(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023021801
(43)【公開日】2023-02-14
(54)【発明の名称】光学ユニット
(51)【国際特許分類】
G03B 5/00 20210101AFI20230207BHJP
【FI】
G03B5/00 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021126895
(22)【出願日】2021-08-02
(71)【出願人】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】日本電産サンキョー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125690
【弁理士】
【氏名又は名称】小平 晋
(74)【代理人】
【識別番号】100142619
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100153316
【弁理士】
【氏名又は名称】河口 伸子
(72)【発明者】
【氏名】新井 努
(72)【発明者】
【氏名】須江 猛
【テーマコード(参考)】
2K005
【Fターム(参考)】
2K005CA04
2K005CA22
2K005CA44
2K005CA53
(57)【要約】
【課題】光学モジュールを有する可動体と、可動体を回動可能に保持する固定体と、光学モジュールの光軸に直交する方向を回動の軸方向として固定体に対して可動体を回動させる駆動機構とを備える光学ユニットにおいて、駆動機構を構成する駆動用コイルと駆動用磁石とが固定体に対する可動体の回動の軸方向で対向配置されていても、固定体に対する可動体の回動の軸方向において小型化することが可能な光学ユニットを提供する。
【解決手段】この光学ユニットでは、可動体3の回動中心を中心とする径方向において光学モジュール2の外側に配置される駆動用磁石24の厚さは、光学モジュール2の厚さよりも薄くなっている。駆動用磁石24は、固定体に対する可動体3の回動の軸方向であるZ方向において、光学モジュール2のZ方向の一端と光学モジュール2のZ方向の他端との間に配置されている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学モジュールを有する可動体と、前記可動体を回動可能に保持する固定体と、前記光学モジュールの光軸に直交する第1方向を回動の軸方向として前記固定体に対して前記可動体を回動させる駆動機構とを備え、
前記駆動機構は、空芯状に巻回された駆動用コイルと、前記第1方向で前記駆動用コイルに対向配置される駆動用磁石とを備え、
前記駆動用コイルおよび前記駆動用磁石は、前記可動体の回動中心を中心とする径方向において前記光学モジュールの外側に配置され、
前記第1方向における前記駆動用磁石の厚さは、前記第1方向における前記光学モジュールの厚さよりも薄くなっており、
前記駆動用磁石は、前記第1方向において、前記光学モジュールの前記第1方向の一端と前記光学モジュールの前記第1方向の他端との間に配置されていることを特徴とする光学ユニット。
【請求項2】
前記駆動用コイルおよび前記駆動用磁石は、前記可動体の回動中心を中心とする径方向において前記光学モジュールの両側に配置され、
前記駆動用磁石は、前記可動体に固定され、
前記駆動用コイルは、前記固定体に固定され、
前記可動体と前記駆動用磁石とからなる可動側部分の中で、前記可動体の回動中心を中心とする径方向において最も大きくなる部分の外周面を最外周面とすると、
前記可動体の回動中心を中心とする径方向における前記駆動用磁石の外側面は、前記第1方向から見たときの形状が前記可動体の回動中心を曲率中心とする円弧状となる凸曲面状に形成され、前記最外周面の少なくとも一部を構成していることを特徴とする請求項1記載の光学ユニット。
【請求項3】
前記駆動用コイルは、前記第1方向を巻回の軸方向として巻回され、
前記駆動用コイルに対向する前記駆動用磁石の対向面は、前記可動体の回動中心を中心とする周方向で2極に分極していることを特徴とする請求項1または2記載の光学ユニット。
【請求項4】
前記駆動用コイルは、前記可動体の回動中心を中心とする周方向において間隔をあけた状態で配置される一対の有効辺部と、一対の前記有効辺部の、前記可動体の回動中心を中心とする径方向における外側端部同士を繋ぐ第1接続辺部と、一対の前記有効辺部の、前記可動体の回動中心を中心とする径方向における内側端部同士を繋ぐ第2接続辺部とから構成され、
一対の前記有効辺部は、前記可動体の回動中心を中心とする径方向の内側に向かうにしたがって互いに近づくように、前記第1接続辺部から前記可動体の回動中心側に向かって伸びていることを特徴とする請求項3記載の光学ユニット。
【請求項5】
前記駆動用コイルは、前記第1方向に直交する方向を巻回の軸方向として巻回され、
前記駆動用コイルに対向する前記駆動用磁石の対向面は、単極に着磁されていることを特徴とする請求項1または2記載の光学ユニット。
【請求項6】
前記駆動用磁石は、前記第1方向における前記駆動用コイルの片側のみに配置されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の光学ユニット。
【請求項7】
前記駆動用磁石は、前記第1方向における前記駆動用コイルの両側に配置されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の光学ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラモジュール等の光学モジュールを有する可動体と、可動体を回動可能に保持する固定体とを備える光学ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光学像の振れを補正するための振れ補正機能を有する振れ補正機能付き光学ユニットが知られている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の振れ補正機能付き光学ユニットは、光学モジュールを保持する可動体と、可動体を保持する固定体と、固定体に対して可動体を回動させる磁気駆動機構とを備えている。磁気駆動機構は、板状の磁石と、光学モジュールの光軸方向で磁石に対向するコイルとを備えている。固定体は、ジンバル機構を介して可動体を保持しており、可動体は、固定体に対して、光軸方向に直交するX軸方向を回動の軸方向とする回動と、光軸方向とX軸方向とに直交するY軸方向を回動の軸方向とする回動とが可能になっている。
【0003】
特許文献1に記載の振れ補正機能付き光学ユニットでは、たとえば、コイルに対向する磁石の対向面は、凸曲面となっており、磁石に対向するコイルの対向面は、凹曲面となっている。そのため、この振れ補正機能付き光学ユニットでは、固定体に対する可動体の回動角度が大きくなっても、磁石とコイルとの距離を一定に保つことが可能になっており、その結果、固定体に対する可動体の回動角度が大きくなっても、磁気駆動機構の駆動力の低下を抑制することが可能になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願発明者は、カメラモジュール等の光学モジュールを有する可動体と、可動体を回動可能に保持する固定体と、光学モジュールの光軸に直交する方向を回動の軸方向として固定体に対して可動体を回動させる駆動機構とを備える光学ユニットを開発している。本願発明者は、このような光学ユニットにおいて、固定体に対する可動体の回動角度が大きくなっても、駆動機構を構成する駆動用コイルと駆動用磁石との距離を一定に保って駆動機構の駆動力の低下を抑制することが可能になるように、固定体に対する可動体の回動の軸方向において駆動用コイルと駆動用磁石とを対向配置させることを検討している。
【0006】
一方で、この光学ユニットは、たとえば、スマートフォン等の携帯機器に搭載されて使用されるため、固定体に対する可動体の回動の軸方向において駆動用コイルと駆動用磁石とが対向配置されていても、固定体に対する可動体の回動の軸方向において小型であることが好ましい。
【0007】
そこで、本発明の課題は、光学モジュールを有する可動体と、可動体を回動可能に保持する固定体と、光学モジュールの光軸に直交する方向を回動の軸方向として固定体に対して可動体を回動させる駆動機構とを備える光学ユニットにおいて、駆動機構を構成する駆動用コイルと駆動用磁石とが固定体に対する可動体の回動の軸方向で対向配置されていても、固定体に対する可動体の回動の軸方向において小型化することが可能な光学ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明の光学ユニットは、光学モジュールを有する可動体と、可動体を回動可能に保持する固定体と、光学モジュールの光軸に直交する第1方向を回動の軸方向として固定体に対して可動体を回動させる駆動機構とを備え、駆動機構は、空芯状に巻回された駆動用コイルと、第1方向で駆動用コイルに対向配置される駆動用磁石とを備え、駆動用コイルおよび駆動用磁石は、可動体の回動中心を中心とする径方向において光学モジュールの外側に配置され、第1方向における駆動用磁石の厚さは、第1方向における光学モジュールの厚さよりも薄くなっており、駆動用磁石は、第1方向において、光学モジュールの第1方向の一端と光学モジュールの第1方向の他端との間に配置されていることを特徴とする。
【0009】
本発明の光学ユニットでは、可動体の回動中心を中心とする径方向において光学モジュールの外側に配置される駆動用磁石の第1方向の厚さは、光学モジュールの第1方向の厚さよりも薄くなっており、駆動用磁石は、第1方向において、光学モジュールの第1方向の一端と光学モジュールの第1方向の他端との間に配置されている。そのため、本発明では、固定体に対する可動体の回動の軸方向である第1方向で駆動用コイルと駆動用磁石とが対向配置されていても、駆動用磁石が、光学モジュールの第1方向端から第1方向の外側に飛び出している場合と比較して、第1方向において光学ユニットを小型化することが可能になる。
【0010】
また、本発明では、第1方向において駆動用コイルと駆動用磁石とが対向配置されているため、固定体に対する可動体の回動中心を中心とする径方向において駆動用コイルと駆動用磁石とが対向配置されている場合と比較して、固定体に対する可動体の回動中心を中心とする径方向で光学ユニットを小型化することが可能になる。
【0011】
本発明において、たとえば、駆動用コイルおよび駆動用磁石は、可動体の回動中心を中心とする径方向において光学モジュールの両側に配置され、駆動用磁石は、可動体に固定され、駆動用コイルは、固定体に固定され、可動体と駆動用磁石とからなる可動側部分の中で、可動体の回動中心を中心とする径方向において最も大きくなる部分の外周面を最外周面とすると、可動体の回動中心を中心とする径方向における駆動用磁石の外側面は、第1方向から見たときの形状が可動体の回動中心を曲率中心とする円弧状となる凸曲面状に形成され、最外周面の少なくとも一部を構成している。この場合には、可動体の回動中心を中心とする径方向における駆動用磁石の外側面が最外周面の少なくとも一部を構成しており、可動体の回動中心を中心とする径方向で駆動用磁石が大きくなるため、駆動機構の駆動力を高めることが可能になる。
【0012】
本発明において、たとえば、駆動用コイルは、第1方向を巻回の軸方向として巻回され、駆動用コイルに対向する駆動用磁石の対向面は、可動体の回動中心を中心とする周方向で2極に分極している。
【0013】
本発明において、駆動用コイルは、可動体の回動中心を中心とする周方向において間隔をあけた状態で配置される一対の有効辺部と、一対の有効辺部の、可動体の回動中心を中心とする径方向における外側端部同士を繋ぐ第1接続辺部と、一対の有効辺部の、可動体の回動中心を中心とする径方向における内側端部同士を繋ぐ第2接続辺部とから構成され、一対の有効辺部は、可動体の回動中心を中心とする径方向の内側に向かうにしたがって互いに近づくように、第1接続辺部から可動体の回動中心側に向かって伸びていることが好ましい。このように構成すると、駆動用コイルに電流が供給されたときに、駆動機構の駆動力が作用する方向が可動体の回動中心を中心とする周方向に向きやすくなる。したがって、駆動機構による可動体の駆動力を高めることが可能になる。
【0014】
本発明において、たとえば、駆動用コイルは、第1方向に直交する方向を巻回の軸方向として巻回され、駆動用コイルに対向する駆動用磁石の対向面は、単極に着磁されていても良い。
【0015】
本発明において、たとえば、駆動用磁石は、第1方向における駆動用コイルの片側のみに配置されている。この場合には、光学ユニットの構成を簡素化することが可能になる。また、本発明において、たとえば、駆動用磁石は、第1方向における駆動用コイルの両側に配置されていても良い。この場合には、駆動機構の駆動力を高めることが可能になる。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、本発明では、光学モジュールを有する可動体と、可動体を回動可能に保持する固定体と、光学モジュールの光軸に直交する方向を回動の軸方向として固定体に対して可動体を回動させる駆動機構とを備える光学ユニットにおいて、駆動機構を構成する駆動用コイルと駆動用磁石とが固定体に対する可動体の回動の軸方向で対向配置されていても、固定体に対する可動体の回動の軸方向において光学ユニットを小型化することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施の形態にかかる光学ユニットの斜視図である。
【
図2】
図1に示す光学ユニットの分解斜視図である。
【
図3】(A)は、
図1に示す可動体および駆動用磁石を抜き出して示す平面図であり、(B)は、
図2に示すカメラモジュール、第1フレームおよび駆動用コイルを抜き出して示す平面図である。
【
図4】
図1に示す可動体および駆動機構を抜き出して示す背面図である。
【
図5】本発明の他の実施の形態にかかる駆動機構の構成を説明するための図であり、(A)は斜視図、(B)は背面図である。
【
図6】本発明の他の実施の形態にかかる駆動機構の構成を説明するための図であり、(A)は斜視図、(B)は背面図である。
【
図7】本発明の他の実施の形態にかかる駆動機構の構成を説明するための図であり、(A)は斜視図、(B)は背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0019】
(光学ユニットの全体構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかる光学ユニット1の斜視図である。
図2は、
図1に示す光学ユニット1の分解斜視図である。
図3(A)は、
図1に示す可動体3および駆動用磁石24を抜き出して示す平面図であり、
図3(B)は、
図2に示すカメラモジュール2、第1フレーム10および駆動用コイル23を抜き出して示す平面図である。
【0020】
以下の説明では、
図1等に示すように、互いに直交する3方向のそれぞれをX方向、Y方向およびZ方向とし、X方向を左右方向、Y方向を前後方向、Z方向を上下方向とする。また、左右方向の一方側である
図1等のX1方向側を「左」側、その反対側である
図1等のX2方向側を「右」側、前後方向の一方側である
図1等のY1方向側を「前」側、その反対側である
図1等のY2方向側を「後ろ」側、上下方向の一方側である
図1等のZ1方向側を「上」側、その反対側である
図1等のZ2方向側を「下」側とする。
【0021】
本形態の光学ユニット1は、たとえば、スマートフォン等の携帯機器に搭載される小型かつ薄型のユニットであり、撮影用のレンズおよび撮像素子を有するカメラモジュール2を備えている。光学ユニット1は、全体として厚さの薄い扁平な略直方体状に形成されている。光学ユニット1は、カメラモジュール2を有する可動体3と、可動体3を回動可能に保持する固定体4(
図1参照)と、固定体4に対して可動体3を回動させる駆動機構5と、固定体4に対する可動体3の回動の支点を構成する球状の2個のボール6、7とを備えている。本形態のカメラモジュール2は、光学モジュールである。
【0022】
カメラモジュール2の光軸L(
図3(B)等参照)は、上下方向に直交している。可動体3は、カメラモジュール2の光軸Lに直交する上下方向を回動の軸方向として固定体4に対して回動可能となっている。すなわち、可動体3は、上下方向を軸線方向とする軸線L1(
図3(B)等参照)を回動中心にして固定体4に対して回動可能となっている。駆動機構5は、上下方向を回動の軸方向として固定体4に対して可動体3を回動させる。たとえば、駆動機構5は、撮影時の光学ユニット1の振れを補正するために、固定体4に対して可動体3を回動させる。あるいは、駆動機構5は、たとえば、パノラマ撮影を行うために、固定体4に対して可動体3を回動させる。本形態の上下方向(Z方向)は、カメラモジュール2の光軸Lに直交する第1方向となっている。また、上下方向は、光学ユニット1の厚さ方向となっている。
【0023】
本形態では、駆動機構5の一部を構成する後述の駆動用コイル23が非通電状態になっていて固定体4に対して可動体3が回動しておらず、固定体4に対して可動体3が所定の原点位置(基準位置)に配置されているときには、カメラモジュール2の光軸Lの方向(光軸方向)は、前後方向と一致している。可動体3は、たとえば、原点位置を基準して、
図3の時計回りの方向(以下、この方向を「時計方向」とする。)および
図3の反時計回りの方向(以下、この方向を「反時計方向」とする。)のそれぞれに10°程度回動可能となっている。以下の説明では、固定体4に対する可動体3の回動中心を中心とする径方向を「径方向」とし、固定体4に対する可動体3の回動中心を中心とする周方向(円周方向)を「周方向」とする。
【0024】
可動体3は、全体として上下方向の厚さが薄い扁平な直方体状に形成されている。可動体3は、カメラモジュール2に加えて、カメラモジュール2が固定されるフレーム8(
図1参照)と、フレーム8に固定される磁性板9とを備えている。カメラモジュール2は、上下方向の厚さが薄い扁平な直方体状に形成されている。カメラモジュール2の上面、下面、後面および左右方向の側面は、平面となっている。カメラモジュール2の上面および下面は、上下方向に直交している。可動体3が原点位置に配置されているときに、カメラモジュール2の左右方向の側面は左右方向に直交し、カメラモジュール2の後面は前後方向に直交している。
【0025】
フレーム8は、カメラモジュール2の左右方向の側面および下面を覆う第1フレーム10と、カメラモジュール2の上面を覆う第2フレーム11とによって構成されている。第1フレーム10は、薄い金属板を所定形状に折り曲げることで形成されている。第1フレーム10は、第1フレーム10の左右方向の側面を構成する2枚の側面部10aと、第1フレーム10の底面を構成する底面部10bを備えている。側面部10aは、長方形の平板状に形成されている。側面部10aの厚さ方向は、可動体3が原点位置に配置されているときに、左右方向と一致している。
【0026】
底面部10bは、長方形の平板状に形成されている。底面部10bの厚さ方向は、上下方向と一致している。底面部10bの中心部には、上下方向で底面部10bを貫通する貫通穴10cが形成されている。貫通穴10cは、丸穴状に形成されている。底面部10bの下側には、ボール6が配置されている。貫通穴10cの内径は、ボール6の外径よりも小さくなっている。貫通穴10cの中には、ボール6の上端部が配置されている。
【0027】
第2フレーム11は、薄い金属製の平板である。また、第2フレーム11は、磁性を有する磁性材料で形成された磁性板である。第2フレーム11の厚さ方向は、上下方向と一致している。第2フレーム11は、第1フレーム10の上端に固定されている。第2フレーム11の左右方向の幅は、第2フレーム11の前後方向の幅よりも広くなっている。第2フレーム11の左右方向の端面11aは、凸曲面状に形成されている。上下方向から見たときの端面11aの形状は、可動体3の回動中心を曲率中心とする円弧状となっている。可動体3が原点位置に配置されているときに、第2フレーム11の前後方向の端面11bは、前後方向に直交している。
【0028】
第2フレーム11の中心部には、上下方向で第2フレーム11を貫通する貫通穴11cが形成されている。貫通穴11cは、丸穴状に形成されている。第2フレーム11の上側には、ボール7が配置されている。貫通穴11cの内径は、ボール7の外径よりも小さくなっている。貫通穴11cの中には、ボール7の下端部が配置されている。貫通穴11cは、水平方向において貫通穴10cと同じ位置に配置されており、上下方向から見たときに、貫通穴11cと貫通穴10cとが重なっている。すなわち、ボール6とボール7とは、水平方向において同じ位置に配置されており、上下方向から見たときに、ボール6とボール7とが重なっている。ボール6の中心およびボール7の中心は、軸線L1上に配置されている。なお、
図3(A)では、第2フレーム11の貫通穴11cの図示を省略している。
【0029】
磁性板9は、磁性を有する磁性材料によって構成されている。磁性板9は、第1フレーム10の側面部10a等よりも厚い長方形の平板状に形成されている。磁性板9は、側面部10aの左右方向の外側面に固定されている。磁性板9の厚さ方向は、可動体3が原点位置に配置されているときに、左右方向と一致している。
【0030】
上述のように、カメラモジュール2は、レンズおよび撮像素子を備えている。撮像素子は、カメラモジュール2の後端側に配置されており、カメラモジュール2の前側に配置される被写体がカメラモジュール2によって撮影される。カメラモジュール2は、撮像素子が実装される回路基板15を備えている。回路基板15は、カメラモジュール2の後面を構成している。また、本形態のカメラモジュール2は、オートフォーカス用の磁気駆動機構を備えている。
【0031】
カメラモジュール2の後面を構成する回路基板15からは、フレキシブルプリント基板(FPC)16が引き出されている。FPC16は、左右方向における回路基板15の中心部から後ろ側に向かって引き出されている。また、FPC16は、左右方向におけるカメラモジュール2の中心部から後ろ側に向かって引き出されるとともに、左右方向における可動体3の中心部から後ろ側に向かって引き出されている。回路基板15から後ろ側に向かって引き出されたFPC16は、その後、左側に向かって引き回された後、前側に向かって引き回されている。FPC16の前端部は、固定体4を構成する後述のケース体18に固定されている。FPC16は、略角溝状(略コの字状)に折り曲げられている。
【0032】
固定体4は、固定体4の左右方向の側面および下面を構成するケース体18と、固定体4の上面を構成するカバー19と、ケース体18に固定される固定板20および磁性板21とを備えている。ケース体18は、樹脂材料で形成されている。ケース体18は、ケース体18の左右方向の側面を構成する2個の側面部18aと、ケース体18の下面を構成する底面部18bとから構成されている。可動体3は、左右方向において2個の側面部18aの間に配置されている。また、可動体3は、底面部18bの上側に配置されている。
【0033】
径方向における側面部18aの内側面は、凹曲面状に形成されている。上下方向から見たときのこの内側面の形状は、可動体3の回動中心を曲率中心とする円弧状となっている。底面部18bの左右方向の両端部には、駆動機構5の一部を構成する後述の駆動用コイル23を配置するための貫通穴18cが形成されている。貫通穴18cは、上下方向で底面部18bを貫通している。左側に配置される側面部18aの前端部には、左側に向かって突出するFPC固定部18fが形成されている。FPC固定部18fには、FPC16の前端部が両面テープ等によって固定されている。
【0034】
固定板20は、薄い金属板によって形成されている。また、固定板20は、略円板状に形成されている。固定板20は、底面部18bの上面の中心部に固定されている。固定板20の中心には、ボール6の下端部が配置されるボール配置部20aが形成されている。ボール配置部20aは、下側に膨らむ略半球状に形成されており、ボール配置部20aの上面は、下側に向かって窪む半球状の凹曲面になっている。ボール6は、ボール配置部20aの上側に配置されている。
【0035】
カバー19は、薄い金属製の平板である。カバー19は、ケース体18の上端部に固定されている。可動体3は、カバー19の下側に配置されている。カバー19の中心部には、ボール7を付勢するバネ部19aが形成されている。すなわち、カバー19は、板バネである。バネ部19aは、下側に向かってわずかに切り起されている。バネ部19aの先端部には、ボール7の上端部が配置されるボール配置部19bが形成されている。ボール配置部19bは、上側に膨らむ略半球状に形成されており、ボール配置部19bの下面は、上側に向かって窪む半球状の凹曲面になっている。ボール7は、ボール配置部19bの下側に配置されている。
【0036】
バネ部19aは、ボール7を下側に向かって付勢している。ボール7は、バネ部19aの付勢力によって、ボール配置部19bの下面および第2フレーム11の貫通穴11cの上端の縁に所定の接触圧で接触している。また、上述のように、ボール6は、ボール7と水平方向において同じ位置に配置されており、バネ部19aの付勢力によって、第1フレーム10の貫通穴10cの下端の縁およびボール配置部20aの上面に所定の接触圧で接触している。上述のように、可動体3は、ボール6、7の中心を通過する軸線L1を回動中心にして固定体4に対して回動可能となっている。
【0037】
磁性板21は、薄い金属製の平板である。また、磁性板21は、磁性を有する磁性材料で形成されている。磁性板21の厚さ方向は、上下方向と一致している。磁性板21は、底面部18bの下面に固定されている。磁性板21は、第2フレーム11と同形状に形成されている。可動体3が原点位置に配置されているときには、第2フレーム11と磁性板21とは水平方向において同じ位置に配置されており、上下方向から見ると、第2フレーム11と磁性板21とが完全に重なっている。
【0038】
(駆動機構の構成)
図4は、
図1に示す可動体3および駆動機構5を抜き出して示す背面図である。
【0039】
駆動機構5は、空芯状に巻回された駆動用コイル23と、上下方向で駆動用コイル23に対向配置される駆動用磁石24とを備えている。駆動用コイル23および駆動用磁石24は、径方向においてカメラモジュール2の外側に配置されている。本形態では、駆動用コイル23および駆動用磁石24は、径方向においてカメラモジュール2の両側に配置されている。具体的には、駆動用コイル23および駆動用磁石24は、カメラモジュール2の左右方向の両側のそれぞれに配置されており、左右方向でカメラモジュール2を挟んでいる。すなわち、駆動機構5は、2個の駆動用コイル23と2個の駆動用磁石24とを備えている。駆動用コイル23および駆動用磁石24は、固定体4に対する可動体3の回動中心に対して180°ピッチで配置されている。
【0040】
駆動用磁石24は、ブロック状に形成されている。駆動用磁石24の上面および下面は、上下方向に直交する平面となっている。駆動用磁石24の左右方向の内側面は、平面となっている。可動体3が原点位置に配置されているときに、駆動用磁石24の左右方向の内側面は、左右方向に直交している。駆動用磁石24の前後方向の端面24bは、平面となっている。可動体3が原点位置に配置されているときに、駆動用磁石24の端面24bは、前後方向に直交している。
【0041】
駆動用磁石24の左右方向の外側面(すなわち、径方向における駆動用磁石24の外側面)24aは、凸曲面状に形成されている。すなわち、駆動用磁石24の外側面24aは、左右方向の外側に向かって膨らむ凸曲面となっている。上下方向から見たときの外側面24aの形状は、可動体3の回動中心を曲率中心とする円弧状となっている。上下方向から見たときの外側面24aの中心角は、たとえば、90°程度となっている。可動体3が原点位置に配置されているときには、2個の駆動用磁石24は左右対称に配置されている。
【0042】
駆動用磁石24は、第2フレーム11の下面に固定されている。すなわち、駆動用磁石24は、可動体3に固定されている。駆動用磁石24の前後方向の幅は、第2フレーム11の前後方向の幅と等しくなっている。円弧状の凸曲面である駆動用磁石24の外側面24aの曲率半径は、円弧状の凸曲面である第2フレーム11の端面11aの曲率半径と等しくなっている。駆動用磁石24は、駆動用磁石24の前後方向の端面24bと第2フレーム11の前後方向の端面11bとが前後方向で一致し、かつ、駆動用磁石24の外側面24aと第2フレーム11の端面11aとが径方向で一致するように第2フレーム11の下面に固定されている(
図3(A)参照)。
【0043】
可動体3と可動体3に固定される駆動用磁石24とからなる可動側部分25の中で、径方向において最も大きくなる部分の外周面を最外周面25aとすると、本形態では、駆動用磁石24の外側面24aと第2フレーム11の端面11aとが最外周面25aとなっている。すなわち、駆動用磁石24の外側面24aは、最外周面25aの一部を構成している。カメラモジュール2の左右方向の側面と駆動用磁石24との間には、磁性板9が配置されている。磁性板9は、カメラモジュール2が有するオートフォーカス用の磁気駆動機構と、駆動機構5との磁気干渉を防止する磁気シールドとしての機能を果たしている。
【0044】
駆動用磁石24の厚さ(上下方向の厚さ)は、カメラモジュール2の厚さ(上下方向の厚さ)よりも薄くなっている。
図4に示すように、駆動用磁石24の上面は、カメラモジュール2の上面よりも下側に配置され、駆動用磁石24の下面は、カメラモジュール2の下面よりも上側に配置されている。すなわち、駆動用磁石24は、上下方向において、カメラモジュール2の上面とカメラモジュール2の下面との間に配置されている。すなわち、駆動用磁石24は、上下方向において、カメラモジュール2の上下方向の一端であるカメラモジュール2の上端と、カメラモジュール2の上下方向の他端であるカメラモジュール2の下端との間に配置されており、カメラモジュール2の高さの中に収まっている。
【0045】
駆動用磁石24の下面は、駆動用コイル23に対向する対向面24cとなっている。すなわち、本形態では、駆動用磁石24が駆動用コイル23の上側に配置されており、駆動用磁石24は、上下方向における駆動用コイル23の片側のみに配置されている。対向面24cは、周方向において2極に着磁されている。すなわち、対向面24cは、周方向における対向面24cの一方側部分の磁極と周方向における対向面24cの他方側部分の磁極とが異なる磁極となるように着磁されており、周方向で2極に分極している。具体的には、可動体3が原点位置に配置されているときの、駆動用磁石24の前後方向の中心が分極位置(着磁分極線)24eとなっており、対向面24cは、分極位置24eを境にして2極に分極している。
【0046】
駆動用コイル23は、導線が空芯状に巻回されることで形成された空芯コイルである。駆動用コイル23は、上下方向を巻回の軸方向として巻回されている。
図3(B)に示すように、駆動用コイル23は、周方向において間隔をあけた状態で配置される一対(2個)の有効辺部23aと、一対の有効辺部23aの径方向における外側端部同士を繋ぐ第1接続辺部23bと、一対の有効辺部23aの、径方向における内側端部同士を繋ぐ第2接続辺部23cとから構成されている。有効辺部23aは、駆動機構5の駆動力に寄与する部分である。
【0047】
第1接続辺部23bは、一対の有効辺部23aの左右方向の外側端部同士を繋いでいる。第2接続辺部23cは、一対の有効辺部23aの左右方向の内側端部同士を繋いでいる。第1接続辺部23bおよび第2接続辺部23cは、前後方向と平行に配置されている。
図3(B)に示すように、一対の有効辺部23aは、径方向の内側に向かうにしたがって互いに近づくように、第1接続辺部23bから可動体3の回動中心側に向かって伸びている。第2接続辺部23cの長さ(前後方向の長さ)は、第1接続辺部23bの長さ(前後方向の長さ)よりも短くなっている。
【0048】
駆動用コイル23は、フレキシブルプリント基板(FPC)26に取り付けられている。具体的には、駆動用コイル23の下端面がFPC26の上面に取り付けられている。また、2個の駆動用コイル23が共通のFPC26に取り付けられている。FPC26は、ケース体18の下面に固定されている。すなわち、駆動用コイル23は、FPC26を介して固定体4に固定されている。駆動用コイル23の下端部は、貫通穴18cの中に配置されている。駆動用コイル23およびFPC26は、磁性板21の上側に配置されている。駆動用コイル23に電流が供給されると、軸線L1を回動中心にして固定体4に対して可動体3が回動する。
【0049】
本形態では、可動体3が時計方向における回動端まで固定体4に対して回動しても、駆動用磁石24の分極位置24eは、周方向において、時計方向側に配置される有効辺部23aに到達しない。また、可動体3が反時計方向における回動端まで固定体4に対して回動しても、分極位置24eは、周方向において、反時計方向側に配置される有効辺部23aに到達しない。すなわち、周方向における一対の有効辺部23aの間隔は、可動体3の回動範囲の全域で、分極位置24eが有効辺部23aに到達しないように設定されている。
【0050】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、駆動用磁石24の上下方向の厚さは、カメラモジュール2の上下方向の厚さよりも薄くなっており、駆動用磁石24は、上下方向において、カメラモジュール2の上面とカメラモジュール2の下面との間に配置されている。そのため、本形態では、駆動用コイル23と駆動用磁石24とが上下方向で対向配置されていても、駆動用磁石24がカメラモジュール2の上端または下端から上下方向の外側に飛び出している場合と比較して、上下方向において光学ユニット1を小型化することが可能になる。また、本形態では、上下方向において駆動用コイル23と駆動用磁石24とが対向配置されているため、径方向において駆動用コイル23と駆動用磁石24とが対向配置されている場合と比較して、径方向で光学ユニット1を小型化することが可能になる。
【0051】
本形態では、径方向における駆動用磁石24の外側面24aが可動体3の最外周面25aの一部を構成しており、径方向で駆動用磁石24が大きくなっている。そのため、本形態では、駆動機構5の駆動力を高めることが可能になる。また、本形態では、駆動用コイル23の一対の有効辺部23aが、径方向の内側に向かうにしたがって互いに近づくように、第1接続辺部23bから可動体3の回動中心側に向かって伸びているため、駆動用コイル23に電流が供給されたときに、駆動機構5の駆動力が作用する方向が周方向に向きやすくなる。したがって、本形態では、駆動機構5による可動体3の駆動力を高めることが可能になる。
【0052】
(駆動機構の変更例1)
図5は、本発明の他の実施の形態にかかる駆動機構5の構成を説明するための図であり、(A)は斜視図、(B)は背面図である。なお、
図5では、上述した形態と同様の構成には同一の符号を付している。
【0053】
上述した形態において、
図5に示すように、駆動用コイル23の上下方向の両側に駆動用磁石24が配置されていても良い。この場合には、第1フレーム10の底面部10bの下面に磁性板21が固定されており、磁性板21は、固定体4の一部ではなく、可動体3の一部を構成している。駆動用コイル23の下側に配置される駆動用磁石24は、磁性板21の上面に固定されている。駆動用コイル23の上側に配置される駆動用磁石24と駆動用コイル23の下側に配置される駆動用磁石24とは水平方向において同じ位置に配置されている。この変更例では、駆動用コイル23の上側に配置される駆動用磁石24の下面と、駆動用コイル23の下側に配置される駆動用磁石24の上面とが駆動用コイル23に対向する対向面24cとなっている。
【0054】
対向面24cは、周方向において2極に着磁されている。駆動用コイル23の上側に配置される駆動用磁石24の対向面24cの前側部分の磁極(周方向における対向面24cの一方側部分の磁極)と、駆動用コイル23の下側に配置される駆動用磁石24の対向面24cの前側部分の磁極(周方向における対向面24cの一方側部分の磁極)とは異なる磁極となっており、駆動用コイル23の上側に配置される駆動用磁石24の対向面24cの後ろ側部分の磁極(周方向における対向面24cの他方側部分の磁極)と、駆動用コイル23の下側に配置される駆動用磁石24の対向面24cの後ろ側部分の磁極(周方向における対向面24cの他方側部分の磁極)とは異なる磁極となっている。
【0055】
駆動用コイル23の上側に配置される駆動用磁石24の上面は、カメラモジュール2の上面よりも下側に配置されている。駆動用コイル23の下側に配置される駆動用磁石24の下面は、カメラモジュール2の下面と上下方向において同じ位置に配置されている。すなわち、2個の駆動用磁石24は、上下方向において、カメラモジュール2の上面とカメラモジュール2の下面との間に配置されている。
【0056】
また、この変更例では、FPC26の、駆動用コイル23が取り付けられた部分の下側に、平板状の保護板28が固定されている。保護板28は、非磁性材料で形成されている。保護板28は、駆動用コイル23の下側に配置される駆動用磁石24とFPC26との接触に起因するFPC26の損傷を防止する機能を果たしている。ケース体18の底面部18bには貫通穴18cは形成されておらず、側面部18aに、駆動用コイル23を配置するための貫通穴が形成されている。
【0057】
この変更例では、駆動用コイル23の上下方向の両側に駆動用磁石24が配置されているため、駆動機構5の駆動力を高めることが可能になる。なお、上述した形態のように、駆動用磁石24が、上下方向における駆動用コイル23の片側のみに配置されている場合には、光学ユニット1の構成を簡素化することが可能になる。
【0058】
(駆動機構の変更例2)
図6は、本発明の他の実施の形態にかかる駆動機構5の構成を説明するための図であり、(A)は斜視図、(B)は背面図である。なお、
図6では、上述した形態と同様の構成には同一の符号を付している。
【0059】
上述した形態では、駆動用コイル23は、上下方向を巻回の軸方向として巻回されているが、駆動用コイル23は、上下方向に直交する方向(すなわち、水平方向)を巻回の軸方向として巻回されていても良い。たとえば、
図6に示すように、駆動用コイル23は、前後方向を巻回の軸方向として巻回されていても良い。
図6に示す変更例では、駆動用磁石24は、駆動用コイル23の上側のみに配置されている。
【0060】
この変更例では、駆動用コイル23に対向する駆動用磁石24の対向面24cは、単極に着磁されている。また、この変更例では、駆動用コイル23の内周側に、磁性材料で形成される磁性部材30が配置されており、固定体4は、磁性板21を備えていない。また、この変更例では、ケース体18の側面部18aおよび底面部18bに駆動用コイル23を配置するための貫通穴が形成されている。
【0061】
(駆動機構の変更例3)
図7は、本発明の他の実施の形態にかかる駆動機構5の構成を説明するための図であり、(A)は斜視図、(B)は背面図である。なお、
図7では、上述した形態と同様の構成には同一の符号を付している。
【0062】
図6に示す変更例において、
図7に示すように、駆動用コイル23の上下方向の両側に駆動用磁石24が配置されていても良い。この場合には、
図5に示す変更例と同様に、第1フレーム10の底面部10bの下面に磁性板21が固定されており、磁性板21は、可動体3の一部を構成している。駆動用コイル23の下側に配置される駆動用磁石24は、磁性板21の上面に固定されている。駆動用コイル23の上側に配置される駆動用磁石24と駆動用コイル23の下側に配置される駆動用磁石24とは水平方向において同じ位置に配置されている。
【0063】
この変更例では、駆動用コイル23の上側に配置される駆動用磁石24の下面と、駆動用コイル23の下側に配置される駆動用磁石24の上面とが駆動用コイル23に対向する対向面24cとなっている。対向面24cは、単極に着磁されている。駆動用コイル23の上側に配置される駆動用磁石24の対向面24cの磁極と、駆動用コイル23の下側に配置される駆動用磁石24の対向面24cの磁極とは異なる磁極となっている。また、この変更例では、
図5に示す変更例と同様に、FPC26の、駆動用コイル23が取り付けられた部分の下側に、保護板28が固定されている。ケース体18の側面部18aには、駆動用コイル23を配置するための貫通穴が形成されている。
【0064】
(他の実施の形態)
上述した形態および変更例は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
【0065】
上述した形態において、駆動用磁石24の対向面24cおよび駆動用コイル23の上面の少なくともいずれか一方に、駆動用コイル23と駆動用磁石24との接触に起因する駆動用コイル23や駆動用磁石24の損傷を防止するための保護板や保護テープが取り付けられていても良い。この場合、保護板や保護テープは、非磁性材料で形成されている。同様に、
図6に示す変更例において、駆動用磁石24の対向面24cおよび駆動用コイル23の上面の少なくともいずれか一方に、保護板や保護テープが取り付けられていても良い。また、
図5に示す変更例や
図7に示す変更例において、駆動用コイル23の上側に配置される駆動用磁石24の対向面24cおよび駆動用コイル23の上面の少なくともいずれか一方に保護板や保護テープが取り付けられていても良い。
【0066】
上述した形態において、円弧状の凸曲面である駆動用磁石24の外側面24aの曲率半径が円弧状の凸曲面である第2フレーム11の端面11aの曲率半径よりも大きくなっていて、駆動用磁石24の外側面24aのみによって最外周面25aが構成されていても良い。また、上述した形態において、駆動用磁石24の外側面24aの曲率半径が第2フレーム11の端面11aの曲率半径より小さくなっていても良い。
【0067】
上述した形態において、駆動用コイル23が長円形状に巻回されていて、第1接続辺部23bの長さと第2接続辺部23cの長さとが等しくなっていても良い。また、上述した形態において、駆動機構5は、1個のみの駆動用コイル23および駆動用磁石24を備えていても良いし、3個以上の駆動用コイル23および駆動用磁石24を備えていても良い。さらに、上述した形態において、駆動用コイル23が可動体3に固定され、駆動用磁石24が固定体4に固定されていても良い。また、上述した形態において、光学ユニット1は、カメラモジュール2以外の光学モジュールを備えていても良い。たとえば、光学ユニット1は、光学モジュールとして、レーザ光を射出するレーザモジュールを備えていても良い。また、光学ユニット1は、レンズやプリズム等の光学部品を有する光学モジュールを備えていても良い。
【符号の説明】
【0068】
1 光学ユニット
2 カメラモジュール(光学モジュール)
3 可動体
4 固定体
5 駆動機構
23 駆動用コイル
23a 有効辺部
23b 第1接続辺部
23c 第2接続辺部
24 駆動用磁石
24a 駆動用磁石の外側面
24c 対向面
25 可動側部分
25a 最外周面
L カメラモジュールの光軸(光学モジュールの光軸)
Z 第1方向