(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023021819
(43)【公開日】2023-02-14
(54)【発明の名称】携帯端末保持装置の取付構造
(51)【国際特許分類】
B60R 11/02 20060101AFI20230207BHJP
B60R 7/06 20060101ALI20230207BHJP
【FI】
B60R11/02 W
B60R7/06 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021126918
(22)【出願日】2021-08-02
(71)【出願人】
【識別番号】521241498
【氏名又は名称】イブコーポレーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119792
【弁理士】
【氏名又は名称】熊崎 陽一
(72)【発明者】
【氏名】冨田 忠男
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 信行
(72)【発明者】
【氏名】冨田 浩子
【テーマコード(参考)】
3D020
3D022
【Fターム(参考)】
3D020BA06
3D020BC03
3D020BD02
3D020BD09
3D020BD11
3D022CA08
3D022CD17
3D022CD24
(57)【要約】
【課題】運転環境を阻害し難い携帯端末保持装置の取付構造を提供する。
【解決手段】第1の部材11の裏面から突出した第2の凸部18は、グローブボックスの蓋41の裏面41aに形成された第1の凹部42に嵌合され、第1の部材11の表面に形成された第2の凹部14には、グローブボックスの本体から突出した第1の凸部46が嵌合される。携帯端末保持装置1をグローブボックスに取り付けることができるため、運転環境を阻害し難い。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末保持装置を車両のグローブボックスに取り付けるための携帯端末保持装置の取付構造であって、
前記グローブボックスは、
開口部を有する本体と、
前記本体から突出した第1の凸部と、
前記開口部を開閉するための蓋と、
前記蓋の裏面に形成されており、当該蓋を閉じるときに前記第1の凸部が嵌合される第1の凹部と、を備えており、
前記携帯端末保持装置は、
前記蓋の上端を挾持するための相対向する第1および第2の部材を有する挾持部と、
前記挾持部に設けられており、携帯端末を保持するための保持部と、
前記第1の部材の表面に形成されており、前記第1および第2の部材によって前記蓋の上端を挾持した状態で前記蓋を閉じたときに前記第1の凸部が嵌合される第2の凹部と、
前記第2の凹部のうち、前記第1の部材の裏面から突出した部分であって、前記第1および第2の部材によって前記蓋の上端を挾持するときに前記第1の凹部に嵌合される第2の凸部と、
を備えることを特徴とする携帯端末保持装置の取付構造。
【請求項2】
前記挾持部は、
前記第1および第2の部材の各一端を連結するように形成されており、当該挾持部が前記蓋の上端を挾持したときに当該上端を跨いだ状態になる連結部と、
前記第1および第2の部材の相対向する他端間から前記蓋の上端を受容可能に形成された受容部と、を有し、
前記第1の凸部が前記第2の凹部に嵌合されており、かつ、前記第2の凸部が前記第1の凹部に嵌合された状態において、前記受容部に受容された前記蓋の上端と、前記連結部との間に隙間が形成されるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の携帯端末保持装置の取付構造。
【請求項3】
前記挾持部は、前記蓋のうち前記挾持部によって挾持される部分の形状に対応した形状に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の携帯端末保持装置の取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スマートフォンなどの携帯端末を保持するための携帯端末保持装置を車両に取り付けるための携帯端末保持装置の取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯端末保持装置を車両のエアコンルーバーやダッシュボードに取り付ける取付構造が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、携帯端末保持装置を車両のエアコンルーバーに取り付ける取付構造は、携帯端末保持装置がエアコンルーバーを塞ぐため、車室の冷暖房能力が低下するという問題がある。また、携帯端末保持装置をダッシュボードに取り付ける取付構造は、運転者の視界を妨げたり、エアコンやオーディオなどのスイッチ操作の邪魔になるという問題がある。
つまり、前述した従来の携帯端末保持装置の取付構造は、運転環境を阻害し易いという問題を有する。
【0005】
そこで、本発明は、上述した諸課題を解決するために鋭意研究の結果創出されたものであり、運転環境を阻害し難い携帯端末保持装置の取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(第1の発明)
前述した目的を達成するため、本出願の第1の発明は、
携帯端末保持装置(1:
図1)を車両のグローブボックス(40:
図5)に取り付けるための携帯端末保持装置の取付構造であって、
グローブボックス(40)は、
開口部(45a)を有する本体(45)と、
本体(45)から突出した第1の凸部(46)と、
開口部(45a)を開閉するための蓋(41)と、
蓋(41)の裏面(41a)に形成されており、当該蓋(41)を閉じるときに第1の凸部(46)が嵌合される第1の凹部(42)と、を備えており、
携帯端末保持装置(1)は、
蓋(41)の上端(44)を挾持するための相対向する第1および第2の部材(11,12)を有する挾持部(10)と、
挾持部(10)に設けられており、携帯端末(50:
図3)を保持するための保持部(20)と、
第1の部材(11)の表面に形成されており、第1および第2の部材(11,12)によって蓋(41)の上端(44)を挾持した状態で蓋(41)を閉じたときに第1の凸部(46)が嵌合される第2の凹部(14:
図5)と、
第2の凹部(14)のうち、第1の部材(11)の裏面から突出した部分であって、第1および第2の部材(11,12)によって蓋(41)の上端(44)を挾持するときに第1の凹部(42)に嵌合される第2の凸部(18:
図4)と、
を備えることを特徴とする。
【0007】
本出願の第1の発明に係る携帯端末保持装置の取付構造は、携帯端末保持装置を車両のグローブボックスに取り付けることができるため、運転環境を阻害し難い。
しかも、携帯端末保持装置の挾持部が蓋の上端を挾持した状態で蓋を閉じることができるため、携帯端末保持装置を取り付けるためにグローブボックスを改造する必要がない。
さらに、グローブボックスは、本体から突出した第1の凸部が、蓋の裏面に形成された第1の凹部に嵌合することにより蓋が閉じる構造であり、挾持部が蓋の上端を挾持した状態で蓋を閉じると、挾持部の第1の部材の表面に形成された第2の凹部に第1の凸部が嵌合され、第1の部材の裏面から突出した第2の凸部が、蓋の第1の凹部に嵌合される。
従って、蓋に対する挾持部の挾持位置がずれるおそれがない。
【0008】
(第2の発明)
本出願の第2の発明は、前述した第1の発明に係る携帯端末保持装置の取付構造において、
挾持部(10)は、
第1および第2の部材(11,12)の各一端を連結するように形成されており、当該挾持部(10)が蓋(41)の上端(44)を挾持したときに当該上端(44)を跨いだ状態になる連結部(13)と、
第1および第2の部材(11,12)の相対向する他端間から蓋(41)の上端(44)を受容可能に形成された受容部(17:
図1)と、を有し、
第1の凸部(46)が第2の凹部(14)に嵌合されており、かつ、第2の凸部(18)が第1の凹部(42)に嵌合された状態において、受容部(17)に受容された蓋(41)の上端(44)と、連結部(13)との間に隙間(S:
図4)が形成されるように構成されていることを特徴とする。
【0009】
本出願の第3の発明に係る携帯端末保持装置の取付構造は、挾持部が蓋の上端を挾持したときに、蓋の上端を跨いだ状態になる連結部と蓋の上端との間に隙間が形成されるため、蓋の第1の凹部から上端までの高さが高くなった場合であっても、蓋の上端を受容部に受容し、グローブボックスの本体から突出した第1の凸部を第1の部材に形成された第2の凹部に嵌合させ、かつ、第1の部材に形成された第2の凸部をグローブボックスの蓋の裏面に形成された第1の凹部に嵌合させることにより、携帯端末保持装置をグローブボックスに取り付けることができる。
【0010】
(第3の発明)
本出願の第3の発明は、前述した第1または第2の発明に係る携帯端末保持装置の取付構造において、
挾持部(10)は、蓋(41)のうち挾持部(10)によって挾持される部分の形状に対応した形状に形成されていることを特徴とする。
【0011】
本出願の第3の発明に係る携帯端末保持装置の取付構造は、挾持部は、蓋のうち挾持部によって挾持される部分の形状に対応した形状に形成されているため、蓋を閉じたときに、挾持部がグローブボックスの本体と干渉しないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態に係る携帯端末保持装置の斜視図である。
【
図2】携帯端末保持装置をグローブボックスの蓋に取り付けた状態を示す説明図である。
【
図3】携帯端末保持装置の使用状態を示す説明図である。
【
図4】携帯端末保持装置をグローブボックスの蓋に取り付けた状態の縦断面図である。
【
図5】蓋が開いた状態のグローブボックスの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に係る携帯端末保持装置の取付構造の実施形態について説明する。
[グローブボックスの構造]
最初に、グローブボックスの構造について
図5を参照しつつ説明する。
グローブボックス40は、車両の助手席の前方であってダッシュボード60の下部に配置されており、開口部45aを有する本体45と、本体45から後方に突出した一対の第1の凸部46,47と、開口部45aを開閉するための蓋41と、蓋41の裏面41aに形成された一対の第1の凹部42,43とを備えている。蓋41を閉じると、本体45から突出した左側の第1の凸部46は、蓋41に形成された左側の第1の凹部42に嵌合され、本体45から突出した右側の第1の凸部47は、蓋41に形成された右側の第1の凹部43に嵌合される。第1の凸部46,47は、それぞれゴム製であり、当たりゴムとも呼ばれる。
【0014】
[携帯端末保持装置の構造]
次に、携帯端末保持装置の構造について
図1を参照しつつ説明する。
携帯端末保持装置1は、グローブボックス40の蓋41の上端44(
図2)を挾持するための挾持部10と、携帯端末50(
図3)を保持するための保持部20と、挾持部10に保持部20を支持するための支持部30とを備えている。挾持部10は、相対向する第1の部材11および第2の部材12と、連結部13と、受容部17とを有する。第1の部材11および第2の部材12は、それぞれ板状に形成されており、裏面同士を相対向させた状態にて相互に離間している。
また、
図4に示すように、連結部13は、第1の部材11および第2の部材12の各上端を連結するように形成されており、挾持部10が蓋41の上端44を挾持したときに上端44を跨いだ状態になる。第1の部材11および第2の部材12の相対向する下端間には、蓋41の上端44を挿入可能な開口部19が形成されている。第1の部材11および第2の部材12間には、開口部19から挿入された蓋41の上端44を受容可能な空間である受容部17が形成されている。また、第1の部材11および第2の部材12は、それぞれバネ性を有しており、開口部19が広がるように第1の部材11および第2の部材12を変位させると、その広がった開口部19を広がる前の姿勢に戻そうとするバネ力が作用する。
第1の部材11および第2の部材12の各上端は、本発明の「第1および第2の部材の各一端」の一例であり、第1の部材11および第2の部材12の相対向する下端は、本発明の「第1および第2の部材の相対向する他端」の一例である。
【0015】
図1,
図2および
図4に示すように、第1の部材11の表面には、第2の凹部14が形成されており、その第2の凹部14は、第1の部材11の裏面から突出しており、その突出した部分が第2の凸部18を形成している。第2の凸部18の周縁角部18aはR加工されている。
図4に示すように、第2の凸部18は、第1の部材11および第2の部材12によって蓋41の上端44を挾持したときに、グローブボックス40の蓋41の裏面41aに形成された第1の凹部42に嵌合する部分である。また、第2の凹部14は、第1の部材11および第2の部材12によって蓋41の上端44を挾持した状態で蓋41を閉じたときに、グローブボックス40の本体45から突出した第1の凸部46が嵌合される部分である。つまり、第1の部材11の第2の凸部18が蓋41の第1の凹部42に嵌合された状態で蓋41を閉じると、本体45の第1の凸部46は、第1の部材11の第2の凹部14に嵌合される。言い換えると、本体45の第1の凸部46と、蓋41の第1の凹部42との間に、第1の部材11が嵌合される。
【0016】
図4に示すように、第1の部材11の裏面には、パッド15が貼着されており、第2の部材12の裏面には、パッド16が貼着されている。パッド15は、受容部17に受容された蓋41の裏面41aに密着し、パッド16は、表面41bに密着する。パッド15,16は、それぞれゴムやウレタンなどの弾性材料によって形成されており、蓋41の裏面41aおよび表面41bに密着することにより、第1の部材11および第2の部材12と蓋41との間にガタが発生しないようにするとともに、蓋41が傷付かないようにすることができる。また、挾持部10は、蓋41のうち、挾持部10によって挾持される部分の形状に対応した形状に形成されているため、蓋41を閉じたときに、挾持部10がグローブボックス40の本体45と干渉しないようにすることができる。特に、連結部13は、蓋41の上端44の形状に対応した形状に形成されているため、蓋41を閉じたときに、グローブボックス40の本体45のうち、蓋41の上端44と対向する部分45b(
図5)と、連結部13とが干渉しないようにすることができる。
【0017】
図4に示すように、挾持部10は、グローブボックス40の本体45から突出した第1の凸部46が、第1の部材11の第2の凹部14に嵌合されており、かつ、第2の凸部18が蓋41の第1の凹部42に嵌合された状態において、受容部17に受容された蓋41の上端44と連結部13との間に隙間Sが形成されるように構成されている。隙間Sの大きさは、受容部17に受容された蓋41の上端44から、連結部13の裏面までの高さがΔHとなる大きさである。
例えば、蓋41の裏面41aに形成された第1の凹部42の上縁から蓋41の上端44までの高さが、右ハンドル仕様の車両に設けられるグローブボックス40ではH1であり、左ハンドル仕様の車両に設けられるグローブボックス40ではH2(>H1)であるとする。また、H2-H1=ΔHである。この場合、携帯端末保持装置1を右ハンドル仕様に合わせ、隙間Sが形成されないように設計すると、第1の凹部42の上縁から連結部13の裏面までの高さが不足し、第2の凸部18を第1の凹部42に嵌合することができず、携帯端末保持装置1を左ハンドル仕様のグローブボックス40に取り付けることができなくなる。しかし、本実施形態の携帯端末保持装置1は、受容部17に受容された蓋41の上端44と連結部13との間に、ΔHの高さを有する隙間Sが形成されるように構成されているため、左ハンドル仕様のグローブボックス40の場合でも、第2の凸部18を第1の凹部42に嵌合することができるので、グローブボックス40に取り付けることができる。
【0018】
図1に示すように、保持部20は、上部材21と、下部材22と、左部材23と、右部材24(
図3)とを備えている。上部材21および下部材22は、それぞれ棒状に形成されており、相互に平行に配置されている。左部材23および右部材24は、それぞれコ字状に形成されており、相互に平行に配置されている。左部材23は、上部材21および下部材22の各左端間を接続するように形成されており、右部材24は、上部材21および下部材22の各右端間を接続するように形成されている。つまり、保持部20は、
図3において後方から見て凹形状に形成されている。
右部材24は、
図1において矢印Fにて示す方向(右方)へ伸縮可能に構成されている。上部材21および下部材22の内部には、連結棒(図示せず)がそれぞれ内蔵されており、各連結棒の右端は右部材24の上下の端部と接続されており、各連結棒の左端は、それぞれ上部材21および下部材22に内蔵されたコイルバネ(図示せず)と接続されている。右部材24は、上記の各コイルバネのバネ力に抗して矢印Fにて示す方向(右方)へ伸長可能であり、伸長した右部材24は、上記の各コイルバネの復元力により、伸長前の状態に復帰可能である。
【0019】
図3に示すように、携帯端末50の裏面は、上部材21および下部材22によって支持され、携帯端末50の左右の側面は、左部材23および右部材24によって挾持される。携帯端末50は、例えば、スマートフォン、タブレット型端末などである。この状態において、右部材24は、上記の各コイルバネの復元力により、伸長前の状態に復帰しようとするため、携帯端末50の左右の側面は、左部材23および右部材24によって押圧された状態になるので、携帯端末50の保持位置がずれるおそれがない。また、右部材24を右方に伸長させることができるため、左右の幅が異なる携帯端末50を保持することができる。本実施形態では、保持部20は、合成樹脂により形成されており、表面は、ゴム、ウレタンなどの滑り止め材料によって被覆されている。これにより、保持部20による携帯端末50の保持位置がずれないようにすることができる。
【0020】
図1に示すように、支持部30は、支持棒31と、高さ調節ネジ32と、角度調節ネジ33と、オフセット部34と、ボールベアリング35と、向き調節ネジ36と、抜け止め37とを備えている。支持棒31の内部には、上下に伸縮可能な伸縮棒(図示せず)が設けられており、支持棒31の周面には、上記の伸縮棒の高さを固定するための高さ調節ネジ32が設けられている。また、上記の伸縮棒の上端には、球状のボールベアリング35が取り付けられており、ボールベアリング35は、向き調節ネジ36の下面に回動可能に嵌合されている。向き調節ネジ36の上面には抜け止め37が取り付けられており、抜け止め37の周面は、保持部20の上部材21の下面と下部材22の上面とに固着されている。向き調節ネジ36は、ボールベアリング35の球面に沿って姿勢を変化させることができ、向き調節ネジ36を所定の方向に回動させると、向き調節ネジ36とボールベアリング35とが固定され、保持部20の向きが固定される。また、向き調節ネジ36を上記の所定方向とは逆方向に回動させると、向き調節ネジ36とボールベアリング35との固定状態が解除され、保持部20の向きを変更可能な状態になる。
【0021】
第2の部材12の表面の上部には、オフセット部34が後方へ突出形成されており、そのオフセット部34には、支持棒31の下端が回動可能に軸支されている。つまり、支持棒31は、オフセット部34により、第2の部材12から後方にオフセットした形になっている。これにより、
図3に示すように、支持棒31および保持部20をグローブボックス40の蓋41よりも後方に配置することができるため、蓋41の開閉時に携帯端末保持装置1がダッシュボード60に干渉するおそれがない。また、オフセット部34には、支持棒31の角度を調節するための角度調節ネジ33が設けられている。
【0022】
[携帯端末保持装置の取り付け方法]
次に、携帯端末保持装置1の取り付け方法について説明する。
先ず、
図2に示すように、グローブボックス40の蓋41を開き、携帯端末保持装置1の第1の部材11と第2の部材12との間の開口部19(
図1)に蓋41の上端44を挿入する。
図4に示すように、第1の部材11の裏面から突出している第2の凸部18の上面18bと第2の部材12の裏面との間隔W1は、蓋41の上端44の幅W2よりも狭い。このため、蓋41の上端44を開口部19から挿入したときに、上端44が、第2の凸部18の下縁に当接した状態になるが、そのまま挾持部10を下方に押し下げると、上端44が、第2の凸部18の周縁角部18aに沿って第2の凸部18の上面18bに乗り上げる。このとき、周縁角部18aがR加工されているため、上端44を上面18bに容易に乗り上げることができる。上端44が上面18bに乗り上がることにより、第1の部材11が前方に押されて変位し、間隔W2が広がる。そして、挾持部10をさらに下方に押し下げ、第2の凸部18と蓋41の裏面41aに形成されている第1の凹部42とが対向した状態になると、変位していた第1の部材11が自身のバネ力によって変位前の状態に復帰し、第2の凸部18が第1の凹部42に嵌合される(
図4)。
【0023】
そして、蓋41を閉じると、グローブボックス40の本体45から突出した第1の凸部46が、第1の部材11の第2の凹部14に嵌合される。次に、角度調節ネジ33を回動させて支持棒31の角度を調節し、高さ調節ネジ32を回動させて支持棒31の長さを調節し、向き調節ネジ36を回動させて保持部20の向きを調節する。そして、保持部20に携帯端末50を保持させる。その後、運転者は、運転席に座った状態で、各調節ネジを回動させて携帯端末50の位置を所望の位置に調節する。また、助手席に座る者が、携帯端末50を使用する場合は、助手席に座った者が、各調節ネジを回動させて携帯端末50の位置を所望の位置に調節する。
【0024】
上述したように、本実施形態によれば、携帯端末保持装置1をグローブボックス40に取り付けることができるため、エアコンルーバーを塞ぐこともないし、運転者の視界を妨げたり、エアコンやオーディオなどのスイッチ操作の邪魔になったりするおそれもない。
従って、本実施形態によれば、運転環境を阻害し難い携帯端末保持装置の取付構造を提供することができる。
また、グローブボックス40に取り付けられた携帯端末保持装置1は、挾持部10によってグローブボックス40の蓋41の上端44を挾持し、かつ、第1の部材11の第2の凸部18が蓋41の第1の凹部42に嵌合され、さらに、本体45の第1の凸部46が第1の部材11の第2の凹部14に嵌合されるため、車両の走行中にグローブボックス40から外れるおそれがない。
さらに、グローブボックス40の蓋41を開けたときに携帯端末保持装置1が蓋41から外れるおそれもない。
さらに、グローブボックス40に設けられた既存の構造を利用して携帯端末保持装置1を取り付けることができるため、車両を改造する必要がない。
【0025】
〈他の実施形態〉
図5に示すように、グローブボックス40の本体45の右側からも第1の凸部47が突出しており、蓋41の裏面41aの右側にも第1の凹部43が形成されている場合は、第1の凸部47および第1の凹部43を利用して携帯端末保持装置1を取り付けることもできる。
【符号の説明】
【0026】
1・・携帯端末保持装置
10・・挾持部
11・・第1の部材
12・・第2の部材
13・・連結部
14・・第2の凹部
17・・受容部
18・・第2の凸部
20・・保持部
30・・支持部
40・・グローブボックス
41・・蓋
41a・・裏面
41b・・表面
42・・第1の凹部
44・・上端
45・・本体
45a・・開口部
46・・第1の凸部
50・・携帯端末