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  • 特開-熱交換器、熱交換器の修理方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023021619
(43)【公開日】2023-02-14
(54)【発明の名称】熱交換器、熱交換器の修理方法
(51)【国際特許分類】
   F28F 19/04 20060101AFI20230207BHJP
   F28D 1/047 20060101ALI20230207BHJP
【FI】
F28F19/04 Z
F28D1/047 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021126599
(22)【出願日】2021-08-02
(71)【出願人】
【識別番号】521340344
【氏名又は名称】菱熱サービス株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】511060445
【氏名又は名称】株式会社ジャパンホームランドセキュリティ
(74)【代理人】
【識別番号】110002446
【氏名又は名称】特許業務法人アイリンク国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】安達 健一
【テーマコード(参考)】
3L103
【Fターム(参考)】
3L103AA12
3L103AA27
3L103BB42
3L103CC23
3L103DD06
3L103DD87
(57)【要約】
【課題】薬品、衝撃に対して強度を持つことができるようにする。
【解決手段】熱交換器1は、複数のフィン21同士が間隔を開け並列に配置されフィン21同士の間を気体が通過するフィン部20と、複数のフィン21を貫通し配置され内部に冷媒が流れる複数の直管12と、フィン部20の外部に露出し一の直管12の端部12aと他の直管12の端部12aとを繋ぎ一の直管12の内部と他の直管12の端部の内部とを連通させるUベンド15と、を有し、Uベンド15の外周面には、ポリウレアのコーティング層が形成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のフィン同士が間隔をあけ並列に配置され前記フィン同士の間を気体が通過するフィン部と、
前記複数のフィンを貫通し配置され内部に冷媒が流れる複数の直管と、
前記フィン部の外部に露出し一の前記直管の端部と他の前記直管の端部とを繋ぎ前記一の前記直管の内部と前記他の直管の端部の内部とを連通させるUベンドと、を有し、
前記Uベンドの外周面には、ポリウレアのコーティング層が形成されている熱交換器。
【請求項2】
前記フィンは、加熱手段によって加熱可能とされる請求項1に記載の熱交換器。
【請求項3】
前記コーティング層の厚さは、Uベンドにおける位置及び熱交換器の使用環境の少なくとも何れかに応じて異なる請求項1又は2に記載の熱交換器。
【請求項4】
複数のフィンが間隔をあけて並列に配置され前記フィン同士の間を気体が通過するフィン部と、
前記複数のフィンを貫通し配置され内部に冷媒が流れる複数の直管と、
前記フィン部の外部に露出し一の前記直管の端部と他の前記直管の端部とを繋ぎ前記一の前記直管の内部と前記他の直管の端部の内部とを連通させるUベンドと、を有する熱交換器の修理方法であって、
前記Uベンドの外周面にポリウレアのコーティングする熱交換器の修理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱交換器の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
熱交換器は、例えば、空調機に使用されている。このような熱交換器には、冷媒の流路を形成する管路の一部にUベンドが使用されている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6391854号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
Uベンドは、熱交換器において外部に臨む部位になるため、外部環境にさらされることになる。そのため、Uベンドは、外部環境にある薬品にさらされたり、外部から衝撃を受けたりと、外部環境から様々な影響を受け、損傷してしまうことがあった。
【0005】
本発明の目的は、薬品、衝撃に対して強度を持つことができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明の第1の態様は、複数のフィン同士が間隔をあけ並列に配置され前記フィン同士の間を気体が通過するフィン部と、前記複数のフィンを貫通し配置され内部に冷媒が流れる複数の直管と、前記フィン部の外部に露出し一の前記直管の端部と他の前記直管の端部とを繋ぎ前記一の前記直管の内部と前記他の直管の端部の内部とを連通させるUベンドと、を有し、前記Uベンドの外周面には、ポリウレアのコーティング層が形成されている熱交換器である。
【0007】
本発明の第2の態様では、前記フィンは、加熱手段によって加熱可能とされることが好ましい。
【0008】
本発明の第3の態様では、前記コーティング層の厚さは、Uベンドにおける位置及び熱交換器の使用環境の少なくとも何れかに応じて異なることが好ましい。
【0009】
前記課題を解決するために、本発明の第4の態様は、複数のフィンが間隔をあけて並列に配置され前記フィン同士の間を気体が通過するフィン部と、前記複数のフィンを貫通し配置され内部に冷媒が流れる複数の直管と、前記フィン部の外部に露出し一の前記直管の端部と他の前記直管の端部とを繋ぎ前記一の前記直管の内部と前記他の直管の端部の内部とを連通させるUベンドと、を有する熱交換器の修理方法であって、前記Uベンドの外周面にポリウレアのコーティングする熱交換器の修理方法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明の前記第1の態様によれば、熱交換器は、外部に露出しているUベンドの外周面にポリウレアのコーティング層が形成されていることで、薬品、衝撃に対して強度を持つことができる。
【0011】
本発明の前記第2の態様によれば、熱交換器は、外部に露出しているUベンドの外周面にポリウレアのコーティング層が形成されていることで、Uベンドがフィンの温度変化の影響を受けるような状況下でも、そのような温度変化に対して強度を持つことができる。
【0012】
本発明の前記第3の態様によれば、Uベンドは、効率良くコーティング層が形成される。
【0013】
本発明の前記第4の態様によれば、熱交換器は、外部に露出しているUベンドの外周面にポリウレアのコーティング層が形成されていることで、薬品、衝撃に対して強度を持つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、熱交換器の構成例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、熱交換器を挙げている。
【0016】
(構成)
図1は、熱交換器1の構成例を示す斜視図である。
【0017】
熱交換器1は、管部10、フィン部20、及び加熱部30を有している。
【0018】
管部10は、直管部11、及びUベンド15を有している。管部10は、例えば、鋼管である。直管部11は、複数の直管12それぞれが水平方向に延びかつ垂直方向に並列に配置されている。直管12内を冷媒が流れる。管部10では、一の直管12の端部12aが隣接する他の直管12の端部12aとUベンド15によって連結されており、直管12とUベンド15とで全体として蛇行した管路を形成している。
【0019】
各Uベンド15は、一の直管12内と他の直管12内とを連通させている。各Uベンド15は、外周面がポリウレアでコーティングされている。ここで、ポリウレアの配合割合は、コーティング材の溶剤中、所定の割合になっている。コーティング方法は、Uベンド15にポリウレアをスプレー等で塗布して、Uベンド15の外周面にポリウレアのコーティング層を形成している。ここで、コーティング層の厚さは、Uベンド15における位置及び熱交換器1の使用環境の少なくとも何れかに応じて異なっている。例えば、Uベンド15において、コーティング層の厚さが部分的に厚くなっていたり、薄くなっていたりする。
【0020】
フィン部20は、垂直に配置された複数の薄板状のフィン21同士が所定の間隔を開け並列に配置され、フィン21同士の間を気体が通過するように構成されている。直管12は、このような各フィン21に直交して挿通されている。そして、フィン部20の両側(フィン部20の両端のフィン21)から外方に突出した直管12の端部12aが、前述のように、隣接する他の直管12の端部12aとUベンド15に連結されている。
【0021】
加熱部30は、フィン21を加熱する。例えば、加熱部30は、ニクロム線等の発熱素子によって電気的にフィン21を加熱する。
【0022】
(動作、作用等)
次に、熱交換器1の動作、作用等の一例について説明する。
【0023】
熱交換器1は、管部10に冷媒が流れているときに、フィン部20を気体が通過すると、当該フィン部20で気体が冷却される。
【0024】
一方、熱交換器1では、フィン21が加熱部30によって加熱されているときに、フィン部20を気体が通過すると、当該フィン部20で気体が加熱される。
【0025】
このような熱交換器1は、劣悪な環境で使用されることが多い。例えば、熱交換器1は、薬品を使用する工場で使用されたりする。そのため、特に、熱交換器1において外部に露出しているUベンド15は、外部環境にある薬品にさらされたり、外部から衝撃を受けたりと、外部環境から様々な影響を受ける。また、熱交換器1のフィン部20も、冷媒によって冷却されたり、加熱部30によって加熱されたりするため、Uベンド15は、フィン部20の温度変化の影響を受ける。
【0026】
これに対して、本実施形態の熱交換器1のUベンド15は、外周面にポリウレアのコーティング層が形成されていることで、薬品、衝撃、温度変化に対して強度を持つことができる。
【0027】
また、Uベンド15は、当該Uベンド15における位置及び熱交換器1の使用環境の少なくとも何れかに応じて異なることで、効率良くコーティング層が形成される。すなわち、Uベンド15は、薬品、衝撃、温度変化に対してより効果的に強度を持つことができる。
【0028】
(本実施形態の変形例等)
前記の実施形態の他の例として、ポリウレアの配合割合は、前述の例に限定されないことは言うまでもない。
【0029】
また、前記の実施形態の他の例として、修理やメンテナンスとして、既に使用されている熱交換器1のUベンド15の外周面をポリウレアでコーティングすることもできる。
【0030】
また、前記の実施形態では、複数のフィンが間隔を開けて並列に配置され前記フィン同士の間を気体が通過するフィン部と、前記複数のフィンを貫通し配置され内部に冷媒が流れる複数の直管と、前記フィン部の外部に露出し一の前記直管の端部と他の前記直管の端部とを繋ぎ前記一の前記直管の内部と前記他の直管の端部の内部とを連通させるUベンドと、を有する熱交換器の修理方法であって、前記Uベンドの外周面にポリウレアのコーティングする熱交換器の修理方法を実現している。
【0031】
また、本発明の実施形態を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正及び等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
【符号の説明】
【0032】
1 熱交換器、10 管部、11 直管部、12 直管、15 Uベンド、20 フィン部、21 フィン、30 加熱部
図1