(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023022041
(43)【公開日】2023-02-14
(54)【発明の名称】カジノ用品の管理システム
(51)【国際特許分類】
A63F 1/06 20060101AFI20230207BHJP
G06K 7/10 20060101ALI20230207BHJP
G06K 19/04 20060101ALI20230207BHJP
G06K 19/07 20060101ALI20230207BHJP
G06Q 50/34 20120101ALI20230207BHJP
【FI】
A63F1/06 Z
G06K7/10 264
G06K19/04 070
G06K19/07 230
G06Q50/34
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022177125
(22)【出願日】2022-11-04
(62)【分割の表示】P 2021096487の分割
【原出願日】2021-06-09
(31)【優先権主張番号】P 2020128081
(32)【優先日】2020-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000103301
【氏名又は名称】エンゼルグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115808
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 真司
(74)【代理人】
【識別番号】100113549
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 守
(72)【発明者】
【氏名】重田 泰
(57)【要約】 (修正有)
【課題】タグ識別情報及び用品識別情報を用いてカジノ用品のセキュリティを実現する新たな技術を提供する。
【解決手段】管理システム30は、RFIDタグを備えたゲーミングチップの管理システムであって、RFIDタグには、製造時に付与されるタグIDと、製造時に付与されるチップIDとを含む識別情報が記憶され、管理システム30は、読取範囲内に存在するゲーミングチップについて、RFIDタグから識別情報を読み取るアンテナ361a及びチップトレイリーダライタ362aと、チップトレイリーダライタ362aを制御するテーブル照合装置363とを備え、テーブル照合装置363は、チップトレイリーダライタ362aに、タグIDを読み取らずにチップIDを読み取らせる第1の読取りを繰り返し行わせ、第1の読取りにおいて新たなチップIDが読み取られた場合に、チップトレイリーダライタ362aにタグIDを読み取る第2の読取りを行わせる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
RFIDタグを備えたカジノ用品の管理システムであって、
前記RFIDタグには、当該RFIDタグの製造時に付与されるタグ識別情報と、当該カジノ用品の製造時に付与される用品識別情報と含む識別情報が記憶され、
前記管理システムは、前記カジノ用品を取り扱う複数のカジノ用品取扱ロケーションにそれぞれ配置された、前記RFIDタグから前記識別情報を読み取る複数のRFID読取装置を備え、
前記複数のRFID読取装置は、
前記タグ識別情報を読み取らずに前記用品識別情報を読み取る第1の読取りを行う第1のRFID読取装置と、
前記タグ識別情報を読み取る第2の読取りを行う第2のRFID読取装置と、
を含む、管理システム。
【請求項2】
同一の前記カジノ用品に付与された前記タグ識別情報と前記用品識別情報との組み合わせを記憶したデータベースと、
前記RFIDタグから読み取られた前記識別情報と前記データベースに記憶された前記識別情報とを照合する照合装置と、
をさらに備えた、請求項1に記載の管理システム。
【請求項3】
前記カジノ用品は、ゲーミングチップであり、
前記複数のRFID読取装置のうちの少なくとも1つは、前記ゲーミングチップを換金する換金所に配置され、
前記換金所に配置された前記RFID読取装置は、換金に係る前記ゲーミングチップについて前記第2の読取りを行い、
前記照合装置は、前記RFID読取装置で換金に係る前記ゲーミングチップの前記RFIDタグから読み取られた前記タグ識別情報と前記データベースに記憶された前記タグ識別情報とを照合する、請求項2に記載の管理システム。
【請求項4】
前記カジノ用品は、ゲーミングチップであり、
前記複数のRFID読取装置のうちの少なくとも1つは、前記ゲーミングチップを購入する購入所に配置され、
前記購入所に配置された前記RFID読取装置は、購入に係る前記ゲーミングチップについて前記第1の読取りを行い、
前記照合装置は、前記RFID読取装置で購入に係る前記ゲーミングチップの前記RFIDタグから読み取られた前記用品識別情報と前記データベースに記憶された前記用品識別情報とを照合する、請求項3に記載の管理システム。
【請求項5】
前記カジノ用品は、カジノ内で用いられるゲーミングチップであり、
前記複数のRFID読取装置のうちの少なくとも1つは、前記カジノ内のゲームテーブル又はピットに設置されて、
前記ゲームテーブル又はピットに設置された前記RFID読取装置は、前記ゲームテーブル又はピットに補充される前記ゲーミングチップについて前記第2の読取りを行い、
前記照合装置は、前記RFID読取装置で前記ゲームテーブル又はピットに補充される前記ゲーミングチップの前記RFIDタグから読み取られた前記タグ識別情報と前記データベースに記憶された前記タグ識別情報とを照合する、請求項3に記載の管理システム。
【請求項6】
前記カジノ用品は、カジノ内で用いられるゲーミングチップであり、
前記複数のRFID読取装置のうちの少なくとも1つは、前記カジノ内のゲームテーブルから前記ゲーミングチップを回収するバンクに配置され、
前記バンクに配置された前記RFID読取装置は、前記ゲームテーブルから回収された前記ゲーミングチップについて前記第2の読取りを行い、
前記照合装置は、前記RFID読取装置で前記ゲームテーブルから回収された前記ゲーミングチップの前記RFIDタグから読み取られた前記タグ識別情報と前記データベースに記憶された前記タグ識別情報とを照合する、請求項3に記載の管理システム。
【請求項7】
前記第2のRFID読取装置は、選択的に前記第2の読取りに代えて前記第1の読取りを行う、請求項1に記載の管理システム。
【請求項8】
前記制御装置は、前記第2のRFID読取装置に、前記第1の読取りを繰り返し行わせ、前記第1の読取りにおいて新たな前記用品識別情報が読み取られた場合に、前記第2の読取りを行わせる、請求項7に記載の管理システム。
【請求項9】
前記制御装置は、前記第2のRFID読取装置に、前記第1の読取りにおいて前記用品識別情報が新たに読み取られた前記カジノ用品について、前記第2の読取りを行わせる、請求項7に記載の管理システム。
【請求項10】
前記制御装置は、前記第1の読取りにおいて読み取られた前記用品識別情報の数、及び前記新たに読み取られた前記用品識別情報の数に基づいて、前記第2のRFID読取装置に、全ての前記カジノ用品について前記第2の読取りを行わせるか、前記用品識別情報が新たに読み取られた前記カジノ用品についてのみ前記第2の読取りを行わせるかを決定する、請求項7に記載の管理システム。
【請求項11】
前記制御装置は、前記第2のRFID読取装置に、前記第1の読取りで前記用品識別情報が新たに読み取られた前記カジノ用品についての前記第2の読取りにおいて、前記新たに読み取られた用品識別情報を指定して、前記カジノ用品の前記タグ識別情報の読取りを行わせる、請求項9に記載の管理システム。
【請求項12】
前記制御装置は、前記新たに読み取られた用品識別情報を指定した前記第2の読取りにおいて、前記タグ識別情報が読み取れない場合に、前記第2のRFID読取装置に、繰り返し前記新たに読み取られた用品識別情報を指定した前記第2の読取りを行わせる、請求項11に記載の管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFIDタグを備えたカジノ用品の管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
カジノで用いるカジノ用品として、RFIDタグを備えたものが知られている。RFIDタグに識別情報を記憶するとともに、データベースに有効なゲーム用品の識別情報を記憶し、カジノにおいてカジノ用品のRFIDタグを読み取ってデータベースと照合することで、当該ゲーム用品が真正なものであるか否かを判断してセキュリティを確保することができる。
【0003】
RFIDタグには、記憶領域としてTID(Tag Identifier)領域及びEPC領域(Electronic Product Code)領域を有しており、それぞれの領域に対して、RFIDタグに固有のタグ識別情報、及びRFIDタグを用いたカジノ用品に固有の用品識別情報を記憶させることができる。
【0004】
RFIDタグ読み取とる際に、例えば、用品識別情報のみを用いて照合を行ってもよいし、タグ識別情報と用品識別情報とをいずれも用いて照合を行うこともできる。前者は比較的短い時間で読取り及び照合を行うことができる一方で、セキュリティのレベルは比較的低くなる。一方で、後者は読取り及び照合に要する時間は比較的長くなるが、セキュリティレベルは高くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際出願公開第WO2008/120749号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、タグ識別情報及び用品識別情報を用いてカジノ用品のセキュリティを実現する新たな技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様の管理システムは、RFIDタグを備えたカジノ用品の管理システムであって、前記RFIDタグには、当該RFIDタグの製造時に付与されるタグ識別情報と、当該カジノ用品の製造時に付与される用品識別情報と含む識別情報が記憶され、前記管理システムは、読取範囲内に存在する前記カジノ用品について、前記RFIDタグから前記識別情報を読み取るRFID読取装置と、前記RFID読取装置を制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記RFID読取装置に、前記タグ識別情報を読み取らずに前記用品識別情報を読み取らせる第1の読取りを繰り返し行わせ、前記第1の読取りにおいて新たな前記用品識別情報が読み取られた場合に、前記RFID読取装置に前記タグ識別情報を読み取る第2の読取りを行わせる。
【0008】
この構成により、RFID読取装置において繰り返しRFIDタグの読取りを行う場合において、通常は用品識別情報を読み取るとともに、新たに読み取られたRFIDについてタグ識別情報を読み取るようにしたので、読取りに要する時間を短縮しつつ高度なセキュリティを確保できる。
【0009】
上記の管理システムにおいて、前記制御装置は、前記RFID読取装置に、前記第1の読取りにおいて前記用品識別情報が新たに読み取られた前記カジノ用品について、前記第2の読取りを行わせてよい。
【0010】
上記の管理システムにおいて、前記制御装置は、前記第1の読取りにおいて読み取られた前記用品識別情報の数、及び前記新たに読み取られた前記用品識別情報の数に基づいて、前記RFID読取装置に、全ての前記カジノ用品について前記第2の読取りを行わせるか、前記用品識別情報が新たに読み取られた前記カジノ用品についてのみ前記第2の読取りを行わせるかを決定してよい。
【0011】
上記の管理システムにおいて、前記制御装置は、前記第1の読取りで前記用品識別情報が新たに読み取られた前記カジノ用品についての前記第2の読取りにおいて、前記新たに読み取られた用品識別情報を指定して、前記カジノ用品の前記タグ情報の読取りを行わせてよい。
【0012】
上記の管理システムにおいて、前記制御装置は、前記新たに読み取られた用品識別情報を指定した前記第2の読取りにおいて、前記タグ情報が読み取れない場合に、繰り返し前記新たに読み取られた用品識別情報を指定した前記第2の読取りを行ってよい。
【0013】
上記の管理システムは、同一の前記カジノ用品に付与された前記識別情報として前記タグ識別情報と前記用品識別情報との組み合わせを記憶したデータベースと、前記RFIDタグから読み取られた前記識別情報と前記データベースに記憶された前記識別情報とを照合する照合装置とを備えていてよく、前記制御装置は、前記新たに読み取られた用品識別情報を指定した前記第2の読取りにおいて、前記タグ情報が読み取れない場合に、前記照合装置に、前記新たに読み取られた用品識別情報と、前記データベースに記憶された前記用品識別情報とを照合させてよく、 前記前記新たに読み取られた用品識別情報を指定した前記第2の読取りにおいて、前記タグ情報が読み取れた場合に、前記照合装置に、前記新たに読み取られた用品識別情報及び読み取られた前記タグ情報と、前記データベースに記憶された前記用品識別情報及び前記タグ情報とを照合させてよい。
【0014】
本発明の他の態様の管理システムは、RFIDタグを備えたカジノ用品の管理システムであって、前記RFIDタグには、当該RFIDタグの製造時に付与されるタグ識別情報と、当該カジノ用品の製造時に付与される用品識別情報と含む識別情報が記憶され、前記管理システムは、前記RFIDタグから前記識別情報を読み取るRFID読取装置と、前記RFID読取装置を制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記RFID読取装置に、前記RFIDタグから前記タグ識別情報を読み取らずに前記用品識別情報を読み取る第1の読取りと、前記RFIDタグから前記タグ識別情報を読み取る第2の読取りとを選択的に行わせる。
【0015】
この構成により、RFID読取装置が用品識別情報のみを読み取るか、タグ識別情報を読み取るかを切り替えるのでで、状況に応じて高度のセキュリティを実現するか短時間の読取りを実現するかを切り替えることができる。
【0016】
上記の管理システムにおいて、前記制御装置は、前記第2の読取りとして、前記RFID読取装置に、読取可能なすべての前記RFIDタグから前記用品識別情報とともに前記タグ識別情報を読み取らせてよい。
【0017】
上記の管理システムにおいて、前記制御装置は、前記第2の読取りとして、前記RFID読取装置に、指定された一部のカジノ用品の前記タグ識別情報を読み取らせてよい。
【0018】
上記の管理システムは、同一の前記カジノ用品に付与された前記識別情報として前記タグ識別情報と前記用品識別情報との組み合わせを記憶したデータベースと、前記RFIDタグから読み取られた前記識別情報と前記データベースに記憶された前記識別情報とを照合する照合装置とをさらに備えていてよい。
【0019】
上記の管理システムにおいて、前記照合装置は、前記RFID読取装置が前記第1の読取りを行ったときは、前記RFIDタグから読み取られた前記用品識別情報と前記データベースに記憶された用品識別情報とを照合してよい。
【0020】
上記の管理システムにおいて、前記照合装置は、前記RFID読取装置が前記第2の読取りを行ったときは、前記RFIDタグから読み取られた前記タグ識別情報と前記データベースに記憶された前記タグ識別情報とを照合してよい。
【0021】
上記の管理システムにおいて、前記データベースには、前記カジノ用品の各々について、有効化されているか否かを示す情報が記憶されていてよく、前記照合装置は、さらに、前記RFIDタグから読み取られた前記識別情報に対応する前記カジノ用品が有効化されているか否かを確認してよい。
【0022】
上記の管理システムは、前記RFID読取装置で読み取られた前記識別情報を記憶するための記憶装置を備えていてよい。
【0023】
上記の管理システムにおいて、前記照合装置は、前記RFID読取装置で読み取られた最新の前記識別情報と、当該RFID読取装置で読み取られて前記記憶装置に記憶された直前の前記識別情報とを比較することで、当該RFID読取装置で読み取られる前記識別情報の変動を検知してよい。
【0024】
上記の管理システムにおいて、前記カジノ用品は、ゲーミングチップであってよく、前記RFID読取装置は、前記カジノ内のゲームテーブルに設置されて、前記ゲームテーブル上にベットされた前記ゲーミングチップの前記RFIDタグを読み取ってよく、前記制御装置は、前記ゲームテーブル上にベットされた前記ゲーミングチップについて、まず、前記第2の読取りとして、前記RFID読取装置に、前記RFIDタグから前記タグ識別情報及び前記用品識別情報を読み取らせ、その後に、前記第1の読取りとして、前記RFID読取装置に、前記RFIDタグから前記タグ識別情報を読み取ることなく、繰り返し前記用品識別情報を読み取らせてよい。
【0025】
上記の管理システムは、前記RFID読取装置で読み取られた前記識別情報を記憶するための記憶装置をさらに備えていてよく、前記制御装置は、前記RFIDタグから前記用品識別情報を読み取ったときに、前記記憶装置に当該用品識別情報を記憶してよい。
【0026】
上記の管理システムにおいて、前記照合装置は、前記RFID読取装置が前記RFIDタグから前記用品識別情報を読み取ったときに、前記RFIDタグから読み取った前記用品識別情報と前記記憶装置に記憶されている前記用品識別情報とを比較して、新たに読み取られた前記用品識別情報及び/又は読み取られなくなった前記用品識別情報の有無を判定してよい。
【0027】
上記の管理システムにおいて、前記制御装置は、所定の条件を満たすときに、前記第2の読取りとして、前記RFID読取装置に、前記ゲームテーブル上にベットされた前記ゲーミングチップの前記RFIDタグから前記タグ識別情報を読み取らせてよい。
【0028】
上記の管理システムは、ゲームに用いるプレイングカードを1枚ずつ引き出すためのシューをさらに備えていてよく、前記所定の条件は、前記ゲームにおける最初のプレイングカードが引かれることであってよい。
【0029】
上記の管理システムにおいて、前記カジノ用品は、ゲーミングチップであってよく、前記RFID読取装置は、前記カジノ内のゲームテーブルのチップトレイに設置されて、前記チップトレイに収容された前記ゲーミングチップの前記RFIDタグを読み取ってよく、前記制御装置は、前記チップトレイに収容された前記ゲーミングチップについて、まず、前記第2の読取りとして、前記RFID読取装置に、前記RFIDタグから前記タグ識別情報及び前記用品識別情報を読み取らせ、その後に、前記第1の読取りとして、前記RFID読取装置に、前記RFIDタグから前記タグ識別情報を読み取らせることなく、繰り返し前記用品識別情報を読み取らせてよい。
【0030】
上記の管理システムは、前記RFID読取装置で読み取られた前記識別情報を記憶するための記憶装置をさらに備えていてよく、前記制御装置は、前記RFIDタグから前記用品識別情報を読み取ったときに、前記記憶装置に当該用品識別情報を記憶してよい。
【0031】
上記の管理システムにおいて、前記照合装置は、前記RFID読取装置が前記RFIDタグから前記用品識別情報を読み取ったときに、前記RFIDタグから読み取った前記用品識別情報と前記記憶装置に記憶されている前記用品識別情報とを比較して、新たに読み取られた前記用品識別情報及び/又は読み取られなくなった前記用品識別情報の有無を判定してよい。
【0032】
上記の管理システムにおいて、前記制御装置は、前記制御装置が新たに読み取られた前記用品識別情報又は読み取られなくなった前記用品識別情報があると判定した場合に、前記チップトレイに収容された前記ゲーミングチップについて、前記第1の読取りを行わせてよい。
【0033】
上記の管理システムにおいて、前記制御装置は、所定の指示があった場合に、前記RFID読取装置に、前記第2の読取りを行わせてよい。
【0034】
上記の管理システムにおいて、前記制御装置は、前記照合装置が新たに読み取られた前記用品識別情報があると判定した場合に、前記RFID読取装置に、前記新たに読み取られた前記用品識別情報を有する前記カジノ用品の前記RFIDタグから前記タグ識別情報を読み取らせてよい。
【0035】
上記の管理システムにおいて、前記制御装置は、前記新たに読み取られた前記用品識別情報又は前記読み取られなくなった前記用品識別情報の数に応じて、前記第1の読取りを行うか、前記第2の読取りを行うかを決定してよい。
【0036】
上記の管理システムにおいて、前記制御装置は、所定の条件を満たすときに、前記第2の読取りとして、前記RFID読取装置に、前記チップトレイに収容された前記ゲーミングチップの前記RFIDタグから前記タグ識別情報を読み取ってよい。
【0037】
上記の管理システムは、ゲームに用いるプレイングカードを1枚ずつ引き出すためのシューをさらに備えていてよく、前記所定の条件は、前記ゲームにおける最初のカードが引かれることであってよい。
【0038】
上記の管理システムにおいて、前記制御装置は、ゲーム中は前記第1の読取りを行い、前記ゲームの終了後に前記第2の読取りを行ってよい。
【0039】
上記の管理システムにおいて、前記RFID読取装置は、前記チップトレイを複数の部分領域に分割した各領域の前記ゲーミングチップの前記RFIDタグをそれぞれ読み取る複数のアンテナを備えていてよく、前記制御装置は、前記照合装置が前記複数のアンテナのうちの一のアンテナで新たに読み取られた前記用品識別情報があると判定した場合に、前記複数のアンテナのうちの一のアンテナ及び他のアンテナに、前記新たに読み取られた前記用品識別情報を有する前記カジノ用品の前記RFIDタグから前記タグ識別情報を読み取らせてよい。
【0040】
上記の管理システムにおいて、前記制御装置は、前記複数のアンテナのうちの一のアンテナ及び他のアンテナで、前記新たに読み取られた前記用品識別情報を有する前記カジノ用品の前記RFIDタグから前記タグ識別情報を読み取れなかった場合に、前記複数のアンテナのすべてに、前記新たに読み取られた前記用品識別情報を有する前記カジノ用品の前記RFIDタグから前記タグ識別情報を読み取らせてよい。
【0041】
上記の管理システムにおいて、前記制御装置は、前記RFID読取装置に、所定の時間ごとに前記第2の読取りを行わせてよい。
【0042】
上記の管理システムにおいて、前記RFID読取装置は、前記カジノ内のゲームテーブルに設置されてよく、前記制御装置は、前記RFID読取装置に、前記ゲームテーブルにおけるゲームに関連する所定のタイミングで前記第2の読取りを行わせてよい。
【0043】
上記の管理システムにおいて、前記RFIDタグは、更に当該カジノ用品の価値を記憶していてよく、前記照合装置は、前記RFID読取装置が前記第2の読取りを行った場合に、前記価値の大きさに応じて、前記用品識別情報のみの照合を行うか、前記タグ識別情報及び前記用品識別情報の照合を行うかを決定してよい。
【0044】
上記の管理システムにおいて、前記第2の読取りは、前記用品識別情報をもとに前記タグ識別情報を読み取り、又は前記用品識別情報と前記タグ識別情報とを同時に読み取ってよい。
【0045】
本発明のさらに他の態様の管理システムは、RFIDタグを備えたカジノ用品の管理システムであって、前記RFIDタグには、当該RFIDタグの製造時に付与されるタグ識別情報と、当該カジノ用品の製造時に付与される用品識別情報と含む識別情報が記憶され、前記管理システムは、前記カジノ用品を取り扱う複数のカジノ用品取扱ロケーションにそれぞれ配置された、前記RFIDタグから前記識別情報を読み取る複数のRFID読取装置を備え、前記複数のRFID読取装置は、前記タグ識別情報を読み取らずに前記用品識別情報を読み取る第1の読取りを行う第1のRFID読取装置と、前記第1の読取りと前記タグ識別情報を読み取る第2の読取りとを選択的に行う第2のRFID読取装置とを含んでいてよい。
【0046】
上記の管理システムは、同一の前記カジノ用品に付与された前記タグ識別情報と前記用品識別情報との組み合わせを記憶したデータベースと、前記RFIDタグから読み取られた前記識別情報と前記データベースに記憶された前記識別情報とを照合する照合装置とをさらに備えていてよい。
【0047】
上記の管理システムにおいて、前記カジノ用品は、ゲーミングチップであってよく、前記複数のRFID読取装置のうちの少なくとも1つは、前記ゲーミングチップを換金する換金所に配置されてよく、前記換金所に配置された前記RFID読取装置は、換金に係る前記ゲーミングチップについて前記第2の読取りを行ってよく、前記照合装置は、前記RFID読取装置で換金に係る前記ゲーミングチップの前記RFIDタグから読み取られた前記タグ識別情報と前記データベースに記憶された前記タグ識別情報とを照合してよい。
【0048】
上記の管理システムにおいて、前記カジノ用品は、ゲーミングチップであってよく、前記複数のRFID読取装置のうちの少なくとも1つは、前記ゲーミングチップを購入する購入所に配置されてよく、前記購入所に配置された前記RFID読取装置は、購入に係る前記ゲーミングチップについて前記第1の読取りを行ってよく、前記照合装置は、前記RFID読取装置で購入に係る前記ゲーミングチップの前記RFIDタグから読み取られた前記用品識別情報と前記データベースに記憶された前記用品識別情報とを照合してよい。
【0049】
上記の管理システムにおいて、前記カジノ用品は、ゲーミングチップであってよく、前記複数のRFID読取装置のうちの少なくとも1つは、前記カジノ内のゲームテーブル又はピットに設置されてよく、前記ゲームテーブル又はピットに設置された前記RFID読取装置は、前記ゲームテーブル又はピットに補充される前記ゲーミングチップについて前記第2の読取りを行ってよく、前記照合装置は、前記RFID読取装置で前記ゲームテーブル又はピットに補充される前記ゲーミングチップの前記RFIDタグから読み取られた前記タグ識別情報と前記データベースに記憶された前記タグ識別情報とを照合してよい。
【0050】
上記の管理システムにおいて、前記カジノ用品は、ゲーミングチップであってよく、前記複数のRFID読取装置のうちの少なくとも1つは、前記カジノ内のゲームテーブルから前記ゲーミングチップを回収するバンクに配置されてよく、前記バンクに配置された前記RFID読取装置は、前記ゲームテーブルから回収された前記ゲーミングチップについて前記第2の読取りを行ってよく、前記照合装置は、前記RFID読取装置で前記ゲームテーブルから回収された前記ゲーミングチップ前記RFIDタグから読み取られた前記タグ識別情報と前記データベースに記憶された前記タグ識別情報とを照合してよい。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態のカジノ用品の製造及び使用の過程を示す図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施の形態のカジノ用品としてのゲーミングチップの斜視図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施の形態のゲーミングチップのRFIDタグに記憶される情報を示す図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施の形態のカジノシステムの全体構成を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施の形態のテーブルを示す図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施の形態のデータベースに記録される各ゲーミングチップの情報のデータ構造を示す図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施の形態におけるテーブルシステムの動作のフローチャートである。
【
図8】
図8は、本発明の実施の形態におけるテーブルシステムにおけるRFIDタグの読取動作の変形例のフローチャートである。
【
図9】
図9は、本発明の実施の形態におけるテーブルシステムにおけるRFIDタグの読取動作の他の変形例のフローチャートである。
【
図10】
図10は、本発明の実施の形態のカジノ用品としてのゲーミングチップ(ディカルを外した状態)の斜視図である。
【
図11】
図11は、本発明の実施の形態の変形例のテーブルゲームの管理システムの全体の概要を示す図である。
【
図12】
図12は、本発明の実施の形態の変形例のデータベースの概要を示す図である。
【
図13】
図13は、本発明の実施の形態の変形例の第2の例の遊技用代用貨幣が有するRFIDタグの説明図である。
【
図14】
図14は、本発明の実施の形態の変形例の第2の例の遊技用代用貨幣のデータの記録方法を示す概念図である。
【
図15】
図15は、本発明の実施の形態の変形例の第2の例の遊技用代用貨幣の管理システムの全体の概要を示す図である。
【
図16】
図16は、本発明の実施の形態の変形例の第2の例の遊技用代用貨幣の読取装置及び書込装置を示す図である。
【
図17A】
図17Aは、本発明の実施の形態の変形例の第2の例の遊技用代用貨幣のデータの構造を示す説明図である。
【
図17B】
図17Bは、本発明の実施の形態の変形例の他の例の遊技用代用貨幣のデータの構造を示す説明図である。
【
図18】
図18は、本発明の実施の形態の変形例の他の例のデータベースを示す図である。
【
図19】
図19は、本発明の実施の形態の変形例の複数の遊技テーブルを有する遊技場におけるテーブルゲームの管理システムの全体の概要を示す図である。
【
図20】
図20は、本発明の実施の形態の変形例のカメラおよびRFIDによるチップの読取結果を示す図である。
【
図21】
図21は、本発明の実施の形態の変形例の遊技テーブルを示す図である。
【
図22】
図22は、本発明の実施の形態の変形例の遊技テーブルに賭けられた遊技用代用貨幣の状態を示す図である。
【
図23】
図23は、本発明の実施の形態の変形例の遊技テーブルに賭けられた遊技用代用貨幣の状態を示す図である。
【
図24A】
図24Aは、本発明の実施の形態の変形例のチップトレイの詳細を示す図である。
【
図24B】
図24Bは、本発明の実施の形態の変形例のチップトレイの他の例を示す図である。
【
図25】
図25は、本発明の実施の形態の変形例の遊技テーブルの図である。
【
図26】
図26は、本発明の実施の形態の変形例のカメラおよびRFIDによるチップの読取結果を示す図である。
【
図27】
図27は、本発明の実施の形態の変形例の他の例の遊技テーブルの図である。
【
図28】
図28は、本発明の実施の形態の変形例の他の例の遊技テーブルの図である。
【
図29】
図29は、本発明の実施の形態の変形例の他の例の遊技テーブルの図である。
【
図30】
図30は、本発明の実施の形態の変形例の遊技用代用貨幣の斜視図である。
【
図31】
図31は、本発明の実施の形態の変形例の遊技用代用貨幣の断面図である。
【
図32】
図32は、本発明の実施の形態の変形例の遊技用代用貨幣の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
以下に、本発明に係る管理システムについて図面を参照しつつ詳細に説明する。ただし、下記実施の形態によりこの発明が限定されるものではなく、下記実施の形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものまたは実質的に同一のものが含まれる。
【0053】
以下では、カジノ用品がゲーミングチップである例を説明するが、カジノ用品はゲーミングチップ以外の物であってもよく、例えば、複数デッキのプレイングカードがシャッフルされてパッケージされたシャッフルプレイングカードパッケージであってもよい。また、カジノ用品はゲーミングチップのようにカジノ内において流通する物でなくてもよく、シャッフルプレイングカードパッケージのようにカジノにおいて大量に消費されて廃棄される物でなくてもよい。
【0054】
図1は、本発明の実施の形態のカジノ用品の製造及び使用の過程を示す図である。
図2は、本発明の実施の形態のカジノ用品としてのゲーミングチップの斜視図である。
図2に示すように、ゲーミングチップ72の側面には当該ゲーミングチップ72の価値を表す模様が表れており、かつ、その表面及び裏面の中央にはディカル723が貼られており、ディカル723には当該ゲーミングチップ72の価格を示す数字が表記されている。また、ゲーミングチップ72には、RFIDタグ721が内蔵される。
【0055】
図1に示すように、チップ製造者としてのチップ製造工場200は、RFIDタグ製造工場100からRFIDタグ721を仕入れて、これを用いてRFIDタグ721を内蔵したゲーミングチップ72を製造して、カジノ300に提供する。カジノ300では、チップ製造工場200からRFIDタグ721を内蔵したゲーミングチップ72を仕入れて、フロア302においてゲーミングチップ72を用いたゲームを運営する。
【0056】
図3は、本発明の実施の形態のゲーミングチップのRFIDタグに記憶される情報を示す図である。
図3に示すように、RFIDタグ721には、記憶領域として、RFIDタグ721の製造者(RFIDタグ工場100)によって付与されるタグ識別情報を記憶するTID領域211と、RFIDタグ721を内蔵したゲーミングチップ72の製造者(チップ製造工場200)によって付与される用品識別情報を記憶するEPC領域212とが含まれる。TID領域211には、RFIDタグ721を製造するRFIDタグ製造工場100によってタグ識別情報が記憶され、EPC領域212には、ゲーミングチップ72を製造するチップ製造工場200によって用品識別情報が記憶される。
【0057】
TID領域211には、タグ識別情報として、RFIDタグ721に固有のタグIDが記憶され、EPC領域212には、用品識別情報として、ゲーミングチップ72に固有のチップIDが記憶される。また、EPC領域212には、チップIDの他に、種類情報として、当該ゲーミングチップの属性(換金できないNNチップであるか、換金可能なキャッシュチップであるか)及び価値(10ドル、100ドル、1000ドル等)が記憶され、製造情報として、当該ゲーミングチップ72を製造した製造工場を特定するための製造工場ID及びその製造日が記憶され、当該ゲーミングチップ72が使用されるカジノを特定するためのカジノIDが記憶され、更に、アクティベーション情報として、アクティベーションステータス(「有効」又は「無効」)及びその更新日時が記憶される。なお、チップ製造工場200でゲーミングチップ72が製造された時点では、アクティベーションステータスは「無効」とされている。
【0058】
なお、アクティベーションステータスは、フラグによって表現されてもよい。この場合は、フラグが立っている場合には「有効」であり、フラグが立っていない場合は「無効」ないし「非有効」であると解釈される。また、種類情報、製造情報、カジノID、チップID(用品識別情報)、アクティベーション情報の一部又は全部は、EPC領域212ではなく、RFIDタグ721の図示しないユーザ領域に記憶されてもよい。
【0059】
チップ製造工場200においてRFIDタグ721を内蔵したゲーミングチップ72を製造するために、まず、RFIDタグ製造工場100でRFIDタグ721が製造される。このとき、RFIDタグ72のTID領域211には、当該RFIDタグ721を識別するためのタグ識別情報が書き込まれる。RFIDタグ製造工場100で製造されたRFIDタグ72は、チップ製造工場200に提供される。チップ製造工場200では、このRFIDタグ721を内蔵するゲーミングチップ72を製造する。そして、チップ製造工場200では、このRFIDタグ721のEPC領域212に、チップID及びその他の情報(
図3参照)が書き込まれる。
【0060】
チップ製造工場200では、ゲーミングチップ72の製造と並行して、タグIDとチップIDとの組み合わせ(以下、タグIDとチップIDを総称して「識別情報」という。)を記録したデータファイル73を用意する。チップ製造工場200は、製造したゲーミングチップ72をカジノ300に供給するとともに、これとは別ルートでデータファイル73をカジノ300に提供する。なお、データファイル73は電子メールでゲーミングチップ72の製造者からカジノ300に送信されてよく、あるいは、可搬型の記憶媒体に記録してゲーミングチップ72の製造者からカジノ300に渡されてもよいし、ゲーミングチップ72の製造者によってクラウドのストレージに保存されてカジノ300によってダウンロードされてもよい。このとき、データファイル73は、適切な方法で暗号化された状態でチップ製造工場200からカジノ300に提供される。
【0061】
カジノ300は、プレイヤ74が入ることができないバックヤード301と、プレイヤ74がゲームをプレイするためのフロア302とを有する。バックヤード301には、ゲーミングチップ72を含むゲーム用品を保管するための倉庫31と、ゲーミングチップ72をアクティベートする手続きを行う手続室32と、フロア302に通じているキャッシャ33及びバンク34とを備えている。
【0062】
キャッシャ33は、フロア302に通じる窓口を有している。キャッシャ33では、フロア302のプレイヤ74に対して現金と引き換えにゲーミングチップ72を与え、かつ、フロア302のプレイヤ74から与えられたゲーミングチップ72と引き換えにプレイヤ74に現金を与える。すなわち、プレイヤ74は、キャッシャ33の窓口を通じて現金を用いてゲーミングチップ72を購入することができ、かつ、ゲーミングチップ72を現金に交換してもらうことができる。
【0063】
バンク34は、ピット35との間でゲーミングチップ72のフィル及びクレジットを行う。フィルでは、ピット35においてテーブル36に供給するゲーミングチップ72が不足している場合に、バンク34からピット35にゲーミングチップ72が供給される。クレジットでは、ピット35においてゲーミングチップ72が十分ある場合に、ピット35からバンク34にゲーミングチップ72が戻される。このために、バンク34には、フロア302との間でゲーミングチップ72の出し入れするための通路ないし窓口が用意されている。
【0064】
チップ製造工場200からカジノ300に供給されたゲーミングチップ72は、まずバックヤード301の倉庫31に保管される。手続室32では、倉庫31に保管されているゲーミングチップ72に対してアクティベーション手続を行う。アクティベーション手続を経たゲーミングチップ72は、キャッシャ33又はバンク34を介してフロア302に持ち込まれる。なお、アクティベーション手続きを経たゲーミングチップ72は、いったん倉庫31に保管されて、倉庫31からキャッシャ33やバンク34に提供されてもよい。
【0065】
プレイヤ74は、キャッシャ33又はテーブル36でゲーミングチップ72を購入することができる。プレイヤ74は、テーブル36で行われるゲームにおいてゲーミングチップ72を賭けて、ゲームに勝つとディーラ75からゲーミングチップ72の償還を受け、ゲームに負けると賭けたゲーミングチップ72をディーラ75に回収される。このように、テーブル36のディーラ75が所有するゲーミングチップ72はゲームによって増減する。テーブル36においてゲーミングチップ72が不足すると、ピット35からテーブル36にゲーミングチップ72が補充され、テーブル36においてゲーミングチップ72が過剰になると、テーブル36からピット35にゲーミングチップ72が移動させられる。また、プレイヤ74は、ゲート38を介してフロア302に対して出入りすることができる。カジノによっては、ゲーミングチップ72を所持したままフロア302を出入りすることが許される。
【0066】
カジノ300における倉庫31、手続室32、キャッシャ33、バンク34、各ピット35、各テーブル36、ゲート38は、いずれもカジノ用品としてのゲーミングチップ72を取り扱う場所であって、以下、これらを総称してカジノ用品取扱ロケーションという。
【0067】
図4は、本発明の実施の形態のゲーム用品の管理システムの全体構成を示すブロック図である。管理システム30は、手続室32に備えられた手続室システム320と、キャッシャ33に備えられたキャッシャシステム330と、バンク34に備えられたバンクシステム340と、各ピット35に備えられたピットシステム350と、各テーブル36に備えられたテーブルシステム360とを備えている。
【0068】
これらの手続室システム320、キャッシャシステム330、バンクシステム340、ピットシステム350、及びテーブルシステム360は、互いに通信可能に接続される。これらのシステム間の通信は、有線であっても無線であってもよい。このように、カジノシステム30は、各カジノ用品取扱ロケーションに設置されたサブシステム(即ち、手続室システム320、キャッシャシステム330、バンクシステム340、ピットシステム350、及びテーブルシステム360)を複数備えたネットワークシステムである。
【0069】
手続室システム320は、手続室32に持ち込まれたゲーミングチップ72に内蔵されたRFIDタグ721を読み取るためのアンテナ321及びアクティベーションリーダライタ322と、各カジノ用品取扱ロケーションのゲーミングチップ72が登録されたものであるか否かを照合する中央照合装置323と、データを入力するための入力装置324と、ゲーミングチップ72をアクティベート(有効化、登録)するための登録装置325と、識別情報及びアクティベーションステータスを含む各ゲーミングチップ72の情報を記憶するデータベース326とを備えている。
【0070】
キャッシャシステム330は、キャッシャ33に持ち込まれたゲーミングチップ72あるいはキャッシャ33からフロア302に持ち出されるゲーミングチップ72のRFIDタグ721を読み取るためのアンテナ331及びキャッシャリーダライタ332と、キャッシャリーダライタ332で読み取られた情報を用いて当該ゲーミングチップ72の照合を行うためのキャッシャ照合装置333とを備えている。
【0071】
バンクシステム340は、バンク34に持ち込まれたゲーミングチップ72あるいはバンク34からフロア302に持ち出されるゲーミングチップ72のRFIDタグ721を読み取るためのアンテナ341及びバンクリーダライタ342と、バンクリーダライタ342で読み取られた情報を用いて当該ゲーミングチップ72の照合を行うためのバンク照合装置343とを備えている。
【0072】
ピットシステム350は、テーブル36又はバンク34からピット350に持ち込まれるゲーミングチップ72あるいはピット350からテーブル36又はバンク34に持ち出されるゲーミングチップ72のRFIDタグ721を読み取るためのアンテナ351及びピットリーダライタ352と、ピットリーダライタ352で読み取った情報を用いて当該ゲーミングチップ72の照合を行うためのピット照合装置353とを備えている。
【0073】
図5は、本発明の実施の形態のテーブルを示す図である。
図5に示すように、本実施の形態のテーブル36は、バカラをプレイするためのテーブルである。
図5及び
図4を参照して、テーブル36及びテーブルシステム360について説明する。テーブル36には、ディーラのゲーミングチップ72を収容するためのチップトレイ又はチップフロート(以下単に「チップトレイ」という。)36aが設けられる。また、テーブル36には、プレイヤポジションごとにゲーミングチップ72をベットするためのベットエリア36b1~36b6が設けられる。
【0074】
また、テーブル36には、プレイイングカードを1枚ずつ引き出すための電子シュー36cが設けられている。電子シュー36cには、ディーラによって引き出されるプレイングカードを検知するとともに、そのプレイングカードの少なくともランクの情報を検知するためのセンサが設けられている。電子シュー36cは、テーブル照合装置363に接続されており、ゲームにおける最初のプレイングカードが引き出されたことをテーブル照合装置363に通知する。
【0075】
具体的には、電子シュー36cは、ゲームの終了時ないしは開始時にディーラ75によって操作されるボタンを有しており、このボタン操作によってゲームの終了又はゲームの開始を把握する。また、電子シュー36cは、引き出されるカードのランクを読み取ることでゲームのルールに従ってゲームの終了を判断する。そして、電子シュー36cは、ゲームの終了又は開始の後に最初にプレイングカードが引き出されたことを検知したときに、ベッティングの終了を通知する信号をテーブル照合装置363に出力する。
【0076】
テーブルシステム360は、チップトレイに収容されるゲーミングチップ72のRFIDタグ721を読み取るべくチップトレイ36aに備えられたアンテナ361a及びチップトレイリーダライタ362aと、テーブル36のベットエリアに置かれた(ベットされた)ゲーミングチップ72のRFIDタグ721を読み取るべく、テーブル36のベットエリア36b1~36b6にそれぞれ配置されたアンテナ361b1~361b6(総称して「アンテナ361b」と表記する。)及びベットチップリーダライタ362bとを備えている。
【0077】
テーブルシステム360は、さらに、チップトレイリーダライタ362a及びベットチップリーダライタ362bで読み取った情報を用いて当該ゲーミングチップ72の照合を行うためのピット照合装置363と、チップトレイリーダライタ362a及びベットチップリーダライタ362bで読み取った情報を記憶するテーブル記憶装置364とを備えている。なお、ゲート38にも上記の各サブシステムと同様のゲートシステムが設けられていてもよい。
【0078】
(アクティベーション)
以下、手続室32において行われるアクティベーションの手続きについて説明する。チップ製造工場200で製造されたゲーミングチップ72は、カジノ300のバックヤード301に持ち込まれ、倉庫31で保管される。手続室32では、倉庫31に保管されたゲーミングチップ72を取り出して、手続室システム320を用いてゲーミングチップ72のアクティベーションの手続を行う。
【0079】
手続室システム320にはチップ製造工場200(ゲーミングチップ72の製造者)より識別情報を記録したデータファイル73が提供され、手続室システム320は、入力装置324にてこのデータファイル73を受け取る。データファイル73は暗号化されているので、入力装置324はこのデータファイル73を復号化する。なお、このデータファイル73には、識別情報の他に、各ゲーミングチップ72のRFIDタグ721に記憶されている他の一部または全部の情報(
図3参照)も記録されてよい。
【0080】
アンテナ321及びアクティベーションリーダライタ322は、アクティベートしようとするゲーミングチップ72のRFIDタグ721から識別情報であるタグID及びチップIDを読み取る。登録装置325は、アクティベーションリーダライタ322がゲーミングチップ72から読み取った識別情報が入力装置324で復号化されたデータファイル73に記憶されている識別情報のなかに存在するか否かを判断(照合)することで、当該ゲーミングチップ72がチップ製造工場200で正式に製造された真正のものであるか、あるいはチップ製造工場200で正式に製造されたものではない偽物又はRFIDタグ721が故障した物であるかを判断する。すなわち、登録装置325は、ゲーミングチップ72のRFIDタグ721に記憶された識別情報とデータファイル73に記憶された識別情報とが一致するか否かによってゲーミングチップ72の真贋を判定する。
【0081】
登録装置325は、真贋判定においてゲーミングチップ72が真正であると判定した場合は、その識別情報(タグID及びチップID)をデータベース326に記録することで、当該ゲーミングチップ72を登録する。このとき、ゲーミングチップ72のRFID721及び/又はデータファイル73に製造情報等のその他の情報が記録されている場合には、それらの情報も識別情報に関連付けてデータベース326に記録する。更に、登録装置325は、各ゲーミングチップ72のアクティベーション情報をデータベース326に記録にする。
【0082】
図6は、本発明の実施の形態のデータベースに記録される各ゲーミングチップの情報のデータ構造を示す図である。本実施の形態では、データベース326は、各ゲーミングチップ72について、タグ識別情報261としてタグIDを、種類情報262として属性及び価値を、製造情報と263として製造工場ID及び製造日を、チップ識別情報264としてチップID及びチップ表記IDを、アクティベーション情報265としてアクティベーションのステータス及び更新日時を、所在履歴情報266として所在及び読取日時の組合せの履歴を、それぞれ記録している。
【0083】
登録装置325は、照合に成功して真正と判定されたゲーミングチップ72について、データベース326に登録する際に、そのアクティベーション情報265のステータスを「有効」として記録し、かつその時の日時を更新日時として記録することで、当該ゲーミングチップ72を使用可能なものとしてアクティベート(有効化)する。これにより、データベース326を参照することで、各ゲーミングチップ72のアクティベーションステータスが「有効」であるか「無効」であるかを判定でき、また、アクティベーションがいつ行われたか(いつ登録されたか)を知ることもできる。
【0084】
本実施の形態では、ゲーミングチップ72のRFID721のEPC領域212にもアクティベーション情報が記録されているので、登録装置325は、使用可能なゲーミングチップ72の登録の処理として、アクティベーションリーダライタ322のライタ機能を制御することで、アンテナ321を介して、照合に成功して真正と判定されたゲーミングチップ72のRFIDタグ721に記録されたアクティベーションステータスを「無効」から「有効」に書き換える。これにより、各ゲーム用品取扱ロケーションのシステム330~360は、ゲーミングチップ72のRFIDタグ721を読み取るだけで当該ゲーミングチップ72のアクティベーションステータスが「有効」である「無効」であるかを知ることができる。
【0085】
以上のように、ゲーミングチップ70は、チップ製造工場200からカジノ300に運ばれて手続室システム320にて有効化されるまでは無効である。よって、移送の過程でゲーミングチップ72が盗まれることがあったとしても、そのようにして盗んだゲーミングチップ72はカジノ300のフロア302において使用できない。カジノはアクティベーション手続によって有効化した後のゲーミングチップ72の管理を厳重にすればよく、ゲーミングチップ72が製造された段階から厳重な管理をしなければならない場合と比較して、セキュリティのレベルを高くし、また、セキュリティコストを小さくできる。
【0086】
(カジノ用品取扱ロケーションにおける照合)
カジノ用品取扱ロケーションであるキャッシャ33、バンク34、ピット35、及びテーブル36では、それぞれキャッシャシステム330、バンクシステム340、ピットシステム350、及びテーブルシステム360を用いて、そこで取り扱われるゲーミングチップ72の識別情報の照合及びアクティベーションステータスの確認が行われる。以下、カジノ用品取扱ロケーションごとに説明する。
【0087】
キャッシャ33では、キャッシャシステム330のアンテナ331及びキャッシャリーダライタ332がキャッシャ33にあるゲーミングチップ72のRFIDタグ721を読み取って、タグID、チップID、及びアクティベーションステータスを取得する。キャッシャ照合装置333は、照合を行う機能のほか、キャッシャリーダライタ332の読取り及び書込みを制御する制御装置としての機能も有する。キャッシャ照合装置333は、まず、ゲーミングチップ72のRFIDタグ721から読み出したアクティベーションステータスが「無効」である場合には、その旨を示すエラー信号を出力する。キャッシャ33は、エラー信号が出力された場合には、そのゲーミングチップ72の取り扱いを中止する。
【0088】
キャッシャ照合装置333は、さらにキャッシャリーダライタ332で取得された識別情報(タグID及びチップID)を手続室システム320に送信する。手続室330の中央照合装置323は、キャッシャシステム330から受信した識別情報がデータベース326に記憶されているかを照合し、かつ、その識別情報に関連付けられたアクティベーションステータスが有効であるかを確認する。
【0089】
対応する識別情報がデータベース326に記憶されており(即ち真正であり)、かつそのアクティベーションのステータスが有効である場合は、中央照合装置323は、当該ゲーミングチップ72について、真正かつ有効であるとして、その旨の応答信号をキャッシャシステム330に送信する。一方、中央照合装置323は、照会を受けたゲーミングチップ72が真正でない場合には、真正でない旨のエラー信号をキャッシャシステム330に応答信号として送信し、照会を受けたゲーミングチップ72が真正であってもアクティベーションステータスが無効である場合には、真正だが無効である旨のエラー信号をキャッシャシステム330に応答信号として送信する。
【0090】
なお、キャッシャ照合装置333においてゲーミングチップ72のRFIDタグ721から読み取ったアクティベーションステータスが有効であるが、データベース326にはアクティベーションステータスが無効であると記録されているゲーミングチップ72があった場合には、キャッシャ照合装置333は、当該ゲーミングチップ72は偽造されたものであると判断して、キャッシャリーダライタ332のライタ機能を制御して、アンテナ331を介して当該ゲーミングチップ72のRFIDタグ721のアクティベーションステータスを「無効」に書き換える。あるいは、キャッシャ照合装置33は、アクティベーションステータスを「不明」に書き換えてもよい。
【0091】
また、データベース326にはアクティベーションステータスが「有効」であると記録されているが、キャッシャ照合装置333においてゲーミングチップ72のRFIDタグ721から読み取ったアクティベーションステータスが「無効」である場合には、そのようなゲーミングチップ72は、何らかの理由によりゲーミングチップ72のRFIDタグ721に記憶されたアクティベーションステータスが書き換わってしまったものと判断して、ゲーミングチップ72のRFIDタグ721に記憶されたアクティベーションステータスを「有効」に書き換えてもよい。あるいは、そのようなゲーミングチップ72のアクティベーションステータスを「無効」ないし「不明」に書き換えて、その取り扱いを中止してもよい。
【0092】
手続室32から直接あるいは倉庫31を経てキャッシャ33に持ち込まれるゲーミングチップ72については、手続室32ですでにアクティベーションがされていることから偽造ないし不正のゲーミングチップが存在する可能性は低いが、フロア302からユーザによって持ち込まれて換金されるゲーミングチップ72については偽造ないし不正のゲーミングチップ72が存在する可能性がある。したがって、キャッシャ照合装置333は、特に、換金に係るゲーミングチップ72について、識別情報の照合及びアクティベーションステータスの確認を行って、その結果をプレイヤ74及びキャッシャのスタッフに示してよい。あるいは、プレイヤ74がゲーミングチップ72を購入する際に、ゲーミングチップ72のRFIDタグ721に記憶された価値の情報を読み取ってそれをプレイヤ74に示す場合には、同時に識別情報の照合及びアクティベーションステータスの確認も行って、その結果を価値の情報と合わせてプレイヤ74に提示するようにしてもよい。
【0093】
キャッシャ照合装置333は、フロア302からユーザによって持ち込まれて換金されるゲーミングチップ72(持込チップ、バイインチップ)については、当該ゲーミングチップ72のRFIDタグ721からタグID及びチップIDを読み取って、中央照合装置323に送信して照合を行う。キャッシャ照合装置333は、プレイヤ74がゲーミングチップ72を購入する際には、プレイヤ74に渡すゲーミングチップ72(持出チップ、キャッシングチップ)について、そのRFIDタグ721からチップIDのみを読み取って、中央照合装置323に送信して照合を行う。このように、キャッシャ照合装置333は、扱うゲーミングチップ72が持込チップであるか持出チップであるかによって、チップIDのみで照合を行うか、タグIDとチップIDの両方について照合を行うかを決定する。
【0094】
なお、本実施の形態では、キャッシャシステム330では、1つのアンテナ331及びキャッシャリーダライタ332の組合せが、持込チップ及び持出チップのいずれも読み取るので、オペレータ(キャッシャ33のスタッフ)は、キャッシャ照合装置333に対して、読取りに係るゲーミングチップ72が持込チップであるか持出チップであるかを指定する。キャッシャ照合装置333は、この指定を受けて、キャッシャリーダライタ332を制御して、チップIDのみを読み取らせるか、タグIDとチップIDとを読み取らせるかを決定する。
【0095】
アンテナ331が持込チップ用と持出チップ用とにそれぞれ分かれており、1つのキャッシャリーダライタ332がそれらのアンテナ331を利用する場合には、キャッシャリーダライタ332は、キャッシャ照合装置333からの指示に従っていずれのアンテナ331を利用するかを指定する。
【0096】
あるいは、アンテナ331及びキャッシャリーダライタ332の組が、持込チップ用と持出チップ用にそれぞれ設けられていてもよい。この場合には、キャッシャ照合装置333は、オペレータからの指示に従って、いずれのアンテナ331及びキャッシャリーダライタ332の組を利用するかを決定する。
【0097】
さらに、持込チップ用のキャッシャシステム330と、持出チップ用のキャッシャシステム330とが別々に設けられていてもよい。この場合には、持込チップ用のキャッシャシステム330は、タグID及びチップIDを読み取るように構成され、持出チップ用のキャッシャシステム330は、タグIDを読み取らずにチップIDを読み取るように構成される。
【0098】
バンクシステム340も基本的にはキャッシャシステム330と同様の動作をする。フィルされるゲーミングチップ72は、バンク34からフロア302のピット35に運ばれることになるが、このようなゲーミングチップ72は、手続室32にてアクティベートされたものであるので、偽造ないし不正のゲーミングチップ72が混入していることは考えにくいが、クレジットの際にフロア302からバンク34に持ち込まれるゲーミングチップ72については、いったんプレイヤ74の手に渡った後にディーラによって回収されたものも含まれるため、偽造ないし不正のゲーミングチップ72が混入している可能性がある。そこで、バンクシステム340は、特に、フロア302から持ち込まれるゲーミングチップ72について、識別情報の照合及びアクティベーションステータスの確認を行ってよい。
【0099】
バンクシステム340もキャッシャシステム330と同様であり、即ち、バンク照合装置343は、フロア302から持ち込まれるゲーミングチップ72(持込チップ、クレジットチップ)については、それらのRFIDタグ721からタグID及びチップIDを読み取って照合を行い、バンク340からフロアに持ち出されるゲーミングチップ72(持出チップ、フィルチップ)については、タグIDは読み取らずにチップIDを読み取って、チップIDのみで照合を行う。バンク照合装置343は、照合を行う機能のほか、バンクリーダライタ342における読取り及び書込みを制御する制御装置としての機能も有する。
【0100】
また、バンクシステム340についても、持込チップ用のバンクシステム340と、持出チップ用のバンクシステム340とを別々に設けてもよい。この場合には、持込チップ用のバンクシステム340は、持込チップからタグIDとチップIDを読み取って照合を行い、持出チップ用のバンクシステム340は、持出チップからタグIDは読み取らずにチップIDのみを読み取って照合を行う。
【0101】
ピットシステム350も基本的にはキャッシャシステム330と同様の動作をする。ピット35には、バンク34からフィルされるゲーミングチップ72及びテーブル36で過剰になったチップ72が持ち込まれる。ピットシステム350は、このようにピット35に持ち込まれるゲーミングチップ72について照合を行う。また、ピット35で過剰になったゲーミングチップ72は、バンク34に移動させられ(クレジット)、あるいは、テーブル36でゲーミングチップ72が不足した場合にはピット35からテーブル36にゲーミングチップ72が補充される。ピットシステム350は、このようにピット35から出ていくゲーミングチップ72についても照合を行う。
【0102】
ピットシステム350もキャッシャシステム330及びバンクシステム340と同様であり、即ち、ピット照合装置353は、テーブル36から持ち込まれるゲーミングチップ72(持込チップ)については、それらのRFIDタグ721からタグID及びチップIDを読み取って照合を行い、それ以外のゲーミングチップ72については、タグIDは読み取らずにチップIDを読み取って、チップIDのみで照合を行う。ピット照合装置353は、照合を行う機能のほか、ピットリーダライタ352の読取り及び書込みを制御する制御装置としての機能も有する。
【0103】
テーブルシステム360の動作は以下のとおりである。テーブル36において、ディーラ75は、ゲームに勝ったプレイヤ74に対してチップトレイ36aからゲーミングチップ72を償還する。アンテナ361aは、チップトレイ36aに備えられており、チップトレイリーダライタ362aは、チップトレイ36aに収容されているゲーミングチップ72のRFIDタグ721から識別情報及びアクティベーションステータスを読み取る。チップトレイリーダライタ362aにて読み取られた識別情報は、テーブル照合装置363によって照合されるとともに、テーブル記憶装置364に記憶される。チップトレイに複数のゲーミングチップ72が収容されている場合には、テーブル記憶装置364には複数のゲーミングチップ72に対応する複数の識別情報が記憶される。
【0104】
テーブル照合装置363は、照合を行う機能のほか、チップトレイリーダライタ362a及びベットチップリーダライタ362bの読取り及び書込みを制御するとともに、テーブル記憶装置364に情報を記憶させる制御装置としての機能も有する。テーブル照合装置363は、まず、テーブル記憶装置364に記憶された過去の最新の識別情報とチップトレイリーダライタ362aで読み取られた現在の識別情報とを比較して両者が一致するか否かを判断する。
【0105】
テーブル照合装置363は、チップトレイリーダライタ362aで読み取った識別情報のなかに、テーブル記憶装置364に記憶された最新の識別情報にはない識別情報が存在する場合には、そのようなゲーミングチップ72について、上記のキャッシャ照合装置333と同様にして、当該識別情報がデータベース326に記憶されているかの照合及びデータベースにおいて当該識別情報に対応するアクティベーションステータスが「有効」になっているかの確認を行う。
【0106】
(チップトレイの読取り)
以下、チップトレイ36aに収容されたゲーミングチップ72の読取りについて具体的に説明する。テーブル照合装置363は、チップトレイ36a内のゲーミングチップ72を所定の時間間隔で繰り返し読み取るようにチップトレイリーダライタ362aを制御する。テーブル照合装置363は、通常は、チップトレイリーダライタ362aに対して、ゲーミングチップ72のRFIDタグ721からタグIDを読み取らずにチップIDを読み取るように指示する。テーブル照合装置363は、読み取られたチップIDと、テーブル記憶装置364に登録されている過去の最新のチップIDとを照合し、前の読取りの際に読み取られていなかった新たなチップIDが読み取られたゲーミングチップ72があるか否か、即ち新たなゲーミングチップ72がチップトレイ36aに持ち込まれたか否かを判断する。
【0107】
新たなゲーミングチップ72がチップトレイ36aに持ち込まれていない場合、即ち、読み取ったチップIDが、テーブル記憶装置364に記憶されている過去の最新のチップIDと一致する場合、及びテーブル記憶装置364に記憶された過去の最新のチップIDの一部が読み取られていないが、新たなチップIDは読み取られていない場合には、テーブル照合装置363は、読み取ったチップIDを最新の情報としてテーブル記憶装置364に記憶させて、次の読取りの際にもタグIDを読み取らずにチップIDを読み取るように、チップトレイリーダライタ362aを制御する。
【0108】
一方、新たなゲーミングチップ72がチップトレイ36aに追加された結果、チップトレイリーダライタ362aにおいて、テーブル記憶装置364に過去の最新のチップIDとして記憶されていないチップIDが読み取られた場合には、テーブル照合装置363は、次の読取りにおいて、新たに読み取られたチップIDを指定して、指定されたチップIDをもとに、当該チップIDを有するゲーミングチップ72のタグIDとを読み取るようにチップトレイリーダライタ362aを制御する。そして、テーブル照合装置363は、ゲーミングチップ72のRFIDタグ721から読み取られたタグIDとデータベース326に記録されているタグIDと照合する。
【0109】
図7は、本発明の実施の形態におけるテーブルシステムにおけるRFIDタグの読取動作のフローチャートである。アンテナ361aとチップトレイリーダライタ362aは、チップトレイ36a内のすべてのゲーミングチップ72のRFIDタグ721からチップIDを読み取る(ステップS61)。テーブル照合装置363は、これらの読み取られたチップIDの組と、テーブル記憶装置364に過去の最新のチップIDとして記憶されているチップIDの組とを照合して、読み取られたチップIDのなかにテーブル記憶装置364には記憶されていない新たなチップIDがあるか否かを判断する(ステップS62)。
【0110】
新たなチップIDが読み取られた場合には(ステップS62にてYES)、アンテナ361a及びチップトレイリーダライタ362aは、当該新たなチップIDを指定して、当該新たなチップIDをもとに、当該新たなチップIDを有するゲーミングチップ72のRFIDタグ721からタグIDを読み出し、このチップIDとタグIDとの組み合わせを手続室システム320に送信して、データベース326に記憶された情報と照合する(ステップS63)。そして、読み取ったすべてのチップIDの組を新たな過去のチップIDの組として、テーブル記憶装置364に記憶させる(ステップS64)。
【0111】
なお、テーブル照合装置363は、新たなチップIDが読み取られなかった場合(ステップS62でNO)、即ち、前回の読取りからチップトレイ36aに新たなゲーミングチップ72が追加されなかった場合は、読み取られたチップIDの組とテーブル記憶装置364に記憶されている過去の最新のチップIDの組との比較において、前の読取りでは読み取られていたが今回の読取りでは読み取られなくなったチップIDが存在するか否かを判断する(ステップS65)。
【0112】
読み取られなくなったチップIDが存在する場合、即ち、チップトレイ36aからゲーミングチップ72が持ち出された場合には(ステップS65でYES)、読み取ったすべてのチップIDの組を過去の最新のチップIDの組としてテーブル記憶装置364に記憶させる(ステップS64)。一方、読み取られなくなったチップIDが存在しない場合(ステップS65でNO)、即ち、チップトレイ36aにおいてゲーミングチップ72の増減ないし変動がなかった場合には、テーブル記憶装置364を更新しない。
【0113】
このように、本実施の形態では、テーブル36のチップトレイ36aにおいては、通常は所定の時間間隔でEPC領域212に記憶されたチップIDを読み取って、その変動を監視し、チップIDに変動があった場合、特に新たなチップIDが読み取られた場合に、当該新たなチップIDのゲーミングチップ72について、データベース326との照合及びデータベース326のアクティベーションステータスの確認を行う。よって、処理負荷を軽減でき、1サイクルに要する処理時間を短縮できる(処理速度を向上できる)。
【0114】
なお、テーブル照合装置363は、新たに読み取られたチップIDがあるか否かに関わらず、所定のタイミング及び/又は所定の条件下でデータベース326との照合及びデータベース326のアクティベーションステータスの確認を行うようにしてもよい。テーブル照合装置363は、例えば、電子シュー36cから最初のプレイングカードが引き出された旨の通知を受けたことを条件として、チップトレイリーダライタ362aに、チップトレイ36aのゲーミングチップ72からチップID、タグID、及びアクティベーションステータスを読み取らせて、データベース326との照合及びアクティベーションステータスの確認を行う。また、テーブル照合装置363は、電子シュー36cにおいてゲームの終了時ないしは開始時のボタン操作があった場合に、チップIDとタグIDとを読み取るようにチップトレイリーダライタ362aを制御してよい。
【0115】
図8は、本発明の実施の形態におけるテーブルシステムにおけるRFIDタグの読取動作の変形例のフローチャートである。この例では、アンテナ361aとチップトレイリーダライタ362aは、チップトレイ36a内のすべてのゲーミングチップ72のRFIDタグ721からチップIDを読み取る(ステップS81)。テーブル照合装置363は、これらの読み取られたチップIDの組と、テーブル記憶装置364に過去の最新のチップIDとして記憶されているチップIDの組とを照合して、読み取られたチップIDのなかにテーブル記憶装置364には記憶されていない新たなチップIDがあるか否かを判断する(ステップS82)。
【0116】
新たなチップIDが読み取られた場合には(ステップS82にてYES)、アンテナ361a及びチップトレイリーダライタ362aは、すべてのゲーミングチップ72について、RFIDタグ721からチップID及びタグIDを読み出し、このチップIDとタグIDとの組み合わせを手続室システム320に送信して、データベース326に記憶された情報と照合する(ステップS83)。そして、読み取ったすべてのチップIDの組を新たな過去のチップIDの組として、テーブル記憶装置364に記憶させる(ステップS84)。
【0117】
なお、テーブル照合装置363は、新たなチップIDが読み取られなかった場合(ステップS82でNO)、即ち、前回の読取りからチップトレイ36aに新たなゲーミングチップ72が追加されなかった場合は、読み取られたチップIDの組とテーブル記憶装置364に記憶されている過去の最新のチップIDの組との比較において、前の読取りでは読み取られていたが今回の読取りでは読み取られなくなったチップIDが存在するか否かを判断する(ステップS85)。
【0118】
読み取られなくなったチップIDが存在する場合、即ち、チップトレイ36aからゲーミングチップ72が持ち出された場合には(ステップS85でYES)、読み取ったすべてのチップIDの組を過去の最新のチップIDの組としてテーブル記憶装置364に記憶させる(ステップS84)。一方、読み取られなくなったチップIDが存在しない場合(ステップS85でNO)、即ち、チップトレイ36aにおいてゲーミングチップ72の増減ないし変動がなかった場合には、テーブル記憶装置364を更新しない。なお、読み取られなくなったチップIDが存在する場合には、テーブル照合装置363は、確認のために、読み取られなくなったチップIDをもう一度読むようにチップトレイリーダライタ362aを制御する。その場合に、チップIDを指定してタグIDを読むようにしてもよい。
【0119】
図9は、本発明の実施の形態におけるテーブルシステムにおけるRFIDタグの読取動作の他の変形例のフローチャートである。この例では、アンテナ361aとチップトレイリーダライタ362aは、チップトレイ36a内のすべてのゲーミングチップ72のRFIDタグ721からチップIDを読み取る(ステップS91)。テーブル照合装置363は、これらの読み取られたチップIDの組と、テーブル記憶装置364に過去の最新のチップIDとして記憶されているチップIDの組とを照合して、読み取られたチップIDのなかにテーブル記憶装置364には記憶されていない新たなチップIDがあるか否かを判断する(ステップS92)。
【0120】
新たなチップIDが読み取られた場合には(ステップS92にてYES)、テーブル照合装置363は、そのときのチップトレイ36aに収容されているゲーミングチップ72の枚数と新たに読み取られたチップIDの数とに基づいて、すべてのゲーミングチップのチップIDとタグIDとを同時に読み取るか(全スキャン読取り)、新たに読み取られたチップIDを指定して当該チップIDをもとにタグIDを読み取るか(指定読取り)を決定する(ステップS93)。本変形例では、テーブル照合装置363は、新たに読み取られたチップIDの数のチップトレイ36aに収容されているゲーミングチップ72の枚数に対する比が所定の閾値より大きいときは、全スキャン読取りを行うと決定し(ステップS93で「全」)、そのようにチップトレイリーダライタ362aを制御する。アンテナ361a及びチップトレイリーダライタ362aは、すべてのゲーミングチップ72について、RFIDタグ721からチップID及びタグIDを読み出し、このチップIDとタグIDとの組み合わせを手続室システム320に送信して、データベース326に記憶された情報と照合する(ステップS94)。
【0121】
一方、テーブル照合装置363は、新たに読み取られたチップIDの数のチップトレイ36aに収容されているゲーミングチップ72の枚数に対する比が所定の閾値より小さいときは、指定読取りを行うと決定し(ステップS93で「指定」)、そのようにチップトレイリーダライタ362aを制御する。アンテナ361a及びチップトレイリーダライタ362aは、新たなチップIDを指定して当該チップIDをもとにRFIDタグ721からタグIDを読み出し、このチップIDとタグIDとの組み合わせを手続室システム320に送信して、データベース326に記憶された情報と照合する(ステップS95)。
【0122】
テーブル照合装置363は、ステップS94又はステップS95のいずれかの方法でタグIDを読み取った後には、読み取ったすべてのチップIDの組を過去の最新のチップIDの組としてテーブル記憶装置364に記憶させる(ステップS96)。
【0123】
なお、本変形例では、テーブル照合装置363は、新たなチップIDが読み取られなかった場合(ステップS92でNO)、即ち、前回の読取りからチップトレイ36aに新たなゲーミングチップ72が追加されなかった場合は、読み取られたチップIDの組とテーブル記憶装置364に記憶されている過去の最新のチップIDの組との比較において、前の読取りでは読み取られていたが今回の読取りでは読み取られなくなったチップIDが存在するか否かに関わらず読み取ったすべてのチップIDを記憶することでテーブル記憶装置364を更新する(ステップS96)。
【0124】
指定読取りの場合には、チップIDを1つずつ指定して探索を行わなければならず、当該1つの指定されたチップIDを有するゲーミングチップ72を探索するのに時間が必要となって、必要なタグIDを読み出すまでに比較的長い時間を要することになる。一方で、全スキャン読取りでは、すべてのゲーミングチップ72からチップID及びタグIDを読み出すのに比較的長い時間を要することになる。よって、新たに読み取られたチップIDが比較的少ない場合には、指定読取りの方が短時間で処理が完了するが、新たに読み取られたチップIDが多い場合には、ゲーミングチップ72の探索を行わずに全スキャン読取りをした方が短時間で処理が完了する。そこで、本変形例では、テーブル照合装置363は、上記のように全ゲーミングチップ72の枚数と新たに読み取られたチップIDの数(新たにチップトレイ36aに追加されたゲーミングチップ72の枚数)とのそれぞれの大きさに基づいて、全スキャン読取りを行うか指定読取りを行うかを決定することとした。例えば、チップトレイ36aの電源起動時、テーブル36のオープン時など、指定のタイミングでは全スキャン読取りを行ってチップIDとタグIDの両方を読み取り、照合を行う。
【0125】
(ベットエリアの読取り)
プレイヤ74は、ゲームに対してベットする場合には、ベットするゲーミングチップ72をゲームテーブル上の所定のベットエリアに置く。アンテナ361b1~361b6は、ゲームテーブルのテーブル面におけるベットエリアの下に配置され、ベットチップリーダライタ362bは、ベットエリア36b1~36b6ごとに、ベットされたゲーミングチップ72のRFIDタグ721から識別情報を読み取る。ベットチップリーダライタ362bにて読み取られた識別情報は、テーブル照合装置363によって照合されるとともに、テーブル記憶装置364に記憶される。ベットエリア36b1~36b6に複数のゲーミングチップ72がベットされている場合には、テーブル記憶装置364には複数のゲーミングチップ72に対応する複数の識別情報が記憶される。
【0126】
アンテナ361b1~361b6及びベットチップリーダライタ362bは、プレイヤ74によってベットエリア36b1~36b6にベットされたゲーミングチップ72だけでなく、ディーラ75によってチップトレイ36aから払い出されたゲーミングチップ72のRFIDタグ721の読取りも行い、テーブル記憶装置374は、そのように払い出されるゲーミングチップ72のRFIDタグ721も読み取る。
【0127】
テーブル照合装置363は、ベットチップリーダライタ362bにてRFIDタグ721から読み取られた識別情報についてもチップトレイ36aに収容されたゲーミングチップ72と同様にして、アクティベーションステータスの確認及び識別情報の照合を行う。具体的には、テーブル照合装置363は、ベットチップリーダライタ362bにて読み取られた識別情報について、常にデータベース326との照合を行うのではなく、テーブル記憶装置364にベットチップリーダライタ362bから読み取られたものとして記憶された過去の最新の識別情報にはない新たな識別情報がアンテナ361b及びベットチップリーダライタ362bによって読み取られた場合に、中央照合装置323を介して、データベース326に記憶された識別情報との照合及びデータベース326に記憶されたアクティベーションステータスの確認を行う。
【0128】
以下、ベットエリア36b1~36b6にベットされたゲーミングチップ72の読取りについて具体的に説明する。上記のように、電子シュー36cは、テーブル照合装置363に対してベッティングの終了を通知する信号を出力する。テーブル照合装置363は、この信号を受けると、まず、ベッティングエリア36b1~36b6にベットされているすべてのゲーミングチップ72について、そのチップID及びタグIDを読み取るようにベットチップリーダライタ362bを制御する。そして、テーブル照合装置363は、読み取ったチップID及びタグIDを中央照合装置323に送信し、中央照合装置323にてチップID及びタグIDについてデータベース326との照合を行う。また、このとき読み取ったチップIDをテーブル記憶装置364に記憶させる。
【0129】
その後は、テーブル照合装置363は、ベットチップリーダライタ362bを制御して、所定の時間間隔で繰り返しベットエリア362b1~36b6の読取りを行わせる。このときは、テーブル照合装置363は、ベットチップリーダライタ362bに、ゲーミングチップ72のタグIDは読み取らせずにチップIDを読み取らせる。テーブル照合装置363は、読み取られたチップIDが、ベッティング終了時のチップIDとしてテーブル記憶装置364に記憶されているチップIDと一致するかを判断する。
【0130】
ベッティングが終了して最初のプレイングカードが引き出された後にゲーミングチップ72がベットエリア36b1~36b6に追加されることはルール違反である(レイトベッティング又はキャッピング)。また、ベッティングが終了して最初のプレイングカードが引き出された後にゲーミングチップ72がベットエリア36b1~36b6から取り除かれることもルール違反である(ピンチング)。最初のプレイングカードが引き出された後にベットエリア36b1~36b6において読み取られるゲーミングチップ72が減少することが許容されるのは、ディーラによる負けチップの回収のときであり、ゲーミングチップ72が増加することが許容されるのは、ディーラによる勝ちチップへの償還の時である。
【0131】
よって、テーブル照合装置363は、テーブル記憶装置364に記憶されている、最初のプレイングカードが引き出されたときに読み取られたチップIDが、ベットエリア36b1~36b6から読み取られなくなった場合には、チップトレイリーダライタ362aを制御して、チップトレイ36aのゲーミングチップ72のRFIDタグ721を読み取らせて、ベットエリア36b1~36b6で読み取られなくなったチップIDがチップトレイ36aで読み取られるか否かを監視する。テーブル照合装置363は、所定の時間内にベットエリア36b1~36b6で読み取られなくなったチップIDがチップトレイ36aで読み取られない場合にはエラー信号を出力する。この場合は、ピンチングの不正行為、又はディーラが負けチップの回収に際してゲーミングチップ72を盗む不正行為があったことが疑われる。
【0132】
また、テーブル照合装置363は、テーブル記憶装置に記憶されている、最初のプレイングカードが引き出されたときに読み取られたチップID以外のチップIDがベットエリア36b1~36b6で読み取られた場合には、当該新たに読み取られたチップIDが、過去のチップトレイ36aのゲーミングチップ72のチップIDとしてテーブル記憶装置364に記憶されているか否かを判断する。テーブル照合装置363は、新たに読み取られたチップIDが、過去のチップトレイ36aのゲーミングチップ72のチップIDとしてテーブル記憶装置364に記憶されていない場合には、エラー信号を出力する。この場合は、レイトベッティング又はキャッピングの不正行為が疑われる。
【0133】
このように、本実施の形態では、ベッティングが終了したタイミングでは、ベットチップリーダライタ362bは、ベットエリア36b1~36b6にベットされたゲーミングチップ72からチップIDとタグIDとを読み取って照合を行い、その後はタグIDは読み取らずにチップIDを読み取って、その変動を監視する。よって、変動を監視するための読取りは比較的短時間で完了するため、読取りのインターバルを短くすることができる。
【0134】
また、本実施の形態では、チップIDのみを読み取るかチップIDとタグIDとを読み取るかをゲームの進行に応じて変化させているので、セキュリティの確保と読取りのインターバルの短縮とを両立させることができる。
【0135】
ベッティングが終了したタイミング、回収または支払いが行われるタイミングを電子シュー36cで判定してよい。例えばベッティングが終了したタイミングは電子シュー36cから1枚目のカードが引き出されたことによって検知してよく、回収または支払いが行われるタイミングは、電子シュー36cに備えられた勝敗判定結果ボタンが押されたこともしくは引き出されたカードの手札によって勝敗が決定されたことによって検知してよい。あるいは、引き出されたカードの手札に基づいて、プレイヤペアもしくはバンカーペアが判定されたときに、ペアに対する支払いまたは回収が行われ得ることが検知される。
【0136】
(登録の無効化)
上述のように、登録装置325は、工場から取得した新品のゲーミングチップ72の識別情報を含む各情報をデータベース326に記憶することにより当該ゲーミングチップ72をデータベース326に登録する。その一方で、登録装置325は、故障しているゲーミングチップ72及び古くなったゲーミングチップ72については、いったん有効化したアクティベーションステータスを無効化する。
【0137】
各カジノ用品取扱ステーションにおいて、RFIDタグ721から情報が読み取れなかったゲーミングチップ72(すなわち、RFIDタグ721が破損しているゲーミングチップ72)は、その場で使用可能なゲーミングチップ72から除外される。また、RFIDタグ721から読み取った識別情報の照合に失敗したゲーミングチップ72も、その場で使用可能なゲーミングチップ72から除外される。さらに、アクティベーションステータスが有効でなかったゲーミングチップ72も除外される。これらの問題があるゲーミングチップ72については、登録装置325によって無効化ないしはディアクティベートの手続きが行われる。さらに、問題はなくても最初のアクティベーションの日時から所定期間(例えば、1年)経過しているゲーミングチップ72については、このゲーミングチップ72を廃棄するために、無効化の手続きを行う。
【0138】
無効化の処理では、登録装置325は、データベース326に記録されている当該ゲーミングチップ72のアクティベーションステータスを「無効」に更新し、その更新日時を記録する。あるいは、登録装置325は、無効化するゲーミングチップ72の情報をデータベース326から削除してもよい。ゲーミングチップ72のRFIDタグ721が故障している場合には、そのようなゲーミングチップ72からは無効化すべき識別情報を読み取ることができない。そこで、登録装置325は以下のようにしてそのようなゲーミングチップ72を無効化する。
【0139】
図10は、本発明の実施の形態のディカルをはがした状態のゲーミングチップの斜視図である。ゲーミングチップ72は、当該ゲーミングチップ72を特定するための情報をRFIDタグ721以外の方法で担持している。ゲーミングチップ72は、中央に円形の凹部を有しており、その凹部の底面722にディカル723が貼り付けられる。ゲーミングチップ72の価値を表す数字はこのディカル723に表記される。このディカル723を外すと、その底面(ディカル貼付面)722には、当該ゲーミングチップ72に固有の識別情報としてチップ表記IDが表記されている。チップ表記IDはレーザ刻印によってゲーミングチップ72の凹部の底面722に表記されてもよいし、何らかのインクでディカル貼付面722に印刷されてもよい。
【0140】
登録装置325は、RFIDタグ721から識別情報を読み取ることができないゲーミングチップ72について、当該ゲーミングチップ72を特定するためのチップ表記IDを用いて登録を無効化すべき識別情報を特定して、登録を無効化する。RFIDタグ721が故障してしまって識別情報が読み取れないゲーミングチップ72については、それを無効化する際には、オペレータがディカル723をはがしてディカル貼付面722に表記されたチップ表記IDを視認して、入力装置324を介して登録装置325に入力する。登録装置325は、データベース326を参照して、入力されたチップ表記IDに対応する識別情報を特定する(
図5参照)。これにより、RFIDタグ721が故障してしまっているゲーミングチップ72についても、データベース326上で当該ゲーミングチップ72を特定して無効化の手続きを行うことができる。
【0141】
上述のように、プレイヤ74に渡されたゲーミングチップ72は、プレイヤ74によるベットやディーラ75による払出しによって、複数のプレイヤ74やテーブル36の間を行き来して、最終的にピット35を経由してバンク34に戻される。このとき、上述のように各カジノ用品取扱ロケーションにおいて除外されたゲーミングチップ72については、登録装置325によって無効化の手続きが行われる。
【0142】
また、問題があるものとして除外されずにバンク34に回収されたゲーミングチップ72は、バンクシステム34において、識別情報の照合及びアクティベーションステータスの確認が行われ、さらに、最初のアクティベーションから所定期間が経過していないかが判定される。このとき、識別情報の照合に失敗したゲーミングチップ72、アクティベーションステータスが「有効」ではなかったゲーミングチップ72、又は最初のアクティベーションから所定期間が経過しているゲーミングチップ72が検出された場合には、それらのゲーミングチップ72について、無効化の手続きが行われる。
【0143】
なお、各カジノ用品取り扱いロケーションにおいて、読み取った識別情報をデータベース326と照合した結果データベース326に登録されていなかったゲーミングチップ72及びアクティベーションステータスが「有効」でなかったゲーミングチップ72については、当該ゲーミングチップ72がバックヤード301に戻ってくるのを待つことなく、直ちに登録装置325が当該ゲーミングチップ72を無効化する手続きを行ってもよい。また、各カジノ用品取扱ロケーションのリーダライタは、そのようなゲーミングチップ72のアクティベーションステータスが「有効」となっている場合には、そのアクティベーションステータスを「無効」に書き換えてもよい。
【0144】
(ゲーミングチップのトレース)
上記のように、データベース326における各ゲーミングチップ72の情報には、所在履歴情報266が含まれる。中央紹介装置323は、各カジノ用品取扱ロケーションから識別情報の紹介を受けるごとに、当該識別情報に対応する所在履歴情報266を更新する。具体的には、中央紹介装置323は、各カジノ用品取扱ロケーションから識別情報の照会を受けたときに、当該識別情報に対応する所在履歴情報266に、当該カジノ用品取扱ロケーションを特定する情報を所在情報として、そのときの日時を読取日時として記録する。データベース326においては、この所在履歴情報として、所定数の情報を記録でき、当該所定数の所在履歴を記録した後には古い情報から上書きされる。
【0145】
所在情報は、上述のように、各カジノ用品取扱ロケーションを特定する情報である。例えば、キャッシャ33に複数の窓口がある場合には、その窓口まで特定する窓口IDを所在情報としてよく、ピット35及びテーブル36も複数あるので、どのピット35及びどのテーブルであるかを特定するピットID及びテーブルIDを所在情報とする。
【0146】
さらに、ゲーミングチップ2がプレイヤ74に渡った場合には、所在情報としては、当該プレイヤ74のプレイヤIDを記録する。例えば、アンテナ361bがテーブル36のプレイヤポジションごとに設けられている場合には、プレイヤ74が所持しているメンバーズカードによって、あるいは、テーブル36でプレイヤするプレイヤの画像に対する顔認識によって各プレイヤポジションのプレイヤIDを特定することができる。
【0147】
そして、プレイヤに払い出されるゲーミングチップ72がどのプレイヤポジションに払い出されるかを検知することで、当該ゲーミングチップ72がどのプレイヤIDのプレイヤに払い出されたかを把握することができる。また、プレイヤ74がキャッシャ33でゲーミングチップ72を購入する際には、当該プレイヤ74のプレイヤIDを特定して、当該プレイヤIDを所在情報として記録する。
【0148】
このようにデータベース326に所在情報とその読取日時の情報の履歴を記録してくことで、データベース326を参照すれば当該ゲーミングチップ72がどのように移動したのかを把握することができる。
【0149】
(テーブル照合装置の変形例)
上述のように、テーブル照合装置363は、チップトレイリーダライタ362aに対して、ゲーミングチップ72のRFIDタグ721からタグIDを読み取らずにチップIDを読み取るように指示し、読み取られたチップIDと、テーブル記憶装置364に登録されている過去の最新のチップIDとを照合し、前の読取りの際に読み取られていなかった新たなチップIDが読み取られたゲーミングチップ72があるか否か、即ち新たなゲーミングチップ72がチップトレイ36aに持ち込まれたか否かを判断する。
【0150】
そして、テーブル照合装置363は、新たなゲーミングチップ72がチップトレイ36aに追加された結果、チップトレイリーダライタ362aにおいて、テーブル記憶装置364に過去の最新のチップIDとして記憶されていないチップIDが読み取られた場合には、次の読取りにおいて、新たに読み取られたチップIDを指定して、指定されたチップIDをもとに、当該チップIDを有するゲーミングチップ72のタグIDとを読み取るようにチップトレイリーダライタ362aを制御する。そして、テーブル照合装置363は、ゲーミングチップ72のRFIDタグ721から読み取られたタグIDとデータベース326に記録されているタグIDと照合する。
【0151】
このように、チップトレイリーダライタ362aが、チップIDを指定して、当該チップIDを有するゲーミングチップ72のタグIDを読み取った場合に、読取りが安定せずに、指定したチップIDに対応するタグIDが読めないことがある。この場合には、テーブル照合装置363は、暫定的に、照合できたもの(仮OK)と判断して、その旨をチップIDとともに記憶しておく。テーブル照合装置363は、次の読取りの際に、仮OKとされているチップIDを指定して、再度タグIDを読み取るように、チップトレイリーダライタ362aを制御する。
【0152】
なお、テーブル照合装置363は、指定したチップIDに対応するタグIDが読み取れない場合には、まず、チップIDとデータベース326に記録されているチップIDとを照合して、照合ができた場合に仮OKと判断してもよい。
【0153】
指定したチップIDに対応するタグIDがチップトレイリーダライタ362aによって取得できた場合には、テーブル照合装置363は、当該読み取られたタグIDとデータベース326に記録されているタグIDと照合する。
【0154】
このように、新たに追加されたチップIDについて、対応するタグIDが取得できない場合にも仮OKとして、正しく読取りができたものとしておくことで、そのタイミングでチップトレイ36aにあるべきゲーミングチップ72と、実際にチップトレイ36aにあるゲーミングチップ72とを比較して、負けチップの回収等の清算が正しく行われているかを判断することができる。対応するタグIDが取得できないゲーミングチップ72を読取りエラーないしはNGとしておくと、上記の清算が正しく行われたかの判断の際に、正しく清算が行われなかったという判断をしてしまうことになる。よって、上記のように、タグIDが読み取れなかったとしても、仮OKとして、当該ゲーミングチップ72の金額はチップIDに基づいて取得することで、清算の正確性の判断を行うことができる。
【0155】
(チップトレイのアンテナの変形例)
図5の例では、チップトレイ36aに設けられるアンテナ361aは、チップトレイ36aの全体をカバーする1つのアンテナとして設けられていたが、これに代えて、複数のアンテナでチップトレイ36aの各部分領域を分担してもよい。例えば、8個のアンテナで複数の部分領域を分担して、チップトレイ36aの全領域の読取りを行ってもよい。この場合に、1つのアンテナに対応して1つのチップトレイリーダライタ362aが設けられてもよいし、複数のアンテナに対応して1つのチップトレイリーダライタ362aが設けられてもよい。
【0156】
また、ある1つのアンテナで新たに追加されたゲーミングチップ72のチップIDを読み取った場合には、テーブル照合装置363は、当該アンテナと、当該アンテナに隣接する他のアンテナとで、当該チップIDを指定してタグIDを読み取るように、チップトレイリーダライタ362aを制御する。このように、チップIDを読み取ったアンテナと、それに隣接する他のアンテナとによる読取りによって、タグIDを読み取ることができなかった場合には、チップIDを読み取ったアンテナが遠くの部分領域にあるゲーミングチップ72のチップIDを読み取ったということが考えられる。
【0157】
そこで、チップIDを読み取ったアンテナと、それに隣接する他のアンテナとによる、チップIDを指定したタグIDの読取りを所定回数行っても対応するタグIDの読取りができない場合には、テーブル照合装置363は、すべてのアンテナで、チップIDを指定したタグIDの読取りを行うように、チップトレイリーダライタ362aを制御する。
【0158】
なお、複数のアンテナを用いてチップトレイ36aの部分領域を分担する場合にも、各アンテナが正確に担当領域のゲーミングチップ72のチップIDのみを読み取ることができれば、上記のように遠い領域のゲーミングチップ72のチップIDを読み取ってしまうことがなく、上記の制御は不要となる。このようなチップトレイ36についての複数アンテナによる読取りの分担は、例えばチップトレイ36が二重チップトレイであって、上下段をそれぞれのアンテナで読み分ける場合にも適用される。また、各ベットエリアの読み分けにも同様に適用可能である。
【0159】
(変形例)
上記の実施の形態の
図3及び
図5の例では、所在履歴情報はデータベース326に記憶することとしていたが、所在履歴情報はゲーミングチップ72のRFIDタグ721に記録してもよい。
【0160】
従来技術に基づく遊技用代用貨幣では、RFIDの読取りにより、メモリー領域に書き込まれた情報を把握して遊技用代用貨幣そのものの真贋を判定することは可能であった。しかしながら、カジノの現場で使用される中で得られる情報、特に当該遊技用代用貨幣の所有者に関する情報を記録、判定することはできなかった。そのため、真正な遊技用代用貨幣であるが、本来の所有者とは異なる所有者によって使用や交換がなされている等、使用状況の点で異常な履歴をもつ遊技用代用貨幣は、その存在をRFIDの読取りにより把握することができず、そのような使用履歴がおかしい遊技用代用貨幣がカジノで使用されることを防ぐことができなかった。
【0161】
そこで本発明では、各々の遊技用代用貨幣の所有者情報を常時把握、管理して、セキュリティを高めるために、ディーラがプレイヤに対して遊技用代用貨幣を支払い、当該遊技用代用貨幣の所有者がカジノからプレイヤに移った際に、どのプレイヤに当該遊技用代用貨幣の所有が移ったかを把握し、記録することを可能にするシステムを提供することを目的とする。
【0162】
(第1の例)
変形例の第1の例のテーブルゲーム管理システムの全体の概要を
図11を用いて説明する。
図11は同システムの全体の概要を示す図である。バカラゲーム用の遊技テーブル1004にはプレイヤポジション1131~1135毎に、プレイヤ1441、バンカー1442、タイ1443、プレイヤペア1444、バンカーペア1445のベットエリアがある。また各プレイヤポジション毎にチップ配置エリア1025が設けられており、当該チップ配置エリア内に置かれた遊技用貨幣1001のRFIDを読み取るチップ読取装置1002が備えられている。
【0163】
さらに各チップ配置エリア1025内には、ディーラが、勝プレイヤに対して、遊技用貨幣1001を遊技テーブル1004のチップトレイ1009から払い出す際に、チップトレイ1009から取り出した遊技用貨幣1001を置くためのペイエリア1026を備えている。
【0164】
さらにチップ読取装置1002で読み取った遊技用貨幣1001のRFIDの読取結果を把握する制御装置1003をさらに備える。
【0165】
始めにゲームに参加するプレイヤは遊技用貨幣1001をチップ配置エリア内のベットエリアに賭ける。賭けられた遊技用貨幣1001のRFIDをチップ読取装置1002が読み取ることにより、制御装置1003は当該RFIDのID情報とデータベース上で関連付けられている当該遊技用貨幣1001の所有者に関する情報を把握する。
【0166】
ゲームの結果に基づき、カジノ側が勝利した場合には、ディーラは負けプレイヤが賭けた遊技用貨幣1001を回収し、チップトレイ1009に入れる。チップトレイ1009内の遊技用貨幣1001のRFIDはチップ読取装置1002により把握され、制御装置1003により、カジノ側が回収した当該遊技用貨幣1001の所有者がカジノであることがデータベース上に記録される。
【0167】
ゲームの結果に基づき、勝利したプレイヤに対しては、ディーラはゲームのルールに従い、賭けチップの額に応じた額の遊技用貨幣1001をチップトレイから勝ちプレイヤに払い出す。
【0168】
払い出す際には、上述したペイエリア1026に支払いチップを置いてもよいし、ペイエリア以外のチップ配置エリア内においても良い。
【0169】
ここで、支払いチップの所有者情報の記録方法について、
図12を用いて説明する。
図12は勝ちプレイヤに対するチップ支払い時について、遊技用貨幣1001の所有者に関する情報の記録方法を示している。
【0170】
同じプレイヤポジション内に複数のプレイヤが賭けチップを置き、2つ以上のスタックがある場合、チップ読取装置1002はチップ配置エリア1025内に置かれた遊技用貨幣1001を一括して読み取るため、ゲーム中は、どの遊技用貨幣1001がどのプレイヤに所属しているかについて把握せずに、賭けられた遊技用貨幣のID1010を取得する。ゲームの勝敗結果が確定後、勝ちプレイヤに対して支払いを行う際には、ディーラはプレイヤ毎(スタック毎)にチップトレイ1009から払い出しを行う。チップトレイ1009から取り出された遊技用貨幣1001はチップ配置エリア内1025に置かれる。チップ読取装置1002はチップ配置エリア内1025に置かれた支払いチップのID1011を読み取る。
【0171】
払い出された遊技用貨幣1001は、はじめに賭けられた遊技用貨幣1001と共に勝ちプレイヤが受け取る。この時、当該賭けチップと支払いチップがチップ配置エリア1025外に移動するため、チップ読取装置1002による読取結果から当該賭けチップと支払いチップのIDがなくなる。これにより、制御装置1003は払い出された支払いチップが、どのプレイヤの元に払い出されたかを、当該賭けチップの所有者に関する情報と関連付けることにより把握する。
【0172】
制御装置1003は把握された支払いチップの所有者に関する情報をデータベース上で当該遊技用貨幣のIDと関連付けて記憶する。
【0173】
以上により、遊技用貨幣1001の所有者のトレーサビリティが可能になり、遊技用貨幣1001の不正の受け渡し等があった場合には、データベースに記憶されている所有者情報と現実の所有者が異なることが発見可能になる。
【0174】
なお現実の所有者の確定には、顔認証技術やメンバーズカード等のIDを利用することに把握することできる。
【0175】
また上記説明ではデータベース上で各遊技用貨幣のIDを管理しているが、遊技用貨幣1001そのものに所有者情報を記憶している構成であっても良い。
【0176】
また上述したペイエリア1026は、各プレイヤポジション毎にある場合の他、各プレイヤポジションとは独立してエリアが構成されており、チップ読取装置1002による読み取りも独立して行われる仕様であってもよい。
【0177】
さらにまた、チップ読取装置1002の読取性能によって、ペイエリア1026を使う場合と、使わない場合を選択できる構成であってもよい。
【0178】
さらにまた、本テーブルゲーム管理システムは、チップトレイ1009内のチップをRFIDで読み取るRFIDリーダー、ベットチップを読み取るカメラ、ゲームの勝敗結果を判定するシュー等の勝敗結果判定装置等とも結びついており、情報を相互に利用することが可能な構成であって良い。
【0179】
(第2の例)
はじめに、変形例の第2の例の遊技用代用貨幣の管理システムで使用される遊技用代用貨幣を説明する。
図13は同システムで使用される遊技用代用貨幣1を示している。同図において、遊技用代用貨幣1には、様々な情報を記憶可能なRFIDタグ2が埋め込まれている。RFIDタグ2は、データの書き換えができない領域21と、データの書き換えが可能な領域22を備えている。
【0180】
データの書き換えができない領域21には、固定情報3として、遊技用代用貨幣1が使用される間に変更しない情報、または変更がない情報、あるいは変更されてはいけない情報を記憶している。具体的には、固定情報3として、遊技用代用貨幣1の生産情報、商品情報、カジノ情報、金額情報、シリアルナンバー等を記憶している。生産情報には、当該遊技用代用貨幣を製造した日時や、製造機械等、商品情報には、例えばカジノのVIPエリア用のチップであることを示す情報や、チップの種類を示す情報(例えばローリングチップやキャッシュチップであることを示す情報)等が含まれる。
【0181】
データの書き換えができない領域21は、RFIDタグの仕様上、機能的に書き込みができない領域であってもよいし、書き込みができる領域に必要な情報を書き込んだ後に、データの書き込みができないようにロックした領域であってよい。
【0182】
データの書き換えが可能な領域22には、変動情報4として、遊技用代用貨幣1が使用される間に、変化していく情報を記憶している。例えば、変動情報4として、
図13に示すように、日時、時間に関する情報221や、場所、イベントに関する情報222や、所有者に関する情報223等を含む、所在に関する情報220を記憶している。
【0183】
固定情報3、変動情報4は、他人による情報の不正な読取りや書込みを防ぐために暗号化されていてよい。また、固定情報3、変動情報4は、メタデータとして記憶されていてよい。
【0184】
図14は遊技用代用貨幣1の変動情報4のデータの記録方法の一例を示している。
図14に示すように、日時、時間情報221、場所、イベント情報222、所有者情報223からなる所在に関する情報220をひとかたまりのブロックとして、当該ブロックの情報がチェーン状につながって、当該遊技用代用貨幣1の所在に関する情報220の履歴が把握できるように構成されている。
【0185】
図14では遊技用代用貨幣1に記憶された変動情報4の一例を示しており、以下のような遊技用代用貨幣1の動きが把握できる。2019年1月28日16時2分にA氏がケージ5で現金と遊技用代用貨幣1を交換する。同日16時15分にA氏がテーブルNo.325で遊技用代用貨幣1を使用して賭けを行う。同日16時43分にB氏がテーブルNo.325で賭けに勝った償還金として遊技用代用貨幣1を受け取る。同日17時1分にB氏が遊技用代用貨幣1を持ってカジノから退場する。
【0186】
変動情報4は、
図14のように最新の情報だけを記憶する構成でもよいし、書き込まれた全ての所在に関する情報を記憶していてもよい。また複数の所在に関する情報の内、いくつかを選んで記憶していてもよい。いくつかを選んで記憶する場合、全ての所在に関する情報220の少なくとも最新の所在に関する情報220を含んだ、複数の所在に関する情報を記憶してよい。上記の構成により、ある遊技用代用貨幣1の変動情報4から、当該遊技用代用貨幣1の使用または移動の履歴が分かる。すなわち、遊技用代用貨幣1のトレーサビリティ情報が、当該遊技用代用貨幣1そのものに書き込まれており、把握可能な構成になっている。
【0187】
次に本例の遊技用代用貨幣1の管理システムについて説明する。
図15は同システムの全体の概要を示している。
【0188】
遊技用代用貨幣1はまず工場6において、書込装置14によって、製造完了または工場出荷の情報を含む変動情報4が所在に関する情報220としてRFIDタグ2のデータの書き換えが可能な領域22に書き込まれる。
【0189】
工場6から出荷された遊技用代用貨幣1はカジノのバックヤード7で受け入れ処理が実施される。バックヤード7では遊技用代用貨幣1のデータの書き換えが可能な領域22に記憶されている変動情報4を読取装置13が読み取り、読取結果に基づいて、管理制御装置15は、書き込まれているべき情報として、工場6で書き込まれたことを示す所在に関する情報220が、最新の変動情報4として書き込まれているか否かが判定される。仮に工場6での書込記録がなければ、不正の疑いのある遊技用代用貨幣として、エラーシグナルを生成する。これにより、カジノ側での当該遊技用代用貨幣の受け取りを拒否したり、工場側に調査を依頼することが可能となる。書込記録に問題がなければ、書き込み装置14によって、バックヤードを示す所在に関する情報220がRFIDタグ2のデータの書き換えが可能な領域22に書き込まれる。書込みの際には、工場を示す所在情報に追加してバックヤードを示す所在情報を記載しても良いし、工場を示す所在情報を削除して、バックヤードを示す所在情報を記載しても良い。また上述のバックヤード7での遊技用代用貨幣の読取りや書込みは、遊技用代用貨幣の通常のバリデーションやアクティベーション作業と併せて行うこともできる。
【0190】
バックヤード7で受け入れ検査が完了した遊技用代用貨幣1は、カジノの倉庫8またはケージ9に運ばれる。倉庫8またはケージ9では、遊技用代用貨幣1のデータの書き換えが可能な領域22に記憶されている変動情報4を読取装置13が読み取り、読取結果に基づいて、管理制御装置15は、書き込まれているべき情報として、バックヤード7で書き込まれたことを示す所在に関する情報220が、最新の変動情報4として書き込まれているか否かが判定される。また変動情報4の履歴に工場6を示す情報が書き込まれているかを併せて検査しても良い。管理制御装置15、前述したバックヤード7での検査と同様に、所在情報の履歴に異常がないか否かを判定する。読取結果に問題がなければ、書込装置14はデータの書き換えが可能な領域22に倉庫8またはケージ9を示す所在に関する情報22を書き込む。
【0191】
プレイヤはケージ9で遊技用代用貨幣1を購入する。プレイヤが遊技用代用貨幣1を購入する際には、ケージ9にある書込装置14により、当該遊技用代用貨幣が購入された時間、及び当該遊技用代用貨幣の所有者がカジノから客に変わったことを示す情報が変動情報4として書き込まれる。プレイヤは、顔認証技術やカジノのメンバーズカードやマイナンバーカード等のIDカードにより、特定して記録される構成であっても良い。
【0192】
プレイヤは換金した遊技用代用貨幣1を使用して、遊技テーブルでベットエリア11に遊技用代用貨幣1を置くことで賭けを行う。読取装置13は、ベットされた遊技用代用貨幣1のRFIDタグ2から日時、時間情報221や、場所、イベント情報222や、所有者情報223からなる、所在に関する情報220を読み取り、管理制御装置は15は異常がないかを判定する。例えば、最後に書き込まれている、遊技テーブルでの使用の情報やケージでの換金の情報の日時から一定期間以上経っている場合や、遊技用代用貨幣1に記憶されている所有者情報223と、顔認証やIDカードによって特定された所有者情報223が異なる場合に、異常と判定することができる。
【0193】
読み取り結果に問題がない場合には、ベットされた遊技用代用貨幣1に対して、書込装置14は、データの書き換えが可能な領域22に、所在に関する情報220を書き加える。所在に関する情報220は、日時、時間情報221や、場所、イベント情報222や、所有者情報223を含んでいる。テーブルでは、例えば遊技用代用貨幣1が置かれたプレイヤポジション番号およびプレイヤの情報を含む変動情報4が書込装置14によって書き込まれる。プレイヤの情報はIDカードや顔認証によって特定してよい。通常、遊技用代用貨幣1は複数枚積み重ねられてベットエリア11に置かれるため、積み重ねられた状態で一括して、書込みが行われる。
【0194】
プレイヤは、カジノフロアから遊技用代用貨幣1を持出す時には、ゲート10で退場の処理を行う。退場時には読取装置14により所在に関する情報220が読み取られ、管理制御装置15により、変動情報4の異常がないかが判定される。またゲート10で、書込装置14は、退場を示す場所、イベント情報222情報と、所有者情報223を含む変動情報4を書き込む。
【0195】
プレイヤは、カジノフロアへの入場時に、以前に持ち出した遊技用代用貨幣1を持ち込む場合には、読取装置13により所在に関する情報が読み取られ、管理制御装置により、変動情報4に異常がないかが判定される。例えば、カジノから一旦持ち出された遊技用代用貨幣1について、カジノからの退場時の所有者と、入場時の所有者が異なっている場合には、カジノ外での遊技用代用貨幣の受け渡し行為があったことが把握できる。
【0196】
上述した管理制御装置15は、読取装置13の読取結果に基づいた判定が異常であった場合に、ケージ9またはゲート10にアラームを出力してよい。当該遊技用代用貨幣1の所有者がケージ9で換金を行うときや、ゲート10から退場するときに、管理制御装置15が出力したアラームに基づいて換金を拒否したり、退場時に個別のチェックを行うことができる。また、管理制御装置15は判定結果が異常であった場合に各遊技テーブルのディーラにゲームを中断する警告を出したり、ピットに警告を出し、ピットマネージャーがゲームを中断するもしくは続行するなどの判断や、遊技用代用貨幣1を交換する等の対処を判断してもよい。あるいは、管理制御装置15はカジノの全体管理制御装置18と接続されており、全体管理制御装置18に警告を出す構成でもよい。
【0197】
管理制御装置15は同様に、ケージで換金が行われる際に、読取装置13による変動情報4の読取りを行い、異常を判定してよい。具体的には、最後に書き込まれている、遊技テーブルでの使用の情報やケージでの換金の情報の日時から一定期間以上経っている場合や、遊技用代用貨幣1に記憶されている所有者情報223と異なる人物が換金しようとしている場合などに異常を判定してよい。異常を判定した場合、管理制御装置15は警告を出力し、異常を判定された遊技用代用貨幣1の換金を拒否してもよい。
【0198】
また上記の説明では、読取装置13での読み取り、及び管理制御装置での判定後、書込装置14による書き込みを行う形態で説明したが、読み取りと書き込みを同時に行う構成であってもよい。
【0199】
以下では、本例の応用例の詳細を示す。
【0200】
工場6では、生産完了時や、出荷時に、RFIDタグ2の読取り及びまたは書込みを行う。生産情報や商品情報を固定情報3として書込み、必要に応じて書き換えができないようにロックすると共に、変動情報4を書き込む。
【0201】
バックヤード6では、工場から出荷された遊技用代用貨幣1を受け取り、使用可能な遊技用代用貨幣1としてアクティベートする際に、RFIDタグ2の読取り及び/又は書込みを行う。
【0202】
倉庫8では、倉庫8からケージ9に遊技用代用貨幣1を移動する、またはケージ9から倉庫8に遊技用代用貨幣1を移動する際に、RFIDタグ2の読取り及び/又は書込みを行う。あるいは、倉庫8に保管されている遊技用代用貨幣1に対して、一定時間ごとや所定のタイミングでRFIDタグ2の読取り及び/又は書込みを行ってよい。
【0203】
ケージ9では、倉庫8からの移動または倉庫8への移動、および顧客の現金と遊技用代用貨幣1の換金の際に、RFIDタグ2の読取り及び/又は書込みを行う。ケージ9において換金が行われる場合には、換金を示す場所、イベント情報222、換金を行ったプレイヤ情報を所有者情報223として変動情報4を書き込む。所有者情報223は、プレイヤのカジノIDカードや、顔認証システム、クレジットカード等から取得できる。
【0204】
ゲート10では、プレイヤが入退場する際に、RFIDタグ2の読取り及び/又は書込みを行う。プレイヤが退場する際にカジノから持出す全ての遊技用代用貨幣1に対して、持出しを示す場所、イベント情報222、持出すプレイヤを示す所有者情報223を変動情報4として書き込んで登録を行い、入場の際にも同様に持込みを示す場所、イベント情報222、持込むプレイヤを示す所有者情報223を変動情報4として書き込んでカジノに持ち込む遊技用代用貨幣1に対して登録を行う。
【0205】
ベットエリア11ではプレイヤが賭けに参加するためにベットエリア11に置いた遊技用代用貨幣1に対してRFIDタグ2の読取り及び/又は書込みを行う。また、プレイヤへの償還金としてディーラがベットエリア11に置いた遊技用代用貨幣1に対して、RFIDタグ2の読取り及び/又は書込みを行う。
【0206】
チップトレイ12では、チップトレイに回収された遊技用代用貨幣1、保管されている遊技用代用貨幣1に対してRFIDタグ2の読取り及び/又は書込みを行う。
【0207】
遊技テーブルはさらにエリア2007及びペイエリア1026を含む支払いエリアを備え、プレイヤにプレイヤへの償還金としてディーラがベットエリア11に置いた遊技用代用貨幣1に対して、RFIDタグ2の読取り及び/又は書込みを行ってよい。
【0208】
管理制御装置15は、各場所での読取装置13の読取結果から得た所在に関する情報220に異常がないか否かを判定する機能を備える。異常か否かの判定としては、前回の書き込みから所定期間以上使用されていない、もしくは、書き込まれているべき前記所在に関する情報が書き込まれていない、のいずれかの事象があるか否かを判定することができる。
【0209】
前回の書き込みから所定期間以上使用されていない事象は、
1)最新の所在に関する情報がケージ9を示す情報であり、次の情報の書き込みが所定時間以上たっている、
2)最新の所在に関する情報がゲート10での入場を示す情報であり、次の情報の書き込みが所定時間以上たっている、
3)最新の所在に関する情報がゲート10での退場を示す情報であり、次の情報の書き込みが所定の時間以上たっている、
のいずれかの状況である。
【0210】
書き込まれているべき前記所在に関する情報が書き込まれていない事象は、
4)遊技場への入場時において、遊技用代用貨幣1のデータの書き換えが可能な領域22の最新の所在に関する情報として、ゲート10での退場を示す情報が書き込まれていない、
5)ケージ9での使用時において、バックヤード7を示す情報が書き込まれていない、
6)遊技場からの退場時において、ケージ9またはバックヤード7を示す情報が書き込まれていない、
のいずれかの状況である。
【0211】
管理制装置15は、読取装置13から得た所有者に関する情報223に基づき、異常か否かを判定する事象として、
1)データの書き換えが可能な領域22に記憶している最終の所有者とは異なる人物が遊技用代用貨幣1を遊技場内で換金、または両替する、あるいは遊技場から退場する、
2)データの書き換えが可能な領域22に記憶している退場時の所有者とは異なる人物が、当該遊技用代用貨幣を遊技場に持ち込む、
のいずれかの状況を判定可能である。
【0212】
管理制装置15は、読取装置13から得たベットエリア11の場所を示す情報、またはチップトレイ12の場所、あるいは支払いエリアを示す情報を示す情報に基づき、異常か否かを判定する事象として、
1)データの書き換えが可能な領域22に記憶している最終の所有者とは異なる人物が当該遊技用代用貨幣1を遊技テーブルで使用する、
2)遊技テーブルでの使用記録のない遊技用代用貨幣1を当該遊技用代用貨幣1のケージ9での購入時とは異なる人物が、ケージ9で換金する、
3)ケージ9またはバックヤード7を示す情報のない遊技用代用貨幣1が遊技場内で使用される、
4)最新の所在に関する情報がベットエリア11または支払いエリアを示す情報であり、所定期間以上経過後に、ケージ9で換金または遊技テーブルで使用される、
上記の1)から4)のいずれかの状況を判定する。
【0213】
図18は、変形例の他の例のデータベースを示している。管理システムはさらに、遊技用代用貨幣1の外に、同様の固定情報3、変動情報4を記録するデータベース17を備えている。管理制御装置15は読取装置13の読取結果に基づいて、データベース17に情報を記録すると共に、遊技用代用貨幣1に記憶されている固定情報3と変動情報4と、データベースの情報との照合を行い、異常を判定することができる。
【0214】
本例におけるRFIDタグ2において、データの書き換えができない領域21の、機能的に書き込みができない領域はTIDであってよい。データの書き換えができない領域21の必要な情報を書き込んだ後に、データの書き込みができないようにロックした領域はEPCまたはユーザー領域であってよい。データの書き換えが可能な領域22はEPCまたはユーザー領域であってよい。
【0215】
読取装置13と書込装置14は、場所によってその形態を変えてよい。例えば、工場6では
図16に示す台上のものであり、ゲート10では箱状であり、ベットエリア11やチップトレイ12ではベットエリア11やチップトレイ12そのものが読取装置13と書込装置14の機能を備えていてよい。また、遊技用代用貨幣1は、そのまま積み重ねられていてもよいし、チップケースなどに収容された状態で読取り及び/又は書込みが行われてよい。また、読取装置13と書込装置14が一体となっていてもよい。
【0216】
以上の変形例では、遊技用代用貨幣にRFIDタグが1つあり、当該単一のRFIDタグが、データに書き込みができない領域と、データの書き換えが可能な領域を有する場合について説明した。それに対して、遊技用代用貨幣にRFIDタグを2つ入れ、一方のRFIDタグは固定情報を記憶した上でデータの書き込みができないようにロックし、もう一方のRFIDタグは変動情報を記録するために、データの書き換えが可能なようにしておく、という形態も考えられる。
【0217】
ただしこの場合には、複数の遊技用代用貨幣を一括読み取りした場合に、
図17Aに示すように、固定情報3の情報群と変動情報4の情報群とが別々に読み取られるため、特定の遊技用代用貨幣の固定情報と変動情報の組合せを決定することができず、変動情報に異常がある遊技用代用貨幣を特定することができない、という問題が生じる。
【0218】
これに対して、RFIDタグが1つの場合には、
図17Bに示すように、複数の遊技用代用貨幣を一括して読み取った場合にも読取装置が読み取った固定情報と変動情報の相互の対応関係が把握できるため、単一のRFIDタグにより実施する方がより良いと考えられる。
【0219】
また一般にRFIDタグは、その直径が大きいほど読取精度が上がるため、遊技用代用貨幣にRFIDタグを入れる場合には、RFIDタグは、少なくとも遊技用代用貨幣の半径以上の直径を持つサイズであることが望ましいところ、遊技用代用貨幣にRFIDタグを2つ入れることにより、個々のRFIDタグの直径が小さくなるは好ましくない。またRFIDタグを2つ入れると、読み取るRFIDタグの数が増えるため、複数の遊技用代用貨幣を読み取る際には、読取速度の低下にもつながる。
【0220】
以上の点で、単一のRFIDタグにより実施することがより効果的であると考えられる。
【0221】
(第3の例)
変形例の第3の例の複数の遊技テーブルを有する遊技場におけるテーブルゲームの管理システムの全体の概要を以下に説明する。
図19は同システムの全体の概要を示す図であって、複数の遊技テーブル2004を有する遊技場におけるテーブルゲームの管理システムは、遊技テーブル2004で行われるゲームを、遊技用代用貨幣1を含めて複数のカメラ2002を介して画像として記録するゲーム記録装置2011、および記録された画像を画像分析する画像分析装置2012、遊技用代用貨幣1に付されたRFIDを読み取るチップ読取装置25、さらに遊技テーブル2004において各ゲームのゲーム結果を判定し表示するゲーム結果判定装置18を備える。
【0222】
ゲーム結果判定装置18は例えばカード配布装置2003であり、すでに当業者で使われているいわゆる電子シューである。あらかじめゲームのルールがプログラムされており、配布されるカードCの情報を読み取って、ゲームの勝敗を判定することができる構造となっている。たとえばバカラゲームでは、バンカーの勝、プレイヤの勝、タイ(引き分け)が、基本的に2-3枚のカードのランクにより決定され、判定結果(勝敗結果)は結果表示ランプ2013にて表示される。
【0223】
同図において、遊技テーブル2004は、バカラ用のテーブルであって、5つのシッティングナンバー13(「シッティングナンバー1」131、「シッティングナンバー2」132、「シッティングナンバー3」133、「シッティングナンバー5」134、「シッティングナンバー6」135)が設けられており、5名のゲーム参加人がゲームに参加できる。シッティングナンバー13ごとにベットエリア44が設けられている。シッティングナンバー13のベットエリア44には、プレイヤ(PLAYER)441、バンカー(BANKER)442、タイ(TIE)443、プレイヤペア(P)444、及びバンカーペア(B)445の各エリアが含まれる。各ゲーム参加人は、ベットする対象に対応する位置にベットする額の遊技用代用貨幣1を置くことで、賭けを行う。
図19においては、例えば遊技用代用貨幣1がシッティングナンバー5のタイ443に2枚とプレイヤ441に2枚置かれて賭けられている。遊技テーブル2004には、さらに、ドローしたプレイヤカードを置くプレイヤカードエリア45、及びドローしたバンカーカードを置くバンカーカードエリア46が設けられている。
【0224】
制御装置2014は、カメラ2002、画像分析装置2012を介して各プレイヤ2006が遊技用代用貨幣1を賭けエリア2008のいずれの位置(プレイヤか、バンカーか、タイか、ペア)に賭けたか、かけた遊技用代用貨幣1の種類(遊技用代用貨幣1は色毎に異なる額の値が割り付けられている)および枚数を把握することが可能である。すなわち、例えばシッティングナンバー5のタイ443に2枚とプレイヤ441に2枚賭けられていることが把握可能である。
【0225】
チップ読取装置25は、
図19に示すように、シッティングナンバー毎にベットエリア全体を1つの読取エリアとして読取エリア内にある遊技用代用貨幣1のRFIDをまとめて読取可能なように配置されている。遊技用代用貨幣1に付されたRFIDには、固有のID情報、遊技用代用貨幣1の金額、種類、製造情報、所有者情報などが書き込まれている。もしくはデータベースにおいてID情報と遊技用代用貨幣1の金額、種類、製造情報、所有者情報などが結び付けられて記憶されていてもよい。チップ読取装置25は、遊技用代用貨幣1に付されたRFIDを読み取ることで、シッティングナンバー毎に、遊技用代用貨幣1を把握することができ、合計の金額または枚数を把握することができる。すなわち、例えばシッティングナンバー5に4枚の遊技用代用貨幣が賭けられており、それぞれの種類、金額、IDが把握可能である。
【0226】
制御装置2014は
図20に示すように、画像分析装置2012による画像分析結果に基づく、各シッティングナンバーの各ベットエリアに賭けられた遊技用代用貨幣1の種類と枚数から、シッティングナンバー毎の遊技用代用貨幣1の合計金額または合計枚数を把握し、チップ読取装置25の読み取った遊技用代用貨幣1のRFIDの情報に基づくシッティングナンバー毎の遊技用代用貨幣1の合計金額または合計枚数と比較を行い、一致するか否かを判定する。さらに、上記の判定が不一致のシッティングナンバーを出力することができ、問題があったシッティングナンバーを特定することができる。
【0227】
画像分析装置による画像分析結果に基づくシッティングナンバー毎の遊技用代用貨幣1の合計金額または合計枚数よりチップ読取装置25の読取結果に基づくシッティングナンバー毎の遊技用代用貨幣1の合計金額または合計枚数が少ない場合には、遊技用代用貨幣1に付されたRFIDが壊れているか、読取不能なRFIDであるか、もしくは遊技用代用貨幣1にRFIDが付されていない可能性が考えられる。
図20ではシッティングナンバー1に賭けられた遊技用代用貨幣1に対する、画像分析装置2012による画像分析装置に基づく合計読取数は4であるのに対して、チップ読取装置25のRFIDの読取りに基づく合計読取数は3である。したがってシッティングナンバー1に賭けられた遊技用代用貨幣1、4枚の内1枚がRFIDが読取不可能であったことが考えられる。
【0228】
画像分析装置による画像分析結果に基づくシッティングナンバー毎の遊技用代用貨幣1の合計金額または合計枚数よりチップ読取装置25の読取結果に基づくシッティングナンバー毎の遊技用代用貨幣1の合計金額または合計枚数が多い場合には、遊技用代用貨幣1がカメラの死角に入っているなどの要因によって、画像分析装置2012が遊技用代用貨幣1を読み取れなかった可能性が考えられる。
図20ではシッティングナンバー3に賭けられた遊技用代用貨幣1に対する、画像分析装置2012による画像分析装置に基づく合計読取数は1であるのに対して、チップ読取装置25のRFIDの読取りに基づく合計読取数は2である。したがってシッティングナンバー3に賭けられた遊技用代用貨幣1は2枚あったが、画像分析装置では1枚しか認識できなかった可能性が考えられる。
【0229】
遊技用代用貨幣1に付されたRFIDのID情報は、カジノのデータベースに登録されており、工場での生産、出荷の情報や、カジノでの受け取り、バリデーション、アクティベーションの情報が記録されている。制御装置2014はチップ読取装置25が読み取ったRFIDの情報をデータベースの情報と照合し、カジノで使われるべきものとして登録されているものかの真贋を判定することができる。
【0230】
この構成によって、カメラによって各ベットエリアに賭けられた遊技用代用貨幣1に種類と枚数を把握し、かつチップ読取装置25が読み取った遊技用代用貨幣1のRFID情報をもとにシッティングナンバー毎に真贋が不正または不良な遊技用代用貨幣1を判定することができる。
【0231】
また、システムは顔認証システムまたはプレイヤIDカードによるゲーム参加人特定手段をさらに備え、制御装置2014は、ゲーム参加人特定手段によって特定されたゲーム参加人情報と、シッティングナンバーとを結び付けることができる。制御装置2014は、シッティングナンバー毎に記憶した賭け金額、償還または回収金額、勝敗情報を、ゲーム参加人毎に記憶することができる。また、ゲーム参加人が複数テーブルで複数ゲーム行った情報をまとめて記憶することができる。
【0232】
制御装置2014は、遊技テーブル2004のディーラ2005のチップトレイ17における遊技用代用貨幣1の総額がチップトレイ判定装置12を用いて判定可能で、ゲームが終了して清算した後に、各プレイヤ2006の賭けた負け遊技用代用貨幣1の回収および勝ったプレイヤ2006Wへの勝ちチップへの支払9Wの額に応じて、チップトレイ17内の遊技用代用貨幣1の総額が増減したか否かを、ゲームの勝敗結果に従って比較計算可能である。チップトレイ判定装置は、チップトレイ17における遊技用代用貨幣1の総額を、カメラ2002を用いてチップトレイ17に収容されている遊技用代用貨幣1を撮影し、画像分析装置の分析に基づいて把握してもよいし、チップトレイ17にRFID読取装置を設けることで、チップトレイ17に収容されている遊技用代用貨幣1の総額を検出するようにしてもよい。
【0233】
この例では、ゲームの勝敗結果、どの種類の遊技用代用貨幣1が賭けエリア2008のいずれの位置(プレイヤか、バンカーか、タイか、ペア)に何枚賭けられたかの情報、及び負けチップの回収及び勝ち遊技用代用貨幣1に対する償還が終わった後のチップトレイ17における遊技用代用貨幣1の増減額に基づいて不正やミスを検知するので、ゲーム終了後の遊技用代用貨幣1の動き、すなわち、賭けられていた遊技用代用貨幣1がプレイヤ側に移動したか、ディーラ側に移動したかを把握しなくても、不正やミスを検知できる。
【0234】
ここで、ゲームの勝敗結果は、例えばバカラの場合には、カード配布装置2003において、そのゲームで繰り出されたカードCのランクを読み取ることで、バカラのルールに従って判定することができる。また、ゲームの勝敗結果は、遊技テーブル2004上をカメラ2002で撮影して、その画像を画像分析装置2012で分析し、制御装置2014で分析結果をゲームのルールと照らし合わせることでも判定できる。この場合には、カメラ2002と画像分析装置2012と制御装置2014とでゲーム結果判定装置が構成される。各シッティングナンバー7のプレイヤ、どの種類の遊技用代用貨幣1が賭けエリア2008のいずれの位置(プレイヤ、バンカー、タイ、プレイヤペア、バンカーペア)に何枚賭けたかの情報は、賭けエリア2008に置かれた遊技用代用貨幣1をカメラ2002で撮影し、画像分析装置2012でプレー位置7毎にその画像を分析することで得られる。
【0235】
また、負け遊技用代用貨幣1の回収及び勝ち遊技用代用貨幣1に対する償還が行われる前後のチップトレイ17における遊技用代用貨幣1の増減額は、負け遊技用代用貨幣1の回収及び勝ち遊技用代用貨幣1に対する償還をする前のチップトレイ17内の遊技用代用貨幣1の総額と負け遊技用代用貨幣1の回収及び勝ち遊技用代用貨幣1に対する償還をした後のチップトレイ17内の遊技用代用貨幣1の総額とを比較することで算出できる。
【0236】
例えば、ゲームの開始前にチップトレイ17の遊技用代用貨幣1の総額がBbであり、ゲームが終了して負けチップの回収及び勝ちチップに対する償還が終わった後のチップトレイ17の遊技用代用貨幣1の総額がBaであるとする。また、このゲームにおいて、プレイヤエリアに賭けられた遊技用代用貨幣1の全プレー位置7の総額がbpであり、バンカーエリアに賭けられた遊技用代用貨幣1の全プレー位置7の総額がbbであり、タイエリアに賭けられた遊技用代用貨幣1の全プレー位置7の総額がbtであるとする。例えばこのゲームの勝敗結果がバンカーの勝ちである場合には、Ba-Bb=bp-bb+btが成立すべきである。あるいは、ゲーム終了後のチップトレイ17の遊技用代用貨幣1の総額Baは(Bb+bp-bb+bt)であるべきである。そのようになっていない場合には、チップの回収又は償還において、不正又はミスがあったと判定することができる。
【0237】
図24Aは、本例のチップトレイの詳細を示す図あり、
図24Bはチップトレイの他の例を示す図である。チップトレイ17には、負けたプレイヤプレイヤ2006Lの賭けた遊技用代用貨幣1Lを回収して一時保管する回収チップトレイ171と償還する遊技用代用貨幣1Wを保管する償還チップトレイ172とが設けられている。画像分析装置2012および制御装置2014は、負けたプレイヤ2006Lが賭けた遊技用代用貨幣1Lの位置、種類および枚数を把握し、当該ゲームにおける遊技用代用貨幣1Lの増額分(当該回収チップトレイ171における遊技用代用貨幣1のあるべき額)を計算する。さらに、画像分析装置2012及び制御装置2014は、回収した後のチップトレイ171における遊技用代用貨幣1の現実の総額を把握し、あるべき総額と現実の総額とを比較して違いがあるか否かを判定する。
【0238】
制御装置2014はさらに、償還すべき遊技用代用貨幣1に対する償還を行い、償還が終わったときに、遊技テーブルにおける各ゲーム参加人が賭けるチップの位置、種類および枚数とゲーム結果とから計算される当該ゲームにおけるチップの償還すべき額に基づくチップトレイのあるべき総額と、前記チップトレイにおける現実の総額を比較し、あるべき総額と現実の総額との間に違いがあるか判定することができる。
【0239】
また、勝ったプレイヤ2006Wに対する遊技用代用貨幣1Wの償還は償還チップトレイ172にある遊技用代用貨幣1を使用することで、画像分析装置2012及び制御装置2014が回収した後の回収チップトレイ171における遊技用代用貨幣1の現実の総額を把握するのに十分な時間を確保することができる。
【0240】
以上のように、第3の例では、制御装置2014は、ゲーム毎に遊技テーブル2004上の賭けチップ額とゲームの勝敗結果からチップの収支を計算し、ゲーム後におけるチップトレイ17内のチップの残高の増額を検証する。制御装置2014は、この検証において違いが検出されたら、アラームを発出するか、あるいはカメラ2002で撮影されたビデオの記録にその旨の記録を追加する。カジノ運営者は、ビデオを確認することで違いの原因を追究することができる。
【0241】
第3の例のテーブルゲームの管理システムは、各ゲームの清算前のチップトレイ17における遊技用代用貨幣1の総額から、当該ゲームですべてのプレイヤ2006の賭けた遊技用代用貨幣1の位置、種類および枚数と勝敗結果判定装置で得た当該ゲームの勝敗結果とから計算される当該ゲームにおけるチップの増減額を加減算し、当該ゲームの終了時の清算後のチップトレイ17における遊技用代用貨幣1のあるべき総額と、画像分析装置2012を介し得た当該ゲームの終了時のチップトレイ17における遊技用代用貨幣1の現実の総額を比較し、あるべき総額と現実の総額との間に違いがあるか否かを判定する。
【0242】
制御装置2014は、画像分析装置2012を介して各プレイヤが賭けるチップの位置、種類および枚数を把握し、各プレイヤの賭けた負けチップのすべての回収が終わったときに、チップトレイにおけるチップの現実の総額を把握し、各ゲームの清算前のチップトレイにおけるチップの総額から、負けたプレイヤの賭けたチップの位置、種類および枚数から当該ゲームにおけるチップトレイ17の増額を加算した当該チップトレイ17における遊技用代用貨幣1のあるべき総額と、当該チップトレイ17における遊技用代用貨幣1の現実の総額とを比較し、あるべき総額と現実の総額との間に違いがあるか否かを判定する。
【0243】
制御装置2014は、各ゲームの清算前のチップトレイ17における遊技用代用貨幣1の総額から、負けたプレイヤの賭けた遊技用代用貨幣1の位置、種類および枚数から当該ゲームにおけるチップトレイ17の増額を加算した当該チップトレイ17における遊技用代用貨幣1のあるべき総額と、当該チップトレイ17における遊技用代用貨幣1の現実の総額とを比較し、あるべき総額と現実の総額との間に違いがないと判定し、かつ当該ゲームの終了時の精算後のチップトレイ17におけるあるべき総額と、画像分析装置2012を介し得た当該ゲームの終了時のチップトレイ17における遊技用代用貨幣1の現実の総額を比較し、あるべき総額と現実の総額との間に違いがあると判定した場合には、支払いの間違いと判定し、支払いの間違いを知らせる支払い誤りシグナルを発生させる。
【0244】
チップトレイ17には、負けたプレイヤの賭けた遊技用代用貨幣1を回収して一時保管する回収チップトレイ171が設けられ、画像分析装置2012は、負けたプレイヤの賭けた遊技用代用貨幣1Lの位置、種類および枚数から計算される当該ゲームにおける遊技用代用貨幣1の増額を加算した回収チップトレイ171における遊技用代用貨幣1のあるべき総額と、回収チップトレイ171における遊技用代用貨幣1の現実の総額とを比較し、あるべき総額と現実の総額との間に違いがあるか否を判定する。
【0245】
制御装置2014が遊技テーブル2004のディーラ2005のチップトレイ17における把握されている遊技用代用貨幣1の現実の総額が、すべてのプレイヤの賭けたチップ額と当該ゲームの勝敗結果とから計算されるチップの増減額に対応していない違いを判定したときは、ゲーム記録装置2011において上記の違いが生じたゲームの記録が分析可能となるように、ゲーム記録装置2011は、取得した映像にインデックスもしくは時刻を付与するか、もしくは遊技用代用貨幣1の回収シーンあるいは支払シーンを特定して再生できる。
【0246】
このように、制御装置2014は、画像分析装置2012を介してゲームの終了時の清算後にチップトレイ17におけるチップの総額を得るが、この場合の清算後の判断というのは、以下の1)~4)のいずれかが起こったときとする。
1)勝ち遊技用代用貨幣1に対する償還が終了したとき、
2)当該ゲームで使用されたカードCが回収され、当該テーブルの廃棄エリア41もしくは廃棄スロット42に廃棄されるとき、
3)勝敗結果判定装置に付随する所定のボタンを押したとき、
4)勝敗を示すマーカー43を元に戻したとき。
【0247】
また、制御装置2014は、遊技テーブル2004の各プレー位置7において賭けたチップの位置(プレイヤか、バンカーか、ペアに賭けた位置)と額(種類と枚数)を把握し、各ゲームの勝敗結果により得られる各プレイヤ2006の勝敗履歴と得たチップの額(勝った額)を、過去の多数(ビッグデータ)のゲームの統計データと比較して特異な状況(カジノにより設定される)として抽出可能な人工知能活用型もしくはディープラーニング構造である。典型的にはある額(100万ドル)以上の勝ち額の発生や、ある遊技テーブル2004のプレー位置7において、負けた時の賭けチップの額が少なく、勝った時の賭けチップの額が多い状態が数ゲーム続き、それが過去のゲームの統計データ(ビッグデータ等)と比較して特異な状況としてこれを抽出可能な人工知能活用型もしくはディープラーニング構造の制御装置2014を備えるものである。
【0248】
さらに、本テーブルゲームの管理システムの制御装置2014は(画像分析装置2012と一体となって)特異な状況として抽出されるか、もしくは所定額以上の勝ちを収めたプレー位置7における個別のプレイヤ2006の特定が可能な構造である。このようなプレイヤ2006の特定は、画像分析装置2012において、顔の画像を特徴点抽出等により得、アイデンティティ番号(ID等)を付して特定しておく。そして制御装置2014は、特定されたプレイヤ2006が、離席して別の遊技テーブルに着いたとき、当該別の遊技テーブルに当該特定プレイヤの存在を知らせる警告機能を有する。具体的には、各遊技テーブル2004を管理するピットマネージャーや各テーブル責任者(ディーラでもよい)に知らせて、更なる特異現象の防止を図る。
【0249】
制御装置2014は、チップトレイ判定装置が判定した回収された遊技用代用貨幣1のRFIDのIDの情報と、チップ読取装置25が読み取った遊技用代用貨幣1のRFIDのIDの情報とをもとにシッティングナンバー毎の回収された前記遊技用代用貨幣1を特定可能である。
【0250】
図21では、
図22および
図23の詳細表のように遊技用代用貨幣1が賭けられている。画像分析装置2012による分析では、遊技用代用貨幣1が賭けられている場所(プレイヤ、バンカー等)と、枚数(および金額)が把握できる。一方、チップ読取装置25による読取りでは、シッティングナンバー毎の遊技用代用貨幣1に付されたRFIDのIDが把握可能である。さらにチップトレイ判定装置25は、チップトレイ9内の遊技用代用貨幣1のIDを判定可能であるので、回収の前後で増加したIDを把握することで、回収された遊技用代用貨幣1を把握可能である。
図23~25で、ゲーム結果がバンカーの勝ちである場合には、画像分析装置2012の分析結果からバンカーペアに賭けられていた2枚が回収されるべきことが分かり、チップトレイ判定装置が判定した回収チップのIDのうち、チップ読取装置25がシッティングナンバー5に賭けられていたと読み取っていたID6と18の2枚が回収されていることが分かる。
【0251】
制御装置2014はさらにゲーム結果判定装置から得たゲーム結果及び画像分析装置による画像分析結果に基づく遊技用代用貨幣1の位置と金額と枚数の測定結果を用いて判定したシッティングナンバー毎の回収されるべき前記遊技用代用貨幣1の合計金額または合計枚数を把握している。従って制御装置2014はRFIDに基づいて判定したシッティングナンバー毎の回収された遊技用代用貨幣1の合計金額または合計枚数と、画像分析結果に基づく回収されるべき遊技用代用貨幣1の合計金額または合計枚数を比較し、一致するか否かを判定可能である。
【0252】
例えば、シッティングナンバー1のチップ読取装置25による読取結果が「A、B、C、D、E」、画像分析装置2012による分析結果が「タイに2枚、バンカーに2枚」、ゲーム結果が「バンカーの勝」、チップトレイ判定装置18による読取結果が「A、B」の場合に、タイに賭けられていたA、Bのチップが正しく回収されたことが分かる。
【0253】
制御装置2014はさらに、チップトレイ判定装置が判定した回収された前記遊技用代用貨幣1のRFIDのIDの情報が、チップ読取装置25が読み取った、賭けられていた遊技用代用貨幣1のRFIDのIDの情報と一致するか否かを判定可能である。この判定により、チップトレイに回収された遊技用代用貨幣1が遊技テーブルに賭けられていた遊技用代用貨幣1であるかどうか、他の場所から不正に回収された遊技用代用貨幣1でないかが判定できる。
【0254】
制御装置2014は、さらに、チップ読取装置25が読み取ったRFID情報をもとに、キャッシュチップ、ローリングチップ、プロモーションチップなどのチップの種類を判定可能であり、判定したチップの種類毎に賭けられた金額、回収または償還された金額を記憶可能である。
【0255】
ローリングチップは、特定の会員が購入可能な、現金に交換できない特殊なチップであり、ローリングチップは会員毎に購入した金額が管理されている。賭けに使用して消費しなければならず、また、ローリングチップを使用した賭けに対する償還はキャッシュチップによって償還される。チップ読取装置25が読み取ったRFID情報をもとに賭けられたまたは回収されたローリングチップの金額を記憶することで、特定の会員が持っているべきローリングチップの金額が把握可能である。
【0256】
チップ読取装置25は、さらに、確認エリアの機能を備え、償還のために置かれた遊技用代用貨幣1を読み取ることが可能である。
図25に示すように、シッティングナンバー2のバンカーに対する償還を行う場合に、チップ読取装置25の中に償還のための遊技用代用貨幣1が置かれ、読取りが行われる。
図25ではシッティングナンバー2のバンカーに賭けられた勝ち遊技用代用貨幣1の横に置かれている。制御装置2014は、ゲーム結果判定装置から得たゲーム結果及び画像分析装置による画像分析結果に基づく遊技用代用貨幣1の位置と金額と枚数の測定結果を用いて判定した償還金額と、前記チップ読取装置25の読取結果に基づく前記シッティングナンバー毎に置かれた前記遊技用代用貨幣1の金額とを比較し、償還金額の一致または不一致を判定し、出力可能である。
図26ではシッティングナンバー1の支払うべき遊技用代用貨幣1の合計枚数は4であるのに対し、チップ読取装置25の読取結果は3であるため、不一致である。償還金額が不一致の場合には不一致の信号を出力し、ディーラは出力された信号に基づいて償還のための遊技用代用貨幣1を置きなおすことができる。遊技用代用貨幣1が置きなおされた場合には再度判定を行い、判定結果を出力することができる。償還のための遊技用代用貨幣1を置くエリアは、チップ読取装置25内のどこでもよい。また、
図25に示すように、ベットエリアとは別に、ベットエリアのディーラ側に支払い確認エリア26を配置していてもよい。
図25ではシッティングナンバー6の支払い確認エリア26に償還のための遊技用代用貨幣1を置き、チップ読取装置25が読取りを行い、制御装置2014が判定を行い、バンカーに置かれている勝ち遊技用代用貨幣1の横に償還チップが置かれる。
【0257】
また、確認エリアについても画像分析装置2012による画像分析を行い、制御装置2014はチップ読取装置25の読取結果との照合を行い、合計枚数が一致するか否かを判定してよい。
【0258】
制御装置2014は行った判定に基づいて、信号を出力可能である。信号はチップトレイ9の表示部もしくはカード配布装置13の表示部に表示を行うように出してもよいし、ピットマネージャーもしくはカジノのバックヤードに信号を出力してもよい。
【0259】
チップ読取装置25は
図27に示すように、シッティングナンバー毎にベットエリア全体を1つの読取エリアとしてもよいし、
図28に示すように、シッティングナンバー毎にプ、レイヤ用ベットエリアとバンカー用ベットエリアを1つの読取エリア、タイ用ベットエリア、プレイヤペア用ベットエリア、バンカーペア用ベットエリアを1つの読取エリアとしてもよい。また、
図29、32のようにタイ用ベットエリア、プレイヤペア用ベットエリア、バンカーペア用ベットエリアのサイドベット用ベットエリアそれぞれを1つの読取エリアとしてもよい。
【0260】
以下では、本例に使用する遊技用代用貨幣1について説明する。
図30は本システムに使用する遊技用代用貨幣1の外観図であり、
図31は正面断面図である。複数の色の異なるプラスチックの層が積層され、少なくとも中間に着色層101を備え、この中間の着色層101の両側に白色層102もしくは薄色層(図示しないが着色層101より色の薄い層であればよい)を積層した多層構造となっている。このように着色層101を備え、この中間の着色層101の両側に白色層102もしくは薄色層(図示しないが着色層101より色の薄い層であればよい)を積層した多層構造とすることで
図31に示すように側面に積層方向の縞模様を形成し、着色層101の色を変える(赤色、緑色、黄色や青色等)ことにより遊技用代用貨幣1の種類(10ポイント、20ポイント、100ポイント、1000ポイントなど)を特定できるようにしている。
【0261】
着色層101は、
図31に示すように、着色された複数の層(
図31では3層)により形成されてもよい。着色された複数の層(
図31では3層)は互いに熱圧着されているので、
図31のように3層構造が目視可能な状態ではなく、
図31は説明上3層を表している。さらには着色層101の3層の内真ん中の層には一部くり抜きBが設けられ、その中にはRFIDが内蔵されている。
【0262】
また、遊技用代用貨幣1はプラスチックを積層した構造に限らず、外観において着色層101と同様の見た目を有するものであってもよい。
【0263】
以下に、画像分析装置2012が遊技用代用貨幣1を分析する方法を詳細に示す。画像分析装置2012は、記録装置11に記録された画像を画像分析して、遊技用代用貨幣1に少なくとも部分的に付与されている特定色121と画像中に存在する、特定色121とは異なる基準色Rの少なくとも2色を認識する。なお特定色121は、遊技用代用貨幣1の所定の位置又は所定の形状で少なくとも部分的に付されている。たとえば着色層101として付されていたり、遊技用代用貨幣1の側面に周方向に付されていたり、遊技用代用貨幣1の表面に所定のマークとして付されていてもよい。また、基準色Rは、たとえば遊技テーブル2004の特定エリアの色であっても良いし、遊技用代用貨幣1中の特定色121とは異なる場所に付与された色であってもよい。
【0264】
画像分析装置2012は、たとえば深層学習(ディープラーニング)技術などにより特定色の特定を行う人工知能装置12aを含んでおり、遊技テーブル2004に配置された遊技用代用貨幣1の枚数および種類を判定する。認識装置12は、遊技テーブル2004における遊技用代用貨幣1の位置をさらに判定してもよい。
【0265】
画像分析装置2012は、異なる照度で照射された遊技用代用貨幣1及び基準色Rの複数の画像を取得し、取得した画像と、各画像の遊技用代用貨幣1の特定色121及び基準色Rの正解の色とを、教師データとして人が教示することで学習し、学習モデル13a(認識プログラム)を作成する。なお同じ条件の照度で照射された遊技用代用貨幣1及び基準色Rの画像は、特定色121と基準色Rが同じ照度で照らされていることにより、特定色121と基準色Rの相対的な関係を取得することができる。例えばこの相対関係が特定色121の認識に利用されてもよい。
【0266】
またチップ認識装置12は人工知能を用いることなく、カメラ200212によって撮影されて画像として記録され、さらに画像分析された結果を用い、形状、明度、彩度、色合いなどの画像上の特徴を計測する方法によって遊技用代用貨幣1の中心線Cを抽出してもよい。
【0267】
人工知能装置12aはさらに、抽出した前記中心線Cの周囲の所定の範囲の周辺画像(例えば中心線を中心に、中心線に直交する8ピクセル分の範囲など)を画像分析することにより、前記周辺画像中の前記特定色121と特定色121とは異なる前記基準色Rとの少なくとも2色を認識する構成を備える。なお抽出した前記中心線Cの周囲の所定の範囲の周辺画像を画像分析する際には、画像をそのまま分析しても良いし、特定色121の認識が容易となるように、色の強調やノイズの除去等の画像処理を行った上で分析しても良い。
【0268】
まとめると、認識装置12の人工知能装置12aは、遊技用代用貨幣1の画像から中心線Cを抽出し、前記中心線Cを中心とした所定の範囲の周辺画像を画像分析することにより、前記周辺画像中の特定色121と特定色121とは異なる基準色Rとの少なくとも2色を認識する構成を備え、異なる照度で照射された前記遊技用代用貨幣1及び基準色Rの複数の前記周辺画像を教師データとして教示された人工知能装置である。
【0269】
別の例では、前記制御装置2014は、さらに
1)各ゲームにおいて、カードの引き出しが開始されてからもしくはディーラのゲーム開始操作からカード配布装置によりゲームの勝敗結果が表示される前の間に、チップの動きがないかどうか、
2)各ゲームの終了後、ディーラがゲーム参加人のうちの敗者が賭けていたチップを回収している間に、ディーラ以外の者によるチップの動きがないかどうか、
3)各ゲームの終了後、ディーラがゲーム参加人のうちの敗者が賭けていたチップを回収している間に、チップが追加されたかどうか、
4)各ゲームの終了後、ディーラがゲーム参加人のうちの勝者が賭けていたチップの位置に、支払いを行ったかどうか、
5)各ゲームの終了後、ゲーム参加人のうちの勝者が、賭けていたチップおよび支払われたチップを取ったかどうか、
の少なくとも1つを判定する機能と、を備える。
【0270】
さらに、前記制御装置2014は、前記画像分析装置の分析結果を用いて、ディーラおよびゲーム参加人の手の動き、チップの動き、または前記手の動きとチップの動きを検知することによって、前記1)から5)の少なくとも1つを判定するように構成されていてもよい。
【0271】
制御装置2014は、本願発明の特徴的な機能として、バカラゲームのルールに従い、以下の1)から5)に示す機能を有しルールに反する不正が行われていないか否かを判定する。すなわち、
1)各ゲームにおいて、カード配布装置2003から得られるカードの引き出しが開始される信号から、もしくはディーラ2005が開始ボタン4sを押すことによるゲーム開始操作から、カード配布装置2003によりゲームの勝敗結果が表示される前の間に、遊技用代用貨幣1の動きがないかどうかを、カメラ2002を使って画像分析装置2012が得る情報により監視する。
2)各ゲームの終了後、ディーラ2005がゲーム参加人2006のうちの敗者が賭けていた遊技用代用貨幣1を回収している間に、敗者6が遊技用代用貨幣1を不正に取っていないかどうかを、カメラ2002を使って画像分析装置2012が得る情報により監視する。
3)各ゲームの終了後、ディーラ2005がゲーム参加人のうちの敗者が賭けていた遊技用代用貨幣1を回収している間に、ディーラ2005以外の者(勝者もしくは敗者)が勝ち遊技用代用貨幣1Wを追加したり、賭けていない勝側に新たに遊技用代用貨幣1を置きなおしていないかどうかを、カメラ2002を使って画像分析装置2012が得る情報により監視する。
4)各ゲームの終了後、ディーラ2005がゲーム参加人2006のうちの勝者が賭けていた遊技用代用貨幣1の位置に、正しく支払いの遊技用代用貨幣1Wを置いたかどうかを、カメラ2002を使って画像分析装置2012が得る情報により監視する。
5)各ゲームの終了後(ディーラ2005がカード配布装置2003を操作して勝敗結果を表示ランプ13に表示させる)、ゲーム参加人2006のうちの勝者6Wが、賭けていた遊技用代用貨幣1および支払われた遊技用代用貨幣1Wを取ったかどうかを、カメラ2002を使って画像分析装置2012が得る情報により監視する。
【0272】
なお、上記の例では、画像分析装置2012や制御装置2014が人工知能活用型もしくはディープラーニング構造を有する装置であったが、画像分析装置2012や制御装置2014は、具体的には、スケールが不変の特徴変換(SIFT;Scale-Invariant Feature Transform)アルゴリズム、畳み込みニューラルネットワーク(CNN;Convolutional Neutral Network)、深層学習(deep learning)、機械学習(machine learning)、又は同様のものを用いて画像の分析や上記の各種の制御を行ってよい。これらの技術は、撮像画像に対して画像認識を行って画像内に含まれる対象を認識する技術であって、特に、近年は、ニューラルネットワークを多層化したディープラーニング技術を利用して高い精度で対象を認識することが行われている。このディープラーニング技術は、一般的にはニューラルネットワークの入力層と出力層との間の中間層において複数段階に亘って層を重ねることにより高い精度で対象を認識する。このディープラーニング技術において、特に、畳み込みニューラルネットワークが、従来の画像特徴量に基づいて対象を認識するよりも高い性能を有することで注目されている。
【0273】
畳み込みニューラルネットワークでは、ラベルが付与された認識対象画像を学習し、認識対象画像に含まれる主な対象を認識する。学習画像内に主な対象が複数存在する場合には、領域矩形で指定して、当該指定された領域に対応した画像にラベルを付与して学習を行う。さらに、畳み込みニューラルネットワークにおいて、画像内の主な対象および当該対象の位置を判定することも可能である。
【0274】
畳み込みニューラルネットワークについてさらに説明すると、対象の認識プロセスは、認識対象画像に対してエッジ抽出処理等を実施することにより局所的な特徴に基づいて候補領域を抽出すると共に、候補領域を畳み込みニューラルネットワークに入力して特徴ベクトルを抽出した上で分類を行い、分類された最も確信度が高い候補領域を認識結果として得る。確信度とは、ある画像領域とラベルとともに学習された画像の主体の類似度が、他のクラスの類似度より相対的にどの程度高いかを示す量である。
【0275】
以上、各種の例を説明したが、上述の実施の形態は、本発明の範囲内で当業者により変形可能なことはもちろんであり、適用されるゲームでの必要に応じて、本実施の形態の装置が適当に変形されてよい。
【0276】
(付記)
上記の従来の問題を解決するために、本発明の遊技用代用貨幣の管理システムは、
データの書き換えができない領域と、データの書き換えが可能な領域と、を有する単一のRFIDタグが遊技用代用貨幣に付与され、
前記RFIDタグの前記データの書き換えができない領域は、固定情報として、当該遊技用代用貨幣の生産情報、商品情報、カジノ情報、金額情報、シリアルナンバーの内、少なくとも1つを記憶しており、
前記データの書き換えが可能な領域は、変動情報として、当該遊技用代用貨幣の所在に関する情報を記憶しており、
前記データの書き換えができない領域に記憶している前記固定情報から、同一の当該RFIDタグにおける前記データの書き換えが可能な領域に記憶している前記変動情報を抽出可能な構成であり、
前記システムは、
前記データの書き換えが可能な領域に、当該遊技用代用貨幣の前記所在に関する情報を書き加える書込装置と、
複数の前記遊技用代用貨幣の前記データの書き換えができない領域に記憶された前記固定情報を一括して読み取り、読み取った前記固定情報に基づき、当該各固定情報と対になる前記データの書き換えが可能な領域に記憶された前記所在に関する情報を読み取り可能な読取装置と、
前記読取装置から得た前記所在に関する情報を審査する管理制御装置と、を更に備え、
前記データの書き換えが可能な領域は、前記書込装置により書き込まれた全ての所在に関する情報の少なくとも最新の所在に関する情報を含んだ、複数の所在に関する情報を記憶しており、
前記管理制御装置は、前記読取装置から得た前記所在に関する情報の履歴に異常がないか否かを判定する機能を備え、異常があればエラーシグナルを生成し、異常と判定した遊技用代用貨幣の前記固定情報を特定可能な構成である。
【0277】
またさらに、前記データの書き換えが可能な領域は、前記所在に関する情報とともに、前記書込装置が当該遊技用代用貨幣への書き込みを行った時間の情報を記憶する構成であり、
前記管理制御装置は、前記読取装置から得た前記所在に関する情報から、前記異常か否かの判定として、前回の書き込みから所定期間以上使用されていない、もしくは、書き込まれているべき前記所在に関する情報が書き込まれていない、のいずれかの事象があるか否かを判定する構成である。
【0278】
さらに前記管理制御装置は、前記所在に関する情報は、ケージを示す情報、または入場あるいは退場を示す情報、あるいはバックヤードを示す情報の少なくとも1つを含み、
前記の、前回の書き込みから所定期間以上使用されていない事象は、
1)最新の所在に関する情報がケージを示す情報であり、次の情報の書き込みが所定時間以上たっている、
2)最新の所在に関する情報が入場を示す情報であり、次の情報の書き込みが所定時間以上たっている、
3)最新の所在に関する情報が退場を示す情報であり、次の情報の書き込みが所定の時間以上たっている、
のいずれかの状況であり、
前記の、書き込まれているべき前記所在に関する情報が書き込まれていない事象は、
4)遊技場への入場時において、当該遊技用代用貨幣の前記データの書き換えが可能な領域の最新の所在に関する情報として、退場を示す情報が書き込まれていない、
5)ケージでの使用時において、バックヤードを示す情報が書き込まれていない、
6)遊技場からの退場時において、ケージまたはバックヤードを示す情報が書き込まれていない、
のいずれかの状況であってよい。
【0279】
さらに、前記所在に関する情報は、当該遊技用代用貨幣を所有する所有者に関する情報を含んでよい。
【0280】
さらに前記管理制装置は、前記読取装置から得た前記所有者に関する情報に基づき、前記異常か否かを判定する事象として、
1)前記データの書き換えが可能な領域に記憶している最終の所有者とは異なる人物が当該遊技用代用貨幣を遊技場内で換金、または両替する、あるいは遊技場から退場する、
2)前記データの書き換えが可能な領域に記憶している退場時の所有者とは異なる人物が、当該遊技用代用貨幣を遊技場に持ち込む、
上記の1)または2)のいずれかの状況を判定する機能を備えた、ものであってよい。
【0281】
またさらに前記遊技用代用貨幣を所有する所有者に関する情報は、顔認証またはIDカードの読み取りにより特定される、ものであってよい。
【0282】
また前記所在に関する情報はさらに、前記特定の遊技テーブルのチップトレイの場所を示す情報、またはベットエリアの場所を示す情報、あるいは支払いエリアを示す情報を備えていてよい。
【0283】
さらに前記管理制装置は、前記読取装置から得た前記遊技テーブルのチップトレイの場所を示す情報、またはベットエリアの場所、あるいは支払いエリアを示す情報を示す情報に基づき、前記異常か否かを判定する事象として、
1)前記データの書き換えが可能な領域に記憶している最終の所有者とは異なる人物が当該遊技用代用貨幣を遊技テーブルで使用する、
2)遊技テーブルでの使用記録のない遊技用代用貨幣を当該遊技用代用貨幣のケージでの購入時とは異なる人物が、ケージで換金する、
3)ケージまたはバックヤードを示す情報のない遊技用代用貨幣が遊技場内で使用される、
4)最新の所在に関する情報がベットエリアまたは支払いエリアを示す情報であり、所定期間以上経過後に、ケージで換金または遊技テーブルで使用される、
上記の1)から4)のいずれかの状況を判定する機能を備えた、ものであってよい。
【0284】
さらに前記RFIDタグが有する情報は暗号化されていてよい。
【0285】
さらに前記データの書き換えができない領域は、機能的にデータの書き込みができない構成、またはデータの書き込みができないようにロックした構成であってよい。
【0286】
またさらに前記読取装置は、前記データの書き換えができない領域に記憶された前記固定情報と、前記データの書き換えが可能な領域に記憶された所在に関する情報とを一括して読み取る構成であり、
前記管理制御装置は、前記読取装置により読み取られた複数の前記遊技用代用貨幣の複数の前記固定情報から、同一の当該RFIDタグにおける前記データの書き換えが可能な領域に記憶している前記所在に関する情報を抽出して把握可能な構成であってよい。
【0287】
上記の従来の問題を解決するために、本発明の遊技用代用貨幣は、データの書き換えができない領域と、データの書き換えが可能な領域と、を有する単一のRFIDタグを備え、
前記データの書き換えができない領域は、固定情報として、当該遊技用代用貨幣の生産情報、商品情報、カジノ情報、金額情報、シリアルナンバーの内、少なくとも1つを記憶しており、
前記データの書き換えが可能な領域は、変動情報として、書込装置により書き込まれた当該遊技用代用貨幣の所在に関する情報を記憶する構成であり、
前記データの書き換えができない領域に記憶している前記固定情報から、同一の当該RFIDタグにおける前記データの書き換えができない領域に記憶している前記変動情報を抽出可能な構成である。
【0288】
またさらに前記遊技用代用貨幣は、読取装置により複数の前記遊技用代用貨幣の前記データの書き換えができない領域に記憶された前記固定情報を一括して読み取り、読み取った前記固定情報に基づき、前記データの書き換えが可能な領域に記憶された前記所在に関する情報を読み取り可能な構成であってよい。
【0289】
上記の従来の問題を解決するために、本発明のテーブルゲームの管理システムは、個別に識別可能なRFIDが付された遊技用代用貨幣と、
前記遊技用代用貨幣を用いてゲームを行うための遊技テーブルと、
前記遊技テーブルで行われるゲームにおいて各ゲーム参加人が賭ける遊技用代用貨幣をカメラを介して画像として記録するゲーム記録装置と、
前記記録された遊技用代用貨幣の画像を画像分析する画像分析装置と、
各ゲーム参加人が賭ける前記遊技用代用貨幣に付されたRFIDを読み取るチップ読取装置と、
前記画像分析装置の画像分析結果とチップ読取装置の読取結果を把握する制御装置と、を有し、
前記遊技テーブルは、シッティングナンバー毎に少なくともプレイヤ用ベットエリア、バンカー用ベットエリアを含む複数のベットエリアを備え、
前記チップ読取装置は、前記シッティングナンバー毎にベットエリア全体を1つの読取エリアとして前記遊技用代用貨幣を読み取るか、もしくは、全体を前記ベットエリアの数より少ない複数の読取エリアに分け、前記読取エリア毎に前記遊技用代用貨幣を読み取り、前記制御装置は、前記画像分析装置による画像分析結果に基づき少なくとも前記プレイヤ用ベットエリア、バンカー用ベットエリアを含む各ベットエリアについてそれぞれ独立して、賭けられた前記遊技用代用貨幣の種類と枚数を把握し、前記画像分析装置による画像分析結果に基づく前記シッティングナンバー毎または前記読取エリア毎の遊技用代用貨幣の合計金額または合計枚数が前記チップ読取装置の読取結果に基づく前記シッティングナンバー毎または前記読取エリア毎の遊技用代用貨幣の合計金額または合計枚数と一致するか否かを判定し、判定結果を出力可能な構成である。
【0290】
また前記制御装置は、前記判定結果が不一致のシッティングナンバーを出力可能な構成であってよい。
【0291】
また前記制御装置は、さらに前記画像分析装置による画像分析結果に基づく前記シッティングナンバー毎の遊技用代用貨幣の合計金額または合計枚数より前記チップ読取装置の読取結果に基づく前記シッティングナンバー毎の遊技用代用貨幣の合計金額または合計枚数が少ない場合に、前記遊技用代用貨幣に付されたRFIDが壊れているか、遊技用代用貨幣にRFIDが付されていない可能性があることを示すシグナルを生成可能な構成であってよい。
【0292】
また前記制御装置は、さらに前記画像分析装置による画像分析結果に基づく前記シッティングナンバー毎の遊技用代用貨幣の合計金額または合計枚数より前記チップ読取装置の読取結果に基づく前記シッティングナンバー毎の遊技用代用貨幣の合計金額または合計枚数が多い場合に、前記画像分析装置による前記遊技用代用貨幣の読取ミスである可能性を示すシグナルを生成可能な構成であってよい。
【0293】
また前記遊技用代用貨幣に付されたRFIDのIDを記憶しているデータベースをさらに備え、
前記制御装置は、前記チップ読取装置の読取結果に基づくRFIDのIDと、前記データベースに記憶しているIDとを照合し、当該遊技用代用貨幣の真贋を判定し、判定結果を出力可能な構成であってよい。
【0294】
またさらに、前記遊技テーブルにおいてディーラが使用する遊技用代用貨幣を保持するチップトレイと、
前記チップトレイに収容された前記遊技用代用貨幣の種類と枚数を把握可能なチップトレイ判定装置と、
遊技テーブルにおいて各ゲームのゲーム結果を判定するゲーム結果判定装置と、を備え、
前記制御装置は、前記ゲーム結果判定装置から得たゲーム結果及び前記画像分析装置による画像分析結果に基づいた遊技用代用貨幣の位置と金額と枚数の測定結果を用いて前記遊技テーブルにおけるカジノ側の収支計算を各ゲームの回収及び償還毎に行う計算機能を備え、
各ゲーム参加人の賭けた負けチップの回収が終わったときに、前記遊技テーブルにおける各ゲーム参加人が賭けるチップの位置、種類および枚数と前記ゲーム結果とから計算される当該ゲームにおけるチップの回収すべき額と、前記チップトレイにおける現実の回収額とを比較し、回収すべき額と現実の回収額との間に違いがあるか否かを判定することで、遊技用代用貨幣の回収に不正やミスがあったか否かを判定する回収判定機能と、
償還すべきチップに対する償還を行い、償還が終わったときに、前記遊技テーブルにおける各ゲーム参加人が賭けるチップの位置、種類および枚数と前記ゲーム結果とから計算される当該ゲームにおけるチップの償還すべき額に基づく前記チップトレイのあるべき総額と、前記チップトレイにおける現実の総額を比較し、あるべき総額と現実の総額との間に違いがあると判定した場合には、償還に不正やミスがあったと判定する償還判定機能と、を備えていてよい。
【0295】
また前記制御装置は、前記チップトレイ判定装置が判定した回収された前記遊技用代用貨幣のRFIDのIDの情報と、前記チップ読取装置が読み取った前記遊技用代用貨幣のRFIDのIDの情報とをもとにシッティングナンバー毎の回収された前記遊技用代用貨幣を特定し、
特定した前記遊技用代用貨幣のIDまたは金額または枚数と、前記ゲーム結果判定装置から得たゲーム結果及び前記画像分析装置による画像分析結果に基づく遊技用代用貨幣の位置と金額と枚数の測定結果を用いて判定したシッティングナンバー毎の回収されるべき前記遊技用代用貨幣のIDまたは金額または枚数と、を比較し、一致するか否かをシッティングナンバー毎に判定可能な構成であってよい。
【0296】
また前記制御装置は、各ゲームにおいて、前記チップ読取装置が読み取った前記遊技用代用貨幣のRFIDのIDの情報に基づき、前記遊技用代用貨幣の使用用途別または使用目的別に区分された種別を判定し、シッティングナンバー毎に、前記遊技用代用貨幣の前記種別毎に賭けられた金額または、回収または償還された金額を記憶可能な構成であってよい。
【0297】
また前記制御装置は、複数のゲームにおいて、シッティングナンバー毎に、前記遊技用代用貨幣の種別毎に賭けられた累計金額または、回収または償還された累計金額を記憶可能な構成であってよい。
【0298】
また前記遊技用代用貨幣の種別は少なくともキャッシュチップまたはローリングチップまたはプロモーションチップであってよい。
【0299】
また前記制御装置は、前記ローリングチップのID情報を基に所有者を特定し、所有者毎に、前記ローリングチップが賭けられた累計金額または、回収または償還された累計金額を記憶可能な構成であってよい。
【0300】
また前記チップ読取装置は、シッティングナンバー毎に前記チップ読取装置に置かれた償還のための前記遊技用代用貨幣を読み取り、
前記制御装置は、前記ゲーム結果判定装置から得たゲーム結果及び前記画像分析装置による画像分析結果に基づく遊技用代用貨幣の位置と金額と枚数の測定結果を用いて判定した償還金額と、前記チップ読取装置の読取結果に基づく前記シッティングナンバー毎に置かれた前記遊技用代用貨幣の金額とを比較し、償還金額の一致または不一致を判定し、出力可能な構成であってよい。
【0301】
また前記制御装置は、前記償還金額の判定結果が不一致の場合には不一致の表示を行い、さらに、前記チップ読取装置が読み取った前記シッティングナンバー毎の前記チップ読取装置に置かれた前記遊技用代用貨幣の金額に変化があった場合に再度判定を行い、一致または不一致の再出力が可能な構成であってよい。
【0302】
また前記制御装置は、前記シッティングナンバー毎に置かれた償還のための前記遊技用代用貨幣の金額と、償還前後における前記チップトレイの増減額とを比較し、違いがあるか否かを判定可能な構成であってよい。
【0303】
また前記チップ読取装置は償還のための前記遊技用代用貨幣が置かれるための前記ベットエリアのディーラ側に配置された支払い確認エリアを備えていてよい。
【0304】
また顔認証システムまたはプレイヤIDカードによるゲーム参加人特定手段をさらに備え、
前記制御装置は、前記シッティングナンバーと前記ゲーム参加人特定手段が特定した前記ゲーム参加人の情報とを結びつけることが可能な構成であってよい。
【0305】
また前記制御装置の出力に基づく表示を行う表示装置をさらに備えていてよい。
【0306】
また前記遊技テーブルはサイドベット用ベットエリアをさらに備え、
前記サイドベット用ベットエリアは、各シッティングナンバー毎のベットエリアが隣接して設けられており、
前記チップ読取装置は、少なくとも1つの前記サイドベット用ベットエリアをまとめて読取可能であり、
前記制御装置は、前記画像分析装置による画像分析結果に基づき前記少なくとも1つの前記サイドベット用ベットエリアに賭けられた前記遊技用代用貨幣の種類と枚数とを把握し、前記画像分析装置による画像分析結果に基づく前記少なくとも1つのサイドベット用ベットエリアの遊技用代用貨幣の合計金額または合計枚数が前記チップ読取装置の読取結果に基づく当該サイドベット用ベットエリアの遊技用代用貨幣の合計金額または合計枚数と一致するか否かを判定し、判定結果の信号を出力可能な構成であってよい。
【0307】
また本発明の別の態様は、テーブルゲームの管理システムであって、
個別に識別可能なRFIDが付された遊技用代用貨幣と、
前記遊技用代用貨幣を用いてゲームを行うための遊技テーブルと、
前記遊技テーブルで行われるゲームにおいて各ゲーム参加人が賭ける遊技用代用貨幣をカメラを介して画像として記録するゲーム記録装置と、
前記記録された遊技用代用貨幣の画像を画像分析する画像分析装置と、
各ゲーム参加人が賭ける前記遊技用代用貨幣に付されたRFIDを読み取るチップ読取装置と、
前記画像分析装置の画像分析結果と前記チップ読取装置の読取結果とを把握する制御装置と、を有し、
前記遊技テーブルは、プレイヤ用ベットエリア、バンカー用ベットエリア、サイドベット用ベットエリアからなるベットエリアを備え、
前記サイドベット用ベットエリアは、各シッティングナンバー毎のベットエリアが隣接して設けられており、
前記チップ読取装置は、少なくとも1つの前記サイドベット用ベットエリアをまとめて読取可能であり、
前記制御装置は、前記画像分析装置による画像分析結果に基づき前記少なくとも1つの前記サイドベット用ベットエリアについて独立して、賭けられた前記遊技用代用貨幣の種類と枚数とを把握し、前記画像分析装置による画像分析結果に基づく前記少なくとも1つのサイドベット用ベットエリアの遊技用代用貨幣の合計金額または合計枚数が、前記チップ読取装置の読取結果に基づく当該サイドベットの遊技用代用貨幣の合計金額または合計枚数と一致するか否かを判定し、判定結果の信号を出力可能な構成である。
【0308】
また前記制御装置は、前記判定結果が不一致の前記サイドベットを出力可能な構成であってよい。
【0309】
また前記制御装置は、さらに前記画像分析装置による画像分析結果に基づく前記サイドベット毎の遊技用代用貨幣の合計金額または合計枚数より前記チップ読取装置の読取結果に基づく前記サイドベット毎の遊技用代用貨幣の合計金額または合計枚数が少ない場合に、前記遊技用代用貨幣に付されたRFIDが壊れているか、遊技用代用貨幣にRFIDが付されていない可能性があることを示すシグナルを生成可能な構成であってよい。
【0310】
また前記制御装置は、さらに前記画像分析装置による画像分析結果に基づく前記サイドベット毎の遊技用代用貨幣の合計金額または合計枚数より前記チップ読取装置の読取結果に基づく前記サイドベット毎の遊技用代用貨幣の合計金額または合計枚数が多い場合に、前記画像分析装置による前記遊技用代用貨幣の読取ミスである可能性を示すシグナルを生成可能な構成であってよい。
【0311】
また前記遊技用代用貨幣に付されたRFIDのIDを記憶しているデータベースをさらに備え、
前記制御装置は、前記チップ読取装置の読取結果に基づくRFIDのIDと、前記データベースに記憶しているIDとを照合し、当該遊技用代用貨幣の真贋を判定可能な構成であってよい。
【0312】
また前記制御装置は、前記チップトレイ判定装置が判定した回収された前記遊技用代用貨幣のRFIDのIDの情報と、前記チップ読取装置が読み取った前記遊技用代用貨幣のRFIDのIDの情報とをもとにサイドベット毎の回収された前記遊技用代用貨幣を特定し、前記ゲーム結果判定装置から得たゲーム結果及び前記画像分析装置による画像分析結果に基づく遊技用代用貨幣の位置と金額と枚数の測定結果を用いて判定したサイドベット毎の回収されるべきIDまたは金額または枚数と、前記サイドベット毎の回収された前記遊技用代用貨幣のIDまたは金額または枚数とを比較し、回収金額の一致または不一致をサイドベット毎に判定可能な構成であってよい。
【0313】
1つのチップ読取装置25内にある支払いを受けるべき対象のチップまたはチップスタックが1つの場合には、チップ読取装置25のエリア外にチップが移動することを検知せずとも、賭けチップと支払いチップをペアにして所有者情報を結びつけることができる。すなわち、1つのチップ読取装置25内に、1枚の遊技用貨幣1001または遊技用貨幣1001数枚からなる1つのスタックの賭けチップがある場合には、チップ読取装置25のエリア外にチップが移動したことを検知せずとも、チップトレイから支払いチップが消えた情報もしくはテーブル上のチップ読取装置25で支払いチップが読み取られた情報をもとに、賭けチップと支払いチップとをペアにすることで所有者情報を紐づけることができる。もちろん、チップ読取装置25のエリア外にチップが移動した情報をもとに賭けチップを認識し、チップトレイから取り出されたチップの情報、ベットエリアに置かれたチップの情報、チップ読取装置25のエリア外に移動したチップの情報の内のいくつかを用いて、支払いチップと賭けチップをペアにすることで、当該賭けチップの所有者情報をもとに支払いチップの所有者に関する情報を結びつけることをしてもよい。また、チップのIDをRFIDによって読み取り、スタックの識別を含め、チップの種類と枚数の認識をカメラで行う構成であってもよい。
【0314】
1つのチップ読取装置25内にある支払いを受けるべき対象のチップまたはチップスタックが1つの場合とは、賭けられた時点で、当該エリア内にチップまたはチップスタックが1つの場合もしくは、賭けられた時点では複数スタックあったが、支払いを進めるうちに、スタックが最後の1つになった場合を含む。最後の1つの賭けチップのスタックのみ支払いチップとペアにして所有者情報を紐づける構成にしてもよく、その場合に、最後の1つに残すスタックをメンバー会員が賭けたチップにすることで、メンバー会員のチップのトレースを確実に行うことができる。チップ読取装置1つごとに(例えばプレイヤポジションごとに)メンバー会員は1人賭け、非メンバー会員は複数人かけてよいことにするのが望ましい。メンバー会員はプレイヤポジション毎に一人の場合に、チップと所有者が結びついているので、プレイヤポジション毎に割り当てられたメンバー会員の情報が、賭けられたチップの情報から把握可能である。また、メンバー会員は非メンバー会員よりも先にチップを賭けるというルールがある場合に、プレイヤポジション内で、一番初めに賭けられたチップと、プレイヤポジションに割り当てられている(例えばプレイヤポジション1に座っている)メンバー会員情報を結びつける、もしくは結びついていることを確認してよい。プレイヤポジションにメンバー会員を割り当てるには、メンバーズカードを用いてもよい。
【0315】
チップ読取装置25は、プレイヤ、バンカー、タイ、ペアなどの各エリア毎に設けられてもよいし、プレイヤポジション毎、もしくは例えばプレイヤポジション1~3と、プレイヤポジション4~6のようにテーブル全体を複数分割したもの、テーブル全体に対して1つの大きな読取装置25であってもよい。いずれの場合でも、チップ読取装置25のエリア外にチップが移動したこと(チップ読取装置25でチップが読み取られなくなったこと)の情報、チップトレイから消えた支払いチップのID、ベットエリアに置かれた支払いチップのIDの情報などから、賭けチップと支払いチップをペアにして、所有者情報等を更新できる。
【符号の説明】
【0316】
31 倉庫
32 手続室
33 キャッシャ
34 バンク
35 ピット
36 テーブル
36a チップトレイ
36b1~36b6 ベットエリア
36c 電子シュー
72 ゲーミングチップ
73 データファイル
74 プレイヤ
75 ディーラ
100 RFIDタグ製造工場
200 チップ製造工場
211 TID領域
212 EPC領域
300 カジノ
301 バックヤード
302 フロア
320 手続室システム
321 アンテナ
322 アクティベーションリーダライタ
323 中央照合装置
324 入力装置
325 登録装置
326 データベース
327 バーコードリーダ
328 操作装置
330 キャッシャシステム
340 バンクシステム
350 ピットシステム
360 テーブルシステム
720 チップケース
722 バーコード
721 RFIDタグ
3291 カメラ
3292 画像認識装置