(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023021203
(43)【公開日】2023-02-10
(54)【発明の名称】金融システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/02 20230101AFI20230203BHJP
【FI】
G06Q40/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021126351
(22)【出願日】2021-07-31
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
(71)【出願人】
【識別番号】520321535
【氏名又は名称】株式会社知財事業研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100170449
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 英彦
(72)【発明者】
【氏名】大賀 信幸
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055BB57
(57)【要約】 (修正有)
【課題】調達コストなく融資資金を調達することができる金融システムを提供する。
【解決手段】金融システムは、複数の債務者情報処理装置への第1の出金情報と、複数の前記債務者情報処理装置からの第1の入金情報と、複数の第1の金融機関サーバーからの第2の入金情報と、複数の第2の金融機関サーバーへの第2の出金情報と、を受ける貯留型入手金サーバーシステムを含む。貯蓄型入出金サーバーは、第1の出金情報が、貯蓄する資金情報から、第1の入金情報の特定時点の入金情報量を加え、第2の出金情報の特定時点の入金情報量を引き、第2の入金情報の特定時点の入金情報量を加えた資金情報を超えないように決定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の借受人端末への第1の出金情報と、
複数の前記借受人端末からの第1の入金情報と、
複数の第1の金融機関サーバーからの第2の入金情報と、
複数の第2の金融機関サーバーへの第2の出金情報と、
を受ける貯留型入手金サーバーシステムであって、
前記第1の入金情報と前記第1の出金情報と前記第2の入金情報と前記第2の出金情報とから貯蓄する資金情報を算出可能であり、
前記第1の入金情報は、特定時点の入金情報量が予定されており、
前記第2の出金情報は、特定時点の出金情報量が予定されており、
前記第2の入金情報は、特定時点の入金情報量が予定されており、
前記第1の出金情報が、前記貯蓄する資金情報から、前記第1の入金情報の特定時点の入金情報量を加え、前記第2の出金情報の特定時点の入金情報量を引き、前記第2の入金情報の特定時点の入金情報量を加えた資金情報を超えないように決定する、金融システム。
【請求項2】
前記第1の金融機関サーバーは、顧客端末からの第3の入金情報を受け、
前記第1の金融機関サーバーは、店舗端末への第3の出金情報を受け、
前記店舗端末と前記顧客端末とは売買情報を交換する、請求項1に記載の金融システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、資金の移動および貯留を管理する金融システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、クレジットカードや、電子マネー、QRコード決済などの電子決済方法がある(特許文献1)。このような決済方法は、顧客と店舗との間でも利用される。顧客と店舗とは、売買契約が成立し、商品の譲渡と代金の支払いが行われる。この代金の支払は、従来は紙幣や硬貨により行われていたが、電子決済を用いることで、紙幣や硬貨が不要になるといったメリットがあるため、電子決済の普及が進んでいる。
【0003】
ただし、これらの電子決済では、売買契約と実際の資金の流れにタイムラグが生じる。例えば、クレジットカードの場合、売買契約の成立(商品の販売)から、店舗に入金があるまでには、2カ月近いタイムラグが生じていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の決済システムでは、そのような商品売買と資金の流れのタイムラグが生じることに対して、特段、意識は向けられていなかった。しかし、本発明の発明者は、資金の流れにタイムラグが生じるということは、資金の流れのどこかに資金が貯蓄される状況を生むことができるという知見を得た。
【0006】
(1)この知見に基づき、本発明に係る金融システムは、複数の債務者情報処理装置への第1の出金情報と、複数の前記債務者情報処理装置からの第1の入金情報と、複数の第1の金融機関サーバーからの第2の入金情報と、複数の第2の金融機関サーバーへの第2の出金情報と、を受ける貯留型入手金サーバーシステムであって、前記第1の入金情報と前記第1の出金情報と前記第2の入金情報と前記第2の出金情報とから貯蓄する資金情報を算出可能であり、前記第1の入金情報は、特定時点の入金情報量が予定されており、前記第2の出金情報は、特定時点の出金情報量が予定されており、前記第2の入金情報は、特定時点の入金情報量が予定されており、前記第1の出金情報が、前記貯蓄する資金情報から、前記第1の入金情報の特定時点の入金情報量を加え、前記第2の出金情報の特定時点の入金情報量を引き、前記第2の入金情報の特定時点の入金情報量を加えた資金情報を超えないように決定する、ことを特徴とする。
【0007】
この金融システムによれば、貯蓄型入出金サーバーが、第1の入金情報に第2の入金情報を加えた金額に対して、第1の出金情報と第2の出金情報との金額を差し引いた金額を貯蓄することができる。さらに、融資金額である前記第1の出金情報が、前記貯蓄する資金情報から、前記第1の入金情報の特定時点の入金情報量を加え、前記第2の出金情報の特定時点の入金情報量を差し引き、前記第2の入金情報の特定時点の入金情報量を加えた資金情報を超えないように決定することにより、債務者情報処理装置に融資する金額がサーバーに貯蓄された金額を超えないようにすることができる。
【0008】
したがって、この金融システムによれば、電子決済による商品売買と資金の流れのタイムラグを利用して、貯蓄型入出金サーバーでは、債務者情報処理装置に融資するための融資資金を調達することができる。換言すれば、調達コストなく融資資金を調達することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、調達コストなく融資資金を調達することができる金融システムを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態に係る金融システムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態に係る金融システムについて図面を参照しつつ説明する。なお、本実施形態において、金融システムを構成する、サーバー、端末、情報処理装置は、従来よく知られる情報処理装置である。
【0012】
図1に示すように、金融システムは、貯蓄型入出金サーバーと、複数の第1の金融機関サーバーと、複数の第2の金融機関サーバーと、複数の債務者情報処理装置と、複数の顧客端末と、複数の店舗端末とを含む。
【0013】
貯蓄型入出金サーバーは、複数の債務者情報処理装置と接続されており、各債務者情報処理装置に第1の出金情報を送信し、第1の入金情報を受信する。第1の出金情報は、貯蓄型入出金サーバーから各債務者情報処理装置への出金する金額の情報を含む。また、第1の入金情報は、各債務者情報処理装置から貯蓄型入出金サーバーへ入金する金額の情報を含む。
【0014】
貯蓄型入出金サーバーは、複数の第1の金融機関サーバーと接続されており、各第1の金融機関サーバーから第2の入金情報を受信する。第2の入金情報は、各第1の金融機関サーバーから貯蓄型入出金サーバーへ入金する金額の情報を含む。
【0015】
貯蓄型入出金サーバーは、複数の第2の金融機関サーバーと接続されており、各第2の金融機関サーバーから第2の出金情報を送信する。第2の出金情報は、各第2の金融機関サーバーへ貯蓄型入出金サーバーから出金する金額の情報を含む。
【0016】
第1の金融機関サーバーは、複数の顧客端末と接続されており、顧客端末から第3の入金情報を受ける。第3の入金情報は、顧客端末から第1の金融機関サーバーへ入金する金額の情報を含む。
【0017】
第2の金融機関サーバーは、複数の店舗端末と接続されており、店舗端末へ第3の出金情報を送信する。第3の出金情報は、店舗端末へ第2の金融機関サーバーから出金する金額の情報を含む。
【0018】
顧客端末と店舗端末とは、相互に接続可能であり、商品の売買情報を交換する。商品の売買情報は、店舗から顧客が購入した商品の情報と、商品の対価として支払うべき支払金額の情報とを含む。支払金額の情報は、図示しないが、従来よく知られるクレジットカード決済等の仕組みにより、第1の金融機関サーバーと、第2の金融機関サーバーとに送られる。
【0019】
顧客が支払う支払金額は、商品売買の時点から遅れて第1の金融機関に支払われる。したがって、第1の金融機関および第2の金融機関は、顧客からの実際の入金に先がけて、支払金額の情報を収集することができる。
【0020】
債務者情報処理装置は、貯蓄型入出金サーバーに入金要請を行い、貯蓄型入出金サーバーの承諾があった場合に第1の金融機関サーバーから第1の出金情報を受ける。また、債務者情報処理装置は、貯蓄型入出金サーバーからの出金に対して所定の期間を経て、所定の利息を付加して、貯蓄型入出金サーバーに第1の入金情報を送信する。
【0021】
貯蓄型入出金サーバーは、債務者情報処理装置からの第1の入金情報と、第1の金融機関サーバーからの第2の入金情報とから、債務者情報処理装置からの第1の出金情報と第2の金融機関サーバーへの第2の出金情報とを差し引いた額の資金を貯蓄する
【0022】
次に、金融システムにおける資金の流れについて説明する。
【0023】
まず、顧客と店舗にて売買契約が成立する。このとき、顧客端末と支払端末との間で売買情報を交換する。このとき、顧客端末は、従来知られるクレジットカード決済により支払いを行う。したがって、商品の対価として支払うべき支払金額の情報が、第1の金融機関サーバーおよび第2の金融機関サーバーに店舗端末から送信される。また、店舗端末は、売買情報の交換の直後に第2の金融機関から第3の出金情報を受ける。すなわち、店舗は、顧客がクレジットカードを使用したにもかかわらず、顧客や第1の金融機関のクレジットカードの処理を待つことなく、資金(商品の対価)を得ることができる。なお、この資金は、第2の金融機関が第1の金融機関の信用を担保に融資を行ったこととなる。
【0024】
次に、売買契約の後、所定の期間を経て、顧客から第1の金融機関サーバーに第3の入金情報が送信される。すなわち、顧客から第1の金融機関に資金が送られる(商品の対価の入金)。なお、第1の金融機関サーバーは、複数の顧客端末と接続しており、多数の顧客端末からの資金を受ける。
【0025】
次に、顧客から第1の金融機関に資金が送られた後に、第1の金融機関サーバーから貯蓄型入出金サーバーに第1の入金情報が送信される。なお、貯蓄型入出金サーバーは、複数の第1の金融機関サーバーと接続しており、多数の第1の金融機関サーバーからの資金を受ける。
【0026】
次に、貯蓄型入出金サーバーは、債務者情報処理装置からの入金要請を受け、入金要請の金額が許容可能な場合に、出金を可能と判断して第1の出金情報を送信する。すなわち、貯蓄型入出金サーバーは、後述するように、貯蓄する資金情報から、第1の入金情報の特定時点の入金情報量を加え、第1の出金情報の特定時点の入金情報量を引き、第2の入金情報の特定時点の入金情報量を加えた資金情報を超えないように決定し、債務者情報処理装置に対して資金の貸し付けを行う。
【0027】
次に、貯蓄型入出金サーバーは、貯蓄型入出金サーバーからの融資に対して所定の期間を経て、所定の利息を付加して、債務者情報処理装置から第1の入金情報を受信する。
【0028】
次に、貯蓄型入出金サーバーは、第2の金融機関サーバーに第2の出金情報を送信する。なお、貯蓄型入出金サーバーは、複数の第1の金融機関サーバーから受けた各第2の入金情報に対応した第2の出金情報を各第2の金融機関サーバーに送信する。第2の金融機関は、先に店舗に支払金額を融資しており、その融資の利息分を支払金額に上乗せした金額を貯蓄型入出金サーバーから受けとることとなる。
【0029】
上述のように、貯蓄型入出金サーバーに入出金される、第1の入金情報は、第2の入金情報、第2の出金情報は、特定時点での入金額、出金額が予定されている。したがって、貯蓄型入出金サーバーは、第1の出金情報が、貯蓄している資金情報(金額)から、前記第2の入金情報の特定時点の入金情報量(金額)を加え、第2の出金情報の特定時点の入金情報量(金額)を引き、第2の入金情報の特定時点の入金情報量(金額)を加えた資金情報を超えないように決定することができる。
【0030】
以上、本実施形態に係る金融システムについて説明した。ただし、金融システムは上記の実施形態に限定されず、発明の目的を達成する範囲で他の構成とすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明は、金融システムに利用できる。