(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023021009
(43)【公開日】2023-02-09
(54)【発明の名称】薄膜材料を延伸装置に自動的に搬送する供給装置、薄膜材料処理装置及び薄膜材料処理法
(51)【国際特許分類】
B65H 5/22 20060101AFI20230202BHJP
B65G 47/90 20060101ALI20230202BHJP
B29C 55/02 20060101ALI20230202BHJP
B65H 35/04 20060101ALI20230202BHJP
B65H 5/08 20060101ALI20230202BHJP
【FI】
B65H5/22 C
B65G47/90 A
B29C55/02
B65H35/04
B65H5/08 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】30
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022118512
(22)【出願日】2022-07-26
(31)【優先権主張番号】10 2021 119 557.8
(32)【優先日】2021-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】510331593
【氏名又は名称】ブリュックナー・マシーネンバウ・ゲーエムベーハー・ウント・コー・カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100082049
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 敬一
(74)【代理人】
【識別番号】100220711
【弁理士】
【氏名又は名称】森山 朗
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・マッツェ
(72)【発明者】
【氏名】ボリス・パステルナーク
(72)【発明者】
【氏名】クラウス・ホルムラー
【テーマコード(参考)】
3F049
3F072
3F101
4F210
【Fターム(参考)】
3F049DB02
3F049FB00
3F049LA15
3F049LB08
3F072AA28
3F072KD03
3F101CA10
3F101CE04
3F101CE15
3F101LA15
3F101LB08
4F210AG01
4F210AJ08
4F210AM04
4F210QA10
4F210QG01
4F210QG18
(57)【要約】 (修正有)
【課題】第1の延伸装置から第2の延伸装置に薄膜材料を自動的に搬送する。
【解決手段】第1の延伸装置(12)から第2の延伸装置(14)に薄膜材料(M)を自動的に搬送する供給装置(16)は、第1の延伸装置(12)から排出される薄膜材料(M)の少なくとも1つの帯材を、第2の延伸装置(14)の搬送装置(24)に搬送する移送装置(32)を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の延伸装置(12)から第2の延伸装置(14)に薄膜材料(M)を自動的に搬送する供給装置において、第1の延伸装置(12)から排出される薄膜材料(M)の少なくとも1つの帯材を第2の延伸装置(14)の搬送装置(24)に搬送する移送装置(32)を備えることを特徴とする供給装置(16)。
【請求項2】
第1の延伸装置(12)の引張装置(22)から薄膜材料(M)を分離する分離装置(37)を備える請求項1に記載の供給装置。
【請求項3】
供給装置(16)は、供給路(Z)に沿って薄膜材料(M)を案内する少なくとも1つの搬送ローラ(34)、特に、2つの搬送ローラ(34)を有する架枠(41)を備え、
架枠(41)は、供給路(Z)に対し少なくとも部分的に平行に第1の延伸装置(12)の引張装置(22)を案内する請求項1又は2に記載の供給装置。
【請求項4】
供給装置(16)は、1つの案内帯材(64)と1つの主帯材(66)とに薄膜材料(M)を搬出方向(R)に分割する1つ又は2つの第1の切断装置(38)を有し、
2つの第1の切断装置(38)は、複数の案内帯材(64)間に配置される1つの主帯材(66)と、2つの案内帯材(64)とに薄膜材料(M)を搬出方向(R)に分割し、
移送装置(32)は、第2の延伸装置(14)の搬送装置(24)に1つ又は2つの案内帯材(64)を搬送する請求項1~3の何れか1項に記載の供給装置。
【請求項5】
1つ又は2つの第1の切断装置(38)は、部分的又は完全に移送装置(32)の上流に配置される請求項1~4の何れか1項に記載の供給装置。
【請求項6】
供給装置(16)は、薄膜材料(M)の余剰材料を収容する材料貯蔵部(36)を有し、
材料貯蔵部(36)は、特に、少なくとも2つの供給ローラ(47)を有する送致機(46)を備える請求項1~5の何れか1項に記載の供給装置。
【請求項7】
供給装置(16)は、薄膜材料(M)の横断方向(Q)の縁部(L1, L2)の位置を検出する少なくとも1つの検出器を備える請求項1~6の何れか1項に記載の供給装置。
【請求項8】
移送装置(32)は、第1の位置と第2の位置との間で移動する回転可能な移送機(43)を備え、
第1の位置にある回転可能な移送機(43)は、特に、材料貯蔵部(36)に向かう薄膜材料(M)の第1の搬送路(F1)を構成し、第2の位置にある回転可能な移送機(43)は、第2の延伸装置(14)の搬送装置(24)に向かう薄膜材料(M)の第2の搬送路(F2)を構成する請求項1~7の何れか1項に記載の供給装置。
【請求項9】
転可能な移送機(43)は、少なくとも2つ、特に、3つの独立回転可能な横断方向(Q)の移送部(44, 45)を備え、
外側の両移送縁部(44)は、特に、追加的に横断方向(Q)に移動する請求項8に記載の供給装置。
【請求項10】
移送装置(32)は、固定移送機(52)、特に、移送ベルト又は複数のローラを有する支持板を備え、
回転可能な移送機(43)の下流に配置される固定移送機は、第2の延伸装置(14)の搬送装置(24)に向かって配置される第2の搬送路(F2)を構成する請求項8又は9に記載の供給装置。
【請求項11】
移送装置(32)は、第2の位置に配置される回転可能な移送機(43)の下流端に配置される少なくとも1つの縁部押圧ローラ(54)を有する請求項8~10の何れか1項に記載の供給装置。
【請求項12】
供給装置(16)は、回転可能な移送機(43)が形成する第1の搬送路(F1)、特に、搬出方向(R)の下流半領域に設けられる第2の切断装置(39)を備えかつ/又は、
供給装置(16)は、回転可能な移送機(43)が形成する第2の搬送路(F2)、ローラ(34)の領域、特に、ローラ(34)の搬出方向(R)の出口領域に設けられる第3の切断装置(40)を備える請求項8~11の何れか1項に記載の供給装置。
【請求項13】
移送装置(32)は、吸着路(A)と、吸引頭又は捕捉具(74)を有する産業用ロボット(70)とを備え、
産業用ロボット(70)は、吸着路(A)上の薄膜材料(M)の少なくとも1つの帯材(64)を吸着し、第2の延伸装置(14)の搬送装置(24)かつ/又は移送装置(32)の固定移送機(52)に吸着した帯材(64)を搬送する請求項1~7の何れか1項に記載の供給装置。
【請求項14】
吸着路(A)から第2の延伸装置(14)の搬送装置(24)及び/又は固定移送機(52)への搬送路(F2)を構成して、回転可能かつ/又は高さ調節可能な薄膜材料(M)の支持体(68)を備える請求項13に記載の供給装置。
【請求項15】
供給装置(16)は、吸着路(A)領域、特に、吸着路(A)の搬出方向(R)下流半領域に配置される第2の切断装置(39)を備えかつ/又は、
供給装置(16)は、ローラ(34)領域、特に、ローラ(34)の搬出方向(R)下流領域に設けられる第3の切断装置(40)を備える請求項13又は14に記載の供給装置。
【請求項16】
移送装置(32)は、1つの第1の切断装置(38)と、吸引頭又は捕捉具(74)を有する1つの第2の産業用ロボット(70)とを備え、
第2の産業用ロボット(70)は、吸着路(A)上の薄膜材料(M)の更なる1つの帯材(64)を吸着して、第2の延伸装置(14)の搬送装置(24)に吸着した帯材(64)を移送しかつ/又は移送装置(32)の固定移送機(52)に搬送する請求項13~15の何れか1項に記載の供給装置。
【請求項17】
移送装置(32)は、第1の移送機(76)と、第1の移送機(76)の下流に配置される第2の移送機(78)とを備え、
第1の切断装置(38)は、特に、第1の移送機(76)と第2の移送機(78)との間に配置されかつ/又は材料貯蔵部(36)は、第2の移送機(78)の下流に設けられる請求項1~7の何れか1項に記載の供給装置。
【請求項18】
第1の移送機(76)及び/又は第2の移送機(78)は、排出方向(R)の複数の側面の少なくとも一方に回転可能に設けられる支持翼(82)を有し、
搬出方向(R)に配置される支持翼(82)の回転軸周りに上方に回転する支持翼(82)は、移送機(76, 78)の各載置面を横断方向(Q)に増大する請求項17に記載の供給装置。
【請求項19】
特に、縦延伸装置の第1の延伸装置(12)と、特に、横延伸装置の第2の延伸装置(14)と、請求項1~18の何れか1項に記載の供給装置(16)とを備える薄膜材料(M)を処理する薄膜材料処理装置において、
特に、第1の延伸装置(12)と第2の延伸装置(14)との間に配置される供給装置(16)は、第1の延伸装置(12)の出口で受け取る薄膜材料(M)を第2の延伸装置(14)に搬送することを特徴とする薄膜材料処理装置。
【請求項20】
第1の延伸装置(12)は、移送装置(32)の供給路(Z)に連絡する搬送路(T)を有する請求項19に記載の薄膜材料処理装置。
【請求項21】
第2の延伸装置(14)は、一対の入口レール(31)を有する搬送装置(24)を備え、
特に、複数の入口レール(31)の各々は、横断方向(Q)に移動しかつ駆動される複数の案内ローラを有する上部案内板(84)を備える請求項19又は20に記載の薄膜材料処理装置。
【請求項22】
移送装置(32)は、搬送装置(24)に接続され、
特に、第2の位置にある回転可能な移送機(43)は、複数の入口レール(31)に接続され、又は固定移送機(52)は、複数の入口レール(31)に接続され又は、
第2の移送機(78)は、第2の延伸装置(14)の複数の入口レール(31)間に少なくとも部分的に配置される請求項21に記載の薄膜材料処理装置。
【請求項23】
特に、請求項1~18の何れか1項に記載の自動供給装置の自動供給装置(16)を用いて、特に、縦延伸装置の第1の延伸装置(12)から特に横延伸装置の第2の延伸装置(14)に薄膜材料(M)を自動的に搬送する薄膜材料処理法において、
第1の延伸装置(12)から薄膜材料(M)を供給装置(16)に移送する工程と、
供給装置(16)から第2の延伸装置(14)に、薄膜材料(M)の少なくとも1つの帯材を搬送する工程とを含むことを特徴とする薄膜材料処理法。
【請求項24】
供給装置(16)の分離装置(37)により、第1の延伸装置(12)の引張装置(22)から薄膜材料(M)の始端を分離する工程を含む請求項23に記載の薄膜材料処理法。
【請求項25】
更に、供給装置(16)の材料貯蔵部(36)に薄膜材料(M)を移送する工程と、
供給装置(16)の第1の切断装置(38)により、1つの案内帯材(64)と1つの主帯材(66)とに薄膜材料(M)を搬出方向(R)に分割する工程又は供給装置(16)の2つの第1の切断装置(38)により、2つの案内帯材(64)と、複数の案内帯材(64)間に配置される1つの主帯材(66)とに薄膜材料(M)を搬出方向(R)に分割する工程と、
供給装置(16)の第2の切断装置(39)により、1つ又は2つの案内帯材(64)を横断方向(Q)に分離する工程と、
供給装置(16)の移送装置(32)により1つ又は2つの案内帯材(64)を取上げる工程と、
供給装置(16)の移送装置(32)により、1つ又は2つの案内帯材(64)を第2の延伸装置(14)に搬送する工程と、
1つの案内帯材(64)の外縁部又は2つの案内帯材(64)の各外縁部を、第2の延伸装置(14)の搬送装置(24)に固定する特に、把持留め工程とを含む請求項23又は24に記載の薄膜材料処理法。
【請求項26】
材料貯蔵部(36)の送致機(46)により薄膜材料(M)を把持しかつ材料貯蔵部(36)に移送する請求項25に記載の薄膜材料処理法。
【請求項27】
回転可能な移送機(43)、特に、1つ又は複数の案内帯材(64)のうちの1つが通過する回転可能な移送機(43)は、第2の位置に移動し、第2の切断装置(39)は、対応する案内帯材(64)を分離し又は、
産業用ロボット(70)の吸引頭又は捕捉具(74)は、複数の案内帯材(64)の1つを吸着して第2の延伸装置(14)に移動して、第2の切断装置(39)は、各案内帯材(64)を分離し又は、
案内帯材(64)の外側縁部は、第2の移送機(78)に向かい横断方向(Q)に移動して、案内帯材(64)の最寄りの入口レール(31)に装着され、第2の切断装置(39)は、各案内帯材(64)を分離する工程とを含む請求項25又は26に記載の薄膜材料処理法。
【請求項28】
主帯材(66)を完全に貫通して第1の切断装置(38)を横断方向(Q)に移動して、案内帯材(64)を薄膜材料(M)に一致させる工程と、
第2の延伸装置(14)の搬送装置(24)に、薄膜材料(M)の長手方向の第2の縁部(L2)を固定する持留め工程と、又は
2つの第1の切断装置(38)を横断方向(Q)に接近させて移動し、次に、複数の切断装置(38)を薄膜材料(M)から分離する工程とを含む請求項23~27の何れか1項に記載の薄膜材料処理法。
【請求項29】
第1の切断装置(38)の移動前又は移動間に、主帯材(66)が移動する上面を有する回転可能な移送機(43)の移送中央部(45)を第2の位置に移動する工程、又は、
第1の切断装置(38)の移動前又は移動間に、支持体(68)を回転し又は高さを調節して、吸着路(A)から第2の延伸装置(14)の搬送装置(24)かつ/又は固定移送機(52)への搬送路(F2)を支持体(68)により形成する工程、又は、
第1の切断装置(38)の移動直後、移動前又は移動後に、複数の入口レール(31)の他方を、第2の移送機(78)に向かい横断方向(Q)に移動して、薄膜材料(M)の長手方向の第2の縁部(L2)を入口レール(31)に装入する工程とを含む請求項28に記載の薄膜材料処理法。
【請求項30】
更に、第3の切断装置(40)により、薄膜材料(M)全体を分離する工程と、
供給装置(16)の材料貯蔵部(36)に薄膜材料(M)を移送する工程とを含む請求項23~29の何れか1項に記載の薄膜材料処理法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、延伸装置に薄膜材料を自動的に搬送する供給装置、対応する薄膜材料処理装置及びその薄膜材料処理法に関する。
【背景技術】
【0002】
準備した薄膜材料を延伸して薄膜材料の膜厚を薄肉化する延伸装置を使用して、樹脂薄膜が製造される。
【0003】
縦延伸装置に供給される薄膜材料は、通常長手方向、即ち搬出方向にまず延伸される。縦方向に延伸された薄膜材料は、次に横延伸装置に供給され、搬出方向に対して横断方向に延伸されて、薄膜材料、例えば、樹脂薄膜が製造される。
【0004】
第1の延伸装置で縦方向に延伸される薄膜材料の中、第1の延伸装置で処理されて第1の延伸装置から排出される薄膜材料を第2の延伸装置に搬送し、薄膜材料の先端部を第2の延伸装置に装入することは、困難である。
【0005】
第2の延伸装置への薄膜材料の装入は、通常、多くの人手をかけて手作業で行われる。同時に、第1の延伸装置と第2の延伸装置との間に設けられる十分大きな空間で、薄膜材料を安全に取扱わなければならない。また、薄膜材料を一時的に保管することが必要か、少なくとも好ましくかつ望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】欧州特許出願公開第455632A1号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第4436676A1号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第102014013901A1号明細書
【特許文献4】国際公開第89/12543A1号明細書
【特許文献5】独国特許出願公開第4441020C1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、第1の延伸装置から第2の延伸装置に薄膜材料を自動的に搬送する供給装置、薄膜材料処理装置及び薄膜材料処理法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の課題は、第1の延伸装置から排出される薄膜材料の少なくとも1つの帯材を第2の延伸装置の搬送装置に移送する移送装置を備え、第1の延伸装置から第2の延伸装置に薄膜材料を自動的に搬送する供給装置によって解決される。
【0009】
第1の延伸装置から受け取る薄膜材料を第2の延伸装置に供給する信頼性のある供給装置により、生産工程の省力化を図ると同時に、第1の延伸装置と第2の延伸装置とを接近配置して、重要な生産空間領域を減少できる。
【0010】
供給装置の供給対象は、例えば、薄膜材料全体の幅よりも小さい横断方向の幅を有する薄膜材料の帯材である。帯材は、案内帯材でもよい。
【0011】
本発明の実施の形態では、第1の延伸装置の引張装置から薄膜材料を分離する分離装置を供給装置に設けるため、第1の延伸装置に供給する薄膜材料の薄膜材料処理法と処理装置の構成を変更する必要がない。
【0012】
供給装置は、少なくとも1つの搬送ローラと、供給路に沿って薄膜材料を案内する特に、2つの搬送ローラを有する架枠とを備え、架枠は、供給路に対し第1の延伸装置の引張装置を少なくとも部分的に平行に案内して、第1の延伸装置と第2の延伸装置との間で薄膜材料を確実に案内する。
【0013】
例えば又は好ましくは、引張装置は、牽引チェーン又は引込ベルトである。
【0014】
例えば、供給装置は、1つの案内帯材と1つの主帯材とに薄膜材料を搬出方向に分割する単一の第1の切断装置を有し又は供給装置は、2つの案内帯材と、2つの案内帯材間に配置される1つの主帯材とに薄膜材料を搬出方向に分割する2つの第1の切断装置を有する。移送装置は、第2の延伸装置の搬送装置に1つ又は2の案内帯材を搬送するので、薄膜材料全体を一度に移動する必要がなく、取り扱いが容易である。
【0015】
第1の切断装置は、特に、横断方向に移動する。
【0016】
部分的又は完全に移送装置の上流に1つ又は2つの第1の切断装置を配置して、複数の案内帯材と主帯材とを、移送装置により異なる形態で供給できる。
【0017】
本発明の実施の形態では、供給装置は、少なくとも2つのローラを備える送致機か又は補助巻取部でもよい薄膜材料の余剰材料を収容する材料貯蔵部を備える。材料貯蔵部により、第2の延伸装置に案内帯材のみをまず供給することができる。
【0018】
第1の切断装置及び/又は分離装置は、例えば、材料貯蔵部の上流に配置される。
【0019】
膜材料の長手方向縁部の横断方向の位置を検出する少なくとも1つの検出器を供給装置に設けて、薄膜材料の長手方向縁部の位置を検出器により検出できる。
【0020】
本発明の実施の形態では、移送装置は、第1の位置と第2の位置との間で回転する移送機を備え、第1の位置にある回転可能な移送機は、特に、材料貯蔵部に向かう第1の搬送路を形成し、第2の位置にある回転可能な移送機は、第2の延伸装置の搬送装置に向かう第2の搬送路を形成する。第2の延伸装置に薄膜材料を供給すべきか否かを、回転可能な移送機により供給目的を決めてかつ自動的に設定できる。
【0021】
回転可能な移送機は、例えば、移送ベルト、特に、吸引移送ベルト又は複数のローラを有する支持板を備える。
【0022】
移送機の上流に回転軸を配置できる。
【0023】
例えば、第1の位置にある移送機は、垂直に配置される。
【0024】
回転可能な移送機は、独立して回転する少なくとも2つ、特に、3つの移送縁部と移送中央部を横断方向に有し、特に、一方の又は両外側部も追加的に横断方向に移動するので、案内帯材と主帯材とを個別に異なる目的地に移送できる。
【0025】
本発明の実施の形態では、移送装置は、回転可能な移送機の下流に配置されかつ第2の延伸装置の搬送装置に向かって第2の搬送路に配置される固定移送機、特に、移送ベルト又は複数のローラを有する支持板を備える。固定移送機を使用するので、第2の延伸装置の複数の入口レールに対する整合作業は、不要である。
【0026】
移送ベルトは、例えば、吸引式移送ベルトである。
【0027】
固定移送機は、複数の入口レールの1つに夫々割り当てられる横断方向に少なくとも2つの移送機を有する。
【0028】
固定移送機は、例えば、第2の延伸装置の搬送装置に薄膜材料を搬送する。
【0029】
第2の位置にある回転可能な移送機の下流端に配置される移送装置の少なくとも1つの縁部押圧ローラは、案内帯材の縁部を保持して、供給装置の搬送信頼性を向上する。
【0030】
本発明の実施の形態では、供給装置は、回転可能な移送機領域の第1の搬送路、特に、搬出方向の下流半領域に設けられる第2の切断装置を有する。第2の切断装置により、案内帯材を横断方向に確実に切断する。
【0031】
例えば、第2の搬送路内の回転可能な移送機領域、特に、搬出方向上流半領域に設けられる供給装置は、故障時に薄膜材料を分離する第3の切断装置を備える。
【0032】
本発明の実施の形態では、移送装置は、吸着路と、吸引頭又は捕捉具を備える産業用ロボットとを備え、産業用ロボットは、吸着路から吸着する薄膜材料の少なくとも一部を第2の延伸装置の搬送装置かつ/又は移送装置の固定移送機に搬送する。信頼性の高い産業用ロボットにより、確実に案内ウェブを搬送することができる。
【0033】
例えば、垂直に配置される吸着路は、供給路及び/又は第1の搬送路の一部である。
【0034】
固定移送機は、複数の入口レールの各々に割り当てられる少なくとも2つの横断方向移送部を有する。
【0035】
例えば、固定移送機は、第2の延伸装置の搬送装置に薄膜材料を搬送する。
【0036】
吸着路から第2の延伸装置の搬送装置及び/又は固定移送機への搬送路を構成する回転可能かつ/又は高さ調節可能な薄膜材料用の支持体を設けて、主帯材を容易に装入することができる。
【0037】
本発明の実施の形態の供給装置は、吸着路領域、特に、吸着路の搬出方向下流半領域に配置される第2の切断装置を備える。第2の切断装置により、案内帯材を横断方向に確実に細分化することができる。
【0038】
支持体領域、特に、支持体の上流半領域に設けられる供給装置は、故障時に薄膜材料を分離する第3の切断装置を備える。
【0039】
本発明の実施の形態の移送装置は、1つの第1の切断装置と、吸引頭を有する1つの第2の産業用ロボットとを備え、第2の産業用ロボットは、吸着路上の薄膜材料の一部を吸着して、第2の延伸装置の搬送装置に吸着する薄膜材料の一部を引き渡しかつ/又は移送装置の固定移送機に搬送する。このように、2つの案内帯材を自動的に処理できる。この処理は、例えば、幅広の複数の薄膜材料に有利である。
【0040】
本発明の他の実施の形態の移送装置は、第1の移送機と、第1の移送機の下流に配置される第2の移送機とを備え、特に、第1の移送機と第2の移送機との間に第1の切断装置が配置されかつ/又は第2の移送機の下流に材料貯蔵部が設けられる。これにより、特に、省空間配置が可能となる。
【0041】
移送機は、例えば、移送ベルト、特に、吸引移送ベルト又は複数のローラを備える支持板である。
【0042】
第1及び/又は第2の移送機は、高さを調節できる。
【0043】
第1及び/又は第2の移送機は、搬出方向の複数の側面の少なくとも一方に、回転可能な支持翼を備え、支持翼の回転軸は、搬出方向に配置され、上方に回転する支持翼により、各移送機の載置面が横断方向に増大するので、異なる複数の幅の複数の薄膜材料を自動的に搬送することができる。
【0044】
本発明の課題は、特に、縦延伸装置の第1の延伸装置と、特に、横延伸装置の第2の延伸装置と、第1の延伸装置と第2の延伸装置との間に配置される前記供給装置とを備え、供給装置は、第1の延伸装置の出口で受け取る薄膜材料を第2の延伸装置に搬送して、薄膜材料を処理する薄膜材料処理装置により解決することができる。
【0045】
供給装置について説明する特徴と利点は、薄膜材料処理装置にも同様に適用でき、逆に薄膜材料処理装置の特徴と利点を供給装置にも適用できる。
【0046】
例えば、第1の延伸装置は、薄膜材料の恒久的な案内路を構成する移送装置の供給路に連絡する搬送路を備える。
【0047】
第2の延伸装置は、一対の入口レールを有する搬送装置を備え、特に、一対の入口レールは、横断方向に移動可能に駆動される複数の案内ローラを各々有し、薄膜材料を確実に取上げる1つの上部案内板を備える。
【0048】
特に、複数の入口レールの各々を、横断方向に個別に移動できる。
【0049】
例えば、複数の各入口レールは、複数の把持装置を有する搬送チェーンを備える。
【0050】
複数の案内ローラは、搬出方向と横断方向とに対して傾斜可能である。
【0051】
移送装置を搬送装置に接続し、特に、回転可能な移送機を第2の位置で複数の入口レールに接続し又は固定移送機を複数の入口レールに接続し又は少なくとも部分的に第2の延伸装置の複数の入口レール間に第2の移送機を配置して、第2の延伸装置に確実に薄膜材料を搬送できる
【0052】
自動供給装置により、特に、縦延伸装置の第1の延伸装置から特に、横延伸装置の第2の延伸装置に薄膜材料を自動的に搬送する下記工程を含む薄膜材料処理法により、本発明の課題は、解決される。
・供給装置を通り第1の延伸装置から薄膜材料を受け取る工程と、
・供給装置を通り薄膜材料の少なくとも1つの帯材を第2の延伸装置に搬送する工程。
【0053】
供給装置及び/又は供給設備について説明した前記特徴と利点は、薄膜材料処理法にも同様に適用でき、逆に薄膜材料処理法の特徴と利点を供給装置及び/又は供給設備にも適用できる。また、供給設備又は供給装置の各構成要素も、必要な工程を実行する。
【0054】
特に、第2の延伸装置の作動を中断して、薄膜材料を供給する必要はない。
【0055】
また、下記工程を含む本発明の薄膜材料処理法は、第1の延伸装置に薄膜材料を搬送する方法と様式を変更する必要がない。
・供給装置の分離装置により第1の延伸装置用の引張装置から薄膜材料の始端を分離する工程。
【0056】
例えば、本発明の薄膜材料処理法は、更に下記工程を含む。
・供給装置の材料貯蔵部に薄膜材料を移送する工程、
・供給装置の第1の切断装置により、1つの案内帯材と1つの主帯材とに搬出方向に薄膜材料を分割する工程又は供給装置の2つの第1の切断装置により、2つの案内帯材と、一対の案内帯材間にある1つの主帯材とに薄膜材料を搬出方向に分割する工程、
・供給装置の第2の切断装置により、1つの案内帯材又は両案内帯材を横断方向に分離する工程、
・供給装置の移送装置により、1つ又は2つの案内帯材を取上げる工程、
・供給装置の移送装置により、1つ又は2つの案内帯材を第2の延伸装置に搬送する工程、
・1つの案内帯材の外縁部又は2つの案内帯材の各外縁部を、第2の延伸装置の搬送装置に固定する把持留めする工程。
【0057】
案内帯材又は薄膜材料全体を一度に移動する必要がなく、取扱いが容易になる。
【0058】
本発明では、案内帯材の外縁部は、主帯材又は薄膜材料の中央部とは異なる案内帯材の縁部を意味する。
【0059】
材料貯蔵部への搬送時に、材料貯蔵部の送致機により薄膜材料を把持しかつ延伸して、材料貯蔵部に移送することができる。
【0060】
本発明の実施の形態では、複数の案内帯材の少なくとも1つの帯材を回転可能な移送機で搬送し、対応する案内帯材を第2の切断装置により分離するとき、回転可能な移送機は、第2の位置に移動する。別法として、第2の切断装置により各案内帯材を分離するとき、産業用ロボットの吸引頭又は捕捉具により、案内帯材を吸着して、案内帯材を第2の位置に移動する。他面、第2の切断装置により各案内帯材を分離するとき、案内帯材に最寄りの入口レールを、第2の移送機に向かい横断方向に移動して、案内帯材の外側縁部を入口レールに装入させる。いずれの方法でも、第2の延伸装置に案内帯材を確実に搬送することができる。
【0061】
下記工程を含む本発明の薄膜材料処理法は、更に供給信頼性を向上できる:
・横断方向に完全に主帯材を貫通して第1の切断装置を移動して、案内帯材を薄膜材料に一致させる工程、及び
・第2の延伸装置の搬送装置に、薄膜材料の第2の縁部を固定して把持留めする工程、又は
・横断方向に接近させて2つの第1の切断装置を移動し、次に、両切断装置を薄膜材料から離間する工程。
【0062】
本発明の実施の形態では、第1の切断装置の移動前又は移動間に、上面に主帯材が移動する回転可能な移送機は、第2の位置に移動する。換言すると、第1の切断装置の移動前若しくは移動間に、支持体を回転し又はその高さを調節して、吸着路から第2の延伸装置の搬送装置及び/又は固定移送機までの搬送路を形成する。又は、第1の切断装置の移動直後、移動前又は移動後に、複数の入口レールの他方は、第2の移送機に向かい横断方向に移動して、薄膜材料の長手方向の第2の縁部は、入口レールに係合する。
【0063】
本発明の薄膜材料処理法の別の実施の形態は、下記工程を含む:
・第3の切断装置により薄膜材料全体を分離する工程、
・供給装置の材料貯蔵部に薄膜材料を供給する工程。
【0064】
これにより、第2の延伸装置の故障時に、第1の延伸装置を停止する必要がない。
【0065】
本発明の他の特徴と利点は、下記説明と添付図面の内容から明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【
図1】本発明の第1の実施の形態による供給装置を備え、薄膜材料を処理する薄膜材料処理装置の一部を示す略示側面図
【
図2】
図1に示す供給装置の回転可能な移送機の斜視図
【
図3】本発明の薄膜材料処理法の工程を示す薄膜材料処理装置の略示側面図
【
図4】
図3の工程で供給装置の材料貯蔵部に薄膜材料を供給する部分正面図
【
図5】
図3と
図4に対応して本発明の薄膜材料処理法を実施する薄膜材料処理装置の側面図
【
図6】本発明の薄膜材料処理装置での薄膜材料を移送する部分正面図
【
図7】本発明の薄膜材料処理装置の第2の位置に回転した移送機を示す側面図
【
図8】材料貯蔵部内に保持する薄膜材料の主帯材を示す正面図
【
図9】第2の延伸装置に供給される薄膜材料全体を示す側面図
【
図10】材料貯蔵部に供給される薄膜材料を示す部分正面図
【
図11】材料製造を中断する工程の薄膜材料処理装置の断面図
【
図12】本発明の第2の実施の形態による供給装置の断面図
【
図14】産業用ロボットの吸引頭により薄膜材料を吸着路に移動して、薄膜材料の縁部との位置合わせを行う吸引頭を示す側面図
【
図15】第1の切断装置により案内帯材と主帯材とに薄膜材料を分割する正面図
【
図16】固定移送機に案内帯材を載置する産業用ロボットを示す側面図
【
図17】材料貯蔵部に継続的に供給する主帯材を示す正面図
【
図18】支持体を第2の位置に回転して、案内帯材を支持すると共に、固定移送機により入口レールに直接案内される案内帯材を示す側面図
【
図19】2つの入口レールで支持される薄膜材料全幅を示す断面図
【
図20】第2の延伸装置の作動中止時に入口レールから完全に分離される薄膜材料を示す側面図
【
図21】本発明の薄膜材料処理装置の供給装置の第3の実施の形態を示す側面図
【
図22】
図21の薄膜材料処理装置の供給装置の移送機を示す斜視図
【
図23】複数の入口レール間に配置される第2の移送機の一方の入口レールを例示する斜視図
【
図24】本発明の薄膜材料処理法により第2の延伸装置に薄膜材料を搬送する移送装置の入口レールの下流領域を示す断面図
【
図25】
図24の離間状態から薄膜材料に向かい内側に移動する一対の入口レールを示す正面図
【
図26】本発明の薄膜材料処理装置の第3の実施の形態を示す
図21の正面図
【
図27】両入口レールにより薄膜材料を支持して、下降した移送機を示す
図26の断面図
【発明を実施するための形態】
【0067】
図1は、第1の延伸装置12と、第1の延伸装置12の後段に配置される第2の延伸装置14と、第1の延伸装置12からの薄膜材料Mを第2の延伸装置14に搬送する供給装置16とを備える薄膜材料処理装置10を示す略示側面図である。
【0068】
薄膜材料Mは、例えば、ポリプロピレン(PP)又はポリエチレンテレフタレート(PET)により構成される樹脂薄膜である。
【0069】
第1の延伸装置12と第2の延伸装置14は、比較的厚肉の薄膜材料から極薄肉の薄膜材料2又は材料薄膜を製造する機能がある。
【0070】
薄膜材料処理装置10を通り搬送される薄膜材料Mは、
図1の左側から右側への搬出方向Rに向かって移動する。
【0071】
横断方向Qは、搬出方向Rに対し直角の水平方向である。薄膜材料処理装置内で正しく案内される薄膜材料Mは、僅かな弛緩を除き常に横断方向Qにも引張される。
【0072】
例えば、第1の延伸装置12は、縦延伸装置(Machine Direction Orienter、MDO)である。
【0073】
第1の延伸装置12は、複数のローラ18と、少なくとも1つの押圧ローラ20と、例えば、牽引チェーン等の引張装置22とを備える。
【0074】
第1の延伸装置12から排出される薄膜材料Mの出口までの搬送通路を構成する搬送路Tは、複数のローラ18と押圧ローラ20により形成される。
【0075】
例えば、不図示の複数の歯車及び/又は複数の案内ローラにより移動可能に支持される牽引チェーン等の引張装置22は、搬送路Tに対し平行に案内される。
【0076】
また、引張装置22は、搬送通路の搬送路Tから突出して、供給装置16の前面部を通って移動し、最終的に再び第1の延伸装置12に戻される。
【0077】
図示の例では、第2の延伸装置14は、横延伸装置(Transvere Direction Orienter, TDO)である。
【0078】
第2の延伸装置14は、2列の搬送レール26を有する搬送装置24と、搬送装置24により搬送レール26に沿って移動する複数の搬送チェーン30と、各搬送チェーン30に保持されて搬送レール26に沿って第2の延伸装置14内を通過する複数の把持装置28とを備える。
【0079】
図示の実施の形態とは異なり、同時延伸装置を使用する公知の方法により、横延伸装置(TDO)の第2の延伸装置14を形成できる。搬送チェーンのない同時延伸装置は、複数のリニアモータにより複数の把持装置を駆動して移動する搬送構造を有する。例えば、特許文献1~特許文献5により公知と思われるリニアモータ駆動の複数の延伸装置(例えば、複数の同時延伸装置又は原則的に複数の横延伸装置も該当する)については、特許文献1~特許文献5を参照されたい。
【0080】
複数の搬送レール26を構成する2つの入口レール31が搬送装置24に設けられる。第2の延伸装置14の第1の延伸装置12側の入口側に、複数の入口レール31が設けられる。
【0081】
複数の入口レール31を通じて第2の延伸装置14の搬送装置24に薄膜材料Mを装入できる。例えば、入口レール31に対向して設けられる複数の把持装置28は、薄膜材料Mの搬出方向(長手方向)Rの両縁部L1, L2(
図4)を把持し、複数の把持装置28により保持される両縁部L1, L2と共に薄膜材料Mは、搬出方向Rに搬送される。薄膜材料Mの長手方向の両縁部L1, L2を把持する過程を「把持固定」とも言う。その後、複数の把持装置28で把持される両縁部L1, L2を有する薄膜材料Mは、第2の延伸装置14の加熱炉内に移動される。
【0082】
複数の入口レール31の相互離間距離を変更すると共に、複数の入口レール31は、個別に横断方向Qに移動する構造を備える。
【0083】
第1の延伸装置12の薄膜材料Mの出口と第2の延伸装置14の薄膜材料Mの入口との間に、供給装置16が設けられる。
【0084】
第1の延伸装置12の出口から排出される薄膜材料Mを受け取る供給装置16は、第2の延伸装置14の入口レール31に薄膜材料Mを運搬する。
【0085】
供給装置16は、引張装置22の搬送端部に対向して配置される移送装置32と、移送装置32の下方に設けられる材料貯蔵部36と、移送装置32と材料貯蔵部36との高さ方向中間に設けられる分離装置37と、移送装置32の下流の搬送ローラ34付近に設けられる第1の切断装置38と、分離装置37の下方に設けられる第2の切断装置39と、分離装置37の上方に設けられる第3の切断装置40とを備え、移送装置32は、2つの搬送ローラ34と単一の押圧ローラ35とを有する。
【0086】
例えば、移送装置32の複数の搬送ローラ34は、供給装置16の架枠41に回転可能に取り付けられる。第1の延伸装置12とは別に架枠41を設け又は第1の延伸装置12の架枠41又は枠組みの一部に架枠41を設けてもよい。
【0087】
例えば、巻掛部として、下流の搬送ローラ34より低い位置に、上流の搬送ローラ34が設けられるが、2つの搬送ローラ34を架枠41に設けてもよい。
【0088】
第1の延伸装置12から下方に薄膜材料を排出すれば、逆に上流の搬送ローラ34よりも低い位置に下流の搬送ローラ34を配置してもよい。
【0089】
例えば、複数の搬送ローラ34、特に、下流の搬送ローラ34に駆動型吸引ローラを使用できる。
【0090】
上流の搬送ローラ34の下方に配置される押圧ローラ35は、上流の搬送ローラ34に対し薄膜材料Mを押圧する。
【0091】
搬送ローラ34は、第1の延伸装置12の出口に続く薄膜材料M用の供給路Zを構成する。
【0092】
第1の延伸装置12の引張装置22を構成する牽引チェーンは、供給路Zに平行に配置され、架枠41は、引張装置22の下方への供給路Zに平行に案内される。
【0093】
例えば、複数の回転軸上に支持される複数の歯車又は案内ローラを、同様に搬送ローラ34に対応して架枠41に回転可能に設けることができる。
【0094】
また、架枠41に設けられる歯車又は案内ローラ42により、第1の延伸装置12側の引張装置22の帰還通路を形成してもよい。
【0095】
従来の通常構造とは異なり、少なくとも部分的に第1の延伸装置12の外側に突出して、引張装置22の牽引チェーンを配置することができる。
【0096】
図1に示す第1の実施の形態の複数の搬送ローラ34を除き、移送装置32は、架枠41に回転可能に取り付けられる移送機43も備える。
【0097】
【0098】
回転可能な移送機43は、横断方向Qに互いに離間して配置されかつ独立して回転する一対の縁部(移送縁部)44と、一対の縁部44間に配置される中央部(移送中央部)5との3部分で構成される。
【0099】
両縁部44の各上流端は、架枠41に取り付けられる回転軸周りに横断方向Qに回転可能に軸着される。
【0100】
横断方向Qに移動可能な両縁部44は、幅の異なる薄膜材料Mも確実に支持する。
【0101】
両縁部44は、上流端から下流端に薄膜材料Mを移動する移送ベルト、特に、吸引式移送ベルトを有する。
【0102】
薄膜材料Mを搬送する複数の駆動型ローラを備える単一の支持板を両縁部44に設けることもできる。
【0103】
図1の実施の形態の移送装置32には、固定移送機52も設けられる。
【0104】
固定移送機52は、例えば、移送ベルト、特に、吸引式移送ベルト又は複数のローラを備える支持板により構成される。
【0105】
固定移送機52は、第2の延伸装置14の複数の入口レール31の各々に割り当てられる独立して横断方向Qに移動する2つの移送機76, 78を有する。
【0106】
固定移送機52の2つの移送部機76, 78は、例えば、対応する複数の入口レール31に固定されている。
【0107】
2つの移送機76, 78を有する固定移送機52に設けられる上方支持板53は、
図9に示す上昇位置から
図18に示す下降位置に移動して薄膜材料Mの複数の帯材64, 66を挟持して、移送機76, 78により各帯材64, 66を移送する。
【0108】
このように、薄膜材料Mが搬送される回転可能な移送機43の下流に固定移送機52が、配置される。
【0109】
移送機43の下流端及び/又は移送機43と固定移送機52との間の搬送路F2の縁部領域にのみ、2つの縁部押圧ローラ54を設けることができる。
【0110】
図1に示す移送機43の回転可能な上流端を供給路Zに直接接続して、下流の搬送ローラ34の直下に移送機43を配置することができる。
【0111】
垂直下方の
図1の第1の位置と、上方に回転される
図7の第2の位置とに、回転可能な移送機43又は両縁部44, 45の各々を個別に配置できる。
【0112】
図1は、垂直下方の第1の位置に配置した回転可能な移送機43又は両縁部44, 45を示す。
【0113】
第1の位置に配置される回転可能な移送機43は、第1の搬送路F1を構成する。回転可能な移送機43の上流端は、供給路Zに直接接続されるので、第1の搬送路F1は、材料貯蔵部36、正確には送致機46に向かい垂下する。
【0114】
図7に示す回転可能な移送機43の下流端を第2の位置に配置すると、移送機43は、固定移送機52に向かう第2の搬送路F2を構成し、第2の搬送路F2は、固定移送機52を介して供給路Zの下流側の回転可能な移送機43の上流端から搬送装置24を構成する第2の延伸装置14の複数の入口レール31にも接続される。
【0115】
回転可能な移送機43の個別に回転する両縁部44の一方の縁部44が、
図1に示す第1の位置にあるとき、薄膜材料Mの一方の帯材(66)に対し、横断方向Qの第1の搬送路F1を形成するが、
図7に示す第2の位置にある移送機43の両縁部44の他方の縁部44は、横断方向Qに沿う薄膜材料Mの他方の帯材(64)に対し、固定移送機52に連絡する第2の搬送路F2を形成する。
【0116】
少なくとも回転可能な移送機43又は両縁部44が第1の位置にあるとき、材料貯蔵部36は、回転可能な移送機43の下方に配置される。
【0117】
材料貯蔵部36は、2つの供給ローラ47を有する送致機46を備える。対向する2つの供給ローラ47の一方は、他方に対し進退自在に移動し、2つの供給ローラ47間に薄膜材料Mを挟持して、薄膜材料Mを搬送する。
【0118】
送致機46の下方に配置される材料貯蔵部36は、薄膜材料Mを収納する収集容器50を有する。例えば、粉砕機(グラインダともいう)が収集容器50内に配置される。
【0119】
粉砕機は、薄膜材料Mを粉砕して、生成される複数の材料細片を再び押出機に供給して、材料の再利用を図るものである。
【0120】
図示の実施の形態では、供給路Zと第1の搬送路F1又は第2の搬送路F2との間の移行部で材料貯蔵部36の上流に分離装置37が設けられる。
【0121】
分離装置37は、例えば、薄膜材料の縁部領域に取り付けられるU字型刃又はナイフで構成される。
【0122】
第1の切断装置38は、例えば、所謂横断切断機として供給路Z、特に、下流搬送ローラ34の領域に設けられる。
【0123】
第1の切断装置38は、横断方向Qに移動する搬出方向Rの刃56(
図5)を有する。
【0124】
第1の切断装置38は、材料貯蔵部36、移送装置32又特に、回転可能な移送機43の上流に設けられる。
【0125】
第2の切断装置39は、薄膜材料Mの帯材64を横断方向Qに分離する切断刃として構成される。
【0126】
薄膜材料Mの下方に設けられる静止刃と協働して、薄膜材料Mを挟持して切断する回転可能な鋏刃を第2の切断装置39に設けてもよい。
【0127】
第2の切断装置39は、第1の搬送路F1の下流搬送ローラ34の下流に配置される。図示の実施の形態では、第2の切断装置39は、回転可能な移送機43の搬出方向R領域、即ち移送機43の縁部44の回転可能な領域に設けられる。
【0128】
第2の切断装置39は、例えば、移送機43の回転可能な下流半領域に配置される。
【0129】
第2の搬送路F2の領域に設けられる第3の切断装置40は、搬送路F2の全幅に沿い横断方向Qに移動して、薄膜材料Mを完全に切断する刃58(
図11)を有する。
【0130】
回転可能な移送機43が第2の位置にあるとき、第3の切断装置40は、例えば、移送機43の回転可能な上流半領域に設けられる。
【0131】
図3~
図10は、第1の延伸装置12から第2の延伸装置14に薄膜材料を搬送する本発明の薄膜材料処理装置10の種々の処理工程を示す。
図1と同様の側面図の
図3、
図5、
図7及び
図9に、各供給装置16を備える薄膜材料処理装置10を示す。
【0132】
図4、
図6、
図8、
図10は、材料貯蔵部36への垂直供給面に対し直角な矢視の搬出方向Rの薄膜材料Mを示す。
【0133】
図示の例では、薄膜材料処理の開始時に、薄膜材料Mは、牽引チェーンを有する引張装置22により第1の延伸装置12を通り案内される。案内される薄膜材料Mは、例えば、ロープ等の案内具により引張装置22に連結される。
【0134】
薄膜材料Mの搬出方向Rの上流端に穿設される開口部には、ロープ等の案内具の一端が係止される。案内具の他端は、引張装置22に連結される。
【0135】
引張装置22により供給路Zと平行に供給装置16に案内される薄膜材料Mは、第1の延伸装置12を通り引張装置22により牽引される搬送過程の一部で、供給装置16を通過する。
【0136】
このように、薄膜材料Mは、第1の延伸装置12から供給装置16に装入される。
【0137】
回転可能な移送機43は、当初は、完全に垂直な第1の位置に配置される。
【0138】
図示の実施の形態では、供給路Zから第1の搬送路F1に搬送される薄膜材料Mの案内具ロープは、薄膜材料Mに向かい移動する分離装置37により、薄膜材料Mから分離される。
【0139】
このように、案内具ロープは、分離装置37のU字型刃に案内されて、刃で切断されるので、薄膜材料Mは、牽引チェーンの引張装置22から分離される。
【0140】
別法として、案内具を取り付ける箇所の後方で、分離装置37により全幅に沿って薄膜材料Mを分離してもよい。この方法でも、薄膜材料Mは、引張装置22の牽引チェーンから解放される。
【0141】
引張装置22に残る一片の案内具は、引張装置22と共に第1の延伸装置12に戻される。第1の延伸装置12の複数のローラ18とは別に、引張装置22を停止又は減速させて、案内具の残る一片のロープを除去できる。
【0142】
案内具の分離と同時に、第1の搬送路F1を構成する回転可能な移送機43に沿って、薄膜材料Mは、材料貯蔵部36内に落下し収容される。
【0143】
全幅に沿って分割されない
図4に示す薄膜材料Mは、完全に材料貯蔵部36内に収容される。
【0144】
引張装置22から分離される薄膜材料Mが材料貯蔵部36に到達すると同時に、例えば、複数の供給ローラ47は、互いに接近して薄膜材料Mを把持すると、送致機46は、閉鎖状態に維持される(
図5)。
【0145】
送致機46の複数の供給ローラ47及び/又は下流の搬送ローラ34により、薄膜材料Mには、所望の搬出方向Rの引張応力が加えられる。
【0146】
回転可能な移送機43の複数の縁部44の一方の縁部44の横断方向Qの位置を変更して、搬出方向Rに回転する移送機43の縁部44を、薄膜材料Mの長手方向縁部L1の下方に配置もできる。
【0147】
この目的に対し、薄膜材料Mの長手方向の第1の縁部L1の位置を、縁部測定器62により横断方向Qに測定して、移送機43の縁部44を薄膜材料Mの長手方向縁部L1の下方に配置する。縁部測定器62は、例えば、薄膜材料Mの長手方向の両縁部L1, L2の一方の縁部L1, L2の位置を検出する検出器である。
【0148】
長手方向の第2の縁部L2の位置を測定する第2の縁部測定器62が薄膜材料Mの他方の側に設けられる。
【0149】
縁部測定器62は、例えば、供給路Zに設けられる供給装置16の一部でもよいが、供給路Z内又は第1の搬送路F1の他の箇所に縁部測定器62を設けてもよい。また、縁部測定器62は、第1の延伸装置12の縁部測定器でもよい。
【0150】
図5に示す第1の切断装置38を操作して薄膜材料Mに向かって移動すると、第1の切断装置38の刃56は、薄膜材料Mを貫通し、搬出方向Rの貫通口が薄膜材料Mに形成される。
【0151】
その結果、
図6に示す薄膜材料Mは、搬出方向Rの案内帯材64と主帯材66とに切断される。例えば、100mm~300mm、特に、200mmの横断方向幅の案内帯材64に対し、第1の切断装置38の刃56は、長手方向の第1の縁部L1の距離で薄膜材料Mを切断する。
【0152】
案内帯材64と主帯材66は、まず、材料貯蔵部36内に収容される。
【0153】
その後、例えば、
図7に示す第2の切断装置39を、薄膜材料Mの外側位置から第1の切断装置38の刃56の位置に横断方向Qに移動して、第2の切断装置39により案内帯材64を横断方向Qに切断する。
【0154】
第2の切断装置39を所定幅の切断装置としても形成できる。
【0155】
第2の切断装置39により案内帯材64を切断すると、案内帯材64の下方に配置される回転可能な移送機43の対応する縁部44は、第2の位置に移動する。
【0156】
その後、分離されずに残る案内帯材64は、第2の搬送路F2に沿って固定移送機52に供給される。
【0157】
一対の縁部押圧ローラ54を閉鎖して挟持される案内帯材64を固定移送機52に搬送すると、回転可能な移送機43から固定移送機52に案内帯材64を容易に移送できる。
【0158】
その後、案内帯材64は、固定移送機52により、第2の延伸装置14の複数の入口レール31(薄膜材料Mの長手方向の第1の縁部L1に対応する)に供給される。
【0159】
対応する入口レール31を横断方向Qに移動して、案内帯材64の長手方向の第1の縁部L1又は案内帯材64の対応位置に、入口レール31の位置を予め整合させる。
【0160】
案内帯材64の第1の縁部L1は、固定移送機52により入口レール31に装着され、固定又は把持留めされ、複数の把持装置28により把持される。
【0161】
案内帯材64の第1の縁部(外縁部)L1は、主帯材66又は薄膜材料Mの中央とは異なる縁部である。
【0162】
このように、案内帯材64は、第2の延伸装置14内に装入され、第2の延伸装置14の搬送装置24により更に搬送される。
【0163】
逆に、
図8に示す主帯材66は、引き続き材料貯蔵部36内に保持される。第2の切断装置39が横断方向に切断する案内帯材64の切断箇所を明確に決定できる。
【0164】
案内帯材64を支持しない回転可能な移送機43の第2の縁部44又は移送中央部45を、薄膜材料Mの長手方向の第2の縁部L2又は主帯材66の下方に移動すれば、第2の延伸装置14に第2の縁部L2又は主帯材66も供給できる。
【0165】
このとき、長手方向の第2の縁部L2の位置を測定する第2の縁部測定機器62の測定値が使用される。
【0166】
また、案内帯材64を把持しない第2の入口レール31は、横断方向Qに移動され、薄膜材料Mの長手方向第2の縁部L2に対応する位置に配置される。
【0167】
そこで、第1の切断装置38は、長手方向の第2の縁部L2も通り、主帯材66を完全に通過して横断方向に移動され、薄膜材料Mの長手方向の第2の縁部L2に達する。
【0168】
第1の切断装置38の移動範囲は、薄膜材料Mの幅に等しく一致するように案内帯材64の幅を常に増加する。
【0169】
第1の切断装置38が主帯材66を完全に通過する直前に、同時に又は直後に、回転可能な移送機43の移送中央部45も縁部44も第2の位置に回転される。
【0170】
このため、薄膜材料Mの複数の残部も第2の搬送路F2に移動される。
【0171】
そこで、縁部押圧ローラ54は、回転可能な移送機43と固定移送機52との間での長手方向の第2の縁部L2の搬送を支持する。
【0172】
その後、長手方向の第2の縁部L2は、固定移送機52により、長手方向の第2の縁部L2に対応する第2の入口レール31に装着される。これにより、薄膜材料Mの長手方向の第2の縁部L2は、搬送装置24の把持装置28内に装入され、複数の把持装置2824は、第2の縁部L2の把持を固定する。
【0173】
各帯材64と主帯材66を上方から第2の入口レール31に供給し、その後、固定移送機52の上方支持板53を下方に移動して、把持装置28による帯材64と主帯材66での把持を支援する。
【0174】
従って、薄膜材料Mの長手方向の第2の縁部L2も、第2の延伸装置14の搬送装置24の把持装置28により確実に把持される。
【0175】
図9に示す薄膜材料M全体が第2の延伸装置14内に装入されるので、材料貯蔵部36内にはもはや帯材64と主帯材66は、供給されない。
【0176】
第2の延伸装置14に薄膜材料Mを完全に投入して、薄膜材料処理装置10全体で生産工程に移行するので、例えば、生産速度と材料生産能力が向上する。その後、例えば、回転可能な移送機43を第1の位置に回転して復帰させる。
【0177】
第2の延伸装置14の故障時に、第2の延伸装置14の作動を停止ししかも第2の延伸装置14への薄膜材料Mの供給を中断する必要がある。
【0178】
この場合、回転可能な移送機43の上方に配置される第3の切断装置40により、薄膜材料M全体を完全に切断する。例えば、第3の切断装置40の刃58が、薄膜材料Mを貫通し、移送機43を第1の位置に保持するが、第2の位置にあれば第1の位置に移動する。
【0179】
第3の切断装置40で切断した薄膜材料Mは、次に下方に落下して、材料貯蔵部36内に収容される。切断過程にある移送機43は、必要に応じて薄膜材料Mを支持しかつ材料貯蔵部36方向に薄膜を移送する。
【0180】
その後、材料貯蔵部36の送致機46を閉鎖して、材料貯蔵部36内に薄膜材料Mを供給して、薄膜材料Mを所定の張力に維持する。
【0181】
従って、第2の延伸装置14が故障しても、第1の延伸装置12は、運転を継続する。
【0182】
作動可能状態に復帰した直後の第2の延伸装置14内に、再び薄膜材料Mが供給されるが、
図4に示す薄膜材料Mは、既に材料貯蔵部36に供給されるため、分離装置37は、もはや不要である。
【0183】
このように、供給装置16により第1の延伸装置12から薄膜材料Mを受け取り、供給装置16から第2の延伸装置14に薄膜材料Mを全自動で移送することができる。
【0184】
第2の延伸装置14の作動も自動で中断し遮断した後、新たに作動可能状態に復帰する第2の延伸装置14に、再び自動的に薄膜材料を供給することができる。
【0185】
前記自動化構造により、第2の延伸装置14に薄膜材料Mを搬送する人手を大幅に削減できる。同時に、第1の延伸装置12と第2の延伸装置14とを互いに接近して配置する結果、薄膜材料処理装置10の全長を短縮できる。
【0186】
図示の第1の実施の形態では、2つの案内帯材64を使用できる。
【0187】
第1の実施の形態による薄膜材料処理法は、単一の案内帯材64を用いる前記の方法と実質的に同一の処理が行われる。この場合、搬出方向Rには同一位置に配置される一対の第1の切断装置38は、互いに対向して横断方向Qに配置される。従って、第1の切断装置38の背後に配置される第2の切断装置39の一方のみを図示し、一対の第2の切断装置39と同様に、一対の第1の切断装置38の一方のみを示す。
【0188】
一対の第1の切断装置38と一対の第2の切断装置39のうち一方の第1の切断装置38と第2の切断装置39は、前記のように作動し、他方の第1の切断装置38は、薄膜材料Mの長手方向の第2の縁部L2の第2の案内帯材64を切断し分離する。例えば、
図6の破線で示す第2の案内帯材64の幅は、第1の案内帯材64の幅に一致する。
【0189】
従って、第1の案内帯材64と第2の案内帯材64との間に、主帯材66が形成される。
【0190】
回転可能な移送機43の対応する移送縁部44は、回転可能な移送機43の移送中央部45とは独立して第2の位置に回転されるので、移送縁部44上の第2の案内帯材64は、固定移送機52に引き渡され移送される。例えば、他方の縁部44と同時に固定移送機52に引き渡される。
【0191】
これにより、第2の案内帯材64は、長手方向の第2の縁部L2に相当する第2の入口レール31に装入される結果、第2の案内帯材64の外縁部は、入口レール31に取付けられ、特に、把持留めされる。
【0192】
特に、第1の案内帯材64を切断・分離しかつ把持留めすると同時に、第2の案内帯材64を切断・分離しかつ把持留めすると、最初、両案内帯材64のみが第2の延伸装置14内に装入される。
【0193】
主帯材66は、引き続き材料貯蔵部36に供給される。
【0194】
単一の第1の切断装置38とは異なり、一対の第1の切断装置38は、横断方向Qに接近移動されて隣接位置に配置される。その後、両案内帯材64と、主帯材66の残部とが再結合される単一の統合薄膜材料Mが形成されて、両第1の切断装置38の各刃56を薄膜材料Mから戻される場合もある。
【0195】
複数の案内帯材64の外縁部を構成する薄膜材料Mの長手方向の両縁部L1, L2を第2の延伸装置14に装入すると、主帯材66を含む薄膜材料M全体が第2の延伸装置14に供給される。回転可能な移送機43の移送中央部45も第2の位置に移動して、この目的と支持が達成される。
【0196】
図12~
図27は、前記実施の形態に実質的に対応する本発明の他の実施の形態を示す。前記実施の形態との相違点のみを下記に説明し、同一かつ機能的に同一の部分には同一の参照符号を付する。
【0197】
図12は、本発明の第2の実施の形態による供給装置16を備える薄膜材料処理装置10の略示側面図である。
図12の説明は、
図3に略対応する。
【0198】
第1の実施の形態と異なり、第2の実施の形態の供給装置16では、回転可能な移送機43が省略される。
【0199】
回転可能な移送機43の代わりに、薄膜材料Mを支持する支持体68が設けられる。
【0200】
回転可能な移送機43と同様に、支持体68は、第1の位置と第2の位置と間で回転可能に架枠41に取り付けられる。
【0201】
代替又は追加して、支持体68の高さのみを調節できる。
【0202】
回転可能な移送機43と同様に、支持体68は、互いに独立して作用する横断方向Qに複数の移送部、特に、移送中央部を有する。
【0203】
架枠41に当接する第1の位置に支持体68を垂直に配置するとき、薄膜材料Mは、下流の搬送ローラ34により材料貯蔵部36内に供給される。これは、第1の実施の形態の第1の搬送路F1と略同様である。
【0204】
固定移送機52に向かって支持体68の下端を上方に回転すると、支持体68は、第2の位置に保持される(
図18)。
【0205】
図18に示す第2の位置での支持体68は、下流の搬送ローラ34から固定移送機52への搬送路を形成するので、
図7の第1の実施の形態の第2の搬送路F2にほぼ相当する。
【0206】
第2の実施の形態の供給装置16は、遠隔操作機72と、作動体としての吸引頭又は捕捉具74とを有し、移送装置32の一部を構成する産業用ロボット70を備える。
【0207】
例えば、架枠41に取り付けられる産業用ロボット70は、
図12に示す実施の形態では、第1の延伸装置12に取り付けられる。
【0208】
例えば、支持体68が第1の位置にあるとき、供給装置16は、第1の搬送路F1の一部を構成する垂直方向に配置される吸着路Aを有する。
【0209】
吸着路Aは、供給路Zの一部でもよい。
【0210】
第2の実施の形態の第2の切断装置37は、吸着路Aの領域、特に、下流半領域に設けられる。
【0211】
第3の切断装置40は、支持体68の上流半領域に設けられる。
【0212】
第1の実施の形態で説明したように、分離装置37で引張装置22から分離される薄膜材料Mは、第2の延伸装置14に供給される(
図12)。
【0213】
その後、第1の位置にある全薄膜材料Mは、支持体68に沿って垂直下方に搬送され、材料貯蔵部36内に供給される(
図13)。
【0214】
送致機46又は複数の供給ローラ47は、支持体68に沿って垂直下方に搬送される薄膜材料Mを把持して、収集容器50に薄膜材料Mを供給する。このとき、薄膜材料Mに引張力が設定される。
【0215】
次に、
図14に示す産業用ロボット70に設けられる吸引頭74は、吸着路Aに移動し、縁部測定機器62の測定値に基づき、薄膜材料Mの長手方向の縁部L1と、吸引頭74との位置合わせが、行われる。
【0216】
この時点で、横断方向Qの対応位置に、入口レール31の一方又は双方を移動することができる。
【0217】
ここで、第1の実施の形態で説明したように、第1の切断装置38を操作して、薄膜材料Mは、案内帯材64と主帯材66とに分割される(
図15)。
【0218】
次に、遠隔操作機72により、案内帯材64上に移動する吸引頭74は、案内帯材64を吸着して取上げる。
【0219】
吸引頭74は、薄膜材料Mを支持体68に押圧して、案内帯材64を吸着して取上げる。
【0220】
案内帯材64の取上げ時又は取上げ後、吸引頭74は、送致機46方向に短距離移動して、薄膜材料Mを移動させる。
【0221】
同時に又は直後に、第2の切断装置39は、吸引頭74の下流の案内帯材64を切断する。
【0222】
図16に示す産業用ロボット70は、吸引頭74と共に案内帯材64を移動して、第2の延伸装置14の固定移送機52上に案内帯材64を載置する。その後、吸引頭74は、案内帯材64を解放しかつ案内帯材64から離間する。
【0223】
第1の実施の形態での説明のように、案内帯材64の外縁部は、その後、固定移送機52を通り入口レール31に装入され、搬送装置24の把持装置28により把持される。
【0224】
固定移送機52のない供給装置16の代わりに、産業用ロボット70で、第2の延伸装置14の入口レール31に案内帯材64を直接装入してもよい。
【0225】
産業用ロボット70により案内帯材64を移動する間、主帯材66は、
図17に示す材料貯蔵部36内に継続的に供給される。
【0226】
続いて、第2の延伸装置14の第2の入口レール31は、移動前であれば、同様に縁部測定機器62のデータに基づき、横断方向Qに移動されて、薄膜材料Mの長手方向の第2の縁部L2に対応する位置に到達する。
【0227】
ここで、第1の実施の形態で説明したように、第1の切断装置38は、主帯材66を完全に貫通して移動して案内帯材64を拡大する。
【0228】
次に、より大きい案内帯材64を支持する支持体68を第2の位置に回転し、固定移送機52は、直接入口レール31に案内帯材64を案内する(
図18)。
【0229】
図19に示す時点では、薄膜材料M全体は、2つの入口レール31上に支持され、もはや材料貯蔵部36には供給されない。
【0230】
図19に示すように、入口レール31上に薄膜材料Mを確実に搭載できるため、第2の延伸装置14は、薄膜材料Mの生産を開始できる。
【0231】
図11とほぼ同様の
図20は、第2の延伸装置14が作動を中断するとき、入口レール31から完全に分離する薄膜材料Mを示す。第1の実施の形態で説明したが、第3の切断装置40により送致機46の上方で切断・分離する薄膜材料Mは、送致機46内に落下する。
【0232】
第2の実施の形態の原理により、2つの案内帯材64を使用するとき、2つの第1の切断装置38と2つの第2の切断装置39は、第1の実施の形態と同様に作動する。
【0233】
また、第1の産業用ロボット70に加えて、薄膜材料Mの長手方向の第2の縁部L2に設けられる第2の産業用ロボット70により、第2の案内帯材64(
図15に破線で示す)を吸着し、固定移送機52又は対応する入口レール31に移動することができる。第1の産業用ロボット70の移動と同様に、第2の産業用ロボット70が作動される。
【0234】
次に、両第1の切断装置38は、前記のように、互いに接近して移動し、薄膜材料Mから離間して移動される。代替例では、第2の位置に移動される支持体68により、薄膜材料Mを支持することもできる。
【0235】
2台の産業用ロボット70を使用する限り、支持体68は支持中央部のみが必須である。
【0236】
図21~
図27は、本発明の第3の実施の形態の供給装置16を備える薄膜材料処理装置10を示す。
【0237】
回転可能な移送機43又は支持体68は、第3の実施の形態の移送装置32を備えない。
【0238】
移送装置32は、第1の移送機76と、第1の移送機76の下流に配置される第2の移送機78とを備える。
【0239】
第1の移送機76は、第1の延伸装置12に略直接接続され、供給路Zを形成する。
【0240】
第1の移送機76と第2の移送機78は、例えば、複数の移送ベルト、特に、複数の吸引移送機又は複数のローラを備える複数の支持板で構成される。
【0241】
第1の切断装置38は、第1の移送機76と第2の移送機78との間に配置され、材料貯蔵装置36は、第2の移送機78の下流に配置される。
【0242】
下流の搬送ローラ34は、分離装置37と同様に第2の移送機78の下流に配置される。
【0243】
図22は、第1の移送機76と第2の移送機78の斜視図を示す。
【0244】
共通の垂直調節装置80により、第1の移送機76と第2の移送機78の高さを共に調整できることは容易に理解されよう。
【0245】
また、第1の移送機76と第2の移送機78の長手方向に、夫々単一の回転可能な支持翼82が設けられる。支持翼82の回転軸は、搬出方向Rに配置される。
【0246】
複数の支持翼82を上方に回転すると、複数の移送機76, 78の載置面を横断方向Qに拡張し、しかも薄膜材料Mの幅に載置面を合致させることができる。
【0247】
第1の移送機76と第2の移送機78を有する移送装置32は、第2の延伸装置14の両入口レール31間の横断方向Qに部分的に配置される。特に、複数の入口レール31間に配置される第2の移送機78を、複数の入口レール31の一方の例として
図23に示す。
【0248】
複数の入口レール31は、複数の入口レール31間に形成される装入隙間の上方に配置される上部案内板84を夫々有する。
【0249】
複数の上部案内板84は、例えば、垂直方向に移動ししかも搬出方向Rと横断方向Qとに対して斜めに配置される複数の案内ローラを有する。複数の把持装置28が把持する薄膜材料Mを複数の案内ローラにより積極的に搬送することができる。
【0250】
第3の実施の形態の供給装置16では、第1の切断装置38が機能を担う第2の切断装置39は、不要である。
【0251】
図24~
図27は、第2の延伸装置14に薄膜材料Mを搬送する薄膜材料処理法の移送装置32より下流の入口レール31の領域を示し、搬出方向とは直角方向の薄膜材料処理装置10の断面図である。
【0252】
第3の実施の形態では、薄膜材料M高さ又は第2の延伸装置14の搬送装置24高さの作業位置に複数の移送機76, 78が移動して、第2の延伸装置14に薄膜材料Mが装入される。
【0253】
複数の入口レール31は、横断方向Qの最大離間幅に移動できる。
【0254】
第1の延伸装置12及び供給装置16を通り第1の移送機76と第2の移送機78を有する下流の複数の搬送ローラ34に、薄膜材料Mは、第1の実施の形態と類似の引張装置22により牽引される。
【0255】
次に、分離装置37により薄膜材料Mから案内具60が切断・分離され、薄膜材料Mは、材料貯蔵部36内に供給される。これは、例えば、移送機76,78により行われる。
【0256】
その後、送致機46は、閉鎖されて、薄膜材料Mは、送致機46により把持される。
【0257】
ここで、下流の搬送ローラ34、第1の移送機76、第2の移送機78によりかつ/又は送致機46内で、所望の引張力が、薄膜材料Mに加えられる(
図24)。
【0258】
また、複数の移送機76, 78の各支持翼82が上方に回転して開く。
【0259】
その際、縁部測定器62が検出する薄膜材料の幅に完全には一致せず、狭い程度に回転される複数の支持翼82は、移送機76の載置面を拡大する。
【0260】
この際、薄膜材料Mの測定した幅よりも小さく載置面の幅が、選択されるため、薄膜材料Mの長手方向の複数の縁部L1, L2は、横断方向Qの各側で載置面の幅から突出する。
【0261】
両入口レール31は、複数の移送機76, 78方向に移動されて、入口レール31と各支持翼82との間の距離は、載置面上方の薄膜材料Mの横断方向Q突出距離より減少する。
【0262】
従って、薄膜材料Mの長手方向の複数の縁部L1, L2は、入口レール31上を移動する。このとき、複数の入口レール31から突出する複数の上部案内板84(両入口レール31の収容部の上方で中央に突出する)は、長手方向の縁部L1, L2での薄膜材料Mの湾曲変形(所謂カール)を防止する作用がある。
【0263】
ここで、薄膜材料Mの中央に向けて 第1の切断装置38を少し移動させて、長手方向の複数の縁部L1, L2の一方から案内帯材64を切断・分離する。
【0264】
同時に、入口レール31の複数の把持装置28に把持される外縁部を有する案内帯材64に向かい、入口レール31(
図25)は、内側に移動する。入口レール31は、案内帯材64に対応する薄膜材料側に移動されて、案内帯材64の外縁部は、入口レール31に接触する。
【0265】
第1の切断装置38は、例えば、1回の移動でも、薄膜材料Mを完全に貫通する。第1の切断装置38は、薄膜材料Mを完全に貫通し、その直後、第2の入口レール31は、案内帯材64の反対側で、更に内側に移動する。
【0266】
第2の入口レール31は、内側に移動して、薄膜材料Mの長手方向の第2の縁部L2は、入口レール31に装入されかつ把持装置28により把持される。
【0267】
このとき、
図26に示す薄膜材料M全体は、第2の延伸装置14に移動するため、もはや材料貯蔵部36には供給されない。
【0268】
次に、
図27に示す非接触位置の下方に移送装置32を移動して、移送機76, 78と薄膜材料Mとの不要な摩擦を防止する。
【0269】
このように、第2の延伸装置14内に完全に装入される薄膜材料Mを薄膜材料処理装置10での生産工程に移行できる。
【0270】
第3の実施の形態では、第2の延伸装置14の機能欠陥時に、まず、
図27に示す非接触位置にある移送装置32を再び上方に移動して、移送装置32を薄膜材料Mに接触させて、再び材料貯蔵部36に薄膜材料Mを供給する。その後、第1の切断装置38により薄膜材料Mを完全に切断し、把持装置28による把持を解放する状態で、入口レール31を外側に移動して、薄膜材料Mは、もはや入口レール31での移動を中止する。
【0271】
次に、複数の移送機76, 78により、薄膜材料Mを材料貯蔵部36に供給する。
【0272】
第3の実施の形態でも、2つの案内帯材64を採用できる。この目的で、前記と同様に、2つの第1の切断装置38を使用して、2つの案内帯材64を分離する。例えば、両入口レール31を同時に移動して、複数の案内帯材64の各外縁部を把持留めする。
【0273】
異なる実施の形態の種々の特徴を、互いに組み合わせることができよう。
【外国語明細書】