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特開2023-21522精算機を置かない駐車場での駐車料金の精算システム
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  • 特開-精算機を置かない駐車場での駐車料金の精算システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023021522
(43)【公開日】2023-02-14
(54)【発明の名称】精算機を置かない駐車場での駐車料金の精算システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20230207BHJP
   G07B 15/00 20110101ALI20230207BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20230207BHJP
【FI】
G06Q50/10
G07B15/00 M
G16Y10/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021126431
(22)【出願日】2021-08-02
(71)【出願人】
【識別番号】599164916
【氏名又は名称】日本システムバンク株式会社
(72)【発明者】
【氏名】東 孝二
(72)【発明者】
【氏名】永棹 健治
(72)【発明者】
【氏名】坂東 上平
(72)【発明者】
【氏名】梅田 泰永
(72)【発明者】
【氏名】北 藤枝
(72)【発明者】
【氏名】野坂 信嘉
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 芳夫
【テーマコード(参考)】
3E127
5L049
【Fターム(参考)】
3E127AA18
3E127BA01
3E127BA06
3E127BA43
3E127CA23
3E127CA39
3E127CA47
3E127EA04
3E127FB06
5L049CC13
(57)【要約】
【課題】
本発明が解決しようとする課題は、一台の新型精算機で多くの子駐車場の駐車料金精算ができるようにすることである。
【解決手段】
従来設置されている駐車場精算機よりもユーザーインタフェースを省略し、駐車場管理会社の運用するサーバーとの通信機能を強化した新型駐車場精算機をビルの屋上などに設置し、駐車場運営会社の運用するサーバーを経由して、多くの子駐車場の駐車料金精算やロック装置の制御ができるようにした。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信装置の通信能力を強化し、現金決済手段や、駐車場の利用者が操作するインターフェースを設けない新型精算機と、該新型精算機との間で無線通信により駐車場の車室への駐車検出やロック装置などの制御が可能な子駐車場群と、該新型精算機とインターネット回線で通信できる駐車場運営会社のサーバーより構成される駐車場システムであって、利用者が子駐車場へ駐車した時、駐車検出信号が無線で前記新型精算機に送信されることによって、該新型精算機は子駐車場の駐車状況を管理でき、前記子駐車場の利用者が駐車料金の精算を行うときは、前記駐車場運営会社が提供するアプリによって、利用者が精算の依頼を駐車場運営会社のサーバーと通信すると、該サーバーは、利用者が駐車料金の精算を要求した時刻を出庫時間として、子駐車場を管理する新型精算機に駐車料金の算出を求め、該新型精算機は算出した駐車料金や駐車情報を前記サーバーに送信し、該サーバーが受信した結果を利用者に通知し、利用者が該駐車料金の電子決済を了承し、決済が完了すると、該サーバーは該新型精算機に指令して利用者が駐車した子駐車場の利用者が駐車している車室のロック装置を開放するなどして利用者が駐車場から退出できるようにしたことを特徴とする駐車場システム。
【請求項2】
請求項1の駐車場システムにおいて、新型精算機は、駐車場ではなく、広範囲の多くの子駐車場と無線通信が可能なビルの屋上や通信障害の少ない場所に設置することを特徴とした駐車場システム
【請求項3】
請求項1の駐車場システムにおいて、新たに子駐車場を開設する場合の、新型精算機における駐車場名、車室番号、駐車料金計算手段、駐車管理ファイルなどを、駐車場運営会社のサーバーから直接設定できるようなプログラムを設けたことを特徴とする駐車場システム
【請求項4】
請求項1の駐車場システムにおいて、子駐車場のロック装置制御テスト、満空表示装置の切り替え作業を、駐車場運営会社のサーバーに搭載したプログラムによって、リモートで設定、テストできるようにすることを特徴とする駐車場システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現金精算機能を持たない新型精算機と複数の個別車室式駐車場との間で相互に無線通信を行うことにより、通常の精算機の設置が経済的に成り立たない駐車場の開設を可能とする駐車場システムに関する。
【背景技術】
【0002】
都会では、遊休地を駐車場として活用することで、地主には現金収入があり駐車場の利用者にも喜ばれるといった効果があり、多くの駐車場が設置されている。しかし、遊休地が数台の車の駐車しかできないような狭い土地の場合は、精算機の設置を必要とする従来の駐車場の開設は、車室幅が狭くなったり精算機などの設備設置費用の回収に長期間がかかったりするので、経営的に成り立たないとされてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-175900
【特許文献2】特開2019-105974
【0004】
一方、特許文献1にあるように、近年駐車場での駐車料金の精算を現金で行わず、スマホなどの通信端末を使って精算するシステム(以後、電子決済精算システムと略す)が導入されている。この場合には、駐車場の利用者は、出庫時にスマホなどの携帯用通信端末(以下スマホと略す)の専用アプリを使って駐車した駐車場を確認し、駐車した車室番号を電子決済精算システムの運営会社のサーバーに送信すると、当該運営会社は、利用している駐車場の精算機と通信して駐車料金の計算結果を受信し、それを駐車場の利用者のスマホに表示し、クレジットカード等による電子決済を促す。利用者が電子決済を了承すれば、電子決済精算システムの運営会社から当該駐車場の精算機に支払い完了を通知することにより、当該車室の退場阻止装置であるフラップ装置などのロックを解除し、利用者は駐車場から退場できるようになっている。
【0005】
しかし、実用化されている上記電子決済方法では、駐車場に設置した精算機内部のデータ
を、電子決済精算システムの運営会社のサーバーが読みだして、利用者のスマホ上に駐車
料金を表示させるものであるから、原理的に精算機のない駐車場でのスマホ精算はできな
いことは明らかである。
【0006】
また、特許文献2には、駐車料金の電子決済ができる精算機を備えた駐車場を親駐車場とし、該親駐車場と無線通信が可能な範囲に複数の小規模な個別車室式駐車場(以下子駐車場と略す)を設け、該子駐車場には、車室に駐車検出装置や不正出庫防止用のロック板などを設けるが駐車料金の精算機を置かず、駐車検出信号やロック板の作動信号を上記親駐車場との間で無線通信することによって、親駐車場の精算機で駐車料金を計算したり、ロック板の作動を行わせたりする駐車場システムが記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明では、特許文献2に記載されているような精算機を設置すると駐車場の経営が成り立たないような小規模駐車場(子駐車場)を、より経済的により広い範囲でより多く開設できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、無線通信装置の通信能力を強化し現金決済手段をもたず、ビルの屋上のような駐車場に限定しない任意の場所に設置した新型精算機と、該新型精算機と無線通信により駐車場の車室への駐車検出やロック装置などの制御が可能な子駐車場群と、該新型精算機と公衆回線で通信できる駐車場運営会社のサーバーより構成される駐車場システムであって、利用者が子駐車場へ駐車した時の駐車検出信号が無線で新型精算機に送信されることによって、新型精算機は子駐車場の駐車状況を管理でき、該子駐車場の利用者の駐車料金の精算は、駐車場運営会社が提供するアプリによって、利用者が精算の依頼を該駐車場運営会社のサーバーと通信すると、該サーバーは、利用者が駐車料金の精算を要求した時刻を出庫時間として、該子駐車場を管理する該新型精算機に駐車料金の算出を求め、該新型精算機から受信した結果を利用者に通知し、利用者が該駐車料金の電子決済を了承し、決済が完了すると、該サーバーは該新型精算機に利用者が駐車した子駐車場の利用者が駐車している車室のロック装置を開放するよう指令できるようにした。
【0009】
本発明の機能を発揮するために、子駐車場には、車室への入庫検出装置と前記新型精算機とデータ通信ができる通信装置と、車室のロック装置およびその制御装置と、満空表示装置などを設置する。もちろん、その一部を省略してもよい。
【0010】
一方、駐車場以外の場所に設置する新型精算機は、管理する複数の子駐車場と無線通信ができる無線通信装置と、該子駐車場に駐車した利用者の車室や入庫時刻を入手して子駐車場の駐車状況を記録・管理するデータ領域と、駐車料金を計算する料金表及び駐車料金計算プログラムと、本発明の駐車場運営会社のサーバーと通信できる通信端末を装備する。しかし、通常の精算機が装備する駐車料金精算用のボタンや現金を受領するベンダーなどを利用者とのインターフェースは必要としないのが特長である。
【0011】
また、本発明にける新型精算機は、電子決済を行う上記駐車場運営会社のサーバーからの要求で、子駐車場の利用者の駐車料金の計算結果や駐車状況のデータを該サーバーに送信し、利用者が駐車料金を電子決済したときに該サーバーから送信されるロック板の開放指令を受けて、無線で該子駐車場に利用者が駐車している車室のロック装置を開放させることができる機能を持たせた。
【0012】
本発明の駐車場運営会社は、利用者の駐車料金の電子決済を可能とする携帯端末のアプリを提供し、本システムを機能させるためにサーバーを備えるが、利用者から該アプリにより駐車料金の精算依頼があった場合には、前述したように該サーバーが、該利用者が駐車した子駐車場を管理する新型精算機と通信して得た駐車料金や駐車日時などの情報を利用者に送信し、利用者が駐車料金の電子的な支払いを完了すると、該駐車場運営会社のサーバーは、該新型精算機に駐車料金の支払いが終わったことを通信で伝え、これによって、新型精算機は 無線通信により子駐車場の利用者が駐車している車室のロック装置を開放するようにした。
【0013】
また、新しい子駐車場の開設にあたっての作業として、新型精算機に該子駐車場の車室の登録や駐車料金表の設定を行う必要があるが、本発明では作業者が新型精算機の各種設定を手動で行うこともできるが、子駐車場と新型精算機は距離的にも離れた場合が多くなるので、作業者が子駐車場において、前記駐車場運営会社のサーバーと通信し、該サーバーから遠隔で新型精算機に新たな車室の領域を設定し、駐車料金表を紐付けすることができるようにした。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、精算機を置く通常の駐車場としては、駐車場経営が成り立たないような小さな空き地にでも子駐車場を設けることができるので、小規模の経済的な駐車場を数多く開設でき、地主にとっては遊休土地の活用に、利用者にとっては利便性が高くなり、新型精算機は、対人インターフェースや現金決済機能を省略し経済的なものにすることができるので、駐車場の経営者にとってもメリットが多いといった効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】は、本発明の精算機を置かない子駐車場と、子駐車場の駐車料金の電子決済ができる新型精算機の街中における配置の例を示した図である。
図2】は、本発明の新型精算機および子駐車場に設置する主要設備を示した図である。
図3】は、本発明の新型精算機の車室管理データ領域と、主要プログラムとして親子間のデータ通信制御プログラム、およびスマホによる電子決済プログラムなど新型精算機の内部の構成を示した図である。
図4】は、子駐車場での電子決済の仕組みを示した図である。
図5】は、駐車場管理会社のサーバーから、リモートで新たに開設する子駐車場の車室領域、駐車料金体系、子駐車場との通信設定を行う仕組みを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例0016】
図1は、本発明が対象とする精算機を置かない子駐車場と、子駐車場の車室管理や駐車料金計算ができる新型精算機の配置の例を示す図である。1は市中の道路、2は新型精算機,3~6は子駐車場で、2の新型精算機とは距離は離れているが、無線通信が可能な場所に設けている。
【0017】
子駐車場3~6には精算機を置かないが、図2に示すように、車室、駐車を検出するセンサー(以下車両検知センサー)、車両の無断退出を防止するロック装置、駐車場看板、満空表示装置、無線通信装置、駐車場内の車室監視カメラ、受電盤などを設置するが、もちろんその一部を省略してもよい。
【0018】
無線通信装置は、新型精算機の通信端末との間で、前記車両検出センサーの出力信号、ロック装置の作動及び解除信号、満空信号、子駐車場の映像などを送受信する。
【0019】
新型精算機には、図2に示すように、子駐車場との無線通信装置、子駐車場の車室管理表および駐車料金表、子駐車場の監視カメラ画像記憶装置、駐車場管理会社のサーバーとの通信装置および情報交換プログラム、子駐車場の駐車管理、料金精算プログラム、子駐車場のロック装置、満空表示装置などの制御プログラム、受電盤などを装備する。
【0020】
一般に駐車場の精算機には、場内の全車室について車室番号を割り当て、車室ごとに車両検知センサーにより、駐車の有無と入庫時刻を記憶管理するデータファイルが用意されている。これにより、利用者がこの駐車場から退出する際に、精算機で駐車した車室番号と料金精算ボタンを押すと、前記データファイルから入庫時刻を入手、精算ボタンを押した時刻をもとに、駐車時間を計算し、当該駐車の料金体系から、駐車料金が精算機の表示画面に表示される。請求される駐車料金をお札またはコイン投入口を使って支払うと、ロック装置が解除され、駐車場から退場することができる仕組みになっている。
【0021】
上記従来の駐車場の精算機に対して、本発明の新型精算機は、図3に示すように複数の子駐車場の駐車データ管理・処理機能と、子駐車場の制御装置を制御する機能を持たせてある。子駐車場の駐車データ管理・処理機能には、複数の子駐車場の車室に止めた車両の駐車状況の管理や、複数の子駐車場の個別の駐車料金を計算するデータやプログラム、駐車場運営会社のサーバーと通信できる機能を持たせてある。また、子駐車場の制御装置等の制御機能としては、子駐車場の車室のロック装置を開閉し、満または空の表示を変更できるようにしてある。
【0022】
しかし、従来の精算機が持っている現金で駐車料金を受け取る装置や、駐車料金を精算するための操作ボタンや、表示装置といったいわゆるユーザーインターフェースは持たないという特徴がある。
【0023】
本発明では、駐車料金の支払いは、利用者が駐車場運営会社のサーバーとスマホなどの携帯端末で同会社が提供するアプリを使って電子的におこなうようにしてあるが、該サーバーの機能は、図3に示すように子駐車場の利用者に駐車場利用のアプリを提供すること、子駐車場の利用者および新型精算機を公衆回線により通信できる機能、子駐車場の利用者の駐車料金を電子的に決済できる機能、および電子決済を終えた利用者の車室のロック装置を開放するよう新型精算機に指令する機能を持たせてある。
【0024】
本発明では、子駐車場の利用者の駐車料金の精算は、駐車場運営会社が提供するアプリを使って利用者が駐車場運営会社のサーバーとやり取りすることによって行われる。図4はそのプロセスを説明する図である。まず、子駐車場に利用者が駐車すると、駐車した車室を1で示すように、子駐車場の車両検出センサーが検出して、子駐車場の無線通信装置で、新型精算機に駐車検出信号を送信する。この信号を受信した新型精算機は、管理する該子駐車場の車室の駐車管理ファイルに、駐車した子駐車場名、車室番号と該信号の受信時間を駐車開始時刻として記録する。
【0025】
利用者が駐車場から退出したいときには、図4で、矢印2で示すように駐車場運営会社の提供するアプリで利用者のIDや駐車した子駐車場名と車室番号などを、該駐車場運営会社のサーバーに送信すると、該サーバーは図4の矢印3で示すように利用者から精算要求のあった時刻を出庫時刻として該利用者の駐車料金を精算しその結果を返すように、新型精算機に要求する。新型精算機はこれを受けて、管理する子駐車場の駐車管理ファイルを検索し、利用者の駐車した車室の駐車開始時刻をもとに駐車時間を算出し、該子駐車場の駐車料金計算プログラムで駐車料金を算出し、図4の矢印4で示すように駐車場運営会社のサーバーに、該利用者の駐車料金と駐車情報を送信する。
【0026】
これを受信した駐車場運営会社のサーバーは、図4の矢印5で示すように、利用者に駐車料金の電子決済を承認するよう前記精算アプリ上で要求する。矢印6で該利用者がこれを承認し、駐車料金の電子決済が完了すると、駐車場運営会社は、前記新型精算機に、矢印7で示すように、利用者が駐車している子駐車場の車室のロック装置を開放するよう指令する。
【0027】
この指令を受けた新型精算機は、矢印8で示すように無線通信装置で該子駐車場に該当する車室のロック装置を開放する信号を送る。こうして、ロック装置が開放されると利用者は子駐車場から退出することができる。
【0028】
本発明では、基本的に以上の仕組みで精算機を置かない子駐車場でも、電子決済により駐車料金の支払いが可能になる。しかし、利用者がスマホで決済することを知らずに駐車してしまうことが十分考えられる。このような場合の対処法としては、子駐車場の看板にこの駐車場は電子決済専用の駐車場であることを明記しておく。それでも駐車してしまった利用者には、退出の方法と駐車料金の別途支払い方法を問い合わせできるようにコールセンターの電話番号を明記しておく。
【0029】
本発明の精算機を置かない子駐車場は、通常小規模の駐車場であるが、中規模あるいはそれ以上の規模であっても、新型精算機の中の車室管理領域を大きくとるだけで対応が可能であることは明らかである。そして、子駐車場の規模が大きい場合には、満空の表示も必要であろう。これも新型精算機が子駐車場管理部分のデータから満車あるいは空室を判別し、無線装置でその結果を子駐車場の満空表示看板に表示できるように指令する。そして、子駐車場の満空表示装置の表示の切り替えを行う。
【0030】
本発明においては、新型精算機は、追加開設する新たな子駐車場の駐車場名や車室の登録、駐車料金の設定、駐車料金の計算プログラムなどを、リモートで駐車場運営会社のサーバーから直接設定することもできるようにした。
【0031】
図5は、その仕組みを示した図である。本発明の駐車場システムにおいて、新たな子駐車場31を設置した場合、作業者32は現場にて駐車場運営会社のサーバーと通信し、リモート設定プログラムを作動させる。このプログラムは、35で示すように、新たに設定した子駐車場の車室数の設定、ロック装置や満空表示装置、監視カメラなどの設定、駐車料金表の設定、および動作テストプログラムなどを含むものとした。
【0032】
このプログラムを始動することにより、駐車場運営会社のサーバー33は、36に示すような設定プログラムを始動し、新たな子駐車場を管理させる新型精算機と通信し、該子駐車場の車室の登録、駐車料金表の設定、子駐車場との通信の設定などを行う。
【0033】
設定後に、テストプログラムを作動させると、現場の作業者と通信し、車室への駐車検出信号のテスト発生を促し、新たな子駐車場用の駐車管理データが書き込まれたどうかがチェックされる。また、サーバーから 利用者の駐車終了(電子決済の完了)の信号が該新型精算機に送られると、該車室のロック装置などが作動するかどうかを現場の作業員32が確認できるようになる。駐車料金の算出や、利用者に送信するデータなどが新型精算機から駐車場運営会社のサーバーに送信されるかどうかの確認も、このようにしてリモートで行うことができる。
これらの設定は、子駐車場の現場から、作業員が前記サーバーと通信して行うこともできるようにもした。その場合は、子駐車場のロック装置や、満空表示装置の表示の切り替えなども、現場の作業員がテストで確認することができるようにした。
【0034】
新型精算機には、駐車した利用者が直接操作するような現金の支払い装置、精算ボタン、領収書の発行ボタン、駐車料金の表示装置といったユーザーインターフェースを装備せず、駐車場運営会社のサーバーを経由して駐車料金の電子決済を行うことができるようにしたので、精算機のコスト低減に大いに寄与する。
【0035】
前述したように、本発明の新型精算機は、駐車場以外の子駐車場との無線通信が良好な場所、例えばビルの屋上や見通しの良い場所に設置することを特徴としている。特許文献2に記載されているような、親駐車場の精算機との間で、無線通信により子駐車場のロック装置や満空表示を切り替え、親駐車場の精算機で駐車料金計算するのと比較すると、無線通信で通信し、制御できる子駐車場を広範囲により多く設置できるといった利点がある。
【0036】
また、新型精算機は、設置する子駐車場とは離れたところにあり、作業者が設定作業を現場で行うことが困難になる欠点を、駐車場経営会社のサーバー経由でリモート設定するようにしてカバーできたことも大きなメリットである。
【産業上の利用可能性】
【0037】
以上で説明したように、本発明は精算機を置かない子駐車場を、新型精算機を利用して、スマホで駐車料金の精算が可能にすることよって開設できるようにするものであり、精算機を置くと経営が難しいような小規模の駐車場の開設を可能にする特長があり、産業上の利用可能性は十分である。
【符号の説明】
【0038】
1 道路 2 新型精算機、3~6 子駐車場

21 子駐車場 22 駐車場の利用者 23 駐車場運営会社のサーバー

24 新型精算機 T1, T4, T5 利用者と駐車所運営会社のサーバーとの通信

T2, T4, T6 新型精算機と駐車場運営会社のサーバーとの通信

31 新たな子駐車場 32 作業者 33 駐車場運営会社のサーバー

34 新型精算機 35 リモート設定プログラム

36 駐車場運営会社のサーバーの設定プログラムとテストプログラム

T101 作業者と駐車場運営会社のサーバーとの通信

T102 新型精算機と駐車場運営会社のサーバーとの通信
図1
図2
図3
図4
図5