(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023021807
(43)【公開日】2023-02-14
(54)【発明の名称】実装基板および実装基板の製造方法
(51)【国際特許分類】
H05K 3/34 20060101AFI20230207BHJP
【FI】
H05K3/34 502D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021126901
(22)【出願日】2021-08-02
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002745
【氏名又は名称】弁理士法人河崎特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】前田 憲
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 祐樹
(72)【発明者】
【氏名】岡村 進吾
(72)【発明者】
【氏名】境 忠彦
【テーマコード(参考)】
5E319
【Fターム(参考)】
5E319AA03
5E319AB05
5E319AC01
5E319AC13
5E319BB05
5E319CC33
5E319CD29
5E319GG01
5E319GG03
(57)【要約】
【課題】電子部品の小型化に見合った高密度実装を実現する。
【解決手段】実装基板10は、100μm以下の隣接距離L1で隣接するチップ型の第1および第2電子部品11,12と、両者が表面実装される基板13と、両者を基板13に半田付けする第1および第2半田部21,22と、両者を基板13に接着する樹脂部23と、を備える。第1および第2電子部品11,12は、1005以下で両端に端子11a,12aを有する。基板13の表面は、ソルダーレジスト15で覆われていない第2領域16を有する。第2領域16は、第1および第2電子部品11,12の端子11a,12aと接続する第1および第2ランド17,18を有する。樹脂部23は、第1および第2電子部品11,12の周囲を第2領域16に接着すると共に、第2領域16の第1ランド17と第2ランド18とで挟まれた領域に連続的に接着している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電子部品と、
前記第1電子部品と100μm以下の隣接距離で隣接する第2電子部品と、
前記第1電子部品および前記第2電子部品が表面実装される基板と、
前記第1電子部品を前記基板に半田付けする第1半田部と、
前記第2電子部品を前記基板に半田付けする第2半田部と、
前記第1電子部品および前記第2電子部品を前記基板に接着する樹脂部と、
を備え、
前記第1電子部品および前記第2電子部品は、それぞれ長辺が1.0mm以下かつ短辺が0.5mm以下で両端に端子を有するチップ型電子部品であり、
前記基板の表面は、ソルダーレジストで覆われた第1領域および前記ソルダーレジストで覆われていない第2領域を有し、
前記第2領域は、前記第1半田部を介して前記第1電子部品の端子と接続する第1ランドと、前記第2半田部を介して前記第2電子部品の端子と接続する第2ランドとを有し、
前記樹脂部は、前記第1電子部品および前記第2電子部品の周囲を前記第2領域に接着すると共に、前記第2領域の前記第1ランドと前記第2ランドとで挟まれた領域に連続的に接着している、実装基板。
【請求項2】
前記第1ランドおよび前記第2ランドは、前記第1領域または前記ソルダーレジストと重なっていない、請求項1に記載の実装基板。
【請求項3】
前記樹脂部は、前記第1ランドおよび前記第2ランドに接着している、請求項1または2に記載の実装基板。
【請求項4】
前記樹脂部は、前記第1電子部品の底面および側面と、前記第2電子部品の底面および側面とに接着している、請求項1~3のいずれか1項に記載の実装基板。
【請求項5】
前記第1電子部品の頂面側から見て、前記第1ランドの面積は、前記第1電子部品の端子の面積以下であり、
前記第2電子部品の頂面側から見て、前記第2ランドの面積は、前記第2電子部品の端子の面積以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載の実装基板。
【請求項6】
互いに100μm以下の隣接距離で隣接する第1電子部品および第2電子部品が表面実装され、前記第1電子部品および前記第2電子部品は、それぞれ長辺が1.0mm以下かつ短辺が0.5mm以下で両端に端子を有するチップ型電子部品である、実装基板の製造方法であって、
ソルダーレジストで覆われた第1領域および前記ソルダーレジストで覆われていない第2領域を表面に有し、前記第2領域に、互いに100μm以下の隣接距離で隣接する第1ランドおよび第2ランドを有する基板を準備する基板準備工程と、
前記第1ランド上および前記第2ランド上に半田プリコートを形成する半田プリコート形成工程と、
前記半田プリコートに熱硬化型のフラックスを塗布するフラックス塗布工程と、
前記半田プリコートに前記フラックスを介して前記第1電子部品および前記第2電子部品を搭載する部品搭載工程と、
前記第1電子部品および前記第2電子部品が搭載された前記基板を加熱するリフロー工程と、
を備え、
前記リフロー工程において、前記半田プリコートを溶融後固化させて、前記第1電子部品の端子と前記第1ランドとを接続する第1半田部および前記第2電子部品の端子と前記第2ランドとを接続する第2半田部を形成すると共に、前記フラックスを軟化後硬化させて、前記第1電子部品および前記第2電子部品の周囲を前記第2領域に接着しかつ前記第2領域の前記第1ランドと前記第2ランドとで挟まれた領域に連続的に接着する樹脂部を形成する、実装基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、実装基板および実装基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、チップ型電子部品が表面実装された基板である実装基板が知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1の実装基板は、チップ型電子部品の端子が接続されるランドを含む配線層と、配線層を選択的に覆うソルダーレジスト層とを備え、当該ソルダーレジスト層は、ランドを部分的に覆うレジストパターンを含む。このように、ソルダーレジスト層でランドが部分的に覆われる構造は、オーバーレジスト構造として広く知られている。一方、ソルダーレジスト層でランドが覆われない構造は、ノーマルレジスト構造と呼ばれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
チップ型電子部品を実装する基板にはオーバーレジスト構造とノーマルレジスト構造があるが、基板における部品の実装密度を高めるにはノーマルレジスト構造の方が適している。しかし、近年、チップ型電子部品の小型化の進展に伴って、チップ型電子部品の端子と半田部を介して接続されるランドの寸法も小型化している。ランドの面積が小さくなることで、基板とランドとの間の接着力が不足し、半田付け後の検査で強度不足と判定されてしまう問題がある。
【0005】
この問題を解決するために、オーバーレジスト構造を採用することができる。すなわち、ランドの面積を広げることによる接着強度の向上と、ランドの周囲をソルダーレジスト層で覆うことによる補強効果とによって強度不足の問題を解決できる。
【0006】
しかし、オーバーレジスト構造には、ノーマルレジスト構造に比べて、隣接するチップ型電子部品の間の隣接距離を短くしにくいという短所がある。これは、ランドの寸法を、ソルダーレジスト層で覆われる領域の分だけ、ノーマルレジスト構造のランドの寸法よりも大きくする必要があることによる。このため、せっかく小型化された電子部品を採用しても、オーバーレジスト苦尾添を採用せざるを得ない事情により、電子部品の小型化に見合った実装密度を実現できないという問題がある。この問題は、特に、長辺が1.0mm以下かつ短辺が0.5mm以下の電子部品を使用する場合に顕在化する。このような状況において、本開示は、電子部品の小型化に見合った高密度実装を実現することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る一局面は、実装基板に関する。当該実装基板は、第1電子部品と、前記第1電子部品と100μm以下の隣接距離で隣接する第2電子部品と、前記第1電子部品および前記第2電子部品が表面実装される基板と、前記第1電子部品を前記基板に半田付けする第1半田部と、前記第2電子部品を前記基板に半田付けする第2半田部と、前記第1電子部品および前記第2電子部品を前記基板に接着する樹脂部と、を備え、前記第1電子部品および前記第2電子部品は、それぞれ長辺が1.0mm以下かつ短辺が0.5mm以下で両端に端子を有するチップ型電子部品であり、前記基板の表面は、ソルダーレジストで覆われた第1領域および前記ソルダーレジストで覆われていない第2領域を有し、前記第2領域は、前記第1半田部を介して前記第1電子部品の端子と接続する第1ランドと、前記第2半田部を介して前記第2電子部品の端子と接続する第2ランドとを有し、前記樹脂部は、前記第1電子部品および前記第2電子部品の周囲を前記第2領域に接着すると共に、前記第2領域の前記第1ランドと前記第2ランドとで挟まれた領域に連続的に接着している。
【0008】
本開示に係る別の一局面は、実装基板の製造方法に関する。当該製造方法は、互いに100μm以下の隣接距離で隣接する第1電子部品および第2電子部品が表面実装され、前記第1電子部品および前記第2電子部品は、それぞれ長辺が1.0mm以下かつ短辺が0.5mm以下で両端に端子を有するチップ型電子部品である、実装基板の製造方法であって、ソルダーレジストで覆われた第1領域および前記ソルダーレジストで覆われていない第2領域を表面に有し、前記第2領域に、互いに100μm以下の隣接距離で隣接する第1ランドおよび第2ランドを有する基板を準備する基板準備工程と、前記第1ランド上および前記第2ランド上に半田プリコートを形成する半田プリコート形成工程と、前記半田プリコートに熱硬化型のフラックスを塗布するフラックス塗布工程と、前記半田プリコートに前記フラックスを介して前記第1電子部品および前記第2電子部品を搭載する部品搭載工程と、前記第1電子部品および前記第2電子部品が搭載された前記基板を加熱するリフロー工程と、を備え、前記リフロー工程において、前記半田プリコートを溶融後固化させて、前記第1電子部品の端子と前記第1ランドとを接続する第1半田部および前記第2電子部品の端子と前記第2ランドとを接続する第2半田部を形成すると共に、前記フラックスを軟化後硬化させて、前記第1電子部品および前記第2電子部品の周囲を前記第2領域に接着しかつ前記第2領域の前記第1ランドと前記第2ランドとで挟まれた領域に連続的に接着する樹脂部を形成する。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、電子部品の小型化に見合った高密度実装を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示に係る実装基板の一例を模式的に示す正面図である。
【
図2】本開示に係る実装基板の製造方法の一例について説明するための図であり、(a)が基板準備工程を、(b)が半田プリコート形成工程を、(c)がフラックス塗布工程を、(d)が部品搭載工程を、(e)がリフロー工程を、それぞれ示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示に係る実装基板および実装基板の製造方法の実施形態について例を挙げて以下に説明する。しかしながら、本開示は以下に説明する例に限定されない。以下の説明では、具体的な数値や材料を例示する場合があるが、本開示の効果が得られる限り、他の数値や材料を適用してもよい。
【0012】
(実装基板)
本開示に係る実装基板は、第1電子部品と、第2電子部品と、基板と、第1半田部と、第2半田部と、樹脂部とを備える。
【0013】
第1電子部品は、長辺が1.0mm以下かつ短辺が0.5mm以下で両端に端子を有するチップ型電子部品である。第1電子部品の外形サイズは、例えば、1005(1.0mm×0.5mm)、0603(0.6mm×0.3mm)、または0402(0.4mm×0.2mm)であってもよい。第1電子部品は、例えば、チップ型コンデンサやチップ型抵抗器であってもよいが、これらに限られるものではない。
【0014】
第2電子部品は、第1電子部品と100μm以下の隣接距離で隣接する。第2電子部品は、長辺が1.0mm以下かつ短辺が0.5mm以下で両端に端子を有するチップ型電子部品である。第2電子部品の外形サイズは、例えば、1005(1.0mm×0.5mm)、0603(0.6mm×0.3mm)、または0402(0.4mm×0.2mm)であってもよい。第2電子部品は、例えば、チップ型コンデンサやチップ型抵抗器であってもよいが、これらに限られるものではない。
【0015】
基板は、第1電子部品および第2電子部品が表面実装される。基板は、基材と配線層とを含んでよく、配線層は、通常、ランドやパッドなどの複数の電極を具備する。基材は、例えば、半導体、ガラス、樹脂などで構成される。基板は、例えば、配線層を有するガラスエポキシ樹脂基板、ビスマレイミドトリアジン基板、ポリイミド基板、フッ素樹脂基板、ガラス基板、半導体ウェハなどでもよい。
【0016】
本実施形態では、基板の表面は、ソルダーレジストで覆われた第1領域と、ソルダーレジストで覆われていない第2領域とを有する。第2領域は、第1半田部を介して第1電子部品の端子と接続する第1ランドと、第2半田部を介して第2電子部品の端子と接続する第2ランドとを有する。このように、本実施形態の基板は、ノーマルレジスト構造を有し、チップ型電子部品の狭隣接実装に適している。第1ランドおよび第2ランドの各々は、例えば、銅または銅合金で構成されてもよい。
【0017】
第1半田部は、第1電子部品を基板に半田付けする。第1半田部は、例えば、クリーム半田を溶融後固化させることで形成されてもよいし、半田プリコートを溶融後固化させることで形成されてもよい。
【0018】
第2半田部は、第2電子部品を基板に半田付けする。第2半田部は、例えば、クリーム半田を溶融後固化させることで形成されてもよいし、半田プリコートを溶融後固化させることで形成されてもよい。
【0019】
樹脂部は、第1電子部品および第2電子部品を基板に接着する。樹脂部は、熱硬化性樹脂(例えば、エポキシ樹脂)を含んでもよい。樹脂部は、第1および第2電子部品の周囲を第2領域に接着すると共に、第2領域の第1ランドと第2ランドとで挟まれた領域に連続的に接着している。このような樹脂部により、ノーマルレジスト構造を有する基板に対して、第1電子部品および第2電子部品が強固に固定される。そのため、各電子部品の端子と基板表面との間に位置する各ランドが基板から剥離することが抑止される。なお、本明細書において、樹脂部が所定領域に連続的に接着しているとは、所定領域の面積の95%以上において樹脂部と所定領域とが互いに密着していることを意味する。
【0020】
第1ランドおよび第2ランドは、第1領域またはソルダーレジストと重なっていなくてもよい。
【0021】
樹脂部は、第1ランドおよび第2ランドに接着していてもよい。この構成によると、第1および第2ランドが樹脂部を介して基板により一層強固に固定される。よって、第1および第2ランドが基板から剥離することがより一層抑止され得る。
【0022】
樹脂部は、第1電子部品の底面および側面と、第2電子部品の底面および側面とに接着していてもよい。この構成によると、樹脂部が各電子部品の底面および側面の一方のみに接着している場合に比べて、樹脂部と各電子部品との間の接着強度を向上させることができる。よって、基板に対して、各電子部品をより一層強固に固定することができる。
【0023】
第1電子部品の頂面側から見て、第1ランドの面積は、第1電子部品の端子の面積以下であってもよい。具体的に、第1ランドの面積は、第1電子部品の端子の面積と等しくても好いし、当該端子の面積よりも小さくてもよい。この構成によると、第1ランドを第2ランドに対してより近く配置することができる。つまり、第1電子部品を第2電子部品に対してより近く配置することができ、両者間の隣接距離を短くすることができる。
【0024】
第2電子部品の頂面側から見て、第2ランドの面積は、第2電子部品の端子の面積以下であってもよい。具体的に、第2ランドの面積は、第2電子部品の端子の面積と等しくてもよいし、当該端子の面積よりも小さくてもよい。この構成によると、第2ランドを第1ランドに対してより近く配置することができる。つまり、第2電子部品を第1電子部品に対してより近く配置することができ、両者間の隣接距離を短くすることができる。
【0025】
(実装基板の製造方法)
本開示に係る実装基板の製造方法は、互いに100μm以下の隣接距離で隣接する第1電子部品および第2電子部品が表面実装され、第1電子部品および第2電子部品は、それぞれ長辺が1.0mm以下かつ短辺が0.5mm以下で両端に端子を有するチップ型電子部品である、実装基板の製造方法であって、基板準備工程と、半田プリコート形成工程と、フラックス塗布工程と、部品搭載工程と、リフロー工程とを備える。
【0026】
基板準備工程では、ソルダーレジストで覆われた第1領域およびソルダーレジストで覆われていない第2領域を表面に有し、第2領域に、互いに100μm以下の隣接距離で隣接する第1ランドおよび第2ランドを有する基板を準備する。
【0027】
半田プリコート形成工程では、第1ランド上および第2ランド上に半田プリコートを形成する。半田プリコートは、各ランド上に塗布したクリーム半田を溶融後固化させることで形成してもよい。
【0028】
フラックス塗布工程では、半田プリコートに熱硬化型のフラックスを塗布する。熱硬化型のフラックスは、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂と、ロジンなどのフラックス成分と、活性剤とを含んでもよい。熱硬化型のフラックスは、例えば、スクリーン印刷法によって、またはディスペンサを用いて、半田プリコートに塗布されてもよい。
【0029】
部品搭載工程では、半田プリコートにフラックスを介して第1電子部品および第2電子部品を搭載する。各電子部品の搭載には、公知の部品搭載装置(例えば、電子部品を吸着保持するノズルを備えた装置)を用いることができる。
【0030】
リフロー工程では、第1電子部品および第2電子部品が搭載された基板を加熱する。このリフロー工程では、半田プリコートを溶融後固化させて、第1電子部品の端子と第1ランドとを接続する第1半田部および第2電子部品の端子と第2ランドとを接続する第2半田部を形成する。このような第1および第2半田部の形成により、第1および第2電子部品が基板に表面実装される。これに加えて、リフロー工程では、フラックスを軟化後硬化させて、第1電子部品および第2電子部品の周囲を第2領域に接着しかつ第2領域の第1ランドと第2ランドとで挟まれた領域に連続的に接着する樹脂部を形成する。このような樹脂部の形成により、ノーマルレジスト構造を有する基板に対して、第1電子部品および第2電子部品が強固に固定される。そのため、各電子部品の端子と基板表面との間に位置する各ランドが基板から剥離することが抑止される。
【0031】
以上のように、本開示によれば、ノーマルレジスト構造において電子部品の固定強度を向上させることにより、電子部品の小型化に見合った高密度実装を実現することができる。
【0032】
以下では、本開示に係る実装基板および実装基板の製造方法の一例について、図面を参照して具体的に説明する。以下で説明する一例の実装基板および実装基板の製造方法の構成要素および工程には、上述した構成要素および工程を適用できる。以下で説明する一例の実装基板および実装基板の製造方法の構成要素および工程は、上述した記載に基づいて変更できる。また、以下で説明する事項を、上記の実施形態に適用してもよい。以下で説明する一例の実装基板および実装基板の製造方法の構成要素および工程のうち、本開示に係る実装基板および実装基板の製造方法に必須ではない構成要素および工程は省略してもよい。なお、以下で示す図は模式的なものであり、実際の部材の形状や数を正確に反映するものではない。
【0033】
図1に示すように、本実施形態の実装基板10は、第1電子部品11と、第2電子部品12と、基板13と、第1半田部21と、第2半田部22と、樹脂部23とを備える。
【0034】
第1電子部品11は、長辺が1.0mm以下かつ短辺が0.5mm以下で両端に端子11aを有するチップ型電子部品である。長辺および短辺とは、直方体状の第1電子部品11を頂面側(
図1における上側)から見たときの長方形の長辺および短辺をいう。本実施形態の第1電子部品11は、0402サイズのチップ型コンデンサであるが、これに限られるものではない。
【0035】
第2電子部品12は、長辺が1.0mm以下かつ短辺が0.5mm以下で両端に端子12aを有するチップ型電子部品である。長辺および短辺とは、直方体状の第2電子部品12を頂面側(
図1における上側)から見たときの長方形の長辺および短辺をいう。本実施形態の第2電子部品12は、0402サイズのチップ型コンデンサであるが、これに限られるものではない。
【0036】
第1電子部品11と第2電子部品12との間の隣接距離L1は、100μm以下である。当該隣接距離L1は、例えば、90μm以下、80μm以下、70μm以下、もしくは50μm以下であってもよいし、例えば、10μm以上、20μm以上、30μm以上、もしくは40μm以上であってもよい。
【0037】
基板13は、第1電子部品11および第2電子部品12が表面実装される。基板13は、ガラスエポキシ樹脂で構成された基材を有する。基板13の表面は、ソルダーレジスト15で覆われた第1領域14と、ソルダーレジスト15で覆われていない第2領域16とを有する。第2領域16は、第1半田部21を介して第1電子部品11の端子11aと接続する第1ランド17と、第2半田部22を介して第2電子部品12の端子12aと接続する第2ランド18とを有する。第1ランド17および第2ランド18の各々は、銅または銅合金で構成され、上面視で矩形状になっている。第1ランド17および第2ランド18は、上面視で、第1領域14またはソルダーレジスト15と重なっていない。
【0038】
第1ランド17と第2ランド18との間の隣接距離L2は、第1電子部品11と第2電子部品12との間の隣接距離L1以下であってもよいし、第1電子部品11と第2電子部品12との間の隣接距離L1よりも大きくてもよい。第1および第2電子部品11,12の頂面側から未定、第1および第2ランド17,18の面積が、第1および第2電子部品11,12の端子11a,12aの面積よりも小さい場合、第1電子部品11と第2電子部品12との間の隣接距離L1を、第1ランド17と第2ランド18との間の隣接距離L2よりも小さくすることができる。なお、本実施形態では、第1および第2ランド17,18の面積は、第1および第2電子部品11,12の端子の面積と実質的に等しい。実質的に等しいとは、第1および第2ランド17,18の面積に対する両者の差の比率が5%以下であることをいう。
【0039】
第1半田部21は、第1電子部品11を基板13に半田付けする。本実施形態の第1半田部21は、半田プリコート24(
図2(b)を参照)を溶融後固化させることで形成される。
【0040】
第2半田部22は、第2電子部品12を基板13に半田付けする。本実施形態の第2半田部22は、半田プリコート24(
図2(b)を参照)を溶融後固化させることで形成される。
【0041】
樹脂部23は、第1電子部品11および第2電子部品12を基板13に接着する。樹脂部23は、熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂を含む。樹脂部23は、第1および第2電子部品11,12の周囲を第2領域16に接着すると共に、第2領域16の第1ランド17と第2ランド18とで挟まれた領域(互いに近接する側の第1ランド17と第2ランド18とで挟まれた領域)に連続的に接着している。
【0042】
樹脂部23は、第2領域16において、2つの第1ランド17で挟まれた領域、および2つの第2ランド18で挟まれた領域に連続的に接着している。樹脂部23は、第2領域16において、第1ランド17とソルダーレジスト15とで挟まれた領域、および第2ランド18とソルダーレジスト15とで挟まれた領域に連続的に接着している。樹脂部23は、第1ランド17および第2ランド18に接着している。樹脂部23は、第1半田部21および第2半田部22に接着している。樹脂部23は、第1電子部品11の底面および側面と、第2電子部品12の底面および側面とに接着している。樹脂部23は、ソルダーレジスト15に接着している。
【0043】
-実装基板の製造方法-
次に、上述の実装基板10を製造する方法について、
図2を参照して説明する。同図に示すように、実装基板の製造方法は、基板準備工程と、半田プリコート形成工程と、フラックス塗布工程と、部品搭載工程と、リフロー工程とを備える。
【0044】
基板準備工程では、
図2(a)に示すように、ソルダーレジスト15で覆われた第1領域14およびソルダーレジスト15で覆われていない第2領域16を表面に有し、第2領域16に、互いに100μm以下の隣接距離L2で隣接する第1ランド17および第2ランド18を有する基板13を準備する。ここで、第1ランド17と第2ランド18との間の隣接距離L2は、互いに近接する側の第1ランド17と第2ランド18との間の近接距離である。
【0045】
半田プリコート形成工程では、
図2(b)に示すように、第1ランド17上および第2ランド18上に半田プリコート24を形成する。半田プリコート24は、第1および第2ランド17,18上に、例えばスクリーン印刷法を用いてクリーム半田(図示せず)を塗布し、当該クリーム半田を溶融後固化させることで形成される。
【0046】
フラックス塗布工程では、
図2(c)に示すように、半田プリコート24に熱硬化型のフラックス25を塗布する。熱硬化型のフラックス25は、熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂と、フラックス成分と、活性剤とを含む。熱硬化型のフラックス25は、スクリーン印刷法によって半田プリコート24に塗布される。
【0047】
部品搭載工程では、
図2(d)に示すように、半田プリコート24にフラックス25を介して第1電子部品11および第2電子部品12を搭載する。このとき、第1電子部品11の端子11aが第1ランド17上に配置され、かつ第2電子部品12の端子12aが第2ランド18上に配置されるように、第1および第2電子部品11,12を搭載する。
【0048】
リフロー工程では、
図2(e)に示すように、第1電子部品11および第2電子部品12が搭載された基板13を加熱する。このリフロー工程では、半田プリコート24を溶融後固化させて、第1電子部品11の端子11aと第1ランド17とを接続する第1半田部21および第2電子部品12の端子12aと第2ランド18とを接続する第2半田部22を形成する。これに加えて、リフロー工程では、熱硬化型のフラックス25を軟化後硬化させて、第1電子部品11および第2電子部品12の周囲を第2領域16に接着しかつ第2領域16の第1ランド17と第2ランド18とで挟まれた領域に連続的に接着する樹脂部23を形成する。以上の各工程により、上述の実装基板10を製造することができる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本開示は、実装基板および実装基板の製造方法に利用できる。
【符号の説明】
【0050】
10:実装基板
11:第1電子部品
11a:端子
12:第2電子部品
12a:端子
13:基板
14:第1領域
15:ソルダーレジスト
16:第2領域
17:第1ランド
18:第2ランド
21:第1半田部
22:第2半田部
23:樹脂部
24:半田プリコート
25:フラックス
L1:電子部品間の隣接距離
L2:ランド間の隣接距離