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特開2023-21206情報処理方法、情報処理装置及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023021206
(43)【公開日】2023-02-10
(54)【発明の名称】情報処理方法、情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/30 20120101AFI20230203BHJP
   G06Q 10/109 20230101ALI20230203BHJP
【FI】
G06Q50/30
G06Q10/10 340
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022117764
(22)【出願日】2022-07-25
(31)【優先権主張番号】P 2021126352
(32)【優先日】2021-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】514235341
【氏名又は名称】株式会社スマートドライブ
(72)【発明者】
【氏名】森山 篤
(72)【発明者】
【氏名】臼井 遼介
(72)【発明者】
【氏名】高田 亮介
(72)【発明者】
【氏名】中村 圭佐
(72)【発明者】
【氏名】大野 良
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA13
5L049CC42
(57)【要約】      (修正有)
【課題】移動体やそのドライバー等の管理対象による行動を把握し、移動体管理を効率化する情報処理方法、情報処理装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】情報処理方法は、サーバが移動体に紐づけられたユーザのスケジュール情報を取得し、移動体の位置情報を取得することと、位置情報に基づいて、移動体に対応するアイテムを地図情報に重畳して情報処理装置である管理装置の表示部に表示することと、スケジュール情報のうち、現時点での時刻または最新の位置情報を取得した時刻を基準とする所定範囲のスケジュール情報をアイテムに紐づけて表示部に表示することと、を含む。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に紐づけられたユーザのスケジュール情報を取得することと、
前記移動体の位置情報を取得することと、
前記位置情報に基づいて、前記移動体に対応するアイテムを地図情報に重畳して情報処理装置の表示部に表示することと、
前記スケジュール情報のうち、現時点での時刻または最新の位置情報を取得した時刻を基準とする所定範囲のスケジュール情報を前記アイテムに紐づけて前記表示部に表示することと、
を含む、情報処理方法。
【請求項2】
前記ユーザにより入力された状況情報を取得することと、
前記状況情報に基づいて前記スケジュール情報を更新することと、
前記更新されたスケジュール情報に基づいて、前記所定範囲のスケジュール情報の表示を更新することと、
を更に含む、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記位置情報及び前記更新されたスケジュール情報に基づいて、レポート情報を生成することと、
を更に含む、請求項2に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記所定範囲が所定の条件を満たす場合、前記所定範囲のスケジュール情報の表示を終了することと、
を更に含む、請求項1乃至請求項3に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記状況情報は、開始時間と終了時間からなる期間を含むものと、及び、時点を含むものと、のいずれかである、
請求項2に記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記ユーザにより入力された健康情報を取得することと、
前記取得した健康情報を、前記アイテムに紐づけて前記表示部に表示することと、
を含む、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項7】
前記移動体の運転スコアを取得することと、
前記取得した運転スコアに基づいて、前記健康情報の表示態様を更新することと、
を含む、請求項6に記載の情報処理方法。
【請求項8】
前記移動体の運転スコアを取得することと、
前記取得した運転スコアに基づいた運転品質情報を、前記アイコンに紐づけて前記表示部に表示することと、
を含む、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項9】
前記ユーザにより入力されたコメント情報を取得することと、
前記取得したコメント情報を、前記アイテムに紐づけて前記表示部に表示することと、
を含む、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項10】
前記コメント情報の表示は、前記情報処理装置における操作部を介しての前記移動体の位置の選択操作または拡大操作に対応して行われる、
請求項9に記載の情報処理方法。
【請求項11】
前記ユーザにより複数入力されたコメント情報を取得することと、
前記複数のコメント情報の一部を、前記アイテムに紐づけて前記表示部に表示することと、
前記情報処理装置における操作部を介しての前記移動体の位置の選択操作または拡大操作があった場合は、前記表示部に表示されているコメント情報よりも多くのコメント情報を前記アイテムに紐づけて前記表示部に表示することと、
を含む、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項12】
前記健康情報の表示は、前記情報処理装置における操作部を介しての前記移動体の位置の選択操作または拡大操作に対応して行われる、
請求項6に記載の情報処理方法。
【請求項13】
前記運転品質情報の表示は、前記情報処理装置における操作部を介しての前記移動体の位置の選択操作または拡大操作に対応して行われる、
請求項8に記載の情報処理方法。
【請求項14】
前記スケジュール情報の表示は、前記情報処理装置における操作部を介しての前記移動体の位置の選択操作または拡大操作に対応して行われる、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項15】
移動体に紐づけられたユーザのスケジュール情報を取得するスケジュール情報取得部と、
前記移動体の位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記位置情報に基づいて、前記移動体に対応するアイテムを地図情報に重畳して表示する表示部と、
を備え、
前記表示部は、前記スケジュール情報のうち、現時点での時刻または最新の位置情報を取得した時刻を基準とする所定範囲のスケジュール情報を前記アイテムに紐づけて表示する、
情報処理装置。
【請求項16】
コンピュータに、
移動体に紐づけられたユーザのスケジュール情報を取得することと、
前記移動体の位置情報を取得することと、
前記位置情報に基づいて、前記移動体に対応するアイテムを地図情報に重畳して表示することと、
前記スケジュール情報のうち、現時点での時刻または最新の位置情報を取得した時刻を基準とする所定範囲のスケジュール情報を前記アイテムに紐づけて表示することと、
を実行させる、プログラム。
【請求項17】
移動体についての複数の第一の位置情報と、前記複数の第一の位置情報のそれぞれに対応する複数の状況情報を取得することと、
前記第一の位置情報と、対応する前記状況情報との複数の組を記憶することと、
前記複数の組に基づき、状況情報推定器を生成することと、
前記移動体についての第二の位置情報を取得することと、
前記状況情報推定器に前記第二の位置情報を入力することで、想定状況情報を取得することと、
前記想定状況情報を優先的に表示した状況情報の選択肢を生成することと、
を含む、情報処理方法。
【請求項18】
移動体についての複数の第一の位置情報と、前記複数の第一の位置情報のそれぞれに対応する複数の状況情報を取得する取得部と、
前記第一の位置情報と、対応する前記状況情報との複数の組を記憶する記憶部と、
前記複数の組に基づき、状況情報推定器を生成する生成部と、
を備え、
前記取得部は、前記移動体についての第二の位置情報を取得し、および、前記状況情報推定器に前記第二の位置情報を入力することで、想定状況情報を取得し、
前記生成部は、前記想定状況情報を優先的に表示した状況情報の選択肢を生成する、
情報処理装置。
【請求項19】
コンピュータに、
移動体についての複数の第一の位置情報と、前記複数の第一の位置情報のそれぞれに対応する複数の状況情報を取得することと、
前記第一の位置情報と、対応する前記状況情報との複数の組を記憶することと、
前記複数の組に基づき、状況情報推定器を生成することと、
前記移動体についての第二の位置情報を取得することと、
前記状況情報推定器に前記第二の位置情報を入力することで、第二の状況情報を取得することと、
前記想定状況情報を優先的に表示した状況情報の選択肢を生成することと、
を実行させる、プログラム。





【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理方法、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の移動体を管理するフリートマネジメント等、移動体やその移動体のドライバーの管理を行うにあたり、その管理を効率化したいという需要がある。
その一つとして、移動体のドライバーの作業予定を詳しく把握したいという需要がある。例えば、ガス製品や導管、電気系統、水道管等の異常により、客先から事務所に電話等で訪問の要請があり、対応して事務所からドライバーに対し連絡を入れ客先へ訪問するといった例があり、このようなケースにおいて、従来では、管理対象の車両又はドライバーがその時点でどの位置にいるかを把握し、対応が必要な場所に近い等、位置に応じて対応するドライバーを選択し、連絡して対応を依頼することが通常であった。
この際、依頼者は、各ドライバーがどのような位置にいるかを移動体の位置情報に基づき地図上に重畳表示した画像などを参照し、例えば対応が必要な地点の近隣に位置するドライバーに連絡し、新たな業務の遂行を依頼する。
【0003】
例えば、特許文献1には、車両の状況や車両の周囲の環境をユーザに視覚的に認識させるべく、車両から走行影響情報を位置情報とともに取得し、地図における前記位置情報と対応する箇所で、2以上の前記走行影響情報を互いに一部を重畳させて前記表示部に表示させることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-67501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、対応が必要な地点の近くにいるドライバーであっても、別途の作業に従事中である、近く別の作業を予定している、移動中で別の場所に向かっている、スケジュール上では対応可能でありながら、緊急対応等が発生している等の状況にあり、依頼される対応を行うことが難しいことがある。そのような場合は、別のドライバーに依頼をする工数が掛かり、またドライバー側でも対応できない依頼に対して応答する工数が掛かる等、効率的ではなかった。
【0006】
本発明の目的は、移動体管理を効率化することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、移動体に紐づけられたユーザのスケジュール情報を取得することと、前記移動体の位置情報を取得することと、前記位置情報に基づいて、前記移動体に対応するアイテムを地図情報に重畳して情報処理装置の表示部に表示することと、前記スケジュール情報のうち、現時点での時刻または最新の位置情報を取得した時刻を基準とする所定範囲のスケジュール情報を前記アイテムに紐づけて前記表示部に表示することと、を含む、情報処理方法である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、移動体管理を効率化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第一の実施形態及び第二の実施形態における移動体100、データ処理装置200、サーバ300及び管理装置400との概略構成を示す図である。
図2】第一の実施形態及び第二の実施形態におけるデータ処理装置200の概略構成を説明するブロック図である。
図3】第一の実施形態及び第二の実施形態におけるサーバ300の概略構成を説明するブロック図である。
図4】第一の実施形態及び第二の実施形態における管理装置400の概略構成を説明するブロック図である。
図5】第一の実施形態における業務開始から業務終了までの処理のフローチャートである。
図6】第一の実施形態におけるスケジュール情報の一例である。
図7】第一の実施形態におけるレポート情報の一例である。
図8】第一の実施形態における移動体情報及び状況情報関連処理のフローチャートである。
図9】第一の実施形態における状況情報の記憶方式の一例を示す模式図である。
図10】第一の実施形態における状況情報の入力を行うためのインターフェースの一例である。
図11】第一の実施形態における移動体の位置及びスケジュール情報等を表示する画面例である。
図12】第二の実施形態における、データ処理装置200の表示部202に表示される健康情報入力のためのユーザーインターフェースの例である。
図13】第二の実施形態における、データ処理装置200の表示部202に表示されるコメント情報入力のためのユーザーインターフェースの例である。
図14】第二の実施形態における、移動体の位置、スケジュール情報、健康情報、コメント情報等を含む画面例の一つである。
図15】第三の実施形態における選択肢生成処理のフローチャートである。
図16】第三の実施形態における選択肢生成処理により効率化して生成された選択肢の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態の例として、第一の実施形態および第二の実施形態について図面を参照して説明する。
なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付して、重複する説明を省略する場合がある。
また、これらの実施形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の範囲をそれらに限定する趣旨のものではない。
【0011】
両実施形態に共通する構成について説明する。図1は、ユーザが運転する移動体100と、ユーザによって保持され、状況情報を入力可能なデータ処理装置200と、移動体情報や状況情報等の処理を行うサーバ300と、及び移動体100を管理するために管理者等が操作する管理装置400との概略構成を示す図である。
ここで、移動体情報とは、移動体100に関して時系列的に取得される情報であり、例えば、移動体100の位置情報、加速度情報、稼働情報、貨物部分の温度情報、タイヤの空気圧情報などが含まれるが、これらに限られず、移動体100に関するその他の適宜の情報で構成されていてもよい。各実施形態においては、移動体情報として、少なくとも位置情報が含まれるものとする。
また、状況情報とは、ユーザによりデータ処理装置200に入力される、ユーザの状況に関する情報であり、その詳細については後述する。
図1に示すように、データ処理装置200、サーバ300、及び管理装置400はネットワークNW(例えば、インターネット)を通じて相互に通信可能に接続されている。
【0012】
データ処理装置200は、移動体100の乗車者であるユーザによって保持される装置であり、例えばスマートフォンによって実現される。データ処理装置200においては、移動体情報等の各情報が取得され、適宜サーバ300に送信されるとともに、サーバ300等の外部から情報を受信し、表示等の処理を行うこととしてもよい。
【0013】
図2はデータ処理装置200の概略構成を説明するブロック図である。図2に示すように、データ処理装置200は、例えば、通信部201、表示部202、操作部203、処理部204、及び記憶部205等を備えて構成される。
【0014】
通信部201は、インターネット等のネットワークNWと通信可能に構成される。通信方式としては、イーサネットやUSB(Universal Serial Bus)等所定の通信規格に準拠したケーブルを介して有線接続する形式や、Wi-Fi(登録商標)や5G(第5世代移動通信システム) 等所定の通信規格に準拠した無線通信技術を用いて無線接続する形式、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信を利用して接続する形式等、種々の方式を適用可能である。
また、通信部201による通信は上記のものに特に限られない。例えば、道路脇に設置された路側機に対して情報送信を行い、その路側機がネットワークNWと接続されサーバ300等に情報が送信されることで、間接的にサーバ300等と通信を可能とするよう構成されていてもよい。
【0015】
表示部202は、LCD(Liquid Crystal Display)やOELD(Organic Electro-luminescence Display)等を有して構成される表示装置であり、処理部204から出力される表示信号に基づいた各種の表示を行う。
【0016】
操作部203は、キーボードやマウス等の、ユーザがサーバに対する各種の操作入力を行うための入力装置を有して構成される。操作部203からは、ユーザ操作に対応した操作信号が処理部204に出力される。
なお、操作部203は、表示部202と一体的に構成された不図示のタッチパネルを有し、このタッチパネルは、ユーザとデータ処理装置200との間の入力インターフェースとして機能するようにしてもよい。
【0017】
処理部204は、記憶部205に記憶されたプログラムを起動することによって、データ処理装置200の各機能を実現するように構成される。処理部204は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、又は、これらの組み合わせである。
【0018】
記憶部205は、ROMやEEPROM、フラッシュメモリ、RAM等の揮発性又は不揮発性のメモリや、ハードディスク装置等を有して構成される記憶装置である。記憶部205には、例えば、NWとの通信を制御するプログラム、スケジュール情報の入力を受け付け記憶し、サーバ300等へ送信するプログラム、サーバ300からの入力に対応する内容を表示するプログラムやシステムプログラム等の各種プログラム、及び各種プログラムによる処理結果等が記憶される。
【0019】
位置情報取得部206は、例えば、GNSS衛星(例えばGPS衛星)から到来する電波に基づいてデータ処理装置200の位置情報(例えば、緯度経度情報)を時系列的に取得する。すなわち、データ処理装置200が設置された移動体100の位置情報を時系列的に取得することができる。なお、位置情報取得部206はかかる構成に限定されず、任意の位置情報取得方式を適用してよい。例えば、道路脇に設置された路側機により発せられる当該路側機に固有の位置情報を含んだ電波を、データ処理装置200を搭載した移動体100が近接した際に受信することで、データ処理装置200の位置情報を取得することとしてもよい。
なお、上述した通り、移動体情報は位置情報を含む。その他の移動体情報(例えば、加速度情報)を取得する機能部があってもよいが、その詳細説明は省略する。
【0020】
音声入力部207は、マイクロフォンやA/Dコンバータ等を有して構成される音入力装置であり、処理部204へ入力される音入力信号に基づいた各種の音入力を行う。
【0021】
音声出力部208は、D/Aコンバータやスピーカ等を有して構成される音出力装置であり、処理部21から出力される音出力信号に基づいた各種の音出力を行う。
【0022】
なお、データ処理装置200は、スマートフォン等に特に限定されない。例えば、ヘッドアップディスプレイやカーナビ装置であってもよい。または、スマートスピーカ等、音声による入出力でユーザとやり取りを行うものであってもよい。
更には、ドライブレコーダーや、任意のIoT機器、更には、移動体100の一部などであってよく、それらが単体で、またはそれらを組み合わせることで、データ処理装置200の各構成要素を備えていればよく、その構成は特に限定されない。例えば、データ処理装置200は、移動体100に固定することができるデバイスと、スマートフォンによって構成されてもよく、例えばデバイスは、自動車のソケット(一例として、シガーソケット、電気供給用ソケット、又は、接続用ソケット)に挿入されるものであって、データ処理装置200の位置情報取得部206及び不図示の通信部を少なくとも備え、スマートフォンには通信部201、表示部202、操作部203、処理部204、記憶部205を少なくとも備え、デバイスにて取得された位置情報をスマートフォン又はサーバ300に送信する態様であってもよい。スマートフォンに位置情報が送信された場合は、スマートフォンの通信部201からサーバ300に位置情報が送信される。
【0023】
サーバ300は、データ処理装置200から送信された位置情報、状況情報その他の情報に基づいて所定の処理を行う。所定の処理としては、限定ではなく例として、取得した位置情報に対応する移動体100の位置を地図データ上に表示させ、位置情報の更新に従って移動体100の位置表示を更新させる処理のほか、状況情報を表示する処理、並びに、移動体100の位置情報、スケジュール情報及び状況情報とを合わせてレポート情報を生成する処理などが挙げられる。サーバ300による主な処理については後述する。
【0024】
図3は、サーバ300の構成を説明するブロック図である。サーバ300は、例えば単一のサーバとして、あるいは機能ごとに別々のサーバから構成される分散サーバとして構成される。クラウドサーバと呼ばれるクラウド環境に作られた分散型の仮想サーバとしてサーバ300を構成することもできる。サーバ300は、図3に示すように、例えば、通信部301と、記憶部302と、処理部303等を備えて構成される。
【0025】
通信部301は、サーバ300内部で利用される情報を外部の装置との間でネットワークを介して送受信するための通信装置である。通信部301の通信方式としては、イーサネットやUSB(Universal Serial Bus)等所定の通信規格に準拠したケーブルを介して有線接続する形式や、Wi-Fi(登録商標)や5G(第5世代移動通信システム)等所定の通信規格に準拠した無線通信技術を用いて無線接続する形式、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信を利用して接続する形式等、種々の方式を適用可能である。
【0026】
記憶部302は、ROMやEEPROM、フラッシュメモリ、RAM等の揮発性又は不揮発性のメモリや、ハードディスク装置等を有して構成される記憶装置である。記憶部302には、例えば、本実施形態にて行われる各処理に対応するプログラムやシステムプログラム等の各種プログラムや、データ処理装置200から受信した移動体情報及び各種プログラムによる処理結果等が記憶される。
【0027】
処理部303は、記憶部302に記憶されているシステムプログラム等の各種プログラムに従ってサーバ300の各部を統括的に制御し、情報処理に係る各種の処理を行う処理装置であり、CPUやGPU、DSP等のプロセッサーやASIC等の集積回路を有して構成される。
【0028】
管理装置400は、例えば移動体100を管理する管理者が、移動体100に関する情報を把握する等の目的で使用する情報処理装置である。管理装置400は例えばラップトップ等のパーソナルコンピュータにより実現される。管理装置400は、サーバ300によって処理された結果等の情報を受け、移動体管理に関連する表示を行う。移動体管理に関連する表示として、例えば、取得した移動体の位置情報に基づいて、地図上に各移動体の現在位置を重畳したものが挙げられる。
【0029】
図4は、管理装置400の構成を説明するブロック図である。管理装置400は、管理装置400は、図4に示すように、例えば、通信部401と、記憶部402と、処理部403と、表示部404と、及び操作部405等を備えて構成される。
【0030】
通信部401は、管理装置400内部で利用される情報を外部の装置との間でネットワークを介して送受信するための通信装置である。通信部401の構成は通信部301と同様であるため、その詳細説明は省略する。
【0031】
記憶部402は、記憶部302と同様にROMやEEPROM、フラッシュメモリ、RAM等の揮発性又は不揮発性のメモリや、ハードディスク装置等を有して構成される記憶装置である。記憶部402には、例えば、本実施形態にて行われる各処理に対応するプログラムやシステムプログラム等の各種プログラムや、サーバ300等から受信した情報及び各種プログラムによる処理結果等が記憶される。
【0032】
処理部403は、記憶部402に記憶されているシステムプログラム等の各種プログラムに従ってサーバ300の各部を統括的に制御し、情報処理に係る各種の処理を行う処理装置であり、CPUやGPU、DSP等のプロセッサーやASIC等の集積回路を有して構成される。
【0033】
表示部404は、LCD(Liquid Crystal Display)やOELD(Organic Electro-luminescence Display)等を有して構成される表示装置であり、処理部403から出力される表示信号に基づいた各種の表示を行う。
【0034】
操作部405は、キーボードやマウス等の、ユーザがサーバに対する各種の操作入力を行うための入力装置を有して構成される。操作部405からは、ユーザ操作に対応した操作信号が処理部403に出力される。
なお、操作部405は、表示部404と一体的に構成された不図示のタッチパネルを有し、このタッチパネルは、ユーザ(管理者)と管理装置400との間の入力インターフェースとして機能するようにしてもよい。
【0035】
<第一の実施形態>
以下、第一の実施形態について説明する。第一の実施形態は、移動体100の乗車者であるユーザが予定する作業内容を適宜管理者等と共有することで、管理者とユーザとの間のコミュニケーションを効率化し、ひいては移動体管理を効率化するものである。
図5は、データ処理装置200、サーバ300及び管理装置400が協働して行う、業務開始から業務終了までの処理のフローチャートである。
以下、図5を参照して本処理を説明する。ここで、本処理の前提として、データ処理装置200の識別情報はそのユーザが乗車する移動体100の識別情報と紐づけられてサーバ300の記憶部402に記憶されているものとする。すなわち、データ処理装置200の位置情報は移動体100の位置情報を実質的に示すことができるものとする。
【0036】
データ処理装置200は、ユーザによる業務開始のトリガを探知する(S2001)。具体的には、例えば、操作部203を通じてユーザから業務開始の旨の入力を受け付けることにより探知する。業務開始の旨の入力は、例えば、本処理を実現するためのアプリケーションにより表示部202及び操作部203により構成されたタッチパネルに表示されたボタンをタップする等により行われる。
または、データ処理装置200において、設定された業務開始時間(例えば、後述するスケジュール情報において設定されているもの)になったり、毎日朝の特定の時刻(例えば、8時)になったりすると業務開始のトリガが発せられることとしてもよい。
【0037】
次に、データ処理装置は業務開始された旨を示す業務開始情報、及びスケジュール情報をサーバ300に送信する(S2003)。ここで、サーバ300に送信される業務開始情報には、データ処理装置200の識別情報、及び、スケジュール情報が紐づけられている。なお、第一の実施形態においては、これらの情報の他にも、移動体100の移動体情報が業務開始情報に紐づけられているものとする。
なお、スケジュール情報は、データ処理装置200において入力され業務開始情報と紐づけられてサーバ300に送信されることに限られない。例えば、別途の装置において入力されてサーバ300に記憶されることとしてもよい。
【0038】
スケジュール情報とは、業務開始から業務終了までの期間においてユーザが予定している作業に関する情報である。図6にスケジュール情報の一例を示す。図6に示すように、例えば、スケジュール情報には、行う予定の作業であるイベント情報と、イベント情報に対応する開始予定時刻情報、終了予定時刻情報、及び地域情報が紐づけられて登録されている。
ステップS2003にて送信されるスケジュール情報は、例えば、ユーザによってデータ処理装置200に入力されている。なお、スケジュール情報は、ステップS2003においてデータ処理装置200からサーバ300へ送信されるのではなく、データ処理装置200とは別途の装置(例えば、管理装置400)に入力され、その装置からサーバ300に登録されていてもよい。更には、スケジュール情報は、ステップS2003においてサーバ300に送信されるのではなく、後述するステップS3003より前の任意のタイミングでサーバ300に登録されていればよい。
【0039】
ステップS2003の実行に対応して、サーバ300は業務開始情報を受信し、その受信時刻を、データ処理装置200に係るユーザの業務開始時刻として登録する(S3001)。さらに、同時に取得したスケジュール情報を記憶部402に登録する。そして、業務開始した旨の情報と、所定範囲のスケジュール情報を管理装置400に出力する(S3003)。これらの情報は、データ処理装置200に対応する移動体100の識別情報及び移動体情報と紐づけられて出力される。
【0040】
ここで、所定範囲のスケジュール情報とは、一例として、時間に基づく範囲のスケジュール情報であり、現時点の時刻、または最新の移動体情報取得がなされた時点における時刻(以降、基準時刻という。)を基準とした所定期間(例えば、2時間)の範囲に存在するスケジュール情報内の情報をいう。図6のスケジュール情報を例に取ると、実際の業務開始時間が07:55として登録され、所定期間が2時間として設定されていた場合、07:55から2時間後の09:55までに発生予定があるスケジュールである「開始予定時刻―08:00、終了予定時刻―Null(情報が無いことを示す)、地域―自社、イベント―出勤」及び「開始予定時刻―08:15、終了予定時刻―Null、地域―自社、イベント―車両点検」が、所定範囲のスケジュール情報に該当する。従って、これら二つのスケジュールの情報が管理装置400に出力される。
【0041】
業務開始した旨の情報を受信した管理装置400は、取得した移動体情報に含まれる位置情報に基づいて、対応する移動体100の位置表示、および、その位置表示に紐づけての所定範囲のスケジュール情報の表示を開始する(S4001)。表示されるスケジュール情報は、図6のスケジュール情報を例とすると、「開始予定時刻―08:00、終了予定時刻―Null、地域―自社、イベント―出勤」及び「開始予定時刻―08:15、終了予定時刻―Null、地域―自社、イベント―車両点検」の二つである。
【0042】
その後、移動体情報及び状況情報関連処理が開始される(S10000)。移動体情報及び状況情報関連処理は、移動体100の位置を地図上に表示する他、スケジュール情報の一部を適宜表示する処理であるが、その詳細については後述する。
【0043】
移動体情報及び状況情報関連処理の終了後、業務終了となった旨を示す業務終了情報をサーバ300に送信する(S2005)。ここで、サーバ300に送信される業務終了情報にはデータ処理装置200の識別情報が紐づけられている。
これに対応して、サーバ300は業務終了情報を受信し、その受信時刻を、データ処理装置200に係るユーザの業務終了時刻として登録する(S3005)。そして、業務終了した旨の情報を管理装置400に出力する(S3007)。かかる情報は、データ処理装置200に対応する移動体100の識別情報と紐づけられて出力される。
【0044】
ステップ3007の後、サーバ300はレポート情報を生成する(S3009)。レポート情報とは、移動体の管理目的で作成される、業務期間におけるユーザの業務状況が記された情報であり、例えば、ユーザが行った業務の内容、その業務にかかる時間情報、及びその業務にかかる位置情報が含んで構成される。図7に、レポート情報の一例として一勤務日を単位とした例を示す。
【0045】
限定ではなく例として、レポート情報は、図7に示すように、3つの要素を含んで構成される。1つ目は「日報サマリ」として、その勤務日における走行に関するサマリ情報を記している。サマリ情報として、例えば、走行開始時刻、走行終了時刻、客先訪問回数を示す行き先件数、総走行時間、総走行距離の他、走行の品質を示す運転スコア、並びに急加速、急減速及び急ハンドリングが検知された回数が記されている。
2つ目は、「走行に関する情報」として、移動体情報から算出される情報が記される。例えば、(各走行の)開始時刻、終了時刻、走行時間、走行距離、平均速度、駐車地点座標(例えば、緯度経度情報)、及び駐車地点座標から推定される地点名称が記される。推定される地点名称については、図示しないが、サーバ300において、地点名称と座標範囲との関連付けがなされた地点名称テーブルがドライバーや管理者等のユーザにより登録されており、当該テーブルを参照することにより推定される。また、地点名称テーブルにおいて推定される地点名称が存在しない座標についてはその名称が「不明」と記されるが、前述の地点名称テーブルに対し、その座標について新たに名称を追加してもよい。
3つ目は、「スケジュール情報・状況情報」として、当初に登録されたスケジュール情報を新たに入力された状況情報によって更新することにより生成された情報である。例えば、イベント情報、地点、メッセージ情報、時間情報(開始時間及び終了時間)、状況情報入力時刻などを含んで構成されている。ここで、状況情報として入力された情報は、新たに状況情報として入力された情報であることが分かるよう、太字にする等によりその表示形態を他とは異なるように記されることが好ましい。例えば、No.4の「イベント情報―休憩、地域―Null(情報なし)、メッセージ情報―お昼休憩します、開始時間―11:30、終了時間―12:30、状況情報入力時刻―11:32」は太字で示されており、これは11:32に状況情報として新たに入力された情報であることがわかる。スケジュール情報と状況情報に基づいてこれら情報を生成することについては後述する。
【0046】
なお、運転スコアの算出は、例えば、取得した加速度情報に基づいて運転スコアを算出することとしてもよい。この場合、例えば、スカラ値が大きい加速度情報が取得されると運転スコアが低下する傾向を持つロジックであってもよい。その他、速度情報や加加速度情報を用いて運転スコアを算出することとしてもよく、そのロジック内容は特に限定されない。
【0047】
このように、レポート情報は、自動的に取得される情報による部分と、ユーザにより入力される情報による部分とで構成されていることから、管理者は、より詳しくユーザの状況を把握し管理することが可能となる。
【0048】
業務終了した旨の情報を受信した管理装置400は、移動体100に関する位置表示、および移動体100に紐づけられたスケジュール情報の表示を終了する。業務終了した旨の情報を受信するにあたっては、業務開始のサイト同様に、例えば、操作部203を通じてユーザから業務終了の旨の入力を受け付けることにより探知することとしてもよい。
【0049】
次に、移動体情報及び状況情報関連処理(S10000)について説明する。移動体情報及び状況情報関連処理は、移動体100について取得した移動体情報に基づいて、移動体100の位置等の情報を地図上などに表示しつつ、加えて各移動体100のドライバーのスケジュール情報の一部を適宜表示する処理である。図8は、移動体情報及び状況情報関連処理のフローチャートである。
データ処理装置200は、位置情報取得部206によって取得される位置情報を含む移動体情報を取得する(S12001)。ここで、データ処理装置200は移動体100の乗車者であるユーザにより保持されている、又はユーザが乗車している移動体100に搭載されていることから、データ処理装置200の位置情報を取得することは、移動体100の位置情報を取得することを意味する。またこの場合、ユーザはデータ処理装置200と紐づけられている。紐づけられている、とは、ユーザがデータ処理装置200を使用していると想定可能な態様であることであり、例えば、データ処理装置200においてユーザアカウントにおいてログインしていること、または、単に各ユーザに割り当てられたデータ処理装置200である(そのユーザがそのデータ処理装置200を会社から貸与されている等)ことなどが挙げられるが、その形態は特に限定されない。また、データ処理装置200は移動体100と一体として扱われていることから、ユーザは間接的に移動体100にも紐づけられている。なお、移動体情報の取得は定期的に行われ、限定ではなく例として、1秒ごとに取得することとしてもよい。また、移動体情報に含まれる情報ごとに異なる周期で取得することとしてもよい。
次に、データ処理装置200は、取得した移動体情報をサーバ300に送信する(S12003)。この移動体情報の送信は、移動体情報の取得(S12001)が行われるごとに実行されることが好ましいが、この態様に限定されず、例えば、所定の期間分(例えば、10秒)の移動体情報の全部または一部を記憶部205に蓄積した後に、その蓄積した移動体情報をまとめて送信することとしてもよい。
【0050】
サーバ300は、データ処理装置200から送信された移動体情報を受信し、受信した移動体情報を記憶部302に蓄積する(S13001)。そして、ネットワークNW経由で接続された管理装置400に対し、取得した移動体情報に含まれる位置情報を出力する(S13003)。出力された位置情報に基づき、管理装置400は、移動体100の位置表示を更新する(S14001)。すなわち、少なくともステップS4001にて既に移動体100に関する位置表示が実施されているので、最新の位置情報に基づいて、移動体100の位置の表示を行う。
ここで、ステップS13003においては、位置情報のみでなく、移動体情報に含まれる他の情報、例えば、移動体100の加速度情報を管理装置400に対して出力することとしてもよい。そして、この出力された加速度情報に基づいて、ステップS14001において移動体100の加速度に関する表示、例えば、加速度マップや加速度情報に基づいて算出される運転スコアの表示も更新することとしてもよい。
なお、加速度マップとは、例えば、取得した加速度情報を方向及び大きさに基づいて二次元にマップ化したものであり、本実施形態においては、取得した加速度情報について、所定の区分ごとにその発生頻度をカウントし、そのカウント値に基づいた表示を各区分の領域について行ったものである。なお、加速度マップにおける各区分における表示は、発生頻度に基づくものに限られず、例えば、発生確率に基づくものであってもよい。
【0051】
次に、サーバ300において、状況情報が取得されたかどうかを判断する(S12005)。状況情報については後述する。状況情報が取得されたかどうかとは、例えば、ユーザがデータ処理装置200に対して状況情報の入力を行ったかどうかを意味する。状況情報が取得された場合(S12005;Y)、取得した状況情報をサーバ300に送信する(S12007)。状況情報が取得されていない場合は(S12005;N)、ステップS12009に進む。
【0052】
ステップS12009では、業務終了のトリガを探知したかどうかを判断する。具体的には、操作部203を通じてユーザから業務終了の旨の入力を受け付けることにより探知する。業務終了の旨の入力は、業務開始の場合と同様に、例えば、本処理を実現するためのアプリケーションにより表示部402に表示されたボタンをタップする等により行われる。業務終了のトリガを探知したと判断した場合(S12009;Y)は、移動体情報及び状況情報関連処理理を終了する。トリガを探知していないと判断した場合(S12009;N)は、ステップS12001に戻り、処理を繰り返す。
【0053】
以下、状況情報について説明する。
状況情報とは、移動体100のドライバー等のユーザによりデータ処理装置200に対して入力される情報であって、ユーザについて予定されている作業についての情報である。
【0054】
入力される状況情報における作業内容の性質として、開始時間と終了時間からなる期間を記録しておくべきもの(有期間作業)と、期間の情報は必ずしも必要でなく、その作業を行ったことがわかればよいもの(無期間作業)とが存在する。前者の例としては、積荷作業、走行などが挙げられ、後者の例としては、日常点検、給油などが挙げられる。これらは、前者と後者は時間を重複して設定することは可能であるが、後者が複数、時間を重複して設定することはできない。例えば、後者の一つである走行している期間において、前者の一つである給油を行うことは可能である一方、積荷と休憩を同時に発生させることはできない。
【0055】
図9は、状況情報の記憶方式の一例を示す模式図である。図9に示すように、状況情報の性質に鑑みると、状況情報は、有期間作業と無期間作業のそれぞれにおいて同居しないように記憶されることが好ましい。
さらに、これら情報は、車両に紐づけられるものと車両に紐づけられないものとが存在する。前者の例としては、走行、給油などが挙げられ、後者の例としては、休憩、電話対応などが挙げられる。よって、これらについても、図9に示すように、紐づけられるものと紐づけられないものとを区別した態様で記憶されることが好ましい。
【0056】
状況情報を取得しスケジュール情報を適宜更新した形で管理装置400等と共有することで、ユーザのこれからの予定を知らせることができ、管理者がユーザに作業を依頼したいときなどには、状況情報によって更新されたスケジュール情報を参照して、すでに作業を予定しているユーザに対して追加で作業依頼することを回避することができるという効果を奏する。
【0057】
状況情報は、例えば、イベント情報、時間情報、及び位置情報の少なくとも1つを含んで構成される。
イベント情報はその作業内容を示すものであり、例えば、以下のような情報が挙げられる。
・移動体の定期点検
・積込
・荷卸
・付帯業務
・企業等への訪問
・給油
・休憩
・移動
時間情報はその作業に関する時間の情報であり、例えば、以下に挙げる情報のいずれかである
・有期間作業の場合であり、10時00分から11時30分といった、開始時間と終了時間からなる「期間」の情報
・無期間作業の場合であり、11時45分といった、作業を行った瞬間的な時間を意味する、長さを持たない「時点」の情報
位置情報はその作業が行われた、または行われる予定である位置の情報であり、例えば、以下のような情報が挙げられる。
・座標情報(例えば、緯度経度の情報)
・座標情報から特定される建物名または企業名
【0058】
状況情報は上記の内容に限定されるものではなく、さらにメッセージ情報を含んで構成されていてもよい。メッセージ情報とは、ユーザが管理者等に共有すべく入力したメッセージの情報をいい、任意に入力される文字列情報、または、予め定められた文字列情報のうち選ばれた情報である。
【0059】
状況情報の入力にあたっては、例えば、図10に示すようなデータ処理装置200の表示部202に表示されるユーザーインターフェースを経由して行われる。図10に示すように、データ処理装置200におけるユーザーインターフェースは、ユーザに対して入力可能な選択肢を提供する。
入力可能な選択肢の例としては図10に示す通りであり、ユーザはこれら提示された選択肢のうち一つを選択することで入力を行うことが可能となる。提示された選択肢において、入力したい情報に対応するものがなかった場合は、「その他」を選択することで、それ以外の選択肢を提示してもよい。更に、「メモを書く」を選択することにより、メッセージ情報として、直接テキストにより入力された文字列情報または予め用意された文字列情報から選択されたものを使用することとしてもよい。
【0060】
なお、上述の状況情報の性質は、スケジュール情報にも該当する。
【0061】
移動体情報及び状況情報関連処理の説明に戻る。ステップS12005の実行に対応して、サーバ300は状況情報を取得する。この際、既に記憶部402に記憶されているスケジュール情報を状況情報によって更新する(S13005)。
スケジュール情報を状況情報によって更新するとは、状況情報を構成するイベント情報や時間情報などを、新たなスケジュールとしてスケジュール情報を上書きすることを意味する。例えば、図6に示すスケジュール情報が記憶部402に記憶されていて、状況情報として「開始予定時刻―15:40、終了予定時刻―16:40、地域―C社、イベント―訪問、メッセージ―緊急対応のためC社訪問します」が入力された場合、記憶されていたスケジュール情報に対し、新たにこの状況情報が書き込まれることとなる。なお、新たに入力された状況情報と時間が重複するスケジュールがスケジュール情報に既にある場合には、上書きすることとしてもよいし、そのままスケジュール情報に残したままとしてもよい。
【0062】
そして、サーバ300は、更新されたスケジュール情報に基づいて、ステップS3003と同様に、所定範囲にあるスケジュール情報を管理装置400へ出力する(S13007)。ステップS13007でのサーバ300による出力に対応して、管理装置300は、スケジュール情報の表示を更新する(S14003)。図11は、管理装置400の表示部404に表示される、移動体の位置やスケジュール情報等を含む画面例の一つである。
【0063】
図11に示す画面においては、地図情報に重畳して、各移動体100の位置情報に応じて、各移動体100を示すアイテムが表示されている。各アイテムにおいては、移動体100が移動中であれば車両の画像が、停止中であれば「停」の文字画像が表示されており、その下部に移動体100の識別情報(例えば、「A100」)が示されている。
また、地図上においては、事前に名称と紐づけて登録されている地点の名称が地図上で特定可能な形態で表示されている(例えば、「A社」「B社」「C社」など)。
更に、画面の右側には、管理対象である各移動体についての情報が示されており、それぞれにおいて、車ナンバー、識別情報、ドライバーの氏名、走行中か停車中かの別、次に予定する作業の地域、移動体情報を最後に取得してからの時間(オンラインで常に取得可能であれば雲マークを表示)、次に予定する作業のイベント内容、および、次に予定する作業の予定時間が表示されている。
【0064】
そして、本画面においては、各移動体に対し、所定範囲のスケジュール情報が紐づけられて表示されており、図11においては、例えば、識別情報が「A100」である移動体については、対応するアイテムの上部に吹き出しの態様で、「A社のXさんに会いに行きます」とメッセージ情報が表示されている。この表示は、表示対象となる所定範囲のスケジュール情報があれば常に表示していてもよいし、任意の移動体を選択(タップなどの操作で)することにより表示してもよい。
この所定範囲のスケジュール情報の表示において、所定範囲に存在するスケジュール情報が複数ある場合は、全て表示することが好ましいが、これに限定されず、最も近い時刻のもの、または最も近い時刻のものから所定数のもののみを表示してもよい。
【0065】
このようにすることで、管理者は各移動体の現在位置のみでなく、これからどのような作業を予定しているかも把握することができる。結果、新たな業務が発生しいずれかのドライバーに作業を依頼する場合に、ドライバーの今後の予定も考慮して依頼ができるので、管理作業を効率化することができる。
【0066】
ステップS4003の後、管理装置400は、表示されているスケジュール情報のうち、所定条件を満たすものの表示を消去する(S14005)。ここで、所定条件として例えば以下が挙げられる。
・終了予定時刻が基準時刻より前となった
・終了予定時刻がない場合、開始予定時刻から一定の期間(例えば、2時間)を経過した時刻が基準時刻より前となった
・開始予定時刻および終了予定時刻の両方がない場合、表示が開始されてから一定の期間(例えば、1時間)を経過した
・管理者、ドライバー等のユーザから表示の消去が指示された
【0067】
管理装置400においては、ステップS14005の後、処理はステップS14001に戻り、ステップS14001の処理を行うべく、サーバ300からの出力を待つ。
【0068】
サーバ300においては、ステップS13007の後、処理はステップS13001に戻り、ステップS13001の処理を行うべく、データ処理装置200からの位置情報の送信を待つ。
【0069】
前述の説明においては、データ処理装置200は、位置情報の受送信を行った後に、状況情報の取得に基づく処理を行うこととしているが、これに限られない。例えば、位置情報の送受信と、状況情報の取得に基づく処理は、独立して行われてもよい。
同様に、サーバ300は、移動体100の位置情報の取得及び位置表示の指示を行った後に、入力された状況情報の取得及び最新のスケジュール情報表示更新の出力を行うこととしているが、これに限られない。例えば、前者と後者の処理は、それぞれ独立して行われてもよい。
同様に、管理装置400は、移動体100の位置の表示の更新を行った後に、スケジュール情報の表示の更新を行い、さらにその後に所定条件を満たすスケジュール情報の表示の消去を行うこととしているが、これに限られない。例えば、これら3つはそれぞれ独立して行われてもよいし、移動体100の位置情報の更新と同時に所定条件を満たすスケジュール情報の表示を消去することとしてもよい。
すなわち、位置情報に関する処理と、スケジュール情報に関する処理とは、必ずしも前後関係を限定する必要はなく、更に全部または一部を独立して行ってもよい。
【0070】
<第二の実施形態>
以下、第二の実施形態について説明する。第二の実施形態は、移動体100の乗車者であるユーザが予定するスケジュール情報のほか、健康状態やコメント等を適宜管理者等と共有することで、管理者とユーザとの間のコミュニケーションを効率化し、ひいては移動体管理を効率化するものである。
すなわち、第二の実施形態は、スケジュール情報を表示しつつ、更にユーザの健康状態やコメント等を管理者等と共有することが第一の実施形態との差異点となる。従って、以下において、第一の実施形態と同様である部分の説明は省略する。
【0071】
図12は、ユーザの健康状態を入力するためにデータ処理装置200の表示部202に表示されるユーザーインターフェースの例である。図12に示すように、データ処理装置200におけるユーザーインターフェースにおいては、健康状態に関して、ユーザに対して入力可能な選択肢を提供し、例えば、「元気!」「普通」「疲れている」のうちの一つを操作部207を介して選択することができる。無論、選択肢はこれらに限られず、健康状態に関する任意の内容の選択肢を用意し選択させることが可能である。
【0072】
なお、健康状態の入力は、任意のタイミングでユーザが入力することとしてもよいし、定期的に(例えば、2時間ごと)、又は、何らかのトリガーによって(例えば、新たなイベントが開始する時刻となるごと)ユーザに入力させることとしても良い。
ユーザに入力を促す場合は、例えば、音声出力部208から健康状態の入力が必要である旨のメッセージを出力したり、表示部202に同様の旨を表示したりすることで行ってもよい。また、健康状態の入力に際しては、操作部203を介して入力してもよいし、音声入力部207を介して音声によって入力し、入力された音声情報を文字情報に変換することとしてもよく、その態様は特に限定されない。
【0073】
更に、図13は、共有することを目的としてユーザが自由にコメントを入力するためにデータ処理装置200の表示部202に表示されるコメント情報入力のためのユーザーインターフェースの例である。図13に示すように、データ処理装置200におけるユーザーインターフェースにおいては、ユーザが任意のコメントを、例えば、「本日分の作業を終えて帰社します」といった情報を操作部207を介して入力することができる。
【0074】
なお、コメントの入力は、健康状態の入力と同様に、任意のタイミングでユーザが入力することとしてもよいし、定期的に(例えば、2時間ごと)、又は、何らかのトリガーによって(例えば、新たなイベントが開始する時刻となるごと)ユーザに入力させることとしても良い。すなわち、入力は任意としてもよいし、入力を義務としてもよい。
ユーザに入力を促す場合も健康状態の入力と同様に、例えば、音声出力部208からコメントの入力が必要である旨のメッセージを出力したり、表示部202に同様の旨を表示したりすることで行ってもよい。また、コメントの入力に際しては、操作部203を介して入力してもよいし、音声入力部207を介して音声によって入力し、入力された音声情報を文字情報に変換することとしてもよく、その態様は特に限定されない。
【0075】
このようにして入力されたユーザの健康状態に関する情報、及びユーザのコメント情報は、図14に示すような画面として例えば管理装置400の表示部404に出力される。
図14に示すように、図11と同様に、地図情報に重畳して、各移動体100の位置情報に応じて、各移動体100を示すアイテムが移動中であるか又は停止中であるかを含めて示され、その下部には各移動体100の識別情報が表示されており、そして画面の右側には、管理対象である各移動体についての情報として、それぞれ、車ナンバー、識別情報、ドライバーの氏名、走行中か停車中かの別、次に予定する作業の地域、移動体情報を最後に取得してからの時間(オンラインで常に取得可能であれば雲マークを表示)、次に予定する作業のイベント内容、および、次に予定する作業の予定時間が表示されている。
【0076】
更に、図14に示すように、第二の実施形態特有のものとして、入力された健康状態に対応したアイコンが、各移動体100を示すアイテムの近傍に表示され、各移動体100のドライバーの健康状態がわかるようになっている。
すなわち、各ドライバーの健康状態が入力されるに伴い、アイコンの表示が更新される。従って、管理者等は管理装置400等を通じて、随時ドライバーの健康状態を確認することができる。例えば、健康状態が良くないとされるアイコンが表示されている場合には、そのドライバーの以降の予定を調整する(例えば、他のドライバーに代わりに業務をやってもらう)ことで、ドライバーの健康に配慮した管理を行うことができる。
【0077】
なお、表示されるアイコンは、ドライバーの健康状態の運転に対する適正状態も加味して示すものとして、対応する移動体100の移動体情報に基づいて算出される運転品質に関する情報に基づいて変動することとしてもよい。例えば、データ処理装置200は不図示の移動体情報取得部を備え、移動体情報取得部によって移動体100の移動体情報(例えば、加速度情報等)を取得する。ここで、急加速、急減速、急ハンドルといった大きな加速度が観測された場合には、アイコンの表示を更新することとしてもよい。例えば、所定の閾値以上の加速度が所定回数観測された場合には、アイコンの表示を1ランク下げる、すなわち、「元気!」であった場合には「普通」に、「普通」であった場合には「疲れている」に更新することとしてもよい。
すなわち、ドライバー自身として例えば良好な健康状態と自覚していたとしても、実際はストレス等により良好な健康状態ではない場合がある。このような場合において、運転品質が悪ければ良好ではない健康状態ではないと推察できるため、このような表示の更新によって、実際の健康状態を把握することができるという効果を奏する。
【0078】
更には、かかるアイコンは、ユーザの入力とは関係なく、移動体100の運転品質に基づいた表示としてもよい。例えば、運転品質が良いと思われる状態であった場合において、良い状態に対応するアイコンを、運転品質が悪いと思われる状態であった場合においては、悪い状態に対応するアイコンを表示することとし、運転品質の変化に応じてアイコンの表示を随時更新することとしても良い。例えば、所定の期間において所定の閾値以上の加速度が所定回数以上観測された場合にはアイコンの表示を悪い状態に対応するアイコンを表示し、所定の期間において所定の閾値以上の加速度が所定回数観測されなかった場合には良い状態に対応するアイコンを表示することとしてもよい。
【0079】
更には、かかるアイコンは、通常の画面においては表示されず、対応する移動体100のアイコンに対してマウスオーバー(マウスカーソルを重ねる)、クリック、タップ等の選択動作や、ピンチアウト、タブルクリック、ダブルタップ等の拡大操作(移動体100のアイコン周辺の表示を拡大する操作)を行うことで表示されるようにしてもよい。このようにすることで、通常時においては多数の情報を表示せず煩雑な表示を避けることができつつ、必要な場合にのみ情報の確認ができるという効果を有する。
【0080】
更に、図14に示すように、第二の実施形態特有のものとして、各ドライバーにより入力されたコメント情報が、各移動体100を示すアイテムの近傍に吹き出しの態様で表示され、各移動体100のドライバーによるコメントが把握できるようになっている。コメント情報は各移動体100につき複数表示可能となっており、例えば、識別情報D789の移動体100については、「少し休みます」「ヘトヘトです」という二つのコメント情報が表示されている。
すなわち、各ドライバーによるコメントが入力されることに伴い、コメント情報が表示される。従って、管理者等は管理装置400等を通じて、随時ドライバーによるコメントを確認することができる。例えば、コメントによって疲労度が高いいと思われるドライバーが存在した場合には、そのドライバーの以降の予定を調整する(例えば、他のドライバーに代わりに業務をやってもらう)ことで、ドライバーの健康に配慮した管理を行うことができる。また、緊急対応が発生すること等によりスケジュールとは異なる対応を行うこととなったドライバーにより入力されたコメントにより、ドライバーの最新の状況を把握することができ、またその最新の状況に応じた調整を行うことができる。
【0081】
なお、本実施形態においては、更に、図14に示すように、各移動体100を示すアイテムの近傍に、スケジュール情報に基づいてその時点において各ドライバーが従事していると想定されるイベント内容が表示されている。例えば、識別情報C135の移動体100については、「帰社」という表示が近傍になされている。一方で、コメント情報においては「緊急対応のためC社訪問します」と表示されていることから、当初想定されていたスケジュールでは帰社する予定であったところ、現時点においては予定を変更しC社へ訪問することになったことが確認できる。従って、管理者等は管理装置400等を通じて、随時ドライバーによる最新の状況を確認することができる。
【0082】
更には、コメント情報及び想定されるイベント内容は、健康状態に関するアイコンと同様に、通常の画面においては表示されず、対応する移動体100のアイコンに対して、マウスオーバー、クリック、タップ等の選択操作またはピンチアウト、タブルクリック、ダブルタップ等の拡大操作を行うことで表示されるようにしてもよい。このようにすることで、通常時においては多数の情報を表示せず煩雑な表示を避けることができつつ、必要な場合にのみ情報の確認ができるという効果を有する。なおこの場合、コメント情報は常時表示しつつ、イベント内容はマウスオーバー等の操作によってのみ表示されることとしてもよく、逆に、イベント内容は常時表示しつつ、コメント情報はマウスオーバー等の操作によってのみ表示されることとしてもよい。
【0083】
また、コメント情報、上述したように一つの移動体100のアイコンにつき複数表示してもよいが、表示数に上限(例えば、3つ)を設けることが好ましい。またこの場合、最新のコメント情報が入力される度に、表示されているコメント情報が上限数に達している場合は、表示されているもののうち最も古いものを消去して、入れ替わりに最新のコメント情報が表示されることが好ましい。また、入力または表示されてから所定期間(例えば、30分)が経過したコメント情報については、通常の画面からは消去することとしてもよい。
また、複数入力されたコメント情報は、通常の画面では上限数しか表示されないが、対応する移動体100のアイコンに対してマウスオーバー、クリック、タップ等の選択操作またはピンチアウト、タブルクリック、ダブルタップ等の拡大操作を行うことにより、過去の所定期間(例えば、1日)に入力された全コメント情報、又は所定数(ただし通常画面での上限数より大きな数)のコメント情報を表示することとしてもよい。このようにすることで、通常時は他の表示の邪魔をしないよう最小限の表示としつつ、必要な際には過去に遡って十分な量のコメント情報を確認することができる。
【0084】
<第三の実施形態>
以下、第三の実施形態について説明する。第三の実施形態は、移動体100の乗車者であるユーザが、状況情報として作業についての情報を入力するにあたり、その入力作業を効率化すべく、入力される内容を推定し、推定される内容を優先的に表示した選択肢を生成するものである。
【0085】
以下、この選択肢生成処理について説明する。
状況情報を入力する際、ユーザは都度その内容を文章で入力してもよいが、煩雑である。そのため、ユーザが入力しうる状況情報を含む選択肢を提供し、その中から一つを選択させることによって状況情報を入力させる方法が考えうる。
しかしながら、選択肢を提供するといっても、ユーザが入力しうる状況情報の種別は非常に多くのものがありうるため、それらすべてを網羅した選択肢とした場合には、非常に多くの情報を含むものとなり、表示が困難になるとともに、選択が煩雑となる。即ち、多くの情報を含んだ選択肢を提供した場合、ユーザが入力を意図する状況情報を長い時間を掛けて検索することが必要となり、煩雑さが払拭できていないこととなる。
そこで、選択肢生成処理によって、ユーザ自身やその他のユーザにより過去に入力された状況情報に基づいて、ユーザが入力しようとする状況情報を推定し、推定した状況情報を優先的に表示した選択肢とすることで、ユーザによる状況情報入力を効率化することを可能とする。
【0086】
推定される内容を優先的に表示した選択肢を生成するにあたっては、過去に入力された位置情報と状況情報とを組として、それらの組を元に統計情報を生成し、ある位置情報について過去に入力された状況情報の頻度が高い順に所定数並べたものを選択肢とすることが考えられるが、これに限られず、ユーザが入力を意図する状況情報を何らかの手法で想定した結果を選択肢表示に反映したものであればよい。
【0087】
例えば、選択肢生成は、機械学習によって行ってもよい。以下、選択肢作成を機械学習によって行う処理について説明する。図15は、機械学習により選択肢生成処理を行う場合のフローチャートである。
図15に示すように、まず、データ処理装置200は位置情報を受信し(S2101)、受信した位置情報をサーバ300に送信する(S2103)。サーバ300は、記憶部302に取得した位置情報を記憶する(S3101)。
次に、データ処理装置200は、S2101で受信した位置情報と対応する状況情報を取得する(S2105)。すなわち、S2101が行われるタイミングでユーザにより入力された状況情報を取得する。そして、取得した状況情報をサーバ300へ送信する(S2107)。
状況情報を受信したサーバ300は、直前にS3101で取得し記憶した位置情報と紐づけて、受信した状況情報を記憶部302に記憶する(S3105)。
【0088】
その後、サーバ300は、記憶された位置情報と、紐づけられた状況情報との組を教師データとした学習を行う(S3107)。このステップS3107による学習を繰り返し行うことで、位置情報を入力すると、対応する状況情報が出力される識別器を生成することができる。ステップS2007において、この識別器を用いて、入力が想定される状況情報を取得し、効率化された選択肢の提示を可能とする。
【0089】
なお、上記の説明では、位置情報と状況情報との組を教師データとすることを前提としたが、教師データとして入力される情報はこれらに限られず、より確度の高い状況情報を得るために必要な情報であれば、どのような情報であっても追加して入力することが可能である。
例えば、ステップS3101またはS3105において、加速度情報、ドライバーの識別情報、状況情報が入力された時間情報などのうち少なくとも1つを取得し、これらも教師データとして使用することとしてもよい。このようにして生成された識別器に対して、位置情報、ドライバーの識別情報および時間情報を入力することで、出力として想定される状況情報を得ることができる。
【0090】
さらに、上記の説明では、サーバ300において学習を行うこととしているが、これに限られず、別途の装置にて行うこととしてもよい。例えば、データ処理装置200において学習を行うこととしてもよく、この場合、データ処理装置200の外部に教師データを送信することなく学習を行うことができる。
【0091】
このようにして得られた選択肢の例を図16に示す。図16は、一例として、ドライバーAが14:31に自社駐車場において、状況情報として実施が完了した作業の内容を入力する際に表示される選択肢である。同様の状況でありながら、効率化していない選択肢の例である図10とは表示される内容および順番が異なっている。
すなわち、ユーザの状況「乗車者―ドライバーA、時刻―14:31、位置―自社駐車場」に応じて入力が想定される状況情報が優先的に選択肢内に表示され、逆に入力が想定しにくい状況情報(現場到着(積)、現場到着(卸)、空車走行など)は選択肢内に表示されていない形態となっており、ユーザによる効率のよい入力が期待できる。
【0092】
なお、この選択肢の効率化のための選択肢生成の処理であるが、図8に示す移動体情報及び状況情報関連処理と並行して行ってもよいし、移動体情報及び状況情報関連処理とは独立に行ってもよい。並行に行う場合は、ステップS2101はステップS12001として、ステップS2103はステップS12003として、ステップS2105はステップS12005の一部として、ステップS2107はステップS12007として、ステップS3101はステップS13001として、そしてステップS3105はステップS13005の一部としてそれぞれ行われ、ステップS3107はステップ3005の後に任意のタイミングで行ってよい。並行して行っていくことで、選択肢の効率化は状況情報の入力が行われるごとに改善することができるという効果を奏する。
【0093】
[変形例]
上述の各実施形態の変形例について説明する。
【0094】
上述の説明においては、所定範囲のスケジュール情報として、時間に基づく範囲のスケジュール情報を例示したが、時間に基づく範囲に限られず、任意の要素に基づく範囲のスケジュール情報としてよい。
例えば、情報量に基づくスケジュール情報としてもよく、この場合、最新のスケジュール情報から、所定の情報量、例えば、100文字を範囲としたスケジュール情報としてもよい。
またこの際、管理装置400において、ユーザ入力や表示対象となる所定範囲のスケジュール情報の情報量に基づいて所定範囲を変動することを可能としてもよい。例えば、所定範囲が時間に基づく範囲としている場合において、基準時刻から2時間の範囲としていた場合は、ユーザ入力によりその範囲を拡大または縮小し、3時間の範囲、または1時間の範囲とすることを可能としてもよい。
【0095】
上述の説明においては、データ処理装置200が、移動体100の乗車者であるユーザが情報を操作部203等を介して入力を受け付けることと、移動体100の位置情報を位置情報取得部206を介して取得することの両方を行うこととしているが、ユーザの入力を受け付けること、及び、位置情報等(その他不図示の移動体情報取得部により取得される移動体情報も含む)の取得は別々の装置で行われることとしてもよい。
例えば、例えば、ユーザの入力を受け付けることはスマートフォン等の携帯端末によって行い、位置情報等を取得することは、移動体100のソケット(一例として、シガーソケット、電気供給用ソケット、又は、接続用ソケット)に挿入して、自動車の車両内に固定することができる装置、ドライブレコーダー、その他任意のIoT機器などによって行われることとしてもよい。
【0096】
この場合、ユーザの入力を受け付ける携帯端末は、位置情報等を取得するための装置、移動体100又は移動体100のドライバーのいずれかと紐づけられており、携帯端末によって入力された情報は対応する移動体100について行われたものであると認識可能な態様であることが好ましい。
【0097】
第二の実施形態においては、健康状態、運転品質、コメント情報等はマウスオーバー、クリック、タップ等の選択動作や、ピンチアウト、ダブルタップ等の拡大操作を行うことで表示されることとしてもよい、と説明したが、このような表示方法は第二の実施形態に限られない。例えば、第一の実施形態にて説明したスケジュール情報についても、標準の表示においては表示されず、マウスオーバー、クリック、タップ等の選択動作や、ピンチアウト、ダブルタップ等の拡大操作を行うことで表示されることとしてもよい。
すなわち、標準の表示においては、地図上に各移動体のアイコンが識別情報とともに表示されているのみで、選択動作または拡大操作によってスケジュール情報、健康状態情報、運転品質情報、コメント情報等が表示されるようにしてもよい。また、選択動作の完了(動作後所定時間の経過、マウスオーバー後にマウスカーソルを別の位置に移動、別の位置をクリックまたはタップ、等)または拡大操作の完了(ピンチイン等による縮小、別の位置をクリックまたはタップ、等)によりこれらの表示を終了することとしてもよい。
【0098】
また、上記の実施例では、各種の処理に係る各種のプログラムやデータが、記憶部に記憶されており、処理部がこれらのプログラムを読み出して実行することで、上記の各実施例における処理が実現された。この場合、各装置の記憶部は、ROMやEEPROM、フラッシュメモリ、ハードディスク、RAMといった内部記憶装置の他に、メモリカード(SDカード)やコンパクトフラッシュ(登録商標)カード、メモリスティック、USBメモリ、CD-RW(光学ディスク)、MO(光磁気ディスク)といった記録媒体(記録メディア、外部記憶装置、記憶媒体)を有していてもよく、これらの記録媒体に上記の各種のプログラムやデータを記憶させることとしてもよい。
【0099】
以上、本発明の実施形態及び変形例について詳細に説明したが、本発明の範囲は上記の実施形態及び変形例に限定されない。また、上記の実施形態及び変形例は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び変更が可能である。また、上記の実施形態及び変形例は、組合せ可能である。
【符号の説明】
【0100】
100 移動体
200 データ処理装置
300 サーバ
400 管理装置



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