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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023021540
(43)【公開日】2023-02-14
(54)【発明の名称】粘着テープおよび包装体
(51)【国際特許分類】
   C09J 7/29 20180101AFI20230207BHJP
   C09J 7/38 20180101ALI20230207BHJP
   C09J 201/00 20060101ALI20230207BHJP
   C09J 11/04 20060101ALI20230207BHJP
   C09J 133/18 20060101ALI20230207BHJP
   B65D 81/34 20060101ALI20230207BHJP
【FI】
C09J7/29
C09J7/38
C09J201/00
C09J11/04
C09J133/18
B65D81/34 V
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021126466
(22)【出願日】2021-08-02
(71)【出願人】
【識別番号】000102980
【氏名又は名称】リンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】朝稲 翔平
【テーマコード(参考)】
3E013
4J004
4J040
【Fターム(参考)】
3E013BA15
3E013BB06
3E013BB12
3E013BD11
3E013BE01
3E013BF41
3E013BF80
3E013BG20
4J004AA05
4J004AA08
4J004AA10
4J004AA11
4J004AA14
4J004CA04
4J004CA05
4J004CA06
4J004CA07
4J004CB03
4J004CC02
4J004CC03
4J004DA02
4J004DA03
4J004DA04
4J004DB02
4J004FA06
4J040DF041
4J040DF051
4J040DF071
4J040DF081
4J040HA136
4J040JB09
4J040KA34
4J040KA43
4J040LA06
4J040LA09
4J040MA10
4J040MB10
4J040NA06
4J040PA23
4J040PA42
(57)【要約】
【課題】マイクロ波を照射することにより、被着体から容易に剥がすことのできる粘着テープを提供する。
【解決手段】粘着テープは、熱収縮性を備える基材と、マイクロ波を吸収することによって発熱する発熱部と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱収縮性を備える基材と、
マイクロ波を吸収することによって発熱する発熱部と、を有する粘着テープ。
【請求項2】
前記基材の、前記発熱部が設けられる反対側の面に粘着剤層が形成されている、請求項1に記載の粘着テープ。
【請求項3】
前記発熱部の、前記基材が設けられる反対側の面に粘着剤層が形成されている、請求項1に記載の粘着テープ。
【請求項4】
前記発熱部は、粘着性を備える、請求項1に記載の粘着テープ。
【請求項5】
前記発熱部が酸化亜鉛、およびシアノ基含有不飽和化合物を共重合してなるアクリル系ポリマーからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1~4のいずれか1項に記載の粘着テープ。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の粘着テープが貼付された包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘着テープおよび包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、コンビニエンスストア等で販売されている弁当や揚げ物等の包装体(被着体とも称する)では、包装体内の食品が飛び出さないように、粘着テープによって封止されている(例えば下記の特許文献1)。このような粘着テープは、表面に粘着剤層を備えている。粘着テープによって封止される形態としては、弁当の容器のように互いに異なる別体の容器を封止する形態や、例えば揚げ物の容器のように一体の容器を折り曲げて封止する形態が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-211247号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されている粘着テープによって封止される包装体に対して、食品を食べる際に、電子レンジなどのマイクロ波で加熱すると、包装体が非常に高温となり触ることが困難であるため、粘着テープを剥がすことは困難である。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するために発明されたものであり、マイクロ波を照射することにより、被着体から容易に剥がすことのできる粘着テープを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための本発明に係る粘着テープは、熱収縮性を備える基材と、マイクロ波を吸収することによって発熱する発熱部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の粘着テープによれば、マイクロ波を照射することにより、被着体から粘着テープを容易に剥がすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1実施形態に係る粘着テープを示す断面模式図である。
図2】包装体に粘着テープが付着されている様子を示す概略図である。
図3】包装体から粘着テープが剥がれる様子を示す概略図である。
図4】本発明の変形例1に係る粘着テープを示す断面模式図である。
図5】本発明の変形例2に係る粘着テープを示す断面模式図である。
図6】変形例の包装体に粘着テープが付着されている様子を示す概略図である。
図7】変形例の包装体から粘着テープが剥がれる様子を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0010】
本明細書において、範囲を示す「X~Y」は「X以上Y以下」を意味する。また、特記しない限り、操作および物性等は、室温(20~25℃)/相対湿度45~55%RHの条件で測定する。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」は、「アクリルまたはメタクリル」を指す。
【0011】
粘着テープ1は、包装体50を封止するために設けられる(図2参照)。粘着テープ1の形状としては、特に限定されないが、積層方向から視て、正方形、長方形、楕円形、真円形などのいずれの形状であってもよい。また、包装体50からの剥離を容易にするために、粘着剤層30を備えないつまみを有していてもよい。
【0012】
粘着テープ1の粘着力は、包装体50への接着性を考慮すると、1N/25mm以上であることが好ましく、2N/25mm以上であることがより好ましい。また、粘着テープ1の粘着力は、包装体50からの剥がれを考慮すると、15N/25mm以下であることが好ましく、10N/25mm以下であることがより好ましい。なお、被着体への粘着力は、粘着テープ1の粘着剤層30面をポリプロピレン板に貼付し、24時間後にJIS Z0237:2009に従い、引張試験機により、180°方向に試験速度300mm/分で測定する。より詳細には、被着体への粘着力は、以下の方法によって測定された値である;粘着テープ1を1日標準環境下(23℃50%RH)に静置し、剥離ライナー40を剥がしてポリプロピレン板に粘着剤層30面を貼付する。24時間標準環境下に静置後、JIS Z0237:2009にしたがい粘着力を測定する。具体的には、引張試験機により、180°方向に試験速度300mm/分でフィルムを引き剥がし、粘着力を測定する。数値は、フィルム幅25mm当たりの引き剥がし力に換算したもの(N/25mm)である。以下、図1を参照して、粘着テープ1の構成について説明する。
【0013】
図1は、本実施形態に係る粘着テープ1の断面概略図である。本発明の第1実施形態に係る粘着テープ1は、図1に示すように、熱収縮性を備える基材10と、マイクロ波を吸収することによって発熱する発熱部20と、基材10の発熱部20が設けられる反対側の面に形成される粘着剤層30と、粘着剤層30の基材10が設けられる反対側の面に形成される剥離ライナー40と、を有する。なお、粘着テープ1は、発熱部20上、または各層間に他の機能層を有していてもよい。他の機能層としては、印刷層、プライマー層などが挙げられる。
【0014】
本実施形態の粘着テープ1において、電子レンジなどの加熱によりマイクロ波が照射されると、発熱部20が発熱し、発熱した熱は基材10に伝わり、基材10が収縮を起こす。これにより、粘着剤層30が収縮応力を受けることで粘着剤層30と包装体50の界面の接触面積が低下し、粘着テープ1の粘着力が低下する、さらには、粘着テープ1が包装体50から剥離する。
【0015】
剥離ライナー40は、粘着剤層30が包装体50に貼付されるまで、粘着剤層30にごみなどの付着物が付着することを防止する。ゆえに、剥離ライナー40は、粘着テープ1を包装体50に貼付する際に剥離される。このため、粘着テープ1は、剥離ライナー40を有していないものも包含される。
【0016】
<基材10>
基材10としては、何ら限定されるものではないが、加熱環境下において収縮しうる樹脂フィルムが好ましく用いられる。
【0017】
基材10の収縮率は10~90%が好ましく、さらに好ましくは20~80%である。なお、ここで収縮率は、収縮前のフィルムの寸法と、フィルムを70℃に加熱した収縮後の寸法とから、下記の数式に基づき算出する。
【0018】
【数1】
【0019】
上記のような基材10としては、特に限定されるものではないが、具体的には、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系フィルム;ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系フィルム;ポリスチレン;ポリアミド;ポリウレタン;ポリ塩化ビニリデン;ポリ塩化ビニルなどの一軸延伸フィルム、二軸延伸フィルム等を例示することができる。また、これら熱収縮性基材は、2種以上を組み合わせて用いることもできる。これらの中でも基材10としては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系フィルム;ポリオレフィン系フィルムを用いることが好ましい。
【0020】
基材10の厚さは、熱収縮性および加熱による剥がれを考慮すると、20~100μmであることが好ましく、30~100μmであることがより好ましい。
【0021】
<発熱部20>
発熱部20は、マイクロ波を吸収することによって発熱し、基材10へと伝熱する。これによって、基材10が収縮し、粘着テープ1が剥離する。このため、発熱部20は、基材10に隣接して配置されることが好ましい。
【0022】
発熱部20は、マイクロ波発熱材料を含む。マイクロ波発熱材料としては、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、スピネルフェライト、六方晶フェライトおよびガーネットフェライトなどのフェライト;カーボンブラック、炭化ケイ素(SiC)、炭化チタン(TiC)、炭化ジルコニウム(ZrC)、炭化タングステン(WC)、酸化アルミニウム(Al)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化カルシウム(CaO)、CaO・6Al、ホウ化ジルコニウム(ZrB)、ホウ化チタン(TiB)、ホウ化モリブデン(MoB)、フッ化カルシウム(CaF)、酸化チタン、ニオブ酸カリウム、水和ケイ酸アルミニウム、酸化鉄、酸化マグネシウム、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水和アルミノケイ酸塩等の結晶水を有する無機物;などの無機の発熱材料が挙げられる。これらの中でも、発熱性の観点から、無機の発熱材料としては、酸化亜鉛であることが好ましい。
【0023】
また、マイクロ波発熱材料は、上述のマイクロ波発熱性粘着剤を用いてもよい。
【0024】
発熱材料は1種単独で用いても2種以上併用してもよい。発熱性の観点からは、無機の発熱材料およびシアノ基含有不飽和化合物を共重合してなるアクリル系ポリマーを組み合わせる形態が特に好ましい。
【0025】
発熱性の観点から、マイクロ波により発熱する発熱材料は、酸化亜鉛、シアノ基含有不飽和化合物を共重合してなるアクリル系ポリマーからなる群から選択させる少なくとも1種であることが好ましい。
【0026】
発熱材料は、粘着剤層中、発熱性および粘着性の観点から、5~80質量%であることが好ましく、10~75質量%であることがより好ましく、30~70質量%であることがさらにより好ましく、50~65質量%が特に好ましい。
【0027】
発熱部20は、バインダー樹脂を含んでいてもよい。バインダー樹脂を含有することで、マイクロ波発熱材料を連結することができる。バインダー樹脂としては、特に制限はなく、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を用いることができるが、発熱部に用いるバインダーは熱可塑性樹脂であることが好ましい。
【0028】
熱可塑性樹脂としては、アクリル樹脂;ポリウレタン樹脂;ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂などのポリオレフィン樹脂;ポリスチレン樹脂;ポリ塩化ビニル樹脂;塩素化ポリエチレン樹脂;ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂などのポリエステル樹脂;ポリカーボネート樹脂;スチレン-アクリル共重合体;ポリアミドイミド樹脂;ポリエーテルエーテルケトン樹脂;ポリエーテルイミド樹脂;シリコーン樹脂などが挙げられる。
【0029】
バインダー樹脂は1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
【0030】
発熱部20におけるバインダー樹脂の含有量は、例えば、10~95質量%である。
【0031】
発熱部20の形成方法としては、上述した発熱材料およびバインダー樹脂を含む混合物を塗布することによって形成することができる。
【0032】
<粘着剤層30>
本実施形態において、粘着剤層30は、基材10の全面に配置される。なお、粘着剤層は、この構成に限定されず、例えば、基材10の外周部のみに配置されてもよい。
【0033】
粘着剤層30は、粘着剤を含む粘着剤組成物から形成される。
【0034】
粘着剤層30の形成方法は、特に限定されるものではないが、基材10上に粘着剤組成物を直接塗工して粘着剤層30を形成してもよく、また、剥離ライナー40上に粘着剤層30を形成した後、これを基材10と貼合してもよい。具体的には、剥離ライナー40上に粘着剤組成物を塗布し、粘着剤組成物からなる粘着剤層30を基材10に転写する方法が挙げられる。
【0035】
粘着剤組成物の基材10または剥離ライナー40への塗布方法は特に限定されず、例えばロールコーター、ナイフコーター、エアーナイフコーター、バーコーター、ブレードコーター、スロットダイコーター、リップコーター、グラビアコーターなどの公知の塗布装置を用いて塗布することができる。
【0036】
粘着剤層の厚みは、発熱性や剥離性を考慮すると、10~150μmであることが好ましく、20~120μmであることがより好ましく、30~100μmであることがさらにより好ましい。
【0037】
[粘着剤]
粘着剤としては、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、スチレン-ジエンブロック共重合体粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、フッ素系粘着剤等が挙げられる。なかでも、接着の信頼性の観点から、アクリル系粘着剤が特に好ましい。
【0038】
アクリル系粘着剤を構成するアクリル系ポリマーは、粘着性を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを単量体主成分とし、必要に応じて(メタ)アクリル酸アルキルエステルに共重合可能な単量体(共重合性単量体)を含む単量体混合物を用いることにより形成される。
【0039】
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、粘着性能の観点から、(メタ)アクリル酸ブチルおよび/または(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシルであることが好ましい。
【0040】
粘着性能を発現する観点から、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有量は、単量体混合物中の単量体の合計量に対して、好ましくは70質量%以上であり、より好ましくは80質量%以上であり、さらにより好ましくは90質量%以上である。また、被着体からの剥がれの観点から、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有量は、単量体混合物中の単量体の合計量に対して、好ましくは99.5質量%以下であり、より好ましくは99質量%以下である。
【0041】
(メタ)アクリル酸アルキルエステルに共重合可能な共重合性単量体の例としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、およびオレイン酸などのカルボキシル基含有ビニルモノマー;マレイン酸無水物、イタコン酸無水物などのカルボン酸無水物基含有ビニルモノマー;(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、グリセリンジメタクリレートなどの水酸基含有単量体;アクリルアミド、メタアクリルアミド、N-ビニルピロリドン、N,N-ジメチルアクリルアミドなどのアミド基含有単量体;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリロイルモルホリンなどのアミノ基含有単量体;スチレン、置換スチレンなどの芳香族ビニル化合物;アクリロニトリルなどのシアノ基含有単量体;酢酸ビニルなどのビニルエステル類などが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0042】
共重合性単量体の全単量体中の含有量は、好ましくは20質量%以下であり、より好ましくは10質量%以下である(下限値:0質量%)。
【0043】
粘着剤は、水分散型、溶剤型、無溶剤型のいずれであってもよい。
【0044】
[架橋剤]
粘着剤組成物は、アクリル系ポリマーの他、架橋剤を含んでいてもよい。架橋剤としては、公知の架橋剤が使用できる。例えば、以下に制限されないが、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤などが挙げられる。
【0045】
架橋剤を添加する場合、架橋剤の添加量は、アクリル系ポリマー100質量部に対して、0.1~10質量部であることが好ましく、0.5~5質量部であることがより好ましい。
【0046】
[その他の添加剤]
粘着剤組成物は、従来公知のその他の添加剤をさらに含みうる。かような添加剤としては、例えば、粘着付与剤、充填剤、顔料、紫外線吸収剤、濡れ剤、防腐剤などが挙げられる。
【0047】
<剥離ライナー40>
本実施形態の粘着テープ1は、剥離ライナー40を有していてもよい。剥離ライナーは、粘着剤層30を保護し、粘着性の低下を防止する機能を有する部材である。そして、剥離ライナー40は、包装体50に貼付する際に粘着テープ1から剥離される。
【0048】
剥離ライナー40としては、特に限定されるものではないが、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィンフィルムなどのプラスチックフィルム;上質紙、グラシン紙、クラフト紙などの紙が挙げられる。
【0049】
剥離ライナー40の厚みは、通常10~400μm程度である。また、剥離ライナー40の表面には、粘着剤層30の剥離性を向上させるためのシリコーンなどから構成される剥離剤からなる層が設けられてもよい。かような層が設けられる場合の当該層の厚みは、通常0.01~5μm程度である。
【0050】
次に、図2図3を参照して、粘着テープ1の使用方法について説明する。図2は、包装体50に粘着テープ1が付着されている様子を示す概略図である。図3は、包装体50から粘着テープ1が剥がれる様子を示す概略図である。
【0051】
まず、図2に示すように、包装体50を封止するように粘着テープ1を包装体50に対して貼付する。本実施形態において、包装体50は、揚げ物の容器のように一体の容器を折り曲げて形成されるものである。包装体50の折り返し部51が本体部52に重なり合うようにした状態で、粘着テープ1は、折り返し部51および本体部52に対して貼付される。
【0052】
包装体50に対して電子レンジなどのマイクロ波が照射されると、図3に示すように、発熱部20が発熱し、基材10が収縮することにより、粘着テープ1の一部が包装体50から剥がれる。
【0053】
包装体50としては、袋や容器などが挙げられる。袋や容器の材質としては、例えば樹脂が挙げられる。樹脂としては、特に限定されるものではないが、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、メタクリル樹脂、ポリ塩化ビュル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、セル口ースアセテート樹脂、エチレン一ビニルアルコール系共重合体樹脂(EVOH等)等が挙げられる。
【0054】
<変形例1>
次に、図4を参照して、変形例1に係る粘着テープ2の構成について説明する。図4は、変形例1に係る粘着テープ2を示す断面模式図である。
【0055】
変形例1に係る粘着テープ2は、図4に示すように、上から順に、基材10と、発熱部20と、粘着剤層30と、剥離ライナー40と、を有する。各層の構成は、上述した実施形態に係る粘着テープ1と同様である。
【0056】
<変形例2>
次に、図5を参照して、変形例2に係る粘着テープ3の構成について説明する。図5は、変形例2に係る粘着テープ3を示す断面模式図である。
【0057】
変形例2に係る粘着テープ3は、図5に示すように、上から順に、基材10と、粘着剤層130と、剥離ライナー40と、を有する。基材10および剥離ライナー40の構成は、上述した実施形態に係る粘着テープ1と同様である。
【0058】
変形例2に係る粘着テープ3の粘着剤層130は、発熱部を含む。粘着剤層130の形態としては、具体的には、粘着剤層が、(非発熱性)粘着剤および(非粘着性)マイクロ波発熱材料を含む形態;粘着剤層が、マイクロ波発熱性粘着剤を含む形態(粘着剤がマイクロ波発熱材料である形態);粘着剤層が、マイクロ波発熱性粘着剤および(非粘着性)マイクロ波発熱材料を含む形態などが挙げられる。
【0059】
マイクロ波発熱性粘着剤としては、シアノ基含有不飽和化合物を共重合してなるアクリル系ポリマーから構成される粘着剤があげられる。
【0060】
シアノ基含有不飽和化合物を共重合してなるアクリル系ポリマーを構成する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、上記で挙げたものが挙げられる。中でも、粘着性能の観点から、(メタ)アクリル酸ブチルおよび/または(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシルであることが好ましい。誘電率が高いことから(メタ)アクリル酸ブチルであることがさらに好ましい。
【0061】
粘着性能を発現する観点から、シアノ基含有不飽和化合物を共重合してなるアクリル系ポリマーを構成する(メタ)アクリル酸エステルの含有量は、単量体混合物中の単量体の合計量に対して、好ましくは70質量%以上であり、より好ましくは75質量%以上である。また、被着体からの剥がれの観点から、(メタ)アクリル酸エステルの含有量は、単量体混合物中の単量体の合計量に対して、好ましくは99質量%以下であり、より好ましくは97質量%以下である。
【0062】
シアノ基含有不飽和化合物としては、アクリロニトリル、メチル-2-シアノアクリレート、エチル-2-シアノアクリレート、n-ブチルシアノアクリレート、2-オクチルシアノアクリレートなどが挙げられる。中でも、シアノ基含有不飽和化合物としては、メチル-2-シアノアクリレート、エチル-2-シアノアクリレート、n-ブチルシアノアクリレート、2-オクチルシアノアクリレートなどのシアノアクリレートであることが好ましい。シアノ基含有不飽和化合物のアクリル系ポリマーを構成する全単量体中の含有量は、1~30質量%であることが好ましく、3~20質量%であることが好ましい。
【0063】
また、シアノ基含有不飽和化合物を共重合してなるアクリル系ポリマーを構成する単量体として、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに共重合可能な他の共重合性単量体を用いても良い。このような例としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、およびオレイン酸などのカルボキシル基含有ビニルモノマー;マレイン酸無水物、イタコン酸無水物などのカルボン酸無水物基含有ビニルモノマー;(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチルなどの(メタアクリル酸ヒドロキシアルキル、グリセリンジメタクリレートなどの水酸基含有単量体;アクリルアミド、メタアクリルア)ミド、N-ビニルピロリドン、N,N-ジメチルアクリルアミドなどのアミド基含有単量体;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリロイルモルホリンなどのアミノ基含有単量体;スチレン、置換スチレンなどの芳香族ビニル化合物;酢酸ビニルなどのビニルエステル類などが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、他の単量体としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルが好ましい。誘電率が高いことからアクリル酸がさらに好ましい。他の単量体の全単量体中の含有量は、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは5質量%以下であり、さらにより好ましくは1質量%以下である(下限値:0質量%)。
【0064】
(非粘着性)マイクロ波発熱材料は、粘着剤層中、発熱性および粘着性の観点から、5~80質量%であることが好ましく、10~60質量%であることがより好ましい。
【0065】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内で種々改変することができる。
【0066】
例えば上述した実施形態では、包装体50は、揚げ物の容器のように一体の容器を折り曲げて形成されるものであった。しかしながら、包装体150は、図6に示すように、弁当の容器のように互いに異なる別体の容器151、152から構成されてもよい。このとき、容器151、152が互いに密着した状態で、粘着テープ1は、容器151、152に対して貼付される。
【0067】
包装体150に対して電子レンジなどのマイクロ波が照射されると、図7に示すように、粘着剤層30が発熱し、基材10が収縮することにより、粘着テープ1の一部が包装体150から剥がれる。
【0068】
また、上述した実施形態では、粘着テープが被着される被着体として、弁当や揚げ物等の包装体を例に挙げて説明した。しかしながら、粘着テープが被着される被着体としては、特に限定されず、例えば工業用製品等であってもよい。
【符号の説明】
【0069】
1、2、3 粘着テープ、
10 基材、
20 発熱部、
30 粘着剤層、
40 剥離ライナー、
50、150 包装体、
130 粘着剤層。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7