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  • 特開-走行ユニット及び車両 図1
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  • 特開-走行ユニット及び車両 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023021694
(43)【公開日】2023-02-14
(54)【発明の名称】走行ユニット及び車両
(51)【国際特許分類】
   B60B 19/00 20060101AFI20230207BHJP
   B62B 3/00 20060101ALI20230207BHJP
【FI】
B60B19/00 H
B62B3/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021126731
(22)【出願日】2021-08-02
(71)【出願人】
【識別番号】000144027
【氏名又は名称】株式会社ミツバ
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】石井 勇樹
【テーマコード(参考)】
3D050
【Fターム(参考)】
3D050AA01
3D050BB02
3D050GG01
3D050KK13
(57)【要約】
【課題】異物混入等による動作不良を起こしにくくできる走行ユニット及び車両を提供する。
【解決手段】車体2に設けられ、出力軸の回転軸線L1が路面Fの面方向に対して交差している減速機付きモータ部6と、出力軸に取り付けられ、出力軸と一体となって回転するタイヤ15と、を備える。路面Fに対するタイヤ15の接触部Pは、路面Fと回転軸線L1とが交わる位置Cからずれた位置にある。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被走行体に設けられ、出力軸の回転軸線が路面の面方向に対して交差しているモータ装置と、
前記出力軸に取り付けられ、前記出力軸と一体となって回転するタイヤと、
を備え、
前記路面に対する前記タイヤの接触部は、前記路面と前記回転軸線とが交わる位置からずれた位置にある
ことを特徴とする走行ユニット。
【請求項2】
前記タイヤの前記接触部は球面状に形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の走行ユニット。
【請求項3】
前記モータ装置は、前記出力軸を下方に向け、かつ前記回転軸線が前記路面の法線方向に沿うように設けられており、
前記タイヤは、前記路面側が球面体となる半球状に形成されており、
前記タイヤの中心軸線は、前記回転軸線に平行で、かつ前記回転軸線に対して偏心している
ことを特徴とする請求項2に記載の走行ユニット。
【請求項4】
前記モータ装置は、前記出力軸を下方に向けて設けられており、
前記タイヤは、前記路面側が球面体となる半球状に形成されており、
前記タイヤの中心軸線は、前記回転軸線と同一直線上に位置しており、
前記回転軸線及び前記タイヤの中心軸線は、前記路面の法線方向に対して傾斜している
ことを特徴とする請求項2に記載の走行ユニット。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の走行ユニットと、
前記走行ユニットが設けられた前記被走行体と、
を備え、
前記走行ユニットの個数は偶数個である
ことを特徴とする車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行ユニット及び車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車体に全方向に移動可能な走行ユニットが設けられた車両が知られている。この種の走行ユニットに用いられる駆動輪には、例えば、メカナムホイールが用いられる。メカナムホイールは、例えば車体の4隅に設けられる。メカナムホイールは、主輪の外周部に複数の太鼓状の小輪が回転自在に設けられたものである。
このような構成のもと、各主輪を同方向に回転させたり、各主輪の回転方向を変化させたりする。これにより、車両は前進や方向転換の他、真横への移動やその場での旋回など、複雑な動作を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-30735号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の従来技術にあっては、1つの主輪に設けられた各小輪の間に異物等が挟まりやすい。各小輪の間に異物等が挟まると動作不良を起こしてしまう可能性があった。
【0005】
そこで、本発明は、異物混入等による動作不良を起こしにくくできる走行ユニット及び車両を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明に係る走行ユニットは、被走行体に設けられ、出力軸の回転軸線が路面の面方向に対して交差しているモータ装置と、前記出力軸に取り付けられ、前記出力軸と一体となって回転するタイヤと、を備え、前記路面に対する前記タイヤの接触部は、前記路面と前記回転軸線とが交わる位置からずれた位置にあることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、簡素な構造で全方向に移動可能な走行ユニットを構成することができる。このため、従来のような小輪を必要とせず、各小輪の間に異物等が挟まるようなこともない。よって、異物混入等による動作不良を起こしにくくできる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1実施形態における車両を路面側からみた平面図である。
図2】本発明の第1実施形態における走行ユニットの側面図である。
図3】本発明の第1実施形態における走行ユニットの分解斜視図である。
図4】本発明の第2実施形態における走行ユニットの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
[第1実施形態]
<車両>
図1は、車両1を路面F(図2参照)側からみた平面図である。
車両1は、例えば電動車いすや搬送車として用いられる。
図1に示すように、車両1は、被走行体である車体2と、車体2の下部に設けられた4つの走行ユニット3と、を備える。以下の説明では、路面Fに車両1を使用できる状態で配置した姿勢、つまり、走行ユニット3を下向きにした姿勢での上方、下方を、単に上方、下方と称する。前後方向及び左右方向は、水平方向に沿い、かつ互いに直交する方向とする。
4つの走行ユニット3は、例えば車体2の4隅に配置されている。すなわち、4つの走行ユニット3は、前後方向及び左右方向に2列となるように配置されている。
【0011】
<走行ユニット>
図2は、走行ユニット3の側面図である。図3は、走行ユニット3の分解斜視図である。
図2図3に示すように、走行ユニット3は、ダンパ4を介して車体2に取り付けられたベース部5と、ベース部5に設けられた減速機付きモータ部(請求項におけるモータ装置の一例)6と、減速機付きモータ部6に取り付けられた車輪7と、を備える。
【0012】
ベース部5は円板状に形成されており、板厚方向と上下方向とが一致するように配置されている。ベース部5の径方向中央の大部分には、開口部5aが形成されている。この開口部5aに嵌るように減速機付きモータ部6が設けられている。また、ベース部5の外周部に、4つのダンパ4が周方向に等間隔で設けられている。
【0013】
ダンパ4は、車体2とベース部5とに跨る円柱状に形成され、両端に雄ネジ部8aが形成された棒体8と、棒体8の雄ネジ部8aに螺合されたナット9と、棒体8の外周面に嵌合するように螺旋状に形成されたコイルスプリング10と、を備える。
車体2及びベース部5には、それぞれダンパ4に対応する箇所に、棒体8の軸方向端部が挿通される図示しない挿通孔が形成されている。この挿通孔に棒体8を挿通した後、棒体8の軸方向両端から雄ネジ部8aにナット9を螺合させる。
【0014】
コイルスプリング10は、車体2とベース部5との間に圧縮された状態で配置される。コイルスプリング10によって、車体2とベース部5とが互いに離間する方向に向かって付勢される。棒体8の軸方向両端にはナット9が螺合されているので、コイルスプリング10とナット9とにより、車体2及びベース部5が挟持される。これにより、ダンパ4を介して車体2にベース部5が取り付けられる。
【0015】
減速機付きモータ部6は、モータ本体11と、モータ本体11の図示しないモータシャフトの回転を減速して出力する減速機構12と、モータ本体11の駆動制御を行う制御部13と、が一体化されたものである。減速機付きモータ部6は、モータ本体11を挟んで両側に減速機構12と制御部13とが配置されたいわゆる扁平型の減速機付きモータである。
【0016】
減速機付きモータ部6は、制御部13を上方に向け、減速機構12を下方に向けて配置されている。減速機構12は、ベース部5の開口部5aを介して下方に突出している。
制御部13からは、モータ本体11に電力を供給する電源線13aと、モータ本体11の図示しないモータシャフトの回転制御を行うための信号を出入力する信号線13bと、が引き出されている。
【0017】
減速機構12は、モータシャフトの回転を減速して出力軸12aから出力する。出力軸12aの回転軸線L1は、モータシャフトの回転軸線と一致している。出力軸12aの回転軸線L1は、上下方向と一致している。換言すれば、出力軸12aの回転軸線L1は、路面Fの法線方向Fhに沿っている。このような出力軸12aに、車輪7が取り付けられる。
【0018】
車輪7は、出力軸12aに取り付けられる偏心ホイール14と、偏心ホイール14に組み付けられるタイヤ15と、を備える。
偏心ホイール14は、回転軸線L1と平行な中心軸線L2を有する円板状に形成されたディスク部16と、ディスク部16の外周面から径方向外側に向かって突出するリム部17と、が一体成形されたものである。ディスク部16の中心軸線L2は、回転軸線L1に対して距離△1だけずれて偏心している。
【0019】
ディスク部16には、減速機付きモータ部6とは反対側の一面16aに、回転軸線L1を中心とする円形の凹部16bが形成されている。凹部16bには、ボルト18を挿通可能な挿通孔16cがディスク部16の厚さ方向に貫通形成されている。一方、出力軸12aには、挿通孔16cに対応する位置に雌ネジ部12bが形成されている。凹部16bの挿通孔16cに、減速機付きモータ部6とは反対側からボルト18を挿入し、雌ネジ部12bにボルト18を螺合させることにより、出力軸12aに偏心ホイール14が締結固定される。
【0020】
リム部17は、ディスク部16の外周面のうち、厚さ方向両側の周縁からそれぞれ突出された2つの外フランジ部17aからなる。これら外フランジ部17aによって、リム部17は、径方向外側に開口されたタイヤ取り付け凹部19を形成する。このタイヤ取り付け凹部19に、タイヤ15が取り付けられる。
【0021】
タイヤ15は、偏心ホイール14の一面16a及びタイヤ取り付け凹部19(リム部17)を覆うように、かつ下方が凸となる半球状に形成されている。このため、路面Fに対してタイヤ15は点接触になる。
また、タイヤ15の中心軸線L3は、ディスク部16の中心軸線L2と一致している。このため、路面Fに対して点接触するタイヤ15の接触部Pは、路面Fと減速機付きモータ部6における出力軸12aの回転軸線L1とが交わる位置Cから距離△1だけずれた位置にある。このようなタイヤ15と偏心ホイール14とは、一体となって回転する。
【0022】
<走行ユニットの動作>
次に、走行ユニット3の動作について説明する。
走行ユニット3は、減速機付きモータ部6における出力軸12aの回転軸線L1からタイヤ15の中心軸線L3(タイヤ15の接触部P)がずれている。このため、減速機付きモータ部6を駆動させると、タイヤ15は、回転軸線L1回りに距離△1だけ偏心して回転する(図3における矢印Y1参照)。換言すれば、タイヤ15の接触部Pは、回転軸線L1(路面Fと減速機付きモータ部6における出力軸12aの回転軸線L1とが交わる位置C)回りに回転する。
【0023】
ここで、車両1は、前後方向及び左右方向に2列となるように4つの走行ユニット3が配置されている。このため、各走行ユニット3におけるタイヤ15の回転方向を制御することにより、車両1は、前進、後進、方向転換、真横への移動、その場での旋回などさまざまな動作を行う。
【0024】
例えば、図1に示すように、紙面左側の走行ユニット3のタイヤ15(以下、単に左タイヤ15という)を時計回りに回転させると(図1における矢印CW参照)、これに応じて路面Fに対する左タイヤ15の接触部Pが回転軸線L1回りに時計回りに回転する。一方、紙面右側の走行ユニット3のタイヤ15(以下、単に右タイヤ15という)を反時計回りに回転させると(図1における矢印CCW参照)、これに応じて路面Fに対する右タイヤ15の接触部Pが回転軸線L1回りに反時計回りに回転する。
【0025】
これらの動作の際に生じる路面Fに対するタイヤ15の接触抵抗により、車両1が前進される(図1における矢印Y2参照)。この他、各走行ユニット3におけるタイヤ15の回転方向を別々に制御することにより、車両1は、前進、後進、方向転換、真横への移動、その場での旋回などさまざまな動作を行う。
【0026】
このように、上述の走行ユニット3は、出力軸12aの回転軸線L1が路面Fの法線方向に沿っている減速機付きモータ部6と、出力軸12aに取り付けられ出力軸12aと一体となって回転するタイヤ15と、備える。路面Fに対するタイヤ15の接触部Pは、路面Fと回転軸線L1とが交わる位置Cから距離△1だけずれた位置にある。このように構成することで、簡素な構造で全方向に移動可能な走行ユニット3を構成することが可能になる。このため、従来のような小輪を必要とせず、各小輪の間に異物等が挟まるようなこともない。よって、異物混入等による動作不良を起こしにくくできる。
【0027】
走行ユニット3の動作不良を起こしにくくすることで、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「強靭(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの促進を図る」に貢献することが可能となる。
【0028】
回転軸線L1に対して接触部Pをずらすために偏心ホイール14を用い、タイヤ15の中心軸線L3を回転軸線L1に平行で、かつ回転軸線L1に対して偏心させている。このため、路面Fに対するタイヤ15の接触部Pを、容易に回転軸線L1からずらすことができる。
また、回転軸線L1は、路面Fの法線方向Fhに沿っている。このため、出力軸12aに回転軸線L1と交差する無理な力がかかりにくく、減速機付きモータ部6の耐荷重性も向上できる。
【0029】
タイヤ15は、半球状に形成されている。このため、路面Fに対するタイヤ15の接触部Pは、路面Fに対して点接触になる。このため、路面Fに対するタイヤ15の接触抵抗をできる限り低減でき、走行性の優れた走行ユニット3を提供できる。
優れた走行性を発揮することにより、走行ユニット3における効率的運用に寄与することができるので、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標7「全ての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する」に貢献することが可能となる。
【0030】
車両1は、走行ユニット3を4つ備えている。4つの走行ユニット3は、前後方向及び左右方向に2列となるように配置されている。このため、各走行ユニット3におけるタイヤ15の回転方向を別々に制御することにより、前進、後進、方向転換、真横への移動、その場での旋回などさまざまな動作を行うことができる車両1を提供できる。
【0031】
[第2実施形態]
次に、図4に基づいて第2実施形態について説明する。
図4は、第2実施形態における走行ユニット203の側面図である。図4は、前述の図2に対応している。以下の説明では、前述の第1実施形態と同一態様には、同一符号を付して説明を省略する。
【0032】
図4に示すように、第2実施形態における車両201は、被走行体である車体2と、車体2の下部に設けられた4つの走行ユニット203と、を備える点は、前述の第1実施形態と同様である。第2実施形態における走行ユニット203は、ベース部5と、ベース部5に設けられた減速機付きモータ部6と、減速機付きモータ部6に取り付けられた車輪207と、を備える点は、前述の第1実施形態と同様である。
【0033】
第1実施形態と第2実施形態との相違点は、第1実施形態における走行ユニット3は、減速機付きモータ部6における出力軸12aの回転軸線L1からタイヤ15の中心軸線L3がずれているのに対し、第2実施形態における走行ユニット203は、減速機付きモータ部6における出力軸12aの回転軸線L1とタイヤ15の中心軸線L3とが同一直線上にある点である。
【0034】
より詳しくは、走行ユニット203の減速機付きモータ部6とタイヤ15とを連結する円板状のホイール214は偏心していない。すなわち、ホイール214の中心軸線L22と減速機付きモータ部6の回転軸線L1とが同一直線上にある。この結果、減速機付きモータ部6の回転軸線L1とタイヤ15の中心軸線L3とが同一直線上にある。
【0035】
ここで、走行ユニット203は、車体2の下部に傾斜ブラケット21を介して設けられている。傾斜ブラケット21は、路面Fに対して傾斜する傾斜面21aを有する。この傾斜面21aに、走行ユニット203のダンパ4が取り付けられている。このため、走行ユニット203における減速機付きモータ部6の回転軸線L1、ホイール214の中心軸線L22、及びタイヤ15の中心軸線L3は、路面Fの法線方向Fhに対して角度θだけ傾斜している。この結果、路面Fに対して点接触するタイヤ15の接触部Pは、路面Fと減速機付きモータ部6における出力軸12aの回転軸線L1とが交わる位置Cから距離△2だけずれる。
【0036】
したがって、上述の第2実施形態によれば、前述の第1実施形態と同様の効果を奏する。また、タイヤ15の中心軸線L3を減速機付きモータ部6における出力軸12aの回転軸線L1に対して偏心させることなく、路面Fに対して点接触するタイヤ15の接触部Pを、路面Fと回転軸線L1とが交わる位置Cから距離△2だけずらすことができる。このため、走行ユニット203をさらに簡素な構造にできる。
【0037】
本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
例えば、車両1,201は、電動車いすや搬送車として用いられる場合について説明した。しかしながらこれに限られるものではなく、さまざまな装置に走行ユニット3,203を用いることができる。
【0038】
走行ユニット3,203は、タイヤ15を回転させるモータ装置として減速機付きモータ部6を備える場合について説明した。しかしながらこれに限られるものではなく、タイヤ15を回転できればよい。例えば、モータ装置としてモータ本体11のみとし、このモータ本体11の図示しないモータシャフトにタイヤ15(車輪7,207)を連結してもよい。この場合、モータシャフトが出力軸となる。
また、偏心ホイール14やホイール214を備える車輪7,207として構成せずに、タイヤ15のみをモータ装置に連結してもよい。
【0039】
タイヤ15は、下方が凸となる半球状に形成されている場合について説明した。このため、路面Fに対するタイヤ15の接触部Pは、路面Fに対して点接触になる場合について説明した。しかしながらこれに限られるものではなく、路面Fに対してタイヤ15が面接触であったり線接触であったりしてもよい。路面Fに対してタイヤ15を点接触とする場合も少なくとも接触部Pが球面状に形成されていればよい。
【0040】
車両1,201は、車体2の下部に設けられた4つの走行ユニット3,203を備える場合について説明した。しかしながらこれに限られるものではなく、走行ユニット3,203の個数は偶数個であればよい。例えば、車体2の下部に左右方向に2つ走行ユニット3,203を設け、これら走行ユニット3,203の前方又は後方に2つの従動輪を設けてもよい。このように構成した場合であっても前述の実施形態と同様の効果を奏する。
また、偶数個の走行ユニット3,203の配置は任意でよい。車体2に対して左右又は前後方向に並べて配置する場合に限られない。従動輪の個数も任意に設定することができる。
【符号の説明】
【0041】
1,201…車両、2…車体(被走行体)、3,203…走行ユニット、4…ダンパ、5…ベース部、5a…開口部、6…減速機付きモータ部(モータ装置)、7,207…車輪、8…棒体、8a…雄ネジ部、9…ナット、10…コイルスプリング、11…モータ本体、12…減速機構、12a…出力軸、12b…雌ネジ部、13…制御部、13a…電源線、13b…信号線、14…偏心ホイール、15…タイヤ、16…ディスク部、16a…一面、16b…凹部、16c…挿通孔、17…リム部、17a…外フランジ部、18…ボルト、19…タイヤ取り付け凹部、21…傾斜ブラケット、21a…傾斜面、214…ホイール、C…路面と回転軸線とが交わる位置、F…路面、Fh…路面の法線方向、L1…回転軸線、L2,L3,L22…中心軸線
図1
図2
図3
図4