(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023020989
(43)【公開日】2023-02-09
(54)【発明の名称】ロボット制御医療システムのアタッチメント
(51)【国際特許分類】
A61B 34/00 20160101AFI20230202BHJP
A61B 90/50 20160101ALI20230202BHJP
【FI】
A61B34/00
A61B90/50
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022117647
(22)【出願日】2022-07-25
(31)【優先権主張番号】63/203,790
(32)【優先日】2021-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/813,138
(32)【優先日】2022-07-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】510292504
【氏名又は名称】コリンダス、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003317
【氏名又は名称】弁理士法人山口・竹本知的財産事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100075166
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 巖
(74)【代理人】
【識別番号】100133167
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100169627
【弁理士】
【氏名又は名称】竹本 美奈
(72)【発明者】
【氏名】カイル マッキニー
(72)【発明者】
【氏名】エリック クレム
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー オー. エバンス
(72)【発明者】
【氏名】ジュヌビエーブ アール. ケー. レイン
(72)【発明者】
【氏名】アンソニー クレッグ パーカー
(72)【発明者】
【氏名】ゴードン ロウ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ロボット制御医療処置システムのロボット制御駆動装置に係るアタッチメントを提供する。
【解決手段】ロボット制御医療システムは、ベースに連結された実質的に垂直のポスト80と、ポスト80を受け入れるソケット90を有するロボット駆動装置と、ソケット90と係止するように形成され向きを合わせてあり、少なくとも1つの軸の周りのロボット制御駆動装置24の回転を防止する少なくとも1つのテーパ付インターフェースとを含む。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボット制御医療システムであって、
ベースに連結された実質的に垂直のポストと、
該ポストを受け入れるソケットを有するロボット制御駆動装置と、
前記ソケットと係止するように形成され向きを合わせてあり、少なくとも1つの軸の周りの前記ロボット制御駆動装置の回転を防止する少なくとも1つのテーパ付インターフェースとを含む、ロボット制御医療システム。
【請求項2】
前記テーパ付インターフェースは、少なくとも2つのテーパ付キーを含む、請求項1に記載のロボット制御医療システム。
【請求項3】
前記ポストが実質的に円柱形であり、前記テーパ付キーは、該ポストの周囲にほぼ180度の間隔で配置される、請求項2に記載のロボット制御医療システム。
【請求項4】
前記ソケットは、前記テーパ付キーを受け入れて前記ポストと前記ロボット制御駆動装置とを物理的に係止させるように形成され位置決めされたテーパ付キャビティを含む、請求項2に記載のロボット制御医療システム。
【請求項5】
前記ポストは、該ポストの前記ソケットへの挿入を容易にするために、少なくとも1つの挿入インターフェースを含む、請求項1に記載のロボット制御医療システム。
【請求項6】
前記ポストが円柱であり、前記挿入インターフェースは、該ポストの長さ方向において少なくとも1つの円柱形部分を含み、該円柱形部分が前記ソケットの内部ブッシングと嵌合するように構成される、請求項5に記載のロボット制御医療システム。
【請求項7】
前記円柱形部分として、前記ポストの長さ方向において間隔をあけて配置された複数の円柱形部分を含む、請求項6に記載のロボット制御医療システム。
【請求項8】
複数の前記円柱形部分は、その各直径が前記ポストの長さ方向において次第に小さくなる、請求項7に記載のロボット制御医療システム。
【請求項9】
前記挿入インターフェースは、前記ポストの終端に提供された凸状先端を含む、請求項5に記載のロボット制御医療システム。
【請求項10】
前記テーパ付キーの各々は、前記ポストの円錐部から前記ポストの基端部の外周に延在する、請求項2に記載のロボット制御医療システム。
【請求項11】
前記ポストは、円形、楕円形、又は多角形のいずれか1つから選択される断面形状を有する、請求項1に記載のロボット制御医療システム。
【請求項12】
前記テーパ付キーは、傾斜面と非傾斜面とを含み、
前記傾斜面が前記ポストの基部に対して非垂直であり、前記非傾斜面は前記基部に対して実質的に垂直である、請求項2に記載のロボット制御医療システム。
【請求項13】
ロボット制御医療システムであって、
実質的に垂直のポストを有する、ベースに連結された位置決めシステムと、
前記ポストを受け入れるためのソケットを有するロボット制御駆動装置とを含み、
前記ポストは、前記ソケットと係止する少なくとも2つのテーパ付キーを含み、該テーパ付キーは、前記ポストの基端部に位置決めされると共に反対向きとされ、少なくとも1つの軸の周りの前記ロボット制御駆動装置の回転を防止する、ロボット制御医療システム。
【請求項14】
前記ソケットは、前記ポストと該ソケットとを物理的に係止させるために前記テーパ付キーを受け入れるテーパ付キャビティを含む、請求項13に記載のロボット制御医療システム。
【請求項15】
前記ポストは、前記ソケットへの該ポストの挿入を容易にするために、少なくとも1つの挿入インターフェースを含む、請求項13に記載のロボット制御医療システム。
【請求項16】
前記挿入インターフェースは、前記ポストの長さ方向において少なくとも1つの円柱形部分を含み、該円柱形部分が前記ソケットに設けられた内部ブッシングと嵌合するように構成される、請求項15に記載のロボット制御医療システム。
【請求項17】
前記挿入インターフェースは、前記ポストの終端に提供された凸状先端を含む、請求項15に記載のロボット制御医療システム。
【請求項18】
前記テーパ付キーは、傾斜面と非傾斜面とを含み、
前記傾斜面が前記ポストの基部に対して非垂直であり、前記非傾斜面が前記基部に対して実質的に垂直である、請求項13に記載のロボット制御医療システム。
【請求項19】
ロボット制御医療システムであって、
レセプタクルが頂部に設けられた実質的に垂直のポストを含む、ベースに連結された位置決めシステムと、
前記ポストの前記レセプタクルと係合する取り付けインターフェースを有するロボット制御駆動装置とを含み、
前記レセプタクルは、テーパ付インターフェースを有し、前記取り付けインターフェースは、前記レセプタクルの前記テーパ付インターフェースに係合するように構成されたテーパ付フックを含む、ロボット制御医療システム。
【請求項20】
前記レセプタクルは、前記テーパ付インターフェースに対し直交して設けられたテーパ付キャビティをさらに有し、前記取り付けインターフェースは、前記テーパ付キャビティに挿入されるテーパ付突起を含み、
前記テーパ付インターフェースと前記テーパ付フックとの係合が前記ロボット制御駆動装置のヨー運動を防止し、前記テーパ付キャビティと前記テーパ付突起との係合が前記ロボット制御駆動装置のピッチ運動を防止する、請求項19に記載のロボット制御医療システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2021年7月30日出願の米国仮出願63/203,790「ATTACHMENT FOR ROBOTIC MEDICAL SYSTEM」の利益を主張する。この関連出願は全体的にここに援用される。
【0002】
本発明は、広く言えばロボット制御医療処置システムの分野に関係し、具体的には、当該システムのロボット制御駆動装置に係るアタッチメントに関する。
【背景技術】
【0003】
カテーテル等の細長い医療デバイス(EMD)は、神経インターベンション手術としても知られる神経血管インターベンション(NVI)、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)、及び末梢血管インターベンション(PVI)を含む様々な脈管系の疾患の診断及び治療のための低侵襲医療処置に使用される。これらの処置は、典型的には、脈管系を通してガイドワイヤをナビゲートし、このガイドワイヤを利用してカテーテルを前進させ治療を行うことを伴う。カテーテル式処置は、標準的な経皮技術を使用してイントロデューサシースにより、動脈や静脈などの適切な血管へアクセスすることによって始まる。続いて、イントロデューサシースを通して、シース又はガイドカテーテルを、診断ガイドワイヤにより、NVIの場合の内頸動脈、PCIの場合の冠動脈口、又はPVIの場合の浅大腿動脈など、一次位置へ前進させる。そして、脈管構造に適したガイドワイヤを、シース又はガイドカテーテルを通して、脈管構造内の標的箇所までナビゲートする。曲がりくねった解剖学的構造などの特定の状況では、ガイドワイヤのナビゲーションを支援するために、支持カテーテル又はマイクロカテーテルがガイドワイヤを通し挿入される。使用者(医師、操作者)は、造影剤注入でシネを得るために撮像システム(例えば、蛍光透視鏡)を使用し、ガイドワイヤ又はカテーテルを病変などの標的箇所までナビゲートするためのロードマップとして使用する固定フレームを選択することができる。造影画像は、医師がガイドワイヤ又はカテーテルを送り込んでいる間にも得られ、それにより医師は、デバイスが標的箇所への適切な経路に沿って移動していることを検証することができる。X線透視法を使用して解剖学的構造を観察しながら、医師は、ガイドワイヤ又はカテーテルの近位端(手元側)を操作して、遠位先端を病変又は標的解剖学的箇所に向かって適切な血管に誘導し、側枝への進入を回避する。
【0004】
例えばNVI、PCI、及びPVIなどのカテーテル式処置を実施する際に医師を補助するべく使用されるロボット制御カテーテルベース処置システムが開発されている。NVI処置の例には、動脈瘤のコイル塞栓形成、動静脈奇形の液体塞栓形成、及び急性虚血性脳卒中の状況における大血管閉塞の機械的血栓除去が含まれる。NVI処置において、医師は、ロボットシステムを使用して、神経血管ガイドワイヤ及びマイクロカテーテルの操作を制御することによって標的の病変にアクセスし、治療を施して正常な血流を回復させる。標的へのアクセスはシース又はガイドカテーテルによって可能にされるが、より遠位の(到達までの距離が長い)領域に関しては、又は、マイクロカテーテル及びガイドワイヤに適切な支持を提供するためには、中間カテーテルも利用し得る。ガイドワイヤの遠位先端は、病変のタイプと治療に応じて、病変の中か病変の先へナビゲートされる。動脈瘤の治療に関しては、マイクロカテーテルを病変の中へ進め、ガイドワイヤを除去し、いくつかの塞栓コイルをマイクロカテーテルを通して動脈瘤内に配置し、動脈瘤内への血流を遮断するために使用する。動静脈奇形の治療に関しては、液体塞栓剤を、マイクロカテーテルを介して奇形に注入する。血管閉塞を治療するための機械的血栓除去は、吸引及び/又はステント回収器の使用のいずれかによって達成することができる。血餅の場所に応じ、吸引カテーテルを通して又はより細い動脈用のマイクロカテーテルを通して、吸引が行われる。吸引カテーテルを病変部に置いた後、陰圧を加えてカテーテルを通し血餅を除去する。あるいは、血餅は、マイクロカテーテルを通してステント回収器を配置することによって除去することができる。血餅をステント回収器に絡め取った後、該ステント回収器及びマイクロカテーテル(又は中間カテーテル)をガイドカテーテル内に後退させることによって血餅を回収する。
【0005】
PCIにおいて、医師は、ロボットシステムを使用して、冠状動脈ガイドワイヤを操作することによって病変にアクセスし、治療を施して正常な血流を回復させる。アクセスは、冠状動脈口にガイドカテーテルを着座させることによって可能になる。ガイドワイヤの遠位先端が病変の先へナビゲートされ、複雑な解剖学的構造のために、マイクロカテーテルが、ガイドワイヤの適切な支持を提供するために使用され得る。血流は、病変にステント又はバルーンを送り込んで展開することによって回復させる。病変は、ステント留置の前に準備を必要とする場合があり、病変の事前拡張のためにバルーンが送り込まれるか、又は、例えばレーザ又は回転式アテローム切除カテーテルとガイドワイヤを通したバルーンを使用してアテローム切除術が実施される。撮像カテーテルや冠血流予備量比(fractional flow reserve:FFR)測定を使用することによって適切な治療を決定するために、診断撮像及び生理学的測定が実行され得る。
【0006】
PVIにおいて、医師は、ロボットシステムを用いて治療を行い、NVIと同様の技術で血流を回復させる。ガイドワイヤの遠位先端が病変の先へナビゲートされ、マイクロカテーテルが複雑な解剖学的構造に対してガイドワイヤに適切な支持を提供するために使用され得る。血流は、ステント又はバルーンを病変に届けて展開することによって回復させる。PCIと同様に、病変の準備及び画像診断も使用することができる。
【0007】
カテーテル又はガイドワイヤの遠位端における支持が、例えば、曲がりくねった又は石灰化した脈管系をナビゲートするため、遠位の(到達までの距離が長い)解剖学的箇所に到達するため、又は、硬い病変を横断するため、に必要とされるとき、オーバーザワイヤ(OTW)カテーテル又は同軸システムが使用される。OTWカテーテルは、カテーテルの全長に延在する、ガイドワイヤ用の管腔を有する。これにより、ガイドワイヤが全長に沿って支持されるので、比較的安定したシステムが提供される。しかしながら、このシステムは、ラピッドエクスチェンジカテーテルと比較して、摩擦が大きく、全長が長いなど、いくつかの不利点を有する(次のとおり)。通常、留置ガイドワイヤの位置を維持しながらOTWカテーテルを除去又は交換するために、ガイドワイヤの露出長さ(患者の外側の)は、OTWカテーテルよりも長くなければならない。通常、300cmの長さのガイドワイヤがこの目的のために十分とされ、交換長ガイドワイヤと呼ばれることが多い。このガイドワイヤの長さに起因して、OTWカテーテルを除去又は交換するために、2人の操作者が必要とされる。このことは、三軸システムとして当技術分野で知られている三重同軸カテーテルが使用される場合(四重同軸カテーテルも使用されることが知られている)、さらに困難になる。にもかかわらず、その安定性のために、OTWシステムはNVI及びPVI処置において頻繁に使用される。一方、PCI処置では、ラピッドエクスチェンジ(又はモノレール)カテーテルを使用することが多い。ラピッドエクスチェンジカテーテル中のガイドワイヤ管腔は、モノレール又はラピッドエクスチェンジ(RX)セクションと呼ばれるカテーテルの遠位セクションのみに延びている。RXシステムでは、使用者は、(デバイスが縦列構成で操作されるOTWシステムとは対照的に)相互平行にインターベンションデバイスを操作し、ガイドワイヤの露出長さは、カテーテルのRXセクションよりもわずかに長くするだけでよい。ラピッドエクスチェンジ長のガイドワイヤは、典型的には、180~200cmの長さである。より短いガイドワイヤ及びモノレールが提供されて、RXカテーテルは、一人の操作者で交換可能である。しかしながら、RXカテーテルは、より遠位の(遠くで)支持が必要な場合に不適切であることが多い。
【発明の概要】
【0008】
一態様に係るロボット制御医療システムは、ベースに連結された実質的に垂直のポストと、このポストを受け入れるソケットを有するロボット制御駆動装置と、そのソケットと係止するように形成され向きを合わせてあり、少なくとも1つの軸の周りのロボット制御駆動装置の回転を防止する少なくとも1つのテーパ(斜面)付インターフェースとを含む。
【0009】
一態様において、テーパ付インターフェースは、少なくとも2つのテーパ付キーを含む。
【0010】
一態様において、ポストは実質的に円柱形であり、テーパ付キーは、該ポストの周囲にほぼ180度の間隔で配置される。
【0011】
一態様において、ソケットは、テーパ付キーを受け入れてポストとロボット制御駆動装置とを物理的に係止させるように形成され位置決めされたテーパ付キャビティを含む。
【0012】
一態様において、ポストは、該ポストのソケットへの挿入を容易にするために、少なくとも1つの挿入インターフェースを含む。
【0013】
一態様において、ポストは円柱であり、挿入インターフェースは、該ポストの長さ方向において少なくとも1つの円柱形部分を含み、この円柱形部分がソケットの内部ブッシングと嵌合するように構成される。
【0014】
一態様において、少なくとも1つの円柱形部分として、ポストの長さ方向において間隔をあけて配置された複数の円柱形部分を含む。
【0015】
一態様において、複数の円柱形部分は、その各直径がポストの長さ方向において次第に小さくなる。
【0016】
一態様において、挿入インターフェースは、ポストの終端に提供された凸状先端を含む。
【0017】
一態様において、テーパ付キーの各々は、ポストの円錐部からポストの基端部の外周に延在する。
【0018】
一態様において、ポストは、円形、楕円形、又は多角形のいずれか1つから選択される断面形状を有する。
【0019】
一態様において、テーパ付キーは、傾斜面と非傾斜面とを含み、傾斜面は基部に対して非垂直であり、非傾斜面は基部に対して実質的に垂直である。
【0020】
一態様に係るロボット制御医療システムは、ベースに連結された位置決めシステムを含んでおり、この位置決めシステムは、実質的に垂直のポストを有する。ロボット制御駆動装置は、ポストを受け入れるためのソケットを有する。ポストは、ソケットと係止する少なくとも2つのテーパ付キーを含み、このテーパ付キーは、ポストの基端部に位置決めされると共に反対向きとされ、少なくとも1つの軸の周りのロボット制御駆動装置の回転を防止する。
【0021】
一態様において、ソケットは、ポストとソケットとを物理的に係止させるためにテーパ付キーを受け入れるテーパ付キャビティを含む。
【0022】
一態様において、ポストは、ソケットへのポストの挿入を容易にするために、少なくとも1つの挿入インターフェースを含む。
【0023】
一態様において、挿入インターフェースは、ポストの長さ方向において少なくとも1つの円柱形部分を含み、この円柱形部分がソケットに設けられた内部ブッシングと嵌合するように構成される。
【0024】
一態様において、挿入インターフェースは、ポストの終端に提供された凸状先端を含む。
【0025】
一態様において、テーパ付キーは、傾斜面と非傾斜面とを含み、傾斜面は基部に対して非垂直であり、非傾斜面は基部に対して実質的に垂直である。
【0026】
一態様に係るロボット制御医療システムは、ベースに連結された位置決めシステムを含む。この位置決めシステムは、実質的に垂直のポストを含み、ポストは、該ポストの頂部に設けられたレセプタクルを含む。ロボット制御駆動装置が、ポストのレセプタクルと係合する取り付けインターフェースを有し、レセプタクルが、テーパ付インターフェースを有し、取り付けインターフェースは、レセプタクルのテーパ付インターフェースに係合するように構成されたテーパ付フックを含む。
【0027】
一態様において、レセプタクルは、テーパ付インターフェースに対し直交して設けられたテーパ付キャビティをさらに有し、取り付けインターフェースは、テーパ付キャビティに挿入されるテーパ付突起を含む。
【0028】
一態様において、テーパ付インターフェースとテーパ付フックとの係合がロボット制御駆動装置のヨー運動(ヨーイング)を防止し、テーパ付キャビティとテーパ付突起との係合がロボット制御駆動装置のピッチ運動(ピッチング)を防止する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
本発明は、図面と併せて説明する以下の詳細な説明からより深く理解される。図中の参照番号は同様の部分を示している。
【
図1】一実施形態に係るカテーテルベース処置システムを例示する斜視図。
【
図2】一実施形態に係るカテーテルベース処置システムを例示する概略ブロック図。
【
図3】明確性のために特定の構成要素を除去して示す、
図1に例示したカテーテルベース処置システムの側面図。
【
図4】一実施形態に係るロボット制御駆動装置の位置決めシステムを例示する斜視図。
【
図5】位置決めシステムに取り付けられたロボット制御駆動装置を有するカテーテルベース処置システムを例示する斜視図。
【
図6】一実施形態に係る、位置決めシステムのポストと、ポストに取り付けられるロボット制御駆動装置とを例示する斜視図。
【
図7】
図6のロボット制御駆動装置を取り付けるための位置決めシステムのポストを例示する詳細図。
【
図8】
図6及び
図7に示す位置決めシステムに対するロボット制御駆動装置の取り付けを説明する詳細分解図。
【
図9】
図9A(FIG.9A)は、一実施形態に係る位置決めシステムに取り付けるロボット制御駆動装置の組み付け状態を例示して説明する図。
図9B(FIG.9B)は、
図9Aの断面図。
【
図10】
図10A(FIG.10A)は、一実施形態に係る位置決めシステムに取り付けるロボット制御駆動装置の組み付け状態を例示して説明する図。
図10B(FIG.10B)は、
図10Aの断面図。
【
図11】
図11A(FIG.11A)は、一実施形態に係る位置決めシステムに取り付けるロボット制御駆動装置の組み付け状態を例示して説明する図。
図11B(FIG.11B)は、
図11Aの断面図。
【
図12】一実施形態に係る、位置決めシステムのポストと、ポストに取り付けられるロボット制御駆動装置とを例示する斜視図。
【
図13】
図12に示す位置決めシステムに対するロボット制御駆動装置の取り付けを説明する詳細図。
【
図16】
図16A(FIG.16A)は、一実施形態に係る、位置決めシステムにロボット制御駆動装置を取り付けるポストを例示する斜視図。
図16B(FIG.16B)は、別の角度から見た
図16Aのポストの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1は、一実施形態に係るカテーテルベース処置システム10の斜視図である。カテーテルベース処置システム10は、カテーテル式医療処置、例えば、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)(例えば、STEMIを治療するため)、神経血管インターベンション処置(NVI)(例えば、緊急大血管閉塞(ELVO)を治療するため)、末梢血管インターベンション処置(PVI)(例えば、重症下肢虚血(CLI)等のため)などの経皮的インターベンション処置、を実施するために使用される。カテーテル式医療処置は、1つ以上のカテーテル又は他の細長い医療デバイス(EMD)が患者の病変の診断を補助するために使用される診断カテーテル式処置を含み得る。例えば、カテーテル式診断処置の一例で、造影剤が、カテーテルを通して1つ以上の動脈に注入され、患者の脈管系の画像が撮影される。カテーテル式医療処置は、カテーテル式治療処置も含み(例えば、血管形成術、ステント留置、末梢血管疾患の治療、血餅除去、動脈静脈奇形治療、動脈瘤の治療など)、この処置においては、カテーテル(又は他のEMD)が病変を治療するために使用される。治療処置は、例えば、血管内超音波(IVUS)、光コヒーレンストモグラフィ(OCT)、冠血流予備量比(FFR)などの補助装置54(
図2に示される)を含めることによって強化され得る。なお、当業者にとって、特定の専用経皮的インターベンション装置又はコンポーネント(例えば、ガイドワイヤのタイプ、カテーテルのタイプなど)が、実施される処置のタイプに基づいて選択され得るということは、当然のことである。カテーテルベース処置システム10は、わずかな調整で、処置に使用される特定の経皮的インターベンション装置に適応し、様々なカテーテル式医療処置を実行することができる。
【0031】
カテーテルベース処置システム10は、数ある要素の中でも特に、ベッドサイドユニット20及び制御ステーション(図示せず)を含む。ベッドサイドユニット20は、患者12の脇に配置されたロボット制御駆動装置24及び位置決めシステム22を含む。患者12は患者テーブル18に寝かされている。位置決めシステム22は、ロボット制御駆動装置24の位置決めと支持に使用される。位置決めシステム22は、例えば、ロボットアーム、多関節アーム、ホルダ等であり得る。位置決めシステム22は、一端で、例えば、患者テーブル18(
図1に示されるように)、ベース、又はカートに取り付けられる。位置決めシステム22の他端には、ロボット制御駆動装置24が取り付けられる。位置決めシステム22は、患者12が患者テーブル18に載ることができるように、(ロボット制御駆動装置24と共に)退避させる(脇に退ける)ことができる。患者12が患者テーブル18に寝かされると、位置決めシステム22を使用して、処置を行う患者12に対してロボット制御駆動装置24を位置決めする(据える)ことができる。一実施形態において、患者テーブル18は、床及び/又は地面に固定された台座17により支持されて動作する。患者テーブル18は、台座17に対して多自由度、例えばロール、ピッチ、ヨー、で動くことができる。ベッドサイドユニット20は、(
図2に示される)制御装置及びディスプレイ46も含み得る。例えば、制御装置及びディスプレイ46は、ロボット制御駆動装置24のハウジングに配置することができる。
【0032】
一般に、ロボット制御駆動装置24は、適切な経皮的インターベンションデバイス及び付属機器48(
図2に示される)(例えば、ガイドワイヤ、バルーンカテーテルを含む各種のカテーテル、ステント配置システム、ステント回収器、塞栓コイル、液体塞栓、吸引ポンプ、造影剤を注入するデバイス、薬剤、止血弁アダプタ、シリンジ、ストップコック、膨張デバイスなど)を装備し、使用者が、制御ステーションにある制御機器及び入力機器などの様々な制御装置を操作してロボットシステムを介しカテーテル式医療処置を行えるようにする。ベッドサイドユニット20、具体的にはロボット制御駆動装置24は、いくつかの及び/又は組み合わせたコンポーネントを含み、ここに説明する機能をベッドサイドユニット20に提供する。ロボット制御駆動装置24は、レール(又は直線部材)に取り付けられた複数のデバイスモジュール32a~32dを含む。デバイスモジュール32a~32dの各々は、カテーテルやガイドワイヤなどのEMDを駆動するために使用される。例えば、ロボット制御駆動装置24は、患者12の動脈内の診断カテーテルの中へ及びガイドカテーテルの中へガイドワイヤを機械的に送り込むために使用される。EMDなどの1つ以上のデバイスが、例えばイントロデューサシースを介して、挿入点16から患者12の体内(例えば血管)に入る。
【0033】
ベッドサイドユニット20は、制御ステーション(図示せず)と通信しており、制御ステーションで使用者入力により生成される信号がベッドサイドユニット20へ無線又は有線で送信され、ベッドサイドユニット20の各機能が制御される。後述するように、制御ステーション26は、制御コンピューティングシステム34(
図2に示す)を含むか、又は、制御コンピューティングシステム34を介してベッドサイドユニット20と接続される。ベッドサイドユニット20は、フィードバック信号(例えば、負荷、速度、動作条件、警告信号、エラーコードなど)を制御ステーションか制御コンピューティングシステム34(
図2に示す)又はその両方に提供することもできる。制御コンピューティングシステム34とカテーテルベース処置システム10の各コンポーネントとの間の通信は、無線接続、有線接続、又はコンポーネント間の通信を可能にする各種の手段である通信リンクを介して提供される。制御ステーション又は他の同様の制御システムは、ローカルサイト(例えば
図2に示されるローカル制御ステーション38)又はリモートサイト(例えば
図2に示されるリモート制御ステーション及びコンピューティングシステム42)のいずれかに配置される。カテーテルベース処置システム10は、ローカルサイトの制御ステーションかリモートサイトの制御ステーション、又は同時にローカル制御ステーションとリモート制御ステーションの両方によって、操作される。ローカルサイトにおいて、使用者及び制御ステーションは、患者12及びベッドサイドユニット20と同じ部屋又は隣の部屋に配置される。ここで使うローカルサイトは、ベッドサイドユニット20と患者12又は対象(動物や死体など)の場所であり、リモートサイトは、ベッドサイドユニット20を遠隔制御するために使用される制御ステーションと使用者の場所である。リモートサイトの制御ステーション(及び制御コンピューティングシステム)と、ローカルサイトのベッドサイドユニット20及び/又は制御コンピューティングシステムは、例えばインターネットを通して、通信システム及びサービス36(
図2に示される)の使用により通信することができる。一実施形態において、リモートサイトとローカル(患者)サイトとは互いに離れており、例えば、同じ建物内の別の部屋、同じ都市内の別の建物、別の都市、又は、リモートサイトからローカルサイトのベッドサイドユニット20及び/又は患者12に物理的にアクセスできない別々の場所にある。
【0034】
制御ステーションは、一般に、カテーテルベース処置システム10の様々なコンポーネントやシステムを操作するためのユーザ入力を受信するように構成された1つ以上の入力モジュール28を含む。図示の実施形態の場合、制御ステーションは、使用者がベッドサイドユニット20を制御してカテーテル式医療処置を実行することを可能にする。例えば、入力モジュール28は、ロボット制御駆動装置24と連動する経皮的インターベンションデバイス(例えばEMD)を使用してベッドサイドユニット20に各種のタスクを実行させるように構成される(例えば、ガイドワイヤを前進、後退、又は回転させる、カテーテルを前進、後退、又は回転させる、カテーテルに設けたバルーンを膨張又は収縮させる、ステントを位置決めし及び/又は展開する、ステント回収器を位置決めし及び/又は展開する、コイルを位置決めし及び/又は展開する、カテーテルに造影剤を注入する、カテーテルに液体塞栓を注入する、カテーテルに薬剤又は生理食塩水を注入する、カテーテルで吸引する、あるいは、カテーテル式医療処置の一部として実行され得る各種の他の機能を実行する)。ロボット制御駆動装置24は、経皮的インターベンションデバイスを含むベッドサイドユニット20のコンポーネントを動作させる(例えば軸方向及び回転方向の動作)ための各種駆動機構を含む。
【0035】
一実施形態において、入力モジュール28は、1つ以上のタッチスクリーン、ジョイスティック、スクロールホイール、及び/又はボタンを含む。入力モジュール28に加えて、制御ステーション26には、フットスイッチ及び音声コマンド用マイクロフォンなどのユーザ制御装置44(
図2に示す)を追加で使用してもよい。入力モジュール28は、例えばガイドワイヤ及び1つ以上のカテーテル又はマイクロカテーテルなどの各種コンポーネント及び経皮的インターベンションデバイスを前進させ、後退させ、又は回転させるように構成される。ボタンには、例えば、緊急停止ボタン、倍率ボタン、機器選択ボタン、及び自動化動作ボタンを用意することができる。緊急停止ボタンが押されると、ベッドサイドユニット20に対し、動力(例えば電力)が遮断されるか切り離される。速度制御モードにあるとき、倍率ボタンは、入力モジュール28の操作に応答して関連するコンポーネントが動作する速度を、増減するように機能する。位置制御モードにあるときには、倍率ボタンは、入力距離と出力指令距離との間のマッピングを変更する。機器選択ボタンは、ロボット制御駆動装置24に装填された経皮的インターベンションデバイスのうちのどれを入力モジュール28によって制御するかを使用者が選択できるようにする。自動化動作ボタンは、使用者11から直接コマンドを受けずにカテーテルベース処置システム10が経皮的インターベンションデバイスで実行することができるアルゴリズム動作を可能にするために使用される。一実施形態において、入力モジュール28は、タッチスクリーン(ディスプレイの一部であってもよく、そうでなくてもよい)に表示される1つ以上の制御手段又はアイコン(図示せず)を含み、これらが選択されると、カテーテルベース処置システム10のコンポーネントが操作される。入力モジュール28は、バルーンを膨張又は収縮させ及び/又はステントを展開するように構成されたバルーン又はステント制御手段も含み得る。入力モジュール28の各々は、1つ以上のボタン、スクロールホイール、ジョイスティック、タッチスクリーンなどを含み、これらは、専用制御すべき特定の1つ又は複数のコンポーネントを制御するために使用することができる。さらに、1つ以上のタッチスクリーンに、入力モジュール28の各部分やカテーテルベース処置システム10の各コンポーネントに関連する1つ以上のアイコン(図示せず)を表示することができる。
【0036】
カテーテルベース処置システム10は、撮像システム14も含む。撮像システム14は、カテーテル式医療処置(例えば、非デジタルX線、デジタルX線、CT、MRI、超音波など)と併せて使用され得る各種の医療撮像システムである。一例をあげると、撮像システム14は、制御ステーションと通信するデジタルX線撮像装置である。一実施形態において、撮像システム14は、患者12の周りを撮像システム14が部分的に又は完全に回転することができるようにCアーム(
図1に示される)を含み、これにより撮像システム14は、患者12に対して様々な角度位置(例えば、sagittal view(矢状)、caudal view(尾側)、anterior-posterior view(前後)など)で画像を取得できる。一実施形態において、撮像システム14は、イメージインテンシファイアとしても知られるX線源13及び検出器15を有するCアームを含んだ、透視システムである。
【0037】
撮像システム14は、処置に際し患者12の適切な領域のX線画像を撮るように構成することができる。例えば、撮像システム14は、神経血管の状態を診断するために頭部の1つ以上のX線画像を取得するように構成され得る。撮像システム14は、カテーテル式医療処置において1つ以上のX線画像(例えばリアルタイム画像)を撮ることで制御ステーション26の使用者11を支援し、処置においてガイドワイヤ、ガイドカテーテル、マイクロカテーテル、ステント回収器、コイル、ステント、バルーンなどを適切に位置決めできるように、構成される。画像はディスプレイ30に表示できる。例えば、画像は、使用者がガイドカテーテル又はガイドワイヤを適切な位置へ正確に移動させられるように、ディスプレイに表示される。
【0038】
方向を明確にするために、X,Y,Z軸をもつ直交座標系が導入される。正のX軸は、長手方向(軸方向)の遠位方向に、すなわち近位端から遠位端へ向かう方向に、言い換えれば近位から遠位の方向に、配向される。Y軸とZ軸はX軸に対する横断面にあり、正のZ軸は上向き、つまり重力の反対方向に向いており、Y軸は右手の法則によって必然的に決まる。
【0039】
図2は、一実施形態に係るカテーテルベース処置システム10のブロック図である。カテーテルベース処置システム10は、制御コンピューティングシステム34を含む。制御コンピューティングシステム34は、物理的に、例えば制御ステーションの一部であってもよい。制御コンピューティングシステム34は、概して、ここに説明する様々な機能をカテーテルベース処置システム10に提供するように適合させた電子制御ユニットであってもよい。例えば、制御コンピューティングシステム34は、組み込みシステム、専用回路、ここに説明する機能をプログラムした汎用システムなどであり得る。制御コンピューティングシステム34は、ベッドサイドユニット20、通信システム及びサービス36(例えばインターネット、ファイアウォール、クラウドサービス、セッションマネージャ、病院ネットワークなど)、ローカル制御ステーション38、追加の通信システム40(例えばテレプレゼンスシステム)、リモート制御ステーション及びコンピューティングシステム42、そして、患者センサ56(例えば心電図(ECG)装置、脳波(EEG)装置、血圧モニタ、温度モニタ、心拍数モニタ、呼吸モニタなど)と、通信する。制御コンピューティングシステム34は、撮像システム14、患者テーブル18、追加の医療システム50、造影剤注入システム52、及び補助装置54(例えばIVUS、OCT、FFRなど)とも通信する。ベッドサイドユニット20は、ロボット制御駆動装置24及び位置決めシステム22を含み、追加の制御装置及びディスプレイ46を含んでもよい。上述のように、追加の制御装置及びディスプレイ46は、ロボット制御駆動装置24のハウジングに配置することができる。インターベンションデバイス及び付属機器48(例えばガイドワイヤ、カテーテルなど)は、ベッドサイドユニット20と連動する。一実施形態において、インターベンションデバイス及び付属機器48には特殊装置(例えばIVUSカテーテル、OCTカテーテル、FFRワイヤ、造影用診断カテーテルなど)が含まれ、これらはそれぞれの補助装置54、すなわちIVUSシステム、OCTシステム、及びFFRシステムなどと連動する。
【0040】
一実施形態において、制御コンピューティングシステム34は、(例えばローカル制御ステーション38やリモート制御ステーション42といった制御ステーションの)入力モジュール28と使用者の相互作用に基づいて、及び/又は、カテーテルベース処置システム10を使用して医療処置を実行できるようにする制御コンピューティングシステム34の利用可能な情報に基づいて、制御信号を発生するように構成される。ローカル制御ステーション38は、1つ以上のディスプレイ30、1つ以上の入力モジュール28、及び追加のユーザ制御装置44を含む。リモート制御ステーション及びコンピューティングシステム42は、ローカル制御ステーション38と同様のコンポーネントを含むことができる。リモート制御ステーション及びコンピューティングシステム42とローカル制御ステーション38とは、それらに必要な機能に従って違う構成で組むことができる。追加のユーザ制御装置44は、例えば、1つ以上のフット入力制御手段を含む。フット入力制御手段は、X線のオン/オフ及び各記憶画像のスクロールなどの撮像システム14の機能を使用者が選択できるようにすべく構成される。一実施形態において、フット入力装置が、入力モジュール28に含まれるスクロールホイールにどのデバイスをマッピングするか使用者が選択できるようにすべく構成される。追加の通信システム40(例えばオーディオ会議、ビデオ会議、テレプレゼンスなど)は、患者、医療スタッフ(例えばアンギオスイートスタッフ)、及び/又はベッドサイド近くにある機器と使用者との連携を補助するべく、採用される。
【0041】
カテーテルベース処置システム10は、明示していない他の各種のシステム及び/又はデバイスを含むように接続又は構成され得る。例えば、カテーテルベース処置システム10は、画像処理エンジン、データストレージ及びアーカイブシステム、自動バルーン及び/又はステント膨張システム、薬剤注入システム、薬剤追跡及び/又はロギングシステム、ユーザログ、暗号化システム、カテーテルベース処置システム10のアクセス又は使用を制限するシステムなどを含むことができる。
【0042】
上述のように、制御コンピューティングシステム34は、ロボット制御駆動装置24及び位置決めシステム22を含み且つ追加の制御装置及びディスプレイ46を含み得るベッドサイドユニット20と通信し、そして、ベッドサイドユニット20に制御信号を提供して、経皮的インターベンションデバイス(例えばガイドワイヤ、カテーテルなど)を駆動するために使用されるモータ及び駆動機構の動作を制御する。種々の駆動機構がロボット制御駆動装置24の一部として設けられる。
【0043】
図3を参照すると、
図1に例示するカテーテルベース処置システム10の側面図が、明確にするために特定の構成要素(例えば患者、Cアーム)を除去して、示されている。
図1を参照して上述したように、患者テーブル18は台座17に支持され、ロボット制御駆動装置24は、位置決めシステム22を用いて患者テーブルに取り付けられる。位置決めシステム22は、患者テーブル18と相対的なロボット制御駆動装置24の操作を可能にする。この点に関して、位置決めシステム22は、患者テーブル18に固定され、
図4を参照して以下に説明するように、操作を可能にする様々な関節及びリンク/アームを含む。
【0044】
図4は、一実施形態に係る、ロボット制御駆動装置のための位置決めシステム22を例示する斜視図である。位置決めシステム22は、位置決めシステム22を患者テーブル18に固定するための固定装置60を含む。固定装置60は、第1の係合部材を患者テーブル18の第1の長手方向レールと係合させると共に第2の係合部材を患者テーブル18の第2の長手方向レールと係合させて位置決めシステムを患者テーブル(ベッド)18に取り外し可能に固定する、係合機構を含む。
【0045】
位置決めシステム22は様々なセグメント及びジョイントを含み、これらが連結して、ロボット制御駆動装置24の位置(配置/状態)を、例えば患者に対して、望むとおりに決めることができるようにする。位置決めシステム22は、固定装置60に連結された第1の回転ジョイント70を含む。第1の回転ジョイント70は、第1のアーム72(リンク)の回転軸の周りの回動を可能にする。図示の例において、固定装置60は、実質的に水平な面(例えば患者テーブル18の平面)内にあり、回転軸は、実質的に垂直であって第1の回転ジョイント70の中央を通って延びている。第1の回転ジョイント70は、第1の回転ジョイント70の回転を使用者が制御できるようにする構造を、含むことができる。
【0046】
図示の例において、第1のアーム72は、第1の回転ジョイント70に連結された第1の端部をもち、実質的に水平である。第1のアーム72の第2の端部は、第2の回転ジョイント74に連結されている。さらに、第2の回転ジョイント74には、第2のアーム76の第1の端部も連結される。すなわち第2の回転ジョイント74は、第1のアーム72に対する第2のアーム76の回動を可能にする。第1の回転ジョイント70と同様に、第2の回転ジョイント74は、第2の回転ジョイント74の中央を通る実質的に垂直の軸の周りに回転可能である。加えて第2の回転ジョイント74は、第2の回転ジョイント74の回転を使用者が制御できるようにする構造を、含むことができる。
【0047】
図示の例において、第2のアーム76の第2の端部は、第3の回転ジョイント78に連結されている。第3の回転ジョイント78は、位置決めシステム22に対しロボット制御駆動装置24を取り付けるためのポスト80を含む。すなわち第3の回転ジョイント78は、第2のアーム76に対するロボット制御駆動装置24の回動を可能にする。第3の回転ジョイント78は、第3の回転ジョイント78の中央を通る実質的に垂直の軸の周りに回転可能である。加えて第3の回転ジョイント78は、第3の回転ジョイント78の回転を使用者が制御できるようにする構造を、含むことができる。
【0048】
一実施形態において、第2のアーム76は、第2の回転ジョイント74に対する第3の回転ジョイント78の制限された上下方向の動作を可能にする4アームリンク機構を含む。この4アームリンク機構は、第3の回転ジョイント78及びポスト80の実質的に垂直の向きを維持しながら、第3の回転ジョイント78の上下方向の移動を可能にする。
【0049】
図5は、位置決めシステム22に取り付けられたロボット制御駆動装置24を有するカテーテルベース処置システム10の斜視図である。一つの例において、ロボット制御駆動装置24は、特殊な又は専用のツールを使用することなく、確実な方法で位置決めシステム22に取り付けられる。また、位置決めシステム22に対するロボット制御駆動装置24の接続は、バックラッシュを最小限にあるいは完全に抑えられるよう堅くしてあることが望まれる。この接続の堅牢性は6つの自由度全てにおいて望まれる。この6つの自由度は、
図5中に示す座標系の3つの軸の方向への移動又はその周りの回転を含む。X軸は、ロボット制御駆動装置24の長さの方向の長手方向に一致し、Y軸は、X軸に直交する水平軸であり、Z軸は、垂直方向に一致する。ここで使用する、「ロール(ローリング)」は、X軸の周りのロボット制御駆動装置24の回転を言い、「ピッチ(ピッチング)」は、Y軸の周りのロボット制御駆動装置24の回転を言い、「ヨー(ヨーイング)」は、Z軸の周りのロボット制御駆動装置24の回転を言う。
【0050】
ここに説明する種々の実施形態において、ロボット制御駆動装置24は、
図6において明確に例示されるように、位置決めシステム22のポスト80を受け入れるためのソケット90を備えている。上述のように、ポスト80は実質的に垂直であり、位置決めシステム22又は患者テーブル18など、ベースに連結される。したがって、ロボット制御駆動装置24を位置決めシステム22に取り付けるにあたっては、ロボット制御駆動装置24のソケット90が、その中にポスト80を受け入れる。ロボット制御駆動装置24の重量により、ロボット制御駆動装置24を位置決めシステム22に固定する十分な下向きの力が提供され、垂直方向(すなわちZ軸方向)の移動が防止される。ロボット制御駆動装置24は、222N程度(又はおおよそ50ポンド)であり得る。アームにおけるポストと駆動装置におけるソケットの配置は、流体がソケットに入るのを防ぐことに寄与する。しかしながら、一実施形態において、ポストをロボット制御駆動装置24に配置し、ソケットをアームに配置する例も考えられる。
【0051】
図7及び
図8は、位置決めシステム22のポスト80を詳細に例示し、位置決めシステム22のポスト80に対するロボット制御駆動装置24のソケット90の取り付けを詳細に分解図で示している。一実施形態において、ポスト80には、ソケット90と係止する少なくとも1つのテーパ付インターフェースが設けられる。テーパ付インターフェースは、少なくとも1つの軸の周りのロボット制御駆動装置24の回転を防止するように向けられる。加えてテーパ付キーは垂直方向(Z軸)でも拘束する。
図7及び
図8に示す例において、ポスト80は、ロボット制御駆動装置24のソケット90に係止する一組のテーパ付キー(インターフェース)82a,82bを備える。ポスト80は、終端部(上端部)及び基端部(下端部)を有する。基端部が基部に隣接し、終端部は基端部の反対側である。テーパ付キー82a,82bは、ポスト80の基端部に位置決めされ、少なくとも1つの軸の周りのロボット制御駆動装置24の回転を防止するために反対向きとされる。図示の例において、テーパ付キー82a,82bは、ポスト80を挟んで反対側に又はポスト80の円周に沿って約180度の間隔で、配置される。他の例では、テーパ付キー82a,82bは、180度間隔以外の位置に配置し得るが、テーパ付キー82a,82bのテーパがロボット制御駆動装置24の回転を防止するように十分な間隔をあけて配置する。
図7、
図16A、及び
図16Bを参照して説明すると、第1のテーパ付キー82aは、傾斜面232c及び非傾斜面232gを含み、第2のテーパ付キー82bは、傾斜面232d及び非傾斜面232fを含む。これら傾斜面及び非傾斜面は、ポストの長さ方向に基部から上方に延伸する。キーは基部又はポストに設けることができる。傾斜面232c,232dは、基部234a又は基部234aの上面に対して垂直ではない傾斜を有する。非傾斜面232g,232fは、接地面及び/又は基部234a又は基部234aの上面に対して垂直又は実質的に垂直である。テーパ付キー82a,82bは、それぞれ、ポスト80の長手軸(縦軸)に平行な方向に基部の上面から延びる高さを有する。テーパ付キー82a,82bの高さ及び幅は、ポストの長手軸(又は垂直軸)の周りにソケット236に加えられるトルクに抵抗するのに十分とし、ソケット236が各テーパ付キー82a,82bの傾斜面232c,232dを登らないように保証する。テーパ付キー82a,82bの幾何学様式は、ここに説明するポスト80及びポスト110にも適用することができる。
図8に示す実施形態において、テーパ付キー82a,82bは同じ形状を有し、同じ向きで、互いに180度離れている。同様に、対応するテーパ付キャビティ92は、テーパ付キー82a,82bの位置に対応して、同じ形状を有し、同じ向きで、互いに180度離れている。
図7及び
図8の例においては、一組のテーパ付キー82a,82bが2つのキーを含む。他の例で、キーの数は2個以外としてもよい。例えば、追加のテーパ付キーを設けて、ロボット制御駆動装置の回転に対する抵抗を増加させることもできる。一つの例において、単一キーが2つの反対向きテーパ面を有する。
【0052】
テーパ付キー82a,82bのテーパの角度は、ロボット制御駆動装置24の回転を防止するべく選択される。このテーパ付キー82a,82bのテーパは、ロボット制御駆動装置24がテーパ付キー82a,82bの急勾配を登ることが該駆動装置の重量により防止されるように、十分に急峻であるべきである。一方、テーパ付キー82a,82bのテーパの急勾配は、ロボット制御駆動装置24を取り付け、取り外すときに過度の抵抗がないように、制限されるべきである。
【0053】
ロボット制御駆動装置24のソケット90には、ポスト80とロボット制御駆動装置24とを物理的に係止させるためにテーパ付キー82a,82bを受け入れるテーパ付キャビティ92が設けられている。すなわち、ポスト80のテーパ付キー82a,82bとソケット90の対応するテーパ付キャビティ92とは、互いに係止することで、位置決めシステム22に対してX-Y平面内の所望の向きにロボット制御駆動装置24を向けるように、位置決めされる。一実施形態において、テーパ付キー82a,82bは、キャビティ92のテーパ面がテーパ付キー82a,82bと確実に接触することを少なくとも可能にする、十分な大きさにされる。
【0054】
また、ポスト80のテーパ付キー82a,82bも、ソケット90の対応するテーパ付キャビティ92も、同じ方向を向くように形成され、したがって、回転方向において互いに反対向きである。これにより、ポスト80の円周方向において反対の回転方向を向いたテーパ付キー82a,82bのテーパは、Z軸の周りの回転、すなわちヨーイングを防止又は最小にする。
【0055】
図7及び
図8に示す例において、ポスト80は、ポスト80のソケット90への挿入を容易にするために、少なくとも1つの挿入インターフェースを含む。すなわち、ポスト80には、円柱(中実又は中空)形部分84a,84bが設けられている。円柱形部分84a,84bは、ポスト80の垂直の長さ方向に形成されている。
図7及び
図8に示す例において、ポスト80には、ポスト80の垂直の長さ方向に間隔をあけて2つの円柱形部分84a,84bが設けられている。一例の円柱形部分84aは、円柱形部分84bよりも直径が大きい。
【0056】
これに相応して、ソケット90には、ソケット90の内腔の垂直の長さ方向に配置された内部ブッシング94a,94bが設けられている。
図8の例において、内部ブッシング94a,94bは、ポスト80の円柱形部分84a,84bの位置に対応させてソケット90の個々の領域に配置された別個のブッシングとして図示されている。他の例では、複数のブッシング94a,94bは、ソケット内の単一の一体部品の一部として形成することもできる。この単一の一体部品は、不連続部やレッジがほとんどない滑らかな表面を提供することもできる。ポスト80がソケット90内に受け入れられると、円柱形部分84a,84bは、対応する内部ブッシング94a,94bに嵌合する。内部ブッシング94a,94bは、円柱形部分84a,84bの周りにしっかりとフィットする大きさにされ、これにより、位置決めシステム22に対するロボット制御駆動装置24のX-Y平面内の横方向の動きを防止する。さらに、ポスト80及びソケット90のキャビティの垂直の長さ方向において内部ブッシング94a,94bに円柱形部分84a,84bをしっかりと嵌め合わせることにより、X軸(ロール)及びY軸(ピッチ)の周りの位置決めシステム22に対するロボット制御駆動装置24の回転が、最小限に抑えられるか又は防止される。
【0057】
ポスト80のソケット90への挿入を容易にするために、円柱形部分84a,84bは、ポスト80の長さ方向に直径が次第に小さくなる。すなわち、ポスト80の基端部から第1番目の円柱形部分84aが、第2番目の円柱形部分84bよりも大径となっている。これにより、挿入時に、第2番目の円柱形部分84bは、抵抗なく第1番目の円柱形部分84aに対応する内部ブッシング94aを通過する。十分な許容差を有する複数の円柱形部分を使用することにより、X軸(ロール)の周り及びY軸(ピッチ)の周りの回転に対する安定性及び抵抗が得られる。
【0058】
一実施形態において、位置決めシステム22とロボット制御駆動装置24との間の電気接続を含み得る。この実施形態の場合、電気ピン及びソケットがポスト80及びこれに嵌合するソケット90に組み入れられ、機械的に接続されることで同時に電気的にも接続されることになる。
【0059】
図9A、
図10A、及び
図11Aは、別の実施形態に係る位置決めシステムに取り付けるロボット制御駆動装置の組み付け状態を例示しており、
図9B、
図10B、及び
図11Bは、それぞれ、
図9A、
図10A、及び
図11Aの断面図である。
図9A~
図11Bは、ロボット制御駆動装置のソケット120に挿入されている位置決めシステムのポスト110の組み付け態100を示す。
図9A~
図11Bのポスト110及びソケット120は、それぞれ、
図5~
図8を参照して上述したポスト80及びソケット90と同様である。すなわち、ポスト110には、テーパ付キー(インターフェース)112a,112bがポスト110の基端部に設けられている。上述のように、テーパ付キー112a,112bは、ポスト110を挟んで反対側に(すなわち約180度の間隔で)位置し、同じ方向(すなわち回転方向で反対)に向いている。ソケット120には、テーパ付キー112a,112bを受け入れるキャビティ122が設けられている。ポスト110のテーパ付キー112a,112bとソケット120のキャビティ122とが係止することにより、位置決めシステムに対するロボット制御駆動装置のZ軸の周りの回転(ヨーイング)が最小化又は防止される。
【0060】
また、ポスト110には、円柱形部分114a,114bが設けられている。これに相応するように、ソケット120には、ソケット120の内腔の垂直の長さ方向に配置されたブッシング124a,124bが設けられている。ポスト110が
図11Bに示すようにソケット120内に受け入れられると、円柱形部分114a,114bが、対応するブッシング124a,124bと嵌合する。円柱形部分114a,114bとブッシング124a,124bとが嵌合することにより、位置決めシステムに対するロボット制御駆動装置のX-Y平面内の横方向の動きが防止される。さらに、ポスト110及びソケット120の内腔の垂直の長さ方向において円柱形部分114a,114bがブッシング124a,124bにしっかりと嵌め合わされることにより、X軸(ロール)及びY軸(ピッチ)の周りの位置決めシステムに対するロボット制御駆動装置の回転が最小に抑えられるか防止される。
【0061】
図9A~
図11Bに図示される例において、ポスト110は、ポスト110の終端(上端)に、凸状先端116の形態で挿入インターフェースを備える。凸状先端116は、ポスト110の終端又はその近傍に配置可能である。凸状先端116は、ポスト110のソケット120の内腔への挿入を容易にする。
図10A及び
図10Bから分かるように、凸状先端116は、ポスト110をソケット120に挿入する際のガイドとして機能する。加えて、凸状先端116の使用は、ポスト110の頂部がソケット120の形状に引っ掛からないようにするので、ポスト110のソケット120への挿入を確実にし、ソケット120とポスト110との係合を確実にする。
図9A~
図11Bに示される例において、凸状先端116は球状の先端である。凸状先端116は、様々な凸状の形状をもつ別の例でもよい。ポストとソケットを組み付けている最中に、ヨー方向のミスアライメント(ずれ)を、ソケットがポストに適正にセットされるまでポストとソケットを互いに対し手で動かして調節できるように、ポスト及びソケットは設計される。これは、ソケットの底部の平坦な部分によって達成される。
【0062】
図16A、
図16B、及び
図17を参照すると、一実施形態に係る、ベース(例えば位置決めシステム)のポストとロボット制御駆動装置204との取り付けの別の例が示されている。一実施形態において、ポスト230は、円柱状の基部234aと、遷移円柱状部234bと、円錐台部234cと、頂部円柱状部234dとを含む。この実施形態において、第1のテーパ付キー(インターフェース)232aと第2のテーパ付キー(インターフェース)232bとが、基部234aに一体的に形成され、遷移円柱状部234bの外周面から基部234aの外周面までの全長に延在している。別の言い方をすると、ポスト230の長手軸(縦軸)からそれぞれ測ったテーパ付キー232a,232bの半径方向外側面は、基部234aの半径方向外縁に面している。一実施形態において、テーパ付キー232a,232bは、基部234a、遷移円柱状部234b、円錐台部234c、及び頂部円柱状部234dと一体的に作成される。一実施形態において、テーパ付キー232a,232b、基部234a、遷移円柱状部234b、円錐台部234c、及び頂部円柱状部234dは、硬い黒色の陽極酸化表面を有する。
【0063】
第1のテーパ付キー232aは、傾斜面232cと実質的に垂直の垂直面232gとを含み、第2のテーパ付キー232bは、傾斜面232dと実質的に垂直の垂直面232fとを含む。傾斜面232c,232dは、基部234aの上面に対して垂直ではない傾斜を有する。テーパ付キー232a,232bは、それぞれ、基部234aの上面からポスト230の長手軸と平行な方向に延伸する高さを有する。テーパ付キー232aは上面232hを含み、テーパ付キー232bは上面232iを含む。テーパ付キー232a,232bの高さ及び幅は、ポスト垂直軸(長手軸)の周りにソケット236に加えられるトルクに抵抗するのに十分とされ、ソケット236が各テーパ付キー232a,232bの傾斜面232c,232dを登らないことを保証する。テーパ付キー232a,232bの幾何学様式は、ここに説明するポスト80及びポスト110にも適用することができる。円柱形のインターフェースは、ピッチモーメント又はロールモーメント(これらは2つの別の円柱形セクション間で常に反応(抵抗)を行わなければならない)に1つのインターフェースが反応することが決してできないように十分に短い軸方向の長さを有する。1つの円柱形インターフェースがこれらのモーメントに反応できる場合、点荷重が非常に高くなり、その結果、駆動装置を取り付け、取り外すことが極端に難しくなる。
【0064】
図17を参照すると、ソケット236は、ポスト230を受け入れる内腔を含む。ソケット236は、第1のキー受け部238aと第2のキー受け部238bとを含み、これらキー受け部の各々が、組み付け状態でそれぞれテーパ付キーの傾斜面232c,232dと合わさる傾斜面を有する。一実施形態において、第1のキー受け部238a及び第2のキー受け部238bはブロンズ材料から形成される。
【0065】
図12~
図15を参照すると、一実施形態に係る、ベース(例えば位置決めシステム)のポスト202及びロボット制御駆動装置204の別の取り付け方式200が例示されている。
図12は、ポスト202と、ロボット制御駆動装置204をポスト202に取り付けるためのロボット制御駆動装置204の取り付けインターフェース220とを例示する斜視図である。
図13は、ロボット制御駆動装置204をポスト202に取り付けた後の取り付け方式200を示す。
【0066】
取り付けインターフェース220は、実質的に垂直のポスト202の少なくとも一部を中に受け入れるためのソケットとして形成される。ポスト202には、取り付けインターフェース220と係合するテーパ付インターフェース212が設けられている。これに対し、取り付けインターフェース220には、ポスト202のテーパ付インターフェース212と係合するテーパ付フック222が設けられている。テーパ付インターフェース212は、少なくとも1つの軸の周りのロボット制御駆動装置204の回転を防止する向きとされる。
【0067】
取り付けインターフェース220のテーパ付フック222は、取り付けインターフェース220の上部に形成される。ポスト202のテーパ付インターフェース212は、ポスト202の上面に設けられたレセプタクル210に形成される。
図13に示されるように、ロボット制御駆動装置204をポスト202に取り付けると、取り付けインターフェース220のテーパ付フック222は、
図14に示す断面図においてより明確に分かるように、ポスト202のテーパ付インターフェース212を覆って取り巻くように位置する。
【0068】
レセプタクル210に形成されたテーパ付インターフェース212は、下方に向かってテーパが付けられている。したがって、相応するテーパのテーパ付フック222がレセプタクル210に対し位置決めされると、テーパ付フック222のテーパ付表面がテーパ付インターフェース212のテーパ付表面と係合する。このテーパ係合は、ロボット制御駆動装置204の重量による下向きの力と共に、ロボット制御駆動装置204の垂直方向(Z軸方向)の動きを防止する。
【0069】
例示するポスト202のレセプタクル210は、レセプタクル210の垂直面内にテーパ付キャビティ214をさらに含む。テーパ付キャビティ214は、ロボット制御駆動装置204に対面するレセプタクル210の側面に形成される。これに相応して、ロボット制御駆動装置204の取り付けインターフェース220には、テーパ付突起224が取り付けインターフェース220の側面に設けられている。テーパ付突起224は、レセプタクル210に対面する取り付けインターフェース220の側面に形成されるので、
図13及び
図15の断面図に示されるように、レセプタクル210のテーパ付キャビティ214に受け入れられる位置にある。テーパ付キャビティ214とテーパ付突起224との係合は、Y軸の周りのロボット制御駆動装置204の回転(ピッチング)を最小化又は防止する。
【0070】
テーパ付突起224及びテーパ付キャビティ214のテーパ(傾斜方向)は、テーパ付フック222及びテーパ付インターフェース212のテーパ(傾斜方向)に直交している。具体的に、テーパ付フック222及びテーパ付インターフェース212は垂直面(X-Z平面)で下方にテーパが付けられているのに対し、テーパ付突起224及びテーパ付キャビティ214は水平面(X-Y平面)でテーパが付けられている。テーパ付突起224とテーパ付キャビティ214との係合は、Z軸(ヨー)の周りのロボット制御駆動装置204の回転を最小化又は防止する。テーパ付フック222とテーパ付インターフェース212との係合及びテーパ付突起224とテーパ付キャビティ214との係合の組み合わせは、X軸(ロール)の周りのロボット制御駆動装置204の回転を最小化又は防止する。すなわち、種々のテーパ面の係合を組み合わせることによって、所望の6自由度における取り付けの堅牢性が提供される。なお、下向きのテーパ付インターフェースは、駆動装置の質量からのロールモーメントに依存して、駆動装置をしっかりと係合した状態に保つ。
【0071】
以上の詳細な説明では、最良の形態を含めて本発明を開示するために、また、当業者が本発明を実施し使用することを可能にするために、実施形態/実施例を使用した。本発明の特許されるべき範囲は、特許請求の範囲によって定義され、また、当業者に想到可能な他の形態/例を含み得る。そのような他の形態/例は、それらが特許請求の範囲の記載から外れない構造要素を有する場合、又は、それらが特許請求の範囲の記載と実質的に相違しない同等の構造要素を含む場合、特許請求の範囲が及ぶように意図されている。あらゆるプロセス又は方法ステップの順番及び流れは、代替の実施形態に応じて変更又は再配列され得る。
【0072】
本発明の思想から逸脱することなく、本発明に多くの他の変更及び修正を加えることができる。これら及びその他の変更の範囲は、特許請求の範囲から明らかになる。
【外国語明細書】