4)(図3(a)から図3(h))に採用するものとしてもよい。なお、詳細は後述するが、第1の実施形態の変形例2に係る径方向移動抑制手段70a1-1~70a1-4は、当接部材71a1-1~71a1-4における接触部の形状により、第1の実施形態の変形例2-1に係る径方向移動抑制手段70a1-1,70a1-2(安定した支持形態)と、第1の実施形態の変形例2-2に係る径方向移動抑制手段70a1-3,70a1-4(摺動抵抗を減少させる形態)とに大別される。以下、第1の実施形態の変形例2について、第1の実施形態の変形例2-1、第1の実施形態の変形例2-2の順で説明する。
【0074】
(第1の実施形態の変形例2-1)
第1の実施形態の変形例1-1(1)における径方向移動抑制手段70a1は、図2(a)に示すように、軸線L方向からみて、ガイド部32に対向する当接部材71a1の接触部が、平面形状を有しているため、当接部材71a1とガイド部32との接触状態は、軸線L方向に延在する1つの線接触となっている。このため、運転状態に生じる振動などにより、ガイド部32に対する当接部材71a1の周方向位置が容易にずれるため、線接触の周方向位置が安定しないおそれがあった。これにより、付勢部材72a1の付勢力が、周方向に不安定な線接触を介して、ガイド部32の軸心を通らない方向にも付勢されるため、軸受け孔24に対するガイド部32の押圧力が安定しないおそれがあった。
【0075】
これに対し、第1の実施形態の変形例2-1における径方向移動抑制手段70a1-1,70a1-2は、当接部材71a1-1,71a1-2における接触部71a1c-1,71a1c-2が、安定した支持形態をそれぞれ有するものであり、変形例2-1(1)及び変形例2-1(2)の2つの形態からなる。
【0076】
(変形例2-1(1))
図4(a)に示すように、第1の実施形態の変形例2-1(1)における径方向移動抑制手段70a1-1は、軸線L方向からみて、ガイド部32に対向する当接部材71a1-1の接触部71a1c-1が、ガイド部32の外周面に沿う方向に近接配置される逆円弧形状を有している。よって、図4(b)に示すように、当接部材71a1-1とガイド部32との接触状態は、軸線L方向に延在する1つの線接触Ca-1となっている。本実施形態において、接触部71a1c-1の曲率半径は、ガイド部32の曲率半径より大きく設定されるものであるが、より好ましくは、ガイド部32の曲率半径より僅かに大きく設定されるものである。また、接触部71a1c-1とガイド部32の曲率半径を同一とし、接触状態を面接触としてもよい。
【0077】
よって、本実施形態の径方向移動抑制手段70a1-1においては、運転状態に生じる振動などにより、ガイド部32に対して、当接部材71a1-1の周方向位置が僅かにずれたとしても、ガイド部32が逆円弧形状の接触部71a1c-1の頂部に戻り易く、線接触Ca-1の移動量を、第1の実施形態の変形例1-1(1)における径方向移動抑制手段70a1(図2(a)参照)と比べ、小さく抑えることができる。これにより、付勢部材72a1の付勢力が、当接部材71a1-1を介して、ガイド部32の軸心近傍方向に付勢されるため、軸受け孔24に対するガイド部32の押圧力を、より安定した状態に維持することができる。また、本実施形態においては、第1の実施形態と同様に、当接部材71a1-1とガイド部32との接触状態を線接触とすることにより、この軸線L方向に延在する線接触を介して、当接部材71a1-1の全高により、ガイド部32を水平に安定した状態で押圧することができる。
【0078】
(変形例2-1(2))
図4(c)に示すように、第1の実施形態の変形例2-1(2)における径方向移動抑制手段70a1-2は、軸線L方向からみて、ガイド部32に対向する当接部材71a1-2の接触部71a1c-2が、ガイド部32の外周面に対して窪むテーパ形状を有している。よって、図4(d)に示すように、当接部材71a1-2とガイド部32との接触状態は、軸線Lを挟んで、軸線L方向に延在する2つの線接触Ca-2となっている。
【0079】
よって、本実施形態の径方向移動抑制手段70a1-2においては、運転状態に生じる振動などにより、ガイド部32に対して、当接部材71a1-2の周方向位置が僅かにずれようとしても、2つの線接触Ca-2により、安定的に支持されているため、2つの線接触Ca-2の移動量を、第1の実施形態の変形例1-1(1)における径方向移動抑制手段70a1(図2(a)参照)と比べ、極めて小さく抑えることができる。これにより、付勢部材72a1の付勢力が、当接部材71a1-2を介して、ガイド部32の略軸心方向に付勢されるため、軸受け孔24に対するガイド部32の押圧力を、より一段と安定した状態に維持することができる。また、本実施形態においては、第1の実施形態と同様に、当接部材71a1-2とガイド部32との接触状態を線接触とすることにより、この軸線L方向に延在する線接触を介して、当接部材71a1-2の全高により、ガイド部32を水平に安定した状態で押圧することができる。
【0080】
ここで、図5を用いて、接触部71a1c-2における一対のエッジ部E1,E2をガイド部32に当接させない条件について説明する。まず、接触部71a1c-2の外縁部に形成される線形状のエッジ部E1,E2からガイド部32の中心Oまでそれぞれ直線を引き、∠E1OE2が成す角度をαとする。この∠E1OE2が成す角度αは、2×Sin-1(Lb/Da)より算出される。ここで、Daは、ガイド部32の直径を示し、Lbは、接触部71a1c-2のテーパ幅を示す。また、接触部71a1c-2のテーパ形状における頂点をO1とし、∠E1O1E2が成す頂角をテーパ角θとする。
【0081】
ここで、例えば、θ=180-αの場合には、∠OE1O1の成す角と∠OE2O1の成す角との和が180(°)となる、つまり、∠OE1O1の成す角及び∠OE2O1の成す角は、それぞれ90(°)となることから、線形状のエッジ部E1,E2は、ガイド部32の接点となる。したがって、本実施形態においては、下記の(式1)を満たすことにより、テーパ形状の接触部71a1c-2に対するガイド部32の接点位置を、線形状のエッジ部E1,E2を含まない頂点O1側のテーパ面上へ設定できる。この結果、線形状のエッジ部E1,E2が、円柱形状のガイド部32に当接することを回避できる。
【0082】
θ>180-α (式1)
(式1)は、θ>180-2×Sin-1(Lb/Da)である。よって、接触部71a1c-2のテーパ角θは、(式1)を満たすように、ガイド部32の直径Da及び接触部71a1c-2のテーパ幅Lbを設定することにより、線形状のエッジ部E1,E2がガイド部32に押圧されての接触により変形、または摩耗し、軸受け孔24に対するガイド部32の押圧力が変化することを抑制できる。
【0083】
(第1の実施形態の変形例2-1)
第1の実施形態の変形例1-1(1)における径方向移動抑制手段70a1は、図2(a)に示すように、当接部材71a1とガイド部32との接触状態は、軸線L方向に延在する1つの線接触となっているため、当接部材71a1に対して、回転するガイド部32の摺動抵抗が大きくなり、ステッピングモータ60の駆動力を弁体42へ効率よく伝達させることができないおそれがあった。
【0084】
これに対し、第1の実施形態の変形例2-2における径方向移動抑制手段70a1-3,70a1-4は、当接部材71a1-3,71a1-4における接触部71a1c-3,71a1c-4が、摺動抵抗を減少させる形態をそれぞれ有するものであり、変形例2-2(1)及び変形例2-2(2)の2つの形態からなる。
【0085】
(変形例2-2(1))
図6(a)に示すように、第1の実施形態の変形例2-2(1)における径方向移動抑制手段70a1-3は、軸線L方向からみて、ガイド部32に対向する当接部材71a1-3の接触部71a1c-3が、球面形状を有している。よって、図6(b)に示すように、当接部材71a1-3とガイド部32との接触状態は、1つの点接触Ca-3となっている。
【0086】
よって、本実施形態の径方向移動抑制手段70a1-3においては、当接部材71a1-3が、ガイド部32に対して、1つの点接触Ca-3となっているため、当接部材71a1-3に対して、回転するガイド部32の摺動抵抗を比較的小さくすることができ、結果、ステッピングモータ60の駆動力を弁体42へ効率よく伝達させることができる。なお、本実施形態における球面形状を有する接触部71a1c-3は、当接部材71a1-3に対して固定されるものであるが、これに限らず、例えば、ベアリングのように、回動可能に保持されるものを採用することにより、さらに摺動抵抗を小さくすることができる。
【0087】
(変形例2-2(2))
ここで、図6(a)に示すように、第1の実施形態の変形例2-2(1)における径方向移動抑制手段70a1-3では、当接部材71a1-3とガイド部32との接触状態は、1つの点接触Ca-3となっているため、当接部材71a1-3が、水平方向に対して容易に傾くおそれがあった。これにより、付勢部材72a1の付勢力が、当接部材71a1-3を介して、ガイド部32の軸線Lに対して垂直でない方向にも付勢されるため、軸受け孔24に対するガイド部32の押圧力を安定させることができないおそれがあった。
【0088】
これに対し、図6(c),(d)に示すように、第1の実施形態の変形例2-2(2)における径方向移動抑制手段70a1-4は、軸線L方向からみて、ガイド部32に対向する当接部材71a1-4の接触部71a1c-4が、軸線L方向に沿って並ぶ、2つの球面形状を有している。よって、図6(d)に示すように、当接部材71a1-4とガイド部32との接触状態は、軸線L方向に沿って並ぶ、2つの点接触Ca-4となっている。
【0089】
このように、本実施形態の径方向移動抑制手段70a1-4においては、当接部材71a1-4が、ガイド部32に対して、軸線L方向に沿って並ぶ、2つの点接触Ca-4となっているため、当接部材71a1-4が、水平方向に対して傾くことない。よって、付勢部材72a1の付勢力が、当接部材71a1-4を介して、ガイド部32の軸線Lに対して垂直方向のみに付勢されるため、軸受け孔24に対するガイド部32の押圧力を安定したものとすることができる。また、本実施形態においては、変形例2-2(1)と同様に、当接部材71a1-4に対して、回転するガイド部32の摺動抵抗を比較的小さくすることができ、結果、ステッピングモータ60の駆動力を弁体42へ効率よく伝達させることができる。なお、本実施形態における球面形状を有する接触部71a1c-4は、当接部材71a1-4に対して固定されるものであるが、これに限らず、例えば、ベアリングのように、回動可能に保持されるものを採用することにより、さらに摺動抵抗を小さくすることができる。
【0090】
(第1の実施形態の変形例3)
ここで、図7から図9を用いて、第1の実施形態の変形例3に係る径方向移動抑制手段70a8,70a9について説明する。この第1の実施形態の変形例3における径方向移動抑制手段70a8,70a9は、主に、当接部材71a’,71a’’の取り付け孔75a,75a’’内におけるガタを抑制する構成を設けている点で、第1の実施形態の変形例1-2(1)(図3(a)参照)における径方向移動抑制手段70a4と相違するが、その他の基本構成は第1の実施形態の変形例1-2(1)と同一である。ここで、同一部材には同一符号を付して、重複する説明は省略する。なお、本実施形態におけるホルダ部21には、図7及び図8に示すように、樹脂成型時のヒケを安定化させ、所望の形状や寸法を得るために、軸線Lに対して、取り付け孔75a,75a’’と反対側に、径方向溝21a,21a’’が形成されている。
【0091】
図3(a)に示すように、第1の実施形態の変形例1-2(1)における径方向移動抑制手段70a4は、当接部材71aの内周面及び外周頂部が、ガイド部32及び付勢部材72a4に対して、水平面内における軸線Lと直交する方向(図3(a)の左右方向)の直線上で接触している。つまり、付勢力F1(図1(b)参照)は、この直線に沿うものである。ここで、径方向移動抑制手段70a4は、組付けをスムーズにするために、当接部材71aと取り付け孔75aとの間に、周方向及び軸線L方向に僅かではあるが隙間を設けた状態で、当接部材71aを取り付け孔75aに収容している。この組付け隙間のために、ガイド部32が回転及び軸線L方向に移動する毎に、当接部材71aがガイド部32に連動し、軸線Lの直交方向及び軸線L方向に対して傾きを生じていた。これにより、付勢力F1の付勢方向が一定とならず、当接部材71aがガイド部32を安定した状態で押圧することができないおそれがあった。
【0092】
これに対し、第1の実施形態の変形例3における径方向移動抑制手段70a8,70a9では、当接部材71a’,71a’’の取り付け孔75a,75a’’内におけるガタを抑制する構成を設けるものであり、変形例3-1(周方向のガタを抑制する構成)及び変形例3-2(軸線L方向のガタを抑制する構成)の2つの形態からなる。
【0093】
(変形例3-1)
まず、第1の実施形態の変形例3-1における径方向移動抑制手段70a8は、周方向のガタを抑制する構成を有するものである。具体的には、径方向移動抑制手段70a8は、略L字形状からなり、ガイド部32に当接する当接部71a’1と、当接部71a’1の軸心L71a’から離間するように、ホルダ部21の外周面の周方向に沿って延在するとともに、付勢部材72a4に当接する付勢部71a’2と、を有する当接部材71a’を備える。この径方向移動抑制手段70a8の組付けは、当接部材71a’を取り付け孔75aに収容した状態で、ホルダ部21の外周面に不連続に形成される周方向取り付け溝76a4に付勢部材72a4を装着し、付勢部材72a4の一対の切り欠き端部72a4nの間に、ホルダ部21の凸部21bが位置するように配置する。この際、付勢部材72a4が、当接部材71a’の付勢部71a’2に接触することにより、取り付け孔75a内の当接部材71a’には、モーメントM1が常時働く。このモーメントM1により、当接部71a’1の軸心L71a’は、取り付け孔75aの軸心に対して傾斜し、この結果、当接部材71a’が、取り付け孔75aの周方向に離間した2か所の当接箇所(図中の×印参照)により、堅固に支持されるため、周方向への回動を規制することができる。
【0094】
なお、本実施形態の変形例3-1は、説明のために、変形例1-2(1)に基づくものとし、付勢部材72a4の回転止め部及び回転止め係合部を、凸部21b及び一対の切り欠き端部72a4n(図3(a)参照)を採用するものとした。しかしながら、これに限らず、付勢部材の回転止め部及び回転止め係合部を、例えば、ストッパピン及び一対の切り欠き端部(図3(c)参照)、径方向溝及び一対の径方向折り返し端部(図3(e)参照)、軸線方向溝及び一対の軸線方向折り曲げ端部(図3(g)参照)のいずれかを採用してもよい。
【0095】
よって、本実施形態の径方向移動抑制手段70a8においては、当接部材71a’が、軸線Lの直交方向に対し傾き、取り付け孔75aと干渉するため、当接部材71a’の取り付け孔75a内における周方向のガタを抑制することができる。これにより、当接部材71a’は、ガイド部32の回転に連動せずに、ガイド部32を安定した状態で押圧することができる。また、本実施形態の径方向移動抑制手段70a8において、ガイド部32の回転に連動し、当接部材71a’に生じるモーメントより、モーメントM1を大きく設定しているため、ガイド部32が、図7に示される時計回りのみならず、反時計回りに回転した場合、つまり、モーメントM1を打ち消す方向にモーメントが生じた場合であっても、当接部材71a’は、取り付け孔75a内に堅固に支持される。
【0096】
(変形例3-2)
第1の実施形態の変形例3-1における径方向移動抑制手段70a8において、付勢部材72a4の直径が比較的小さく設定されているため、径方向移動抑制手段70a8における組付けの際に、付勢部材72a4が、雌ねじストッパ(不図示)やガイドレール26(図1参照)に干渉するおそれがあった。また、径方向移動抑制手段70a8において、付勢部材72a4の直径を比較的大きく設定した上で組み付ける場合には、付勢部材72a4が、マグネットロータ62の突条67(図1参照)に干渉するおそれがあった。
【0097】
これに対し、第1の実施形態の変形例3-2における径方向移動抑制手段70a9は、軸線L方向のガタを抑制するとともに、組付けの際に、付勢部材72a9が他部材に干渉することを抑制する構成を有するものである。具体的には、径方向移動抑制手段70a9は、図8及び図9に示すように、略L字形状からなり、ガイド部32に当接する当接部71a’’1と、当接部71a’’1の軸心L71a’’(図8(b)参照)から離間するように、ホルダ部21の外周面の軸線L方向に沿って延在するとともに、付勢部材72a9に当接する周方向取り付け溝71a’’21が形成される付勢部71a’’2と、を有する当接部材71a’’を備える。また、径方向移動抑制手段70a9は、ホルダ部21の外周面に形成される凸部(回転止め部)21b’’と、この凸部21b’’により、ホルダ部21の外周面に不連続に形成される周方向取り付け溝76a’’と、ホルダ部21の外周面の周方向取り付け溝76a’’の上部に形成される複数の抜け止め爪部21fと、周方向に延在する一対の切り欠き端部(回転止め係合部)(一対の端部)72a9nを有する付勢部材72a9と、を備える。この径方向移動抑制手段70a9の組付けは、当接部材71a’’を取り付け孔75a’’に収容した状態で、ホルダ部21の外周面に不連続に形成される周方向取り付け溝76a’’、及び、当接部材71a’’の周方向取り付け溝71a’’21と、複数の抜け止め爪部21fとの間に、付勢部材72a9を装着する。なお、付勢部材72a9は、一対の切り欠き端部72a9nの間に、ホルダ部21の凸部21b’’が配置されるとともに、付勢部材72a9の中心位置Oaが、軸線Lから当接部材71a’’側へとシフトするように配置される。ここで、付勢部材72a9の直径は、比較的大きく設定されているため、雌ねじストッパ(不図示)やガイドレール26と干渉することはなく、加えて、付勢部材72a9は、マグネットロータ62の突条67の軸線L方向の下方に取り付けられるため、突条67と干渉することはない。この際、図8(b)に示すように、付勢部材72a9が、当接部材71a’’の付勢部71a’’2に接触することにより、取り付け孔75a’’内の当接部材71a’’には、モーメントM2が常時働く。このモーメントM2により、当接部71a’’1の軸心L71a’’は、取り付け孔75a’’の軸心に対して傾斜し、この結果、当接部材71a’’が、取り付け孔75a’’の軸線L方向に離間した2か所の当接箇所(図中の×印参照)により、堅固に支持されるため、軸線L方向への回動を規制することができる。
【0098】
なお、本実施形態の変形例3-2は、付勢部材72a9の回転止め部及び回転止め係合部を、凸部21b’’及び一対の切り欠き端部72a9nを採用するものとした。しかしながら、これに限らず、付勢部材の回転止め部及び回転止め係合部を、例えば、ストッパピン及び一対の切り欠き端部(図3(c)参照)、径方向溝及び一対の径方向折り返し端部(図3(e)参照)、軸線方向溝及び一対の軸線方向折り曲げ端部(図3(g)参照)のいずれかを採用してもよい。
【0099】
よって、本実施形態の径方向移動抑制手段70a9においては、付勢部材72a9の直径は、比較的大きく設定されているため、支持部材20’’やマグネットロータ62などに干渉することがないため、付勢部材72a9の付勢高さ位置の自由度、及び、組立性を向上させることができる。また、本実施形態の径方向移動抑制手段70a9においては、当接部材71a’’が、軸線L方向に対し傾き、取り付け孔75a’’と干渉するため、当接部材71a’’の取り付け孔75a’’内における軸線L方向のガタを抑制することができる。これにより、当接部材71a’は、ガイド部32の軸線L方向の移動に連動せずに、ガイド部32を安定した状態で押圧することができる。また、本実施形態の径方向移動抑制手段70a9において、ガイド部32の軸線L方向の移動に連動し、当接部材71a’’に生じるモーメントより、モーメントM2を大きく設定しているため、ガイド部32が、図8(b)に示される軸線L方向の上方のみならず、下方に移動した場合、つまり、モーメントM2を打ち消す方向にモーメントが生じた場合であっても、当接部材71a’’は、取り付け孔75a’’内に堅固に支持される。
【0100】
なお、第1の実施形態の変形例3において、説明のために、変形例3-1の周方向のガタを抑制する構成、及び、変形例3-2の軸線L方向のガタを抑制する構成を別々に設けるものを示した。しかしながら、これに限らず、例えば、周方向及び軸線L方向のガタを抑制する構成として、変形例3-2における当接部材71a’’の付勢部71a’’2を、軸線Lに対して、斜めに設置することにより、当接部71a’’1の軸心L71a’’は、取り付け孔75a’’の軸心に対して、ねじれの関係に配置される。この結果、当接部材71a’’が、取り付け孔75a’’の軸線L方向及び周方向に離間したそれぞれ2か所の当接箇所により、堅固に支持されるため、軸線L方向及び周方向への回動を同時に規制することができる。
【0101】
(第2の実施形態)
図10を用いて、第2の実施形態に係る電動弁100bについて説明する。第2の実施形態に係る電動弁100bは、当接部材71b及び取り付け孔75bの形状について、第1の実施形態の電動弁100aと相違するが、その他の基本構成は第1の実施形態と同一である。ここで、同一構成には同一符号を付し、重複する説明は省略する。なお、付勢部材72b及び周方向取り付け溝76bは、付勢部材72a及び周方向取り付け溝76aと同一構成であるが、便宜上、異なる符号を付している。
【0102】
第2の実施形態の径方向移動抑制手段70bは、滑り性が高い樹脂系材料からなる当接部材71bと、Cリングからなる付勢部材72bと、ホルダ部21の内周面と外周面とを軸線Lの直交方向に同一直径で連通する取り付け孔75bと、ホルダ部21の外周面に連続して形成される周方向取り付け溝76bと、を備える。この当接部材71bは、長楕円体形状を有している。本実施形態において、当接部材71bは、フッ素等を含有したポリフェニレンサルファイド(PPS)などの樹脂系材料とすることが好ましい。本実施形態における当接部材71bは、長楕円体形状を有しているが、これに限らず、同一直径を有する取り付け孔75bに適合する形状であればよい。
【0103】
<径方向移動抑制手段の組付けについて>
図10に示すように、当接部材71bを取り付け孔75bに収容した状態で、周方向取り付け溝76bに付勢部材72bを装着することにより、当接部材71bを介して、ガイド部32に軸線Lの直交方向の付勢力F2を生じさせる。この付勢力F2は、第1の実施形態の付勢力F1と同様に、ステッピングモータ60のマグネット吸引力より大きく設定されている。また、径方向移動抑制手段70bは、第1の実施形態の径方向移動抑制手段70aと同様に、雄ねじ部31aを雌ねじ部23aに対して、半径方向に常時僅かな隙間に維持することができる。
【0104】
このように、第2の実施形態に係る電動弁100bでは、径方向移動抑制手段70aに代えて、径方向移動抑制手段70bを採用することにより、第1の実施形態と同様の効果(低作動音性)に加え、当接部材71b及び取り付け孔75bの形状を簡素化することにより、低コスト化することができる。
【0105】
(第3の実施形態)
図11を用いて、第3の実施形態に係る電動弁100cについて説明する。第3の実施形態に係る電動弁100cは、径方向移動抑制手段70cの構成について、第1の実施形態の電動弁100aと相違するが、その他の基本構成は第1の実施形態と同一である。ここで、同一構成には同一符号を付し、重複する説明は省略する。なお、取り付け孔75cは、取り付け孔75bと同一構成であるが、便宜上、異なる符号を付している。
【0106】
第3の実施形態の径方向移動抑制手段70cは、滑り性が高い樹脂系材料からなる当接部材71cと、圧縮コイルばねからなる付勢部材72cと、当接部材71cとの間に付勢部材72cを挟持する保持部材73cと、ホルダ部21の内周面と外周面とを軸線Lの直交方向に同一直径で連通する取り付け孔75cと、ホルダ部21の外周面に段部を有して形成される軸線方向外側取り付け溝77cと、を備える。この当接部材71cは、拡径円筒形状を有している。本実施形態において、当接部材71cは、フッ素等を含有したポリフェニレンサルファイド(PPS)などの樹脂系材料とすることが好ましい。本実施形態における当接部材71cは、拡径円筒形状を有しているが、これに限らず、同一直径を有する取り付け孔75cに適合する形状であればよい。
【0107】
<径方向移動抑制手段の組付けについて>
図11(a)及び(b)に示すように、当接部材71cを取り付け孔75cに収容した状態で、当接部材71cとの間に付勢部材72cを挟持した保持部材73cを軸線方向外側取り付け溝77cに装着することにより、当接部材71cを介して、ガイド部32に軸線Lの直交方向の付勢力F3を生じさせる。この付勢力F3は、第1の実施形態の付勢力F1と同様に、ステッピングモータ60のマグネット吸引力より大きく設定されている。また、径方向移動抑制手段70cは、第1の実施形態の径方向移動抑制手段70aと同様に、雄ねじ部31aを雌ねじ部23aに対して、半径方向に常時僅かな隙間に維持することができる。
【0108】
このように、第3の実施形態に係る電動弁100cでは、径方向移動抑制手段70aに代えて、径方向移動抑制手段70cを採用することにより、第1の実施形態と同様の効果(低作動音性)に加え、様々なバネ定数を有する付勢部材72cを用意することにより、当接部材71cを変更せずに、付勢力F3を調整することができる。
【0109】
(第4の実施形態)
図12を用いて、第4の実施形態に係る電動弁100dについて説明する。第4の実施形態に係る電動弁100dは、径方向移動抑制手段70dの構成について、第1の実施形態の電動弁100aと相違するが、その他の基本構成は第1の実施形態と同一である。ここで、同一構成には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0110】
第4の実施形態の径方向移動抑制手段70dは、環形状の弾性部材(例えば、Oリングなど)からなる当接部材71dと、ガイド部32との間に当接部材71dを挟持する保持部材73dと、保持部材73dを下方から固定支持する抜け止めリング74dと、ホルダ部21の内周面に段部を有して形成される軸線方向内側取り付け溝78dと、を備える。
【0111】
この保持部材73dは、滑り性が高い樹脂系材料からなるリング状ブッシュであり、図12(a)に示すように、ガイド部32と摺動可能に近接配置される摺動部73duと、摺動部73duの下方に設けられ、当接部材71dを摺動可能に収容する収容部73ddと、を有する。この収容部73ddは、図12(b)に示すように、軸線Lに対し同心上に形成された外周面73doと、軸線Lに対し偏心した内周面73diと、を有する。本実施形態において、保持部材73dは、フッ素等を含有したポリフェニレンサルファイド(PPS)やポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの樹脂系材料とすることが好ましい。
【0112】
<径方向移動抑制手段の組付けについて>
まず、ホルダ部21の軸線方向内側取り付け溝78d内に保持部材73dを嵌入固定させる。そして、保持部材73dの収容部73ddに当接部材71dを収容するとともに、駆動軸30を、軸受け孔24を介して、ねじ送り機構部を螺合させながら、ホルダ部21の下方から上方へと軸線L方向に沿って挿入する。そして、保持部材73d及び当接部材71dの下方を抜け止めリング74dで支持しつつ、抜け止めリング74dをホルダ部21に溶着等により固定する。これにより、当接部材71dを、ガイド部32と、保持部材73dの内周面73diとの間に挟持することができる。
【0113】
ここで、ホルダ部21の軸線方向内側取り付け溝78d、及び、保持部材73dの外周面73doは、それぞれ、軸線Lに対し同心上に形成されている一方、保持部材73dの内周面73diは、軸線Lに対し偏心した中心点Odを有するように形成されている。また、軸線L方向からみた、当接部材71dの非圧縮状態における半径方向の環状幅は、ガイド部32と、保持部材73dの内周面73diとの間の半径方向の最大環状幅(図129(b)の左側参照)より大きく設定されている。さらに、軸線L方向からみた、当接部材71dの環状開口直径は、ガイド部32の直径より、小さく設定されているため、当接部材71dの内周面は、自らの弾性力により、ガイド部32に向けて収縮するように保持されている。
【0114】
このように、当接部材71dを、ガイド部32と、保持部材73dの内周面73diとの間に挟持することにより、当接部材71cは、軸線Lの直交方向に変形するとともに、ガイド部32に軸線Lの直交方向の付勢力F4を生じさせる。なお、保持部材73dは、ホルダ部21の軸線方向内側取り付け溝78d内に嵌入固定されているため、保持部材73dの内周面73diが、当接部材71dに対してスライドする。この付勢力F4は、第1の実施形態の付勢力F1と同様に、ステッピングモータ60のマグネット吸引力より大きく設定されている。また、径方向移動抑制手段70dは、第1の実施形態の径方向移動抑制手段70aと同様に、雄ねじ部31aを雌ねじ部23aに対して、半径方向に常時僅かな隙間に維持することができる。
【0115】
このように、第4の実施形態に係る電動弁100dでは、径方向移動抑制手段70aに代えて、径方向移動抑制手段70dを採用することにより、第1の実施形態と同様の効果(低作動音性)に加え、様々な偏心した中心点Odを有する保持部材73dを用意することにより、当接部材71dを変更せずに、付勢力F4を調整することができる。
【0116】
また、第1から第3の実施形態に係る電動弁100a~100cにおいては、軸線Lの直交方向に貫通する取り付け孔75a,75b,75c内に、当接部材71a,71b,71cを設けているため、取り付け孔75a,75b,75cを介した流体移動などにより、当接部材71a,71b,71cが付勢される方向への動きに影響を及ぼすおそれがあった。これに対して、第4の実施形態に係る電動弁100dでは、径方向移動抑制手段70dの全ての構成を、ホルダ部21の内部に配置することにより、当接部材71dが付勢される方向への流体移動の影響を抑制し、より確実に機能させることができる。
【0117】
(第5の実施形態)
図13を用いて、第5の実施形態に係る電動弁100eについて説明する。第5の実施形態に係る電動弁100eは、保持部材73d、抜け止めリング74d、及び、軸線方向内側取り付け溝78dを省略した点で、第4の実施形態の電動弁100dと相違するが、その他の基本構成は第4の実施形態と同一である。ここで、同一構成には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0118】
第5の実施形態の径方向移動抑制手段70eは、環形状の弾性部材(例えば、Oリングなど)からなる当接部材71eと、軸線Lに対し偏心して形成されたガイド部32の周溝79eと、を備える。
【0119】
<径方向移動抑制手段の組付けについて>
まず、ガイド部32の周溝79eに当接部材71eを収容するとともに、駆動軸30を、軸受け孔24を介して、ねじ送り機構部を螺合させながら、ホルダ部21の下方から上方へと軸線L方向に沿って挿入する。これにより、当接部材71eを、ガイド部32と、軸受け孔24との間に挟持することができる。
【0120】
ここで、軸受け孔24は、軸線Lに対し同心上に形成されている一方、ガイド部32の周溝79eは、軸線Lに対し偏心した中心点Oeを有するように形成されている。また、軸線L方向からみた、当接部材71eの非圧縮状態における半径方向の環状幅は、ガイド部32の周溝79eの半径方向の最大環状幅(図13(b)の左側参照)より大きく設定されている。さらに、軸線L方向からみた、当接部材71eの環状開口直径は、ガイド部32の非周溝部の直径より、小さく設定されているため、当接部材71eの内周面は、自らの弾性力により、ガイド部32に向けて収縮するように保持されている。
【0121】
このように、当接部材71eを、ガイド部32と、軸受け孔24との間に挟持することにより、当接部材71eは、軸線Lの直交方向に変形するとともに、ガイド部32に軸線Lの直交方向の付勢力F5を生じさせる。なお、当接部材71eは、自らの弾性力により、ガイド部32の周溝79e内に保持されているため、当接部材71eの外周面が、軸受け孔24に対してスライドする。この付勢力F5は、第1の実施形態の付勢力F1と同様に、ステッピングモータ60のマグネット吸引力より大きく設定されている。また、径方向移動抑制手段70eは、第1の実施形態の径方向移動抑制手段70aと同様に、雄ねじ部31aを雌ねじ部23aに対して、半径方向に常時僅かな隙間に維持することができる。また、本実施形態における径方向移動抑制手段70eは、軸受け孔24とガイド部32との間に設けられるため、当接部材71eと雌ねじ部23aが重なることがなく、駆動軸30の軸線L方向への移動に影響を及ぼさない。
【0122】
このように、第5の実施形態に係る電動弁100eでは、径方向移動抑制手段70dに代えて、径方向移動抑制手段70eを採用することにより、第4の実施形態と同様の効果(低作動音性、流体移動の影響を抑制)を奏することができる。
【0123】
また、第1から第4の実施形態に係る電動弁100a~100dにおいては、軸線L方向からみて、径方向移動抑制手段70a~70dによる付勢力F1~F4の方向が、駆動軸30の回転に関わらず一方向に固定されていたため、ねじ送り機構部において、少なからず片摩耗が生じるおそれがあった。これに対して、第5の実施形態に係る電動弁100eでは、当接部材71eの内周面は、自らの弾性力により、ガイド部32に保持されている一方、当接部材71eの外周面が、軸受け孔24に対してスライドする。この結果、軸線L方向からみた、付勢力F5の方向が、駆動軸30とともに回転するため、ねじ送り機構部における片摩耗を抑制することができる。
【0124】
なお、本実施形態では、マグネットロータ62に接続される駆動軸30に雄ねじ部31aを設けるとともに、雌ねじ部23aを弁本体10に固定させ、雄ねじ部31aを雌ねじ部23aに対して、軸線L方向に移動可能である電動弁100a~100dに対して、径方向移動抑制手段を採用するものを説明した。しかしながら、これに限らず、例えば、マグネットロータの内周面に雌ねじ部を設けるとともに、雄ねじ部を弁本体に固定させ、雌ねじ部を雄ねじ部に対して、軸線L方向に移動可能である電動弁に対して、径方向移動抑制手段を採用し、マグネットロータに接続された駆動軸を、軸線Lの直交方向に付勢してもよい。
【0125】
<冷凍サイクルシステムについて>
図14を用いて、本発明の冷凍サイクルシステムを説明する。冷凍サイクルシステムは、第1~5の実施形態の電動弁100a~100eを用いた膨張弁100と、室外ユニットに搭載された室外熱交換器200と、室内ユニットに搭載された室内熱交換器300と、四方弁を構成する流路切換弁400と、圧縮機500と、を備える。ここで、膨張弁100、室外熱交換器200、室内熱交換器300、流路切換弁400、及び、圧縮機500は、それぞれ導管によって接続され、ヒートポンプ式の冷凍サイクルを構成している。なお、アキュムレータ、圧力センサ、温度センサ等は図示を省略している。
【0126】
冷凍サイクルの流路は、流路切換弁400により冷房運転時の流路と暖房運転時の流路の2通りに切換えられる。冷房運転時(図中の実線矢印参照)には、圧縮機500で圧縮された冷媒は流路切換弁400から室外熱交換器200に流入され、この室外熱交換器200は凝縮器として機能し、室外熱交換器200から流出された液冷媒は膨張弁100を介して室内熱交換器300に流入され、この室内熱交換器300は蒸発器として機能する。
【0127】
一方、暖房運転時(図中の破線矢印参照)には、圧縮機500で圧縮された冷媒は、流路切換弁400から室内熱交換器300、膨張弁100、室外熱交換器200、流路切換弁400、そして、圧縮機500の順に循環され、室内熱交換器300が凝縮器として機能し、室外熱交換器200が蒸発器として機能する。よって、膨張弁100は、冷房運転時に室外熱交換器200から流入する液冷媒、又は、暖房運転時に室内熱交換器300から流入する液冷媒を、それぞれ減圧膨張し、さらにその冷媒の流量を制御することができる。
【0128】
なお、本発明は、第1~5の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。例えば、第1~5の実施形態では、家庭用エアコン等の空気調和機に用いられる電動弁100a~100eを例示したが、本発明の電動弁は、家庭用エアコンに限らず、業務用エアコンであってもよいし、空気調和機に限らず、各種の冷凍機等にも適用可能である。
【0129】
<その他>
本実施形態の電動弁100a~100eは、例示する冷凍サイクルだけでなく、あらゆる流体装置及び流体回路に適用可能であることは言うまでもない。また、本発明は、上述した各形態や、各実施形態、随所に述べた変形例に限られることなく、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲で、適宜の変更や変形が可能である。
【符号の説明】
【0130】
100a~100e,100a’’ 電動弁
10 弁本体
20,20’’ 支持部材
21 ホルダ部
21a 径方向溝(回転止め部)
21a’’ 径方向溝
21b,21b’’ 凸部(回転止め部)
21c ピン穴
21d ストッパピン(回転止め部)
21e 軸線方向溝(回転止め部)
21f 抜け止め爪部
22 固定部
23 ねじ孔
23a 雌ねじ部(ねじ送り機構部)
24 軸受け孔(軸受け部)
25 スライド孔
30 駆動軸
31 ねじ部
31a 雄ねじ部(ねじ送り機構部)
32 ガイド部
40 弁体部
50 コイル部材
60 ステッピングモータ
70a~70e,70a1~70a9 径方向移動抑制手段
71a~71e,71a1~71a3,71a1-1~71a1-4,71a’,71a’’ 当接部材
71a1c-1~71a1c-4 接触部
71a1p 突起部(回転止め部)
71a2d 窪み部(回転止め部)
71a3s ストレート部(回転止め部)
71a’1,71a’’1 当接部
71a’2,71a’’2 付勢部
71a’’21 周方向取り付け溝
72a~72c,72a1~72a7,72a9 付勢部材
72a1n 一対の切り欠き端部(回転止め係合部)(一対の端部)
72a2f 一対の径方向折り返し端部(回転止め係合部)(一対の端部)
72a3b 一対の直線折り曲げ端部(回転止め係合部)(一対の端部)
72a4n 一対の切り欠き端部(回転止め係合部)(一対の端部)
72a5n 一対の切り欠き端部(回転止め係合部)(一対の端部)
72a6f 一対の径方向折り返し端部(回転止め係合部)(一対の端部)
72a7b 一対の軸線方向折り曲げ端部(回転止め係合部)(一対の端部)
72a9n 一対の切り欠き端部(回転止め係合部)(一対の端部)
73c 保持部材
75a~75c,75a’’ 取り付け孔
76a,76a4,76a’’,76b 周方向取り付け溝
77c 軸線方向外側取り付け溝
78d 軸線方向内側取り付け溝
79e 周溝

1 ガイド部と軸受け孔との隙間
B 当接部材の取り付け溝への飛び出し量
1,C2 雄ねじ部と雌ねじ部との隙間
Ca-1,Ca-2 線接触
Ca-3,Ca-4 点接触
Da ガイド部の直径
1~F5 付勢力
L 軸線
L71a’,L71a’’ 当接部の軸心
Lb 接触部の幅
M1,M2 モーメント
Oa 付勢部材の中心位置
θ テーパ角
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15