IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ イクイノックス オフサルミック インコーポレイテッドの特許一覧

<>
  • 特開-眼に関連した体内圧の特定および調節 図1A
  • 特開-眼に関連した体内圧の特定および調節 図1B
  • 特開-眼に関連した体内圧の特定および調節 図2
  • 特開-眼に関連した体内圧の特定および調節 図3
  • 特開-眼に関連した体内圧の特定および調節 図4
  • 特開-眼に関連した体内圧の特定および調節 図5
  • 特開-眼に関連した体内圧の特定および調節 図6
  • 特開-眼に関連した体内圧の特定および調節 図7
  • 特開-眼に関連した体内圧の特定および調節 図8
  • 特開-眼に関連した体内圧の特定および調節 図9
  • 特開-眼に関連した体内圧の特定および調節 図10
  • 特開-眼に関連した体内圧の特定および調節 図11
  • 特開-眼に関連した体内圧の特定および調節 図12
  • 特開-眼に関連した体内圧の特定および調節 図13
  • 特開-眼に関連した体内圧の特定および調節 図14
  • 特開-眼に関連した体内圧の特定および調節 図15
  • 特開-眼に関連した体内圧の特定および調節 図16
  • 特開-眼に関連した体内圧の特定および調節 図17
  • 特開-眼に関連した体内圧の特定および調節 図18
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023021152
(43)【公開日】2023-02-09
(54)【発明の名称】眼に関連した体内圧の特定および調節
(51)【国際特許分類】
   A61B 3/16 20060101AFI20230202BHJP
   A61F 9/007 20060101ALI20230202BHJP
【FI】
A61B3/16
A61F9/007 160
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022190027
(22)【出願日】2022-11-29
(62)【分割の表示】P 2021128035の分割
【原出願日】2016-08-25
(31)【優先権主張番号】62/210,751
(32)【優先日】2015-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/311,052
(32)【優先日】2016-03-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】518066149
【氏名又は名称】イクイノックス オフサルミック インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Equinox Ophthalmic,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】バーダール、ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ツァイ、ジョージ
(72)【発明者】
【氏名】トンプソン、バンス マイケル
(57)【要約】
【課題】眼症状の診断または治療するための装置を提供する。
【解決手段】検出器装置を用いて患者の眼の眼症状を診断又は治療する際に使用する装置は、キャビティを形成するために眼の上方に載置されるように構成され、かつ眼の上方にキャビティ環境を形成する筐体と、筐体の表面上に配置されたシール可能なポートであって、検出器装置を眼の近くに配置するために検出器装置がシール可能なポートを通ってキャビティに少なくとも部分的に挿入されたときに、筐体と検出器装置との間にシールを形成するように構成されたシール可能なポートとを備える。検出器装置は、眼の指標または眼の上方のキャビティ環境の指標の少なくとも1つを検出するように構成される。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出器装置を用いて患者の眼の眼症状を診断又は治療する際に使用する装置であって、
キャビティを形成するために眼の上方に載置されるように構成され、かつ眼の上方にキャビティ環境を形成する筐体と、
前記筐体の表面上に配置されたシール可能なポートであって、前記検出器装置を眼の近くに配置するために前記検出器装置が前記シール可能なポートを通って前記キャビティに少なくとも部分的に挿入されたときに、前記筐体と前記検出器装置との間にシールを形成するように構成された前記シール可能なポートと、を備え、
前記検出器装置は、眼の指標または眼の上方の前記キャビティ環境の指標の少なくとも1つを検出するように構成される、装置。
【請求項2】
前記シール可能なポートは、前記検出器装置が前記シール可能なポートから前記キャビティに挿入されたときに、前記筐体と前記検出器装置の間にガス不透過性のシールを形成するように構成されたシール接合部を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記シール接合部は、Oリング、スリーブ、ベローズのうち少なくとも1つを含む、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記検出器装置は、前記キャビティ内の流体圧力の指標を検出する圧力センサまたは患者の眼の眼圧(IOP)の指標を検出する眼圧計を含む眼圧センサのうちの少なくとも1つを含む、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記キャビティ環境を周囲環境から分離するように構成されたストッパを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記ストッパは、前記シール可能なポートを覆うように構成された膜を含む、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記膜は、ガス不透過性の膜を含む、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
装置を使用する方法であって、該装置は、患者の眼の上方に載置されて眼の上方にキャビティを形成するように構成された筐体と、前記筐体の表面上に配置され、検出器装置と結合するように構成されたシール可能なポートとを含んでおり、
患者の眼の上に前記筐体を配置するステップと、
前記検出器装置を患者の眼の近傍に配置するために前記筐体と前記検出器装置との間にシールを形成するように前記検出器装置が前記シール可能なポートを通って前記キャビティに少なくとも部分的に挿入されたときに、眼の特性の指標または前記キャビティ内の環境の指標の少なくとも1つを検出するステップと、を含む方法。
【請求項9】
前記検出するステップは、圧力センサによりキャビティ環境の指標を検出することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記キャビティ環境の指標を検出することは、前記筐体と前記圧力センサとの間にシールを形成するように前記圧力センサの少なくとも一部を前記シール可能なポート内に配置することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記キャビティ環境の指標を検出することは、前記シール可能なポートを膜で覆うこと、前記キャビティ環境の指標を検出するために前記圧力センサを前記膜に対して配置することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記検出するステップは、前記検出器装置により眼の特性の指標を検出することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
眼の特性の指標を検出することは、前記筐体と前記検出器装置との間にシールを形成するように前記検出器装置の少なくとも一部を前記シール可能なポート内に配置することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
眼の特性の指標を検出することは、前記シール可能なポートを膜で覆うこと、前記検出器装置を患者の眼の近傍に配置するために前記検出器装置を前記膜に対して配置することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
圧力源により前記キャビティに圧力を付与するステップを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項16】
圧力を付与するステップは、負のゲージ圧を前記キャビティに印加することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
圧力を付与するステップは、正のゲージ圧を前記キャビティに印加することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
目の特性の指標または環境の指標のうちの少なくとも1つを制御回路により処理するステップを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項19】
前記処理するステップは、目の特性の指標に少なくとも部分的に基づいて前記キャビティに圧力を印加する圧力源を調節することを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
調整することは、眼の特性の目標値に向かって前記圧力源を調整することを含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
眼に関連した体内圧の特定および調節に関する。
【背景技術】
【0002】
眼圧測定は、緑内障のような眼疾患の診断および治療において重要である。緑内障の早期診断および治療は、失明の抑制または予防のための鍵である。非接触式眼圧計は、眼圧測定のための有用な機器であるが、使用時に患者に不快感を与える可能性がある。
【0003】
特許文献1は、制御したエアパフを角膜に吹き付ける眼圧計について記載している。
特許文献2は、ノズルから眼に対して流体を吹き付ける眼圧測定システムを有する眼科用複合装置について記載している。
【0004】
特許文献3は、振動励起を用いて眼の眼圧を測定するための非侵襲的な方法および装置について記載している。
特許文献4は、眼内血管を虚脱させるのに十分な力を付与しながらの、被検者の眼球の少なくとも一部への制御可能な接触および、その虚脱圧を頭蓋内圧に相関させることによって、頭蓋内圧を非侵襲的に評価するためのシステムおよび方法について記載している。
【0005】
特許文献5は、眼症状を治療、抑制、または予防するために使用できるアセンブリおよび方法について記載している。
特許文献6は、眼症状を治療、抑制、または予防するために使用できるアセンブリおよび方法について記載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第4724843号明細書
【特許文献2】米国特許第5523808号明細書
【特許文献3】米国特許第6673014号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2013/0211285号明細書
【特許文献5】米国特許第9125724号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2015/0313761号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
眼症状の診断または治療の少なくとも一方のための装置は、眼の眼窩上に載置されるようにサイズ設定および形状設定されたゴーグル筐体であって、眼の露出した前部全体の周りに広がる1つ以上のキャビティを筐体内に提供するゴーグル筐体と、1つ以上のキャビティに流体圧力を付与するために1つ以上のキャビティと流体連通しているポンプであって、ゴーグル筐体の1つ以上のキャビティ内の流体圧力を調整するように構成されたポンプと、眼窩内圧、ICP、IOP、またはICPとIOPとの間の関係のうちの少なくとも1つを直接的または間接的に示すデータを受信するためのデータインタフェースを有する制御回路であって、フィードバック制御変数として受信データを処理することに基づいて、1つ以上のキャビティ内の流体圧力を調整するようにポンプを制御する制御回路と、を備えることができ、制御することは、ポンプを制御するために受信データのさらなる監視を用いることを含む。
【0008】
本概要は、本特許出願の主題の概要を提示するものである。これは、本発明の排他的または網羅的説明を提供するものではない。本特許出願に関するさらなる情報を提供するために、詳細な説明を記載している。
【0009】
図面は、必ずしも縮尺通りに描かれたものではなく、種々の図面では、類似の構成要素を同様の符号で示している場合がある。添え字が異なる同様の符号は、類似の構成要素の異なるインスタンスを表し得る。図面は、本明細書で論じる種々の実施形態を、限定するものではなく、例として概略的に示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1A図1Aは、ヒトの眼の一例の横断面を示している。
図1B図1Bは、生理的に正常な眼に関連した圧力の一例を示している。
図2図2は、眼異常症状を含み得るような眼症状の診断または治療の少なくとも一方などの目的で、眼の外面に流体圧力を付与するためなどのアセンブリの一例を示している。
図3図3は、ポートを有するゴーグル筐体の一例を示している。
図4図4は、多部品ゴーグル筐体の一例を示している。
図5図5は、フィードバック制御系の一例を示している。
図6図6は、本装置において、または本装置と組み合わせて使用できる検出器装置の例を示している。
図7図7は、装置の一例が備えるか、または装置の一例と組み合わせて使用される眼圧計の一例を示している。
図8図8は、本装置が備え得るか、または本装置と組み合わせて使用できる可視化支援装置(またはVAD:VisualizationAssistance Device)の例を示している。
図9図9は、本装置を使用する方法の一例を示している。
図10図10は、ICPを監視するための圧力を眼に付与するために、本装置を使用する方法の一例を示している。
図11図11は、ICPを特定するため、またはICPを監視するためなどの、圧力を眼に付与するために、本装置を使用する方法の一例を示している。
図12図12は、ICPの指標を特定するためなどに、本装置を使用する方法の一例を示している。
図13図13は、ゴーグル筐体に付与する圧力を患者の心周期と同期させるように、本装置を使用する方法の一例を示している。
図14図14は、患者の心周期の指標に基づいてICPを特定するために、本装置を使用する方法の一例を示している。
図15図15は、本装置を使用して、治療セッションの終了後に眼の診断検査を実施するためなどの方法の一例を示している。
図16図16は、診断目的などで、本装置を使用してICPまたはIOPの少なくとも一方を特定するための方法の一例を示している。
図17図17は、急性または慢性の眼異常症状の少なくとも一方を治療することを含む治療目的などで、本装置を使用する方法の一例を示している。
図18図18は、眼異常症状の治療のためなど、眼に付与する治療圧力を、IOPを用いて設定および調整する例示的な方法を示している。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1Aは、ヒトの眼100の一例の横断面を示している。眼100は、強膜122の範囲内に2つの房室である前房104と後房116を有する。前房104は、角膜102と虹彩106の間のスペースと一般的に定義され、房水で満たされる。瞳孔107は、虹彩106によって画成される孔であり、光が眼100に入射することを可能とする。水晶体110は、虹彩106の後方に位置し、靭帯112によって支持される。毛様体と毛様体筋とを含む毛様体突起114は、水晶体110を取り囲んで、虹彩106の後方に位置する。
【0012】
前房104と網膜120との間に位置する後房116は、硝子体液で満たされる。網膜120は、網膜120と強膜122との間に位置する脈絡膜123によって、構造的および生理的に支持される。
【0013】
前房104と後房116は、合わせて、眼100の眼内腔と呼ばれる。前房104は後房116と区別されるものの、これら2つの房室の間の分離は流動的であって、水様液および粘液による流体圧力は、いつでも等しいか略等しい。眼内腔内の流体の圧力は、眼圧またはIOP(IntraOcular Pressure)と呼ぶことができる。
【0014】
視覚刺激を、処理のために網膜120から脳に伝えるために、視神経118は、網膜120を脳に接続している。視神経118は、硬膜鞘119によって取り囲まれて、脳脊髄液(CSF:CerebroSpinal Fluid)に浸されている。硬膜鞘119は、頭蓋内腔と流体連通しているので、CSF圧は頭蓋内圧(ICP:IntraCranial Pressure)に等しいか略等しい。
【0015】
視神経乳頭150(視神経頭)は、視神経118を網膜120に接続している。視神経乳頭150は、網膜120の表面上に視認することができ、良好な灌流状態の神経組織の存在を示すオレンジピンク色を有して、楕円形のような略円形形状を呈し得る。視神経乳頭150は、中心に位置する乳頭陥凹154と呼ばれるカップ状の陥凹を有することができ、これは、視神経乳頭150のオレンジピンク色に対比して蒼白に見え得る。
【0016】
視神経乳頭150の直径に対する乳頭陥凹154の直径の比は、陥凹/乳頭径比と呼ぶことができる。緑内障に罹患していない眼のような概ね健康な眼100では、一般的に、約0.3の陥凹/乳頭径比が正常であると考えられる。約0.3よりも高いまたは低い陥凹/乳頭径比は、緑内障および視神経乳頭浮腫を含む眼疾患の進行に伴うなどの、視神経118の損傷を示している可能性がある。
【0017】
眼内腔は、強膜122の後部に位置する網状コラーゲン膜構造である篩板124によって、頭蓋内腔から分離されている。視神経118の線維は、網膜120を脳に接続するために、篩板124を通り抜けることが可能である一方で、篩板124は、眼内腔と頭蓋内腔との間の圧力差を維持することができる。篩板の眼内側の面124aは、IOPを受ける一方、篩板の頭蓋内側の面124bは、ICPを受ける。
【0018】
篩板124は、隣接する強膜122よりも柔軟性が高く、いつでも、IOPとICPとの差(例えば、TPD=IOP-ICP)である膜間圧力差(TPD:TranslaminarPressure Difference)の影響を受けて変形することができる。膜間圧力勾配(TPG:TranslaminarPressure Gradient)は、IOPとICPとの差を篩板124の厚さで除算したもので表すことができる。正常な眼100では、一般にIOPはICPよりも高く、従って、篩板は、通常は、視神経乳頭150に乳頭陥凹154を形成するように、篩板124を眼内腔から外向きに湾曲させるような後ろ向きの差圧を受ける。概ね健康な眼100において、生理的に正常なTPDは、約4mmHgである。生理的に正常なTPDの影響下で、篩板124は、視神経乳頭150を、約0.3の陥凹/乳頭径比をなすようなノミナル位置に支持することができる。
【0019】
TPDの変化は、眼100における眼異常症状などの眼症状の存在を示している可能性がある。IOPの上昇、ICPの低下、またはその両方の影響によって、TPDが、生理的に正常なTPDから増加するにつれて、篩板124は、陥凹/乳頭径比を約0.3よりも大きな値に増加させるように、乳頭陥凹154の直径を増加させて、ノミナル位置から後方に撓み得る。ICPの上昇、IOPの低下、またはその両方の影響によって、TPDが、生理的に正常なTPDから減少するにつれて、篩板124は、陥凹/乳頭径比を約0.3よりも小さい値に減少させるように、乳頭陥凹154の直径を減少させて、ノミナル位置から前方に撓み得る。
【0020】
TPDの変化は、眼100の疾患と正の相関がある可能性がある。例えば、緑内障は、IOPとICPのアンバランスが原因である可能性がある。IOPの上昇またはICPの低下によって、視神経118にかかる圧力差が生じる可能性がある。ICPは、視神経118に影響を及ぼす可能性があり、例えば、偽脳腫瘍(特発性頭蓋内圧亢進症)では、上昇したICPが視神経を生理的に正常な位置などから前方に湾曲させる可能性があり、緑内障では、高いIOPと低いICPが原因で視神経が生理的に正常な位置などから後方に押しやられる可能性があるなど、低下したICPが視神経118の陥凹においてなど視神経118を陥凹させる可能性がある。
【0021】
また、緑内障のような眼疾患は、代謝性疾患または障害のような他の疾患に起因する可能性もある。生理的に正常な機能を有する眼100のような正常な眼100においては、視神経の軸索輸送は、篩板を横切る神経節細胞の代謝要求に応じることができる。IOPの上昇、ICPの低下、またはその両方を受けた眼100など、生理的に正常な機能を持たない眼のような異常な眼100においては、神経節細胞死および緑内障の発症の原因となり得るような、篩板を横切る軸索輸送の阻害または場合によっては阻止が生じる可能性がある。
【0022】
TPDの変化は、軸索輸送の低下による視神経118の損傷に関連するような視野欠損と正の相関がある可能性がある。軸索輸送は、代謝過程のような、眼100の神経細胞の生存を維持するために必要な細胞過程の集積を表している可能性がある。患者が片方または両方の眼100においてTPDが生理的に正常なTPDから増加または減少したときなど、視神経118および網膜120を補助する細胞過程が阻害される場合に、軸索輸送の低下が生じる可能性がある。
【0023】
眼100において軸索輸送が阻害される持続時間は、視神経118が受ける損傷の程度に影響を及ぼし得る。生理的に正常なTPDからのTPDの短時間の増加または減少に起因するような急性の軸索輸送低下が視神経118に及ぼす悪影響は、可逆的であり得る一方、生理的に正常なTPDからのTPDの長時間の増加または減少に起因するような慢性の軸索輸送変化は、視神経118の永久的損傷に結び付く可能性がある。
【0024】
眼100には、網膜中心動脈130、前毛様体動脈、および後毛様体動脈を含むいくつかの眼動脈分枝によって、循環系からの酸素化血液が供給される。網膜中心動脈130は、視神経118および網膜120を灌流する。前毛様体動脈と後毛様体動脈は一緒に、毛様体突起114、虹彩116、強膜122、および脈絡膜132を灌流する。非酸素化血液は、上眼静脈および下眼静脈に流入する網膜中心静脈133および渦静脈を介して、循環系に戻される。網膜中心静脈133は、視神経118のくも膜下腔を通っており、海綿静脈洞に流入するよりも前では、患者のICPでCSFに浸されている。このため、網膜中心静脈133内の圧力は、ICPに等しいか、またはそれよりも高い。網膜中心静脈133内の圧力とICPとの間には、線形相関がある。
【0025】
眼100は、いつでも、眼100の露出した前部にかかる大気圧、眼100の眼内腔内のIOP、眼100の後部表面のICPのような、少なくとも3つの異なる圧力を受ける可能性がある。網膜中心静脈133を含む静脈血管のような、眼100の血管は、視神経118のくも膜下腔を通ることができ、海綿静脈洞に流入するよりも前などでは、患者の頭蓋内圧で脳脊髄液に浸され得る。このため、網膜中心静脈133の管腔内圧のような、静脈血管内の圧力は、ICPに等しいか、またはそれよりも高い可能性がある。
【0026】
眼球脈波周期は、収縮期眼圧と拡張期眼圧の差のような、眼球脈波振幅によって特徴付けることができる。眼100の収縮期眼圧および拡張期眼圧のような眼球脈波周期は、患者の心周期に関連付けることができる。頭蓋内脈波周期は、収縮期頭蓋内圧と拡張期頭蓋内圧の差のような、頭蓋内脈波振幅によって特徴付けることができる。収縮期頭蓋内圧および拡張期頭蓋内圧のような頭蓋内脈波周期は、患者の心周期に関連付けることができる。
【0027】
図1Bは、生理的に正常な眼100に関連した圧力の一例を示している。IOPは、ICPよりも約4mmHg高いなど、ICPよりも高い可能性がある。IOPは、眼100の生理的状態に起因する経時変化が緩徐であり得るような平均IOPなどの準静的IOP成分と、患者の心周期の少なくとも1つの指標と共に変化し得るような変動IOP成分などの動的IOP成分と、を含み得る。162では、動的IOP成分は、患者の心周期の指標などと同位相であり得る。164では、動的IOP成分は、患者の心周期の指標と異位相であり得る。ICPは、患者の生理的状態に起因する経時変化が緩徐であり得るような平均ICPなどの準静的ICP成分と、患者の心周期の少なくとも1つの指標と共に変化し得るようなICP変動成分などの動的IOP成分と、を含み得る。163では、動的ICP成分は、患者の心周期の指標などと同位相であり得る。165では、動的ICP成分は、患者の心周期の指標と異位相であり得る。
【0028】
経壁圧(TMP:Trans Mural Pressure)は、ICPなどの網膜中心静脈133内圧のような患者の眼100の血管の管腔内圧と、IOPのような患者の眼100の房圧との間の差、と定義することができる。TMPは、眼100の血管内径の変化などのSVPの指標を含むSVPのような、眼特性に関連付けることができる。166では、動的TMP成分を最小化するような、同位相の動的IOP成分と同位相の動的ICP成分の相殺干渉などの合成が可能である。167では、動的TMP成分を最大化するような、同位相の動的IOP成分と同位相の動的ICP成分の相乗干渉などの合成が可能である。
【0029】
静脈自発拍動(SVP:SpontaneousVenous Pulsation)は、眼100の網膜中心静脈などの静脈血管において生じる。SVPは、眼100の静脈のような高柔軟血管内で、球後視神経で生じるIOPとICPとの間の圧力勾配のように静脈圧変化が大きい部位付近で生じる。SVPの拍動特性は、IOPおよびICPなど、いくつかの変数に依存し得る。
【0030】
ICPは、患者の眼100におけるIOPを一時的に上昇させることによって、非侵襲的に評価することが可能である。一例では、眼100のIOPを上昇させるように、眼100の前部などの眼100に器具を接触させて、その器具を眼100に押し当てることができる。眼特性変化基準のような少なくとも1つの基準が達成されるまで、眼100のIOPを上昇させる間に、その患者以外の医療専門家のような人が、眼100における静脈血管などの1つ以上の血管を観察することができる。一例では、眼特性変化基準は、眼100におけるIOPの上昇に起因するような、網膜中心静脈133の虚脱を含み得る。
【0031】
虚脱した血管が略円形の断面形状を復元できるように、眼100に押し当てた器具を取り除くことによって、眼100のIOPを低下させることができる。眼特性回復基準のような基準が達成されるまで、眼100のIOPを低下させる間に、その患者以外の医療専門家のような人が、眼100における静脈血管などの1つ以上の血管を観察することができる。眼特性回復基準の検出は、影響を受けた生体組織が、眼100に器具を押し当てる前に存在していた正常な生理的状態のようなアンビエント状態に回復したことを示し得る。一例では、眼特性回復基準は、網膜中心静脈133の略円形状のようなアンビエント断面形状への回復を含み得る。
【0032】
眼特性は、患者の眼100の物理的特性、または患者の眼100に関連した患者身体の物理的特性、のうちの少なくとも一方など、患者の身体の物理的特性を表し得る。眼特性の指標は、眼特性の特定のレベルまたは量に関連した数値を含み得る。数値は、第1の値または第2の値のような眼特性の単独の指標を表すか、または第1の値と第2の値との差のような眼特性の指標における変化を表すことができる。
【0033】
眼100に関連した眼特性の指標は、患者の身体が慣性力を受けたときなど、患者の身体に加わる力の影響で変化する可能性がある。慣性力は、眼100の急加速または急減速などによって、眼100において発生し得る。
【0034】
眼100に関連した眼特性の指標は、患者の身体内の静水圧差など、静水圧の変化の影響で変化する可能性がある。眼100に関連した眼特性は、患者が立位などの第1の体位から座位または腹臥位などの第2の体位に移行するなど、IOP静水圧およびICP静水圧の変化に起因して変化する可能性がある。静水圧差を受けた眼特性の指標の変化は、網膜静脈または網膜動脈の少なくとも一方などの血管の内径または直径の変化を含み得る。血管の内径または直径の変化は、心周期を示し得る収縮期および拡張期などの体血圧の変化に起因してイメージング装置で検出される拍動のような、拍動を含み得る。
【0035】
眼100に関連した眼特性の指標は、装置200によってゴーグル筐体210のキャビティ212に付与されたゲージ圧を眼100が受けたときなど、眼100に付与された力の影響で変化する可能性がある。ポンプ220によって正または負のゲージ圧のような流体圧力をキャビティ212に付与することにより、眼100の前面において力を発生させることができる。
【0036】
眼100に関連した眼特性の指標は、眼特性の1つ以上の指標、および患者の体格指数(BMI:BodyMass Index)または患者の暦年齢のうちの少なくとも一方のような身体パラメータの1つ以上の指標、を含む1つ以上のパラメータの関数として、計算すること、またはその他の方法で評価すること、が可能である。ICPの指標は、患者の血圧、BMI、および暦年齢の情報に基づいて計算されたCSF圧の推定値のような、CSF圧の推定値を含み得る。
【0037】
眼特性は、眼100の体内圧を含み得る。体内圧は、IOP、ICP、上強膜静脈圧(EVP:EpiscleralVenous Pressure)、または患者の眼100と身体との間の圧力である膜間圧力差(TPD)、膜間圧力勾配(TPG)、もしくは眼窩圧など、のうちの少なくとも1つのような、眼100に関連した圧力を含み得る。頭蓋内圧(ICP)は、場合によっては、脳脊髄液圧(CSFP)と呼ぶことができる。
【0038】
眼特性は、眼100の構造を記述する物理的特性、または眼100の構造に関連した物理的特性のような、眼100の物理的特性を含み得る。眼100の構造は、篩板124、網膜神経線維層(RNFL:RetinalNerve FiberLayer)を含む網膜120、および脈絡膜123のような、眼の構成要素を含み得る。眼100の構造の物理的特性は、構造の厚さ、構造の色、構造の色および反射率に関連付けることができる構造のリフレクタンス、または可視化支援装置もしくはゴーグル筐体210の少なくとも一方のような眼100の外の構造体に対してか、眼100の構造体に対してか、その少なくとも一方に対して相対的な、眼100における構造の動き、のうちの少なくとも1つを含み得る。一例では、眼特性は、眼100の外の構造体に対する動き、または眼100の前面に対する篩板の動きなど、眼の構造体に対する動き、のうちの少なくとも一方のような、篩板の動きを含み得る。眼100の構造は、動脈血管、または網膜中心静脈133を含み得るような静脈血管など、眼100の血管を含むことができる。眼100の血管の物理的特性は、網膜中心静脈133の内径のような血管の断面径(もしくは直径)、または網膜中心静脈133の断面形状のような血管の形状、を含み得る。一例では、網膜中心静脈133内の圧力は、ICPを近似することができる。眼100の血管の物理的特性は、血管の色特性またはリフレクタンス(もしくは反射光強度)特性の少なくとも一方を含み得る。
【0039】
眼特性は、眼100に関連した患者の身体パラメータを含み得る。身体パラメータは、暦年齢および体格指数(BMI)など、他のメトリクスを含むことができる。身体パラメータは、眼100の前部に付与される流体圧力のような、眼100に付与される流体圧力の指標を含むことができる。身体パラメータは、心拍数の指標のような心周期の指標、収縮期血圧および拡張期血圧のような体血圧の指標、または静脈自発拍動の指標を含むことができる。心周期の指標は、SVPの周波数、SVPに起因する血管内径の変化、体収縮期および体拡張期などの体血圧に対するSVPの位相、SVP時の血流速度、またはSVPに関連した血液柱振動など、少なくとも1つのSVP特性を含むことができる。
【0040】
眼特性は、眼100の血管の流特性など、眼100の流特性を含み得る。眼100の血管の流特性は、IOPおよびCSFのレベルに関連し得る血流速度の平均または他の中心傾向、収縮期および拡張期の血流速度、および血流密度、のうちの少なくとも1つを含み得る。血管の流特性は、周期的に変化する可能性があり、例えば、流特性は、心周期に関連する可能性がある。血管内の流速は、CSFの変化の影響を受ける可能性があるなど、血管の流特性は、IOP、CSF、またはIOPとCSFの両方に関連する可能性がある。流特性は、1つ以上の眼特性から計算された眼特性のような、合成特性を含み得る。合成特性は、拍動指数(PI:PulsatilityIndex)および比抵抗指数(RI:Resistivity Index)を含むことができる。静脈流出圧を測定することと、網膜中心動脈血流を測定することと、静脈流出データおよび拍動との関係または比抵抗との関係の少なくとも一方を用いてICPを評価することと、を含み得るような方法を用いて、ICPを評価することができる。
【0041】
治療圧力などの流体圧力を眼100に付与するために、1つ以上の検知器513において、または1つ以上の検知器513と組み合わせて、装置200を使用することができる。眼100の1つ以上の眼症状を治療するために、治療圧力を眼100に付与することによって、生理的パラメータの指標のような眼100に関連した圧力指標を調節することができる。
【0042】
図2は、眼異常症状を含み得るような眼症状の診断または治療の少なくとも一方などの目的で、眼100の外面に流体圧力を付与するためなどの装置200の一例を示している。眼100に流体圧力を付与することによって、眼100に関連した流体圧などの眼100の特性を変化させるように、眼100における変化を誘発することができる。
【0043】
装置200は、ゴーグル筐体210と、ゴーグル筐体210と流体連通しているポンプ220と、ポンプ220と電気通信する制御回路230と、ゴーグル筐体210に連結された位置決め装置240と、を備えることができる。一例では、装置200は、眼症状の診断または治療のために、患者の眼100に上から配置することができるゴーグルのセットを形成するように、1つ以上の筐体210を備えることができる。一例では、画像プロセッサ回路に、制御回路230またはVAD画像プロセッサ回路の少なくとも一方を含むことができる。
【0044】
装置200は、眼異常症状の治療のために、IOPをICPとバランスさせるような、または他の方法で患者の眼100におけるTPDを制御するような、患者の眼100におけるIOPの調整可能な制御を提供することができる。一例では、IOPを低下させてTPDをバランスさせるように、ゴーグルの外側の周囲環境大気圧に対して相対的に10~15mmHgの真空など、ゴーグル筐体210内の患者の眼100の外面に対して軽い真空状態に引くために、ゴーグルとポンプを用いて、緑内障のような眼異常症状を治療することができる。一例では、ICPを上昇させてTPDをバランスさせるように、ゴーグル筐体210内の患者の眼100の表面に対して正圧を付与することにより、微小重力によって誘発されるICP上昇に起因するなどの視覚障害頭蓋内圧症候群(またはVIIP:VisionImpairment andIntracranial Pressure)のような眼異常症状を治療することができる。VIIPは、遠視化、暗点、綿花状白斑、脈絡膜ひだ、視神経鞘の膨張、眼球の扁平化、視神経浮腫など、多様な眼異常症状のうちの1つ以上を伴い得る。
【0045】
ゴーグル筐体210は、眼100の眼窩上に載置されるなどして、眼100に接触することなく眼100から離間して、患者の眼100を取り囲むように、サイズ設定および形状設定することができる。患者に当接して載置されたゴーグル筐体210は、ゴーグル筐体210と患者との間に、キャビティ212を有するか、またはキャビティ212を画成することができる。ゴーグル筐体210は、眼100の露出した前部全体などの眼100の周りに広がることができる。ゴーグル筐体210は、ゴーグル筐体210の周縁に沿って配置され得るようなシール材214を有し得る。ゴーグル筐体210は、シール材214がゴーグル筐体210と患者との間でガスケットを形成するように患者に当接して配置され得るように、眼100の上から位置決めすることができる。一例では、ゴーグル筐体210は、ポンプを用いて筐体内で所望の流体圧力レベルを維持するためなど、ゴーグル筐体210と患者との間でガスケットを形成するように患者の皮膚に当接させて配置することができる。一例では、ガスケットは、キャビティ212と周囲環境との間に、気密シールを伴い得るようなハーメチックシールを形成することができる。
【0046】
ゴーグル筐体210は、キャビティ212と、ゴーグル筐体210の周囲の大気または他のキャビティ212のような他の領域と、の間の流体圧力差を支持または維持するための十分な剛性を有し得る材料で構成することができる。流体圧力差は、キャビティ212内の流体圧力と、ゴーグル筐体210の外側の周囲環境の流体圧力と、の間の差を含み得る。キャビティ212内の流体圧力は、IOPをICPから切り離すように、患者の眼100内のIOPに影響を及ぼすためなど、眼100を非ガス状流体塊または素子に物理的に接触させることなく、眼100の前部に対して正または負の力を付与するように、眼100の前面に作用し得る。ゴーグル筐体210は、患者がゴーグル筐体210を通して外を見ることができるように、光透過性材料で構成することができる。また、医療専門家が測定機器を用いるなどして、ゴーグル筐体210を通して内側の、眼内腔の特性など、眼100を観察することも、光透過性材料によって可能となり得る。
【0047】
図3は、ポート320を有するゴーグル筐体210の一例を示している。ポート320は、キャビティ212と、ゴーグル筐体210の周囲の大気との間の流体連通を可能とするように、ゴーグル筐体210の内面216と外面218の間の通路として機能することができる。ポート320は、1つ以上の測定機器のような1つ以上の物体を、眼100に近接して配置するように、ポート320を通して挿入することを可能とし得る。ポート320は、ゴーグル筐体210の任意の面に配置することができる。測定機器とポート320との間にハーメチックシールまたは他のシールを形成するように、測定機器とポート320との間に第1のシール接合部(例えば、弁またはシール)を配置することができる。第1のシール接合部は、プラスチック、ゴム、コポリマ、またはエラストマ材料などの1つ以上のシール材料で構成され得るような、膜、スリーブ、Oリング、またはベローズのうちの1つ以上など、1つ以上のシール構造体を含むことができる。
【0048】
ゴーグル筐体210は、キャビティ212と、ゴーグル筐体210の周囲の大気との間で、気体または液体または他の流体が流れることを抑制または阻止するために、ポート320に挿入され得るようなストッパ322を有し得る。ストッパ322とポート320との間にハーメチックシールを形成するように、ストッパ322とポート320との間に第2のシール接合部を配置することができる。ストッパ322は、ポート320と組み合わせて使用できるボリュメトリック形状であるとともに第2のシール接合部がハーメチックシールを形成するような、任意のボリュメトリック形状を呈し得る。ストッパ322は、円錐台または円錐断面など、ポート320に挿入することができるような少なくとも1つのテーパ面を有する形状を有することができ、そのテーパ面は、ハーメチックシールを形成するように、ポート320に適合する第2のシール接合部を形成する。ストッパ322は、患者によってポート320に対して形成することができる形状を呈し得る。一例では、ストッパ322、およびポート320に適合する第2のシール接合部を形成するように、ある量の柔軟かつ成形可能な材料を、ポート320に挿入するように手で成形することができる。ストッパ322は、患者がストッパ322を通して外を見ることができるように、光透過性材料で構成することができる。ストッパ322は、ガス不透過性であるように構成された薄膜のような、ポート320を覆うための表面被覆装置を含み得る。表面被覆装置は、ゴーグル筐体210の内面216または外面218の少なくとも一方など、ゴーグル筐体210の表面に接着するように構成された接着面のような、少なくとも1つの接着面を有し得る。
【0049】
図4は、多部品ゴーグル筐体210の一例を示している。ゴーグル筐体210は、ベース424と、接合部428でベース424に結合することができるキャップ426と、を有し得る。ベース424は、眼100に接触することなく眼100から離間して、眼100を取り囲むように、サイズ設定および形状設定することができる。ベース424は、眼100の眼窩に当接するなど、患者に当接して載置されたときに、1つ以上の密閉キャビティ212の一部を含むか、または画成することができる。ベース424は、ベース424の周縁に沿って配置することができるようなシール材214を有し得る。ベース424は、シール材214がベース424と皮膚との間でガスケットを形成するようにユーザの皮膚に当接して配置され得るように、眼100の上から位置決めすることができる。ベース424に連結されるとともに患者の頭部を概ね取り囲むように構成された位置決めストラップ、またはベース424と患者との間の界面に塗布された接着剤などの接着剤、のうちの少なくとも一方を用いるなどして、患者の眼の上でベース424の位置を維持するように、ベース424を患者に固定することができる。
【0050】
キャップ426は、ゴーグル筐体210内にキャビティ212を画成するように、ゴーグル筐体210を形成するために、接合部428などにおいてベース424に付着することができる。キャップ426は、1つ以上の測定機器(またはその部分)を含み得るような1つ以上の物体を、眼100に近接して配置するためなどの、ポート320を有し得る。測定機器は、測定機器の遠位部を眼100に近接させるようにして、キャップ426に装着することができる。一例では、キャップ426への測定機器の装着は、ストッパ322をポート320から取り除き、測定機器の少なくとも一部をポート320に挿入して、測定機器をキャップ426に装着することなどにより可能である。ネジ接合、摩擦接合、またはベース424とキャップ426との間に延在する1つ以上の締結装置を伴い得る締結接合、のうちの1つ以上を用いるなどして、測定機器とキャップ426との間にハーメチックシールを形成するように、測定機器をキャップ426に装着することができる。1つ以上の測定機器は、キャップ426に一体とするか、またはキャップ426に装着することができ、例えば、測定機器は、キャップ426に永久固定することができる。
【0051】
接合部428は、ベース424とキャップ426との間の継目を含み得る。一例では、キャップ426は、ゴーグル筐体210を形成するように、接合部428においてベース424に結合することができる。接合部428は、キャビティ212と、ゴーグル筐体210の周囲の大気または他のキャビティ212のような他の領域と、の間の流体圧力差を支持または維持するためなどの、ハーメチックシールを、ベース424とキャップ426との間に形成することができる。接合部428は、実継ぎシールを含むことができ、実継ぎシールは、ベース424に一体の凸形状部と、キャップ426に一体の溝形状部と、キャップ426の溝形状部に着座させたOリングガスケットなどの連続シール部品と、を含むことができ、連続シール部品は、ゴーグル筐体210を形成するためなど、ベース424の凸形状部が当たると、キャップ426に当接して変形するとともに封止するように構成される。接合部428は、キャップ426に一体の凸形状部と、ベース424に一体の溝形状部と、ベース424の溝形状部に着座させたOリングガスケットなどの連続シール部品と、を含む実継ぎシールを含むことができ、連続シール部品は、ゴーグル筐体210を形成するためなど、キャップ426の凸形状部が当たると、ベース426に当接して変形するとともに封止するように構成される。
【0052】
ゴーグル筐体210は、眼100と測定機器との間でフォーカスを変更することなどによって、測定機器による眼100の可視化に影響を及ぼすことができる。収束レンズ、発散レンズ、またはその両方の組み合わせ、のうちの少なくとも1つを含み得る補正レンズを用いるなどして、眼100と測定機器との間でフォーカスをアシストまたは補正することができる。補正レンズは、眼100とゴーグル筐体210との間、またはゴーグル筐体210と測定機器との間など、眼100と測定機器との間に配置することができる。補正レンズは、内面216、外面218、またはその両方など、ゴーグル筐体210に装着することができる。補正レンズは、ゴーグル筐体210の構造の一部をなすように、ゴーグル筐体210に組み込むことができる。医療専門家または他のユーザが、所与の測定機器と共に使用するための適切な補正率を選択する機会を与えるように、補正レンズをキャップ426に組み込むことができる。
【0053】
再び図2を参照して、ポンプ220は、チューブ222を介するなどして、ゴーグル筐体210のキャビティ212と流体連通させることができる。ポンプ220は、環境の湿度、温度、または流体圧力など、キャビティ212の環境の1つ以上の物理的特性に影響を及ぼすことができる。
【0054】
ポンプ220は、ゴーグル筐体210のキャビティ212内で、眼において力を発生させるように、正または負のゲージ圧のような流体圧力を付与および調整することができる。ゲージ圧は、大気流体圧力のようなキャビティの外の隣接する周囲の大気圧を基準とした、キャビティ212内の局所圧力を含み得る。正のゲージ圧は、大気圧よりも高いキャビティ212内の流体圧力を含み得る。キャビティ212内の正のゲージ圧は、眼100のIOPを上昇させるためなど、眼100のIOPに対して相対的に眼100の前部の圧力を上昇させる力を作用させることができる。負のゲージ圧は、大気圧よりも低いキャビティ212内の流体圧力を含み得る。キャビティ212内の負のゲージ圧は、眼100のIOPを低下させるためなど、眼100のIOPに対して相対的に眼100の前部の圧力を低下させる力を作用させることができる。
【0055】
ポンプ220は、ゴーグル筐体210のキャビティ212にゲージ圧を付与するために選択することができる1つ以上の装置を含み得る。ポンプ220がゴーグル筐体210内に正または負のゲージ圧を発生させることができるように、ポンプ220は、圧縮ポンプ、真空ポンプ、または可逆ポンプのうちの1つ以上を含むことができる。ポンプ220の連続運転を必要としないような、キャビティ212へのゲージ圧の付与のために、ポンプ220は、正または負のゲージ圧を閉じ込めるためなどのリザーバを有し得る。一例では、ポンプ220は、リザーバ内に作動ゲージ圧を発生させるように、ある期間にわたって運転することができ、その後、リザーバ内の作動ゲージ圧を維持するために、リザーバ内のゲージ圧が閾値ゲージ圧をまたぐまでなど、ある期間にわたってオフにすることができる。ポンプ220は、正のゲージ圧を閉じ込めるためなどのリザーバと、リザーバおよびキャビティ212と連通するようなベンチュリ弁と、を有することができ、これにより、キャビティ212内に負のゲージ圧を伴う真空を発生させるために、正のゲージ圧のリザーバからベンチュリ弁を介してガス状流体を放出させるなどして、キャビティ212内に負のゲージ圧を発生させる。
【0056】
ポンプ220は、ゴーグル筐体210内のゲージ圧を調整するためなどの、キャビティ212と流体連通した制御可能なベントを有し得る。制御可能なベントは、キャビティ212と周囲環境との間のガス状流体の流れを調節するためなどの弁と、キャビティ212内で所望のゲージ圧を維持するために要求されるような、制御回路230から送信される指令信号に応じた弁の開閉のためなど、弁および制御回路230に接続されたアクチュエータと、を含むことができる。
【0057】
ポンプ220は、眼において力を発生させるために、ゴーグル筐体210に供給される正または負のゲージ圧のような、圧力を付与することができる。眼に付与されるゲージ圧の適切な持続時間は、治療対象の眼症状に応じて異なり得る。
【0058】
眼異常症状のような眼症状の診断用などの診断レジメンでは、ポンプ220によってキャビティ212に供給されるゲージ圧の、秒または分で測定される時間のような比較的短時間にわたる付与が要求される可能性がある。一例では、緑内障および視神経乳頭浮腫などの急性または慢性の眼異常症状のような、眼異常症状を診断するための手順は、1秒、2秒、3秒、4秒、5秒、6秒、7秒、8秒、9秒、10秒、11秒、12秒、13秒、14秒、15秒、16秒、17秒、18秒、19秒、20秒、21秒、22秒、23秒、24秒、25秒、26秒、27秒、28秒、29秒、30秒、31秒、32秒、33秒、34秒、35秒、36秒、37秒、38秒、39秒、40秒、41秒、42秒、43秒、44秒、45秒、46秒、47秒、48秒、49秒、50秒、51秒、52秒、53秒、54秒、55秒、56秒、57秒、58秒、59秒、60秒、1分、2分、3分、4分、5分、6分、7分、8分、9分、10分、または10分超のうちの少なくとも1つの時間にわたる、装置200を用いたゲージ圧の付与を伴い得る。
【0059】
急性の眼症状の治療レジメンでは、ポンプ220によってキャビティ212に供給されるゲージ圧の、分、時間、日、または週で測定される時間のような比較的短時間にわたる付与が要求される可能性がある。一例では、緑内障および視神経乳頭浮腫などの急性の眼症状を治療するための治療レジメンは、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、24時間、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、1週間、2週間、3週間、または4週間のうちの少なくとも1つの時間にわたる、装置200を用いたゲージ圧の付与を伴い得る。
【0060】
急性の眼症状の治療レジメンでは、周期的間隔または非周期的間隔のような間欠時間間隔でのゲージ圧の付与が要求される可能性がある。周期的レジメンは、急性の眼症状が解消するまで、主に夜間に治療圧力を付与するなど、概日周期などで周期的に治療圧力を付与することを伴い得る。非周期的レジメンは、IOPを含む生理的パラメータの指標が規定の範囲外にあるときに治療圧力を付与し、生理的パラメータの指標が所望のレベルまたは範囲内にあるときに治療圧力を中止するなど、非周期的に治療圧力を付与することを伴い得る。
【0061】
緑内障または視神経乳頭浮腫などの慢性の眼症状の治療レジメンでは、ポンプ220によってキャビティ212に供給されるゲージ圧の、日、週、月、または年で測定される時間のような比較的長時間にわたる付与が要求される可能性がある。一例では、緑内障および視神経乳頭浮腫などの慢性の眼症状を治療するための治療レジメンは、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、1週間、2週間、3週間、4週間、1か月、2か月、3か月、4か月、5か月、6か月、7か月、8か月、9か月、10か月、11か月、12か月、1年、2年、3年、4年、5年、6年、7年、8年、9年、または10年のうちの少なくとも1つの時間にわたる、装置200を用いたゲージ圧の付与を伴い得る。一例では、緑内障および視神経乳頭浮腫などの慢性の眼症状を治療するための治療レジメンは、装置200を用いて眼に供給されるゲージ圧の、患者の生涯にわたる付与を伴い得る。
【0062】
慢性の眼症状の治療レジメンでは、周期的間隔または非周期的間隔のような間欠時間間隔でのゲージ圧の付与が要求される可能性がある。周期的レジメンは、患者の生涯にわたって、軸索輸送を回復させるために主に夜間に治療圧力を付与するなど、概日周期などで周期的に治療圧力を付与することを伴い得る。非周期的レジメンは、IOPを含む生理的パラメータの指標が規定の範囲外にあるときに治療圧力を付与し、生理的パラメータの指標が所望のレベルまたは範囲内にあるときに治療圧力を中止するなど、非周期的に治療圧力を付与することを伴い得る。
【0063】
ポンプ220は、1つ以上の筐体に付与されるゲージ圧を、周期的および非周期的になど、変調することができる。周期的ゲージ圧は、正弦波信号、周期的な非正弦波信号、および反復過程によるなど、規則的間隔で大きさが変化するゲージ圧を含み得る。一例では、ゴーグル筐体210に付与されるゲージ圧は、患者の眼100におけるIOPの自然な概日周期を補正するように、概ね24時間の周期で略正弦波状に変化し得る。周期的ゲージ圧は、周期信号の繰り返し間隔間の時間のような周波数が変化するゲージ圧を含み得る。一例では、キャビティ212に付与されるゲージ圧が、血圧監視装置のような検出装置で測定される心拍数および血圧のような心臓活動の関数として変化し得る場合などに、筐体に付与されるゲージ圧は、周波数が変化し得る。
【0064】
非周期的ゲージ圧は、非周期信号および非反復過程によるなど、不規則な間隔で大きさが変化するゲージ圧を含み得る。筐体に付与されるゲージ圧は、座標系を基準とした患者の体位、傾斜計で測定した患者の体位などの身体パラメータの指標に依存して、非周期的に変化し得る。一例では、体位の指標は、患者が立位などの第1の体位から座位または腹臥位などの第2の体位に移行する体位の変化のような、体位の変化を含み得る。ゴーグル筐体210に付与されるゲージ圧は、1つ以上の周期信号および非周期信号の和に依存して、非周期的に変化し得る。一例では、ゴーグル筐体210に付与されるゲージ圧は、心臓活動に基づくゲージ圧のような周期成分と、患者の体位に基づくゲージ圧のような非周期成分と、を含み得る。
【0065】
制御回路230は、キャビティ212に流体圧力を付与するような、装置200の動作を協調させることができる。制御回路230は、1つ以上のプログラムまたはアルゴリズムを実行するマイクロコントローラまたはマイクロプロセッサのような中央処理装置(CPU)と、キャッシュメモリなどのメモリと、装置200の1つ以上の構成要素から1つ以上のデータ入力信号を受信するためなどの1つ以上の入力チャネル、および処理済みデータ信号の指標を装置200の他の構成要素に送信するためなどのデータ出力チャネルを含むようなデータインタフェース232と、装置200とのユーザインタラクションから導出された情報などのデータ入力信号の指標を受信するとともに装置200の運転パラメータまたは運転状態に関する情報などのデータ出力信号の指標を表示するように設計されたUIのようなユーザインタフェース(UI)と、を有し得る。CPUは、処理済みコンポジット信号を含むデータ出力信号を形成するためなど、1つ以上のデータ入力信号を処理することができる。フィードバック制御系のような制御系において、診断用途または治療用途の少なくとも一方などで、装置200の運転または性能向上のために、制御回路230を用いることができる。
【0066】
位置決め装置240は、患者の眼100の上でゴーグル筐体210の位置を維持するように、ゴーグル筐体210を患者に固定することができる。位置決め装置240は、患者の特有の解剖学的構造に適合するように、調整可能とすることができる。位置決め装置240は、調整可能なストラップを含み得る。位置決め装置はゴーグル筐体210に永久装着され得るなど、位置決め装置240は、ゴーグル筐体210に一体とすることができる。位置決め装置240は、ゴーグル筐体210を患者の皮膚に付着させるために、ゴーグル筐体210に塗布されてゴーグル筐体210と患者の皮膚との間に位置する接着剤のような、接着剤を含み得る。接着剤は、医療グレード接着剤など、皮膚への使用が認可された接着剤のような、キャビティ212と周囲環境との間でハーメチックシールのようなシールを維持するのに適した任意の材料を含み得る。
【0067】
図5は、フィードバック制御系500の一例を示している。フィード制御系500は、装置200の挙動を修正するなどの制御に使用することができる。フィードバック制御系500は、ゴーグル筐体210と、ポンプ220と、制御回路230と、筐体センサ506と、検出器装置508と、を含み得る。
【0068】
ゴーグル筐体210は、眼100を覆うことができる。眼100の眼特性は、眼パラメータ502で記述することができる。眼パラメータ502を、眼パラメータ502の指標を表し得る検出眼パラメータ信号510などの電気信号に変換するような検出器装置508によって、眼パラメータ502を検出することができる。筐体圧力パラメータ505を、筐体圧力パラメータ505の指標を表し得る検出筐体圧力パラメータ507などの電気信号に変換するような筐体圧力センサ506によって、筐体圧力パラメータ505を検出することができる。検出眼パラメータ信号510、目標眼パラメータ信号512、または検出筐体センサ信号507のうちの少なくとも1つなどの信号を、データインタフェース232で受信することができる。目標眼パラメータ信号512は、眼特性の目標値のような目標眼パラメータの指標を表す電気信号を含み得る。データインタフェース232は、制御回路230との電気通信などの通信が可能である。制御回路230は、データインタフェース232から信号を受信し、ポンプ制御信号501を形成するためなど、データインタフェース232からの信号を処理して、ポンプ制御信号501の指標をポンプ220に送信することができる。ポンプ220は、ゴーグル筐体210に供給するための流体圧力レベル503を生成するように、ポンプ制御信号501に応じた運転が可能である。
【0069】
図6は、装置200において、または装置200と組み合わせて使用できる検出器装置508の例を示している。検出器装置508は、眼窩内圧、ICP、またはIOPのうちの少なくとも1つに関連したパラメータの検出によるなどして、眼窩内圧、ICP、IOP、またはICPとIOPとの間の関係、のうちの少なくとも1つのような体内圧の直接測定値を検出することが可能な、圧力センサまたは他の装置を含むことができる。一例では、ICPとIOPとの間の関係は、SVP、陥凹/乳頭径比、眼球後部の扁平化のような眼100の曲率半径の変化、または眼100の前面と眼100の後面との間の距離の変化のような眼100の軸長の変化、のうちの少なくとも1つの指標を含み得る。センサシステム508Aは、粘液または水様液のような眼100の房水内への埋め込みもしくは留置、または眼100の内面へのアンカ固定が可能である。眼内レンズに近接した独立型センサ、または白内障手術などで置換眼内レンズに組み込まれて眼100に埋め込まれたセンサというように、センサシステム508Aは、眼内レンズにおいて、または眼内レンズと組み合わせて使用するように構成することができる。
【0070】
センサ508Aは、マノメータセンサシステムのような、パッシブセンサまたは無給電センサを含み得る。マノメータセンサシステムは、マノメータ圧力センサおよびマノメータデータ受信機を有し得る。マノメータ圧力センサは、角膜を通してマノメータ圧力センサが視認可能であり得るように、埋め込み型の置換眼用レンズに組み込んで眼内腔に埋め込むことができる検知素子のような、検知素子を含み得る。マノメータ圧力センサは、マノメータの少なくとも2つの作動流体の間の界面など、メニスカスを含み得る。一例では、第1の流体圧力と第2の流体圧力が異なるような場合に、メニスカスは、第1のIOPを含む第1の流体圧力を受けるときなどには第1のレベルに位置することができ、第2のIOPを含む第2の流体圧力を受けるときなどには第2のレベルに位置することができる。
【0071】
マノメータデータ受信機は、VAD509のようなイメージング装置を含むことができる。VAD509は、眼底カメラ、ビデオカメラ、またはスマートフォンのカメラのうちの少なくとも1つのような、カメラシステム509Eを含むことができる。カメラシステム509Eは、ゴーグル筐体210のようなフレームに装着することができる。カメラシステム509Eとマノメータ圧力センサとの間に、角膜を通して視認可能であるように明確な見通し線を確保するなどして、カメラシステム509Eを患者の眼100に近接して配置することができる。例えば、イメージング装置は、Apple Inc.(カリフォルニア州、Cupertino)からGOOGLE GLASS(登録商標)という商標で販売されている装置のような、1つ以上の市販の装置を含み得るか、またはそれに類似したものであり得る。一例では、カメラを、眼100に向けるとともに、マノメータ圧力センサのメニスカスのようなセンサの圧力表示インジケータに合焦させて、それを可視化するように構成するなどして、カメラシステム509Eをゴーグル筐体210のキャビティ212内に配置することができる。
【0072】
センサ508Aは、無線送信センサシステムのような、アクティブセンサまたは受電センサを含み得る。システムは、圧力トランスデューサおよび圧力トランスデューサ・ローカルインタフェースを有し得る。圧力トランスデューサは、IOPなどの眼特性の指標を検出するために眼内腔に埋め込むことができるような、バッテリ駆動センサまたは経皮駆動トランスデューサの少なくとも一方を含み得る。圧力トランスデューサ・ローカルインタフェースは、圧力ディスクセンサへの給電のような圧力トランスデューサへのエネルギーの無線伝送のため、および圧力トランスデューサからのIOPの指標のようなデータの無線受信のためなど、圧力トランスデューサとの電気通信が可能である。例えば、センサ508Aは、Implandata Ophthalmic Products GmbH(ドイツ、Hannover)からEYEMATE(登録商標)という商標で販売されている1つ以上の眼圧測定システムおよび装置を含み得るか、またはそれに類似したものであり得る。一例では、圧力トランスデューサ・ローカルインタフェースは、ゴーグル筐体210内に配置するなど、装置200に組み込むことができる。ゴーグル筐体210では、圧力トランスデューサと圧力トランスデューサ・ローカルインタフェースとの間の無線通信を可能とするように、圧力トランスデューサに近接して圧力トランスデューサ・ローカルインタフェースを配置することができる。
【0073】
検出器装置508は、ICPへの直接的な暴露などによりICPの指標を検出するような、直接式ICPセンサ508Bを含むことができる。センサ508Bは、脳室または脊髄のようなICPを受ける身体の部分内に配置することができ、またはその部分と連通させることができる。センサ508Bは、ICPの指標を検知するために身体内に少なくとも部分的に埋め込むことができるような、バッテリ駆動センサまたは経皮駆動センサの少なくとも一方などの受電ICPセンサ、およびICPの指標に関するデータを受電センサから無線で収集するための装置のようなインジケータ取得装置、を含み得る。例えば、センサ508Bは、Neurosurgery,Vol.62,#5(2008年5月)1158頁に発表されたAllinらによる論文「Laboratory testing of the Pressio intracranial pressure monitor(Pressio頭蓋内圧モニタの臨床試験)」に記載されている1つ以上の装置および方法を含み得るか、またはそれに類似したものであり得る。一例では、センサ508Bは、外科的アプローチによって患者の脳室などに埋め込むことができるとともに、データインタフェース232を介するなどして制御回路に電気的に接続することができる。
【0074】
検出器装置508は、眼窩内圧、ICP、またはIOPのうちの少なくとも1つに関連したパラメータの検出によるなどして、眼窩内圧、ICP、IOP、またはICPとIOPとの間の関係、のうちの少なくとも1つのような体内圧の間接測定値を検出する装置を含むことができる。
【0075】
検出器装置508は、眼圧計508C、またはIOPに関連した指標の検出によってIOPの指標を検出することができるような他の装置など、間接式IOPセンサを含むことができる。圧平眼圧測定では、角膜の一部を扁平化(または圧平)するのに必要な力を付与することに基づいて、IOPを推測することができる。圧平眼圧計は、エアパフ眼圧計または眼球反応分析器のような、非接触式眼圧計を含み得る。圧平眼圧計は、ゴールドマン眼圧計、パーキンス眼圧計、動的輪郭眼圧計、電子圧入眼圧計、反跳式眼圧計、空気眼圧計、圧入眼圧計、非角膜眼圧計、または経眼瞼眼圧計のような、接触式眼圧計を含み得る。
【0076】
図7は、装置200の一例が備えるか、または装置200の一例と組み合わせて使用される眼圧計508Cの一例を示している。装置200のゴーグル筐体210は、ポート320を有することができ、そこに眼圧計508Cの一部を通して、眼圧計508Cのそのような部分を眼100に極めて近接させて位置決めするように延在させることができる。眼100のIOPを測定するための眼圧計508Cの動作中に、ゴーグル筐体210のキャビティ212内のゲージ圧を維持することができるように、ポート320は、ポート320と眼圧計508Cとの間に十分なハーメチックシールを形成するように、弁またはシール接合部を有し得る。眼圧計508Cは、Icare Finland Oy(フィンランド、Espoo)からICARE(登録商標)という商標で販売されている反跳式眼圧計装置を含む反跳式眼圧計のような、接触式眼圧計を含み得る。
【0077】
眼圧計508Cは、エアパフ眼圧計のような非接触式眼圧計を含み得る。エアパフ眼圧計は、眼100の表面に加圧空気噴射を付与できるような、作動要素を含み得る。第1の流体圧力のキャビティ212を有する装置200のような、装置200において、または装置200と組み合わせて使用する場合に、エアパフ眼圧計は、キャビティ212に付与される第1の流体圧力の存在下で眼100を圧平するためなど、キャビティ212に付与される第1の流体圧力に対して相対的に(例えば、より高いように)選択することができる第2の流体圧力の加圧空気噴射のような、加圧空気噴射を発生させるように構成することができる。例えば、眼圧計508Cは、Topcon Medical Systems Incorporated(米国ニュージャージー州、Oakland)からCT-80 NON-CONTACT COMPUTERIZED TONOMETER(登録商標)という商標で販売されているエアパフ眼圧計装置を含み得るか、またはそれに類似したものであり得る。一例では、ゴーグル筐体210内に測定ノズルおよび測定窓を配置するように、ゴーグル筐体210をCT-80に統合することができる。
【0078】
検出器装置508は、眼100の強膜または角膜の表面など、眼100に十分に接触することが可能な装置のような、眼表面センサシステム508Dを含むことができる。眼表面センサ508Dは、眼100の表面の変形を測定することができる。そのような変形は、IOPのような体内圧の指標と相関させることができる。眼表面センサシステム508Dは、矯正用または美容用コンタクトレンズのような、コンタクトレンズに組み込むことができるか、またはコンタクトレンズと組み合わせて使用することができる。眼表面センサ508Dは、IOPを含み得るような眼100の1つ以上の体内圧における変化に起因するような眼100の表面の1つ以上の周方向変化を検出するためなどの、コンタクトレンズ型デバイスに装着された無線受電マイクロセンサデバイスを含み得る。眼表面センサ508Dは、アンテナまたは他の送信機のようなインジケータ取得装置と、眼表面センサで検知した眼100の1つ以上の眼特性の1つ以上の指標に関する情報を無線で収集するための受信機を含み得るインジケータ取得インタフェース回路と、を含むことができる。例えば、眼表面センサシステム508Dは、Sensimed AG(スイス、Lausanne)からSENSIMED TRIGGERFISH(登録商標)という商標で販売されているコンタクトレンズ型検出システム装置を含み得るか、またはそれに類似したものであり得る。一例では、インジケータ取得インタフェース回路は、ゴーグル筐体210内に配置するなど、装置200に組み込むことができる。ゴーグル筐体210では、インジケータ取得装置とインジケータ取得インタフェース回路との間の無線通信を可能とするように、圧力トランスデューサに近接してインジケータ取得インタフェース回路を配置することができる。
【0079】
検出器装置508は、水様液または粘液の少なくとも一方の中のような眼100内に配置することができるインプラント装置と、検出器ユニットと、を含み得るような光学指標センサシステム508E、を含むことができるか、またはそれと組み合わせて使用することができる。インプラント装置は、感圧ナノフォトニック構造を含み得るようなセンサを含むことができる。検出器ユニットは、インプラント装置との直接見通し線にあるなど、インプラント装置に近接するように、ゴーグル筐体210に組み込むことができる。検出器ユニットは、紫外線周波数、可視周波数、または近赤外線周波数範囲のうちの少なくとも1つなどからの電磁エネルギーによってインプラント装置を励起できるようなエネルギー源を有することができ、そして、インプラント装置からの反射電磁エネルギーを受信することができる。受信した反射電磁エネルギーは、IOPのような眼パラメータの指標を含み得る。受信した反射電磁エネルギーは、眼100のIOPにおける変化に起因するような光の光学指標における1つ以上の変化を検出するためなど、センサインタフェース制御回路で処理することができる。
【0080】
検出器装置508は、聴診、オシロメトリック検出、またはフォトプレチスモグラフィ(またはPPG:PhotoPlethysmo Graphy)検出のうちの少なくとも1つによるなどして、血圧の1つ以上の指標を検出可能な装置を含み得るような、血圧センサシステム508Fを含むことができる。血圧の指標は、収縮期血圧、拡張期血圧、眼窩圧、または上強膜静脈圧、および心拍数のような1つ以上の関連パラメータを含み得るような、1つ以上の心周期血圧パラメータの1つ以上の指標を含むことができる。眼窩圧は、眼100と、前頭骨、涙骨、篩骨、頬骨、上顎骨、口蓋骨、および蝶形骨のような眼窩を形成する骨などの眼窩と、の間の接触圧のような圧力を含み得る。
【0081】
聴診装置は、心拍または血管内の血流の少なくとも一方を含む心周期によって発生し得るような、体内からの1つ以上の音を検出するために、導入および使用することができる。聴診装置は、音響聴診器もしくは電子聴診器のような聴診器、または水銀血圧計もしくはアネロイド型血圧計のような血圧計において、もしくはそれと組み合わせて使用される聴診器、のうちの少なくとも一方を含み得る。
【0082】
オシロメトリック装置は、血管内の血流による振動のような、血管内の振動を検出するために、導入および使用することができる。オシロメトリック装置は、静電センサまたは容量センサの少なくとも一方のような1つ以上のセンサを含むことができ、患者の血管内の血流に起因するような振動を検出するためなど、患者に接触または近接させて配置することができる。
【0083】
PPG装置は、患者の皮膚からのような光の反射を検出するために、導入および使用することができる。PPG装置は、患者の皮膚に照射することができる光源のような光放射源と、患者の皮膚からの反射光を受信するための受信機のような光放射受信機と、を含み得る。光放射源は、約525ナノメートルの波長を有するような緑色光または約800ナノメートルの波長を有するような赤外光の少なくとも一方など、選択された波長または様々に異なる波長で、光を発生させることができる。例えば、PPG装置は、Apple Inc.(カリフォルニア州、Cupertino)からAPPLE WATCH(登録商標)という商標で販売されている装置を含み得るか、またはそれに類似したものであり得る。一例では、APPLE WATCHは、制御回路230と通信する無線インタフェースを介するなどして、装置200との電気通信が可能である。
【0084】
検出器装置508は、傾斜計センサ508Gを含むことができる。傾斜計センサ508Gは、静水圧差のような、眼100に関連した1つ以上の静水圧の指標など、眼パラメータの指標を提供することができる。傾斜計センサ508Gは、チルトセンサ、加速度計、多軸傾斜計、または多軸加速度計のうちの少なくとも1つなどのセンサの組み合わせを含み得る。傾斜計センサ508Gは、よりグローバルな基準系である地面などに対する患者の相対的体位を示すことができる。一例では、傾斜計センサ508Gは、患者が地面に対して直立している(例えば、患者が地面に対して垂直である)ときには、0度の角度を示すことができ、患者が横たわっている(例えば、患者が地面に対して平行である)ときには、90度の角度を示すことができる。傾斜計センサ508Gは、矢状面、冠状面、横断面を含み得る解剖学的基準系のような、ローカルな基準系に対する患者の相対的体位を示すことができる。一例では、傾斜計センサ508Gは、患者が仰臥位にある(例えば、仰向けに横たわっている)ときには、0度の角度を示すことができ、患者が腹臥位にある(例えば、うつ伏せに横たわっている)ときには、180度の角度を示すことができる。
【0085】
検出器装置508は、色/強度センサシステム508Hを含むことができる。色/強度センサシステムは、カメラシステム509Eなどの可視化支援装置509のようなイメージングシステムと、制御回路230のCPU上で動作するような色/強度処理ソフトウェアと、を有し得る。一例では、カメラシステム509Eは、デジタル画像などの色または色強度の少なくとも一方の指標に関する情報を含み得る最初および後続の可視化など、眼100の一部の可視化を実施することができる。カメラシステム508Eは、処理用などの最初および後続のデジタル画像のように、画像をデジタル化することができ、そのデジタル化画像を制御回路230などに送信することができる。コンパレータ回路または色/強度処理ソフトウェアの少なくとも一方を用いるなどして、最初のデジタル画像と後続のデジタル画像との間などで、色または色強度の少なくとも一方の指標のような指標の差を特定することができ、その指標の差は、電子記憶装置を用いるなどして保存される。
【0086】
検出器装置508は、密閉ボリューム内におけるような流体圧力を検出するために、キャビティ圧力センサ508Iのような圧力センサを含むことができる。キャビティ圧力センサ508Iは、圧電材料、圧電抵抗材料、ホール効果に基づくセンサなどの容量性材料、または歪みゲージセンサなどの抵抗性材料のうちの少なくとも1つを含み得るような検知素子を含むことができる。
【0087】
検出器装置508は、1つ以上の表面圧力を検出するために、接触圧センサシステム508Jのような圧力センサを含むことができる。接触圧センサシステム508Jは、圧電抵抗式、圧電式、容量式、光学式、電位差式、または電磁式の検知素子のうちの少なくとも1つのような接触トランスデューサと、接触トランスデューサに給電するとともにトランスデューサからの信号を検出するためなどの無線信号インタフェースと、を有し得る。接触圧センサ508Jは、歪みセンサまたは容量式マットの少なくとも一方を含み得る。容量式マットは、第1の導電部材と、第1の導電部材に近接した第2の導電部材と、第1の導電部材と第2の導電部材との間に配置された誘電体のような絶縁部材と、を有し得る。強膜122と眼窩との間に発生する力のような対向する接触力の影響によるなどして、第1の導電部材が第2の導電部材に近づくと、第1の導電部材と第2の導電部材との間の距離に比例する変化のような、第1の導電部材と第2の導電部材との間の静電容量変化を検出することができる。接触圧センサシステム508Jは、収縮期血圧と拡張期血圧に起因する力の変動のような、2つの表面間の接触圧の指標を検出するなどして、血圧の指標を検出することができる。接触圧センサシステム508Jは、眼窩圧を検出するためなど、強膜122と眼窩との間に留置することができる。眼窩圧は、収縮期血圧と拡張期血圧に起因するなどして時間で変化し得るような、眼100内の血圧によって眼100が眼窩に付与する1つ以上の力を含み得る。
【0088】
図8は、患者の眼100の可視化の実施を支援するためなど、装置200が備え得るか、または装置200と組み合わせて使用できる可視化支援装置509(またはVAD)の例を示している。VAD509は、眼特性の指標を監視するためなど、筐体内の様々に異なる流体圧力などで、眼の一部を可視化することができる。可視化は、アナログ画像もしくはデジタル画像を含む画像など、患者の眼100の物理的構造の指標または患者の眼100の眼特性の指標の少なくとも一方のような物理的構造の表現を含み得る。画像をコンピュータメモリなどに保存することなく、人間の観察者が画像を知覚し得るなど、画像をドキュメント化しないことが可能である。観察者がVAD509のようなイメージング装置を使用することによって、画像を知覚できるとともに、コンピュータメモリなどに保存し得るなど、画像をドキュメント化することが可能である。
【0089】
VAD509は、可視化検出器を用いるなどして画像を受信できるとともに受信した画像を受信電気信号のような信号に変換することができるシステムを有し得る。受信電気信号は、デジタル画像などの受信画像を表すピクセルおよびボクセルのような離散値の配列を含み得る。VAD509は、VAD509に組み込まれたVADプロセッサ回路などのVADプロセッサ回路のような画像プロセッサ回路を用いて、1つ以上の画像などの可視化を、デジタル処理などの処理することができる。
【0090】
VAD509は、人間の観察者の目視で、患者の眼100の陥凹/乳頭径比などの眼パラメータの指標を検出することを助けるための、レンズまたは他の装置を含むことができる。観察者は、装置200によって付与された圧力の変化に起因する生理的パラメータの指標における変化を評価し得るなど、観察者の目視で、装置200によって患者の眼100に付与された第1のゲージ圧の結果としての患者の眼100の第1の陥凹/乳頭径比を、装置200によって患者の眼100に付与された第2のゲージ圧の結果としての患者の眼100の第2の陥凹/乳頭径比と比較するなどして、生理的パラメータの指標の変化を検出することができる。VAD509Aは、眼特性の指標の検出を向上させるために、生体顕微鏡のような拡大鏡、または光源を有するような検眼鏡、のうちの少なくとも一方などの1つ以上の装置を含み得る。
【0091】
VAD509は、磁気共鳴イメージング(MRI)システム509Bを含むことができる。MRIシステム509Bは、約20キロヘルツ~約300メガヘルツの周波数範囲のエネルギーのような高周波(RF)エネルギーを検出することができる1つ以上のセンサを含み得るような、MRI可視化検出器を含むことができる。MRIシステム509Bは、眼の2次元画像または3次元画像を生成するために使用することができる。
【0092】
VAD509は、超音波システム509Cを含むことができる。超音波システム509Cは、約20キロヘルツ~約10ギガヘルツの周波数範囲のエネルギーのような超音波エネルギーを検出することが可能な圧電トランスデューサ、圧電トランシーバ、または圧電トランスデューサおよびトランシーバのアレイ、のうちの少なくとも1つなどの1つ以上のセンサを含み得るような、超音波可視化検出器を含むことができる。
【0093】
VAD509は、光コヒーレンストモグラフィ(OCT)システム509Dを含むことができる。OCTシステム509Dは、イメージング対象からのような可視光を検出するとともに、その光を電子保存に適したピクセル配列などの電気信号に変換するために、電荷結合素子(CCD)または相補型金属酸化膜半導体(CMOS)素子の少なくとも一方を含み得るような1つ以上のセンサを含み得るような、可視化検出器を含むことができる。一例では、OCTシステム509Dを用いるなどして、軸索輸送のイメージングが可能である。一例では、軸索輸送イメージング装置は、OCTシステム509Dを含むことができる。一例では、篩板位置/形状検出装置は、OCTシステム509Dを含むことができる。一例では、位相分散OCTシステムのようなOCTシステム509Dは、血管内の血流速度の変化など、血流を検出することができる。
【0094】
VAD509は、カメラシステム509Eを含むことができる。カメラシステム509Eは、眼底カメラ、ビデオカメラ、またはビデオキャプチャ機能を有するスマートフォンのようなスマートフォンのカメラ、のうちの少なくとも1つを含み得る。一例では、蛍光眼底血管造影技術を用いるなどして、490ナノメートルの波長の光などで眼100の網膜に照射するとともに、その結果としての画像をカメラシステム509Eで取り込むことなどにより、軸索輸送のイメージングが可能である。一例では、軸索輸送イメージング装置は、カメラシステム509Eを含むことができる。
【0095】
VAD509は、約300テラヘルツ超の周波数範囲のような、可視光よりも高い1つ以上の周波数のエネルギーを検出して、そのエネルギーを記録に適したピクセル配列などの電気信号に変換するためなど、X線システム509Fを含むことができる。一例では、イメージング装置は、X線コンピュータトモグラフィ(X線CT)またはコンピュータアキシャルトモグラフィ(CAT)システムの少なくとも一方を含むことができる。
【0096】
図9は、ゴーグル筐体210のキャビティ212内で流体圧力を眼100に付与するためなどに、装置200を使用する方法900の一例を示している。902で、装置200は、眼窩内圧、ICP、IOP、またはICPとIOPとの間の関係のうちの少なくとも1つを直接的または間接的に示すデータを受信することができる。受信するデータは、眼100の露出した前部全体の周りに広がる1つ以上のキャビティ212をゴーグル筐体210内に提供するように眼100の眼窩上に載置されるようにサイズ設定および形状設定されたゴーグル筐体210を備えた装置200を装着している患者のような、患者から検出することができる。装置200は、検出器装置508または電子記憶装置のような記憶装置などから、データインタフェース232を介するなどして、制御回路230でデータを受信することができる。
【0097】
904で、装置200は、フィードバック制御変数としての受信データに基づいて、患者の眼100に接触することなく患者の眼100に上から配置されるようにサイズ設定および形状設定されたゴーグル筐体210内の流体圧力を調整するためなど、ポンプ220を制御することができ、このとき、ポンプ220を制御することは、ポンプ220を制御するための受信データのさらなる監視を含み得る。
【0098】
眼窩内圧、ICP、IOP、またはICPとIOPとの間の関係のうちの少なくとも1つを直接的に示すデータを受信することは、直接式IOPセンサシステム508Aのような、眼の眼内腔に予め埋め込まれた流体圧力センサで検知されたIOPの指標を、検出器装置508などから受信することを含み得る。一例では、カメラシステム509Eのようなマノメータデータ受信機は、CCDまたはCMOS素子などで、第1の圧力であるときの第1のマノメータレベルの第1の画像と、第2の圧力であるときの第2のマノメータレベルの第2の画像と、を受信することができる。カメラシステム508Eは、第1の画像および第2の画像を処理用などにデジタル化して、そのデジタル化した第1の画像および第2の画像を制御回路230などに送信することができる。第1のマノメータレベルと第2のマノメータレベルとの差は、第2の流体圧力に起因するような、検知された眼100のIOPの直接的指標などの指標を含み得る。一例では、圧力トランスデューサ・ローカルインタフェースは、患者の眼100の眼内腔に埋め込まれたような圧力トランスデューサから、無線信号などの信号を受信することができる。圧力トランスデューサ・ローカルインタフェースは、無線信号を処理用などにデジタル化して、そのデジタル化した無線信号を制御回路232などに送信することができる。無線信号は、検知された眼100のIOPの直接的指標などの指標を含み得る。
【0099】
眼窩内圧、ICP、IOP、またはICPとIOPとの間の関係のうちの少なくとも1つを直接的に示すデータを受信することは、直接式ICPセンサシステム508Bのような、脳脊髄領域と流体連通して予め留置された流体圧力センサで検知されたICPの指標を、検出器装置508などから受信することを含み得る。一例では、インジケータ取得装置は、患者の眼100の脳室内に埋め込まれたような受電ICPセンサから、無線信号などの信号を受信することができる。インジケータ取得装置は、無線信号を処理用などにデジタル化して、そのデジタル化した無線信号を制御回路230などに送信することができる。無線信号は、患者の検知されたICPの直接的指標などの指標を含み得る。
【0100】
眼窩内圧、ICP、IOP、またはICPとIOPとの間の関係のうちの少なくとも1つを直接的に示すデータを受信することは、接触圧センサシステム508Jのような、頭蓋骨の眼窩と流体連通して予め留置されたセンサで検知された眼窩内圧の指標を、検出器装置508などから受信することを含み得る。一例では、接触圧センサシステム508Jは、容量式マットを含み得る。眼窩圧に比例する信号のような信号を、無線信号インタフェースで受信し、デジタル化して、制御回路230に送信することができる。無線信号は、患者の検知された眼窩内圧の直接的指標などの指標を含み得る。
【0101】
眼窩内圧、ICP、IOP、またはICPとIOPとの間の関係のうちの少なくとも1つを間接的に示すデータを受信することは、体血圧、静水圧差、または眼窩圧のうちの少なくとも1つの指標を、無線センサと無線センサ受信機とを含むセンサシステムのような、検出器装置508などから受信することを含み得る。センサシステムは、血圧センサシステム508Fおよび傾斜計センサシステム508Gの少なくとも一方を含むことができる。一例では、無線センサ受信機は、患者の皮膚など、患者に接触しているような無線センサから、無線信号などの信号を受信することができる。無線センサ受信機は、無線信号を処理用などにデジタル化して、そのデジタル化した無線信号を制御回路230などに送信することができる。
【0102】
眼窩内圧、ICP、IOP、またはICPとIOPとの間の関係のうちの少なくとも1つを間接的に示すデータを受信することは、基準データなどからのずれの指標を、VAD509などから受信することを含み得る。ずれの指標は、固定データを基準とするような、眼特性、陥凹/乳頭径比のような膜間圧力差(TPD)、SVP、静脈誘発拍動、または篩板の形状もしくは位置の少なくとも一方、のうちの少なくとも1つの指標を含み得る。センサシステムは、OCTシステム509Dを含むことができる。一例では、OCTシステムは、反射光の検出によるなどして、ずれの指標を受信することができる。一例では、OCTシステム509Dは、特定波長光のような光を放射して、離れた面などからの反射光を、CCDまたはCMOS検出器の少なくとも一方のような検出器で受信することができる。OCTシステムは、検出した反射光をデジタル化して、そのデジタル化した信号を制御回路230などに送信することができる。
【0103】
眼窩内圧、ICP、IOP、ICPとIOPとの間の関係のうちの少なくとも1つを間接的に示すデータを受信することは、眼窩内圧、ICP、IOP、またはICPとIOPとの間の関係の推定値を計算するためなど、体格指数(BMI)および暦年齢の少なくとも一方のような身体パラメータの指標を、ユーザなどから受信することを含み得る。一例では、制御回路230のユーザインタフェース(またはUI)は、制御回路230がユーザからのデータを受信できるようにするためなど、キーパッドのようなデータ入力装置を含むことができる。受信データは、装置200の運転で使用するためなどの目的で、RAMなどに保存することができる。
【0104】
間接的にデータを受信することは、OCTシステム509Dを用いるなどして、血管内径を含む眼血管特性の指標を、検出器装置508などから受信することを含み得る。ポンプ220によってキャビティ212に付与される流体圧力を、患者の眼100が受け得る間に、OCTシステム509Dは、光透過性材料で構成された筐体のようなゴーグル筐体210を通して、静脈血管などの少なくとも1つの血管を含む部分のような、患者の眼100の一部を可視化することができる。ゴーグル筐体210によって取り込まれる光学的外乱は、OCTシステム509Dとゴーグル筐体210との間に配置される補正レンズ、ゴーグル筐体210と患者の眼100との間に配置される補正レンズ、またはゴーグル筐体210に組み込まれる補正レンズのうちの少なくとも1つのような補正レンズを使用することで、軽減することができる。
【0105】
OCTシステム509Dは、ゴーグル筐体210内の流体圧力を調整したことに応じた変化のような、血管内径の指標における変化を可視化することができる。ゴーグル筐体210内の流体圧力を調整することによって、ゴーグル筐体210内の流体圧力を低下させると血管が拡張し、ゴーグル筐体210内の流体圧力を上昇させると血管が虚脱するような、血管の変形が生じる可能性がある。OCTシステム509Dは、ゴーグル筐体210内の流体圧力を調整しつつ実施される1つ以上の可視化のような、血管の1つ以上の可視化などの可視化を実施することができ、そして、その可視化の表現をデジタル画像などで取り込むことができる。
【0106】
OCTシステム509Dは、第1の流体圧力と後続の流体圧力が異なるような場合に、ゴーグル筐体210内の第1の流体圧力の結果であるような患者の眼100の一部の第1のデジタル画像と、ゴーグル筐体210内の後続の流体圧力の結果であるような患者の眼100の一部の後続のデジタル画像を比較するなどして、血管内径の指標などにおける変化を検出することができる。OCTシステム509Dは、血管内径の指標において検出された変化に基づいて、可視化された患者の眼100における血管の虚脱など、眼特性変化基準を確認することができる。
【0107】
分析することは、後続の流体圧力が血管の虚脱を開始させるのに十分であるような場合に、第1の流体圧力の結果である第1のデジタル画像と、後続の流体圧力の結果である後続のデジタル画像のような、画像を比較することによって確認される変化のような、変化を検出することを含み得る。画像処理のような処理は、コンパレータ回路を使用することを含み得る。コンパレータ回路は、ピクセルまたはボクセルの少なくとも一方のような、デジタル画像における対応する配列要素など、第1のデジタル画像と後続のデジタル画像を比較することができる。コンパレータ回路は、第1のデジタル画像と後続のデジタル画像との間の血管特性の変化を確認するためなど、第1のデジタル画像と後続のデジタル画像との間などの差を特定することができる。
【0108】
間接的にデータを受信することは、陥凹/乳頭径比を含む陥凹/乳頭径関係の指標のような、膜間圧力差(TPD)の指標を、検出器装置508などから受信することを含み得る。MRIシステム509B、超音波システム509C、OCTシステム509D、眼底カメラもしくはビデオカメラもしくはスマートフォンのカメラ509Eなどのカメラシステム509E、またはX線システム509F、のうちの少なくとも1つのようなVAD509を用いて、陥凹/乳頭径比の可視化を受信することができる。
【0109】
陥凹/乳頭径比は、IOP対ICPの比のような、患者の眼100におけるIOPとICPの相対的な大きさを示している可能性がある。装置200において付与する流体圧力レベルを変化させるとともに、変化する付与流体圧力レベルなどで眼100の可視化を実施することによるなど、それぞれの患者眼100のような眼100の陥凹/乳頭径比のキャリブレーションなどによって、IOPとICPとの間の関係を評価することができる。一例では、装置200を用いるなどして、流体圧力を漸進的段階でゴーグル筐体210に付与することにより、ゴーグル筐体210内の流体圧力を漸進的に増加または減少させるなどして、患者の眼100のIOPを変化させることができる。漸進的流体圧力の各段階において、少なくとも1つのVAD509を用いるなどして、陥凹/乳頭径比の可視化を実施することができ、それぞれの可視化は、その可視化を記憶装置に保存することなどによって、処理することが可能である。キャリブレーション中にICPが比較的一定に維持されると仮定すると、保存された各々の可視化の陥凹/乳頭径比を特定し、キャリブレーション中に取得したデータに基づいて、制御回路230などによって、ICPをIOPに関連付けるような数式に処理することなどにより、陥凹/乳頭径比のようなIOPとICPとの間の関係を、患者の眼100の漸進的可視化から特定することができる。
【0110】
ポンプ220を制御することは、眼異常症状を治療するためにゴーグル筐体210に付与する治療圧力量または治療圧力レベルを確定することを伴い得るような、ゴーグル筐体210内の治療圧力の設定を含み得る。治療圧力レベルを確定することは、受信した眼特性の指標を処理することと、その眼特性の指標の目標値を受信すること、受信した眼特性の指標と受信した眼特性の指標の目標値との間の差を特定することと、受信した眼特性の指標と受信した眼特性の指標の目標値との間の差に基づいて治療圧力レベルを選択することと、ポンプ220のような、治療圧力レベルをゴーグル筐体210に供給するように機能する装置に制御信号を送信することと、を含み得る。
【0111】
受信した眼特性の指標を処理することは、受信した眼特性の指標に数値などの値を割り当てることを含み得る。受信した指標の数値は、キャリブレーション基準などでキャリブレーション済みの検出器装置508によって検出した値を含み得る。一例では、眼100のIOPのような眼特性の受信した指標は、力基準またはずれ基準の少なくとも一方を含むキャリブレーション基準でキャリブレーション済みの反跳式眼圧計のような検出器装置508で検出されたIOPの値を含むことができる。受信した眼特性の指標の数値は、制御回路230のCPUなどによって、受信した指標を第1のパラメータ単位セットから第2のパラメータ単位セットに変換するための数値係数を用いるなどして、重み付けすることができる。一例では、受信される指標は、制御回路230の第1の入力チャネルにおいて、ミリボルトまたはミリアンペアのような第1のパラメータ単位セットで受信することができ、そして受信した指標に、制御回路230のCPUによって、mmHg/ミリボルト(mmHg/mv)のような、第1のパラメータ単位セットと第2のパラメータ単位セットとの間の換算係数を表す数値係数で重み付けすることによって、重量ポンド毎平方インチ(psi)または水銀柱ミリメートル(mmHg)のような第2のパラメータ単位セットに変換することができる。
【0112】
受信した眼特性の指標を処理することは、受信した1つ以上の指標の関数を含み得る合成指標のような、眼特性の合成指標を計算することを含み得る。合成指標は、制御回路230のCPUのような処理装置を用いて計算することができる。一例では、TPDの推定値の指標のような眼特性の合成指標は、受信したIOPの指標と、受信した血圧の指標とBMIおよび暦年齢などの身体パラメータの1つ以上の指標との関数であり得るICPの指標の推定値のような、ICPの指標の推定値と、の間の差を確認することなどにより、計算することができる。
【0113】
眼特性の指標の目標値を受信することは、眼特性の1つ以上の指標などの少なくとも1つの目標眼パラメータ、および装置200のユーザなどからの身体パラメータの1つ以上の指標を、患者への装置200の使用を処方する医療専門家などから、制御回路230のUIを介して受信することを含み得る。一例では、目標眼パラメータは、約2mmHg、約3mmHg、約4mmHg、約5mmHg、約6mmHgのTPD目標値を含む、約2mmHg~約6mmHgの範囲の目標値のような、眼100のTPDの目標値を含むことができる。一例では、目標値は、約10mmHg、約11mmHg、約12mmHg、約13mmHg、約14mmHg、約15mmHg、約16mmHg、約17mmHg、約18mmHg、約19mmHg、約20mmHgのIOP目標値を含む、約10mmHg~約20mmHgの範囲の目標値のような、眼100のIOPの目標値を含むことができる。一例では、目標値は、BMIおよび患者年齢のような患者の身体パラメータの1つ以上の指標を含むことができる。
【0114】
眼特性の指標の目標値を受信することは、眼特性の1つ以上の指標、および患者の身体パラメータの1つ以上の指標など、受信した目標値に基づいて、制御回路230のCPUを用いるなどして、眼特性の指標の合成目標値を計算することを含み得る。一例では、TPDの指標の合成目標値は、血圧などの眼特性の指標と、体格指数(BMI)、患者年齢のような身体パラメータの1つ以上の指標と、カーブフィッティングアルゴリズムから導出された1つ以上の実験定数値を含む、眼特性の1つ以上の指標に関連した1つ以上の実験定数値と、の加重和として計算することができる。
【0115】
眼特性の指標の目標値を受信することは、眼特性の1つ以上の指標のための、離散時点に対応した目標値のリストのような、目標値プロファイルを受信することを含み得る。受信する目標値の大きさは、時間と共に周期的に、または時間と共に非周期的になど、時間に関して変化し得る。一例では、受信する目標値プロファイルは、IOPの目標値のリストを含むことができ、その場合、IOP目標値の大きさは、概日周期または概ね24時間ごとに繰り返される周期などで、周期的に変化する。
【0116】
受信した眼特性の指標と受信した眼特性の指標の目標値との間の差を特定することは、誤差信号を形成するためなどの1つ以上の数学演算を用いて、受信した指標と受信した目標値とを結び付けることを含み得る。誤差信号は、ゴーグル筐体210内の治療圧力レベルなどのゲージ圧を設定するために、ポンプ220に対してなど、制御信号として用いることができる。一例では、誤差信号は、制御回路230のCPUによって、受信した目標値の値を、受信した指標の値から減算した結果として得られる値を含むことができる。
【0117】
数学演算は、眼特性の指標を表す時系列の値のような1つ以上の数値または1つ以上の数値配列に適用される任意の数値演算、記号演算、または論理(例えば、ブール)演算を含み得る。数値演算には、加算、減算、乗算、除算、加重値を得るために数値に定数値を乗算することによるような重み付け、数値をその数値の対数表現に変換するなどの関数による変換、を含むことができる。
【0118】
ポンプ220のような、治療圧力レベルをゴーグル筐体210に供給するように機能する装置は、出力(例えば、従属変数)がモータ速度(例えば、独立変数)の関数として変化する電気モータの動力曲線など、1つ以上の動作特性を有し得る。制御信号を用いてポンプ220を制御するなどして、ゴーグル筐体210に治療圧力レベルを付与するために、ポンプ220の動作特性を組み込むように制御信号を生成することができる。
【0119】
ゴーグル筐体210に付与する治療圧力レベルを選択することは、制御信号を計算すること、または制御信号を特定すること、の少なくとも一方などにより、治療圧力レベルに関連した制御信号を生成することを含み得る。制御信号を計算することは、受信した眼特性の指標および誤差信号などの1つ以上の信号に対して、1つ以上の数学演算を適用することを含み得る。一例では、制御信号は、ポンプ制御信号を形成するためなどの1つ以上の数学演算を用いて、誤差信号と、ポンプ220の動作特性を表す関数と、を結び付けることを含み得る。
【0120】
制御信号を特定することは、治療圧力レベルに関連した制御信号を特定するためなど、誤差信号を制御信号値の配列と比較することを含み得る。制御信号値の配列は、誤差信号などの独立変数と制御信号などの従属変数との間に関数関係が存在しているルックアップテーブルを含み得る。
【0121】
独立変数と従属変数との間の関数関係は、制御信号を生成するための独立変数の線形関数を含み得る。線形関数は、従属変数が独立変数に正比例し得る場合などに、眼特性の1つ以上の指標または1つ以上の身体パラメータの少なくとも一方に適用される数学演算の組み合わせを含むことができる。一例では、眼100の眼症状の治療に必要な治療圧力レベルを供給するようにポンプ220を作動させることが可能なポンプ制御信号を実現するために、眼特性の指標に比例する利得のようなシステム利得で、誤差信号に乗算することができる。
【0122】
独立変数と従属変数との間の関数関係は、制御信号を生成するための独立変数の非線形関数を含み得る。非線形関数は、従属変数が独立変数に反比例し得る場合などに、眼特性の1つ以上の指標または1つ以上の身体パラメータの少なくとも一方に適用される数学演算の組み合わせを含むことができる。非線形関数は、装置動作の周波数領域および時間領域特性を含む装置の動作特性のような、患者とは独立なパラメータの1つ以上の指標に適用される数学演算の組み合わせを含むことができる。一例では、眼100の眼症状の治療に必要な治療圧力レベルを供給するようにポンプ220を作動させることが可能な制御信号を実現するために、ポンプ220によって発生させるゲージ圧がポンプ220の速度に依存し得るポンプ220の動作特性を記述する関数またはパラメータのような、非線形関数またはパラメータで、誤差信号に重み付けすることができる。
【0123】
治療圧力レベルの指標を送信することは、ゴーグル筐体210に治療圧力レベルを供給するように機能する装置のような装置に対して、制御信号を、制御回路230の第1の出力のような制御回路230の出力チャネルを介して伝達することを含み得る。一例では、ポンプ220が、ゴーグル筐体210に供給するゲージ圧を設定または生成および制御するためのポンプ制御信号を受信することができるように、制御回路230の第1の出力をポンプ220に電気的に接続することができる。一例では、制御回路230の第1の出力を、制御可能なベントおよび電動ベンチュリ弁アセンブリを含む電動弁アセンブリのような1つ以上の弁アセンブリに電気的に接続することができ、それらの弁アセンブリは、弁アセンブリを介してゴーグル筐体210に接続された、正または負のゲージ圧を閉じ込める流体源のような1つ以上の加圧流体源を含む。
【0124】
ゴーグル筐体210内の治療圧力を設定することは、眼異常症状のような眼症状を治療するための治療圧力をゴーグル筐体210に付与することを含み得る。治療圧力は、ポンプ220のような圧力源によって生成することができ、眼100の眼症状を治療するために、ゴーグル筐体210内にゲージ圧を発生させるなどして、ゴーグル筐体210のキャビティ212に付与することができる。付与される治療圧力は、ゴーグル筐体210に付与される正または負のゲージ圧のような、ゲージ圧を含み得る。ゲージ圧は、要求に応じてポンプ220などで生成することができ、またはゴーグル筐体210に付与されるゲージ圧を計量するための圧力レギュレータのような制御弁を含む加圧ガスボンベのような1つ以上の加圧流体源で供給することができる。
【0125】
ゴーグル筐体210内の治療圧力を設定することは、眼100の眼症状を治療するためにキャビティ212に付与する治療圧力の持続時間を確定することを含み得る。付与する治療圧力の持続時間は、その治療圧力で治療する眼症状に依存し得る。一例では、付与する治療圧力の持続時間を確定することは、治療を要する眼100の眼症状を特定することと、キャビティ212に付与する治療圧力の持続時間を処方することと、を含み得る。治療圧力の持続時間を処方することは、治療圧力をキャビティ212に付与する時間長を規定することを含み得る。
【0126】
ポンプを制御するための受信データのさらなる監視は、ゴーグル筐体210内などの治療圧力を調整することを伴い得る。治療圧力を調整することは、付与する治療圧力の効果を高めることを伴うことができ、それは、受信した1つ以上のフィードバック信号の指標と受信した生理的パラメータの目標値との間の差を最小化するように、ゴーグル筐体210に付与する治療圧力レベルを変化させることを含み得る。眼100に付与するための治療圧力を調整することは、ゴーグル筐体210に付与する治療圧力レベルを調整するために、制御回路224のCPU上で実行されるアルゴリズムを用いて実現される閉ループ制御原理のようなフィードバック制御原理を用いることを含み得る。
【0127】
ゴーグル筐体210内の治療圧力を調整することは、装置200を装着している患者などからの1つ以上のフィードバック信号を検出することを含み得る。1つ以上のフィードバック信号は、1つ以上の検知器513で検出されるような、生理的パラメータの指標を含む圧力指標およびゴーグル筐体210に付与される治療圧力レベルの指標に関する情報を含むことができる。装置200は、制御回路224の1つ以上の入力チャネルで1つ以上のフィードバック信号を受信するなどして、1つ以上のフィードバック信号に関する情報を制御回路224で受信することができる。
【0128】
ゴーグル筐体210内の治療圧力レベルを調整することは、1つ以上のフィードバック信号を処理することを含み得る。フィードバック信号を処理することは、合成指標が1つ以上のフィードバック信号の関数であり得る場合などに、生理的パラメータの合成指標を計算することを含み得る。
【0129】
ゴーグル筐体210内の治療圧力レベルを調整することは、生理的パラメータの1つ以上の指標および患者の身体パラメータの1つ以上の指標のための更新された目標値など、フィードバック信号のための更新された目標値を受信することを含み得る。更新された目標値は、制御回路224のUIを介するなどして、装置200のユーザから受信することができる。更新された目標値を受信することは、さらに、受信した更新済み目標値に基づいて、制御回路224のCPUなどにより、フィードバック信号のための更新された合成目標値を計算することを含み得る。
【0130】
ゴーグル筐体210内の治療圧力レベルを調整することは、更新された誤差信号を形成するためなど、フィードバック信号と受信したフィードバック信号の目標値との間の差を特定することを含み得る。
【0131】
治療圧力レベルを調整することは、更新された誤差信号に基づいて、更新された治療圧力を選択することと、更新されたポンプ制御信号のような更新済み制御信号を、更新された治療圧力をゴーグル筐体210に供給するように機能するポンプ220のような装置に送信することと、を含み得る。
【0132】
流体圧力レベル503のような流体圧力を調整することは、検出眼パラメータ信号502に応じるなどして、ポンプ信号501を生成することを含み得る。SVPを表示する網膜中心静脈133などの可視化を実施するとともに、最初の可視化と後続の可視化との間でSVPによる内径の変化のような少なくとも1つの眼特性または他の生理的特性における変化を特定するために、SVPなどの最初および後続の可視化を分析するなど、その可視化を分析することなどにより、検出眼パラメータ信号を検出することができる。可視化は、OCTシステム509DなどのVAD509を用いて実施することができる。SVPによる内径の変化などの検出眼パラメータ信号502に基づいて、制御回路は、検出眼パラメータ信号502と同位相または異位相の少なくとも一方であり得る調整済みポンプ信号のようなポンプ信号501を生成することができる。一例では、同位相ポンプ信号501のようなポンプ信号501は、TMPの動的成分を最小化するように、ゴーグル筐体210に付与することができる同位相流体圧力レベル503のような流体圧力レベル503を生成することができる。一例では、異位相ポンプ信号501のようなポンプ信号501は、TMPの動的成分を最大化するように、ゴーグル筐体210に付与することができる異位相流体圧力レベル503のような流体圧力レベル503を生成することができる。
【0133】
ポンプ220を制御することは、制御回路230などにより、受信データを処理することを含み得る。受信データは、検出眼パラメータ信号510、目標眼パラメータ信号512、または筐体センサ信号507のうちの少なくとも1つを含み得るような、合成信号513を含むことができる。
【0134】
ポンプ220を制御することは、処理済み合成データの指標501をポンプ220に送信することを含み得る。処理済み合成データの指標501は、制御回路230とポンプ220との間の有線接続または無線接続の少なくとも一方によるような電気的接続によって送信することができる。ポンプ220は、制御回路230とポンプ220との間の有線インタフェースまたは無線インタフェースの少なくとも一方によるような電気的インタフェースによるなどして、処理済みデータの指標201を受信することができる。
【0135】
図10は、ICPを監視するための圧力を眼100に付与するために、装置200を使用する方法1000の一例を示している。1006で、イメージング装置または他の可視化支援装置509は、ICPの指標を監視するためなど、ゴーグル筐体210内の様々に異なる流体圧力などで、眼100の一部を可視化することができる。
【0136】
図11は、ICPを特定するため、またはICPを監視するためなどの、圧力を眼100に付与するために、装置200を使用する方法1100の一例を示している。1208で、患者の眼100に接触することなく患者の眼100に上から配置されるようにサイズ設定および形状設定されたゴーグル筐体210を用いるなどして、第1の流体圧力で、患者の眼100の最初の可視化を実施することができる。
【0137】
1110で、第1の流体圧力とは異なり得る後続の流体圧力のような、後続の流体圧力で、患者の眼100の後続の可視化を実施することができる。後続の可視化は、第2の可視化、第3の可視化、第4の可視化、第5の可視化、または他の可視化など、最初の可視化の後に実施される可視化のような、可視化を含み得る。
【0138】
1112で、筐体内の第1の流体圧力と第2の流体圧力との間の変化に対応するような、少なくとも1つの眼特性などにおける変化を特定するために、最初および後続の可視化を用いることができる。眼特性は、静脈血管を含む眼内腔の血管、または上強膜静脈血管のような患者の眼100における血管、の少なくとも一方のような眼の血管などの血管内径における変化を含み得る。眼特性は、ゴーグル筐体210のキャビティ212に付与された流体圧力に起因するような眼内静脈血管の虚脱状態などの血管状態を含み得る。一例では、眼特性変化基準は、ゴーグル筐体210のキャビティ212に付与された流体圧力に起因するような眼内静脈血管の虚脱を含み得る。
【0139】
可視化を実施することは、患者の眼100の検査の目的を達成するために、VAD509などのVAD509を選択することを含み得る。可視化を実施することは、眼特性の特定または監視の少なくとも一方を達成するために、VAD509と組み合わせて使用するためなどの1つ以上の検出器装置508を選択することを含み得る。
【0140】
少なくとも1つの眼特性における変化を特定することは、処理技術を用いるなどして、可視化を処理することを含み得る。処理技術は、観察者の目視などによって可視化を観察することによるなど、少なくとも1つの可視化を手動で処理することを含み得る。
【0141】
可視化を観察することは、観察者が患者の眼100を観察するなど、患者の眼100のドキュメント化されていない画像を知覚することと、ドキュメント化されていない画像の観察に基づく推断などにより眼100を評価することと、を含み得る。一例では、可視化を処理することは、0.3の比と異なり得る陥凹/乳頭径比のような、患者の眼100に異常が存在する可能性の指標を確認するために、眼科医などの観察者が、視神経118の陥凹/乳頭径比などの眼特性を可視化するために検眼鏡を用いるなどして、患者の眼100を観察することを含み得る。
【0142】
可視化を観察することは、最初のドキュメント化されていない画像と後続のドキュメント化されていない画像との間で、少なくとも1つの眼特性における変化を検出するためなど、患者の眼100のドキュメント化されていない1つ以上の画像を知覚することを含み得る。一例では、可視化を処理することは、患者の眼100に装置200を配置することと、第1の流体圧力をゴーグル筐体210のキャビティ212に付与することと、第1の流体圧力の結果としての陥凹/乳頭径比のような患者の眼100の眼特性を可視化することと、第1の流体圧力とは異なる第2の流体圧力のような、第2の流体圧力をキャビティ212に付与することと、第2の流体圧力の結果としての陥凹/乳頭径比のような眼特性を可視化することと、第1と第2のドキュメント化されていない画像のような、第1と第2の画像の間の変化を検出することなどにより、第1の流体圧力と第2の流体圧力の結果としての陥凹/乳頭径比における変化を検出することと、を含み得る。
【0143】
処理技術は、デジタル画像を保存する能力を有するVAD509のような、VAD509を用いて可視化を観察することによるなど、少なくとも1つの可視化をデジタル処理することを含み得る。
【0144】
可視化を観察することは、デジタル画像を保存する能力を有するVAD509などを用いて、患者の眼100のドキュメント化された画像を知覚することと、ドキュメント化された画像の観察に基づく推断などにより眼100を評価することと、を含み得る。一例では、可視化を処理することは、0.3の比と異なり得る陥凹/乳頭径比のような、患者の眼100に異常が存在する可能性の指標を確認するために、眼科医などの観察者が、視神経118の陥凹/乳頭径比など、患者の眼100のドキュメント化された画像を観察することを含み得る。
【0145】
可視化を観察することは、最初のドキュメント化された画像と後続のドキュメント化された画像との間で、少なくとも1つの眼特性における変化を検出するためなど、患者の眼100のドキュメント化された1つ以上の画像を知覚することを含み得る。一例では、可視化を処理することは、患者の眼100に装置200を配置することと、第1の流体圧力をゴーグル筐体210のキャビティ212に付与することと、第1の流体圧力の結果としての陥凹/乳頭径比のような患者の眼100の眼特性を、第1の画像で可視化することと、第1の流体圧力とは異なる第2の流体圧力のような、第2の流体圧力をキャビティ212に付与することと、第2の流体圧力の結果としての陥凹/乳頭径比のような眼特性を、第2の画像で可視化することと、第1と第2のデジタル画像のような、第1と第2の画像の間の変化を観察することなどにより、第1の流体圧力と第2の流体圧力の結果としての陥凹/乳頭径比における変化を検出することと、を含み得る。
【0146】
分析することは、第1と第2のデジタル画像の間などの変化を観察することを含み得る。変化を観察することは、眼特性の指標における変化を特定するためなど、第1と第2のデジタル画像を手動処理することを含み得る。手動処理することは、対応するデジタル要素におけるピクセル特性またはボクセル特性の少なくとも一方の間の変化のような、第1と第2のデジタル画像の間の変化を、観察者の目視で検出することを含み得る。変化を検出することは、観察者の目視で、第1のデジタル画像を知覚することと、第2のデジタル画像を知覚することと、第1と第2のデジタル画像の間の差を特定することと、を含み得る。
【0147】
第1と第2のデジタル画像の間の変化を観察することは、眼特性の指標における変化を特定するためなど、第1と第2のデジタル画像をデジタル処理することを含み得る。第1と第2の画像をデジタル処理することは、対応するデジタル要素におけるピクセル特性またはボクセル特性の少なくとも一方の間の変化のような、第1と第2のデジタル画像の間の変化を、コンピューティング装置を用いて検出することを含み得る。変化を検出することは、第1と第2のデジタル画像の表現をランダムアクセスメモリまたはRAMのようなコンピューティング装置のメモリに格納することと、第1と第2のデジタル画像の間の差を特定するために、デジタルコンパレータアルゴリズムのようなアルゴリズムを実行することと、を含み得る。アルゴリズムを実行することは、コンピューティング装置に実装されたソフトウェアコードのようなソフトウェアコードを起動することと、ソフトウェアコードの命令セットを第1と第2のデジタル画像の表現に適用することと、を含み得る。
【0148】
図12は、ICPの指標を特定するためなどに、装置200を使用する方法1200の一例を示している。1202で、患者の眼10に接触することなく患者の眼100に上から配置されるようにサイズ設定および形状設定されたゴーグル筐体210の1つ以上のキャビティ212内の第1の流体圧力で、患者の眼100の最初の可視化を実施することができ、その可視化は、患者の眼100の上にゴーグル筐体210を配置した状態で実施する。
【0149】
1204で、ゴーグル筐体210の1つ以上のキャビティ212内の後続の流体圧力で、患者の眼100の後続の可視化を実施することができ、その可視化は、患者の眼100の上にゴーグル筐体210を配置した状態で実施し、後続の流体圧力は第1の流体圧力とは異なる。
【0150】
1206で、筐体内の第1の流体圧力と後続の流体圧力との間の変化に対応した、少なくとも1つの眼特性または他の生理的特性における変化を特定するために、最初および後続の可視化を用いることができる。
【0151】
図13は、ゴーグル筐体210に付与する圧力を患者の心周期と同期させるように、装置200を使用する方法1300の一例を示している。1308で、ゴーグル筐体210の1つ以上のキャビティ内の流体圧力を、患者の心周期の1つ以上の部分に対応させて調整することができる。
【0152】
図14は、患者の心周期の指標に基づいてICPを特定するために、装置200を使用する方法1400の一例を示している。1410で、最初の可視化と後続の可視化との間での少なくとも1つの眼特性または他の生理的特性における変化に基づいて、体内圧の指標を特定するために、最初および後続の可視化を分析することができる。
【0153】
図15は、装置200を使用して、治療セッションの終了後に眼100の診断検査を実施するためなどの方法1500の一例を示している。方法1500は、急性または慢性の眼異常症状の少なくとも一方を監視および治療するためなどの診断方法および治療方法を組み合わせることなどにより、装置200を使用する方法の一例を含み得る。
【0154】
1502で、眼に接触することなく患者の眼100に上から配置されるようにサイズ設定および形状設定されたゴーグル筐体210から、ゲージ圧を解放することができる。
1504で、ゴーグル筐体210内の大気流体圧力で、患者の眼100の可視化を実施することができ、その可視化は、眼特性回復基準を満たす眼特性を検出するために、患者の眼100の上にゴーグル筐体210を配置した状態で実施する。一例では、眼特性回復基準は、網膜中心静脈133の略円形状のようなアンビエント断面形状への回復を含み得る。
【0155】
1506で、眼特性変化基準を達成するように、ゴーグル筐体210にゲージ圧を付与することができる。一例では、眼特性変化基準は、ゴーグル筐体210のキャビティ212に付与された流体圧力に起因するような眼内静脈血管の虚脱を含み得る。
【0156】
正または負のゲージ圧のようなゲージ圧を患者の眼100に付与することは、変形状態を呈するように、正のゲージ圧による圧縮または負のゲージ圧による膨張の少なくとも一方のような変形を、患者の眼100に生じさせる可能性がある。診断検査において装置200を用いて誘発される変形のような、患者の眼100の短時間の変形は、基本眼特性を基準として、患者の眼100の眼特性の一時的変化のような、患者の眼100の眼特性における変化を生じさせる可能性がある。基本眼特性の第1セットのような基本眼特性は、周囲圧または大気圧で検出された眼特性など、患者の眼100にゲージ圧が付与されていないような弛緩状態の患者の眼100から検出された眼特性を含み得る。
【0157】
患者の眼100に対する装置200の治療的使用において誘発される変形のような、患者の眼100の長時間の変形は、患者の眼100の基本眼特性の第1セットを永続的に変化させるような眼特性における永続的変化を誘発するなど、付与された流体圧力に対する患者の眼100のリモデリングまたは他の適応を生じさせる可能性がある。すなわち、装置200を使用することによる患者の眼100の長時間の変形に起因するような患者の眼100のリモデリングによって、患者の眼100は、基本眼特性の第2のセットを前提とするようになり、基本眼特性の第2のセットは、基本眼特性の第1のセットとは異なる。
【0158】
治療レジメンの有効性を判定するための評価のような、患者の眼100の評価は、弛緩状態の患者の眼100に対して診断検査を実施することが有効であり得る。患者の眼100が変形状態から弛緩状態に移行するための時間は、患者の生理機能などによって異なり得る。
【0159】
ゴーグル筐体210などからゲージ圧を解放することは、患者の眼100が変形状態から弛緩状態に回復することを可能とするように、患者の眼100を周囲圧に暴露することを含み得る。周囲圧は、大気圧、またはポンプ220による影響を受けない流体圧力、のうちの少なくとも一方を含み得る。制御可能なベントを開放するなどして、ゴーグル筐体210と周囲大気との間の流体圧力差を均等化するための低抵抗流体路を提供することなどにより、制御可能なベントを介してゲージ圧を開放することができる。ゴーグル筐体210内のゲージ圧のブリードオフを可能とするように、ポンプ220をオフにすることにより、ゴーグル筐体210と周囲大気との間の流体圧力差を均等化するための可変抵抗流体路を提供するなどして、ゲージ圧を解放することができる。
【0160】
眼特性回復基準を満たす眼特性を検出することは、眼特性の指標を含む患者の眼100の部分のような、患者の眼100の一部を可視化することと、その眼特性を眼特性回復基準と比較するためなど、その可視化を観察することと、を含み得る。一例では、装置200のゴーグル筐体210内のゲージ圧によって変形した網膜中心静脈133の内径のような眼特性を、ゴーグル筐体210からのゲージ圧の解放中などに、OCTシステム509Dを用いるなどして可視化することができ、そして、網膜中心静脈133の弛緩状態の内径のような眼特性回復基準と比較することができる。
【0161】
ゲージ圧を解放することは、眼100の眼特性回復基準が達成された後などに、眼100を可視化することを含み得る。一例では、弛緩状態の患者の眼100などで、眼特性の指標を検出するためなど、患者の眼100を可視化することができる。
【0162】
大気条件下の患者の眼100におけるような弛緩状態の網膜中心静脈133の内径を測定すること、または網膜中心静脈133の内径の推定値を計算すること、の少なくとも一方などによって、網膜中心静脈133の弛緩状態の内径を特定することができる。網膜中心静脈133の内径の推定値を計算することは、網膜中心静脈133を虚脱させるのに十分なゲージ圧などで、装置200によって付与されるゲージ圧を受けた網膜中心静脈133の可視化を実施することと、網膜中心静脈133の虚脱状態などの変形状態にあるような網膜中心静脈133の内径を検出することと、弛緩状態の網膜中心静脈133の内径の推定値を計算することと、を含み得る。弛緩状態の網膜中心静脈133の内径の推定値を計算することは、変形前の網膜中心静脈133の半径の推定値を計算するためなど、虚脱状態などで検出された網膜中心静脈133の内径を、パイ(π)として知られる数学定数で除算することと、変形前の網膜中心静脈133の内径の推定値を結果として得るように、半径の推定値を2で乗算することと、を含み得る。
【0163】
治療圧力を設定することは、眼症状の治療圧力の治療レジメンを処方する目的などで、眼異常症状のような眼100の眼症状を特定することを含み得る。眼100のTPDなどの眼特性の1つ以上の指標を評価することによって、眼異常症状の存在を特定することができる。TPDの指標は、視神経乳頭150の陥凹/乳頭径比を含み得る。約0.3の陥凹/乳頭径比を有する眼100は、生理的に正常な機能を有する眼100など、眼100の「正常な」TPDを示している可能性がある。約0.3よりも低いまたは高い陥凹/乳頭径比を有する眼100は、治療を要する眼100のような、生理的に正常な機能を持たない眼100など、「異常な」TPDを示している可能性がある。
【0164】
約0.3よりも高い陥凹/乳頭径比の値は、緑内障などの眼異常症状の存在を示している可能性がある。例えば、約0.35、約0.4、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9の陥凹/乳頭径比など、約0.35~約0.9の範囲の陥凹/乳頭径比は、緑内障を含む眼異常症状の存在を示している可能性がある。約0.3よりも低い陥凹/乳頭径比の値は、視神経乳頭浮腫などの眼異常症状の存在を示している可能性がある。例えば、約0.25、約0.2、約0.15、約0.1、約0.05の陥凹/乳頭径比、および約0.00の陥凹/乳頭径比で示されるように視神経乳頭150に陥凹が認められない場合には、視神経乳頭浮腫および乳頭浮腫を含む眼異常症状の存在を示している可能性がある。
【0165】
図16は、診断目的などで、装置200を使用してICPまたはIOPの少なくとも一方を特定するための方法1600の一例を示している。1602で、眼異常症状を患っている疑いがある患者のような、患者の上に装置200を配置することができる。
【0166】
1604で、患者の眼100の少なくとも一部を可視化するためなど、可視化支援装置509を選択することができる。VAD509は、IOPか、ICPか、またはその両方を測定するべきかどうかに基づいて選択することができる。
【0167】
1606で、第1の流体圧力での最初の可視化のような、可視化を患者の眼100において実施することができる。装置200は、付与した圧力などを含むメタデータを記録することができる。最初の画像は、眼特性における変化を検出するために他の画像を比較することができる画像のような、基本画像を含むことができる。
【0168】
1608で、第2の流体圧力での第2の可視化のような、可視化を実施することができる。第2の流体圧力は、第1の流体圧力とは異なり得る。
1610で、筐体内の第1の流体圧力と第2の流体圧力との間の変化に対応した、少なくとも1つの眼特性または他の生理的特性における変化を特定するために、最初の可視化および第2の可視化を用いることができる。
【0169】
1612で、変化基準が達成されたかどうかを判定するためなど、眼特性における変化を、少なくとも1つの変化基準と比較することができる。
1614で、第2の可視化を最初の可視化と呼び名を変えることができ、そして、眼特性変化基準を達成し得るまでなど、後続の可視化を取得することができる。
【0170】
図17は、急性または慢性の眼異常症状の少なくとも一方を治療することを含む治療目的などで、装置200を使用する方法1700の一例を示している。
1702で、眼異常症状と診断された患者のような、患者の上に装置200を配置することができる。
【0171】
1704で、検出眼パラメータ信号510を、データインタフェース232で受信することができる。
1706で、ポンプ制御信号501を形成するためなど、検出眼パラメータ信号510を、制御回路230で処理することができる。処理することは、誤差信号を計算するためなど、第1の流体圧力の指標をセットポイントと比較することを含み得る。ポンプ制御信号501は、誤差信号を所定の割合で減少させるポンプ信号のような、ポンプ信号を含み得る。
【0172】
1708で、ゴーグル筐体210に供給される流体圧力を、第1の圧力から、第1の圧力とは異なる第2の圧力に調整するためなど、ポンプ制御信号501を、ポンプ220で受信することができる。
【0173】
1710で、誤差信号をゼロに至らせるためなど、ゴーグル筐体210内の流体圧力を監視することができる。
1712で、臨床的に意義のある期間などにわたって、誤差信号をゼロに維持することができる。
【0174】
図18は、眼異常症状の治療のためなど、眼100に付与する治療圧力を、IOPを用いて設定および調整する例示的な方法1800を示している。1802で、ゴーグル筐体210と患者の皮膚との間にハーメチックシールを形成するためなど、ゴーグル筐体210が患者の皮膚に接触するように、ゴーグル筐体210を患者の眼100に上から配置するなどして、患者が装置200を装着することができる。
【0175】
1804で、IOPを含む生理的パラメータの指標など、圧力指標に関する情報を、内部検知器513bを含む検知器513を用いるなどして検出することができる。
1806で、IOPの指標を、制御回路224の第1の入力チャネルなどにおいて、制御回路224で受信することができる。
【0176】
1808で、受信したIOPの指標と、制御回路224に付属するUIを介して受信したIOP目標値のようなIOP目標値との間の差を、制御回路224に付属するCPUなどによって特定することができる。受信したIOPの指標とIOP目標値との間の差は、誤差信号のような信号であり得る。
【0177】
1810で、誤差信号に基づくなどして、ポンプ指令信号を選択して、CPUから制御回路224の1つ以上の出力チャネルを介して、ポンプ220のような他の装置に対して、その装置の動作を制御するために送信することができる。
【0178】
1812で、ポンプ220は、制御回路224の1つ以上の出力チャネルからポンプ指令信号を受信したことに対して、装置200のゴーグル筐体210に付与するための治療圧力を生成するようにポンプを作動させることなどにより、応じることができる。
【0179】
1814で、眼症状を治療するためなどの治療圧力レベルをキャビティ212内に発生させるために、治療圧力をゴーグル筐体210に付与することができる。
1816で、治療圧力を付与したことに応じた、IOPなどの生理的パラメータの指標における変化を、内部検知器513bのような検知器513で検出することができる。IOPにおける変化は、IOPフィードバック信号のようなフィードバック信号であり得る。
【0180】
1818で、IOPフィードバック信号を、制御回路224の第1の入力チャネルなどにおいて、制御回路224で受信することができる。
1820で、IOPフィードバック信号と、更新されたIOP目標値のようなIOP目標値との間の差を、制御回路224に付属するCPUを用いるなどして特定することができる。IOPフィードバック信号と更新されたIOP目標値との間の差は、更新された誤差信号のような信号であり得る。
【0181】
1822で、更新された誤差信号に基づくなどして、更新されたポンプ指令信号を選択して、CPUから制御回路224の1つ以上の出力チャネルを介して、ポンプ220のような他の装置に対して、その装置の動作を修正するために送信することができる。
【0182】
1824で、ポンプ220は、更新されたポンプ指令信号を受信したことに対して、装置200のゴーグル筐体210に付与するための更新された治療圧力を生成するようにポンプを作動させることなどにより、応じることができる。
【0183】
[様々な注記]
本開示の装置および方法についてさらに説明するために、実施例の非限定的な一覧を以下で提示する。
【0184】
実施例1は、眼症状の診断または治療の少なくとも一方のための装置のような、主題を包含または採用することができる。その主題は、眼の眼窩上に載置されるようにサイズ設定および形状設定されたゴーグル筐体であって、眼の露出した前部全体の周りに広がる1つ以上のキャビティを筐体内に提供するゴーグル筐体と、1つ以上のキャビティに流体圧力を付与するために1つ以上のキャビティと流体連通しているポンプであって、ゴーグル筐体の1つ以上のキャビティ内の流体圧力を調整するように構成されたポンプと、眼窩内圧、ICP、IOP、またはICPとIOPとの間の関係のうちの少なくとも1つを直接的または間接的に示すデータを受信するためのデータインタフェースを有する制御回路であって、フィードバック制御変数として受信データを処理することに基づいて、1つ以上のキャビティ内の流体圧力を調整するようにポンプを制御する制御回路と、を含むことができ、制御することは、ポンプを制御するために受信データのさらなる監視を用いることを含む。
【0185】
実施例2は、実施例1の主題を包含し得るか、またはその主題と任意選択的に組み合わせることが可能であって、任意選択的に、眼窩内圧、ICP、IOP、またはICPとIOPとの間の関係のうちの少なくとも1つを直接的に示すデータを受信するために、制御回路に付属するデータインタフェースを含み、受信するデータは、眼の眼内腔に予め留置された圧力センサで検知されたIOP、脳脊髄領域と流体連通して予め留置されたセンサで検知されたICP、または頭蓋骨の眼窩と流体連通して予め留置されたセンサで検知された眼窩内圧、のうちの少なくとも1つの指標を含む。
【0186】
実施例3は、実施例1または2の主題を包含し得るか、またはその主題と任意選択的に組み合わせることが可能であって、任意選択的に、眼窩内圧、ICP、IOP、またはICPとIOPとの間の関係のうちの少なくとも1つを間接的に示すデータを受信するために、制御回路データインタフェースを含み、受信するデータは、眼血管特性、陥凹/乳頭径関係を含む膜間圧力差、体血圧、体格指数(BMI)を含む身体パラメータ、様々に異なる体位もしくは姿勢に対応した静水圧差、静脈自発拍動もしくは静脈誘発拍動、篩板の形状もしくは位置、上強膜静脈圧、または眼窩圧のうちの少なくとも1つの指標を含む。
【0187】
実施例4は、実施例1~3の主題を包含し得るか、またはその主題と任意選択的に組み合わせることが可能であって、任意選択的に、ICPの指標を監視するために、筐体内の様々に異なる流体圧力で眼の一部を可視化するための可視化支援装置を含む。
【0188】
実施例5は、実施例1~4の主題を包含し得るか、またはその主題と任意選択的に組み合わせることが可能であって、任意選択的に、可視化支援装置を含み、可視化支援装置は、陥凹/乳頭径比の指標を取得するように構成される。
【0189】
実施例6は、実施例1~5の主題を包含し得るか、またはその主題と任意選択的に組み合わせることが可能であって、任意選択的に、上記データの少なくとも一部を提供するために、可視化支援装置を含み、その可視化支援装置は、眼底カメラを含む。
【0190】
実施例7は、実施例1~6の主題を包含し得るか、またはその主題と任意選択的に組み合わせることが可能であって、任意選択的に、上記データの少なくとも一部を提供するために、可視化支援装置を含み、イメージング装置は、光コヒーレンストモグラフィ(OCT)システムを含む。
【0191】
実施例8は、実施例1~7の主題を包含し得るか、またはその主題と任意選択的に組み合わせることが可能であって、任意選択的に、上記データの少なくとも一部を提供するために、血圧センサを含む。
【0192】
実施例9は、実施例1~8の主題を包含し得るか、またはその主題と任意選択的に組み合わせることが可能であって、任意選択的に、血管寸法、流特性、拍動、酸素化、または色特性のうちの少なくとも1つにおける変化を検出することにより、上記データの少なくとも一部を提供するために、検出器装置を含む。
【0193】
実施例10は、実施例1~9の主題を包含し得るか、またはその主題と任意選択的に組み合わせることが可能であって、任意選択的に、上記データの少なくとも一部を提供するために、傾斜計または姿勢センサを含む、静水圧差センサを含む。
【0194】
実施例11は、実施例1~10の主題を包含し得るか、またはその主題と任意選択的に組み合わせることが可能であって、任意選択的に、上記データの少なくとも一部を提供するために、眼圧計を含み、その眼圧計は、眼圧計が眼にアクセスできるように、筐体に統合または結合されている。
【0195】
実施例12は、実施例1~11の主題を包含し得るか、またはその主題と任意選択的に組み合わせることが可能であって、任意選択的に、上記データの少なくとも一部を提供するために、コンタクトレンズを含み、そのコンタクトレンズは、眼特性を検出するために組み込まれた歪みセンサまたは他のセンサを有する。
【0196】
実施例13は、実施例1~12の主題を包含し得るか、またはその主題と任意選択的に組み合わせることが可能であって、任意選択的に、上記データの少なくとも一部を提供するために、軸索輸送イメージング装置を含む。
【0197】
実施例14は、実施例1~13の主題を包含し得るか、またはその主題と任意選択的に組み合わせることが可能であって、任意選択的に、上記データの少なくとも一部を提供するために、篩板位置/形状検出装置を含む。
【0198】
実施例15は、実施例1~14の主題を包含し得るか、またはその主題と任意選択的に組み合わせることが可能であって、任意選択的に、データインタフェースは、患者の眼に接触することなく患者の眼に上から配置されるようにサイズ設定および形状設定されたゴーグル筐体内の第1の流体圧力で患者の眼の最初の可視化を実施することであって、患者の眼の上にゴーグル筐体を配置した状態で可視化を実施することと、ゴーグル筐体内の1つ以上の後続の流体圧力で患者の眼の1つ以上の後続の可視化を実施することであって、患者の眼の上にゴーグル筐体を配置した状態で、第1の流体圧力とは異なる後続の流体圧力で可視化を実施することと、最初および後続の可視化を用いて、筐体内の第1の流体圧力と後続の流体圧力との間の変化に対応した、少なくとも1つの眼特性における変化を特定することと、によって取得されるICPの指標を、受信および処理するためのものであることを含む。
【0199】
実施例16は、眼症状の診断または治療の少なくとも一方のための装置のような、主題を包含または採用することができる。その主題は、眼の眼窩上に載置されるようにサイズ設定および形状設定されたゴーグル筐体であって、眼の露出した前部全体の周りに広がる1つ以上のキャビティを筐体内に提供するゴーグル筐体と、1つ以上のキャビティに流体圧力を付与するために1つ以上のキャビティと流体連通しているポンプであって、ゴーグル筐体の1つ以上のキャビティ内の流体圧力を調整するように構成されたポンプと、ゴーグル筐体が患者に当接して載置されているときの患者の眼の少なくとも一部を可視化するための可視化支援装置であって、そのときにポンプでゴーグル筐体のキャビティ内の流体圧力を調整するために、ポンプと通信する可視化支援装置と、を含むことができる。
【0200】
実施例17は、実施例16の主題を包含し得るか、またはその主題と任意選択的に組み合わせることが可能であって、任意選択的に、ゴーグル筐体の1つ以上のキャビティ内の1つ以上の流体圧力で可視化支援装置を用いた可視化のために、1つ以上のキャビティ内の流体圧力を調整するようにポンプを制御する制御回路を含む。
【0201】
実施例18は、実施例16または17の主題を包含し得るか、またはその主題と任意選択的に組み合わせることが可能であって、任意選択的に、ゴーグル筐体の1つ以上のキャビティ内の第1の流体圧力で患者の眼の最初の可視化を実施することと、ゴーグル筐体内の1つ以上の後続の流体圧力で患者の眼の1つ以上の後続の可視化を実施することであって、患者の眼の上にゴーグル筐体を配置した状態で、第1の流体圧力とは異なる後続の流体圧力で可視化を実施することと、最初および後続の可視化を用いて、筐体内の第1の流体圧力と後続の流体圧力との間の変化に対応した、少なくとも1つの眼特性における変化を特定することとを含む、ゴーグル筐体の1つ以上のキャビティ内の1つ以上の流体圧力で可視化支援装置を用いた可視化のために、制御回路は、1つ以上のキャビティ内の流体圧力を調整するためにポンプを制御するように構成されることを含む。
【0202】
実施例19は、実施例16~18の主題を包含し得るか、またはその主題と任意選択的に組み合わせることが可能であって、任意選択的に、可視化支援装置は、光コヒーレンストモグラフィ(OCT)装置を含む、ことを含む。
【0203】
実施例20は、実施例16~19の主題を包含し得るか、またはその主題と任意選択的に組み合わせることが可能であって、任意選択的に、可視化支援装置は、眼底カメラを含む、ことを含む。
【0204】
実施例21は、実施例16~20の主題を包含し得るか、またはその主題と任意選択的に組み合わせることが可能であって、任意選択的に、可視化支援装置は、超音波イメージング装置を含む、ことを含む。
【0205】
実施例22は、実施例16~21の主題を包含し得るか、またはその主題と任意選択的に組み合わせることが可能であって、任意選択的に、可視化支援装置は、最初の可視化と後続の可視化との間で、少なくとも1つの眼特性または他の生理的特性における変化を特定するために、最初および後続の可視化を分析するための画像プロセッサ回路を含むか、または画像プロセッサ回路に結合されていることを含む。
【0206】
実施例23は、実施例16~22の主題を包含し得るか、またはその主題と任意選択的に組み合わせることが可能であって、任意選択的に、画像プロセッサ回路は、筐体の1つ以上のキャビティ内の異なる付与圧力での最初の可視化と後続の可視化との間で、血流速度における変化を特定するために、血管の画像に関連したピクセルまたはボクセルを比較するように構成されていることを含む。
【0207】
実施例24は、実施例16~23の主題を包含し得るか、またはその主題と任意選択的に組み合わせることが可能であって、任意選択的に、画像プロセッサ回路は、筐体の1つ以上のキャビティ内の異なる付与圧力での最初の可視化と後続の可視化との間で、血管に関連した色特性における変化を特定するために、血管の画像に関連したピクセルまたはボクセルを比較するように構成されていることを含む。
【0208】
実施例25は、実施例16~24の主題を包含し得るか、またはその主題と任意選択的に組み合わせることが可能であって、任意選択的に、画像プロセッサ回路は、最初の可視化と後続の可視化との間での眼特性または他の生理的特性における変化が、規定された血管内径変化基準または他の規定された基準を満たしているかどうかを示しているかどうかを判定するように構成されていることを含む。
【0209】
実施例26は、実施例16~25の主題を包含し得るか、またはその主題と任意選択的に組み合わせることが可能であって、任意選択的に、画像プロセッサ回路は、筐体の1つ以上のキャビティ内の異なる付与圧力での最初の可視化と後続の可視化との間での眼特性または他の生理的特性における変化に基づいて、体内圧の指標を特定するように構成されていることを含む。
【0210】
実施例27は、実施例16~26の主題を包含し得るか、またはその主題と任意選択的に組み合わせることが可能であって、任意選択的に、画像プロセッサ回路は、筐体の1つ以上のキャビティ内の異なる付与圧力での最初の可視化と後続の可視化との間での眼特性または他の生理的特性における変化に基づいて、脳脊髄液(CSF)圧を体内圧の指標に相関させるように構成されていることを含む。
【0211】
実施例28は、実施例16~27の主題を包含し得るか、またはその主題と任意選択的に組み合わせることが可能であって、任意選択的に、可視化支援装置は、最初の可視化と後続の可視化との間で、少なくとも1つの眼特性または他の生理的特性における変化を特定するために、最初および後続の可視化を分析するための画像プロセッサ回路を含むか、または画像プロセッサ回路に結合されていることを含み、少なくとも1つの眼特性または他の生理的特性は、静脈自発拍動もしくは静脈誘発拍動の振幅、血管内径、位置、または他の特性のうちの少なくとも1つ含む。
【0212】
実施例29は、実施例16~28の主題を包含し得るか、またはその主題と任意選択的に組み合わせることが可能であって、任意選択的に、制御回路は、ゴーグル筐体の1つ以上のキャビティ内の流体圧力を、患者の眼球脈波周期の1つ以上の部分に対応させて調整するように、ポンプを作動させるように構成されていることを含む。
【0213】
実施例30は、実施例16~29の主題を包含し得るか、またはその主題と任意選択的に組み合わせることが可能であって、任意選択的に、制御回路は、ゴーグル筐体の1つ以上のキャビティ内の流体圧力を、患者の眼球脈波周期の1つ以上の部分に対応させて調整するように、ポンプを作動させるように構成されていることを含む。
【0214】
実施例31は、実施例16~30の主題を包含し得るか、またはその主題と任意選択的に組み合わせることが可能であって、任意選択的に、複数の心周期にわたる血管自発拍動、静脈誘発拍動、または他の眼特性もしくは他の生理的特性の、振幅または他の特性を変化させる(最大化、最小化、または中位にする)ように、制御回路は、ゴーグル筐体の1つ以上のキャビティ内の流体圧力を、患者の複数の心周期にわたる患者の心周期の1つ以上の部分に対応させて調整するように、ポンプを作動させるように構成されていることを含む。
【0215】
実施例32は、実施例16~31の主題を包含し得るか、またはその主題と任意選択的に組み合わせることが可能であって、任意選択的に、複数の眼球脈波周期にわたる血管自発拍動、静脈誘発拍動、または他の眼特性もしくは他の生理的特性の、振幅または他の特性を変化させるように、制御回路は、ゴーグル筐体の1つ以上のキャビティ内の流体圧力を、患者の複数の眼球脈波周期にわたる患者の眼球脈波周期の1つ以上の部分に対応させて調整するように、ポンプを作動させるように構成されていることを含む。
【0216】
実施例33は、実施例16~32の主題を包含し得るか、またはその主題と任意選択的に組み合わせることが可能であって、任意選択的に、複数の頭蓋内圧周期にわたる血管自発拍動、静脈誘発拍動、または他の眼特性もしくは他の生理的特性の、振幅または他の特性を変化させるように、制御回路は、ゴーグル筐体の1つ以上のキャビティ内の流体圧力を、患者の複数の頭蓋内圧周期にわたる患者の頭蓋内圧周期の1つ以上の部分に対応させて調整するように、ポンプを作動させるように構成されていることを含む。
【0217】
実施例34は、実施例16~33の主題を包含し得るか、またはその主題と任意選択的に組み合わせることが可能であって、任意選択的に、可視化支援装置は、最初の可視化と後続の可視化との間での少なくとも1つの眼特性または他の生理的特性における変化に基づいて体内圧の指標を特定するために、最初の可視化および1つ以上の後続の可視化を分析するための画像プロセッサ回路を含むか、または画像プロセッサ回路に結合されていることを含む。
【0218】
実施例35は、方法のような、主題を包含または採用することができる。その主題は、頭蓋内圧(ICP)、眼圧(IOP)、またはICPとIOPとの間の関係のうちの少なくとも1つを直接的または間接的に示すデータを受信することと、患者の眼に接触することなく患者の眼に上から配置されるようにサイズ設定および形状設定されたゴーグル筐体内の流体圧力を調整するために、フィードバック制御変数としての受信データに基づいてポンプを制御することと、を含む方法を含むことができ、制御することは、ポンプを制御するために受信データのさらなる監視を用いることを含む。
【0219】
実施例36は、実施例1の主題を包含し得るか、またはその主題と任意選択的に組み合わせることが可能であって、任意選択的に、データを受信することは、眼の眼内腔に予め留置された流体圧力センサで検知されたIOP、脳脊髄領域と流体連通して予め留置された流体圧力センサで検知されたICP、または脳脊髄領域と流体連通して予め留置されたセンサで検知された眼窩内圧、のうちの少なくとも1つの指標を用いて、眼窩内圧、ICP、IOP、またはICPとIOPとの間の関係のうちの少なくとも1つを直接的に示すデータを受信することを含む、ことを含む。
【0220】
実施例37は、実施例35または36の主題を包含し得るか、またはその主題と任意選択的に組み合わせることが可能であって、任意選択的に、データを受信することは、眼窩内圧、ICP、IOP、またはICPとIOPとの間の関係のうちの少なくとも1つを間接的に示すデータを受信することを含む、ことを含み、受信するデータは、眼血管特性、陥凹/乳頭径関係を含む膜間圧力差、体血圧、体格指数(BMI)を含む身体パラメータ、様々に異なる体位もしくは姿勢に対応した静水圧差、静脈自発拍動もしくは静脈誘発拍動、篩板の形状もしくは位置、上強膜静脈圧、または眼窩圧のうちの少なくとも1つの指標を含む。
【0221】
実施例38は、実施例35~37の主題を包含し得るか、またはその主題と任意選択的に組み合わせることが可能であって、任意選択的に、ICPの指標を監視するために、筐体内の様々に異なる流体圧力で眼の一部を可視化するための可視化支援装置を使用することを含む。
【0222】
実施例39は、実施例35~38の主題を包含し得るか、またはその主題と任意選択的に組み合わせることが可能であって、任意選択的に、陥凹/乳頭径比の指標を取得するための可視化支援装置を使用することを含む。
【0223】
実施例40は、実施例35~39の主題を包含し得るか、またはその主題と任意選択的に組み合わせることが可能であって、任意選択的に、眼底カメラを可視化支援装置として使用することを含む。
【0224】
実施例41は、実施例35~40の主題を包含し得るか、またはその主題と任意選択的に組み合わせることが可能であって、任意選択的に、光コヒーレンストモグラフィ(OCT)システムを可視化支援装置として使用することを含む。
【0225】
実施例42は、実施例35~41の主題を包含し得るか、またはその主題と任意選択的に組み合わせることが可能であって、任意選択的に、血圧データの指標を、上記データの少なくとも一部として用いることを含む。
【0226】
実施例43は、実施例35~42の主題を包含し得るか、またはその主題と任意選択的に組み合わせることが可能であって、任意選択的に、静脈自発拍動データまたは静脈誘発拍動データの少なくとも一方の指標を、上記データの少なくとも一部として用いることを含む。
【0227】
実施例44は、実施例35~43の主題を包含し得るか、またはその主題と任意選択的に組み合わせることが可能であって、任意選択的に、血管寸法、流特性、拍動、酸素化、または色特性のうちの少なくとも1つにおける変化を検出することにより、上記データの少なくとも一部を提供することを含む。
【0228】
実施例45は、実施例35~44の主題を包含し得るか、またはその主題と任意選択的に組み合わせることが可能であって、任意選択的に、上記データの少なくとも一部を提供するために、患者の傾きまたは姿勢に関する情報を用いることを含む。
【0229】
実施例46は、実施例35~45の主題を包含し得るか、またはその主題と任意選択的に組み合わせることが可能であって、任意選択的に、上記データの少なくとも一部を提供するために、眼圧計を使用することを含み、その眼圧計は、眼圧計が眼にアクセスできるように、筐体に統合または結合されている。
【0230】
実施例47は、実施例35~46の主題を包含し得るか、またはその主題と任意選択的に組み合わせることが可能であって、任意選択的に、上記データの少なくとも一部を提供するために、コンタクトレンズを使用することを含み、そのコンタクトレンズは、眼特性を検出するために組み込まれた歪みセンサまたは他のセンサを有する。
【0231】
実施例48は、実施例35~47の主題を包含し得るか、またはその主題と任意選択的に組み合わせることが可能であって、任意選択的に、上記データの少なくとも一部を提供するために、軸索輸送に関する情報を用いることを含む。
【0232】
実施例49は、実施例35~48の主題を包含し得るか、またはその主題と任意選択的に組み合わせることが可能であって、任意選択的に、上記データの少なくとも一部を提供するために、篩板の位置または形状に関する情報を用いることを含む。
【0233】
実施例50は、実施例35~49の主題を包含し得るか、またはその主題と任意選択的に組み合わせることが可能であって、任意選択的に、患者の眼に接触することなく患者の眼に上から配置されるようにサイズ設定および形状設定されたゴーグル筐体内の第1の流体圧力で患者の眼の最初の可視化を実施することであって、患者の眼の上にゴーグル筐体を配置した状態で可視化を実施することと、ゴーグル筐体内の後続の流体圧力で患者の眼の1つ以上の後続の可視化を実施することであって、患者の眼の上にゴーグル筐体を配置した状態で、第1の流体圧力とは異なる後続の流体圧力で可視化を実施することと、最初および後続の可視化を用いて、筐体内の第1の流体圧力と後続の流体圧力との間の変化に対応した、少なくとも1つの眼特性における変化を特定することと、を含む。
【0234】
実施例51は、方法のような、主題を包含または採用することができる。その主題は、患者の眼に接触することなく患者の眼に上から配置されるようにサイズ設定および形状設定されたゴーグル筐体の1つ以上のキャビティ内の第1の流体圧力で患者の眼の最初の可視化を実施することであって、患者の眼の上にゴーグル筐体を配置した状態で可視化を実施することと、ゴーグル筐体の1つ以上のキャビティ内の後続の流体圧力で患者の眼の後続の可視化を実施することであって、患者の眼の上にゴーグル筐体を配置した状態で、第1の流体圧力とは異なる後続の流体圧力で可視化を実施することと、最初および後続の可視化を用いて、筐体内の第1の流体圧力と後続の流体圧力との間の変化に対応した、少なくとも1つの眼特性または他の生理的特性における変化を特定することと、を含むことができる。
【0235】
実施例52は、実施例51の主題を包含し得るか、またはその主題と任意選択的に組み合わせることが可能であって、任意選択的に、可視化は、光コヒーレンストモグラフィ(OCT)を実施することを含む、ことを含む。
【0236】
実施例53は、実施例51または52の主題を包含し得るか、またはその主題と任意選択的に組み合わせることが可能であって、任意選択的に、可視化は、眼底カメラを使用することを含む、ことを含む。
【0237】
実施例54は、実施例51~53の主題を包含し得るか、またはその主題と任意選択的に組み合わせることが可能であって、任意選択的に、可視化は、超音波イメージングを実施することを含む、ことを含む。
【0238】
実施例55は、実施例51~54の主題を包含し得るか、またはその主題と任意選択的に組み合わせることが可能であって、任意選択的に、可視化は、最初の可視化と後続の可視化との間で、少なくとも1つの眼特性または他の生理的特性における変化を特定するために、最初および後続の可視化を分析することを含む、ことを含む。
【0239】
実施例56は、実施例51~55の主題を包含し得るか、またはその主題と任意選択的に組み合わせることが可能であって、任意選択的に、分析することは、筐体の1つ以上のキャビティ内の異なる付与圧力での最初の可視化と後続の可視化との間で、血流速度における変化を特定するために、血管の画像に関連したピクセルまたはボクセルを比較することを含む、ことを含む。
【0240】
実施例57は、実施例51~56の主題を包含し得るか、またはその主題と任意選択的に組み合わせることが可能であって、任意選択的に、分析することは、筐体の1つ以上のキャビティ内の異なる付与圧力での最初の可視化と後続の可視化との間で、血管に関連した色特性における変化を特定するために、血管の画像に関連したピクセルまたはボクセルを比較することを含む、ことを含む。
【0241】
実施例58は、実施例51~57の主題を包含し得るか、またはその主題と任意選択的に組み合わせることが可能であって、任意選択的に、分析することは、最初の可視化と後続の可視化との間での眼特性または他の生理的特性における変化が、規定された血管内径変化基準または他の規定された基準を満たしているかどうかを示しているかどうかを判定することを含む、ことを含む。
【0242】
実施例59は、実施例51~58の主題を包含し得るか、またはその主題と任意選択的に組み合わせることが可能であって、任意選択的に、分析することは、筐体の1つ以上のキャビティ内の異なる付与圧力での最初の可視化と後続の可視化との間での眼特性または他の生理的特性における変化に基づいて、体内圧の指標を特定することを含む、ことを含む。
【0243】
実施例60は、実施例51~59の主題を包含し得るか、またはその主題と任意選択的に組み合わせることが可能であって、任意選択的に、分析することは、筐体の1つ以上のキャビティ内の異なる付与圧力での最初の可視化と後続の可視化との間での眼特性または他の生理的特性における変化に基づいて、頭蓋内圧(ICP)を体内圧の指標に相関させることを含む、ことを含む。
【0244】
実施例61は、実施例51~60の主題を包含し得るか、またはその主題と任意選択的に組み合わせることが可能であって、任意選択的に、分析することは、最初の可視化と後続の可視化との間で、少なくとも1つの眼特性または他の生理的特性における変化を特定するために、最初および後続の可視化を用いることを含む、ことを含み、少なくとも1つの眼特性または他の生理的特性は、血管自発拍動もしくは静脈誘発拍動の振幅、血管内径、位置、または他の特性のうちの少なくとも1つ含む。
【0245】
実施例62は、実施例51~61の主題を包含し得るか、またはその主題と任意選択的に組み合わせることが可能であって、任意選択的に、ゴーグル筐体の1つ以上のキャビティ内の流体圧力を、患者の心周期の1つ以上の部分に対応させて調整することを含む。
【0246】
実施例63は、実施例51~62の主題を包含し得るか、またはその主題と任意選択的に組み合わせることが可能であって、任意選択的に、ゴーグル筐体のキャビティ内の流体圧力を、患者の眼球脈波周期の1つ以上の部分に対応させて調整することを含む。
【0247】
実施例64は、実施例51~63の主題を包含し得るか、またはその主題と任意選択的に組み合わせることが可能であって、任意選択的に、複数の心周期にわたる血管自発拍動、静脈誘発拍動、または他の眼特性もしくは他の生理的特性のうちの少なくとも1つの、振幅または他の特性を最大にするように、ゴーグル筐体の1つ以上のキャビティ内の流体圧力を、患者の複数の心周期にわたる患者の心周期の1つ以上の部分に対応させて調整することを含む。
【0248】
実施例65は、実施例51~64の主題を包含し得るか、またはその主題と任意選択的に組み合わせることが可能であって、任意選択的に、最初の可視化と後続の可視化との間での少なくとも1つの眼特性または他の生理的特性における変化に基づいて体内圧の指標を特定するために、最初および後続の可視化を分析することを含む。
【0249】
実施例66は、方法のような、主題を包含または採用することができる。その主題は、患者の眼に接触することなく患者の眼に上から配置されるようにサイズ設定および形状設定されたゴーグル筐体からゲージ圧を解放することと、ゴーグル筐体内の大気流体圧力で、患者の眼の可視化を実施することであって、眼特性回復基準を達成した眼特性を検出するために、患者の眼の上にゴーグル筐体を配置した状態で可視化を実施することと、眼特性変化基準を達成するように、ゴーグル筐体にゲージ圧を付与することと、を含むことができる。
【0250】
実施例67は、実施例66の主題を包含し得るか、またはその主題と任意選択的に組み合わせることが可能であって、任意選択的に、ゲージ圧を解放することは、ゴーグル筐体と流体連通している制御可能なベントを開放することを含む、ことを含む。
【0251】
実施例68は、実施例66または67の主題を包含し得るか、またはその主題と任意選択的に組み合わせることが可能であって、任意選択的に、患者の眼に接触することなく患者の眼に上から配置されるようにサイズ設定および形状設定されたゴーグル筐体内のゲージ圧で患者の眼の最初の可視化を実施することであって、患者の眼の上に配置したゴーグル筐体からゲージ圧を解放する直前に最初の可視化を実施することと、患者の眼の1つ以上の後続の可視化を実施することであって、患者の眼の上に配置したゴーグル筐体からゲージ圧を解放した後に1つ以上の後続の可視化を実施することと、最初および後続の可視化を用いて、ゴーグル筐体からのゲージ圧の解放に対応した、少なくとも1つの眼特性における眼特性回復基準の実現を確認することと、を含む。
【0252】
上記の説明は、詳細な説明の一部をなす添付の図面への参照を含む。図面は、本発明を実施することができる具体的な実施形態を例示として示している。これらの実施形態は、本明細書では「例」とも呼ばれる。そのような例は、図示もしくは記載したもの以外の要素を含むことができる。しかしながら、本発明者らは、図示もしくは記載した要素のみが提供される例も企図する。さらに、本発明者らは、本明細書で図示もしくは記載した特定の例(もしくは、その1つ以上の態様)または他の例(もしくは、その1つ以上の態様)のいずれかに関して、図示もしくは記載した要素(もしくは、その1つ以上の態様)の任意の組み合わせまたは置換を用いた例も企図する。
【0253】
本明細書と、参照により本明細書に組み込まれるいずれかの文献との間で、使用法に矛盾がある場合には、本明細書における使用法を優先する。
本明細書では、特許文献で一般的であるように、「1つ」という用語を、「少なくとも1つ」または「1つ以上」という他のいずれの例または用法とも無関係に、「1つ」または「2つ以上」を含むものとして使用している。本明細書では、「または」という用語を、非排他的論理和の意味で使用しており、よって、「AまたはB」は、特に指定がない限り、「AであるがBではない」、「BであるがAではない」、「AかつB」を含む。本明細書では、「含んでいる」という用語は、それぞれ対応する「備えている」という用語の同義語として使用される。また、請求項において、「含む」および「備える」という用語は、制限のないものであり、すなわち、ある請求項において、かかる用語の後に列挙された要素に加えて、それ以外の要素を含むシステム、装置、物品、組成物、製剤、またはプロセスは、やはり、その請求項の範囲内にあるとみなされる。また、請求項において、「第1の」「第2の」「第3の」などの用語は、単にラベルとして使用されるものであり、その対象物に数値的要件を課すものではない。
【0254】
「平行」、「垂直」、「円形」、または「方形」のような幾何学的用語は、文脈上別段の指定がない限り、絶対的な数学的厳密さを要求するものではない。むしろ、かかる幾何学的用語は、製造ばらつきまたは機能的に等価なものを許容する。例えば、ある要素が「円形」または「略円形」と記述されている場合には、厳密には円形ではない構成要素(例えば、若干楕円状または多辺多角形のもの)であっても、この記述に包含される。
【0255】
本明細書に記載の方法の例は、少なくとも部分的に、マシンまたはコンピュータにより実現することが可能である。いくつかの例として、上記の実施例で記載したような方法を実行するために電子装置を構成設定するように機能する命令でコード化されたコンピュータ可読媒体またはマシン可読媒体を含むことができる。かかる方法の実装には、マイクロコード、アセンブリ言語コード、高級言語コードなどのようなコードを含むことができる。かかるコードは、様々な方法を実行するためのコンピュータ可読命令を含むことができる。コードは、コンピュータプログラムプロダクトのいくつかの部分を形成し得る。さらに、一例では、コードは、実行中またはその他のタイミングなどに、1つ以上の揮発性、非一時的、または不揮発性の有形コンピュータ可読媒体に、有形に保存することができる。これらの有形コンピュータ可読媒体の例として、ハードディスク、リムーバブル磁気ディスク、リムーバブル光ディスク(例えば、コンパクトディスクおよびデジタルビデオディスク)、磁気カセット、メモリカードまたはメモリスティック、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)などを含むことができるが、ただし、これらに限定されない。
【0256】
上記の説明は、例示的なものであって、限定するものではない。例えば、上記の実施例(もしくは、その1つ以上の態様)を、互いの実施例において、または互いに組み合わせて用いてよい。当業者は、上記説明を精査することなどによって、他の実施形態を用いることができる。要約書は、読者が技術的開示の本質を迅速に確認することを可能とするために提供される。それが特許請求の範囲または意味を解釈または限定するために用いられることはないという理解のもとに提出される。また、上記の詳細な説明では、開示を合理化する目的で、種々の特徴をまとめてグループ化している場合がある。これは、請求項に記載がない開示の特徴が、いずれかの請求項に必須のものであることを意図するものと解釈されてはならない。むしろ、発明の主題は、開示された1つの具体的な実施形態のすべての特徴よりも少ない特徴にあり得る。よって、請求項は、実施例または実施形態として、本明細書における詳細な説明に組み込まれており、各請求項は個別の実施形態として独立している。かかる実施形態は、様々な組み合わせまたは順列で互いに組み合わせることが可能であると考えられる。本発明の範囲は、かかる請求項によって権利が認められる均等物の全範囲と共に、添付の特許請求の範囲を参照して、決定されるべきである。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18