IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本電産コパル株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-アクチュエータ 図1
  • 特開-アクチュエータ 図2
  • 特開-アクチュエータ 図3
  • 特開-アクチュエータ 図4
  • 特開-アクチュエータ 図5
  • 特開-アクチュエータ 図6A
  • 特開-アクチュエータ 図6B
  • 特開-アクチュエータ 図7
  • 特開-アクチュエータ 図8
  • 特開-アクチュエータ 図9
  • 特開-アクチュエータ 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023021532
(43)【公開日】2023-02-14
(54)【発明の名称】アクチュエータ
(51)【国際特許分類】
   F16H 1/16 20060101AFI20230207BHJP
   F16H 25/20 20060101ALI20230207BHJP
   F16H 25/24 20060101ALI20230207BHJP
【FI】
F16H1/16 Z
F16H25/20 Z
F16H25/24 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021126452
(22)【出願日】2021-08-02
(71)【出願人】
【識別番号】000001225
【氏名又は名称】日本電産コパル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】殿貝 佳英
(72)【発明者】
【氏名】方 臣
【テーマコード(参考)】
3J009
3J062
【Fターム(参考)】
3J009DA16
3J009EA06
3J009EA19
3J009FA23
3J062AA36
3J062AB02
3J062AC07
3J062BA16
3J062CD02
3J062CD22
3J062CD45
(57)【要約】
【課題】小型化を図ることができ、かつ耐衝撃性を向上させることが可能なアクチュエータを提供する。
【解決手段】回転軸52の回転により回転されるコイルばね63と、コイルばね63の径方向外側から当該コイルばね63の素線間Sに入り込む平歯22aを有し、フォーカシングレンズにコイルばね63の回転力を伝達する出力ギヤ22と、を備えているので、仮に、出力ギヤ22が無理に回転されるような衝撃が加わった場合でも、当該衝撃をコイルばね63が伸び縮みすることで吸収する。したがって、出力ギヤ22の平歯22aの歯欠け等の損傷が抑えられ、ひいては当該アクチュエータ10が搭載される製品(デジタルカメラ等)の信頼性を向上させることが可能となる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動対象物を駆動するアクチュエータであって、
回転軸を有する電動モータと、
前記回転軸の回転により回転されるコイルばねと、
前記コイルばねの径方向外側から前記コイルばねの素線の間に入り込む歯部を有し、前記駆動対象物に前記コイルばねの回転力を伝達する出力部材と、
を備えていることを特徴とする、
アクチュエータ。
【請求項2】
請求項1に記載のアクチュエータにおいて、
前記回転軸と前記コイルばねとの間に減速機構が設けられ、前記減速機構は、前記回転軸の回転を減速して高トルク化された回転力を前記コイルばねに伝達することを特徴とする、
アクチュエータ。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のアクチュエータにおいて、
前記コイルばねの前記素線の断面形状が円形となっていることを特徴とする、
アクチュエータ。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載のアクチュエータにおいて、
前記コイルばねの前記素線の断面形状が矩形となっていることを特徴とする、
アクチュエータ。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のアクチュエータにおいて、
前記コイルばねは、ハウジングに設けられかつ湾曲されたコイルばね収容部に対し、湾曲された状態で回転自在に収容されていることを特徴とする、
アクチュエータ。
【請求項6】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のアクチュエータにおいて、
前記出力部材が、前記コイルばねにねじ結合されるナットであって、前記ナットは、前記コイルばねの回転に伴って前記コイルばねの軸線方向に移動自在となっていることを特徴とする、
アクチュエータ。
【請求項7】
請求項6に記載のアクチュエータにおいて、
前記ナットが、前記駆動対象物を駆動する駆動部材に固定されていることを特徴とする、
アクチュエータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動対象物を駆動するアクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタルカメラ等の撮像装置に搭載されるオートフォーカス機構には、フォーカシングレンズを駆動して焦点距離を調整する小型のアクチュエータが採用されている。このような焦点距離の調整に用いられるアクチュエータが、例えば、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載されたアクチュエータは、ウォームギヤと、当該ウォームギヤを回転させるモータと、を有しており、ウォームギヤは、固定軸を中心に扇型ギヤを揺動させる。そして、扇型ギヤの揺動運動に伴い、フォーカシングレンズがガイドシャフトに沿って移動し、これにより焦点距離が調整される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-003253号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、デジタルカメラ等の撮像装置の小型化が進むに連れて、アクチュエータにおいてもさらなる小型化が求められる。この場合、上述のようにアクチュエータはギヤ駆動を採用するため、ウォームギヤや扇型ギヤにおいてもさらなる小型化が必要となる。仮に、アクチュエータの小型化を達成できたとしても、駆動対象物がデジタルカメラ等の撮像装置である場合に、例えば、当該撮像装置を落下させる等して撮像装置に比較的大きな衝撃が加わると、小型化されたギヤの歯部が簡単に折損(損傷)するといった問題を生じる。よって、アクチュエータの構造を根本から見直す必要が生じていた。
【0005】
本発明の目的は、小型化を図ることができ、かつ耐衝撃性を向上させることが可能なアクチュエータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様では、駆動対象物を駆動するアクチュエータであって、回転軸を有する電動モータと、前記回転軸の回転により回転されるコイルばねと、前記コイルばねの径方向外側から前記コイルばねの素線の間に入り込む歯部を有し、前記駆動対象物に前記コイルばねの回転力を伝達する出力部材と、を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、回転軸の回転により回転されるコイルばねと、コイルばねの径方向外側から当該コイルばねの素線の間に入り込む歯部を有し、駆動対象物にコイルばねの回転力を伝達する出力部材と、を備えているので、仮に、出力部材が無理に回転されるような衝撃が加わった場合でも、当該衝撃をコイルばねが伸び縮みすることで吸収する。したがって、出力部材の歯部の歯欠け等の損傷が抑えられ、ひいては当該アクチュエータが搭載される製品の信頼性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1のアクチュエータを示す平面図である。
図2図1のアクチュエータの分解斜視図である。
図3図2のハウジングを示す斜視図である。
図4図2の遊星歯車機構の分解斜視図である。
図5図2のリードスクリュー機構を示す斜視図である。
図6A】出力ギヤに実線矢印R1方向に負荷が掛かった時の動作説明図である。
図6B】出力ギヤに実線矢印R2方向に負荷が掛かった時の動作説明図である。
図7】実施の形態2のアクチュエータを示す平面図である。
図8】実施の形態3のアクチュエータを示す平面図である。
図9】実施の形態4のアクチュエータを示す平面図である。
図10図9のスライド機構を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態1について図面を用いて詳細に説明する。
【0010】
図1は実施の形態1のアクチュエータを示す平面図を、図2図1のアクチュエータの分解斜視図を、図3図2のハウジングを示す斜視図を、図4図2の遊星歯車機構の分解斜視図を、図5図2のリードスクリュー機構を示す斜視図を、図6Aは出力ギヤに実線矢印R1方向に負荷が掛かった時の動作説明図を、図6Bは出力ギヤに実線矢印R2方向に負荷が掛かった時の動作説明図をそれぞれ示している。
【0011】
図1に示されるアクチュエータ10は、例えば、デジタルカメラ(図示せず)の筐体内に収容され、かつ当該デジタルカメラを形成するフォーカシングレンズ(駆動対象物)を駆動する駆動源に用いられる。具体的には、アクチュエータ10は、ギヤ部20と駆動部30とを備えている。そして、ギヤ部20は、出力軸21を回転させる出力ギヤ22を有しており、当該出力ギヤ22の回転に伴って、出力軸21に動力伝達可能に連結された可動部(図示せず)が駆動され、ひいてはフォーカシングレンズが移動して焦点距離が調整される。
【0012】
図1および図2に示されるアクチュエータ10は、デジタルカメラの筐体内の所定箇所、具体的には、フォーカシングレンズの近傍に搭載される。ギヤ部20は、丸鋼棒からなる出力軸21と、当該出力軸21が回転中心に固定された出力ギヤ22とを備えている。ここで、出力ギヤ22は、本発明における出力部材に相当し、プラスチック等の樹脂材料により略円板状に形成され、当該出力ギヤ22の外周には、その周方向に等間隔となるように複数の平歯(歯部)22aが一体に設けられている。このように、出力ギヤ22は、複数の平歯22aを備えた平歯車となっている。
【0013】
ここで、出力ギヤ22の平歯22aは、リードスクリュー機構60(図5参照)を形成するコイルばね63に対して、その径方向外側からコイルばね63の素線間(素線の間)Sに入り込んで噛み合わされている。これにより、出力ギヤ22は、コイルばね63の回転に伴って回転され、コイルばね63の回転力を、出力軸21を介してフォーカシングレンズに伝達する。なお、出力ギヤ22およびコイルばね63は、所謂「ウォーム減速機構」を形成している。よって、出力ギヤ22はコイルばね63よりも低速かつ高トルクで回転される。
【0014】
駆動部30は、プラスチック等の樹脂材料により細長い略角棒形状に形成されたハウジング31を備えている。ハウジング31は、図3に示されるように、略直方体形状となっており、モータ固定部32と、減速機構収容部33と、コイルばね収容部34と、を備えている。これらのモータ固定部32,減速機構収容部33およびコイルばね収容部34は、それぞれハウジング31の長手方向に並んで配置されている。具体的には、ハウジング31の長手方向における略中央部に減速機構収容部33が配置され、ハウジング31の長手方向一側(図3の右側)にモータ固定部32が配置され、ハウジング31の長手方向他側(図3の左側)にコイルばね収容部34が配置されている。
【0015】
モータ固定部32には、ハウジング31の長手方向一側に向けて開口された開口部32aが設けられている。そして、駆動部30の組み立て時に、モータ固定部32の開口部32aを介して、減速機構収容部33の内部に遊星歯車機構40(図2および図4参照)が収容される。また、モータ固定部32には、開口部32aからモータユニット50(図2参照)が組み付けられる。ここで、ハウジング31に対する遊星歯車機構40およびモータユニット50の組み付け方向は、図2に示されるように、ハウジング31の軸線C1に沿う方向となっている。すなわち、遊星歯車機構40およびモータユニット50は、軸線C1に沿わせるようにしてハウジング31にそれぞれ組み付けられる。
【0016】
減速機構収容部33は、略箱形状に形成されており、その内部には、遊星歯車機構(減速機構)40が回転自在に収容されている。そして、減速機構収容部33の内壁(図示せず)には、遊星歯車機構40を形成する複数の第1遊星ギヤ41cおよび第2遊星ギヤ42b(図4参照)が噛み合わされる内歯車(図示せず)が形成されている。また、減速機構収容部33のコイルばね収容部34側には、底壁部33aが設けられ、当該底壁部33aには、減速機構収容部33の内外を連通する挿通孔33bが形成されている。挿通孔33bには、リードスクリュー機構60を形成する第1ばね受け部材61の第1回転軸61b(図2および図5参照)が、回転自在に挿通される。なお、第1回転軸61bは、減速機構収容部33の内部において、遊星歯車機構40を形成する第2キャリア42cの出力部42e(図4参照)に対して、動力伝達可能に連結される。
【0017】
また、ハウジング31の長手方向中央部に配置された減速機構収容部33の外部には、一対の固定部33cが一体に設けられている。これらの固定部33cは、ハウジング31の長手方向と交差する短手方向に互いに対向配置され、かつ減速機構収容部33の外側に向けてそれぞれ突出されている。そして、一対の固定部33cには、それぞれねじ孔33dが形成され、これらのねじ孔33dには、駆動部30を、デジタルカメラの筐体内の所定箇所に固定するための固定ねじ(図示せず)が挿通される。このように、ハウジング31の長手方向中央部がデジタルカメラの筐体内の所定箇所に固定されるため、駆動部30の駆動時において、細長い略角棒形状に形成されたハウジング31が撓んだりすることが効果的に抑えられる。
【0018】
コイルばね収容部34は、ハウジング31の長手方向に延びる第1側壁部34aおよび第2側壁部34bを備えている。これらの第1,第2側壁部34a,34bの長手方向一側は、減速機構収容部33の底壁部33aに一体に固定されている。これに対し、第1,第2側壁部34a,34bの長手方向他側には、略直方体形状に形成された軸受装着部34cが一体に設けられている。ここで、図2に示されるように、軸受装着部34cには、リードスクリュー機構60を形成する第2ばね受け部材62の第2回転軸62bを回転自在に支持するボールベアリング34dと、当該ボールベアリング34dの軸方向端部を覆うベアリングカバー34eと、同じくボールベアリング34dの軸方向端部を覆うダストカバー34fと、が装着される。これにより、ボールベアリング34dが埃等の付着により作動不能となることが抑制され、長期に亘って第2回転軸62bがスムーズに回転可能となっている。
【0019】
具体的には、ボールベアリング34dおよびダストカバー34fは、軸線C1に沿わせるようにして軸受装着部34cの第1装着凹部34gに装着され、ベアリングカバー34eは、軸線C1と直交する軸線C2に沿わせるようにして軸受装着部34cの第2装着凹部34hに装着される。
【0020】
また、図3に示されるように、ハウジング31の長手方向と交差する短手方向において、コイルばね収容部34の側方は大きく開口されており、この大きく開口された部分は、コイルばね露出部34kとなっている。すなわち、当該コイルばね露出部34kは、第1,第2側壁部34a,34bが無い部分(図3の手前側)に設けられている。そして、コイルばね露出部34kからは、コイルばね収容部34の内部に回転自在に収容されたリードスクリュー機構60のコイルばね63が、外部に露出される。具体的には、コイルばね63の長手方向における全域が、コイルばね露出部34kから外部に露出されている。これにより、図1に示されるように、コイルばね63に対して、出力ギヤ22の平歯22aが、噛み合わせ可能となっている。
【0021】
図1および図2に示されるように、モータユニット50は、第1ステッピングモータM1と第2ステッピングモータM2とを、ハウジング31の長手方向に並べてなる二層構造のステッピングモータとなっている。モータユニット50は、本発明における電動モータに相当し、略筒状に形成されたモータケース51を備えている。そして、モータケース51の内部には、1本の回転軸52が回転自在に収容され、当該回転軸52の軸方向先端部(図1の上部)には、遊星歯車機構40を形成する第1太陽ギヤ41aの入力部41b(図4参照)が、動力伝達可能に連結される。これにより、遊星歯車機構40は、回転軸52の回転に伴って回転される。このように、第1,第2ステッピングモータM1,M2をハウジング31の長手方向に並べて二層構造とすることで、モータユニット50を小径化しつつ十分な出力トルクが得られるようにしている。
【0022】
ここで、モータケース51の側方には、複数の接続端子53が一体に設けられている。これらの接続端子53は、第1,第2ステッピングモータM1,M2のそれぞれに対して駆動電流を供給するものであって、それぞれの接続端子53には、フレキシブル基板(FPC)54の長手方向一側(図1の右側)が、半田付け等の接続手段により電気的に接続されている。これに対し、フレキシブル基板54の長手方向他側は、デジタルカメラの筐体内に収容されたモジュール基板等の駆動電流を供給する供給源(図示せず)に対して、同じく半田付け等の接続手段により電気的に接続されている。
【0023】
図1図2および図4に示されるように、遊星歯車機構40は、モータユニット50の回転軸52とリードスクリュー機構60のコイルばね63との間に配置され、第1減速機構41と第2減速機構42とを備えている。これらの第1,第2減速機構41,42は、それぞれハウジング31の長手方向(軸線C1の延在方向)に並べられている。つまり、遊星歯車機構40においても、モータユニット50と同様に二層構造となっている。これにより、遊星歯車機構40の小径化を図りつつ、大きな減速比が得られるようにしている(減速効率の向上)。
【0024】
第1減速機構41は、モータユニット50側(入力側)に配置され、第2減速機構42は、リードスクリュー機構60側(出力側)に配置されている。すなわち、遊星歯車機構40は、モータユニット50を形成する回転軸52(図1参照)と、リードスクリュー機構60を形成する第1ばね受け部材61の第1回転軸61bとの間に動力伝達可能に設けられている。このように、遊星歯車機構40は、回転軸52の回転速度を所定の回転速度にまで減速し、減速されて高トルク化された回転力をコイルばね63に伝達する。
【0025】
第1減速機構41は、回転軸52の軸方向先端部に固定される第1太陽ギヤ41aを備えている。具体的には、第1太陽ギヤ41aには、略筒状に形成された入力部41bが一体に設けられ、当該入力部41bが、回転軸52の軸方向先端部に相対回転不能に固定される。よって、第1太陽ギヤ41aは、回転軸52と同じ回転速度で回転される。また、遊星歯車機構40を減速機構収容部33に組み付けた状態において、第1太陽ギヤ41aと減速機構収容部33の内歯車(図示せず)との間には、合計3つの第1遊星ギヤ41cが設けられている。これらの第1遊星ギヤ41cは、それぞれ第1太陽ギヤ41aおよび内歯車の双方に噛み合わされている。これらの第1遊星ギヤ41cは、第1太陽ギヤ41aの周囲に等間隔(120度間隔)で配置され、第1太陽ギヤ41aの回転に伴って、第1太陽ギヤ41aの周囲を転動する。
【0026】
さらに、第1遊星ギヤ41cの第1太陽ギヤ41a側とは反対側には、略円板状に形成された第1キャリア41dが回転自在に設けられている。第1キャリア41dには、合計3つの第1支持軸41eの長手方向基端部が固定されている。これらの第1支持軸41eは丸鋼棒からなり、その長手方向先端側が、第1遊星ギヤ41cの回転中心に差し込まれている。それぞれの第1支持軸41eは、第1キャリア41dの周方向に等間隔(120度間隔)で配置され、第1遊星ギヤ41cを回転自在に支持している。これにより、それぞれの第1遊星ギヤ41cの転動に伴って、第1キャリア41dは、第1太陽ギヤ41aよりも低速で回転される。
【0027】
第2減速機構42は、第1キャリア41dの軸心に固定された第2太陽ギヤ42aを備えている。つまり、第2太陽ギヤ42aは、第1キャリア41dと同じ回転速度で回転される。また、遊星歯車機構40を減速機構収容部33に組み付けた状態において、第2太陽ギヤ42aと減速機構収容部33の内歯車との間には、合計3つの第2遊星ギヤ42bが設けられている。これらの第2遊星ギヤ42bは、それぞれ第2太陽ギヤ42aおよび内歯車の双方に噛み合わされている。これらの第2遊星ギヤ42bは、第2太陽ギヤ42aの周囲に等間隔(120度間隔)で配置され、第2太陽ギヤ42aの回転に伴って、第2太陽ギヤ42aの周囲を転動する。
【0028】
さらに、第2遊星ギヤ42bの第2太陽ギヤ42a側とは反対側には、略円板状に形成された第2キャリア42cが回転自在に設けられている。第2キャリア42cには、合計3つの第2支持軸42dの長手方向基端部が固定されている。これらの第2支持軸42dは丸鋼棒からなり、その長手方向先端側が、第2遊星ギヤ42bの回転中心に差し込まれている。それぞれの第2支持軸42dは、第2キャリア42cの周方向に等間隔(120度間隔)で配置され、第2遊星ギヤ42bを回転自在に支持している。これにより、それぞれの第2遊星ギヤ42bの転動に伴って、第2キャリア42cは、第2太陽ギヤ42aよりも低速で回転される。
【0029】
また、第2キャリア42cの第2支持軸42d側とは反対側には、略筒状に形成された出力部42eが一体に設けられている。この出力部42eは、リードスクリュー機構60を形成する第1ばね受け部材61の第1回転軸61bが、相対回転不能に固定される。よって、第1回転軸61bは、第2キャリア42cと同じ回転速度で回転される。具体的には、第1回転軸61b(リードスクリュー機構60)は、回転軸52(モータユニット50)の回転に対して、第1,第2減速機構41,42を介して、二段減速された状態で回転駆動される。
【0030】
図2および図5に示されるように、リードスクリュー機構60は、ウォームギヤとしての機能を有し、ギヤ部20を形成する出力ギヤ22(図1参照)を回転させるものである。リードスクリュー機構60は、第1ばね受け部材61と、第2ばね受け部材62と、これらの第1,第2ばね受け部材61,62間に配置されるコイルばね63と、を備えている。すなわち、リードスクリュー機構60を形成するコイルばね63は、回転軸52の回転により軸線C1(図2参照)を中心に回転するようになっている。
【0031】
第1ばね受け部材61は、ハウジング31の長手方向一側(減速機構収容部33側)に配置されており、略円板状に形成された第1大径支持部61aを備えている。第1大径支持部61aは、コイルばね63の長手方向一端部(減速機構収容部33側)を、軸線C1の延在方向から支持している。また、第1大径支持部61aの軸方向一側(減速機構収容部33側)には、第1回転軸61bが一体に設けられ、この第1回転軸61bは、減速機構収容部33の底壁部33aに形成された挿通孔33bに回転自在に支持されている。
【0032】
さらに、第1大径支持部61aの軸方向他側(コイルばね63側)には、コイルばね63の長手方向一端部を、当該コイルばね63の軸心と第1ばね受け部材61の軸心とが互いにずれないように保持する第1小径支持部61cが一体に設けられている。具体的には、リードスクリュー機構60を組み立てた状態(図5の状態)において、第1小径支持部61cは、コイルばね63の長手方向一端部の径方向内側に嵌合される。そして、コイルばね63の長手方向一端部は、第1ばね受け部材61に対して、樹脂材料等からなる接着剤(図示せず)により強固に(相対回転不能に)固定されている。
【0033】
第2ばね受け部材62は、ハウジング31の長手方向他側(軸受装着部34c側)に配置されており、略円板状に形成された第2大径支持部62aを備えている。第2大径支持部62aは、コイルばね63の長手方向他端部(軸受装着部34c側)を、軸線C1の延在方向から支持している。また、第2大径支持部62aの軸方向他側(軸受装着部34c側)には、第2回転軸62bが一体に設けられ、この第2回転軸62bは、軸受装着部34cに装着されたボールベアリング34dに回転自在に支持されている。
【0034】
さらに、第2大径支持部62aの軸方向一側(コイルばね63側)には、コイルばね63の長手方向他端部を、当該コイルばね63の軸心と第2ばね受け部材62の軸心とが互いにずれないように保持する第2小径支持部62cが一体に設けられている。具体的には、リードスクリュー機構60を組み立てた状態(図5の状態)において、第2小径支持部62cは、コイルばね63の長手方向他端部の径方向内側に嵌合される。そして、コイルばね63の長手方向他端部は、第2ばね受け部材62に対して、樹脂材料等からなる接着剤(図示せず)により強固に(相対回転不能に)固定されている。
【0035】
第1,第2ばね受け部材61,62の間に保持されるコイルばね63は、図1の破線円(拡大部分)に示されるように、その素線の断面形状が円形となっている。そして、コイルばね63は、ある程度押し縮められた状態(初期荷重が与えられた状態)で、コイルばね収容部34に収容されている。これにより、コイルばね63がコイルばね収容部34の内部で暴れるようなことが防止され、かつコイルばね63の回転力を出力ギヤ22(図1参照)に効率良く伝達可能となっている。ここで、コイルばね63に加えられる初期荷重は、素線間Sに出力ギヤ22の平歯22a(図1参照)が十分に入り込める程度(噛み合わせ可能な程度)に設定される。これにより、コイルばね63と出力ギヤ22とが、互いにがたつくこと無くスムーズに動力伝達可能に噛み合わされる。
【0036】
次に、以上のように形成されたアクチュエータ10の動作について、図6Aおよび図6Bを用いて詳細に説明する。
【0037】
[アクチュエータ10の駆動時]
例えば、デジタルカメラのフォーカシングレンズを移動させるために、アクチュエータ10を駆動すると、モータユニット50が「正方向」または「逆方向」に回転駆動される。これにより、回転軸52が所定の回転速度で回転され、さらには遊星歯車機構40により減速される。これにより、リードスクリュー機構60が、高トルク化された状態で「正方向」または「逆方向」に回転され、リードスクリュー機構60を形成するコイルばね63の回転に伴って、出力ギヤ22および出力軸21が、さらに減速された状態で回転される。よって、フォーカシングレンズが移動されて焦点距離が調整される。
【0038】
[出力ギヤ22への外力の付加時(1)]
図6Aに示されるように、デジタルカメラを落下させる等してアクチュエータ10に衝撃が加わると、例えば、出力ギヤ22が実線矢印R1方向に強制的に回転される。すると、この状態においてモータユニット50は停止状態であるため、コイルばね63は回転されない。特に、出力ギヤ22およびコイルばね63は、ウォーム減速機構を形成するため、出力ギヤ22側からの入力(外力の付加)に対して、コイルばね63(ウォームギヤに相当)は容易には回転されない。
【0039】
したがって、コイルばね63の軸方向における軸受装着部34c側(図中上側)の半分が、出力ギヤ22の実線矢印R1方向への回転に伴って、軸受装着部34cに向けて押し縮められる(図中破線矢印「縮み」参照)。これにより、出力ギヤ22の平歯22aに大きな負荷が掛かることが抑えられて、平歯22aが欠損すること等が効果的に防止される。よって、アクチュエータ10の耐衝撃性が向上する。なお、コイルばね63の軸方向における減速機構収容部33側(図中下側)の半分は、出力ギヤ22の実線矢印R1方向への回転に伴って、伸びた状態となる(図中破線矢印「伸び」参照)。
【0040】
[出力ギヤ22への外力の付加時(2)]
図6Bに示されるように、同様にデジタルカメラを落下させる等してアクチュエータ10に衝撃が加わると、上述とは逆に、出力ギヤ22が実線矢印R2方向に強制的に回転されることもある。すると今度は、コイルばね63の軸方向における減速機構収容部33側(図中下側)の半分が、減速機構収容部33に向けて押し縮められる(図中破線矢印「縮み」参照)。これにより、出力ギヤ22の平歯22aに大きな負荷が掛かることが抑えられて、平歯22aが欠損すること等が効果的に防止される。よって、この場合においても、アクチュエータ10の耐衝撃性が向上する。なお、コイルばね63の軸方向における軸受装着部34c側(図中上側)の半分は、出力ギヤ22の実線矢印R2方向への回転に伴って、伸びた状態となる(図中破線矢印「伸び」参照)。
【0041】
以上詳述したように、実施の形態1によれば、回転軸52の回転により回転されるコイルばね63と、コイルばね63の径方向外側から当該コイルばね63の素線間Sに入り込む平歯22aを有し、フォーカシングレンズにコイルばね63の回転力を伝達する出力ギヤ22と、を備えているので、仮に、出力ギヤ22が無理に回転されるような衝撃が加わった場合でも、当該衝撃をコイルばね63が伸び縮みすることで吸収する。したがって、出力ギヤ22の平歯22aの歯欠け等の損傷が抑えられ、ひいては当該アクチュエータ10が搭載される製品(デジタルカメラ等)の信頼性を向上させることが可能となる。
【0042】
また、実施の形態1によれば、アクチュエータ10の動力伝達経路に柔軟性を有するコイルばね63が設けられているので、例えば、コイルばね63の軸線C1の位置と出力ギヤ22の回転中心である出力軸21の位置とを、それほど高精度で管理せずに済む。具体的には、コイルばね63の軸線C1の位置と出力ギヤ22の回転中心である出力軸21の位置との離間距離が多少狭くなっても、コイルばね63が湾曲してその誤差を吸収することができる。このとき、コイルばね63に対する出力ギヤ22の噛み合い強度は十分に確保される。
【0043】
さらに、実施の形態1によれば、回転軸52とコイルばね63との間に遊星歯車機構40が設けられ、当該遊星歯車機構40は、回転軸52の回転を減速して高トルク化された回転力をコイルばね63に伝達するので、駆動源であるモータユニット50のさらなる小型化を実現することが可能となる。
【0044】
また、実施の形態1によれば、コイルばね63の素線の断面形状が円形となっているので、リードスクリュー機構60を形成する主要部品であるコイルばね63を、汎用のコイルばねにより形成することができる。よって、アクチュエータ10の製造コストを低減することができ、ひいては種々のデジタルカメラ(スマートフォン等)にも容易に適用可能となる。
【0045】
次に、本発明の実施の形態2について図面を用いて詳細に説明する。なお、上述した実施の形態1と同様の機能を有する部分については同一の記号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0046】
図7は実施の形態2のアクチュエータを示す平面図を示している。
【0047】
図7に示されるように、実施の形態2のアクチュエータ70では、実施の形態1のアクチュエータ10(図1参照)に対して、コイルばね71の形状のみが異なっている。具体的には、実施の形態2のコイルばね71は、図7の破線円(拡大部分)に示されるように、その素線の断面形状が矩形となっている。その他のコイルばね71の素線間Sの寸法等は、実施の形態1のコイルばね63(図1参照)と同じである。
【0048】
以上のように形成された実施の形態2のアクチュエータ70においても、上述した実施の形態1と同様の作用効果を奏することができる。これに加えて、実施の形態2では、コイルばね71の素線の断面形状を矩形としたので、コイルばね71を曲げようとする外力に対して、素線の断面形状が円形のコイルばね63(図1参照)よりも座屈し難くすることができる。
【0049】
したがって、コイルばね71の回転時等において、コイルばね71が歪むことが抑えられ、ひいてはコイルばね71がコイルばね収容部34の第1,第2側壁部34a,34bに接触すること等を確実に抑えることができる。よって、アクチュエータ70の作動音の静粛性向上を図ることができる。
【0050】
次に、本発明の実施の形態3について図面を用いて詳細に説明する。なお、上述した実施の形態1と同様の機能を有する部分については同一の記号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0051】
図8は実施の形態3のアクチュエータを示す平面図を示している。
【0052】
図8に示されるように、実施の形態3のアクチュエータ80では、実施の形態1のアクチュエータ10(図1参照)に対して、ハウジング31のコイルばね収容部81の形状が異なっている。また、実施の形態3のアクチュエータ80では、実施の形態1の出力ギヤ22(図1参照)よりも大径の出力ギヤ82を採用している。
【0053】
具体的には、コイルばね収容部81は、中心CTを中心として所定の曲率で湾曲されている。より具体的には、コイルばね収容部81は、当該コイルばね収容部81の長手方向における軸受装着部34c側が、フレキシブル基板54側とは反対側に倒れるようにして湾曲されている。これにより、コイルばね収容部81のコイルばね露出部34kは、実施の形態1のコイルばね露出部34kに対して大きく開口されている。
【0054】
そして、コイルばね収容部81に回転自在に収容されたコイルばね63においても、コイルばね収容部81の湾曲形状に倣って湾曲された状態となっている。ここで、コイルばね63は、その素線の断面形状が円形(図1参照)となっているので、容易に湾曲可能であり、かつ湾曲状態において軸線C1を中心としてスムーズに回転可能となっている。ただし、素線間Sが比較的大きなコイルばねを用いる場合には、素線の断面形状が矩形のコイルばね(図7参照)を用いることも可能である。
【0055】
このように、実施の形態3のアクチュエータ80では、コイルばね露出部34kを大きく開口させており、これに伴って大径の出力ギヤ82を採用している。具体的には、出力ギヤ82の平歯22aが、中心CTを中心として湾曲状態となったコイルばね63の径方向外側、すなわち、図8に示されるように、コイルばね63のフレキシブル基板54側(図中左側)から、コイルばね63の素線間Sに入り込んで噛み合わされている。
【0056】
以上のように形成された実施の形態3のアクチュエータ80においても、上述した実施の形態1と同様の作用効果を奏することができる。これに加えて、実施の形態3では、湾曲されたコイルばね収容部81に湾曲された状態でコイルばね63を回転自在に収容したので、コイルばね露出部34kを大きく開口させることができる。これにより、限られた省スペースにおいて、大径の出力ギヤ82を採用することが可能となり、大きな減速比を得ることが可能となる。よって、より大きな駆動トルクが必要な駆動対象物を駆動することができる。なお、ここで言う「減速比」は、出力ギヤ82およびコイルばね63からなるウォーム減速機構の「減速比」である。
【0057】
次に、本発明の実施の形態4について図面を用いて詳細に説明する。なお、上述した実施の形態1と同様の機能を有する部分については同一の記号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0058】
図9は実施の形態4のアクチュエータを示す平面図を、図10図9のスライド機構を示す斜視図を示している。
【0059】
図9および図10に示されるように、実施の形態4のアクチュエータ90では、実施の形態1のアクチュエータ10(図1参照)に対して、ギヤ部20に替えてスライド機構91を設けた点が異なっている。具体的には、スライド機構91は、アクチュエータ90の軸方向に往復移動されるスライダー92と、スライダー92の移動を案内するガイドシャフト93と、デジタルカメラのフォーカシングレンズを駆動するレンズ駆動部94と、を備えている。ここで、スライダー92およびレンズ駆動部94は、本発明における駆動部材に相当する。
【0060】
スライダー92は、ガイドシャフト93に摺動自在に装着されるスライド本体92aと、当該スライド本体92aからガイドシャフト93の軸方向と交差する方向に突出されたナット保持部92bと、を有している。スライド本体92aの長手方向両側には、プラスチック等の樹脂材料からなる軸受部材92cがそれぞれ固定されている。これらの軸受部材92cは、ガイドシャフト93に対してスムーズに移動可能に装着されている。これにより、スライダー92は、ガイドシャフト93に対して、振れることなく真っ直ぐにかつスムーズに移動自在となっている。
【0061】
スライド本体92aに一体に設けられたナット保持部92bは、ナット92dを保持している。具体的には、ナット92dは、ナット保持部92bの内側に相対回転不能に固定されている。ここで、ナット92dの径方向内側には、図10に示されるように、雌ねじ部92eが形成されており、当該雌ねじ部92eのねじ山92fが、リードスクリュー機構60を形成するコイルばね63の素線間Sに入り込んで噛み合わされている。つまり、ナット92dは、コイルばね63に対してねじ結合されている。
【0062】
なお、ナット92dは、本発明における出力部材に相当し、ねじ山92fは、本発明における歯部に相当する。そして、ナット92dは、コイルばね63の回転に伴って、当該コイルばね63の軸線方向に移動自在となっている。
【0063】
レンズ駆動部94は、スライド本体92aの長手方向におけるナット保持部92b寄りに配置され、ガイドシャフト93の軸方向と交差する方向に延びている。そして、レンズ駆動部94の基端部94aが、スライド本体92aに固定されている。また、レンズ駆動部94の先端側には、フォーカシングレンズを操作する操作部94bが設けられている。
【0064】
ここで、ガイドシャフト93の軸方向一側(図9の下側)は、モータ固定部32に一体に設けられた第1支持突起95aに固定され、ガイドシャフト93の軸方向他側(図9の上側)は、軸受装着部34cに一体に設けられた第2支持突起95bに固定されている。これにより、ガイドシャフト93は、コイルばね63に対して平行となるように配置されている。
【0065】
また、実施の形態4のアクチュエータ90においては、軸受装着部34cおよび第2支持突起95bの部分に、固定部33cおよびねじ孔33dが追加して設けられている。これにより、アクチュエータ90を三点支持構造として、よりがたつくことなくデジタルカメラの筐体内に固定可能となっている。
【0066】
そして、実施の形態4のアクチュエータ90においても、レンズ駆動部94が矢印M1,M2の方向に強制的に移動されると、コイルばね63が伸縮してその衝撃を吸収する。したがって、ナット92dのねじ山92fに大きな負荷が掛かることが抑えられて、ねじ山92fが欠損すること等が効果的に防止される。よって、アクチュエータ90の耐衝撃性が向上する。
【0067】
以上のように形成された実施の形態4のアクチュエータ90においても、上述した実施の形態1と同様の作用効果を奏することができる。これに加えて、実施の形態4では、リードスクリュー機構60の回転運動を、スライド機構91(出力側)の直線運動に変換できるので、別途特別な機構を設けることなく、往復移動される駆動対象物を駆動することができる。
【0068】
本発明は上述の各実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、上述の各実施の形態では、アクチュエータ10,70,80,90の駆動対象が、デジタルカメラのフォーカシングレンズであるものを示したが、本発明はこれに限らず、その他のカメラ(例えば、スマートフォンやタブレット端末等に搭載されたカメラ)のフォーカシングレンズを駆動するものにも適用することができる。
【0069】
また、上述の各実施の形態では、アクチュエータ10,70,80,90の駆動対象が、デジタルカメラのフォーカシングレンズであるものを示したが、本発明はこれに限らず、例えば、電子機器であるノートパソコンに搭載されたWebカメラを開閉するシャッタ機構(プライバシーシャッタ)を駆動するアクチュエータとしても適用することができる。
【0070】
その他、上述した各実施の形態における各構成要素の材質,形状,寸法,数,設置箇所等は、本発明を達成できるものであれば任意であり、上述した各実施の形態に限定されない。
【符号の説明】
【0071】
10…アクチュエータ、20…ギヤ部、21…出力軸、22…出力ギヤ(出力部材)、22a…平歯(歯部)、30…駆動部、31…ハウジング、32…モータ固定部、32a…開口部、33…減速機構収容部、33a…底壁部、33b…挿通孔、33c…固定部、33d…ねじ孔、34…コイルばね収容部、34a…第1側壁部、34b…第2側壁部、34c…軸受装着部、34d…ボールベアリング、34e…ベアリングカバー、34f…ダストカバー、34g…第1装着凹部、34h…第2装着凹部、34k…コイルばね露出部、40…遊星歯車機構(減速機構)、41…第1減速機構、41a…第1太陽ギヤ、41b…入力部、41c…第1遊星ギヤ、41d…第1キャリア、41e…第1支持軸、42…第2減速機構、42a…第2太陽ギヤ、42b…第2遊星ギヤ、42c…第2キャリア、42d…第2支持軸、42e…出力部、50…モータユニット(電動モータ)、51…モータケース、52…回転軸、53…接続端子、54…フレキシブル基板、60…リードスクリュー機構、61…第1ばね受け部材、61a…第1大径支持部、61b…第1回転軸、61c…第1小径支持部、62…第2ばね受け部材、62a…第2大径支持部、62b…第2回転軸、62c…第2小径支持部、63…コイルばね、70…アクチュエータ、71…コイルばね、80…アクチュエータ、81…コイルばね収容部、82…出力ギヤ、90…アクチュエータ、91…スライド機構、92…スライダー(駆動部材)、92a…スライド本体、92b…ナット保持部、92c…軸受部材、92d…ナット(出力部材)、92e…雌ねじ部、92f…ねじ山、93…ガイドシャフト、94…レンズ駆動部(駆動部材)、94a…基端部、94b…操作部、95a…第1支持突起、95b…第2支持突起、M1…第1ステッピングモータ、M2…第2ステッピングモータ、S…素線間(素線の間)
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10