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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023021537
(43)【公開日】2023-02-14
(54)【発明の名称】ガイドワイヤ
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/09 20060101AFI20230207BHJP
【FI】
A61M25/09 516
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021126461
(22)【出願日】2021-08-02
(71)【出願人】
【識別番号】390030731
【氏名又は名称】朝日インテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134326
【弁理士】
【氏名又は名称】吉本 聡
(72)【発明者】
【氏名】加藤 佑軌
(72)【発明者】
【氏名】内村 将
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA29
4C267BB02
4C267BB03
4C267BB04
4C267BB11
4C267BB12
4C267CC08
4C267CC20
4C267CC23
4C267CC26
4C267HH03
4C267HH04
(57)【要約】
【課題】 比較的大口径のガイディングカテーテルを使用する場合においても、サポートカテーテル及び/またはマイクロカテーテルを必要とすることなく、ガイディングカテーテルを病変部まで良好にデリバリーすることができることに加え、血管追従性を向上させたガイドワイヤを提供する。
【解決手段】 ガイドワイヤ1は、コアシャフト2と、そのコアシャフト2の外周に形成され、コアシャフト2の外径φ2よりも大きい外径の膨隆部9と、その膨隆部9及びコアシャフト2の外周を覆い、コアシャフト2の長軸方向に移動可能に設けられた第1の筒状体3と、その第1の筒状体3に膨隆部9を挟んで設けられ、コアシャフト2の外径よりも大きく、かつ膨隆部9の外径よりも小さい内径の第2の先端側筒状体7a及び基端側筒状体7bと、を備え、第2の先端側筒状体7a及び第2の基端側筒状体7bは、第1の筒状体3の長軸方向中央よりも基端側に配置されている。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コアシャフトと、
そのコアシャフトの外周に形成され、前記コアシャフトの外径よりも大きい外径の膨隆部と、
その膨隆部及び前記コアシャフトの外周を覆い、前記コアシャフトの長軸方向に移動可能に設けられた第1の筒状体と、
その第1の筒状体に前記膨隆部を挟んで設けられ、前記コアシャフトの外径よりも大きく、かつ前記膨隆部の外径よりも小さい内径の一対の第2の筒状体と、
を備え、
前記一対の第2の筒状体は、前記第1の筒状体の長軸方向中央よりも基端側に配置されていることを特徴とするガイドワイヤ。
【請求項2】
前記一対の第2の筒状体のうち、前記第1の筒状体の基端側に配置された第2の筒状体は、前記第1の筒状体の基端に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のガイドワイヤ。
【請求項3】
前記第2の筒状体のうち、少なくとも1つの第2の筒状体は、前記コアシャフトの外径よりも大きく、かつ前記膨隆部の外径よりも小さい内径のコイル体またはチューブ体によって構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のガイドワイヤ。
【請求項4】
前記第1の筒状体の端部のうち、少なくとも1つの端部には、前記コアシャフトの外径よりも大きい内径のコイル体またはチューブ体を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載のガイドワイヤ。
【請求項5】
前記コイル体または前記チューブ体は、第1の筒状体の端部から突出していることを特徴とする請求項4に記載のガイドワイヤ。
【請求項6】
コアシャフトと、
そのコアシャフトの外周に離間して形成され、前記コアシャフトの外径よりも大きい外径の一対の膨隆部と、
その一対の膨隆部及び前記コアシャフトの外周を覆い、前記コアシャフトの長軸方向に移動可能に設けられた第1の筒状体と、
その第1の筒状体の両端部に設けられ、前記コアシャフトの外径よりも大きく、かつ前記一対の膨隆部の外径よりも小さい内径の一対の第3の筒状体と、
を備え、
前記第3の筒状体のうち、少なくとも1つの第3の筒状体は、前記コアシャフトの外径よりも大きく、かつ前記膨隆部の外径よりも小さい内径のコイル体またはチューブ体によって構成されていることを特徴とするガイドワイヤ。
【請求項7】
前記コイル体または前記チューブ体は、第1の筒状体の端部から突出していることを特徴とする請求項6に記載のガイドワイヤ。
【請求項8】
前記膨隆部は、コイル体またはチューブ体から構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れかに記載のガイドワイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用のガイドワイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、治療や検査のために、血管、消化管、尿管等の管状器官や体内組織に挿入して使用されるカテーテル等を案内するためにガイドワイヤが使用されてきた。
【0003】
例えば、特許文献1には、コアシャフト10と、そのコアシャフト10の外周を覆い、コアシャフト10に対して相対移動可能なコイル体20と、コアシャフト10の先端側に備えられた先端コイル体30と、その先端コイル体30の先端に形成された先端接合部40と、コイル体20の先端及び基端に形成された一対の被係合部60と、一対の被係合部60の各々に当接可能であって、コアシャフト10の外周に形成された一対の係合部50と、を備えたガイドワイヤ1が記載されている。
【0004】
特許文献1に記載されたガイドワイヤ1は、コアシャフト10と、そのコアシャフト10に対して相対移動可能であって、コアシャフト10よりも大きな外径のコイル体20と、を備えているので、比較的大口径のガイディングカテーテルを使用する場合においても、従来必要であったサポートカテーテル及び/またはマイクロカテーテルを必要とすることなく、ガイディングカテーテルを病変部まで良好にデリバリーすることができるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2020/225935号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のガイドワイヤにおいては、一対の係合部50のうち、先端側の係合部50が存在するため、ガイドワイヤを患者の体内に挿入する際に、コイル体20の先端に形成された被係合部60と、コアシャフト10の外周に形成された一対の係合部50のうち先端側に形成された係合部50とによって、コイル体20の先端に形成された被係合部60付近の剛性が高くなり、ガイドワイヤの血管追従性が悪くなるといった問題があった。
【0007】
また、被係合部60については、被係合部60に形成された孔内にコアシャフト10が挿入され、かつ被係合部60が係合部50に当接するように、コイル体20の先端及び基端に形成されなければならないため、その形状を加工することが非常に困難であるという問題があった。
【0008】
本発明は、従来技術が有する上述した問題に対応してなされたものであり、比較的大口径のガイディングカテーテルを使用する場合においても、サポートカテーテル及び/またはマイクロカテーテルを必要とすることなく、ガイディングカテーテルを病変部まで良好にデリバリーすることができることに加え、血管追従性を向上させたガイドワイヤ、また、サポートカテーテル及び/またはマイクロカテーテルを必要とすることなく、ガイディングカテーテルを病変部まで良好にデリバリーすることができることに加え、血管追従性を向上させ、かつ組付けを容易にしたガイドワイヤ、さらには、サポートカテーテル及び/またはマイクロカテーテルを必要とすることなく、ガイディングカテーテルを病変部まで良好にデリバリーすることができることに加え、組付けを容易にしたガイドワイヤを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために、本発明の第1の態様のガイドワイヤは、コアシャフトと、そのコアシャフトの外周に形成され、前記コアシャフトの外径よりも大きい外径の膨隆部と、その膨隆部及び前記コアシャフトの外周を覆い、前記コアシャフトの長軸方向に移動可能に設けられた第1の筒状体と、その第1の筒状体に前記膨隆部を挟んで設けられ、前記コアシャフトの外径よりも大きく、かつ前記膨隆部の外径よりも小さい内径の一対の第2の筒状体と、を備え、前記一対の第2の筒状体は、前記第1の筒状体の長軸方向中央よりも基端側に配置されていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の第2の態様は、第1の態様のガイドワイヤにおいて、前記一対の第2の筒状体のうち、前記第1の筒状体の基端側に配置された第2の筒状体は、前記第1の筒状体の基端に配置されていることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の第3の態様は、第1の態様のガイドワイヤまたは第2の態様のガイドワイヤにおいて、前記第2の筒状体のうち、少なくとも1つの第2の筒状体は、前記コアシャフトの外径よりも大きく、かつ前記膨隆部の外径よりも小さい内径のコイル体またはチューブ体によって構成されていることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の第4の態様は、第1の態様乃至第3の態様の何れかのガイドワイヤにおいて、前記第1の筒状体の端部のうち、少なくとも1つの端部には、前記コアシャフトの外径よりも大きい内径のコイル体またはチューブ体を備えていることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の第5の態様は、第4の態様のガイドワイヤにおいて、前記コイル体または前記チューブ体は、第1の筒状体の端部から突出していることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の第6の態様のガイドワイヤは、コアシャフトと、そのコアシャフトの外周に離間して形成され、前記コアシャフトの外径よりも大きい外径の一対の膨隆部と、その一対の膨隆部及び前記コアシャフトの外周を覆い、前記コアシャフトの長軸方向に移動可能に設けられた第1の筒状体と、その第1の筒状体の両端部に設けられ、前記コアシャフトの外径よりも大きく、かつ前記一対の膨隆部の外径よりも小さい内径の一対の第3の筒状体と、を備え、前記第3の筒状体のうち、少なくとも1つの第3の筒状体は、前記コアシャフトの外径よりも大きく、かつ前記膨隆部の外径よりも小さい内径のコイル体またはチューブ体によって構成されていることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の第7の態様は、第6の態様のガイドワイヤにおいて、前記コイル体または前記チューブ体は、第1の筒状体の端部から突出していることを特徴とする。
【0016】
さらに、本発明の第8の態様は、第1の態様乃至第7の態様の何れかのガイドワイヤにおいて、前記膨隆部は、コイル体またはチューブ体から構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明の第1の態様のガイドワイヤによれば、コアシャフトと、そのコアシャフトの外周に形成され、コアシャフトの外径よりも大きい外径の膨隆部と、その膨隆部及びコアシャフトの外周を覆い、コアシャフトの長軸方向に移動可能に設けられた第1の筒状体と、その第1の筒状体に膨隆部を挟んで設けられ、コアシャフトの外径よりも大きく、かつ膨隆部の外径よりも小さい内径の一対の第2の筒状体と、を備え、一対の第2の筒状体は、第1の筒状体の長軸方向中央よりも基端側に配置されているので、手技中において、第1の筒状体の先端部における剛性を低減して、ガイドワイヤの血管追従性を向上させることができる。
【0018】
また、本発明の第2の態様によれば、第1の態様のガイドワイヤにおいて、一対の第2の筒状体のうち、第1の筒状体の基端側に配置された第2の筒状体は、第1の筒状体の基端に配置されているので、第1の態様のガイドワイヤの効果に加え、第1の筒状体の端部を第2の筒状体と兼用することができ、ガイドワイヤの構成を簡略化することができる。
【0019】
また、本発明の第3の態様によれば、第1の態様のガイドワイヤまたは第2の態様のガイドワイヤにおいて、第2の筒状体のうち、少なくとも1つの第2の筒状体は、コアシャフトの外径よりも大きく、かつ膨隆部の外径よりも小さい内径のコイル体またはチューブ体によって構成されているので、第1の態様のガイドワイヤまたは第2の態様のガイドワイヤの効果に加え、コアシャフトに対して移動可能かつ膨隆部に対して当接可能な内径の第2の筒状体を容易に構成することができ、延いては、ガイドワイヤを容易に製造することができる。
【0020】
また、本発明の第4の態様によれば、第1の態様乃至第3の態様の何れかのガイドワイヤにおいて、第1の筒状体の端部のうち、少なくとも1つの端部には、コアシャフトの外径よりも大きい内径のコイル体またはチューブ体を備えているので、第1の態様乃至第3の態様の何れかのガイドワイヤの効果に加え、コアシャフトに対して移動可能な内径の第1の筒状体を容易に構成することができ、延いては、ガイドワイヤを容易に製造することができる。
【0021】
また、本発明の第5の態様によれば、第4の態様のガイドワイヤにおいて、コイル体またはチューブ体は、第1の筒状体の端部から突出しているので、第4の態様のガイドワイヤの効果に加え、第1の筒状体端部近傍における剛性の変化を緩やかにすることができ、延いては、ガイドワイヤの血管追従性をさらに向上させることができる。
【0022】
また、本発明の第6の態様のガイドワイヤによれば、コアシャフトと、そのコアシャフトの外周に離間して形成され、コアシャフトの外径よりも大きい外径の一対の膨隆部と、その一対の膨隆部及びコアシャフトの外周を覆い、コアシャフトの長軸方向に移動可能に設けられた第1の筒状体と、その第1の筒状体の両端部に設けられ、コアシャフトの外径よりも大きく、かつ一対の膨隆部の外径よりも小さい内径の一対の第3の筒状体と、を備え、第3の筒状体のうち、少なくとも1つの第3の筒状体は、コアシャフトの外径よりも大きく、かつ膨隆部の外径よりも小さい内径のコイル体またはチューブ体によって構成されているので、コアシャフトに対して移動可能かつ一対の膨隆部に対して当接可能な内径の第3の筒状体を容易に構成することができ、延いては、ガイドワイヤを容易に製造することができる。
【0023】
また、本発明の第7の態様によれば、第6の態様のガイドワイヤにおいて、コイル体またはチューブ体は、第1の筒状体の端部から突出しているので、第6の態様のガイドワイヤの効果に加え、第1の筒状体端部近傍における剛性の変化を緩やかにすることができ、延いては、ガイドワイヤの血管追従性をさらに向上させることができる。
【0024】
さらに、本発明の第8の態様によれば、第1の態様乃至第7の態様の何れかのガイドワイヤにおいて、膨隆部は、コイル体またはチューブ体から構成されているので、第1の態様乃至第7の態様の何れかのガイドワイヤの効果に加え、第1の筒状体の移動を規制するコアシャフトを容易に構成することができ、延いては、ガイドワイヤをさらに容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の第1実施形態のガイドワイヤの使用状態を示した図である。
図2】第1実施形態のガイドワイヤの全体図である。
図3】第1実施形態のガイドワイヤの縦断面図である。
図4】第1実施形態のガイドワイヤにおいて、コアシャフトを第1の筒状体から先端側に最も移動させた状態を示した縦断面図である。
図5】第1実施形態のガイドワイヤにおいて、コアシャフトを第1の筒状体から基端側に最も移動させた状態を示した縦断面図である。
図6】第2実施形態のガイドワイヤの縦断面図である。
図7】第3実施形態のガイドワイヤの縦断面図である。
図8】第4実施形態のガイドワイヤの縦断面図である。
図9】第5実施形態のガイドワイヤの縦断面図である。
図10】第6実施形態のガイドワイヤの縦断面図である。
図11】第7実施形態のガイドワイヤの縦断面図である。
図12】第8実施形態のガイドワイヤの縦断面図である。
図13】第9実施形態のガイドワイヤの縦断面図である。
図14】第9実施形態のガイドワイヤにおいて、コアシャフトを第1の筒状体から先端側に最も移動させた状態を示した縦断面図である。
図15】第9実施形態のガイドワイヤにおいて、コアシャフトを第1の筒状体から基端側に最も移動させた状態を示した縦断面図である。
図16】第10実施形態のガイドワイヤの縦断面図である。
図17】第11実施形態のガイドワイヤの縦断面図である。
図18】第12実施形態のガイドワイヤの縦断面図である。
図19】第13実施形態のガイドワイヤの縦断面図である。
図20】第14実施形態のガイドワイヤの縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0027】
(第1実施形態)
先ず、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態のガイドワイヤの使用状態を示した図であり、図2は、第1実施形態のガイドワイヤの全体図であり、図3は、第1実施形態のガイドワイヤの縦断面図である。
【0028】
また、図4は、第1実施形態のガイドワイヤにおいて、コアシャフトを第1の筒状体から先端側に最も移動させた状態を示した縦断面図であり、図5は、第1実施形態のガイドワイヤにおいて、コアシャフトを第1の筒状体から基端側に最も移動させた状態を示した縦断面図である。
【0029】
なお、本実施形態及び後述する実施形態に使用する図面は、理解を容易にするために誇張して表現されており、その寸法は実際の寸法とは異なる。
【0030】
また、本実施形態及び後述する実施形態において記載するガイドワイヤを構成する素線は、断面円形の素線が使用されており、ガイドワイヤの軸方向に切断した実際の素線の断面は、素線の撚り角に応じて若干楕円形状となるが、説明の都合上、図面のおいては、素線の撚り角に対して直角に切断した円形断面の素線として記載する。
【0031】
図1及び図2に示すように、本実施形態のガイドワイヤ1は、血管、消化管、尿管等の管状器官や体内組織に挿入される比較的大口径のガイディングカテーテル200の内腔に挿入して、ガイディングカテーテル200の先端から突出可能な態様で使用されるガイドワイヤであって、コアシャフト2と、そのコアシャフト2の外周を覆い、コアシャフト2の長軸方向(図面上+X方向及び-X方向)に移動可能に設けられた第1の筒状体3と、を備える。
【0032】
なお、本実施形態のガイドワイヤ1は、図1及び図2に示すように、比較的大口径のガイディングカテーテル200の先端から突出可能な態様で説明するが、本実施形態のガイドワイヤ1と一緒に使用されるカテーテルは、特に、ガイディングカテーテルという名称に限定されるものではなく、本実施形態のガイドワイヤ1が挿入可能なカテーテルであれば、名称がサポートカテーテル、マイクロカテーテル等他の名称のカテーテルであっても使用可能である。
【0033】
また、ガイドワイヤと一緒に使用されるカテーテルが、特に、ガイディングカテーテルという名称に限定されるものではなく、ガイドワイヤが挿入可能なカテーテルであれば、名称がサポートカテーテル、マイクロカテーテル等他の名称のカテーテルであっても使用可能である点は、後述する実施形態のガイドワイヤにおいても同様である。
【0034】
コアシャフト2は、図3に示すように、ガイドワイヤ1の基端から先端に亙って延在しており、基端側の第1の円筒部2cと、その第1の円筒部2cの先端に連続して形成され先端に向かって外径が細くなった断面テーパ形状の円錐部2bと、その円錐部2bの先端に連続して形成され外径が一定の第2の円筒部2aとから構成されている。
【0035】
また、コアシャフト2は、コアシャフト2との間に第4の空隙部4gを形成するようにコアシャフト2の先端部を覆う第4のコイル体4と、コアシャフト2の先端と第4のコイル体4の先端とを接続する先端チップ6aと、コアシャフト2と第4のコイル体4の基端とを接続するロウ付け部6bと、先端チップ6a、第4のコイル体4及びロウ付け部6bの外周を覆うコーティング剤8と、を備える。
【0036】
さらに、コアシャフト2は、その外径φ2よりも大きく、かつ後述する先端側第2の筒状体7aの内径φ7a及び後述する第2の基端側筒状体7b(第3の基端側筒状体5b)の内径φ7bよりも大きい外径φ9の膨隆部9をコアシャフト2の外周に備える。
【0037】
なお、コアシャフト2の外径φ2のφ2とは、コアシャフト2の外径であることを意味し、外径2mm等の数値を意味するものではなく、また、先端側第2の筒状体7aの内径φ7aにおけるφ7a及び基端側第2の筒状体7bの内径φ7bにおけるφ7bとは、先端側第2の筒状体7aの内径及び基端側第2の筒状体7bの内径であることを意味し、内径7amm等の数値を意味するものではない。この点は、後述するφの記載において同様である。
【0038】
第4のコイル体4は、1本または複数の素線を巻回して中空円筒形状に形成されており、その材料は、タングステン、Ni-Ti系合金等、生体適合性を有する材料であれば特に限定されないが、本実施形態ではステンレス鋼が使用されている。
【0039】
本実施形態の膨隆部9は、コアシャフト2に挿勘可能な内径を有する環状の部材であって、接着剤、金錫系ロウ材、銀錫系ロウ材等の接合部材によってコアシャフト2に固着されているものであるが、その形態の部材に限定されるものではなく、膨隆部9は、生体適合性を有するロウ材をコアシャフト2の外周に塗布した形態のものであっても良く、また、コアシャフト2自体の外径を大きくして形成するようにしたものであっても良く、結果的に、コアシャフト2が第1の筒状体3内を移動する際に、後述する先端側第2の筒状体7a及び後述する第2の基端側筒状体7b(第3の基端側筒状体5b)に当接し、コアシャフト2の移動が規制される形態のものであれば良い。
【0040】
なお、膨隆部9を形成する材料は、生体適合性を有する金属、樹脂等であれば特に限定されないが、本実施形態ではステンレス鋼が使用されている。
【0041】
すなわち、本実施形態の膨隆部9は、ステンレス鋼からなる環状の部材であり、そのステンレス鋼からなる環状の部材である膨隆部9がコアシャフト2の外周に接着剤、金錫系ロウ材、銀錫系ロウ材等の接合部材によってコアシャフト2の外周に固着されている。
【0042】
コアシャフト2を形成する材料は、タングステン、Ni-Ti系合金等、生体適合性を有する材料であれば特に限定されないが、本実施形態では共にステンレス鋼が使用されている。
【0043】
また、先端チップ6a、及びロウ付け部6bを形成する材料は、金錫系ロウ材、銀錫系ロウ材等、生体適合性を有する材料であれば特に限定されないが、本実施形態では共に銀錫系ロウ材が使用されている。
【0044】
さらに、コーティング剤8を形成する材料は、例えば、ポリウレタン、シリコン含有樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリレート)、無水マレイン酸系共重合体、エチレンビニルアルコール共重合体、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンまたはその共重合体、(2-ヒドロキシエチルメタクリレート)―スチレンブロック共重合体、各種合成ポリペプチド、コラーゲン、ヒアルロン酸、セルロース系ポリマー、およびこれらの混合物等を使用することが可能であるが、本実施形態では、シリコン含有樹脂が使用されている。
【0045】
第1の筒状体3は、膨隆部9及びコアシャフト2の外周を覆うように中空円筒形状を呈し、コアシャフト2の長軸方向(図面上+X方向及び-X方向)に移動可能であって、第1の筒状体3の先端に接続された第3の先端側筒状体5aと、第1の筒状体3の基端に接続された第3の基端側筒状体5b(第2の基端側筒状体7b(本発明の「第2の筒状体」に相当))と、第1の筒状体3の長軸方向中央よりも基端側に配置された第2の先端側筒状体7a(本発明の「第2の筒状体」に相当)とを備える。
【0046】
第1の筒状体3は、1本または複数の素線を巻回して中空円筒形状に形成されており、その内径φ3は、コアシャフト2の先端部分の外径φ8よりも大きく、かつ第3の先端側筒状体5aの内径φ5a及び第3の基端側筒状体5b(第2の基端側筒状体7b)の内径φ7bよりも大きい。
【0047】
なお、第1の筒状体3を形成する材料は、タングステン、Ni-Ti系合金等、生体適合性を有する材料であれば特に限定されないが、本実施形態ではステンレス鋼が使用されている。
【0048】
第3の先端側筒状体5aは、第1の筒状体3の先端に接続された先端側先細りの中空円錐台形状を呈し、コアシャフト2が挿入可能なように、内径φ5aの断面円形の孔が第1の筒状体3の長軸方向(図面上+X方向及び-X方向)に沿って円筒形に切削加工されている。
【0049】
なお、第3の先端側筒状体5aの内径φ5aは、コアシャフト2の外径φ2よりも大きく、かつコアシャフト2の先端部分の外径φ8よりも大きい。
【0050】
また、第3の基端側筒状体5b(第2の基端側筒状体7b)は、第1の筒状体3の基端に接続された基端側先細りの中空円錐台形状を呈し、コアシャフト2が挿入可能なように、内径φ7bの断面円形の孔が第1の筒状体3の長軸方向(図面上+X方向及び-X方向)に沿って円筒形に切削加工されている。
【0051】
なお、第3の基端側筒状体5b(第2の基端側筒状体7b)の内径φ7bは、コアシャフト2の外径φ2よりも大きく、かつ膨隆部9の外径φ9よりも小さい。
【0052】
さらに、第2の先端側筒状体7aは、第1の筒状体3の長軸方向中央よりも基端側に配置され、中空円筒形状を呈し、コアシャフト2が挿入可能なように、内径φ7aの断面円形の孔が第1の筒状体3の長軸方向(図面上+X方向及び-X方向)に沿って円筒形に切削加工されている。
【0053】
なお、第2の先端側筒状体7aの内径φ7aも、コアシャフト2の外径φ2よりも大きく、かつ膨隆部9の外径φ9よりも小さい。
【0054】
第3の先端側筒状体5a、第3の基端側筒状体5b(第2の基端側筒状体7b)、及び第2の先端側筒状体7aを形成する材料は、生体適合性を有する金属、または樹脂であれば特に限定されないが、本実施形態では銀錫系ロウ材が使用されている。
【0055】
また、第1の筒状体3は、コアシャフト2との間に空隙3gが形成されており、先端側筒状体5aは、コアシャフト2の先端部分との間に空隙5agが形成されており、第3の基端側筒状体5b(第2の基端側筒状体7b)は、コアシャフト2との間に空隙5bg(7bg)が形成されており、第2の先端側筒状体7aは、コアシャフト2の先端部分との間に空隙7agが形成されており、さらに、膨隆部9は、第1の筒状体3との間に空隙9gが形成されているので、第1の筒状体3は、コアシャフト2に対して、スムーズに長軸方向(図面上+X方向及び-X方向)に移動可能である。
【0056】
なお、上述した通り、図面は、理解を容易にするために誇張して表現されており、空隙5bg(7bg)は、その長さが誇張されて非常に長く記載されているが、本実施形態のコアシャフト2は、第1の筒状体3に対してスムーズに移動可能なように構成されており、コアシャフト2と第1の筒状体3との間にガタは殆ど無い。
【0057】
このように構成されたガイドワイヤ1を使用して、手技者が第1の筒状体3の基端部及びコアシャフト2の基端部を把持し、コアシャフト2を第1の筒状体3に対して+X方向に移動させた場合には、図4に示すように、膨隆部9が第2の先端側筒状体7aに当接し、コアシャフト2の先端部が第1の筒状体3の先端から突出することとなる。
【0058】
一方、手技者が第1の筒状体3の基端部及びコアシャフト2の基端部を把持し、コアシャフト2を第1の筒状体3に対して-X方向に移動させた場合には、図5に示すように、膨隆部9が第3の基端側筒状体5b(第2の基端側筒状体7b)に当接し、コアシャフト2の先端部が第1の筒状体3の先端内部に入り込むこととなる。
【0059】
本実施形態のガイドワイヤ1によれば、コアシャフト2と、そのコアシャフト2の外周に形成され、コアシャフト2の外径φ2よりも大きい外径φ9の膨隆部9と、その膨隆部9及びコアシャフト2の外周を覆い、コアシャフト2の長軸方向に移動可能に設けられた第1の筒状体3と、その第1の筒状体3に膨隆部9を挟んで設けられ、コアシャフト2の外径φ2よりも大きく、かつ膨隆部9の外径φ9よりも小さい内径φ7aの第2の先端側筒状体7a及びコアシャフト2の外径φ2よりも大きく、かつ膨隆部9の外径φ9よりも小さい内径7bの第2の基端側筒状体7bと、を備え、一対の第2の先端側筒状体7a及び第2の基端側筒状体7bは、第1の筒状体3の長軸方向中央よりも基端側に配置されているので、手技中において、第1の筒状体3の先端部における剛性を低減して、ガイドワイヤ1の血管追従性を向上させることができる。
【0060】
また、本実施形態のガイドワイヤ1によれば、コアシャフト2と、そのコアシャフト2の外周に形成され、コアシャフト2の外径φ2よりも大きい外径φ9の膨隆部9と、その膨隆部9及びコアシャフト2の外周を覆い、コアシャフト2の長軸方向に移動可能に設けられた第1の筒状体3と、その第1の筒状体3に膨隆部9を挟んで設けられ、コアシャフト2の外径φ2よりも大きく、かつ膨隆部9の外径φ9よりも小さい内径φ7aの第2の先端側筒状体7a及び、コアシャフト2の外径φ2よりも大きく、かつ膨隆部9の外径φ9よりも小さい内径7bの第2の基端側筒状体7bと、を備え、一対の第2の先端側筒状体7a及び第2の基端側筒状体7bは、第1の筒状体3の長軸方向中央よりも基端側に配置されており、一対の第2の先端側筒状体7a及び第2の基端側筒状体7bのうち、第1の筒状体3の基端側に配置された第2の基端側筒状体7bは、第1の筒状体3の基端に配置されているので、手技中において、第1の筒状体3の先端部における剛性を低減して、ガイドワイヤ1の血管追従性を向上させることができるとともに、第1の筒状体3の端部を第2の基端側筒状体7bと兼用することができ、ガイドワイヤの構成を簡略化することができる。
【0061】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図6は、第2実施形態のガイドワイヤの縦断面図である。
【0062】
なお、本実施形態におけるガイドワイヤ10及び後述する実施形態の各ガイドワイヤの使用状態、並びに、本実施形態におけるガイドワイヤ10及び後述する実施形態の各ガイドワイヤの全体図は、図1及び図2と同様である。
【0063】
また、本実施形態におけるガイドワイヤ10は、一部を除いて第1実施形態におけるガイドワイヤ1と基本的に同一であるため、第1実施形態と同一の部材については同一の番号を付し、説明を省略する。
【0064】
本実施形態のガイドワイヤ10のコアシャフト2は、図6に示すように、その外径φ2よりも大きく、かつ後述する先端側第2の筒状体17aの内径φ17a及び後述する基端側第2の筒状体17b(第3の基端側筒状体15b)の内径φ17bよりも大きい外径φ19のチューブ体からなる膨隆部19をコアシャフト2の外周に備える。
【0065】
本実施形態の膨隆部19は、コアシャフト2に挿勘可能な内径を有する金属製または樹脂製の中空円筒形状のチューブ体であって、接着剤、金錫系ロウ材、銀錫系ロウ材等の接合部材16によってコアシャフト2に固着されているものであり、コアシャフト2が第1の筒状体3内を移動する際に、後述する先端側第2の筒状体17a及び後述する第2の基端側筒状体17b(第3の基端側筒状体15b)に当接し、コアシャフト2の移動が規制されるものである。
【0066】
なお、膨隆部19を形成する材料は、ステンレス鋼、タングステン、Ni-Ti系合金等の金属、PTFE(ポリテトラフロオロエチレン)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PFA(四フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂)、FEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、ETFE(四フッ化エチレン・エチレン共重合樹脂)、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)等の樹脂等生体適合性を有する材料であれば特に問題はないが、本実施形態ではステンレス鋼が使用されている。
【0067】
第1の筒状体3は、膨隆部19及びコアシャフト2の外周を覆うように中空円筒形状を呈し、コアシャフト2の長軸方向(図面上+X方向及び-X方向)に移動可能であって、第1の筒状体3の先端に接続された第3の先端側筒状体5aと、第1の筒状体3の基端に接続された第3の基端側筒状体15b(第2の基端側筒状体17b(本発明の「第2の筒状体」に相当))と、第1の筒状体3の長軸方向中央よりも基端側に配置された第2の先端側筒状体17a(本発明の「第2の筒状体」に相当)とを備える。
【0068】
第3の基端側筒状体15b(第2の基端側筒状体17b)は、第1の筒状体3の基端に接続された基端側先細りの中空円錐台形状を呈し、コアシャフト2が挿入可能なように、内径φ17bの断面円形の孔が第1の筒状体3の長軸方向(図面上+X方向及び-X方向)に沿って円筒形に切削加工されている。
【0069】
なお、第3の基端側筒状体15b(第2の基端側筒状体17b)の内径φ17bは、コアシャフト2の外径φ2よりも大きく、かつチューブ体からなる膨隆部19の外径φ19よりも小さい。
【0070】
また、第2の先端側筒状体17aは、第1の筒状体3の長軸方向中央よりも基端側に配置され、中空円筒形状を呈し、コアシャフト2が挿入可能なように、内径φ17aの断面円形の孔が第1の筒状体3の長軸方向(図面上+X方向及び-X方向)に沿って円筒形に切削加工されている。
【0071】
なお、第2の先端側筒状体17aの内径φ17aも、コアシャフト2の外径φ2よりも大きく、かつチューブ体からなる膨隆部19の外径φ19よりも小さい。
【0072】
なお、第3の基端側筒状体15b(第2の基端側筒状体17b)、及び第2の先端側筒状体17aを形成する材料は、生体適合性を有する金属、または樹脂であれば特に限定されないが、本実施形態では銀錫系ロウ材が使用されている。
【0073】
また、第3の基端側筒状体15b(第2の基端側筒状体17b)は、コアシャフト2との間に空隙15bg(17bg)が形成されており、第2の先端側筒状体17aは、コアシャフト2との間に空隙17agが形成されており、さらに、膨隆部19は、第1の筒状体3との間に空隙19gが形成されているので、第1の筒状体3は、コアシャフト2に対して、スムーズに長軸方向(図面上+X方向及び-X方向)に移動可能である。
【0074】
なお、上述した通り、図面は、理解を容易にするために誇張して表現されており、空隙15bg(17bg)は、その長さが誇張されて非常に長く記載されているが、本実施形態のコアシャフト2は、第1の筒状体3に対してスムーズに移動可能なように構成されており、コアシャフト2と第1の筒状体3との間にガタは殆ど無い。
【0075】
本実施形態のガイドワイヤ10によれば、コアシャフト2と、そのコアシャフト2の外周に形成され、コアシャフト2の外径φ2よりも大きい外径φ19の膨隆部19と、その膨隆部19及びコアシャフト2の外周を覆い、コアシャフト2の長軸方向に移動可能に設けられた第1の筒状体3と、その第1の筒状体3に膨隆部19を挟んで設けられ、コアシャフト2の外径φ2よりも大きく、かつ膨隆部19の外径φ19よりも小さい内径φ17aの第2の先端側筒状体17a及びコアシャフト2の外径φ2よりも大きく、かつ膨隆部19の外径φ19よりも小さい内径17bの第2の基端側筒状体17bと、を備え、一対の第2の先端側筒状体17a及び第2の基端側筒状体17bは、第1の筒状体3の長軸方向中央よりも基端側に配置されているので、手技中において、第1の筒状体3の先端部における剛性を低減して、ガイドワイヤ10の血管追従性を向上させることができる。
【0076】
また、本実施形態のガイドワイヤ10によれば、コアシャフト2と、そのコアシャフト2の外周に形成され、コアシャフト2の外径φ2よりも大きい外径φ19の膨隆部19と、その膨隆部19及びコアシャフト2の外周を覆い、コアシャフト2の長軸方向に移動可能に設けられた第1の筒状体3と、その第1の筒状体3に膨隆部19を挟んで設けられ、コアシャフト2の外径φ2よりも大きく、かつ膨隆部19の外径φ19よりも小さい内径φ17aの第2の先端側筒状体17a及びコアシャフト2の外径φ2よりも大きく、かつ膨隆部19の外径φ19よりも小さい内径17bの第2の基端側筒状体17bと、を備え、一対の第2の先端側筒状体17a及び第2の基端側筒状体17bは、第1の筒状体3の長軸方向中央よりも基端側に配置されており、一対の第2の先端側筒状体17a及び第2の基端側筒状体17bのうち、第1の筒状体3の基端側に配置された第2の基端側筒状体17bは、第1の筒状体3の基端に配置されているので、手技中において、第1の筒状体3の先端部における剛性を低減して、ガイドワイヤ10の血管追従性を向上させることができるとともに、第1の筒状体3の端部を第2の基端側筒状体17bと兼用することができ、ガイドワイヤの構成を簡略化することができる。
【0077】
さらに、本実施形態のガイドワイヤ10によれば、膨隆部19は、チューブ体から構成されているので、第1の筒状体3の移動を規制するコアシャフト2を容易に構成することができ、延いては、ガイドワイヤ10を容易に製造することができる。
【0078】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。図7は、第3実施形態のガイドワイヤの縦断面図である。
【0079】
なお、本実施形態におけるガイドワイヤ20は、一部を除いて第2実施形態におけるガイドワイヤ10と基本的に同一であるため、第2実施形態と同一の部材については同一の番号を付し、説明を省略する。
【0080】
本実施形態のガイドワイヤ20のコアシャフト2は、図7に示すように、その外径φ2よりも大きく、かつ後述する先端側第2の筒状体17aの内径φ17a及び後述する第2の基端側筒状体17b(第3の基端側筒状体15b)の内径φ17bよりも大きい外径φ29のコイル体からなる膨隆部29をコアシャフト2の外周に備える。
【0081】
本実施形態の膨隆部29は、1本または複数の素線を巻回して中空円筒形状に形成されたコイル体であり、コアシャフト2に挿勘可能な内径を有し、接着剤、金錫系ロウ材、銀錫系ロウ材等の接合部材26によってコアシャフト2に固着されているものであり、コアシャフト2が第1の筒状体3内を移動する際に、後述する先端側第2の筒状体17a及び後述する第2の基端側筒状体17b(第3の基端側筒状体15b)に当接し、コアシャフト2の移動が規制されるものである。
【0082】
したがって、膨隆部29の外径φ29は、コアシャフト2の外径φ2、第2の先端側筒状体17aの内径φ17a及び第2の基端側筒状体17b(第3の基端側筒状体15b)の内径φ17bよりも大きい。
【0083】
なお、膨隆部29を形成する材料は、ステンレス鋼、タングステン、Ni-Ti系合金等の生体適合性を有する材料であれば特に問題はないが、本実施形態ではステンレス鋼が使用されている。
【0084】
また、膨隆部29は、第1の筒状体3との間に空隙29gが形成されているので、第1の筒状体3は、コアシャフト2に対して、スムーズに長軸方向(図面上+X方向及び-X方向)に移動可能である。
【0085】
本実施形態のガイドワイヤ20によれば、コアシャフト2と、そのコアシャフト2の外周に形成され、コアシャフト2の外径φ2よりも大きい外径φ29の膨隆部29と、その膨隆部29及びコアシャフト2の外周を覆い、コアシャフト2の長軸方向に移動可能に設けられた第1の筒状体3と、その第1の筒状体3に膨隆部29を挟んで設けられ、コアシャフト2の外径φ2よりも大きく、かつ膨隆部29の外径φ29よりも小さい内径φ17aの第2の先端側筒状体17a及びコアシャフト2の外径φ2よりも大きく、かつ膨隆部29の外径φ29よりも小さい内径17bの第2の基端側筒状体17bと、を備え、一対の第2の先端側筒状体17a及び第2の基端側筒状体17bは、第1の筒状体3の長軸方向中央よりも基端側に配置されているので、手技中において、第1の筒状体3の先端部における剛性を低減して、ガイドワイヤ20の血管追従性を向上させることができる。
【0086】
また、本実施形態のガイドワイヤ20によれば、コアシャフト2と、そのコアシャフト2の外周に形成され、コアシャフト2の外径φ2よりも大きい外径φ29の膨隆部29と、その膨隆部29及びコアシャフト2の外周を覆い、コアシャフト2の長軸方向に移動可能に設けられた第1の筒状体3と、その第1の筒状体3に膨隆部29を挟んで設けられ、コアシャフト2の外径φ2よりも大きく、かつ膨隆部29の外径φ29よりも小さい内径φ17aの第2の先端側筒状体17a及びコアシャフト2の外径φ2よりも大きく、かつ膨隆部29の外径φ29よりも小さい内径17bの第2の基端側筒状体17bと、を備え、一対の第2の先端側筒状体17a及び第2の基端側筒状体17bは、第1の筒状体3の長軸方向中央よりも基端側に配置されているので、手技中において、第1の筒状体3の先端部における剛性を低減して、ガイドワイヤ20の血管追従性を向上させることができるとともに、第1の筒状体3の端部を第2の基端側筒状体17bと兼用することができ、ガイドワイヤの構成を簡略化することができる。
【0087】
さらに、本実施形態のガイドワイヤ20によれば、膨隆部29は、コイル体から構成されているので、第1の筒状体3の移動を規制するコアシャフト2を容易に構成することができ、延いては、ガイドワイヤ20を容易に製造することができる。
【0088】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について説明する。図8は、第4実施形態のガイドワイヤの縦断面図である。
【0089】
なお、本実施形態におけるガイドワイヤ30は、一部を除いて第1実施形態におけるガイドワイヤ1と基本的に同一であるため、第1実施形態と同一の部材については同一の番号を付し、説明を省略する。
【0090】
第1の筒状体3は、膨隆部9及びコアシャフト2の外周を覆うように中空円筒形状を呈し、コアシャフト2の長軸方向(図面上+X方向及び-X方向)に移動可能であって、第1の筒状体3の先端に接続された第3の先端側筒状体35aと、第1の筒状体3の基端に接続された第3の基端側筒状体35b(第2の基端側筒状体37b(本発明の「第2の筒状体」に相当))と、第1の筒状体3の長軸方向中央よりも基端側に配置された第2の先端側筒状体37a(本発明の「第2の筒状体」に相当)とを備える。
【0091】
第3の先端側筒状体35aは、第1の筒状体3の先端の内壁に接着剤、金錫系ロウ材、銀錫系ロウ材等の接合部材36aによって接続された中空円筒形状のチューブ体であり、コアシャフト2が挿入可能なように、内径φ35aの断面円形の孔が第1の筒状体3の長軸方向(図面上+X方向及び-X方向)に沿って形成されている。
【0092】
なお、第3の先端側筒状体35aの内径φ35aは、コアシャフト2の外径φ2よりも大きく、かつコアシャフト2の先端部分の外径φ8よりも大きい。
【0093】
また、第3の基端側筒状体35b(第2の基端側筒状体37b)も、第1の筒状体3の基端の内壁に接着剤、金錫系ロウ材、銀錫系ロウ材等の接合部材36bによって接続された中空円筒形状のチューブ体であり、コアシャフト2が挿入可能なように、内径φ37bの断面円形の孔が第1の筒状体3の長軸方向(図面上+X方向及び-X方向)に沿って形成されている。なお、第3の基端側筒状体35b(第2の基端側筒状体37b)の内径φ37bは、コアシャフト2の外径φ2よりも大きく、かつ膨隆部9の外径φ9よりも小さい。
【0094】
さらに、第2の先端側筒状体37aは、第1の筒状体3の長軸方向中央よりも基端側に配置され、第1の筒状体3の内壁に接着剤、金錫系ロウ材、銀錫系ロウ材等の接合部材36cによって接続された中空円筒形状のチューブ体であり、コアシャフト2が挿入可能なように、内径φ37aの断面円形の孔が第1の筒状体3の長軸方向(図面上+X方向及び-X方向)に沿って形成されている。
【0095】
なお、第2の先端側筒状体37aの内径φ37aも、コアシャフト2の外径φ2よりも大きく、かつ膨隆部9の外径φ9よりも小さい。
【0096】
また、第3の先端側筒状体35a、第3の基端側筒状体35b(第2の基端側筒状体37b)、及び第2の先端側筒状体37aを形成する材料は、生体適合性を有する金属、または樹脂であれば特に限定されないが、本実施形態ではステンレス鋼が使用されている。
【0097】
また、先端側筒状体35aは、コアシャフト2の先端部分との間に空隙35agが形成されており、第3の基端側筒状体35b(第2の基端側筒状体37b)は、コアシャフト2との間に空隙35bg(37bg)が形成されており、第2の先端側筒状体37aは、コアシャフト2との間に空隙37agが形成されているので、第1の筒状体3は、コアシャフト2に対して、スムーズに長軸方向(図面上+X方向及び-X方向)に移動可能である。
【0098】
なお、上述した通り、図面は、理解を容易にするために誇張して表現されており、空隙35bg(37bg)は、その長さが誇張されて非常に長く記載されているが、本実施形態のコアシャフト2は、第1の筒状体3に対してスムーズに移動可能なように構成されており、コアシャフト2と第1の筒状体3との間にガタは殆ど無い。
【0099】
本実施形態のガイドワイヤ30によれば、コアシャフト2と、そのコアシャフト2の外周に形成され、コアシャフト2の外径φ2よりも大きい外径φ9の膨隆部9と、その膨隆部9及びコアシャフト2の外周を覆い、コアシャフト2の長軸方向に移動可能に設けられた第1の筒状体3と、その第1の筒状体3に膨隆部9を挟んで設けられ、コアシャフト2の外径φ2よりも大きく、かつ膨隆部9の外径φ9よりも小さい内径φ37aの第2の先端側筒状体37a及びコアシャフト2の外径φ2よりも大きく、かつ膨隆部9の外径φ9よりも小さい内径37bの第2の基端側筒状体37bと、を備え、一対の第2の先端側筒状体37a及び第2の基端側筒状体37bは、第1の筒状体3の長軸方向中央よりも基端側に配置されているので、手技中において、第1の筒状体3の先端部における剛性を低減して、ガイドワイヤ30の血管追従性を向上させることができる。
【0100】
また、本実施形態のガイドワイヤ30によれば、コアシャフト2と、そのコアシャフト2の外周に形成され、コアシャフト2の外径φ2よりも大きい外径φ9の膨隆部9と、その膨隆部9及びコアシャフト2の外周を覆い、コアシャフト2の長軸方向に移動可能に設けられた第1の筒状体3と、その第1の筒状体3に膨隆部9を挟んで設けられ、コアシャフト2の外径φ2よりも大きく、かつ膨隆部9の外径φ9よりも小さい内径φ37aの第2の先端側筒状体37a及びコアシャフト2の外径φ2よりも大きく、かつ膨隆部9の外径φ9よりも小さい内径37bの第2の基端側筒状体37bと、を備え、一対の第2の先端側筒状体37a及び第2の基端側筒状体37bは、第1の筒状体3の長軸方向中央よりも基端側に配置されており、一対の第2の先端側筒状体37a及び第2の基端側筒状体37bのうち、第1の筒状体3の基端側に配置された第2の基端側筒状体37bは、第1の筒状体3の基端に配置されているので、手技中において、第1の筒状体3の先端部における剛性を低減して、ガイドワイヤ30の血管追従性を向上させることができるとともに、第1の筒状体3の端部を第2の基端側筒状体37bと兼用することができ、ガイドワイヤの構成を簡略化することができる。
【0101】
また、本実施形態のガイドワイヤ30によれば、第2の先端側筒状体37a及び第2の基端側筒状体37bは、コアシャフト2の外径φ2よりも大きく、かつ膨隆部9の外径9よりも小さい内径φ37a及び内径φ37bのチューブ体によって構成されているので、コアシャフト2に対して移動可能かつ膨隆部9に対して当接可能な内径の第1の筒状体3を容易に構成することができ、延いては、ガイドワイヤ30を容易に製造することができる。
【0102】
また、本実施形態のガイドワイヤ30によれば、第1の筒状体3の両端部において、コアシャフト2の外径φ2よりも大きい内径φ35a及び内径37bのチューブ体からなる第3の先端側筒状体35a及び第3の基端側筒状体35bを備えているので、コアシャフト2に対して移動可能な内径の第1の筒状体3を容易に構成することができ、延いては、ガイドワイヤ30を容易に製造することができる。
【0103】
なお、本実施形態のガイドワイヤ30では、第3の先端側筒状体35a及び第3の基端側筒状体35bの両方がチューブ体から構成されているものとして説明したが、第3の先端側筒状体35a及び第3の基端側筒状体35bのうち少なくとも一方がチューブ体から構成されていれば良い。
【0104】
但し、第3の先端側筒状体35a及び第3の基端側筒状体35bの両方がチューブ体から構成されている方が、コアシャフト2に対して移動可能な内径の第1の筒状体3をさらに容易に構成することができ、延いては、ガイドワイヤ30をさらに容易に製造することができる。
【0105】
また、本実施形態のガイドワイヤ30では、第2の先端側筒状体37a及び第2の基端側筒状体37bの両方がチューブ体から構成されているものとして説明したが、第2の先端側筒状体37a及び第2の基端側筒状体37bのうち少なくとも一方がチューブ体から構成されていれば良い。
【0106】
但し、第2の先端側筒状体37a及び第2の基端側筒状体37bの両方がチューブ体から構成されている方が、コアシャフト2に対して移動可能な内径の第1の筒状体3をさらに容易に構成することができ、延いては、ガイドワイヤ30をさらに容易に製造することができる。
【0107】
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について説明する。図9は、第5実施形態のガイドワイヤの縦断面図である。
【0108】
なお、本実施形態におけるガイドワイヤ40は、一部を除いて第4実施形態におけるガイドワイヤ30と基本的に同一であるため、第4実施形態と同一の部材については同一の番号を付し、説明を省略する。
【0109】
第1の筒状体3は、膨隆部9及びコアシャフト2の外周を覆うように中空円筒形状を呈し、コアシャフト2の長軸方向(図面上+X方向及び-X方向)に移動可能であって、第1の筒状体3の先端に接続された第3の先端側筒状体45aと、第1の筒状体3の基端に接続された第3の基端側筒状体45b(第2の基端側筒状体47b(本発明の「第2の筒状体」に相当))と、第1の筒状体3の長軸方向中央よりも基端側に配置された第2の先端側筒状体47a(本発明の「第2の筒状体」に相当)とを備える。
【0110】
第3の先端側筒状体45aは、第1の筒状体3の先端の内壁に接着剤、金錫系ロウ材、銀錫系ロウ材等の接合部材46aによって接続された、1本または複数の素線を巻回して中空円筒形状に形成されたコイル体であり、コアシャフト2が挿入可能なように、内径φ45aの断面円形の孔が第1の筒状体3の長軸方向(図面上+X方向及び-X方向)に沿って形成されている。
【0111】
なお、第3の先端側筒状体45aの内径φ45aは、コアシャフト2の外径φ2よりも大きく、かつコアシャフト2の先端部分の外径φ8よりも大きい。
【0112】
また、第3の基端側筒状体45b(第2の基端側筒状体47b)も、第1の筒状体3の基端の内壁に接着剤、金錫系ロウ材、銀錫系ロウ材等の接合部材46bによって接続された、1本または複数の素線を巻回して中空円筒形状に形成されたコイル体であり、コアシャフト2が挿入可能なように、内径φ47bの断面円形の孔が第1の筒状体3の長軸方向(図面上+X方向及び-X方向)に沿って形成されている。
【0113】
なお、第3の基端側筒状体45b(第2の基端側筒状体47b)の内径φ47bも、コアシャフト2の外径φ2よりも大きく、かつ膨隆部9の外径φ9よりも小さい。
【0114】
さらに、第2の先端側筒状体47aは、第1の筒状体3の長軸方向中央よりも基端側に配置され、第1の筒状体3の内壁に接着剤、金錫系ロウ材、銀錫系ロウ材等の接合部材46cによって接続された、1本または複数の素線を巻回して中空円筒形状に形成されたコイル体であり、コアシャフト2が挿入可能なように、内径φ47aの断面円形の孔が第1の筒状体3の長軸方向(図面上+X方向及び-X方向)に沿って形成されている。
【0115】
なお、第2の先端側筒状体47aの内径φ47aも、コアシャフト2の外径φ2よりも大きく、かつ膨隆部9の外径φ9よりも小さい。
【0116】
なお、第3の先端側筒状体45a、第3の基端側筒状体45b(第2の基端側筒状体47b)、及び第2の先端側筒状体47aを形成する材料は、生体適合性を有する金属、または樹脂であれば特に限定されないが、本実施形態ではステンレス鋼が使用されている。
【0117】
また、先端側筒状体45aは、コアシャフト2の先端部分との間に空隙45agが形成されており、第3の基端側筒状体45b(第2の基端側筒状体47b)は、コアシャフト2との間に空隙45bg(47bg)が形成されており、第2の先端側筒状体47aは、コアシャフト2との間に空隙47agが形成されているので、第1の筒状体3は、コアシャフト2に対して、スムーズに長軸方向(図面上+X方向及び-X方向)に移動可能である。
【0118】
なお、上述した通り、図面は、理解を容易にするために誇張して表現されており、空隙45bg(47bg)は、その長さが誇張されて非常に長く記載されているが、本実施形態のコアシャフト2は、第1の筒状体3に対してスムーズに移動可能なように構成されており、コアシャフト2と第1の筒状体3との間にガタは殆ど無い。
【0119】
本実施形態のガイドワイヤ40によれば、コアシャフト2と、そのコアシャフト2の外周に形成され、コアシャフト2の外径φ2よりも大きい外径φ9の膨隆部9と、その膨隆部9及びコアシャフト2の外周を覆い、コアシャフト2の長軸方向に移動可能に設けられた第1の筒状体3と、その第1の筒状体3に膨隆部9を挟んで設けられ、コアシャフト2の外径φ2よりも大きく、かつ膨隆部9の外径φ9よりも小さい内径φ47aの第2の先端側筒状体47a及びコアシャフト2の外径φ2よりも大きく、かつ膨隆部9の外径φ9よりも小さい内径47bの第2の基端側筒状体47bと、を備え、一対の第2の先端側筒状体47a及び第2の基端側筒状体47bは、第1の筒状体3の長軸方向中央よりも基端側に配置されているので、手技中において、第1の筒状体3の先端部における剛性を低減して、ガイドワイヤ40の血管追従性を向上させることができる。
【0120】
また、本実施形態のガイドワイヤ40によれば、コアシャフト2と、そのコアシャフト2の外周に形成され、コアシャフト2の外径φ2よりも大きい外径φ9の膨隆部9と、その膨隆部9及びコアシャフト2の外周を覆い、コアシャフト2の長軸方向に移動可能に設けられた第1の筒状体3と、その第1の筒状体3に膨隆部9を挟んで設けられ、コアシャフト2の外径φ2よりも大きく、かつ膨隆部9の外径φ9よりも小さい内径φ47aの第2の先端側筒状体47a及びコアシャフト2の外径φ2よりも大きく、かつ膨隆部9の外径φ9よりも小さい内径47bの第2の基端側筒状体47bと、を備え、一対の第2の先端側筒状体47a及び第2の基端側筒状体47bは、第1の筒状体3の長軸方向中央よりも基端側に配置されており、一対の第2の先端側筒状体47a及び第2の基端側筒状体47bのうち、第1の筒状体3の基端側に配置された第2の基端側筒状体47bは、第1の筒状体3の基端に配置されているので、手技中において、第1の筒状体3の先端部における剛性を低減して、ガイドワイヤ40の血管追従性を向上させることができるとともに、第1の筒状体3の端部を第2の基端側筒状体47bと兼用することができ、ガイドワイヤの構成を簡略化することができる。
【0121】
また、本実施形態のガイドワイヤ40によれば、第2の先端側筒状体47a及び第2の基端側筒状体47bは、コアシャフト2の外径φ2よりも大きく、かつ膨隆部9の外径9よりも小さい内径φ47a及び内径φ47bのコイル体によって構成されているので、コアシャフト2に対して移動可能かつ膨隆部9に対して当接可能な内径の第1の筒状体3を容易に構成することができ、延いては、ガイドワイヤ40を容易に製造することができる。
【0122】
また、本実施形態のガイドワイヤ40によれば、第1の筒状体3の両端部において、コアシャフト2の外径φ2よりも大きい内径φ45a及び内径47bのコイル体からなる第3の先端側筒状体45a及び第3の基端側筒状体45bを備えているので、コアシャフト2に対して移動可能な内径の第1の筒状体3を容易に構成することができ、延いては、ガイドワイヤ40を容易に製造することができる。
【0123】
なお、本実施形態のガイドワイヤ40では、第3の先端側筒状体45a及び第3の基端側筒状体45bの両方がコイル体から構成されているものとして説明したが、第3の先端側筒状体45a及び第3の基端側筒状体45bのうち少なくとも一方がコイル体から構成されていれば良い。
【0124】
但し、第3の先端側筒状体45a及び第3の基端側筒状体45bの両方がコイル体から構成されている方が、コアシャフト2に対して移動可能な内径の第1の筒状体3をさらに容易に構成することができ、延いては、ガイドワイヤ40をさらに容易に製造することができる。
【0125】
また、本実施形態のガイドワイヤ40では、第2の先端側筒状体47a及び第2の基端側筒状体47bの両方がコイル体から構成されているものとして説明したが、第2の先端側筒状体47a及び第2の基端側筒状体47bのうち少なくとも一方がコイル体から構成されていれば良い。
【0126】
但し、第2の先端側筒状体47a及び第2の基端側筒状体47bの両方がコイル体から構成されている方が、コアシャフト2に対して移動可能な内径の第1の筒状体3をさらに容易に構成することができ、延いては、ガイドワイヤ40をさらに容易に製造することができる。
【0127】
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態について説明する。図10は、第6実施形態のガイドワイヤの縦断面図である。
【0128】
なお、本実施形態におけるガイドワイヤ50は、一部を除いて第4実施形態におけるガイドワイヤ30と基本的に同一であるため、第4実施形態と同一の部材については同一の番号を付し、説明を省略する。
【0129】
第1の筒状体3は、膨隆部9及びコアシャフト2の外周を覆うように中空円筒形状を呈し、コアシャフト2の長軸方向(図面上+X方向及び-X方向)に移動可能であって、第1の筒状体3の先端に接続された第3の先端側筒状体55aと、第1の筒状体3の基端に接続された第3の基端側筒状体55b(第2の基端側筒状体57b(本発明の「第2の筒状体」に相当))と、第1の筒状体3の長軸方向中央よりも基端側に配置された第2の先端側筒状体57a(本発明の「第2の筒状体」に相当)とを備える。
【0130】
第3の先端側筒状体55aは、その先端部が第1の筒状体3の先端から先端方向に突出しており、第1の筒状体3の内壁に接着剤、金錫系ロウ材、銀錫系ロウ材等の接合部材56aによって接続された中空円筒形状のチューブ体であり、コアシャフト2が挿入可能なように、内径φ55aの断面円形の孔が第1の筒状体3の長軸方向(図面上+X方向及び-X方向)に沿って形成されている。
【0131】
なお、第3の先端側筒状体55aの内径φ55aは、コアシャフト2の外径φ2よりも大きく、かつコアシャフト2の先端部分の外径φ8よりも大きい。
【0132】
また、第3の基端側筒状体55b(第2の基端側筒状体57b)も、その基端部が第1の筒状体3の基端から基端方向に突出しており、第1の筒状体3の基端の内壁に接着剤、金錫系ロウ材、銀錫系ロウ材等の接合部材56bによって接続された中空円筒形状のチューブ体であり、コアシャフト2が挿入可能なように、内径φ57bの断面円形の孔が第1の筒状体3の長軸方向(図面上+X方向及び-X方向)に沿って形成されている。
【0133】
なお、第3の基端側筒状体55b(第2の基端側筒状体57b)の内径φ57bは、コアシャフト2の外径φ2よりも大きく、かつ膨隆部9の外径φ9よりも小さい。
【0134】
さらに、第2の先端側筒状体57aは、第1の筒状体3の長軸方向中央よりも基端側に配置され、第1の筒状体3の内壁に接着剤、金錫系ロウ材、銀錫系ロウ材等の接合部材56cによって接続された中空円筒形状のチューブ体であり、コアシャフト2が挿入可能なように、内径φ57aの断面円形の孔が第1の筒状体3の長軸方向(図面上+X方向及び-X方向)に沿って形成されている。
【0135】
なお、第2の先端側筒状体57aの内径φ57aも、コアシャフト2の外径φ2よりも大きく、かつ膨隆部9の外径φ9よりも小さい。
【0136】
なお、第3の先端側筒状体55a、第3の基端側筒状体55b(第2の基端側筒状体57b)、及び第2の先端側筒状体57aを形成する材料は、生体適合性を有する金属、または樹脂であれば特に限定されないが、本実施形態ではステンレス鋼が使用されている。
【0137】
また、先端側筒状体55aは、コアシャフト2の先端部分との間に空隙55agが形成されており、第3の基端側筒状体55b(第2の基端側筒状体57b)は、コアシャフト2との間に空隙55bg(57bg)が形成されており、第2の先端側筒状体57aは、コアシャフト2との間に空隙57agが形成されているので、第1の筒状体3は、コアシャフト2に対して、スムーズに長軸方向(図面上+X方向及び-X方向)に移動可能である。
【0138】
なお、上述した通り、図面は、理解を容易にするために誇張して表現されており、空隙55bg(57bg)は、その長さが誇張されて非常に長く記載されているが、本実施形態のコアシャフト2は、第1の筒状体3に対してスムーズに移動可能なように構成されており、コアシャフト2と第1の筒状体3との間にガタは殆ど無い。
【0139】
本実施形態のガイドワイヤ50によれば、コアシャフト2と、そのコアシャフト2の外周に形成され、コアシャフト2の外径φ2よりも大きい外径φ9の膨隆部9と、その膨隆部9及びコアシャフト2の外周を覆い、コアシャフト2の長軸方向に移動可能に設けられた第1の筒状体3と、その第1の筒状体3に膨隆部9を挟んで設けられ、コアシャフト2の外径φ2よりも大きく、かつ膨隆部9の外径φ9よりも小さい内径φ57aの第2の先端側筒状体57a及びコアシャフト2の外径φ2よりも大きく、かつ膨隆部9の外径φ9よりも小さい内径57bの第2の基端側筒状体57bと、を備え、一対の第2の先端側筒状体57a及び第2の基端側筒状体57bは、第1の筒状体3の長軸方向中央よりも基端側に配置されているので、手技中において、第1の筒状体3の先端部における剛性を低減して、ガイドワイヤ50の血管追従性を向上させることができる。
【0140】
また、本実施形態のガイドワイヤ50によれば、コアシャフト2と、そのコアシャフト2の外周に形成され、コアシャフト2の外径φ2よりも大きい外径φ9の膨隆部9と、その膨隆部9及びコアシャフト2の外周を覆い、コアシャフト2の長軸方向に移動可能に設けられた第1の筒状体3と、その第1の筒状体3に膨隆部9を挟んで設けられ、コアシャフト2の外径φ2よりも大きく、かつ膨隆部9の外径φ9よりも小さい内径φ57aの第2の先端側筒状体57a及びコアシャフト2の外径φ2よりも大きく、かつ膨隆部9の外径φ9よりも小さい内径57bの第2の基端側筒状体57bと、を備え、一対の第2の先端側筒状体57a及び第2の基端側筒状体57bは、第1の筒状体3の長軸方向中央よりも基端側に配置されており、一対の第2の先端側筒状体57a及び第2の基端側筒状体57bのうち、第1の筒状体3の基端側に配置された第2の基端側筒状体57bは、第1の筒状体3の基端に配置されているので、手技中において、第1の筒状体3の先端部における剛性を低減して、ガイドワイヤ50の血管追従性を向上させることができるとともに、第1の筒状体3の端部を第2の基端側筒状体57bと兼用することができ、ガイドワイヤの構成を簡略化することができる。
【0141】
また、本実施形態のガイドワイヤ50によれば、第2の先端側筒状体57a及び第2の基端側筒状体57bは、コアシャフト2の外径φ2よりも大きく、かつ膨隆部9の外径9よりも小さい内径φ57a及び内径φ57bのチューブ体によって構成されているので、コアシャフト2に対して移動可能かつ膨隆部9に対して当接可能な内径の第1の筒状体3を容易に構成することができ、延いては、ガイドワイヤ50を容易に製造することができる。
【0142】
また、本実施形態のガイドワイヤ50によれば、第1の筒状体3の両端部において、コアシャフト2の外径φ2よりも大きい内径φ55a及び内径57bのチューブ体からなる第3の先端側筒状体55a及び第3の基端側筒状体55bを備えているので、コアシャフト2に対して移動可能な内径の第1の筒状体3を容易に構成することができ、延いては、ガイドワイヤ50を容易に製造することができる。
【0143】
さらに、本実施形態のガイドワイヤ50によれば、チューブ体からなる第3の先端側筒状体55aは、その先端部が第1の筒状体3の先端から先端方向に突出しており、また、チューブ体からなる第3の基端側筒状体55b(第2の基端側筒状体57b)も、その基端部が第1の筒状体3の基端から基端方向に突出しているので、第1の筒状体3端部近傍における剛性の変化を緩やかにすることができ、延いては、ガイドワイヤ50の血管追従性をさらに向上させることができる。
【0144】
なお、本実施形態のガイドワイヤ50では、チューブ体からなる第3の先端側筒状体55a及び第3の基端側筒状体55b(第2の基端側筒状体57b)が第1の筒状体3の端部から突出しているものとして説明したが、第3の先端側筒状体55a及び第3の基端側筒状体55b(第2の基端側筒状体57b)のうち少なくとも一方が第1の筒状体3の端部から突出していれば良い。
【0145】
但し、チューブ体からなる第3の先端側筒状体55a及び第3の基端側筒状体55b(第2の基端側筒状体57b)が第1の筒状体3の端部から突出している方が、第1の筒状体3端部近傍における剛性の変化をさらに緩やかにすることができ、延いては、ガイドワイヤ50の血管追従性をさらに向上させることができる。
【0146】
また、本実施形態のガイドワイヤ50では、第2の先端側筒状体57a及び第2の基端側筒状体57bの両方がチューブ体から構成されているものとして説明したが、第2の先端側筒状体57a及び第2の基端側筒状体57bのうち少なくとも一方がチューブ体から構成されていれば良い。
【0147】
但し、第2の先端側筒状体57a及び第2の基端側筒状体57bの両方がチューブ体から構成されている方が、コアシャフト2に対して移動可能な内径の第1の筒状体3をさらに容易に構成することができ、延いては、ガイドワイヤ50をさらに容易に製造することができる。
【0148】
(第7実施形態)
次に、本発明の第7実施形態について説明する。図11は、第7実施形態のガイドワイヤの縦断面図である。
【0149】
なお、本実施形態におけるガイドワイヤ60は、一部を除いて第5実施形態におけるガイドワイヤ40と基本的に同一であるため、第5実施形態と同一の部材については同一の番号を付し、説明を省略する。
【0150】
第1の筒状体3は、膨隆部9及びコアシャフト2の外周を覆うように中空円筒形状を呈し、コアシャフト2の長軸方向(図面上+X方向及び-X方向)に移動可能であって、第1の筒状体3の先端に接続された第3の先端側筒状体65aと、第1の筒状体3の基端に接続された第3の基端側筒状体65b(第2の基端側筒状体67b(本発明の「第2の筒状体」に相当))と、第1の筒状体3の長軸方向中央よりも基端側に配置された第2の先端側筒状体67a(本発明の「第2の筒状体」に相当)とを備える。
【0151】
第3の先端側筒状体65aは、その先端部が第1の筒状体3の先端から先端方向に突出しており、第1の筒状体3の内壁に接着剤、金錫系ロウ材、銀錫系ロウ材等の接合部材66aによって接続された、1本または複数の素線を巻回して中空円筒形状に形成されたコイル体であり、コアシャフト2が挿入可能なように、内径φ65aの断面円形の孔が第1の筒状体3の長軸方向(図面上+X方向及び-X方向)に沿って形成されている。
【0152】
なお、第3の先端側筒状体65aの内径φ65aは、コアシャフト2の外径φ2よりも大きく、かつコアシャフト2の先端部分の外径φ8よりも大きい。
【0153】
また、第3の基端側筒状体65b(第2の基端側筒状体67b)も、その基端部が第1の筒状体3の基端から基端方向に突出しており、第1の筒状体3の基端の内壁に接着剤、金錫系ロウ材、銀錫系ロウ材等の接合部材66bによって接続された、1本または複数の素線を巻回して中空円筒形状に形成されたコイル体であり、コアシャフト2が挿入可能なように、内径φ67bの断面円形の孔が第1の筒状体3の長軸方向(図面上+X方向及び-X方向)に沿って形成されている。
【0154】
なお、第3の基端側筒状体65b(第2の基端側筒状体67b)の内径φ67bは、コアシャフト2の外径φ2よりも大きく、かつ膨隆部9の外径φ9よりも小さい。
【0155】
さらに、第2の先端側筒状体67aは、第1の筒状体3の長軸方向中央よりも基端側に配置され、第1の筒状体3の内壁に接着剤、金錫系ロウ材、銀錫系ロウ材等の接合部材66cによって接続された、1本または複数の素線を巻回して中空円筒形状に形成されたコイル体であり、コアシャフト2が挿入可能なように、内径φ67aの断面円形の孔が第1の筒状体3の長軸方向(図面上+X方向及び-X方向)に沿って形成されている。
【0156】
なお、第2の先端側筒状体67aの内径φ67aも、コアシャフト2の外径φ2よりも大きく、かつ膨隆部9の外径φ9よりも小さい。
【0157】
なお、第3の先端側筒状体65a、第3の基端側筒状体65b(第2の基端側筒状体67b)、及び第2の先端側筒状体67aを形成する材料は、生体適合性を有する金属、または樹脂であれば特に限定されないが、本実施形態ではステンレス鋼が使用されている。
【0158】
また、先端側筒状体65aは、コアシャフト2の先端部分との間に空隙65agが形成されており、第3の基端側筒状体65b(第2の基端側筒状体67b)は、コアシャフト2との間に空隙65bg(67bg)が形成されており、第2の先端側筒状体67aは、コアシャフト2との間に空隙67agが形成されているので、第1の筒状体3は、コアシャフト2に対して、スムーズに長軸方向(図面上+X方向及び-X方向)に移動可能である。
【0159】
なお、上述した通り、図面は、理解を容易にするために誇張して表現されており、空隙65bg(67bg)は、その長さが誇張されて非常に長く記載されているが、本実施形態のコアシャフト2は、第1の筒状体3に対してスムーズに移動可能なように構成されており、コアシャフト2と第1の筒状体3との間にガタは殆ど無い。
【0160】
本実施形態のガイドワイヤ60によれば、コアシャフト2と、そのコアシャフト2の外周に形成され、コアシャフト2の外径φ2よりも大きい外径φ9の膨隆部9と、その膨隆部9及びコアシャフト2の外周を覆い、コアシャフト2の長軸方向に移動可能に設けられた第1の筒状体3と、その第1の筒状体3に膨隆部9を挟んで設けられ、コアシャフト2の外径φ2よりも大きく、かつ膨隆部9の外径φ9よりも小さい内径φ67aの第2の先端側筒状体67a及びコアシャフト2の外径φ2よりも大きく、かつ膨隆部9の外径φ9よりも小さい内径67bの第2の基端側筒状体67bと、を備え、一対の第2の先端側筒状体67a及び第2の基端側筒状体67bは、第1の筒状体3の長軸方向中央よりも基端側に配置されているので、手技中において、第1の筒状体3の先端部における剛性を低減して、ガイドワイヤ60の血管追従性を向上させることができる。
【0161】
また、本実施形態のガイドワイヤ60によれば、コアシャフト2と、そのコアシャフト2の外周に形成され、コアシャフト2の外径φ2よりも大きい外径φ9の膨隆部9と、その膨隆部9及びコアシャフト2の外周を覆い、コアシャフト2の長軸方向に移動可能に設けられた第1の筒状体3と、その第1の筒状体3に膨隆部9を挟んで設けられ、コアシャフト2の外径φ2よりも大きく、かつ膨隆部9の外径φ9よりも小さい内径φ67aの第2の先端側筒状体67a及びコアシャフト2の外径φ2よりも大きく、かつ膨隆部9の外径φ9よりも小さい内径67bの第2の基端側筒状体67bと、を備え、一対の第2の先端側筒状体67a及び第2の基端側筒状体67bは、第1の筒状体3の長軸方向中央よりも基端側に配置されており、一対の第2の先端側筒状体67a及び第2の基端側筒状体67bのうち、第1の筒状体3の基端側に配置された第2の基端側筒状体67bは、第1の筒状体3の基端に配置されているので、手技中において、第1の筒状体3の先端部における剛性を低減して、ガイドワイヤ60の血管追従性を向上させることができるとともに、第1の筒状体3の端部を第2の基端側筒状体67bと兼用することができ、ガイドワイヤの構成を簡略化することができる。
【0162】
また、本実施形態のガイドワイヤ60によれば、第2の先端側筒状体67a及び第2の基端側筒状体67bは、コアシャフト2の外径φ2よりも大きく、かつ膨隆部9の外径9よりも小さい内径φ67a及び内径φ67bのコイル体によって構成されているので、コアシャフト2に対して移動可能かつ膨隆部9に対して当接可能な内径の第1の筒状体3を容易に構成することができ、延いては、ガイドワイヤ60を容易に製造することができる。
【0163】
また、本実施形態のガイドワイヤ60によれば、第1の筒状体3の両端部において、コアシャフト2の外径φ2よりも大きい内径φ65a及び内径67bのコイル体からなる第3の先端側筒状体65a及び第3の基端側筒状体65bを備えているので、コアシャフト2に対して移動可能な内径の第1の筒状体3を容易に構成することができ、延いては、ガイドワイヤ60を容易に製造することができる。
【0164】
さらに、本実施形態のガイドワイヤ60によれば、コイル体からなる第3の先端側筒状体65aは、その先端部が第1の筒状体3の先端から先端方向に突出しており、また、コイル体からなる第3の基端側筒状体65b(第2の基端側筒状体67b)も、その基端部が第1の筒状体3の基端から基端方向に突出しているので、第1の筒状体3端部近傍における剛性の変化を緩やかにすることができ、延いては、ガイドワイヤ60の血管追従性をさらに向上させることができる。
【0165】
なお、本実施形態のガイドワイヤ60では、コイル体からなる第3の先端側筒状体65a及び第3の基端側筒状体65b(第2の基端側筒状体67b)が第1の筒状体3の端部から突出しているものとして説明したが、第3の先端側筒状体65a及び第3の基端側筒状体65b(第2の基端側筒状体57b)のうち少なくとも一方が第1の筒状体3の端部から突出していれば良い。
【0166】
但し、コイル体からなる第3の先端側筒状体65a及び第3の基端側筒状体65b(第2の基端側筒状体67b)が第1の筒状体3の端部から突出している方が、第1の筒状体3端部近傍における剛性の変化をさらに緩やかにすることができ、延いては、ガイドワイヤ60の血管追従性をさらに向上させることができる。
【0167】
また、本実施形態のガイドワイヤ60では、第2の先端側筒状体67a及び第2の基端側筒状体67bの両方が1本または複数の素線を巻回して形成されたコイル体から構成されているものとして説明したが、第2の先端側筒状体67a及び第2の基端側筒状体67bのうち少なくとも一方がコイル体から構成されていれば良い。
【0168】
但し、第2の先端側筒状体67a及び第2の基端側筒状体67bの両方がコイル体から構成されている方が、コアシャフト2に対して移動可能な内径の第1の筒状体3をさらに容易に構成することができ、延いては、ガイドワイヤ60をさらに容易に製造することができる。
【0169】
(第8実施形態)
次に、本発明の第8実施形態について説明する。図12は、第8実施形態のガイドワイヤの縦断面図である。
【0170】
なお、本実施形態におけるガイドワイヤ70は、一部を除いて第1実施形態におけるガイドワイヤ1と基本的に同一であるため、第1実施形態と同一の部材については同一の番号を付し、説明を省略する。
【0171】
第1の筒状体3は、膨隆部9及びコアシャフト2の外周を覆うように中空円筒形状を呈し、コアシャフト2の長軸方向(図面上+X方向及び-X方向)に移動可能であって、第1の筒状体3の先端に接続された第3の先端側筒状体5aと、第1の筒状体3の基端に接続された第3の基端側筒状体5bと、第1の筒状体3の長軸方向中央よりも基端側に配置された第2の先端側筒状体77a(本発明の「第2の筒状体」に相当)と、膨隆部9を挟んで第2の先端側筒状体77aよりも基端側に配置された第2の基端側筒状体77b(本発明の「第2の筒状体」に相当))と、を備える。
【0172】
第3の基端側筒状体5bは、第1の筒状体3の基端に接続された基端側先細りの中空円錐台形状を呈し、コアシャフト2が挿入可能なように、内径φ5bの断面円形の孔が第1の筒状体3の長軸方向(図面上+X方向及び-X方向)に沿って円筒形に切削加工されている。
【0173】
なお、第3の基端側筒状体5bの内径φ5bは、コアシャフト2の外径φ2よりも大きく、かつ膨隆部9の外径φ9よりも小さい。
【0174】
また、第2の先端側筒状体77aは、第1の筒状体3の長軸方向中央よりも基端側に配置され、中空円筒形状を呈し、コアシャフト2が挿入可能なように、内径φ77aの断面円形の孔が第1の筒状体3の長軸方向(図面上+X方向及び-X方向)に沿って円筒形に切削加工されている。
【0175】
なお、第2の先端側筒状体77aの内径φ77aは、コアシャフト2の外径φ2よりも大きく、かつ膨隆部9の外径φ9よりも小さい。
【0176】
さらに、第2の基端側筒状体77bは、膨隆部9を挟んで第2の先端側筒状体77aよりも基端側に配置され、中空円筒形状を呈し、コアシャフト2が挿入可能なように、内径φ77bの断面円形の孔が第1の筒状体3の長軸方向(図面上+X方向及び-X方向)に沿って円筒形に切削加工されている。
【0177】
なお、第2の基端側筒状体77bの内径φ77bも、コアシャフト2の外径φ2よりも大きく、かつ膨隆部9の外径φ9よりも小さい。
【0178】
第3の基端側筒状体5b、第2の先端側筒状体77a、及び第2の基端側筒状体77bを形成する材料は、生体適合性を有する金属、または樹脂であれば特に限定されないが、本実施形態では銀錫系ロウ材が使用されている。
【0179】
また、第3の基端側筒状体5bは、コアシャフト2との間に空隙5bgが形成されており、第2の先端側筒状体77aは、コアシャフト2との間に空隙77agが形成されており、第2の基端側筒状体77bは、コアシャフト2との間に空隙77bgが形成されており、さらに、膨隆部9は、第1の筒状体3との間に空隙9gが形成されているので、第1の筒状体3は、コアシャフト2に対して、スムーズに長軸方向(図面上+X方向及び-X方向)に移動可能である。
【0180】
なお、上述した通り、図面は、理解を容易にするために誇張して表現されており、空隙5bgは、その長さが誇張されて非常に長く記載されているが、本実施形態のコアシャフト2は、第1の筒状体3に対してスムーズに移動可能なように構成されており、コアシャフト2と第1の筒状体3との間にガタは殆ど無い。
【0181】
本実施形態のガイドワイヤ70によれば、コアシャフト2と、そのコアシャフト2の外周に形成され、コアシャフト2の外径φ2よりも大きい外径φ9の膨隆部9と、その膨隆部9及びコアシャフト2の外周を覆い、コアシャフト2の長軸方向に移動可能に設けられた第1の筒状体3と、その第1の筒状体3に膨隆部9を挟んで設けられ、コアシャフト2の外径φ2よりも大きく、かつ膨隆部9の外径φ9よりも小さい内径φ77aの第2の先端側筒状体77a及びコアシャフト2の外径φ2よりも大きく、かつ膨隆部9の外径φ9よりも小さい内径77bの第2の基端側筒状体77bと、を備え、一対の第2の先端側筒状体77a及び第2の基端側筒状体77bは、第1の筒状体3の長軸方向中央よりも基端側に配置されているので、手技中において、第1の筒状体3の先端部における剛性を低減して、ガイドワイヤ70の血管追従性を向上させることができる。
【0182】
(第9実施形態)
次に、本発明の第9実施形態について説明する。図13は、第9実施形態のガイドワイヤの縦断面図であり、図14は、第9実施形態のガイドワイヤにおいて、コアシャフトを第1の筒状体から先端側に最も移動させた状態を示した縦断面図であり、図15は、第9実施形態のガイドワイヤにおいて、コアシャフトを第1の筒状体から基端側に最も移動させた状態を示した縦断面図である。
【0183】
なお、本実施形態におけるガイドワイヤ80は、一部を除いて第1実施形態におけるガイドワイヤ1と基本的に同一であるため、第1実施形態と同一の部材については同一の番号を付し、説明を省略する。
【0184】
本実施形態のコアシャフト2は、その先端側に、第3の先端側筒状体5aの内径φ5aよりも大きく、かつ第1の筒状体3の内径φ3よりも小さい外径φ89aの先端側膨隆部89aと、その先端側膨隆部89aの基端側に位置し、第3の基端側筒状体5bの内径φ5bよりも大きく、かつ第1の筒状体3の内径φ3よりも小さい外径φ89bの基端側膨隆部89bと、を備える。
【0185】
本実施形態の先端側膨隆部89a及び基端側膨隆部89bは、コアシャフト2に挿勘可能な内径を有するチューブ体からなり、接着剤、金錫系ロウ材、銀錫系ロウ材等の接合部材86a及び接合部材86bによってコアシャフト2に固着されているものであるが、固着強度に問題がなければ、弾性体からなるチューブ体をコアシャフト2に圧入したものであっても良い。
【0186】
なお、先端側膨隆部89a及び基端側膨隆部89bを形成する材料は、生体適合性を有する金属、樹脂等であれば特に限定されないが、本実施形態ではステンレス鋼が使用されている。
【0187】
また、第1の筒状体3は、先端側膨隆部89aとの間に空隙89agが形成されており、基端側膨隆部89bとの間に空隙89bgが形成されているので、第1の筒状体3は、コアシャフト2に対して、スムーズに長軸方向(図面上+X方向及び-X方向)に移動可能である。
【0188】
このように構成されたガイドワイヤ80を使用して、手技者が第1の筒状体3の基端部及びコアシャフト2の基端部を把持し、コアシャフト2を第1の筒状体3に対して+X方向に移動させた場合には、図14に示すように、先端側膨隆部89aが第3の先端側筒状体5aに当接し、コアシャフト2の先端部が第1の筒状体3の先端から突出することとなる。
【0189】
一方、手技者が第1の筒状体3の基端部及びコアシャフト2の基端部を把持し、コアシャフト2を第1の筒状体3に対して-X方向に移動させた場合には、図15に示すように、基端側膨隆部89bが第3の基端側筒状体5bに当接し、コアシャフト2の先端部が第1の筒状体3の先端内部に入り込むこととなる。
【0190】
本実施形態のガイドワイヤ80によれば、コアシャフト2と、そのコアシャフト2の外周に離間して形成され、コアシャフト2の外径φ2よりも大きい外径の一対の先端側膨隆部89a及び基端側膨隆部89bと、先端側膨隆部89a、基端側膨隆部89b及びコアシャフト2の外周を覆い、コアシャフト2の長軸方向に移動可能に設けられた第1の筒状体3と、その第1の筒状体3の両端部に設けられ、コアシャフト2の外径よりも大きく、かつ一対の先端側膨隆部89a及び基端側膨隆部89bの外径φ89a及びφ89bよりも小さい内径φ5a及びφ5bの一対の第3の先端側筒状体5a(本発明の第3の筒状体に相当)及び第3の基端側筒状体5b(本発明の第3の筒状体に相当)と、を備え、先端側膨隆部89a及び基端側膨隆部89bは、チューブ体から構成されているので、先端側膨隆部89a及び基端側膨隆部89bの外径を容易に設定することができ、延いては、第1の筒状体3の移動を規制するコアシャフト2を容易に構成することができ、ガイドワイヤ80を容易に製造することができる。
【0191】
なお、本実施形態のガイドワイヤ80では、先端側膨隆部89a及び基端側膨隆部89bの両方がチューブ体から構成されているものとして説明したが、先端側膨隆部89a及び基端側膨隆部89bのうち少なくとも一方がチューブ体から構成されていれば良い。
【0192】
但し、先端側膨隆部89a及び基端側膨隆部89bの両方がチューブ体から構成されている方が、第1の筒状体3の移動を規制するコアシャフト2をさらに容易に構成することができ、延いては、ガイドワイヤ80をさらに容易に製造することができる。
【0193】
(第10実施形態)
次に、本発明の第10実施形態について説明する。図16は、第10実施形態のガイドワイヤの縦断面図である。
【0194】
なお、本実施形態におけるガイドワイヤ90は、一部を除いて第9実施形態におけるガイドワイヤ80と基本的に同一であるため、第9実施形態と同一の部材については同一の番号を付し、説明を省略する。
【0195】
本実施形態のコアシャフト2は、その先端側に、先端側第3の筒状体5aの内径φ5aよりも大きく、かつ第1の筒状体3の内径φ3よりも小さい外径φ99aの先端側膨隆部99aと、その先端側膨隆部99aの基端側に位置し、第3の基端側筒状体5bの内径φ5bよりも大きく、かつ第1の筒状体3の内径φ3よりも小さい外径φ99bの基端側膨隆部99bと、を備える。
【0196】
本実施形態の先端側膨隆部99a及び基端側膨隆部99bは、1本または複数の素線を巻回して中空円筒形状に形成されたコイル体であり、コアシャフト2に挿勘可能な内径を有し、接着剤、金錫系ロウ材、銀錫系ロウ材等の接合部材96a及び接合部材96bによってコアシャフト2に固着されているものである。
【0197】
なお、先端側膨隆部99a及び基端側膨隆部99bを形成する材料は、生体適合性を有する金属、樹脂等であれば特に限定されないが、本実施形態ではステンレス鋼が使用されている。
【0198】
また、第1の筒状体3は、先端側膨隆部99aとの間に空隙99agが形成されており、基端側膨隆部99bとの間に空隙99bgが形成されているので、第1の筒状体3は、コアシャフト2に対して、スムーズに長軸方向(図面上+X方向及び-X方向)に移動可能である。
【0199】
本実施形態のガイドワイヤ90によれば、コアシャフト2と、そのコアシャフト2の外周に離間して形成され、コアシャフト2の外径φ2よりも大きい外径の一対の先端側膨隆部99a及び基端側膨隆部99bと、その一対の先端側膨隆部99a及び基端側膨隆部99b並びにコアシャフト2の外周を覆い、コアシャフト2の長軸方向に移動可能に設けられた第1の筒状体3と、その第1の筒状体3の両端部に設けられ、コアシャフト2の外径よりも大きく、かつ一対の先端側膨隆部99a及び基端側膨隆部99bの外径φ99a及びφ99bよりも小さい内径φ5a及びφ5bの一対の第3の先端側筒状体5a(本発明の第3の筒状体に相当)及び第3の基端側筒状体5b(本発明の第3の筒状体に相当)と、を備え、先端側膨隆部99a及び基端側膨隆部99bは、コイル体から構成されているので、先端側膨隆部99a及び基端側膨隆部99bの外径を容易に設定することができ、延いては、第1の筒状体3の移動を規制するコアシャフト2を容易に構成することができ、延いては、ガイドワイヤ90を容易に製造することができる。
【0200】
なお、本実施形態のガイドワイヤ90では、先端側膨隆部99a及び基端側膨隆部99bの両方がコイル体から構成されているものとして説明したが、先端側膨隆部99a及び基端側膨隆部99bのうち少なくとも一方がコイル体から構成されていれば良い。
【0201】
但し、先端側膨隆部99a及び基端側膨隆部99bの両方がコイル体から構成されている方が、第1の筒状体3の移動を規制するコアシャフト2をさらに容易に構成することができ、延いては、ガイドワイヤ90をさらに容易に製造することができる。
【0202】
(第11実施形態)
次に、本発明の第11実施形態について説明する。図17は、第11実施形態のガイドワイヤの縦断面図である。
【0203】
なお、本実施形態におけるガイドワイヤ100は、一部を除いて第9実施形態におけるガイドワイヤ80と基本的に同一であるため、第9実施形態と同一の部材については同一の番号を付し、説明を省略する。
【0204】
本実施形態のコアシャフト2は、その先端側に、後述する第3の先端側筒状体105a(本発明の「第3の筒状体」に相当)の内径φ105aよりも大きく、かつ第1の筒状体3の内径φ3よりも小さい外径φ9aの先端側膨隆部9aと、その先端側膨隆部9aの基端側に位置し、後述する第3の基端側筒状体105b(本発明の「第3の筒状体」に相当)の内径φ105bよりも大きく、かつ第1の筒状体3の内径φ3よりも小さい外径φ9bの基端側膨隆部9bと、を備える。
【0205】
本実施形態の先端側膨隆部9a及び基端側膨隆部9bは、コアシャフト2に挿勘可能な内径を有する環状の部材であって、接着剤、金錫系ロウ材、銀錫系ロウ材等の接合部材によってコアシャフト2に固着されているものであるが、その形態の部材に限定されるものではなく、先端側膨隆部9a及び基端側膨隆部9bは、生体適合性を有するロウ材をコアシャフト2の外周に塗布した形態のものであっても良く、また、コアシャフト2自体の外径を大きくして形成するようにしても良く、結果的に、コアシャフト2が第1の筒状体3内を移動する際に、後述する第3の先端側筒状体105a及び後述する第3の基端側筒状体105bに当接し、コアシャフト2の移動が規制される形態のものであれば良い。
【0206】
なお、先端側膨隆部9a及び基端側膨隆部9bを形成する材料は、生体適合性を有する金属、樹脂等であれば特に限定されないが、本実施形態ではステンレス鋼が使用されている。
【0207】
すなわち、本実施形態の先端側膨隆部9a及び基端側膨隆部9bは、ステンレス鋼からなる環状の部材であり、そのステンレス鋼からなる環状の部材である先端側膨隆部9a及び基端側膨隆部9bがコアシャフト2の外周に接着剤、金錫系ロウ材、銀錫系ロウ材等の接合部材によってコアシャフト2の外周に固着されている。
【0208】
第1の筒状体3は、先端側膨隆部9a、基端側膨隆部9b及びコアシャフト2の外周を覆うように中空円筒形状を呈し、コアシャフト2の長軸方向(図面上+X方向及び-X方向)に移動可能であって、第1の筒状体3の先端に接続された第3の先端側筒状体105aと、第1の筒状体3の基端に接続された第3の基端側筒状体105bと、を備える。
【0209】
第3の先端側筒状体105aは、第1の筒状体3の先端の内壁に接着剤、金錫系ロウ材、銀錫系ロウ材等の接合部材106aによって接続された中空円筒形状のチューブ体であり、コアシャフト2が挿入可能なように、内径φ105aの断面円形の孔が第1の筒状体3の長軸方向(図面上+X方向及び-X方向)に沿って形成されている。
【0210】
なお、第3の先端側筒状体105aの内径φ105aは、コアシャフト2の外径φ2よりも大きく、かつ先端側膨隆部9aの外径φ9aよりも小さい。
【0211】
また、第3の基端側筒状体105bも、第1の筒状体3の基端の内壁に接着剤、金錫系ロウ材、銀錫系ロウ材等の接合部材106bによって接続された中空円筒形状のチューブ体であり、コアシャフト2が挿入可能なように、内径φ105bの断面円形の孔が第1の筒状体3の長軸方向(図面上+X方向及び-X方向)に沿って形成されている。
【0212】
なお、第3の基端側筒状体105bの内径φ105bは、コアシャフト2の外径φ2よりも大きく、かつ基端側膨隆部9bの外径φ9bよりも小さい。
【0213】
また、第3の先端側筒状体105a及び第3の基端側筒状体105bを形成する材料は、生体適合性を有する金属、または樹脂であれば特に限定されないが、本実施形態ではステンレス鋼が使用されている。
【0214】
また、第3の先端側筒状体105aは、コアシャフト2の先端部分との間に空隙105agが形成されており、第3の基端側筒状体105bは、コアシャフト2との間に空隙105bgが形成されているので、第1の筒状体3は、コアシャフト2に対して、スムーズに長軸方向(図面上+X方向及び-X方向)に移動可能である。
【0215】
なお、上述した通り、図面は、理解を容易にするために誇張して表現されており、空隙105bgは、その長さが誇張されて非常に長く記載されているが、本実施形態のコアシャフト2は、第1の筒状体3に対してスムーズに移動可能なように構成されており、コアシャフト2と第1の筒状体3との間にガタは殆ど無い。
【0216】
本実施形態のガイドワイヤ100によれば、コアシャフト2と、そのコアシャフト2の外周に離間して形成され、コアシャフト2の外径φ2よりも大きい外径の一対の先端側膨隆部9a及び基端側膨隆部9bと、先端側膨隆部9a、基端側膨隆部9b及びコアシャフト2の外周を覆い、コアシャフト2の長軸方向に移動可能に設けられた第1の筒状体3と、その第1の筒状体3の両端部に設けられ、コアシャフト2の外径よりも大きく、かつ一対の先端側膨隆部9a及び基端側膨隆部9bの外径φ9a及びφ9bよりも小さい内径φ105a及びφ105bの一対の第3の先端側筒状体105a及び第3の基端側筒状体105bと、を備え、一対の第3の先端側筒状体105a及び第3の基端側筒状体105bは、コアシャフト2の外径φ2よりも大きく、かつ一対の先端側膨隆部9a及び基端側膨隆部9bの外径φ9a及びφ9bよりも小さい内径φ105a及びφ105bのチューブ体によって構成されているので、第3の先端側筒状体105a及び第3の基端側筒状体105bの内径を容易に設定することができ、延いては、コアシャフト2に対して移動可能かつ一対の先端側膨隆部9a及び基端側膨隆部9bに対して当接可能な内径の第3の先端側筒状体105a及び第3の基端側筒状体105bを容易に構成することができ、延いては、ガイドワイヤ100を容易に製造することができる。
【0217】
なお、本実施形態のガイドワイヤ100では、第3の先端側筒状体105a及び第3の基端側筒状体105bの両方がチューブ体から構成されているものとして説明したが、第3の先端側筒状体105a及び第3の基端側筒状体105bのうち少なくとも一方がチューブ体から構成されていれば良い。
【0218】
但し、第3の先端側筒状体105a及び第3の基端側筒状体105bの両方がチューブ体から構成されている方が、コアシャフト2に対して移動可能な内径の第1の筒状体3をさらに容易に構成することができ、延いては、ガイドワイヤ100をさらに容易に製造することができる。
【0219】
(第12実施形態)
次に、本発明の第12実施形態について説明する。図18は、第12実施形態のガイドワイヤの縦断面図である。
【0220】
なお、本実施形態におけるガイドワイヤ110は、一部を除いて第11実施形態におけるガイドワイヤ100と基本的に同一であるため、第11実施形態と同一の部材については同一の番号を付し、説明を省略する。
【0221】
本実施形態の第1の筒状体3は、先端側膨隆部9a、基端側膨隆部9b及びコアシャフト2の外周を覆うように中空円筒形状を呈し、コアシャフト2の長軸方向(図面上+X方向及び-X方向)に移動可能であって、第1の筒状体3の先端に接続された第3の先端側筒状体115a(本発明の「第3の筒状体」に相当)と、第1の筒状体3の基端に接続された第3の基端側筒状体115b(本発明の「第3の筒状体」に相当)と、を備える。
【0222】
第3の先端側筒状体115aは、第1の筒状体3の先端の内壁に接着剤、金錫系ロウ材、銀錫系ロウ材等の接合部材116aによって接続された、1本または複数の素線を巻回して中空円筒形状に形成されたコイル体であり、コアシャフト2が挿入可能なように、内径φ115aの断面円形の孔が第1の筒状体3の長軸方向(図面上+X方向及び-X方向)に沿って形成されている。
【0223】
なお、第3の先端側筒状体115aの内径φ115aは、コアシャフト2の外径φ2よりも大きく、かつ先端側膨隆部9aの外径φ9aよりも小さい。
【0224】
また、第3の基端側筒状体115bも、第1の筒状体3の基端の内壁に接着剤、金錫系ロウ材、銀錫系ロウ材等の接合部材116bによって接続された、1本または複数の素線を巻回して中空円筒形状に形成されたコイル体であり、コアシャフト2が挿入可能なように、内径φ115bの断面円形の孔が第1の筒状体3の長軸方向(図面上+X方向及び-X方向)に沿って形成されている。
【0225】
なお、第3の基端側筒状体115bの内径φ115bは、コアシャフト2の外径φ2よりも大きく、かつ基端側膨隆部9bの外径φ9bよりも小さい。
【0226】
また、第3の先端側筒状体115a及び第3の基端側筒状体115bを形成する材料は、生体適合性を有する金属、または樹脂であれば特に限定されないが、本実施形態ではステンレス鋼が使用されている。
【0227】
また、第3の先端側筒状体115aは、コアシャフト2の先端部分との間に空隙115agが形成されており、第3の基端側筒状体115bは、コアシャフト2との間に空隙115bgが形成されているので、第1の筒状体3は、コアシャフト2に対して、スムーズに長軸方向(図面上+X方向及び-X方向)に移動可能である。
【0228】
なお、上述した通り、図面は、理解を容易にするために誇張して表現されており、空隙105bgは、その長さが誇張されて非常に長く記載されているが、本実施形態のコアシャフト2は、第1の筒状体3に対してスムーズに移動可能なように構成されており、コアシャフト2と第1の筒状体3との間にガタは殆ど無い。
【0229】
本実施形態のガイドワイヤ110によれば、コアシャフト2と、そのコアシャフト2の外周に離間して形成され、コアシャフト2の外径φ2よりも大きい外径の一対の先端側膨隆部9a及び基端側膨隆部9bと、先端側膨隆部9a、基端側膨隆部9b及びコアシャフト2の外周を覆い、コアシャフト2の長軸方向に移動可能に設けられた第1の筒状体3と、その第1の筒状体3の両端部に設けられ、コアシャフト2の外径よりも大きく、かつ一対の先端側膨隆部9a及び基端側膨隆部9bの外径φ9a及びφ9bよりも小さい内径φ115a及びφ115bの一対の第3の先端側筒状体115a及び第3の基端側筒状体115bと、を備え、一対の第3の先端側筒状体115a及び第3の基端側筒状体115bは、コアシャフト2の外径φ2よりも大きく、かつ一対の先端側膨隆部9a及び基端側膨隆部9bの外径φ9a及びφ9bよりも小さい内径φ115a及びφ115bのコイル体によって構成されているので、第3の先端側筒状体115a及び第3の基端側筒状体115bの内径を容易に設定することができ、延いては、コアシャフト2に対して移動可能かつ一対の先端側膨隆部9a及び基端側膨隆部9bに対して当接可能な内径の第3の先端側筒状体115a及び第3の基端側筒状体115bを容易に構成することができ、延いては、ガイドワイヤ110を容易に製造することができる。
【0230】
なお、本実施形態のガイドワイヤ110では、第3の先端側筒状体115a及び第3の基端側筒状体115bの両方がコイル体から構成されているものとして説明したが、第3の先端側筒状体115a及び第3の基端側筒状体115bのうち少なくとも一方がコイル体から構成されていれば良い。
【0231】
但し、第3の先端側筒状体115a及び第3の基端側筒状体115bの両方がコイル体から構成されている方が、コアシャフト2に対して移動可能な内径の第1の筒状体3をさらに容易に構成することができ、延いては、ガイドワイヤ110をさらに容易に製造することができる。
【0232】
(第13実施形態)
次に、本発明の第13実施形態について説明する。図19は、第13実施形態のガイドワイヤの縦断面図である。
【0233】
なお、本実施形態におけるガイドワイヤ120は、一部を除いて第11実施形態におけるガイドワイヤ100と基本的に同一であるため、第11実施形態と同一の部材については同一の番号を付し、説明を省略する。
【0234】
第1の筒状体3は、先端側膨隆部9a、基端側膨隆部9b及びコアシャフト2の外周を覆うように中空円筒形状を呈し、コアシャフト2の長軸方向(図面上+X方向及び-X方向)に移動可能であって、第1の筒状体3の先端に接続された第3の先端側筒状体125a(本発明の「第3の筒状体」に相当)と、第1の筒状体3の基端に接続された第3の基端側筒状体125b(本発明の「第3の筒状体」に相当)と、を備える。
【0235】
第3の先端側筒状体125aは、その先端部が第1の筒状体3の先端から先端方向に突出しており、第1の筒状体3の内壁に接着剤、金錫系ロウ材、銀錫系ロウ材等の接合部材126aによって接続された中空円筒形状のチューブ体であり、コアシャフト2が挿入可能なように、内径φ125aの断面円形の孔が第1の筒状体3の長軸方向(図面上+X方向及び-X方向)に沿って形成されている。
【0236】
なお、第3の先端側筒状体125aの内径φ125aは、コアシャフト2の外径φ2よりも大きく、かつ先端側膨隆部9aの外径φ9aよりも小さい。
【0237】
また、第3の基端側筒状体125bも、その基端部が第1の筒状体3の基端から基端方向に突出しており、第1の筒状体3の基端の内壁に接着剤、金錫系ロウ材、銀錫系ロウ材等の接合部材126bによって接続された中空円筒形状のチューブ体であり、コアシャフト2が挿入可能なように、内径φ125bの断面円形の孔が第1の筒状体3の長軸方向(図面上+X方向及び-X方向)に沿って形成されている。
【0238】
なお、第3の基端側筒状体125bの内径φ125bは、コアシャフト2の外径φ2よりも大きく、かつ基端側膨隆部9bの外径φ9bよりも小さい。
【0239】
なお、第3の先端側筒状体125a及び第3の基端側筒状体125bを形成する材料は、生体適合性を有する金属、または樹脂であれば特に限定されないが、本実施形態ではステンレス鋼が使用されている。
【0240】
また、第3の先端側筒状体125aは、コアシャフト2の先端部分との間に空隙125agが形成されており、第3の基端側筒状体125bは、コアシャフト2との間に空隙125bgが形成されているので、第1の筒状体3は、コアシャフト2に対して、スムーズに長軸方向(図面上+X方向及び-X方向)に移動可能である。
【0241】
なお、上述した通り、図面は、理解を容易にするために誇張して表現されており、空隙125bgは、その長さが誇張されて非常に長く記載されているが、本実施形態のコアシャフト2は、第1の筒状体3に対してスムーズに移動可能なように構成されており、コアシャフト2と第1の筒状体3との間にガタは殆ど無い。
【0242】
本実施形態のガイドワイヤ120によれば、コアシャフト2と、そのコアシャフト2の外周に離間して形成され、コアシャフト2の外径φ2よりも大きい外径の一対の先端側膨隆部9a及び基端側膨隆部9bと、先端側膨隆部9a、基端側膨隆部9b及びコアシャフト2の外周を覆い、コアシャフト2の長軸方向に移動可能に設けられた第1の筒状体3と、その第1の筒状体3の両端部に設けられ、コアシャフト2の外径よりも大きく、かつ一対の先端側膨隆部9a及び基端側膨隆部9bの外径φ9a及びφ9bよりも小さい内径φ125a及びφ125bの一対の第3の先端側筒状体125a及び第3の基端側筒状体125bと、を備え、一対の第3の先端側筒状体125a及び第3の基端側筒状体125bは、コアシャフト2の外径φ2よりも大きく、かつ一対の先端側膨隆部9a及び基端側膨隆部9bの外径φ9a及びφ9bよりも小さい内径φ125a及びφ125bのチューブ体によって構成されているので、第3の先端側筒状体125a及び第3の基端側筒状体125bの内径を容易に設定することができ、延いては、コアシャフト2に対して移動可能かつ一対の先端側膨隆部9a及び基端側膨隆部9bに対して当接可能な内径の第3の先端側筒状体125a及び第3の基端側筒状体125bを容易に構成することができ、延いては、ガイドワイヤ120を容易に製造することができる。
【0243】
また、本実施形態のガイドワイヤ120によれば、チューブ体からなる第3の先端側筒状体125aは、その先端部が第1の筒状体3の先端から先端方向に突出しており、また、チューブ体からなる第3の基端側筒状体125bも、その基端部が第1の筒状体3の基端から基端方向に突出しているので、第1の筒状体3端部近傍における剛性の変化を緩やかにすることができ、延いては、ガイドワイヤ120の血管追従性をさらに向上させることができる。
【0244】
なお、本実施形態のガイドワイヤ120では、チューブ体からなる第3の先端側筒状体125a及び第3の基端側筒状体125bが第1の筒状体3の端部から突出しているものとして説明したが、第3の先端側筒状体125a及び第3の基端側筒状体125bのうち少なくとも一方が第1の筒状体3の端部から突出していれば良い。
【0245】
但し、チューブ体からなる第3の先端側筒状体125a及びプ第3の基端側筒状体125bが第1の筒状体3の端部から突出している方が、第1の筒状体3端部近傍における剛性の変化をさらに緩やかにすることができ、延いては、ガイドワイヤ50の血管追従性をさらに向上させることができる。
【0246】
(第14実施形態)
次に、本発明の第14実施形態について説明する。図20は、第14実施形態のガイドワイヤの縦断面図である。
【0247】
なお、本実施形態におけるガイドワイヤ130は、一部を除いて第12実施形態におけるガイドワイヤ110と基本的に同一であるため、第12実施形態と同一の部材については同一の番号を付し、説明を省略する。
【0248】
第1の筒状体3は、先端側膨隆部9a、基端側膨隆部9b及びコアシャフト2の外周を覆うように中空円筒形状を呈し、コアシャフト2の長軸方向(図面上+X方向及び-X方向)に移動可能であって、第1の筒状体3の先端に接続された第3の先端側筒状体135a(本発明の「第3の筒状体」に相当)と、第1の筒状体3の基端に接続された第3の基端側筒状体135b(本発明の「第3の筒状体」に相当)と、を備える。
【0249】
第3の先端側筒状体135aは、その先端部が第1の筒状体3の先端から先端方向に突出しており、第1の筒状体3の内壁に接着剤、金錫系ロウ材、銀錫系ロウ材等の接合部材136aによって接続された、1本または複数の素線を巻回して中空円筒形状に形成されたコイル体であり、コアシャフト2が挿入可能なように、内径φ135aの断面円形の孔が第1の筒状体3の長軸方向(図面上+X方向及び-X方向)に沿って形成されている。
【0250】
なお、第3の先端側筒状体135aの内径φ135aは、コアシャフト2の外径φ2よりも大きく、かつ先端側膨隆部9aの外径φ9aよりも小さい。
【0251】
また、第3の基端側筒状体135bも、その基端部が第1の筒状体3の基端から基端方向に突出しており、第1の筒状体3の基端の内壁に接着剤、金錫系ロウ材、銀錫系ロウ材等の接合部材136bによって接続された、1本または複数の素線を巻回して中空円筒形状に形成されたコイル体であり、コアシャフト2が挿入可能なように、内径φ135bの断面円形の孔が第1の筒状体3の長軸方向(図面上+X方向及び-X方向)に沿って形成されている。
【0252】
なお、第3の基端側筒状体135bの内径φ135bは、コアシャフト2の外径φ2よりも大きく、かつ基端側膨隆部9bの外径φ9bよりも小さい。
【0253】
なお、第3の先端側筒状体135a及び第3の基端側筒状体135bを形成する材料は、生体適合性を有する金属、または樹脂であれば特に限定されないが、本実施形態ではステンレス鋼が使用されている。
【0254】
また、第3の先端側筒状体135aは、コアシャフト2の先端部分との間に空隙135agが形成されており、第3の基端側筒状体135bは、コアシャフト2との間に空隙135bgが形成されているので、第1の筒状体3は、コアシャフト2に対して、スムーズに長軸方向(図面上+X方向及び-X方向)に移動可能である。
【0255】
なお、上述した通り、図面は、理解を容易にするために誇張して表現されており、空隙135bgは、その長さが誇張されて非常に長く記載されているが、本実施形態のコアシャフト2は、第1の筒状体3に対してスムーズに移動可能なように構成されており、コアシャフト2と第1の筒状体3との間にガタは殆ど無い。
【0256】
本実施形態のガイドワイヤ130によれば、コアシャフト2と、そのコアシャフト2の外周に離間して形成され、コアシャフト2の外径φ2よりも大きい外径の一対の先端側膨隆部9a及び基端側膨隆部9bと、先端側膨隆部9a、基端側膨隆部9b及びコアシャフト2の外周を覆い、コアシャフト2の長軸方向に移動可能に設けられた第1の筒状体3と、その第1の筒状体3の両端部に設けられ、コアシャフト2の外径よりも大きく、かつ一対の先端側膨隆部9a及び基端側膨隆部9bの外径φ9a及びφ9bよりも小さい内径φ135a及びφ135bの一対の第3の先端側筒状体135a及び第3の基端側筒状体135bと、を備え、一対の第3の先端側筒状体135a及び第3の基端側筒状体135bは、コアシャフト2の外径φ2よりも大きく、かつ一対の先端側膨隆部9a及び基端側膨隆部9bの外径φ9a及びφ9bよりも小さい内径φ135a及びφ135bのコイル体によって構成されているので、第3の先端側筒状体135a及び第3の基端側筒状体135bの内径を容易に設定することができ、延いては、コアシャフト2に対して移動可能かつ一対の先端側膨隆部9a及び基端側膨隆部9bに対して当接可能な内径の第3の先端側筒状体135a及び第3の基端側筒状体135bを容易に構成することができ、延いては、ガイドワイヤ130を容易に製造することができる。
【0257】
また、本実施形態のガイドワイヤ130によれば、コイル体からなる第3の先端側筒状体135aは、その先端部が第1の筒状体3の先端から先端方向に突出しており、また、コイル体からなる第3の基端側筒状体135bも、その基端部が第1の筒状体3の基端から基端方向に突出しているので、第1の筒状体3端部近傍における剛性の変化を緩やかにすることができ、延いては、ガイドワイヤ130の血管追従性をさらに向上させることができる。
【0258】
なお、本実施形態のガイドワイヤ130では、コイル体からなる第3の先端側筒状体135a及び第3の基端側筒状体135bが第1の筒状体3の端部から突出しているものとして説明したが、第3の先端側筒状体135a及び第3の基端側筒状体135bのうち少なくとも一方が第1の筒状体3の端部から突出していれば良い。
【0259】
但し、コイル体からなる第3の先端側筒状体135a及び第3の基端側筒状体135bが第1の筒状体3の端部から突出している方が、第1の筒状体3端部近傍における剛性の変化をさらに緩やかにすることができ、延いては、ガイドワイヤ130の血管追従性をさらに向上させることができる。
【0260】
以上、本発明の各種実施形態のガイドワイヤについて説明してきたが、本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更して実施することが可能である。
【0261】
例えば、第2実施形態のガイドワイヤ10における膨隆部19、または、第3実施形態のガイドワイヤ20における膨隆部29を、第4実施形態のガイドワイヤ30における膨隆部9、第5実施形態のガイドワイヤ40における膨隆部9、第6実施形態のガイドワイヤ50における膨隆部9、第7実施形態のガイドワイヤ60における膨隆部9、または、第8実施形態のガイドワイヤ70における膨隆部9に置換して使用しても良く、その際には、第4実施形態のガイドワイヤ30の効果、第5実施形態のガイドワイヤ40の効果、第6実施形態のガイドワイヤ50の効果、第7実施形態のガイドワイヤ60の効果、または、第8実施形態のガイドワイヤ70の効果に加えて、膨隆部19または膨隆部29の効果を奏するものとなる。
【0262】
また、第9実施形態のガイドワイヤ80における先端側膨隆部89a及び基端側膨隆部89b、または、第10実施形態のガイドワイヤ90における先端側膨隆部99a及び基端側膨隆部99bを、第11実施形態のガイドワイヤ100における先端側膨隆部9a及び基端側膨隆部9b、第12実施形態のガイドワイヤ110における先端側膨隆部9a及び基端側膨隆部9b、第13実施形態のガイドワイヤ120における先端側膨隆部9a及び基端側膨隆部9b、または、第14実施形態のガイドワイヤ130における先端側膨隆部9a及び基端側膨隆部9bに置換して使用しても良く、その際には、第11実施形態のガイドワイヤ100の効果、第12実施形態のガイドワイヤ110の効果、第13実施形態のガイドワイヤ120の効果、または、第14実施形態のガイドワイヤ130の効果に加えて、先端側膨隆部89a及び基端側膨隆部89b、または、先端側膨隆部99a及び基端側膨隆部99bの効果を奏するものとなる。
【0263】
さらに、上述の実施形態における第1の筒状体3は、1本または複数の素線を巻回して中空円筒形状に形成されたものとしたが、それに限定されるものではなく、弾性を有する樹脂を中空円筒状に形成されたものであっても良い。
【0264】
しかしながら、第1の筒状体3を、1本または複数の素線を巻回して中空円筒形状に形成した方が、血管追従性をより向上させることができる。
【0265】
また、上記各実施形態において、第1の筒状体3に接合されている先端側筒状体7a,17a等を挟むように膨隆部9,19,29を1対設け、コアシャフト2が前後に移動する際に、膨隆部9,19,29がその前後に位置する先端側筒状体7a,17a等に当接することによって、コアシャフト2の移動が規制されるように構成してもよい。
【符号の説明】
【0266】
1, 10,20,30,40,50,60,70,80,90,100,110,120,130・・・ガイドワイヤ
2・・・コアシャフト
3・・・第1の筒状体
4・・第4のコイル体
5a,35a,45a,55a,65a,105a,115a,125a,135a・・・第3の先端側筒状体
5b,15b,35b,45b,55b,65b,105b,115b,125b,135b・・・第3の基端側筒状体
7a,17a,37a,47a,57a,67a,77a・・・第2の先端側筒状体
7b,17b,37b,47b,57b,67b,77b・・・第2の基端側筒状体
8・・・コーティング剤
9,19,29・・・膨隆部
9a,89a.99a・・・先端側膨隆部
9b,89b,99b・・・基端側膨隆部
200・・・ガイディングカテーテル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図9
図10
図11
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