(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023021966
(43)【公開日】2023-02-14
(54)【発明の名称】作業車両
(51)【国際特許分類】
A01B 69/00 20060101AFI20230207BHJP
G05D 1/02 20200101ALI20230207BHJP
【FI】
A01B69/00 301
G05D1/02 N
A01B69/00 303M
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022163807
(22)【出願日】2022-10-12
(62)【分割の表示】P 2019032571の分割
【原出願日】2019-02-26
(71)【出願人】
【識別番号】000006781
【氏名又は名称】ヤンマーパワーテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上田 良平
(72)【発明者】
【氏名】黒田 智之
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 愼右
(72)【発明者】
【氏名】宮井 謙一
(72)【発明者】
【氏名】大西 健太
(57)【要約】 (修正有)
【課題】オペレータに誤解を与えることを防止できる作業車両を提供する。
【解決手段】田植機1(作業車両)は、衛星測位システムを利用して自車位置を特定しながら自動走行を行う。操作部材50(表示面)に、自動走行の開始点、終了点に関するAボタン53及びBボタン54(表示)が左右並べて配置されている。第1所定時間内で続け様に測位状態が変更される場合に、報知を即座には変更せず、第2所定時間の経過後に変更する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
衛星測位システムを利用して自車位置を特定しながら自動走行を行う作業車両であって、
表示面に、自動走行の開始点、終了点に関する表示が左右並べて配置されている
ことを特徴とする作業車両。
【請求項2】
前記表示面に、衛星測位システムからの測位信号に基づく測位状態を表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の作業車両。
【請求項3】
前記表示面に、複数の報知パターンを用いて前記測位状態を段階的に表示する
ことを特徴とする請求項2に記載の作業車両。
【請求項4】
前記表示面に、自動走行の実行中か否かを表示する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の作業車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衛星測位システムを利用して自動走行を行う作業車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、衛星測位システムを利用して圃場内を自動走行する作業車両が知られている。自動走行では自車位置を高精度に特定する必要があるため、通信する衛星数や通信不良(例えば障害物の存在)などに起因して測位状態が低下したときは、自動走行を停止するように構成される。測位状態は、自動走行を継続できるか否かの一つの判断基準となるので、特許文献1に示されているようにオペレータに報知することが有用である。しかし、測位状態は状況次第で頻繁に変わるため、それに追従して高頻度で報知が変更されると、現在の測位状態が不安定であるとの誤解を与えたりする恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、測位状態が頻繁に変わる場合にオペレータに誤解を与えることを防止できる作業車両を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る作業車両は、衛星測位システムを利用して自車位置を特定しながら自動走行を行う作業車両であって、前記衛星測位システムからの測位信号を受信し、前記測位信号に基づいて自車位置を計測する測位部と、前記測位部の測位状態に基づいて測位精度を判定し、前記測位精度が所定精度以上であるときに自動走行を許可する制御部と、前記制御部による制御に応じて、前記測位精度が前記所定精度以上の第1精度であることを示す第1報知、及び、前記測位精度が前記所定精度以上の第2精度であることを示す第2報知を実行する報知部とを備え、前記第1精度への遷移に応じて前記第1報知を実行してから第1所定時間内に、前記測位精度が前記第1精度から前記第2精度に遷移する条件を満たした場合に、第2所定時間が経過するまでは前記第1報知を継続して実行し、前記第2所定時間の経過後に前記第1報知を終了して前記第2報知を実行するように構成されたものである。
【0006】
自動走行が許可される測位精度(第1及び第2精度)が続くのであれば、続け様に測位状態が変更されたとしても、そのまま自動走行を継続することに問題はない。そこで、この作業車両では、上記のように第1所定時間内で続け様に測位状態が変更される場合に、報知を即座には変更せず、第2所定時間の経過後に変更するようにしている。これにより、測位状態が頻繁に変わる場合にオペレータに誤解を与えることを防止できる。
【0007】
前記制御部は、前記測位精度が前記第1精度及び前記第2精度よりも低精度な第3精度であるときに自動走行の開始を禁止しつつ自動走行の継続は許可し、前記報知部は、前記制御部による制御に応じて、前記測位精度が前記第3精度であることを示す第3報知を実行し、前記第2精度への遷移に応じて前記第2報知を実行してから第3所定時間内に、前記測位精度が前記第2精度から前記第3精度に遷移する条件を満たした場合に、第4所定時間が経過するまでは前記第2報知を継続して実行し、前記第4所定時間の経過後に前記第2報知を終了して前記第3報知を実行するように構成されていることが好ましい。自動走行の開始は許可されないが自動走行の継続(続行)は許可される測位精度(第3精度)に対し、その報知の取り扱いを高精度の測位精度(第1及び第2精度)と同様にしているため、オペレータに誤解を与えることをより効果的に防止できる。
【0008】
前記制御部は、前記測位精度が前記第1精度及び前記第2精度よりも低精度な第4精度であるときに自動走行の開始及び継続を禁止し、前記報知部は、前記制御部による制御に応じて、前記測位精度が前記第4精度であることを示す第4報知を実行し、前記測位精度が前記第4精度に遷移する条件を満たした場合に、前記第4報知を即座に実行するように構成されていることが好ましい。自動走行の開始も継続も禁止される測位精度(第4精度)に対しては、その報知を即座に変更することにより、自動走行の終了原因が測位状態の悪化であることをオペレータに遅滞なく報知できる。
【0009】
運転座席の前方に設けられた操向ハンドルと、自動走行の開始を指示するための指示具と、前記報知部を構成する表示具とを有する操作部材と、前記操作部材を支持するアーム部材とを備え、前記アーム部材で支持された前記操作部材は、平面視において前記操向ハンドルの前端から後端に至る範囲内を移動できるが、平面視において前記操向ハンドルの後端よりも後方には移動できないように構成されていることが好ましい。操作部材が上記の範囲内を移動できることにより、オペレータが自動走行の開始を指示したり、測位精度を確認したりするうえで都合が良い。また、操向ハンドルの後端よりも後方に操作部材を移動できないため、操作部材による視認性の悪化を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明に係る作業車両の一例である田植機の左側面図
【
図5】自動走行に関する主要な構成を示すブロック図
【
図6】測位精度と自動走行及び報知との関係の一例を示す表
【
図7C】報知を変更するタイミングの変形例を説明する図
【
図7D】報知を変更するタイミングの変形例を説明する図
【
図7E】報知を変更するタイミングの変形例を説明する図
【
図7F】報知を変更するタイミングの変形例を説明する図
【
図9】操作部材における発光部の点灯パターンの一例を示す図
【
図10】自動走行に関する制御構造の一例を示すブロック図
【
図11】自動走行に関する制御構造の変形例を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。本実施形態では、乗用型の作業車両の一例として、
図1に示す田植機1を示す。但し、本発明に係る作業車両は、田植機に限られるものではなく、例えば、トラクタやコンバイン、苗移植機などの農用作業車両であってもよい。或いは、土木建築作業車両や除雪車などであってもよい。
【0012】
[田植機の全体構造]
まずは、田植機1の全体構造について簡単に説明する。
図1では、田植機1の前後方向及び上下方向を矢印で示しており、紙面に垂直な方向が左右方向となる。田植機1は、走行部10と、作業部としての植付部20とを有する。植付部20は、走行部10の後方に配置されている。植付部20は、昇降機構21を介して走行部10の後部に昇降自在に連結されている。田植機1は、走行部10により圃場内を走行しながら、植付部20により苗を植え付ける苗植え(田植え)作業を実行できるように構成されている。
【0013】
走行部10は、走行機体2と、走行機体2を支持する左右一対の前輪3と、同じく左右一対の後輪4とを有する。前輪3は、フロントアクスルケース5から左右両側に延びた前車軸に取り付けられている。フロントアクスルケース5は、ミッションケース8の側方に設けられ、走行機体2の前部で支持されている。後輪4は、リアアクスルケース6から左右両側に延びた後車軸に取り付けられている。リアアクスルケース6は、ミッションケース8から後方に向けて突出した筒状フレーム9の後端部に設けられ、走行機体2の後部で支持されている。
【0014】
走行機体2の前部には、駆動源であるエンジン7が搭載されている。エンジン7は、ボンネット11によって覆われている。エンジン7の動力は、エンジン7の後方に配置されたミッションケース8に伝達され、そのミッションケース8を介して前輪3及び後輪4に伝達される。前輪3及び後輪4に動力を伝達して回転駆動させることにより、走行部10が前後方向に走行することができる。
【0015】
走行機体2の後端部には、リンクフレーム17が立設されている。リンクフレーム17には、昇降機構21を介して植付部20が昇降自在に連結されている。昇降機構21は、ロワリンク21aとトップリンク21bとを有する。ロワリンク21aには、油圧式の昇降シリンダ22のロッド先端部が連結している。昇降シリンダ22のシリンダ基端部は、筒状フレーム9の上面後部に上下回動可能に支持されている。昇降シリンダ22を伸縮させることで昇降機構21が上下方向に回動し、植付部20が昇降するように構成されている。
【0016】
植付部20は、エンジン7からミッションケース8及びPTO軸(動力伝達軸)18を経由した動力が伝達される植付入力ケース23と、植付入力ケース23に連結された複数の植付伝動ケース24と、各植付伝動ケース24の後端側に設けられた苗植機構25と、苗マットが載置される苗載台26とを備えている。植付部20への苗つぎ(苗補給)に供される予備苗は、ボンネット11の左右両側方に配置された予備苗台15に載置される。予備苗台15は、走行機体2の前部の左右両側に立設された支持フレーム16(予備苗支柱)に支持されている。
【0017】
苗植機構25には、一条分二本の植付爪27,27を有するロータリケース28が設けられている。ロータリケース28の回転動作に伴い、二本の植付爪27,27が苗マットから交互に苗を取り出して圃場に植え付ける。本実施形態の田植機1は、八条植えの田植機であるため、八条用四組(二条で一組)の植付伝動ケース24を備え、苗載台26も八条植え用に構成されている。但し、田植機1は、これに限定されるものではなく、例えば六条植えや十条植えの田植機であっても構わない。
【0018】
植付部20の左右外側には、それぞれサイドマーカ29が設けられている。サイドマーカ29は、筋引き用のマーカ輪体29wと、マーカ輪体29wを回転可能に支持するマーカアーム29aとを有する。マーカアーム29aの基端部は、植付部20の左右外側において、左右方向へ回動可能に支持されている。サイドマーカ29は、マーカ輪体29wを下降させて次工程での基準となる軌跡を田面に形成する着地姿勢と、マーカ輪体29wを上昇させて田面から離した非着地姿勢(
図1参照)との間で変位可能に構成されている。
【0019】
前後方向における走行機体2の中央部には、運転操作部30が設けられている。オペレータは、走行機体2の上面側に設けられた作業ステップ12(車体カバー)に搭乗し、運転操作部30において田植機1の運転操作を行う。運転操作部30の前部には、操作パネル31が設けられている。操作パネル31は、ボンネット11の後部上面側に配置されている。操作パネル31には、操向ハンドル32や主変速レバー33を含む複数の操作具が配置されている。操作パネル31の後方には、シートフレーム13を介して運転座席14が設置されている。
【0020】
ボンネット11の左右両側では、複数(本実施形態では4つ)の予備苗台15が、前後方向に間隔を空けて設けられた一対の支持フレーム16,16で支持されている。一対の支持フレーム16,16の上端には、側方視で略L字状をなす連結フレーム40が連結されている。連結フレーム40の上端には、上下方向に延びた中間フレーム41を介してユニットフレーム42が接続されている。ユニットフレーム42は、左右の中間フレーム41の上部に対して回動可能に連結されている。ユニットフレーム42には、測位部としての測位ユニット43が固定されている。
【0021】
測位ユニット43は、衛星測位システム(GNSS)からの測位信号を受信し、その測位信号に基づいて自車位置を特定する。田植機1は、衛星測位システムを利用して自車位置を特定しながら自動走行を行う。田植機1は、直進走行の基準となる直線状の基準経路(ティーチング経路)を生成することにより、基準経路に平行に生成される目標経路を自律的に直進走行できる。自動走行による直進補助作業には、A点と呼ばれる基準経路の開始点の登録、B点と呼ばれる基準経路の終了点の登録、及び、自動走行のオン(開始)/オフ(停止)の操作が必要となる。なお、直進走行だけでなく、目標経路同士を結ぶ旋回経路を自律的に走行させてもよい。
【0022】
本実施形態では、衛星測位システムとして、DGNSS(ディファレンシャルGNSS)の一例であるDGPS(ディファレンシャルGPS)が用いられる例を示す。DGPSに限られず、RTK(リアルタイムキネマティック)や、SBAS(静止衛星型衛星航法補強システム)などの他の衛星測位システムを用いることも可能である。
【0023】
[運転操作部]
次に、運転操作部30について説明する。
図2,3に示すように、操作パネル31には、操向ハンドル32及び主変速レバー33に加えて、様々な操作具と、表示装置34が配置されている。操向ハンドル32は、運転座席14の前方に設けられている。操作パネル31の下方には、図示しない変速ペダルとブレーキペダルが設置されている。変速ペダルは、田植機1の車速を変更するための操作具である。ブレーキペダルは、田植機1を制動するための操作具である。一般には、操作パネル31の右下方に変速ペダルが配置され、その変速ペダルの左方にブレーキペダルが配置される。
【0024】
田植機1は、自動走行に関する操作を行うための操作部材50と、その操作部材50を支持するアーム部材35とを備える。操作部材50は、アーム部材35を介して予備苗台15の支持フレーム16,16に固定されている。これにより、操作部材50を強固に支持することができる。操作部材50は、操作パネル31よりも機体幅方向外側に配置されている。操作部材50は、運転操作部12の右側に配置されているが、左側に配置してもよい。但し、変速ペダルと同じ側(一般には右側)に操作部材50を配置することにより、直進作業を開始する際に加速するのと同じタイミングで、後述する操作部材50のAUTOボタン51を押しやすくなり、操作性が向上する。
【0025】
アーム部材35は、支持フレーム16,16に固定されたステー状の上腕部35aと、その上腕部35aに対してヒンジ35bを支点にして水平方向に回動する前腕部35cと、前腕部35cに対してヒンジ35dを支点にして水平方向に回動するホルダ35eとを備える。操作部材50は、ホルダ35eに取り付けられている。前腕部35cの両端には、上下方向に沿って屈曲した肘部35f,35fが形成されている。肘部35fは、ヒンジを介して上下方向に回動できる構成でもよい。前腕部35cを水平方向に回動させて上腕部35aに近付けることで、アーム部材35をコンパクトに収納し、予備苗台15前の通路幅を確保できる。ホルダ35eに保持された操作部材50は、アーム部材35の可動範囲において動かすことができる。
【0026】
アーム部材35で支持された操作部材50は、平面視において操向ハンドル32の前端から後端に至る範囲内(即ち、
図2に示す仮想直線L1と仮想直線L2との間の範囲内)を移動できることが好ましい。上下方向においては、操作部材50が、操向ハンドル32の上端から下端に至る高さの範囲内を移動できることが好ましい。また、視認性の悪化を防止する観点から、操作部材50は、平面視において操向ハンドル32の後端よりも後方(即ち、仮想直線L2よりも後方)には移動できないことが好ましい。操作部材50は、後方側の支持フレーム16と運転座席14の背もたれの外側端とを結んだ仮想直線L3よりも前方に配置されている。これにより、苗つぎ作業を行う際に操作部材50が邪魔にならない。
【0027】
本実施形態では、
図4に示すように、操作部材50が、自動走行の開始を指示するための指示具であるAUTOボタン51と、後述する報知部66を構成する表示具としての表示ランプ52とを有する。更に、操作部材50は、A点の登録操作を行うための指示具であるAボタン53と、B点の登録操作を行うための指示具であるBボタン54とを備える。AUTOボタン51は、操作部材50の操作面50fの中心部に配置されており、その左上方に表示ランプ52が配置されている。Aボタン53及びBボタン54は、AUTOボタン51の下方で左右に並べて配置されている。
【0028】
AUTOボタン51は、自動走行を開始するとき及び停止するときに操作される。AUTOボタン51は、Aボタン53及びBボタン54に比べて操作頻度が高いため、押圧操作が容易になるよう、Aボタン53及びBボタン54よりも正面視で大きく形成されている。また、AUTOボタン51は、Aボタン53及びBボタン54よりも大きく突出している。Aボタン53とBボタン54とは同一形状のボタンであるが、左右対称に配置されている。AUTOボタン51の周囲にはリング状の発光部55が設けられている。後述するように、発光部55は、その光色や点灯パターンによって、自動走行に関する様々な状態をオペレータに知らせる機能を有する。
【0029】
表示ランプ52は、光の表示によって、より具体的には複数種(本実施形態では2種)の光色や点灯パターンによって、測位ユニット43の測位状態に対応した測位精度を段階的に表示する。この測位状態は、自動走行の開始や継続が可能であるか否かの判断基準となる。AUTOボタン51を備えた操作部材50に表示ランプ52が設けられているため、オペレータは自動走行の可否を確認しながら自動走行の開始を指示できる。また、操作部材50が操作パネル31から独立して設けられていることにより、既存の田植機に自動走行システムを追加で設置する際に操作パネルを改造する必要がなく、都合が良い。
【0030】
[自動走行に関する構成]
図5は、自動走行に関する主要な構成を示すブロック図である。測位ユニット43は、測位用アンテナ43aと、位置計測機43b、及び、慣性計測機(IMU)43cを備える。測位用アンテナ43aは、衛星測位システムを構成する測位衛星(本実施形態ではGPS衛星)からの信号を受信する。測位用アンテナ43aで受信された測位信号は、位置計測機43bに入力される。位置計測機43bは、入力された測位信号を信号処理して自車位置を計測する。慣性計測機43cは、走行機体2の姿勢(ロール角、ピッチ角、ヨー角)を特定する。
【0031】
田植機1は、走行機体2の動作(前進、後進、停止及び旋回など)、並びに作業部である植付部20の動作(昇降、駆動及び停止など)を制御するための制御部60を備える。制御部60は、図示しないCPU、ROM、RAM、I/Oなどを備えて構成されている。CPUは、各種プログラムなどをROMから読み出して実行することができる。ROMには、オペレーションプログラムやアプリケーションプログラム、各種データが記憶されている。かかるハードウェアとソフトウェアの協働により、記憶部61や処理部62、自動走行制御部63などとして制御部60を動作させることができる。
【0032】
記憶部61は、田植機1を自動走行させるために必要な様々な情報を記憶する。かかる情報としては、例えば、測位用アンテナ43aから苗植機構25までの水平距離や、オペレータによって登録設定されたA点及びB点の位置が挙げられる。処理部62は、田植機1を自動走行させるために必要な様々な処理を行う。かかる処理には、測位ユニット43の測位状態に基づく測位精度の判定や、その判定結果に基づく自動走行の許否の判断が挙げられる。自動走行制御部63は、自動走行に関する制御を行う。
【0033】
自動走行制御部63は、測位ユニット43によって計測された自車位置の情報に基づき、田植機1が走行経路に沿って走行するように自動走行用アクチュエータ64を制御する。自動走行用アクチュエータ64は、自動走行時に作動させる各種のアクチュエータを指し、操向ハンドル32を操舵するアクチュエータや、ミッションケース8の変速装置を変速するアクチュエータ、植付部20を昇降するアクチュエータ(昇降シリンダ22)などを含む。自動走行制御部63は、田植機1に備えられた自動走行用センサ65からの信号に基づき、田植機1の動作を制御する。
【0034】
制御部60は、測位ユニット43の測位状態に基づいて測位精度を判定し、その測位精度が所定精度以上であるときに自動走行を許可する。測位ユニット43の測位状態は、信号の強さが所定以上の有効なGNSS衛星数、HDOP(水平面内の位置決定に関する精度低下率)、及び、GPSエイジなどに起因して流動的に変化する。
図6には、測位状態に基づく測位精度の判定条件と、その判定された測位精度に対応した自動走行及び報知の種別が示されている。この判定条件では、DGPSが有効な状態(DGPS状態)であれば、測位精度がレベル5、レベル4またはレベル3と判定される。また、DGPSが無効でSGPS(シングルGNSSとしてのシングルGPS、単独測位)となる状態(SGPS状態)であれば、測位精度がレベル2またはレベル1と判定される。
【0035】
レベル5は、所定の評価条件の平均値以上となる測位状態に対応している。この評価条件には、例えば、測位ユニット43の製造元によって一定の精度が保証される条件が適用される。レベル4は、レベル5の条件を満たさないが評価条件の範囲内となる測位状態(第1測位状態)に対応している。レベル3は、DGPS状態であってレベル4,5の条件を満たさない測位状態(第2測位状態)に対応している。レベル5~3では、いずれも自動走行の開始が許可され、自動走行の継続も許可される(即ち、自動走行は中断されない)。本実施形態では、測位精度を五段階でレベル判定しているが、これに限られず、例えばレベル5をレベル4に統合して四段階にしてもよい。
【0036】
レベル2は、DGPS状態からSGPS状態に遷移後、SGPS状態の継続時間がX秒以内となる状態(第3測位状態)に対応している。制御部60は、X秒となる任意の時間を設定可能に構成されている。レベル1は、DGPS状態からSGPS状態に遷移後、X秒を超えてSGPS状態を継続している状態、または、レベル2~5以外の状態に対応している。レベル2では、自動走行の開始が禁止されるものの、自動走行の継続は許可される。レベル2で自動走行の継続を許可しているのは、測位精度が低下しても比較的短時間でDGPS状態に復帰するときは、自動走行を継続しても安定した自動走行が維持できるためである。レベル1では、自動走行の開始も継続も禁止され、AUTOボタン51を押しても自動走行が実行されない。
【0037】
図5,6に示すように、田植機1は報知部66を備えており、この報知部66は、制御部60の制御に応じて、測位精度が所定精度以上の第1精度に相当するレベル4であることを示す第1報知、及び、測位精度が所定精度以上の第2精度に相当するレベル3であることを示す第2報知を実行する。更に、報知部66は、制御部60の制御に応じて、測位精度が第3精度に相当するレベル2であることを示す第3報知、測位精度が第4精度に相当するレベル1であることを示す第4報知、及び、測位精度がレベル5であることを示す報知を実行する。第3精度及び第4精度は、それぞれ第1精度及び第2精度よりも低精度
であり、第4精度は第3精度よりも低精度である。報知部66は、操作部材50に備えられた表示ランプ52で構成されている。
【0038】
表示ランプ52は、光色と点灯パターンにより報知を行う。第1報知は、表示ランプ52が緑色に光って所定の周期(例えば、1秒周期)で点滅する「緑連続点滅」である。第2報知は、表示ランプ52が緑色に光って所定の単位時間(例えば、1秒間)に2回点滅した後、その所定の単位時間だけ消灯し、それらを交互に繰り返す「緑2回点滅」である。第3報知は、表示ランプ52が赤色に光って所定の周期(例えば、1秒周期)で点滅する「赤点滅」である。第4報知は、表示ランプ52が赤色に光り続ける「赤点灯」である。レベル5を示す報知は、表示ランプ52が緑色に光り続ける「緑点灯」である。報知部66が実行する報知の態様は、これらに限定されず、例えば表示ランプ52の光色に黄色を用いてもよい。
【0039】
本実施形態の田植機1は、制御部60による制御に応じてアラーム音を発するアラーム装置67を備える。制御部60は、表示ランプ52に第3報知を実行させる際に、アラーム音を所定の周期(例えば、1秒周期)で間欠的に鳴らすようにアラーム装置67を制御する。また、制御部60は、表示ランプ52に第4報知を実行させる際に、アラーム音を連続的に鳴らすようにアラーム装置67を制御する。測位状態がSGPS状態であるときに光と音を使って報知することにより、オペレータに警戒を呼び掛けることができる。アラーム音のリズムに代えて、または加えて、アラーム音の大きさや高さ、音色などを異ならせてもよい。アラーム装置67は、操作部材50に備えられていてもよい。
【0040】
図7Aに示すように、測位状態が第2測位状態である間、制御部60は、測位精度をレベル3と判定し、表示ランプ52を制御して第2報知である「緑2回点滅」を実行させる。これにより、現在の測位状態がDGPS状態にあり、自動走行の開始及び続行が可能であることがオペレータに知らされる。また、測位精度が第2測位状態から第1測位状態に変更されたら、その時点T1で制御部60が測位精度をレベル3からレベル4に遷移し、表示ランプ52を制御して第1報知である「緑連続点滅」を即座に実行させる。同様に、測位精度が第1測位状態から第2測位状態に変更されたら、その時点T2で測位精度をレベル4からレベル3に遷移し、表示ランプ52に「緑2回点滅」を実行させる。これにより、測位状態の変化をオペレータに知らせることができる。
【0041】
測位ユニット43の測位状態は状況次第で流動的に変わるため、それに追従して高頻度で報知が変更されると、現在の測位状態が不安定であるとの誤解をオペレータに与えたり、オペレータが見間違えたりする恐れがある。例えば、測位ユニット43の測位状態が第2測位状態から第1測位状態に変更され、その直後に第2測位状態に変更された場合、報知が「緑2回点滅」から「緑連続点滅」に変更され、その直後に「緑2回点滅」に変更されると、そのような誤解を与えがちである。特に、「緑連続点滅」と「緑2回点滅」とは、互いに同じ光色であり、点灯パターン(点滅のリズム)が異なるに過ぎないため、かかる懸念が大きい。
【0042】
そこで、この田植機1は、
図7Bに示すように、第1精度(レベル4)への遷移に応じて「緑連続点滅」(第1報知)を実行してから第1所定時間内に、具体的には時点T1からYa秒以内に、測位精度が第1精度から第2精度(レベル3)に遷移する条件を満たした場合、即ち測位状態が第1測位状態から第2測位状態に変更された場合に、第2所定時間に相当するYb秒が経過するまでは「緑連続点滅」を継続して実行し、そのYb秒の経過後に「緑連続点滅」を終了して「緑2回点滅」(第2報知)を実行するように構成されている。この場合、測位状態が変更された時点T3と、報知が変更される時点T4との間にタイムラグTLが生じる。しかし、第1精度及び第2精度は、いずれも自動走行が許可される所定精度以上の測位精度であるため、これらが続くのであれば、続け様に測位状態が変更されたとしても自動走行を継続することに問題はない。
【0043】
本実施形態では、レベル4を第1精度とし、レベル3を第2精度としているが、第1精度及び第2精度は、それぞれ自動走行が許可される測位精度であればよいから、例えば、レベル3,4をそれぞれ第1,第2精度に見立てたり、レベル5,4をそれぞれ第1,第2精度に見立てたりしてもよく、かかる場合であっても
図7Bの態様で報知を実行することが可能である。
【0044】
図7Bに示す例では、測位状態が第2測位状態から第1測位状態に変更されてからYa秒以内に、測位状態が第1測位状態から第2測位状態に変更された状況において、Yb秒が経過するまではレベル遷移(測位精度の遷移)が行われず、そのYb秒の経過後にレベル遷移が行われている。これは、制御部60が、レベル1を対象とする判定を除き、レベル遷移が行われた時点T1からYb秒以内は測位精度の判定を行わないように構成されているためである。別の言い方をすれば、レベル遷移が行われた後に、レベル1以外の他の測位精度への遷移を禁止する遷移禁止時間(第2所定時間であるYb秒)が設けられている。本実施形態において、Yb秒は、Ya秒と同じ時点T1から起算される。
【0045】
このように、本実施形態では、測位状態が小刻みに変動する場合に、測位精度の即座の遷移が禁止され、それに応じて報知が即座に変更されないように構成されている。但し、これに限られず、
図7Cの変形例のように、Ya秒以内で続け様に測位状態が変更されたときに、その測位状態が変更された時点T3で測位精度を即座に遷移する構成でも構わない。或いは、
図7Dの変形例のように、報知の変更基準となる第2所定時間(Yb秒)とは異なる時間(Z秒)を設定し、その時間が経過した時点T5で測位精度を遷移する構成でも構わない。いずれの場合でも、制御部60は、第2所定時間(遷移禁止時間)の経過後に「緑連続点滅」を終了して「緑2回点滅」を実行するよう、表示ランプ52を制御する。但し、測位精度と報知の種別とを整合させる観点に照らすと、
図7Cや
図7Dの態様よりも
図7Bの態様で制御する方が望ましい。
【0046】
第1及び第2所定時間の長さは、特に限定されるものではない。制御部60は、Ya秒及びYb秒となる任意の時間を設定可能に構成されている。表示ランプ52の視認性を高める観点から、Yb秒は、表示ランプ52の点滅周期と同じか、それよりも長いことが好ましい。また、Yb秒は、上記X秒と同じか、それ以下(即ち、X≧Yb)であることが好ましい。これにより、
図7Cの態様で制御する場合において、レベル遷移が行われた時点T1からYa秒以内に、測位状態が第2測位状態から第3測位状態に変更されたとしても、Yb秒以内に測位精度がレベル1に遷移する(即ち、X秒が経過する)ことがない。そのため、自動走行が禁止される状況で表示ランプ52が緑色に光ることを防ぐことができる。X秒は、例えば10秒に設定され、Yb秒は、例えば2秒に設定される。
【0047】
本実施形態では、第2所定時間(Yb秒)が、第1所定時間(Ya秒)と同一の時間に設定されているが、これに限定されず、それらを異なる時間に設定してもよい。したがって、
図7Eに例示するように、Yb秒をYa秒よりも長い時間に設定することが可能である。この場合、第1報知である「緑連続点滅」は、Ya秒を経過しても終了せずにYb秒を経過するまで実行され、
図7Bの場合と比べて余分に継続される。
【0048】
本実施形態では、第2所定時間(Yb秒)の経過後に第1報知である「緑連続点滅」を終了した後、間隔を設けずに第2報知である「緑2回点滅」を実行しているが、これに限定されず、間隔を設けて第2報知を実行するように構成されていてもよい。したがって、
図7Fに例示するように、Yb秒の経過後に「緑連続点滅」を終了した後、報知を実行しない空白期間BPを挟んで「緑2回点滅」を実行させることが可能である。空白期間BPは、例えば数秒以下に設定される。
【0049】
制御部60は、測位精度が第3精度(レベル2)であるときに、自動走行の開始を禁止しつつ自動走行の継続は許可する。報知部66は、制御部60による制御に応じて、測位精度が第3精度であることを示す「赤点滅」(第3報知)を実行する。田植機1は、
図8に示すように、第2精度への遷移に応じて「緑2回点滅」(第2報知)を実行してから第3所定時間内に、具体的には時点T6からYc秒以内に、測位精度が第2精度から第3精度に遷移する条件を満たした場合、即ち測位状態が第2測位状態から第3測位状態に変更された場合に、第4所定時間に相当するYd秒が経過するまでは「緑2回点滅」を継続して実行し、そのYd秒の経過後に「緑2回点滅」を終了して「赤点滅」を実行するように構成されている。測位状態が変更された時点T7と、報知が変更される時点T8とはタイミングが異なる。このように、第3精度に対しては、その報知の取り扱いを高精度の測位精度(第1及び第2精度)と同様にしている。第1所定時間(Ya秒)及び第2所定時間(Yb秒)について既に説明した事柄は、それぞれ第3所定時間(Yc秒)及び第4所定時間(Yd秒)にも適合しうる。
【0050】
制御部60は、測位精度が第4精度(レベル1)であるときに、自動走行の開始及び継続を禁止する。報知部66は、制御部60による制御に応じて、測位精度が第4精度であることを示す「赤点灯」(第4報知)を実行する。田植機1は、測位精度が第4精度に遷移する条件を満たした場合、即ちSGPS状態に遷移してからX秒を超えて継続した場合に、「赤点灯」を即座に実行するように構成されている。レベル1の場合は緊急停止を伴うため、即座に第4報知を実行することにしている。これにより、自動走行の終了原因が測位状態の悪化であることをオペレータに遅滞なく報知できる。
【0051】
[操作部材の発光部の機能]
次に、AUTOボタン51の周囲に設けられた発光部55の機能について説明する。制御部60の制御に応じて、発光部55は、その光色や点灯パターンによって、自動走行に関する様々な状況をオペレータに知らせる。操作部材50は、発光部55に沿って配列された複数の発光素子55Lを内蔵している(
図4参照)。本実施形態では、各象限に2個ずつ配置された計8個の発光素子55Lが使用されているが、これに限定されるものではない。発光素子55Lは、例えばLEDである。
【0052】
自動走行中、自動走行開始準備中、自動走行開始準備完了、異常発生時といった様々な場面に応じて、
図9に示すように発光部55の光色や点灯パターンを異ならせることができる。
図9(A)は、自動走行中の表示であり、発光部55の全体が第1の光色としての緑色に光って一定周期で点滅する。
図9(B)は、自動走行開始準備中の表示であり、
図9(A)とは点滅回数やテンポを異ならせて、発光部55の全体が緑色に光って点滅する。この点滅の回数やパターンに応じて、A点登録などの操作をオペレータに指示することができる。
図9(C)~(H)も、それぞれ自動走行開始準備中の表示であり、いずれも発光部55が緑色に光る。
【0053】
エンジン始動前又は始動後には、
図9(C)のように発光部55の一部を点灯させ、その点灯位置を回転させる。本機が左右に傾いている場合は、
図9(D)のように発光部55の左右を点滅させてオペレータに知らせる。同様に、本機が前後に傾いている場合は、
図9(E)のように発光部55の上下を点滅させる。本機の前後方向が目標経路に対して傾いており、右寄りに偏差がある(操向ハンドル32を右に切る必要がある)場合は、
図9(F)のように発光部55の上部右側を点灯させてガイダンスを行う。同様に、後進が必要なときは
図9(G)のように発光部55の下部を点灯したり、偏差がないときは
図9(H)のように発光部55の上部を点灯したりして、ガイダンスを実施できる。
【0054】
図9(I)は、自動走行開始準備完了の表示であり、発光部55の全体が緑色に点灯す
る。
図9(J)は、異常発生時の表示であり、発光部55が第2の光色としての赤色に点灯する。図示した例では、発光部55の左右が点灯しているが、異常発生箇所に応じて点灯場所を変えることができる。例えば、測位用アンテナ43aが故障した場合には発光部55の上部右側を赤色に点灯させたり、パワーステアリングが故障した場合には発光部55の下部左側を赤色に点灯させたりすることが考えられる。
【0055】
[自動走行に関する制御構造]
次に、自動走行に関する制御構造の一例について説明する。
図10のように、自動走行制御部63(自動走行コントローラ)は他の制御コントローラに接続されており、それらから情報を取得して自動走行に必要な制御を行う。その他の制御コントローラには、エンジン7の作動を制御するエンジン制御コントローラ71、植付部20の作動を制御する作業部制御コントローラ72、走行部10の作動を制御する走行制御コントローラ73、及び、表示装置34を制御する表示制御コントローラ74などが含まれる。また、自動走行に必要な制御には、自動走行用アンテナ75(測位ユニット43)、自動走行用HMI(ヒューマンマシンインターフェース)76、及び、自動走行用アクチュエータ64の制御が含まれる。
【0056】
自動走行制御部63は、自動走行中に田植機1におけるいずれかの部位で異常が検知された場合に、他の制御コントローラから取得したエラー情報(故障情報)に基づいて自動走行を停止するように構成することが可能である。その場合、自動走行制御部63は、取得したエラー情報の内容に応じて、自動走行に影響するか否かを判定し、それを踏まえて自動走行を停止するか否かを判断しなければならない。それ故、かかる自動走行制御部63には高い処理能力が必要とされ、低い処理能力のコントローラを適用できないため、制御構造の構築が複雑になる。
【0057】
一方で、
図11のように、他の制御コントローラから自動走行制御部63が構造上分離されていてもよい。この場合、自動走行制御部63は、他の制御コントローラが有するエラー情報とは独立して、必要な制御を個別に実行できる。そのため、自動走行に影響しない異常、例えば表示装置34の故障が発生しても、自動走行を妨げずに制御を行うことができる。かかる自動走行制御部63には高い処理能力が必要とされず、低い処理能力のコントローラを適用できるので、制御構造の構築が容易になる。
図11では、自動走行制御部63が他の制御コントローラのいずれにも接続されていないが、例えばいずれか1つに接続して残りの3つに接続しないことも可能である。
【0058】
本発明は、上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能である。
【符号の説明】
【0059】
1 田植機(作業車両の一例)
14 運転座席
32 操向ハンドル
35アーム部材
43 測位ユニット(測位部)
50 操作部材
51 AUTOボタン(指示具)
52 表示ランプ(表示具)
60 制御部
66 報知部