(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023002196
(43)【公開日】2023-01-10
(54)【発明の名称】建設機械の管理装置
(51)【国際特許分類】
B60C 23/04 20060101AFI20221227BHJP
【FI】
B60C23/04 180A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021103276
(22)【出願日】2021-06-22
(71)【出願人】
【識別番号】000140719
【氏名又は名称】株式会社加藤製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】渡▲邊▼ 亮太
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 欽司
(72)【発明者】
【氏名】佐久間 尚輝
(57)【要約】
【課題】建設機械において、走行車体の複数の取付け位置のそれぞれに取付けられているタイヤの種類及び状態等を適切に管理する管理装置を提供すること。
【解決手段】旋回体が旋回可能に走行車体に設置される建設機械では、互いに対して異なる取付け位置で走行車体に取付けられる複数のタイヤを、管理装置が管理する。管理装置では、検知部は、タイヤのそれぞれに対応させて1つずつ設けられ、対応するタイヤの空気圧及び温度を検知する。管理装置では、制御部は、操作ディスプレイでの操作に対応させて、タイヤ状態表示画面とID表示画面との間で操作ディスプレイにおける表示画面を切替える。タイヤ状態表示画面では、タイヤの空気圧及び温度の検知結果が複数の取付け位置ごとに表示され、ID表示画面では、タイヤに対応する検知部のIDが複数の取付け位置ごとに表示される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
旋回体が旋回可能な状態で走行車体に鉛直上側から設置され、前記旋回体に運転室が設けられる建設機械において、互いに対して異なる取付け位置で前記走行車体に取付けられる複数のタイヤを管理する管理装置であって、
複数の前記タイヤのそれぞれに対応させて1つずつ設けられ、対応する前記タイヤの空気圧及び温度をそれぞれが検知する複数の検知部と、
前記運転室に配置されるとともに、操作を入力可能、かつ、情報を表示可能な操作ディスプレイと、
前記操作ディスプレイでの操作に対応させてタイヤ状態表示画面とID表示画面との間で前記操作ディスプレイにおける表示画面を切替える制御部であって、前記タイヤ状態表示画面では、取付けられている前記タイヤの前記空気圧及び前記温度の検知結果を複数の前記取付け位置ごとに表示させ、前記ID表示画面では、取付けられている前記タイヤに対応する前記検知部のIDを複数の前記取付け位置ごとに表示させる制御部と、
を具備する、建設機械の管理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記ID表示画面において、複数の前記取付け位置の中から前記検知部の前記IDを新たに登録する登録対象となる1つを選択可能にし、
前記制御部は、前記登録対象となる1つが選択されたことに基づいて、前記ID表示画面からID登録画面に前記操作ディスプレイの表示画面を切替え、前記ID登録画面において、前記登録対象として選択された前記取付け位置における前記検知部の新たなIDを登録可能にし、
前記制御部は、新たな前記IDが登録されたことに基づいて、前記登録対象となった前記取付け位置における前記検知部の前記IDとして新たに登録された前記IDを、前記ID表示画面において表示させる、
請求項1の管理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記ID表示画面において、全ての前記取付け位置についてリアルタイムで登録されている前記検知部の前記IDを保存させるID保存操作を入力可能にし、
前記制御部は、前記ID保存操作が入力されたことに基づいて、リアルタイムで登録されている前記検知部の前記IDが全ての前記取付け位置について示されるIDデータを、前記ID保存操作に対応したデータ番号で保存する、
請求項1又は2の管理装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記ID表示画面において、保存されている前記IDデータを読込ませるID読込み操作を入力可能にし、
前記制御部は、前記ID読込み操作が入力されたことに基づいて、保存されている前記IDデータの中から前記ID読込み操作に対応するデータ番号のIDデータを読込み、
前記制御部は、前記IDデータを読込んだことに基づいて、前記ID表示画面において、全ての前記取付け位置のそれぞれにおける前記検知部の前記IDとして、読込んだ前記IDデータで示されるIDを新たに登録可能にし、
前記制御部は、読込んだ前記IDデータで示される前記IDが新たに登録された場合、全ての前記取付け位置のそれぞれの前記検知部の前記IDとして新たに登録された前記IDを、前記ID表示画面において表示させる、
請求項3の管理装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記操作ディスプレイでの操作に対応させて前記タイヤ状態表示画面及び前記ID表示画面のそれぞれからローテーション実行画面へ前記操作ディスプレイにおける表示画面を切替えるとともに、前記ローテーション実行画面では、前記検知部の前記ID及びタイヤ番号を複数の前記取付け位置ごとに表示させ、
前記制御部は、前記ローテーション実行画面において、複数の前記取付け位置の中から前記検知部の前記IDを入換える入換え対象となる2つを選択可能にし、
前記制御部は、前記入換え対象となる2つが選択されたことに基づいて、前記ローテーション実行画面において、前記入換え対象として選択した2つの前記取付け位置の間で、前記検知部の前記ID及び前記タイヤ番号を入換え、
前記制御部は、前記検知部の前記ID及び前記タイヤ番号が入換えられた前記ローテーション実行画面において、前記入換え対象として選択された2つの前記取付け位置のそれぞれにおける前記検知部の前記IDとして、入換えられたIDを新たに登録可能にし、
前記制御部は、入換えられた前記IDが新たに登録されたことに基づいて、前記入換え対象となった2つの前記取付け位置のそれぞれの前記検知部の前記IDとして新たに登録された前記IDを、前記ローテーション実行画面において表示させるとともに、前記ローテーション実行画面において、前記入換え対象となった2つの前記取付け位置の間で入換えた前記タイヤ番号を入換え前の取付け位置に戻す、
請求項1乃至4のいずれか1項の管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設機械において走行車体に取付けられる複数のタイヤを管理する建設機械の管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、走行車体、及び、旋回可能な状態で走行車体に鉛直上側から設置される旋回体を備える建設機械が、開示されている。この建設機械では、二対のタイヤが、互いに対して異なる取付け位置で走行車体に取付けられる。また、建設機械では、タイヤのそれぞれに対応させて1つずつ検知部(センサ)が設けられ、検知部のそれぞれは、対応するタイヤの空気圧を検知する。そして、コントローラは、タイヤのそれぞれの空気圧についての検知結果に基づいて、旋回体の作動、及び、旋回体に取付けられるブームの作動等を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1のような建設機械では、作業現場ごとに建設機械の操作者が変わったり、作業現場に対応させて走行車体に取付けるタイヤの種類を変えたりする。また、建設機械では、走行車体に取付けられる全てのタイヤにおいて摩耗状態を均一にするため、複数の取付け位置の間で取付けられるタイヤを入換える(位置交換する)タイヤのローテーションを行うことがある。このため、建設機械では、操作者等は、複数の取付け位置のそれぞれについて、取付けられているタイヤの空気圧等に加えて、取付けられているタイヤの種類も適切に把握することが、求められている。すなわち、走行車体の複数の取付け位置のそれぞれに取付けられているタイヤの種類及び状態等について、適切に管理されることが、求められている。
【0005】
本発明は前記課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、建設機械において、走行車体の複数の取付け位置のそれぞれに取付けられているタイヤの種類及び状態等を適切に管理する管理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、本発明のある態様は、旋回体が旋回可能な状態で走行車体に鉛直上側から設置され、前記旋回体に運転室が設けられる建設機械において、互いに対して異なる取付け位置で前記走行車体に取付けられる複数のタイヤを管理する管理装置であって、複数の前記タイヤのそれぞれに対応させて1つずつ設けられ、対応する前記タイヤの空気圧及び温度をそれぞれが検知する複数の検知部と、前記運転室に配置されるとともに、操作を入力可能、かつ、情報を表示可能な操作ディスプレイと、前記操作ディスプレイでの操作に対応させてタイヤ状態表示画面とID表示画面との間で前記操作ディスプレイにおける表示画面を切替える制御部であって、前記タイヤ状態表示画面では、取付けられている前記タイヤの前記空気圧及び前記温度の検知結果を複数の前記取付け位置ごとに表示させ、前記ID表示画面では、取付けられている前記タイヤに対応する前記検知部のIDを複数の前記取付け位置ごとに表示させる制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、建設機械において、走行車体の複数の取付け位置のそれぞれに取付けられているタイヤの種類及び状態等を適切に管理する管理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係る管理装置が設けられるクレーンを示す側面図である。
【
図2】
図2は、
図1のクレーンにおいて、運転室の内部の構成を示す概略図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態に係る管理装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【
図4】
図4は、第1の実施形態に係る管理装置において、操作ディスプレイに表示される表示画面、及び、操作ディスプレイにおける表示画面の切替えについて説明する概略図である。
【
図5】
図5は、第1の実施形態に係る管理装置において、操作ディスプレイに表示されるタイヤ状態表示画面の一例を示す概略図である。
【
図6】
図6は、第1の実施形態に係る管理装置において、操作ディスプレイに表示されるID表示画面の一例を示す概略図である。
【
図7】
図7は、第1の実施形態に係る管理装置において、操作ディスプレイに表示されるID登録画面の一例を示す概略図である。
【
図8】
図8は、
図7のID登録画面から新たに登録するIDを入力した後、確定スイッチの押圧によって確認ポップアップが表示された状態を示す概略図である。
【
図9】
図9は、第1の実施形態に係る管理装置の制御部が、検知部の新たなIDの登録に関連して実行する処理を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、第1の実施形態に係る管理装置の制御部が、検知部のIDの保存に関連して実行する処理を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、
図6のID表示画面から読込みスイッチによってID読込み操作が入力され、ID読込操作に対応するデータ番号のIDデータを制御部が読込んだ状態を示す概略図である。
【
図12】
図12は、
図11のID表示画面から点滅している読込みスイッチで登録ID設定操作が入力されることより、確認ポップアップが表示された状態を示す概略図である。
【
図13】
図13は、第1の実施形態に係る管理装置の制御部が、保存されているIDデータの読込みに関連して実行する処理を示すフローチャートである。
【
図14】
図14は、第1の実施形態に係る管理装置において、操作ディスプレイに表示されるローテーション実行画面の一例を示す概略図である。
【
図15】
図15は、
図14のローテーション実行画面から右前方の取付け位置が2つの入換え対象の一方である第1の取付け位置として選択された状態を示す概略図である。
【
図16】
図16は、
図15のローテーション実行画面から左後方の取付け位置が2つの入換え対象の他方である第2の取付け位置として選択された状態を示す概略図である。
【
図17】
図17は、
図16のローテーション実行画面からセットスイッチでのID登録操作によって、入換え対象となった2つの取付け位置の間で入換えられたIDが新たに登録された状態を示す概略図である。
【
図18】
図18は、第1の実施形態に係る管理装置の制御部が、2つの取付け位置の間での検知部のIDの入換えに関連して実行する処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について図面を参照して説明する。
【0010】
図1は、第1の実施形態に係る管理装置が設けられる建設機械の一例として、クレーン1を示す。
図1に示すように、クレーン1は、走行車体2と、走行車体2に鉛直上側から設置される旋回体3と、を備える。旋回体3は、鉛直方向に平行又は略平行な旋回軸を中心として、走行車体2に対して旋回可能である。また、走行車体2には、前方側の部位に一対のアウトリガ5Aが設けられ、後方側の部位に一対のアウトリガ5Bが設けられる。クレーン1での作業時等には、アウトリガ5A,5Bのそれぞれは、地盤に接地される。
【0011】
旋回体3は、運転室6を備える。運転室6では、操作者によってクレーン1の操作等が行われる。クレーン1の操作には、クレーン1の走行に関する操作、及び、クレーン1を用いた作業における操作等が、含まれる。旋回体3には、ブーム7の後方端部が連結される。ブーム7は、旋回体3の幅方向について、運転室6に対して並んで配置される。ブーム7は、旋回体3に対して起伏可能であるとともに、旋回体3と一緒に旋回軸を中心として走行車体2に対して旋回可能である。また、
図1の一例では、ブーム7は、長手方向に伸縮可能である。
【0012】
走行車体2には、複数のタイヤ8を取付け可能であり、本実施形態では、二対(4つ)のタイヤを取付け可能である。したがって、走行車体2では、互いに対して異なる複数(本実施形態では4つ)の取付け位置のそれぞれに、1つのタイヤ8が取付けられる。
図1の一例では、走行車体2の前方側の部位に、一対のタイヤ8が取付けられ、走行車体2の後方側の部位に、一対のタイヤ8が取付けられる。このため、走行車体2では、右前方(1軸右)、左前方(1軸左)、右後方(2軸右)及び左後方(2軸左)に設けられる4つの取付け位置のそれぞれに、1つのタイヤ8が取付けられる。
【0013】
図2は、運転室6の内部の構成を示す。
図2に示すように、運転室6の内部には、運転席11及びハンドル12等が設置される。また、運転室6の内部には、ダッシュボード13が設置され、ダッシュボード13には、クラスタメータ15及び操作ディスプレイ16が取付けられる。クラスタメータ15には、クレーン1の走行距離、及び、クレーン1の走行時におけるリアルタイムの走行速度等の走行に関する情報が示される。操作ディスプレイ16では、タイヤ8に関する情報が示されるとともに、タイヤ8に関する情報等を操作者等によって入力可能である。
【0014】
クレーン1には、走行車体2に取付けられる前述のタイヤ8を管理する管理装置20が設けられる。
図3は、管理装置20の構成を概略的に示すブロック図である。管理装置20は、前述の操作ディスプレイ16に加えて、制御部21を備える。制御部21は、プロセッサ及び記憶媒体を備える。プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)、ASIC(Application specific integrated circuit)又はFPGA(Field Programmable Gate Array)等を備える集積回路又は回路構成(circuitry)等である。プロセッサは、1つのみ設けられてもよく、複数設けられてもよい。プロセッサでの処理は、プロセッサ又は記憶媒体に記憶されたプログラムに従って行われる。また、記憶媒体には、プロセッサで用いられる処理プログラム、及び、プロセッサでの演算で用いられるパラメータ、関数及びテーブル等が記憶される。
【0015】
また、管理装置20は、タイヤ8と同一の数、すなわち、走行車体2におけるタイヤ8の取付け位置と同一の数の検知部22を備える。
図1及び
図3等の一例では、4つの検知部22が設けられる。検知部22は、複数のタイヤ8のそれぞれに対応させて1つずつ設けられる。検知部22のそれぞれは、温度センサ及び圧力ゲージを備える。検知部22のそれぞれは、対応するタイヤ8の空気圧及び温度を検知する。すなわち、検知部22のそれぞれは、対応する取付け位置に取付けられているタイヤ8の空気圧及び温度を検知する。また、走行車体2の取付け位置のそれぞれでは、検知部22は、対応するタイヤ8と一緒に取付けられるとともに、対応するタイヤ8と一緒に取外される。このため、走行車体2の取付け位置のそれぞれでは、取付けられるタイヤ8を交換すると、検知部22も一緒に交換される。また、検知部22のそれぞれは、IDを有する。
【0016】
制御部21は、複数(本実施形態では4つ)の取付け位置ごとに、タイヤ8の空気圧及び温度についての検知部22での検知結果を取得する。制御部21は、複数の取付け位置のそれぞれでのタイヤ8の空気圧及び温度の検知結果に基づいて、操作ディスプレイ16での表示を制御する。また、操作ディスプレイ16では、取付け位置のそれぞれにおいてタイヤ8の空気圧等を検知する検知部22のIDを、登録可能である。制御部21は、取付け位置のそれぞれにおける検知部22のIDを登録する操作を含む操作ディスプレイ16で入力される操作に基づいて、操作ディスプレイ16での表示を制御する。
【0017】
図4は、操作ディスプレイ16に表示される表示画面、及び、操作ディスプレイ16における表示画面の切替えについて説明する概略図である。
図4に示すように、制御部21は、初期画面(ホーム画面)、タイヤ状態表示画面、ID表示画面及びローテーション実行画面を、操作ディスプレイ16に表示させることが可能である。スタータスイッチをONにする等して管理装置20が起動されると、制御部21は、操作ディスプレイ16に初期画面を表示させる。また、制御部21は、操作ディスプレイ16に表示される初期画面で入力される操作に対応させて、初期画面からタイヤ状態表示画面へ、操作ディスプレイ16での表示画面を切替え可能である。制御部21は、タイヤ状態表示画面において、取付けられているタイヤ8の空気圧及び温度の検知結果を、複数の(本実施形態では4つ)の取付け位置ごとに表示させる。なお、操作ディスプレイ16では、ID表示画面及びローテーション実行画面のそれぞれへは、初期画面から直接的には切替え不可能である。
【0018】
制御部21は、操作ディスプレイ16に表示されるタイヤ状態表示画面で入力される操作に対応させて、タイヤ状態表示画面から初期画面、ID表示画面及びローテーション実行画面のそれぞれへ、操作ディスプレイ16での表示画面を切替え可能である。また、制御部21は、操作ディスプレイ16に表示されるID表示画面で入力される操作に対応させて、ID表示画面から初期画面、タイヤ状態表示画面及びローテーション実行画面のそれぞれへ、操作ディスプレイ16での表示画面を切替え可能である。そして、制御部21は、操作ディスプレイ16に表示されるローテーション実行画面で入力される操作に対応させて、ローテーション実行画面から初期画面、タイヤ状態表示画面及びID表示画面のそれぞれへ、操作ディスプレイ16での表示画面を切替え可能である。制御部21は、ID表示画面において、取付けられているタイヤ8に対応する検知部22のIDを、複数の(本実施形態では4つ)の取付け位置ごとに表示させる。また、制御部21は、ローテーション実行画面において、複数(本実施形態では4つ)の取付け位置の中の任意の2つの間での検知部22のIDを入換え(IDのローテーション)を実行可能にする。
【0019】
図5は、操作ディスプレイ16に表示されるタイヤ状態表示画面の一例を示す。
図5に示すように、制御部21は、タイヤ状態表示画面において、画面切替えスイッチ25~27を表示させる。制御部21は、画面切替えスイッチ25が押圧されたことに基づいて、タイヤ状態表示画面から初期画面へ操作ディスプレイ16における表示画面を切替える。また、制御部21は、画面切替えスイッチ26が押圧されたことに基づいて、タイヤ状態表示画面からID表示画面へ操作ディスプレイ16における表示画面を切替え、画面切替えスイッチ27が押圧されたことに基づいて、タイヤ状態表示画面からローテーション実行画面へ操作ディスプレイ16における表示画面を切替える。
【0020】
タイヤ状態表示画面では、複数の取付け位置(複数のタイヤ8)のそれぞれに対応させて1つずつ、情報表示部30が表示される。
図5のタイヤ状態表示画面では、4つの情報表示部30が表示され、右前方、左前方、右後方及び左後方の4つの取付け位置のそれぞれについて1つずつ、情報表示部30が表示される。情報表示部30のそれぞれでは、空気圧表示部31、温度表示部32及び警報ランプ33が表示される。したがって、空気圧表示部31、温度表示部32及び警報ランプ33のそれぞれは、タイヤ8の取付け位置ごとに1つずつ、設けられる。空気圧表示部31のそれぞれでは、対応する取付け位置に取付けられているタイヤ8の空気圧の検知結果が表示され、
図5のタイヤ状態表示画面では、単位を(kPa)として空気圧が表示される。また、温度表示部32のそれぞれでは、対応する取付け位置に取付けられているタイヤ8の温度の検知結果が表示され、
図5のタイヤ状態表示画面では、単位を(℃)として温度が表示される。
【0021】
また、情報表示部30のそれぞれでは、空気圧表示部31及び温度表示部32は、枠34によって囲まれる。すなわち、情報表示部30のそれぞれでは、空気圧表示部31及び温度表示部32のそれぞれは、枠34で囲まれた範囲に表示される。また、情報表示部30のそれぞれでは、警報ランプ33は、タイヤ状態表示画面の左右方向について、枠34(空気圧表示部31及び温度表示部32)に対して隣接して表示される。
図5のタイヤ状態表示画面では、情報表示部30のそれぞれにおいて、枠34は、タイヤ状態表示画面の左右方向について、警報ランプ33に対して外側から隣接する。また、
図5のタイヤ状態表示画面では、情報表示部30のそれぞれにおいて、警報ランプ33は、黄色に点灯可能及び点滅可能である。そして、情報表示部30のそれぞれでは、空気圧表示部31及び温度表示部32のそれぞれの数値表示部分の背景が赤色に点灯可能である。空気圧表示部31及び温度表示部32のそれぞれでは、数値表示部分(単位の部分を除く)の背景が赤色に点灯することにより、数値表示部分がハイライト表示される。
【0022】
制御部21は、取付け位置のそれぞれについて、取付けられているタイヤ8の空気圧の検知結果が規定範囲であるか否かを判定する。すなわち、取付け位置のそれぞれについて、タイヤ8の空気圧異常が発生しているか否かが、制御部21によって判定される。ある一例では、800kPa以上1200kPa以下の範囲が、タイヤ8の空気圧についての規定範囲となる。制御部21は、タイヤ8の空気圧が規定範囲から外れている取付け位置がある場合は、空気圧が規定範囲から外れている取付け位置に対応する情報表示部30において、警報ランプ33を点灯させる。また、制御部21は、空気圧が規定範囲から外れている取付け位置に対応する情報表示部30において、空気圧表示部31の数値表示部分をハイライト表示させる。
【0023】
制御部21は、取付け位置のそれぞれについて、取付けられているタイヤ8の温度の検知結果が閾値未満であるか否かを判定する。すなわち、取付け位置のそれぞれについて、タイヤ8の温度異常が発生しているか否かが、制御部21によって判定される。ある一例では、90℃が、タイヤ8の温度についての閾値となる。制御部21は、タイヤ8の温度が閾値以上となる取付け位置がある場合は、温度が閾値以上となる取付け位置に対応する情報表示部30において、警報ランプ33を点灯させる。また、制御部21は、温度が閾値以上となる取付け位置に対応する情報表示部30において、温度表示部32の数値表示部分をハイライト表示させる。
【0024】
制御部21は、取付け位置のそれぞれについて、検知部22での検知結果が適切に取得されているか否かを判定する。すなわち、管理装置20を備えるシステムにおいてシステム異常が発生しているか否かが、制御部21によって判定される。制御部21は、検知部22での検知結果を取得できない取付け位置がある場合は、検知結果を取得できない取付け位置に対応する情報表示部30において、警報ランプ33を規定時間点滅させた後、警報ランプ33を点灯させる。ある一例では、警報ランプ33を点滅させる規定時間は、一分である。また、制御部21は、検知結果を取得できない取付け位置に対応する情報表示部30において、空気圧表示部31及び温度表示部32のそれぞれの数値表示部分で数値が表示されない状態にするとともに、空気圧表示部31及び温度表示部32のそれぞれの数値表示部分をハイライト表示させる。この際、空気圧表示部31及び温度表示部32のそれぞれの数値表示部分では、例えば、“--”と表示することにより、数値が表示されない状態となる。
【0025】
なお、ある一例では、制御部21は、検知部22での検知結果を取得できない取付け位置がある場合は、全て(
図5のタイヤ状態表示画面では4つ)の情報表示部30のそれぞれにおいて、警報ランプ33を規定時間点滅させた後、警報ランプ33を点灯させる。この場合、全ての情報表示部30のそれぞれにおいて、空気圧表示部31及び温度表示部32のそれぞれの数値表示部分で数値が表示されない状態にするとともに、空気圧表示部31及び温度表示部32のそれぞれの数値表示部分をハイライト表示させる。また、システム異常が発生する原因としては、検知部22のいずれかでの電池切れ、検知部22のいずれかと制御部21との間での通信不良、及び、検知部22のいずれかについてのIDの登録不良等が、挙げられる。
【0026】
また、ある一例では、情報表示部30のそれぞれにおいて、空気圧表示部31、温度表示部32及び警報ランプ33に加えて、残量警報ランプが表示されてもよい。この場合、情報表示部30のそれぞれでは、残量警報ランプは、タイヤ状態表示画面の左右方向について、枠34(空気圧表示部31及び温度表示部32)に対して警報ランプ33とは反対側から隣接する。また、ある一例では、情報表示部30のそれぞれにおいて、残量警報ランプは、黄色に点灯可能である。情報表示部30のそれぞれにおいて残量警報ランプが表示される場合、制御部21は、取付け位置のそれぞれについて、検知部22の電池の残量が基準残量以下であるか否かを判定する。そして、制御部21は、検知部22の電池の残量が基準残量以下となる取付け位置がある場合は、残量が基準残量以下となる取付け位置に対応する情報表示部30において、残量警報ランプを点灯させる。
【0027】
また、
図5のタイヤ状態表示画面では、警報オンオフスイッチ28が表示される。制御部21は、警報オンオフスイッチ28での操作に基づいて、警報オン状態と警報オフ状態との間を切替える。警報オン状態では、制御部21は、取付け位置のいずれかでのタイヤ8の空気圧異常、取付け位置のいずれかでのタイヤ8の温度異常、及び、システム異常のいずれかが発生していると判定した場合、前述のようにタイヤ状態表示画面において警報を表示させるとともに、初期画面(ホーム画面)及びクラスタメータ15の表示部分のそれぞれにおいても警報を表示させる。一方、警報オフ状態では、制御部21は、前述の異常のいずれかが発生していると判定しても、前述のようにタイヤ状態表示画面において警報を表示させるが、初期画面及びクラスタメータ15の表示部分のそれぞれでは警報を表示させない。
【0028】
なお、
図5では、警報オン状態が示される。また、ある一例では、警報オンオフスイッチ28は、警報オン状態において緑色となり、警報オフ状態において青色となる。また、ある一例では、タイヤ状態表示画面からID表示画面へ切替える画面切替えスイッチ26が、警報ランプとして機能する。この場合、制御部21は、前述したシステム異常が発生していると判定した場合、タイヤ状態表示画面において、情報表示部30で前述のように警報を表示させるとともに、画面切替えスイッチ26においても警報を表示させる。システム異常が発生していると制御部21が判定した場合、例えば、画像切替えスイッチ26が青色及び黄色の2色で交互に点滅することにより、画面切替えスイッチ26における警報が表示される。
【0029】
図6は、操作ディスプレイ16に表示されるID表示画面の一例を示す。
図6に示すように、制御部21は、ID表示画面において、画面切替えスイッチ35~37を表示させる。制御部21は、画面切替えスイッチ35が押圧されたことに基づいて、ID表示画面から初期画面へ操作ディスプレイ16における表示画面を切替える。また、制御部21は、画面切替えスイッチ36が押圧されたことに基づいて、ID表示画面からタイヤ状態表示画面へ操作ディスプレイ16における表示画面を切替え、画面切替えスイッチ37が押圧されたことに基づいて、ID表示画面からローテーション実行画面へ操作ディスプレイ16における表示画面を切替える。
【0030】
ID表示画面では、複数の取付け位置(複数のタイヤ8)のそれぞれに対応させて1つずつ、情報表示部40が表示される。
図6のID表示画面では、4つの情報表示部40が表示され、右前方、左前方、右後方及び左後方の4つの取付け位置のそれぞれについて1つずつ、情報表示部40が表示される。情報表示部40のそれぞれでは、ID表示部41が表示される。したがって、ID表示部41は、タイヤ8の取付け位置ごとに1つずつ、設けられる。ID表示部41のそれぞれでは、対応する取付け位置においてタイヤ8の空気圧及び温度を検知する検知部22のIDが表示される。また、情報表示部40のそれぞれでは、ID表示部41は、枠42によって囲まれる。すなわち、情報表示部40のそれぞれでは、ID表示部41は、枠42で囲まれた範囲に表示される。
【0031】
複数(本実施形態では4つ)の取付け位置のいずれかにおいてタイヤ8及び検知部22を交換した場合、クレーン1の操作者等は、操作ディスプレイ16での操作入力によって、タイヤ8及び検知部22を交換した取付け位置における検知部22のIDを、新たに登録可能である。制御部21は、ID表示画面において、複数(4つ)の取付け位置の中から検知部22のIDを新たに登録する登録対象となる1つを選択可能にする。
図6のID表示画面では、4つのID表示部41(情報表示部40)の中の1つ押圧することにより、押圧されたID表示部41に対応する取付け位置が、新たにIDを登録する登録対象として選択される。
【0032】
制御部21は、複数の取付け位置の中から登録対象となる1つがID表示画面において選択されたことに基づいて、ID表示画面からID登録画面に操作ディスプレイ16の表示画面を切替える。そして、制御部21は、ID登録画面において、登録対象として選択された取付け位置における検知部22の新たなIDを、登録可能にする。
図7は、操作ディスプレイ16に表示されるID登録画面の一例を示す。ここで、
図6のID表示画面において検知部22のIDを新たに登録する登録対象として右前方(1軸右)の取付け位置を選択することにより、
図7のID登録画面に切替えられる。
【0033】
図7に示すように、制御部21は、ID登録画面において、画面切替えスイッチ45を表示させる。制御部21は、画面切替えスイッチ45が押圧されたことに基づいて、ID登録画面からID表示画面へ操作ディスプレイ16における表示画面を切替える。また、制御部21は、ID登録画面において、ID入力キー46、消去スイッチ47、全消去スイッチ48及び確定スイッチ50を表示させるとともに、登録対象表示部51及び入力ID表示部52を表示させる。登録対象表示部51では、複数の取付け位置の中のいずれが検知部22のIDを新たに登録する登録対象であるかが、示される。
図7のID登録画面では、右前方(1軸右)の取付け位置が検知部22のIDを新たに登録する登録対象であることが、登録対象表示部51において示される。
【0034】
ID登録画面では、ID入力キー46での操作入力によって、操作者等は、新たに登録するIDを入力可能である。ID入力キー46で入力されたID、すなわち、ID入力キー46での入力内容は、入力ID表示部52に表示される。なお、ID入力キー46で入力が行われる前の状態、すなわち、ID表示画面からID登録画面へ切替わった直後では、
図7のID登録画面のように、新たなIDの登録対象となる取付け位置についてリアルタイムで登録されている検知部22のID(登録される新たなIDへの更新前の検知部22のID)が、入力ID表示部52に表示される。また、ID登録画面では、消去スイッチ47を押圧することにより、入力ID表示部52での表示内容おいて、1文字消去される。そして、ID登録画面では、全消去スイッチ48を押圧することにより、入力ID表示部52での表示内容の全てが消去される。
【0035】
また、制御部21は、ID登録画面において確定スイッチ50が押圧されたことに基づいて、ID登録画面に確認ポップアップ55を重畳して表示させる。
図8は、
図7のID登録画面からID入力キー46等で新たに登録するIDを入力した後、確定スイッチ50の押圧によって確認ポップアップ55が表示された状態を示す。
図8等に示すように、ID登録画面に重畳される確認ポップアップ55では、OKボタン56及びCANCELボタン57が表示される。制御部21は、確認ポップアップ55においてOKボタン56が選択されたことに基づいて、入力ID表示部52に表示されているIDを、登録対象として選択された取付け位置における検知部22の新たなIDとして登録する。制御部21は、OKボタン56の押圧によって新たなIDが登録されたことに基づいて、ID登録画面からID表示画面へ操作ディスプレイ16における表示画面を切替える。そして、制御部21は、登録対象となった取付け位置における検知部22のIDとして新たに登録されたIDを、ID表示画面において表示させる。
【0036】
ここで、
図6のID表示画面から
図7のID登録画面を経て
図8で表示される確認ポップアップ55のOKボタン56が押圧された場合、登録対象となった右前方の取付け位置における検知部22のIDとして、“456123”が新たに登録される。すなわち、新たなIDの登録対象となった右前方の取付け位置では、検知部22のIDは、“123456”から“456123”へ更新される。また、制御部21は、確認ポップアップ55においてCANCELボタン57が選択された場合は、確認ポップアップ55の表示を削除し、操作ディスプレイ16においてID登録画面のみが表示される状態にする。この場合、制御部21は、入力ID表示部52に表示されているIDを、登録対象として選択された取付け位置における検知部22の新たなIDとして登録しない。このため、登録対象として選択された取付け位置における検知部22のIDが更新されることなく、ID登録画面のみが表示される状態となる。
【0037】
また、
図7のID登録画面のように登録対象となる取付け位置について新たなIDが登録される前では、画面切替えスイッチ45で操作ディスプレイ16の表示画面を切替える画面切替え操作を、入力可能である。新たなIDが登録される前に画面切替え操作が入力された場合、制御部21は、ID表示画面へ、操作ディスプレイ16の表示画面を切替える。この場合、制御部21は、入力ID表示部52に表示されているIDを、登録対象として選択された取付け位置における検知部22の新たなIDとして登録しない。このため、登録対象として選択された取付け位置における検知部22のIDが更新されることなく、ID表示画面のみが表示される状態となる。
【0038】
図9は、検知部22の新たなIDの登録に関連して制御部21が実行する処理を示すフローチャートである。
図9の処理は、操作ディスプレイ16においてID表示画面が表示されている状態から、開始される。
図9の処理を開始すると、制御部21は、ID表示画面において複数の取付け位置の中から検知部22のIDを新たに登録する登録対象となる1つが選択されたか否かを判定する(S101)。登録対象となる取付け位置の選択は、前述したようにして行われる。登録対象となる取付け位置が選択されていない場合は(S101-No)、処理は、S101に戻る。したがって、登録対象となる取付け位置が選択されるまで、制御部21は、ID表示画面が表示される状態を維持する。
【0039】
登録対象となる取付け位置が選択された場合は(S101-Yes)、制御部21は、操作ディスプレイ16での画面表示をID表示画面からID登録画面へ切替える(S102)。そして、制御部21は、ID登録画面においてID入力キー46等によって新たに登録するIDを入力する操作等が実行されたか否かを判定する(S103)。IDを入力する操作等が実行された場合は(S103-Yes)、制御部21は、入力された内容等に対応させて入力ID表示部52の表示内容を変更する(S104)。そして、処理はS105に進む。一方、IDを入力する操作等が実行されていない場合は(S103-No)、S104の処理を行うことなく、処理はS105に進む。
【0040】
S105において、制御部21は、ID登録画面において確定スイッチ50が押圧されたか否かを判定する。確定スイッチ50が押圧されていない場合は(S105-No)、処理はS103に戻り、制御部21は、S103以降の処理を順次実行する。一方、確定スイッチ50が押圧された場合は(S105-Yes)、制御部21は、ID登録画面に確認ポップアップ55を重畳して表示させる(S106)。そして、制御部21は、確認ポップアップ55においてOKボタン56が選択されたか否かを判定する(S107)。OKボタンが選択されていない場合は(S107-No)、制御部21は、確認ポップアップ55においてCANCELボタン57が選択されたか否かを判定する(S108)。そして、CANCELボタンが選択されていない場合は(S108-No)、処理はS107に戻り、制御部21は、S107以降の処理を順次実行する。
【0041】
S107においてOKボタン56が選択された場合は(S107-Yes)、制御部21は、入力ID表示部52に表示されているIDを、登録対象として選択された取付け位置における検知部22の新たなIDとして登録する(S109)。そして、制御部21は、ID登録画面からID表示画面へ操作ディスプレイ16における表示画面を切替える(S110)。そして、制御部21は、登録対象となった取付け位置における検知部22のIDとして新たに登録されたIDを、ID表示画面において表示させる(S111)。また、S108においてCANCELボタン57が選択された場合は(S108-Yes)、制御部21は、確認ポップアップ55の表示を削除し、操作ディスプレイ16においてID登録画面のみが表示される状態にする(S112)。この場合、登録対象として選択された取付け位置における検知部22の新たなIDは、登録されない。そして、処理はS103に戻り、制御部21は、S103以降の処理を順次実行する。
【0042】
また、S102でID登録画面に切替えられてからS109で新たなIDが登録される前において画面切替えスイッチ45で画面切替え操作が入力された場合、制御部21は、ID表示画面へ、操作ディスプレイ16の表示画面を切替える。この場合、制御部21は、入力ID表示部52に表示されているIDを、登録対象として選択された取付け位置における検知部22の新たなIDとして登録しない。
【0043】
また、
図6で示されるID表示画面では、4つの枠42のそれぞれは、警報ランプとして機能する。ある一例では、異常が発生していない正常時において、枠42のそれぞれは、緑色となる。そして、検知部22での検知結果を取得できない取付け位置がある場合は、制御部21は、検知結果を取得できない取付け位置に対応する枠42を、黄色で点滅させる。また、2つ以上の取付け位置において登録されている検知部22のIDが重複する場合も、制御部21は、登録されているIDが重複する取付け位置に対応する枠42を、黄色に点滅させる。
【0044】
また、制御部21は、ID表示画面において、複数(
図6の一例では2つ)の保存スイッチ61A,61B及び複数(
図6の一例では2つ)の読込みスイッチ62A,62Bを表示させる。ID表示画面において、保存スイッチ61A,61Bのそれぞれによって、全ての取付け位置についてリアルタイムで登録されている検知部22のIDを保存させるID保存操作を入力可能である。ある一例では、保存スイッチ61A,61Bの一方を所定の時間以上継続して押圧する(長押しする)ことにより、ID保存操作が入力される。
【0045】
制御部21は、ID保存操作が入力されたことに基づいて、リアルタイムで登録されている検知部22のIDが全ての取付け位置について示されるIDデータを、制御部21の記憶媒体に保存する。この際、制御部21は、保存スイッチ61A,61BのいずれかによるID保存操作に対応したデータ番号で、前述のIDデータを保存する。
図6に示されるID表示画面では、保存スイッチ61Aの押圧によってID保存操作が入力された場合は、IDデータは、データ番号“1”で保存され、保存スイッチ61Bの押圧によってID保存操作が入力された場合は、IDデータは、データ番号“2”で保存される。
【0046】
図10は、検知部22のIDの保存に関連して制御部21が実行する処理を示すフローチャートである。
図10の処理は、操作ディスプレイ16においてID表示画面が表示されている状態から、開始される。
図10の処理を開始すると、制御部21は、ID表示画面において全ての取付け位置についてリアルタイムで登録されている検知部22のIDを保存させるID保存操作が入力されたか否かを判定する(S121)。ID保存操作は、保存スイッチ61A,61Bの一方において、前述したようにして行われる。ID保存操作が入力されていない場合は(S121-No)、処理は、S121に戻る。
【0047】
ID保存操作が入力された場合は(S121-Yes)、制御部21は、ID保存操作に対応したデータ番号を設定する(S122)。データ番号は、前述したようにして設定される。そして、制御部21は、リアルタイムで登録されている検知部22のIDが全ての取付け位置について示されるIDデータを、設定したデータ番号で保存する(S123)。これにより、全ての取付け位置についてID表示画面のID表示部41にリアルタイムで表示されているIDを示すデータが、IDデータとして保存される。
【0048】
また、
図6等のID表示画面では、読込みスイッチ62A,62Bのそれぞれによって、保存されている前述のIDデータを読込ませるID読込み操作を入力可能である。ある一例では、読込みスイッチ62A,62Bの一方を押圧することにより、ID読込み操作が入力される。制御部21は、ID読込み操作が入力されたことに基づいて、保存されているIDデータの中から、ID読込み操作に対応するデータ番号のIDデータを読込む。
図6に示されるID表示画面では、読込みスイッチ62Aの押圧によってID読込み操作が入力された場合は、データ番号“1”のIDデータが読込まれ、読込みスイッチ62Bの押圧によってID読込み操作が入力された場合は、データ番号“2”のIDデータが読み込まれる。
【0049】
図11は、
図6のID表示画面から読込みスイッチ62AによってID読込み操作が入力され、ID読込操作に対応するデータ番号のIDデータを制御部21が読込んだ状態を示す。
図11の一例では、データ番号“1”のIDデータが制御部21の記憶媒体に保存され、データ番号“1”のIDデータでの検知部22のIDは、右前方(1軸右)の取付け位置で“000010”、左前方(1軸左)の取付け位置で“000011”、右後方(2軸右)の取付け位置で“000012”、左後方(2軸左)の取付け位置で“000013”となる。
図11等に示すように、ID読込み操作が入力されると、制御部21は、ID表示画面において、ID読込み操作が入力された読込みスイッチ(62A又は62B)を2色で交互に点滅させる。
図11のID表示画面では、ID読込み操作が入力された読込みスイッチ62Aが、2色で交互に点滅し、2色で点滅する読込みスイッチ62Aは、ドットのハッチングで示される。ある一例では、ID読込み操作が入力された読込みスイッチ(62A又は62B)は、青色及び橙色の2色で交互に点滅する。
【0050】
また、ID読込み操作が入力されると、制御部21は、全ての取付け位置のそれぞれについて、読込んだIDデータで示される検知部22のIDを、ID表示部41において表示させる。したがって、ID読込み操作が入力されると、全ての取付け位置のそれぞれについて、リアルタイムで登録されている検知部22のIDから読込んだIDデータで示される検知部22のIDへ、情報表示部40での表示が切替わる。また、
図11のようにID読込み操作が入力された読込みスイッチ(62A又は62B)が2色で交互に点滅しているID表示画面では、IDデータの読込みを解除する解除操作を入力可能である。ある一例では、解除操作は、2色で点滅している読込みスイッチ(62A又は62B)を再度押圧することによって、入力される。
図11のID表示画面では、点滅している読込みスイッチ62Aの押圧によって、解除操作が入力される。
【0051】
解除操作が入力されると、制御部21は、解除操作によって押圧された読込みスイッチ(62A又は62B)を点滅しない状態にし、解除操作によって押圧された読込みスイッチ(62A又は62B)の点滅を解除する。また、解除操作が入力されると、制御部21は、全ての取付け位置のそれぞれについて、リアルタイムで登録されている検知部22のIDを、ID表示部41において表示させる。したがって、解除操作が入力されると、全ての取付け位置のそれぞれについて、読込んだIDデータで示される検知部22のIDからリアルタイムで登録されている検知部22のIDへ、情報表示部40での表示が戻される。例えば、
図6のID表示画面からID読込み操作の入力によって
図11のID表示画面に変化した場合、
図11のID表示画面で解除操作が入力されると、再び
図6のID表示画面になる。
【0052】
制御部21は、ID読込操作に対応するデータ番号のIDデータを読込んだことに基づいて、ID表示画面において、全ての取付け位置のそれぞれにおける検知部22のIDとして、読込んだIDデータで示されるIDを新たに登録可能にする。
図11のようにID読込み操作が入力された読込みスイッチ(62A又は62B)が2色で交互に点滅しているID表示画面では、読込んだIDデータで示されるIDを新たに登録可能になる。
図11のID表示画面では、全ての取付け位置のそれぞれについて、データ番号“1”のIDデータで示される前述の検知部22のIDを、新たに登録可能となる。
【0053】
ID読込み操作が入力された読込みスイッチ(62A又は62B)が2色で交互に点滅しているID表示画面では、2色で点滅している読込みスイッチ(62A又は62B)を所定の時間以上継続して押圧する(長押しする)ことにより、全ての取付け位置のそれぞれについて新たに登録する検知部22のIDを設定する登録ID設定操作が入力される。この際、全ての取付け位置のそれぞれについて、読込んだIDデータで示されるIDが、新たに登録する検知部22のIDとして設定される。また、点滅している読込みスイッチ(62A又は62B)で登録ID設定操作が入力されると、制御部21は、点滅している読込みスイッチ(62A又は62B)の点滅を解除する。そして、登録ID設定操作の入力に対応させて、制御部21は、ID表示画面に確認ポップアップ65を重畳して表示させる。
【0054】
図12は、
図11のID表示画面から点滅している読込みスイッチ62Aで登録ID設定操作が入力されることより、確認ポップアップ65が表示された状態を示す。
図12等に示すように、ID表示画面に重畳される確認ポップアップ65では、OKボタン66及びCANCELボタン67が表示される。制御部21は、確認ポップアップ65においてOKボタン66が選択されたことに基づいて、全ての取付け位置のそれぞれにおける検知部22のIDとして、読込んだIDデータで示されるIDを新たに登録する。制御部21は、OKボタン66の押圧によってIDデータで示されるIDが新たに登録された場合、全ての取付け位置のそれぞれの検知部22のIDとして新たに登録されたIDを、ID表示画面において表示させる。また、制御部21は、IDデータで示されるIDが新たに登録されたことに基づいて、確認ポップアップ65の表示を削除する。
【0055】
ここで、
図6のID表示画面から
図11のID表示画面を経て
図12で表示される確認ポップアップ65のOKボタン66が押圧された場合、検知部22のIDは、右前方の取付け位置で“000010”に、左前方の取付け位置で“000011”に、右後方の取付け位置で“000012”に、左後方の取付け位置で“000013”に、更新される。また、確認ポップアップ65においてCANCELボタン67が選択された場合は、制御部21は、確認ポップアップ65の表示を削除し、操作ディスプレイ16においてID表示画面のみが表示される状態にする。この場合、制御部21は、全ての取付け位置のそれぞれの検知部22のIDとして、読込んだIDデータで示されるIDを登録しない。このため、全ての取付け位置のそれぞれにおける検知部22のIDは、更新されない。また、確認ポップアップ65においてCANCELボタン67が選択された場合、制御部21は、点滅している読込みスイッチ(62A又は62B)の点滅を解除する。また、制御部21は、全ての取付け位置のそれぞれについて、リアルタイムで登録されている検知部22のIDへ、情報表示部40での表示を戻す。
図12のID表示画面において確認ポップアップ65のCANCELボタン67を選択した場合、再び、
図6のID表示画面となる。
【0056】
図13は、保存されているIDデータの読込みに関連して制御部21が実行する処理を示すフローチャートである。
図13の処理は、操作ディスプレイ16においてID表示画面が表示されている状態から、開始される。
図13の処理を開始すると、制御部21は、ID表示画面において保存されているIDデータを読込ませるID読込み操作が入力されたか否かを判定する(S131)。ID読込み操作は、読込みスイッチ62A,62Bの一方において、前述したようにして行われる。ID読込み操作が入力されていない場合は(S131-No)、処理は、S131に戻る。一方、ID読込み操作が入力された場合は(S131-Yes)、制御部21は、保存されているIDデータの中から、ID読込み操作に対応するデータ番号のIDデータを読込む(S132)。
【0057】
S132の処理を行うと、制御部21は、ID読込み操作が入力された読込みスイッチ(62A又は62B)を2色で交互に点滅させる(S133)。そして、制御部21は、全ての取付け位置のそれぞれについて、読込んだIDデータで示される検知部22のIDを、ID表示部41において表示させる(S134)。S134の処理を行うと、制御部21は、IDデータの読込みを解除する解除操作が入力されたか否かを判定する(S135)。解除操作は、点滅している読込みスイッチ(62A又は62B)において、前述したようにして行われる。解除操作が入力された場合は(S135-Yes)、制御部21は、点滅している読込みスイッチ(62A又は62B)の点滅を解除する(S136)。そして、制御部21は、全ての取付け位置のそれぞれについて、リアルタイムで登録されている検知部22のIDへ、情報表示部40での表示を戻す(S137)。
【0058】
解除操作が入力されていない場合は(S135-No)、制御部21は、登録ID設定操作が入力されたか否かを判定する(S138)。登録ID設定操作は、点滅している読込みスイッチ(62A又は62B)において、前述したようにして行われる。登録ID設定操作が入力されていない場合は(S138-No)、処理はS135に戻り、制御部21は、S135以降の処理を順次実行する。一方、登録ID設定操作が入力された場合は(S138-Yes)、制御部21は、点滅している読込みスイッチ(62A又は62B)の点滅を解除する(S139)。そして、制御部21は、ID表示画面に確認ポップアップ65を重畳して表示させる(S140)。そして、制御部21は、確認ポップアップ65においてOKボタン66が選択されたか否かを判定する(S141)。OKボタン66が選択されていない場合は(S141-No)、制御部21は、確認ポップアップ65においてCANCELボタン67が選択されたか否かを判定する(S142)。そして、CANCELボタンが選択されていない場合は(S142-No)、処理はS141に戻り、制御部21は、S141以降の処理を順次実行する。
【0059】
S141においてOKボタン66が選択された場合は(S141-Yes)、制御部21は、全ての取付け位置のそれぞれにおける検知部22のIDとして、読込んだIDデータで示されるIDを新たに登録する(S143)。そして、制御部21は、確認ポップアップ65の表示を削除する(S144)。そして、制御部21は、全ての取付け位置のそれぞれの検知部22のIDとして新たに登録されたIDを、ID表示画面において表示させる(S145)。また、S142においてCANCELボタン67が選択された場合は(S142-Yes)、制御部21は、確認ポップアップ65の表示を削除する(S146)。この場合、全ての取付け位置のそれぞれの検知部22のIDとして、読込んだIDデータで示されるIDは、登録されない。そして、処理はS136に戻り、制御部21は、S136以降の処理を順次実行する。このため、制御部21は、全ての取付け位置のそれぞれについて、リアルタイムで登録されている検知部22のIDへ、情報表示部40での表示を戻す(S137)。
【0060】
図14は、操作ディスプレイ16に表示されるローテーション実行画面の一例を示す。
図14に示すように、制御部21は、ローテーション実行画面において、画面切替えスイッチ75~77を表示させる。制御部21は、画面切替えスイッチ75が押圧されたことに基づいて、ローテーション実行画面から初期画面へ操作ディスプレイ16における表示画面を切替える。また、制御部21は、画面切替えスイッチ76が押圧されたことに基づいて、ローテーション実行画面からタイヤ状態表示画面へ操作ディスプレイ16における表示画面を切替え、画面切替えスイッチ77が押圧されたことに基づいて、ローテーション実行画面からID表示画面へ操作ディスプレイ16における表示画面を切替える。
【0061】
ローテーション実行画面では、複数の取付け位置(複数のタイヤ8)のそれぞれに対応させて1つずつ、情報表示部80が表示される。
図14のローテーション実行画面では、4つの情報表示部80が表示され、右前方、左前方、右後方及び左後方の4つの取付け位置のそれぞれについて1つずつ、情報表示部80が表示される。情報表示部80のそれぞれでは、ID表示部81及びタイヤ番号表示部82が表示される。したがって、ID表示部81及びタイヤ番号表示部82は、タイヤ8の取付け位置ごとに1つずつ、設けられる。
【0062】
ID表示部81のそれぞれでは、対応する取付け位置においてタイヤ8の空気圧及び温度を検知する検知部22のIDが表示される。そして、タイヤ番号表示部82のそれぞれでは、対応する取付け位置の識別番号としてタイヤ番号が表示される。
図14の一例では、右前方の取付け位置でタイヤ番号“1”、左前方の取付け位置でタイヤ番号“2”、右後方の取付け位置でタイヤ番号“3”、左後方の取付け位置でタイヤ番号“4”と表示される。また、情報表示部80のそれぞれでは、ID表示部81は、枠83によって囲まれる。すなわち、情報表示部80のそれぞれでは、ID表示部81は、枠83で囲まれた範囲に表示される。
【0063】
複数(本実施形態では4つ)の取付け位置の間でのタイヤ8のローテーションによって任意の2つの取付け位置の間でタイヤ8が入換えられた場合、クレーン1の操作者等は、操作ディスプレイ16での操作入力によって、タイヤ8が入換えられた2つの取付け位置の間で検知部22のIDを入換え可能である。制御部21は、ローテーション実行画面において、複数(4つ)の取付け位置の中から検知部22のIDを入換える入換え対象となる2つを選択可能にする。
図14のローテーション実行画面では、4つのタイヤ番号表示部82の中の1つ押圧することにより、押圧されたタイヤ番号表示部82に対応する取付け位置が、入換え対象となる2つの取付け位置の一方である第1の取付け位置として、選択される。
【0064】
制御部21は、入換え対象の一方である第1の取付け位置が選択されると、第1の取付位置のタイヤ番号表示部82の表示色を変更する。ある一例では、第1の取付け位置として選択された取付け位置について、タイヤ番号表示部82の表示色が青色から緑色に変更される。
図15は、
図14のローテーション実行画面から右前方の取付け位置が2つの入換え対象の一方である第1の取付け位置として選択された状態を示す。
図15のローテーション実行画面では、右前方の取付け位置が第1の取付け位置として選択されることにより、右前方の取付け位置についてのタイヤ番号表示部82の表示色が、変更される。
図15では、表示色が変更されたタイヤ番号表示部82は、ドットのハッチングで示される。
【0065】
図15等のように第1の取付け位置が選択されたローテーション実行画面では、第1の取付け位置として選択された取付け位置のタイヤ番号表示部82を再び押圧することにより、入換え対象の一方である第1の取付け位置としての選択されていた取付け位置について、第1の取付け位置としての選択が解除される。制御部21は、第1の取付け位置としての選択が解除された取付け位置について、タイヤ番号表示部82の表示色を元に戻す。ある一例では、第1の取付け位置としての選択が解除された取付け位置について、タイヤ番号表示部82の表示色が緑色から青色に戻される。
図15のローテーション実行画面では、右前方の取付け位置についてのタイヤ番号表示部82を押圧することにより、右前方の取付け位置の第1の取付け位置としての選択が、解除される。
【0066】
図15等のように第1の取付け位置が選択されたローテーション実行画面では、第1の取付け位置についてのタイヤ番号表示部82以外の3つのタイヤ番号表示部82の中の1つ押圧することにより、押圧されたタイヤ番号表示部82に対応する取付け位置が、入換え対象となる2つの取付け位置の第1の取付け位置とは別の一方である第2の取付け位置として、選択される。第1の取付け位置及び第2の取付け位置が前述のように選択されることにより、複数(4つ)の取付け位置の中から検知部22のIDを入換える入換え対象となる2つが、選択される。制御部21は、前述のようにして入換え対象となる2つの取付け位置(第1の取付け位置及び第2の取付け位置)が選択されたことに基づいて、ローテーション実行画面において、入換え対象として選択した2つの取付け位置の間で、検知部22のID及びタイヤ番号を入換える。
【0067】
図16は、
図15のローテーション実行画面から左後方の取付け位置が2つの入換え対象の他方である第2の取付け位置として選択された状態を示す。
図16のローテーション実行画面では、左後方の取付け位置が第2の取付け位置として選択されることにより、第1の取付け位置として選択された右前方の取付け位置と第2の取付け位置として選択された左後方の取付け位置との間で、検知部22のID及びタイヤ番号が入換えられる。このため、
図15のローテーション実行画面から
図16のローテーション実行画面になることにより、右前方の取付け位置については、ID表示部81で表示される検知部22のIDが“123456”から“4567EF”となり、タイヤ番号表示部82に表示されるタイヤ番号が“1”から“4”になる。そして、
図15のローテーション実行画面から
図16のローテーション実行画面になることにより、左後方の取付け位置については、ID表示部81で表示される検知部のIDが“4567EF”から“123456”となり、タイヤ番号表示部82に表示されるタイヤ番号が“4”から“1”になる。
【0068】
制御部21は、
図16のように入換え対象となる2つの取付け位置の間で検知部22のID及びタイヤ番号が入換えられたローテーション実行画面において、入換え対象として選択された2つの取付け位置(第1の取付け位置及び第2の取付け位置)のそれぞれにおける検知部22のIDとして、入換えられたIDを新たに登録可能にする。また、ローテーション実行画面には、セットスイッチ78が表示される。
図16等に示すように、入換え対象として選択した2つの取付け位置の間で検知部22のID及びタイヤ番号が入換えられると、制御部21は、ローテーション実行画面において、セットスイッチ78を2色で交互に点滅させる。
図16のローテーション実行画面では、2色で点滅するセットスイッチ78は、ドットのハッチングで示される。ある一例では、入換え対象として選択した2つの取付け位置の間で検知部22のID及びタイヤ番号が入換えられると、セットスイッチ78は、青色及び緑色の2色で交互に点滅する。
【0069】
図16等の一例では、2色で交互に点滅するセットスイッチ78を所定の時間以上継続して押圧する(長押しする)ことにより、入換え対象として選択された2つの取付け位置のそれぞれについて入換えられたIDを新たに登録するID登録操作が、入力される。セットスイッチ78でID登録操作が入力されると、制御部21は、入換え対象として選択された2つの取付け位置のそれぞれについて、入換え対象となる取付け位置の間で入換えられたIDを新たに登録する。
図17は、
図16のローテーション実行画面からセットスイッチ78でのID登録操作によって、入換え対象となった2つの取付け位置の間で入換えられたIDが新たに登録された状態を示す。
【0070】
図17等に示すように、制御部21は、入換え対象となった2つの取付け位置の間で入換えられたIDが新たに登録されたことに基づいて、入換え対象となった2つの取付け位置のそれぞれの検知部のIDとして新たに登録されたIDを、ローテーション実行画面において対応するID表示部81に表示させる。また、入換え対象となった2つの取付け位置の間で入換えられたIDが新たに登録されると、制御部21は、ローテーション実行画面において、入換え対象となった2つの取付け位置の間で入換えたタイヤ番号を入換え前の取付け位置に戻す。
図16及び
図17等の一例では、入換え対象の一方である第1の取付け位置となった右前方の取付け位置において、“4567EF”が検知部22の新たなIDとして登録され、タイヤ番号が“4”から“1”に戻される。そして、入換え対象の他方である第2の取付け位置となった左後方の取付け位置において、“123456”が検知部22の新たなIDとして登録され、タイヤ番号が“1”から“4”に戻される。
【0071】
また、ローテーション実行画面では、セットスイッチ78でID登録操作が入力される前に、画面切替えスイッチ75~77のいずれかで操作ディスプレイ16の表示画面を切替える画面切替え操作を、入力可能である。ID登録操作が入力される前に画面切替え操作が入力された場合、制御部21は、画面切替え操作に対応する表示画面へ、操作ディスプレイ16の表示画面を切替える。この場合、
図16等のローテーション実行画面のように入換え対象として2つの取付け位置が選択された状態であっても、入換え対象として選択された2つの取付け位置のそれぞれについて、新たなIDは登録されない。
【0072】
図18は、2つの取付け位置の間での検知部22のIDの入換えに関連して制御部21が実行する処理を示すフローチャートである。
図18の処理は、操作ディスプレイ16においてローテーション実行画面が表示されている状態から、開始される。
図18の処理を開始すると、制御部21は、ローテーション実行画面において入換え対象となる2つの取付け位置の一方である第1の取付け位置が選択されたか否かを判定する(S151)。第1の取付け位置の選択は、前述したようにして行われる。第1の取付け位置が選択されていない場合は(S151-No)、処理は、S151に戻る。一方、第1の取付け位置が選択された場合は(S151-Yes)、制御部21は、ローテーション実行画面において、第1の取付け位置として選択された取付け位置についてのタイヤ番号表示部82の表示色を変更する(S152)。
【0073】
S152の処理を行うと、制御部21は、ローテーション実行画面において第1の取付け位置としての選択が解除されたか否かを判定する(S153)。第1の取付け位置としての選択の解除は、前述のようにして行われる。第1の取付け位置としての選択が解除された場合は(S153-Yes)、第1の取付け位置としての選択が解除された取付け位置について、タイヤ番号表示部82の表示色を元に戻す(S154)。第1の取付け位置としての選択が解除されていない場合は(S153-No)、処理は、S155に進む。
【0074】
S155では、制御部21は、ローテーション実行画面において入換え対象となる2つの取付け位置の第1の取付け位置とは別の一方である第2の取付け位置が選択されたか否かを判定する。第2の取付け位置の選択は、前述のようにして行われる。第2の取付け位置が選択されていない場合は(S155-No)、処理はS153に戻り、制御部21は、S153以降の処理を順次実行する。一方、第2の取付け位置が選択された場合は(S155-Yes)、制御部21は、ローテーション実行画面において、入換え対象として選択した2つの取付け位置の間で、検知部22のID及びタイヤ番号を入換える(S156)。そして、制御部21は、ローテーション実行画面において、セットスイッチ78を2色で交互に点滅させる(S157)。
【0075】
S157の処理を行うと、制御部21は、入換え対象として選択された2つの取付け位置のそれぞれについて入換えられたIDを新たに登録するID登録操作が入力されたか否かを判定する(S158)。ID登録操作は、点滅しているセットスイッチ78において、前述したようにして行われる。ID登録操作が入力されていない場合は(S158-No)、処理はS158に戻る。
【0076】
一方、ID登録操作が入力された場合は(S158-Yes)、制御部21は、入換え対象として選択された2つの取付け位置のそれぞれについて、入換え対象となる取付け位置の間で入換えられたIDを新たに登録する(S159)。そして、制御部21は、入換え対象となった2つの取付け位置のそれぞれの検知部22のIDとして新たに登録されたIDを、ローテーション実行画面において対応するID表示部81に表示させる(S160)。また、制御部21は、ローテーション実行画面において、入換え対象となった2つの取付け位置の間で入換えたタイヤ番号を入換え前の取付け位置に戻す(S161)。すなわち、S156において2つの取付け位置の間で入換えられたタイヤ番号が、元の取付け位置に戻される。
【0077】
また、S151で第1の取付け位置が選択されてからS159で新たなIDが登録される前において画面切替えスイッチ75~77のいずれかで画面切替え操作が入力された場合、制御部21は、ローテーション実行画面から画面切替え操作に対応する表示画面へ切替える。この場合、入換え対象として2つの取付け位置が選択された状態であっても、入換え対象として選択された2つの取付け位置のそれぞれについて、新たなIDは登録されない。
【0078】
前述のように本実施形態では、制御部21は、操作ディスプレイ16での操作に対応させてタイヤ状態表示画面とID表示画面との間で操作ディスプレイ16における表示画面を切替える。また、制御部21は、タイヤ状態表示画面において、取付けられているタイヤ8の空気圧及び温度の検知結果を複数の取付け位置ごとに表示させるとともに、ID表示画面において、取付けられているタイヤ8に対応する検知部22のIDを複数の前記取付け位置ごとに表示させる。このため、作業現場ごとに建設機械の操作者が変わったり、作業現場に対応させて走行車体2に取付けるタイヤ8の種類を変えたりするクレーン1であっても、操作者等は、操作ディスプレイ16で表示される情報に基づいて、取付けられているタイヤ8の空気圧及び温度等の状態、及び、取付けられているタイヤ8の種類を、複数の取付け位置ごとに適切に把握可能になる。これにより、建設機械であるクレーン1において、走行車体2の複数の取付け位置のそれぞれに取付けられているタイヤ8の種類及び状態等が、適切に管理される。
【0079】
また、本実施形態では、複数の取付け位置のいずれかにおいてタイヤ8及び検知部22を交換した場合、操作ディスプレイ16での操作入力によって、タイヤ8及び検知部22を交換した取付け位置における検知部22のIDを、新たに登録可能である。このため、複数の取付け位置のいずれかにおいてタイヤ8を交換しても、新たに登録された検知部22のIDに基づいて、タイヤ8の交換が行われた取付け位置に新たに取付けられたタイヤ8の種類等が、適切に管理可能になる。
【0080】
また、本実施形態では、操作ディスプレイ16での操作入力によって、全ての取付け位置についてリアルタイムで登録されている検知部22のIDを、IDデータとして保存可能である。そして、操作ディスプレイ16での操作入力によって、保存されている前述のIDデータを読込ませ、全ての取付け位置のそれぞれについて、読込んだIDデータで示されるIDを新たに登録可能である。建設機械であるクレーン1では、通常用タイヤと冬用タイヤとの間で全ての取り付け位置におけるタイヤ8を一度に交換する場合等、全ての取付け位置において同一又は略同一のタイミングでタイヤ8を交換することがある。
【0081】
本実施形態では、保存スイッチ61A,61Bのいずれかでの前述の操作入力によって、例えば、冬用タイヤが取付けられた場合の検知部22のIDを全ての取付け位置について示すIDデータを、保存可能である。そして、全ての取付け位置について冬用タイヤに交換する場合は、読込みスイッチ62A,62Bの対応する一方での前述の操作入力によって、冬用タイヤが取付けられた場合の全ての取付け位置における検知部22のIDを示すIDデータを読込み、全ての取付け位置のそれぞれについて、読み込んだIDデータで示されるIDを、検知部22のIDとして新たに登録する。このため、全ての取付け位置において同一又は略同一のタイミングでタイヤ8を交換する場合でも、全ての取付け位置のそれぞれについて、タイヤ8の交換後の検知部22のIDを容易に登録可能となる。
【0082】
建設機械であるクレーン1では、走行車体2に取付けられる全てのタイヤ8において摩耗状態を均一にするため、複数の取付け位置の間で取付けられるタイヤ8を入換える(位置交換する)タイヤ8のローテーションを行うことがある。本実施形態では、ローテーション実行画面での操作入力によって、複数の取付け位置の中の任意の2つの間での検知部22のIDを入換え(IDのローテーション)を実行可能である。このため、タイヤ8のローテーションによってタイヤ8の入換え対象となった2つの取付け位置の間でタイヤ8及び検知部22が入換えられても、入換え対象となった2つの取り換え位置のそれぞれについて、タイヤ8の入換え後の検知部22のIDを容易に登録可能となる。
【0083】
なお、前述の実施形態等では、走行車体2にタイヤ8の取付け位置が4つ設けられる場合について説明したが、走行車体2にタイヤ8の取付け位置が複数設けられる構成であれば、制御部21を備える前述の管理装置20を適用可能である。また、クレーン1以外の建設機械であっても、走行車体2及び旋回体3を備え、かつ、走行車体2にタイヤ8の取付け位置が複数設けられる構成であれば、制御部21を備える前述の管理装置20を適用可能である。これらの場合も、制御部21は、操作ディスプレイ16での操作入力等に基づいて、前述の実施形態等と同様の処理を行う。
【0084】
なお、本願発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。
【符号の説明】
【0085】
1…クレーン、2…走行車体、3…旋回体、6…運転室、8…タイヤ、16…操作ディスプレイ、20…管理装置、21…制御部、22…検知部、30…情報表示部、31…空気圧表示部、32…温度表示部、40…情報表示部、41…ID表示部、80…情報表示部、81…ID表示部、82…タイヤ番号表示部。