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特開2023-21866家賃保証システム、家賃保証方法及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023021866
(43)【公開日】2023-02-14
(54)【発明の名称】家賃保証システム、家賃保証方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/16 20120101AFI20230207BHJP
   G06Q 20/14 20120101ALI20230207BHJP
【FI】
G06Q50/16
G06Q20/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021127004
(22)【出願日】2021-08-02
(71)【出願人】
【識別番号】516299431
【氏名又は名称】アラームボックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140866
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 武史
(74)【代理人】
【識別番号】100133787
【弁理士】
【氏名又は名称】長沢 幸男
(72)【発明者】
【氏名】武田 浩和
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 貴博
(72)【発明者】
【氏名】牛島 文朗
【テーマコード(参考)】
5L049
5L055
【Fターム(参考)】
5L049CC27
5L055AA32
(57)【要約】
【課題】家賃保証を行う際の賃借人と賃貸人等の手間と時間を削減することを可能とする。
【解決手段】家賃保証システム1は、賃借人に賃貸物件を提供する賃貸人又は賃貸物件を管理する管理者である被保証者に操作される被保証者端末2に接続され、賃貸物件の家賃を保証する家賃保証を行い、被保証者端末2から、賃借人に関する賃借人情報を受信する受信手段10と、被保証者端末から受信した賃借人情報に基づき、家賃保証が可能か否かの家賃保証可否判定を行う家賃保証可否判定手段11と、家賃保証可否判定の結果に基づき、被保証者と賃貸物件の家賃を保証する保証者との2者間での契約のみで、賃借人と当該保証者とによる家賃保証の契約無しで、家賃保証を行うか否かを判定する家賃保証判定手段15と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
賃借人に賃貸物件を提供する賃貸人又は前記賃貸物件を管理する管理者である被保証者に操作される被保証者端末に接続され、前記賃貸物件の家賃を保証する家賃保証を行うための家賃保証システムであって、
前記被保証者端末から、賃借人に関する賃借人情報を受信する受信手段と、
前記被保証者端末から受信した前記賃借人情報に基づき、前記家賃保証が可能か否かの家賃保証可否判定を行う家賃保証可否判定手段と、
前記家賃保証可否判定の結果に基づき、被保証者と前記賃貸物件の家賃を保証する保証者との2者間での契約のみで、賃借人と当該保証者とによる前記家賃保証の契約無しで、前記家賃保証を行うか否かを判定する家賃保証判定手段と、を備えることを特徴とする家賃保証システム。
【請求項2】
前記家賃保証可否判定手段は、家賃保証が可能と判定した場合に、承認情報を生成し、
前記承認情報を、前記被保証者端末に送信する承認情報送信手段を、更に備え、
前記受信手段は、前記被保証者端末から、前記承認情報を含み、前記家賃保証の実行を要求する家賃保証実行要求情報を受信し、
前記家賃保証判定手段は、前記家賃保証実行要求情報に含まれる前記承認情報と、前記家賃保証可否判定手段が生成した前記承認情報とを対比し、これらの前記承認情報が互いに一致した場合に、前記家賃保証を行うと判定することを特徴とする請求項1に記載の家賃保証システム。
【請求項3】
前記家賃保証を行うための保証料を設定する保証料設定手段と、
前記家賃保証判定手段が、前記家賃保証を行うと判定した場合に、前記保証料設定手段が設定した前記保証料を示す保証料情報を、前記被保証者端末に送信する保証料情報送信手段と、
前記保証料情報が示す前記保証料を、被保証者から受領したことを示す保証料受領情報を受け付ける保証料受領情報受付手段と、を更に備え、
前記受信手段は、前記被保証者端末から、前記賃貸物件に関する情報である賃貸物件情報を受信し、
前記保証料設定手段は、前記賃貸物件情報に基づき、前記保証料を設定し、
前記家賃保証判定手段は、前記家賃保証を行うと判定した後、所定のタイミングまでに、前記保証料受領情報受付手段が、前記保証料受領情報を受け付けなかった場合に、前記家賃保証を停止すると判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の家賃保証システム。
【請求項4】
賃借人に賃貸物件を提供する賃貸人又は前記賃貸物件を管理する管理者である被保証者に操作される被保証者端末に接続され、前記賃貸物件の家賃を保証する家賃保証を行うための家賃保証システムが実行する方法であって、
前記被保証者端末から、賃借人に関する賃借人情報を受信するステップと、
前記被保証者端末から受信した前記賃借人情報に基づき、前記家賃保証が可能か否かの家賃保証可否判定を行うステップと、
前記家賃保証可否判定の結果に基づき、被保証者と前記賃貸物件の家賃を保証する保証者との2者間での契約のみで、賃借人と当該保証者とによる前記家賃保証の契約無しで、前記家賃保証を行うか否かを判定するステップと、を含むことを特徴とする家賃保証方法。
【請求項5】
賃借人に賃貸物件を提供する賃貸人又は前記賃貸物件を管理する管理者である被保証者に操作される被保証者端末に接続され、前記賃貸物件の家賃を保証する家賃保証を行うための家賃保証システムを、
前記被保証者端末から、賃借人に関する賃借人情報を受信する受信手段、
前記被保証者端末から受信した前記賃借人情報に基づき、前記家賃保証が可能か否かの家賃保証可否判定を行う家賃保証可否判定手段、
前記家賃保証可否判定の結果に基づき、被保証者と前記賃貸物件の家賃を保証する保証者との2者間での契約のみで、賃借人と当該保証者とによる前記家賃保証の契約無しで、前記家賃保証を行うか否かを判定する家賃保証判定手段、として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、賃貸物件の家賃を保証する家賃保証を行うための家賃保証システム、家賃保証方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、賃貸物件を賃借する賃借人は、賃貸物件を提供する賃貸人又は賃貸物件を管理する管理者(以下、「賃貸人等」ともいう。)に、家賃を支払う。このような家賃の支払いが滞った場合、賃借人の代わりに、賃貸物件の家賃を保証する保証者(家賃保証会社等)が、滞った家賃を、賃貸人等に支払う家賃保証が行われている。
このような家賃保証は、賃借人と、賃貸人等と、保証者との3者間において、家賃保証の契約が締結されることで実現されている。
【0003】
このような家賃保証として、特許文献1には、ユーザ(賃借人)が、管理会社を介して賃貸借契約を締結し、賃貸借契約の際に家賃保証サービスを利用する場合、ユーザが、家賃保証会社と保証委託契約を締結することが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-061093号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、賃借人は速やかに賃貸物件に入居したく、賃貸人等は速やかに家賃を得たいという要望がある。このため、賃借人と賃貸人等は、速やかに賃貸借契約を成立させることが望まし。家賃保証を行う際には、この賃貸借契約を踏まえて、保証者と家賃保証の契約が可能か否かを速やかに判定し、家賃保証の契約を成立させる必要がある。
【0006】
しかしながら、従来のように、家賃保証を行う際に、賃借人と、賃貸人等と、保証者との3者間での契約を行っていると、家賃保証を行うためには、賃借人と保証者との間における保証委託契約と、賃貸人等と保証者との間における保証契約と、が必要である。ところが、一般的に、賃借人は、保証委託契約に慣れておらず、スムーズに契約を成立させることが困難である。このような場合に、例えば、賃貸人等が、賃借人の保証委託契約の手続きを代行した場合、賃貸人等の作業負担が増大する。
このように、家賃保証を行うための複数の契約は、手間と時間がかかり、賃借人と賃貸人等との、速やかな賃貸借契約や家賃保証契約の成立を妨げていた。
【0007】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、家賃保証を行う際の賃借人と賃貸人等の手間と時間を削減することが可能な家賃保証システム、家賃保証方法及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1) 賃借人に賃貸物件を提供する賃貸人又は前記賃貸物件を管理する管理者である被保証者に操作される被保証者端末に接続され、前記賃貸物件の家賃を保証する家賃保証を行うための家賃保証システムであって、
前記被保証者端末から、賃借人に関する賃借人情報を受信する受信手段と、
前記被保証者端末から受信した前記賃借人情報に基づき、前記家賃保証が可能か否かの家賃保証可否判定を行う家賃保証可否判定手段と、
前記家賃保証可否判定の結果に基づき、被保証者と前記賃貸物件の家賃を保証する保証者との2者間での契約のみで、賃借人と当該保証者とによる前記家賃保証の契約無しで、前記家賃保証を行うか否かを判定する家賃保証判定手段と、を備えることを特徴とする家賃保証システム。
【0009】
(1)の発明では、家賃保証システムは、賃借人に賃貸物件を提供する賃貸人又は賃貸物件を管理する管理者である被保証者に操作される被保証者端末に接続され、賃貸物件の家賃を保証する家賃保証を行うために、受信手段と、家賃保証可否判定手段と、家賃保証判定手段と、を備える。
受信手段は、被保証者端末から、賃借人に関する賃借人情報を受信する。
家賃保証可否判定手段は、被保証者端末から受信した賃借人情報に基づき、家賃保証が可能か否かの家賃保証可否判定を行う。
家賃保証判定手段は、家賃保証可否判定の結果に基づき、被保証者と賃貸物件の家賃を保証する保証者との2者間での契約のみで、賃借人と当該保証者とによる家賃保証の契約無しで、家賃保証を行うか否かを判定する。
【0010】
(1)の発明によれば、家賃保証システムは、賃借人に賃貸物件を提供する賃貸人又は賃貸物件を管理する管理者である被保証者に操作される被保証者端末から受信した賃借人情報に基づく家賃保証可否判定の結果に基づき、被保証者と賃貸物件の家賃を保証する保証者との2者間での契約のみで、賃借人と当該保証者とによる家賃保証の契約無しで、家賃保証を行うか否かを判定する。
【0011】
ここで、従来のように、家賃保証を行う際に、賃借人(入居者)と、賃借人に賃貸物件を提供する賃貸人又は賃貸物件を管理する管理者(以下、「賃貸人等」ともいう。)と、家賃を保証する保証者との3者間での契約により、家賃保証を行う場合、賃借人は保証者と家賃保証委託契約を結び、賃貸人等は、保証者と保証契約を結ぶ。そして、賃借人と賃貸人等とは、このような家賃保証に関する契約を前提とした賃貸借契約を結ぶ。また、一般的には、賃借人は、契約等の手続きに慣れていないので、賃貸人等は、家賃保証委託契約の手続きについて、賃借人及び保証会社の代行をする。
【0012】
(1)の発明により、賃借人と保証者との保証委託契約無しで、家賃保証を行うことが可能となるので、賃借人は保証者と契約する必要が無く、賃貸人等は賃借人と保証者との保証委託契約を代行する必要が無くなる。
したがって、家賃保証を行う際の賃借人と賃貸人等の手間と時間を削減することが可能となる。
【0013】
また、例えば、既に、賃借人と賃貸人等とで、家賃保証無しで、賃貸借契約が行われており、後から家賃保証を行う場合、従来のように、家賃保証に、3者間での契約が必要であると、賃借人と賃貸人等との間で結ばれている賃貸借契約の内容を、3者間での家賃保証に関する契約を前提とした内容に変更する必要がある。しかしながら、新たに生ずる費用や手続きの負担に対する賃借人の抵抗を考慮すると、既に、賃貸借契約が行われている場合に、従来のように、家賃保証に、3者間での契約が必要であると、後から家賃保証を行うことは極めて困難であった。
【0014】
(1)の発明によれば、賃借人と保証者との保証委託契約無しで、家賃保証を行うことが可能となるので、賃借人は保証者と家賃保証委託契約をする必要が無いので、既に行われている賃借人と賃貸人等との間で結ばれている賃貸借契約の内容を、家賃保証委託契約を前提とした内容に変更する必要がなく、賃貸人と保証者との保証契約だけで、家賃保証を行うことが可能となる。
よって、既に、賃借人と賃貸人等とで、家賃保証無しで、賃貸借契約が行われている場合に、後から家賃保証を行う場合に、後から、家賃保証を行うことが容易となる。
【0015】
(2) 前記家賃保証可否判定手段は、家賃保証が可能と判定した場合に、承認情報を生成し、
前記承認情報を、前記被保証者端末に送信する送信手段を、更に備え、
前記受信手段は、前記被保証者端末から、前記承認情報を含み、前記家賃保証の実行を要求する家賃保証実行要求情報を受信し、
前記家賃保証判定手段は、前記家賃保証実行要求情報に含まれる前記承認情報と、前記家賃保証可否判定手段が生成した前記承認情報とを対比し、これらの前記承認情報が互いに一致した場合に、前記家賃保証を行うと判定することを特徴とする(1)に記載の家賃保証システム。
【0016】
(2)の発明では、家賃保証システムは、家賃保証可否判定手段が、家賃保証が可能と判定した場合に、承認情報を生成し、送信手段を、更に備える。
送信手段は、承認情報を、被保証者端末に送信する。
受信手段は、被保証者端末から、承認情報を含み、家賃保証の実行を要求する家賃保証実行要求情報を受信する。
そして、家賃保証判定手段は、家賃保証実行要求情報に含まれる承認情報と、家賃保証可否判定手段が生成した承認情報とを対比し、これらの承認情報が互いに一致した場合に、家賃保証を行うと判定する。
【0017】
(2)の発明によれば、予め、家賃保証が可能と判定した場合に、承認情報を生成し、被保証者端末に送信する。そして、被保証者端末から受信した家賃保証実行要求情報に含まれる承認情報が、予め送信した承認情報と一致した場合に、家賃保証を行う。
【0018】
これにより、予め、賃借人に対して家賃保証が可能であることを示す承認情報を被保証者端末に送信することで、被保証者端末の操作者である賃貸人や管理者は、家賃保証を前提とした賃借人との賃貸借契約を進めることができ、また、受信した承認情報を含む家賃保証実行要求情報を、家賃保証システムに送信することで、保証者との家賃保証契約もスムーズに進めることができる。
【0019】
(3) 前記家賃保証を行うための保証料を設定する保証料設定手段と、
前記保証料設定手段が設定した前記保証料を示す保証料情報を、前記被保証者端末に送信する保証料情報送信手段と、
前記保証料情報が示す前記保証料を、被保証者から受領したことを示す保証料受領情報を受け付ける保証料受領情報受付手段と、を更に備え、
前記受信手段は、前記被保証者端末から、前記賃貸物件に関する情報である賃貸物件情報を受信し、
前記保証料設定手段は、前記賃貸物件情報に基づき、前記保証料を設定し、
前記家賃保証判定手段は、前記家賃保証を行うと判定した後、所定のタイミングまでに、前記保証料受領情報受付手段が、前記保証料受領情報を受け付けなかった場合に、前記家賃保証を停止すると判定することを特徴とする(1)又は(2)に記載の家賃保証システム。
【0020】
(3)の発明では、家賃保証システムは、保証料設定手段と、保証料情報送信手段と、保証料受領情報受付手段と、を更に備える。

保証料設定手段は、家賃保証を行うための保証料を設定する。
保証料情報送信手段は、保証料設定手段が設定した保証料を示す保証料情報を、被保証者端末に送信する。
保証料受領情報受付手段は、保証料情報が示す保証料を、被保証者から受領したことを示す保証料受領情報を受け付ける。
受信手段は、被保証者端末から、賃貸物件に関する情報である賃貸物件情報を受信する。
保証料設定手段は、賃貸物件情報に基づき、保証料を設定する。
家賃保証判定手段は、家賃保証を行うと判定した後、所定のタイミングまでに、保証料受領情報受付手段が、保証料受領情報を受け付けなかった場合に、家賃保証を停止すると判定する。
【0021】
(3)の発明によれば、家賃保証システムは、被保証者端末から受信した賃貸物件に関する情報である賃貸物件情報に基づき、保証料を設定し、この保証料を示す保証料情報を被保証者端末に送信する。そして、家賃保証システムは、家賃保証を行うと判定した後、所定のタイミングまでに、保証料受領情報受付手段が、保証料受領情報を受け付けなかった場合に、家賃保証を停止する。
【0022】
ここで、被保証者は、賃借人との賃貸借契約のタイミングで速やかに家賃保証が実行されていることが望ましい。一方、家賃保証の保証料の支払いが完了するまでには、通常、保証者から被保証者に、保証料の請求処理がされ、この請求を被保証者が処理し、保証料の支払いを実行する等の多くの工数が必要となる。このため、例えば、家賃保証の保証料の支払いが完了するまで、家賃保証が実行されない場合、保証料の支払い手続きのため、賃貸借契約の成立が遅れてしまうおそれがある。
【0023】
そこで、(3)の発明によれば、家賃保証の保証料の支払いの有無にかかわらず、家賃保証を行うと判定する。これにより、被保証者は、賃借人との賃貸借契約成立をスムーズに行うことが可能となる。
【0024】
一方、保証者には、家賃保証を実行したにもかかわらず、被保証者から保証料が支払われないというおそれがある。
(3)の発明によれば、家賃保証を行うと判定した後、所定のタイミングまでに、保証料が支払われなかった場合、実行されている家賃保証を停止することができるので、保証料が支払われていないのに、家賃保証が実行されている状態を回避することが可能となる。
【0025】
(4) 賃借人に賃貸物件を提供する賃貸人又は前記賃貸物件を管理する管理者である被保証者に操作される被保証者端末に接続され、前記賃貸物件の家賃を保証する家賃保証を行うための家賃保証システムが実行する方法であって、
前記被保証者端末から、賃借人に関する賃借人情報を受信するステップと、
前記被保証者端末から受信した前記賃借人情報に基づき、前記家賃保証が可能か否かの家賃保証可否判定を行うステップと、
前記家賃保証可否判定の結果に基づき、被保証者と前記賃貸物件の家賃を保証する保証者との2者間での契約のみで、賃借人と当該保証者とによる前記家賃保証の契約無しで、前記家賃保証を行うか否かを判定するステップと、を含むことを特徴とする家賃保証方法。
【0026】
(5) 賃借人に賃貸物件を提供する賃貸人又は前記賃貸物件を管理する管理者である被保証者に操作される被保証者端末に接続され、前記賃貸物件の家賃を保証する家賃保証を行うための家賃保証システムを、
前記被保証者端末から、賃借人に関する賃借人情報を受信する受信手段、
前記被保証者端末から受信した前記賃借人情報に基づき、前記家賃保証が可能か否かの家賃保証可否判定を行う家賃保証可否判定手段、
前記家賃保証可否判定の結果に基づき、被保証者と前記賃貸物件の家賃を保証する保証者との2者間での契約のみで、賃借人と当該保証者とによる前記家賃保証の契約無しで、前記家賃保証を行うか否かを判定する家賃保証判定手段、として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【0027】
(4)及び(5)の発明によれば、(1)の発明と同様の作用効果を奏する。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、家賃保証を行う際の賃借人と賃貸人等の手間と時間を削減することが可能な家賃保証システム、家賃保証方法及びコンピュータプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の実施形態に係る家賃保証システムの概要を説明する図である。
図2】本発明の実施形態に係る家賃保証システムの変形例の概要を説明する図である。
図3】本発明の実施形態に係る家賃保証システムの機能構成を示す図である。
図4】本発明の実施形態に係る家賃保証システムにおける被保証者テーブルの一例を示す図である。
図5】本発明の実施形態に係る家賃保証システムにおける家賃保証料設定テーブルの一例を示す図である。
図6】本発明の実施形態に係る家賃保証システムが実行する家賃保証処理フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。以降の図においては、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号または符号を付している。
【0031】
(基本概念/基本構成)
図1は、本発明の実施形態に係る家賃保証システムの概要を説明する図である。
図2は、本発明の実施形態に係る家賃保証システムの変形例の概要を説明する図である。
【0032】
家賃保証システム1は、賃借人に賃貸物件を提供する賃貸人(図1に示す例)又は賃貸物件を管理する管理者(図2に示す例)である被保証者に操作され、一般的なパーソナルコンピュータやスマートフォンやタブレット等の電子機器で構成される被保証者端末2に接続され、賃貸物件の家賃を保証する家賃保証を行うか否かを判定する。
家賃保証システム1は、例えば、家賃保証を行う家賃保証会社等の保証者により、管理・運営される。
【0033】
本実施形態において、「家賃」は、賃借人と賃貸人との賃貸借契約により、賃貸物件を使用するために、賃貸借契約に規定された期日までに、賃借人が賃貸人に支払う費用である。なお、本実施形態において、「家賃」には、賃貸物件の賃料に加え、賃貸物件の管理費や、共益費が含まれてもよい。
【0034】
また、本実施形態において、「家賃保証」は、保証者と賃貸人との家賃保証契約により、主に、賃借人から賃貸人への家賃の支払いが滞った場合に、保証者から賃貸人に、滞った分の家賃を支払うサービスである。なお、「家賃保証」により保証される保証内容には、家賃に限らず、賃借人と賃貸人との賃貸借契約において規定されている、賃借人が賃貸人に支払うべき費用や、家賃の未払いに起因する費用等のその他の費用が含まれていてもよい。その他の費用としては、例えば、家賃の未払いに起因する係争における弁護士・訴訟費用や、賃貸物件の原状回復費用や、賃貸物件における残置物撤去・保管・処理費用等が含まれる。
【0035】
図1を参照して、具体的に説明する。
家賃保証システム1は、被保証者端末2から家賃保証依頼情報を受信し、受信した家賃保証依頼情報に基づき、家賃保証の可否を判定し、この判定の結果に基づき、賃借人と保証者との保証委託契約無しで、被保証者と賃貸物件の家賃を保証する保証者との2者間での契約のみで、賃借人と当該保証者とによる家賃保証の契約無しで、家賃保証を行うか否かを判定する。
【0036】
詳細には、家賃保証システム1は、被保証者端末2から、少なくとも賃貸物件を賃借する賃借人に関する情報である賃借人情報を含む家賃保証審査依頼情報を受信し、被保証者端末2から受信した賃借人情報に基づき、当該賃借人に対して家賃保証が可能か否かの家賃保証可否判定を行う。そして、家賃保証システム1は、家賃保証が可能と判定した場合には、承認情報(例えば、この賃借人に対しての家賃保証の承認を識別する識別情報等)を生成し、被保証者端末2に送信する。
【0037】
その後、家賃保証システム1は、被保証者端末2から、少なくとも承認情報を含み、家賃保証の実行を要求する家賃保証実行要求情報を受信する。なお、本実施形態において、「家賃保証実行要求情報」は、家賃保証の契約を、保証者に要求する情報でもよいし、家賃保証の契約を行う契約書に相当する情報でもよい。
【0038】
そして、家賃保証システム1は、家賃保証実行要求情報に含まれる承認情報と、生成した承認情報とを対比し、これらの承認情報が互いに一致した場合に、家賃保証を行うと判定する。家賃保証システム1は、家賃保証を行うと判定した場合、この判定結果に基づき、賃借人と保証者との保証委託契約無しで、例えば、被保証者と保証者との2者間での家賃保証の契約を成立させるための処理を行う。また、家賃保証システム1は、家賃保証を行うと判定した場合、この判定結果を、例えば、ディスプレイ等の表示手段に表示してもよい。この場合、保証者が、この判定結果を踏まえて、賃借人と保証者との保証委託契約無しで、被保証者と保証者との2者間での家賃保証の契約を成立させてもよい。
【0039】
図2に示す例は、保証者と賃貸人との家賃保証契約を、賃貸人の賃貸物件を管理・仲介する管理会社等である管理者が、賃貸人の代わりに行う例を示している。
図2に示すように、家賃保証システム1は、管理者に操作される被保証者端末2から少なくとも賃借人情報を含む家賃保証依頼情報を受信し、当該被保証者端末2に承認情報を送信し、当該被保証者端末2から少なくとも承認情報を含む家賃保証実行要求情報を受信してもよい。そして、家賃保証システム1は、このように管理者に操作される被保証者端末2から送信された家賃保証実行要求情報に含まれる承認情報に基づき、家賃保証を行うか否かを判定してもよい。
【0040】
また、図2に示す例においても、家賃保証システム1は、家賃保証を行うと判定した場合、この判定結果に基づき、賃借人と保証者との保証委託契約無しで、管理者が代行する被保証者と保証者との2者間での家賃保証の契約を成立させるための処理を行う。また、家賃保証システム1は、家賃保証を行うと判定した場合、この判定結果を、例えば、ディスプレイ等の表示手段に表示してもよい。この場合、保証者は、この判定結果を踏まえて、賃借人と保証者との保証委託契約無しで、管理者が代行する被保証者と保証者との2者間での家賃保証の契約を成立させてもよい。
【0041】
このような家賃保証システム1によれば、賃借人と保証者との保証委託契約無しで、家賃保証を行うことが可能となるので、賃借人は保証者と契約する必要が無く、賃貸人等は賃借人と保証者との保証委託契約を代行する必要が無くなる。
したがって、家賃保証を行う際の賃借人と賃貸人等の手間と時間を削減することが可能となる。
【0042】
また、このような家賃保証システム1によれば、賃借人と保証者との保証委託契約無しで、家賃保証を行うことが可能となるので、賃借人は保証者と家賃保証委託契約する必要が無いので、既に行われている賃借人と賃貸人等との間で結ばれている賃貸借契約の内容を、家賃保証委託契約を前提とした内容に変更する必要がなく、賃貸人と保証者との保証契約だけで、家賃保証を行うことが可能となる。
よって、既に、賃借人と賃貸人等とで、家賃保証無しで、賃貸借契約が行われている場合でも、後から家賃保証を行うことが容易となる。
【0043】
(機能構成)
図3は、本発明の実施形態に係る家賃保証システムの機能構成を示す図である。
家賃保証システム1は、被保証者端末2とネットワークを介して接続され、受信手段10と、家賃保証可否判定手段11と、承認情報送信手段12と、保証料設定手段13と、保証料情報送信手段14と、家賃保証判定手段15と、契約手段16と、保証料受領情報受付手段17と、記憶手段20と、を備える。
【0044】
受信手段10は、被保証者端末2から、家賃保証が可能か否かの審査を依頼する家賃保証審査依頼情報を受信する。この家賃保証審査依頼情報には、賃借人に関する賃借人情報、賃貸人又は管理者に関する情報である被保証者情報及び賃貸物件に関する情報である賃貸物件情報が含まれ、これらの情報を、記憶手段20に記憶する。
また、受信手段10は、被保証者端末2から、承認情報や被保証者(賃貸人又は管理者)情報を含み、被保証者と保証者との2者間での家賃保証の実行を要求する家賃保証実行要求情報を受信する。
【0045】
例えば、被保証者は、被保証者端末2で、家賃保証システム1における家賃保証契約をするためのホームページ等にアクセスし、当該ホームページ等において、家賃保証審査依頼情報や、家賃保証実行要求情報等を入力する。これにより、受信手段10は、家賃保証審査依頼情報や、家賃保証実行要求情報等を受信し、記憶手段20に記憶する。なお、家賃保証システム1は、所定のフォーマットに、家賃保証審査依頼情報や、家賃保証実行要求情報等が入力された情報を、上記ホームページや、電子メール等で、被保証者端末2から受信してもよい。
【0046】
家賃保証可否判定手段11は、被保証者端末2から受信した賃借人情報に基づき、家賃保証が可能か否かの家賃保証可否判定を行う。詳細には、家賃保証可否判定手段11は、賃借人情報に基づき、内部のデータベースや、外部(例えば、信用調査が可能な保険会社等)のサーバを参照し、賃借人が所定の基準(例えば、過去に、家賃の未払いがない等)を満たすか否かを判断し、所定の基準を満たすと判断した場合には、家賃保証が可能と判定し、承認情報(例えば、この賃借人に対しての家賃保証の承認を識別する識別情報等)を生成する。家賃保証可否判定手段11は、家賃保証が可能でないと判定した場合には、不可情報を生成する。
【0047】
家賃保証可否判定手段11は、承認情報を生成した場合、記憶手段20に記憶された被保証者テーブルにおいて、承認情報に、賃借人情報、被保証者情報及び賃貸物件情報を対応付けて記憶する。
【0048】
図4は、本発明の実施形態に係る家賃保証システムにおける被保証者テーブルの一例を示す図である。
被保証者テーブルでは、承認情報の一例である承認番号に、家賃保証契約の状態、家賃保証の可否、賃借人情報、被保証者情報及び賃貸物件情報が対応付けられている。
【0049】
家賃保証契約の状態は、後述する家賃保証判定手段15が、家賃保証契約を結ぶことが可能と判定し、契約手段16が家賃保証契約を承認した場合に、家賃保証契約が結ばれたことを示す「済み」に設定され、契約手段16が家賃保証契約を承認していない場合(初期状態)や、家賃保証判定手段15が家賃保証を停止すると判定した場合には、家賃保証契約が結ばれていないことを示す「未」に設定される。
【0050】
家賃保証の可否は、家賃保証可否判定手段11が、家賃保証が可能と判定した場合には「可能」と設定され、家賃保証が可能でないと判定した場合には「不可」に設定される。
【0051】
賃借人情報は、家賃保証可否判定手段11において、家賃保証が可能か否かを判定するために用いられる情報であり、賃借人の住所や氏名(社名)等を示す情報が含まれる。
【0052】
被保証者(賃貸人又は管理者)情報は、家賃保証可否判定手段11において、保証者が被保証者と家賃保証契約を結ぶことが可能か否か(例えば、被保証者が反社会的勢力に属するか否か等)を判定するために用いられる情報であり、賃借人の住所や氏名(社名)等を示す情報が含まれる。
【0053】
なお、家賃保証可否判定手段11は、被保証者と家賃保証契約を結ぶことが可能でないと判定した場合には、家賃保証が可能と判定した場合でも、不可情報を生成する。
【0054】
賃貸物件情報は、後述する保証料設定手段13において、家賃保証を行うための保証料を設定するために用いられる情報であり、新規に賃貸する物件であるか、現在入居中の物件(例えば、1年以上の入居実績があり、家賃滞納履歴無しの物件)であるかの申込区分や、店舗であるのか事務所であるのか等の物件種別や、物件名や、物件住所や、家賃(月額賃料)、管理費/共益費等を示す賃貸借条件情報等を示す情報が含まれる。
【0055】
図3に戻って、承認情報送信手段12は、家賃保証可否判定手段11が生成した承認情報や不可情報を、被保証者端末2に送信する。
【0056】
保証料設定手段13は、賃貸物件情報に基づき、家賃保証を行うための保証料を設定する。詳細には、保証料設定手段13は、記憶手段20に記憶された被保証者テーブルと、家賃保証料設定テーブルを参照して、家賃保証を行うための保証料を設定する。
【0057】
図5は、本発明の実施形態に係る家賃保証システムにおける家賃保証料設定テーブルの一例を示す図である。
家賃保証料設定テーブルでは、申込区分(新規・入居中(例えば、1年以上の入居実績があり、家賃滞納履歴無し))に、それぞれ、初回保証料と、年間保証料(1年ごとの保証料)が対応付けられている。
【0058】
初回保証料は、後述する家賃保証判定手段15が、家賃保証を行うと判定した後、所定のタイミング(初回保証料の支払い期限日:例えば、家賃保証を行うとの判定後において、家賃保証の実行開始日の月末等)までに、被保証者が保証者に支払う費用である。
【0059】
年間保証料は、後述する家賃保証判定手段15が、家賃保証を行うと判定した後、所定のタイミング(例えば、次年度以降における、初回保証料の支払い期限日と同日)までに、被保証者が保証者に支払う費用である。
【0060】
図5に示す例では、申込区分が新規の場合、初回保証料に比べて、年間保証料が低廉に設定されている。これにより、家賃保証契約を行った被保証者に対して、家賃保証契約の継続を促すことが可能となる。
また、図5に示す例では、申込区分が入居中の場合、申込区分が新規の場合に比べて初回保証料が低廉に設定されている。これにより、現在、他の保証者と家賃保証契約している被保証者に対して、家賃保証システム1を運営する保証者への乗り換えを促すことが可能となる。
【0061】
なお、本実施形態において、保証料は、申込区分に応じて設定しているが、これに限らず、店舗であるのか事務所であるのか等の物件種別に応じて設定してもよい。また、本実施形態において、保証料は、家賃(月毎の賃料+共益費(管理費))に基づき算出されるが、これに限らず、定額にしてもよいし、物件種別に応じて設定してもよい。
【0062】
図3に戻って、保証料情報送信手段14は、保証料設定手段13が設定した保証料(初回保証料、年間保証料)を示す保証料情報を、被保証者端末2に送信する。
【0063】
家賃保証判定手段15は、家賃保証可否判定手段11による家賃保証可否判定の結果に基づき、被保証者と賃貸物件の家賃を保証する保証者との2者間での契約のみで、賃借人と当該保証者とによる家賃保証の契約無しで、家賃保証を行うか否かを判定する。
【0064】
詳細には、家賃保証判定手段15は、受信手段10が、被保証者端末2から、承認情報や被保証者(賃貸人又は管理者)情報を含み、被保証者と保証者との2者間での家賃保証の実行を要求する家賃保証実行要求情報を受信した場合、家賃保証実行要求情報に含まれる承認情報や被保証者情報と、家賃保証可否判定手段11が生成した承認情報や被保証者情報(図4に示す被保証者テーブルに記憶された承認情報や被保証者情報)とを対比し、これらの承認情報や被保証者情報が互いに一致した場合に、家賃保証を行うと判定する。
【0065】
契約手段16は、家賃保証判定手段15が家賃保証を行うと判定した場合、この判定結果に基づき、賃借人と保証者との保証委託契約無しで、この被保証者と保証者との2者間での家賃保証の契約を成立させるための処理を行う。具体的には、契約手段16は、家賃保証判定手段15が家賃保証を行うと判定した場合、記憶手段20に記憶された被保証者テーブル(図4参照)において、家賃保証契約の状態を、家賃保証契約が結ばれていない(家賃保証契約が承認されていない)ことを示す「未」から、家賃保証契約が結ばれた(家賃保証契約が承認された)ことを示す「済み」に更新する。また、契約手段16は、家賃保証判定手段15が家賃保証を行うと判定した場合、家賃保証実行要求情報を送信した被保証者端末2に、家賃保証契約を承認することを示す家賃保証契約承認情報を送信する。
【0066】
例えば、被保証者は、被保証者端末2で、家賃保証システム1における家賃保証契約をするためのホームページ等にアクセスし、当該ホームページ等に表示された家賃保証実行要求ボタンを操作することで、家賃保証実行要求情報を家賃保証システム1に送信してもよい。また、被保証者は、被保証者端末2で、所定のフォーマットに、家賃保証実行要求情報等を入力した情報を、上記ホームページや、電子メール等で、家賃保証システム1に送信してもよい。
【0067】
そして、家賃保証システム1は、家賃保証判定手段15が家賃保証を行うと判定した場合、契約手段16により、被保証者端末2に表示される上記ホームページ等において、家賃保証契約を承認した旨を表示したり、家賃保証契約に関す情報を、被保証者端末2に送信したり、ダウンロード可能としたりする。
【0068】
なお、家賃保証システム1は、契約手段16を省略してもよい。この場合、家賃保証システム1は、家賃保証判定手段15が家賃保証を行うと判定した場合、この判定結果を、例えば、ディスプレイ等の表示手段に表示してもよい。この場合、保証者が、この判定結果を踏まえて、賃借人と保証者との保証委託契約無しで、被保証者と保証者との2者間での家賃保証の契約を成立させてもよい。
【0069】
また、家賃保証システム1は、家賃保証判定手段15が家賃保証を行わないと判定した場合(承認情報や被保証者情報が互いに一致しなかった場合)、エラー情報を生成し、このエラー情報を被保証者端末2に送信してもよいし、承認情報や被保証者情報が互いに一致しないことを表示手段に表示してもよい。
【0070】
保証料受領情報受付手段17は、保証料設定手段13が設定した保証料を、被保証者から受領したことを示す保証料受領情報を受け付ける。
【0071】
家賃保証判定手段15は、家賃保証を行うと判定した後、所定のタイミングまでに、後述する保証料受領情報受付手段17が、保証料受領情報を受け付けなかった場合に、家賃保証を停止すると判定する。家賃保証判定手段15は、記憶手段20に記憶された被保証者テーブル(図4参照)において、家賃保証を停止すると判定した場合には「可能」との設定を「不可」に更新する。
【0072】
家賃保証システム1は、家賃保証判定手段15が家賃保証を停止すると判定した場合、家賃保証を停止する旨を示す家賃保証停止情報や、保証料が所定の期日までに支払われなかったことを示す保証料未払い情報を生成し、この家賃保証停止情報や保証料未払い情報を被保証者端末2に送信してもよいし、家賃保証を停止する旨を表示手段に表示してもよい。
【0073】
上記の本システムの機能構成は、あくまで一例であり、1つの機能ブロック(データベース及び機能処理部)を分割したり、複数の機能ブロックをまとめて1つの機能ブロックとして構成したりしてもよい。各機能処理部は、装置や端末に内蔵されたCPU(Central Processing Unit)が、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)、ハードディスク等の記憶装置(記憶部)に格納されたコンピュータプログラム(例えば、基幹ソフトや上述の各種処理をCPUに実行させるアプリ等)を読み出し、CPUにより実行されたコンピュータプログラムによって実現される。すなわち、各機能処理部は、このコンピュータプログラムが、記憶装置に格納されたデータベース(DB;Data Base)やメモリ上の記憶領域からテーブル等の必要なデータを読み書きし、場合によっては、関連するハードウェア(例えば、入出力装置、表示装置、通信インターフェース装置)を制御することによって実現される。また、本発明の実施形態におけるデータベース(DB)は、商用データベースであってよいが、単なるテーブルやファイルの集合体をも意味し、データベースの内部構造自体は問わないものとする。
【0074】
(処理フロー)
図6は、本発明の実施形態に係る家賃保証システムが実行する家賃保証処理フローを示す図である。
【0075】
ステップS1において、受信手段10は、被保証者端末2から、賃借人に関する賃借人情報、賃貸人又は管理者に関する情報である被保証者情報及び賃貸物件を含む家賃保証審査依頼情報を受信し、受信した賃借人情報、被保証者情報及び賃貸物件情報を記憶手段20に記憶する。
【0076】
ステップS2において、家賃保証可否判定手段11は、ステップS1で受信手段10が受信した賃借人情報に基づき、家賃保証が可能か否かの家賃保証可否判定を行う。家賃保証可否判定手段11は、家賃保証が可能と判定した場合には承認情報を生成し、ステップS3に処理を移し、家賃保証が可能でないと判定した場合には家賃保証処理を終了する。
【0077】
ステップS3において、保証料設定手段13は、ステップS1で受信手段10が受信した賃貸物件情報に基づき、記憶手段20に記憶された家賃保証料設定テーブルを参照して、家賃保証を行うための保証料を設定する。
【0078】
ステップS4において、承認情報送信手段12は、ステップS2で家賃保証可否判定手段11が生成した承認情報を、被保証者端末2に送信する。また、本ステップにおいて、保証料情報送信手段14は、ステップS3で保証料設定手段13が設定した保証料(初回保証料、年間保証料)を示す保証料情報を、被保証者端末2に送信する。
【0079】
ステップS5において、受信手段10は、被保証者端末2から、承認情報や被保証者情報を含み、被保証者と保証者との2者間での家賃保証の実行を要求する家賃保証実行要求情報を受信する。
【0080】
ステップS6において、家賃保証判定手段15は、ステップS6で受信手段10が受信した、被保証者と保証者との2者間での家賃保証の実行を要求する家賃保証実行要求情報に含まれる承認情報や被保証者情報と、ステップS2で家賃保証可否判定手段11が生成した承認情報や、被保証者情報(図4に示す被保証者テーブルに記憶された承認情報や被保証者情報)とを対比し、これらの承認情報や被保証者情報が互いに一致するか否かを判定する。家賃保証判定手段15は、承認情報や被保証者情報が互いに一致すると判定した場合にはステップS7に処理を移し、承認情報や被保証者情報が互いに一致しないと判定した場合には家賃保証処理を終了する。
【0081】
ステップS7において、契約手段16は、賃借人と保証者との保証委託契約無しで、この被保証者と保証者との2者間での家賃保証の契約を成立させるための処理を行う。
【0082】
ステップS8において、家賃保証判定手段15は、ステップS7で家賃保証判定手段15が家賃保証を行うと判定した後、所定のタイミングまでに、保証料受領情報受付手段17が、保証料受領情報を受け付けたか否かを判定する。家賃保証判定手段15は、保証料受領情報を受け付けたと判定した場合には家賃保証処理を終了し、所定のタイミングまでに、保証料受領情報を受け付けていないと判定した場合にはステップS9に処理を移す。
【0083】
ステップS9において、家賃保証判定手段15は、家賃保証を停止すると判定する。
【0084】
このような家賃保証システム1によれば、賃借人に賃貸物件を提供する賃貸人又は賃貸物件を管理する管理者である被保証者に操作される被保証者端末2から受信した賃借人情報に基づく家賃保証可否判定の結果に基づき、被保証者と賃貸物件の家賃を保証する保証者との2者間での契約のみで、賃借人と当該保証者とによる家賃保証の契約無しで、家賃保証を行うか否かを判定する。
これにより、賃借人と保証者との保証委託契約無しで、家賃保証を行うことが可能となるので、賃借人は保証者と契約する必要が無く、賃貸人等は賃借人と保証者との保証委託契約を代行する必要が無くなる。
したがって、家賃保証を行う際の賃借人と賃貸人等の手間と時間を削減することが可能となる。
【0085】
また、家賃保証システム1によれば、賃借人と保証者との保証委託契約無しで、家賃保証を行うことが可能となるので、賃借人は保証者と家賃保証委託契約する必要が無いので、既に行われている賃借人と賃貸人等との間で結ばれている賃貸借契約の内容を、家賃保証委託契約を前提とした内容に変更する必要がなく、賃貸人と保証者との保証契約だけで、家賃保証を行うことが可能となる。
よって、既に、賃借人と賃貸人等とで、家賃保証無しで、賃貸借契約が行われている場合でも、後から家賃保証を行うことが容易となる。
【0086】
また、家賃保証システム1によれば、予め、家賃保証が可能と判定した場合に、承認情報を生成し、被保証者端末2に送信する。そして、被保証者端末2から受信した家賃保証実行要求情報に含まれる承認情報が、予め送信した承認情報と一致した場合に、家賃保証を行う。
【0087】
これにより、予め、賃借人に対して家賃保証が可能であることを示す承認情報を被保証者端末2に送信することで、被保証者端末2の操作者である賃貸人や管理者は、家賃保証を前提とした賃借人との賃貸借契約を進めることができ、また、受信した承認情報を含む家賃保証実行要求情報を、家賃保証システム1に送信することで、保証者との家賃保証契約もスムーズに進めることができる。
【0088】
また、家賃保証システム1によれば、家賃保証判定手段15による最初の家賃保証を行うとの判定は、保証料受領情報受付手段17による保証料受領情報の受付前に行われる。すなわち、家賃保証システム1は、家賃保証の保証料の支払いの有無にかかわらず、一旦、家賃保証を行うと判定する。これにより、被保証者は、賃借人との賃貸借契約成立をスムーズに行うことが可能となる。
一方、家賃保証システム1によれば、家賃保証を行うと判定した後、所定のタイミングまでに、保証料が支払われなかった場合、実行されている家賃保証を停止することができるので、保証料が支払われていないのに、家賃保証が実行されている状態を回避することが可能となる。
【0089】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。なお、上記の実施形態では、本発明を物の発明として、家賃保証システムについて説明したが、本発明において家賃保証システムが実行する方法や、家賃保証システムを各種部として機能させるプログラムの発明と捉えることもできる。
【符号の説明】
【0090】
1 家賃保証システム
2 被保証者端末
20 記憶手段
10 受信手段
11 家賃保証可否判定手段
12 承認情報送信手段
13 保証料設定手段
14 保証料情報送信手段
15 家賃保証判定手段
16 契約手段
17 保証料受領情報受付手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6