(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023021797
(43)【公開日】2023-02-14
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
F21S 8/02 20060101AFI20230207BHJP
F21V 14/02 20060101ALI20230207BHJP
F21V 29/503 20150101ALI20230207BHJP
F21V 29/76 20150101ALI20230207BHJP
F21V 21/30 20060101ALI20230207BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20230207BHJP
F21V 21/00 20060101ALI20230207BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20230207BHJP
【FI】
F21S8/02 420
F21S8/02 410
F21V14/02 200
F21V29/503
F21V29/76
F21V21/30 310
F21V23/00 160
F21V21/00 130
F21Y115:10 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021126888
(22)【出願日】2021-08-02
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り オーデリック株式会社が令和3年5月31日に発行した刊行物「HABITATION STRUCTURAL LIGHTING 2021-2022 Vol.186」に掲載 オーデリック株式会社が令和3年6月14日に自らのウェブサイトにて公開
(71)【出願人】
【識別番号】000103633
【氏名又は名称】オーデリック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001612
【氏名又は名称】弁理士法人きさらぎ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤原 直樹
(72)【発明者】
【氏名】上杉 啓太
【テーマコード(参考)】
3K014
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K014BA01
(57)【要約】
【課題】小径の取付孔に設置可能な照明装置を提供する。
【解決手段】設置面に形成された取付孔に取付可能に構成された照明器具本体を備える照明装置であって、照明器具本体は、光源ユニットと、光源ユニットを支持する支持アームと、水平回転機構と、垂直旋回機構と、配光角変動機構とを含み、支持アームは、水平回転軸を有する水平回動部と、水平回動部の一端から延出した第1支持アーム部と、水平回動部の他端から延出する共に、第1支持アームと対向して設けられた第2支持アーム部とを有し、第1支持アーム部と第2支持アームとの間において光源ユニットを旋回可能に支持するよう構成されており、第1支持アーム部から水平回動部の水平回転軸までの距離と、第2支持アーム部から水平回動部の水平回転軸までの距離とが異なる長さに構成されており、垂直旋回機構及び配光角変動機構は、光源ユニットの周方向における異なる位置に配されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
設置面に形成された取付孔に取付可能に構成された照明器具本体を備える照明装置であって、
前記照明器具本体は、
光源及び前記光源と対向するように設けられたレンズを有する光源ユニットと、
前記光源ユニットを支持する支持アームと、
前記支持アームを前記設置面と水平な方向に回転させる水平回転機構と、
前記設置面と交差する方向に沿って前記光源ユニットを旋回させる垂直旋回機構と、
前記光源ユニットの前記光源及び前記レンズの間隔を変動させる配光角変動機構と
を含み、
前記支持アームは、
水平回転軸を有する水平回動部と、
前記水平回動部の一端から延出した第1支持アーム部と、
前記水平回動部の他端から延出する共に、前記第1支持アーム部と対向して設けられた第2支持アーム部と
を有し、
前記水平回動部は、前記水平回転機構に取付可能に構成されており、
前記第1支持アーム部と前記第2支持アーム部との間において前記光源ユニットを旋回可能に支持するよう構成されており、
前記第1支持アーム部から前記水平回動部の前記水平回転軸までの距離と、前記第2支持アーム部から前記水平回動部の前記水平回転軸までの距離とが異なる長さに構成されており、
前記垂直旋回機構及び前記配光角変動機構は、前記光源ユニットの周方向における異なる位置に配されている
ことを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記垂直旋回機構及び前記配光角変動機構は、前記光源ユニットの周方向において対向して配置されている
ことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記支持アームは、前記第1支持アーム部と前記第2支持アーム部が異なる形状に構成されている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記照明器具本体は、複数のフィンを有する放熱部を更に含み、
前記支持アームの前記水平回動部の前記水平回転軸は、前記水平回転軸内にケーブルを挿通可能な筒状に構成されており、
前記放熱部は、前記光源ユニットの後部に配されると共に、前記複数のフィンの間に前記ケーブルを挿通可能な間隙が設けられている
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項5】
前記取付孔に固定可能で、かつ、前記照明器具本体を取付可能な器具取付枠を更に備え、
前記照明器具本体は、
前記光源ユニットを収容可能な胴体部と、
前記胴体部を前記器具取付枠に取り付ける固定具と、
取付補助部と
を更に含み、
前記器具取付枠は、前記照明器具本体を挿通可能な器具取付孔と、前記固定具と係合可能な固定具係合部を含み、
前記固定具は、前記器具取付枠の前記器具取付孔を通り抜けることができる変形状態と、挿通後に前記固定具係合部に係合する復元状態との間において変形可能に構成されており、
前記取付補助部は、前記固定具係合部に取り付けられる前の前記固定具を前記変形状態に維持するように仮止め可能に構成されている
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項6】
前記固定具は、ねじりコイルばねである
ことを特徴とする請求項5に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源の角度調整を行うための角度調整装置であって、枠体と、前記枠体によって水平方向へ回転可能に支持される水平方向回転部と、前記水平方向回転部によって垂直方向へ回転可能に支持されて前記光源が固定される垂直方向回転部と、前記水平方向回転部を駆動する第1駆動部と、前記垂直方向回転部を駆動する第2駆動部とを含み、前記第1駆動部と前記第2駆動部とは、前記光源の中心線に対して対称に配置されている角度調整装置を備えるダウンライト式の照明装置がある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の照明装置では、屋内の天井に既設された埋込穴に埋設される枠体の内側に全ての機構を組み込む必要があり、水平方向回転部を駆動する第1駆動部と、垂直方向回転部を駆動する第2駆動部とが光源の中心線に対して対称に配置されるため、枠体が大きくなってしまい、照明装置を埋設するための埋込穴を小さくすることができないという問題がある。
【0005】
また、従来の照明装置では、第1駆動部と第2駆動部が枠体の内側の同一周上に配置されているため、光源の配光角を変更するための配光角変動機構を入れる空間がなく、配光角変動機構を備える照明装置に比べて機能的に劣るという問題がある。
【0006】
本発明はこのような課題に鑑みなされたものであり、小径の取付孔に設置可能な照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る照明装置は、設置面に形成された取付孔に取付可能に構成された照明器具本体を備える照明装置であって、前記照明器具本体は、光源及び前記光源と対向するように設けられたレンズを有する光源ユニットと、前記光源ユニットを支持する支持アームと、前記支持アームを前記設置面と水平な方向に回転させる水平回転機構と、前記設置面と交差する方向に沿って前記光源ユニットを旋回させる垂直旋回機構と、前記光源ユニットの前記光源及び前記レンズの間隔を変動させる配光角変動機構とを含み、前記支持アームは、水平回転軸を有する水平回動部と、前記水平回動部の一端から延出した第1支持アーム部と、前記水平回動部の他端から延出する共に、前記第1支持アームと対向して設けられた第2支持アーム部とを有し、前記水平回動部は、前記水平回転機構に取付可能に構成されており、前記第1支持アーム部と前記第2支持アーム部との間において前記光源ユニットを旋回可能に支持するよう構成されており、前記第1支持アーム部から前記水平回動部の前記水平回転軸までの距離と、前記第2支持アーム部から前記水平回動部の前記水平回転軸までの距離とが異なる長さに構成されており、前記垂直旋回機構及び前記配光角変動機構は、前記光源ユニットの周方向における異なる位置に配されていることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る照明装置において、前記垂直旋回機構及び前記配光角変動機構は、前記光源ユニットの周方向において対向して配置されてもよい。
【0009】
本発明に係る照明装置において、前記支持アームは、前記第1支持アーム部と前記第2支持アーム部が異なる形状に構成されてもよい。
【0010】
本発明に係る照明装置において、前記照明器具本体は、複数のフィンを有する放熱部を更に含み、前記支持アームの前記水平回動部の前記水平回転軸は、前記水平回転軸内にケーブルを挿通可能な筒状に構成されており、前記放熱部は、前記光源ユニットの後部に配されると共に、前記複数のフィンの間に前記ケーブルを挿通可能な間隙が設けられてもよい。
【0011】
本発明に係る照明装置は、前記取付孔に固定可能で、かつ、前記照明器具本体を取付可能な器具取付枠を更に備え、前記照明器具本体は、前記光源ユニットを収容可能な胴体部と、前記胴体部を前記器具取付枠に取り付ける固定具と、取付補助部とを更に含み、前記器具取付枠は、前記照明器具本体を挿通可能な器具取付孔と、前記固定具と係合可能な固定具係合部を含み、前記固定具は、前記器具取付枠の前記器具取付孔を通り抜けることができる変形状態と、挿通後に前記固定具係合部に係合する復元状態との間において変形可能に構成されており、前記取付補助部は、前記固定具係合部に取り付けられる前の前記固定具を前記変形状態に維持するように仮止め可能に構成されてもよい。
【0012】
本発明に係る照明装置において、前記固定具は、ねじりコイルばねであってもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、小径の取付孔に設置可能な照明装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施形態に係る照明装置の照明器具本体を示す概略図
【
図8】本実施形態に係る配光角変動機構を示す概略図
【
図11】本実施形態に係る照明器具本体を示す概略図
【
図12】本実施形態に係る照明器具本体を示す概略図
【
図14】本実施形態に係る照明装置の設置状態を示す図
【
図15】本実施形態に係る照明器具本体を示す断面図
【
図17】本実施形態に係る水平回転及び垂直旋回を示す図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための最良の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。また、図面は、本発明を示すために適宜強調や省略、比率の調整を行った模式的な図となっており、実際の形状や位置関係、比率とは異なる場合がある。
【0016】
[本実施形態に係る照明装置の構成]
まず、
図1~3を参照して、本発明の実施形態に係る照明装置1を概説する。本実施形態に係る照明装置1は、
図1に示すように、設置面に形成された取付孔に取付可能に構成された照明器具本体10を備えるダウンライト式の照明装置である。照明器具本体10は、光源ユニット20と、光源ユニット20を支持する支持アーム100と、支持アーム100を設置面と水平な方向に回転させる水平回転機構30と、設置面と交差する方向に沿って光源ユニット20を旋回させる垂直旋回機構40と、光源ユニット20の後述する光源LS及びレンズFLの間隔を変動させる配光角変動機構50とを含む。垂直旋回機構40及び配光角変動機構50は、光源ユニット20の周方向における異なる位置に配されている。照明器具本体10は、
図5に示すように、光源ユニット20の後述する後側筐体25に支持アーム100が取り付けられている。垂直旋回機構40及び配光角変動機構50は、支持アーム100の外側に光源ユニット20の周方向において対向して配置されている。
【0017】
照明装置1は、
図2及び
図14に示すように、取付孔に固定可能で、かつ、照明器具本体10を取付可能な器具取付枠200と、照明器具本体10に電源を供給する直流電源装置PSと、照明器具本体10及び直流電源装置PSを繋ぐケーブルCとを更に備える。照明器具本体10は、
図2及び
図3に示すように、放熱部60と、光源ユニット20を収容可能な胴体部70と、胴体部70を器具取付枠200に取り付ける複数(本実施形態において2つ)の固定具80と、取付補助部90とを更に含む。なお、固定具80は、複数設けられる構成に限定されず、1つのみであってもよい。
【0018】
以下の説明において、照明器具本体10の配光角変動機構50側を右、垂直旋回機構40側を左として説明する。
[照明器具本体の構成]
次に照明器具本体10の各構成部材の詳細について説明する。
光源ユニット20は、
図4に示すように、光源LS及び光源LSと対向するように設けられたレンズFLを有する。また、光源ユニット20は、樹脂製の前側筐体21とアルミダイキャスト製の後側筐体25と、前側筐体21に取り付けられるレンズホルダ23とを更に有し、後側筐体25に前側筐体21が同軸で取り付けられている。
【0019】
前側筐体21は、
図8に示すように、円筒形状に形成されており、レンズホルダ23を取り付け可能な内径を有する。また、前側筐体21は、右側周部に後述する配光角変動機構50のスライダ54の一端部56と相対移動可能に連結されるスライダカバー22を更に有する。レンズホルダ23は、前側筐体21内に嵌合可能な円筒形状に形成されており、レンズFLを取り付け可能な内径を有する。また、レンズホルダ23は、スライダ54の一端部56を取付可能なスライダ固定部(図示せず)を更に有する。
【0020】
後側筐体25は、
図4に示すように、前側筐体21と対向する前面に光源台座26が設けられており、背面に放熱部60が設けられている(
図13参照)。光源台座26には、光源LS取り付けられている。光源LSは、2500lmクラスの高輝度光源である。本実施形態において、光源LSは、調光及び調色が可能なチップオンボード(Chip On Board)LED(発光ダイオード:Light Emitting Diode)であるが、これに限定されず、種々の任意の構成を採用可能である。
【0021】
後側筐体25の左側部及び右側部には、支持アーム100を取り付けるための第1軸孔(図示せず)及び第2軸孔(図示せず)がそれぞれ形成されている。第1軸孔及び第2軸孔は、後側筐体25の周方向に関して180°ずれた位置に形成されると共に、前側筐体21と後側筐体25が連結して成る光源ユニット20の軸方向に関して光源ユニット20の重心位置に形成されている。このような構成を備えることにより、光源ユニット20は、重心位置を回転中心として垂直旋回動作が可能になっている。
【0022】
光源台座26は、
図4に示すように、前側筐体21と後側筐体25が連結した状態において、前側筐体21の内部空間内に位置するように、前側筐体21側に突き出る構成となっている。このような構成を備えることで、樹脂製の前側筐体21は、アルミニウム製の後側筐体25に比べて軽いため、光源ユニット20全体としての重心が後側筐体25側に偏らないようにしている。
【0023】
レンズFLは、
図4及び
図8に示すように、前側筐体21の内部にレンズホルダ23を介して光源LSの照射軸方向に沿って移動自在に取り付けられている。本実施形態において、レンズFLは、フレネルレンズであるが、これに限定されず、種々の任意の構成を採用可能である。レンズFLは、配光角変動機構50の駆動により、光源LSの照射軸方向に沿って移動可能に構成されている。このような構成を備えることにより、光源ユニット20は、レンズFLと光源LSの間隔が変化し、光源LSが発した光の配光角度を調整することができる。
【0024】
図6は、水平回転機構の水平回転用モータボックスの一部を省略した図である。
水平回転機構30は、
図6に示すように水平回転用モータボックス31と、水平回転用モータボックス31内に配置された水平回転用モータ32と、水平回転用ウォームギア33(水平回転用ウォーム34及び水平回転用ウォームホイール35)と、支持アーム100の後述する水平回動部110の水平回転軸112を回転自在に支持する軸受(図示せず)と、水平回転用波ワッシャ(図示せず)と、水平回転軸112の先端部に取り付けられる水平回転用緩み止めナット37と、エンコーダ取付アーム38と、水平回転用エンコーダ(図示せず)とを有する。
【0025】
水平回転用モータボックス31は、底部に水平回転軸112を挿通可能な孔(図示せず)が設けられている。また、水平回転用モータボックス31は、底部を胴体部70に取付可能に構成されている。
【0026】
水平回転用ウォーム34は、水平回転用モータ32に取り付けられており、水平回転用モータ32の回転を水平回転用ウォームホイール35に伝達するよう構成されている。水平回転用ウォームホイール35、軸受け、水平回転用波ワッシャ及び水平回転用緩み止めナット37は、水平回転軸112を挿通可能な内径を有しており、軸受け、水平回転用ウォームホイール35、水平回転用波ワッシャ、水平回転用緩み止めナット37の順で水平回転軸112に挿通する。これにより、水平回転用緩み止めナット37が水平回転軸112に固定されると共に、水平回転用ウォームホイール35と水平回転用緩み止めナット37が水平回転用波ワッシャを介して係合している。このような構成を備えることにより、水平回転軸112を回転自在に支持すると共に、水平回転用モータ32の回転を水平回転用ウォームギア33及び水平回転用緩み止めナット37を介して水平回転軸112に伝達することができる。また、水平回転用ウォームホイール35と水平回転用緩み止めナット37が水平回転用波ワッシャを介して係合していることにより、水平回転軸112に強い外力が加わった際に、水平回転用ウォームホイール35が空転することで、水平回転機構30が破損することを防ぐことができる。
【0027】
また、水平回転用緩み止めナット37は、エンコーダ取付アーム38が一体化して設けられている。エンコーダ取付アーム38は、水平回転用緩み止めナット37から上方に立ち上がりつつ複数個所で屈曲した折れ曲がり形状を成しており、その先端部は、水平回転軸112、水平回転用ウォームホイール35、水平回転用緩み止めナット37の回転軸芯の上方に位置している。このエンコーダ取付アーム38の先端部には、水平回転軸112ひいては支持アーム100及び光源ユニット20の水平方向の回転角度を検出する水平回転用エンコーダが取り付けられている。水平回転用エンコーダは、種々の公知の構成を採用可能であるため、その詳細な説明を省略する。
【0028】
水平回転機構30は、このような構成を備えることにより、水平回転用モータ32の駆動力を水平回転用ウォームギア33を介して水平回転軸112に伝達することで、支持アーム100及び光源ユニット20を設置面に対して水平方向に回転可能に構成されている。
【0029】
図7は、垂直旋回機構の垂直旋回用モータボックスの一部を省略した図である。
垂直旋回機構40は、
図7に示すように、垂直旋回用モータボックス41と、垂直旋回用モータボックス41内に配置された垂直旋回用モータ42と、垂直旋回用ウォームギア43(垂直旋回用ウォーム44及び垂直旋回用ウォームホイール45)と、垂直旋回用波ワッシャ(図示せず)と、支持アーム100の後述する第1支持アーム部120の第4軸部127の先端部に取り付けられる垂直旋回用緩み止めナット46と、垂直旋回用エンコーダ(図示せず)とを有する。
【0030】
垂直旋回用モータボックス41は、光源ユニット20の後側筐体25の左側部に取付可能に構成されており、後側筐体25に取り付けられる面に第1支持アーム部120の第4軸部127を挿通可能な孔(図示せず)が設けられている。また、垂直旋回用モータボックス41は、第1支持アーム部120の第4軸部127の延長線上に台座(図示せず)が設けられている。
【0031】
台座には、第1支持アーム部120の第4軸部127ひいては光源ユニット20の垂直方向の回転角度を検出する垂直旋回用エンコーダを取り付けられている。垂直旋回用エンコーダは、種々の公知の構成を採用可能であるため、その詳細な説明を省略する。
【0032】
垂直旋回用ウォーム44は、垂直旋回用モータ42に取り付けられており、垂直旋回用モータ42の回転を垂直旋回用ウォームホイール45に伝達するよう構成されている。垂直旋回用ウォームホイール45、垂直旋回用波ワッシャ及び垂直旋回用緩み止めナット46は、第1支持アーム部120の第4軸部127を挿通可能な内径を有しており、垂直旋回用ウォームホイール45、垂直旋回用波ワッシャ、垂直旋回用緩み止めナット46の順で第1支持アーム部120の第4軸部127に挿通する。これにより、垂直旋回用緩み止めナット46が第1支持アーム部120の第4軸部127に固定されると共に、垂直旋回用ウォームホイール45と垂直旋回用緩み止めナット46が垂直旋回用波ワッシャを介して係合している。このような構成を備えることにより、第1支持アーム部120の第4軸部127を回転自在に支持すると共に、垂直旋回用モータ42の回転を垂直旋回用ウォームギア43及び垂直旋回用緩み止めナット46を介して第1支持アーム部120の第4軸部127に伝達することができる。また、垂直旋回用ウォームホイール45と垂直旋回用緩み止めナット46が垂直旋回用波ワッシャを介して係合していることにより、第1支持アーム部120の第4軸部127に強い外力が加わった際に、垂直旋回用ウォームホイール45が空転することで、垂直旋回機構40が破損することを防ぐことができる。
【0033】
垂直旋回機構40は、このような構成を備えることにより、垂直旋回用モータ42の駆動力を垂直旋回用ウォームギア43を介して第1支持アーム部120の第4軸部127に伝達することで、光源ユニット20を設置面と交差する方向に沿って旋回可能に構成されている。
【0034】
図8は、配光角変動機構のレンズ駆動用モータボックスの一部を省略した図である。
配光角変動機構50は、
図8に示すように、レンズ駆動用モータボックス51と、レンズ駆動用モータボックス51内に配置されたレンズ駆動用モータ52と、レンズ駆動用モータ52に取り付けられるピニオン53と、レンズ駆動用モータ52の回転運動を並進運動に変換するスライダ54と、レンズ駆動用エンコーダ(図示せず)とを有する。レンズ駆動用モータボックス51は、光源ユニット20の後側筐体25の右側部に取付可能に構成されており、後側筐体25に設けられた第2軸孔を避けると共に、配光角変動機構50の各構成部品が支持アーム100の後述する第2支持アーム部130の内側に位置するように配置されている。
【0035】
また、レンズ駆動用モータボックス51には、レンズ駆動用モータ52の回転量ひいては光源ユニット20のレンズFLの移動量を検出するレンズ駆動用エンコーダが取り付けられている。レンズ駆動用エンコーダは、種々の公知の構成を採用可能であるため、その詳細な説明を省略する。
【0036】
スライダ54は、ピニオン53と噛合可能なラック55を有し、一端部56を光源ユニット20のレンズホルダ23のスライダ固定部に取付可能に構成されている。配光角変動機構50は、このような構成を備えることにより、レンズ駆動用モータ52が回転することでスライダ54を介してレンズホルダ23が移動し、レンズFLと光源ユニット20の光源LSとの間隔が変化するように構成されている。
【0037】
[支持アームの構成]
次に支持アーム100の各構成部材の詳細について説明する。
支持アーム100は、
図5及び
図9に示すように、水平回転軸112を有する水平回動部110と、水平回動部110の一端から延出した第1支持アーム部120と、水平回動部110の他端から延出する共に、第1支持アーム部120と対向して設けられた第2支持アーム部130とを有する。水平回動部110は、水平回転機構30に取付可能に構成されている。支持アーム100は、第1支持アーム部120と第2支持アーム部130の間において光源ユニット20を旋回可能に支持するよう構成されている。また、
図10に示すように、第1支持アーム部120から水平回動部110の水平回転軸112までの距離と、第2支持アーム部130から水平回動部110の水平回転軸112までの距離とが異なる長さに構成されている。
【0038】
水平回動部110は、
図9に示すように、水平回転軸112と、水平回転軸112の下端から径方向に延出した水平支持アーム部114とを有する。水平回転軸112は、水平回転軸112内にケーブルCを挿通可能な筒状に構成されている。水平支持アーム部114は、
図10に示すように、水平回転軸112から延出した左右の長さが異なっており、第2支持アーム部130側(右側)の方が長い。このような構成を備える水平回動部110は、水平回転軸112を水平回転機構30の水平回転用モータボックス31に設けられた孔に挿通することで、水平回転機構30に取り付けられるよう構成されている。
【0039】
第1支持アーム部120は、
図9及び
図10に示すように、水平支持アーム部114の一端部から水平支持アーム部114と直交するように周方向に延出した第1延出部122と、第1延出部122から鉛直方向に延出した第2延出部124と、第2延出部124から光源ユニット20の後側筐体25の第1軸孔の軸芯上に向けて延出した第3延出部126と、第3延出部126の先端部であって第1軸孔の軸芯上から外側に向けて延出した第4軸部127と、第4軸部127に設けられた孔128とを有する。
【0040】
第2支持アーム部130は、
図9及び
図10に示すように、水平支持アーム部114の他端部から水平支持アーム部114と直交するように周方向に延出した第1延出部132と、第1延出部132から鉛直方向に延出した第2延出部134と、第2延出部134から光源ユニット20の後側筐体25の第2軸孔の軸芯上に向けて延出した第3延出部136と、第3延出部136の先端部であって第2軸孔の軸芯上に設けられた孔138とを有する。第1延出部132の先端部は、取付孔の円弧に沿うように面取りされている。このような構成を備えることで支持アーム100は、取付孔と干渉することなく水平回転することができる。
【0041】
このような構成を備える支持アーム100は、第1支持アーム部120と第2支持アーム部130が異なる形状に構成されている。具体的には、第1支持アーム部120の第1延出部122と第2支持アーム部130の第1延出部132は、長さが異なっており、第1支持アーム部120の第1延出部122の方が第2支持アーム部130の第1延出部132よりも長い。また、第1支持アーム部120の第2延出部124と第2支持アーム部130の第2延出部134は、長さが異なっており、第2支持アーム部130の第2延出部134の方が第1支持アーム部120の第2延出部124よりも長い。さらに、第1支持アーム部120の第3延出部126と第2支持アーム部130の第3延出部136は、長さが異なっており、第1支持アーム部120の第3延出部126の方が第2支持アーム部130の第3延出部136よりも長い。また、水平回動部110の水平支持アーム部114の一端部から第1支持アーム部120の第1延出部の先端部までの長さと、水平支持アーム部114の他端部から第2支持アーム部130の第1延出部132の先端部までの長さは、それぞれ、胴体部70の半径よりも短くなっている。
【0042】
さらに、第1支持アーム部120の第2延出部124と第3延出部126のなす角と、第2支持アーム部130の第2延出部134と第3延出部136のなす角とが異なる角度になるように構成されている。具体的には、第1支持アーム部120の第2延出部124と第3延出部126のなす角は、
図11に示すように、光源ユニット20を最大まで垂直旋回させた際に、第2延出部124及び第3延出部126が垂直旋回機構40の垂直旋回用モータボックス41と干渉しない角度に構成されている。また、第2支持アーム部130の第2延出部134と第3延出部136のなす角は、
図12に示すように、光源ユニット20を最大まで垂直旋回させた際に、第2延出部134及び第3延出部136が配光角変動機構50のレンズ駆動用モータボックス51と干渉しない角度に構成されている。
【0043】
支持アーム100は、第1支持アーム部120の孔128と、後側筐体25の第1軸孔に第1垂直旋回軸(図示せず)を挿入し、第2支持アーム部130の孔138と、後側筐体25の第2軸孔に第2垂直旋回軸(図示せず)を挿入することで、後側筐体25の左右から後側筐体25ひいては光源ユニット20を回転自在に支持するよう構成されている。
【0044】
支持アーム100は、以上の構成を備えることにより、第1支持アーム部120の外側に垂直旋回機構40を配置し、第2支持アーム部130の内側に配光角変動機構50を配置しても、照明器具本体10の全幅を短く抑えることができる。
【0045】
放熱部60は、
図13に示すように、複数のフィンFを有する。放熱部60は、光源ユニット20の後部に配されると共に、複数のフィンFの間にケーブルCを挿通可能な間隙が設けられている。この間隙は、ケーブルガイドとしての役割を果たすよう構成されている。複数のフィンFは、間隙を境に左右非対称に配置されている。具体的には、複数のフィンFは、光源ユニット20の右側(支持アーム100の第2支持アーム部130側)に多く設けられおり、支持アーム100、垂直旋回機構40及び配光角変動機構50との干渉しない形状及び配置で構成されている。放熱部60は、このような構成を備えることにより、光源ユニット20の2500lmクラスの高輝度な光源LSが発する熱を高い放熱効率で排熱することができる。
【0046】
胴体部70は、
図2に示すように、円形の天板部72と、天板部72の周縁から鉛直方向に向けて延びる周壁部74と周壁部74の先端から周方向外側に向けて延出する外縁部76と、周壁部74の外側に配された固定具保持部78とを有する。天板部72は、支持アーム100の水平回動部110の水平回転軸112を挿通可能な孔(図示せず)を有し、上面に水平回転機構30を取付可能に構成されている。
【0047】
周壁部74は、内側に支持アーム100、垂直旋回機構40及び配光角変動機構50が取り付けられた光源ユニット20を収容可能であり、かつ、器具取付枠200の後述する器具取付孔210に挿通可能に構成されている。外縁部76の外径は、器具取付孔210よりも大きな径を有する。固定具保持部78は、複数箇所(本実施形態において2箇所)に設けられており、周壁部74の周方向において対向して配置されている。なお、固定具保持部78は、複数設けられる構成に限定されず、1箇所のみ設けられている構成であってもよい。
【0048】
固定具80は、器具取付枠200の器具取付孔210を通り抜けることができる変形状態と、挿通後に器具取付枠200の後述する固定具係合部220に係合する復元状態との間において変形可能に構成されている。本実施形態において、固定具80は、ねじりコイルばねである。ねじりコイルばね80は、
図2に示すように、コイル部82が胴体部70の固定具保持部78に取り付けられており、バネを圧縮した状態(変形状態)で器具取付孔210に挿通し、バネの復元力により腕部84を固定具係合部220に係合させることで、胴体部70を器具取付枠200に取り付けるよう構成されている(
図3参照)。
【0049】
取付補助部90は、
図2及び
図3に示すように、水平回転機構30の水平回転用モータボックス31の左側部に設けられており、固定具係合部220に取り付けられる前のねじりコイルばね80を変形状態に維持するように仮止め可能に構成されている。具体的には、取付補助部90は、ねじりコイルばね80の腕部84の先端部を掛けることが可能な爪部を有し、爪部に変形状態のねじりコイルばね80の腕部84の先端部を掛けることで、固定具80がバネの復元力により変形状態で仮止めされる。
【0050】
以上の構成を備える照明器具本体10は、器具取付枠200を介して設置面に形成された直径175mm以下の小径の取付孔、具体的には、直径150mmの取付孔に設置可能に構成されている。
【0051】
[器具取付枠の構成]
器具取付枠200は、
図14に示すように、天井等の取付孔を有する設置面に設置される取付器具である。器具取付枠200は、
図2に示すように、照明器具本体10を挿通可能な器具取付孔210と、固定具80と係合可能な固定具係合部220を含む。
【0052】
器具取付枠200は、具体的には、
図2に示すように、円筒部232と、円筒部232の一端から周方向外側に向けて延出する外縁部234とを有する枠部230と、円筒部232の周方向において対向して設けられた複数(本実施形態において2つ)の固定具係合部220と、円筒部232の周方向において固定具係合部220の間に設けられた複数(本実施形態において3つ)のスライド金具240とを有する。枠部230の円筒部232は、照明器具本体10の胴体部70の周壁部74を挿通可能な器具取付孔210を有する。なお、固定具係合部220及びスライド金具240は、複数設けられる構成に限定されず、1箇所のみ設けられている構成であってもよい。
【0053】
固定具係合部220は、裏面(枠部230の周方向内側)にねじりコイルばね80の腕部84を掛けることが可能な爪が設けられている。枠部230は、円筒部232の外径が取付孔よりも小さい径に形成されており、外縁部234の外径が取付孔よりも大きい径になるように形成されている。本実施形態において、枠部230は、直径150mmの取付孔に取り付けられるように、円筒部232の外径が150mm未満であり、外縁部234の外径が150mmよりも大きい。スライド金具240は、スライド部242の先端部が鍵爪形状に形成されており、スライド部242の先端部が設置面に係合するように構成されている。
【0054】
器具取付枠200は、このような構成を備えることにより、照明器具本体10を枠部230の内側に取り付け可能であると共に、スライド金具240のスライド部242が設置面に掛かることで、照明器具本体10を設置面の取付孔に固定可能に構成されている。
【0055】
直流電源装置PSは、屋内配線等から給電された交流電圧を直流電圧に変換し、適切な電圧値に変圧した直流電圧を照明器具本体10の光源ユニット20、水平回転機構30、垂直旋回機構40及び配光角変動機構50に供給する。
【0056】
ケーブルCは、
図14及び
図15に示すように、一端が直流電源装置PSに接続されており、他端が照明器具本体10の水平回転機構30の水平回転用モータボックス31内、支持アーム100の水平回動部110の水平回転軸112内及び放熱部60の間隙を通って光源ユニット20に接続されている。
【0057】
[本実施形態に係る照明装置の設置方法]
次に照明装置1の設置方法について概説する。
照明装置1は、まず、器具取付枠200が設置面に設けられた取付孔に固定される。具体的には、器具取付枠200は、スライド金具240のスライド部242が畳まれた状態で取付孔に挿通される。その後、スライド部242がスライド金具240の下方にスライドされることで、スライド部242が開き、スライド部242の先端部が設置面の内面に係合する。これにより、スライド部242と外縁部234により設置面が挟持され、器具取付枠200が設置面に固定される。
【0058】
次に、照明器具本体10とケーブルCによって繋がっている直流電源装置PSが器具取付枠200の器具取付孔210から設置面の内側に挿通され、設置面の内面に取り付けられる。照明器具本体10は、左側(垂直旋回機構40側)のねじりコイルばね80が取付補助部90に変形状態で仮止めされ、右側(配光角変動機構50側)のねじりコイルばね80がユーザによって変形状態に保持された状態で器具取付孔210に挿通される。
【0059】
器具取付孔210に挿通後、まず、右側のねじりコイルばね80の腕部84が器具取付枠200の一方の固定具係合部220に掛けられる。さらに、仮止めされている左側のねじりコイルばね80の腕部84がもう一方の固定具係合部220に掛けられる。照明器具本体10は、
図14に示すように、左右のねじりコイルばね80が器具取付枠200の固定具係合部220に係合することにより、設置面の取付孔に固定される。以上の工程により本実施形態に係る照明装置1が設置される。
【0060】
[本実施形態に係る照明器具本体の動作]
次に、本実施形態に係る照明器具本体10の動作について
図16及び
図17を参照して説明する。
本実施形態に係る照明器具本体10は、
図16及び
図17に示すように、水平回転機構30の水平回転用モータ32が駆動することで、支持アーム100及び光源ユニット20が設置面に対して水平方向に回転し、垂直旋回機構40の垂直旋回用モータ42が駆動することで、光源ユニット20が設置面と交差する方向に沿って旋回する。
【0061】
具体的には、光源ユニット20は、照明器具本体10の縦方向の中心軸(縦軸)VAと、光源ユニット20の光源LSの光軸OAとのなす角θが最大で40°になるまで設置面と交差する方向に沿って旋回可能であり、水平方向には左右に180°まで回転可能である。すなわち、照明器具本体10は、これらの動きを組み合わせることにより、最大垂直方向に80°の範囲、水平方向に360°の範囲で首振り動作が可能である。
【0062】
また、本実施形態に係る照明器具本体10は、配光角変動機構50のレンズ駆動用モータ52が回転することで光源ユニット20のレンズFLと光源LSの間隔が変化し、配光角が変動する。
【0063】
[本実施形態に係る照明器具本体の制御方法]
本実施形態に係る照明器具本体10の制御系は、直流電源装置PSに集約されている。直流電源装置PSは、通信モジュール(図示せず)と主制御部(図示せず)と記憶部(図示せず)とを有する。通信モジュールは、例えば、遠隔式操作を行うためのリモコンやスマートフォン、タブレット端末等との間で、双方向の無線通信をする。なお、照明装置1を複数設置した場合には、各照明装置1の直流電源装置PSの通信モジュール同士で無線通信が可能であり、これにより複数の照明装置1同士で双方向無線通信が可能なメッシュ型のネットワークを構築することができる。
【0064】
主制御部は、通信モジュールとの間で情報の送受信を行い、照明器具本体10の全体的な制御をする。記憶部は、主制御部を介して通信モジュールから送られてきた情報等を記憶すると共に、照明器具本体10を作動させるために必要な各種のプログラム等を記憶している。
【0065】
また、主制御部は、照明器具本体10の光源ユニット20の光源LSを制御する光源制御部(図示せず)と、照明器具本体10の各モータ32,42,52を制御する姿勢制御部(図示せず)とを有している。光源制御部は、光源LSの点灯・消灯制御、調光制御及び調色制御を行う。
【0066】
姿勢制御部は、各モータ32,42,52を制御して、照明器具本体10の水平回転動作制御、垂直旋回動作制御及び配光制御をする。具体的には、姿勢制御部は、水平回転機構30の水平回転用モータ32の駆動制御を行うことで支持アーム100及び光源ユニット20の水平回転動作を制御し、垂直旋回機構40の垂直旋回用モータ42の駆動制御を行うことで光源ユニット20の垂直旋回動作を制御し、配光角変動機構50のレンズ駆動用モータ52の駆動制御を行うことで配光角制御をする。
【0067】
[本実施形態に係る照明装置の用途]
本実施形態に係る照明装置1は、例えば、一般住宅や、学校、美術館、博物館及び図書館等の公共施設、又は、ショールーム及び小売店等の商業施設に設置される照明器具であり、天井から床面を照らすダウンライトとしての用途に限られず、スポットライトのように展示物を照らすことや、壁面を照らして間接照明として用いることも可能である。また、設置面に形成された小径の取付孔に設置できるため、設置面の外観を損なうことなく、様々な美しい照明演出に用いることが可能である。
【0068】
[本実施形態に係る照明装置の利点]
以上説明したように、本実施形態に係る照明装置1は、設置面に形成された取付孔に取付可能に構成された照明器具本体10を備える照明装置であって、照明器具本体10は、光源LS及び光源LSと対向するように設けられたレンズFLを有する光源ユニット20と、光源ユニット20を支持する支持アーム100と、支持アーム100を設置面と水平な方向に回転させる水平回転機構30と、設置面と交差する方向に沿って光源ユニット20を旋回させる垂直旋回機構40と、光源ユニット20の光源LS及びレンズFLの間隔を変動させる配光角変動機構50とを含み、支持アーム100は、水平回転軸112有する水平回動部110と、水平回動部110の一端から延出した第1支持アーム部120と、水平回動部110の他端から延出する共に、第1支持アーム部120と対向して設けられた第2支持アーム部130とを有し、水平回動部110は、水平回転機構30に取付可能に構成されており、第1支持アーム部120と第2支持アーム部130との間において光源ユニット20を旋回可能に支持するよう構成されており、第1支持アーム部120から水平回動部110の水平回転軸112までの距離と、第2支持アーム部130から水平回動部110の水平回転軸112までの距離とが異なる長さに構成されており、垂直旋回機構40及び配光角変動機構50は、光源ユニット20の周方向における異なる位置に配されている。
【0069】
そして、本実施形態に係る照明装置1は、このような構成を備えることにより、小型化が可能であり、設置面に形成された直径175mm以下の小径の取付孔、具体的には直径150mmの取付孔に設置できると共に、取付孔内で首振り動作及び配光角の変更ができるという利点を有している。
【0070】
また、本実施形態に係る照明装置1において、垂直旋回機構40及び配光角変動機構50は、光源ユニット20の周方向において対向して配置されている。このような構成を備えることにより、照明器具本体10の重心を光源ユニット20の垂直旋回の回転軸に寄せることが可能であるため、垂直旋回用モータ42に駆動力を抑えた小型のモータを採用することができるという利点を有している。
【0071】
さらに、本実施形態に係る照明装置1において、支持アーム100は、第1支持アーム部120と第2支持アーム部130が異なる形状に構成されている。このような構成を備えることにより、第1支持アーム部120と第2支持アーム部130をそれぞれ垂直旋回機構40及び配光角変動機構50の可動範囲に合わせた形状にすることで照明器具本体10を小型化することができるという利点を有している。
【0072】
またさらに、本実施形態に係る照明装置1において、照明器具本体10は、複数のフィンFを有する放熱部60を更に含み、支持アーム100の水平回動部110の水平回転軸112は、水平回転軸112内にケーブルCを挿通可能な筒状に構成されており、放熱部60は、光源ユニット20の後部に配されると共に、複数のフィンFの間にケーブルCを挿通可能な間隙が設けられている。このような構成を備えることにより、光源ユニット20を垂直旋回させた際に、屈曲したケーブルCが間隙に収まるため、照明器具本体10の全長を短くすることができ、ケーブルCの捩れを抑制することができるという利点を有している。
【0073】
また、本実施形態に係る照明装置1は、取付孔に固定可能で、かつ、照明器具本体10を取付可能な器具取付枠200を更に備え、照明器具本体10は、光源ユニット20を収容可能な胴体部70と、胴体部70を器具取付枠200に取り付ける固定具80と、取付補助部90とを更に含み、器具取付枠200は、照明器具本体10を挿通可能な器具取付孔210と、固定具80と係合可能な固定具係合部220を含み、固定具80は、器具取付枠200の器具取付孔210を通り抜けることができる変形状態と、挿通後に固定具係合部220に係合する復元状態との間において変形可能に構成されており、取付補助部90は、固定具係合部220に取り付けられる前の固定具80を変形状態に維持するように仮止め可能に構成されている。このような構成を備えることにより照明器具本体10を板ばね等で直接取付孔に固定する場合に比べて、首振り動作時の振動を抑えることができるという利点を有している。また、小径の取付孔に設置する際の作業性が向上するという利点を有している。
【0074】
さらに、本実施形態に係る照明装置1において、固定具80は、ねじりコイルばねである。このような構成を備えることにより、照明器具本体10と器具取付枠200を僅かな係合部で固定することができるため、照明器具本体10及び器具取付枠200を小型化できるという利点を有している。
【0075】
また、本実施形態に係る照明装置1は、以上の構成を備えることにより、筐体の体積を2500lmクラスの高輝度なLED光源LSと、光源LSの熱を排熱する放熱部60と、水平回転用モータ32、垂直旋回用モータ42及びレンズ駆動用モータ52の3つのモータとを搭載しながら直径150mmの取付孔内で最大40°の垂直旋回が可能な最小体積とすることができるという利点を有している。
【0076】
さらに、本実施形態に係る照明装置1は、直径150mmの取付孔に取付可能に構成されていることで、従来の直径175mmの取付孔に取り付けられる照明装置と比較して設置面に設ける取付孔を小さくできる。これにより、照明装置1は、高気密な造りで断熱性が重要視される昨今の住宅事情のニーズに合った取付孔の小型化を実現でき、住宅の気密性を害することなく設置できるという利点を有している。
【0077】
[変形例]
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は、上述した実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態には、多様な変更又は改良を加えることが可能である。
【0078】
例えば、上述した実施形態において、垂直旋回機構40及び配光角変動機構50は、光源ユニット20の周方向において対向して配置されているものとして説明したが、これに限定されず、周方向において対向して配置されていなくてもよい。
【0079】
上述した実施形態において、支持アーム100は、第1支持アーム部120と第2支持アーム部130が異なる形状に構成されているものとして説明したが、これに限定されず、第1支持アーム部120と第2支持アーム部130が同一形状に構成されてもよい。
【0080】
上述した実施形態において、照明器具本体10は、複数のフィンFを有する放熱部60を更に含み、支持アーム100の水平回動部110の水平回転軸112は、水平回転軸112内にケーブルCを挿通可能な筒状に構成されており、放熱部60は、光源ユニット20の後部に配されると共に、複数のフィンFの間にケーブルCを挿通可能な間隙が設けられているものとして説明したが、これに限定されない。照明器具本体10は、放熱部60を含まなくてもよいし、支持アーム100の水平回動部110の水平回転軸112は、中実軸であってもよい。
【0081】
上述した実施形態では、照明装置1は、取付孔に固定可能で、かつ、照明器具本体10を取付可能な器具取付枠200を更に備え、照明器具本体10は、光源ユニット20を収容可能な胴体部70と、胴体部70を器具取付枠200に取り付ける固定具80と、取付補助部90とを更に含み、器具取付枠200は、照明器具本体10を挿通可能な器具取付孔210と、固定具80と係合可能な固定具係合部220を含み、固定具80は、器具取付枠200の器具取付孔210を通り抜けることができる変形状態と、挿通後に固定具係合部220に係合する復元状態との間において変形可能に構成されており、取付補助部90は、固定具係合部220に取り付けられる前の固定具80を変形状態に維持するように仮止め可能に構成されているものとして説明したが、これに限定されない。照明装置1は、照明器具本体10を取付孔に固定可能な構成であれば種々の任意の構成を採用可能である。例えば、照明器具本体10を直接取付孔に固定可能な構成であってもよい。
【0082】
上述した実施形態において、固定具80は、ねじりコイルばねであるものとして説明したが、これに限定されず、板ばね等でもよい。
【0083】
上述した実施形態において、光源ユニット20のレンズFLは、1枚であることを前提として説明したが、これに限定されず、光源ユニット20は、複数枚のレンズを有してもよい。
【0084】
上述した実施形態において、設置面は、建物の天井であることを前提として説明したが、これに限定されず、設置面は、建物の床及び壁面等であってもよい。
【符号の説明】
【0085】
1 照明装置
10 照明器具本体
20 光源ユニット
21 前側筐体
22 スライダカバー
23 レンズホルダ
25 後側筐体
26 光源台座
30 水平回転機構
31 水平回転用モータボックス
32 水平回転用モータ
33 水平回転用ウォームギア
34 水平回転用ウォーム
35 水平回転用ウォームホイール
37 水平回転用緩み止めナット
38 エンコーダ取付アーム
40 垂直旋回機構
41 垂直旋回用モータボックス
42 垂直旋回用モータ
43 垂直旋回用ウォームギア
44 垂直旋回用ウォーム
45 垂直旋回用ウォームホイール
46 垂直旋回用緩み止めナット
50 配光角変動機構
51 レンズ駆動用モータボックス
52 レンズ駆動用モータ
53 ピニオン
54 スライダ
55 ラック
56 スライダの一端部
60 放熱部
70 胴体部
72 天板部
74 周壁部
76 外縁部
78 固定具保持部
80 ねじりコイルばね(固定具)
82 コイル部
84 腕部
90 取付補助部
100 支持アーム
110 水平回動部
112 水平回転軸
114 水平支持アーム部
120 第1支持アーム部
122 第1延出部
124 第2延出部
126 第3延出部
127 第4軸部
128 孔
130 第2支持アーム部
132 第1延出部
134 第2延出部
136 第3延出部
138 孔
200 器具取付枠
210 器具取付孔
220 固定具係合部
230 枠部
232 円筒部
234 外縁部
240 スライド金具
242 スライド部
C ケーブル
F フィン
FL レンズ
LS 光源
OA 光軸
PS 直流電源装置
VA 縦軸