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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023021658
(43)【公開日】2023-02-14
(54)【発明の名称】ゴルフ練習用マット
(51)【国際特許分類】
   A63B 69/36 20060101AFI20230207BHJP
【FI】
A63B69/36 512A
A63B69/36 511B
A63B69/36 511F
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021126665
(22)【出願日】2021-08-02
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-12-01
(71)【出願人】
【識別番号】521340458
【氏名又は名称】株式会社ごるふト和
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】牧 寛之
(57)【要約】
【課題】ゴルフコースの地形をより正確に再現し得るゴルフ練習用マットを提供する。
【解決手段】ゴルフ練習用マットは、各々が傾斜面を有する複数の分割傾斜台、を備えている。前記複数の分割傾斜台の各々が特定の位置関係で他の分割傾斜台に隣接したときに、前記複数の分割傾斜台の各々の前記傾斜面が連続した1つの傾斜面を形成する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフ練習用マットであって、
各々が傾斜面を有する複数の分割傾斜台、を備えており、
前記複数の分割傾斜台の各々が特定の位置関係で他の分割傾斜台に隣接したときに、前記複数の分割傾斜台の各々の前記傾斜面が連続した1つの傾斜面を形成する、ゴルフ練習用マット。
【請求項2】
前記複数の分割傾斜台は、第1分割傾斜台と、第2分割傾斜台と、第3分割傾斜台と、を有しており、
前記第1分割傾斜台と前記第2分割傾斜台と前記第3分割傾斜台の各々は、平面視したときに平面略矩形状の傾斜台をT字に3分割して得られる3つの分割部分のうちのいずれか1つに重複なく対応しており、
前記第1分割傾斜台は、平面視したときに一対の短辺と一対の長辺で構成される平面略矩形状であり、一方の前記短辺から他方の前記短辺に向けて傾斜しており、
前記第2分割傾斜台は、平面視したときに一対の短辺と一対の長辺で構成される平面略矩形状であり、一方の前記短辺から他方の前記短辺に向けて傾斜しており、
前記第3分割傾斜台は、平面視したときに一対の短辺と一対の長辺で構成される平面略矩形状であり、一方の前記長辺から他方の前記長辺に向けて傾斜している、請求項1に記載のゴルフ練習用マット。
【請求項3】
前記第1分割傾斜台と前記第2分割傾斜台が共通形状である、請求項2に記載のゴルフ練習用マット。
【請求項4】
前記第1分割傾斜台と前記第2分割傾斜台と前記第3分割傾斜台の各々の前記短辺の長さが等しく、
前記第1分割傾斜台と前記第2分割傾斜台と前記第3分割傾斜台の各々の前記長辺の長さが等しい、請求項3に記載のゴルフ練習用マット。
【請求項5】
前記第1分割傾斜台の前記傾斜面の全体に着脱可能に取り付けられている第1芝シートと、
前記第2分割傾斜台の前記傾斜面の全体に着脱可能に取り付けられている第2芝シートと、
前記第3分割傾斜台の前記傾斜面の全体に着脱可能に取り付けられている第3芝シートと、をさらに備えており、
前記第1芝シートは、前記第1分割傾斜台の前記傾斜面の全体から取り外されて、前記第1分割傾斜台の前記傾斜面の一部と前記第2分割傾斜台の前記傾斜面の一部を覆うように配置されたときに、前記第1分割傾斜台の前記傾斜面の一部と前記第2分割傾斜台の前記傾斜面の一部に対しても着脱可能に構成されており、
前記第2芝シートは、前記第2分割傾斜台の前記傾斜面の全体から取り外されて、前記第1分割傾斜台の前記傾斜面の他の一部と前記第2分割傾斜台の前記傾斜面の他の一部を覆うように配置されたときに、前記第1分割傾斜台の前記傾斜面の他の一部と前記第2分割傾斜台の前記傾斜面の他の一部に対しても着脱可能に構成されている、請求項2~4のいずれか一項に記載のゴルフ練習用マット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書が開示する技術は、ゴルフ練習用マットに関する。
【背景技術】
【0002】
ゴルフコースの地形は起伏に富んでいる。このため、ゴルフプレイヤーは、ゴルフボールが置かれた斜面に応じて「左足上がり」、「左足下がり」、「爪先下がり」、「爪先上がり」と称される状況でショットすることが要求される。このようなゴルフコースの地形を再現したゴルフ練習用マットが知られている。
【0003】
特許文献1は、各々が傾斜面を有する2つのマットを備えたゴルフ練習用マットを開示する。2つのマットのうちの1つはゴルフプレイヤーが乗るための足場マットであり、他の1つはゴルフボールが置かれるためのボール置きマットである。足場マットとボール置きマットの相対的な位置関係を調整することで、「左足上がり」、「左足下がり」、「爪先下がり」、「爪先上がり」の状況となる地形が再現される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003-284801号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のゴルフ練習用マットを使用して「爪先上がり」の状況となる地形を再現する場合、ゴルフプレイヤーから見て足場マットの前方にボール置きマットが配置されるとともに、足場マットとボール置きマットはいずれも、その傾斜面がゴルフプレイヤーから見て前方上向きに傾斜するように配置される。このため、ゴルフプレイヤーから見て足場マットの前端が足場マットの最も高い部分であり、ゴルフプレイヤーから見てボール置きマットの後端がボール置きマットの最も低い部分である。特許文献1のゴルフ練習用マットでは、足場マットの前端の高さよりもボール置きマットの後端の高さが低くなっている。この結果、ゴルフプレイヤーの足元の高さとゴルフボールの高さが略一致する。
【0006】
ゴルフコースにおける「爪先上がり」の状況となる地形は、ゴルフプレイヤーから見て斜面が連続して前方上向きに傾斜していることが多い。このため、このような地形では、ゴルフプレイヤーの足元の高さよりもゴルフボールの高さが高くなる。したがって、特許文献1のゴルフ練習用マットは、「爪先上がり」の状況となる地形を正確に再現しているとは言えない。また、特許文献1のゴルフ練習用マットでは、「爪先下がり」の状況となる地形を再現する場合にも同様の問題が生じる。
【0007】
本明細書は、ゴルフコースの地形をより正確に再現し得るゴルフ練習用マットを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書が開示するゴルフ練習用マットは、各々が傾斜面を有する複数の分割傾斜台を備えている。前記複数の分割傾斜台の各々が特定の位置関係で他の分割傾斜台に隣接したときに、前記複数の分割傾斜台の各々の前記傾斜面が連続した1つの傾斜面を形成する。このゴルフ練習用マットでは、特定の位置関係で隣接する分割傾斜台の間では傾斜面が連続することから、これらの分割傾斜台の間で再現される地形は、ゴルフコースの地形をより正確に再現することができる。
【0009】
前記複数の分割傾斜台は、第1分割傾斜台と、第2分割傾斜台と、第3分割傾斜台と、を有していてもよい。前記第1分割傾斜台と前記第2分割傾斜台と前記第3分割傾斜台の各々は、平面視したときに平面略矩形状の傾斜台をT字に3分割して得られる3つの分割部分のうちのいずれか1つに重複なく対応してもよい。前記第1分割傾斜台は、平面視したときに一対の短辺と一対の長辺で構成される平面略矩形状であり、一方の前記短辺から他方の前記短辺に向けて傾斜していてもよい。前記第2分割傾斜台は、平面視したときに一対の短辺と一対の長辺で構成される平面略矩形状であり、一方の前記短辺から他方の前記短辺に向けて傾斜していてもよい。前記第3分割傾斜台は、平面視したときに一対の短辺と一対の長辺で構成される平面略矩形状であり、一方の前記長辺から他方の前記長辺に向けて傾斜していてもよい。このゴルフ練習用マットでは、前記第1分割傾斜台と前記第2分割傾斜台のうちの一方をゴルフプレイヤーが乗るためのマットとし、他方をゴルフボールが置かれるためのマットとして用いると、「左足上がり」及び「左足下がり」の状況となる地形を再現することができる。また、このゴルフ練習用マットでは、前記第1分割傾斜台と前記第2分割傾斜台の組合せをゴルフプレイヤーが乗るためのマットとし、前記第3分割傾斜台をゴルフボールが置かれるためのマットとして用いると、「爪先下がり」の状況となる地形を再現することができる。また、このゴルフ練習用マットでは、前記第3分割傾斜台をゴルフプレイヤーが乗るためのマットとし、前記第1分割傾斜台と前記第2分割傾斜台の組合せをゴルフボールが置かれるためのマットとして用いると、「爪先上がり」の状況となる地形を再現することができる。
【0010】
前記第1分割傾斜台と前記第2分割傾斜台が共通形状であってもよい。前記第1分割傾斜台と前記第2分割傾斜台を重ね合わせたときに直方体の形状となるので、このようなゴルフ練習用マットは搬送性及び収納性に優れている。また、部品点数が少なくなるので、ゴルフ練習用マットの製造が容易となる。
【0011】
前記第1分割傾斜台と前記第2分割傾斜台と前記第3分割傾斜台の各々の前記短辺の長さが等しくてもよく、前記第1分割傾斜台と前記第2分割傾斜台と前記第3分割傾斜台の各々の前記長辺の長さが等しくてもよい。前記第1分割傾斜台と前記第2分割傾斜台と前記第3分割傾斜台をバランス良く重ね合わせることができるので、このようなゴルフ練習用マットは搬送性及び収納性に優れている。
【0012】
本明細書が開示するゴルフ練習用マットは、前記第1分割傾斜台の前記傾斜面の全体に着脱可能に取り付けられている第1芝シートと、前記第2分割傾斜台の前記傾斜面の全体に着脱可能に取り付けられている第2芝シートと、前記第3分割傾斜台の前記傾斜面の全体に着脱可能に取り付けられている第3芝シートと、をさらに備えていてもよい。前記第1芝シートは、前記第1分割傾斜台の前記傾斜面の全体から取り外されて、前記第1分割傾斜台の前記傾斜面の一部と前記第2分割傾斜台の前記傾斜面の一部を覆うように配置されたときに、前記第1分割傾斜台の前記傾斜面の一部と前記第2分割傾斜台の前記傾斜面の一部に対しても着脱可能に構成されていてもよい。前記第2芝シートは、前記第2分割傾斜台の前記傾斜面の全体から取り外されて、前記第1分割傾斜台の前記傾斜面の他の一部と前記第2分割傾斜台の前記傾斜面の他の一部を覆うように配置されたときに、前記第1分割傾斜台の前記傾斜面の他の一部と前記第2分割傾斜台の前記傾斜面の他の一部に対しても着脱可能に構成されていてもよい。このゴルフ練習用マットでは、「爪先上がり」の状況となる地形を再現したとき、前記第1芝シートを前記第1分割傾斜台の前記傾斜面の一部と前記第2分割傾斜台の前記傾斜面の一部を覆うように配置し、前記第2芝シートを前記第1分割傾斜台の前記傾斜面の他の一部と前記第2分割傾斜台の前記傾斜面の他の一部を覆うように配置することができる。このような配置によると、前記第1芝シートと前記第2芝シートの境界がスイング面と略平行な方向に伸びることとなる。このため、スイングしたときのクラブヘッドの衝突によって前記第1芝シート及び前記第2芝シートが分割傾斜台から剥離される事態が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】ゴルフ練習用マットの平面図を模式的に示す図であり、ゴルフ練習用マットを構成する3つの分割傾斜マットが互いに隣接して配置されたときの図である。
図2】ゴルフ練習用マットの底面図を模式的に示す図であり、ゴルフ練習用マットを構成する3つの分割傾斜マットが互いに隣接して配置されたときの図である。
図3】ゴルフ練習用マットの正面図を模式的に示す図であり、ゴルフ練習用マットを構成する3つの分割傾斜マットが互いに隣接して配置されたときの図である。
図4】ゴルフ練習用マットの背面図を模式的に示す図であり、ゴルフ練習用マットを構成する3つの分割傾斜マットが互いに隣接して配置されたときの図である。
図5】ゴルフ練習用マットの右側面図を模式的に示す図であり、ゴルフ練習用マットを構成する3つの分割傾斜マットが互いに隣接して配置されたときの図である。
図6】ゴルフ練習用マットの左側面図を模式的に示す図であり、ゴルフ練習用マットを構成する3つの分割傾斜マットが互いに隣接して配置されたときの図である。
図7】ゴルフ練習用マットの斜視図を模式的に示す図であり、ゴルフ練習用マットを構成する3つの分割傾斜マットが互いに隣接して配置されたときの図である。
図8】ゴルフ練習用マットの斜視図を模式的に示す図であり、ゴルフ練習用マットを構成する3つの分割傾斜マットが互いに離れて配置されたときの図である。
図9】「左足上がり」の状況となる地形を再現したときの分割傾斜マットの配置を示す図である。
図10】「左足下がり」の状況となる地形を再現したときの分割傾斜マットの配置を示す図である。
図11】「爪先下がり」の状況となる地形を再現したときの分割傾斜マットの配置を示す図である。
図12】「爪先上がり」の状況となる地形を再現したときの分割傾斜マットの配置を示す図である。
図13】ゴルフ練習用マットの製造方法を説明するための図であり、上側に示された図が出発材料となる傾斜台の平面図であり、下側に示された図が出発材料となる傾斜台の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1~8に示されるように、ゴルフ練習用マット1は、第1分割傾斜マット10と、第2分割傾斜マット20と、第3分割傾斜マット30と、を備えている。これら3つの分割傾斜マット10,20,30を組み合わせると、平面略矩形状の1つの傾斜マットが構成される。換言すると、第1分割傾斜マット10と第2分割傾斜マット20と第3分割傾斜マット30の各々は、1つの大きな傾斜マットをT字に3分割して得られる3つの分割部分のうちのいずれか1つに重複なく対応している。以下、図1~8のうちの特に図8を参照して説明する。
【0015】
第1分割傾斜マット10は、第1分割傾斜台12と、第1芝シート14と、を有している。第1分割傾斜台12は、特に限定されるものではないが、例えばゴムスポンジを材料に用いて形成されてもよい。第1分割傾斜台12は、平面視したときに一対の短辺と一対の長辺で構成される平面略矩形状であり、一方の短辺から他方の短辺に向けて傾斜している。第1分割傾斜台12の短辺の長さは、特に限定されるものではないが、例えば330mmであってもよい。第1分割傾斜台12の長辺の長さは、特に限定されるものではないが、例えば660mmであってもよい。第1分割傾斜台12は、上面102と、上面102に対向する下面104と、上面102と下面104の間を接続する4つの側面106,108,110,112と、を有している。上面102が傾斜面であり、下面104に対して非平行である。下面104は、使用時に地面に接する面であり、4つの側面106,108,110,112のいずれに対しても直交している。第1側面106と第2側面108が第1分割傾斜台12の短辺に対応する側面であり、両者は平行である。第1側面106と第2側面108の各々は、矩形状である。第1側面106の高さが第2側面108の高さよりも高い。第1側面106の高さは、特に限定されるものではないが、例えば110mmであってもよい。第2側面108の高さは、特に限定されるものではないが、例えば40mmであってもよい。第3側面110と第4側面112が第1分割傾斜台12の長辺に対応する側面であり、両者は平行である。第3側面110と第4側面112の各々は、台形状である。第1芝シート14は、第1分割傾斜マット10の上面102の平面形状に一致した形状を有しており、合成樹脂を用いて形成された人工芝シートである。第1芝シート14は、第1分割傾斜台12の上面102に着脱可能に取り付けられている。第1芝シート14は、特に限定されるものではないが、両面接着テープ又は面ファスナーを用いて第1分割傾斜台12の上面102に着脱可能に取り付けられていてもよい。
【0016】
第2分割傾斜マット20は、第2分割傾斜台22と、第2芝シート24と、を有している。第2分割傾斜台22は、特に限定されるものではないが、例えばゴムスポンジを材料に用いて形成されてもよい。第2分割傾斜台22は、平面視したときに一対の短辺と一対の長辺で構成される平面略矩形状であり、一方の短辺から他方の短辺に向けて傾斜している。第2分割傾斜台22の短辺の長さは、特に限定されるものではないが、例えば330mmであってもよい。第2分割傾斜台22の長辺の長さは、特に限定されるものではないが、例えば660mmであってもよい。第2分割傾斜台22は、上面202と、上面202に対向する下面204と、上面202と下面204の間を接続する4つの側面206,208,210,212と、を有している。上面202が傾斜面であり、下面204に対して非平行である。下面204は、使用時に地面に接する面であり、4つの側面206,208,210,212のいずれに対しても直交している。第1側面206と第2側面208が第2分割傾斜台22の短辺に対応する側面であり、両者は平行である。第1側面206と第2側面208の各々は、矩形状である。第1側面206の高さが第2側面208の高さよりも高い。第1側面206の高さは、特に限定されるものではないが、例えば110mmであってもよい。第2側面208の高さは、特に限定されるものではないが、例えば40mmであってもよい。第3側面210と第4側面212が第2分割傾斜台22の長辺に対応する側面であり、両者は平行である。第3側面210と第4側面212の各々は、台形状である。第2芝シート24は、第2分割傾斜台22の上面202の平面形状に一致した形状を有しており、合成樹脂を用いて形成された人工芝シートである。第2芝シート24は、第2分割傾斜台22の上面202に着脱可能に取り付けられている。第2芝シート24は、特に限定されるものではないが、両面接着テープ又は面ファスナーを用いて第2分割傾斜台22の上面202に着脱可能に取り付けられていてもよい。
【0017】
第3分割傾斜マット30は、第3分割傾斜台32と、第3芝シート34と、を有している。第3分割傾斜台32は、特に限定されるものではないが、例えばゴムスポンジを材料に用いて形成されてもよい。第3分割傾斜台32は、平面視したときに一対の短辺と一対の長辺で構成される平面略矩形状であり、一方の長辺から他方の長辺に向けて傾斜している。第3分割傾斜台32の短辺の長さは、特に限定されるものではないが、例えば330mmであってもよい。第3分割傾斜台32の長辺の長さは、特に限定されるものではないが、例えば660mmであってもよい。第3分割傾斜台32は、上面302と、上面302に対向する下面304と、上面302と下面304の間を接続する4つの側面306,308,310,312と、を有している。上面302が傾斜面であり、下面304に対して非平行である。下面304は、使用時に地面に接する面であり、4つの側面306,308,310,312のいずれに対しても直交している。第1側面306と第2側面308が第3分割傾斜台32の長辺に対応する側面であり、両者は平行である。第1側面306と第2側面308の各々は、矩形状である。第1側面306の高さが第2側面308の高さよりも高い。第1側面306の高さは、特に限定されるものではないが、例えば40mmであってもよい。第2側面308の高さは、特に限定されるものではないが、例えば10mmであってもよい。第3側面310と第4側面312が第3分割傾斜台32の短辺に対応する側面であり、両者は平行である。第3側面310と第4側面312の各々は、台形状である。第3芝シート34は、第3分割傾斜台32の上面202の平面形状に一致した形状を有しており、合成樹脂を用いて形成された人工芝シートである。第3芝シート34は、第3分割傾斜台32の上面302に着脱可能に取り付けられている。第3芝シート34は、特に限定されるものではないが、両面接着テープ又は面ファスナーを用いて第3分割傾斜台32の上面302に着脱可能に取り付けられていてもよい。
【0018】
上記したように、第1分割傾斜台12と第2分割傾斜台22は共通形状である。さらに、第1分割傾斜台12と第2分割傾斜台22と第3分割傾斜台32の各々の短辺の長さが等しく、第1分割傾斜台12と第2分割傾斜台22と第3分割傾斜台32の各々の長辺の長さが等しい。このように、3つの分割傾斜台12,22,32の平面形状は同一である。また、3つの芝シート14,24,34は同一形状である。
【0019】
上記したように、第1分割傾斜マット10と第2分割傾斜マット20と第3分割傾斜マット30の各々は、1つの大きな傾斜マットをT字に3分割して得られる3つの分割部分のうちのいずれか1つに重複なく対応している。したがって、3つの分割傾斜マット10,20,30を互いに隣接して配置したときに、3つの分割傾斜マット10,20,30の各々の傾斜面は1つの傾斜面を形成する。同様に、芝シート14,24,34を除いた3つの分割傾斜台12,22、32の各々も、1つの大きな傾斜台をT字に3分割して得られる3つの分割部分のうちのいずれか1つに重複なく対応している。したがって、3つの分割傾斜台12,22、32の各々を互いに隣接して配置したときに、3つの分割傾斜台12,22、32の各々の傾斜面102,202,302は1つの傾斜面を形成する。
【0020】
次に、図9図12を参照し、ゴルフ練習用マット1の使用方法を説明する。
【0021】
図9は、「左足上がり」の状況となる地形を再現したときの分割傾斜マットの配置を示している。この場合、第1分割傾斜マット10と第2分割傾斜マット20が用いられる。この例では、ゴルフプレイヤーが乗るためのマットとして第1分割傾斜マット10が用いられ、ゴルフボールが置かれるためのマットとして第2分割傾斜マット20が用いられている。第1分割傾斜マット10と第2分割傾斜マット20は共通形状であることから、逆に配置されてもよい。また、必要に応じて、第1分割傾斜マット10と第2分割傾斜マット20の間を開けて配置してもよい。第1分割傾斜マット10と第2分割傾斜マット20は、隣接して配置したときに1つの傾斜面を構成している。また、第1分割傾斜マット10と第2分割傾斜マット20が離れて配置されても、第1分割傾斜マット10の傾斜角度と第2分割傾斜マット20の傾斜角度が等しいことから、第1分割傾斜マット10と第2分割傾斜マット20の各々の傾斜面は、仮想的な1つの傾斜面内に配置される。このため、第1分割傾斜マット10と第2分割傾斜マット20は、「左足上がり」の状況となる地形を正確に再現している。
【0022】
図10は、「左足下がり」の状況となる地形を再現したときの分割傾斜マットの配置を示している。この場合、第1分割傾斜マット10と第2分割傾斜マット20が用いられる。この例では、ゴルフプレイヤーが乗るためのマットとして第2分割傾斜マット20が用いられ、ゴルフボールが置かれるためのマットとして第1分割傾斜マット10が用いられている。第1分割傾斜マット10と第2分割傾斜マット20は共通形状であることから、逆に配置されてもよい。また、必要に応じて、第1分割傾斜マット10と第2分割傾斜マット20の間を開けて配置してもよい。第1分割傾斜マット10と第2分割傾斜マット20は、隣接して配置したときに1つの傾斜面を構成している。また、第1分割傾斜マット10と第2分割傾斜マット20が離れて配置されても、第1分割傾斜マット10の傾斜角度と第2分割傾斜マット20の傾斜角度が等しいことから、第1分割傾斜マット10と第2分割傾斜マット20の各々の傾斜面は、仮想的な1つの傾斜面内に配置される。このため、第1分割傾斜マット10と第2分割傾斜マット20は、「左足下がり」の状況となる地形を正確に再現している。
【0023】
図11は、「爪先下がり」の状況となる地形を再現したときの分割傾斜マットの配置を示している。この場合、第1分割傾斜マット10と第2分割傾斜マット20と第3分割傾斜マット30が用いられる。この例では、ゴルフプレイヤーが乗るためのマットとして第1分割傾斜マット10と第2分割傾斜マット20の組合せが用いられ、ゴルフボールが置かれるためのマットとして第3分割傾斜マット30が用いられている。第1分割傾斜マット10と第2分割傾斜マット20は共通形状であることから、逆に配置されてもよい。また、必要に応じて、これら分割傾斜マット10,20,30の各々の間を開けて配置してもよい。これら分割傾斜マット10,20,30は、隣接して配置したときに1つの傾斜面を構成している。また、これら分割傾斜マット10,20,30の各々が離れて配置されても、第1分割傾斜マット10と第2分割傾斜マット20の組合せ内にあるゴルフプレイヤーの足元の高さよりも、第3分割傾斜マット30内にあるゴルフボールの置かれる位置が確実に低くなる。このため、これら分割傾斜マット10,20,30は、「爪先下がり」の状況となる地形を正確に再現している。
【0024】
図12は、「爪先上がり」の状況となる地形を再現したときの分割傾斜マットの配置を示している。この場合、第1分割傾斜マット10と第2分割傾斜マット20と第3分割傾斜マット30が用いられる。この例では、ゴルフプレイヤーが乗るためのマットとして第3分割傾斜マット30が用いられ、ゴルフボールが置かれるためのマットとして第1分割傾斜マット10と第2分割傾斜マット20の組合せが用いられている。第1分割傾斜マット10と第2分割傾斜マット20は共通形状であることから、逆に配置されてもよい。また、必要に応じて、これら分割傾斜マット10,20,30の各々の間を開けて配置してもよい。これら分割傾斜マット10,20,30は、隣接して配置したときに1つの傾斜面を構成している。また、これら分割傾斜マット10,20,30の各々が離れて配置されても、第3分割傾斜マット30内にあるゴルフプレイヤーの足元の高さよりも、第1分割傾斜マット10と第2分割傾斜マット20の組合せ内にあるゴルフボールの置かれる位置が確実に高くなる。このため、これら分割傾斜マット10,20,30は、「爪先上がり」の状況となる地形を正確に再現している。
【0025】
また、図12の下側に示すように、第1芝シート14が第1分割傾斜台12の傾斜面の上側半分と第2分割傾斜台22の傾斜面の上側半分を覆うように配置され、第2芝シート24が第1分割傾斜台12の傾斜面の下側半分と第2分割傾斜台22の傾斜面の下側半分を覆うように配置されてもよい。この場合、第1芝シート14と第2芝シート24の境界がスイング面と略平行な方向に伸びることとなる。このため、スイングしたときのクラブヘッドの衝突によって第1芝シート14及び第2芝シート24が分割傾斜台から剥離される事態が抑制される。
【0026】
以下、ゴルフ練習用マット1の他の特徴について記載する。
【0027】
ゴルフ練習用マット1は、3つの分割傾斜マット10,20,30によって構成されている。このため、1つの大きな傾斜マットに比べて搬送性が格段に向上している。また、第1分割傾斜マット10と第2分割傾斜マット20が共通形状であることから、第1分割傾斜マット10と第2分割傾斜マット20を重ね合わせたときに直方体の形状となるので、ゴルフ練習用マット1は搬送性及び収納性に優れている。さらに、3つの分割傾斜マット10,20,30は平面形状が共通である。このため、3つの分割傾斜マット10,20,30をバランス良く重ね合わせることができるので、この点においてもゴルフ練習用マット1は搬送性及び収納性に優れている。また、第1分割傾斜マット10と第2分割傾斜マット20が共通形状であることから、部品点数が少なくなり、ゴルフ練習用マット1の製造が容易となる。
【0028】
ゴルフ練習用マット1の3つの分割傾斜台12,22,32は、ゴムスポンジからなる1つの大きな傾斜台を出発材料として準備し、その傾斜台をT字に切断することで形成することができる。この例に代えて、図13に示す方法でゴルフ練習用マット1を製造してもよい。この例では、ゴムスポンジからなる1つの傾斜台を出発材料として準備し、その傾斜台を2つに切断して分割部分42,44を形成する。分割部分42が第1分割傾斜台12及び第2分割傾斜台22となる。2つの分割部分44の側面同士を接着すると、第3分割傾斜台32を形成することができる。この製造方法では、より小さい傾斜台を出発材料としているので、製造が容易となり得る。また、1つの切断だけで形成することができるので、寸法ズレも抑えられ得る。
【0029】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0030】
1:ゴルフ練習用マット
10,20,30:分割傾斜マット
12,22,32:分割傾斜台
14,24,34:芝シート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2021-09-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフ練習用マットであって、
各々が傾斜面を有する複数の分割傾斜台、を備えており、
前記複数の分割傾斜台の各々が特定の位置関係で他の分割傾斜台に隣接したときに、前記複数の分割傾斜台の各々の前記傾斜面が連続した1つの傾斜面を形成し、
前記複数の分割傾斜台は、第1分割傾斜台と、第2分割傾斜台と、第3分割傾斜台と、を有しており、
前記第1分割傾斜台と前記第2分割傾斜台と前記第3分割傾斜台の各々は、平面視したときに平面略矩形状の傾斜台をT字に3分割して得られる3つの分割部分のうちのいずれか1つに重複なく対応しており、
前記第1分割傾斜台は、平面視したときに一対の短辺と一対の長辺で構成される平面略矩形状であり、一方の前記短辺から他方の前記短辺に向けて傾斜しており、
前記第2分割傾斜台は、平面視したときに一対の短辺と一対の長辺で構成される平面略矩形状であり、一方の前記短辺から他方の前記短辺に向けて傾斜しており、
前記第3分割傾斜台は、平面視したときに一対の短辺と一対の長辺で構成される平面略矩形状であり、一方の前記長辺から他方の前記長辺に向けて傾斜しており、
ゴルフ練習用マットはさらに、
前記第1分割傾斜台の前記傾斜面の全体に着脱可能に取り付けられている第1芝シートと、
前記第2分割傾斜台の前記傾斜面の全体に着脱可能に取り付けられている第2芝シートと、
前記第3分割傾斜台の前記傾斜面の全体に着脱可能に取り付けられている第3芝シートと、を備えており、
前記第1芝シートは、前記第1分割傾斜台の前記傾斜面の全体から取り外されて、前記第1分割傾斜台の前記傾斜面の一部と前記第2分割傾斜台の前記傾斜面の一部を覆うように配置されたときに、前記第1分割傾斜台の前記傾斜面の一部と前記第2分割傾斜台の前記傾斜面の一部に対しても着脱可能に構成されており、
前記第2芝シートは、前記第2分割傾斜台の前記傾斜面の全体から取り外されて、前記第1分割傾斜台の前記傾斜面の他の一部と前記第2分割傾斜台の前記傾斜面の他の一部を覆うように配置されたときに、前記第1分割傾斜台の前記傾斜面の他の一部と前記第2分割傾斜台の前記傾斜面の他の一部に対しても着脱可能に構成されている、ゴルフ練習用マット。
【請求項2】
前記第1分割傾斜台と前記第2分割傾斜台が共通形状である、請求項に記載のゴルフ練習用マット。
【請求項3】
前記第1分割傾斜台と前記第2分割傾斜台と前記第3分割傾斜台の各々の前記短辺の長さが等しく、
前記第1分割傾斜台と前記第2分割傾斜台と前記第3分割傾斜台の各々の前記長辺の長さが等しい、請求項に記載のゴルフ練習用マット。