(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023021824
(43)【公開日】2023-02-14
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
F21S 8/02 20060101AFI20230207BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20230207BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20230207BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20230207BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20230207BHJP
F21Y 103/10 20160101ALN20230207BHJP
【FI】
F21S8/02 430
F21S2/00 230
F21V23/00 120
F21V19/00 510
F21S2/00 430
F21Y115:10
F21Y103:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021126927
(22)【出願日】2021-08-02
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り オーデリック株式会社が令和3年5月31日に発行した刊行物「HABITATION STRUCTURAL LIGHTING 2021-2022 Vol.186」に掲載 オーデリック株式会社が令和2年12月1日に発行した刊行物「Cチャンネル回避型 LED-SLIM」に掲載 オーデリック株式会社が令和2年11月27日~令和3年8月2日の間に別紙「店舗一覧表」に記載された店舗に対し販売 オーデリック株式会社が令和2年10月30日、令和2年11月7日、令和2年12月17日、令和3年6月14日及び令和3年7月8日に自らのウェブサイトにて公開
(71)【出願人】
【識別番号】000103633
【氏名又は名称】オーデリック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001612
【氏名又は名称】弁理士法人きさらぎ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中山 陽正
(72)【発明者】
【氏名】久冨 淳
【テーマコード(参考)】
3K013
3K014
3K244
【Fターム(参考)】
3K013AA02
3K013BA01
3K014AA01
3K244AA05
3K244BA14
3K244CA03
3K244CA08
3K244DA01
3K244EA02
3K244EA12
3K244JA03
(57)【要約】
【課題】 長尺状の照明器具において、器具の外形を小さくしつつ、点灯ムラを抑制することが可能な照明器具を提供する。
【解決手段】 本発明に係る照明器具は、設置箇所に取り付けられる長尺状の照明器具本体と、長手方向に沿って光源が配置された長尺状の基板を備える長尺状の光源ユニットと、光源に電力を供給する電源装置とを備え、基板と電源装置とが、照明器具本体内部において照明器具本体の短手方向に沿って配列されるように構成されている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
設置箇所に取り付けられる長尺状の照明器具本体と、
長手方向に沿って光源が配置された長尺状の基板を備える長尺状の光源ユニットと、
前記光源に電力を供給する電源装置と
を備え、
前記基板と前記電源装置とが、前記照明器具本体内部において、前記照明器具本体の短手方向に沿って配列されるように構成されている
ことを特徴とする照明器具。
【請求項2】
前記照明器具本体は、上壁部と、該上壁部の短手方向両端部から下方に向けて延出する側壁部とを有する収容凹部を備え、 前記収容凹部は、前記電源装置を収容可能な電源収容部を備え、
前記電源収容部は、前記収容凹部の一方の側壁部側に形成された長手方向に沿って延びる長尺状の中空空間であり、
前記光源ユニットは、前記収容凹部内に着脱可能に構成されており、かつ、前記収容凹部に装着される際に、前記電源収容部と干渉しない形状を有している
ことを特徴とする請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記光源ユニットは、前記電源収容部と、該電源収容部が形成されていない他方の側壁部との間に装着される
ことを特徴とする請求項2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記照明器具本体は、前記側壁部の下端部から内側に向けて折り返して形成された返し部を更に備え、
前記返し部は、下面視において、前記側壁部と、前記収容凹部に収容された前記光源ユニットとの隙間を埋めるよう構成されている
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の照明器具。
【請求項5】
前記電源収容部は、前記返し部の上方に位置する
ことを特徴とする請求項4に記載の照明器具。
【請求項6】
前記光源ユニットは、短手方向の中央を境として左右非対称に形成されている
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項7】
前記電源装置の下端が、前記基板の下面よりも下方に位置する
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項8】
前記光源は、前記基板の長手方向に沿って配置された複数のLEDである
ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項9】
前記光源ユニットは、前記照明器具本体に装着された際に前記上壁部と対向し、前記基板を保持可能な上面部と、前記複数のLEDから出射された光を拡散するための拡散部材を有する下面部とを更に備える
ことを特徴とする請求項8に記載の照明器具。
【請求項10】
前記光源ユニットは、前記複数のLEDと対向する入射面と、該入射面から下方に向けて延びる導光部とを有する導光パネルを更に備える
ことを特徴とする請求項8に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、天井等に埋め込まれて設置される長尺状のLED照明器具が知られている(特許文献1)。このようなLED照明器具は、均一な配光を得るために短手方向中央付近にLED基板が配置され、該LED基板の裏面側に該LED基板に電力を供給する電源装置が配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された照明器具は、LED基板の裏面側に電源装置が配置されることにより、照明器具の高さ方向の寸法(厚み)が大きくなるため、天井等に埋設した際に、天井裏に存在する構造物(例えば、所謂Cチャンネル等)と干渉するおそれがある。よって、特許文献1の照明器具は、Cチャンネル等の天井裏構造物を避けるように設置する必要があるため、設置個所に制約が生じるという問題がある。特許文献1の照明器具では、このような設置個所の制約により、例えば、複数の照明器具を直列的かつ隙間なく連続的に並べて設置し、複数の照明器具によって一本の筋状の照明光を作出するようなデザイン性の高い照明態様を実現することが困難である。
【0005】
また、特許文献1の照明器具において、薄型化を図るためにLED基板と拡散カバーとの距離を近づけるLED基板と、拡散カバーによるLEDの光拡散性能が低下し、点灯ムラが目立つこととなり、外観を損ねるおそれがあるという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、長尺状の照明器具において、器具の外形を小さくしつつ、点灯ムラを抑制することが可能な照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明に係る照明器具は、設置箇所に取り付けられる長尺状の照明器具本体と、長手方向に沿って光源が配置された長尺状の基板を備える長尺状の光源ユニットと、前記光源に電力を供給する電源装置とを備え、前記基板と前記電源装置とが、前記照明器具本体内部において、前記照明器具本体の短手方向に沿って配列されるように構成されていることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る照明器具において、前記照明器具本体は、上壁部と、該上壁部の短手方向両端部から下方に向けて延出する側壁部とを有する収容凹部を備え、前記収容凹部は、前記電源装置を収容可能な電源収容部を備え、前記電源収容部は、前記収容凹部の一方の側壁部側に形成された長手方向に沿って延びる長尺状の中空空間であり、前記光源ユニットは、前記収容凹部内に着脱可能に構成されており、かつ、前記収容凹部に装着される際に、前記電源収容部と干渉しない形状を有していることが好ましい。
【0009】
本発明に係る照明器具において、前記光源ユニットは、前記電源収容部と、該電源収容部が形成されていない他方の側壁部との間に装着されていてもよい。
【0010】
本発明に係る照明器具において、前記照明器具本体は、前記側壁部の下端部から内側に向けて折り返して形成された返し部を更に備え、前記返し部は、下面視において、前記側壁部と、前記収容凹部に収容された前記光源ユニットとの隙間を埋めるよう構成されていることが好ましい。
【0011】
本発明に係る照明器具において、前記電源収容部は、前記返し部の上方に位置されていてもよい。
【0012】
本発明に係る照明器具において、前記光源ユニットは、短手方向の中央を境として左右非対称に形成されていることが好ましい。
【0013】
本発明に係る照明器具において、前記電源装置の下端が、前記基板の下面よりも下方に位置されていてもよい。
【0014】
本発明に係る照明器具において、前記光源は、前記基板の長手方向に沿って配置された複数のLEDであることが好ましい。
【0015】
本発明に係る照明器具において、前記光源ユニットは、前記照明器具本体に装着された際に前記上壁部と対向し、前記基板を保持可能な上面部と、前記複数のLEDから出射された光を拡散するための拡散部材を有する下面部とを更に備えていてもよい。
【0016】
本発明に係る照明器具において、前記光源ユニットは、前記複数のLEDと対向する入射面と、該入射面から下方に向けて延びる導光部とを有する導光パネルを更に備えていることが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の照明器具によれば、長尺状の照明器具において、器具の外形を小さくしつつ、点灯ムラを抑制することが可能な照明器具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】第1実施形態に係る照明器具の概略構成を示す分解斜視図である。
【
図2】第1実施形態に係る照明器具の断面図である。
【
図3】第1実施形態に係る照明器具を天井に取り付けた状態を示す平面斜視図である。
【
図4】本発明の第1実施形態に係る照明器具の概略構成を示す斜視図である。
【
図5】第1実施形態に係る照明器具本体の構成を示す底面図である。
【
図6】第1実施形態に係る照明器具本体と天井裏構造(Cチャンネル)との位置関係を示す斜視図である。
【
図7】第1実施形態に係る光源ユニットの構成を示す斜視図である。
【
図8】第1実施形態に係るユニット本体の構成を示す分解斜視図である。
【
図9】第1実施形態に係る照明器具を天井に取り付けた状態を示す底面斜視図である。
【
図10】第2実施形態に係る照明器具の概略構成を示す斜視図である。
【
図11】第2実施形態に係る照明器具の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための好適な実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。また、本実施形態においては、各構成要素の縮尺や寸法が誇張されて示されている場合や、一部の構成要素が省略されている場合がある。
【0020】
[第1実施形態]
図1及び
図2に示すように、本実施形態に係る照明器具1は、設置箇所に設けられた取付孔6b内に埋め込まれて設置される埋め込み型の照明器具である。具体的には、設置箇所に取り付けられる長尺状の照明器具本体10と、長手方向に沿って光源31が配置された長尺状の基板32を備える長尺状の光源ユニット30と、光源31に電力を供給する電源装置2とを備えている。
【0021】
なお、本実施形態において、光源31は、基板32の長手方向に沿って配置された複数のLEDであるものとして説明するが、これに限定されず、例えば、有機EL等の種々の光源を採用することができる。
【0022】
また、本実施形態において、設置箇所として天井6を例に挙げて説明するが、これに限定されず、本発明に係る照明器具1は、例えば壁や地面等の種々の設置箇所に取り付けることができる。また、本実施形態において、天井6に対して照明器具1が装着される方向を上方とし、天井6に照明器具1が装着された状態において、光が照射される方向を下方とする。ただし、ここでいう上下方向は、説明の便宜上定めた方向に過ぎず、実際の使用状況における上下方向とは限らない。
【0023】
図3に示すように、天井6は、天井裏に設けられた複数の吊ボルト8に複数のCチャンネル9が取り付けられており、該Cチャンネル9の下方にCチャンネル9と交差するように複数のMバー(M)が取り付けられることによって骨組みが形成され、該Mバー(M)の下方に天井板6aが取り付けられることで形成される。そして、天井裏に設けられた複数の吊ボルト7によって、照明器具1が天井板6aに設けられた取付孔6bに取り付けられる。なお、吊ボルト7,8、Cチャンネル9及びMバー(M)は、種々の公知の形状、取付態様を採用することができるため、その具体的な説明を省略する。
【0024】
また、本実施形態において、照明器具本体10と光源ユニット30は、光源ユニット30が照明器具本体10に対して装着可能な別部材であるものとして説明するが、これに限定されず、照明器具本体10と光源ユニット30が一体として構成されていても良い。
【0025】
本実施形態に係る照明器具1は、非調光、非調色の態様であっても良いし、調光、調色可能に構成されていても良い。また、本実施形態に係る照明器具1は、外部の照明制御コントローラと無線LAN又はbluetooth(登録商標)等の無線通信によって相互に通信可能に構成されており、作業者が照明制御コントローラを操作することで、該調光、調色操作や点灯、消灯操作をすることが可能な態様であっても良い。本実施形態に係る照明器具1において、無線通信可能な構成とする場合には、通信アンテナ(図示せず)や通信制御基板(図示せず)等を備える通信機器が格納された通信機器用ケース(図示せず)を、照明器具本体10とは別体として設け、これら通信機器用ケースと照明器具本体10とを所定の長さを有する可撓性連結部材(図示せず)で連結すると共に、可撓性を有する通信電線等で電気的に接続する構成とすることが好ましい。また、この場合において、可撓性連結部材は、照明器具本体10の投影面積外に通信機器用ケースを配置することが可能な長さを有することが好ましい。このような構成とすることにより、通信機器用ケースを天井裏に設置されたCチャンネル9と干渉しない位置にずらして配置することが可能となる。なお、可撓性連結部材としては、例えば板ばね等の部材を用いることができる。
【0026】
[照明器具本体の構成]
図2及び
図4に示すように、照明器具本体10は、上壁部11と、該上壁部11の短手方向両端部から下方に向けて延出する側壁部12と、照明器具本体10の長手方向両端部を閉鎖する端部カバー13とを備えている。これら上壁部11、側壁部12及び端部カバー13は、全体として、下方に向けて開口する断面略凹形状を有しており、光源ユニット30を収容可能な収容凹部14を画定している。また、照明器具本体10は、該収容凹部14に収容可能な電源装置2と、電源装置2と光源ユニット30の受電コネクタ4を電気的に接続するための給電コネクタ3と、電源装置2と施設の電力源とを電気的に接続するための電源端子台5とを更に備えている。
【0027】
なお、本実施形態において、照明器具本体10の上壁部11及び側壁部12は、例えばアルミニウム等の材料によって形成することができ、端部カバー13は、例えば鋼板等の材料によって形成することができるが、これらに限定されるものではない。また、本実施形態において、上壁部11及び側壁部12は、一体に形成され、端部カバー13は、上壁部11及び側壁部12とは別部材として形成されているが、これに限定されず、例えば上壁部11と側壁部12とが別部材として構成されていてもよいし、上壁部11、側壁部12及び端部カバー13が一体に形成されていても良い。
【0028】
図2及び
図4に示すように、上壁部11は、長手方向に沿って延びる長尺状に形成されており、上面視において、長方形状を有している。また、上壁部11は、短手方向中心部が下方に向けて若干窪んだ形状を有しており、ねじ60aのねじ頭等を収容可能に構成されている。具体的には、上壁部11は、上壁部11の短手方向中心部近傍に形成された上壁中心部11aと、該上壁中心部11aの短手方向両端部から上方に向けて傾斜する左右一対の傾斜部11bと、傾斜部11bから側壁部12の上端部に向けて延びる左右一対の上壁縁部11cとを備える断面凹状に形成されている。上壁中心部11a及び各傾斜部11bは、ねじ60aのねじ頭等を収容可能な凹部を形成しており、該凹部は、該ねじ頭が各上壁縁部11cよりも上方に突出しない程度の深さを有している。
【0029】
このように、上壁部11の短手方向中心部分が下方に向けて若干窪んだ形状を有していることで、
図2に示すように、上壁中心部11aと後述する内側上壁部19aとがねじ60aで固定された状態において、ねじ60aが高さ方向において側壁部12の長さを超えないため、高さ方向の寸法(厚みを)を抑えることができる。
【0030】
また、上壁部11は、長手方向において、天井裏に設けられたCチャンネル9の設置幅よりも長い長さでであっても良く、具体的には、上壁部11は、長手方向において、900mm以上の長さで形成されていても良い。また、上壁部11は、長手方向及び短手方向において、天井6に設けられた取付孔6bに収容可能な長さで形成されている。
【0031】
また、
図4及び
図5に示すように、上壁部11には後述するV字状係止ばね34を貫通させるためのばね貫通孔15が長手方向に沿って複数設けられている。具体的には、ばね貫通孔15は、上壁部11の長手方向一端部近傍に長手方向に沿って2つ設けられており、他端部近傍に長手方向に沿って2つ設けられている。また、上壁部11には後述する取付部材17を貫通させるための取付貫通孔16が長手方向に沿って複数設けられている。具体的には、長手方向一端部近傍に設けられた2つのばね貫通孔15のうち、長手方向中心部側に設けられたばね貫通孔15の長手方向中心部側端部近傍に1つ設けられており、長手方向他端部近傍に設けられた2つのばね貫通孔15のうち、長手方向中心部側に設けられたばね貫通孔15の長手方向中心部側端部近傍に1つ設けられている。
【0032】
ばね貫通孔15は、上面視において、長手方向及び短手方向にそれぞれ角部を備えるひし形形状を有しており、V字状係止ばね34が短手方向中心部に向けて弾性変形した状態でばね貫通孔15を貫通し、該貫通後に短手方向両端部へ復元した際に、V字状係止ばね34が短手方向に形成された角部と嵌合するように構成されている。また、ばね貫通孔15は、短手方向において、V字状係止ばね34の短手方向両端部への復元を許容できる長さで形成されており、具体的には、一方の上壁縁部11cの一部から他方の上壁縁部11cの一部に亘って形成されている。
【0033】
取付貫通孔16は、上面視において、長手方向に沿って延びる略長方形状に形成されている。具体的には、取付貫通孔16は、長手方向において、照明器具本体10を天井6に取り付ける際に、後述する取付部材17が天井裏に設けられたCチャンネル9と干渉しない位置に移動するのに十分な長さを有しており、短手方向において、ばね貫通孔15と略一致する長さを有している。
【0034】
また、
図2~
図4に示すように、上壁部11には天井6に設置された吊ボルト7を取り付けるための取付部材17が設けられており、該取付部材17は、取付貫通孔16に沿って移動可能に構成されている。また、取付部材17は、吊ボルト7を貫通させるための貫通孔を備える上面17aと、該上面17aの両端部から下方に向けて延びる一対の側面17bと、該側面17bから側壁部12側に向けて延びる下面17cとを備える下方に向けて開口する断面略凹状に形成されている。取付部材17は、吊ボルト7を取付部材17に取り付けた状態において、上面17a、側面17b及び上壁部11とで形成された空間内に該吊ボルト7のナット部7aを収容するように構成されている。
【0035】
また、取付部材17は、取付貫通孔16を下方から上方に向けて貫通する際に、取付部材17の下面17cが上壁縁部11cのうち、取付貫通孔16と側壁部12との間に形成された部分と係止するように構成されている。また、取付部材17は、長手方向及び短手方向において、取付貫通孔16を貫通可能な大きさで形成されており、具体的には、長手方向において、該取付貫通孔16よりも小さい長さを有している。
【0036】
図2及び
図4に示すように、取付部材17の一方の側面17bには、照明器具本体10を吊ボルト7に取り付けた状態において、取付部材17の上下移動を抑制可能な取付補助部材18が設けられている。具体的には、取付補助部材18は、上壁縁部11cのうち取付貫通孔16と側壁部12との間に形成された部分とに対向する中間部18aと、該中間部18aから上方に向けて延びる上側補助部18bと、中間部18aから下方に向けて延びる下側補助部18cとを備える断面略階段状に形成されており、該上側補助部18bと取付部材17の一方の側面17bとがねじ60cによって固定されることにより、上壁縁部11cのうち取付貫通孔16と側壁部12との間に形成された部分が中間部18aと干渉し、取付部材17の上下移動を抑制するように構成されている。
【0037】
取付部材17がこのような構成を備えていることにより、後述する収容凹部14内に吊ボルト7のナット部7aを収容する空間を設ける必要がなく、電源装置2と光源ユニット30とを照明器具本体10の短手方向に沿って配列することができるため、照明器具1の高さ方向の寸法(厚み)を小さくすることができる。
【0038】
側壁部12は、上壁部11の短手方向両端部から下方に向けて垂直に延びており、上壁部11の長手方向全域に亘って形成されている。また、側壁部12は、
図3及び
図6に示すように、照明器具1が天井6に取り付けられた状態において、天井裏のCチャンネル9と高さ方向において干渉しない長さで形成されている。具体的には、
図6に示すように、側壁部12の高さ方向の長さLは、天井板6aの下面とCチャンネル9の下端との間の範囲内、すなわち、高さ方向におけるMバー(M)の長さ(19mm)と天井板6aの厚み(9.5mm)を合わせた長さ(28.5mm)よりも短い長さで形成されている。より具体的には、側壁部12は、高さ方向において28.5mm以下で形成されることが好ましく高さ方向において25mm以下で形成されることがより好ましい。なお、側壁部12の高さ方向の長さLとは、係止部12bの上面から上壁縁部11cの上面までの長さである。
【0039】
また、
図2及び
図6に示すように、側壁部12は、該側壁部12の下端部から内側に向けて折り返して形成された返し部12aと、側壁部12の下端部から外側に垂直に延びる係止部12bとを備えている。具体的には、返し部12aは、側壁部12の下端部から内側上方に向けて折り曲げられた形状を有しており、側壁部12の長手方向全域に亘って形成されている。また、返し部12aは、光源ユニット30を照明器具本体10に装着した際に、下面視において、側壁部12と、収容凹部14に収容された光源ユニット30との隙間を埋めるよう構成されている。係止部12bは、側壁部12の長手方向全域に亘って形成されており、照明器具本体10を天井6に取り付ける際に、天井板6aと係止するように構成されている。
【0040】
図1及び
図4に示すように、端部カバー13は、照明器具本体10の長手方向両端部を閉鎖するように構成されており、ねじ60bによって側壁部12に固定される。また、端部カバー13の下端には、短手方向に延びる係止片13aが形成されており、照明器具本体10を天井6に取り付ける際に、天井板6aと係止するように構成されている。具体的には、係止片13aは、端部カバー13の下端から長手方向外側に向けて折れ曲がって形成されており、係止片13aの短手方向両端部が側壁部12の係止部12bの短手方向外側端部と一致する短手方向の長さを有している。
【0041】
なお、端部カバー13は、照明器具1が天井板6aに連続的に複数並べて設置される場合には、照明器具本体10の長手方向端部の内、照明器具1が連結されない部分にのみ形成される構成であっても良い。すなわち、複数の照明器具1の連結部分には、端部カバー13が形成されない構成であっても良い。
【0042】
図1に示すように、収容凹部14は、上壁部11、側壁部12及び端部カバー13によって形成された開放空間である。具体的には、収容凹部14は、電源装置2を収容可能な電源収容部19と、光源ユニット30を収容可能な光源ユニット収容部20とを備えている。収容凹部14は、一方の側壁部12側に該電源収容部19を備えており、短手方向の中央を境として左右非対称に形成されている。
【0043】
図2及び
図5に示すように、電源収容部19は、収容凹部14の一方の側壁部12側に形成された長手方向に沿って延びる長尺状の中空空間である。具体的には、電源収容部19は、一方の取付貫通孔16の長手方向中心部側端部近傍から他方の取付貫通孔16の長手方向中心部側端部近傍にかけて長尺状に形成されている。また、電源収容部19は、上壁部11の上壁中心部11aに対向する内側上壁部19aと、該内側上壁部19aから下方に向けて延びる内側側壁部19bと、該内側側壁部19bから電源収容部19が形成されている側壁部12に向けて延びる内側下壁部19cと、電源収容部19の長手方向両端部を閉鎖する電源収容部カバー(図示せず)とを備えている。
【0044】
また、電源収容部19は、一方の上壁縁部11cと、電源収容部19が形成されている側の側壁部12と、内側側壁部19bと、内側下壁部19cと、電源収容部カバーとで閉鎖された中空空間であり、該空間内に電源装置2を収容可能に形成されている。具体的には、電源収容部19は、短手方向において、収容凹部14の約3分の1の大きさを有している。また、電源収容部19は、返し部12aの上方に位置するように構成されている。具体的には、電源収容部19の内側下壁部19cが返し部12aの先端と接するように構成されている。
【0045】
内側上壁部19aは、短手方向において、照明器具本体10の中心部近傍から一方の傾斜部11bの傾斜始点まで水平に延びて形成されている。また、内側上壁部19aは、ねじ60aによって上壁中心部11aに固定されている。内側側壁部19bは、内側上壁部19aの傾斜部11b側端部から下方に向けて垂直に延びて形成されており、その下端部近傍が外側に折れ曲がって形成されている。また、内側側壁部19bの垂直に延びて形成された部分は、内側上壁部19aと略一致する長さを有しており、内側側壁部19bの外側に折れ曲がって形成された部分は、傾斜部11bと略一致する傾斜度及び長さを有している。内側下壁部19cは、内側側壁部19bの下端部から外側に向けて側壁部12まで水平に延びて形成されている。また、内側下壁部19cは、上壁縁部11cと略一致する長さにおいて形成されている。
【0046】
図2に示すように、光源ユニット収容部20は、収容凹部14のうち、電源収容部19を除いた部分で形成された空間である。具体的には、光源ユニット収容部20は、内側側壁部19bと、電源収容部19が形成されていない側の側壁部12と、該内側側壁部19bと側壁部12の間の上壁部11とで形成された開放空間である。
【0047】
図2に示すように、電源装置2は、電源収容部19に収容可能な大きさで形成されており、給電コネクタ3及び受電コネクタ4を介して後述する複数の光源31に電力を供給するように構成されている。具体的には、電源装置2は、電源収容部19に収容可能な長尺かつ長方形状に形成された電源基板(図示せず)と、電源基板に実装された種々の電源回路形成部品(図示せず)と、電源基板及び電源回路形成部品を覆う電源ケース部材(図示せず)とを備えている。また、電源装置2は、その下端が、基板32の下面よりも下方に位置するように配置されており、一方の側壁部12とねじ60dによって固定されている。
【0048】
電源基板は、長手方向において電源収容部19の長さを超えない長さを有する長尺かつ長方形状のプリント基板である。電源回路形成部品は、後述する複数の光源31の発光電力を生成するために必要な種々の回路部品である。電源ケース部材は、電源収容部19内に収容可能な短手方向の長さと、電源基板の長手方向の長さと略同じ長手方向の長さとを有する長尺かつ略半円筒状に形成された金属製のカバー部材であり、電源回路形成部品が実装された電源基板の長手方向の端部を除く周囲を覆うよう構成されている。
【0049】
図5に示すように、給電コネクタ3は、電源装置2が設けられている側の側壁部12に設けられており、短手方向において、上壁縁部11cと略一致する長さを有している。また、給電コネクタ3は、光源ユニット30に設けられた受電コネクタ4と接続可能に構成されている。電源端子台5は、施設の電力源と、電源装置2の配線とを結線する端子台である。
【0050】
電源装置2の一方の端部は、給電コネクタ3と配線で接続されており、他方の端部は、電源装置2が設けられていない側の側壁部12に設けられた電源端子台5と配線で接続されている。また、電源装置2が設けられていない側の側壁部12には、電源端子台5と電源装置2とを電気的に接続するための配線が貫通可能な配線貫通孔が形成されている。
【0051】
[光源ユニットの構成]
図1及び
図7に示すように、光源ユニット30は、長手方向に沿って延びる長尺状に形成されており、照明器具本体10の収容凹部14内に着脱可能に構成されている。具体的には、
図2に示すように、照明器具本体10のうち、電源収容部19と、該電源収容部19が形成されていない他方の側壁部12との間、すなわち、光源ユニット収容部20内に装着されるように構成されている。また、光源ユニット30は、ユニット本体40と、長手方向に沿って光源31が配置された長尺状の基板32と、ユニット本体40の長手方向両端部を閉鎖するサイドカバー33と、ユニット本体40を照明器具本体10に対して取り付けるためのV字状係止ばね34とを備えている。
【0052】
図2及び
図7に示すように、ユニット本体40は、長手方向において照明器具本体10と略一致する長さを有する長尺状に形成されており、
図2に示すように、照明器具本体10の収容凹部14に装着される際に、電源収容部19と干渉しない形状を有している。具体的には、ユニット本体40は、上面部41と、該上面部41から下方に向けて延出する側面部42と、複数の光源31から出射された光を拡散するための拡散部材43bを有する下面部43とを備える断面略台形状に形成されている。上面部41は、その上面が、照明器具本体10に装着された際に上壁部11と対向し、かつ、その下面側において、基板32を保持するよう構成されている。また、ユニット本体40は、上面部41と下面部43とが高さ方向において近接しないように構成されている。
【0053】
なお、本実施形態において、ユニット本体40のうち、拡散部材43bを除いた部分は、例えばアルミニウム等の材料によって一体成形に形成されるものとして説明するが、これに限定されず、例えば上面部41、側面部42及び下面部43が別部材として構成されていても良い。
【0054】
図7及び
図8に示すように、上面部41の上面には、後述する取付金具35と係合可能なレール部41aがユニット本体40の長手方向に沿って形成されている。具体的には、レール部41aは、上面部41の短手方向一端部から上方に向けて突出し、その上端が外側に折れ曲がって形成された断面略フック形状を有しており、取付金具35がユニット本体40の長手方向一端部から長手方向に沿って挿入されることで、後述する取付金具35の係合面35bとレール部41aのフック部分とが係合するように構成されている。
【0055】
図2及び
図8に示すように、上面部41の下面には、基板32が配置されており、ねじ60eによって上面部41と固定されている。基板32は、短手方向の一端部側において、複数の光源31が長手方向に沿って配置されており、短手方向の他端部側に、ねじ60eを貫通させるためのねじ貫通孔が形成されている。具体的には、基板32は、複数の光源31からなる光源列を中心として、電源収容部19側の端部までの短手方向の距離が、これとは反対側の端部までの短手方向の距離よりも小さい左右非対称の構成を有している。基板32は、このように、複数の光源31からなる光源列が電源収容部19側に寄った左右非対称の構成を有することにより、光源ユニット30が収容凹部14に対して装着された状態において、基板32が照明器具本体10の短手方向中心部に位置するように構成されている。上面部41は、短手方向において、照明器具本体10の内側側壁部19bと電源収容部19が設けられていない側の側壁部12との間に収容可能な長さを有している。また、上面部41は、電源収容部19と並列に配置されている。具体的には、上面部41の下面に配置された基板32と電源収容部19に収容された電源装置2とが、照明器具本体10内部において、照明器具本体10の短手方向に沿って配列されるように構成されている。
【0056】
図7及び
図8に示すように、側面部42は、光源ユニット30が収容凹部14に対して装着された際に、電源収容部19側に位置する電源収容部側側面部42aと、電源収容部19が設けられていない側の側壁部12側に位置する側壁部側側面部42bとを有している。電源収容部側側面部42aは、上面部41の端部から下方に向けて外側に折れ曲がって形成されており、光源ユニット30が収容凹部14に対して装着された状態において、電源収容部19の内側側壁部19bの一部及び内側下壁部19cの一部と一致する形状を有している。また、側壁部側側面部42bは、上面部41の端部から下方に向けて垂直に延びて形成されている。すなわち、ユニット本体40は、短手方向の中央を境として左右非対称に形成されている。
【0057】
図7に示すように、電源収容部側側面部42aの外側には、給電コネクタ3と電気的に接続し、配線を介して複数の光源31に電力を供給するための受電コネクタ4が配置されている。具体的には、受電コネクタ4は、光源ユニット30が照明器具本体10に対して装着された際に、給電コネクタ3と接続可能な位置に配置されており、金具等の種々の固定部材により、ユニット本体40に固定される。
【0058】
図2及び
図7に示すように、下面部43は、側面部42の下端に形成された短手方向左右一対の保持部43aと、該保持部43aに対して取り付け可能に構成された拡散部材43bとを有している。保持部43aは、外側に斜面を有する断面略三角形状に形成されており、光源ユニット30が収容凹部14に対して装着された状態において、保持部43aの該斜面が保持部43aの上方に位置する側壁部12の返し部12aと一致する形状を有しており、保持部43aの底面が係止部12bの底面と水平になるように形成されている。また、保持部43aの内側には短手方向中心部に向けて開口する断面略コの字状の開口が形成されており、長手方向一端部から挿入された拡散部材43bを保持可能に構成されている。
【0059】
拡散部材43bは、長手方向に沿って延びる長尺の長方形状かつ、板状に形成されており、保持部43aに対して挿入可能に構成されている。具体的には、拡散部材43bは、例えば、ポリカーボネート等の材料によって形成されており、光源31から出射した光を外部に拡散させるように構成されている。
【0060】
図8に示すように、基板32は、ユニット本体40の上面部41に収容可能な幅方向の長さを有しており、上面部41の長手方向全域に亘って形成された長方形状かつ、シート状に形成されている。また、基板32の下面には光源31が長手方向に沿って1列に配置されている。なお、光源31は、長手方向に沿って2列以上配置されていてもよい。また、基板32は、光源31が2列以上配置されている場合には1枚の基板32に光源31が2列配されても良いし、2枚以上の基板32に光源31がそれぞれ配されても良い。基板32の長手方向の一端部側は、配線によって受電コネクタ4と電気的に接続されており、電源装置2から供給される電力によって、複数の光源31から光を出射するように構成されている。
【0061】
図7に示すように、サイドカバー33は、光源ユニット30の長手方向両端部を閉鎖するように構成されている。具体的には、サイドカバー33は、光源ユニット30の長手方向端部とねじ60fによって固定されている。また、一方のサイドカバー33には基板32と受電コネクタ4を配線によって電気的に接続するための貫通孔が形成されている。
【0062】
図7に示すように、V字状係止ばね34は、コイル状に形成された中央部34aと、該中央部34aから短手方向外側に向けて突出する左右一対の突出部34bとを備える全体として略V字状に形成されている。各突出部34bの端部には、照明器具本体10に対して光源ユニット30を仮止めするための仮止め部34cが形成されている。
【0063】
また、V字状係止ばね34は、突出部34bが短手方向中心部に向けて弾性変形した状態でばね貫通孔15を貫通し、該貫通した状態で短手方向両外側へ復元することで照明器具本体10に取り付け可能に構成されている。具体的には、V字状係止ばね34は、突出部34bに対して短手方向中心部側に外圧が加わることで、該突出部34bが短手方向中心部に向けて弾性変形し、該弾性変形した状態において、照明器具本体10のばね貫通孔15を貫通し、該貫通した後に外圧が解除されることにより短手方向外側に向けて復元し、該突出部34bがばね貫通孔15の短手方向端部に形成された角部と係合することで照明器具本体10に対して取り付け可能に構成されている。
【0064】
また、
図7に示すように、V字状係止ばね34の下端には、該V字状係止ばね34と、ユニット本体40とを結合可能な取付金具35が設けられており、該取付金具35は、ユニット本体40に対して、V字状係止ばね34を長手方向に移動可能に構成されている。また、取付金具35は、ユニット本体40の上面部41と対向する取付面35aと、該取付面35aから下方に延びる一対の係合面35bとを有する下方に向けて開口する断面略凹状に形成されている。
【0065】
また、取付金具35の長手方向中心部近傍かつ短手方向両端部には、取付面35aから係合面35bにかけて貫通孔が形成されており、V字状係止ばね34が取付金具35の短手方向両端部に形成された該貫通孔を貫通し、取付面35aを軸としてコイル状に中央部34aを形成することで、V字状係止ばね34を取り付け可能に構成されている。
【0066】
また、取付金具35は、ユニット本体40に対して取り付け可能に構成されている。具体的には、取付金具35は、一方の係合面35bが短手方向中心部側に向けて折れ曲がって形成されており、取付金具35長手方向一端部から上面部41に対して挿入された状態において、係合面35bの該折れ曲がって形成された部分と上面部41のレール部41aのフック部分とが係合することで、ユニット本体40に対して取り付け可能に構成されている。取付金具35は、該取り付けた後、ユニット本体40の上面部41に設けられた複数のねじ60gの設置幅内において、上面部41を長手方向に沿って移動可能に構成されている。
【0067】
なお、V字状係止ばね34及び取付金具35は、ユニット本体40の長手方向に沿って複数配置されている。具体的には、V字状係止ばね34及び取付金具35は、上面部41の長手方向一端部近傍に1つ設けられており、他端部近傍に1つ設けられている。
【0068】
[照明器具の使用方法]
次に、第1実施形態に係る照明器具1の使用例について説明する。
図9に示すように、第1実施形態に係る照明器具1は、天井板6aに照明器具1を隙間なく連続的に複数並べて設置することが可能である。このように複数の照明器具1を直列的に設置する場合には、複数の照明器具1全体の長さが所望の長さとなるように、異なる長さの照明器具1を適宜組み合わせても良い。例えば、直列的に並べられた複数の照明器具1のうち、両端部に配置される端部用照明器具1と、これらの間に配置される連結用照明器具1とで、異なる長さとしても良く、また、長さの異なる複数種類の連結用照明器具1を用意し、これらを適宜組み合わせて所望の長さを実現しても良い。また、端部用照明器具1と連結用照明器具1との間や、連結用照明器具1同士の間には、端部カバー13が設けられなくても良いし、これらの間が接続パーツ(図示せず)により連結される構成であっても良い。
【0069】
天井板6aに対して照明器具1を設置するためには、まず、天井6に設けられた取付孔6bに対して、照明器具本体10を側壁部12の係止部12bが天井板6aに接触するまで挿入する。該挿入する際に、天井裏に設置された吊ボルト7を取付部材17の上面17aに形成された貫通孔に貫通させ、取付貫通孔16を介して吊ボルト7のねじ部(図示せず)にナット部7aを螺合させて、ナット部7aと上面17aを係止させる。このようにして、照明器具本体10は、天井6に取り付けられる。そして、該照明器具本体10の天井6への取り付けが完了した後、照明器具本体10の電源端子台5と施設の電力源とを配線で接続する。
【0070】
次に、光源ユニット30のV字状係止ばね34を短手方向中心部に向けて弾性変形させた状態で収容凹部14に対して光源ユニット30を挿入し、V字状係止ばね34の仮止め部34cを照明器具本体10のばね貫通孔15内に挿入させる。この挿入後に、V字状係止ばね34の弾性変形を復元させ、V字状係止ばね34の仮止め部34cを照明器具本体10のばね貫通孔15に引っ掛けることで、光源ユニット30を照明器具本体10に対して仮止めする。そして、照明器具本体10の給電コネクタ3と光源ユニット30の受電コネクタ4を接続する。その後、照明器具本体10に対して光源ユニット30全体を押し上げることで、V字状係止ばね34がばね貫通孔15からの反力により弾性変形しつつばね貫通孔15を貫通し、V字状係止ばね34の一対の突出部34b間の幅がばね貫通孔15の幅を下回った際にV字状係止ばね34が復元する。そして、該V字状係止ばね34の復元により、V字状係止ばね34の一対の突出部34bの基端側がばね貫通孔15に係止することで、照明器具本体10に対して光源ユニット30が装着される。なお、光源ユニット30の取り外し方法は、上記取り付け手順と逆の手順により行うことができるため、説明を省略する。
【0071】
[第1実施形態に係る照明器具の利点]
このように、第1実施形態に係る照明器具1は、設置箇所に取り付けられる長尺状の照明器具本体10と、長手方向に沿って光源31が配置された長尺状の基板32を備える長尺状の光源ユニット30と、光源31に電力を供給する電源装置2とを備え、基板32と電源装置2とが、照明器具本体10内部において、照明器具本体10の短手方向に沿って配列されるように構成されている。
【0072】
このような構成を備える照明器具1によれば、基板32と電源装置2が光源ユニット30の短手方向に沿って配列されるため、高さ方向において照明器具1の寸法(厚み)が大きくなることを防止することができる。したがって、天井裏で照明器具1がCチャンネル9と干渉することを防止することができ、Cチャンネル9を避けて照明器具を設置する必要がないため、天井6に設置された照明器具1間に大きな隙間が生じず、複数の照明器具によって一本の筋状の照明光を作出するようなデザイン性の高い照明態様を実現することができる。
【0073】
また、第1実施形態に係る照明器具1において、照明器具本体10は、上壁部11と、該上壁部11の短手方向両端部から下方に向けて延出する側壁部12とを有する収容凹部14を備え、該収容凹部14は、電源装置2を収容可能な電源収容部19を備え、電源収容部19は、収容凹部14の一方の側壁部12側に形成された長手方向に沿って延びる長尺状の中空空間であり、光源ユニット30は、収容凹部14内に着脱可能に構成されており、かつ、該収容凹部14に装着される際に、電源収容部19と干渉しない形状を有している。
【0074】
このような構成を備える照明器具1によれば、側壁部12の高さの幅内で電源装置2及び光源ユニット30を収容できるため、照明器具1の高さ方向の厚みを小さくすることができ、照明器具1が設置箇所から大きく突出することを防ぐことができる。
【0075】
さらに、第1実施形態に係る照明器具1において、光源ユニット30は、電源収容部19と、該電源収容部19が形成されていない他方の側壁部12との間に装着されている。
【0076】
このような構成を備える照明器具1によれば、光源ユニット30と電源装置2が高さ方向において並列に収容されないため、照明器具1の高さ方向の厚みを小さくすることができる。
【0077】
またさらに、第1実施形態に係る照明器具1において、照明器具本体10は、側壁部12の下端部から内側に向けて折り返して形成された返し部12aを更に備え、返し部12aは、下面視において、側壁部12と、収容凹部14に収容された光源ユニット30との隙間を埋めるよう構成されている。
【0078】
このような構成を備える照明器具1によれば、天井6に設置した照明器具1を点灯させた状態において、側壁部12と光源ユニット30との間に影が生じないため、デザイン性の高い照明態様を実現することができる。
【0079】
加えて、第1実施形態に係る照明器具1において、電源収容部19は、返し部12aの上方に位置されている。
【0080】
このような構成を備える照明器具1によれば、電源収容部19は、上壁部11と返し部12aの幅内で形成されるため、照明器具1の高さ方向の厚みを小さくすることができる。
【0081】
また、第1実施形態に係る照明器具1において、光源ユニット30は、短手方向の中央を境として左右非対称に形成されている。
【0082】
このような構成を備える照明器具1によれば、光源ユニット30と電源装置2が高さ方向において干渉することなく、光源ユニット30を照明器具本体10に取り付けることができるため、照明器具1の高さ方向の厚みを小さくすることができる。
【0083】
さらに、第1実施形態に係る照明器具1において、電源装置2の下端が、基板32の下面よりも下方に位置されている。
【0084】
このような構成を備える照明器具1によれば、基板32と拡散部材43bとの距離を確保することができるため、点灯ムラを抑制することができる。
【0085】
またさらに、第1実施形態に係る照明器具1において、光源ユニット30は、照明器具本体10に装着された際に上壁部11と対向し、基板32を保持可能な上面部41と、複数のLEDから出射された光を拡散するための拡散部材43bを有する下面部43とを更に備えている。
【0086】
このような構成を備える照明器具1によれば、基板32と拡散部材43bとの距離を大きく確保することができるため、点灯ムラを大幅に軽減することができる。
【0087】
[変形例]
本発明に係る照明器具は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想を逸脱しない範囲内において種々の改変を行なうことができる。
【0088】
[第2実施形態]
第2実施形態に係る照明器具100について説明する。なお、第1実施形態に係る照明器具1と同一部材のものについては、同一の符号で説明するものとする。また、第2実施形態に係る照明器具100の使用方法については、第1実施形態に係る照明器具1の使用方法と同一であるため、その説明を省略する。第2実施形態に係る照明器具100は、光源ユニット30が導光パネル50を更に備えている点で第1実施形態に係る照明器具1と相違する。
【0089】
図10及び
図11に示すように、導光パネル50は、長手方向に沿って延びる長尺状に形成されており、長手方向において、下面部43と同一の長さを有する。具体的には、導光パネル50は、光源31と対向する入射面51と、該入射面51から下方に向けて延びる導光部52とを有する断面長方形状に形成されている。また、導光パネル50は、例えば、アクリル樹脂等の材料によって形成されている。
【0090】
図11に示すように、入射面51は、短手方向において基板32に配列された光源31と略一致する幅を有しており、入射面51に対して複数の光源31から出射された光が入射するように構成されている。また、導光部52は、入射面51に対して入射された光を側面から上方及び下方に向けて拡散するように構成されている。
【0091】
図11に示すように、導光パネル50は、下面部43に設けられた挿入孔に挿入されることによって、下面部43に取り付け可能に構成されている。具体的には、下面部43の拡散部材43bが短手方向中心部近傍で上方に向けて折れ曲がることで、導光パネル50を挿入可能な大きさを有する挿入孔が形成され、該挿入孔に導光パネル50を挿入した後、導光パネル50及び折れ曲がった一対の拡散部材43bをねじ60hによって固定することで、導光パネル50は、下面部43に対して取り付け可能に構成されている。
【0092】
[第2実施形態に係る照明器具の利点]
第2実施形態に係る照明器具100において、光源ユニット30は、複数のLEDと対向する入射面51と、該入射面51から下方に向けて延びる導光部52とを有する導光パネル50を更に備えている。
【0093】
このような構成を備える照明器具100によれば、照明器具100から出射される光が下方だけでなく、上方にも拡散されるため、より広範囲に光を拡散させることができる。
【0094】
[その他の変形例]
例えば、上述した実施形態では、電源収容部19は、収容凹部14の一方の側壁部12側に形成されているものとして説明したが、これに限定されず、例えば、両方の側壁部12側に形成されていてもよい。
【0095】
また、上述した実施形態では、照明器具本体10は、側壁部12の下端部から内側に向けて折り返して形成された返し部12aを更に備えており、該返し部12aは、下面視において、側壁部12と、収容凹部14に収容された光源ユニット30との隙間を埋めるよう構成されているものとして説明したが、これに限定されず、側壁部12と、光源ユニット30との隙間を埋めることができれば、他の構成であっても良い。
【0096】
さらに、上述した実施形態では、光源ユニット30は、短手方向の中央を境として左右非対称に形成されているものとして説明したが、これに限定されず、基板32と電源装置2が短手方向に沿って配列されていればよく、光源ユニット30が左右対称に形成されていても良い。
【0097】
また、上述した実施形態では、光源ユニット30は、V字状係止ばね34によって、照明器具本体10に取り付けられるものとして説明したが、これに限定されず、種々の公知の部材によって照明器具本体10に取り付けられる態様であっても良い。
【符号の説明】
【0098】
1、100 照明器具、2 電源装置、3 給電コネクタ、4 受電コネクタ、5 電源端子台、6 天井、6a 天井板、6b 取付孔、7、8 吊ボルト、7a ナット部、9 Cチャンネル、M Mバー、10 照明器具本体、11 上壁部、11a 上壁中心部、11b 傾斜部、11c 上壁縁部、12 側壁部、12a 返し部、12b 係止部、13 端部カバー、13a 係止片、14 収容凹部、15 ばね貫通孔、16 取付貫通孔、17 取付部材、17a 上面、17b 側面、17c 下面、18 取付補助部材、18a 中間部、18b 上側補助部、18c 下側補助部、19 電源収容部、19a 内側上壁部、19b 内側側壁部、19c 内側下壁部、20 光源ユニット収容部、30 光源ユニット、31 光源、32 基板、33 サイドカバー、34 V字状係止ばね、34a 中央部、34b 突出部、34c 仮止め部、35 取付金具、35a 取付面、35b 係合面、40 ユニット本体、41 上面部、41a レール部、42 側面部、42a 電源収容部側側面部、42b 側壁部側側面部、43 下面部、43a 保持部、43b 拡散部材、50 導光パネル、51 入射面、52 導光部、60a~h ねじ