(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023021262
(43)【公開日】2023-02-10
(54)【発明の名称】表示制御方法、表示制御プログラム、及び、表示制御システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0251 20230101AFI20230202BHJP
G06Q 30/08 20120101ALI20230202BHJP
【FI】
G06Q30/0251
G06Q30/08
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022198322
(22)【出願日】2022-12-13
(62)【分割の表示】P 2021081419の分割
【原出願日】2017-07-31
(71)【出願人】
【識別番号】504437801
【氏名又は名称】グリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】平野 智久
(57)【要約】
【課題】新たな収益を生み出すことのできる表示制御方法、表示制御プログラム、及び、表示制御システムを提供する。
【解決手段】アプリケーションを備えたユーザ端末10にネットワークを介して接続されたコンピュータが、ユーザ端末10の表示を制御する方法であって、コンピュータが、対価を必要とするアイテムにユーザが指定した画像オブジェクトを付す権利の入札をユーザ端末10から受け付ける受付ステップと、入札を行ったユーザの中から落札者を決定する第1決定ステップと、決定した落札者の指定する画像オブジェクトをアイテムの画像オブジェクトとし、ユーザ端末10にてアイテムの購入画面に表示させる表示制御ステップと、購入画面で選択されたアイテムを、当該アイテムを選択したユーザのユーザ端末10のアプリケーション内で表示させるアイテム表示ステップと、を実行する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アプリケーションを備えた表示端末にネットワークを介して接続されたコンピュータが、前記表示端末の表示を制御する方法であって、
前記コンピュータが、
対価を必要とするアイテムを示す画像オブジェクトに関する権利の取得について、前記権利の取得を希望するユーザが用いる前記表示端末から、当該ユーザが設定する金額を含む情報を受け付ける受付ステップと、
前記金額を含む情報を送信した前記ユーザの中から、前記金額に基づき、前記権利を取得するユーザを決定する第1決定ステップと、
決定した前記ユーザの指定する画像オブジェクトと、当該ユーザの指定する動画を再生可能に示す情報とを前記表示端末にて前記アイテムの購入画面に表示させる表示制御ステップと、
前記購入画面で選択された前記アイテムを、当該アイテムを選択したユーザの前記表示端末の前記アプリケーション内で表示させるアイテム表示ステップと、を実行する、表示制御方法。
【請求項2】
前記コンピュータが、
前記第1決定ステップで決定された前記ユーザが設定した前記金額に応じて前記アイテムの課金額を決定する第2決定ステップを実行する
請求項1に記載の表示制御方法。
【請求項3】
前記第2決定ステップでは、前記第1決定ステップで決定された前記ユーザが設定した前記金額が大きいほど、前記アイテムの前記課金額を低く設定する
請求項2に記載の表示制御方法。
【請求項4】
前記コンピュータが、
前記第1決定ステップで決定された前記ユーザが設定した前記金額に応じて前記アイテムの利用可能期間を決定する第3決定ステップを実行する
請求項1~3のいずれか1項に記載の表示制御方法。
【請求項5】
前記第3決定ステップは、前記第1決定ステップで決定された前記ユーザが設定した前記金額が大きいほど、前記アイテムの前記利用可能期間を長く設定する
請求項4に記載の表示制御方法。
【請求項6】
前記コンピュータは、
前記第1決定ステップで決定された前記ユーザの指定する画像オブジェクトを前記アイテムの画像オブジェクトとして前記表示端末にて前記購入画面に表示させるとともに、当該ユーザの指定する名称を前記アイテムの名称として前記表示端末にて前記購入画面に表示させる
請求項1~5のいずれか1項に記載の表示制御方法。
【請求項7】
前記コンピュータは、
前記購入画面を通じて前記アイテムが購入され、かつ、前記動画が前記表示端末にて再生されたとき、当該アイテムの利用に関する特典を設定する
請求項6に記載の表示制御方法。
【請求項8】
前記コンピュータは、
前記第1決定ステップで決定された前記ユーザが設定した前記金額に応じて、前記購入画面での当該画像オブジェクトに対応する前記アイテムの販売期間を変える
請求項1~7のいずれか一項に記載の表示制御方法。
【請求項9】
前記アイテムは、1回の利用によって1つが消費されるアイテムである
請求項1~8のいずれか一項に記載の表示制御方法。
【請求項10】
アプリケーションを備えた表示端末にネットワークを介して接続されたコンピュータが有する制御部に、
対価を必要とするアイテムを示す画像オブジェクトに関する権利の取得について、前記権利の取得を希望するユーザが用いる前記表示端末から、当該ユーザが設定する金額を含む情報を受け付ける受付ステップと、
前記金額を含む情報を送信した前記ユーザの中から、前記金額に基づき、前記権利を取得するユーザを決定する第1決定ステップと、
決定した前記ユーザの指定する画像オブジェクトと、当該ユーザの指定する動画を再生可能に示す情報とを前記表示端末にて前記アイテムの購入画面に表示させる表示制御ステップと、
前記購入画面で選択された前記アイテムを、当該アイテムを選択したユーザの前記表示端末の前記アプリケーション内で表示させるアイテム表示ステップと、を実行させる
表示制御プログラム。
【請求項11】
アプリケーションを備えた表示端末にネットワークを介して接続されたシステムであって、
前記システムは制御部を備え、
前記制御部は、
対価を必要とするアイテムを示す画像オブジェクトに関する権利の取得について、前記権利の取得を希望するユーザが用いる前記表示端末から、当該ユーザが設定する金額を含む情報を前記表示端末から受け付け、
前記金額を含む情報を送信した前記ユーザの中から、前記金額に基づき、前記権利を取得するユーザを決定し、
決定した前記ユーザの指定する画像オブジェクトと、当該ユーザの指定する動画を再生可能に示す情報とを前記表示端末に送信し、
前記表示端末は、
前記制御部から受信した前記情報に基づき前記画像オブジェクトと、当該ユーザの指定する動画を再生可能に示す情報とを前記アイテムの購入画面に表示し、
前記購入画面で選択された前記アイテムを、前記アプリケーション内で表示する、
表示制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、課金対象の媒体に付される画像オブジェクトの表示制御方法、表示制御プログラム、及び、表示制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、スマートフォン等の端末に導入されるソフトウェアであるアプリケーションの提供者等は、ユーザへの課金や広告収入によって収益を得ている。例えば、ユーザへの課金として、アプリケーションのダウンロードに対する課金や、アプリケーションによって構築される世界にて流通する通貨やアイテム等の取得に対する課金が行われている。また、広告収入の収得として、アプリケーションの動作中に広告を表示させてその広告主から対価を得ることが行われている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、アプリケーションによって構築される世界観や利便性を損ねないようにアプリケーションの機能とは直接的に関係のない広告等の画像を表示しようとすれば、表示できる画像の数や大きさには限界があるため、収益の拡大が難しいという問題がある。
本発明は、新たな収益を生み出すことのできる表示制御方法、表示制御プログラム、及び、表示制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する表示制御方法は、アプリケーションを備えた表示端末にネットワークを介して接続されたコンピュータが、前記表示端末の表示を制御する方法であって、前記コンピュータが、対価を必要とするアイテムを示す画像オブジェクトに関する権利の取得について、前記権利の取得を希望するユーザが用いる前記表示端末から、当該ユーザが設定する金額を含む情報を受け付ける受付ステップと、前記金額を含む情報を送信した前記ユーザの中から、前記金額に基づき、前記権利を取得するユーザを決定する第1決定ステップと、決定した前記ユーザの指定する画像オブジェクトと、当該ユーザの指定する動画を再生可能に示す情報とを前記表示端末にて前記アイテムの購入画面に表示させる表示制御ステップと、前記購入画面で選択された前記アイテムを、当該アイテムを選択したユーザの前記表示端末の前記アプリケーション内で表示させるアイテム表示ステップと、を実行する。
【0006】
上記方法によれば、アプリケーションが構築する世界観や利便性を損ねることを抑えつつ、新たな収益を生み出すことができる。
【0007】
上記表示方法について、前記コンピュータが、前記画像オブジェクトの落札額に応じて前記アイテムの課金額を決定する第2決定ステップを実行することが好ましい。
【0008】
上記表示方法について、前記第2決定ステップでは、前記落札額が大きいほど、前記アイテムの前記課金額を低く設定することが好ましい。
【0009】
上記表示方法について、前記コンピュータが、前記画像オブジェクトの落札額に応じて前記アイテムの利用可能期間を決定する第3決定ステップを実行することが好ましい。
【0010】
上記表示方法について、前記第3決定ステップは、前記落札額が大きいほど、前記アイテムの前記利用可能期間を長く設定することが好ましい。
【0011】
上記表示方法について、前記コンピュータは、前記落札者の指定する画像オブジェクトを前記アイテムの画像オブジェクトとして前記表示端末にて前記購入画面に表示させるとともに、前記落札者の指定する名称を前記アイテムの名称として前記表示端末にて前記購入画面に表示させることが好ましい。
【0012】
上記表示方法について、前記コンピュータは、前記落札者の指定する動画を再生可能に示す情報を、前記表示端末にて前記購入画面に表示させることが好ましい。
【0013】
上記表示方法について、前記コンピュータは、前記購入画面を通じて前記アイテムが購入され、かつ、前記動画が前記表示端末にて再生されたとき、当該媒体の利用に関する特典を設定することが好ましい。
【0014】
上記表示方法について、前記特典は、前記アイテムの効果の増強、及び、前記アイテムの購入後に当該媒体を利用可能な期間の拡大の少なくとも一方を含むことが好ましい。
【0015】
上記表示方法について、前記コンピュータは、前記表示端末における前記購入画面に、前記落札者に落札された前記画像オブジェクトに対応する前記アイテムである第1のアイテムとともに、前記第1のアイテムと同一の効果を発揮するアイテムであって、かつ、入札の対象とされていない画像オブジェクトの付された第2のアイテムを表示させ、前記第1のアイテムと前記第2のアイテムとにおいて、課金額、及び、媒体の購入後に当該媒体を利用可能な期間の少なくとも一方が異なることが好ましい。
【0016】
上記表示方法について、前記コンピュータは、前記落札者による前記画像オブジェクトの落札額に応じて、前記購入画面での当該画像オブジェクトに対応する前記アイテムの販売期間を変えることが好ましい。
上記表示方法について、入札対象の前記アイテムは、1回の利用によって1つが消費されるアイテムであることが好ましい。
【0017】
上記課題を解決する表示制御プログラムは、アプリケーションを備えた表示端末にネットワークを介して接続されたコンピュータが有する制御部に、対価を必要とするアイテムを示す画像オブジェクトに関する権利の取得について、前記権利の取得を希望するユーザが用いる前記表示端末から、当該ユーザが設定する金額を含む情報を受け付ける受付ステップと、前記金額を含む情報を送信した前記ユーザの中から、前記金額に基づき、前記権利を取得するユーザを決定する第1決定ステップと、決定した前記ユーザの指定する画像オブジェクトと、当該ユーザの指定する動画を再生可能に示す情報とを前記表示端末にて前記アイテムの購入画面に表示させる表示制御ステップと、前記購入画面で選択された前記アイテムを、当該アイテムを選択したユーザの前記表示端末の前記アプリケーション内で表示させるアイテム表示ステップと、を実行させる。
【0018】
上記プログラムによれば、アプリケーションが構築する世界観や利便性を損ねることを抑えつつ、新たな収益を生み出すことができる。
【0019】
上記課題を解決する表示制御システムは、アプリケーションを備えた表示端末にネットワークを介して接続されたシステムであって、前記システムは制御部を備え、前記制御部は、対価を必要とするアイテムを示す画像オブジェクトに関する権利の取得について、前記権利の取得を希望するユーザが用いる前記表示端末から、当該ユーザが設定する金額を含む情報を前記表示端末から受け付け、前記金額を含む情報を送信した前記ユーザの中から、前記金額に基づき、前記権利を取得するユーザを決定し、決定した前記ユーザの指定する画像オブジェクトと、当該ユーザの指定する動画を再生可能に示す情報とを前記表示端末に送信し、前記表示端末は、前記制御部から受信した前記情報に基づき前記画像オブジェクトと、当該ユーザの指定する動画を再生可能に示す情報とを前記アイテムの購入画面に表示し、前記購入画面で選択された前記アイテムを、前記アプリケーション内で表示する。
【0020】
上記システムによれば、アプリケーションが構築する世界観や利便性を損ねることを抑えつつ、新たな収益を生み出すことができる。
【0021】
なお、上記方法について、前記コンピュータが、前記アプリケーションによって前記表示端末に表示される画像オブジェクトであって、かつ、前記アプリケーションの動作中の利用によりキャラクターに関する効果を発揮する課金対象のアイテムに付される前記画像オブジェクトを対象として、前記画像オブジェクトに対する広告表示の入札を各入札端末から受け付けて落札者を決定し、決定した落札者の指定する画像オブジェクトを前記アイテムの画像オブジェクトとして前記表示端末にて前記アイテムの購入画面に表示させることとしてもよい。
【0022】
また、上記表示制御プログラムについて、前記コンピュータに、前記アプリケーションによって前記表示端末に表示される画像オブジェクトであって、かつ、前記アプリケーションの動作中の利用によりキャラクターに関する効果を発揮する課金対象のアイテムに付される前記画像オブジェクトを対象として、前記画像オブジェクトに対する広告表示の入札を各入札端末から受け付けて落札者を決定し、決定した落札者の指定する画像オブジェクトを前記アイテムの画像オブジェクトとして前記表示端末にて前記アイテムの購入画面に表示させることとしてもよい。
また、上記表示制御システムについて、前記制御部が、前記アプリケーションによって前記表示端末に表示される画像オブジェクトであって、かつ、前記アプリケーションの動作中の利用によりキャラクターに関する効果を発揮する課金対象のアイテムに付される前記画像オブジェクトを対象として、前記画像オブジェクトに対する広告表示の入札を各入札端末から受け付けて落札者を決定し、決定した落札者の指定する画像オブジェクトを前記アイテムの画像オブジェクトとして前記表示端末にて前記アイテムの購入画面に表示させることとしてもよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、アプリケーションを通じて、新たな収益を生み出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】表示制御方法の第1実施形態について、表示制御方法に利用される装置の構成を示す図。
【
図2】第1実施形態における入札管理データのデータ構成の一例を示す図。
【
図3】第1実施形態におけるアイテムデータのデータ構成の一例を示す図。
【
図4】第1実施形態の表示制御方法による処理の手順を示すシーケンスチャート。
【
図5】第1実施形態の表示制御方法によって表示される購入画面の一例を示す図。
【
図6】第1実施形態の表示制御方法における情報及び金銭の流れの一例を概念的に示す図。
【
図7】表示制御方法の第2実施形態について、情報及び金銭の流れの一例を概念的に示す図。
【
図8】第2実施形態の表示制御方法によって表示される購入画面の一例を示す図。
【
図9】表示制御方法の第3実施形態について、情報の流れの一例を概念的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(第1実施形態)
図1~
図4を参照して、表示制御方法、表示制御プログラム、及び、表示制御システムの第1実施形態を説明する。
【0026】
[装置構成]
図1を参照して、第1実施形態の表示制御方法に用いられる装置の構成を説明する。
図1が示すように、表示端末の一例であるユーザ端末10は、ユーザが操作するコンピュータ端末であり、スマートフォンやタブレット端末等に具体化される。ユーザ端末10は、通信を制御する通信部、画像を表示する表示部、ユーザの操作を受け付ける操作部、プログラムやデータを記憶する記憶部、これらの各部の制御や演算処理を記憶部に記憶されたプログラムやデータに基づいて行う制御部を備えている。
【0027】
ユーザ端末10には、表示制御システムを構成する管理サーバ20からの指示に基づいて動作するアプリケーションがインストールされている。第1実施形態では、ユーザ端末10が備える上記アプリケーションは、ユーザ端末10にてゲームを動作させるゲームアプリケーションであり、ユーザ端末10を操作するユーザは、当該ゲームのプレイヤーである。第1実施形態では、アプリケーションによって実現されるゲームとして、プレイヤーが、ゲームの進行中の利用によって所定の効果を発揮するゲーム媒体であるアイテムを取得し、アイテムを利用しつつ戦闘やパズル等のプレイを進めるゲームを想定している。例えば、ゲームは、クエスト、ミッション、ミニゲーム、ゲーム媒体の育成、強化、及び合成、ゲーム媒体取得イベント、仮想空間の探索イベント、ならびに、対戦相手(例えば、他のプレイヤー、敵キャラクター、及び敵の建物等)との対戦イベント等のゲームコンテンツを含むことができる。例えば、ゲームコンテンツ毎に設定される1つ以上の所定の条件(ゲーム課題)の達成に成功したと判定された場合、プレイヤーに対して、ゲーム媒体等が報酬として付与されてもよい。
【0028】
管理サーバ20は、ユーザ端末10に表示されるアイテムについて、その画像であるアイテム画像及びその名称であるアイテム名称を、所望の画像及び名称とすることができる権利を、オークションによって提供する。具体的には、第1実施形態において、管理サーバ20は、アイテム画像及びアイテム名称を所望の画像及び名称とすることにより、アイテム画像及びアイテム名称に対して広告表示を行う権利を、オークションによって提供する。
【0029】
アイテム画像及びアイテム名称が入札対象とされるアイテム、言い換えれば入札対象のアイテムは、課金対象の媒体であり、すなわち、プレイヤーが対価を支払うことによってゲーム内で取得することができるアイテムである。入札対象のアイテムは、例えば、1回の利用によって1つが消費されるアイテムであり、ゲーム媒体のゲーム内における効果を向上させる効果を有する。ゲーム媒体とは、ゲームに使用される電子データであり、プレイヤーによってゲーム内で取得、所有、使用、管理、交換、合成、強化、売却、廃棄、又は贈与等され得る。例えば、ゲーム媒体は、カード、アイテム、仮想通貨、チケット、キャラクター、アバター、レベル情報、ステータス情報、パラメータ情報(体力値や攻撃力など)、能力情報(スキル、アビリティ、呪文、ジョブなど)等、任意の媒体を含む。ゲーム媒体の利用態様は本明細書で明示されるものに限られない。本実施形態では、入札対象のアイテムは、例えば、プレイヤーが操作するキャラクターに対して設定された各種のパラメータを回復もしくは上昇させる効果を有する。こうしたパラメータには、例えば、体力等の能力を示す数値や、戦闘等に参加する際に消費するポイントが含まれてもよい。
【0030】
なお、課金対象には、現実世界にて流通する通貨である実通貨で支払いを行うことにより取得できる対象と、実通貨で支払いを行うことにより取得したゲーム内通貨との交換により取得できる対象とが含まれる。ゲーム内通貨は、ゲーム内、すなわち、アプリケーションによって構築される世界において流通する通貨である。なお、対価を支払って取得するアイテムは、ゲーム内通貨を消費して取得するアイテムの代わりに、プレイヤーに関連付けられたパラメータを消費することにより取得するアイテムでもよい。
【0031】
管理サーバ20は、インターネット等のネットワークを介してユーザ端末10及び入札端末30の各々と接続されている。管理サーバ20は、通信部21と、制御部22と、記憶部23とを備えている。
通信部21は、ネットワークを通じて、管理サーバ20とユーザ端末10及び入札端末30の各々との接続処理を実行し、管理サーバ20と各端末との間でデータの送信及び受信を行う。
【0032】
制御部22は、CPUや、RAM等の揮発性メモリを含む構成を有し、記憶部23に記憶されたプログラムやデータに基づいて、通信部21による通信の制御、記憶部23における情報の読み出しや書き込み、各種の演算処理等、管理サーバ20が備える各部の制御を行う。制御部22は、記憶部23に記憶された表示制御プログラムの実行により、入札管理部22a、アイテム管理部22b、及び、表示管理部22cとして機能する。
入札管理部22aは、入札端末30から管理サーバ20に送信された入札情報に基づき、入札対象のアイテムに対する入札を受け付けて落札者を決定する。
【0033】
アイテム管理部22bは、アイテム画像及びアイテム名称の落札されたアイテムである落札アイテムについて、アイテムの課金予定額から落札額に基づいて算出された金額を割り引いて、当該アイテムの課金額を決定する。
【0034】
また、アイテム管理部22bは、落札アイテムに対し、プレイヤーによる利用を制限する条件である利用条件を設定する。利用条件には、例えば、ユーザ端末10でのアイテムの購入時から、当該アイテムをゲーム内で利用可能な期間である利用可能期間が含まれる。また例えば、利用条件には、アイテムを購入したプレイヤーから他のプレイヤーへの当該アイテムの譲渡を禁止する設定が含まれる。入札対象のアイテムには、標準の利用条件を示す初期条件が予め設定されている。
【0035】
表示管理部22cは、落札者から提供された画像に基づくアイテム画像を、落札アイテムのアイテム画像としてユーザ端末10に表示させるためのデータを生成する。また、表示管理部22cは、落札者から指定された名称を、落札アイテムのアイテム名称としてユーザ端末10に表示させるためのデータを生成する。
【0036】
記憶部23は、不揮発性メモリを含む構成を有し、制御部22が実行する処理に必要なプログラムやデータを記憶している。記憶部23には、上述の表示制御プログラムに加えて、入札管理データ23aと、アイテムデータ23bと、プレイヤーデータ23cとが記録されている。
【0037】
入札管理データ23aは、入札から落札までの過程において管理サーバ20が取得する情報や、入札から落札までの過程において制御部22の処理に要する情報を含む。入札管理データ23aが含む情報は、必要に応じて適宜設定されればよく、例えば、入札に際して入札端末30から管理サーバ20が受信した入札情報や、落札者の判定や課金額の決定に要する情報や、落札アイテムについての落札者や落札額等の落札情報を含む。
図2に、入札管理データ23aのデータ構成の一例を示す。
【0038】
アイテムデータ23bは、入札対象のアイテム及び落札アイテムに関する情報を含む。アイテムデータ23bが含む情報は、必要に応じて適宜設定されればよく、例えば、入札対象のアイテムについての入札可能期間や最低入札額や課金予定額や初期条件、落札アイテムのアイテム画像やアイテム名称や課金額や利用条件や販売期間等を含む。
図3に、アイテムデータ23bのデータ構成の一例を示す。
【0039】
プレイヤーデータ23cは、プレイヤーによるゲームのプレイ内容に関する情報を含む。プレイヤーデータ23cが含む情報は、必要に応じて適宜設定されればよく、例えば、プレイヤーによる各アイテムの購入数等を含む。
【0040】
なお、管理サーバ20は、プレイヤーがゲームを進める上での各種の制御を行い、こうした制御に要する各種のデータを記憶していてもよい。あるいは、こうした制御は、管理サーバ20とは異なる装置にて行われてもよい。また、管理サーバ20が有する各部の機能は、複数のサーバによって実現されてもよい。1以上のコンピュータから構成される表示制御システムが、上述の通信部21、制御部22、及び、記憶部23として機能する機能部を備えていればよい。
【0041】
入札端末30は、入札者が操作するコンピュータ端末であり、パーソナルコンピュータやスマートフォンやタブレット端末等に具体化される。入札端末30は、通信を制御する通信部、画像を表示する表示部、入札者の操作を受け付ける操作部、プログラムやデータを記憶する記憶部、これらの各部の制御や演算処理を記憶部に記憶されたプログラムやデータに基づいて行う制御部を備えている。
【0042】
入札者は、アイテム画像及びアイテム名称に対する広告表示を希望する企業や団体であり、例えば、アイテム画像を自社商品の画像とし、アイテム名称を当該商品の名称とすることにより、当該商品の宣伝を行うことを希望する企業である。
【0043】
[アイテムの表示処理]
図4及び
図5を参照して、ユーザ端末10に落札アイテムが表示されるまでの処理について説明する。
図4が示すように、まず、入札端末30に入力された情報を含む入札情報が、入札端末30から管理サーバ20に送信される(ステップS10)。
具体的には、例えば、入札端末30が管理サーバ20にアクセスすることに基づき、入札のための画面である入札画面が入札端末30に表示される。入札画面には、例えば、入札対象のアイテムについてその効果等の説明、入札の可能な期間である入札可能期間、最低入札額等の、入札者が入札を行うことを決定するために必要な情報が表示される。
【0044】
入札情報は、管理サーバ20が落札者を決定するために利用する情報を含み、こうした情報として、例えば、入札額や、入札者に関する情報等を含む。入札額は、入札者によって設定される金額であって、入札者がアイテム画像及びアイテム名称を落札した場合に、ユーザ端末10での課金に基づく当該アイテムの取得、すなわち、アイテムの1回の購入ごとに、入札者に支払いが課される金額である。入札額は、最低入札額以上の金額に設定される。また、入札情報は、入札者が、アイテム画像として指定する画像、及び、アイテム名称として指定する名称を含む。
【0045】
入札者は、入札端末30を操作することに基づき、落札を希望するアイテムについて、入札画面の所定のフォーム等に要求される情報を入力する。これにより、入札情報を構成する情報がユーザ端末10に入力される。なお、こうした入札端末30の機能は、入札端末30にインストールされたアプリケーションあるいはウェブアプリケーションの動作によって実現されればよい。
【0046】
入札端末30から入札情報を受信すると、管理サーバ20の入札管理部22aは、入札情報を入札管理データ23aに含めて記憶部23に記録する。これにより、入札が受け付けられる(ステップS11)。
【0047】
入札対象のアイテムには、上記入札可能期間が設定されており、この期間内に受け付けられた入札が、落札者の決定の対象となる。入札可能期間が経過すると、管理サーバ20の入札管理部22aは、対象のアイテムについての各入札の入札情報を参照して、落札者を決定する(ステップS12)。入札管理部22aは、例えば、最も入札額の高い入札の入札者を落札者に決定する。なお、入札額のみに限らず、入札管理部22aは、入札順や入札者の過去の入札履歴等の他の情報を利用して、落札者を決定してもよく、落札者の決定の条件は適宜設定されればよい。また、入札管理部22aは、落札者の入札額である落札額や落札者に関する情報等の落札情報を入札管理データ23aに含めて記憶部23に記録する。落札情報の含む情報は、必要に応じて適宜設定されればよい。
【0048】
落札者が決定されると、管理サーバ20のアイテム管理部22bは、落札アイテムの課金額を決定する(ステップS13)。入札対象のアイテムには、課金予定額が設定されており、アイテム管理部22bは、落札アイテムについて、課金予定額から落札額に基づいて算出された金額を割り引いて、当該アイテムの課金額を決定する。具体的には、アイテム管理部22bは、落札額が大きいほど、割引額を大きく設定する。すなわち、落札額が大きいほど、課金額は小さくなる。なお、アイテムがゲーム内通貨との交換によりプレイヤーに取得される場合には、課金額はゲーム内通貨によって表される。
【0049】
例えば、アイテム管理部22bは、落札額が最低入札額から所定の範囲である場合に、割引率を所定の最低値とし、落札額が上記所定の範囲を超える場合に、落札額と最低入札額との差分の最低入札額に対する比率を割引率とする。また例えば、アイテム管理部22bは、落札額と課金額との関係を規定する表やマップ等に基づいて、課金額を決定してもよい。
【0050】
また、アイテム管理部22bは、落札アイテムに対して利用条件を設定する(ステップS14)。例えば、アイテム管理部22bは、落札アイテムに対して初期条件として設定されている利用可能期間を、落札額に応じた期間に変更して利用条件として設定する。具体的には、落札額が高いほど、利用可能期間が初期条件よりも拡大される。アイテム管理部22bは、落札アイテムの種類や落札額や落札者に応じて、初期条件を変更して利用条件を設定してもよいし、初期条件を変更せずに利用条件としてもよい。
【0051】
なお、ステップS13における課金額の決定の処理とステップS14における利用条件の設定の処理との順序は特に限定されない。決定された課金額及び利用条件は、アイテムデータ23bに含めて記憶部23に記録される。
【0052】
続いて、管理サーバ20の表示管理部22cは、ユーザ端末10に送信する表示データを生成する(ステップS15)。表示データには、落札者から提供された画像を、落札アイテムのアイテム画像としてユーザ端末10に表示させるためのデータが含まれる。また、表示データには、落札者から指定された名称を、落札アイテムのアイテム名称としてユーザ端末10に表示させるためのデータが含まれる。さらに、表示データには、課金額及び利用条件をユーザ端末10に表示させるためのデータが含まれる。
【0053】
生成された表示データは、通信部21を介して、管理サーバ20からユーザ端末10に送信される(ステップS16)。ユーザの操作に応じて、ユーザ端末10にアイテムの購入画面が表示されるとき、ユーザ端末10は、管理サーバ20から受信した表示データを用いて、購入画面を表示する。例えば、アプリケーションを構成するデータに、識別子として機能するタグを設定しておくことにより、購入画面の所定の箇所に、管理サーバ20から受信した表示データに含まれるアイテム画像やアイテム名称を表示させることができる。これにより、購入画面にて、落札アイテムのアイテム画像として、落札者の指定する画像が表示されるとともに、落札アイテムの名称として、落札者の指定する名称が表示される(ステップS17)。
【0054】
落札アイテムには、販売期間が設定されており、落札者の指定したアイテム画像及びアイテム名称は、販売期間の間、購入画面に表示され、販売期間が終了すると、購入画面には表示されなくなる。すなわち、落札者は、アイテム画像及びアイテム名称の落札によって、所望の画像及び名称を、販売期間である所定の期間、アイテム画像及びアイテム名称として購入画面に表示させる権利を得られる。なお、販売期間は、落札額に応じて変更されてもよい。すなわち、アイテム管理部22bは、課金額の決定及び利用条件の設定に加えて、落札アイテムに対し、落札額に応じた販売期間を設定してもよい。例えば、アイテム管理部22bは、落札額が高いほど、予め設定されていた販売予定期間よりも長い期間に、販売期間を設定する。
【0055】
なお、
図4を参照して説明した処理手順において、アイテム画像として指定される画像、及び、アイテム名称として指定される名称は、入札額等ともに入札情報に含められて入札端末30から管理サーバ20に送信されることに限らず、例えば、入札の受け付けよりも前に、管理サーバ20に送信されてもよいし、落札者の決定後に、管理サーバ20に送信されてもよい。要は、これらの画像及び名称は、表示データの生成に際して管理サーバ20が利用可能であればよい。
【0056】
図5は、ユーザ端末10に表示されるアイテムの購入画面の一例を示す。
図5においては、プレイヤーが有する体力の値を示すHPを100回復させる効果を発揮するアイテムが入札対象であって、このアイテムのアイテム画像及びアイテム名称が「ABCチョコ」という名称の菓子を販売する入札者によって落札された場合を想定している。なお、HPを100回復させるアイテムとしては、入札対象ではない通常のアイテム、すなわち通常アイテムとして、ボトル状のアイテム画像と「回復薬」というアイテム名称とによって表されるアイテムが存在する。
【0057】
図5において、購入画面Dに表示されているアイテムIaは、HPを100回復させる通常アイテムであって、上述のように、ボトル状のアイテム画像Maと「回復薬」というアイテム名称Naとによって表されている。また、アイテムIaの課金額は、100Cであり、アイテムIaには利用条件は設定されていない。すなわち、アイテムIaは無期限に利用可能である。なお、通貨単位「C」はゲーム内通貨の単位である。
【0058】
一方、アイテムIbは、落札アイテムであって、チョコレート菓子のアイテム画像Mbと「ABCチョコ」というアイテム名称Nbとによって表されている。このアイテム画像Mbは、落札者が指定したアイテム画像であり、アイテム名称Nbは、落札者が指定したアイテム名称である。また、アイテムIbの課金額は、80Cであり、アイテムIbには、3日間の利用可能期間と、他のプレイヤーへの譲渡の禁止とを含む利用条件が設定されている。
【0059】
アイテムIaとアイテムIbとの効果は同一であり、プレイヤーは、HPを100回復させるアイテムを購入したい場合に、アイテムIaとアイテムIbとから、購入するアイテムを選択することができる。そして、落札アイテムであるアイテムIbを選択すれば、通常アイテムであるアイテムIaよりも低い金額で、HPを100回復させるアイテムを購入することができる。なお、通常アイテムの課金額は、例えば、落札アイテムの課金予定額に相当する。
【0060】
また、落札者にとっては、アイテム画像として商品の画像を指定し、アイテム名称として商品の名称を指定することで、ゲーム内においてアイテムとして商品が表示されるため、自社商品の宣伝を行うことができる。そして、アイテムとして広告機能を有する要素が表示されるため、画面の上部や下部等にゲームとは関係のない形態で広告が表示される場合と比較して、ゲームの世界観や利便性が損なわれにくく、プレイヤーであるユーザの印象を損ねることも抑えられる。このように、アイテム画像やアイテム名称に対して広告表示を行うことによって、ゲームの世界観や利便性を損ねることを抑えつつ広告表示の機会を増加させることができる。
【0061】
また、課金対象のアイテムはゲーム内において重要性の高い効果を発揮することが多いため、プレイヤーであるユーザの関心が集まりやすい。そして、購入画面でのアイテムの購入に際しては、ユーザは、購入するアイテムの選択のために、アイテム画像及びアイテム名称に注目する。したがって、アイテム画像やアイテム名称に対して広告表示を行うことによって、広告効果が高められる。
【0062】
なお、落札者が指定したアイテム画像及びアイテム名称は、購入画面に限らず、落札アイテムの購入後には、プレイヤーが所有するアイテムの一覧画面等においても、落札アイテムを表す画像及び名称として表示される。
【0063】
そして、利用条件として、利用可能期間が設定されているとき、プレイヤーが落札アイテムを購入した後、利用可能期間内に当該アイテムを利用しなかった場合、当該アイテムは、プレイヤーが所有するアイテムから消失する。
【0064】
これにより、長期間に渡って、落札アイテムがアイテムの一覧画面等に表示され続けることが抑えられる。したがって、例えば、旧商品である商品の画像等、広告として機能しなくなった画像が、アイテム画像として表示され続けることが抑えられる。
ここで、例えば、競合する商品を販売する複数の企業が、同時期に別々のアイテムの落札者となると、購入画面に、競合する商品の画像が別々のアイテムのアイテム画像として並ぶことが起こり得る。こうした事象は、入札を受け付けるアイテムの数や落札アイテムの販売期間等の調整によって避けることが可能である。しかし、競合する商品のアイテム画像が付された複数のアイテムが同時期に販売されていなかったとしても、購入された落札アイテムをプレイヤーが所有し続ければ、アイテムの一覧画面等において競合する商品のアイテム画像が並ぶことが起こり得る。そこで、落札アイテムについて、所定の利用可能期間を設定し、利用可能期間内に利用されなかった落札アイテムを消失させることによって、競合する商品のアイテム画像が並ぶ事象の発生も抑えることができる。
【0065】
落札額等に応じて、利用可能期間が初期条件から変更される場合には、利用可能期間が過度に長くならない範囲内、すなわち、競合する商品のアイテム画像の付された複数のアイテムがプレイヤーに同時に所有されることが生じないように設定された範囲内で、利用可能期間が変更される。
【0066】
なお、上述のように、ユーザ端末10でのアイテムの一覧画面に落札者が指定したアイテム画像及びアイテム名称を表示させること、及び、購入後の利用可能期間内に利用されなかったアイテムをユーザ端末10にて消失させることも、管理サーバ20とユーザ端末10との情報の授受を通じた管理サーバ20の指示により、ユーザ端末10にて実現される。
【0067】
また、利用条件として、アイテムを購入したプレイヤーから他のプレイヤーへの当該アイテムの譲渡が禁止されることにより、割引きされた課金額で落札アイテムを購入したプレイヤー、すなわち、広告表示の受け手となったプレイヤーが、広告表示のされたアイテムの恩恵を受けるように制御することができる。
【0068】
なお、落札者がアイテム画像やアイテム名称として指定可能な画像や名称は特に限定されず、少なくとも指定されたアイテム画像に、広告機能を有する要素が含まれていればよい。広告の対象は、例えば、落札者が生産や販売を行う商品やサービス、あるいは、落札者の活動や落札者自身等、落札者に関する対象であればよい。ただし、落札者がアイテム画像やアイテム名称として指定可能な画像や名称の条件が、アイテムの効果に応じて管理サーバ20によって設定されていてもよい。例えば、パラメータを回復させる効果を発揮するアイテムのアイテム画像として指定できる画像は、食品もしくは飲料の画像に限定されていてもよい。こうした構成によれば、アイテムの効果に合致した画像や名称がアイテム画像やアイテム名称として表示されるため、ゲームの世界観がより損なわれにくい。
【0069】
[収益の分配]
図6を参照して、第1実施形態の表示制御方法の利用により得られる収益の分配の一例について説明する。
図6が示すように、第1実施形態の表示制御方法を実施しつつユーザ端末10でゲームを動作させることによって得られる収益には、落札者が落札額に応じて支払う対価と、ユーザが課金額に応じて支払う対価とが含まれる。こうした収益は、例えば、アプリケーションの開発者と、管理サーバ20の管理者、すなわち、表示制御システムの運営者とに分配される。
【0070】
収益の分配の一例について説明する。落札アイテムのユーザ端末10での1回の購入ごとに、落札者には落札額の支払いが課せられ、ユーザには課金額の支払いが課せられる。落札者の支払額のうちの所定の割合の金額は、システム使用料として表示制御システムの運営者に分配され、残りの金額は、広告の表示料として、アプリケーションの開発者に分配される。また、ユーザの支払額は、アプリケーションの開発者に収められる。
【0071】
ここで、落札アイテムの課金額は、落札アイテムと同一の効果を有する通常アイテムの課金額よりも低くされているため、落札アイテムが購入された場合、通常アイテムが購入された場合よりも、ユーザから開発者に入る収益は少ない。しかし、落札アイテムの課金額は、落札額が最低入札額よりも大きいほど、課金予定額よりも小さく設定されるため、落札アイテムと通常アイテムとの課金額の差額は、落札額と最低入札額との差額によって補填される。落札額と課金額とのいずれも、アイテム1つあたりの額として設定されるため、こうした補填の計算に基づいて落札額に応じた割引率を設定することも容易である。すなわち、管理サーバ20の制御部22は、最低入札額以上である落札額を特定し、アイテムの課金予定額及び落札額に基づき、落札アイテムの課金額を算出すればよい。そして、開発者は、落札額の分配額のうち上記補填額を除く金額を、通常アイテムの販売では得られない収益として得ることができる。
このように、入札を利用してアイテム画像及びアイテム名称を表示させる仕組みにより、新たな収益を生み出すことができる。
【0072】
また、落札アイテムの課金額は、通常アイテムの課金額よりも低いため、通常アイテムのみが購入可能である場合と比較して、アイテムの購入の促進も可能であり、これによっても収益の拡大が可能である。
【0073】
なお、落札アイテムの購入に起因して生じる収益及びその分配の算出は、管理サーバ20の制御部22が行ってもよいし、管理サーバ20とは異なる装置が行ってもよい。管理サーバ20の制御部22が上記算出の処理を行う場合、制御部22は、落札アイテムが購入される度に、上記算出の処理を行ってもよいし、所定の期間が経過するごとに、その期間内に購入された落札アイテムの数を参照して、上記算出の処理を行ってもよい。
【0074】
第1実施形態においては、落札者から提供された画像及び名称をアイテム画像及びアイテム名称として用いることにより、アプリケーションの提供者が考案した画像や名称のみが用いられる場合と比較して、アイテムの多様な表示が可能である。そして、第1実施形態では、アイテムを広告表示に利用することで、広告表示の機会を増加させ、ひいては、収益の拡大を可能としている。
【0075】
以上説明したように、第1実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)管理サーバ20が、課金対象のアイテムについて、アイテム画像に対する広告表示の入札を入札端末30から受け付けて落札者を決定し、決定した落札者の指定するアイテム画像を当該アイテムのアイテム画像としてユーザ端末10にてアイテムの購入画面に表示させる。こうした構成によれば、アイテム画像に対して広告表示が行われるため、ゲームの世界観や利便性を損ねることを抑えつつ広告表示の機会を増加させることが可能であり、これによって、新たな収益を生み出すことができる。
【0076】
(2)管理サーバ20が、落札アイテムの課金予定額から、落札額に基づいて算出された金額を割り引いて、落札アイテムの課金額を決定する。こうした構成によれば、ユーザは、落札アイテムを割安の価格で購入することができる。また、落札アイテムの課金額が割り引かれることにより、落札アイテムの購入の促進が可能であり、これに基づき、収益の拡大が期待できる。
【0077】
(3)管理サーバ20は、落札者の指定する名称を落札アイテムの名称としてユーザ端末10にてアイテムの購入画面に表示させる。こうした構成によれば、アイテム画像に加えて、アイテム名称にも広告機能を有する要素を含めることが可能であるため、広告表示の機会のさらなる増加が可能であるとともに、画像と名称とが共に表示されることで、広告効果も高められる。
【0078】
(4)管理サーバ20が、落札額に応じて、落札アイテムの購入後に当該アイテムを利用可能な期間を変える構成であれば、落札者は、落札額によって、広告がユーザに見られる期間を調整することができる。したがって、広告表示の期間に落札者の意思を反映させることができる。
【0079】
(5)管理サーバ20が、ユーザ端末10におけるアイテムの購入画面に、落札アイテムとともに、落札アイテムと同一の効果を発揮するアイテムであって、かつ、広告表示の対象とされていないアイテム画像の付された通常アイテムを表示させる。そして、落札アイテムと通常アイテムとにおいて、課金額及びアイテムを利用可能な期間が異なっている。こうした構成によれば、ユーザは、所望の効果を発揮するアイテムを購入する際に、課金額及び利用期間の違いによって特徴づけられた落札アイテムと通常アイテムとから、購入するアイテムを選択することができる。特に、落札アイテムと通常アイテムとで課金額が異なるため、課金額が低い方、すなわち、課金額が割り引かれている落札アイテムへのユーザの関心を高め、落札アイテムの購入を促進することができる。これにより、広告効果が高められるとともに、収益の拡大も期待できる。
【0080】
(6)管理サーバ20が、落札額に応じて、購入画面での落札アイテムの販売期間を変える構成であれば、落札者は、落札額によって、広告がユーザに見られる期間を調整することができる。したがって、広告表示の期間に落札者の意思を反映させることができる。
【0081】
(7)アイテム画像及びアイテム名称に対する入札額は、購入画面を通じてアイテムが購入される度に落札者に支払いが課される金額である。こうした構成によれば、アイテム画像及びアイテム名称における広告表示がユーザに認知された回数に応じた金額の支払いが落札者に課されるため、広告料として適切な料金設定が可能である。また、落札額に応じた課金額の割引きの設定も容易である。
【0082】
(8)入札対象のアイテムは、ゲームにおいて消費されることにより、当該ゲームを有利に進行させる効果を発揮するアイテムである。こうしたアイテムは、ユーザによって頻繁に購入及び消費されるため、ユーザが注目する機会も多い。したがって、こうしたアイテムのアイテム画像及びアイテム名称に対して広告表示を行うことにより、広告効果が高められる。
【0083】
(9)落札アイテムのアイテム画像として、落札者の指定するアイテム画像がユーザ端末10にてアイテムの購入画面に表示されるため、アイテムの表示に、アプリケーションの提供者が考案した画像のみが用いられる場合と比較して、アイテムの多様な表示が可能である。
【0084】
(第2実施形態)
図7及び
図8を参照して、表示制御方法、表示制御プログラム、及び、表示制御システムの第2実施形態を説明する。以下では、第2実施形態と第1実施形態との相違点を中心に説明し、第1実施形態と同様の構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
【0085】
図7が示すように、第2実施形態においては、落札者は、落札したアイテムについて、アイテム画像及びアイテム名称を指定するとともに、動画を指定する。この動画は、例えば、指定されたアイテム画像及びアイテム名称に対応する商品を宣伝する動画であり、アイテム画像として指定される画像、及び、アイテム名称として指定される名称とともに、入札情報に含められて入札端末30から管理サーバ20に送信される。あるいは、上記動画は、入札の受け付けよりも前や落札者の決定後に、管理サーバ20に送信されてもよい。要は、上記動画は、表示データの生成に際して管理サーバ20が利用可能であればよい。
【0086】
管理サーバ20の表示管理部22cは、先の
図4に示したステップS15の表示データの生成の際に、落札者の指定する動画を再生可能に示す情報である動画情報をユーザ端末10に表示させるためのデータを、表示データに含めるデータとして生成する。
【0087】
動画情報は、例えば、当該動画の再生されるウェブサイトのページへのリンクであってもよいし、購入画面内で再生可能に埋め込まれた動画を再生アイコンとともに示す表示等であってもよい。なお、動画情報が動画へのリンクである場合、当該リンクは、アイテム画像及びアイテム名称に対応する商品の説明文として表示されてもよい。こうした説明文も、動画と共に落札者から管理サーバ20へ提供される。
【0088】
先の
図4に示したステップS16と同様、表示データが管理サーバ20からユーザ端末10に送信されることにより、ユーザ端末10における購入画面には、落札者の指定するアイテム画像及びアイテム名称に加えて、落札者の指定する動画に対応する動画情報が表示される。
【0089】
また、管理サーバ20のアイテム管理部22bは、落札アイテムについて、購入画面を通じて当該アイテムが購入されたことと、ユーザ端末10にて当該アイテムに対応する動画が再生されたことと、の2つの条件が成立したとき、当該アイテムの利用に関する特典を設定する。この特典には、例えば、アイテムが発揮する効果の増強、及び、アイテムの利用可能期間の拡大の少なくとも一方が含まれる。なお、上記条件の成立は、ユーザ端末10と管理サーバ20との情報の授受に基づき、アイテム管理部22bが判定する。
【0090】
図8は、ユーザ端末10に表示されるアイテムの購入画面の一例を示す。
図8に示す購入画面Dにおいて、落札アイテムであるアイテムIbは、HPを100回復させる効果を有するアイテムであり、チョコレート菓子のアイテム画像Mbと「ABCチョコ」というアイテム名称Nbとによって表されている。さらに、アイテムIbに対応する動画の動画情報として、アイテム画像Mbに対応するチョコレート菓子の宣伝動画へのリンクである動画情報Vbが表示されている。
【0091】
プレイヤーが、購入画面Dを通じて、アイテムIbの購入後に動画情報Vbに基づき動画を再生する、もしくは、動画情報Vbに基づき動画を再生した後にアイテムIbを購入すると、管理サーバ20では、アイテムIbの購入と動画情報Vbに対応する動画の再生との条件が成立したと判定される。
【0092】
これにより、例えば、プレイヤーが取得したアイテムIbについて、ゲーム内の効果が向上される。例えば、アイテムIbの効果が、HPを100回復させる効果からHPを200回復させる効果へと増強される。あるいは、アイテムIbの利用可能期間が、3日間から5日間へと拡大されてもよい。あるいは、アイテムの購入と動画の再生とにより、アイテムIbの効果の増強と利用可能期間の拡大との双方が実施されてもよい。なお、アイテムの購入と動画の再生とによって設定される特典は、アイテムの効果の増強や利用可能期間の拡大に限らず、アイテムの利用に関してプレイヤーを利する特典であればよい。
【0093】
第2実施形態によれば、落札者は、アイテム画像及びアイテム名称に加えて、動画を指定することにより、その動画の動画情報を、落札アイテムの購入画面に表示させることができる。したがって、動画による広告が可能であるため、広告表示の機会を増加させることが可能であり、また、広告の表現の自由度も高められる。
【0094】
さらに、動画の再生によってプレイヤーは購入したアイテムに関する特典を受けられるため、動画の再生、すなわち、プレイヤーによる動画の視聴が促進される。したがって、動画による広告効果が高められる。
【0095】
また、第2実施形態においては、先の
図7に示すように、例えば、ユーザ端末10での動画の1回の再生ごとに、落札者には所定の金額の支払いが課せられ、この金額は、広告の表示料として、アプリケーションの開発者に収められる。したがって、さらなる収益の拡大が可能であり、また、動画の再生が促進されることによって収益をより増大させることができる。
【0096】
以上説明したように、第2実施形態によれば、第1実施形態の(1)~(9)の効果に加えて、以下の効果が得られる。
(10)管理サーバ20は、落札者の指定する動画を再生可能に示す情報を、ユーザ端末10にてアイテムの購入画面に表示させる。こうした構成によれば、動画による広告が可能であるため、広告表示の機会を増加させることが可能であり、また、広告の表現の自由度も高められる。したがって、収益の増大も期待できる。
【0097】
(11)管理サーバ20は、購入画面を通じて落札アイテムが購入され、かつ、動画がユーザ端末10にて再生されたとき、落札アイテムの利用に関する特典を設定する。こうした構成によれば、ユーザは動画の視聴によって利益を得ることができる。そして、動画の再生が促進されるため、広告効果が高められるとともに、収益の増大も期待できる。
【0098】
(12)上記特典が、アイテムの効果の増強、及び、アイテムの購入後にアイテムを利用可能な期間の拡大の少なくとも一方を含む。こうした構成によれば、アイテムの利用に関する特典として、ユーザにとって有用性の高い特典が設定されるため、動画の再生がより促進される。
【0099】
(第3実施形態)
図9を参照して、表示制御方法、表示制御プログラム、及び、表示制御システムの第3実施形態を説明する。以下では、第3実施形態と第1実施形態との相違点を中心に説明し、第1実施形態と同様の構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
【0100】
従来から、ゲーム等のアプリケーションが構築する世界において利用されるキャラクターやアイテム等の媒体には、種々のデザインを有する画像オブジェクトが付されており、この画像オブジェクトが端末に表示されることで、ユーザは媒体を認識する。そして、通常、画像オブジェクトのデザインには、アプリケーションの提供者が作成した素材が用いられる。ここで、この画像オブジェクトのデザインに用いられる素材が多様化すれば、媒体の表現の自由度を高めることも可能となり、その表現の多様化が可能である。結果として、例えば、媒体を広告表示に利用することや、媒体をユーザの好みに沿った画像オブジェクトで表すことでユーザの興趣を高めることも可能となる。
【0101】
第1~第3実施形態は、媒体の表現の多様性を高めることを目的としており、そのなかでも、第1及び第2実施形態は、媒体を広告表示に利用している。一方、以下に説明する第3実施形態は、ユーザの興趣を高めることで、アイテムが取得される機会を多くすること、又はゲームへの参加ユーザあるいはゲームを継続するユーザを増加させることを目的としている。
【0102】
図9が示すように、第3実施形態では、ゲームのプレイヤーであるユーザが入札者であり、落札者となったユーザの指定するアイテム画像及びアイテム名称が、アイテムの購入画面に表示される。すなわち、ユーザ端末10は入札端末30を兼ねる。
ユーザがアイテム画像やアイテム名称として指定する画像や名称は、例えば、ユーザがデザインしたアイテムの画像やユーザが考案したアイテムの名称である。
【0103】
第3実施形態においては、先の
図4に示したステップS12において、管理サーバ20の入札管理部22aが落札者の決定のために用いる情報は、ゲーム内通貨もしくは実通貨で表される入札額に限られない。例えば、入札者のユーザに対応するプレイヤーによる敵の討伐数や、戦闘の勝利数や、アイテムの収集数等のように、ゲーム内にて収集可能な要素である収集対象の収集数が、落札者の決定に用いられてもよい。すなわち、所定の収集対象の収集数が最も多いことが、落札者の決定の条件とされてもよい。この場合、先の
図4に示したステップS11にて、管理サーバ20が取得する入札情報には、通貨で表される入札額に代えて、落札者の決定の条件に応じた収集対象の収集数が含まれる。なお、入札端末30であるユーザ端末10から管理サーバ20へは、少なくとも入札の申し込みを示す情報が送られればよく、収集対象の収集数は、管理サーバ20がプレイヤーデータ23cから取得してもよい。
【0104】
また、落札者が、通貨で表される入札額に基づき決定される場合、入札額は、落札アイテムが購入されるごとに支払うことが課される金額とされる必要はなく、例えば、所定の期間において指定したアイテム画像及びアイテム名称を表示させることの対価として設定される金額であればよい。
【0105】
なお、入札は、プレイヤー単位で行われてもよいし、ゲーム内でプレイヤーが結成するチーム単位で行われてもよい。落札者の指定するアイテム画像及びアイテム名称は、落札者であるユーザと落札者ではないユーザとを含めたすべてのユーザのユーザ端末10に表示される。
【0106】
第3実施形態によれば、ゲームのプレイヤーであるユーザの指定したアイテム画像及びアイテム名称が、落札アイテムを表す画像及び名称としてユーザ端末10の購入画面等に表示される。したがって、ユーザから提供された素材を用いてアイテム画像が構成され、ユーザの指定する名称がアイテム名称とされるため、アイテムの多様な表示が可能である。特に、素材及び名称の提供者がユーザであることから、アイテムがユーザの好みに沿った画像及び名称で表されるため、ユーザの興趣が高められる。また、入札によってアイテム画像及びアイテム名称を指定する権利が得られるため、こうした権利獲得の仕組みによっても、ユーザの興趣を高めることが可能である。その結果、アイテムが取得される機会を多くすることができる。さらに、ゲームへの参加ユーザあるいはゲームを継続するユーザを増加させることができる。
【0107】
第3実施形態においては、第1実施形態や第2実施形態と同様に、アイテム管理部22bによる課金額の割引きが行われてもよいし、課金額の割引きは行われなくてもよい。すなわち、購入画面に表示される落札アイテムと通常アイテムとの課金額は同一であってもよい。
【0108】
また、課金額の割引きに代えて、落札アイテムと通常アイテムとの効果を異ならせることで、落札アイテムと通常アイテムとの差を明確にしてもよい。すなわち、アイテム管理部22bは、落札アイテムについて、予め設定されている効果を増強した効果を、当該アイテムの効果として設定してもよい。
【0109】
第3実施形態においては、アプリケーションの開発者等は、入札が、ゲーム内通貨もしくは実通貨に基づき行われる場合には、ユーザに対する課金額として収益が得られる。また、入札が、所定の収集対象の収集数に基づき行われる場合には、プレイヤーによる収集対象の収集が促進されることを通じて、収益の増大が期待できる。
【0110】
なお、第3実施形態においても、第2実施形態と同様に、落札者の指定した動画を再生可能に示す動画情報が、落札者の指定したアイテム画像及びアイテム名称とともにユーザ端末10の購入画面に表示されてもよい。
【0111】
以上説明したように、第3実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(13)落札アイテムのアイテム画像として、落札者の指定するアイテム画像がユーザ端末10にてアイテムの購入画面に表示されるため、アイテムの表示に、アプリケーションの提供者が作成した画像のみが用いられる場合と比較して、アイテムの多様な表示が可能である。そして、落札者が、ゲームのプレイヤーであるユーザであることにより、アイテムがユーザの好みに沿った画像で表されるため、ユーザの興趣が高められる。
【0112】
(14)落札アイテムの名称として、落札者の指定する名称がユーザ端末10にてアイテムの購入画面に表示されるため、アイテムのより多様な表示が可能である。また、アイテムがユーザの好みに沿った名称で表されるため、ユーザの興趣がより高められる。
【0113】
(15)管理サーバ20が、落札額に応じて、落札アイテムの購入後に当該アイテムを利用可能な期間や販売期間を変える構成であれば、落札者は、落札額によって、指定した画像及び名称が各ユーザのユーザ端末10に表示される期間を調整することができる。したがって、落札者の指定したアイテム画像及びアイテム名称の表示の期間に落札者の意思を反映させることができる。
【0114】
(16)落札者の指定する動画を再生可能に示す情報が、ユーザ端末10にてアイテムの購入画面に表示される構成であれば、アイテムに関連した表示の多様性がさらに高められる。
【0115】
(17)入札対象のアイテムは、ゲームにおいて消費されることにより、当該ゲームを有利に進行させる効果を発揮するアイテムである。こうしたアイテムは、ユーザによって頻繁に購入及び消費されるため、ユーザが注目する機会も多い。したがって、こうしたアイテムのアイテム画像及びアイテム名称が入札により指定可能とされることで、ユーザの興趣が高められる。
【0116】
第3実施形態の表示制御方法の課題を解決する手段には、第3実施形態から導き出される技術的思想として以下の付記が含まれる。
[付記]
アプリケーションを備えた複数の表示端末にネットワークを介して接続されたコンピュータが、前記表示端末の表示を制御する方法であって、前記コンピュータが、前記アプリケーションによって前記表示端末に表示される画像オブジェクトであって、かつ、前記アプリケーションの動作中の利用により効果を発揮する課金対象の媒体に付される前記画像オブジェクトを対象として、前記画像オブジェクトに対する入札を各表示端末から受け付けて落札者を決定し、決定した落札者の指定する画像オブジェクトを前記媒体の画像オブジェクトとして前記表示端末にて前記媒体の購入画面に表示させる表示制御方法。
【0117】
上記方法によれば、課金対象の媒体に付される画像オブジェクトとして、落札者の指定する画像オブジェクトが表示端末における媒体の購入画面に表示されるため、アプリケーションの提供者が作成した画像のみが媒体の表示に用いられる場合と比較して、媒体の多様な表示が可能である。そして、落札者が、アプリケーションを利用するユーザであることにより、媒体がユーザの好みに沿った画像で表されるため、ユーザの興趣が高められる。
【0118】
(変形例)
上記各実施形態は、以下のように変更して実施することが可能である。
・管理サーバ20の表示管理部22cは、落札者から提供された画像、すなわち、入札端末30から受信した画像を加工して、アイテム画像を生成してもよい。例えば、通常アイテムのアイテム画像がボトルの画像であるとき、落札アイテムのアイテム画像を、上記ボトルのラベル部分に落札者から提供された画像を組み込んだ画像としてもよい。この場合、落札アイテムと通常アイテムとで、アイテム画像の一部が異なり、この一部に、落札アイテムでは、落札者から提供された画像が組み込まれている。
【0119】
すなわち、落札アイテムのアイテム画像は、落札者から提供された画像を用いた画像であればよく、落札者は、画像の提供を通じて、最終的なアイテム画像の指定を行う。さらには、落札アイテムのアイテム画像は、落札者が指定したアイテム画像であればよく、アイテム画像の指定には、落札者による画像の提供が伴われなくてもよい。
【0120】
・購入画面に表示される落札アイテムと通常アイテムとは、課金額のみが異なっていてもよいし、アイテムを利用可能な期間のみが異なっていてもよい。例えば、落札アイテムに対して課金額の割引きが行われなくてもよいし、落札アイテムは無期限に利用可能とされてもよい。また、落札アイテムと通常アイテムとにおいて、課金額及びアイテムを利用可能な期間のいずれもが一致していてもよい。また、購入画面には、落札アイテムと同一の効果を有する他のアイテムは表示されなくてもよい。
【0121】
・入札及び落札の形態は、任意の形態が採用可能である。例えば、所定の販売期間に落札アイテムのアイテム画像及びアイテム名称を所望の画像及び名称とすることに代えて、落札アイテムが所定の個数だけ売れるまでの間、落札アイテムのアイテム画像及びアイテム名称を所望の画像及び名称とすることが入札の対象とされてもよい。また、管理サーバ20は、所定の金額以上の入札額の入札を受け付けた場合に、入札可能期間の経過を待たずに、この入札の入札者を落札者に決定してもよい。
【0122】
・第1及び第2実施形態において、入札額及び落札額は、アイテムが購入される度に落札者に支払いが課される金額とは異なる金額、例えば、所定の期間において指定したアイテム画像及びアイテム名称を表示させることの対価として設定される金額であってもよい。
【0123】
・落札アイテムに対し、販売数又は総販売額の制限が設けられてもよい。販売数が制限されている場合、落札アイテムは、総販売数すなわち総購入数が上限に達するまで購入画面にて販売される。また、総販売額が制限されている場合、落札アイテムは、総販売額、すなわち、落札アイテムの課金額に総販売数が乗算された額が上限に達するまで購入画面にて販売される。こうした構成によれば、落札額が、アイテムが購入される度に落札者に支払いが課される金額として設定されている場合に、落札者が最終的に支払う金額を予め制御することができる。
【0124】
・落札アイテムに対し、ユーザ1人あたりの購入数の制限が設定されてもよい。こうした構成によれば、より多くのユーザが落札アイテムを購入できるため、より多くのユーザに落札アイテムのアイテム画像及びアイテム名称が認知される。したがって、広告効果が高められる。
【0125】
・落札者が指定可能な対象は、アイテム画像、アイテム名称、及び、動画に限られない。落札者は、例えば、音楽を指定し、指定された音楽が再生可能に購入画面に組み込まれてもよい。あるいは、落札アイテムの利用可能期間、販売期間、販売数、販売額である課金額等が、落札者によって指定可能とされてもよい。また、こうした対象が指定可能であるか否かが、落札額に応じて変更されてもよい。
【0126】
・上記各実施形態では、アイテム画像とアイテム名称との双方が落札者に指定される形態を例示したが、少なくともアイテム画像について、落札者の指定したアイテム画像が落札アイテムのアイテム画像としてユーザ端末10に表示されればよい。
【0127】
・上記各実施形態においては、入札対象とされる課金対象の媒体が、1回の利用によって1つが消費され、ゲームにおいて消費されることによりゲームを有利に進行させる効果を発揮するアイテムである形態を例示した。これに限らず、アプリケーションがゲームアプリケーションである場合、入札対象とされる課金対象の媒体は、画像オブジェクトの付されるゲーム媒体であればよい。ゲーム媒体は、電子データから構成されてゲームでの利用により効果を発揮する媒体であり、ユーザによってゲーム内で取得、所有、使用、管理、交換、合成、強化、売却、廃棄、又は贈与等され得る。ゲーム媒体は、例えば、カード、アイテム、仮想通貨、チケット、キャラクター、アバター、レベル情報、ステータス情報、パラメータ情報(体力値や攻撃力等)、能力情報(スキル、アビリティ、呪文、ジョブ等)を含む。ゲーム媒体が数値からなる情報であるとき、ゲーム媒体に付される画像オブジェクトは、その数値とともに表示されてその数値の示す意味を概念的に表す。入札対象とされるゲーム媒体は、課金に基づく購入により、ゲーム媒体に付随する数値が高められるか、もしくは、ゲーム媒体自体の数値が高められる。
【0128】
・ユーザ端末10が備えるアプリケーションは、ゲームアプリケーションに限られない。アプリケーションがユーザ端末10にて実現する機能は任意である。入札対象は、アプリケーションの動作中、換言すれば、アプリケーションが構築する環境において利用されることにより所定の効果を発揮する課金対象の媒体に付される画像オブジェクトであればよい。
【0129】
次に、上記実施形態及び変形例から把握できる技術的思想について、以下に追記する。
[1]
アプリケーションを備えた表示端末にネットワークを介して接続されたコンピュータが、前記表示端末の表示を制御する方法であって、
前記コンピュータが、
対価を必要とするアイテムにユーザが指定した画像オブジェクトを付す権利の入札を前記表示端末から受け付ける受付ステップと、
前記入札を行ったユーザの中から落札者を決定する第1決定ステップと、
決定した落札者の指定する画像オブジェクトを前記アイテムの画像オブジェクトとし、前記表示端末にて前記アイテムの購入画面に表示させる表示制御ステップと、
前記購入画面で選択された前記アイテムを、当該アイテムを選択したユーザの前記表示端末の前記アプリケーション内で表示させるアイテム表示ステップと、
前記画像オブジェクトの落札額に応じて前記アイテムの利用可能期間を決定する第3決定ステップと、を実行する、表示制御方法。
[2]
前記第3決定ステップは、前記落札額が大きいほど、前記アイテムの前記利用可能期間を長く設定する、[1]に記載の表示制御方法。
[3]
アプリケーションを備えた表示端末にネットワークを介して接続されたコンピュータが、前記表示端末の表示を制御する方法であって、
前記コンピュータが、
対価を必要とするアイテムにユーザが指定した画像オブジェクトを付す権利の入札を前記表示端末から受け付ける受付ステップと、
前記入札を行ったユーザの中から落札者を決定する第1決定ステップと、
決定した落札者の指定する画像オブジェクトを前記アイテムの画像オブジェクトとし、前記表示端末にて前記アイテムの購入画面に表示させる表示制御ステップと、
前記購入画面で選択された前記アイテムを、当該アイテムを選択したユーザの前記表示端末の前記アプリケーション内で表示させるアイテム表示ステップと、を実行するとともに、
前記表示制御ステップでは、前記落札者の指定する動画を再生可能に示す情報を、前記表示端末にて前記購入画面に表示させる、表示制御方法。
[4]
前記コンピュータは、
前記購入画面を通じて前記アイテムが購入され、かつ、前記動画が前記表示端末にて再生されたとき、当該アイテムの利用に関する特典を設定する、[3]に記載の表示制御方法。
[5]
アプリケーションを備えた表示端末にネットワークを介して接続されたコンピュータが、前記表示端末の表示を制御する方法であって、
前記コンピュータが、
対価を必要とするアイテムにユーザが指定した画像オブジェクトを付す権利の入札を前記表示端末から受け付ける受付ステップと、
前記入札を行ったユーザの中から落札者を決定する第1決定ステップと、
決定した落札者の指定する画像オブジェクトを前記アイテムの画像オブジェクトとし、前記表示端末にて前記アイテムの購入画面に表示させる表示制御ステップと、
前記購入画面で選択された前記アイテムを、当該アイテムを選択したユーザの前記表示端末の前記アプリケーション内で表示させるアイテム表示ステップと、
前記落札者による前記画像オブジェクトの落札額に応じて、前記購入画面での当該画像オブジェクトに対応する前記アイテムの販売期間を変えるステップと、を実行する、表示制御方法。
[6]
前記コンピュータが、
前記画像オブジェクトの落札額に応じて前記アイテムの課金額を決定する第2決定ステップを実行する、[1]~[5]のいずれか1項に記載の表示制御方法。
[7]
前記第2決定ステップでは、前記落札額が大きいほど、前記アイテムの前記課金額を低く設定する、[6]に記載の表示制御方法。
[8]
前記コンピュータは、
前記落札者の指定する画像オブジェクトを前記アイテムの画像オブジェクトとして前記表示端末にて前記購入画面に表示させるとともに、前記落札者の指定する名称を前記アイテムの名称として前記表示端末にて前記購入画面に表示させる、[1]~[7]のいずれか1項に記載の表示制御方法。
[9]
入札対象の前記アイテムは、1回の利用によって1つが消費されるアイテムである、[1]~[8]のいずれか一項に記載の表示制御方法。
[10]
アプリケーションを備えた表示端末にネットワークを介して接続されたコンピュータが有する制御部に、
対価を必要とするアイテムにユーザが指定した画像オブジェクトを付す権利の入札を前記表示端末から受け付ける受付ステップと、
前記入札を行ったユーザの中から落札者を決定する第1決定ステップと、
決定した落札者の指定する画像オブジェクトを前記アイテムの画像オブジェクトとし、前記表示端末にて前記アイテムの購入画面に表示させる表示制御ステップと、
前記購入画面で選択された前記アイテムを、当該アイテムを選択したユーザの前記表示端末の前記アプリケーション内で表示させるアイテム表示ステップと、
前記画像オブジェクトの落札額に応じて前記アイテムの利用可能期間を決定する第3決定ステップと、を実行させる、表示制御プログラム。
[11]
アプリケーションを備えた表示端末にネットワークを介して接続されたコンピュータが有する制御部に、
対価を必要とするアイテムにユーザが指定した画像オブジェクトを付す権利の入札を前記表示端末から受け付ける受付ステップと、
前記入札を行ったユーザの中から落札者を決定する第1決定ステップと、
決定した落札者の指定する画像オブジェクトを前記アイテムの画像オブジェクトとし、前記表示端末にて前記アイテムの購入画面に表示させる表示制御ステップと、
前記購入画面で選択された前記アイテムを、当該アイテムを選択したユーザの前記表示端末の前記アプリケーション内で表示させるアイテム表示ステップと、を実行させるとともに、
前記表示制御ステップでは、前記落札者の指定する動画を再生可能に示す情報を、前記表示端末にて前記購入画面に表示させる、表示制御プログラム。
[12]
アプリケーションを備えた表示端末にネットワークを介して接続されたコンピュータが有する制御部に、
対価を必要とするアイテムにユーザが指定した画像オブジェクトを付す権利の入札を前記表示端末から受け付ける受付ステップと、
前記入札を行ったユーザの中から落札者を決定する第1決定ステップと、
決定した落札者の指定する画像オブジェクトを前記アイテムの画像オブジェクトとし、前記表示端末にて前記アイテムの購入画面に表示させる表示制御ステップと、
前記購入画面で選択された前記アイテムを、当該アイテムを選択したユーザの前記表示端末の前記アプリケーション内で表示させるアイテム表示ステップと、
前記落札者による前記画像オブジェクトの落札額に応じて、前記購入画面での当該画像オブジェクトに対応する前記アイテムの販売期間を変えるステップと、を実行させる、表示制御プログラム。
[13]
アプリケーションを備えた表示端末にネットワークを介して接続されたシステムであって、
前記システムは制御部を備え、
前記制御部は、
対価を必要とするアイテムにユーザが指定した画像オブジェクトを付す権利の入札を前記表示端末から受け付け、
前記入札を行ったユーザの中から落札者を決定し、
決定した落札者の指定する画像オブジェクトを前記アイテムの画像オブジェクトとし、当該画像オブジェクトの情報を前記表示端末に送信し、
前記表示端末は、
前記制御部から受信した前記情報に基づき前記画像オブジェクトを前記アイテムの購入画面に表示し、
前記購入画面で選択された前記アイテムを、前記アプリケーション内で表示するとともに、
前記制御部は、前記画像オブジェクトの落札額に応じて前記アイテムの利用可能期間を決定する、表示制御システム。
[14]
アプリケーションを備えた表示端末にネットワークを介して接続されたシステムであって、
前記システムは制御部を備え、
前記制御部は、
対価を必要とするアイテムにユーザが指定した画像オブジェクトを付す権利の入札を前記表示端末から受け付け、
前記入札を行ったユーザの中から落札者を決定し、
決定した落札者の指定する画像オブジェクトを前記アイテムの画像オブジェクトとし、当該画像オブジェクトの情報を前記表示端末に送信し、
前記表示端末は、
前記制御部から受信した前記情報に基づき前記画像オブジェクトを前記アイテムの購入画面に表示し、
前記購入画面で選択された前記アイテムを、前記アプリケーション内で表示し、
前記購入画面に、前記落札者の指定する動画を再生可能に示す情報を表示する、表示制御システム。
[15]
アプリケーションを備えた表示端末にネットワークを介して接続されたシステムであって、
前記システムは制御部を備え、
前記制御部は、
対価を必要とするアイテムにユーザが指定した画像オブジェクトを付す権利の入札を前記表示端末から受け付け、
前記入札を行ったユーザの中から落札者を決定し、
決定した落札者の指定する画像オブジェクトを前記アイテムの画像オブジェクトとし、当該画像オブジェクトの情報を前記表示端末に送信し、
前記表示端末は、
前記制御部から受信した前記情報に基づき前記画像オブジェクトを前記アイテムの購入画面に表示し、
前記購入画面で選択された前記アイテムを、前記アプリケーション内で表示するとともに、
前記制御部は、前記落札者による前記画像オブジェクトの落札額に応じて、前記購入画面での当該画像オブジェクトに対応する前記アイテムの販売期間を変える、表示制御システム。
【符号の説明】
【0130】
D…購入画面、Ia,Ib…アイテム、Ma,Mb…アイテム画像、Na,Nb…アイテム名称、Vb…動画情報、10…ユーザ端末、20…管理サーバ、21…通信部、22…制御部、22a…入札管理部、22b…アイテム管理部、22c…表示管理部、23…記憶部、23a…入札管理データ、23b…アイテムデータ、23c…プレイヤーデータ、30…入札端末。