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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023020965
(43)【公開日】2023-02-09
(54)【発明の名称】仮想ゴルフ装置及び仮想スポーツ装置
(51)【国際特許分類】
   A63B 69/36 20060101AFI20230202BHJP
   A63B 69/00 20060101ALI20230202BHJP
   A63F 9/00 20060101ALI20230202BHJP
【FI】
A63B69/36 533Z
A63B69/00 A
A63F9/00 505A
A63B69/36 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022115752
(22)【出願日】2022-07-20
(31)【優先権主張番号】10-2021-0100455
(32)【優先日】2021-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0028727
(32)【優先日】2022-03-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】520330571
【氏名又は名称】エスジーエム・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SGM Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100096703
【弁理士】
【氏名又は名称】横井 俊之
(72)【発明者】
【氏名】イ,ウィボム
(72)【発明者】
【氏名】キム,ガプス
(72)【発明者】
【氏名】イ,ソチン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】仮想ゴルフ装置及び仮想スポーツ装置を提供する。
【解決手段】上記仮想ゴルフ装置は、実際のゴルフボールが置かれている打撃マットと、パッティング段階において仮想ゴルフコースと前記仮想ゴルフコースにあるパッティング目標地点を表示する表示手段と、パッティングに関する情報を示すパッティングガイドの映像を提供する映像提供手段とを含み、前記表示手段は前記打撃マットから離隔されており、前記表示手段と前記打撃マットとの間の領域を中間領域とすれば、前記パッティングガイドは前記打撃マットと前記中間領域とのうちの少なくともいずれかの一つに表示される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想スポーツをプレイするユーザが位置するプレイ領域と、
コンテンツ映像が表示される表示領域と、
前記表示領域に前記コンテンツ映像を伝達してユーザに提供する映像提供手段とを、
含む
仮想スポーツ装置。
【請求項2】
前記表示領域は、前記プレイ領域と前記プレイ領域の近傍の中に少なくとも一部に配置される、請求項1に記載の仮想スポーツ装置。
【請求項3】
前記コンテンツ画像は、ユーザの個人身上やユーザのプレイ記録に関連するコンテンツ、又は広告コンテンツを含む、請求項1又は請求項2に記載の仮想スポーツ装置。
【請求項4】
前記スポーツはゴルフであり、
前記コンテンツ映像は、ゴルフボールの打撃位置情報、ゴルフプレイに関連した距離や高さ情報、又はゴルフプレイに関連した地形情報を含む、請求項1又は請求項2に記載の仮想スポーツ装置。
【請求項5】
実際のゴルフボールが置かれている打撃マットと、
パッティング段階において仮想ゴルフコースと前記仮想ゴルフコースにあるパッティング目標地点を表示する表示手段と、
パッティングに関する情報を示すパッティングガイドの映像を提供する映像提供手段とを、
含み、
前記表示手段は前記打撃マットから離隔されており、
前記表示手段と前記打撃マットとの間の領域を中間領域とすれば、前記パッティングガイドは前記打撃マットと前記中間領域とのうちの少なくともいずれかの一つに表示される
仮想ゴルフ装置。
【請求項6】
前記パッティングガイドは、前記打撃マットの一つの地点ら出発するラインを含んだり、または前記中間領域に表示されまたパッティングにおけるターゲットを示すターゲット表示を含んだりする、請求項5に記載の仮想ゴルフ装置。
【請求項7】
前記ラインが出発する地点を出発地点とすれば、
前記出発地点がパッティング前に前記実際のゴルフボールが置かれている位置または前記実際のゴルフボールが置かれている位置の近傍に位置するように、前記パッティングガイドの映像が提供される、請求項6に記載の仮想ゴルフ装置。
【請求項8】
前記映像提供手段はユーザがパッティング前の前記実際のゴルフボールを置く位置を前記打撃マットに表示し、
前記実際のゴルフボールが前記表示位置に置かれた場合、前記映像提供手段は前記実際のゴルフボールから出発するライン形態のパッティングガイドの映像を提供する、請求項6に記載の仮想ゴルフ装置。
【請求項9】
前記中間領域が前記仮想ゴルフコースに対応すると仮定する場合に、前記パッティング目標地点に対応する前記中間領域における地点を中間領域目標地点とすれば、
前記映像提供手段は前記中間領域目標地点を前記中間領域に表示したり、またはパッティングに成功するときの前記中間領域目標地点までの予想経路を前記中間領域に表示したりすることができる、請求項5に記載の仮想ゴルフ装置。
【請求項10】
ユーザのパッティングが完了すると、ユーザのパッティングによって前記実際のゴルフボールが移動した経路を前記映像提供手段または前記表示手段によってユーザに提供することができる、請求項5に記載の仮想ゴルフ装置。
【請求項11】
前記パッティングガイドはユーザが選択可能な異なる複数のパッティングガイドを含む、請求項5に記載の仮想ゴルフ装置。
【請求項12】
前記複数のパッティングガイドは第1パッティングガイド及び第2パッティングガイドを含み、
前記パッティングガイドは前記打撃マットの一つの地点から出発するラインを含み、前記ラインが出発する地点を出発地点とすれば、前記出発地点がパッティング前に前記実際のゴルフボールが置かれている位置または前記実際のゴルフボールが置かれている位置の近傍に位置するように、前記パッティングガイドの映像が提供され、
前記第1パッティングガイドの出発地点と前記第2パッティングガイドの出発地点が異なる、請求項11に記載の仮想ゴルフ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮想ゴルフ装置及び仮想スポーツ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、スポーツに対する関心が増えてスポーツを楽しむ人口が増加している。スポーツは屋外でプレイするリアルスポーツだけでなく、仮想スポーツ装置などを利用した仮想の屋内スポーツも人気を得ている。例えば、スクリーン野球やスクリーンゴルフでは、スクリーンを介して野球場やゴルフ場の映像が表示されて屋外で実際の競技をしているような感じを与えながらも、屋外の競技場で試合することに比べて時間とコストがセーブされるので、このような仮想スポーツ装置を利用した屋内スポーツは時間や経済的な理由などで屋外の競技場で実際の競技をプレイし難い現代人に人気が高い。
【0003】
仮想スポーツ装置を介してプレイされるスクリーンスポーツでは、実際のスポーツ競技場でプレイしているようなリアリティを提供するだけでなく、様々な先端装置とシステムを通じてサービスされる特性上、実際のスポーツ競技場では提供しにくい多様なコンテンツを提供することにより、ユーザの興味を増進させる必要がある。
【0004】
スクリーンスポーツのひとつであるスクリーンゴルフの場合、プレイをしながらゴルフボールがグリーンに位置するときにユーザはパッティングをしなければならない。パッティングは様々な要因(ゴルフボールとホールカップとの距離、ホールカップ周辺の地形特性など)に依存する、ゴルフで非常に重要なプレイステップであることを考慮して、パッティングステップでユーザのパッティング能力を向上させることができるパッティング情報を提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記のような事情を勘案して発明されたものであり、仮想スポーツをプレイしているユーザに様々なコンテンツを提供することにより、仮想スポーツプレイに対する興味を高めることができる仮想スポーツ装置を提供することをその目的とする。 。
また、本発明は、スクリーンゴルフをプレイしているユーザにパッティングガイドの映像を提供することにより、スクリーンゴルフプレイに対するユーザの利便性を向上させ、ユーザのパッティング能力を向上させることができる仮想ゴルフ装置を提供することをその目的とする。
また、本発明の他の目的は、以下の説明と添付した図面から明確に理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するのために、本発明の実施例による仮想スポーツ装置は、仮想スポーツをプレイするユーザが位置するプレイ領域とコンテンツ映像が表示される表示領域と前記表示領域に前記コンテンツ映像を伝達してユーザに提供する映像提供手段とを含む。
上記仮想スポーツ装置において、前記表示領域は前記プレイ領域と前記プレイ領域の近傍の中に少なくとも一部に配置される。
上記仮想スポーツ装置において、前記コンテンツ画像はユーザの個人身上やユーザのプレイ記録に関連するコンテンツ、又は広告コンテンツを含む。
上記仮想スポーツ装置において、前記スポーツはゴルフであり、前記コンテンツ映像は、ゴルフボールの打撃位置情報、ゴルフプレイに関連した距離や高さ情報、又はゴルフプレイに関連した地形情報を含む。
【0007】
本発明の実施例による仮想ゴルフ装置は、実際のゴルフボールが置かれている打撃マットと、パッティング段階において仮想ゴルフコースと前記仮想ゴルフコースにあるパッティング目標地点を表示する表示手段と、パッティングに関する情報を示すパッティングガイドの映像を提供する映像提供手段とを含み、前記表示手段は前記打撃マットから離隔されており、前記表示手段と前記打撃マットとの間の領域を中間領域とすれば、前記パッティングガイドは前記打撃マットと前記中間領域とのうちの少なくともいずれかの一つに表示される。
【0008】
上記仮想ゴルフ装置において、前記パッティングガイドは、前記打撃マットの一つの地点ら出発するラインを含んだり、または前記中間領域に表示されまたパッティングにおけるターゲットを示すターゲット表示を含んだりする。
上記仮想ゴルフ装置において、前記ラインが出発する地点を出発地点とすれば、前記出発地点がパッティング前に前記実際のゴルフボールが置かれている位置または前記実際のゴルフボールが置かれている位置の近傍に位置するように、前記パッティングガイドの映像が提供される。
【0009】
上記仮想ゴルフ装置において、前記映像提供手段はユーザがパッティング前の前記実際のゴルフボールを置く位置を前記打撃マットに表示し、前記実際のゴルフボールが前記表示位置に置かれた場合、前記映像提供手段は前記実際のゴルフボールから出発するライン形態のパッティングガイドの映像を提供する。
【0010】
上記仮想ゴルフ装置において、前記中間領域が前記仮想ゴルフコースに対応すると仮定する場合に、前記パッティング目標地点に対応する前記中間領域における地点を中間領域目標地点とすれば、前記映像提供手段は前記中間領域目標地点を前記中間領域に表示したり、またはパッティングに成功するときの前記中間領域目標地点までの予想経路を前記中間領域に表示したりすることができる。
【0011】
上記仮想ゴルフ装置において、ユーザのパッティングが完了すると、ユーザのパッティングによって前記実際のゴルフボールが移動した経路を前記映像提供手段または前記表示手段によってユーザに提供することができる。
上記仮想ゴルフ装置において、前記パッティングガイドはユーザが選択可能な異なる複数のパッティングガイドを含む。
【0012】
上記仮想ゴルフ装置において、前記複数のパッティングガイドは第1パッティングガイド及び第2パッティングガイドを含み、前記パッティングガイドは前記打撃マットの一つの地点から出発するラインを含み、前記ラインが出発する地点を出発地点とすれば、前記出発地点がパッティング前に前記実際のゴルフボールが置かれている位置または前記実際のゴルフボールが置かれている位置の近傍に位置するように、前記パッティングガイドの映像が提供され、前記第1パッティングガイドの出発地点と前記第2パッティングガイドの出発地点が異なる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、仮想スポーツをプレイしているユーザに様々なコンテンツを提供することで、仮想スポーツプレイに対するユーザの興味を高めることができる効果がある。また、スクリーンゴルフをプレイしているユーザにパッティングガイドの映像を提供することで、スクリーンゴルフプレイに対するユーザの利便性を高めてユーザのパッティング能力を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施例による仮想野球装置の概略的な構造を示す図である。
図2】本発明の実施例による仮想ゴルフ装置の概略的な構造を示す図である。
図3図2の仮想ゴルフ装置においてコンテンツ映像が表示される領域の例を示す図である。
図4図2の仮想ゴルフ装置によって提供される様々なコンテンツ映像の例を示す図である。
図5図2の仮想ゴルフ装置によって提供される様々なコンテンツ映像の例を示す図である。
図6図2の仮想ゴルフ装置によって提供される様々なコンテンツ映像の例を示す図である。
図7図2の仮想ゴルフ装置によって提供される様々なコンテンツ映像の例を示す図である。
図8】本発明の他の実施例による仮想ゴルフ装置の概略的な構造を示す図である。
図9】複数の仮想ゴルフ装置がネットワークに連結されているシステムの概略的な構造を示す図である。
図10図9の仮想ゴルフ装置によって提供される様々なコンテンツ映像の他の例を示す図である。
図11】本発明の他の実施例による仮想ゴルフ装置の概略的な構造を示す図である。
図12】パッティングガイドが表示されるスクリーン画面の一例を示す図である。
図13図11の仮想ゴルフ装置においてパッティングガイドの映像が表示される領域を示す図である。
図14】パッティングガイドの様々な形態を示す図である。
図15】パッティングガイドの様々な形態を示す図である。
図16】パッティングガイドとゴルフボールの位置との関係を示す図である。
図17】パッティングガイドの提供可否を選択するメニュー画面を示す図である。
図18】パッティングガイドの映像を提供する様々な実施例を示す図である。
図19】パッティングガイドの映像を提供する様々な実施例を示す図である。
図20】パッティングガイドの映像を提供する様々な実施例を示す図である。
図21】パッティングガイドの映像を提供する様々な実施例を示す図である。
図22】本発明の他の実施例による仮想ゴルフ装置の概略的な構造を示す図である。
図23】複数の仮想ゴルフ装置がネットワークに連結されているシステムの概略的な構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。本発明の目的、特徴、利点は以下の実施例から容易に理解できるであろう。本発明は、ここで説明される実施例に限定されず、他の形態に具体化されることもできる。ここで紹介される実施例は、開示された内容が徹底的で完全なものとなるように、かつ本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に本発明の思想が十分に伝達されるようにするために提供されるものである。よって、以下の実施例により本発明が限定されてはならない。
【0016】
本明細書において、第1、第2などの用語が様々な要素(elements)を記述するために使用されたが、前記要素がこのような用語によって限定されてはならない。この用語は、単に前記要素を相互に区別するために使用されただけである。また、とある層(膜)が他の層(膜)または基板上にあると言及されている場合に、それは、他の層(膜)または基板上に直接形成されること、またはそれらの間に第3の層(膜)が介在することもできることを意味する。
【0017】
図面において、要素の大きさ、または要素間の相対的な大きさは、本発明に対するさらに明確な理解のために多少誇張して図示できる。また、図示した要素の形状が製造工程上の変異などによって多少変更できるであろう。したがって、本明細書で開示した実施例は、特別な記載がない限り、図示した形状に限定されてはならず、ある程度の変形を含むものと理解されるべきである。
【0018】
図1は本発明の実施例による仮想野球装置の概略的な構造を示す図である。
図1を参照すると、仮想野球装置は、打撃プレート(1)、制御部(2)、感知部(3)、入力部(4)、サウンド部(5)、表示部(6)、ボールピッチ部(7)、映像提供手段(8)を含む。
【0019】
打撃プレート(1)はユーザが野球ボールを打撃するために位置する打撃ゾーンに該当する。制御部(2)は仮想野球装置の全体的な動作に必要な各種演算や制御等を担当する。また、制御部(2)はユーザが野球ボールを打撃すると、打撃された野球ボールが実際の野球場で動くと仮定したときの打撃結果(ゴロ、フライ、ヒット、ホームランなど)を算出する算出過程を行う。また、制御部(2)は映像処理部(2a)を含み、映像処理部(2a)はユーザに表示される野球映像等を形成する。図面には図示されていないが、制御部(2)はメモリやハードディスクなどのような貯蔵装置を備えており、この貯蔵装置には制御部(2)の動作に必要な各種プログラムやデータ等が貯蔵されている。感知部(3)はユーザが打撃した野球ボールの移動速度、移動方向などのような野球ボールの物理的状態を感知し、野球ボールの物理的状態を感知するためのセンシング手段を備える。感知部(3)のセンシング手段として、各種感知センサやカメラ等を用いることができる。感知部(3)によって感知された情報は制御部(2)に伝達され、制御部(2)は伝達された情報に基づいて打撃結果を算出する算出過程を行うことができる。入力部(4)はユーザから各種情報を受けるためのものであり、キーボードやマウスなどが使用されることができる。仮想野球装置を使用するスクリーン野球では、サービスを提供する前にユーザのログインを要求するログインシステムを適用することができる。ログインシステムを適用すると、ユーザが自分のIDやパスワードを入力する際に入力部(4)が使用される。また、スクリーン野球でユーザがプレイしたい野球場やプレイ難易度を選択する場合などにも入力部(4)が使用される。サウンド部(5)はスピーカなどのような音響機器を含み、これを介してユーザにゲームの進行状況を案内しゲームの進行による各種効果音を再生する役割をする。表示部(6)はプロジェクタとスクリーンなどのような機器を含む。プロジェクターは野球場と野球選手がスクリーンに表示されるように野球関連映像をスクリーンに投射し、スクリーンは投射された野球関連映像を表示してユーザに提供する役割をする。ユーザが野球ボールを打撃し制御部(2)が算出過程を行って打撃結果を算出したときに、映像処理部(2a)が前記算出された結果を示す映像を形成し、前記映像はスクリーンに表示される。ボールピッチ部(7)はユーザが打撃することができるように野球ボールを発射する機器を含む。図面には図示されていないが、スクリーンには貫通孔が形成されており、ボールピッチ部(7)から発射された野球ボールは貫通孔を通過してユーザに到達する。ユーザーが打撃プレート(1)で打撃準備を終えたときに合わせて野球ボールが発射されるように、制御部(2)はボールピッチ部(7)の動作を制御する。映像提供手段(8)はプロジェクタなどのような機器を含み、所定の領域にコンテンツ映像を投射してユーザに提供する役割をする。コンテンツ映像はスクリーンに表示される野球プレイの映像と別に提供され、追加のプレイ情報映像やユーザの興味を高めることができる様々な映像を提供することができる。コンテンツ映像はユーザがスクリーン野球のプレイをするときに位置する場所またはこの場所の近傍に提供されるようにすることができる。例えば、映像提供手段(8)は打撃プレート(1)や打撃プレート(1)の近傍に上記コンテンツ映像を提供することができる。映像提供手段(8)によって提供されるコンテンツ映像については、後述する仮想ゴルフ装置で詳細に説明する。
【0020】
図2は本発明の実施例による仮想ゴルフ装置の概略的な構造を示す図であり、図3図2の仮想ゴルフ装置においてコンテンツ映像が表示される領域の例を示す図であり、図4乃至図7図2の仮想ゴルフ装置によって提供される様々なコンテンツ映像の例を示す図である。
【0021】
図2を参照すると、仮想ゴルフ装置は、打撃プレート(10)、制御部(20)、感知部(30)、入力部(40)、サウンド部(50)、表示部(60)、映像提供手段(70)を含む。
【0022】
打撃プレート(10)はユーザがゴルフボールを打撃するために位置する領域である。図面に図示されていないが、打撃プレート(10)にはユーザがゴルフボールを置いて打撃する打撃マットがあり、打撃マットには上下に移動可能な構造のオートティーが設置されており、オートティーを介してユーザに打撃用ゴルフボールを自動的に提供することができる。制御部(20)は仮想ゴルフ装置の各構成品間の全体的な動作を制御する。例えば、制御部(20)は打撃マットに設置されたオートティーを制御して、ユーザが打撃する時点に合わせてオートティーで打撃用ゴルフボールが提供されるように動作する。また、ユーザが特定のゴルフコースを選択した場合、制御部(20)は該当するゴルフコースでプレイすることができるように必要な動作を行う。すなわち、制御部(20)は映像を処理する映像処理部(21)を備えており、ユーザが特定のゴルフコースを選択した場合に、映像処理部(21)が該当ゴルフコースの映像を形成して表示部(60)に伝達し、表示部(60)は伝達された映像を表示してユーザに提供する。また、制御部(20)はユーザが打撃したゴルフボールの物理的状態に基づいて、前記物理的状態の通りゴルフボールが実際のゴルフ場で飛行すると仮定したときの飛行軌跡を算出する算出過程を行う。図面には図示されていないが、制御部(20)はメモリやハードディスクなどのような貯蔵装置を備えており、この貯蔵装置には制御部(20)の動作に必要な各種プログラムやデータ等が貯蔵されている。感知部(30)はゴルフクラブの動きやユーザが打撃したゴルフボールの動きなどを感知して打撃されたゴルフボールに関する物理的状態情報を把握するためのものである。感知部(30)として、ゴルフクラブやゴルフボールの動きを撮影することができるカメラや感知センサーなどの感知手段が使用されることができる。前記感知手段には、イメージセンシング、発光/受光センシング、レーザセンシングなどの多様なセンシング方式を適用することができ、このようなセンシング方式でゴルフクラブやユーザが打撃したゴルフボールの状態情報を把握することができる。前記カメラや感知センサーなどは、単独に使用されたり又は一緒に使用されることができ、一個のみが使用されたり又は複数個が使用されることもできる。感知部(30)で感知された情報は制御部(20)に伝達されて算出過程に使用される。入力部(40)はユーザから各種情報を受けるためのものであり、キーボード、マウス、タッチスクリーンなどを使用することができる。仮想ゴルフ装置にログインシステムが適用されてログインをした後に仮想ゴルフ装置を利用できるようにしている場合、ユーザがログインのために自分のIDやパスワードを入力する際に入力部(40)が使用される。また、ユーザがプレイしたいゴルフコースやプレイ難易度を選択する場合などに、入力部(40)が使用される。サウンド部(50)はスピーカなどのような音響機器を含み、これを介してユーザにゲームの進行状況を案内しゲームの進行による各種効果音を再生する役割をする。表示部(60)はプロジェクタとスクリーンを含む。プロジェクターはゴルフコースとゴルフボールの映像がスクリーンに表示されるようにゴルフ関連映像をスクリーンに投射し、スクリーンは投射されたゴルフ関連映像を表示してユーザに提供する役割をする。本明細書では、スクリーンに表示される一部の対象に対して「仮想」という用語を付けて表現することができる。これは、現実の世界に存在するものではなくスクリーンの中の映像に表示されるものであるという意味である。例えば、「仮想のゴルフコース」とはスクリーンに表示されるゴルフコースという意味であり、「仮想のゴルフボール」とはスクリーンに表示されるゴルフボールという意味である。
【0023】
仮想ゴルフ装置はスクリーンゴルフ場に設置されてスクリーンゴルフをプレイすることができるようにする装置であり、ユーザがスクリーンゴルフをプレイする際に仮想ゴルフ装置は次のように動作する。ユーザがゴルフボールを打撃すると、感知部(30)がゴルフクラブの動き及び/又はユーザが打撃したゴルフボールの移動速度や移動方向などのような物理的状態を感知する。感知部(30)によって感知された情報は制御部(20)に伝達され、制御部(20)は伝達された情報に基づいて算出過程を行う。表示部(60)は算出過程で算出された軌跡の通り仮想のゴルフボールが動く映像を表示し、仮想のゴルフボールは算出された軌跡により飛行した後にスクリーンの仮想のゴルフコースの特定地点に着地し、ユーザは仮想のゴルフボールが着地した地点からネクスト打撃を続ける。
【0024】
本発明の実施例による仮想ゴルフ装置には映像提供手段(70)が具備されており、映像提供手段(70)は所定の領域にコンテンツ映像を投射してユーザに提供する役割をする。コンテンツ映像はスクリーンに表示されるゴルフプレイの映像と別に提供され、追加のプレイ情報映像やユーザの興味を高めることができる様々な映像を提供することができる。コンテンツ映像は様々な場所に提供されることができる。例えば、コンテンツ映像はユーザがスクリーンゴルフのプレイをするときに位置する場所またはこの場所の近傍に提供されるようにすることができる。具体的に図3(a)を参照すると、映像提供手段としてプロジェクタを使用することができ、プロジェクタはユーザが位置する打撃プレートにコンテンツ映像を提供することができる。図3(b)を参照すると、コンテンツ映像が表示される領域を便宜上表示領域(DA)とする場合、表示領域(DA)は第1表示領域(DA1)と第2表示領域(DA2)に区分することができる。第1表示領域(DA1)はゴルフボールの打撃と直接的に関係がある領域であり、第2表示領域(DA2)はゴルフボールの打撃と直接的に関係がない領域である。例えば、第1表示領域(DA1)はユーザが打撃用ゴルフボールを置く領域(A1)とゴルフボールの打撃時にユーザが位置する領域(A2)とを含み、第2表示領域(DA2)は第1表示領域(DA1)に隣接している領域を含む。第1及び第2表示領域(DA1、DA2)の区分に合わせて該当領域に異なる種類のコンテンツ映像が提供されることができる。コンテンツ画像は打撃プレートとそれに隣接する領域にのみ提供される必要はなく、スクリーンゴルフ場の他の領域に提供されることも可能である。例えば、図3(c)に図示されたように、コンテンツ映像が表示される領域は打撃プレートから離隔している地点を含むことができる。その結果、スクリーンゴルフ場の床面のほぼすべての領域にコンテンツ映像が表示されるようにすることができる。なお、図面には図示されていないが、スクリーンゴルフ場の壁や天井などのように、床面以外の場所にコンテンツ映像が表示されるように構成することも可能である。また、コンテンツ映像を表示する際に他の機器を用いて光を照射するようにすることで、光による様々な演出効果が発生するようにすることも可能である。
【0025】
図4は第1表示領域(DA1)に提供されることができるコンテンツ映像の例を示し、図5及び図6は第2表示領域(DA2)に提供されることができる映像の例を示す。
【0026】
図4(a)を参照すると、コンテンツ映像(C1)はゴルフボールを置いて打撃する位置を示す情報を提供することができる。ユーザが打撃用ゴルフボールを置く領域(A1)は複数の領域(A11、A12、A13)に区分されている。複数の区分領域(A11、A12、A13)は、実際のゴルフ場で様々な地形属性を有する領域に対応する。例えば、実際のゴルフ場にはフェアウェイ、ラフ、バンカーなどのような様々な地形属性を持つ領域がある。フェアウェイは打撃しやすい短い芝の領域であり、ラフはフェアウェイに比べて芝の長さが長く領域である。上記ラフでは芝が短く管理されているフェアウェイよりは打撃が難しく、打撃難易度が高い。また、バンカーは主に砂からなる領域であり、砂のためにゴルフボールの打撃が難しく、芝領域(フェアウェイ、ラフ)に比べて打撃難易度が高い。打撃プレートにおいてゴルフボールを置く領域(A1)の区分領域は、フェアウェイ対応領域(A11)、ラフ対応領域(A12)、バンカー対応領域(A13)となるように構成することができる。すなわち、フェアウェイ対応領域(A11)、ラフ対応領域(A12)、バンカー対応領域(A13)を異なる材質で形成することで、上記材質によりフェアウェイ対応領域(A11)、ラフ対応領域(A12)、バンカー対応領域(A13)での打撃がそれぞれ実際のゴルフ場でフェアウェイ、ラフ、バンカーで打撃するような打撃感や打撃難易度を提供するように構成することができる。
【0027】
このように、ユーザが打撃用ゴルフボールを置く領域(A1)がフェアウェイ対応領域(A111)、ラフ対応領域(A12)、バンカー対応領域(A13)に区分されている場合、ユーザはスクリーンに表示される仮想のゴルフボールがフェアウェイに位置するとフェアウェイ対応エリア(A11)にゴルフボールを置いて打撃し、スクリーンに表示される仮想ゴルフボールがラフに位置するとラフ対応領域(A12)にゴルフボールを置いて打撃し、スクリーンに表示される仮想ゴルフボールがバンカーに位置するとバンカー対応領域(A13)にゴルフボールを置いて打撃しなければならない。つまり、スクリーンに表示される仮想ゴルフボールが置かれている地形の属性により、それに合わせてフェアウェイ対応領域(A11)、ラフ対応領域(A12)、バンカー対応領域(A13)のいずれかにゴルフボールを置いて打撃しなければならない。しかし、ユーザのミスで間違った位置にゴルフボールを置いて打撃することが発生する可能性がある。本実施例によれば、ゴルフボールを置いて打撃する正しい位置をコンテンツ映像(C1)を通じて表示するので、ユーザが間違った位置にゴルフボールを置いて打撃することを防止することができる。ゴルフボールの打撃位置を示すコンテンツ映像(C1)は円および/または矢印の形態または他の形態で表示することができる。上記コンテンツ映像はユーザがゴルフボールを正しい位置に置いておくと、それ以上表示されないようにすることができる。
【0028】
図面に図示されていないが、ゴルフボールの打撃位置を示す情報だけでなく、他の情報もコンテンツ映像として提供することができる。例えば、ユーザが直前打席でゴルフボールを打撃したときにゴルフボールがどのような軌跡を示したかを矢印などで表示して知らせる情報を提供することができる。
【0029】
図4(b)を参照すればコンテンツ映像(C2)を介して挨拶などを表示し、図4(c)を参照すればコンテンツ映像(C3)を介してユーザのプレイを応援するフレーズ等を表示し、図4(d)を参照すればコンテンツ映像(C4)を介して広告を提供することができる。前記挨拶、応援フレーズ、広告は、第1表示領域(DA1)においてユーザが打撃用ゴルフボールを置く領域(A1)よりは、ゴルフボールの打撃時にユーザが位置する領域(A2)に提供することが好ましい。上記の挨拶、応援フレーズ、広告はユーザのゴルフプレイに直接関連しているのではなく、これを打撃用ゴルフボールを置く領域(A1)に提供する場合に、ユーザの集中力を分散させてゴルフプレイに支障をきたす可能性がある。
【0030】
図5および図6を参照すると、第2表示領域(DA2)にはゴルフプレイを支援することができる付加情報が、HUD(Head Up Display)などのような形態の映像として提供されることができる。例えば、図5に図示されたように、ユーザがショットを準備する段階では、現在プレイしているゴルフコースのホールに関する情報、風がある場合の風速/風向情報、現在ゴルフボールが位置する地形の属性に関する情報、現在のゴルフボールの位置からホールカップまでの距離、現在のゴルフボールの位置とホールカップとの間の高低差などの情報をコンテンツ映像(C5)を通じて提供することができる。あるいは、図6に図示されたように、ユーザがパッティングを準備する段階では、現在プレイしているゴルフコースのホールに関する情報、グリーンの特性、パッティングに成功するための推奨パッティング方向、現在ゴルフボールの位置からホールカップまでの距離、現在のゴルフボールの位置とホールカップとの間の高低差などの情報をコンテンツ映像(C6)を通じて提供することができる。
【0031】
HUDの形態の付加情報はユーザのゴルフプレイに関連する有用な情報である。したがって、ユーザが見やすい場所に提供されることが好ましい。ユーザがゴルフボールを打撃するために打撃プレートに位置したときにユーザの視線が第2表示領域(DA2)に向けるので、HUDの形態の付加情報を第2表示領域(DA2)に提供する場合、ユーザは容易にゴルフプレイ情報を把握することができる。
【0032】
図7を参照すると、コンテンツ映像としてパッティング方向を案内するパッティングガイドを打撃プレートに表示することができる。図7(a)を参照すると、ユーザがパッティングをする状況になったときにスクリーンにグリーン領域に置かれている仮想のゴルフボールとホールカップが表示される。図7(a)では仮想のゴルフボールの正面にホールカップが位置する状況が図示されているが、このような状況でゴルフボールを正面方向にパッティングする場合にもパッティングに成功すると確信することができない。なぜなら、グリーン領域の地形が平坦ではなく、例えば右側が高く左側が低い傾斜地形であれば、正面方向にパッティングしても仮想のゴルフボールがホールカップに対して左側に転がる可能性が高いからである。したがって、グリーン領域の地形を考慮してパッティングする必要がある。実際のゴルフ場ではユーザが直接ゴルフボールとホールカップとの距離を測り、グリーン領域におけるホールカップの周辺の傾斜を把握して適切にパッティングするが、スクリーンゴルフでは仮想のゴルフコースがスクリーンに2次元で表示されているため、グリーン領域の地形を肉眼で把握することが難しい。したがって、図7(a)に図示されたように、パッティング状況においてグリーン領域の地形特性を考慮してユーザに正しいパッティング方向を案内するためのパッティングガイド(PG)がスクリーンに表示されることができる。
【0033】
図7(b)を参照すると、本発明の実施例によれば、パッティングガイド(PG)がコンテンツ映像として打撃プレートに表示されることができる。スクリーンはスクリーンゴルフ場の壁面に設置されているが、打撃プレートはスクリーンゴルフ場の底面に配置されるため(スクリーンと打撃プレートの配置は図2を参照)、スクリーンに表示されるパッティングガイド(PG)の方向と実際のゴルフボールのパッティングが行われる底面でのパッティングの方向との間に違いが有り得る。これに比べて打撃プレートにコンテンツ映像でパッティングガイド(PG)を表示する場合、コンテンツ映像におけるパッティングガイト(PG)の方向と実際のパッティングが行われるべき方向とが一致するので、ユーザに非常に便利である。
【0034】
図8は本発明の他の実施例による仮想ゴルフ装置の概略的な構造を示す図である。
図8を参照すると、本実施例の仮想ゴルフ装置は複数の個人ブース(101、102、103)を含む。最初の個人ブース(101)は打撃プレート(101a)、キオスク画面が具備されているシミュレータ機器(101b)、スクリーン(101c)などを備えており、他の個人ブース(102、103)も同一の構成品を持っている。図面に図示されていないが、各個人ブース(101、102、103)にはゴルフボールの動きなどを感知するカメラや映像を投射するプロジェクタなどを含む他の機器がさらに具備されている。本実施例による仮想ゴルフ装置は一人でゴルフをプレイするユーザが利用することができ、ユーザは各個人ブース(101、102、103)で他のユーザと離隔している状態で一人だけのゴルフプレイを楽しむことができる。しかし、本実施例による仮想ゴルフ装置において、必ずしも各個人ブース(101、102、103)を1人のユーザのみが利用するべきではなく、複数のユーザが交互にプレしながら利用することも可能である。本実施例による仮想ゴルフ装置は前述の映像提供手段を具備し、前記映像提供手段を通じてユーザに打撃プレート(101a)や打撃プレート(101a)の近傍などの領域に様々なコンテンツ映像を提供することができる。
【0035】
図9は複数の仮想ゴルフ装置がネットワークに連結されているシステムの概略的な構造を示す図であり、図10図9の仮想ゴルフ装置によって提供される様々なコンテンツ映像の他の例を示す図である。
【0036】
図9を参照すると、仮想ゴルフ装置がネットワークに連結されたシステムは複数のスクリーンゴルフ場(100)とサーバユニット(200)を含む。スクリーンゴルフ場(100)にはスクリーンゴルフプレイを楽しむように、図2乃至図8などに図示されているような仮想ゴルフ装置が具備されている。スクリーンゴルフ場(100)に具備されている仮想ゴルフ装置はサーバユニット(200)と有無線通信網などを通じて連結されている。スクリーンゴルフ場(100)はログインが行われると、ユーザにスクリーンゴルフのサービスを提供するサービス提供部の役割をする。サーバーユニット(200)は複数のスクリーンゴルフ場(100)を運営するサービス業者が複数のスクリーンゴルフ場(100)に具備されている仮想ゴルフ装置を管理するために使用する中央サーバーである。スクリーンゴルフのサービスを利用しようとするユーザは、上記サービスの提供を受けるためにまずログインを実行し、サーバーユニット(200)はログインをする際にユーザの身元を確認してログインの承認可否を決定する。サーバーユニット(200)にはユーザの身元を確認するための情報を貯蔵する貯蔵部(210)が具備されている。貯蔵部(210)には複数のユーザに関する情報が各ユーザごとに区分されて貯蔵されている。各ユーザ別貯蔵領域には、ユーザの身元情報、プレイ情報、設定情報などが貯蔵されている。上記身元情報は当該ユーザの身元を確認するためのものであり、ログイン過程等に用いることができる。上記プレイ情報はユーザが過去プレイした結果や過去のプレイ結果から把握することができるユーザの個人記録(クラブ別平均飛距離、平均打数等)等を含む。上記設定情報はユーザが設定した事項に関する情報などを含む。例えば、ユーザが過去にプレイしたゴルフ場、プレイ難易度、プレイ方式、好みの動作条件などを設定情報として貯蔵することができる。ユーザは毎回プレイするたびに各種選択事項を入力することを面倒に思う可能性がある。しかし、ユーザが前記選択事項を入力しない場合には前記設定情報に基づいて選択事項を自動的に設定することができる。このように貯蔵部(210)にユーザ情報が貯蔵されることにより、サーバーユニット(200)に有線及び/又は無線で連結されているスクリーンゴルフ場(100)の仮想ゴルフ装置は貯蔵部(210)に貯蔵されている情報を利用することができ、スクリーンゴルフ場(100)の各仮想ゴルフ装置ではユーザの情報を別途貯蔵する必要がない。
【0037】
本実施例によるスクリーンゴルフ場(100)の仮想ゴルフ装置にも前述の映像提供手段が具備され、前記映像提供手段を介してユーザに様々なコンテンツ映像を提供することができる。前述の実施例において説明したものと同一のコンテンツ映像を提供することができ、それに加えて他のコンテンツ映像を提供することができる。例えば、図10(a)に図示されたように、ユーザの誕生日の場合に誕生日を祝うアニメーション映像をコンテンツ映像で提供することができる。図10(b)に図示されたように、ユーザが初めてイーグル(ゴルフでパー(PAR)より2個少ない打手でホールインすること)を達成した場合には、英語「eagle」に該当する鷲が飛び上がる映像をコンテンツ画像として提供することができる。図10(c)に図示されたように、ユーザが一緒にプレイしたゴルファーグループの中で最高の成績を上げた場合には、「スタープレーヤー」を意味する星を含む映像をコンテンツ映像として提供することができる。図10(d)に図示されたように、ユーザがロングギスト(Longest)(ティーショットでフェアウェイにゴルフボールを送ったショットの中に最も遠い距離にゴルフボールを送ったこと)を記録した場合には、「ロングギスト」というテキストをコンテンツ映像として提供することができる。図10に例示されているコンテンツ映像は、仮想ゴルフ装置でユーザの個人情報やプレイ記録を把握している場合に提供されることができる。本実施例によれば、スクリーンゴルフ場(100)の仮想ゴルフ装置と通信上に連結されているサーバユニット(200)に貯蔵部(210)が具備され、貯蔵部(210)に上記の個人情報やプレイ記録情報がユーザごとに区分されて貯蔵されているので、貯蔵された情報を利用して図10に図示されているようにユーザの興味を高めることができる様々な演出映像を提供することができる。
【0038】
図11は本発明の他の実施例による仮想ゴルフ装置の概略的な構造を示す図であり、図12はパッティングガイドが表示されるスクリーン画面の一例を示す図であり、図13図11の仮想ゴルフ装置においてパッティングガイドの映像が表示される領域を示す図であり、図14及び図15はパッティングガイドの様々な形態を示す図であり、図16はパッティングガイドとゴルフボールの位置との関係を示す図であり、図17はパッティングガイドの提供可否を選択するメニュー画面を示す図である。
図11を参照すると、仮想ゴルフ装置は、打撃プレート(1010)、制御部(1020)、感知部(1030)、入力部(1040)、サウンド部(1050)、表示部(1060)、映像提供手段(1070)を含む。
【0039】
打撃プレート(1010)はユーザがゴルフボールを打撃するために位置する領域であり、ユーザは打撃プレート(1010)に配置される打撃マットにゴルフボールを置いて打撃する。図面に図示されていないが、打撃プレート(1010)の打撃マットには上下に移動可能な構造のオートティーが設置されており、オートティーを介してユーザに打撃用ゴルフボールを自動的に提供することができる。制御部(1020)は仮想ゴルフ装置の各構成品間の全体的な動作を制御する。例えば、制御部(1020)は前記オートティーを制御して、ユーザが打撃する時点に合わせてオートティーで打撃用ゴルフボールが提供されるように動作する。また、ユーザが特定のゴルフコースを選択した場合、制御部(1020)は該当するゴルフコースでプレイすることができるように必要な動作を行う。すなわち、制御部(1020)は映像を処理する映像処理部(1021)を備えており、ユーザが特定のゴルフコースを選択した場合に、映像処理部(1021)が該当ゴルフコースの映像を形成して表示部(1060)に伝達し、表示部(1060)は伝達された映像を表示してユーザに提供する。また、制御部(1020)はユーザが打撃したゴルフボールの物理的状態に基づいて、前記物理的状態の通りゴルフボールが実際のゴルフ場で飛行すると仮定したときの飛行軌跡を算出する算出過程を行う。図面には図示されていないが、制御部(1020)はメモリやハードディスクなどのような貯蔵装置を備えており、この貯蔵装置には制御部(1020)の動作に必要な各種プログラムやデータ等が貯蔵されている。感知部(1030)はゴルフクラブの動きやユーザが打撃したゴルフボールの動きなどを感知して打撃されたゴルフボールに関する物理的状態情報を把握するためのものである。感知部(1030)として、ゴルフクラブやゴルフボールの動きを撮影することができるカメラや感知センサーなどの感知手段が使用されることができる。前記感知手段には、イメージセンシング、発光/受光センシング、レーザセンシングなどの多様なセンシング方式を適用することができ、このようなセンシング方式でゴルフクラブやユーザが打撃したゴルフボールの状態情報を把握することができる。前記カメラや感知センサーなどは、単独に使用されたり又は一緒に使用されることができ、一個のみが使用されたり又は複数個が使用されることもできる。感知部(1030)で感知された情報は制御部(1020)に伝達されて算出過程に使用される。入力部(1040)はユーザから各種情報を受けるためのものであり、キーボード、マウス、タッチスクリーンなどを使用することができる。仮想ゴルフ装置にログインシステムが適用されてログインをした後に仮想ゴルフ装置を利用できるようにしている場合、ユーザがログインのために自分のIDやパスワードを入力する際に入力部(1040)が使用されることができる。また、ユーザがプレイしたいゴルフコースやプレイ難易度を選択する場合などに入力部(1040)が使用される。サウンド部(1050)はスピーカなどのような音響機器を含み、これを介してユーザにゲームの進行状況を案内しゲームの進行による各種効果音を再生する役割をする。表示部(1060)はプロジェクタとスクリーンなどのような表示手段を含む。プロジェクターはゴルフコースとゴルフボールの映像がスクリーンに表示されるようにゴルフ関連映像をスクリーンに投射し、スクリーンは投射されたゴルフ関連映像を表示してユーザに提供する役割をする。
【0040】
本明細書では、スクリーンに表示される一部の対象に対して「仮想」という用語を付けて表現することができる。これは、現実の世界に存在するものではなくスクリーンの中の映像に表示されるものであるという意味である。例えば、「仮想のゴルフコース」とはスクリーンに表示されるゴルフコースという意味であり、「仮想のゴルフボール」とはスクリーンに表示されるゴルフボールという意味である。
【0041】
仮想ゴルフ装置はスクリーンゴルフ場に設置されてスクリーンゴルフをプレイすることができるようにする装置であり、ユーザがスクリーンゴルフをプレイする際に仮想ゴルフ装置は次のように動作する。ユーザがゴルフボールを打撃すると、感知部(1030)がゴルフクラブの動き又はユーザが打撃したゴルフボールの移動速度や移動方向などのような物理的状態を感知する。感知部(1030)によって感知された情報は制御部(1020)に伝達され、制御部(1020)は伝達された情報に基づいて算出過程を行う。表示部(1060)は算出過程で算出された軌跡の通り仮想のゴルフボールが動く映像を表示し、仮想のゴルフボールは算出された軌跡により飛行した後にスクリーンの仮想のゴルフコースの特定地点に着地し、ユーザは仮想のゴルフボールが着地した地点からネクスト打撃を続ける。
【0042】
本発明の実施例による仮想ゴルフ装置には映像提供手段(1070)が具備されており、映像提供手段(1070)は仮想ゴルフ装置が設置されているスクリーンゴルフ場におけるスクリーン以外の領域にパッティングガイド映像を投射してユーザに提供する役割をする。
【0043】
パッティングガイドとは、パッティング段階でユーザに提供されることができるパッティングに関するプレイ情報を意味する。図12を参照すると、仮想のゴルフボールがグリーン領域に着地すればパッティング段階が開始され、スクリーンにはグリーン領域に位置する仮想ゴルフボールと目標地点であるホールカップが表示される。ユーザはスクリーンに表示された仮想のゴルフボールとホールカップを見て仮想のゴルフボールとホールカップとの間の距離をチェックすることができる。パッティングに成功するためには、仮想のゴルフボールとホールカップとの間の距離を把握し、また仮想のゴルフボールとホールカップとの間の地形特性を把握して適切な方向と強度でゴルフボールを転がす必要がある。実際のゴルフでグリーン領域の地形は単純な平地になっている場合よりも高低が一定ではなく複雑な傾斜地形である場合が多い。仮想ゴルフ装置のスクリーンに表示されるほとんどの仮想のゴルフコースは、実際のゴルフ場のゴルフコースをモデルとしているため、仮想のゴルフコースのグリーン領域も傾斜地形であることが多いが、スクリーン中の仮想のゴルフコースは二次元平面で表示されるので、ユーザがスクリーン映像を見てグリーン領域の傾斜を肉眼で把握することは難しい。図12には仮想のゴルフボールの正面にホールカップが位置する状況が図示されているが、このような状況でゴルフボールを正面方向にパッティングする場合、パッティングに成功すると確信できない。なぜなら、グリーン領域の地形が平坦ではなく、例えば右側が高く左側が低い傾斜地形であれば、正面方向にパッティングしても仮想のゴルフボールがホールカップに対して左側に転がる可能性が高いからである。したがって、パッティング段階ではグリーン領域の地形を考慮してパッティングする必要があり、このためにグリーン領域の地形特性を表示する手段がユーザに提供される。具体的には、図12に図示されたように、グリーン領域に複数の横ライン(G1)と縦ライン(G2)とからなるグリッド(G)が表示される。また、横ライン(G1)と縦ライン(G2)には複数のインジケータ(I)が表示されてグリーン領域の地形特性を示す。インジケータ(I)は横インジケータ(I1)と縦インジケータ(I2)とを含み、横インジケータ(I1)は横ライン(G1)上を所定の速度で移動し、縦インジケータ(I2)は縦ライン(G2)上を所定の速度で移動する。横インジケータ(I1)および縦インジケータ(I2)はグリーン領域の傾斜が高いところから低いところに移動し、また傾斜が大きければ大きいほどその移動速度が増加する。したがって、グリッド(G)とインジケータ(I)が表示される場合、ユーザはインジケータ(I)の移動方向と移動速度を通じてグリーン領域における傾斜方向と傾斜度を把握することができる。
【0044】
パッティングガイドは、上記のようなグリーン領域での地形特性(仮想のゴルフボールとホールカップとの間の領域の傾斜方向、傾斜度など)を考慮してユーザにホールインに成功できるパッティング情報を提供する。例えば、図12に図示されたように、パッティングガイドはパッティング時に仮想のゴルフボールを転がすべき方向を示す矢印で表示されることができる。
【0045】
従来技術によれば、パッティングガイドはスクリーンに表示される仮想ゴルフコースにディスプレイされる。これに対して本発明の実施例による仮想ゴルフ装置では、映像提供手段(1070)を介してパッティングガイドの映像をスクリーン以外の領域に提供することができる。具体的には、パッティングガイドの映像は仮想ゴルフ装置が設置されている場所(スクリーンゴルフ場)のフロアに提供されることができる。パッティングガイドの映像はスクリーンに表示される映像とは別に提供され、ユーザがスクリーンゴルフプレイをする際に位置する領域またはその近傍に提供されることができる。具体的に図13を参照すると、映像提供手段としてプロジェクタを使用することができ、前記プロジェクタはユーザが位置する打撃プレート及び/又は打撃プレートとスクリーンとの間の領域(ユーザがパッティングしたゴルフボールが転がる領域であり、本明細書において「中間領域」と命名する)にパッティングガイドの映像を提供することができる。
【0046】
従来のようにスクリーンに表示される映像にパッティングガイドが提供される場合、スクリーンとユーザの打撃位置との間がある程度離隔しているので、スクリーンに表示されるパッティングガイドがユーザに容易に認識されないという問題がある。また、ユーザはフロアの打撃プレートにあるゴルフボールをパッティングしなければならないが、スクリーンの中のパッティングガイドは前面のスクリーンに表示されるため、スクリーンの中のパッティングガイドが表示される平面とユーザが実際にゴルフボールを転がす底面とは異なるという問題がある。例えば、底面をxy平面とすれば前面スクリーンはyz平面になり、ユーザはyz平面に表示されるパッティングガイドの方向に合わせてxy平面に置かれたゴルフボールをパッティングしなければならないため、スクリーンのパッティングガイドの方向がユーザが実際のゴルフボールを転がす方向と実質的に差がある問題がある。これに比べて、本実施例のようにスクリーンゴルフ場のフロアにパッティングガイドの映像が提供される場合には、上記の問題点を全て解消することができる。
【0047】
図14乃至図16を参照すると、パッティングガイドの映像は打撃マットおよび/または中間領域(打撃マットと前面スクリーンとの間の領域)における様々な位置に様々な形態で提供することができる。例えば、図14に図示されたように、パッティングガイドの映像はユーザがゴルフボールを置いて打撃する打撃マットに表示することができ、パッティングガイドの映像におけるパッティングガイド(PG)は、パッティングに成功するためにユーザがゴルフボールを転がさなければならない方向を示す矢印で表示することができる。上記矢印は直線形態(図14(a))または曲線形態(図14(b))で表現されることができる。矢印でパッティングガイド(PG)を表示する際に、矢印が指す方向を通じてパッティングに成功するための理想的なパッティング方向を示すことができる。また、パッティングガイド(PG)において矢印の太さや長さを調節して前記太さや長さに応じて理想的なパッティングの強度を示すようにすることができる。あるいは、矢印の太さや長さを一定にし、矢印の色によりパッティングの強度を示すようにすることもできる。
【0048】
図15(a)図示されたように、パッティングガイド(PG)はパッティングに成功する場合にゴルフボールが移動する予想軌跡を示すように表示されることができる。この場合、パッティングガイド(PG)は打撃マットの特定地点から出発して中間領域における特定地点まで続く直線または曲線を含むラインの形態で表現することができる。あるいは、図15(b)に図示されたように、パッティングガイド(PG)はパッティングが成功するためにパッティング時にターゲットとするべき目標地点の位置を示すように表現することができる。
【0049】
上記のように、矢印、ゴルフボールの予想軌跡、パッティング時にターゲットとしなければならない目標地点のいずれかの形態でパッティングガイドが提供される例を説明したが、パッティングガイドは上記の形態が少なくとも2つ以上結合した状態で使用されることができ、また本明細書に記載されていない他の形態で使用されることもできる。
【0050】
図16を参照すると、パッティングガイド(PG)が打撃マットに矢印の形態で表示されるとき、矢印の出発地点は実際のゴルフボールが置かれている位置または実際のゴルフボールが置かれている位置に非常に近い位置になるようにすることができる。パッティングガイド(PG)の出発地点をゴルフボールがある位置(またはゴルフボールの近傍)に合わせるための方法は複数の方法があり得るが、そのうちの2つの例を説明する。第1の方法は、ゴルフボールが打撃マットのどの位置にあるかを感知して感知された位置にパッティングガイド(PG)を提供することである(図16(a))。 前述したように、ゴルフボールを打撃すると感知部がゴルフクラブやゴルフボールの動きを感知し、制御部が感知情報に基づいてゴルフボールの軌跡を算出する。上記感知部を利用すれば、打撃前にゴルフボールが打撃マットのどの位置にあるかを感知することができ、感知された位置に合わせてパッティングガイド(PG)を提供することができる。第2の方法は、パッティングガイド(PG)の出発地点となる位置を指定し、指定された位置を表示するマーカー(1000)映像を打撃マットに表示した後、ユーザがゴルフボールをマーカー(1000)位置に移動させると、ゴルフボールの位置またはその近傍を出発地点とするパッティングガイド(PG)を提供することである(図16(b))。ここでゴルフボールがマーカー(1000)の位置に置かれているか否かは感知部等を通じて確認することができる。第2の方法では、ユーザがゴルフボールをマーカー(1000)の位置に移動させなければパッティングガイドの映像が提供されない。従って、ユーザはゴルフボールをマーカー(1000)の位置に移すことで又は移さないことでパッティングガイド(PG)の提供可否を選択することができる。
【0051】
上記のように、本発明の実施例によれば、打撃マット及び/又は中間領域にパッティングガイドの映像が提供される。本実施例においても、従来技術のようにスクリーンにパッティングガイドが表示されるようにすることができる。この場合、パッティングガイドはスクリーンおよび/または仮想ゴルフ装置が設置されている場所(例えば、スクリーンゴルフ場)のフロアに提供されることができ、ユーザはスクリーン/フロアのパッティングガイドに対してその提供可否をメニュー画面から選択することができる。例えば、図17に図示されたように、ユーザのプレイオプションを選択するためのメニュー画面がスクリーンに表示されることができる(または図面に図示されていないが、仮想ゴルフ装置にキオスクなどのような補助ディスプレイが別途具備されて補助ディスプレイにメニュー画面が表示されることもできる)。メニュー画面を通じてユーザはいくつのコース(ホール)をプレイするかを選択することができる。つまり、ユーザは実際のゴルフと同様に全体18ホールプレイをしたり、又は略式プレイとして18ホールの半分の9ホールプレイ等をしたりすることができ、これはプレイオプションメニュー画面で選択することができる。また、ユーザはプレイオプションとして距離や速度などの情報を表示する単位を選択することができる。その他、ユーザは図面に図示されていない様々なプレイオプションをメニュー画面で選択することができる。また、ユーザはパッティングガイドの提供可否をメニュー画面で選択することができる。パッティングガイドについて、ユーザはスクリーンに表示されるパッティングガイドの提供可否およびフロア(打撃マットおよび/または中間領域)に表示されるパッティングガイドの提供可否を選択することができる。ユーザの選択により、パッティングガイドを提供する際の組み合わせ可能な場合は、 1.スクリーンとフロアのどこにもパッティングガイドが提供されない場合、2.スクリーンにのみパッティングガイドが提供される場合、3.フロアにのみパッティングガイドが提供される場合、4. スクリーンとフロアの両方にパッティングガイドが提供される場合がある。
【0052】
パッティングガイドの映像を提供する方法はいろいろ有り得るが、以下ではいくつの方法について説明する。図18乃至図21はパッティングガイドの映像を提供する様々な実施例を示す図である。
【0053】
図18(a)を参照すると、パッティング段階でスクリーンには仮想のゴルフボールとホールカップが表示され、打撃マットにはパッティングガイド(PG)が表示される。スクリーン映像で仮想のゴルフボールの正面にホールカップが位置するが、パッティングガイド(PG)は正面方向ではなく右側に傾いた方向を指示している。パッティングガイド(PG)の方向はスクリーンに表示される仮想のゴルフコースの地形を考慮して決定される。仮に仮想のゴルフコースの地形が平坦ではなく右から左に傾斜がある地形であれば、正面にパッティングしても仮想のゴルフボールがホールカップに対して左に転がる可能性が高く、打撃マットにおいてパッティングガイド(PG)が指示する方向にパッティングすれば仮想のゴルフボールが傾斜に沿って転がりながらホールカップに入ることができる。ユーザはパッティングガイド(PG)が指示する方向にパッティングする前に、エイミングを行った後にパッティングすることも可能である。エイミングは前述の入力部または別々の入力装置などを介してすることができる。エイミングをする場合には、図18(b)に図示されたように、スクリーンの映像においてホールカップを見る方向が変わり、ホールカップの位置が仮想のゴルフボールの正面から左に偏った地点に変わる。この場合、パッティングガイド(PG)の方向も正面方向に変わり、ユーザは変わったパッティングガイド(PG)方向に合わせて正面方向にパッティングすることができる。
【0054】
図19を参照すると、パッティング段階で打撃マットに矢印の形態のパッティングガイド(PG)が表示され、パッティングガイド(PG)に加えて追加の映像を表示することもできる。追加の映像よして打撃マット/中間領域に目標地点(P)と予想経路(T)を表示することができる。
【0055】
上記目標地点(P)と予想経路(T)は、中間領域がスクリーンに表示される仮想のゴルフコースに対応して仮想のゴルフコースの地形特性を持っていると仮定することと関係がある。パッティングガイド(PG)は実際のゴルフボールを転がさなければならない方向を示し、パッティングガイド(PG)の方向によりゴルフボールを転がす場合に、スクリーンの中の仮想のゴルフボールは最初にはパッティングされた方向に転がり以後スクリーン中の仮想のゴルフコースの地形特性(仮想のゴルフコースにおけるグリーン領域の傾斜)に応じて傾斜方向に曲がって転がることになる反面、実際のスクリーンゴルフ場のフロアは平らな状態であるためにパッティングされた実際のゴルフボールは前記フロアの影響によって曲がって転がることは少ない。したがって、パッティングされた実際のゴルフボールがスクリーンゴルフ場のフロアを転がしながら示す軌跡は、スクリーン映像における仮想のゴルフボールが示す軌跡とは異なる。本実施例において予想経路(T)は、スクリーンゴルフ場のフロアにスクリーンの中の仮想のゴルフコースと同一の傾斜があると仮定する場合に、パッティングガイド(PG)の方向にパッティングされた実際のゴルフボールが示すことができる軌跡を意味する。目標地点(P)は、予想経路(T)に沿ってゴルフボールが移動する場合に到達することできる位置を示す。すなわち、目標地点(P)は、中間領域がスクリーンの中の仮想のゴルフコースに対応する地形特性を有すると仮定する場合に、中間領域においてスクリーンのホールカップに対応する地点を示す。目標地点(P)と予想経路(T)の映像が表示されると、スクリーンに表示される仮想のゴルフコースの地形特性がスクリーンゴルフ場のフロアにある程度表現されることができ、ユーザは実際のゴルフでパッティングするようなリアリティを体感することができる。
【0056】
図20を参照すると、パッティング段階でパッティングガイドが表示され、ユーザが実際にパッティングを行ったときに、前述の感知部として使用されるカメラまたは別途具備されるカメラを用いてパッティングされたゴルフボールが移動する映像を撮影した後、ユーザのパッティングによって実際のゴルフボールが移動した経路(T1)をフロアに追加映像として提供することができる。また、上記経路(T1)とともに理想的なパッティング経路(T2)(パッティングガイドが指示する方向にパッティングした場合にゴルフボールが転がる経路)を前記追加映像として提供することができる。ユーザは前記追加映像を介して2つの経路(T1、T2)を比較することにより、自分のパッティングにおける問題点(パッティング方向や強度におけるミスなど)を把握し、これを補完してパッティング能力を向上させることができる。
【0057】
図21を参照すると、パッティングガイドの映像は複数のパッティングガイド(PG)を表示し、ユーザは複数のパッティングガイド(PG)において自分のパッティングのスタイルに適合するものを選択してパッティングを進行することができる。例えば、パッティングガイド(PG)として基本スタイルに対応する第1パッティングガイド(PG1)、強くパッティングするスタイルに対応する第2パッティングガイド(PG2)、弱くパッティングするスタイルに対応する第3パッティングガイド(PG3)を提供することができる。第1乃至第3パッティングガイド(PG1、PG2、PG3)は仮想ゴルフコースにおける地形特性により異なる形態を有することができる。例えば、図21に図示されたように、第2パッティングガイド(PG2)は第1パッティングガイド(PG1)に比べて正面(スクリーンに向かう方向)に対して右側に偏りが小さい。また、第3パッティングガイド(PG3)は第1パッティングガイド(PG1)に比べて正面に対して右にさらに偏らせるように表示される。強くパッティングすること(第2パッティングガイド(PG2)によるパッティング)は、基本的にパッティングすること(第1パッティングガイド(PG1)によるパッティング)に比べてより強い打撃でゴルフボールを転がすことであり、パッティングされた実際のゴルフボールに対応するスクリーンのゴルフボールは、基本的なパッティングに比べて強く転がりながら地形の傾斜に比較的小さく影響を受けることになる。地形特性に影響を小さく受けるほど正面方向にパッティングし、傾斜のような地形特性に影響を大きく受けるほど正面方向から外れた方向にパッティングすることになるので、第2パッティングガイド(PG2)の方向は第1パッティングガイド(PG1)の方向より正面に近づく。同様に、弱くパッティングすること(第3パッティングガイド(PG3)によるパッティング)は、基本的にパッティングすること(第1パッティングガイド(PG1)によるパッティング)に比べてより弱い打撃でゴルフボールを転がすことであり、パッティングされた実際のゴルフボールに対応するスクリーンのゴルフボールは、基本的なパッティングに比べて弱く転がりながら地形の傾斜に比較的大きく影響を受けることになる。傾斜のような地形特性に影響を受けるほど正面方向から外れた方向にパッティングすることになるので、第3パッティングガイド(PG)の方向は第1パッティングガイド(PG1)の方向より正面方向から隔たる。
【0058】
図21に図示されたように、第1乃至第3パッティングガイド(PG1、PG2、PG3)は打撃マットにおいて異なる位置に提供される。強くパッティングされたゴルフボールがスクリーンゴルフ場のフロアで転がる距離(移動距離)が長いので、強くパッティングする場合には十分な移動距離を確保することができるように、第2パッティングガイド(PG2)は打撃マットにおいてスクリーンから遠く離隔している位置に提供されることが好ましい。また、弱くパッティングする場合にはゴルフボールの移動距離を長く確保する必要がないので、第3パッティングガイド(PG3)は打撃マットにおいてスクリーンから近い位置に提供されるようにすることができる。基本的にパッティングする場合の移動距離は、強くパッティングする場合と弱くパッティングする場合の中間程度となるので、第1パッティングガイド(PG1)は第2及び第3パッティングガイド(PG2、PG3)の間に提供されるようにすることができる。
【0059】
図21には複数のパッティングガイド(PG)が共に表示されるように図示されているが、複数のパッティングガイド(PG)は共に提供するかわりに、事前にユーザが基本/強く/弱く(パッティングガイドの種類は必ず3つに限定されず、より少ない数を提供するかまたはより多くの数を提供することも可能である)のいずれかをプレイオプションにおいて選択するようにし、パッティング段階ではユーザが選択した種類のパッティングガイドのみを表示するように構成することができる。このように複数のパッティングガイド(PG)を提供する場合、ユーザは自分の好みに応じて希望する方法でパッティングプレイを楽しむことができる。
【0060】
図22は本発明の他の実施例による仮想ゴルフ装置の概略的な構造を示す図である。
図22を参照すると、本実施例の仮想ゴルフ装置は複数の個人ブース(1101、1102、1103)を含む。最初の個人ブース(1101)は打撃プレート(1101a)、キオスク画面が具備されているシミュレータ機器(1101b)、スクリーン(1101c)などを備えており、他の個人ブース(1102、1103)も同一の構成品を持っている。図面に図示されていないが、各個人ブース(1101、1102、1103)にはゴルフボールの動きなどを感知するカメラや映像を投射するプロジェクタなどを含む他の機器がさらに具備されている。本実施例による仮想ゴルフ装置は一人でゴルフをプレイするユーザが利用することができ、ユーザは各個人ブース(1101、1102、1103)で他のユーザと離隔している状態で一人だけのゴルフプレイを楽しむことができる。しかし、本実施例による仮想ゴルフ装置において、必ずしも各個人ブース(1101、1102、1103)を1人のユーザのみが利用するべきではなく、複数のユーザが交互にプレしながら利用することも可能である。本実施例による仮想ゴルフ装置は前述の映像提供手段などを具備し、前記映像提供手段を通じてフロアにパッティングガイドの映像を提供することができる。
【0061】
図23は複数の仮想ゴルフ装置がネットワークに連結されているシステムの概略的な構造を示す図である。
図23を参照すると、仮想ゴルフ装置がネットワークに連結されたシステムは複数のスクリーンゴルフ場(1100)とサーバユニット(1200)を含む。スクリーンゴルフ場(1100)にはスクリーンゴルフプレイを楽しむように、図11乃至図22などに図示されているような仮想ゴルフ装置が具備されている。スクリーンゴルフ場(1100)に具備されている仮想ゴルフ装置はサーバユニット(1200)と有無線通信網などを通じて連結されている。スクリーンゴルフ場(1100)はログインが行われると、ユーザにスクリーンゴルフのサービスを提供するサービス提供部の役割をする。サーバーユニット(1200)は複数のスクリーンゴルフ場(1100)を運営するサービス業者が複数のスクリーンゴルフ場(1100)に具備されている仮想ゴルフ装置を管理するために使用する中央サーバーである。スクリーンゴルフのサービスを利用しようとするユーザは、上記サービスの提供を受けるためにまずログインを実行し、サーバーユニット(1200)はログインをする際にユーザの身元を確認してログインの承認可否を決定する。サーバーユニット(1200)にはユーザの身元を確認するための情報を貯蔵する貯蔵部(1210)が具備されている。貯蔵部(1210)には複数のユーザに関する情報が各ユーザごとに区分されて貯蔵されている。各ユーザ別貯蔵領域には、ユーザの身元情報、プレイ情報、設定情報などが貯蔵されている。上記身元情報は当該ユーザの身元を確認するためのものであり、ログイン過程等に用いることができる。上記プレイ情報はユーザが過去プレイした結果や過去のプレイ結果から把握することができるユーザの個人記録(クラブ別平均飛距離、平均打数等)等を含む。上記設定情報はユーザが設定した事項に関する情報などを含む。例えば、ユーザが過去にプレイしたゴルフ場、プレイ難易度、プレイ方式、好みの動作条件などを設定情報として貯蔵することができる。ユーザは毎回プレイするたびに各種選択事項を入力することを面倒に思う可能性がある。しかし、ユーザが前記選択事項を入力しない場合には前記設定情報に基づいて選択事項を自動的に設定することができる。このように貯蔵部(1210)にユーザ情報が貯蔵されることにより、サーバーユニット(1200)に有線及び/又は無線で連結されているスクリーンゴルフ場(1100)の仮想ゴルフ装置が貯蔵部(1210)に貯蔵されている情報を利用することができ、スクリーンゴルフ場(1100)の各仮想ゴルフ装置ではユーザの情報を別途貯蔵する必要がない。
上記仮想ゴルフ装置には前述の映像提供手段等の構成を適用することができ、上記映像提供手段等を介してスクリーンゴルフ場のフロアにパッティングガイドの映像を提供することができる。
【0062】
以上、本発明の具体的な実施例について考察した。本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明が本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲で変形した形態で具現できることを理解することができるであろう。したがって、開示された実施例は限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮されるべきである。本発明の範囲は前述した説明ではなく、特許請求の範囲に示されており、それと同等の範囲内にあるすべての差異点は本発明に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0063】
1、10、1010:打撃プレート
2、20、1020:制御部
3、30、1030:感知部
4、40、1040:入力部
5、50、1050:サウンド部
6、60、1060:表示部
7:ボールピッチ部
8、70、1070:映像提供手段
100、1100:スクリーンゴルフ場
200、1200:サーバユニット
図1
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