(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023021479
(43)【公開日】2023-02-14
(54)【発明の名称】膵癌診断システム
(51)【国際特許分類】
G16H 10/00 20180101AFI20230207BHJP
【FI】
G16H10/00
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021126357
(22)【出願日】2021-08-02
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ウェブサイトの掲載日 令和2年8月3日 ウェブサイトのアドレス https://doctor-health.net/ 開催日 令和2年12月16日 集会名 浅口医師会オンライン学術講演会 発行日 令和3年2月5日 刊行物 山陽新聞 デジタル版 https://www.sanyonews.jp/article/1097517 発行日 令和3年2月6日 刊行物 山陽新聞 朝刊 26ページ 全県面 ウェブサイトの掲載日 令和3年2月6日 ウェブサイトのアドレス https://www.facebook.com/pancanjapan
(71)【出願人】
【識別番号】521340872
【氏名又は名称】吉田 浩司
(74)【代理人】
【識別番号】100180079
【弁理士】
【氏名又は名称】亀卦川 巧
(74)【代理人】
【識別番号】230101177
【弁護士】
【氏名又は名称】木下 洋平
(72)【発明者】
【氏名】吉田 浩司
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA03
5L099AA22
(57)【要約】
【課題】利用者が膵癌を罹患している可能性やこれから罹患しうる可能性を簡単に把握することができるシステムを提供すること。
【解決手段】膵癌診断システム100は、膵癌発症と関連性のある選択回答式の関連質問と、膵癌発症と高い関連性のある選択回答式の高関連質問と、年齢と性別に応じたリスク倍率が記録された年代別リスクパーセンテージテーブルと、BMIの値、血液型、及び前記関連質問の回答のそれぞれに応じたリスク倍率が記録された関連質問パーセンテージテーブルと、年代別リスクパーセンテージテーブルのリスク倍率と相関関係を有する高関連質問の回答に応じたリスク倍率が記録された高関連質問パーセンテージテーブを基に、膵癌発症リスクを算出するので、利用者は、年齢、性別、身長及び体重又はBMIの値、血液型、選択回答式の関連質問と高関連質問に回答するだけで、膵癌を罹患している可能性やこれから罹患しうる可能性を簡単に把握することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶手段、回答受付手段、及び演算手段を有するサーバ装置を具え、
前記記憶手段は、
膵癌発症と関連性のある選択回答式の関連質問と、
膵癌発症と高い関連性のある選択回答式の高関連質問と、
年齢と性別に応じたリスク倍率が記録された年代別リスクパーセンテージテーブルと、
BMIの値、血液型、及び前記関連質問の回答のそれぞれに応じたリスク倍率が記録された関連質問パーセンテージテーブルと、
前記高関連質問の回答に応じたリスク倍率が記録された高関連質問パーセンテージテーブルが記録され、
前記高関連質問パーセンテージテーブルのリスク倍率は、前記年代別リスクパーセンテージテーブルのリスク倍率と相関関係を有するように構成され、
前記回答受付手段は、年齢、性別、身長及び体重又はBMIの値、血液型、関連質問、並びに、高関連質問の各回答を受け付けるように構成され、
前記演算手段は、前記各回答を基に前記年代別リスクパーセンテージテーブル、関連質問パーセンテージテーブル、及び高関連質問パーセンテージテーブルから前記リスク倍率をそれぞれ取得し、取得した該リスク倍率から膵癌発症リスクを算出することを特徴とする、
膵癌診断システム。
【請求項2】
前記関連質問が、
a 家族・親戚に膵癌を罹患した人がいるか
b 両親、子供、兄弟に2人以上膵癌を罹患した人がいるか
c 糖尿病を罹患したことがあるか
d 2年以内に糖尿病を罹患したか
e HbA1Cが1%以上悪化しているか
f 喫煙しているか
g 1日ビール700ml、日本酒1.5合相当以上のアルコールを摂取するか
h ピロリ菌が陽性となったことがあるか
i B型肝炎ウイルスが陽性となったことがあるか
j 胆石症を発症したことがあるか
k 慢性膵炎を罹患したことがあるか
l 膵臓の腫大、萎縮、又は脂肪変性と診断されたことがあるか
m 血液検査でCA19-9の値が高いと診断されたことがあるか
n 腹部超音波検査で膵臓に異常があると診断されたことがあるか
o 急性膵炎を罹患したことがあるか
p 前立腺癌を罹患したことがあるか
q 乳癌又は卵巣癌を罹患したことがあるか
r 家族・親戚に乳癌、卵巣癌、又は前立腺癌を罹患した人がいるか
s 歯磨きのときに歯茎から出血するか
t 歯周病と診断されたことがあるか
u 胃の調子が悪いか
v 背中が痛むか
の少なくとも1つを肯定、否定、又は不明の選択回答式で回答可能に構成されている、請求項1の膵癌診断システム。
【請求項3】
前記高関連質問が、
A 膵嚢胞があると診断されたことがあるか
B 膵管拡張があると診断されたことがあるか
C 膵管内乳頭粘液性腫瘍があると診断されたことがあるか
の少なくとも1つを肯定、否定、又は不明の選択回答式で回答可能に構成されている、請求項1又は2の膵癌診断システム。
【請求項4】
前記サーバ装置がコメント出力手段をさらに具え、
前記コメント出力手段が前記年齢、身長及び体重又はBMIの値、血液型、関連質問、及び/又は高関連質問の回答に応じたコメントを出力するように構成されている、請求項1から3のいずれかの膵癌診断システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者が膵臓癌(以下、単に、「膵癌」という。)を罹患している可能性や罹患しうる可能性を診断し、医師と通信することが出来るシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
日常生活では、持病や体調が優れない場合等の理由で、医師による診察を受けることが通常であるが、病気の予防や早期発見の観点から、自身の健康状態を定期的に確認することは重要である。そこで、手軽に健康診断が受けられるシステムとして以下のようなものが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、個人の遺伝情報、身体情報、環境情報からなる個人情報を有する端末と、個人情報と健康状態との相関関係を表わす相関情報を有するサーバが、通信ネットワークを介して互いに通信可能に構成され、端末が有する個人情報と、サーバが有する相関情報とを用いて、個人の健康状態を診断し、その診断結果を端末を通じて通知するシステムが開示されている。
【0005】
ところで、近年、膵癌の罹患者人数と死亡者人数は男女ともに増加傾向にある。膵癌は、発症初期段階では自覚症状が殆どないことに加え、腫瘍の発見が難しく、比較的早い段階から腫瘍が転移、浸潤し易いので、高確率での再発や手術後の生存率が低いという問題がある。そのため、膵癌を罹患している可能性や罹患しうる可能性を診断し、膵癌の予防や早期発見をすることが求められるが、特許文献1のシステムでは、これに対応することはできない。
【0006】
そこで、利用者が膵癌を罹患している可能性やこれから罹患しうる可能性を簡単に把握することができるシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、記憶手段、回答受付手段、及び演算手段を有するサーバ装置を具え、
前記記憶手段は、
膵癌発症と関連性のある選択回答式の関連質問と、
膵癌発症と高い関連性のある選択回答式の高関連質問と、
年齢と性別に応じたリスク倍率が記録された年代別リスクパーセンテージテーブルと、
BMIの値、血液型、及び前記関連質問の回答のそれぞれに応じたリスク倍率が記録された関連質問パーセンテージテーブルと、
前記高関連質問の回答に応じたリスク倍率が記録された高関連質問パーセンテージテーブルが記録され、
前記高関連質問パーセンテージテーブルのリスク倍率は、前記年代別リスクパーセンテージテーブルのリスク倍率と相関関係を有するように構成され、
前記回答受付手段は、年齢、性別、身長及び体重又はBMIの値、血液型、関連質問、並びに、高関連質問の各回答を受け付けるように構成され、
前記演算手段は、前記各回答を基に前記年代別リスクパーセンテージテーブル、関連質問パーセンテージテーブル、及び高関連質問パーセンテージテーブルから前記リスク倍率をそれぞれ取得し、取得した該リスク倍率から膵癌発症リスクを算出することを特徴とする膵癌診断システムにより前記課題を解決した。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、利用者は、年齢、性別、身長及び体重又はBMIの値、血液型、選択回答式の関連質問と高関連質問に回答するだけで、膵癌発症リスクが算出されるので、膵癌を罹患している可能性やこれから罹患しうる可能性を簡単に把握することができる。この結果により、利用者に対し、医療機関での受診を促すことができ、膵癌の予防や早期発見に繋げることができる。
【0009】
また、関連質問を以下のa乃至vの少なくとも1つを肯定、否定、又は不明の選択回答式で回答可能に構成すれば、算出される膵癌発症リスクの精度を高めることができる。
a 家族・親戚に膵癌を罹患した人がいるか
b 両親、子供、兄弟に2人以上膵癌を罹患した人がいるか
c 糖尿病を罹患したことがあるか
d 2年以内に糖尿病を罹患したか
e HbA1Cが1%以上悪化しているか
f 喫煙しているか
g 1日ビール700ml、日本酒1.5合相当以上のアルコールを摂取するか
h ピロリ菌が陽性となったことがあるか
i B型肝炎ウイルスが陽性となったことがあるか
j 胆石症を発症したことがあるか
k 慢性膵炎を罹患したことがあるか
l 膵臓の腫大、萎縮、又は脂肪変性と診断されたことがあるか
m 血液検査でCA19-9の値が高いと診断されたことがあるか
n 腹部超音波検査で膵臓に異常があると診断されたことがあるか
o 急性膵炎を罹患したことがあるか
p 前立腺癌を罹患したことがあるか
q 乳癌又は卵巣癌を罹患したことがあるか
r 家族・親戚に乳癌、卵巣癌、又は前立腺癌を罹患した人がいるか
s 歯磨きのときに歯茎から出血するか
t 歯周病と診断されたことがあるか
u 胃の調子が悪いか
v 背中が痛むか
【0010】
また、高関連質問を以下のA乃至Cの少なくとも1つを肯定、否定、又は不明の選択回答式で回答可能に構成すれば、算出される膵癌発症リスクの精度をさらに高めることができる。
A 膵嚢胞があると診断されたことがあるか
B 膵管拡張があると診断されたことがあるか
C 膵管内乳頭粘液性腫瘍があると診断されたことがあるか
【0011】
また、サーバ装置がコメント出力手段をさらに具え、コメント出力手段が関連質問及び/又は高関連質問の回答に応じたコメントを出力するように構成されていれば、利用者に対し、医療機関での受診を一層促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図2】
図1のシステムにより表示される画像の第一例。
【
図3】
図1のシステムにより表示される画像の第二例。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を
図1~3を参照して説明する。但し、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。
【0014】
本発明の一実施形態である膵臓がん診断システム100は、
図1に示されるように、サーバ装置10で構成されている。サーバ装置10は、ユーザ端末20とインターネットや専用回線等の通信回線Nを介して相互に通信可能である。
【0015】
サーバ装置10は、公知のサーバ装置とすることができる。サーバ装置10は、記憶手段12、回答受付手段14,演算手段16を具える。記憶手段12は、ハードディスクやソリッドステートドライブ(SSD)などの記録媒体である。サーバ装置10は、その他、メモリや通信手段など、通常具える機能を有し、プログラムによって以下に説明する処理を実行する。
【0016】
ユーザ端末20は、スマートフォン端末、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等公知なものとすることができる。ユーザ端末20は、少なくとも、表示手段22と入力手段24を具える。表示手段22は、ディスプレイ装置であり、ユーザ端末20と一体又は別体のものとすることができる。入力手段24は、キーボードやタッチ型ディスプレイとすることができる。ユーザ端末20は、その他、メモリや通信手段など、通常具える機能を有しているものとする。
【0017】
サーバ装置10の記憶手段12には、後述するa乃至vのような膵癌発症と関連性のある選択回答式の関連質問、後述するA乃至Cのような膵癌発症と高い関連性のある選択回答式の高関連質問、年齢と性別に応じたリスク倍率が記録された年代別リスクパーセンテージテーブルと、BMI(Body Mass Index)の値、血液型、及び関連質問の回答に応じたリスク倍率が記録された関連質問パーセンテージテーブルと、高関連質問の回答に応じたリスク倍率が記録された高関連質問パーセンテージテーブルが記録されている。
【0018】
年代別リスクパーセンテージテーブルでは、年齢が高い程、リスク倍率を高く設定することができる。年代(20代、30代等)でリスク倍率を設定してもよい。性別による膵癌発症リスクの関連性が明らかになれば、性別によってリスク倍率を連動させてもよい。
【0019】
関連質問パーセンテージテーブルでは、BMIの値が高い程、リスク倍率を高く設定することができる。また、所定の値を超えるか否かでリスク倍率を設定してもよい。例えば、男性の場合、BMIの値が30以上、女性の場合、BMIの値が27.5以上でリスク倍率を高く設定することができる。
【0020】
また、関連質問パーセンテージテーブルでは、血液型に応じて、リスク倍率を変動させることができる。血液型がO型の場合、膵癌リスクが少し低いことが分かっている現状においては、O型のリスク倍率を低く設定することができる。
【0021】
また、関連質問パーセンテージテーブルでは、関連質問の回答に応じてリスク倍率を変動させることができる。関連質問は、選択回答式であるため、例えば、肯定、否定、又は不明という選択形式とした場合、これらの回答に応じたリスク倍率を設定することができる。
【0022】
また、高関連質問パーセンテージテーブルでは、高関連質問の回答に応じてリスク倍率を変動させ、且つ、年代別リスクパーセンテージテーブルのリスク倍率と相関関係を有するようにリスク倍率を設定する。高関連質問も選択回答式であるため、例えば、肯定、否定、又は不明という選択形式とした場合、これらの回答に応じたリスク倍率を設定することができる。
【0023】
回答受付手段14は、年齢、性別、身長及び体重又はBMIの値、血液型、関連質問、並びに、高関連質問の各回答を受け付けるように構成されている。詳しくは後述するが、これらの各回答は、サーバ装置10にアクセスしたユーザ端末20から送信される。
【0024】
回答受付手段14では、膵癌発症と関連性のある関連質問として、例えば、以下のa乃至vの質問の回答を1つ以上受け付けることができる。回答は、肯定又は否定の選択形式か、肯定、否定、又は不明という選択形式で受け付ければよい。これらの回答を受け付けることで、算出される膵癌発症リスクの精度を高めることができる。なお、他の関連質問を追加してもよく、関連質問の内容は、日本膵臓学会の膵癌診療ガイドラインの内容を参考にすることができる。
【0025】
a 家族・親戚に膵癌を罹患した人がいるか
b 両親、子供、兄弟に2人以上膵癌を罹患した人がいるか
c 糖尿病を罹患したことがあるか
d 2年以内に糖尿病を罹患したか
e HbA1Cが1%以上悪化しているか
f 喫煙しているか
g 1日ビール700ml、日本酒1.5合相当以上のアルコールを摂取するか
h ピロリ菌が陽性となったことがあるか
i B型肝炎ウイルスが陽性となったことがあるか
j 胆石症を発症したことがあるか
k 慢性膵炎を罹患したことがあるか
l 膵臓の腫大、萎縮、又は脂肪変性と診断されたことがあるか
m 血液検査でCA19-9の値が高いと診断されたことがあるか
n 腹部超音波検査で膵臓に異常があると診断されたことがあるか
o 急性膵炎を罹患したことがあるか
p 前立腺癌を罹患したことがあるか
q 乳癌又は卵巣癌を罹患したことがあるか
r 家族・親戚に乳癌、卵巣癌、又は前立腺癌を罹患した人がいるか
s 歯磨きのときに歯茎から出血するか
t 歯周病と診断されたことがあるか
u 胃の調子が悪いか
v 背中が痛むか
【0026】
bの回答は、aの回答に代えて、或いは、aの回答が否定や不明のときに受け付けるように構成してもよい。dの回答は、cの回答に代えて、或いは、cの回答が否定や不明のときに受け付けるように構成してもよい。eの回答は、dの回答に代えて、或いは、dの回答が否定や不明のときに受け付けるように構成してもよい。pの回答は、性別の回答が男性の場合のみ受け付けるようにし、qの回答は、性別の回答が女性の場合のみ受け付けるように構成することができる。
【0027】
回答受付手段14では、膵癌発症と高い関連性のある高関連質問として、例えば、以下のA乃至Cの質問の回答を1つ以上受け付けることができる。回答は、肯定又は否定の選択形式か、肯定、否定、又は不明という選択形式で受け付ければよい。これらの回答を受け付けることで、算出される膵癌発症リスクの精度をさらに高めることができる。なお、他の高関連質問を追加してもよく、高関連質問の内容は、日本膵臓学会の膵癌診療ガイドラインの内容を参考にすることができる。
【0028】
A 膵嚢胞があると診断されたことがあるか
B 膵管拡張があると診断されたことがあるか
C 膵管内乳頭粘液性腫瘍があると診断されたことがあるか
【0029】
演算手段16は、回答受付手段14が受け付けた、年齢、性別、身長及び体重又はBMIの値、血液型、関連質問、並びに、高関連質問の各回答を基に年代別リスクパーセンテージテーブル、関連質問パーセンテージテーブル、及び高関連質問パーセンテージテーブルからリスク倍率をそれぞれ取得し、取得したリスク倍率から膵癌発症リスクを算出する。膵癌発症リスクは、年代別リスクパーセンテージテーブル、関連質問パーセンテージテーブル、及び高関連質問パーセンテージテーブルから取得したリスク倍率を乗算又は加算する等して算出することができ、この計算結果が所定の範囲内にあるときに、膵癌発症リスクが高い、やや高い、又は低い、のように算出することができる。なお、BMIの値は、演算手段16が身長及び体重から算出するように構成してもよい。
【0030】
また、サーバ装置10は、コメント出力手段18を具えることができる。コメント出力手段18は、年齢、身長及び体重又はBMIの値、血液型、関連質問及び/又は高関連質問の回答に応じたコメントを出力するように構成されている。これらの対応関係は、例えば、以下の表1のようにすることができる。これらのコメントは、記憶手段12に記録され、編集することができるように構成するのがよい。
【0031】
【0032】
年齢、身長及び体重又はBMIの値、血液型、関連質問及び/又は高関連質問の回答に応じたコメントに優先順位を付与して、コメント出力手段18が、表示すべきコメントの内、優先順位の高いコメントのみを出力するように構成してもよい。
【0033】
ユーザ端末20がサーバ装置10にアクセスすると、回答受付手段14により、年齢、性別、身長及び体重又はBMIの値、血液型、関連質問、並びに、高関連質問の各回答が受け付けられる。年齢、性別、身長及び体重又はBMIの値、血液型、関連質問、並びに、高関連質問のそれぞれについての入力欄が表示手段22によってユーザ端末20に表示され、入力手段24によって各回答を入力できるように構成すればよい。ここで、年齢、性別、血液型、関連質問、及び高関連質問は選択形式で回答できるように構成し、身長及び体重又はBMIの値は、数値を入力することにより回答できるように構成すればよい。
【0034】
図2は、ユーザ端末20の表示手段22によって関連質問が表示されている第一画面40を示している。第一画面40では、関連質問表示欄42に関連質問の1つが表示され、肯定、否定、及び不明に対応する回答入力欄44a,44b,44cが表示されている。ユーザ端末20の利用者は、入力手段24によって回答入力欄44a,44b,44cを選択することにより、この関連質問に回答することができる。
【0035】
サーバ装置10の記憶手段12に、膵癌についての情報や医療機関の情報を記録しておき、第一画面40に説明リンク46aや医療機関リンク46bを表示させ、説明リンク46a又は医療機関リンク46bが選択されたとき、膵癌についての情報や医療機関の情報を表示させるように構成してもよい。
【0036】
図3は、ユーザ端末20の表示手段22によって膵癌発症リスクとコメントが表示されている第二画面50を示している。第二画面50では、膵癌発症リスク表示欄52aに、演算手段16によって算出された膵癌発症リスクが表示されている。膵癌発症リスク表示欄52aに膵癌発症リスクグラフ52bを表示して、膵癌発症リスクを視覚的に把握し易いようにしてもよい。
【0037】
第二画面50では、コメント表示欄54に、コメント出力手段18によって出力されるコメントが表示される。また、第一画面40の説明リンク46a及び医療機関リンク46bと同様の説明リンク56aや医療機関リンク56bを表示させることもできる。さらに、医療機関相談ボタン58を表示させて、これが選択されることにより、所定の医療機関と連絡が取れるように構成してもよい。
【0038】
以上に説明したように、本発明によれば、利用者が膵癌を罹患している可能性やこれから罹患しうる可能性を簡単に把握することができるシステムを提供することができる。
【符号の説明】
【0039】
10 サーバ装置
12 記憶手段
14 回答受付手段
16 演算手段
18 コメント出力手段
100 膵癌診断システム