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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023021594
(43)【公開日】2023-02-14
(54)【発明の名称】気化式石油燃焼装置
(51)【国際特許分類】
   F23D 11/10 20060101AFI20230207BHJP
   F23D 11/40 20060101ALI20230207BHJP
【FI】
F23D11/10 C
F23D11/40 A
F23D11/40 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021126547
(22)【出願日】2021-08-02
(71)【出願人】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(72)【発明者】
【氏名】内山 高志
(72)【発明者】
【氏名】小島 輝明
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 智大
(57)【要約】
【課題】炎孔部の赤熱化による熱変形を防止できる気化式石油燃焼装置を提供する。
【解決手段】気化器1と、先細状に区画成形され間に下方に連通する二次空気室18を介するガス室19とからなる混合室16と、混合室16上部に備えられたバーナ部23とで構成され、バーナ部23は、ガス室19上に固定される複数の炎孔部24と、二次空気室18と連通した二次空気供給部25とが交互に配置され、炎孔部24は炎孔27が形成された凸状の炎孔部本体26と、炎孔部本体26の左右に形成されたフランジ部24d、24eとで構成され、炎孔部24のフランジ部24d、24eの一方が混合室16と直接接触し、他方が隣の炎孔部24のフランジ部24d、24eの上に接触するので、全ての炎孔部24のフランジ部24d、24eの一方が混合室16と直接接触し、それにより全ての炎孔部24が混合室16に放熱されて熱変形を防止できる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱用ヒ-タを備え底部には混合ガスの流出口を有した気化器と、該気化器下部に設けられ、前記流出口と連通した整流室と、該整流室に連通し先細状に区画成形され間に下方に連通する二次空気室を介するガス室とからなる混合室と、該混合室上部で前記気化器背面側に備えられたバーナ部とで構成され、前記バーナ部は、前記ガス室上に固定される複数の炎孔部と、前記二次空気室と連通した二次空気供給部とが交互に配置され、前記炎孔部は、炎孔が長手方向に沿って形成された凸状の炎孔部本体と、該炎孔部本体の左右に形成されたフランジ部とで構成された気化式石油燃焼装置に於いて、前記炎孔部の前記フランジ部の一方が前記混合室と直接接触し、前記フランジ部の他方が隣の前記炎孔部の前記フランジ部の上に接触することを特徴とする気化式石油燃焼装置。
【請求項2】
前記炎孔部は、前記フランジ部の左右共に前記混合室と直接接触する前記炎孔部と、前記フランジ部の左右の一方のみが前記混合室と直接接触する前記炎孔部とからなることを特徴とする請求項1記載の気化式石油燃焼装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、気化式石油燃焼装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のものに於いては、加熱用ヒ-タを備えた気化器で、気化ガスと燃焼空気との予混合ガスを形成し、更に混合室101内でこの混合を促進させた後、バーナ部で周囲から二次空気の供給を受けながら良好な燃焼を行わせるものであった。
【0003】
前記混合室101は、気化器下部に連通し、該気化器から遠ざかるに従い浅く形成することで、混合室上部のバーナ部から噴出する混合ガスの噴出速度を全体的に均一化し、良好な燃焼を得ようとするものであった。
そして前記混合室101は、気化器下部に備えられたアルミダイキャスト製で、流出口に連通し混合ガスの整流を行うように1段下方に凹ませて大容量とした整流室と、該整流室に連通し先細状に区画成形され間に下方に連通する二次空気室102を交互に有する複数のガス室103とを一体成形して構成されるものであった。
【0004】
又、バーナ部は、ガス室上に固定される凸状の炎孔部104と、炎孔部104間隔で二次空気室102と連通した二次空気供給部105とで構成され、炎孔部104頂部にはほぼ中央部から側壁まで延設された細長逆L字状の炎孔106が、長手方向に沿って左右交互に形成され、更に二次空気供給部105底部には二次空気室と連通する二次空気孔107を、炎孔部104のフランジ部108に形成した小孔109を重合して形成しているものであった。(例えば、特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平09-119611号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、この従来のものでは、複数の炎孔部で端の炎孔部を一列目、その隣の炎孔部を二列目というようにすると、一列目を含めた奇数列目の炎孔部のフランジ部は、左右共混合室と直接接触して取り付けられ、二列目以降の偶数列目の炎孔部のフランジ部は、左右共混合室と直接接触せず、奇数列目の炎孔部のフランジ部の上に重なって取り付けられていた。
【0007】
このため、左右のフランジ部共混合室と直接接触しない偶数列目の炎孔部は、火炎により加熱された熱が放熱されずに高温となり、赤熱化して熱変形を起こす可能性があった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1では、加熱用ヒ-タを備え底部には混合ガスの流出口を有した気化器と、該気化器下部に設けられ、前記流出口と連通した整流室と、該整流室に連通し先細状に区画成形され間に下方に連通する二次空気室を介するガス室とからなる混合室と、該混合室上部で前記気化器背面側に備えられたバーナ部とで構成され、前記バーナ部は、前記ガス室上に固定される複数の炎孔部と、前記二次空気室と連通した二次空気供給部とが交互に配置され、前記炎孔部は、炎孔が長手方向に沿って形成された凸状の炎孔部本体と、該炎孔部本体の左右に形成されたフランジ部とで構成された気化式石油燃焼装置に於いて、前記炎孔部の前記フランジ部の一方が前記混合室と直接接触し、前記フランジ部の他方が隣の前記炎孔部の前記フランジ部の上に接触するものである。
【0009】
又、請求項2では、前記炎孔部は、前記フランジ部の左右共に前記混合室と直接接触する前記炎孔部と、前記フランジ部の左右の一方のみが前記混合室と直接接触する前記炎孔部とからなるものである。
【発明の効果】
【0010】
この発明の請求項1によれば、炎孔部の左右のフランジ部のうち、一方が前記混合室と直接接触し、他方が隣の炎孔部のフランジ部の上に接触するようにしたことにより、従来の左右のフランジ部共混合室と直接接触しない偶数列目の炎孔部は、フランジ部の一方が混合室と直接接触することで従来に比べて放熱されて温度が下がり、赤熱化して熱変形を起こすのを防止できる。
【0011】
又、従来の左右のフランジ部共混合室と直接接触する奇数列目の炎孔部は、フランジ部の一方のみが混合室と直接接触することで従来に比べて放熱が少なくなって温度が上がるものの赤熱化までには至らず、熱変形を起こさないものである。
これにより、燃焼時の全ての炎孔部の温度が均一化されて燃焼が安定化すると共に、局所的な過熱が防止されて炎孔部の熱変形を抑制して耐久性を向上できるものである。
【0012】
又、請求項2によれば、孔部は、フランジ部の左右共に混合室と直接接触する炎孔部と、フランジ部の左右の一方のみが混合室と直接接触する炎孔部とからなることにより、火炎により加熱されて特に高温となる炎孔部については、フランジ部の左右共に混合室と直接接触させることでより放熱されて温度が下がり、赤熱化して熱変形を起こすのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態を示す気化式石油燃焼装置の断面図。
図2】同燃焼室の横断面図。
図3】同要部の断面図。
図4】同要部の分解斜視図。
図5】同要部の拡大断面図。
図6】同気化器の正面図。
図7】従来の気化式石油燃焼装置の要部の断面図。
図8】同要部の拡大断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、この発明を適用した一実施形態を図面に基づいて説明する。
1はアルミダイキャストから成る横椀状の気化器で、正面は燃料噴射ノズル2及び一次空気の噴出口3を備えた蓋体4で閉塞され、底部に仕切壁5で2つに仕切られた混合ガスの流出口6を形成している。
【0015】
前記気化器1は燃料噴射ノズル2と対向する内面を、該燃料噴射ノズル2に対して垂直に形成し垂直気化面7とすると共に、燃油が吹き付けられる部分は該燃油の均一な拡散を計る為に平坦面8とし、更にこの平坦面8の周囲には長さの異なる複数個のビ-ド9を水平方向で且つそれぞれ平行に複数段配置して、流下する燃油の蛇行路10を形成しているものである。
【0016】
又、上記平坦面8及び蛇行路10は、燃料噴射ノズル2の噴射孔11が左右に1つずつ形成されているので、これに対向して垂直気化面7上の左右にそれぞれ1つずつ設けられている。
【0017】
?12は気化器1に鋳込まれたU字状のシ-ズヒ-タから成る加熱用ヒ-タで、垂直気化面7上方から燃料噴射ノズル2側に突出し、該垂直気化面7の上方空間を覆う上側壁13と、垂直気化面7下方から突出し流出口6を形成する下側壁14とに鋳込まれているものである。
【0018】
15は気化器1の蛇行路10最終端に備えられた平面から見て台形の案内壁で、気化器1内で形成される気化ガスと燃焼用一次空気による混合ガスを、底部の2つの流出口6にスム-ズに分割して案内するものである。
【0019】
16は気化器1下部に備えられたアルミダイキャスト製の混合室で、流出口6に連通し混合ガスの整流を行うように1段下方に凹ませて大容量とした整流室17と、該整流室17に連通し先細状に区画成形され間に下方に連通する二次空気室18を交互に有する複数のガス室19とを一体成形して構成され、更に整流室17底部にはU字状のシ-ズヒ-タから成る補助ヒ-タ20が鋳込まれており、予熱時の一定時間のみ通電され混合室16を予熱するものである。
【0020】
? 又、上記混合室16内面には、耐熱塗料を塗布し微細凹凸の塗装面21を形成することで、混合ガスの流通抵抗として該混合ガスの噴出速度を均一にすると共に整流の促進を計るものである。
【0021】
22は各ガス室19入口に上方から垂下して備えられた整流板で、一枚板に切欠部と屈曲片とを交互に形成して構成され、ガス室19入口面積の約1/6を上方から閉塞することによって、ガス室19への送風力を抑制して火炎の片寄りを防止して、全体的に均一な火炎を形成するようにしているものである。
【0022】
23は混合室16のガス室19及び二次空気室18上で気化器1の背面側に形成されたバーナ部で、前記ガス室19上に固定される凸状の炎孔部24と、該炎孔部24間隔で二次空気室18と連通した二次空気供給部25とで構成される。
【0023】
前記炎孔部24は図5に示すように、頂部24aと、頂部24aの左右に形成された側壁部24b、24cとからなる凸状の炎孔部本体26と、左右の側壁部24b、24cにそれぞれ形成されたフランジ部24d、24eとからなる。
【0024】
又、前記炎孔部24は、側壁部24b、24cの一方が他方よりフランジ部24d、24eの厚さ分短いものと、左右の側壁部24b、24cの長さが同じものとがあり、本実施例では、短いものが側壁部24bで、該側壁部24bより長いものが側壁部24cである。
そして、図3に示すように、短い側壁部24bのフランジ部24dは、隣の炎孔部24の長い側壁部24cの上面に接触して設けられ、長い側壁部24cのフランジ部24eは、混合室16と直接接触するものである。
【0025】
前記頂部24aには、ほぼ中央部から側壁まで延設された細長逆L字状の炎孔27が、長手方向に沿って左右交互に形成され、更に二次空気供給部25底部には二次空気室18と連通する二次空気孔28を、炎孔部24のフランジ部24d、24eに形成しているものである。
【0026】
前記二次空気孔28は、気化器1に近く低温部分の1/3を直径約3mmで一列9個の丸穴形状の二次空気孔28aとし、気化器1から遠く高温部分の2/3を幅約3mm、長さ約13mmで一列8個の長穴形状の二次空気孔28bとしており、供給される二次空気量が丸穴と長穴とは相違することを利用して、均一にバーナ部23を冷却し耐久性を向上させるものである。
【0027】
??29は炎孔部24両側に固着された保炎ガイドで、炎孔27と対向する上部を該炎孔27とは反対側の斜め上方に向かって屈曲させ、炎孔27に形成される火炎の広がりを抑制すると共に下方から供給される二次空気の案内を行うものである。
【0028】
前記保炎ガイド29は、図5に示すように、フランジ部24d、24eの厚さ分短い側壁部24b側に固着される短保炎ガイド29bと、側壁部24bより長い側壁部24c側に固着される長保炎ガイド29cとがあり、短保炎ガイド29bは、長さが長保炎ガイド29cよりフランジ部24d、24eの厚さ分短く、それにより短保炎ガイド29bと長保炎ガイド29cの先端の高さが同じになり、燃焼に不具合が発生しないものである。
【0029】
?30は炎孔部24内に備えられた耐熱性の整流アミで、線径0.29mmの線材を36メッシュに編み上げて構成され、炎孔27から噴出する混合ガスの最後の整流を行うものである。
【0030】
31は気化器1背面からバーナ部23上に突出した縦長の吸熱フィンで、燃焼ガスとの接触面積を多くしてヒ-トバック量を増大させる為に複数に分割形成され、燃焼時には燃焼熱のヒ-トバックを気化熱として利用し加熱用ヒ-タ12の省電力化を計るものであり、上端はバーナ部23側に向かって下り傾斜した傾斜部32とし、上昇してくる燃焼熱の抜けを良くしているものである。
【0031】
更に前記各吸熱フィン31間下部には炎孔部24が位置するように配設され、そしてこの吸熱フィン31間の炎孔部24には他の炎孔27の約10倍の大きさとなる2つの四角形から成る大炎孔33を形成し、又各吸熱フィン31の突出端面には下端から上端へ抜ける縦溝34をほぼ中央部に1本設け、大火力燃焼時には大炎孔33に形成される火炎の広がりで、この縦溝34にも火炎が入り込み吸熱面積が増大するように構成されているものである。
【0032】
35は吸熱フィン31上方に備えられたL字状の抑止板で、気化器1側から吸熱フィン31上約2/3まで張り出して該吸熱フィン31間及び縦溝34上を覆い、この間を上昇して来る燃焼熱の上昇力を抑制するものであり、又吸熱フィン31上方全体を覆うまで張り出させた場合には、抑止板35自体にスリットや穴を形成して抑制力を調節するようにしてもよいものである。
【0033】
? 36は吸熱フィン31間の気化器1背面壁に横方向R状の凸部を複数個連続して形成した凹凸面で、吸熱面積を増大させると共に、燃焼熱の上昇力を制御し十分なヒ-トバックを得るようにしているもので、特にR形状であるから燃焼熱に乱流を起こさせることなく、スム-ズにその上昇力のみを抑制することが出来るものである。
【0034】
37はバーナ部23の上方を囲った燃焼室で、外周は空気室38を介してカバ-枠39で覆われている。
40は燃焼ファンで、風路41を介して噴出口3と空気室38に連通し、噴出口3には燃焼用の一次空気を供給し、空気室38には気化器1側方を通り混合室16下方からバーナ部23の二次空気供給部25へ供給される二次空気及び、燃焼室37を冷却する空気を供給するものである。
42は燃料噴射ノズル2に送油管43を介して燃油を供給する電磁ポンプ、44は遮熱板である。
【0035】
??次にこの発明一実施形態の作動について説明する。
今加熱用ヒ-タ12に通電し気化器1を所定温度まで加熱すれば、これを適所に備えた温度センサ-(図示せず)で検知し、燃焼ファン40及び電磁ポンプ42を駆動させることで、気化器1には燃料噴射ノズル2から燃油が、又噴出口3からは燃焼用の一次空気がそれぞれ供給される。
【0036】
そして気化器1では、燃料噴射ノズル2から噴射された燃油は、垂直気化面7の平坦面8に衝突し凹凸がないので均一に周囲に拡散するが、直ぐには落下せず周囲のビ-ド9上を供給される一次空気の送風力もあって蛇行路10に沿って順次移動し、十分な気化時間となって気化が促進されると共に、ビ-ド9による凹凸で供給される一次空気も乱流を起こし気化ガスとの混合も十分に行われ、良好な混合ガスを得ることが出来るものである。
【0037】
又、垂直気化面7で気化された気化ガスは、該垂直気化面7に衝突して跳ね返される一次空気と共に、横椀状の気化器1内で加熱用ヒ-タ12を備えた上下側壁13・14側に流れるが、この上下側壁13・14は加熱用ヒ-タ12によって十分加熱されているので、気化ガスの気化は更に促進されると共に、一次空気も良好に加熱され、しかも気化器1は横椀状で気化ガスと一次空気とは直ぐには流出せず、ある程度気化器1内にとどまり十分混合した後、流出口6から流出されるものである。
【0038】
一方この流出口6から流出した混合ガスは混合室16内に流入するが、該混合室16は上記気化器1の予熱と同時に通電される補助ヒ-タ20によって一定時間加熱され、高温の予熱状態が維持されているので、流入した混合ガスは液化することながないものである。
【0039】
そして、混合ガスは整流室17で整流を促進した後、直ぐに複数のガス室19に細かく分割して流入し、内壁面の塗装面21による微細凹凸と先細形状とによって、炎孔部24の炎孔27から噴出する混合ガスの噴出速度は、長手方向に関係なく全体が均一となり、又混合ガスは炎孔27から噴出される直前に整流アミ30を通過して最後に整流されて噴出し、適宜点火手段(図示せず)で点火されれば燃焼が開始されるものである。
【0040】
更に火炎が形成される炎孔27は、炎孔部24頂部に左右交互に設けられているので、残部が十分確保され強度的に強く長期間の燃焼でも焼損する心配はないものであり、又大火力燃焼で火炎が大きくなったとしても、成形される火炎は左右交互であり互いに干渉することもなく良好な燃焼炎が得られるものである。
【0041】
更に各炎孔部24間にはそれぞれ二次空気供給部25が形成されると共に、炎孔部24の側壁面まで炎孔27が延設されこれを保炎ガイド29が案内しているので、各炎孔27に形成される火炎の広がりは保炎ガイド29が抑制し屈曲部分で火炎の案内も行い、又火炎は二次空気供給部25上に張り出し、ここに下方の二次空気孔28からの二次空気がスム-ズに且つ確実に供給され、完全燃焼の良好な燃焼が行われるものである。
【0042】
この時、二次空気孔28では、気化器1に近い丸穴形状の二次空気孔28aからは、流通抵抗が大きく風量小の二次空気が供給されて、保炎ガイド29を冷却した後に燃焼されるものであり、一方気化器1から遠い長穴形状の二次空気孔28bからは、流通抵抗が小さく風量大の二次空気が供給され、保炎ガイド29を強力に冷却した後に燃焼されるものであり、気化器1の近くは該気化器1がヒートバック用に熱を奪うので、低温部分であるから、冷却用の二次空気はそれ程必要とせず、又気化器1自身もヒートバックの関係で冷却されないほうが、消費電力を抑えられるので、丸穴形状の二次空気孔28aを位置させており、逆に気化器1から遠くなれば熱が奪われないので、高温部分となるから、冷却用の二次空気は必要であり、長穴形状の二次空気孔28bを位置させて、バランスをとって全体が均一の冷却状態となるようして、耐久性の向上を図るものである。
【0043】
又、大火力燃焼での燃焼が継続すると、バーナ部23の炎孔部24が高温となるが、全ての炎孔部24の長い側壁部24cのフランジ部24eが混合室16と直接接触しているので、炎孔部24の熱が混合室16に伝熱して放熱され、燃焼時の全ての炎孔部24の温度が均一化されて燃焼が安定化すると共に、局所的な過熱が防止されて炎孔部24の熱変形を抑制して耐久性を向上できる。
【0044】
又、炎孔部24が複数列ある場合、図3のAのように、必ず1つの炎孔部24は、左右の側壁部24b、24cの長さが同じとなって左右のフランジ部24d、24eの両方とも混合室16と直接接触するものがあり、複数列の炎孔部24のうち、特に高温になりやすい炎孔部24に左右の側壁部24b、24cの長さが同じ炎孔部24を配置すれば、左右のフランジ部24d、24eの両方とも混合室16と直接接触し、それにより、より多くの熱を炎孔部24から混合室16に伝熱して特に高温になりやすい炎孔部24の熱変形を防止できる。
【0045】
又、前記炎孔部24の短い側壁部24bと長い側壁部24cは、頂部24aの左右のどちらでもよく、例えば図3のAのように、複数列ある炎孔部24の真ん中の炎孔部24が左右の側壁部24b、24cの長さが同じとなって左右のフランジ部24d、24eの両方とも混合室16と直接接触する場合、Aの炎孔部24よりも右側の炎孔部24は、頂部24aの左側が短い側壁部24bで、頂部24aの右側が長い側壁部24cとなる。
又、Aの炎孔部24よりも左側の炎孔部24は、頂部24aの左側が長い側壁部24cで、頂部24aの右側が短い側壁部24bとなる。
【符号の説明】
【0046】
1??気化器
12??加熱用ヒ-タ
16??混合室
23??バーナ部
24??炎孔部
24d、24e フランジ部
25??二次空気供給部
26 炎孔部本体
27??炎孔
28??二次空気孔
29??保炎ガイド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8