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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023022064
(43)【公開日】2023-02-14
(54)【発明の名称】電力グリッドシステム
(51)【国際特許分類】
   H02H 3/08 20060101AFI20230207BHJP
   H02J 13/00 20060101ALI20230207BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20230207BHJP
【FI】
H02H3/08 D
H02J13/00 301D
H02J3/38 110
【審査請求】有
【請求項の数】26
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022179639
(22)【出願日】2022-11-09
(62)【分割の表示】P 2020557118の分割
【原出願日】2019-01-03
(31)【優先権主張番号】62/613,991
(32)【優先日】2018-01-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/620,981
(32)【優先日】2018-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/230,203
(32)【優先日】2018-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
(71)【出願人】
【識別番号】520243639
【氏名又は名称】エメラ・テクノロジーズ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】EMERA TECHNOLOGIES LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・ロス・ベネット
(72)【発明者】
【氏名】ルイス・エドゥアルド・スビエタ
(57)【要約】
【課題】グリッドに接続されたシステムに提供される電流における遅い変化率を使用するように設計され、それらの遅い変化率を用いて迅速な故障検出を可能にするグリッドシステムを提供する。
【解決手段】本願は、供給ネットワークの少なくとも一部を備える可能性があるシステムを開示する。システムは、予めプログラムされた負荷曲線に従って供給ネットワークの少なくとも一部から1つ又は複数負荷への電力を提供する負荷ネットワークの中へのIの電流レベルを備えた電流フローを制御する負荷コントローラをさらに備えてもよい。本システムは、予めプログラムされた負荷曲線と不整合である電流パターンの検出に応答して、負荷コントローラから供給ネットワークの少なくとも一部を分離する保護システムをさらに備えてもよい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給ネットワークの少なくとも一部と、
予めプログラムされた負荷曲線に従って上記供給ネットワークの少なくとも一部から1つ又は複数の負荷の電力を提供する負荷ネットワークへの電流フローをIの電流レベルで制御する負荷コントローラと、
上記予めプログラムされた負荷曲線と不整合である電流パターンの検出に応答して、上記負荷コントローラから上記供給ネットワークの少なくとも一部を分離する保護システムとを備えた、
システム。
【請求項2】
上記供給ネットワークはDCネットワークである、
請求項1記載のシステム。
【請求項3】
上記供給ネットワークはACネットワークである、
請求項1記載のシステム。
【請求項4】
上記供給ネットワークは、上記供給ネットワークの供給電圧を保持する供給コントローラを備える、
請求項1記載のシステム。
【請求項5】
上記供給ネットワークはエネルギー貯蔵器をさらに備え、
上記供給コントローラは、上記エネルギー貯蔵器を用いて上記供給電圧を保持する、
請求項4記載のシステム。
【請求項6】
上記供給コントローラは、上記供給電圧を変化させることで、通信パルスを予め決められた電圧又は波形で送るように構成される、
請求項4記載のシステム。
【請求項7】
上記負荷コントローラは、電圧センサ、プロセッサ、及びメモリを備え、
上記メモリは、上記プロセッサによって実行されたとき、上記電圧センサを用いて、上記供給ネットワークによって提供された電力信号から上記通信パルスを上記プロセッサに抽出させる命令を含む、
請求項6記載のシステム。
【請求項8】
上記メモリは、上記プロセッサによって実行されたとき、上記通信パルスを処理して、上記負荷コントローラに対して発行されたコマンドを決定する命令をさらに含む、
請求項7記載のシステム。
【請求項9】
上記プロセッサは、上記供給電圧が上記予め決められた電圧にとどまる時間長に基づいて上記コマンドを決定する、
請求項8記載のシステム。
【請求項10】
上記プロセッサは、上記供給電圧への又は上記供給電圧からの上記電力信号の波形に基づいて上記コマンドを決定する、
請求項8記載のシステム。
【請求項11】
上記プロセッサは、上記電力信号が上記予め決められた電圧に遷移するレートに基づいて上記コマンドを決定する、
請求項8記載のシステム。
【請求項12】
上記供給電圧を変化させることで上記通信パルスを送ることは、上記供給ネットワークにおける配電線の通常の一時性より遅いレートで、上記供給電圧を初期レベルから上記予め決められた電圧に変化させることを含む、
請求項6記載のシステム。
【請求項13】
上記プロセッサは、設定されたレートで上記供給電圧における上記予め決められた電圧への変化を検出することに基づいて、上記通信パルスの開始を決定する、
請求項7記載のシステム。
【請求項14】
上記通信パルスを送ることは、設定されたレートで上記供給電圧を上記予め決められた電圧から変化させることで、上記通信パルスを終了することをさらに含む、
請求項6記載のシステム。
【請求項15】
上記プロセッサは、設定されたレートで上記供給電圧における上記予め決められた電圧への変化を検出することに基づいて、上記通信パルスの終了を決定する、
請求項7記載のシステム。
【請求項16】
上記供給コントローラは、上記通信パルスによって伝達されたコマンドに対する予想される応答が所定の時間期間内に検出されない場合、上記通信パルスを再送信することで通信誤り訂正を実行するようにさらに構成される、
請求項6記載のシステム。
【請求項17】
上記負荷コントローラは、電圧センサ、プロセッサ、及びメモリを備え、
上記メモリは、上記プロセッサによって実行されたとき、ソースコントローラによって設定された予想されるパターンに従わない上記供給ネットワークからの供給電圧を上記電圧センサが測定する場合に上記プロセッサに故障を検出させる命令を含む、
請求項4記載のシステム。
【請求項18】
上記システムは、上記負荷ネットワークにおけるエネルギー貯蔵器をさらに備え、上記電流フローを制御する上記負荷コントローラは、上記エネルギー貯蔵器にエネルギーを貯蔵するか又は上記エネルギー貯蔵器からエネルギーを引き出して、上記予めプログラムされた負荷曲線に従って上記制御された電流フローを維持することを含む、
請求項1記載のシステム。
【請求項19】
上記エネルギー貯蔵器は、貯蔵器コントローラ及びエネルギー貯蔵装置を備え、上記貯蔵器コントローラは、上記エネルギー貯蔵装置に対するエネルギーの貯蔵又は引き出しを制御する、
請求項18記載のシステム。
【請求項20】
上記貯蔵器コントローラは、上記負荷コントローラと通信して、上記エネルギー貯蔵装置に貯蔵されたエネルギーの量に基づいて上記予めプログラムされた負荷曲線における位置を調整する、
請求項19記載のシステム。
【請求項21】
上記エネルギー貯蔵装置はバッテリーを備える、
請求項19記載のシステム。
【請求項22】
上記負荷コントローラは、上記1つ又は複数の負荷の要求に応答して上記予めプログラムされた負荷曲線におけるレベルを変化させる、
請求項1記載のシステム。
【請求項23】
上記1つ又は複数の負荷は建物を備える、
請求項1記載のシステム。
【請求項24】
上記1つ又は複数の負荷はインバータを備える、
請求項1記載のシステム。
【請求項25】
上記インバータは、
メモリと、
プロセッサと、
DC電力をAC電力に変換する回路とを備え、
メモリ記憶装置は、上記プロセッサによって実行されたとき、
上記インバータの出力を受けることと、
複数の時点で上記インバータの出力を貯蔵することと、
上記インバータの出力を解析して上記複数の時点で1つ又は複数の故障を検出することと、
上記検出された故障のうちの1つ又は複数が、上記インバータが1つ又は複数の保護モードに入ることを必要とするか否かを決定すること、
上記決定に基づいて、上記インバータを上記1つ又は複数の保護モードのうちの1つに入らせるコマンドを発行することとを含む方法を実行する命令を含む、
請求項24記載のシステム。
【請求項26】
上記保護システムは、故障電流の変化率を制限する構成要素を備える、
請求項2記載のシステム。
【請求項27】
上記構成要素はインダクタである、
請求項26記載のシステム。
【請求項28】
上記保護システムは保護装置を備え、
上記保護装置は、
電流を測定する電流検出装置と、
上記電流検出装置からの電流測定値を予め決められたパターンに対して比較するコントローラと、
上記コントローラから信号を受信して、上記測定された電流のパターンが上記予め決められたパターンと不整合である場合に動作する高速切断とを備える、
請求項1記載のシステム。
【請求項29】
上記電流検出装置からの電流測定値を上記予め決められたパターンに対して比較することは、上記電流測定値のランプレートを予め決められたランプレートに対して比較することを含む、
請求項28記載のシステム。
【請求項30】
上記電流測定値のランプレートを上記予め決められたランプレートに対して比較することは、上記電流測定値の微分係数を計算することを含む、
請求項29記載のシステム。
【請求項31】
上記高速切断はソリッドステート装置を備える、
請求項28記載のシステム。
【請求項32】
上記予めプログラムされた負荷曲線と不整合である電流パターンを検出することは、観察されたランプレートに基づく、
請求項1記載のシステム。
【請求項33】
上記予めプログラムされた負荷曲線と不整合である電流パターンを検出することは、上記電流パターンの波形に基づく、
請求項1記載のシステム。
【請求項34】
上記予めプログラムされた負荷曲線と不整合である電流パターンを検出することは、上記電流パターンのレベルに基づく、
請求項1記載のシステム。
【請求項35】
上記負荷コントローラは第1の負荷コントローラであり、上記負荷ネットワークへのIの電流レベルは、第1の負荷ネットワークへのIの第1の電流レベルであり、上記予めプログラムされた負荷曲線は第1の予めプログラムされた負荷曲線であり、
上記システムは、第2の予めプログラムされた負荷曲線に従って上記供給ネットワークの少なくとも一部から第2の負荷ネットワークへのIの第2の電流レベルで電流フローを制御する第2の負荷コントローラをさらに備える、
請求項1記載のシステム。
【請求項36】
上記第1の予めプログラムされた負荷曲線及び上記第2の予めプログラムされた負荷曲線は同じである、
請求項35記載のシステム。
【請求項37】
上記第1の予めプログラムされた負荷曲線及び上記第2の予めプログラムされた負荷曲線は異なる、
請求項35記載のシステム。
【請求項38】
上記予めプログラムされた負荷曲線と不整合である電流パターンを検出することは、上記電流パターンが上記第1の予めプログラムされた負荷曲線及び上記第2の予めプログラムされた負荷曲線の両方と不整合であることを検出することを含む、
請求項35記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2018年1月5日に出願された米国仮特許出願第62/613991号及び2018年1月23日に出願された米国仮特許出願第62/620981号への優先権の利益を主張する、2018年12月21日に出願された米国本出願第16/230203号への優先権を主張し、これら全体は参照によってここに組み込まれる。
【0002】
本開示は電力グリッドシステムに関する。特に、グリッドに接続されたシステムに提供される電流における遅い変化率を使用するように設計され、それらの遅い変化率を用いて迅速な故障検出を可能にするグリッドシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
集中化された電力生成方式において簡単かつ費用対効果の大きい方法であるので、電力は伝統的にACとして顧客に分配される。従来の交流(AC)電力グリッドシステムは、ほぼ100年間にわたって使用されてきた技術を用いる。従来のAC電力グリッドシステムを実装するコストは、銅、鋼、アルミニウム、木材、及びオイルのような物資に基づき、これらが価格を増大させ続ける。
【0004】
光起電力(photovoltaic:PV)技術、バッテリー技術、及び電力電子回路のコスト及び性能の急激な改善は、DC電力グリッドシステムの開発を促進する。DC電力グリッドシステムにより、AC電力グリッドシステムよりも良好な効率、信頼性、及び安全性を、より低コストで提供することができる。コスト改善は、より低コストの物資を用いる経済的な節約から、また、配備された機器のより能動的な使用から達成することができる。
【0005】
しかしながら、DC電力グリッドシステムの発展は、DC電力グリッドの制御及び保護に関する課題に起因して遅かった。DC電力グリッドシステムは、ACシステムに比較して迅速に負荷/供給変動及び故障状態に応答することができる。時間的に変化する供給及び負荷構成と組み合わせたこの特性は、安定性を保持するように特に設計されて複雑な制御アルゴリズムを含むDC電力グリッドシステムをもたらす可能性がある。さらに、DC分配ネットワークにおける故障状態が安全の関心事となりうる。例えば、AC分配ネットワークと異なり、DCシステム故障が生じたときに直接的に流れる一定電流は、コスト効率の良い手段を用いて中断することが困難である可能性がある。
【0006】
遅い変化率で動作するシステムを設計することによって、システムにインダクタンスが追加されて電流のdi/dtを低下させる可能性がある。このことは、システムを、より安全で、より低い定格電流を有するハードウェア(例えばヒューズ)で動作できるようにする。遅い変化率は、また、システムの安定性を向上させ、システム電圧におけるランダム変動を有するシステムでは困難となる電圧信号方式技術の使用を可能にしうる。
【0007】
電力分配の信頼性は、グリッド事業者にとって優先すべき事項である。分配システムにおける故障を迅速に検出し、分離し、かつ回復する能力は、システムの信頼性にとって重要である。分散型リソースの増殖は、分配システムの信頼性を保持して増大させるために取り組まれるべき追加の制約をシステム動作にもたらす。分配システムは、故障の場合、ヒューズ及び保護リレーを用いてシステムの異なるセクションを分離する。ヒューズが過電流のために切断される場合、ヒューズを交換して、停電によって影響を受けたものに電力サービスを戻すために、サービス担当者が現場に派遣されなければならない。
【0008】
電流を測定すること及び故障の場合に切断することに基づいたより高度な電子保護が取り付けられ、ヒューズより早く応答するように、また、故障後に電力の容易な回復を可能にするように協調動作してもよい。これらの電子保護は、故障距離推定、ウェーブレット変換、及び差動電流を含んでもよい。高コストに起因して、高度な方法は主により大きな供給装置において使用され、ヒューズは、より小さな横部分及びサービス中断を保護する好ましい方法である。保護は、故障によって影響を受ける顧客数を最小化するように設けられる。さらに、ある場合には、停電によって影響を受ける顧客数を最小化ながら電力の迅速な回復のために、電力分配の冗長な経路が提供される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来の故障検出方式は、電圧不均衡を示し、したがって電流不均衡を示す電圧変動による供給及び負荷の挙動間の不完全な一致に迅速にシステムを反応させる、平衡を保つ戦略を含む。従来のシステムは、故障状態においてさえ、電流が異常であり故障しているとシステムが決定するのに時間がかかるように、広範囲の動作電流を許容しなければならない。これらの従来のシステムは、保護動作を開始するために、故障への大きなエネルギーの流れに依存し、これにより、損傷及び安全の関心事について高い可能性が生じる。言いかえれば、従来の過電流保護は、任意の瞬間において負荷によって要求されている電流とは独立に、線電流の公称の値よりもずっと大きい電流によって起動される。これは、システムが突然の負荷変動を予想することができず、それらを故障電流から区別することができないからである。
【0010】
これらの目標を達成するために、システムは、有線及び無線のいずれかの通信プラットフォームを介して、供給ネットワーク及び負荷ネットワークの間の通信を追加することができる。有線通信プラットフォームは、典型的には、通信のためだけに取り付けられた独立のハードウェアを必要とする。これらのプラットフォームは余分な機器を必要とし、システムのコストを増大させる。無線通信プラットフォームもまた、システムへ取り付けられた追加のハードウェアを必要とし、信頼できない可能性がある。新たなネットワークが生成又は追加されるごとに、両方のシステムは大幅な再設計を必要とし、電力ネットワークを提供又は更新するコストをさらに増大させる。
【0011】
より分散型の発電及び貯蔵を有することにより電力インフラストラクチャが変化するとき、それらのリソースを利用するために、また、電気的分配システムの信頼性を増大するために新技術が必要とされる。このことは、異なる挙動が新規な保護方法の必要性をもたらすDC分配システムにおいて、さらにいっそう重要である。例えば、DCシステムにおける故障後の電流増大は、概して、ACシステムの場合よりもずっと高速であり、これにより、保護の調整を複雑にするとともに、保護方法からより高速な応答を必要とする。さらに、再活性化中の大きな突入電流をもたらす大きなシステム容量であって、潜在的に機器の共振及び損傷をもたらす大きなシステム容量に起因して、DC分配システムにおける電力の回復は、より困難である。
【0012】
DC分配システムからACシステムに電力を供給するために、インバータが使用されてもよい。インバータは、DC供給をAC供給に変換する装置である。インバータは、スイッチング動作を用いて電力を直接的な経路ではなく波状に流れさせることで、このことを達成する。スイッチング動作は、物理的スイッチから、スイッチを動作させるために半導体を利用する複雑な電気回路までの範囲にわたる。
【0013】
インバータは、それらが形成するAC供給の波形においても変化する。これらのAC供給は、正方形の波、正弦波、又はインバータの制御ソフトウェアによって指示された波の他の任意の形式の波になりうる。異なるアプリケーションは、異なるタイプの電力信号を許容しうる。例えば、複雑な電子回路は電力波形に非常に敏感であり、内部構成要素の損傷を防ぐために滑らかな正弦波を必要とする。冷蔵庫及びオーブンのような大型の電子装置は、それらの構成要素を破損することなく、より多くの矩形波を許容することができる。
【0014】
電力グリッドは故障について心配しなければならない。故障は、心室性細動をもたらす可能性がある感電死を引き起こすことで故障のエリアにおいて人にとっての危険であることを含む、多数の理由で危険になりうる。接地故障、高インピーダンス故障、位相故障、極間故障、アーク故障、断続的なつつき動作(pecking)の故障、オープンニュートラル接続に起因した電圧不平衡を含む、いくつかのタイプの故障が存在する。
【0015】
GFI故障は、伝統的には、外部GFI装置を備えたトランスにおいて検出される。この装置は、AC供給の2つの電流導体を、共通の変流器を介して通過させる。両方の電流は、変流器コアにおける磁界を誘導する。電流が平衡なフロー状態にある場合(又は故障状態はない場合)、対向した電流は、互いにキャンセルする磁界を誘導し、その結果、変流器の2次巻線においてゼロ出力電圧をもたらす。接地故障が生じる場合、少量の電流が接地に向かって流れ、変流器において不均衡として現れ、それにより二次電圧を発生させ、GFI回路遮断器を迅速に動作させる。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本願は、供給ネットワークの少なくとも一部を備える可能性があるシステムを開示する。本システムは、予めプログラムされた負荷曲線に従って供給ネットワークの少なくとも一部から1つ又は複数の負荷の電力を提供する負荷ネットワークへの電流フローをIの電流レベルで制御する負荷コントローラをさらに備えてもよい。本システムは、予めプログラムされた負荷曲線と不整合である電流パターンの検出に応答して、負荷コントローラから供給ネットワークの少なくとも一部を分離する保護システムをさらに備えてもよい。
【0017】
本願はまた、供給ネットワークがDCネットワークであるシステムを開示する。本願はまた、供給ネットワークがACネットワークであるシステムを開示する。本システムはまた、供給ネットワークが、供給ネットワークの供給電圧を保持する供給コントローラを備えてもよいことを開示する。
【0018】
本願はまた、供給ネットワークがエネルギー貯蔵器をさらに備えるシステムであって、供給コントローラがエネルギー貯蔵器を用いて供給電圧を保持するシステムを開示する。本システムはまた、供給電圧を変化させることで、通信パルスを予め決められた電圧又は波形で送るように構成された供給コントローラを備えてもよい。本願はまた、負荷コントローラが電圧センサ、プロセッサ、及びメモリを含むシステムであって、メモリが、プロセッサによって実行されたとき、電圧センサを用いて、供給ネットワークによって提供された電力信号から通信パルスをプロセッサに抽出させる命令を含むシステムを開示する。本願はまた、メモリが、プロセッサによって実行されたとき、通信パルスを処理して、負荷コントローラに対して発行されたコマンドを決定する命令をさらに含むシステムを開示する。
【0019】
本システムはまた、供給電圧が予め決められた電圧にとどまる時間長に基づいてコマンドを決定するプロセッサを備えてもよい。本システムはまた、供給電圧への又は供給電圧からの電力信号の波形に基づいてコマンドを決定するプロセッサを備えてもよい。本システムはまた、電力信号が予め決められた電圧に遷移するレートに基づいてコマンドを決定するプロセッサを備えてもよい。
【0020】
本システムによれば、供給電圧を変化させることで通信パルスを送ることが、供給ネットワークにおける配電線の通常の一時性より遅いレートで、供給電圧を初期レベルから予め決められた電圧に変化させることを含んでもよい。
【0021】
本システムはまた、設定されたレートで供給電圧における予め決められた電圧への変化を検出することに基づいて、通信パルスの開始を決定するプロセッサを備えてもよい。
【0022】
本システムによれば、通信パルスを送ることが、設定されたレートで供給電圧を予め決められた電圧から変化させることで、通信パルスを終了することをさらに含んでもよい。本システムはまた、設定されたレートで供給電圧における予め決められた電圧からの変化を検出することに基づいて、通信パルスの終了を決定するプロセッサを備えてもよい。
【0023】
本システムはまた、通信パルスによって伝達されたコマンドに対する予想される応答が所定の時間期間内に検出されない場合、通信パルスを再送信することで通信誤り訂正を実行するようにさらに構成された供給コントローラを備えてもよい。
【0024】
本願はまた、負荷コントローラが電圧センサ、プロセッサ、及びメモリを備えるシステムであって、メモリが、プロセッサによって実行されたとき、ソースコントローラによって設定された予想されるパターンに従わない供給ネットワークからの供給電圧を電圧センサが測定する場合にプロセッサに故障を検出させる命令を含むシステムを開示する。
【0025】
本システムは、負荷ネットワークにおけるエネルギー貯蔵器を備えてもよく、電流フローを制御する負荷コントローラは、エネルギー貯蔵器にエネルギーを貯蔵するか又はエネルギー貯蔵器からエネルギーを引き出して、予めプログラムされた負荷曲線に従って制御された電流フローを維持することを含む。
【0026】
本願はまた、エネルギー貯蔵器が、貯蔵器コントローラ及びエネルギー貯蔵装置を備え、貯蔵器コントローラが、エネルギー貯蔵装置に対するエネルギーの貯蔵又は引き出しを制御するシステムを開示する。本システムはまた、負荷コントローラと通信して、エネルギー貯蔵装置に貯蔵されたエネルギーの量に基づいて予めプログラムされた負荷曲線における位置を調整する貯蔵器コントローラを備えてもよい。本システムはまた、エネルギー貯蔵装置がバッテリーを備えるように構成されてもよい。
【0027】
本システムはまた、1つ又は複数の負荷の要求に応答して予めプログラムされた負荷曲線におけるレベルを変化させる負荷コントローラを備えてもよい。
【0028】
本願はまた、1つ又は複数の負荷が建物を備えるシステムを開示する。本願はまた、1つ又は複数の負荷がインバータを備えるシステムを開示する。
【0029】
本システムはまた、メモリと、プロセッサと、DC電力をAC電力に変換する回路とを備えるインバータを備えてもよい。メモリ記憶装置は、プロセッサによって実行されたとき、インバータの出力を受けることと、複数の時点でインバータの出力を貯蔵することと、インバータの出力を解析して複数の時点で1つ又は複数の故障を検出することと、検出された故障のうちの1つ又は複数が、インバータが1つ又は複数の保護モードに入ることを必要とするか否かを決定すること、決定に基づいて、インバータを1つ又は複数の保護モードのうちの1つに入らせるコマンドを発行することとを含む方法を実行する命令を含んでもよい。
【0030】
本システムはまた、故障電流の変化率を制限する構成要素を備える保護システムを備えてもよい。
【0031】
本願はまた、構成要素がインダクタであるシステムを開示する。
【0032】
本願はまた、保護システムが保護装置を備えるシステムを開示し、保護装置は、電流を測定する電流検出装置と、電流検出装置からの電流測定値を予め決められたパターンに対して比較するコントローラと、コントローラから信号を受信して、測定された電流のパターンが予め決められたパターンと不整合である場合に動作する高速切断とを備える。
【0033】
本システムによれば、電流検出装置からの電流測定値を予め決められたパターンに対して比較することが、電流測定値のランプレートを予め決められたランプレートに対して比較することを含んでもよい。本システムはまた、電流測定値のランプレートを予め決められたランプレートに対して比較することが、電流測定値の微分係数を計算することを含むように構成されてもよい。
【0034】
本願はまた、高速切断がソリッドステート装置を備えるシステムを開示する。
【0035】
本システムによれば、予めプログラムされた負荷曲線と不整合である電流パターンを検出することが、観察されたランプレートに基づいてもよい。本システムによれば、予めプログラムされた負荷曲線と不整合である電流パターンを検出することが、電流パターンの波形に基づいてもよい。本システムはまた、予めプログラムされた負荷曲線と不整合である電流パターンを検出することが、電流パターンのレベルに基づくように構成されてもよい。
【0036】
本願はまた、負荷コントローラが第1の負荷コントローラであり、負荷ネットワークへのIの電流レベルが、第1の負荷ネットワークへのIの第1の電流レベルであり、予めプログラムされた負荷曲線が第1の予めプログラムされた負荷曲線であるシステムを開示する。本システムは、第2の予めプログラムされた負荷曲線に従って供給ネットワークの少なくとも一部から第2の負荷ネットワークへのIの第2の電流レベルで電流フローを制御する第2の負荷コントローラをさらに備えてもよい。本願はまた、第1の予めプログラムされた負荷曲線及び第2の予めプログラムされた負荷曲線が同じであるシステムを開示する。本願はまた、第1の予めプログラムされた負荷曲線及び第2の予めプログラムされた負荷曲線が異なるシステムを開示する。本システムによれば、予めプログラムされた負荷曲線と不整合である電流パターンを検出することが、電流パターンが第1の予めプログラムされた負荷曲線及び第2の予めプログラムされた負荷曲線の両方と不整合であることを検出することを含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】電力グリッドシステムの例を示すブロック図である。
図2図1のDC電力グリッドシステムの様々な供給コントローラ及び負荷コントローラのための予めプログラムされた負荷曲線である。
図3図1のDC電力グリッドシステムの様々な供給コントローラ及び負荷コントローラのための予めプログラムされた負荷曲線である。
図4図1のDC電力グリッドシステムの様々な供給コントローラ及び負荷コントローラのための予めプログラムされた負荷曲線である。
図5】パルス通信制御方式の例である。
図6】通信パルスの例である。
図7】保護装置の例を示すブロック図である。
図8】スマートインバータ故障検出システムの例を示す図である。
図9】ソフトウェアの機能を示すフローチャートである。
図10】インバータ装置へ統合された制御装置を備えたスマートインバータ故障検出システムの例を示す図である。
図11】電力グリッドシステムの例を示すブロック図である。
図12】電力グリッドシステムの例を示すブロック図である。
図13】電力グリッドシステムの例を示すブロック図である。
図14図1のDC電力グリッドシステムの様々な供給コントローラ及び負荷コントローラのための予めプログラムされた負荷曲線である。
図15図1のDC電力グリッドシステムの様々な供給コントローラ及び負荷コントローラのための予めプログラムされた負荷曲線である。
図16図1のDC電力グリッドシステムの様々な供給コントローラ及び負荷コントローラのための予めプログラムされた負荷曲線である。
図17】通信パルスの例である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本開示は、安定な動作を保持しながら、他の代替例よりも早く故障を検出して解消することができる電力グリッドシステムに関連するシステム及び技術について説明する。概して、電力グリッドシステムは、ローカルなエネルギー貯蔵器を利用して、負荷から要求におけるスパイクを制限することができる。このことは、グリッドにおいて負荷曲線にわたる安定した制御を可能にし、そして、このことは、予想される負荷曲線からの変動に基づく故障検出に使用されうる。この安定した制御は、エアコンディショナのコンプレッサのサイクル動作のような、負荷におけるスパイクによって引き起こされかねない厄介なトリップを防ぐ可能性がある。本技術は、システムのダイナミクスが故障検出及び中断のために追加の複雑化をもたらすDCグリッドにおいて、増大した価値を有する。しかしながら、ACグリッドはまた、他の利点に加えて、故障の早期検出を提供し、ヒューズの切断又は回路遮断器のトリップを防ぎ、故障後に電力の迅速な回復を可能にして信頼性を増大させることで、利点をもたらしうる。
【0039】
DCグリッドについては、説明されたシステム及び技術は、以下の利点のうちの1つ又は複数を実現するように実装可能である。本明細書で説明されるDC電力グリッドシステムの実施形態は、AC電力グリッドシステムよりも低コストであり、より信頼できる。AC電力グリッドシステムに比較して、本明細書で説明されるDC電力グリッドシステムの実施形態は、PVシステムのような再生可能なDCエネルギー源へのより容易なインターフェース又は接続を提供する。本明細書で説明されるDC電力グリッドシステムの実施形態は、負荷点におけるDC構成を提供し、それは、機器及び他の負荷をDCへ変換することを可能にする。DC電力グリッドシステムの効果的なモジュール式構成は、より容易な地下設置及びより低スキルの労働者を可能にすることができ、また、各アプリケーションのカスタム化の必要性を低減するか必要としない。本明細書で説明されるDC電力グリッドシステムの実施形態は、DC電力グリッドの本質的により安全な動作を提供し、このことは、する分散型エネルギー貯蔵と組み合わせて、電力電子回路のスイッチング速度及びプログラム可能な負荷挙動に起因して達成することができる。DC電力グリッドシステム及び関連付けられたモジュール式フェイルセーフ設計の実施形態は、AC電力グリッドシステムの多数の構成要素の複雑性と、電力線周波数の変動とを除去することができ、このことは、国際的な一貫性を可能にしうる。
【0040】
効果的な通信を促進するために、本発明はまた、パルス信号通信プラットフォームを含む。これは、パルスが通信信号であることを示すために、指定された通信電圧への電圧の緩やかな増大(ramp up)又は減少(ramp down)を用いて供給電力の電圧が通信電圧に設定されている場合、パルス信号を送信することによってネットワークが通信することを可能にする。
【0041】
[ハードウェア]
概要.
図1は、安定な動作を保持して電力を負荷ネットワークへ供給しながら、故障を検出して解消することができる電力グリッドシステム100の例を示すブロック図である。例えば、電力グリッドがDC電力グリッドである場合、システム100は、再生可能及び/又はバックアップの発電源及びエネルギー貯蔵装置によって電気的エネルギーが供給されている、スタンドアロン型の分配ネットワークとして実装されてもよい。DC電力グリッドシステム100は、既存のAC電力グリッドシステムを置き換えて、ピークACシステム負荷を低減し、また、発電又は線路容量の追加を回避しながら、より良好な信頼性を提供するラストマイルのアプリケーションとして構成されてもよい。DC電力グリッドシステム100は、長い距離にわたって電気的エネルギーを送る可能性があり、また、通常は建物に包囲又は包含されている典型的なDCアプリケーションよりも高いレベルで公共の場所に露出して電気的エネルギーを送る可能性がある。エネルギー貯蔵装置の使用及び電力コントローラのプログラム可能性を利用することによって、貯蔵及び制御されたフローを有するDC電力グリッドシステム100は、公共エリアの中及びその周辺において安全に動作する分配システムを提供しうる。エネルギー貯蔵装置、例えばバッテリー貯蔵器のインテリジェントな使用と、電力コントローラのプログラム可能性とは、システム安定性及び故障検出、故障の解消、及びシステム制御に関する従来のDC分配システムの制限を克服しうる。
【0042】
供給ネットワーク.
DC電力グリッドシステム100は、供給ネットワーク102と、1つ又は複数の負荷ネットワーク、例えば負荷ネットワーク120及び160とを含む。供給ネットワーク102は、様々な可能な電圧及び構成を有するDC分配回路(図示せず)により、負荷ネットワーク120及び160と接続される。供給ネットワーク102及び負荷ネットワーク120及び160の内部では、様々な構成を有してもよく、また、様々な供給及び負荷整形アルゴリズム及び予めプログラムされた曲線で動作しうる変換器が存在する。それは以下でさらに詳細に説明する。図1に示す実施形態において、供給ネットワーク102は、負荷ネットワークへのI+I+…+Iの電流レベルで電気的エネルギーを送るように示される。説明の目的で1つの供給ネットワーク102及び2つの負荷ネットワーク120及び160を示すが、DC電力グリッドシステム100は、1つよりも多くの供給ネットワーク及び/又は1つ又は複数の負荷ネットワークを含んでもよい。いくつかの実施形態では、負荷ネットワークは、供給ネットワークとして変形して動作してもよい。このことは、双方向変換器、ローカルのエネルギー源、及び/又はローカルのエネルギー貯蔵器を用いて可能にされる。いくつかの実施形態では、負荷ネットワークは、ソースネットワーク102における保護装置110に等価な保護システムを備えてもよく、これにより、ソースネットワークの完全な機能を与える。
【0043】
供給ネットワーク102は、電力を生成する電源108を含んでもよい。電源108は、例えば、DC電力を発生するソーラーパネルアレイを用いるPVシステム、DC電力を発生する水力タービンを用いる水力発電システム、風力タービンを用いてDC電力を発生するウインドファーム、分散型自然化石燃料発電システム、バッテリーソース、及び/又は整流器を介したACグリッドを含んでもよい。電源108は、主電源(例えばPVシステム)と、バックアップ電源(例えば、水力発電システム、ウインドファーム、分散型自然化石燃料発電システム、他のDCグリッドシステム、及び/又は整流器を介したACグリッド)とを含んでもよい。いくつかの実施例では、電源108は、適切なサイズの1つ又は複数のバッテリーも含む。
【0044】
供給ネットワーク102は、ソースコントローラ106及び保護装置110を含んでもよい。これらは、独立した装置であってもよく、又は、供給コントローラのようなもう1つの装置の一部であってもよい。いくつかの実施例では、ソースコントローラ106は、電源108に対して電流が流入又は流出するレートを制御してネットワーク電圧を制御する充電コントローラを含む。ソースコントローラ106は、電源108内の電力源間の一致を最適化する最大電力点追従器(maximum power point tracker: MPPT)を含んでもよい。いくつかの実施例では、電源108は、十分なサイズのACシステム又は追加のDCネットワーク(例えばAC電力グリッドシステム)を備える。ソースコントローラ106は、負荷ネットワークにおける過剰なDC電力を変換して、AC電力を十分なサイズのACシステムに戻す逆変換装置を含んでもよい。そのような実施例では、システムは、十分なサイズのACシステム以外に、供給における貯蔵器を用いて動作してもよい。ソースコントローラ106及び電源108は、単一の一体化された装置であってもよく、又は、2つ以上の別個の装置であってもよい。保護装置110は、DC/DCコンバータのような電力変換器であってもよい。保護装置110はソースコントローラと一体化されてもよく、それは独立していてもよく、又は、いくつかの保護装置がネットワークに沿って分散していてもよい。
【0045】
供給ネットワーク102は、予測可能なレベルで電力を供給するために、電源108においてバックアップ電源を使用してもよい。供給ネットワークは、負荷ネットワーク120及び160への電圧源として動作してもよい。供給コントローラは、ネットワークにおける電圧が制御されることを保証してもよく、及び/又は、それは、一定の電圧又は次第に増大又は減少している電圧を保持するために必要とされ、また、予めプログラムされた負荷曲線に従って必要とされる任意のレベルの電流が供給されることを保証してもよい。この例では、負荷曲線は電圧曲線であってもよい。電圧プロファイルを保持するために必要とされる電流の量は予測可能であり、従って、電圧プロファイルを提供するために必要とされる電流の小さな変動はネットワーク故障を示す。同様に、保護装置110は、電流の変化率及び/又は電流のレベルをモニタリングして、ネットワーク故障がいつ生じたかを決定することができる。変化率は、多数の技術を用いて測定される。例えば、それは、電流信号の微分係数を計算するアルゴリズムを用いて測定されてもよい。代替として、それは、電流の変化率を測定するための1つ又は複数の回路を用いて測定されてもよい。
【0046】
電源108は、独立した負荷ネットワークが、予めプログラムされた負荷曲線に従って供給ネットワーク102からIのレベルで電流フローを制御することを可能にしうる。例えば、電源108は、ピーク電力消費期間、小電力発生期間、及び/又は予期しない電力需要の間に、保護装置110の少なくとも一部を介して流れる追加のDC電力を提供してもよい。さらに、電源108は、大電力発生期間及び/又は小電力消費期間の間に供給ネットワーク102における他の要素によって提供された過剰なDC電力を受けてもよく、また、電源108はまた、負荷ネットワーク120及び160から電力を受けてもよい。
【0047】
図11に示すもののような、いくつかの実施形態では、供給ネットワーク1102は、供給ネットワーク1102及び負荷ネットワークの間の保護装置1110を有するように一般化可能である。供給ネットワーク1102は、供給ネットワーク102について上述したものと類似した方法で動作してもよい。
【0048】
図12に示すもののような、いくつかの実施形態では、供給ネットワーク1202は、電源1204、貯蔵器コントローラ1206、エネルギー貯蔵器1208、及び供給コントローラ1210を含む。電源1204及びエネルギー貯蔵器1208は、電源108について上述したものと類似した方法で動作してもよい。同様に、貯蔵器コントローラ1206は、ソースコントローラ106について上述したものと類似した方法で動作してもよい。さらに、供給コントローラ1210は、エネルギー貯蔵器1208と協調動作することで、電源1204から電力を補い、供給電圧を所望のレベルに保持してもよい。供給コントローラ1210は、保護装置110及び700についてここに説明したものと類似した方法で動作する保護装置を含んでもよい。供給コントローラ1210はまた、供給ネットワーク1202及び負荷ネットワーク1220及び1260の間に流れる電力、電圧、及び電流を制御するために、当該技術において既知である他の機能を実行してもよい。
【0049】
負荷ネットワーク.
負荷ネットワーク120は、貯蔵器コントローラ126、エネルギー貯蔵装置128、及び負荷コントローラ130を含んでもよい。いくつかの実施例では、貯蔵器コントローラ126はオプションであってもよい。いくつかの実施例では、エネルギー貯蔵装置128は、適切なサイズの1つ又は複数のバッテリーを含む。また、貯蔵器コントローラ126は、エネルギー貯蔵装置128に対して電流が流入又は流出するレートを制御する充電コントローラを含む。貯蔵器コントローラ126は、システムの通常動作の間に生じる他の一時性から変化を区別できるように、負荷ネットワーク120における変化率を十分に遅く制限するために、負荷コントローラ1130によって用いられてもよい。使用される変化率は、システムの能力に依存しうる。貯蔵器コントローラ126及びエネルギー貯蔵装置128は、単一の一体化された装置であってもよく、又は、2つ以上の別個の装置であってもよい。負荷コントローラ130は、DC/DCコンバータのような電力変換器であってもよい。貯蔵器コントローラ126はまた、負荷コントローラ130と通信することで、エネルギー貯蔵装置128に貯蔵されたエネルギー量に基づいて、予めプログラムされた負荷曲線における位置を調整してもよい。このように、貯蔵器コントローラ126は、エネルギー貯蔵装置128が完全に充電又は放電されることを防ぐように動作してもよい。それは、予めプログラムされた負荷曲線に従って負荷ネットワーク120によって電流が引き出されたままにすることを負荷コントローラ130の能力が妨げる。負荷コントローラ130はまた、光起電力電源、発電機などのような1つ又は複数の他の装置に接続されてもよい。
【0050】
負荷ネットワーク120は、エネルギー貯蔵装置128及び負荷コントローラ130を用いて、電力フローを安定レベルに保持してもよい。エネルギー貯蔵装置128は、予めプログラムされた負荷曲線に基づいて、負荷コントローラ130からのコマンドに従って、負荷ネットワーク120へのIの電流レベルを保持するように電流フローを補ってもよい。例えば、エネルギー貯蔵装置128は、ピーク電力消費期間、小電力供給期間、及び/又は予期しない電力需要の間に、負荷140に追加のDC電力を提供してもよい。負荷140は、単一の負荷であってもよく、又は、複数の負荷であってもよい。エネルギー貯蔵装置128はまた、負荷140によって使用されない負荷ネットワーク120に提供された過剰なDC電力を受けてもよい。いくつかの実施例では、負荷コントローラ130は、負荷140の要求を満たすことに加えて、エネルギー貯蔵装置128に充電するために一定の小電力フローを提供するために、供給ネットワーク102からの電力を要求する。例えば、トリクル充電又は他の適切な技術が使用されてもよい。概して、供給ネットワーク102の様々な能力(例えば、電源、コントローラ、及びエネルギー貯蔵装置)及び負荷ネットワーク120の様々な能力(例えば、コントローラ及びエネルギー貯蔵装置)は、できるだけ一定かつ小さい電流がシステムを介して流れることを可能にする。さらに他の実施例では、図13に示すように、光起電力発電機又は従来の発電機のような他の電源1234及び1274が負荷ネットワークに接続されてもよい。図13図12に類似しているが、負荷ネットワークに追加された電源1234及び1274を有する。
【0051】
同様に、負荷ネットワーク160は、貯蔵器コントローラ166、エネルギー貯蔵装置168、及び負荷コントローラ170を含んでもよい。いくつかの実施例では、貯蔵器コントローラ166はオプションであってもよい。いくつかの実施例では、エネルギー貯蔵装置168は、適切なサイズの1つ又は複数のバッテリーを含む。また、貯蔵器コントローラ166は、エネルギー貯蔵装置168に対して電流が流入又は流出するレートを制限する充電コントローラを含む。貯蔵器コントローラ166は、装置が追加又はオンされたときなど、システムの通常動作の間に生じる他の一時性から変化を区別できるように、負荷ネットワーク160における変化率を十分に遅く制限する。使用される変化率は、システムの能力に依存する。貯蔵器コントローラ166及びエネルギー貯蔵装置168は、単一の一体化された装置であってもよく、又は、2つ以上の別個の装置であってもよい。負荷コントローラ170は、DC/DCコンバータのような電力変換器であってもよい。負荷ネットワーク160はまた、光起電力電源、発電機などのような1つ又は複数の他の装置に接続されてもよい。
【0052】
負荷ネットワーク160は、エネルギー貯蔵装置168を用いることで、電力フローを安定したレベルで保持してもよい。エネルギー貯蔵装置168は、バッテリー、又はエネルギーを貯蔵する他の手段であってもよい。エネルギー貯蔵装置168は、予めプログラムされた負荷曲線に基づいて、負荷コントローラ170からのコマンドに従って、負荷ネットワーク160へのIの電流レベルを保持するように電流フローを補ってもよい。例えば、エネルギー貯蔵装置168は、ピーク電力消費期間、小電力供給期間、及び/又は予期しない電力需要の間に、負荷180に追加のDC電力を提供してもよい。エネルギー貯蔵装置168はまた、負荷180によって使用されない負荷ネットワーク160に提供された過剰なDC電力を受けてもよい。いくつかの実施例では、負荷コントローラ170は、負荷180の要求を満たすことに加えて、エネルギー貯蔵装置168にトリクル充電するために一定の小電力フローを提供するために、供給ネットワーク102からの電力を要求してもよい。さらに、いくつかの実施例では、エネルギー貯蔵装置168はまた、供給ネットワーク102に電力を供給してもよい。概して、供給ネットワーク102の様々な能力(例えば、電源、コントローラ、及びエネルギー貯蔵装置)及び負荷ネットワーク160の様々な能力(例えば、コントローラ及びエネルギー貯蔵装置)は、できるだけ一定かつ小さい電流がシステムを介して流れることを可能にしてもよい。
【0053】
図11に示すもののような、いくつかの実施形態では、負荷ネットワークは、分離装置1132及び1172、負荷コントローラ1130及び1170、エネルギー貯蔵器1128及び1168、及び負荷1140及び1180を有するように一般化可能である。これらの各々は、分離装置132及び172、負荷コントローラ130及び170、エネルギー貯蔵器128及び168、及び負荷140及び180についてそれぞれ上に説明したものと類似した方法で動作してもよい。図11には、電力インバータ122及び162及び貯蔵器コントローラ126及び166の等価物は示さない。いくつかの実施形態では、負荷にはDC電力が供給されてもよく、この場合、言及されたインバータ122及び162の代わりにDC/DCコンバータを必要とする。ここで説明するように、いくつかの実施形態はそれらの機能を含んでもよい一方、他のものは含まない。図1におけるこれらの機能に係る説明と同様に、図11における負荷ネットワークに基づくいくつかの実施形態は、上述したものに類似した方法で動作する電力インバータ又は貯蔵器コントローラを含んでもよい。
【0054】
図12に示すもののような、いくつかの実施形態では、負荷ネットワーク1220及び1260は、分離装置1232及び1272、負荷コントローラ1230及び1270、電力インバータ1222及び1262、貯蔵器コントローラ1226及び1266、エネルギー貯蔵器1228及び1268、及び負荷1240及び1280を含む。これらの各々は、分離装置132及び172、負荷コントローラ130及び170、電力インバータ122及び162、貯蔵器コントローラ126及び166、エネルギー貯蔵器128及び168、及び負荷140及び180についてそれぞれ上述したものと類似した方法で動作してもよい。
【0055】
供給ネットワーク及び負荷ネットワークの接続.
多数の負荷ネットワークを備えたシステムにおいて、各負荷ネットワークには、すべての負荷が同時に要求を増大又は減少させることがないように、供給ネットワークにアクセスする優先度が割り当てられてもよい。このネットワーク管理は例えば、供給ネットワーク及び負荷ネットワークを接続するトークンリング通信を用いて、及び/又は、システムにおける電圧変化を検出し、システムにおける活動をモニタリングして、起動するべき負荷ネットワークの順番を決定する、各負荷ネットワークにおける埋め込み型の検出及び起動方法を用いて達成されてもよい。負荷ネットワークが供給ネットワークにアクセスすることを待機しているときの間、負荷ネットワークはローカルのエネルギー貯蔵器にアクセスしてもよい。多数の供給ネットワークを備えたシステムにおいて、すべての供給が同時に電力を提供することがないように、供給ネットワークは同様に構成されてもよい。
【0056】
図1に示す実施形態において、負荷ネットワーク120は負荷140にサービスを提供する。負荷140は、建物又は他の構造物の負荷を含んでもよい。それは、典型的には、例えば、照明、換気ファン、機器、及び他の電子装置を含む。負荷140は建物自体であってもよい。いくつかの実施例では、負荷140は電気自動車の充電器を含んでもよい。さらに、負荷140は、負荷点(例えば電気自動車の充電器)に配備されたバッテリーのようなDC負荷を含んでもよく、又はオーブン又はヒートポンプを含んでもよい。負荷140がAC負荷を含む場合、負荷ネットワーク120は、供給ネットワーク102によって提供されたDC電力をAC負荷のためにAC電力へ変換する電力インバータ122を含んでもよい。ここで説明した制御されたフロー及び保護技術は、最終負荷が可変である、より高エネルギーのアプリケーションにも適用可能となりうる。特に、単一の機器にサービスを提供してランダムな負荷変動を除去するためにバッテリーが取り付けられている場合、住宅又は事業所の内部において、同様の制御されたDC分配が使用されてもよく、これにより、システムは、説明したネットワーク100のより小さなバージョンに類似したものになる。これにより、住宅又は事業所内におけるより高エネルギーのアプリケーションが、本明細書に説明したものと同様のDC電力制御及び保護技術を用いることを可能にする。同様に、本明細書で説明されるパルス通信もまた、ネットワーク原理が単一の機器に適用される場合のような、これらのより小さな実装に含まれてもよい。
【0057】
負荷ネットワーク120と同様に、負荷ネットワーク160は負荷180にサービスを提供する。負荷180は、建物又は他の構造物の負荷を含んでもよい。それは、典型的には、例えば、照明、換気ファン、機器、及び他の電子装置を含む。負荷140は建物自体であってもよい。いくつかの実施例では、負荷180は電気自動の車充電器を含んでもよい。さらに、負荷180は、負荷点(例えば電気自動車の充電器)に配備されたバッテリーのようなDC負荷を含んでもよく、又はオーブン又はヒートポンプを含んでもよい。負荷180がAC負荷を含む場合、負荷ネットワーク160は、供給ネットワーク102によって提供されたDC電力をAC負荷のためにAC電力へ変換する電力インバータ162を含んでもよい。ここで説明した制御されたフロー及び保護技術は、最終負荷が可変である、より高エネルギーのアプリケーションにも適用可能となりうる。前述したように、ランダムな負荷変動を除去するためにバッテリーが機器レベルにおいて取り付けられる場合、住宅又は事業所の内部において、同様の制御されたDC分配が使用されてもよい。これにより、住宅又は事業所内におけるより高エネルギーのアプリケーションが、本明細書に説明したものと同様のDC電力制御及び保護技術を用いることを可能にする。
【0058】
先に説明したように、供給コントローラ106は、予めプログラムされた負荷曲線200によって指定された最大負荷レベル及びランプレートに従って負荷ネットワーク120及び160に電流を供給することでシステム電圧を保持するようにプログラムされてもよい。負荷コントローラ130及び170は、予めプログラムされた負荷曲線300及び400によって指定された各負荷レベル及びランプレートに従って供給ネットワーク102に電流を要求する定電流装置であってもよい。保護装置110は、負荷コントローラ130及び170においてプログラムされた累積的な負荷挙動に対して整形されて一致する供給挙動でプログラムされてもよく、これにより、200に類似した制限負荷曲線をもたらす図2図4に示すように、特定の電流レベル、例えば3及び9アンペアの間における、予めプログラムされた最大負荷曲線200の部分は、負荷ネットワーク120の負荷コントローラ130によって使用される電流Iを含む測定された負荷曲線であって、予めプログラムされた負荷曲線300に追従する測定された負荷曲線に比較されて一致しうる。3及び9アンペアの値は例示であり、特定のアプリケーション及び状態に依存して他の値がより適切かもしれない。特定の負荷レベル0及び3の間における、最大の予めプログラムされた負荷曲線200の部分は、負荷ネットワーク160の負荷コントローラ170によって使用される電流Iを含む測定された負荷曲線であって、予めプログラムされた負荷曲線400を追従する測定された負荷曲線に比較されて一致してもよい。予めプログラムされた予想曲線200は、I及びIの両方が同時に変化している状態を考慮してもよい。この戦略は、システムの性能を向上させ、故障状態により速く反応する保護システムを提供しうる。
【0059】
負荷曲線.
負荷の制御は、負荷ネットワークにおけるエネルギー貯蔵器を用いて、負荷ネットワークに対する負荷又は供給の変動を管理するように設計される。これにより、負荷コントローラは、ネットワークへ予めプログラムされた負荷曲線として知られる電流レベル及びランプレートを介して、既知の電流を保持することが可能になる。これらの予めプログラムされた負荷曲線により、保護素子又は装置は、電流及び/又は電圧を介して、システムが許容できる動作状態内にあることを検出することが可能になる。例えば、ランプレート及び/又は電流レベルの最悪の場合のシナリオは、負荷ネットワークの各々からの予めプログラムされた負荷曲線に基づいて決定されてもよい。システムに対して制限又はランプ波形を課すことによって、システムは、比較的に小さな変化率を保証することができる。
【0060】
供給ネットワークの(第1の)予めプログラムされた負荷曲線.
図2及び図14は、予めプログラムされた最悪の場合の予想負荷曲線200の実施例を示し、これは、供給ネットワーク102からの測定された電力フローに対して比較するために保護装置110によって使用されてもよい。予めプログラムされた負荷曲線200は、故障なしの動作下では超過するべきでない、負荷ネットワーク120及び160によって予期される合計使用量を表す。予めプログラムされた負荷曲線200は、負荷ネットワーク120及び160へ電流を提供するために、特定のランプレート及び戦略的な電流範囲(特定負荷レベルとも呼ぶ)に追従するプロトコルを指定する。予想される予めプログラムされた負荷曲線は、制御された電源108によって提供されるランダム電流からは独立している。供給ネットワークによって供給される電流は、負荷ネットワークによる要求における変動を補償することで、電源108によって部分的に管理されてもよい。負荷ネットワークへの電流及び負荷ネットワークからの電流は管理されて予測可能である場合、システム電圧は正確に保持することができ、変動を予め推定することができる。
【0061】
ネットワークにおける電圧及び電流の変動を制御することにより、ネットワークは、いつ電圧又は電流が設計値よりも速く又は遅く変化したのかを迅速に決定することができる。これらの異常を検出することにより、従来の故障検出システムは検出できなかった、不良な接続又はアーク故障を含む、多数の問題をネットワークが検出できるようになる。例えば、保護装置110は、供給された電流を、1つ又は複数の指定された予想負荷曲線200と比較することで、供給レベルにおける変化に応答するようにプログラムされてもよい。
【0062】
負荷ネットワークの(第2の)予めプログラムされた負荷曲線.
図3及び図15は、供給ネットワーク102から電流を取り出すために負荷コントローラ130によって使用されてもよい、予めプログラムされた負荷曲線300の例を示す。予めプログラムされた負荷曲線300は、負荷140による使用量と、特定のランプレートを有する特定のアンペア増分による変化とに基づく。予めプログラムされた負荷曲線300は、特定のランプレートに追従するプロトコルを指定し、いくつかの場合には、供給ネットワーク102から電流を受けるための戦略的な電流セットポイント(特定負荷レベルとも呼ぶ)を指定する。後者は、電源108によって提供されて負荷140によって要求されるランダム電流からは独立であってもよい。負荷コントローラ130は定電流装置であってもよく、この場合、負荷が電力の変化を必要とするとき、エネルギー貯蔵装置128によって電力が提供又は吸収され、これにより、供給ネットワークが新たな適切なセットポイントまで増大又は減少することができる。貯蔵器コントローラと組み合わされたエネルギー貯蔵装置128は、負荷140によって要求された電力の変動を補償することで、負荷ネットワークによって要求された電流の変動を低減しうる。さらに、エネルギー貯蔵装置128は、負荷コントローラ130が供給ネットワーク102からの電流を要求していない期間である時刻t1及びt2の間に、負荷140によって要求された電力を提供してもよい。供給ネットワーク102から負荷ネットワーク120への電流が管理されて予測可能である場合、システム電圧は、向上した安定性で正確に保持されうる。
【0063】
負荷コントローラ130は、その様々なセットポイントにおいて定電流負荷として動作してもよい。例えば、負荷コントローラ130は、広範囲のDCネットワーク電圧にわたって供給ネットワーク102から6アンペアを要求するように構成されてもよい。他の負荷が次第に増大するとき、システムにおいて電圧が降下し、このことは典型的にはすべての負荷電流を増大させる。負荷への一定の電力を保持するために、負荷140への追加の電力がエネルギー貯蔵装置128から抽出されて電流は一定のままにされてもよい。このシステム設計において、負荷は、定電流として、又は、新たなセットポイントへの既知の増大又は減少する電流として見なされる。負荷コントローラ130によって供給ネットワーク102から引き出される実際の電流は、負荷140による引き出し、エネルギー貯蔵装置128の充電状態、及び時刻のような一組のパラメータを検出する処理によって決定されてもよい。ある場合には、負荷コントローラ130は、未来の時点でシステムが大きな電流を送れなくなる可能性があると予期して、負荷の要求を満たしてバッテリーの充電量をハイレベルまで回復させる戦略を行なって、供給ネットワーク102に大電流の供給を要求してもよい。
【0064】
図4及び図16は、負荷ネットワーク160への電力フローを管理するために負荷コントローラ170によって使用されてもよい、予めプログラムされた負荷曲線400の例を示す。予めプログラムされた負荷曲線400は、負荷180による使用量と、特定のランプレートを有する特定のアンペア増分による変化とに基づく。さらに、予めプログラムされた負荷曲線400は、負荷140及び180のニーズに基づいて、予めプログラムされた負荷曲線300と同じであってもよく、又は異なっていてもよい。予めプログラムされた負荷曲線400は、特定のランプレートに追従するプロトコルを指定し、いくつかの場合には、供給ネットワーク102から電流を受けるための戦略的な電流セットポイント(特定負荷レベルとも呼ぶ)を指定する。後者は、電源108によって提供されて負荷180によって要求されるランダム電流からは独立である。負荷コントローラ170は定電流装置であってもよく、この場合、負荷が電力の変化を必要とするとき、エネルギー貯蔵装置168によって電力が提供又は吸収され、これにより、供給ネットワークが新たな適切なセットポイントまで増大又は減少することができる。エネルギー貯蔵装置168及び貯蔵器コントローラ166は、負荷180によって要求された電力の変動を補償することで、負荷ネットワーク160によって受け取られた電流の変動を管理しうる。さらに、エネルギー貯蔵装置168は、負荷コントローラ170が供給ネットワーク102からの電流を要求していない期間である時刻t3及びt4の間に、負荷180によって要求された電力を提供してもよい。保護装置110から負荷ネットワーク160への電流が管理されて予測可能である場合、システム電圧は正確に保持されうる。
【0065】
負荷コントローラ170は、その様々なセットポイントにおいて定電流負荷として動作してもよい。例えば、負荷コントローラ170は、広範囲のDCネットワーク電圧にわたって供給ネットワーク102から3アンペアを要求するように構成されてもよい。他の負荷が次第に増大するとき、システムにおいて電圧が降下し、このことは典型的にはすべての負荷電流を増大させる。このシステム設計において、負荷は、定電流として、又は、新たなセットポイントへの既知の増大又は減少する電流として見なされうる。負荷コントローラ170によって供給ネットワーク102から引き出される実際の電流は、負荷180による引き出し、エネルギー貯蔵装置168の充電状態、及び時刻のようなさまざまなパラメータを検出するアルゴリズムによって決定されてもよい。ある場合には、負荷コントローラ170は、未来の時点でシステムが大きな電流を送れなくなる可能性があると予期して、負荷の要求を満たしてバッテリーの充電量をハイレベルまで回復させる戦略を行なって、供給ネットワーク102に大電流の供給を要求してもよい。
【0066】
パルス信号通信プラットフォーム.
供給ネットワーク及び負荷ネットワークの間で通信するために、供給ネットワークは、制御された電圧パルスを使用してもよく、これにより、その電圧のランプレート、レベル、又はこれら2つの組み合わせ(すなわち変化の波形)は、スイッチングハードウェアをオン又はオフすること、電力消費量を調整すること、又は電力発生を制限することのような、負荷ネットワークにおける特定のイベントをトリガするために使用される。パルスはまた、天候データ、システムセットポイント、及び他のメッセージのような他の情報を伝達することもできる。既存の電力線を利用することによって、パルス信号通信プラットフォームは、余分な機器の必要性を低減し、通信プラットフォームの信頼性を増大しうる。電力が送られている限り、システムは通信可能でありうる。1つの可能なプラグ及びプレー制御方式において、コマンドは、システムにおける特定の構成要素に向けてアドレス指定されるのではなく、すべての構成要素に向けてブロードキャストされ、各構成要素はブロードキャストされたメッセージに基づいて応答する。図5に、そのような制御方式の一例を示す。代替として、一連のパルスを用いて、装置に固有のコマンドが送られてもよい。例えば、第1のパルス又は一組のパルスが装置をアドレス指定し、それに続く1つ又は複数のパルスにより、識別された装置に向けられたコマンド又は情報を伝達する。通信を装置に固有のものとして、又は、ブロードキャスト通信として識別する最初のパルスが使用されてもよい。
【0067】
パルスを送るために、供給ネットワークは、電力線における電圧を初期レベルから予め決められた電圧までゆっくり増大するために、供給コントローラ106のような制御構成要素を使用してもよく、又は、負荷ネットワークが知っている電圧を通信することで、電圧の変化がメッセージであることを示す。ここでの実施例が一例として電圧の増大を使用しているが、電圧の減少が使用されてもよい。次いで、負荷ネットワークは、非制御構成要素を用いて、通信電圧を受信して復号する。非制御構成要素は、保護装置110、負荷コントローラ130及び170、又は非制御構成要素が電圧変化を受信して測定することを可能にする電圧センサのようなディスクリートデバイスを含んでもよい。例えば、負荷コントローラ130及び170には、パルスを受信して復号するのに必要な電圧センサ、1つ又は複数のプロセッサ、及び1つ又は複数のメモリ装置が含まれてもよい。これらの変化を受信して測定した後で、非制御構成要素は、一組の予めプログラムされた命令を用いて信号を復号する。
【0068】
一実施形態では、通信は、数百ミリ秒又は数秒の継続時間を有する遅いパルスを用いて送信されてもよい。高周波信号の代わりに遅いパルスを用いることによって、電力変換機器から到来する干渉と、共振と、長い伝送線路の影響によって生じる遅延とは除去される。さらに、低周波パルスの使用は、高周波パルスでは達成されない長距離にわたる情報の送信を可能にする。これらの遅いパルスは、装置をオンしたり、又は接続したりするような、システムの通常動作より遅い任意の値であってもよい。例えば、より遅いパルスは、負荷への供給の通常動作を確実に制御するシステムの能力に依存して、通常動作より10倍遅くてもよく、又は100倍遅くてもよい。
【0069】
一実施形態では、信号を復号することは、電圧が通信電圧に設定されている時間長を測定することからなる。この実施形態では、システムが通信電圧にとどまる時間長が異なることは、異なるコマンド又はメッセージを示す。例えば、ある時間長は、装置をオン又はオフに切り換えることを意味してもよく、第2の時間長は、電力消費量を制限するように負荷ネットワークに命令してもよい。同様に、コマンド又はメッセージは、電圧又は電流におけるパルスの波形を介して、又は、電圧又は電流のランプレートを介して通信されてもよい。
【0070】
故障など、他の状態は、電圧に通信電圧に到達せさせてもよい。非制御構成要素がこれらの変化をメッセージとして解釈することを防ぐために、供給ネットワークは、電圧の変化が通信であることを示すために、設定されたレートで電圧を次第に増大させてもよい。この処理は、緩やかに増大する電圧のランプとも呼ばれる。同様に、供給ネットワークは、メッセージが終了したことを示すために、電圧を通常レベルまで次第に減少させてもよい。この処理は、緩やかに減少するランプとも呼ばれる。図6は、緩やかに増大及び減少するランプを有する通信パルスの一例を示す。図17は、緩やかに増大及び減少するランプを有する通信パルスのもう1つの例を示す。増大及び減少するランプのレート自体は、緩やかであっても、変更可能であり、パルス継続時間に加えて情報を通信するために使用可能である。
【0071】
パルス通信プラットフォームはまた、誤り訂正を含んでもよい。例えば、検出における誤差は、期待される応答が通信から所定の時間期間内に発生しない場合に、供給コントローラのような、コマンドを再送する構成要素によって能動的に補正可能である。
【0072】
上記では、供給ネットワークから負荷ネットワークに通信するパルス通信プラットフォームを説明したが、他の構成もまた可能である。例えば、負荷ネットワークは、I~Iに対して電流パルスを課すことで、供給ネットワークと通信することができ、パルス通信ネットワークは、システムが電力を送信している限り、電力線を介して接続された任意のネットワーク又は装置の間で通信するために使用可能である。
【0073】
[故障検出]
故障の検出.
故障保護のために、供給ネットワーク102は保護装置110を含む。他の実施形態では、保護装置110は、負荷コントローラ130及び170の内部など、負荷ネットワーク内にあってもよい。保護装置は、供給コントローラの内部又は外部にあってもよい。複数の保護装置が配電線に沿って配置されてもよく、これにより、ラインを複数のセクションに分割することと、故障の協調された検出とを可能にする。保護装置110は、ソリッドステートリレー又は他のタイプの適切な電気的絶縁体を含んでもよい。保護装置110は、負荷ネットワーク120及び160を分離するように、配電線に貯蔵されたエネルギーを除去するように、他の変換器をシャットダウンするように、又は、故障状態が検出されたときに他のエネルギー源をシャットダウンするように動作する。
【0074】
特に、平衡を保つ戦略は、指定された適切なしきい値を越えた電圧変動又は電流変動による供給及び予想負荷挙動の間の不完全な一致に対して、システム100が迅速に反応することを可能にする。電圧変動は、電圧不均衡を示し、したがって電流不均衡を示す。従来のシステムは、故障状態においてさえ、電流が異常であり故障しているとシステムが決定するのに時間がかかるように、広範囲の動作電流を許容しなければならない。本明細書で説明したシステムのいくつかの実施形態は、電流レベル、変化、及び波形の予想される非常に狭い範囲とは異なる任意のものが故障を構成し、より迅速にトリップすることを仮定する。保護は、予めプログラムされた負荷曲線によって決定される電流レベル、波形、及び/又はランプレートの変動のしきい値に対する不整合に基づいてトリガされてもよい。変動のこのしきい値は、個々の独立した負荷曲線に基づいて決定されてもよく、又は、システムにおける負荷ネットワークの予めプログラムされた負荷曲線のうちの1つよりも多く又はすべてによって変動のしきい値が超過されたときに基づくことが可能である。このことが可能になるのは、システムがランダム電流変動を除去して電流レベルを制御し、これにより、絶対的な電流レベル保護のために適切な許容量が設定されることを可能にするからである。さらに、システムが、変化の波形(又はランプレート及び波形)と同様に変化率又は電流及び電圧を制御するので、これらの値、変化率、及び変化の波形は、故障を決定するために使用されてもよい。例えば、古典的保護システムは、時間遅延の後に負荷の上に150%の変動を検出したとき、故障をトリガするが、本システムは、負荷の上の5%のような、より小さな変動に対して故障保護方式をトリガ可能であってもよい。さらに、本システムは、故障を瞬間的にトリガ可能であってもよい。
【0075】
故障の除去及び再活性化.
電力供給又は電力需要が対応する予めプログラムされた負荷曲線によって適合しないことを示す、指定された帯域外における任意の変動の場合、システムを非活性化するために保護装置110が起動されてもよい。代替として、保護装置110は、信号を他の装置に送ってトリップさせることによりシステムを非活性化させてもよい。保護装置110は、電流フローをイネーブル又はディセーブルする半導体スイッチ又はリレーを用いて実装されてもよい。所定の短い時間期間にわたって供給ネットワーク電圧を喪失したとき、負荷ネットワーク分離132及び172が開く。次いで、保護装置110は、負荷が接続されていないシステム100を再び活性化してもよい。
【0076】
電圧を検出したとき、負荷ネットワーク120及び160における分離装置132及び172は、制御信号によって、又は埋め込まれたアルゴリズムを介して、順に閉じてもよい。保護装置が閉じて、システム100が不均衡を検出した場合、保護装置110がトリップさせられてもよく、また、保護装置閉シーケンスが再び開始してもよい。しかし、この場合、故障したセグメントは、埋め込まれたロジックによって分離されたままである。
【0077】
一実施形態では、負荷ネットワークにおける負荷コントローラ130及び170は、負荷ネットワーク及び供給ネットワークの間における電力交換の開始を遅延させるようにプログラムされてもよい。遅延は、前述したように、負荷がないラインの簡単かつ小電流の再活性化のために十分な時間を与えて、故障が解消されたか否かをシステムが容易に識別することを可能にする。保護装置110は、負荷ネットワークが再活性化の遅延中に電力を消費しない場合、故障が解消されたと検出してもよい。しかしながら、保護装置110は、負荷ネットワークが再活性化の遅延中に故障電流を消費する場合、故障が解消されていないと検出してもよい。
【0078】
再活性化中に、システム100の解消は、負荷ネットワークが切断される場合に電力を保持する電源108に起因した供給ネットワーク102への影響なしに行われてもよく、また、負荷ネットワーク120及び160の一方又は両方が供給ネットワーク102から切断される場合に各負荷140及び180へ電力を提供する各エネルギー貯蔵装置128及び168に起因した負荷ネットワーク120及び160への影響なしに行われてもよい。言いかえれば、電源は、他の要素にその電力を供給して動作し続けてもよく、また、負荷ネットワーク120及び160は、各エネルギー貯蔵装置128及び168に貯蔵された電力を各負荷140及び180に供給することで動作し続けてもよい。
【0079】
保護装置.
図7は、主ライン712及び負荷ネットワーク714、又はプロシューマ(prosumers:生産者かつ消費者)に接続された保護装置700のブロック図を示す。負荷ネットワーク120及び160は、保護装置を介して要求または提供される電流の変化が限定的かつ既知であるように、エネルギー貯蔵器を一体化し、また、多くの場合、再生可能発電を一体化する。
【0080】
保護装置は、電流及び/又は電圧を検出して負荷ネットワーク120及び160への電流を高帯域幅で測定することができる検出装置702を組み込む。装置は、通常動作の間の周波数より高い周波数において電流又は電圧の過渡状態を当該装置が検出できるようにするために、高帯域幅を必要とする。電流測定値はコントローラ704に送られてもよく、コントローラ704は、プロセッサ及びメモリを含んでもよく、電流の変化率を表す電流の微分係数を計算する。コントローラ704は、通常動作を示す、di/dtリミッター718によってモニタリングされた最大電流ランプレートでプログラムされてもよい。コントローラ704は、測定値に基づく計算された電流変化率、又は電流変化の微分係数を、最大電流ランプレートと比較してもよい。測定された変化率が正常範囲外にある場合、コントローラ704は、半導体デバイス又はソリッドステートリレーに基づくもののような高速切断706を開き、電流フローを中断してもよい。コントローラ704はまた、活性化装置(例えばリレー又は半導体)708のような、小電流かつ低速で応答する活性化装置を起動し、以前に故障したラインを活性化してもよい。他の実施形態では、活性化リレー708は、代替として、半導体又は当該技術において既知である他の装置であってもよい。活性化リレー708を介して流れる電流は、電流制限装置710、例えば抵抗によって制限されてもよい。活性化装置708が起動されるときに電流センサ702を介して流れる電流に依存して、コントローラ704は、故障が解消されたか否かを決定することができる。
【0081】
コントローラ704は、電流の正常及び異常な変化率の設定値を変化させることを可能にする外部コントローラとの通信プラットフォームを組み込んでもよい。ラインの再活性化は、自動的にプログラムされてもよく、手動で開始されてもよく、又は通信リンクを介して遠隔で開始されてもよい。故障電流ランプ制限装置710は、故障電流又は電圧の変化率を制限するために高速切断706に直列に挿入されてもよいインダクタであってもよい。インダクタをシステムに追加することは、変化率を制限するインダクタンスを除去しようとする現在のロジックとは逆に作用する。しかしながら、開示したシステムでは、システムは変化率を低く維持するように設計される。従って、典型的にはDCラインの故障中に生じる速い電流スパイクを遅くするためにインダクタが導入されてもよい。このことは、典型的にはより大電流の代替物よりも安価かつ安全である、ヒューズ及びより低い定格電流を有する他の保護機構が使用されることを可能にする。追加の保護のために、又は、保護が失敗したときに応答するために、古典的な過電流保護が含まれてもよい。
【0082】
スマートインバータ.
もう1つの実施形態では、ネットワークは、動作速度を向上させることにより、また、インバータを破損しなくとも外部機器への損傷又はユーザによって安全でない状態をもたらす可能性がある故障を含む、検出及び解消可能な故障の個数及びタイプを増大させることにより、インバータAC出力から供給を受ける機器を保護するスマートインバータを含む。説明されるスマートインバータシステムは、インバータのAC出力を検出及び/又は測定し、故障が発生したか否かを解析し、次いで、インバータ及び電力グリッドネットワークにおける他の装置を制御し、電力グリッド送電系統及びそれに接続された任意の装置を故障に起因する損傷から保護することができる。
【0083】
一実施形態では、スマートインバータは、電流を解析し、故障が生じたときにインバータをシャットダウンするために必要な分析を実行することができるプロセッサ及び記憶装置を含む。もう1つの実施形態では、インバータは、プロセッサ及び記憶装置を備えた制御装置に接続されてもよい。制御装置は、電流を解析してインバータをシャットダウンするために必要な分析を実行する。両方の実施形態は、回路遮断器又はヒューズボックスのような、電力グリッドネットワークにおける他の装置と通信し、故障が生じたとき、他の電力グリッド保護プロトコルをトリガしてもよい。
【0084】
インバータ.
産業において、いくつかの形式のインバータが既知である。本発明は、インバータに追加された制御装置を利用して、インバータの出力をモニタリングし、かつ、故障が検出されたとき、インバータを制御することができる。
【0085】
図8は、このシステムにおいて使用可能なインバータ802の例を示す図である。インバータの他の構成も既知であり、本発明を達成することができる。インバータ802は、DC供給を受ける入力804を含む。DC供給は、DCエネルギーが流れる少なくとも2つの経路の間で交替するスイッチ806に流れる。これらの2つの経路は、磁気構成要素808に流れてAC供給フローを誘導する。そのAC供給フローは、インバータ802内で測定可能な電流及び電圧、又は、フローがインバータ802から出力されるときに測定可能な電流及び電圧のような、典型的なAC供給特性を有するフィルタ810の出力である。
【0086】
スイッチ806は、当該技術において既知であるいくつかの形式をとることができる。
例えば、電気機械的バージョンによれば、スイッチ806が2つの接点へ接続されることを可能にし、ここで、バネによってスイッチ806の1つの接点に向かってバイアスがかけられている。電磁石は、第1の接点に接続され、スイッチを第2の接点に向かって引く。スイッチ806が第2の接点に達したとき、電磁石への電流は中断され、電磁石はオフされ、これにより、バネは、スイッチ806を第1の接点に戻るように移動させる。このことは、スイッチ806が2つの接点間で急速に交替することを可能にし、2つの経路を介してフローを送ってAC供給を生成する。当該技術において既知のであるスイッチ806のための他の構成も使用可能であり、例えば、半導体スイッチ、トランジスタスイッチ、サイリスタスイッチ、その他を含む。
【0087】
上述の説明は矩形波を生成するが、いくつかの負荷ネットワークは滑らかな正弦波波形を必要とする。もう1つの実施形態では、インバータ802は、インバータが滑らかな正弦波又は当該技術において既知である他の波形としてAC供給を生成することを可能にするハードウェアを含んでもよい。この滑らかな正弦波波形を生成するために、インバータは、キャパシタ、インダクタ、低域通過フィルタ、共振フィルタ、整流器、逆平行ダイオード、及び当該技術において既知である他の装置を含むことができる。この同じハードウェアは、当該技術において既知である変形された正弦波のような他の波形を生成するために使用されてもよい。
【0088】
制御装置.
一実施形態では、制御装置812は、1つ又は複数のプロセッサ814及び1つ又は複数のメモリ記憶装置816を含む。1つ又は複数のメモリ記憶装置816は、1つ又は複数のプロセッサ814によって行なわれる命令と、電力グリッドの通常動作のためのパラメータ及び故障が生じたことを意味する条件のような、それらの命令を実行するのに必要なデータとを格納する。
【0089】
1つ又は複数のプロセッサ814は、並列な処理を同時に実行することができる単一又は複数のコアプロセッサのような、開示された方法の機能を実行するように設計された1つ又は複数の既知又はカスタムの処理装置として実装されてもよい。例えば、1つ又は複数のプロセッサ814は仮想処理技術によって構成されてもよい。1つ又は複数のプロセッサ814は、Java仮想マシンを含む仮想マシン技術を実装してもよく、又は、複数のソフトウェア処理、アプリケーション、プログラムなどを実行、制御、実施、格納などする能力を提供する他の既知の技術を実装してもよい。当業者は、ここに開示した能力を提供する他のタイプのプロセッサ装置が実施されてもよいことを理解するであろう。
【0090】
1つ又は複数のメモリ記憶装置816は、1つ又は複数のオペレーティングシステム、サーバアプリケーション、通信処理、また、コンピュータシステムで利用可能であると知られている他の任意のタイプのアプリケーション又はソフトウェアのようなプログラムを1つ又は複数のプロセッサ814が実行することを可能にする命令を含んでもよい。1つ又は複数のメモリ記憶装置816は、揮発性又は不揮発性、磁気、半導体、テープ、光学、着脱可能、非着脱可能、又は、他のタイプの記憶装置又は有形物の(すなわち、非一時的な)コンピュータ可読媒体として実装されてもよい。
【0091】
いくつかの実施形態では、1つ又は複数のメモリ記憶装置816は、1つ又は複数のプロセッサ814によって実行されたとき、ここに開示された機能と整合性のある1つ又は複数の処理を実行する命令を含む。開示した実施形態と整合性のある方法、システム、及び製造物は、専用タスクを実行するように構成された別個のプログラム又はコンピュータに制限されない。
【0092】
図9は、開示された実施形態に従って1つ又は複数のプロセッサ814によって実行される例示的な故障検出処理900のステップを示すフローチャートである。しかしながら、フローチャートによって示したステップは単なる例示であり、故障検出処理900を実施するために1つ又は複数のステップが追加又は削除されてもよい。さらに、ステップは、システムが故障を検出できる任意の順序で実行することができる。
【0093】
ステップ910において、制御装置812はインバータ802からの出力を受ける。この出力は電流又は電圧であってもよい。代替として、インバータからの出力は、インバータからの電流又は電圧の測定値であってもよい。
【0094】
ステップ920において、1つ又は複数の記憶装置816は、複数の時点についてインバータ802からの出力を貯蔵する。これにより、1つ又は複数のプロセッサ814は、出力が時間的にどのように変化したか決定及び解析するのに十分なデータにアクセスすることが可能になる。例えば、1つ又は複数のプロセッサ814は、1分間にわたる電流の絶対値、電流が1分間にわたって変化するレート、又は異なる時点で測定された電流間の差を決定してもよい。
【0095】
ステップ930において、1つ又は複数のプロセッサ814は、インバータ802からの出力を解析して、故障が生じたか否かを決定する。GFI、過電流、不均衡な電圧(オープンニュートラル)、及びアーク故障を含む、このシステムによって検出することができる多数のタイプの故障がある。
【0096】
一例として、GFI故障は、電圧及び電流のいずれかを用いて、インバータ802から出力される電気のフローを解析することで検出可能である。GFI故障は、インバータが負荷140又は160に接続する点において電気のフローを解析することで検出可能である。この例では、接地故障は、故障を介してインバータ802出力から接地に流れ込み、インバータ802の接地端子を介して戻る電流をもたらす。通常の、故障していない状態では、接地を流れる電流はゼロであり、端子を流れる電流の代数和はゼロになるはずである。しかしながら、接地故障が生じたとき、和はゼロから離れる。インバータ802が、図8に示すようなすべての電力線において電流センサを備える場合、測定された電流は加算されてもよく(Itotal=I+I+I)、結果がゼロからドリフトする場合、システムは、出力ラインのどこかに接地故障が存在すると結論してもよい。代替として、インバータ802は、3つの電流の和を物理的に測定する残留電流センサによる電流測定値を受信してもよく、センサの出力は、接地故障があるか否かを決定するために使用されてもよい。
【0097】
もう1つの実施例として、インバータハードウェアを用いて外部アーク故障を検出することができる。伝統的に、ACアーク故障検出器は、インバータの外部において、インバータ電力制御に使用されるものとは別個のセンサを用いて提供される。インバータ802は、ここで説明するように、出力を通じて電力信号を測定することができる。次いで、制御装置812は、当該技術において既知の内部アルゴリズムを信号処理に適用し、電流測定値のようなそれらの測定値に基づいて外部アーク故障を識別してもよい。
【0098】
もう1つの実施例として、インバータ802は、インバータ802及び負荷の間のオープンニュートラル故障を検出してもよい。いくつかの実施形態では、インバータ802は、180度異なる位相を有する2つの正弦波電圧を供給する、分離された位相電力信号を生成してもよい。これらは、何らか負荷が線間に接続されることを可能にする、共通点又は中性点(ニュートラル)を含んでもよく、これにより、それらは、位相電圧の2倍を受信するか、他方が接続されているときに位相電圧を受信する。これらのタイプのシステムは、住宅のアプリケーションにおいて一般的である。この実施形態において、インバータ802は、2つ位相の各々の電圧を独立して制御し、180度の位相シフトを保持して、分離された位相を生成する。分離された位相の構成を用いることは、時々、中性導体への損傷をもたらす可能性があり、位相及び中性点の間に接続された負荷のうちのいくつかにおいて過電圧を発生させる可能性があるオープンニュートラル故障を生じさせる。
【0099】
いくつかの実施形態では、オープンニュートラル故障を検出するためにインバータが使用されてもよい。分離された位相システムに係る1つの特性は、2つのラインを介して流れる電流が典型的には同一又は平衡しているということにある。この場合、インバータ802の電流測定値は、中性点においてゼロ電流の読み出し値を有する可能性がある。しかしながら、中性点におけるゼロの読み出し値は、オープンニュートラル故障に起因している可能性もある。インバータが中性電流センサを備え、電流がゼロになる(I=0)場合、制御装置812における1つ又は複数のプロセッサ814は、2つ位相間における電圧の大きさ又は位相の小さなずれ(例えばVAn>VBn)を生じさせることをインバータ802に指示してもよい。この例では、1つの位相における電圧は他の位相における電圧からわずかに異なり、又は、位相角はちょうど180度ではなく、これにより、以前に平衡であった負荷は不平衡になり、中性点を介する電流が生じる。次いで、制御装置812は、中性接続がなおそのままであることを確認してもよい。電圧のずれが測定可能な中性電流を生じさせない場合、制御装置は、オープンニュートラル故障が存在すると結論してもよい。
【0100】
他の実施形態では、中性電流を測定する必要はない。中性電流は、代替として、2相電流の代数和(=I+Iで)として計算されてもよい。この実施形態において、ここで説明したインバータ802は、次いで、測定された値の代わりのこの計算値を用いて、オープンニュートラル故障を検出してもよい。
【0101】
ステップ940において、1つ又は複数のプロセッサ814は、1つ又は複数の記憶装置816に格納された保護モードのうちの1つに入るか否かを決定する。1つ又は複数の記憶装置816は、ネットワークを保護するために、1つ又は複数の保護モードを格納することができる。これらの保護モードのうちの1つは、インバータの802のスイッチング動作の停止であってもよく、これにより、AC電流のフローを停止する。他の保護モードは、回路遮断器をトリップさせてAC電流のフローを停止すること、又は、ヒューズボックスにヒューズを切断させることを含んでもよい。
【0102】
ステップ950において、1つ又は複数のプロセッサ814は、電力グリッドシステム100を保護するために選択された保護モードに入るために、適切な装置へのコマンドを発行する。例えば、これらのコマンドは、インバータ802、回路遮断器、又はヒューズボックスに送られてもよい。
【0103】
一実施形態では、制御装置は、インバータ802のAC供給を測定するセンサを含む。
このセンサは、電流、電圧、及び/又はAC供給の他の関連する特性を測定することができる。
【0104】
ともに組み込まれるインバータ及び制御装置.
図10は、1つ又は複数のプロセッサ1002、1つ又は複数のメモリ記憶装置1004、及び通信プラットフォーム1006を含む制御装置がインバータ1000に組み込まれている、もう1つの実施形態を示すブロック図である。この実施形態において、インバータ1000及び制御装置の両方は、上述のインバータ802及び制御装置812と同様の方法で動作する。
【0105】
利点/使用.
この技術は、保護動作を始めるために故障への大きなエネルギーフローに依存する従来のアプローチとは異なる。むしろ、この技術は、電流フローの予測性を用いて、マルチターミナルの差動電流保護方式を模倣する。予めプログラムされた負荷曲線から離れる任意の電流フローは、予想及び予測される電圧又は電流プロファイルに対応しないシステム電圧又は電流を示す。限られた電流を有するアクティブな電源は、ブレーカをトリップさせるか又はヒューズを切断する電流を提供しないので、高抵抗値故障及びライン中のアーク生成は、従来の電力グリッドシステムにでは発見されない可能性がある。故障状態は、本発明の実施形態における予想される電流及び電圧プロファイルと不整合であり、従って、システム100はトリップして問題を隔離するであろう。この故障検出アプローチは、電力グリッドシステム100の他の構成要素との通信を必要とすることなく、また、遠隔の端末における追加の電流測定装置による電流検出を必要とすることなく、従来の電力システム及び他のDC電力技術に比例して、より良好な信頼性、より少ない損傷、及びより高い安全性を有して、故障状態に対するより高速な応答を提供する。
【0106】
システム100の経済性及び安全性を全体として改善するように、負荷バッテリー及びその電力インバータは、負荷ネットワークにおける従来の測定及びメインパネル保護を置き換えるように構成可能である。本発明の実施形態は、従来のパネル回路遮断器を置き換える電流検出回路及びソリッドステートリレーを用いることで、電力インバータの高いスイッチング速度を促進する。故障状況が検出されたとき、電力インバータは即時にディセーブルにされ、リレーを開くことで適切な回路が分離され、したがって、電力インバータは安全にサービスに戻ることができる。そのような設計を用いて、完全なシステム接地故障保護の安全性を増大させることができる。
【0107】
機器レベルの電力制御から単一の建物の電力制御まで、電力グリッド全体の制御までの範囲にわたるシステムへ本発明の原理を適用する、追加の実施形態が存在する。貯蔵器又は追加の電源を用いてネットワークを介するランダムフローの必要性を除去するように構成された任意のシステムが、開示した原理を実装することができる。例えば、システムが住宅において実装され、負荷が完全にDCである場合、エネルギー貯蔵器は、家庭内において分散されてもよく、また、接地部品の必要性を除去するのに十分に低い電圧を用いてDCコントローラによって供給されてもよく、これにより、設置のコストを大幅に低下させる。パワー・オーバー・イーサネットの概念と、貯蔵器を備えた負荷ネットワークへの一定電力を供給する上述した技術とを基礎として、システムは、100ワットを超えるピーク(又は他の標準的なレベル)を消費するすべての機器において小規模なエネルギー貯蔵器を組み込んでもよい。機器は、より小さな負荷で常に動作する場合(例えば、過度に大きなモータ及びコンプレッサを備え、周期的に、半分の時間だけ動作する冷蔵庫)、又は、専用のエネルギー貯蔵器が小さな一定の供給で充電され、機器の動作中に引き出される、より効率的となりうる。
【0108】
少数の実施例について詳細に上述したが、様々な変更が可能である。例えば、電源の特性が予測可能かつ整合性のある実施例では、供給ネットワークは、電力バッファとして、貯蔵器コントローラ及びエネルギー貯蔵装置を含まなくてもよい。同様に、負荷の特性が予測可能かつ整合性のある実施例では、負荷ネットワークは、電力バッファとして、貯蔵器コントローラ及びエネルギー貯蔵装置を含まなくてもよい。説明した実施例はDCシステムへ焦点をおいていたが、これらの実施例はACシステムに適用されてもよい。
【0109】
本明細書が多数の詳細を含んでいるが、これらは、特許請求の範囲に記載されているかもしれない事項の範囲に対する限定としてではなく、特定の実施形態に特有のものかもしれない特徴の説明として解釈されるべきである。本明細書において別個の実施形態のコンテキストで説明した所定の特徴は、単一の実施形態における組み合わせとして実施されてもよい。逆に、単一の実施形態のコンテキストで説明した様々な特徴は、複数の実施形態において別々に又は任意の適切な部分的組み合わせとして実施されてもよい。さらに、機能は所定の組み合わせとして動作するように上述し、まず、そのように特許請求の範囲に記載しているかもしれないが、特許請求の範囲に記載した組み合わせのうちの1つ又は複数の特徴は、ある場合には組み合わせから除去されてもよく、また、特許請求の範囲に記載した組み合わせは、部分的組み合わせ又はその変形に関するものであってもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【手続補正書】
【提出日】2022-12-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
負荷コントローラと、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータ可読媒体とを備える負荷システムであって、
上記コンピュータ可読媒体は、上記少なくとも1つのプロセッサによって実行されたときに、上記負荷システムに下記のステップを含む動作を実行させる命令を含み、上記動作は、
負荷制御曲線を決定するステップと、
現在の時間及び上記負荷制御曲線に基づいて、上記負荷コントローラに接続された分配回路から電流を取得するか又は上記分配回路に電流を供給するように上記負荷コントローラを構成するステップとを含み、
上記負荷制御曲線は、
上記負荷コントローラの電流取得又は供給を時間の関数として指定し、
少なくとも2つの電流セットポイントを含み、
上記少なくとも2つの電流セットポイント間の遷移であって、1つ又は複数の予め決められた最大ランプレート振幅以下の振幅を有する指定されたランプレートを有する遷移を含む、
負荷システム。
【請求項2】
上記負荷コントローラはDC/AC電力変換器を備える、
請求項1記載のシステム。
【請求項3】
上記振幅はRMS振幅を含み、
上記負荷コントローラは、上記分配回路から交流電流を取得するか又は上記分配回路からに交流電流を供給するように構成される、
請求項1記載のシステム。
【請求項4】
上記負荷コントローラは、照明装置、加熱、換気、又は空調装置、バッテリー充電装置、又は、機器に含まれる、
請求項1記載のシステム。
【請求項5】
上記システムはエネルギー貯蔵装置をさらに備え、
上記負荷制御曲線は、上記エネルギー貯蔵装置から受信された充電情報と、負荷の電流取得とに少なくとも部分的に基づいて決定される、
請求項1記載のシステム。
【請求項6】
上記負荷制御曲線は、上記負荷の現在の電流取得から独立している、
請求項5記載のシステム。
【請求項7】
上記負荷制御曲線は、上記エネルギー貯蔵装置の予測された充電レベルを、指定された未来の時点において、指定された値にさせるように構成される、
請求項5記載のシステム。
【請求項8】
上記負荷制御曲線は、上記エネルギー貯蔵装置の予測された充電レベルを、完全に充電されたレベルよりも低くかつ完全に放電されたレベルよりも高く維持するように構成される、
請求項5記載のシステム。
【請求項9】
上記動作は、上記分配回路に接続された供給コントローラと通信することをさらに含む、
請求項1記載のシステム。
【請求項10】
上記通信は上記負荷制御曲線を指定する、
請求項9記載のシステム。
【請求項11】
上記供給コントローラと通信することは、上記分配回路から取得されるか又は上記分配回路に供給される電流に対して、1つ又は複数の振幅増大又は振幅減少する電流パルスを課すように上記負荷コントローラを構成することを含む、
請求項9記載のシステム。
【請求項12】
各電流パルスの振幅変化レートは、上記1つ又は複数の予め決められた最大ランプレート振幅のうちの任意のものより10~100倍遅い、
請求項11記載のシステム。
【請求項13】
上記動作は、上記分配回路に接続された供給コントローラから、割り当てられた優先度を受信することをさらに含み、
上記負荷制御曲線は、上記割り当てられた優先度に少なくとも部分的に基づいて決定される、
請求項1記載のシステム。
【請求項14】
上記負荷システムは分離システムを備え、
上記動作は、
上記分配回路の非活性化を検出することと、
上記非活性化に応答して上記負荷システムを上記分配回路から分離することと、
上記分配回路の再活性化を検出することと、
上記再活性化に応答して上記分配回路からの上記負荷システムの分離を停止することとをさらに含む、
請求項1記載のシステム。
【請求項15】
少なくとも1つのプロセッサ及びコンピュータ可読媒体を備える供給システムであって、
上記コンピュータ可読媒体は、上記少なくとも1つのプロセッサによって実行されたときに、上記供給システムに下記のステップを含む動作を実行させる第1の命令を含み、上記動作は、
分配回路から取得される電流又は上記分配回路に供給される電流を時間の関数として指定する負荷制御曲線を決定するステップと、
上記分配回路から取得される現在の電流又は上記分配回路に供給される現在の電流を上記負荷制御曲線に対して比較すること、又は、上記分配回路から取得される現在の電流又は上記分配回路に供給される現在の電流を予め決められた最大ランプ振幅に対して比較することによって、上記分配回路に関連付けられた故障を検出するステップと、
上記故障を解消するステップとを含む、
供給システム。
【請求項16】
上記故障を検出することは、上記現在の電流を上記負荷制御曲線に対して比較することを含む、
請求項15記載のシステム。
【請求項17】
上記現在の電流を上記負荷制御曲線に対して比較することは、上記負荷制御曲線のランプレートを、上記分配回路から取得される現在の電流又は上記分配回路に供給される現在の電流のランプレートに対して比較することを含む、
請求項16記載のシステム。
【請求項18】
上記現在の電流を上記負荷制御曲線に対して比較することは、上記現在の電流及び上記負荷制御曲線の間の差がしきい値を越えると決定することを含む、
請求項16記載のシステム。
【請求項19】
上記現在の電流を上記負荷制御曲線に対して比較することは、上記現在の電流の形状を上記負荷制御曲線の形状に対して比較することを含む、
請求項16記載のシステム。
【請求項20】
上記供給システムは保護装置をさらに備え、
上記故障を解消することは、上記保護装置を用いて、上記分配回路を上記供給システムから切断することを含む、
請求項15記載のシステム。
【請求項21】
上記保護装置は半導体スイッチ又はリレーである、
請求項20記載のシステム。
【請求項22】
上記故障を解消することは、上記分配回路から少なくとも1つの負荷制御システムを分離する第2の命令を、上記少なくとも1つの負荷制御システムに提供することを含む、
請求項15記載のシステム。
【請求項23】
上記第2の命令を提供することは、振幅増大するか又は振幅減少する1つ又は複数の電圧パルスを上記分配回路に対して課すことを含む、
請求項22記載のシステム。
【請求項24】
上記1つ又は複数の電圧パルスは、装置をオンすること、装置をオフすること、上記供給システムに装置を接続すること、又は上記供給システムから装置を切断することに関連付けられた過渡状態から識別可能である、
請求項23記載のシステム。
【請求項25】
上記動作は、上記分配回路に接続された1つ又は複数の負荷制御システムのそれぞれが、上記供給システムからの追加電流をいつ要求可能になるかを指定することをさらに含む、
請求項15記載のシステム。
【請求項26】
上記供給システムは、貯蔵コントローラと、エネルギー貯蔵装置とをさらに備え、
上記貯蔵コントローラは、少なくとも部分的に、上記エネルギー貯蔵装置から電流を取得するか又は上記エネルギー貯蔵装置に電流を供給するように構成される、
請求項15記載のシステム。
【外国語明細書】